無理な恋愛関係より心と体に優しい友達関係なのです。(綾瀬はるか)
部長(藤木直人)が会社で蛍(綾瀬)を会議室に監禁した復讐として蛍が部長を風呂場(の脱衣所らしきところ)に閉じ込める。ここで「ガラス越し」のキスのパロディーがある。これが、「間接キス」と「ホッペにチュー」の合わせワザなので、「セカチュー」を思い出したシャブリさんとか、ま、ある程度連想力がないと「キス」のバリエーションであると気がつかない人も多いだろう。
テンメイ様に「ホタルノヒカリ」→「卒業式の定番ソング」→「卒業」から「最終回」を「マコト(加藤和樹)と蛍の結婚式に部長が乗り込み花嫁強奪」というとんでもラスト(大体上司である部長は最初から出席しているし)を予言した手前、かすかな手がかりも見落とすことはできない。それが手のひらの中の淡いホタルの光でもだ。
ここで部長の潜在意識(あるいは無意識あるいは隠された本音)は蛍の愛を求めているのである。「どの口だ」「こんな口」というパタリロレベルの応対でオバQ口をしながら「蛍・・・オレとキスしてくれ・・・」と思ういやらしくも美しい中年男性。ここで蛍が答えれば久我美子(他に例はないのかっ)である。しかし、蛍は当然答えない。・・・しかし、蛍の潜在意識は部長の愛に気がつき、愛を受け入れてもいいと思っている部分がある。だから、頬を差し出すのである。けして、変顔を見せるためにガラスに顔を押し付けたのではないのだ。しかし、さすがに部長には差し出された頬に口付けすることはできない。プライドが高いのである。せめて「唇を差し出さんかっ」と腹立たしいのである。
結果、「ガラス越しのキッス」「頬に唇づけ」「時間差間接キス」という非常に遠い遠い遠いキスになったのである。「キスのようなもの」の表現としてこれ以上遠まわしの例を考えてみたくなる「愛に破れたもの」二人の愛情表現なのだった。
で、『ホタルノヒカリ・第五話』(日本テレビ070808PM10~)原作・ひうらさとる、脚本・水橋文美江、演出・茂山佳則を見た。また、少し視聴率が下がった。もちろん、最大の理由はサッカー中継の後遺症だと思うが、ドラマそのものの水準を考えると、「配役に沿ったアレンジが鼻につき進行が遅い」という要因が考えられる。キッドの予言するオチはさておき、主人公が久しぶりの恋愛にオタオタする・・・という原作のテイストを考えると「恋愛前のオタオタ」に時間とりすぎなのである。だってもう第五回だよ。来週、ようやくデートなのだが、これが第三回でよかった気がする。ようするに倍速で見たいような進行状況である。
恋愛ものが受けない・・・という自信のなさはこのドラマのテーマにも関係してくるが、「セカチュー」「電車男」「結婚できない男」と夏ドラマの主流は「恋愛ドラマ」なのである。ステキな恋愛を見せようとする創意工夫が不足しているから弱気になるのだ。このドラマはそういう意味で当落線上を彷徨っている。主役二人(蛍と部長だ)とそのほかの人々とのキャラクターの魅力の落差が大きいのである。特にステキ女子(国仲涼子)はみんなそう思っていると思うが「無理強い」が過ぎるだろう。とてもまともな着地点があるとは思えない。・・・あったらすみません。滅相もございません。ごめんなちゃい。
さ、ま、それはそれとして「愛しているけどさようなら」というマコトからのシュールな電話を受け取った蛍。即刻、支離滅裂な言動を開始。うろたえるなっ。・・・といってもうろたえます。部長に胸の内を打ちあけたい蛍。このあたりは擬似家族感覚である。「ファースト・キス」のワザとらしい伊藤・井上兄妹よりも、なんだか、ナチュラルな感じさえする部長・蛍の擬似兄妹なのであった。
しかし、もちろん訴えられない。そこでブログに書こうとする蛍。ブロガーじゃなかった・・・ギリギリのネタだけど綾瀬が勢いでカバー・・・掲示板に書き込もうとする蛍・・・ここで実況が激しく熱狂・・・匿名でも書けない恥ずかしさだった・・・そして蛍は現実逃避体勢へ移行。・・・カオナシ女である。
ま、日テレだけに顔面パック女をあえてカオナシ女呼ばわりである。ピンとこない人のためにもう少し大きな黒いタオルを頭にかけておけばよかったのに・・・。どこか別の世界からやってきた己をもたず、言葉をもたない動物図鑑的に分類不能の存在。カオナシ・・・蛍の進化は止まらないのだった。
