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2007年9月30日 (日)

おじいさん先生はミラクルさんだったのかもしれませんね・・・。(松本莉緒)

どんどんキワモノ化していくこのワク・・・ここが極みかと思っていたが次の「ハリ系」も・・・際どいな。

ま、キワモノにもそれなりにエサはある・・・ま、キワモノが好きだーっ・・・という人は置いといてキッドの場合はマドンナ先生の松本莉緒なのだが・・・他にもきたろうとか柳沢慎吾とか荒川良々とか・・・結局・・・キワモノかっ。

ま、企画・大人計画が好き・・・とか、五月女ケイ子が好き・・・という人もいるだろし、まあ、何を好きになろうと自由だからな。

で、『おじいさん先生・熱闘篇・最終回』(日本テレビ070930AM0120~)脚本・細川徹、演出・大宮エリー(他)を見た。このワクは黄金の舌というワクをアイドル捏造番組と合わせて構成していたのだが終了するらしい。まあ、際どいものとしては長続きしたかな。

最終回で88才を迎えるおじいさん先生(ピエール瀧)が毎回、半死半生になりながら、学園生活を盛り上げていくという・・・ま・・・どうでもいい話である。人間の老衰とか耄碌には個人差があるわけだが・・・尊厳死肯定派のキッドとしては・・・ギリギリ、セーフの老人として描かれるおじいさん先生。ピエール瀧はインチキな老いを演じて・・・そのいかがわしさが鼻につく人にはつくだろうが・・・許せる人にはそこそこ面白いと思う。

おじいさんは毎回死に掛かり、その度に天国の改札口を通過しかけるが、寸止めで生き返る。最終回はバースデーケーキのローソクを吹き消そうとして昇天モードに。天国では先立ったおばあさんが送迎するのだが・・・このおばあさんが正体不明なのである。最終回は遠山景織子がゲストだった。

ま、今回、キッドは第四話「おじいさん打法」をピックアップしておく。

悪の巣窟であるエンペラー学園(定年とは無関係におじいさん先生が勤務)とコブラ工業高校との恒例の野球大会のシーズンである。過去、15年続く乱闘による没収試合の続くこの行事。やくざのようなコブラの校長が去り、校長(きたろう)と教頭先生(柳沢)のコンビは野球の監督を職員室で募る。

もちろん、立候補するものはいない。そこへおじいさん先生がお茶をお盆に乗せて登場。教頭が「野球はお好きですか?」と問うとすかさず相撲のポーズをとるおじいさん先生。お茶が撒き散らされ周囲の先生方はアッチッチの状態に。

こうして例によって難題を押し付けられたおじいさん先生に何故か好意をよせるマドンナ先生は「私はコーチになりますっ」

・・・ま、こういう調子である。

お約束としては用務員のおばさん(五月女ケイ子)が「おじいさんは欽ちゃん球団のようなおじいさん球団を作るのか」などというほぼ脈絡のない会話を交わす。

不良生徒の一人・西寺背番号4444(荒川)の回想・・・実は彼は子供の頃から野球が好きで坊主頭にしているのは高校球児へのオマージュだった・・・このためにこの後のおじいさんの行動は彼によって極端に美化されるのである。

バッドにクギをうちこみ、ボールに爆弾をしかけるエンペラー学園の生徒たち・・・西寺は「逆に野球をやったら面白いんじゃないか・・・」と無意味な提案をするが・・・相手の投手は投石である。

しかし・・・なんとなく野球っぽくなってきてリーダー仲手川(ジェイ・ウエスト)などが出塁。ノーアウト一塁二塁に・・・。ここでバッターは教頭先生だが・・・柳沢慎吾の甲子園芸を披露して仮病退場。ピンチヒッターはおじいさん先生だ。

バッターボックスに立ったおじいさんは昇天・・・三途の川には謎のばあさん(片桐はいり)がいて名乗らない・・・しかし、濃厚キスはする・・・橋をわたりかけたじいさんだが・・・何故かばあさんが地雷を仕掛けているのであげた足をおろしてはいけない・・・という絶体絶命に・・・もう理論立て考えてはいけません・・・切羽詰ったじいさんは息を吹き返し・・・片足を着地、そこにボールが来て、イチローの振り子打法となり・・・ホームランである・・・ありえないと言ってはいけません・・・。

「かっこいい」・・・西寺はふつうのバットを握る。おじいさん先生の雄姿に敵の投手も石をボールに持ち替える。

こうして・・・試合はまともに終了しマドンナ先生は「君に似た花を見つけた」とメールしてくる婚約者・桜井(松岡俊介)よりもおじいさん先生にお熱になっていく・・・。おじいさん先生はマドンナに膝枕をしてもらえるのだった。

「けんか野球しかしらない生徒たちに本当の野球のかっこよさを教えたんですね・・・」

毎回・・・こんな感じである。そして予告編は毎回実在のじいさんの語りだった。ま、キッドには感想はあまりないのだった。DVDで稼ぐ気満々だろうから・・・結末は特別にヒミツにしておく。ほのぼのエンディングテーマを聞けば・・・きっとおじいさん先生を思い出すだろう・・・ナレーションはミラクルさんではなくて松尾スズキであった。

関連するキッドのブログ『木更津キャッツアイ

月曜日に見る予定のテレビ『ちりとてちん』(NHK総合)『バットマン リターンズ』(日本テレビ)

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2007年9月29日 (土)

オレザクじゃなくてオレ悪霊。(北村一輝)オレ・・・一休さん・・・かよっ。(須賀健太)親指咥えさせたら日本一。(吉田里琴)

とんでもない流れだったな・・・どうしようかと思ったが・・・『花田少年史 幽霊と秘密のトンネル』(日本テレビ)、『未来遊園地・幽霊少女と観覧車』(テレビ朝日)、『火星から来た蜘蛛の群れとグラマラス・エンジェル』(フジテレビ)という流れで一応レビューしてみる。

ま、メインは「花田」になるけどね。師匠がN氏の追悼文を書いているので関係者は・・・こちらへ

とにかく・・・こちらの歴史はまだ流れているのです。

で、『花田少年史 幽霊と秘密のトンネル(2006年度作品)』(日本テレビ070928PM0903~)原作・一色まこと、脚本・大森寿美男、監督・水田信生を見た。大河ドラマでなかなかに意表をつく展開を見せる脚本家と日本テレビのベテラン演出家(「恋のバカンス」「ぼくの魔法使い」など)のカップリングで綴る幽霊譚である。そこそこ、原作を無視して須賀健太の魅力をあますところなく伝えている。特にポイントはやや長髪の須賀健太を見せておき・・・誰?・・・と思わせておき、交通事故、頭部手術・・・坊主頭という展開・・・そんなところかよっ。

さて、花田少年ははっきり死亡したのにむっくり起き上がる・・・これは「演歌の女王」でオマージュされており、医師(濱田マリ)のボジションは医師(半海一晃)がやっていたのだが・・・ま、誰も気がつかないよな。映画では事故現場の警官(半海)だった。

結構、練りこまれた因縁話である。

新宿で路上シンガーをしていた寿枝(篠原涼子)、そして彼女は妾腹の子だが、祖父は莫大な遺産を残して死ぬ。その遺産を狙って接近したのが沢井弁護士(北村一輝)・・・。彼の娘が香取聖子(吉田里琴/安藤希)である。養育を放棄した沢井に代わって聖子と一時を過ごした寿枝と花田大路郎の間に愛が芽生え・・・二人は花田の故郷で結婚・・・聖子は沢井が引き取るが聖子は病死・・・沢井は借金取りに暴行され死亡。

悪霊となった沢井は花田家にとりつくのであった。そしてその呪いを幽霊なのに成長する聖子が守護していたのである。冒頭でトラックの運転手(六平直政)に聖子が悪戯をしたために花田少年が事故に逢うのは一見・・・矛盾しているのだが、残留思念としての聖子が善なる存在ではないことを暗示している。彼女もまた怨念なのである。

しかし、霊的存在となった花田少年と過ごすうちに聖子は「幸せの記憶」を取り戻し・・・そして最後は父娘対決するのである。このあたりの霊的葛藤はかなりわかりにくい。なぜ・・・聖子が「父とともに地獄に落ちるのか」・・・不思議に思う人はいるだろう。

善悪が彼岸の向こうでは交錯していることを念頭に置かねばならないだろう。生きるものは死せるものの「悲しみ」を受けてこそ善行を選択することができるという主題なのだ。キッドはそういう考え方は理解できるが・・・一般人には伝わらないと考える。

さて、花田家と親交のある村上家。母子家庭である。母(中島ひろ子)、息子・壮太(松田昴大)・・・そして亡き父親(杉本哲太)である。漁師となった大路郎は村上・父と嵐の夜に漁に出て・・・一人生き残り、タクシーの運転手になった。

村上・母は市村氏(小林隆)との再婚を考えている。市村の娘・桂(鬼頭歌乃)は花田少年のライバルだが・・・お決まりの継母との葛藤のエピソードがある。村上・母はハムカツ作ってやればいいのに・・・ハムカツ好きな人は本当に好きだからな。

原作は幽霊の見えるようになった花田少年が様々な幽霊の依頼を引き受けるという展開なのだが、今回、唯一ピックアップされたエビソードは「飼い犬に思いを残して死んだ吉川のばあちゃん」(もたいまさこ)・・・最後は花田少年・聖子チームに助っ人として参加・・・生前は海女だったらしく・・・蛸壺からタコを再現なく繰り出して悪霊を攻撃する。

さあ、オレザク・・・ではなくて・・・悪霊・沢井・・・ついに娘の心に打たれて地獄に落ちる決心をするのである。

あの世では善も悪もなく・・・やがて輪廻転生して再会することもある・・・生死の境をさまよう花田少年にはそれがわかっているので・・・最後はため息で終る・・・このため息もなかなかに理解されにくい・・・とキッドは思うのだった。

関連するキッドのブログ『学校の怪談』『学校の怪談2』『学校の怪談3』『学校の怪談4

で、『ドラマスペシャル・未来遊園地・幽霊少女と観覧車』(テレビ朝日070928PM1115~)脚本・朝倉寛、演出・常廣丈太を見た。連続・幽霊譚であり、幽霊が生前最後の姿ではないという変化球の連打でもある。こちらは主人公・達也(田中直樹)の母(松永京子)の幽霊が中学生の姿(夏未エレナ)で登場する。なんとなく松永と夏未が相似しているのでオチは最初からわかっている展開。

子供の頃、遊園地の経営に夢中で育児放棄されていたことを大人になってもずっと怨んでいた達也・・・まあ、達也はそう思い込んでいた・・・母親が急死して借金まみれの遊園地の経営を引き継ぐことになる。投資会社に勤務していた達也はイヤイヤ引き受けたのだが、人生に絶えず後ろ向きな姿勢がたたり、投資会社もクビになってしまう。ついでに交際中の女子アナ(ちすん)にも中途半端な姿勢で険悪なムードに・・・。そんな、達也の前に現れる母親の幽霊・中学生ヴァージョン。

どうしてもココリコ・ミラクルタイプのコントを連想するのでなかなか、終らずにイラッとするところもあるが・・・マイホームパパの借金取り(東幹久)とか、正体バレバレで従業員のサンプラザ・中野とか、思い込みの強い片瀬那奈とか、まあ、ワキがそこそこしめてなんとかほのぼのエンディングへ・・・「子供の時来て、恋人と来て、親子で来て、孫で来る・・・そんな場所に」という願いはディズニーランドのコンセプトで弱小遊園地をなぎ倒しましたが・・・それが何か・・・まあ、アトラクション作者としては閻魔様の前で・・・ボクは少なくとも何人かの家族を幸せにしたと思います・・・と主張するつもりのキッドである。

夏未エレナは堀北真希の妹というコンセプトなのだが・・・中学生なのにもはや姉・・・になっているのでは・・・と思うのはキッドだけではないはずだ。

関連するキッドのブログ『彼女との正しい遊び方』(脚本・朝倉寛)

で、『火星から来た蜘蛛の群れとグラマラス エンジェル』(フジテレビ・070929AM0135~)脚本・山崎淳也、演出・永山耕三を見た。「ロンバケ」だの「ひと屋根」だの「ラブジェネ」だの一世を風靡したベテラン演出家と1990年のヤングシナリオ大賞脚本家のコラボによるほとんど舞台劇である。タイトルはデヴィッド・ボウイの『ジギー・スターダストとスパイダーズ・フロム・マーズの興亡』というコンセプト・アルバムからのイタダキである。

舞台となるのは登場人物たちが一同に会することのできるバー。まあ、一つの店である程度、生活環境も年齢も異なる飲み仲間がなんとなく仲間になって一時代を過ごす・・・そういうノリのよくある話だ。それぞれのメンバーの部屋が臨機応変に登場する。

登場人物はバイ・セクシュアルでスキルス性ガンで余命いくばくもない男(山崎樹範)、その愛人で劇団主催者でカミングアウトに悩むゲイ(内田滋)、ゲイとは知らず淫乱を怖れてオナニー一筋だったのに初めての肉体関係を持ってしまったライター(唐沢美帆)、その友人で不倫をやめさせてくれた恋人が結婚してくれないのを悩む女(吉瀬美智子)、その恋人で幼女誘拐拉致監禁暴行虐待殺害犯人の弟の殺害をライフワークとする男(松尾敏伸)、女子大生(鈴木蛍)、大学生(田中圭)である。

物語のピークはバイとゲイと淫乱娘の三角関係と淫乱娘の妊娠でピークを迎え、バイの死亡で幕となる。いつか・・・凶悪な弟(消息不明)を殺そうと決意しているので結婚できない男は結局、腰砕けになって結婚したい女と渡米する。

キッドは眼鏡=眼鏡なので結婚できない男とバイが兄弟なのだと推測するのだが・・・それは最後まで語られない。

つまり、この芝居の結論は「幼女誘拐拉致監禁暴行虐待殺害犯人」が野放しになっている・・・ということである・・・おいおい。

ま、退屈といえば退屈だが・・・芝居が好きな人にはそこそこ見せる舞台でした。

鈴木蛍はボーカルグループCASSIS(カシス)のメンバーHOTARUだが特に歌ったりはしない。

関連するキッドのブログ『電車男デラックス

日曜日に見る予定のテレビ『風林火山』(NHK総合)

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2007年9月28日 (金)

女王様とお呼びなさい・・・(怪物王女)・・・ふが・・・(フランドル)

ミャンマーでは取材中の日本人が射殺されて・・・まあ、キッドとしてはだからどうということもないのだが・・・人は人を殺すし・・・それが罪に問われる場合と問われない場合がある・・・ということは言っておきたい・・・力士が・・・稽古中に殺されて・・・この国だって・・・死因をウヤムヤにしようとしたりする・・・人々の心をしばるタブーが緩やかに解け出していることは間違いないだろう。

キッドの父の世代では「人が人を殺してはいけない」という暗黙の了解が成立していたのだが、キッドは基本的に「人は人を殺すことができる」という立場に立っている。そうでなければ「殺されないようにするにはどうすればいいのか」あるいは「殺さないようにするにはどうすればいいのか」という問題にとりくめないからだ。

たとえば「剣道」や「柔道」はスポーツである以前に武術や格闘技である。もちろん、武は威嚇による抑止力であり、「ムダな抵抗はやめ武器をすてて降伏せよ」という平和へのひとつの方便であるとしても、基本的には「殺す」ワザを磨くことに他ならないのである。

情報を道具と考えればそれは「武器」であり、カメラは武器に他ならない。武器を持って武器の前に立てば「殺される」可能性は高い。「平和国家」を掲げて、それを武器に世界に対峙する日本としてはこの犠牲をムダにすることはできないはずなのだが・・・はたして何がどう変わるのか・・・。

在日ミャンマー人に英雄と呼ばれた「彼」にとって世界は滅びたのだが・・・キッドは痛ましさに胸が疼く。

で、『怪物王女・最終回・番外編』(070928AM0155~)脚本・江夏由結、演出・横山広実を見た。藤子不二雄の『怪物くん』のパクリであるが、どちらかといえば実録・怪物くんの世界的なシリアス色の強い作品でしかもコメディーである。もはや、日本のコミック文化はかなりの深みになっている証拠と言える。しかも、この作品はバックにユニバーサル映画を控えているのである。それは怪物くんがユニバーサル映画のパクリであったことを考えると時の流れというかショー・ビジネスの変転を思わざるを得ない。キッドは半魚人が魚屋を襲撃する擬似ドキュメンタリーで台本にうっかり「ギルマン」と書いて著作権関係のお叱りを受けたことがあり・・・うらやましい。

まず、オープニングとエンディングが素晴らしい仕上がりで、来年のアニソン三昧(がもしあれば)どちらかがかかるといいと思うよ、特にED曲『跪いて足をお嘗め』(ALIPROJECT)は夏の女王様祭りの締めくくりに相応しい名曲だと思う・・・いつ、どこであったんだよ、そんな祭り・・・いつもキッドの心の闇でひっそりと・・・・。

さて、「怪物くん」が人間世界に遊びに来た怪物ランドの王子なのに対し、怪物王女(リリアーヌ姫)は王位継承者争いの渦中にある。「怪物くん」では人間のヒロシはともだちになるのだが、こちらの日郎(ヒロ)は王女の命を守って一度死ぬが蘇生して王女のゾンビ奴隷となる。わはは。わははははははははは。

・・・失礼しました。そしてドラキュラはセーラー服を着て嘉村令裡と名乗る学園のアイドルであり、王女の血を狙っていたり、狼男もリザ・ワイルドマンという半人半狼人というヘソ出しTシャツの女子で王女にもタメ口である。ここにも敬語撲滅の波は打ち寄せている。SM世界から敬語が消えるのは文化的損失だろうっ。

そのなかでフランケン(のモンスター)だけはフランドルという王女に忠実な人造人間で「ふが・・・」と言うのである。「ふんがー」より短縮されているが・・・一番、原点に近いキャラである。しかし・・・チビ(女童)でメイドなのだな。わはは。わははは。わはははははは。

・・・失礼しました。さて、主要キャラの女性化により、明らかにセクシー度を強調した本作なのだが、坂本弁護士殺害にかかわったドス黒い過去を持つくせに暴力・セックス描写に関してはもろ保守的でお高くとまったTBSテレビなので表現は抑制的である。しかし、擬似的には各所で素晴らしいセクスィ~を連発している。特にヒロに嘉村が校庭で跪いてチー(身だしなみを整えた音)は名場面と言える。

さて、王位継承をめぐり、抗争があったり、吸血鬼族が怪物王家の高貴な血を狙ったりの下克上バトルもまあまあ面白いのだが、最終回は一段落あっての番外編でほのぼのエピソードである。いつもなら・・・こういうスカシは否定するキッドだが怪物王女に関してはこちらの方が魅力倍増である。なぜなら、フガかわいいよフガ・・・だからである。

アニメ中アニメ「地獄に道連れ!ケルベロッテちゃん」の時間なのに様子のおかしいフランドル・・・。庭にドクロマークを描いている。かって「自我の芽生えた人造人間」がテーマの回があり・・・忠実なフランドルが反抗期に突入かっ・・・というミス・リードで物語は開始される。

ヒロが最初の犠牲者になるが、仲間たちは信用しない・・・続いてリザがナット・ガムの攻撃を受け、事態が明らかに。

王女の妹・シャーウッド姫の人造人間フランシスカにより、一度は確保されたフランドルだが、暴走はとまらず、愛用の赤い足こぎ車で街へ。

追跡するヒロとリザだが・・・善悪定かならぬフランドルはワル・モードで「いねむり運転のトラックを強制排除」「仔猫を助けようと木にのぼったまま降りられなくなった少女を樹木をなぎ倒して救助」「行員をワクテカさせる銀行強盗をぶっとばし」「ビル火災を消火栓のヒロによる破壊で消火」と善行をほどこしながら暴走する。

そしてついに原子力発電所に侵入。再び制御に乗り出したフランシスカを撃破。ヒロの涙の制止も振り払われる。しかし、フランドルは海へと向かう。

ここで王女が真相を明らかにする。「原因は不明だが、フランドルの自爆装置が作動した・・・一人で自爆するために海に来たようだ・・・」

そんな・・・と一同が見送るうちにフランドルは海へ・・・盛り上がる海面に・・・さよなら、フランドルっと涙を流す一同前に王女のお兄様の人造人間フランダース(造形と登場場所的にアトムのトルコのロボット力士ブランドーへのオマージュと推定)が出現。フランドルの頭のネジをひねる。正気をとりもどすフランドル。

お兄様曰く「人造人間はデリケートなものだ。取扱説明書はキチンと読まなければいけないよ」とタウンページ(厚め)のような取説をヒロに投げ渡すのだった・・・。「妹たちよ・・・今度会うときは・・・」と天丼のセリフを残して去るお兄様。

「地獄の門番の名において~強制送還ーっ」と地獄少女もどきアニメのベルベロッテに熱中するフランドル・・・「ふがっ」と最後のポーズに一部視聴者昇天である。

関連するキッドのブログ『涼宮ハルヒの憂鬱・最終回』(アニメ・レビュー・ツアー)

このワクは前ワクの「大きく振りかぶって」もなかなかの佳作・・・対人恐怖症のエースという高校野球ものだが・・・まあ・・・時代なのですな・・・この後は定番「逮捕しちゃうぞフルスロットル」と「Kanon」「AIR」に続くエロゲ三部作的な「CLANNAD」の二本立てである。なかなかに魅力的な木曜深夜アニメ枠であります。

日曜日(土曜深夜)に見る予定のテレビ『おじいさん先生・熱闘篇・最終回』(日本テレビ)

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2007年9月27日 (木)

この番組のおかげで小日向しえと結婚できました・・・ありがとうございます。(田中直樹)

福田沙紀がいたのだから・・・「ライフ」気取りをすればよかったのに・・・。

ウエットなのかドライなのかよくわからない終わりなのだが・・・まあ・・・どんな番組にしろ・・・死に際はこんなものなのだな。番組は生き物なので死ぬ時・・・残されたものはそれなりに悲しい。

多くの番組はあまり素顔をみせないものだが、六年半も続くとそれが化粧顔なのか、スッピンなのかは判断がつかなくなる。人の心はメモリーなので番組が人格の一部と化してしまうからだ。

キッドは「電車男」を題材とした夢のない男(電車男のありえなさを田中がやたらと長いセリフで語るコント)がかなり印象に残っている。総コントは1185(番組調べ)なので1個くらいは傑作があってもおかしくない。

で、『水10! ココリコミラクルタイプ最終回90分スペシャル』(フジテレビ・070926PM10~)構成・樋口卓治(他)、演出・金子傑を見た。基本は実話を基にした再現ドラマ(コント)と演技者たちのトークショーである。視聴者参加型のオーソドックスなスタイルであり、ここまで長寿になったのは演技者たちがはまったことと、ネットの普及によるライフスタイルの急速な変化、そして投稿スタイルそのものの変化ということがあげられる。

偶然にも改革政権としての小泉・安倍内閣の誕生と終焉とほぼ同じ寿命であり、そこそこ時代の空気が生んだ番組と言えるのかもしれない。

それについては考察も可能だが、牽強付会の域は出ないのでやめておく。

まあ、最終回に涙はウエットだが、ミラクルさん(ピエール瀧)とか、コニタンとか、加藤夏希とか、いないところがドライである。

「RELAX」(フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド)が流れ・・・SMチックな気分でミラクルタイプな最後のコントは始まるのである。今回は主要メンバーが過去コントのキャラをリクエスト、新作を贈るというスタイルになっている。キャストとスタッフの微妙なかけひきが楽しみどころだが・・・まあ・・・順当なのでしょうな。

ココリコ遠藤のリクエスト「ヅラONヅラ」・・・お笑いの基本はさげすみである。ボケと言う言葉が示すように劣ったものが笑いの対象となることはいうまでもない。当然、平等主義者にとっては許されざる思想に属する。しかし、博愛主義者としては「人の不幸を笑うもの」も愛さねばならず・・・そこがまたお笑いのポイントである。もちろん、ハゲやヅラはいつだって笑いの対象になり、そういう意味でボケとはいえないという考え方もある。もちろん、キッドはヅラなんかでは滅多なことでは笑わない。まあ、白の女王様(福田)がヅラの大スターに時代劇用のヅラをかぶせるにあたり、「前髪をずらしていただけますか・・・」と言うところでちょっと笑いました。

八嶋智人のリクエスト「やりすぎエキストラ」・・・業界コントである。もちろん、キッド的には今日もニコニコキントト映画まで遡ってしまう監督と助監督のコントのヴァリエーション。八嶋が面白いと思う人には面白いのかも。劇中劇の「山口紗弥加が恋人の庄司に兄妹だと告白」は最近、上戸とミッチーの失敗作を見たばかりなので無関係にボルテージがさがる。ま、そんなの関係ねぇ・・・かもしれません。こういう他人のギャグを消費するのはさんまさんやナイナイ岡村がある主、ひとつの遊びにしてしまったのだが・・・ギャラが派生する時代ではないのか・・・お前が言うかっ。

坂井真紀のリクエスト「特別な一日」・・・家族スケッチ風のコントは・・・まあ、息抜きとしてあってもいいのだが、微妙に長いかな・・・「ビール瓶を笛のように吹く女」は坂井の持ちキャラ・・・変な猿・・・としても楽しいのだが、姉と妹の衝突と和解というモチーフは・・・相当におしゃれにしないとね・・・。ま、一種の少子化ホラーとして見ればこわいことはこわい。

松下由樹のリクエスト「話し方教室~人と話すと悲しくなる女」・・・お笑いの基本はさげすみである。ボケと言う言葉が示すように劣ったものが笑いの対象となることはいうまでもない。で、それが精神に不自由な人の問題になると人の精神は不自由になりがちである。キッドは精神に不自由のない人はいないという考え方なので死刑囚はベルトコンベアーのように死刑にされるべきだと思うし、犯罪者の精神鑑定には意味がないと思う。謙譲な人も機知外も平等に刑に服すべきだと思う。だから、言葉遣いに問題のある人が笑われるのはちょっと楽しい。そしてちょっと悲しい。女の人と目が合うと、山手線駅名やアメリカ州名や高山名を語りだす男をココリコ田中が、実況風にしゃべる男を品川が、人よりも鳥を愛する男を大倉孝二が演ずる。オチは遠藤の「とにかくすわって」である。今なら、NOVAとか、相撲教室とかで同じことをやれば確実に問題になるな。「話し出すと悲しくなる」力士とか・・・州名を言い続ける英語講師とか・・・オチは遠藤がビール瓶で・・・。

ココリコ田中のリクエスト「ミラクルな宴」・・・ま、最初のフィナーレである。品川とリリー・フランキーが宴会の客(コントのおなじみのキャラ)を解説するというパターン。昨日のNEOのサラリーマンの王国と同系である。盆踊りの輪に混じるすだれ頭の目につく男(田中)に始まり、幸薄女(田中)、夢のない男(田中)と・・・まあ、田中がやはり面白かったのだな・・・対してダンディズム(谷村新司)のホルモンマン(遠藤)はヒロイン・コニタンを失い倖薄女と妄想・・・。そして幸田來未気取り女(村上知子)である。夢のない電車男に次いで好きなキャラだな。お笑いの基本はさげすみである。ボケと言う言葉が示すように劣ったものが笑いの・・・もう、いいか。

ここで、「さよならの代わりにありがとう」という番組ヒストリーダイジェストが挿入。まあ、解るけどS子(小西真奈美)ははずせないだろう・・・。

そして最後のコントは「劇団解散」である。山口が出ているだけに下北サンデーズかっ。と思いました。ま、確かに人生の終わりは葬式の始まりだからな・・・。

「さよならCOLOR」(SUPER BUTTER DOG)「一日の終わりに」(ハナレグミ)と続けて・・・まあ、選曲勝負ですか・・・。こういうベースにキッドなら・・・「愛だったんだよ」(玉置浩二)・・・かな。まあ、こうしてつつがなくテレビの歴史のヒトコマがまた幕を閉じたのだった。

関連するキッドノのブログ『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』

金曜日に見る予定のテレビ『花田少年史 幽霊と秘密のトンネル』(日本テレビ)、『未来遊園地・幽霊少女と観覧車』(テレビ朝日)、『火星から来た蜘蛛の群れとグラマラス・エンジェル』(フジテレビ)・・・なんだか・・・面白い流れなのだが・・・殺す気かっ。

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2007年9月26日 (水)

しゃららーん、しゃらららららららーん、・・・わたくし色香恋次郎と申します。(セクスィー部長・沢村一樹)

ピンクのバラの照明に浮かび上がる後姿。Dragon Ashの「El Alma」にのってシェイクされるヒップ。異常に小刻みなステップで前進するととりまく人々はすべて腰砕けになっていく。

そして、ターゲット(主に女性)に自己紹介・・・。相手がどんな中田有紀でも南野陽子でも黒谷友香でもたちまちセクスィー部長の虜になってしまう。

なんか・・・沢村一樹はこのキャラを演じるためにこの世に生を受けたような気がする。

で、『サラリーマンNEO・シーズン2・最終回』(NHK総合・070925PM11~)脚本・内村宏幸、細田哲也、演出・吉田照幸を見た。結局、シーズン2は「セクスィー部長」のためにあったのだなぁ。しかし、半年間でパート8なので・・・三回に一回くらいしか見ることができなかったのだな。人気キャラをどうとりあつかうかは脚本家の腕の見せ所だが・・・ゲストに頼った展開が残念だ。今なら、沢尻エリカに「もう、行かれてしまうのですか・・・」と言わせたいのだが最後は麻木久仁子だった。しかも、設定はおっかけおばさんである。

では、セクスィー部長は何のために登場するかというと・・・バッタもの(ニセモノ)退治である。ニセ・セクスィー部長は池田鉄洋で、「あなたの街にセクスィー部長がやってきた」という一座でパチモン(海賊版)の関連グッズを販売している。自伝「セクスィーの壁」サイン入りは定価35000円である。

まあ、人気キャラにニセモノ登場は定番です。

本物のオーラには遠く及ばないオヤジ臭のするニセ・セクスィー部長。・・・そこへ本物登場。会場はお客も、ニセ一座もたちまち本物部長の虜に・・・。「最近はいろんなものにいろんなものがまざっております・・・皆様も本物を見る目を養ってくださりますように・・・そこの君・・・セクスィーは一日にしてならず・・・だよ」

こうして、セクスィー部長は何処かへ旅立っていったのだった。

なんか・・・部長が去った後はすべてが色褪せる・・・というのが欠点です。

この他のコント。「NEO EXPRESS」会議室スタイルの仮眠室。生瀬のつまらない話で中田が寝るオチ。「ワースト・チョイス・オトコ」なので・・・のキャラ(入江雅人)が喫煙者が一人もいないのに喫煙室を自分の気分で選択するオチ。「サラリーマン語講座」山田太郎ものがたりの作者・マギーとHEROのあるよ田中要次を前面に出しニューヨークに右にならえオチ。キーワードはASAP(可及的速やかに)・・・。「サラリーマンの王国」は就職面接に来るいまどきの若者・・・。ブロガー、昭和生き残り、ほっこり女、日本萌え外人 ・・・昭和生き残りが吹きすぎで・・・ちょっと嫌。

シーズン1は中田萌え・・・シーズン2はセクスィー部長萌え・・・。キッドとしては最終回には原史奈のアンジェラ・アキ真似も欲しかった気がします・・・。

さてさて・・・シーズン3はあるのかな・・・?

関連するキッドのブログ『ウッチャンのサラリーマンNEO

              『スルリな夜

木曜深夜(金曜日)に見る予定のテレビ『怪物王女』(TBSテレビ)

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2007年9月25日 (火)

月夜に悪魔とダンスを踊った?(ジャック・ニコルソン)VS・・・シャンパンをご用意しました。(マイケル・ガフ)

うわあ。来週は「リターンズ」だよ・・・「ちりとてちん」があるのに・・・ハードだなあ。朝から夜中まで・・・か。

まあ、おタクにとってはファーストも「語りどころ」満載なのだが・・・。

まずはティム・バートンかあ。「ピーウィーの大冒険」(1985)「ビートルジュース」(1988)ですでに神だったのだが、この「バットマン」(1989)で超神と化したのだなぁ。20代はまだしも・・・30代以上でそれを認定しないものはおタクとみなさないっ。・・・誰が嫌がるんだよぉ。

ディズニーのアニメーターだった彼は一説によると「ミッキーマウス」を描き飽きてディズニーを後にした・・・ということだが・・・スケルトン・ミッキーとか、デス・ミッキーとか、ミッキーの焼死体とかを描いて放逐されたというほうがレジェンドだ。

で、『月曜映画・バットマン』(日本テレビ・070925AM0126~)脚本・サム・ハム&ウォーレン・スカーレン、音楽・ダニー・エルフマン、監督・ティム・バートンを見た。字幕放送である。DVDの吹き替え版はブルース=渡辺裕之、ジャック=デーモン小暮で・・・ある意味発狂している。

公開当時の作品評価に「暗い」というものがあり、腰が抜けるほど驚愕した。この映画から「暗さ」をとったら何が残るというのだろう。

バットマンは著名なアメリンカンヒーロー(1937~)の一人だが・・・スーパーマンとスパイダーマンと比較すると色が最もダークである。もちろん、「クロウ」「スポーン」とか黒の仲間はいるが、メジャーで暗いという意味ではやはりバットマンだ。

だからこそ、ティム・バートンで、だからこそカルト・ムービーなのである。

暗さとは陰影である・・・。陰影とは複雑さの基本で・・・つまり知性の源と言っていいだろう。太陽を見よ。そこに飛び込んで生きていける人間はいない。暗がりこそが優しい夢の温床なのである。・・・おいおい。それ以上はやめておけ。特に太陽関係の神々をこきおろすのはまずいです。

失礼・・・バットマンに酔っています~。

さて、もちろん、バットマンは復讐者である。復讐とは悪に悪を持って報いることだ。たとえば死刑反対論者を片っ端から処刑するのが悪だとすればそうなるのである。それは怪人ヒーローの宿命だ。娘を殺された親が犯人を極刑にと嘆願することも悪になるというならば・・・である。もちろん、キッドはそう思わない。復讐は人間の行為の中でもとりわけ、美しい行為だと思う。だから、バットマンは美しいのである。

当然、バットマンの敵もまた美しい。今回はジョーカーである。バットマンとの最初の戦いで化学薬品のプールに墜落。顔を奪われた男は永遠の笑顔を手にいれ、悪の限りをつくす。そして彼もまた復讐者なのである。

実は彼は・・・最大のネタバレですが・・・バットマンの正体・ブルース・ウェイン(マイケル・キートン)の両親の殺害犯人だったので、復讐者の復讐者は復讐者だ・・・という構成になっている。

では、バットマンとジョーカーは共に悪という美でありながら・・・どこが対立するのだろう。それはバットマンが美を尊重するのに対し、ジョーカーは美を軽蔑するという点だ。バットマンは美を愛し、ジョーカーは美を憎む。バットマンは美にたじろぎ、ジョーカーは美をふみつぶすのである。

ヒロインのベール(キム・ベイシンガー)はその象徴である。ジョーカーとベールはクライマックスでダンスを踊る。ベールは脱力し、死人のようになっている。それを抱きながら踊るジョーカーは死体との舞踏を好む屍姦野郎なのである。彼は生者には心を許せない悪なのである。前半では彼が焼殺したマフィアのボスと会話する。「お前は血も涙もない奴だ・・・死んでいてよかったぜ」と言うほど明解なのだ。

一方、バットマンは復讐者でありながら・・・心に悪へのためらいを持っている。だから、彼はミサイルを発射しながらジョーカーに止めをさすことができないのだ。っていうか、誘導弾にしろよ。

もうひとつの象徴は周囲に対する心配りだ。ジョーカーは失敗ともいえない失敗をした一の子分を気まぐれに射殺するのに対し、バットマンは忠実な執事のアドバイスに従うし、「彼がいなければ靴下もはけない」と甘えん坊なのであった。

なぜなら・・・バットマンは大富豪の息子で、ジョーカーはしがないチンピラという出自の差があるからである。持てるものは美しく、持たざるものは醜いと相場は決まっているのである・・・おいおい。

さて、キッド的にははずせないのが、ヒーローが大富豪である故の必然としての執事・アルフレッド・ペニーワース(マイケル・ガフ)の存在である。彼はバットマンがヴァルキルマーになろうが、ジョージ・クルーニーになろうが、忠実な執事であり、バットマンの世界に奉仕するのである。

ブルースが坊ちゃんらしい注意力散漫で置いてならないところにグラスを置けばすかさず片付け、刺してはならないところにペンを刺せばすかさず抜く。目ざといのである。そして文句ひとつ言わない。「ミスター・アーサー」(1981)の執事(ジョン・ギールグッド)と並んでハートフルな執事の1、2を争うのである。

これとトップの座を競うのは「エロイカより愛をこめて」のエーベルバッハ家の執事ぐらいなものであろう。山田太郎ものがたりの御村家の磯貝氏などまだまだなのである。ま、ロッキー・ホラー・ショーのせむしの執事はある意味別格だ。

ま、じいや好きには「バットマン」はこれだけでもたまらない映画なのだな。

もちろん、悪が墜落し、ヒーローが摩天楼の頂上に立つというお約束もしっかり守っています。後は・・・風船ですが・・・これは機会を改めて語りたい。

関連するキッドのブログ『オーメン4

水曜日に見る予定のテレビ『ココリコミラクルタイプ最終回90分スペシャル』(フジテレビ)

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2007年9月24日 (月)

お酌しちゃうぞっ。家来手懐けちゃうぞっ。押しかけちゃったぞっ。だってオ・シ・タ・イ申し上げておりますからーっ。(前田亜季)

・・・で、あるか。リツはミツなのだなぁ。勘助・・・よかったなぁ。年の差カップル花ざかりの各局ドラマだが・・・で、なんだかもう一つなのだが・・・この大河の組み合わせは許せるのだなぁ。・・・時代劇だからかっ。

暑さ、寒さも彼岸までなのだが・・・本当に今日の東京はすずしいぞ・・・。皆様、風邪などお召しにならぬように・・・。キッドは墓参りのし過ぎでバテましたーっ。ああ、冥途のダチたちよーっ。無縁仏多すぎーっ。これも少子化の物語なのだよな。

もう、バテていて、受験の神様のレビューで「どちらにしようかな天神様の言う通り、なよなよな」という呪文について菅原道真っていうか、受験というか、択一問題にからめて書こうと思っていたのに・・・忘れましたーっ。今、思い出したので書いておきます。・・・なんだかなぁ。

そして、大河のあとはやはり「ドラマレジェンド・HEROスペシャル」も見たのだが、「HEROスペシャル(再)」でも良かっただろう。どこが新撮パートなのか・・・わからなかったのレス。

関連するキッドのブログ『辛子マヨネーズ、あるよ。焼きおにぎりないよ!』

Hcinhawaii0266 ごっこガーデン・HERO(再)セット。アンナじいや~っ。冒頭でりり子@綾瀬ちゃんが語るのは新撮レスよーっ。ちゃんと見なくちゃダメーっ。これを見て劇場版を見ると~。また、さらにダーリンの面白さが倍増ーっ。もちろん、見なくても倍増ーっ。とにかく、あごまはウソですからーっ。じいやが買いに行ったまま、行方不明になったら困るので特別に教えてあげるーっ。でね、でね、でね。・・・・

で、『風林火山・第38回』(NHK総合・070923PM8~)原作・井上靖、脚本・大森寿美男、演出・田中健二を見た。例によって、シナリオにそったレビューはikasama4様が今回もなかなかだったようです。今回は飯冨虎昌と原虎胤のイラストサービスもあります。

Shinanoechigo1552 で、今回は戦わずして勝つ展開なので、合戦らしい合戦はなかったのである。1552年、母・大井夫人亡き後は前年、苦戦した小岩嶽城(晴信最後の敗戦と言われている)攻めを再開、上野原の野戦と合わせて小笠原長時・村上義清連合軍を瓦解させている。この後、長時は越後から伊勢、さらに三好長慶を頼り、上京。小笠原流弓馬術の師範として将軍・足利義輝に仕える。芸は身を助けるのである。

まだ、信長様ほどの軍団形成には至らない晴信だが、深志城を中心に、林城、平瀬城、小岩嶽城、刈谷城といった旧・小笠原長時領の方面軍司令官は馬場信春が担当しているようだ。一方、信濃先方衆として真田幸隆を重用し、村上義清領の攻略にはこちらを方面軍司令官としている趣である。譜代の飯富虎昌を後方の佐久・内山城に置き、左右を新参の有能な武将で攻めていく。そして、実力を誇示しつつ、真綿の首をしめるように村上義清の勢力を削いでいくのである。ううん、晴信・・・こわいよ。

なにしろ、甲斐国主が、相模国主、駿河国主と婚姻による同盟で手を結び、地方豪族の自称・信濃守・村上義清を封鎖していくのである。大日本帝国に対する欧米かっ。

そりゃあ、村上の家来たちも・・・調略されますがなっ。屋代氏は義清の娘婿だが、下ります。後方では須田氏も清野氏も下っており、1552~1553年にかけては居城・葛尾城でほぼ孤立なのである。もはや・・・逃げるしかないのだ。

さて、今回、義清の妻として玉の井の方(中島ひろ子)が登場するのだが、ここはほぼ虚構であろう。義清は滅んだ一族なので虚構の部分は多い。上杉家臣となって村上家を存続させたという考えもあるが、上杉・村上家は丹羽長秀の家臣だった村上義明(伊予村上家)という説もあり・・・謎に包まれている。

で、義清の妻も小笠原長時の妹であったという説があり、このドラマはほぼそちらに流れている。しかし、妄想的には高梨政頼の娘であったような気がする。まず、高梨家と長尾景虎の関係を考えてみる。政頼の祖父・政盛の娘(政頼の叔母)は景虎の祖父・能景の正室である。つまり、景虎の祖母は高梨夫人なのである。そして、能景の娘の一人は政頼の正室なのである。従姉との結婚だ。この正室は景虎の叔母になるので、高梨政頼と長尾景虎は叔父と甥の関係になる。そのために、高梨氏は長尾の後継者争いで景虎を支持したのである。

景虎の義理堅さで信濃出兵になるのはこの高梨氏援助が大きい。

では、村上家と高梨家の関係はどうなのか。ドラマの中では敵対関係に描かれている両家だが、実は、村上と高梨には和睦が成立していた。そうでなければ上田原の勝利はなかったのである。この時、高梨の娘が村上に嫁いでいる。つまり、村上義清の妻は高梨夫人なのである。つまり、景虎が高梨の甥で、義清が高梨の娘婿であるから、景虎と義清は従兄弟になるのである。ああ、ややこしい。ややこしいが・・・だからこそ、義清は景虎にすがることができ、景虎も信濃に出兵するのである。景虎は義の武将ですからーっ。

ちなみに・・・信濃における武田の勝ちがほぼ確定するにおよび、高梨政頼は娘の一人を真田幸隆の嫡男・信綱に嫁がせている。於北様である。信綱は設楽原の合戦で歴史の露と消えるので定かではなくなってしまうのだが・・・キッドとしては高梨の必死さが伝わってくるので妄想的に三人の高梨夫人ABC説を押している。

ともかく・・・戦国の夫人たちはドラマにでてこようがこまいがドラマチックで・・・哀しいのだと思う。

関連するキッドのブログ『第37回のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『サラリーマンNEOシーズン2最終回』(フジテレビ)

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2007年9月23日 (日)

私は神様・・・それとも女王様?・・・今日はここまで。(成海璃子)VSサービスっ。サービスっ。(堀北真希)

いっそのこと、「おらおらおら」(小池栄子)VS「そこだけはひっぱらないで」(温水洋一)でもよかったのだが・・・夏ドラマのフィナーレとして「受験の神様」の最終回には「花君」のような「山壁」のような「わた教」のような「2時間ドラマ」のような「出るトコ出ましょ」をぶつけてきたのだった。日テレVSフジ・・・久しぶりに萌えたなっ。

いっそのこと「ああ~果てしない夢を追い続け~」(堀北真希)でもよかったのだな。

いや、いっそのこと「スカートめくられましたーっ」(堀北)「めくりましたーっ」(近藤正臣)でもよかった・・・まきまきサービスとどまることを知らずかーっ。

で、『受験の神様・最終回』(日本テレビ・070922PM9~)脚本・福間正浩、演出・岩本仁志を見た。ドラマはもちろん、フィクションである。フィクションとは虚構であり、ウソだ。で、エンターティメントとしてはウソで楽しんでもらう。その時、リアルっぽさは要求される場合がある。「本当かと思った」というぐらいに迫真性があるのは娯楽の重要な要素である。

しかし、人が何を本当と感じるかは・・・非常に難しい。

たとえば、醜いものは美しいものの気持ちを想像するしかない。美しいものも醜いものの気持ちは分からない。小学校受験をするものとしないものもお互いのことはよくわからない。合格のものと不合格のものも・・・。というように相互不信の世界である。

それをウソで言いくるめるのがドラマである。

この時、思い切った手法にファンタジーというものがある。

もう、いきなり、ウソなのである。もちろん、ファンタジーを最初からフィクションと強烈に主張するフィクションと感じるにはある程度の知性や教養が必要だ。キッドはなんかはまだ仮面ライダーは実話ではないかと信じているフシがあるのである。場合によってはガンダムも・・・アニメだろっ。

ともかく、テレビの霊能者を半信半疑やなかば本気で信じる人や、宗教団体で信仰する人や、この世にはファンタジーの世界が実在するというおバカさんは多いのである。

で、さじ加減は難しいのだが。

夢枕や、道子の超常現象などはっきりとファンタジーのノリをみせておき、重要な登場人物であるはずの、道子の両親や、広の母親を登場させない言い訳にしている気配があったのである。

それなのに最終回は妙にリアルっぽいのである。まず、ハーバード大学を蹴って友達(石橋杏奈)との高校生活を選ぶ道子・・・焼く肉食べて「早田のバカヤローっ」って叫ぶ道子。広の合格が不安な道子・・・もう、人間・道子万歳である。

なんだかなあなのである。

結局・・・お茶を濁したのだ・・・。受験は格差社会の象徴だ。敗者は激しい憎悪を持つ。そして社会全体には敗北感が漂う・・・そういうリアルを包み隠すために・・・道子がリアルになったのである。

ここまで来たら・・・道子は神秘的な存在でよかったのではないか。最後が補欠合格オチなので・・・道子は「バカヤロー」って言う必要はなかったのである。そのために「最初の不合格者になってしまって・・・」という広の問いかけを「あなたはくやしくないの・・・」と道子に問いなおさせているのではなかったのか。「私は口惜しい」と続けるのがミステイクなのである。

神として「選んだ児童はかならず合格させる」路線をくずしてはいけないとキッドは思う。そうでないと他の様々な問題が露呈します。

これは「夢オチ」がタブーなのとおなじように「本当オチ」で辻褄があわないのである。

ま・・・固い話はいいか。面白ければな。

それにしても泣き虫だった広が受験に落ちて泣かないとは・・・ファンタジーだぜ。

ま、「早田にあやまる」親子はちょっとコミカルでした。

最後は「私を甲子園に連れてって」(広の初恋の相手・福地亜紗美)「タッチかよ・・・ま、高校はエスカレーターで・・・」ぐらい計算高い広でもよかったのにな・・・。だって受験は所詮、弱肉強食。いかにきれいごとにまとめようと三人そろっての合格はファンタジーなのである。っていうか、関係者、全員合格だし・・・。

そのくせ・・・勝とうが負けようが人生という旅は続く・・・ってまとめりゃいいっていものじゃないだろう。

ま、堀北真希と小薗江愛理のパンチラ対決はちゃんと見せた愛理が萌え~。・・・おいおい、限界突破したいのか。ただ、それだけなのかーっ。夏ドラマはここまで。しかし、鉄オタで視聴率を取り損なっているのに・・・「出るトコ」の遠藤憲一にすべての責任を帰するつもりか・・・。

記憶に残る鉄オタ・・・敗残の記憶。スタンダップの山P。ダンドリの国分太一、特急田中の田中・・・鉄オタが楽しいのはタモリ倶楽部のレベルなんですけどーっ。ま、いいかーっ。

夏ドラマの最終回の最終回のレビューだっていうのに・・・グダグダ・・・いつもだろっ。

関連するキッドのブログ『第9話のレビュー

裏番組の『出るトコ出ましょ!』は原作・稲光伸二、脚本・石原武龍・末安正子、演出・小林和宏。女子高生制服マニアの弁護士(谷原章介)と借金苦の女子高生(堀北)のほのぼのサスペンス。・・・どんなジャンルじゃっ。六角精児が堀北を催眠ガスで気絶させたり、山谷初男と佐藤仁美の食堂家族がオムライスにグリンピースを乗せて一発逆転したり、まきまきが緊縛されたり・・・デブのハイヒールマニアのデブ(川平慈英)がウインクしたり、まきまきの母が山村紅葉だったり、半海一晃がチンピラ、松澤一之がチンピラの上、升毅がチンピラの特上だったり、「花君」のカンナ(桐谷美玲)が麻里子だったり、みんなで「おだまりっ」って言ったり・・・まきまきがチャイナドレスで「大都会」熱唱したり、なんか・・・楽しかった。谷原って近藤がルーツなのか・・・とふと思う。

月曜日に見る予定のテレビ『バットマン』(日本テレビ)・・・リターンズもやってくれよ。

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2007年9月22日 (土)

黒くなってやるっ!(永井大)VSこのかませ犬がっ。(伊原剛志)

暑さ寒さも彼岸まで・・・と言うが・・・暑いっ。だが・・・明日はお墓を掃除しないとな・・・。ドス黒い心のドラマを見た後は・・・ま、今は「出るトコ出ましょ!」を見ているから本当は心はそこそこすがすがしいのだが・・・っていうか、「山壁」見ていた人だけはこの弁護士事務所に抱腹絶倒である。・・・一座か・・・一座なのか。

おっと、それは明日の話だよな。っていうか・・・明日は「受験の女王様」のレビューか・・・この夏・・・「出るトコ」でも良かったのに・・・ってまきまきは「花君」やってたかっ。

・・・も、いい加減「黒い太陽」の話にしてくれっ。

で、『黒い太陽'07スペシャル』(テレビ朝日・070921PM1115~)原作・新堂冬樹、脚本・樫田正剛、演出・麻生学を見た。06年の平均視聴率11.2%を記録した夏ドラマのスペシャルであり、ほぼ同じスタッフだ。回想シーンが多用され・・・まあ、これから新シリーズ開始のこれまでのあらすじとしては・・・まあまあだが・・・もう・・・それだけの作品である。