この後は「自分を好きな人に自分も好きなのに好きと言えない」・・・どこまでへたれなのかっ。干物女的葛藤が続く。三度目の結婚をする新婦に無理矢理招かれた蛍は部長のスピーチにさえ「なにが、ニーチェだよっ、なにがマレーネ・ディートリッヒだよっ」と毒づくのであり変な外人と変な恋愛をしている山田(板谷由夏)の残した変な言葉に「本を読むように恋愛するなんてわからない」とマコトとの鸚鵡返しにひたり「ビバ、困難な恋愛より安楽な交友」などと自分を偽るのだった。
一方、部長は二ツ木(安田顕)から「奥さんには男がいるだよぉ。お前もオレも知ってるあの男だよぉ・・・」と非常に聞きたくない言葉を聞かされるのだった。
まあな、別れには二つの理由しかないし、それは「顔も見たくないほど嫌いになった」か「他に好きな人が出来た」かだし、どちらの理由も嫌だもんだし、場合によっては両方だったりするし、間男には二通りのタイプしかないし、「知っている男」だったり、「知らない男だったり」するわけだし、「知っている男」だと「あ、あの野郎が、オレの女をくそっぶっ殺してやりたいっ」だし、「知らない男」だと「ど、どこのどいつが、オレの女をくそっぶっ殺してやりたいっ」なのであって、どっちにしても嫌だもんなのであって、実際にぶっ殺す確率が高いのは知っている相手のような気もするが知らない相手も情がからまない分殺しやすいかもしれず・・・ま、殺したいと思ってもなかなか殺せないものですが、間男諸君はあくまで殺されるようなことをしているんだという自覚をもって間男行動してください。キッドがもしそんな目にあったらいつか絶対にぶっ殺すと考えますし・・・。間男め~。
・・・ああ、とにかく、部長はそれほどに切ない地獄を抱えながら・・・蛍の恋を応援するという・・・いい人です・・いい上司・・・いい同居人です・・・キッドが女なら抱かれても構いませんよぉ。きっと二ツ木もそう思っているよ。
ともかく、「マコトが君を好きで・・・君がマコトを好きで・・・なんでうまくいかないっ?」と部長には不可解な若者たちの世界。とにかく「悲しみを抱えた男は時にはとても優しくふるまうことがある・・・きっと悲しみはもう足りてる・・・と思うからだろう」的なアドバイス。「思いは言葉にしなければ相手には伝わらない・・・好きなら好きと言いなさい」なのであった。
そして熊の木彫りに守護されなかった恋愛の神様・二ツ木の会議室・鍵閉めというやや、無理目のシチュエーション・・・しらける人はここでしらけるよな・・・はさておき・・・「マコトくんが好きっ」とマコトくんに告白する蛍。マコト「・・・電話します」・・・なんでだよぉぉぉ、その場で言えよぉぉぉ。つづくかよぉぉぉ。「告白したっ」という蛍にムカッとする部長。もちろん、潜在意識では嫉妬だが表層意識では「ジャージのポケットなぜさらしとんのじゃーっ」なのだった。まね。洗濯するときは裏返すけどね。そのまんまだとなんだよね。
関連するキッドのブログ『第四話のレビュー』
時は流れた。堕ちるところまで堕ち果てたかっての天使たちは地獄の門の果てに彼らの結界を作り、ようやく一息をついた。地獄の宮殿に魔王は仮の玉座を設け、彼に従ったものたちと今後について会議を始めた。
勇者モーロックは勇ましく云った。「今や、我らの傷も癒えた。敗北を知った我らは今や、より強くなったと云える。地獄の黒い炎を手に青白き雷の使い手に復讐を挑む時はいたれり。わが主、サターン。いざ、号令を」
・・・続いて優雅なベリアルが華麗に云った。「もちろん、再戦を挑むことは自明の理・・・しかし、時の経過とともにあらゆる事情というものは移り変わるものでございます。我らが墜落し墜落し果てこの地に落ち着く間にも時は流れすぎた。その間の世界の変化を見極めることが肝要と存知奉ります」
・・・さらに落ち着き払ったマンモンが云った。「かって我らは挑み、そして充分な結果を得た。何よりも属するもののない自由。この得がたき無法の世界。我らはすでにこの地を世界となし、この地に根を張り、この地に翼を拡げている。もとより、復讐の件は逃れがたきこと。あの傲慢なものに思い知らせることは避けられぬ道ではございます。しかし、今、しばらくはこの地にてさらなる力を養い必勝を期すことが大事と愚考仕る」
・・・主戦論者、中立派、厭戦家・・・堕ちた天使たちは口々に魔王に意見を具申した。最後に魔王が口を開いた。「我自らが偵察に出向かんとす・・・なぜなら地獄の門を突破する実力が備わるものは・・・我のみと思うゆえである」かくて魔王は地獄の門へと飛翔を始めたのである。(ミルトン「失楽園」より)