前回、売春斡旋の罪に問われた服役した主人公・立花(永井)、出所して早速、売春斡旋を開始である。父親の残した借金返済のため、夜の世界に飲み込まれた立花は・・・夜の世界の帝王・藤堂(伊原)になんだかわからない闘志を燃やし・・・ま、かませ犬にされた怨念なのですが・・・あくなき復讐に挑ませるのだった・・・以上・・・おいおい。

だって、そうなんだもーん。もちろん・・・今回も笑わせてくれるのは男・女王様で金主の三宅川(峰岸徹)である。とにかく、お金は持ってる。女はべらす・・・そして立花を脱がす・・・場合によっては立花と野球拳をする。裸踊りも躍らせる。時には土下座した立花の頭をふみつける「おらおらおら~」なのである。「女帝」では泉谷しげるなのである・・・違うか。

赤木圭一郎の跡を受けた天下の二枚目の怪演・・・この方もいろいろ・・・あったからなあ・・・ま、「ねらわれた学園」の金星人はある意味、金星王子だから・・・今で言うとミッチーか。ミッチーもやがては裸の男の頭を踏みつけるような怪演を・・・ミッチーは今でもそのくらいやっているか・・・。「高校教師」(1993)とか・・・ああ・・・変態は得意なのだが・・・この人がやると色気が匂いたち哀愁が漂うのだった。

さて、今回のヒロインはリエ(三津谷葉子)である。「肩ごしの恋人」のエリ役からここで・・・もう・・・転落しているのかっ。役名がひっくり返っているだけに・・・。今回、「女帝」で酒井彩名が注目を集めたのだが、三津谷も彩名もデビューしてから・・・潜伏期間長すぎなのである。深キョンがいたからなぁ・・・。この世代は厳しいのである。たとえば「山壁」だって三津谷がバスト的には山なわけだが・・・ああいうコミカルな部分が読めない・・・そしてついにキャバクラ嬢役である。ここで・・・他の女優たちがのけぞるような大胆濡れ場を演じたりするとすごいのだが・・・そこまではしないのだった・・・ううーん。そこが難しいポイントだっ。汚れるのか、汚れないのかっ・・・はっきりしろっと思う。

だが・・・こうして・・・ずーっとこういうポジションを続けていくのも一つの手なのだなぁ。

なにしろ・・・まだ、二十代前半なのだ・・・。長い・・・長いよ、芸歴が。悩み・・・それが演技に繋がっていくかどうかが・・・ポイントなのだよなぁ。

借金まみれで発作を起した母のトラウマに悩むリエ。立花は彼女を使って稼ぐのだが、ついに冷たく切り捨てる。この非情さの割には大学生のアルバイトに金の管理をまかせたりしてワキが異常に甘い立花。案の定、破産寸前、しかし、リエが結婚した相手がリエの一家を苦しめた相手と知り、恐喝、一発逆転である。運か。運が強いのが何よりかーっ。

前シリーズの女たちは顔見世である。千鶴(井上和香)は藤堂に借金完済「私にはもう関係ない・・・」、奈緒(滝沢沙織)は有閑マダムになり、強請られて立花に一千万円を都合。そして笑子(酒井若菜)は「ごめん、何もしてあげられない・・・」と新しい恋人とイチャイチャである。

立花は女にはとりあえず「幸せにしてもらえよ・・・」というのである。余計なお世話なのだが・・・ま、黒くなっているので仕方ないのです。

そして・・・いよいよ、立花VS藤堂の本格的な戦いの幕が上がり・・・終了である。・・・おいおい、これからだろうがぁぁぁぁぁぁぁぁ。黒すぎる。ちなみに出演者の中のマギー(リエと結婚する長谷川次郎役)は「山田太郎ものがたり」の脚本家の人です。落差ありすぎるだろうがぁぁぁぁぁ。

関連するキッドのブログ『黒い太陽・第1回のレビュー

日曜日に見る予定のテレビ『風林火山』(NHK総合)

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2007年9月21日 (金)

私が総取りなのでしたーっ。(深田恭子)VSへばねーっ。(伊東美咲)

ああ・・・夏ドラマが終る・・・春ドラマが終ったと思ったら「ライフ」がすかさず始まった夏ドラマ。いよいよ、「受験の神様」を残すばかり・・・ちなみにライフ平均視聴率12.2%、「山壁」12.1%(最終回11.1%)である。「山壁」はついにヒトケタになることもなく・・・「女帝」(平均11.6%)には視聴率で勝った。・・・そして、林徹も眠気を誘う演出から脱出した・・・気がする。

ま・・・案の定、ダービーになったわけだが・・・深田恭子が「はい、私が総取りでした~」で「はい」押しをして可愛かったのでよかったと思う。「富豪刑事」はいつもかわいかったのでこのかわいさは「リモート」で時限爆弾の導線切りをした時以来と記憶しておこう。

うーんとね。サザエさんドラマなので・・・終るとなると「えーっ終るの~」的な感じがする。視聴率的にはどうかと思うのだが・・・デパートガールもので延々とやればいいのさ。銀座も新たに盛り上がってきたので有楽町サイドとの対決とかで・・・部長(谷原章介)の子供が生れたり、ミッチーがなかなかあきらめなかったり、西島がドバイで失踪したり、温水洋一が・・・意外な人とラブラブになったり・・・もう、10年くらいやればいいのさ。

で、『山おんな壁おんな・最終回』(フジテレビ・070920PM10~)原作・高倉あつこ、脚本・前川洋一、演出・林徹。まあ、今回は一番、コメディーっぽかった。が、いくつかの謎が残るのである。まず、恵美(伊東)はいつから井口(西島秀俊)を好きになったのか。いや、もちろん、壁塗りを見ていてぽわ~んとなったのシーンはあったけど・・・それで察するべきなのか・・・キッドは違うとおもいますけどね。恵美の理由「二人の間に壁がなかったから・・・」・・・結局、恵美は何も求めていない・・・人なのか。

で、「ロッククライミングのトラウマ」である。悪夢に文句言ってもしょうがないが・・・初恋の人がオカマになっていたのは話の途中だったし・・・結局・・・学生時代の思い出のトラウマ・シーンはなかったような気がする。いや、眠気を誘う演出でキッドが見逃したのか・・・。

最期にまりえ(深田)はなぜ、あそこまで恵美につくすのか・・・。という問題が残る。これも憧れの本店の人・・・と言っているのだが・・・その描写がないのである。この二人は「カバチタレ!」(2001冬ドラマ・フジ・木10)の深津絵里と常盤貴子のパクリなのであるが、特に壁女・山女ということではまさしくそうであろう。深津がシビアな性格、常盤がお人好しということでもパターンを踏襲している。いわゆる女の友情ものなのである。で、カバチタレには金銭トラブルというはっきりした関係があってなんとなく二人が友情を感じていく・・・そして人間的に成長していく・・・という体裁があったのだが・・・「山壁」はサザエさんなので・・・キャラは固定。だからこそ、はっきりと描写してほしい。入社式とかで恵美がかっこよかった・・・とまりえが回想する・・・そんな1カットですむ問題じゃん。

いいでしょうか。①恵美の恋愛の話 ②恵美のトラウマの話 ③恵美に対するまりえの心の話・・・この三点はこの物語の核心と言えるでしょう。それに対する描写がグダグタというか・・・きれいに抜け落ちている・・・これはワザとなのかっ。

キッドの妄想では①恵美は憧れの先輩が好きだったが・・・先輩(男)は井口が好きだった。慰められるうちに井口に仄かに恋をした。②大学時代、登山部で滑落しそうになった恵美を井口が助けてくれた・・・しかし・・・「胸がなくてよかった。その分、軽くて・・・」とか、「胸がないから危ないところだったな。ひっかかるところがないから」などと冗談を言われて傷心・・・。③それ以来、井口への恋心を封印してきりりと仕事に励む。まりえはこのきりりにないものねだりで憧れた。

さあ、そういう気持ちでみれば・・・今回は何回か、ひねりが入ってそこそこおもしろかったような気になるのである。・・・ああ、面倒くさい。

さて、前回、3.5人(谷原は仕事がらみ)からプロポーズを受けためぐみ。ところが・・・本命の井口のプロポーズは「目を開いたまま眠っていた」ので「夢だと思っていた」という視聴者も途中まで騙す展開。フランス語のレッスンで恵美もまりえも寝不足で背中に巨乳は一回目に戻るフリである。

まりえは「お人好し」というキャラ。天真爛漫で困るということがないキャラだが、そういうキャラが困るのは対立に巻き込まれる場合。今回は恵美のプロポーズ合戦に巻き込まれる。そして・・・ここがグダグダの頂点なのだが、何故か、まりえは井口が恵美の本命だと確信しているのである。まりえは「台本」を読んでいたとしか思えないっ。

ま・・・いいんですけど。で、内緒にするはずのないリカ(三浦理恵子)に悩みを打ち明け、「はい、私がバラしましたっ」のくりかえしのギャグにもっていく。そして、成り行きで・・・やはり、まりえの一人勝ちというのはスムーズでした。

誤解がとけてカップル誕生で前半終了である。ここから、「仕事」と「結婚」どちらを優先するかという古風な葛藤。ま、社長夫人の座をけって幼馴染を選択するところが・・・まあ、ファンタジーですが・・・。

結局・・・フランス行きを断念する恵美・・・理由・・・発注忘れ・・・である。・・・ま、いいか。なんか、そういう気分だから・・・と言われれば納得するしかないしな。

ところが・・・井口は一年間のドバイ行き・・・フランス行きはドバイに変更・・・ま、井口は青森・東京・パリ・ニューヨークをワープしているようなので・・・大丈夫なのでしょう。

最期は井口ではなく・・・まりえを空港に見送りに来る恵美。まあ、「カバチタレ」ですから・・・。もう、「やわらかぁい・・・」なのである。ま、スタッフの頭がな。

きりりとしないでぽわんと見てください・・・という願いがこめられているのだな。そして・・・一応きちんとフリのある・・・「食べ物が一番」なのでマティーニに指輪は禁じ手なのと「唯一の苦手は暑さ」なので「ドバイ研修は土台無理」(徳井優)・・・言ってないけど・・・オチである。

伊東美咲の深キョンものまねがあったので深キョンにも鼻をふくらませてもらいたかった・・・そうでもないか・・・もう、無理矢理面白がろうとする病です・・・。

二人ともしばらくはお休みですかな・・・。二人ともがんばった・・・伊東は変顔連発だし、深キョンは早い話が色物(着ぐるみ)展開である。がんばったのに実りが小さいのは・・・誰だっ。誰のせいなんじゃーっ。ミッチー「ドバイッとダイナマイッはかかってるんですかね・・・途中でマイタイッとかもいれてほしかったな・・・」(妄想)

関連するキッドのブログ『第11話のレビュー

土曜日に見る予定のテレビ『受験の神様』(日本テレビ)・『ライフ』(フジテレビ)

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2007年9月20日 (木)

スピッツのチェリーはつぶれるほど抱きしめてだが僕のチェリーはちぎれるほど抱きしめて・・・空も飛べる気がしたのと空も飛べるはずも違うし・・・(日村勇紀)

・・・ま、歌の心は・・・時空を越えますから・・・。ま、パクリというワンテーマでもコミックソングは楽しい。

もうすこしだけメモしておくと

僕(日村)の「チェリー」はサビが

君に抱かれた喜びで 空も飛べる気がしたの 君がそばにいるのなら ちぎれるほど抱きしめて

スピッツの「チェリー」は

「愛してる」の響きだけで 強くなれる気がしたよ ささやかな喜びを つぶれるほど抱きしめて

ちなみにスピッツの別の曲「空も飛べるはず」が混入しているところがさりげなくおしゃれなのだ。もちろん、キッドはギリギリオリジナルといっていいんじゃないかと思うのだが、そう思ってはつまらないところがミソ。

で、『ゴッドタン・神の舌』(テレビ東京070920AM0012~)を見た。いくつかのレギュラー企画をまわしていくバラエティー・ショーで、今回は「芸人マジ歌選手権」シリーズの三回目・後編である。芸人がマジ歌という建て前のコミックソングを歌い・・・審査員(バナナマン設楽とか香田晋とか)が牛乳を口に含み、何人かが噴出したら演奏中止になる。この設定も非常にラフなもので完唱することが素晴らしいのか、噴出させるのが芸人の喜びなのか、微妙なのであり・・・司会(おぎやはぎのやはぎ)の腕の見せ所である。

で、歌うのが、日村とか、角田晃広とか、劇団ひとりとか、ケンドーコバヤシとかである。

ま、これ以上書くとすべてを書くことになるのでやめておく。ま、書いたっていいのだが、キッドは今、ちょっと忙しいのでやめておく。

ちなみにキッドは芸人のつかう隠語の中で「タレをかく」という言葉が生理的に嫌いなので劇団ひとりが放送作家との私生活を切り売りした見事な作品の「彼女はネタを書いて、オレは彼女をカク~」は残念なことだと思うのだった。ま、「お笑い」としてはまったくオーケーですけど・・・。

思えば・・・帰って来たヨッパライとかクスリルンバとか、昔から風刺にしろナンセンスにしろ・・・コミックソングは楽しいなぁ。ドタバタに目覚めたのは「フォークルさよならコンサート」の「もう25分で」(無実の罪で死刑になる男の分刻みのドキュメント)だった気がするしな。

もともと、ニューミュージックというジャンルは歌とお笑いの融合のようなもので・・・つまり、中島みゆきもユーミンも笑えるところがいいのである。

かぐや姫の「好きだった人」も聞いて泣く女芸人もいるわけだが、もちろん、泣いてこそおかしいのだが、基本はコミックソングであり、好きだった人、白いブーツをはいていた 好きだった人ステテコもはいていたという軽いフリオチの後で「失恋という言葉は知ってたけれど」と聞いて泣いたり笑ったりするおかしみもまた「お笑い」の道なのだなぁ。ま、まず、そこそこ歌える必要があり・・・技巧的にはなりがちだけどな。

そういう意味で・・・「笑い歌」というか「コミックソング」というか・・・を刹那的に楽しむことができるこのコーナーは全国ネットだといいと思う。

関連するキッドのブログ『やぐちひとり・最終回

金曜日に見る予定のテレビ『黒い太陽07スペシャル』(テレビ朝日)ま、『火垂るの墓』も見るけど・・・なんでこの時期に・・・。

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2007年9月19日 (水)

赤いスイートピーだって枯れるのよ。(松田聖子)VS二夜連続空港キスかよっ。(堀北真希)VS私は留年女王ではありませんっ。(岩佐真悠子)

わはははは。視聴率が21,0%なのだな。まさに夏ドラマ一人勝ちといっても過言ではない「花君」・・・後半ダレダレとか・・・そういう意見もあるだろうが、金八の卒業式に耐えられる人は耐えられるレベル。キッドなんか・・・ふーん・・・そういう子もいたよなーっとか、思い出して結構楽しかった。

それにしても主人公が渡米、空港で見送りチュー。しかも・・・一度抱きしめてさりげなくチューという前夜の井上・平岡ペアに対してキス選手権を挑んでいるかのようなフィナーレ。もう、電光掲示板に得点が出るんじゃないかとドキドキしました・・・出るかーっ。

消えかかる銭形姉妹三女の炎を再燃させたかのような「花君」・・・。TBS→フジテレビ→日本テレビ↗TBSテレビ↘テレビ朝日↘フジテレビ↗とまんべんなく民放を渡り歩いたマキマキ・・・いよいよ来年は大河ドラマが待っている。まあ、スクリーンでは「三丁目」の六子とか「クロサギ」の氷柱とかもあるわけだが・・・しかし、来年の大河はどうせなら、黒川芽衣(泪)も夏帆(零)も小出早織(雷)もついでに平山あや(「ルーズソックス刑事」)も出せばいいのに。

で、『花ざかりの君たちへ イケメン♂パラダイス』(フジテレビ・0070918PM9~)原作・中条比紗也、脚本・武藤将吾、演出・松田秀知を見た。ざっと次のような構成である。①ひばり(岩佐真悠子)が瑞稀(堀北)のパスポートを入手。三寮長(水嶋ヒロ・姜暢雄・石垣佑磨)に告発しようとするが中津(生田斗真)が阻止する。ひばりはハートを撒き散らしながらちょっと意地悪をするが夏ドラマ最後の女王として愛する佐野(小栗旬)のために結局、返却。悲しい女に・・・。②しかし、三寮長は瑞稀の着替えを目撃。「あぁぁぁぁぁぁぁぁっ」となってしまうが、中津・佐野の「瑞稀は佐野を跳ばせるために・・・」という伝家の宝刀でことなきをえる・・・どうでもいいが・・・三寮長は「花桜会」モードになるとかなりイケメンに見える気がする・・・難波や姫島はともかく天王寺までもが・・・。③天王寺がカンナ(桐谷美玲)にもらした噂「桜咲学園に女かおすぎのハゲタカがいる」が近所のおばさん→おまわりさん→こそ泥→子供→猫→犬などを通じて寮に伝わり超科学システム男女判定機が登場するが、中津と佐野の機転でことなきを得る。④佐野と父(杉本哲太)が完全和解。退院シーンでかなり恥ずかしい父と息子展開なのだが月曜日の病院と違い血が通っている。誰だって病院で心ふるえる体験をするものであり・・・月曜日の病院がいかにドラマとしてダメな病院だったかはこういうシーンで判明するものだ・・・。⑤ドラマ最後のイベントである学園祭の準備中・・・瑞稀が失神。手当てをしようと級友たちは服を脱がせ・・・ついに瑞稀の正体がバレてしまう。とまどう男子たち・・・つい瑞稀に冷たく当るものも現れるが佐野が「瑞稀がこの学校に・・・」を振りかざすとみんな納得する。

ま、このように基本は「秘密」がバレそうになる・・・なんとかセーフのくりかえしである。ついでだが校長(松田聖子)が帰って来て①「悩んでいないで今を楽しむのが一番大切」と主役トリオにアドバイス②イベントの特典の復習をする。③秋葉(紺野まひる)と姉妹であることを告白。教師・吉岡(小林すすむ)を驚愕させる。・・・ま、すべてどうでもいいわけですがこのどうでもいいところがいい。

結局・・・女とバレてはこの学校にいるわけにはいかないと・・・よく分からない理由で・・・ま、解るけど・・・退学を決意する瑞稀。校長に勧められ学園祭はエンジョイすることに。

ここまで、着替えと手当てでダブルサービスをしたマキマキに対抗して、イケメン野郎たちは女装サービス・・・なんどめだ。

そうそう・・・中津は「五秒待ってこっち瑞稀がこっち向いたら吉」とか「ツンデレの佐野よりも笑えてかっこいいオレの時代」とか妄想を膨らませつつ、「ごめん・・・友達としか思えない」と瞬殺。「ははは、冗談だよ」と気を使うが「そうかあ」とさらに気を使われる。

一方、佐野は「オレはお前のこと・・・言わない」瑞稀「えーっ・・・なんだよーっ・・・言えよーっ・・・ウフフ」である。

天国と地獄だ。月曜日はカメラマンが女医とOL相手に同じことをやっているのにまったく感触が違うのはキッドが男だからだけではないと思う・・・キャラに血が通ってるんだよぉぉぉぉ火曜日は・・・積み重ねなんだよぉぉぉぉ。

さあ・・・ここからいわば卒業式に突入・・・回想につぐ回想ですが・・・この番組にひたっていた人にはそれほど苦痛ではなかったはず・・・一人一人が去って行くとき・・・ああ、もうすぐこの世界の幕が閉じるんだね・・・変な電気がビビビとか、ウララがとりついたり・・・山本リンダ生きてるけど・・・バルコニーから放出落下しても不死身なのはクワガライジャーだからだとか・・・そんなことでクククの世界・・・バイバイ、バイバイなんだよね~なのである。

ピーチで桃尻娘かっとエンディングで毎回一人つっこむのもおわりなのである。つっこめないっと。

そして、ついに中津を置き去りにして二人は空港でただの男の子と女の子に戻るのであった。

そんでもって、カルフォルニャア・・・の空は青いのだった。

関連するキッドのブログ『第11回のレビュー

木曜日に見る予定のテレビ『山おんな壁おんな』(フジテレビ)

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女装を独自採点したい人は お気楽様のところで・・・キッドは・・・まきまきですかね・・・(女装じゃないよぉ)・・・じゃ、神楽坂に一票。

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2007年9月18日 (火)

死んだら読んでもらう手紙を書くのは心臓に悪いのです・・・・・・。(井上真央)

・・・・・・終った。いやーっ、井上真央ファンには実際、心臓に悪い月9だったんでないんかい。

なにしろ、初回の視聴率が19.7%である。それが6回目には11.1%を記録。うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁって感じだったのである。最終回12.4%・・・平均14,1%は夏ドラマ暫定3位のフィニッシュ。もちろん、キッドは視聴率がすべてとはいわないがテレビ番組の価値は90%くらい視聴率が決めると思うので・・・残りの10%はヒ・ミ・ツ・・・もうハラハラなドラマでしたね。ドラマブロガーの皆さんもほとんど絶賛者なしだったし・・・。「山壁」は主人公が妄想のウェディングドレス、こちらは「かりそめのウェディング」・・・ま、「絶唱」の死体に花嫁衣裳(主に百恵)よりは薄いけれど・・・実際には着れないかもしれない衣装を着る哀愁が・・・視聴者に伝わったかどうか・・・微妙だーっ。・・・「QさまSP」21.6%、「みのもんたの警察SP」13.1%、「格闘技HERO'S決勝戦」12.5%・・・ま、裏強かったけどね。

本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「女帝」↗15.5%(のしあがっちゃいましたーっ、ドス黒い女王様・酒井彩名改心しすぎーっ)、「山田太郎」↗17.9%(平均15.2%に到達。兄ちゃーんはバカ兄貴より強かった)、「スシ王子」↘*7.9%(まあなー・・・八時間も映画の宣伝見せられるといくら面白くても飽きるよなー)、「受験の神様」↗11.5%(土曜の夜の土下座祭り・・・最初から女王様に土下座していたらもっと視聴率とれたかもね)、「ライフ」↗17,4%(こちらは女王様の土下座拒否に視聴率ははねあがるっ・・・プレイ万歳)、「風林火山」↗18.3%(大井の方の最後か・・・北条氏康の眉間の傷か・・・それともクライマックスの接近を悟ったか・・・静かに上昇してまいりましたーっ)、ついでに「仲間由紀恵の夏目雅子物語ひまわり」13.6%(可もなく不可もなく星花火・・・)、以上。

で、『ファースト・キス・最終回』(フジテレビ・070917PM9~)脚本・井上由美子、演出・武内英樹を見た。もう、今回は柴俊夫につきるな・・・「忘れないでほしい・・・私だって医者なんだ・・・患者の命は救いたい」・・・なんじゃあ、そりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ。忘れられるほど働いてなかったのか・・・教授。手術シーンがこんなに何も感じさせないドラマって・・・ある意味、凄い。ラストは麻酔だけだったし・・・。

仕掛けはただひとつ「死んだら読んでもらう手紙」の朗読である。ネタは「書いているときの回想としてのナレーション処理」だ。お手紙はお気楽様がいやいやをしつつレポートしています。テンメイ様とキッドの「ホタルノヒカリ」の部長・ホタルゴールはありやなしや論争での問題点、キスの有無、プレゼントの有無、告白の有無的には「空港で女脱力・男抱擁キス・キス後なし」「ニトロ薬のペンダントに替えておしゃれなネックレス」「どうして成功するってわかるの・・・好きだから・・・」とすべてゴールを決めた井上真央・平岡祐太のカップルなのだ・・・しかし、せつなさに届かない・・・井上のナレーションは抜群だ。しかし・・・届かない・・・。ああ・・・もしかしたら失敗なのか・・・そこで届かない理由のバカ兄貴(伊藤英明)登場。もうナレーションがド下手である。そして・・・象徴的なのが井上が生還した最大の理由である恋人のカットなし・・・延長なしだから仕方ないのかーっ。

もちろん・・・兄と妹の物語という狙いはわかるのだが・・・それにしては生還率50%の妹は重すぎなのである。その妹の気持ちを思う兄は・・・軽いのである。だから、世界は妹を中心にすりばちになっている。そこで兄が目立とうとすればするほど、ドラマは視にくいものになってしまうのである。

ともすれば・・・妹よりも視線を集めようとする兄。これは受験の神様の山口達矢の会社部分と同じで・・・テーマから離れてはダメなのだ。どうしてもやりたければ近親相姦ものにしなければならないっ。絶対にっ。

妹を重くした以上・・・周囲の人々はある程度、均等なバランスでないとな・・・まして、ラストシーンで恋人不在、兄まとめでは・・・つらいと思うよ。

その上、この兄は妙にリアルな兄なのだ。その象徴が貢ぐ女(酒井若菜)をきれいごとで捨て、心のままに女医にアプローチするという振る舞いである。情はあるが・・・実はないのである。これは相手が酒井若菜だから・・・そうでもないのだが・・・たとえば戸田恵梨香だったらどうなのだ。「お前とはなんでもなかったんだ、肉体関係とか、お金借りたりとか、以外・・・」なんて戸田が言われて泣いてすむ問題かっ。酒井若菜だって、笑顔で昼休みでお茶が濁せるかっ。モー子になんてことを・・・。黒い太陽だってそこまで薄汚れてないぜっ。

ま、井上由美子的にはグレイでしょ・・・人間ってというお得意の描写なのだが・・・カメラマン助手には荷が重いキャラ設定では・・・っていうか・・・それならそれで・・・女医、OL、プレイボーイの三角関係をもっとドロドロと描きこむべきだろう。

あーっ・・・・スカッとしねえ・・・とキッドは思います。で、場合によっては「そこがいいのよーっ」ということは結構あるのですが・・・視聴率的にはそうではなかったようです。

だから、肝心のファーストキスが・・・ちっともロマンチックじゃなかった。通過点なら・・・いいけど、永遠の別れになるかもしれない恋人たちの場合・・・唇を離して、閉じていた目をそっと開き・・・見つめあう・・・キス後の余韻は絶対にいる。誰が何と言ってもいりますよーっ。

そして、美緒(井上)が涙・・・でも驚きの顔に・・・恋人(平岡)も泣いているから・・・美緒が恋人の涙をぬぐい・・・もう一度、胸に頬をうずめる・・・くらいでいいのです。そのぐらいの時間はとってください。タイトル部分なんですからーっ。

本来、兄とのトラウマ・キスも「デブだったので最悪の思い出」・・・回想シーンにも使えないくらいのグロ映像にしてしまった・・・デリカシーのないスタッフにロマンチックなことを求めるのは大変なのですが・・・「恥ずかしいけれどいい思い出」くらいにしておけばよかったんだよな・・・それで兄妹では思い出に対するズレがあるくらいの笑いにして・・・とにかく、計算が狂っていたということです。

「生と死のはざま」を「笑い倒す」という意気込みがあったのかもしれませんが・・・キッドとしては「お笑い」はそんなに甘いものではないと申し上げたいです。っていうか・・・やるなら最後までやってくれ・・・。

それにしても・・・フランス修行中のバカ兄貴・・・誰が援助してるんだ。

関連するキッドのブログ『第10話のレビュー

水曜日に見る予定のテレビ『ゴッドタン・神の舌』(テレビ東京)

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2007年9月17日 (月)

人の心は移ろうものでございますのに・・・あなたは移ろわぬもの・・・滅びを前にまだ惑う我を愚かと思し召す・・・。(風吹ジュン)

武田信玄の母・大井の方(風吹)身罷る・・・。

長尾景虎(Gackt)が毘沙門天を信奉し、山本勘助(内野聖陽)が真利支天を崇拝するこの風林火山の世界にあって大井の方は不動明王に帰依している。

不動明王は大日如来の化身である。大日如来はブッダの太陽神としての化身であるから、お釈迦様がお日様になってさらに不動さんになったということである。

そして不動さんは仏の武力の象徴である。つまり・・・仏の道に従わないものを力でねじ伏せるという仏とは思えぬふるまいをするときの仏の姿なのである。

そんなものに・・・「争いは嫌い・・・」という祈りを捧げるところがこの世の矛盾であり・・・大井の方の心の葛藤というものを表現している・・・。

で、『風林火山・第37回』(NHK総合070916PM8~)原作・井上靖、脚本・大森寿美男、演出・清水一彦を見た。例によってシナリオにそったレビューはiksama4様を推奨しています。今回はいろいろと痺れたらしいのでございます。

Kantou_1552 で、今回は甲斐武田・駿河今川・相模北条の三国同盟についていろいろと妄想をしておきたい。基本は安全保障なのであるが・・・三竦みの様相を呈しながらこれが戦線拡大に繋がるところがまさに戦国時代の醍醐味である。ま、絶妙なバランスをとったのだな。一種の舞踊のようでもある。1552年、武田晴信の嫡男・義信に今川義元の娘・嶺松院が、1554年、今川義元の嫡男・氏真に北条氏康の娘・蔵春院が、北条氏康の嫡男・氏政に武田晴信の娘・黄梅院が・・・それぞれ嫁ぐことによって今川→武田→北条→今川というお輿入れの輪が完成し・・・嫡男が全員、義兄弟になってものすごい同盟が出来上がるのである。

これはある意味、晴信、義元、氏康の三人があまりにも似たような実力の持ち主だった結果と考えることもできる。三というものはたやすく二対一になるので、それは絶対にさけたい・・・つまり自分が一になることをだ。その思惑がこの結果を生んだのだな。

極東アジアでつい三対一とかになってしまう我が国は国力が他の三国とは比較にならないので仕方がないのである。もちろん、日中米の三国の場合は二対一にしないとどうしようもない。平和的に一対一対一にしようなどと考えるととんでもないことになると思うよ。

・・・で話は戦国時代に戻るわけだが、この巧妙な政略結婚のおかげで三国は平和に末永く暮らしましたとさ・・・めでたし、めでたし・・・とならないところが国際関係論である。背後に敵がなくなり、心置きなく兵力の前方展開を行う三者だった。晴信(そろそろ信玄)はほぼ手中に収めた信濃の完全占領を目指し、西は木曽へ北は村上へ兵を進める。義元は言わずと知れた東海地方進出。遠江、三河、尾張と侵略を手を伸ばす。そして・・・氏康は関東へ。

今回は武蔵をほぼ制覇した北条勢である。譜代の武将を要所に配置して・・・次なる目標を上野に、そして、房総にと定めている。平井城攻めでついに関東管領上杉家を越後に追い払った氏康・・・。この時、関東における最高権威は名としては古河公方・足利晴氏であり、実としては北条氏康ということになった。その晴氏に妹を娶らせ、生れた子供を小田原城に迎え入れている。いわば足利家に北条家の血を注入である。そして晴氏のすでにいた嫡男・足利藤氏を1552年に廃嫡させ・・・妹の子・足利義氏を後継者としたのである。ごり押しである。もちろん・・・足利晴氏は面白いわけがなく・・・房総半島で一番の里見家に泣きついて・・・またいろいろあるわけであるが・・・とにかく氏康の野望の炎はめらめらと燃え上がり・・・ある意味・・・絶頂なのであった。気がかりは長男・氏政くんの出来が今ひとつ・・・なところだが・・・ま、ここまで勢力ひろげりゃ一安心ぐらいな気分はあったと思う。ま、そうでもなかったわけですが。

とにかく、この同盟は十年近く・・・有効に機能するのである・・・。そしてもちろん、同盟の終焉は信長様が田楽狭間で義元の首をとり・・・今川家が崩壊することにより・・・すべてがぶち壊しになっていくのであった。

ある意味、最高に天下無敵な仏、不動明王にすがっても心の平安を得られぬ大井の方はわが子の行く末を山本勘助に頼み込む・・・しかし、三国同盟が崩壊した時・・・勘助の余命も残り少ないことを大井の方は知らないのだった。

仏はすべてを静かにご覧になっていた。

関連するキッドのブログ『第36回のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『花ざかりの君たちへ』(フジテレビ)

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2007年9月16日 (日)

あなたが捜しているのは手段?それとも目的?(成海璃子)私はあなたを許せない、でもいじめはもっと許せないっ。(北乃きい)

一足先に「ライフ」が終了である。今回は敬意を表してマジなタイトルにしておいた。もちろん、レビューはあくまでプレイとして妄想してまいります。まさに灰色の女王様誕生であるし・・・。

一方、「受験」は「天才の孤独」と「幼くして博識の矛盾」と「神秘のベール」につつまれた家庭教師の女王様(成海)が立場を明らかにした。結局、ドラマはあくまで広のパパ(山口達矢)の「男」としての成長物語というスジを譲らず・・・社会を明るくする運動みたいな展開になってしまっているが・・・鬼神と凡夫の関係は「教育の根本」にかかわる問題で・・・非常に興味深いテーマであると思える。

それにしても「ウソゲ」「ライフ」そして「SP」とこのワクの戦略は大成功だな・・・。アナログテレビの終焉がヒシヒシと迫っているのを感じるぞ・・・。まあ、「SP」が「ライフ」レベルに達するかどうかはぶっさん次第だけど。予告編を見る限り・・・ゾクゾクしてきたっ。

で、『受験の神様・第9話』(日本テレビ・070915PM9~)脚本・福間正浩、演出・本間美由紀を見た。さて、今回はこのドラマには二つの主題があることを感じている。一つは「教育と宗教は無縁ではない」ということ。もう一つは「親になるということは大人になることだ」ということである。前者は実は道子(成海)によりそうテーマ。後者は広のパパによりそうテーマである。この二つのテーマがメインテーマの座を競い合うというのがこのドラマの序盤にはかなり煩わしかった。

最大の失敗は広のパパの職場における行動に重点を置いた何回かである。仕事は営業なので基本は接待をめぐるものだが・・・運動部の先輩・後輩をからめた「がんばりすぎないこと」や仕入れの偽装問題で悩む「ウソをついてはいけません」といったエピソードは「受験の神様」から大きく逸脱していた。ここで視聴率は半減したのである。現在、広の職場はコントとしてほぼワンカットの挿入である。これで視聴率は倍増したのだ。

もちろん、主役の魅力の問題もあるが・・・何よりもテーマを大きく外れてはなんだかわからなくなるのである。

それに対して広のパパが広のパパであるために、よその子供たちにも親として振る舞いだした時・・・広のパパはテーマとして飛躍的によくなった。広の受験仲間は広のパパの幼馴染の子供たちである。その子供たちをわが子のように思い始めた時、広のパパは魅力的になっていったのだ。医者の子供には医者の父親の子供時代のわんぱくぶりを伝え、客商売の子供には客商売の楽しさを説く。

そして出来の悪いわが子の助けとなってくれる子供たちを守るのである。

人という生物の「生き方」をなかなかにポジティブに示唆しているこの数回。ついに今回は道子の「問題」に対して親のようなものとしてふるまうのである。もちろん、相変わらず師に対する礼儀はないのだが・・・自分が「教えられている」ことには気がつき始めた。

つまり、それがこのドラマの重要なテーマである「親だから大人になっていく」の展開なのである。

噂をすれば影で今回柏木由紀子によく似た手塚さとみが理不尽な理事長として登場する。「授業に出ない特待生なんかいらないから退学にする」と言い出すのだが・・・ハーバード大学に入学が認められている生徒に対して・・・そういうことを言い出すことがすでに無理があるのだが、赤の他人である広のパパの説得で方針を変更するというのがさらに無理があるように見える。

しかし、この理事長はかなりのやり手なのである。おそらく、「実力主義」(自由)の時代から「管理主義」(平等)の時代への変化を担っているのである。そのため、例外(道子の特別扱い)が問題になることを怖れて手を打ったのである。けれど、突然、闖入してきた男の暴言に冷たいものを感じたのだ・・・この狂人の言い分を聞かないとテロリズムが発生する可能性がある・・・と判断したのである。こういう狂人には権力は歯がたたない。それよりも慣例を続けることでテロの脅威が取り除かれるならば、次善の策として妥協してもよいという冷静な判断だ。新理事長は保身の権化としてもなかなかのやり手としても完璧に描かれていると考えられる。

さて、道子のテーマである。今回、道子は「兄を慕う妹」という古典的存在であることが明らかになる。すべてを知った広のパパが感動で言葉を失うほどの「神様的存在」なのである。そして、広のパパは自覚はないがすでに信徒なのである。道子という神の忠実な僕として生き始めているのだ。だから校長室怒鳴り込みは狂信者のふるまいなのである。

かって学校は寺子屋と呼ばれていた。つまり、宗教的施設である。西洋でも教会と学校の結びつきが強いのは明らかである。つまり、教育とは宗教なのだな。

たとえば、どのような学問も言葉を信じなければ始まらない。

日本では宗教色の薄い儒教だが・・・儒とは雨乞いをするものの意味である。つまり、儒教の根本はそういう神への祈りにあるのである。仏教もつまるところは仏への帰依が基本にあり、キリスト教もイスラム教もイエスだのアラーだのといった神を信じるところからすべての教育が始まるのである。

現象の対義語は本質である。今、子供たちは道子を信じることによって学問への道を開いた。この現象の本質は道子が神であるということなのだ・・・。今、信徒となった広のパパは道子の教義をまだ不信者である他の親に説く。「神様の教えは奥深いのです。ムダとか無意味とかクビとかはすべて対義語。この世は有意義ですべてのものに価値があり強く生きよ・・・と励まされているのです」・・・まあ、こんな感じである。

なぜなら・・・信じるものは救われるのである。そして信じるものができたとき・・・人は大人に近付くのである。まあ、そうは言いつつ邪教にだまされないようにしてもらいたい。道子が「このツボを売ってきなさい」と言い出さないことを神に祈りつつ最終回を待つのである。

で、『ライフ・最終回』(フジテレビ・070915PM1110~)原作・すえのぶけいこ、脚本・根津理香、演出・谷村政樹を見た。危なかったーっ。またしても真矢みきが主役をさしおいてすべてを持っていこうとしたのだった。そして瀬戸朝香はギリギリで憎悪の対象から悪いことしたけど謝罪するから許してくださいの人になったのだった。もちろん、この人は若いときにいじめに酒井美紀と同様に取り組み挫折・・・見てみぬフリ主義に転向した過去(原作的には)があり、謝罪してもまた転向して日和見する可能性は高いのである。

さて、ピンチに追いこまれた白の女王様(福田沙紀)だが、さすがに腐っても女王様・・・土下座コールなどにはけして屈しないのであった。まさに「私を誰だと思っているの・・・この下衆どもがっ」である。ツバもはいてやればいいのにさっ。

まさにプレイの女王様は異端者なのである。その心情が無能で愚かな一般大衆に理解されるとは思わないのだ。まさに玩具に魂なしなのである。その証拠に彼らのプレイにはまったく創造性がなく、ただ、女王様のふるまいを模倣するだけなのだ。

そして白の女王様にとって、黒板に悪戯書きされようが、トイレで放水プレイされようが、机放棄されようが、Mプレイ体験お試しコースをテストプレイしているのにすぎないのである。自分の作ったプレイコースを体験してみることで、新たなプレイを開発する・・・女王様としては研究に余念がないのである。もちろん、より刺激を楽しむためにみどり(末永遥)がいると知っていて「みどりはバカ」という罵倒プレーも試すのだった。

そういう女王様のプレイぶりに心を打たれる歩(北乃きい)・・・自分の進むべき道に迷いが生じる。そんな歩を愛のこもった眼差しでみつめる黒の女王様(関めぐみ)・・・。そして奴隷の王様(北条隆博)、「SだってMだって立派なプレイヤーにはなれるのよ。Mに真の苦痛を与えるのがSなのか、それとも苦痛と言う快楽を与えるのがSなのか。白と黒では流派が違うけれど・・・もちろん、あなたはSとM、どちらにもなれるのよ」

Sの女王とMの王にはさまれて親子三人のように歩く歩。プレイヤーのタマゴとして大事にされている感覚にワクワクするのだった。

白の女王に教えを請うたりもするのだった。歩「白の主義だと本当の奴隷ってできるんですかぁ?」白「ばかね。玩具のくせにそんなこと聞いて・・・ふふふ、可愛いねえ」

そこへ、(プレイの)英才教育の失敗でついにプレイ道を踏み外した赤の道化師(細田よしひこ)が登場。彼はSとMの両道を目指すあまりについに二重人格となったいわばファール・プレイヤーだ。彼はすでにプレイの道を見失い、相手がSなのか、Mなのかも定かでなくなっている。「オレはSだかMだかもう分からない。こうなったのはみんながMなのかSなのかはっきりしないせいだぁぁぁぁぁぁぁぁ」・・・黒の女王様は「自分のプレイは自分で責任をもってプレイしなくちゃダメよ」とお説教プレー。

見境のつかなくなった赤の道化師はあろうことか白の女王様に凶刃を振りかざす。しかし、「相手を間違えちゃダメー」と奴隷の王様が身を投げ出す。苦痛には目がないのである。その上、不死身だし、さらに苦痛を逃したくないのでナイフも握っちゃうのだった。

もはや、高貴なプレイの応酬に理解不能な下衆どもはとりあえず道化師を拘束するのだった。

そして、クライマックス。昔の写真を見て涙を流すほど・・・玩具としての歩を愛してくれた白の女王様・・・いつでも拙い歩の奴隷ぶりを暖かく見守ってくれた黒の女王様、・・・そしてMのプレーヤー仲間として常に歩にアドバイスしてくれた奴隷の王様・・・様々な思い出を胸に歩は新たなる一歩を踏み出す。「Mとしてプレイをしてきましたが・・・白でも黒でもないSの道を極めたいと思います」・・・灰色の女王様宣言である・・・ターゲットはかってプレイとしての自覚ないまま、自殺未遂に追い込んでしまった親友(大沢あかね)か。

どうか、歩がステキなプレイヤーになれますように。愚昧な大衆に迫害されませんようにと思わず願うナイスな最終回だった。最後の三人女王と奴隷王の構図は抜群。

関連するキッドのブログ『先週の土曜日のレビュー

Hcinhawaii0265 ごっこガーデン校庭セット。お気楽メガネっ娘だけはいじめないと信じてたのにショック~。ところでなんでアイドル戦士に変身を・・・?」まこ「いじめは絶対に許さないのデス。ちなみにライフはパスしてましたーっアンナちゃぶ台投げても学校の机を投げるなーっなのレス・・・ライフはもっと続きが見たいーっ!」エリ今まで、マナが悪い娘だったのはデビルクイーンの新たなる陰謀なのでスー。今、学校全体に悪の気配がするので・・・オシオキなのでスー。みんな、ムーン・トリプル・パフェを行くわよっ。ちなみにパフェはパーフェクトのパフェなのでスーっ。でもリンクは受験の神様でスー

月曜日に見る予定のテレビ『ファースト・キス』(フジテレビ)

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2007年9月15日 (土)

残念だけど十万円じゃ大学にいくのは無理・・・グフッ。(六平直政)VSあーそー。(堂本光一)

・・・おいおい・・・最終回だぞ・・・六平タイトルでいいのかよ・・・だって、ツボだったんだもの。アンビリバ棒から効いてた・・・あー、そー。

秋の映画といえばアンナ様は「HERO」なわけだが・・・あんぱんち様もですな。

で、「スシ王子」的には映画「スシ王子!銀幕版」もあるわけである。

しかし、堤幸彦監督的には青春映画「包帯クラブ」が今週からだ。原作・天童荒太なので文学的らしい・・・。なにしろ・・・石原さとみはさておき・・・貫地谷しほり、関めぐみ・・・というキッドの注目女優二人を抱え込んでおり・・・あなどれない・・・。

そして、対抗馬として三池崇史監督が「スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴ」である。まあ、絶対に認めたくない人や生理的にダメな人はいるだろうがクリエーターたるもの絶対に見なければいけない作品といえるだろう。こちらも堺雅人や小栗旬を巻き込んでいて・・・大丈夫か・・・ああ・・・ジャンゴ・・・あーそー。

まあ、堤監督はテレビもそこそこやってくれるのだが・・・三池監督はウルトラマンマックス以来、ごぶさたである。単発でもいいから・・・テレビ・ギリギリのドラマ・・・見たいよな。冒険家はいませんかーっ。ま・・・こわくて無理なのか・・・。

で、『山田太郎ものがたり・最終回』(TBSテレビ・070914PM10~)原作・森永あい、脚本・マギー、演出・山室大輔を見た。今回の御村(櫻井翔)はよし子(村中暖奈)が福引のガラガラを回す時、太郎(二宮和也)の背後で一番、心配そうにしてた・・・結局、そこか。

もちろん、隆子(多部未華子)も最近、お気に入りである。太郎のアメリカ行きを「来年」→「今日の五時」にスライドさせて隆子の妄想的暴走をエンジョイするあたり・・・バンビでなかったら・・・反感を買いそうなシーンだ。

しかし、S・吉沢悠とM・吹石一恵が明日の女王対決の前座として華麗にプレイするのでまったく問題ない・・・このあたり・・・主題でないから問題ないが・・・三池的ギリギリに近いテイスト。きゅええええええええええええっ(吹石一恵)をタイトルにしたいくらい。最後で呼ばれもしなかった大崎先生(福井博章)・・・次はどこで会えるだろう。

さあ、本題。太郎は「全費用大学持ちで助手として給与もでるという破格の待遇のアメリカ行き」を校長(宇津井健)に持ち出される・・・一応、両親に相談する太郎だが・・・結局、弟妹たちと別れて単身アメリカにいけるような男ではないので断るのだった。

そんな太郎が目指すのは商店街のイベント・エアギター選手権の賞品「ジャンボ・ハンバーグ」なのだった。ま、主役トリオのエアギタークリップは・・・まあまあかな。

しかし・・・やはり・・・本当の主役である弟妹たちが最終回を盛り上げるのだった。

「兄ちゃんがアメリカに行かないのは・・・貧乏だから・・・」と兄を哀れに思った弟妹たちは商店街の福引一等賞十万円を獲得するために・・・福引券の獲得に乗り出す。

優勝をゲットした太郎たちだが弟妹たちが行方不明になり大騒ぎ・・・。

しかし、隆子のママ(柴田理恵)から一報があり・・・福引会場へ・・・。キッドが会場の人ならガラガラに細工して連続六回あわせて60万円を獲得させてあげたいくらいだが・・・無情にも六人全員がハズレ・・・か、かわいそうに・・・。

それぞれが太郎に謝罪するのだが代表して五子(吉田里琴)「兄ちゃん、ごめん・・・兄ちゃんに大学行ってもらおうと・・・がんばったけど・・・はずれちゃった・・・」か、かわいい。

太郎の心は弟妹萌えでいっぱいになりましたーっ。みんなでハンバークを食べるのですーっ。どー見てもまずそうだーっ。

ま、とにかく・・・なんだかんだとトリオはそろって大学へ。弟妹たちも元気に学校へ。頭がとろけそうなハッピーエンドに乾杯っ。続編まだーっ。

あ。スルーしたけどリーダーかわいいよ、リーダー。ぬぼーっとしていて好き。

で、『スシ王子!・最終回』(テレビ朝日・070014PM1115~)脚本・佃典彦、原案・演出・堤幸彦である。

前回・・・目隠しして修行やりなおし・・・項目覚えてない・・・というギャグがあったことも忘れていきなり目隠し修行である。そしてついに開眼するスシ王子(堂本)・・・なんどめだ。

そして、気になるウミ(加藤夏希)の裏切り者・河太郎(中丸雄一)に対するウミのリアクションは「あっ裏切り者だっ」・・・あ、やっぱり。

そして、いよいよ・・・二卵性双生児の弟・スシウルフ(成宮寛貴)とスシ王子の対決の時が・・・来た。何度も言うがネーミング逆じゃないのか・・・。

先週、三夜連続登場したので西村雅彦欠場である。

二人は対決するのだが・・・途中からスシ王子がすべてを語る展開へ。長い長いセリフである。これ・・・ワンカメショーだったら凄い企画だったのにな・・・。

かっぱ巻きごぼう巻対決や分身の術やノリ手裏剣などがあって死力をつくした勝負・・・しかし、審査員を無視してスシを差し出した相手は母・柏木由紀子・・・今。現在だとキッドは手塚さとみと区別がつきません。

しかし・・・壊れた母が食べたいのはおいなりさんだったのだ・・・。

延々と語るスシ王子・・・サービスか、サービスなのか・・・堂本光一ファンへのサービスなのか・・・。

こうして・・・大団円を迎えたテレビ版。弟と和解。母の停まっていた時が動き出し・・・ただし、若い時のままなのでかなり狂っている。

そして、王子は武者修行の旅へ。オチは武留守リリー(平良とみ)である。

「お前をあーそーに憑依して見守っていたのだっ。シャリを極めるためにアメリカへいくのじゃーっ」・・・飛ぶ・・・である。結局・・・リリーは橋留美子の「らんま」のシャンプーの婆さんと区別がつきにくくなりつつあるな。

マドンナはシベリア行きもサウジアラビアの砂漠も免れた河太郎ではなくて・・・奥平海月(山下真司)と結婚オチでした・・・。あーそー。

ま、後は銀幕へ・・・なのだが・・・ま・・・おもしろそう・・・かな。ユリが出れば見るのに。

関連するキッドのブログ『先週の金曜日のレビュー

日曜日に見る予定のテレビ『風林火山』(NHK総合)

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2007年9月14日 (金)

パリでフレンチを食べ放題ですーっ。(深田恭子)VS2プロポーズねぶた祭り開催中。(伊東美咲)

らせらー、らせら、らせらせらせらーっ。・・・なのだった。

なんかね・・・もう音楽にもなれました。津軽三味線を最初からアピールしてもよかったよな。林徹の眠くなる演出もどうやら峠を越えたようです・・・このまま回復してほしい。

一曲は「ヴィーナス」もどきとしてもう一曲は「ラストダンスを私に」か・・・津軽じょんがら節モードなのか・・・。

酪農家の苦しさを訴えるドラマと同じ局で牛乳御殿のドラマなのである。格差社会なのかっ。

それにしても見当違いの方向に闘志を燃やす主人公・恵美(伊東)・・・たとえば・・・まりえ(深田の食欲)とか・・・このテイストって・・・つまり・・・空気が読めないタイプの空回りってことなんでしょうか・・・。それとも正直ものの頭に福やどる話なのか・・・。

ま、強引に最終回がどうなるかわからなくしてきましたが・・・興味のある人がいるのかどうか心配です。

で、『山おんな壁おんな・第11回』(フジテレビ・070913PM10~)原作・高倉あつこ、脚本・前川洋一、演出・林徹を見た。とにかく、山おんなとか壁おんなはもうどうでもよくなって・・・いきなり・・・レースに出走なのである。

前レースで鬼瓦(佐藤二郎)と大山(小池栄子)の大穴が飛び出し、荒れた馬場コンディション。エリ様は恵美-井口(西島秀俊)の本命一点買いなのでございますが、まあ、最終レースなので他の出走場をあわせて展望してみたいと考えます。

一枠・・・井口。幼馴染で・・・おそらく恵美をずっと片思いしてきた。壁おんなと壁塗り職人という相性もあり、カリスマアーティストでフランス語も英語も堪能という特技もあり、男の汗でアピール。さらに語学家庭教師として密着。

二枠・・・若社長(ミッチー)。なんといっても社長である。本店の店長を目指す恵美にとって社長夫人というステータスは・・・どうなのだっ。そのあたりが・・・中途半端なキャラクターなのだなっ。

三枠・・・部長(谷原章介)。「鬼に金棒」の薬物反応がこわいが・・・髪型もなんかちょっと変な感じになって上海帰り・・・妻帯者なので不倫の可能性も・・・唯一、オフィシャルなのかプライベートなのか・・・その心理が恵美にとっては謎・・・ま、部長は「都会」のシンボルなのでしょうね。

四枠・・・部長代理(温水洋一)。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あるかーっ。そんなのっ。しかし、佐藤・小池とともに、川田・深田のペアを作りつつあるスタッフだからな・・・しかし、伊東・温水でゴールしたらテレビを燃やそう。

五枠・・・仕事でパリ行き・・・ま、井口とあわせて・・・という展開もあるが・・・結局、結婚しない女というのも・・・あったっていいと思う。ま、井口がゴールできないとしたら・・・これぐらいかしら・・・。

ま、枠順は違いますがお気楽様のところで各馬の様子を見ることができます。今回はちょっと面白かったのかっ? ま、まりえの行動はそこそこ笑えましたよね。最後のショットは伊東美咲的に美しかったし・・・。

まこ様は一応・・・混戦モードを予想。部長を慕って本店残りという可能性を指摘しています・・・さすがに温水は枠外なのかっ。

ま・・・アンナ様は「ホタルノヒカリ」の最終回を見損ないおいたわしいのでございますが・・・キッドは「山壁」最終回は見逃しても全然平気・・・な感じ?