金曜日に見る予定のテレビ『山田太郎ものがたり』(TBSテレビ)『スシ王子』(テレビ朝日)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
ごっこガーデン・部長の家・縁側セット。お気楽社長「なんだか、面白かったのね。だから、長めになっています」翠「ikasama4先生、翠も翠もちょんまげ~」ikasama4「じいやが加工してくれるのでは・・・女シリーズも描かなきゃならないし・・・ジブリが叱りにくるかもしれないし・・・私もちょんまげしたいし」干物アンナ「じいや~、アタリメきれた~」干物エリ「干物れば昔くつろぎ今ささやき・・・字あまり・・・高野の妻はちょっとしたたか・・・短歌か」
縁側セット2。干物まこ「フジッキーといえども・・・ダメなのデス。あんな唇べちょおおおん。してはイケマセン。なんてことするんデスかぁぁぁぁ」みのむし「私は抱き枕じゃありませんけどーっ。まー、フジッキーのお膝で抱っこはーっ。これはこれでーっ。るるる・・・」
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コメント
この笑い、いいですねぇ。
魔夜峰央の作品を結構持ってた自分としては
あー言えばこう言う斬り返しの早いテンポが
ツボにはまりますね。
最終回の展開はこの水曜枠から察すると
毎度毎度の恒例のようになんか余韻を残したよーな
感じになるよーな気がしますねぇ。
たしかに今回は
優華もそうですが神宮司の存在すら
かすんできてる気がします。
というか
蛍と高野部長のキャラが濃すぎる気がするんですけどね。
最近スピンオフでそういう部分の
穴埋めをしてるよーな気もします。
こないだ、みょうがの芯様も干物希望してたんで
来週には翠さんのと合わせてUPしてみましょう。
さて、今度のTシャツの顔は誰にしよっかなぁ~。
それにしてもここでカオナシが出てくるとは
24時間でも意識したんでしょうか。
色々伏線を作ってくる日テレとしては自局ネタを絡ませてきますねぇ。
おぉ、既にジブリからの刺客がΣ(゚д゚ノ)ノ
こちらも伊予の狸軍団で応戦・・・なぬっ!
狸共が寝返った!!Σ(゚д゚ノ)ノ!!
やつらジブリが送った間者であったかぁ~・・・ぐふっ
投稿: ikasama4 | 2007年8月10日 (金) 00時52分
✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥
やっぱりなんとなく魔夜峰央ですよねーっ。
こーゆー口っ。
これはもうズバリです。
こーゆー耳っ。
とかもお願いしたいほどです。
ついに今回はよっこいしょーたろーに
なってましたしね。
知っててやってる感じがとても強いです。
そこですっ。
どこだ?
というのも欲しいな・・・。
キャラ設定のやりすぎというか
ムダというか
本質からずれたところ
というのはガッカリさせる基本でもあります。
キッドはスピンオフはあくまでスピンオフ
本編はずさないでくれ~と思いますね。
バンビの時はスレスレでしたが・・・。
今回は本編は傑作になりかかっているのに
もったいない気がします。
ふふふ、干物女・・・みんななりたがってますね。
Tシャツもワンポイントデザインが楽しいです。
こういうお遊びはファンダムならではですものね。
カオナシはまあ、コネタとしては
かなりハイブロウのような気もするし
自己満足のような気もする微妙なところです。
忍者路線に持っていくところ・・・。
中々に魔夜さんに
影響されていますなーっ。
私たちも・・・ほーっほほほ。
ホタルノヒカリから
ミルトンに行ってしまうあたりも
ま、魔夜さんっぽいといえば
魔夜さんっぽいしなーっ。
そういえばそうだったのか・・・。
投稿: キッド | 2007年8月10日 (金) 02時31分
こんにちは。また徹夜ですけど、仕事が主たる原因。
今回、記事はわりとスラスラ書けました。
今までで一番良かったと思います☆
これで視聴率が取れないんなら、視聴率の方が悪い。
なんて言い訳は制作サイドは出来ないんでしょうけどネ(^^ゞ
時間差間接キスね。なるほど。
ただ、遠まわしってのは主に形式上の問題でしょう。
実質的には、露骨な愛情表現の交換になってます。
原作と比べて進行が遅いのは確かで、それはやっぱり、