へばなーっ。

関連するキッドのブログ『第10話のレビュー

土曜日に見る予定のテレビ『受験の神様』(日本テレビ)・『ライフ』(フジテレビ)

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2007年9月13日 (木)

・・・していると思われたら困るようでは無理なのです。(綾瀬はるか)

「楽しかったけど・・・短かったよね、夏」・・・本編はかなりひどいのにCMは秀逸だったある映画・・・。その秀逸な方を思い出させるドラマで良かった。

視聴率は平均では「バンビ~ノ」より下だったけど最終回は「バンビ~ノ」より上という微妙なところ・・・ま、久しぶりに会話をそこそこ楽しめるドラマで良かった。

今回、テキストはミルトンだったのだが、テンメイ様とのラスト予想対決で負けたときの言い訳用として準備していたので・・・最後が予想外のハッピーエンド・・・っていうか・・・キッド・・・勝ったよね。勝ったといっても過言ではないよねーっ。サッカー男子「日本VSスイス」戦なみにーっ。

まあ、絵的にはテンメイ様の勝利ですけどね。

ともかく・・・ミルトンがテキストとして完全ではないので・・・。

ここは「宮沢賢治」を急遽たてる・・・ミルトンもせっかくだからやるけどね。

(「春と修羅」第一集より)

   序

わたくしという現象は

仮定された有機交流電燈の

ひとつの青い照明です

・・・・・・・

はねあがる青い枝や

紅玉やトパーズ またいろいろなスペクトラムや

もうまるで市場のような盛んな取引です

                              二三・一二・一〇

・・・「春と修羅」第一集の冒頭の三行と末尾の三行である。

二三とは1923年なので百年近く前の話であるが、キッドにとって最初の三行は人の「こころ」を科学の最先端で表現していると思える。そして最後の三行は「恋の賛歌」である。

ま、いわば、「泣いているときの蛍や一人の部長」と「縁側の蛍と部長」を象徴していると考えます。

で、『ホタルノヒカリ・最終回』(日本テレビ・070912PM9~)原作・ひうらさとる、脚本・水橋文美江、演出・吉野洋を見た。安倍首相辞任のニュースを裏にまわして15.3%のフィニッシュ・・・がんばったな。安倍も死ぬまでがんばれば凄かったのに・・・。残念だ。

とにかく、原作ファンには微妙な・・・フィニッシュ・・・とにかく、「ウンコしていると思われたら困る」的に性的描写を抑えた展開なので・・・これだと、蛍(綾瀬)と部長が最初から直接的な性的関係を持っているという解釈まで・・・実は可能なのである。

ともかく・・・まこ様によると最後にはうぅ~んという声が聞こえるそうだから最後は「チュー」その他をして・・・セリフではごまかしているけれど・・・部長と蛍が結ばれた・・・と考えてもいいよね。だから・・・キッドの予想通りだーっ。万歳っ。

ま、蛍とマコトの結婚式も、部長が蛍を略奪するところもなかったけどさ。

結局・・・年上の男とちょっと年の離れた女の恋愛劇を日本でやる場合・・・このぐらいが一番、落ち着くということになるのではないでしょうか。青島のだめが冗談でなかったり・・・さんままさみがちょっと心配なのはそのためです・・・。

確かに・・・お金持ちのおじさんと美しい若い女性のカップルはある意味、理想的なのですが・・・それだけにいやらしくもあり・・・ドラマ化が困難なのですね。

そういう意味では・・・「ホタルノヒカリ」は秀逸だと思います。

それにしても・・・終局してみると・・・マコト(加藤和樹)のキャスティングは無難だったんだなぁ。繊細すぎて敏感すぎて嫉妬深く・・・最後は善悪定かでないキャラですからーっ。これはどう演じても損な役・・・。だから演じきったことを褒めてあげたいくらいだ。

最悪、「何度かして飽きて・・・楽しめないから・・・捨てた」と受け取られる可能性もありますからね。

それにしても・・・職場で「彼女が好きだ」とか「上司と暮らしてた」とか「一緒に暮らすことにしましたーっ」とか・・・業界かっ。業界なのかっ。

ま、秘密にしようとしても・・・ま、バレる時はバレますが、これだけオープンだと・・・あえてファンタジー・ゾーンにしているか・・・実は小学生の妄想なのか・・・とも思います。

あれだけ同棲宣言して・・・解消。同棲していたけど何もなかったよ宣言しておいてやっぱり本格同棲・・・修羅場はないのか。屋上は痴話喧嘩的聖域として公認のオフィスビルなのかっ。

キッドは基本的に男と女の関係になって一週間でかなり恥ずかしいことをしてしまうと思うので蛍やマコトの言動がちょっとリアルに感じられないのですが・・・まあ、関係になる前ならシモネタ禁止的乙女心はありだと思います。

しかし、まあ、乙女の中には暗闇で正常位一筋オーラルなんて不潔という方もいるかもしれず・・・それはもはやアブノーマルなのでは・・・と考えます。

ま、とにかく・・・影の風紀委員・山田・二ツ木ペアの心配をよそに・・・マコト・蛍は同棲を決行・・・トイレが縁側化するという最悪の結果に。キッドは最初の気まずい描写の後・・・もう、テレビゲームをするしかないだろうっと思ったのですが・・・レースゲームじゃだめーっ。っていうか・・・干物のくせにゲーム音痴だよ・・・画面みてなきゃ無理だし・・・愛読書「なかよし」だしな・・・らき☆すたのム~ンっていうあの娘とかだったらなぁ・・・チバテレビ禁止・・・「ドンキーコング」とかの攻略系を二人で攻略するとか、二人同時プレイでもとにかく一緒に協力できる系とか対決ものならせめて格闘系とかぷよぷよとか・・・そういう問題ではなかったのだった。

「一生懸命カレーを作って」も「無理しなくていい」と云われ、「手伝うよ」と言われても「一緒にマンガ読もう」と言ってしまい・・・読めるかーっ・・・ことごとくすれ違う二人・・・。

っていうか・・・二人の愛の巣・・・狭すぎるのじゃないのか・・・ゴロゴロができないのが問題じゃないのか・・・。

まあ・・・どんなカップルだってこんなもんだけど・・・ぬくもりが欲しくて一緒にいるのでしょう。そして・・・ホタルは「恋」と「愛」が分離してしまうタイプ。こういう子は愛する人がいても恋に走る危険性を常に秘めています。

で、そういう部分もひっくるめて愛してくれる理想の相手・・・それが部長(藤木直人)だったという結論。まあ・・・早い話・・・蛍は明らかに二股かけていて・・・自分でそれに気がつかないという・・・そういうアホ宮だったのだな。

けれど仕事はできるのだった・・・。

そのあたりが一年というペナルティーに表現されているのだな。ねえ・・・一年・・・私は反省したので・・・一から愛しているってことでいいですよね・・・ということでしょうか。もう、この理屈はドラマ版蛍ならではのものでしょうね。

ひとつの青い照明という現象にすぎない人の心・・・それを揺ぎ無いものだと思いこんでいるもの同士の恋愛は・・・まあ、うまくいかないもの・・・それでも人は盛んに取引するのですけどね。

部長は蛍の横顔に・・・蛍は部長の横顔に・・・恋をして・・・部長は蛍をからかって・・・蛍は部長にとっておきのジョークを試す・・・そして・・・新聞紙をはさんで・・・きっとチューをするのです・・・。男は左に女は右に騎士道的な配置で・・・蛍が部長を介護するその日まで・・・幸せだといいな。そうだといいよね。それはひとつの御伽噺だから・・・。

少女時代の蛍(吉田里琴)の求めた希望の光・・・それはクリスマスパーティーや、ヘリ花火の緊張感あふれる恋ではなくて・・・部長の家の贅沢な縁側に・・・あったらしい。そういう意味では蛍は・・・金のかかる女ということなのだな。・・・おいおい、それが結論かよっ。

関連するキッドのブログ『第9話のレビュー

(ミルトン『失楽園』より)

天使ラファエルの忠告も虚しく・・・昼下がりの楽園ではイヴが蛇と会話をしている。

蛇は魔王の化身であり、サタンがまた神の一部であることの証だった。

サタン「美しい乙女よ・・・あなたのような美しいいきものを私は見たことがありません」

イヴ「まあ、言葉を話す蛇を見るのは初めてよ」

サタン「私は智恵の実を食べた蛇なのです」

イヴ「まあ。あの禁断の果実を・・・あなたが・・・」

サタン「禁断・・・それはおかしいですね。禁断とは許されざること。あなたは自由なのでしょう」

イヴ「もちろん」

サタン「自由なものにどんな許されざることがあると言うのでしょう・・・」

イヴ「でもそれは許されないことなのよ・・・」

サタン「フフフ。それはきっと・・・神があなたを憎んでいるのでしょう」

イヴ「私を・・・どうして?」

サタン「あなたの愛しい人はあなたを愛してる?」

イヴ「もちろん」

サタン「ではあなたと神とではどちらを・・・」

イヴ「それは・・・」

サタン「あなたは神よりも美しい・・・もしもあなたが神の智恵を身につけたら・・・」

イヴ「アダムは私だけを愛するようになるかも・・・」

サタン「神はそれを怖れているのです・・・」

イヴ「そんなことって・・・」

サタン「すべては智恵の実を食べてみればはっきりするでしょう」

そして、イヴは愚かにも智恵の実を口に入れ賢くなった。

そのために自分の罪を知り・・・アダムに自分の罪を打ち明けた。

イヴ「私は罪を償うつもりです。その前にあなたとお別れを・・・」

アダム「私にはお前を失うことが耐えられない・・・。私もお前と罰を受けるよ」

アダムは智恵の実を口にした。

あらかじめ裏切られることを承知ですべてを見守っていた神は

裏切りが定まったと同時に最も愛する天使に命じた。

「汝が希望となることをかって愚かであり今は賢いあの夫婦に・・・そして楽園が失われたことを知らしめるように・・・」

下級天使たちを従えて天使の中の天使と呼ばれた天使は

閉ざされつつある楽園に降下した。

彼は身を寄せ合う夫婦に慰めの言葉をかけた。

「汝ら・・・楽園を失いしものよ・・・行くがいい・・・罪は消えることはないが

汝らが悔い改める限り、いつか、私が女の腹より出で罪を贖うから・・・。

希望は常に汝らとともにあるのです」

二人は手をとりあって森の中に天使たちが開いた小道を歩き出した。

天使たちは憂いを含んだ眼差しで二人の後姿を見守った。

その気配にアダムがふと後ろを振り返るとすでに来た道は消えており

エデンの東には閉ざされた森があるばかりだった。

もはや二人はとぼとぼと罪と死の待つ世界へと歩くほかにすべはない。

金曜日に見る予定のテレビ『山田太郎ものがたり』(TBSテレビ)『スシ王子』(テレビ朝日)

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まこ「おやおや・・・みのむしちゃんがいませんね・・・」

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2007年9月12日 (水)

私はダンドリ。しましたっ。(堀北真希)VS私は両手に花(神木隆之介&山田涼介)しましたっ。VS嫁に行くから~っ。(新沼・・・相武紗季)

ああ、そこそこ地獄だった火曜日が終ります・・・フィナーレにふさわしく、深夜に男女サッカー二本立て・・・殺す気満々だな・・・。

しかも、ドラマというか・・・マンガみたいな試合だった・・・。女子ワールドカップ「日本VSイングランド」先制点→二分間で二点とられて逆転・・・敗色濃厚・・・後半ロスタイム・試合終了直前、宮間、今日二本目のFKゴ~ル。2-2のドロー。マジでかっ。解説・川上直子「やばい、やばい、やばい・・・あ、あーっ、あ、あ~ん、入ったーっ。すごおおおおい」・・・いい加減にしとけよ。男子四カ国トーナメント「日本VSスイス」前半ドタバタと二点取られて、0-2で折り返し・・・オシム「相手をリスペクトしすぎたのか、こわがったのか、腰が引けていたので、タマついてんのかっと叱った。そしたら、男をみせた。身長が足りなくてもタマついていればできることがある」・・・言い加減にしろってばっ。後半いきなり三得点で逆転・・・しかし、川口がとめきれず、同点においつかれる・・・後半ロスタイム・試合終了直前、変わったばかりの中村(ケンゴ)のシュートをキーパーパンチングはねかえったところを変わったばかりの矢野が真空跳すね蹴りゴ~ル。突き放して4-3しかもこの大会優勝。「オシムマジック」とインタビュアーが言わないのでオシムの言葉は留まるところをしらないのだった。そこまでがマンガだ。

今回のレビュー順。①「花君」↗19,5%(あがったーっ)②「Q」↗11.7%(あがったーっ)③「牛」↗10.4%(あがったーっ、しかも八週ぶりのフタケタっ、でも万年3位だったーっ)・・・やはり連動していたのだな。

で、『花ざかりの君たちへ イケメン♂パラダイス・第11回』(フジテレビ・070911PM9~)原作・中条比紗也、脚本・武藤将吾、演出・都築淳一を見た。で、つまり・・・なんだ・・・深夜のサッカーの二試合はこの番組のオーラの中にあったのだな・・・集団的無意識の発動なんだ・・・きっと・・・だって、今回のイベントは「地元開催の応援セレモニーの主導権をめぐる九十番勝負」なのである・・・なんだよ、90番て・・・やるのか・・・90種目やるのか・・・やりませんでした。ま、やったのかもしれませんが・・・編集でカットなのか・・・コヨリデクシャミ対決とか(中津が勝つ)ギャル語翻訳対決(佐野が勝つ)とか・・・以上にくだらない競技があったのか・・・粉マシュマロ早食いはなかったのか・・・それだけが気がかりだ。

しかも、寮対決は30VS30VS30のドローである。チャンスタイムはなかったのか・・・。そして、佐野がすがすがしく、競技に参加したりしちゃったりして、三寮は和気藹々と、ダンドリ。ボーイズしちゃったりなんかして、なんだか晴れ晴れユカイな展開なのであったりしちゃったりしちゃうなのだもんね。

それというのも佐野(小栗旬)が父(杉本哲太)と和解したからなのだのだーっ・・・。

今回のサービスは瑞稀(堀北)のダンス衣装あすなろ告白のリフレインで、中津(生田斗真)は佐野に「お前だから負けたくない」宣言までするのだが・・・その後は佐野・瑞稀のラブラブモード一直線なのであるのですったらですなのです・・・。

佐野の父親が病気で入院・・・それを知った瑞稀が佐野に勇気を出して・・・「佐野の気持ちはオレにはわかんないかもしれない・・・でもたった一人の父親じゃないか・・・よし、佐野がいかないならオレが行く・・・」お前が行ってどうする・・・しかし、時に人はそういう理不尽に心を動かされるものなのだな・・・ついに父を見舞う佐野。「今ならわかる・・・ママはパパを愛してた・・・愛してたし信じてた・・・ママは幸せだった・・・子供の頃には分からなかったけど・・・最近・・・女の子のおへそとか見て変な気持ちになるので・・・今はもう・・・分かるよ・・・愛・・・愛ってこと」・・・和解成立である。

そして、瑞稀はマッサージの本で研究・・・佐野をうつ伏せにして・・・もみもみなんかしちゃったりしちゃうのである。そしてヘソ出して寝ちゃったりしちゃったりなんかしてーっ・・・。佐野・・・興奮して眠れない・・・いや・・気合が入ったりなんかしちゃったのだなーっ。

もう、いい加減広川太一郎ごっこやめとけ・・・疲れるから。

そして・・・パパから瑞稀に必殺のアドバイス・・・佐野は自己記録更新のジャンプを成功させる・・・そして瑞稀は佐野から「みずき」と呼ばれて有頂天なのだった・・・。

中津・・・つらいのーっ。しかし、あきらめないんじゃのーっ。男じゃのーっ。

本日の大サービス・・・瑞稀とひばり(岩佐真悠子)が衝突っ。ここでスロー再生をした男子は健全っ。そして、ひばりはついに重要なアイテムを手にいれた・・・。

それは・・・瑞稀のパスポォォォォォトっ。ひばり、はじめて注目をあびる言動を・・・「男子校に女子がいまーす」・・・長い長い潜伏期間(高校生活八年目)を経て・・・最終回スペシャルへーっ。ひばり中心でーっ。

で、『探偵学園Q・最終回』(日本テレビ・070911PM10~)原作・天城征丸(他)、脚本・大石哲也、演出・大塚恭司を見た。同一犯による連続殺人ではなく、「数珠繋ぎ」殺人だったと・・・キュウ(神木)は言うのだが・・・それが「リレー式でそれぞれ別の犯人が不連続におこした殺人事件」という内容を正確に示したネーミングとは思えないところが・・・この脚本のやっつけ度の高さを示していると思う。でも。まあ・・・最後は輪になるから・・・ギリギリいいかあ・・・。キッドだったら「サーキットで一周玉突き衝突殺人」とかにするな・・・どうでもいいわっ。

この物語の核心ってなんだろう・・・とキッドは考えた。

で、それはやはり、分業ということなのだな。しかもネット社会があるからという現代ならではのもの。

「奇想天外な犯罪」には二つのものが必要だ。「奇想天外な犯罪を考えることのできる頭脳」と「犯罪を起す動機」である。

後者はきっとかなりの量産が可能なのだが・・・前者はそうはいかない。やはり、「奇想天外」を考える犯人は「天才」なので・・・いつも同じ犯人になる可能性が高い。そこで「実行犯」は動機と実行をするが計画は「天才」にまかせるというシステムである。これはリアルなのだな。毎週、奇想天外な犯罪を犯す別人が登場すると「世の中、天才だらけかよっ」てことになるので・・・絵空事感が高まってしまうからな。

もちろん、これは新しいアイディアというわけでもない。「沙粧妙子-最後の事件-」(フジテレビ・1995夏ドラマ)もコンセプトは同じ。ただし、ネット社会の発達でよりリアルになったということである。

ただし・・・「沙粧」と比較するほどの内容ではなかったのが少し残念ではある。

もっともっと奇想天外なのがよかった・・・。

もうなんか・・・犯人が自家製ロケットエンジンの四輪車に乗って深夜の鉄道を走ってアリバイ工作する・・・みたいな・・・そういうのが・・・欲しいの・・・。なにしろ、テロリストの爆弾を素人がネットで調べて作る時代なのである。

催眠術にかからない修行だって催眠術という疑似科学の疑似科学的説明が必要なのである。そこで初めて修行が可能なのである。変なヒカリでごまかすなーっ。

もちろん、薬品とあわせて使えば洗脳とか、暗示とか、人格改造とか、すでに何でもできるというあたりを匂わせてもいい・・・。

しかし、なんていうか・・・すべてが子供だましだったな・・・。

最後まで・・・。けれど、「探偵があきらめたら事件は迷宮入りなんだ」は名セリフだった。

で、ケルベロス(鈴木一真)やユリエ(奥貫薫)は逃げたし・・・ハデスも実は死んだとみせかけて・・・実は○○先生に変装している可能性もあるのである。なぜなら・・・「死」は彼にとって「美」だからな・・・。一応・・・そうともとれる演出になっており・・・キッドはその点だけは評価したいのだった。

ハデス「ふふふ、キュウくん・・・本当に素晴らしい事件はね・・・最初から迷宮にあるものなんだよ・・・だってこれは善と悪による知的ゲームにすぎないのだから・・・」

で、『牛に願いを・・・最後は馬にもちょっとお願い・最終回』(フジテレビ・070911PM10~)脚本・金子ありさ、演出・三宅喜重を見た。

「嫁に来るから~」は日本語としてはおかしいような気がするが「嫁に来ないか」のアンサーとしては正しいのかもしれない。

ああ、終った、終った・・・っていう言葉が似合うドラマでした。結局、父と息子が和解するのは「花君」と一緒という・・・ま、よくあるテーマっていったらそうですが・・・そこで一役買った女の子が愛を得るってとこまでかぶるとちょっと片腹痛いですねーっ。

途中で消えた田中圭と香里奈は・・・タイムリープして発達障害のある男の勤める動物園で再会・・・玉鉄の父そっくりの園長や教授そっくりの飼育係がいて・・・驚きます・・・戸田恵梨香は牧場経営を夢みながら北海道の有名な動物園へとりあえず就職・・・今度は象さんが死んだりして涙。相武はヤクザな映写技師と恋におちる模様・・・。

真澄ちゃんはのだめスペシャルがあるしなーっ。出てほしいなーっ。

平均20%越えのなかった夏ドラマ・・・暫定ですが・・・このドラマ・・・本当はその可能性あったよなあ・・・主役クラスのヒロインを三人そろえて、動物がらみで、グローバル化されて困窮する第一次産業を生活基盤とする地方の問題という背景があって・・・ひと夏の青春・・・ねえ、素材のひとつひとつは素晴らしい感じ・・・。こうなると料理の腕が悪かったとしか・・・言えないのでは・・・まあ、キッドが料理人なら「客だっ。客が悪かったっ」って言いますけど・・・。

結局、グローバル化に対応するにはマルチ化するしかない・・・とキッドは仮説を持っています。生産(加工)・流通(販売)・サービス(観光)の一体化というシステム・・・。せめて、そういう提示でもあればちょっと口惜しかったのに・・・。なーんにもないんだもんな。オリラジのスケジュールがタイトだったというのが想像できる程度で・・・。マッキーは牧っていうくらい主題歌は水準に達してた気がしちゃったりなんかしてしたりはするのですが・・・。

関連するキッドのレビュー『先週の火曜日のレビュー

安倍総理・・・かわいそうに・・・日本はピンチだなぁ・・・。

木曜日に見る予定のテレビ『山おんな壁おんな』(フジテレビ)

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Hcinhawaii0264 ごっこガーデン牧場セット。お気楽えーっ、牛ごっこするの?興味ないのに・・・リンク花君なのに・・・エリ・・・じいやがピンクのつなぎ作ってくれたし、牧場セットも1回も使わないのは動物ロイドが可哀想だし・・・まこつなぎも色違いもあるけどピンクじゃないとなんのドラマだが謎になるのデス。ちなみにまこは新乳製品を開発中・・・ミルキーの中にミキがあるって気がついたからデスアンナでね。ダーリンがね。これは命のね。重さとかね。かっこいいの。でね。アンナは松メガネにしてみたの。でね。劇場から特別中継のね。平成財閥ネットのね。アンナはいつでもHEROが見たいからなのレスね。でねでね・・・シャブリシャブリ、「」は少し遅れて発進しまーすっ

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2007年9月11日 (火)

楽しいと死ぬのがこわくなるので心臓に悪いのです・・・。(井上真央)

「生と死」は実は表裏一体のものなのだが・・・それは生きているということが死を知らないためである。

もちろん、人は生きている間に他人の死を感じることはできる。

しかし、自分の死は・・・一応、推定だが・・・一生感じることはない。

ただ死ぬのである。そして「生」は消える。

もちろん、たとえばあなたが死んでも、私が死んでも世界は続いていくだろう。

けれど、死んだあなたや死んだ私にとって世界は滅びるのである。

・・・そんなのいやだーっという思いがある人はいろいろと悩むだろうし・・・なるほど、そうなのかと思う人は棺桶に片足つっこんでいたりする。人によって「死」の感じ方はそれぞれだし・・・時によって同じ人でも違う感じを持ったりする。

今回・・・美緒(井上)は「人を恋する気持ち」で「生きることへの執着心が芽生える」という古典的な心の変化を演じたわけだが・・・演技そのものは素晴らしかったと思う・・・けれど・・・世界の方はそれに答えているのかどうか・・・微妙だ・・・。

とにかく・・・バカ兄貴(伊藤英明)はダブルブッキングでTBSで土方歳三やっているし・・・。

本題に入る前に恒例の視聴率チェック。「女帝」↗14.0%(爆上げー。ふざくんな的勝利なのかっ。酒井彩名ついにあてたな・・・ドス黒い女王様か)、「山田太郎」↗16.3%(あげたーっ。二週間の間を克服)、「スシ王子」↗*8.3%(微妙にあげている・・・みんな・・・知らなかったのか?)、「受験の神様」↗11.5%(今週の上げ幅最高値。これは先週の出来がよかったのか・・・それとも成海璃子の涙が数字持ってるのか)、「ライフ」→14,2%(でたーっ、二度目の→安定マーク。つかんだお客は離さない・・・白黒女王様さすがだ)、「風林火山」↗17.3%(女たちの風林火山がじわじわ・・・リツがちょっぴり貢献?)、ちなみに「妻夫木聡の天国と地獄」20.3%、「深キョンの生きる」11.7%、「上戸彩の新撰組」前*9.5%後*9,1%、ついでに「ファーストキス」↘13.2%、以上。

で、『ファースト・キス・第10話』(フジテレビ・090710PM9~)脚本・井上由美子、演出・川村泰佑を見た。熱中症か・・・。今年の夏は暑かったからな・・・水分、とらないとダメだぞ、バカ兄貴・・・ってそういうドラマなのかっ。

十代を・・・鬱屈して過ごした女の子が二十代最初の夏をエンジョイする・・・しかし、その結果・・・少女は幸せになったのか・・・どうか・・・そういうドラマだったのですね・・・ってコンセプトが分かるの遅すぎるし・・・。

これは井上真央という女優に適した役だったのかどうか・・・すっごく微妙だ。

確かに・・・前半から後半への感情の起伏は演技力の要求されるポイントだが・・・前半はいわゆるひとつの小悪魔的な魅力が要求されるところ・・・。井上に・・・小悪魔は無理なのではないか・・・。井上は天使の器だから・・・。

小悪魔とは妖精である・・・昔ならオードリー・・・今なら沢尻エリカでないと無理。

ギリギリ・・・蒼井優か、宮崎あおい・・・だったな。

ま、そんなこと言ってもな。

兄貴のおばかな活躍で・・・渡米を延期した美緒・・・恋人(平岡祐太)にも再会して・・・久しぶりに心臓発作・・・。一人、薬を飲んでこらえた美緒の胸に・・・「不安」がやってくる。誰にも告げずに美緒が向かった先は恋人の元・・・。「日本にやってきて、みんなとワイワイやって、好きな人ができて・・・こんなに楽しかったのは生れてはじめてだよ・・・でも・・・こわくなりました・・・すべてを失うのがとてもこわくなりました・・・」恋人の抱擁さえ、ビクッと一度は拒絶するほど恐怖を感じる美緒・・・それでも恋人は優しく抱きしめて・・・。チューはぁ? タイトルにこだわるあまり・・・流れ的に不自然なんですけど・・・。

妙に厳格な医者と患者の交際禁止。それじゃ・・・植物状態の奥さんを入院させていたあの人とか、あの人の場合はどうなんですかーっ。

やるのか、やらないのか、はっきりしないバカ兄貴と女医(松雪泰子)の恋。

そして・・・むやみに冷たくあしらわれるはるか(酒井若菜)と「はるかに言われたくない」という野球部の監督。・・・違うだろう。・・・ま、いいか。

美緒の周辺が・・・すっきりしないんだよなぁ。いや・・・すっきりしなくても面白ければいいんですけどね。・・・つまんないんだよなーっ。

カメラマンの師匠(竹中直人)の心意気だけが・・・すごく分かりやすいのだが・・・「安い仕事だがやるか・・・」「オレがやりたくない仕事だがやるか・・・」「命懸けの仕事だがやるか・・・」と半端仕事を回してくれる本当は面倒見のいいところまでを見たくなる展開である。芸術系の人々はそうして弱肉強食していくわけだから・・・。

かって恋人で患者に自殺された女医の深夜の号泣とか・・・つくしてつくして裏切られる役ばかりのモー子の深夜の号泣とか、劇団ひとりと阿部サダヲの抱き合って深夜の号泣とか、急に主役の恋人とか言われても困るよなと悩むアユタの深夜の号泣とか・・・そういうのもあればよかったのに・・・と思うキッドでした。

ともかく・・・最終回だ・・・最後、死ぬ可能性もでてきたな・・・その点はさすがだ。

関連するキッドのブログ『第9話のレビュー

水曜日に見る予定のテレビ『ホタルノヒカリ』(日本テレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

Hcinhawaii0263 とある劇場前・・・。お気楽また、仕事さぼって・・・スケジュールに映画鑑賞とか書かれても困るのね。第一、ファースト・キスと関係ないし・・・まあ、曲がブチギレなんでどうでもいい気もするのねアンナでね。カエル君、でね。ダーリンがね。かっこいいの。でね。ラストシーンはね。アンナは、ワリと平常心、なくてもあってもダーリンだから最高だけどね。でね。でね。カエル君、どうだった?」かえるちん「・・・・」あんぱんち久しぶりにね。お休みしたりもしたけどね。私も出演している映画だから許してあげてね

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2007年9月10日 (月)

絶対に言いませんっ。言わないと言ったら申しませぬ。武士の娘に二言はございませぬっ。・・・くーどーいーっ。(前田亜季)

うふ・・・また、ちょっと楽しくなってきた・・・山本勘助(内野聖陽)だった。

タイトル的には「えーっ、アレですかーっ。於琴姫様に会いにーっ。あーっ、もしかして、由布姫様にばれちゃってーっ、そんでもって、嫉妬の炎メラメラでーっ、勘助様が於琴姫をえいやーとーっとばっさりお斬りになるーっ。だめですよーっ。そんなことしちゃーっ」でもよかったのだが・・・。コギャルか・・・。

ともかく、リツ(前田亜季)・・・おそるべしっ。

で、『風林火山・第36回』(NHK総合・070909PM8~)原作・井上靖、脚本・大森寿々男、演出・東山充広を見た。毎度おなじみのシナリオにそったレビューはikasama4様のレビューをお奨めでございます。

Kai_shinano_1551 さて、今回も武田の女たちの戦いは続くのでした・・・女たちの風林火山・・・展開です。今年の大河はけして女性を軽く描いてはいない・・・というか・・・描きこんでいます・・・ただし・・・あくまで戦国風のつもりらしい・・・。もちろん、山本勘助の周囲はフィクション色が強くなるのでかなり遊んでいる気配があります。もう・・・リツ・・・やはり・・・ミツ(貫地谷しほり)の生まれ変わりか・・・と思える展開・・・。しびれます。

勘助・・・たまにはミツのこと・・・思い出してくれ・・・「姫様~四郎様~」ばかりじゃなくて。と思わないでもないですが・・・ま、いいか・・・。

戦がないのでマップも盛り上がらないのですが・・・久しぶりに武田父子のまとめをしておきたいと考えます。まあ、親子ですから・・・いろいろあって当然なのですが・・・このドラマはやはり信虎(仲代達矢)と晴信(市川亀治郎)の葛藤の物語なのですね。

まずは主人公・山本勘助は妻子を殺した男の息子と主従です。もう・・・慣れましたが・・・この設定・・・凄すぎる。本当は勘助が何をしようが・・・この一点で・・・泣けるのです。現代では思いも及ばない設定・・・第一、信虎・・・死刑ですからーっ。

さて、マップは上が北ですので東南の角から見て行きます。小山田勝山城には小山田信有(田辺誠一)が美瑠姫と暮らしています。史実では戸石崩れで重傷を負いほどなく死亡という説が有力ですがピンピンしています。あまり、強調されませんが・・・信有の正室は信虎の妹姫です。つまり、信有は晴信の義理のおじさんなのです。信有の死後、家督は信有二世・・・そして裏切り者として名高い二世の弟の小山田信茂と継がれていくのですが・・・つまり、信茂と四郎勝頼は従兄弟にあたります。

武田二十四将図というものがあります・・・。まあ、モビルスーツカタログのようなものですが、この組み合わせには定番がありません。いろいろな組み合わせがあって、たとえば山本勘助抜きのものもあるわけです。その中でもはずされやすいのが勝頼と信茂です。勝頼は武田家を滅ぼした当人ということで・・・そして信茂はとどめをさした犯人ということで・・・登録抹消の刑に処せられるようです。

そのそもそもの因縁は油川家謀反の時に加担した小山田家を討ち、懐柔策として自分の妹を娶らせた信虎が作った・・・といえるのです。

そして、かなりの虚構ですが・・・武田信虎が指揮をとり、殿を務めた晴信が滅ぼした小笠原大井氏の一族・平賀家の娘が美瑠姫です。寝首をかかれるという設定は・・・つまり、晴信と由布姫や、晴信と於琴姫の間にも起りうることを暗示しています。

また、この虚構の延長上にはもうひとつの解釈もあります。先妻の子供と後妻とのお家騒動です。「油断の上の不始末」として汚名を着せられず「戦死」あつかいにするという晴信の原因オレだもんね裁きが下るのですが・・・報告をしたのは正室の子供・・・小山田二世です。場合によっては後妻に子供が出来たので身の危険を感じた小山田二世が父、父の愛人、父の愛人の子供を一挙に始末した・・・という可能性もあるのです。小山田勝山城で何があったのか・・・それは秘せられるわけですから。

そして、それは信虎~晴信でも、晴信~義信でも・・・実際に起ることですから・・・まさに下克上の醍醐味です。

さて、地理的に相模甲斐国境上に位置する小山田家は基本的に北条家にたいする前衛であり、パイプ役でもあります。それは同時に裏切りの温床でもあるのです。

同じように大井の方(風吹ジュン)の実家である武田大井氏の上野城は駿河今川家に対峙します。信虎が晴信の母を正室に迎えたのはそういう戦略上の問題がからんできます。そこに愛が生れるのかどうか・・・まさに一寸先は闇の世界なのです。

信虎は晴信に京都から姫をもらうのは・・・ある意味、同じ轍を踏ませたくない親心であったようにも見えます。しかし、時代がそうさせるのか・・・DNAがそうさせるのか・・・晴信は父が母にしたことを諏訪夫人・由布姫、油川夫人・於琴姫と繰り返していく・・・業です。業なのでございます。

さて、侵略拠点である諏訪の上原城には板垣信方(千葉真一)の倅・信憲(信重)が城代となっています。晴信には得がたい家臣だった男の息子を晴信はまもなく追放します。理由は「無能」だったからです。晴信の胸中を察すると胸が痛みます。しかし、それが究極の実力主義の世界・・・戦国時代のシンボルです。

信濃にはまだ敵対勢力があります。その最前線は①対村上最前線・真田の守る戸石城、②対小笠原最前線・原の守る平瀬城、③対上野国境・飯冨の守る内山城、④対木曽対小笠原を兼ねる・馬場の守る深志城・・・どの城を守る武将も信虎・晴信どちらにも因縁深い武将たち・・・。

愛も憎しみも受け継いでいく・・・まあ、質と量はかなり違うかもしれませんが・・・それは現代の父と子にも通じるところはあるかもしれません・・・ま、ここまでドロドロじゃ・・・ないかもしれませんが・・・キッドはこの父と子の関係に充分ついていける・・・ような気がするのですが・・・。

来週はいよいよ・・・大井の方がこの世界から去って行く気配。しばらく続いた女たちの風林火山も幕となるのでしょうか・・・そうでないと勘助・・・ノイローゼになるのではないかと心配する今日この頃です。

関連するキッドのブログ『第35話のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『花ざかりの君たちへ』(フジテレビ)→『探偵学園Q』(日本テレビ)→『牛に願いを』(フジテレビ)

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2007年9月 9日 (日)

あなたが行きたいのは模試?それとも告別式?(成海璃子)VS土下座はさせるものなのっ。(福田沙紀)VSコーヒー沸騰っ・・・ふっ・・・くだらない。(関めぐみ)

毎度おなじみの土曜の夜の女王様対決。それにしても「受験の神様」はある意味、異次元の彼方にすっとんでいったな・・・ま・・・キッドは泣いたけどね。

そして・・・「ライフ」は白の女王様(福田)になんていうことを・・・校内鬼ごっこでスカートひらひらにバストゆらゆらと来たのでお気楽様はご満足されているに違いないっ。

とにかく、キッドの妄想的には白の女王様にしごかれ、黒の女王様(関)にきたえられて・・・灰色の女王様(北乃きい)が誕生する物語なのだが・・・はたして話題沸騰の衝撃の最終回に何が待っているのか。まさか、黄金の女王様が誕生したり・・・はしないよな・・・。

で、『受験の神様・第8話』(日本テレビ・070908PM9~)脚本・福間正浩、演出・岩本仁志を見た。・・・ちなみにキッドが泣いたのは手紙が発見されて広(長島弘宣)が祖父の屍にすがるために走った場面。ふはっとなりました。ま・・・卑怯な手法ですな。

子役については・・・もう、すごく意見が分かれると思いますが・・・長島くんはなかなかよくやっている・・・しかし・・・主役の器ではないんだよなぁ・・・きっといじめっこの役がいいと思うな。あくまで顔立ちの話です。人相的にです。ま、大人気ない意見です。

もちろん・・・キッドは泣かされた・・・それは長門裕之さんが本当に死んでしまったような気がしたし、遠い昔の記憶にあるキッドの祖父にちょっと面影が重なったし、昔、スタジオでフロアディレクターのくだらない冗談に本気で怒り出してたり元気だったのに死んじゃったのか・・・と思ったら泣けてきたのです。・・・なんじゃ、そりゃ。

とにかく、もはや、どんなオチがついてもおかしくない展開である。

それはまるで細木さんとか、江原さんが本当に霊能力者であると信じている人の頭の中の狂った世界にドラマ内世界が突入したからである。

ま・・・人知を越えた何かがない・・・というのもつまらない話だが・・・こうしてなんでもありにしてしまうと・・・本来、虚構であるドラマの視聴者をだますためのリアリティーはまったくなくなってしまうのだよな・・・それで大丈夫ですか・・・。

今、一番、納得できる道子(成海)の正体は座敷童(水子系)である。神出鬼没なのはこの世のものではないからだし、葬儀好きなのは幽霊だから・・・としか思えない展開だ。

前回・・・サービスたっぷりの「わかりやすい展開」にひたすら取り組んで視聴率が取れず、今回はまるまる「お葬式」である。すごく退屈だったが、特に「東京で小学校の校長先生だった」「教え子が東京からわざわざ葬式に来た」というくだりには・・・ありえないとしか思えない・・・とにかく・・・そういう状況が想像できないのだな・・・。まあ、小学生が親を殺して校長が親身になって面倒を見た・・・奇跡的に立ち直った子供がお礼を言いに・・・というような物語なのか・・・。

八千草薫の嘆きぶりも・・・ちょっとイヤだった。もっともっと夫のいやな部分を思い出して・・・腹を立て・・・そのあげくに・・・なんで先に行ったの・・・で泣く・・・くらいがいいよなあ・・・小学生向けの悲しみの描写なのか・・・。

そして・・・「模試に行かなかったから・・・クビ」ではないのかよーっと何よりも思います。

「祖父を見送ることの大切さ」という意味なら「試験当日」だったらどうするのだという問題が残る。その場合、「試験を選択」なら結局・・・比較ということかっである。

現実で悲しみを知る・・・虚構で追体験というのも・・・ちょっと違和感が残る。人の心は生まれついてあり・・・つまり、霊魂が・・・という臭いだ。もはや、大脳生理学も遺伝子学も教育心理学も投げ出した展開。人の心は情報の紡ぎだすイリュージョンにすぎないとキッドは思うものですから。

まず虚構があり・・・現実で「これがアレかっ」が王道だと思います。

とにかく・・・学習という積み重ねがものを言うシステムの話で「私が受かると言ったら受かるのです」・・・と言うのはドラマ全体が「宝クジを買えば当ります」と言っているのと同じ次元ではないのか・・・。

夜の森の牛のツルゲーネフ、不死身のひまわり小ひまわり、女王の教室に受験の神様クロスして、かんかん踊りを踊りましょう、かんかんのうのうかんかんのう、私か撃ったら百発百中レベルです、スシに受験に生きるとな、三夜連続西村雅彦祭りです、そいやそいやで夢枕、死出の旅路にめがねも曇る、黒沢明伊丹十三行定勲みんな葬式大好きだ、まあねまあまあ一巻の終わり、みんな行く道黄泉路の果てに地獄少女にスカイハイデスノしにバラ日曜生きるもリメイクで生きて生きて生きて死ぬさあ聞こう今すぐ聞こうお届けしますはレッド・ツェッペリンで天国の階段です・・・っていうくらい投げやりな展開だな・・・視聴率がとれずに・・・ついに誰かが狂ったか・・・。

ま、もはやお受験ファンタジーと化したこのドラマ・・・最後は「ぎゃてぃーぎゃてぃはらそーぎゃていはらそうぎゃていーぼじそわか・・・このお呪いをとなえれば・・・志望校に合格できる」とか道子が言い出さないのを祈るばかりである。

そうか・・・後・・・2回あるのか・・・来週が八千草薫の葬式で・・・最後が道子の葬式なら・・・「葬式の女王」というドラマにすればよかったのに・・・と思うよ。

ああ、道子の目に涙・・・このドラマのひどさに道子も泣いた・・・なのか。この番組はお気持ちしだいでお経は早目にきりあげますの日本葬式仏教振興会がお届けしますってことはないよね。そんなはずないよね。本気の受験生にとって葬式より模試の方がどう考えても大切だもんね。その選択を小学生に委ねる親(山口達也)は無責任だし世の中なめてるよね。ま、いいけどね。

ところで、金・土と主人公が「アメリカに行くよ」かぶりである。月の主人公もアメリカ(帰るのだが)行きなので・・・みんな、まだまだアメリカに行きたいかーっ。なのか?・・・これで日テレ、TBS、フジとそろったので「女帝」が日本制覇してアメリカに野望を感じれば・・・。

で、『ライフ・第10話』(フジテレビ・070908PM1110~)原作・すえのぶけいこ、脚本・根津理香、演出・加藤裕将を見た。怒涛の展開である。洪水のように・・・あふれ出る一瞬前には静けさがあって・・・まさか・・・そんなことになるとは思わなかった・・・現実が立ち上がるのだな。

今回・・・一人ぼっちになるのは誰か・・・というクイズ形式になっているのだが・・・もちろん、女王様は生まれつき・・・孤独と相場は決まっているのである。

さて・・・夏ドラマは「ホタルノヒカリ」でミルトンしているので、今回はシッダルタしておこう。シッダルタといえば「天上天下唯我独尊」と叫びながら生まれてきた人なのだが・・・仏という意見もある。シャカ族の王子である。今風にいうならばマジ王子であるのだな。

大工の倅とは生まれが違うのである。メシュアがバカボンならブッダは怪物くんなのであった。・・・いい加減にしとけよ。

さて、「天上天下唯我独尊」をひらくと「自分が一番尊い」ということである。ここから「我が身かわいさ」まではすぐだし、「命あってのものだね」も近い。世の中の人たちは都合でいろいろ言うだろうけど結局、「自分」だよ「自分」がよければそれでいいのよ・・・という真理を生まれながらに悟っていた・・・それがゴータマ・シッダルタ(釈尊)の本質なのだな。

もちろん、白の女王様も黒の女王様もその真理に従って生きている。だからこその女王様なのだ。ところが・・・世間やアンナ様の受けは真っ向右左なのである。羽鳥様萌え~でマナ死ねっなのだ。人生って面白いよね。

さて、キッドが「天上天下唯我独尊」で連想するCMコピーといえば「自分が一番かわいい」なのである。これは自己中心的な発想と考えることもできるが・・・もうひとつ別の顔を持っている。

それは乙女心満載の女の子が・・・まあ、男の子でもいいのだが・・・とびっきりのおしゃれを決めて鏡の前に立ち・・・自分の姿にうっとりして・・・私って世界で一番かわいいかも・・・ラズ&ベリーよりもーっ・・・とふと思う「自分が一番かわいい」である。いわばナルシシズムである。

もちろん、「我が身可愛さ」という真理と「私ってかわいいよーっ」という倒錯は似て非なるものなのだが・・・このドラマにはその両方が交錯しているといっていいだろう。

それが白の女王の「鏡の精よ世界で一番かわいいのは私でしょう。そうに決まっているでしょう」という天上天下唯我独尊と黒の女王の「自分というものを大切にしなければ人生というプレーを楽しむことはできないの」という天上天下唯我独尊の分岐によって示されているのである。

今、そういう「自分」というものを離れて「集団」となったその他大勢の進学校の皆さん。

隠していた牙をのぞかせ、狂気のリンチを開始した、俗物たち・・・。

白の女王は断頭台に立つマリーアントワネット・・・しかし、土下座なんかはしないと思うよ。女王の威厳を持って唾を吐いておやりっとキッドは女王様の下僕として心から望むのであった。

歩(北乃)のママ(真矢みき)がそろそろこらえきれずに暴走気味である。

しかし、来週最終回なので一安心だ・・・。

歩はいよいよ・・・下僕から主役として与えられた宿命の元・・・女王様に脱皮するのである。その他大勢の狂気でもなく、白女王の「かわいさ命ナルシスト」でも黒女王の「マジ命エゴイスト」でもない、独自のスタイルを持った女王に・・・自殺したはずの親友の幽霊(死んだはずだよ大沢あかね)に惑わされず・・・しっかり女王様デビューをかざってもらいたい・・・。どんな色の女王になるのか・・・来週が待ち遠しい・・・きっとグレーだと思うけどね・・・この手のドラマ灰色決着以外・・・ありえないし・・・。

とりあえず、みどり(末永遥)はデコっ八だな・・・じゃ、マナはもーれつア太郎か・・・。

「オヤブンが黒っといえば白も黒でさぁ、それが子分の心意気でさぁ」「はあ~ポックンポックン」(ココロの親分)

それにしても・・・立派な社長室もある社長の息子が女教師と浮気プレーしたために(おそらく)資金繰りが苦しくなり(おそらく)即日倒産の企業にお勤めで(おそらく)路頭に迷うことになった従業員一同とその家族・・・その事情を知ったならばおかしくって涙が出そう・・・その中に舘ひろし(中身・新垣結衣)がいたら・・・どんだけ~と言ってもらいたい・・・。

関連するキッドのブログ『先週の土曜日のレビュー

月曜日に見る予定のテレビ『ファースト・キス』(フジテレビ)

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2007年9月 8日 (土)

私の部屋に遊びに来てっ。(村中暖奈)・・・うふっ。(櫻井翔)VS宮本武蔵かーっ。(西村雅彦)

鎧兜に身を固め、法螺貝を吹きつつ、スシ王子の二卵性双生児の弟・スシウルフ(成宮寛貴)の義理の父親(西村雅彦)が走り始めたとき・・・くくくっふははっと奇妙な笑い声が・・・キッドは久しぶりにドラマを見て笑いました。新田たつおか・・・新田たつおがしたいのか・・・ともかくツボだったようです。

これはかなり、ツボでこの後、第一の刺客だったけど今やスシ王子の味方になった鮫島(袴田吉彦)のドイツ風スシの店にお侍様~が乗り込み、スシ王子(堂本光一)が登場し、対決が始まるまでは笑いが止まらなかったのです。・・・あ~、笑った。

これまでの対決を振り返った雑誌の鱗林(板尾創路)の扱いが極めて小さかったのもちょっとくすぐられましたけど。

で、『山田太郎ものがたり・第9話』(TBSテレビ・070907PM10~)原作・森永あい、脚本・マギー、演出・川嶋龍太郎を見た。土佐の銅メダル以外、見せ場のなかった世陸のために不連続ドラマになっているわけだが・・・それをさておいても難解な話だった。

結論から言うと山田太郎(二宮和也)は貧乏好きなのである。

そして、どうやら、お坊ちゃまの御村(櫻井)はよし子(村中)が高価な装いをするのが気がかりだったらしい・・・それはどうかな。

まず、常識的に・・・貧乏な家と金持ちの家・・・どちらに生れたいかと貧乏人の子供に問えば「金持ちの家ーっ」と答えるに決まっている。

たとえば・・・夏・・・クーラーの質を考えるだけで「快適さ」を求める人の欲望は明白だ。

テレビから湯水のごとくあふれる新製品の情報を見て、実際にそれを手にする子供と見るだけの子供のどちらがより満足できるかな・・・なのである。

だから、蝶よ、花よと育てられた企業家の子女が親の会社が倒産して貧乏となり・・・昔の生活を思い出して・・・あの家に戻りたい・・・夏は涼しい、冬は暖かいあの家に・・・。というのはすごく納得できるし、貧乏人にも気持ちは理解できるのである。この落剥した金持ちの子供が・・・「でも、この家も悪くないよ。だってパパとママといつも一緒にいられるから」とか言っても、まあ、納得なのである。

そこで太郎である。大豪邸に馴染めない太郎。その馴染めなさぶりがちょっとムカつくのである。つまり、「貧乏→金持ち→うれしい」というノーマルを「貧乏→金持ち→馴染めない」というカーブにしたのだが、その変化球がいまいましいのである。

太郎の気持ちを一番理解したのは御村である。彼はずっと大豪邸に引っ越すのは反対だった。なぜなら、よし子が他人に注目される可能性が高いからでよし子狙いの彼にとってはできればよし子にはひっそりと育ってもらい、自分だけが鑑賞できる存在であってほしいのである。同時に、自分の欲望に忠実な彼は親友の太郎にもそうであってもらいたいと思うのだった。・・・そうなのか?