マコトより高野寄りに作ったせいでしょう。
ステキ女子は、原作でもあんましステキって感じは
しませんし、言葉の人気も出来もイマイチ。
まともな着地点はないでしょうが、枝葉の問題だと思います。
あれ、ブロガーはギリギリですか。僕はウケましたよ。
見え見えの一人ボケ突っ込みでも笑えました♪
マレーネ・ディートリッヒって、わざとですよネ ^^
何なんだ!この間男攻撃♪ さては。。
二ツ木は抱かれる側ですかね。高野なら、交替もアリかも。
無理目のシチュエーションは、このドラマだとOKでしょ。
まあでも一般的には、焦点が絞れない変なドラマって感じかも。
そのまま最後までいくでしょう。僕の予想が正しければ♪
失楽園、登場キャラが多すぎて対応付けできませんよ(^^ゞ
悪魔2人とそれ以外1人とかにはなりませんかネ♪☆彡
投稿: テンメイ | 2007年8月10日 (金) 11時12分
○-○)))テンメイ様、いらっしゃいませ。○-○)))
東京は記録的な猛暑・・・12年ぶりくらいだそうです。
もううだっています。
視聴率はまあ・・・とれない要因も分かるし
もう少し取ってもいいのに
と思います。
ま、記録よりも記憶に残る作品になるかどうかは
フジッキーしだいかな。
キッドとしては部長と蛍の
刺激的なハッピーエンドを
予言しましたので
もう覚悟を決めています。
他のメンバーはそのために
捨て駒として機能すれば問題なし。
ヒトリゴトをいいながら
自分でボケて自分でつっこむ場合、
本当は「ブログなんてやってないのに
そもそもどうしてブログに
書こうなんて思ったんだ」
というのが正確なツッコミ。
「プログなんてやってないし」
ではツッコミになっていないのです。
ま、細かい話ですけどね。
グレタ・ガルボとくれば
マレーネ・ディートリッヒ。
ツーといえぱカーです(死語)
ハリウッドを代表する美女二人ですが
グレタ・ガルボ(1905-1990スウェーデン)
マレーネ・ディートリッヒ(1901-1992ドイツ)
ヨーロッパ生まれの二人の美女でございます。
美女伝説はガルボの方が上で36才で隠遁。生涯独身。
ディートリッヒは78才で引退するまで現役。夫と娘あり。
これでは神秘性には差がでますね。
しかし、彼女たちが美女と呼ばれたのは30代間際。
ディートリッヒは30才で「モロッコ」
グレタ・ガルボも30才で「アンナ・カレニナ」
があります。
もっともピチピチの頃はピチピチの頃で
もうとんでもないセクシーがあるわけですが
まあ、ハリウッドで栄光を手にするのは
シンデレラガールばかりではないという見本ですね。
下積みとキャリアがものをいった二人でもあります。
ま、こういう美女を相手にするとき・・・
男は間男を覚悟する必要があるという話です。
間男が狙うほどの美女を一度は手にした
喜びで自分を慰めるというのも一つの手ですから・・・。
キッドは違いますよーッ。
失楽園は悪魔と天使の図鑑のような文芸ですからね・・・。
ま、基本的には神=愛
サタン=愛に挑み愛に裏切られた男
アダムとイヴ=神と悪魔の抗争に巻き込まれた市民です。
もちろん、アダムは部長、イヴは蛍。
キッドの予想に反して
淋しげなハッピーエンドを迎えた場合の
安全策と考えています。
ま、仕上げをご覧アレってとこでございます。
投稿: キッド | 2007年8月10日 (金) 19時56分
残暑お見舞い申し上げます!
猛暑が続いています。体調にはくれぐれも気をつけてくださいね♪
蛍は、マコトさんと上手くデートできるのでしょうか?
心配・・・。
投稿: みょうがの芯 | 2007年8月11日 (土) 08時23分
♡♡♡♥♥♥みょうがの芯様いらっしゃいませ♡♡♡♥♥♥
残暑見舞い申し上げます。
キッドは夏が大好き・・・。
それは裸でいられるから・・・。
なのでございますが・・・じいやは
さすがに暑さがこたえます。
クーラー苦手→すぐに頭痛がする
→鎮痛剤のイヴを飲む→朦朧とする
のでクーラーを控え目にすると
暑い→朦朧とする
ので朦朧からは逃れられません。
来週はホタルとマコトのデート。
男と女は失敗するから味があるのでございます。
かっこいいデートなんて・・・。
夢の世界。
避妊に失敗すればサエコとダルビッシュ。
それはそれで幸せなのですからーっ。
ああ。待望のドジドジドライブでございますよ~。
みょ~んなのデス。
投稿: キッド | 2007年8月12日 (日) 17時03分