では・・・太郎の欲望とは何か・・・それは「弟妹と父母を自分のコントロール下におきたい」という独裁者的な欲望なのである。それがこの大豪邸ではまったく管理できないのだ。

もうひとつ、これはドラマ内ではっきりと示されるが、太郎は「広所恐怖症」なのである。おそらく、宇宙遊泳などしたら発狂してしまうのだろう。

心の病気と欲求不満・・・これに苦しめられて太郎は笑顔を失ってしまう。

ま、例としてプールで飼われたイルカの話をあげておく。せまい水槽で飼われたイルカは解放されて海に投げ込まれても水槽の大きさ以上遠くに泳ぐことができず餓死してしまう・・・これはそういう悲しいお話なのだな。

その太郎の危機を救うのはなんだかマダムっぽい校長(宇津井健)でも「しゅみみゃしぇん」連発の鳥居(吹石一恵)でもなく・・・吹石、かわいいよ吹石なのだが・・・玉の輿少女・隆子(多部未華子)なのだった。

彼女は自分(できれば王子な太郎と結婚したい)を抑えて、太郎に貧乏へ戻ることを薦めるのだった。「太郎くんが王子であることよりも笑顔の太郎くんが好き・・・」なのであった。・・・告白してるのか・・・。できないんじゃなかったのか。

そして、御村は「自分が笑顔じゃなかったら家族は笑顔になれないだろう」と本来の目的は伏せたまま、太郎を説得するのだった・・・違うと思うぞ。

意を決して「兄ちゃん・・・あの家へ帰りたい」と言うと「うん、もうあきちゃったし」「兄ちゃんの作るごはんが一番だし」「一人で寝るの淋しいの」「あたしもー」と口をそろえて賛同する弟妹たち・・・。太郎・・・感激なのだった。

まあ・・・悲しい話です。貧乏人は貧乏がしみついてしまうという話ですから・・・絶対に違うっ。

次週、いよいよ、最終回。太郎が留学・・・するのか・・・貧乏よりもアメリカの方がもっと好きだったという話になるのかな・・・ならないと思うよ。

関連するキッドのブログ『第8話のレビュー

で、『スシ王子・第七話』(テレビ朝日)原案・演出・堤幸彦、脚本・佃典彦を見た。最新SFXの粋を尽くした映像、計算しつくされたコネタの構成、すべてにおけるさりげなさ・・・視聴率とは無関係に大人のドラマである。ま、さりげなさすぎてどこが面白いんだかわからないという問題は今回・・・シカトします。

とにかく、初代マドンナのウミ(加藤夏希)が復活してシャブリ様はうひょーっとなっていると思いますが、全八話で起承転結のテキストのようなカッチリとした構成を象徴しています。起(1~2話)加藤S、承(3~4話)市川由衣S、転(5~6話)貫地谷しほりM、結(7~8話)加藤Sということです。

そして座敷牢につながれた瞼の母は柏木由紀子(故・坂本九の未亡人・・・見上げてごらん夜の星を・・・なのです)・・・昔、事故現場に取り残されたご主人が人から人へと憑依の乗り替えを行い、未亡人の元へたどりついたといういい話がありました。

今回、エビはトリオで踊り、カレイは骨泳ぎです。

ああ、ピクピクと波打つエビのダンサーよ。エビ、かわいいよエビなのです。

でもイカソーメンも食べたいと思います。

そして・・・ついに大木凡人登場。スシ王子のインタビュアーから・・・スシ対決の司会をスカシてスカシて・・・ついに司会か・・・と思ったら審査員登場です。こうなると最終回こそは司会か・・・と思いますが・・・大スカシにくる可能性もあり、その一点だけでも一週間が有意義に過ごせるのです・・・お前がな。「北は北千住から南は南千住まで・・・狭い」はキッドにとってツボ中のツボですから満足なのですが、「これを食べるために生まれてきた」のダブル・・・しかもトリプルはスカシ。スカシ嫌いのキッドですがこれほど軽妙洒脱にやられるともう感服するしかありません。お見事。お見事ーっ。

スカシの司会者は「加藤家へいらっしゃい!~名古屋嬢っ~」(2004)でおなじみの加藤光一郎(多田木亮佑)だぎゃ~。「加藤家」はメ~テレ番組ですがテレ朝の深夜でもまとめてやってました・・・。まあ、名古屋弁好きにはたまらないどえりゃあコメデイでした。

ま・・・そういうことを知らないと楽しめないかもしれないのは・・・シカトします。

ついにビル破壊の凶行におよんだスシ王子・・・極妻モードのウミのお出迎えが・・・もう、あーそうっ、あーそうって感じです・・・シカトします。

ついでに銀座にも見える秋葉原からはうっすらとドラマ版「アキハバラ@DEEP」の香も漂い、後輩からもパクる姿勢に好感がもてます。

そして・・・ついに正体の割れた河太郎(中丸雄一)・・・まあね・・・他にいないしね・・・正義感の強いウミは一体どういう態度をとるつもりなのか・・・そんなこと誰も気にしてないって・・・シカトします。

哀愁の波止場で残念無念のスシ王子・・・っていうか、立場で言うとスシ王子とスシウルフのネーミングって逆じゃね?・・・シカトしてください。

ああ、来週で最終回かよっ・・・短すぎるっ・・・て思って映画館に人が集まるとは限りません・・・最後の最後で応援しないのか・・・。必殺スカシ返しです。

関連するキッドのブログ『第6話のレビュー

日曜日に見る予定のテレビ『風林火山』(NHK総合)

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2007年9月 7日 (金)

まいねまいねーは津軽弁でいゃぁんだめーっと言う意味です。(深田恭子)VS壁って言うなーっ。まいねーっ。(伊東美咲)

まりえ(深キョン)が食べる。恵美(伊東)が潜在意識の中でまりえに嫉妬する・・・。その根本的な構図が見つからないほどに・・・もうとりとめもなくモデルチェンジする「山壁」・・・しかし、けしてヒトケタにはならない視聴率(11.3%)。なんか、奇跡の最終回だけヒトケタとか・・・ありえない快挙を達成しそうな「これ以上なく結末が気にならないドラマ」である。もう・・・深読みする余地がないのですーっ。

早い話。「壁女」って「干物女」だよな。という考え方もできる。「結婚できない男」→「結婚できない女」という変換も可能だった。ところが・・・そういうコンセプトはもたないのである。

たとえば「格差社会」とか「少子化」とか「自己責任」とか・・・そういう時代のキーワードには意地でもふれないぞっという覚悟がコンセプトなのかもしれない。もしもそうだとしたら・・・その志は高すぎて・・・誰の目にもとまらないぞーっ。でも・・・もしかしたら・・・そういう意地のかもしだすムードがひょっとしたら「東北」を意識しているのかもしれない「どんくさい」音楽とともに・・・フタケタを維持させているのかもしれない。

ま、そういう「手」はありますけどね。

で、『山おんな壁おんな・第10話』(フジテレビ・070906PM10~)原作・高倉あつこ、脚本・前川洋一、演出・葉山浩樹を見た。全12回なのである。実は、今季は「火曜日」とか、「金曜日」とか、「土曜日」とか・・・複数ドラマレビュー大会になっているのだが・・・本当は「木10」こそは由緒正しいTBSVSフジのドラマ対決なのである・・・いや、キッドのブログ的になのですが・・・。しかし、今季は「肩ごしの恋人」が打ち切り終了(全9話・最終回・視聴率*7.2%平均*7.4%)してしまうほどの弱さだったので「山壁」単独レビューだったのだが・・・。

「山壁」そのものもかなりの弱さなのである。それにしても「伊東美咲」「深田恭子」の二枚をそろえて、「谷原章介」「西島秀俊」「ミッチー」を配置して・・・この弱さ・・・なんなんだ。

今回、ロンドン支店長の殿下(小野寺昭)が来るのだが翌日の金プレ「プリンセス・ダイアナ」の遠まわしの番組宣伝かと思うほど・・・意味ないのだった。殿下・・・何しに来たのだ・・・。

たとえば「カテゴリー化」の拒絶というものがある。「おタク」とかと同様にそれぞれが独立した人格だと思いあがった大衆は「ひとくくり」にされるのを嫌うのである。「カテゴリー」とか「ジャンル」というのはある意味、整理整頓のための方便だ。

「巨乳」とか「幼女」とか「イケメン」とか・・・まあ、商品を陳列しやすくするためのサービスの一種なのである。

当然、「クソミソ」は発生する。しかし、まあ、「クソミソ」もまた一興じゃないのか・・・というのが大人というものなのだが・・・だってキッドは「おタク」だけど・・・まあ、凄まじくおタクだから・・・それなりにプライドを持っているし、そんな自分を愛している。しかし、「オレはおタクというジャンルでくくられたくないっ」という「おタク」もいてもいいと思っている。

ところが、「干物女」なのに「きーっ、私は干物じゃないわよーっ」とか「婦女子」のくせに「きーっ私は婦女子じゃないわよーっ」とか言う人が増えているのである。なぜなら・・・この国は子供の王国だからだ。

「しゃれ」というものがわからないのである。

たとえば「サラリーマンNEO」で「夕飯の連絡する、しない」というNHKが最近、力をいれている「朝生」のパロディーをさらにコント化した作品・・・コントとしては出来は悪かったが・・・原型がどうしようもないので乾いた笑いはある。

ここでは「サラリーマンVS専業主婦」の対立が軸になっているのだが、まず、えー・・・今時・・・サラリーマンの夫と専業主婦の対立かよ・・・と思わせる題材である。しかし、そう思わない人もいる・・・。つまり「専業主婦と専業主婦を妻に持つサラリーマン」という人種はまだ存在するからである。で、オチは「両者を代表するコメンテーター・・・男と女が・・・実は未婚だった・・・」なのである。

この「オチ」からは・・・つまり、「専業主婦と専業主婦を妻に持つサラリーマン」は実は疎外されているのだが・・・すごく「わかりづらい」のではないか・・・。

そういう意味で・・・「山壁」は疎外された人々の「ありえない縁側」なのではないかと思うのだ。たとえば「企業としての生き残りを賭けた戦いよりもいつもおなじみのメンバーでのほほんとしている方が大事だよねー」とか「女子は仕事に行き詰っても結婚という逃げ場があるからいいよねー」とか「男の汗っていいよねー、たとえ温水洋一のハゲた地肌をしたたりおちる汗でもねー」とか・・・そんなのもうないよーっという世界の構築なのである。

神も仏も死んだのに風水は生きているという奇妙な世界なのである。

そこでは「社長の息子」と「警備員のおじさん」の「アイドル写真集」と「チョコボンボンの金のチョコボンボン」をめぐる心あたたまるふれあいがあるのだ。

今回・・・伊東美咲を中心に展開していく世界は突然、薔薇色に輝き始める。

「ダメな奴だと思っていたバイヤー」は男気を見せて腋が甘く香る胸のライバルを惚れさせる・・・どうでもいいから恵美にとってはいい感じだ。「裏切り者だと思っていたハゲ部長代理」は仲間だった。「あまり会話しなかった警備員」はいい人だったし、「親の七光りと理由もなく侮蔑していた社長の息子」もちょっといい人だとわかった。一緒に食事くらいはしてもいいと思ったほどだ。そして、「幼馴染の腐れ縁と思っていた男」がカリスマアーティストで夢でまいねなことをしてはううんになる上に酒の肴を差し入れしてくるのである。ついでに「先週実生活で結婚して少し視聴率を稼いだライバル」が実は知らないところで不幸になっていたのだが知らないところで従姉と婚約し親戚になることで幸せになっていたのだ。

・・・もう、なんだかなぁ・・・とキッドは思うのだが、「弱肉強食社会なんてイヤ、女の幸せは結婚、とりあえず頭を下げればなんとかなる」・・・という人たちは断固支持できるドラマなのではないでしょうか・・・。

ま、いいよね。そういう現実逃避のやり方ってあるよね。

キッドとしては「美咲とミッチーが同期」ということなのでいつかバイヤーが「ミッチー」に小声で「オレのが先輩なのに・・・なんでもないですー」というシーンがあればいいと思うし、「ホタルノヒカリ」の部長には「天狗の金棒」を配送してあげればいいのにと思うし、「西島」が訛りで講演をしくじった時には「美咲」が津軽弁標準語通訳をして八方丸くおさめればいいのになーと思ったりしますけどねーっ。・・・お気楽社長もそうおっしゃってるし・・・。

きっと意地でも「スムーズに話が展開」したり、「できる女が活躍」したり、なんか「かっこいいことがステキだと認めたくない」そういうドラマをやっているんだなーっ。きっと。

はあ・・・すべての夏ドラマが終った頃に輝く「山壁」の最終回。なんか・・・すごく・・・取り残された感じがすると思うよ。

関連するキッドのブログ『第9話のレビュー

土曜日に見る予定のテレビ『受験の神様』(日本テレビ)・『ライフ』(フジテレビ)

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2007年9月 6日 (木)

ホタルノヒカリが大きいのは遠近法で無理がないのです。(綾瀬はるか)

いやあ・・・リアルだったな・・・だったのか・・・なんか、蛍(綾瀬)と部長(藤木直人)が力で押し切ったというか・・・二人の底力っていうか、もう、原作とかとは違う脚本家のラブレターみたいな展開だ。

テンメイ様との激しいバトルでテンメイ様「蛍は誰とも結ばれない・・・淡い蛍の光のような幕切れ」とキッド「マコトと蛍の結婚式で部長が花嫁強奪」というまさに絶望的な最終回予想をしていたわけだが・・・今回・・・・・・キッドに希望の光が見えてきたのではないか・・・そう、まるで手のひらの中のホタルノヒカリのように・・・。

ま、「原作」→「脚本」の段階で「ホタルノヒカリ」を栄光の象徴と解釈していると考えるキッドと「閉ざされた安息と郷愁のひと夏の縁側の付属物」と考えているとキッドが推測するテンメイ様の解釈の違いがラストシーン予想をまっこう対立にむかわせるわけだが・・・連戦連敗のキッド・・・たまには勝ちたいよ・・・じゃ、たまには本命に賭けろよっ・・・それはできません。

で、『ホタルノヒカリ・第九話』(日本テレビ・070905PM10~)原作・ひうらさとる、脚本・水橋文美江、演出・南雲聖一を見た。このワクの風紀委員である二ツ木(安田顕)と山田(板谷由夏)が目を光らせて・・・「おいおい、本当に一線は越えてないんだろうな」「恋愛に正解はないのよ・・・こんなこと言ってもムダか」と激しい取調べと唆しをかいくぐり、蛍とマコト(加藤和樹)とタレントパワー以外はお似合いの二人・・・グズでノロマなカメだけど可愛い蛍とアーティストでサンダルなしだったけどちょっと幼くて嫉妬深いマコトというカップルが最終回直前に同棲成立したのだった。

「歯ブラシもう一本買って今日からあの娘と暮らすのさお日様が心の中にまで差し込んでくるような気持ちだよ」・・・「あの娘に貸していたレンタルカード気が遠くなる延滞料金の電話がかかってきたボクの心に雨がザーザー降っている」という青春の一ページを凝縮したような今回。

蛍・・・お願いだからせめてジャージのポケット中にしまってくれ。それはファッションなのか、それとも何かのシンボルなのか・・・。

それにしてもマコト・・・「他の男に笑顔見せるなんて・・・許せない」・・・という愛の裏側にのめりこむのはいいとして・・・無言攻撃は・・・アンナ様に評判が悪いです。

さあ、三角関係です。この三角関係は味わい深いなぁ・・・。部長のボジション・・・性的不能者ならなんとか・・・こなせそうですが・・・キ、キッドには絶対無理、そんなのありえるかーっ。

まあ、男と女、女と親しい男という組み合わせ。これは定番ですからね。当然、男と男も顔見知りだ。今週は「花君」も気をつけているが「Q」の志田未来も「牛」も複数組み合わせで夏の終わりの大三角形モードですが・・・その中でも「親しい男」がアドバイスするボジション・・・これもまた定番です。「幼馴染」とか「先輩」とか「上司」とか「兄」とか「教師」とか・・・まあ、フジッキーでないにしろ・・・誰にも経験がありそうなところ、ま、「惚れられる」よりも「誰かに惚れている女に相談される」ことが多い・・・というのは・・・悲しい・・・悲しいことです。

いえ、そんなことはありません。「誰かに頼られるいい人」って素晴らしいことじゃないですか。安全パイ万歳です。しかし、それを貫くことは大変です。「肩借りていいですか・・・」とか言われて、肩を貸して、相手の側にある手を相手の肩にまわす・・・それが運命の分かれ道・・・いい人でいるのか・・・自分の新たなる一面を相手にさらすのか・・・。

「そんな人だとは思わなかった!」と言われたくない一心でこらえるのですか・・・このいくじなし・・・。

しかし、このドラマがなかなかに魅せるのは行方不明だったホタルを人目もはばからず抱きしめる部長の気持ちをホタルが気がつかない・・・という一点にあります。そんな馬鹿な~と思う人もいるでしょうが、①恋は盲目 ②アホ宮という二点で整合性がとれています。

そして、アホ宮が半信半疑ながら部長の本心を探るという丁寧なフォローもついています。部長は監視員の二人には「心にあいた穴を蛍が埋めてくれました・・・蛍を愛している・・・」と正直に告白しますが・・・蛍には嘘を突き通します・・・まあ、そういう態度を貫き通せたためしのないキッドは部長はイン・・・。それが離婚原因と思うしかありませんが。

それにしても久しぶりに「働かない会社シリーズ」・・・「このワクならではのヒューマンな仕事場」です。「無断欠勤している女子社員を職場一同で捜す・・・どんだけヒマなんだっ」です。ま・・・ファンタジー・ゾーンですからぁ。

そして新聞紙に包まれて眠るトマト・・・いや蛍・・・回文つながりのボケになんの意味が・・・しかも三字ってだけでオヤジギャグにもなってないし・・・いや・・・なんか・・・蛍のヘアスタイル見るとトマトを連想するんだよぉ。・・・えーっ、パイナップルじゃなくて・・・おれ漫画の無人島・・・。

・・・失礼しました。さあ、修羅場です。

関係を疑われている男と女が一緒に同居中の家から出てくるところを女の恋人が目撃・・・これ以上の修羅場は奥さんが実家に帰っている時に行きずりの女を自宅に引っ張り込んでベッドで抱き合って眠っている時に奥さんが忘れ物を取りにひょっこりかえってきて寝室のドアをあけ、その音で目が覚めて目があったときのこと以外思い出せません。

それはともかく、蛍と部長はどうすればよかったのでしょうか。

部長「ち、違うんだ。実は・・・両親が再婚して・・・つまり、ボクの父とアホ宮のご母堂がだ・・・だから・・・二人は義理の兄妹なのです」

あるいは部長「い、いや、みんなには内緒にしていたが・・・蛍は・・・オレが中学一年の時に担任教師との間に出来た隠し子なんだ・・・」

えーい、こうなったら部長「これは秘密にしてくれ。実は我々は政府の命令で動く特務機関ネルネルの一員で・・・」

さらに部長「大家と店子それだけだ・・・そりゃあ・・・時には添い寝とか・・・肩を貸したりとか、ギュッと抱きしめたりとか、(オレが)ごはんを作って一緒に食べたりとか、チューしそうになったりとか、寝顔を見たりとか、胸がキュンとなったりしたりとか、一緒にゴロゴロ転がったりとかしたけれど・・・それだけさ・・・二人には何もない・・・」

などと一万通りはあるかと思われる逃げ口上の中からヒロイックエイジを倒す選択肢がないと断念した英雄の種族が戦闘を回避するがごとく部長が選択したのは・・・。

「二人の間にはやましいところは何もない・・・蛍がマコトの女であるということを忘れたことはない」・・・部長・・・最後のところ・・・微妙です・・・。

・・・さあ、どうする、マコト・・・どうするんだ・・・ええーっ、納得するのかーっ。ケツの穴の小さい男から急に太っ腹に・・・腸閉塞が心配だー。お食事中の皆さん、失礼しました。

こうして・・・部長の淡い恋心は封印され・・・蛍はおそらく・・・なんだか・・・悲しいけれど・・・それはそれで軽く割り切って・・・だって恋している女の子なんだもん。なんだってゆるされるんだもん。遊園地でラブラブ画像とりまくりなんだもん。部長がもんもん言わないので私が変わりに言っておきましたーっ。・・・なのだった。

さあ、縁側の区画整理消滅・・・借家だったのかーっ・・・という必殺技を繰り出して最終回へ・・・蛍の恋の行方は部長と蛍のチューはあるのかー・・・ないと思うけどね。

今日のステキ女子(国仲涼子)「仕事を休んで蛍さんを捜しましょう。もうすく゜HERO公開ですからーっ」

今日の神宮寺(武田真治)「男ならやっちゃれ、走ってみんしゃい、ええことはすすんでやってみるもんよ。はぶあないすでー・・・・」

今日の浅見れいな・・・はいいか。・・・10話か・・・楽しかったけど短い夏だったな・・・。

関連するキッドのブログ『第8話のレビュー

Hcinhawaii0262 ごっこガーデン・部長の縁側セット。まこ☆ミキぶちょぉぉぉぉぉぉ。かわいそーデス・・・。でも大丈夫デス。みのむしちゃんにも内緒でぶちょぉはまこが責任を持って慰めるのデス。この後、居間でゴロゴロ、縁側ハグ、縁側ひざまくら、部長の部屋で添い寝、そして建築現場ハグのフルコースを堪能するのデス。チューだってしちゃおうかなっと。じいやーっ、部長の朝飯セットまだデスかーっ

(ミルトン『失楽園』より)

亜空間にある天主の舘ですべてを見守っていた全知全能の天の主は威嚇のために楽園上空に投射したすべての結末を量る天秤を見つめていた。

そこにはサタンと神の軍勢の再戦の顛末が計量されていた。サタンが剣を納めたのはこの天秤の示す結果を見たからだった。

天の主の苦悩は深かった。全知全能であるということは悲しみも能くし苦しみも能くするということだからだ。もちろん、悪智恵も完備なのである。天の主が全知全能であるがゆえにサタンは定められた運命をたどるのだから・・・。

天の主は無謬である。もちろん、嫉妬深さも能くするのだ。

天の主は癒しの天使ラファエルの名を呼んだ。

サタンが堕ちて後、天の四方の一角を守護する天使は輝く翼を閉じて天の主に跪いた。

「我が癒しを体現するラファエルよ。人間を訪ねよ。そして、警告をするがいい」

「神の御心に従います」

「ラファエルよ・・・かっての天使の長ルシフェル・・・今や神の敵サタンが・・・まもなく・・・人間を誘惑するだろう」

「お止にならないのですか?」

「我が力は人間に自由を与えた・・・人間に善の心を与えたが・・・それは人間が善を使う自由を得たということだ。善を使うも使わぬも人間の自由でなければならない。神はけして愛を無理強いはしない・・・。人間が神を愛することを選ばねばそれは愛とは呼べないからである」

「御心は最高の真理なれば」

「しかし、人間が悪を選んだときには罰を与えねばならぬ。そして、その時に・・・人間に弁明を許さぬようにしておかねばならない。たとえば、それを罪とは知らなかったとか・・・ついうっかりしていたとか・・・罠があることを知らされていなかった・・・などと逃げ口上をするのを封じておくのだ」

「御心は完全無比なれば」

「癒しの天使よ。ラファエルよ。人間に伝えよ。サタンが罠を仕掛けること。サタンが何者でいかに危険な存在か・・・サタンの謀反の経緯から全てを明らかにせよ。そして、神は人間を愛するゆえに・・・いかなる理由も・・・裏切りを許す免罪符にはならぬことをしかと申し伝えるのだ」

「御心のままにいたします」

天使ラファエルは翼を拡げ、光となって亜空間から滑り出た。

その光はたちまち楽園を包み込んだ。

農園で作業をしていたアダムは光の中心を見た。一糸纏わぬただ一人の男は一糸纏わぬただ一人の女に告げた。

「イヴよ・・・。あれをごらん・・・。どうやら、神の御使いが降りてこられるようだ。もてなしの準備をしなければ・・・」

すぐにイヴはもてなしのためのメニューをあれこれと考え始めていた。

葡萄の甘い汁はかかせない・・・果物は新鮮なものを・・・それにしても昨日の夜の夢は何だったのだろう。ひどく恐ろしい夢だった・・・そして何故か甘美な夢だった・・・一体、あれは何だったのだろう・・・イヴの心の中にはすでにサタンの罠の種が巻かれていたのだった。

ほどなく冷酷なテーゼによる警告をたずさえた天使は楽園に降下した。

金曜日に見る予定のテレビ『山田太郎ものがたり』(TBSテレビ)『スシ王子』(テレビ朝日)

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2007年9月 5日 (水)

私はダンスを踊った。(堀北真希)VS私は踊りませんっ。(志田未来)VSまたエンスト・・・。(戸田恵梨香)

ま、「花より男子」の時は押すのを手伝って許してもらったんですけどね。

つまり、つくし(井上真央)の嫌なライバルとして登場したウミ(戸田)が最後の最後でお姫様だっこを目指すつくしの車がぬかるみにはまりこんだのを押した・・・今回は告白したけど冷たかった人に助けてもらいました。もう一回あるとぬかるみの女王と呼べるな・・・。

こういうどうでもいいことを記憶していることを喜んでくれる人がいると・・・救われます。愛ですよね。シャブリ様。台風接近でプライベートがゴタゴタする今日、明日。裏庭の草を刈っていると大きなアゲハチョウが飛び立ちました。萎れたひまわりをかすめて飛んで行った・・・夏の終わりの東京・・・すまんな、嵐の中に追い出して・・・まあ、それも宿命なのです。

今回のレビュー順。①「花君」↘17.8% ②「Q」↘10.6% ③「牛」↘*7.1%・・・連動してるのか?

で、『花ざかりの君たちへ イケメン♂パラダイス・第10回』(フジテレビ070904PM9~)原作・中条比紗也、脚本・武藤将吾、演出・佐藤源太を見た。オレンジではじまりピーチで終るこのドラマ。オレンジの次はぶどうに決まっている人がヒロインなのだが、と連想だらけで書いていくとなんのことかわからないのだな。もちろん、ボケているのである。今回は発想の技術について書こうと思うのだが、キッドは構成作家の基本として次の二つを重視している。①構成力 ②発想力である。

①については時々書いている。ようするに「フリとオチ」である。②はだから「ボケとツッコミ」という視点になる。「フリオチ」と「ボケツッコミ」はキッドの中では厳密には別の階層に整理されている。それは「構成の問題」と「発想の問題」という別のジャンルなのである。

もちろん、構成と発想は面を接していることもある。だから「フリとオチ」や「ボケとツッコミ」はクロスオーバーすることもあるのだが、それは一種のボケなのです。

さて「ボケ」に「ツッコミ」を入れるというのは・・・つまり「修正」である。

戦争中なのに「人殺しなんていやだー」とボケていると修正されてしまうのだ。ねえ、そうだよね。修正されちゃうよね。カミーユ。・・・ガンダム禁止。

実は「発想とはボケ」であるという極論もできる。では「ツッコミ」とは何かというと「発想を表現すること」なのである。「表現」は「具体化」といってもいいし、「解説」といってもいいし、そして「修正」と言ってもいい。

スポーツ中継が「実況担当者」と「解説者」に分かれているのは「ボケ」と「ツッコミ」のシステムである。「いいシュートでしたね」「はずれたらいいも悪いもないですけどね」などと「ひとつのシュート」を解明していく「ボケ」と「ツッコミ」なのだ。

いわゆるお笑いにおけるボケとツッコミは「ほらほらここにお笑いがありますよ」「オレの顔指しながら言うことかっ」という「隠れているもの」を「発見してあげる」システムなのです。

なぜ・・・そんなことをするかというとお客がバカだからです。

・・・いや、違う、誰もがすべての専門家ではないからです。たとえば・・・草を刈ることの専門家ではないキッドは鎌を振るうにしても手つきがあやしい。植木職人とか庭師とか農家の下男からみると「ボケ」としか映らない。「おいおい、草じゃなくてすね刈っちゃうぞ・・・」とか心の中でツッコミが入るわけです。しかし、キッドは剣の達人ですから、鎌だってそれなりに使えるという・・・・イテテテテ・・・なぜ、口に出してツッコミいれてくれないのかーっ。

というような「ボケ」は「失敗・間違い・ピントが合わない・不合格・記載ミス・誤記・痴呆症・読み違い・無知・身の程知らず・筋違い・骨折・自殺・テロリズム・いじめ・護憲・独裁・核爆発・スパイ・記憶喪失・中津」というように・・・まあ・・・面白さのポイントになるわけです。

つまり、「男が女を好きになる」というのがまともすぎてつまらないときに「男が男を好きになる」とボケてみる。これがつまり「発想」ということです。「ゲイ」が基本的に面白いのは「ボケ」だからです。

しかし、ボケが一度認知されてしまうと、情報としては一つの「非ボケ」になります。ゲイも「ただのゲイ」になってしまい、ボケ続けることの一つの壁です。しかし、そこをボケていくのが仕事というものです。

このドラマは「本当は女なのに男のフリをしている女を男が男だと思いつつ愛してしまう」という「ボケ」を展開してきたのです。これには「だだのゲイ」に飽き飽きしていた人もちょっとうほっとなるわけで・・・おそらく、このドラマの核心のひとつでしょう。そして・・今・・・「女が女だったと気がついた」局面。最後のボケです。そして・・・ただの三角関係が残ったのでした・・・。そこにはきっと淋しい秋の風が吹いているのです。

ま、それはそれとして「瑞稀(堀北)は女だったのです」という冒頭のシーンに中津(生田斗真)の妄想のビキニがなかった・・・がっかり(ボケ)・・・と思っていると先週の中津目撃のシャワーシーンが挿入される・・・(ツッコミ)・・・は色ボケに対するサービスとしてなかなかに手がこんでいます。

そして最後は・・・あすなろ抱き(ボケ)・・・背後から抱きしめて(ツッコミ)・・・「お前が他の誰かを好きでも・・・そんなの関係ねえ・・・オレにしとけよ・・・」ではうぅーんなのです。

さて、最後に応用としての創作の技術についてまとめます。「ボケとツッコミ」を使った「フリとオチ」による「パクリ」です。

まず、『花より男子』があります。で、杉本哲太の息子である佐野(小栗旬)はかってヒロインにふられるイケメンでした。類です。つくしは司が好きなのです。そこで今回は類が司になった・・・ということで類は中津になったのです。それが『花君』なのです。

今週のひばり(岩佐真悠子)はアントニオ猪木(ボケ)だったのです。ツッコミいらないほどに(ツッコミ)。

「七年連続なのです」(ボケ)「だから何才だっての」(ツッコミ)「おだまりこまり」(ツッコミをボケとしたツッコミ)・・・『花君』はこのくどさがサービスなのです。

関連するキッドのブログ『先週の火曜日のレビュー

で、『探偵学園Q・第10話』(日本テレビ・070904PM10~)原作・天城征丸(他)、脚本・大石哲也、演出・大塚恭司を見た。たとえば、「ドラマレビュー」で素直にタイトルと話数をタイトルにしないのはボケである。検索されにくいわけで一種のチャレンジだが、それでもさりげなく女優名を入れているところがいやらしいともいえる。そうなるとタイトルに「第十話」「第十回」「第10話」「第10回」などと入れたくなってくるのが人情だ・・・さらに志田未来が死体と抱擁とか、岩佐真悠子馬乗りスリーパーとか、もうそういうフレーズを使いたくなってくる・・・時々使うけど・・・しかし、そうなると・・・大切な読者を逃がすような気もする・・・そう思ってそうしないとそれはそれでいやらしい・・・ああ、オレはなんにしろ、いやらしいのか・・・と自分にツッコミを入れ続けると鬱になるので気をつけたい。

たとえばサトエリとロボが「キス寸前」と「キス直後」を見せるのと、実際にサトエリの尻ポッケにロボが手をつっこみ・・・ロボがくねっと動かしサトエリにやっ・・・とどっちがいやらしいのか・・・とか考えると「井の頭だろっ」とボケるのだが。「井の頭?」「井の頭でボートだろっ」「ボート?」「・・・プレーだろう」・・・どんなプレーなのか書かないといやらしいのである。

さて、今回は早い話が最終回の前編である。ケルベロス(鈴木一真)「素晴らしい」ユリエ(奥貫薫)「すべては罠なのよ」ケ「・・・むふん」というので真犯人はリュウ(山田涼介)ではないとネタバレしていいのかどうかは微妙なボケですな。

だが、怪しいホテルのフロントだかメイドだか支配人代理だかわからない女(邑野みあ)が出オチである。メガネッ娘に変装していようがいまいが・・・第一の殺人(リュウの父親の偽装自殺)の犯人グループが全員死亡しようがしまいが・・・犯人はお前だ。そうでないといやだ。

さて、邑野みあといえばドラマ『永遠の仔』(日本テレビ2000)の優希(中谷美紀)の少女時代である。まあ、このドラマは彼女が父親との近親相姦に悩み海辺で全裸になるというところがすべてのドラマなのだが・・・こういう驚愕のシーンを撮ると・・・いろいろとさしさわりのある嫌な社会というものがある。そういう社会があったり・・・本人がいやな思い出と感じたり・・・するのであるが・・・視聴者としてキッドは邑野みあは「永遠の仔」の海岸シーンがあるから永遠に愛するのであって、酒井美紀の富江『富江 re-birth』(2001)だって邑野みあで見るのである。『白線流し』より『永遠の仔』の海岸なのである。

だから、まあ、最近、志田未来が活躍しないよな・・・瞬間記憶能力宝の持ち腐れしょぼん・・・とか、星野源、どんな投げられ方なんだよお・・・腕とって逆まわって体落し風柳スペシャルか・・・とか、やっぱり、カズマ(若葉克実)とはるか(秋田真琴)は役割かぶってるよなとか・・・シャンパンこぼれて水筒なんて気がつくだろうキュウ(神木隆之介)など・・・様々な不満も忍ぶのである。邑野、かわいいよ邑野なのであった。

「探偵があきらめたら事件は迷宮入りなんだ」(キュウ)このセリフ、毎回、言えばよかったのに・・・。って来週、最終回かよーっ。なんだか、ここまで難事件を解決した記憶が一切ないんですけどーっ。キッド、記憶力には自信がある方なんですけどーっ。ああ、だからか・・・ここまで探偵があきらめるほどの事件はなかった・・・ということなのか。

で、『牛に願いを ガラスの窓と芝生の風・第10回』(フジテレビ・070904PM10~)脚本・金子ありさ、演出・本橋圭太を見た。

まあ、公僕たるものおおやけのしもべとして言葉通りに生きてもらいたいと誰もが願うのだが、きれいごとなんか言ってられるかよ・・・税金ちょろまかしてほそぼそと汚れていくのは公務員の習性のようなもの飛んで火にいる夏の虫なのである。

まあ、「本物の酪農家の支えになる役人になる」という真野(小出恵介)の夢は一歩間違うと友人の酪農家のために便宜をはかることにもなりかねず・・・この世の困難さは窺えるのである。

日本には二通りの人間がいる。しがないサラリーマンの子供とそうでない人間だ。そうでない方は様々で、天皇陛下からネット難民の子供までもう色々すぎて難解だ。

もちろん、サラリーマンの子供だってピンからキリまであるのだが、基本はオレの築いてきた世界をさらに豊穣にしてくれ・・・と親から言われない・・・と思う。

まあ、職業選択の自由るるる・・・という時代から、サラリーマンが親から子へ本物のサラリーマンになるための「何か」を伝承することは困難なのである。

だから・・・そういうサラリーマンの子供たちには・・・なんとなく牛の発情が解る父(大杉漣)と将来、そうなるかもしれない息子(玉山鉄二)は・・・萌え~なのかもしれない。少なくとも藤井(相武紗季)はそうなんじゃないの。

ドラマ外のファッションショーでいきいきの香里奈と「花君」の岩佐は・・・キッドにとって間違いやすい女優だが・・・今回・・・どっちが幸せだったのか・・・得をしたいのか・・・分析したくなるよなあ・・・。

そして・・・和美(戸田)・・・二人で泥にまみれた共同作業・・・もやもやする思い・・・恋愛ドラマとしてはコレは見せたいところ・・・ワープかよ・・・どんなおしゃれなつもり?

ま、もう、どうでもいいやーっ・・・。シャブリ様・・・あっさりでごめん・・・方針だから。

キッドとしては「本物のサラリーマンの支えになる役人を目指す」若者のドラマも見てみたいな・・・このドラマからパクリを成立させるとしたらね。

木曜日に見る予定のテレビ『山おんな壁おんな』(フジテレビ)

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2007年9月 4日 (火)

好きな人を悲しませたくないから別れるのは心臓に悪いのです・・・っていいところなのにバカ兄貴ざけんなよっ。(井上真央)

最初はまるまるっとしていた美緒(井上)・・・実はむくみの表現だったのかな・・・と思うのは今回、場面ごとに井上がやつれていく・・・というミラクルな演技を披露しているからで・・・これは「恋やつれ」なのである。

これはタイトロープだよな。「病気」=「痩身」という医学の常識のない大衆相手に、「病気」→「むくみ」、「つらい恋」→「身が細る」という体を張った表現はわかりづらいのかもしれない。「失恋」→「ヤケ食い」→「デブ」という飽食の時代だから・・・。

ま、それを上回る「とんでも展開」で兄貴(伊藤英明)に・・・脚本家はどんな夢を見ているのかしら・・・?

本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「女帝」↘10.5%(伝説のホストもこみち・・・さげたーっそしたらねー)、「スシ王子」↗*8.1%(またまたあげたーっミツ・貫地谷のパワーおそるべしっ夢みるぞぉ)、アニメ「デスノ」15,7%、「世陸」15,5%、「マッチの岡部警部」14,4%(いい勝負だーっ)、「受験の神様」↘*7.6%(「裸の大将」塚地18.4%には負けたが「勉強していたい」V6長野*2.8%には勝ったか・・・内容OKだったが時すでにおそしなのか・・・ていうかジャニーさん、共食いです・・・あわせればフタケタなのに・・・)、「ライフ」↗14.2%(あげたーっ。すごく来たーッ。白黒女王万歳)、「風林火山」↗17.1%(ゆるやかに回復・・・リツはミツになれますか?)、ついでに「ファースト・キス」↘13.8%(う~ん)、以上。

で、『ファースト・キス・第9話』(フジテレビ070903PM9~)脚本・井上由美子、演出・川村泰佑を見た。いきなり、ラスト・シーンで恐縮だが・・・何が起こるか分からない世の中だとしても・・・生存率50%の手術に望む妹の「話」をしている時に空港で「恋のメッセンジャー」をした兄貴(これだって平岡祐太にはかなりかわいそうな話だ・・・)があろうことか意識を失って卒倒してつづく・・・そりゃあ・・・あんまりだよね。これはキッドだけじゃなくてみんな、みんなそう思うと思うの。それって滅多にないことだから、言うよ。誰かーっ、助けてください・・・このドラマをーっ。いやあ・・・来週の言い訳が楽しみだわ・・・それってつられているのじゃあ・・・。

今回はお気楽様に華がないと言われるはるか(酒井若菜)の見せ場は多い。それなのにお気楽様は空々しいまで・・・。社長ーっ。二人の間には妄想芸能界的に何があったのですかーっ。ま、恋の99%が悲しくて1%が・・・は何が言いたいのか分かるようで分からないセリフですけどねーっ。キッドは恋は100%すごくいいものだ・・・としか思えないし・・・。そうじゃない人って・・・まあ、想像はできるけど・・・。

ともかく、美緒(井上)の分かりづらい恋心を解説するナビゲーターとしてはるかが同行することが明白なこの設定。今回もダンドリがなぁ。たとえば、「呼び出しをかけるといい」というセリフは説明のし過ぎで・・・バカ兄貴「もうダメだ~」はるか「方法なんていくらでもあるよ」ぐらいで・・・アナウンス「美緒様、美緒様・・・」という流れでいいし・・・。なんなら、妄想エア電話で別れの挨拶とかぶるくらいのタイミングでもいい。古典でいうと愛しい女の名を呼ぶと汽笛が邪魔をする・・・というアレね。ともかく・・・例によってそういうささいなタイミングがなんともかっこ悪い仕上がりなのだなあ。

演出はもたもたしない。そうでないとその後でドラマの内でもたもたする登場人物たちのもたもたぶりが引き立たないから・・・。ああ・・・なんでだ、「山壁」「牛」とこれはどうしてこう演出のアラが目につくのだ・・・。「ゆとり」なのか「ゆとり」演出なのか・・・。

お気楽様が天才的にあらゆる対象に納得のブーイングをできるように、どんなドラマでも褒め称える・・・そういうレビューはできないのかよ。・・・無理だろ。

で、井上真央が顔が変わっている件なのだが・・・やはり、どのシーンもほっそりと見えるし、儚げに見えるし、そして幼い感じに見えるのだな・・・この8話→9話の面変わりはすごいぞ・・・。成長期なのかっ。で、つまり、8話→9話は恋をした・・・恋をしたけどあきらめる決意をしたということなのだ。

美緒の心の変化を追うと「もうすぐ死ぬかもしれないから・・・兄貴の顔でも見ておくか」「恋かあ・・・ちょっと好きになったって・・・心臓がアレだからなあ・・・そんなに言うなら初恋の人にでも逢っておくか・・・結婚してるじゃん」「好きな人はいるけど・・・私なんか無理だもんね」「ええーっ、私のこと好きなのーっ。うそーっ・・・じゃ、恋という奴をやってみる」「・・・なんだ・・・やっぱり・・・大変じゃん・・・私と付き合って好きな人・・・幸せになれないじゃん・・・好きだよ・・・好きだけど付き合わない・・・」「さよならも言わない・・・だってもし好きになってすぐに私がいなくなったりしたら・・・だから・・・手術がもしも成功したら・・・もう一度好きって・・・」という感じで、最後の部分で「恋やつれ」をしたのである。

これは申し分ないし・・・それなりにロマンチックだ・・・それなのに周囲がロマンチックを許さない・・・大体・・・伊藤英明がミスキャストなのだな。今回、伊藤英明は芸術系のバカである。しかも、悩めるタイプ。実は・・・伊藤英明は得意の分野だ。新人の医者で医療に悩むとか・・・新人の弁護士で法律に悩むとか・・・新人の海猿で機密情報流出に悩むとか・・・そういう役はおてのものなのである。しかし、その悩みでふりまわしていいのは恋人だけで・・・妹ではないのである。そういう役は不得意なのだな。

キッドは女優の顔の区別が苦手だが、そういう意味で男優だって怪しいのである。伊藤英明といえば坂口憲二と区別がつかないのだが・・・どちらかといえば坂口の方がはまり役だったと思う。自分勝手にいろいろと悩んで・・・妹をふりまわす・・・バカ兄貴・・・なんとなく坂口にはそれが似合うのだな。

理由を書いてもいいが・・・長くなるので「家族愛」との合性という視点だけをあげておく。

とにかく、伊藤英明は自分勝手に恋人(他人)を振り回し、坂口憲二は自分勝手に妹(家族)をふりまわすのがはまる・・・というイメージを積み上げているとキッドは感じるのです。

どうですか・・・心臓病の妹を思い、仕事も手につかない、妹に恋をさせようとする、妹の恋を断念させる、前触れもなく突然倒れる兄貴・・・坂口憲二だったらナチュラルだよなーっ。すごくスムーズだよなーっ。

・・・そんな微妙なお前の思い込み・・・誰かが頷いてくれると思ったら大間違いだぞーっ・・・えーっそうなのーっ。

ま、それはともかくとして、日本でもできる手術なら・・・日本でしても問題ないとか、柴俊夫は無理矢理いやな役をやって娘(柴本幸)と歩調を合わせているというか・・・帰宅すると「今日もお茶の間に不快感を撒き散らしてやったよ・・・むふふ」「パパ、私もよ・・・うふふ」「ききき・・・いーっひっひっひっ」とか、結局、女医、バカ兄、はるかの三角関係的な思わせぶりは何だったとか・・・思わぬ低視聴率にあえぐ現場を思うと・・・かわいそうになってくる夏の終わり・・・。秋だな。秋ドラマが始まるんだなー・・・。

とにかく・・・井上真央の名演技以外に見るところのない・・・心臓手術までが単なるデートを邪魔するアイテムでしかないような・・・せめて・・・医療の意味を見出せなかった若い医師が命の大切さを実感するとか・・・という見え隠れする裏テーマを説明調のセリフではなく、流れで見せてくれたらいいのになあ・・・と考えます。

関連するキッドのブログ『第8話のレビュー

水曜日に見る予定のテレビ『ホタルノヒカリ』(日本テレビ)

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2007年9月 3日 (月)

お茶をだしちゃうぞっ。愛嬌ふりまいちゃうぞっ。好きになっちゃうぞっ。尾行しちゃうぞっ。偶然を装って話かけちゃうぞっ。押しかけちゃうぞっ。(前田亜季)

ミツ(貫地谷しほり)に続く勘助(内田聖陽)がらみのオリジナルキャラの登場である。それがリツ(原虎胤の娘・前田)なので・・・しびれた人は多いだろうし、このタイトルが何のパクリか解る人は「女帝」を前田愛を中心に見ている可能性は高い。たとえば「ステキ」→「かわいい」→「萌え~」と変遷する「恋する気持ち」を示す言葉で言えば、「かわいい」→「萌え」の中間に前田姉妹は置かれている。美少女姉妹といえば前田姉妹の時代があったのである。思い出せない人は映画「学校の階段2」を見るといいと思うよ。

さて、一瞬の家族の交錯といえば、「ファースト・キス」にものすごくいやな役でパパ(柴俊夫)が出演している諏訪御寮人・由布姫(柴本幸)にスポットのあたる今回。彼女が苦手の人がいやあああんという回に仕上がっているがヒステリックな女性が主人公をいじめたりするのが大好きなキッドはうわああああ。困っている、勘助困っていると大受けなのだった。

そこに、最初からヒステリーの頂点にいてずーっとそのまんまというキャラを演じさせたら右に出るもののいない前田妹の登場である。ふふふ、今年の大河は本当にゾクゾクするのおおおおおお。

で、『風林火山・第35回』(NHK総合・070902PM8~)原作・井上靖、脚本・大森寿美男、演出・福井充広を見た。例によってシナリオにそったレビューはikasama4様のレビューにお頼り申し上げます。

Kai_1551 今回はサブタイトルが「姫の戦い」であり、基本的に薄い原作濃度の濃い目の回と言えるだろう。武田晴信と山本勘助という主従に諏訪御寮人・由布姫(井上靖命名)という側室を絡めた愛憎劇は正妻の三条の方(池脇千鶴)と新・側室・油川夫人・於琴姫(井上靖命名・紺野まひる)を交えて物語の核心部分である。・・・ま、小説自体の描写はやや幻想的で歯切れが悪く、悶々としています。まあ、この悶々とした部分が想像力をかきたてる・・・という考え方もありますが・・・。

で、これまでだと、正妻の三条夫人が夫の浮気に悩み、公家出身の気位の高さも手伝ってヒステリックになる・・・という演出が多かったのに対し、今回はジョゼが蒼い炎のように悲しみに耐え、穏やか・・・という展開。三条夫人のイメージを覆された人も多いのでは・・・。逆にどちらかといえば父の仇の愛人にされた薄倖の美少女姫というイメージで描かれていた諏訪夫人が・・・男勝りの勝気な性分、後先考えない無鉄砲さ、意味不明ともとれる言動とヒステリック全開に演出され・・・そんな由布姫はいやだ・・・という一部愛好者を嘆かせているわけですが・・・武田勝頼の母ということを考えたり、境遇を考えたりすると豊臣秀吉の愛妾・茶々を連想できるところが充分にあり、今回の方がしっくりくるキッドだったりします。

とにかく、一夫一婦制を基調として全国に広がるお茶の間に対して、戦国武将の一夫多妻制度をお届けするのはなかなかに刺激的なことであり、制作する側は加減が難しいのですね。一般的に男性陣にとっては夢としては「むふふ・・・」なことでありますが、あまりやりすぎると「チクショー」なことになりますし、女性陣にとっては「男って何考えているんだか・・・」と不安な気持ちになったり、「一国一城の主になったりしないで甲斐性なしだから平穏なのね」と安堵したりするポイントです。

当然、「夫の浮気に悩みきーっ」の方が共感できるし、「愛人がきーっ」では「愛人のくせになんなのっ」という反応も予想できるわけですが・・・。

まあ、本当はそういう日常的な発想から逃れて、男も女もやりたい放題なんでもありこそが戦国ロマンだと思うのですが・・・まあ、ほどほどのリアリティーというものも求められるのでございましょう。

さあ、そこで、今回、やや、スリリングな武田家のお家事情紹介の回になっています。そろそろ、武田家は晴信の独裁体制が強化されてきて、家臣たちは殿の顔色を窺う気配が出てきます。顔色を窺うためには殿の身の回り事情は欠かせないところですので、以心伝心の情報交換です。武力統治の場合、ある程度、領土が広がってくると文官が顔を効かせてきます。今回、駒井政武(高橋一生)が一番の事情通っぽく描かれているのもそういう意味合いを含んでいるようです。

いよいよ、信越国境(川中島)の戦いが近付くこの頃・・・嵐の前の静けさの中で、武田家の女たちが火花を散らすのでございます。

さて、三条夫人は三条家(藤原氏北家)のお姫様。下克上とはいえ中央権力のパイプを持っています。父・三条公頼はやせてもかれても左大臣。もっともこの1551年、荒れ狂う京都周辺を逃れて西国の実力者・大内義隆を頼り疎開・・・。ところが折り悪く陶晴賢の謀反が発生・・・巻き込まれてあえない最後を・・・。ま、三条夫人がそれを知るのかどうか・・・来週あたりが楽しみですな・・・。とりあえず、長男・太郎義信を始め、三男二女を産んでいます。

次に由布姫は諏訪家のお姫様ですが、まあ、地方豪族のお姫様で、三条夫人とは格が違いその軋轢できーっとなっても違和感はありません。ま、勘助としてはこのきーっというあたりがまた萌え~なわけで、もうどうしていいかわかんないボクになるわけでございます。晴信はまあ、一時、きーっに惹かれたりもしましたが、ま、色々と試してみるとやすらぎたいよねっ・・・という感じ。それでも由布姫は四郎勝頼を生んでいます。この頼は父・頼重の一字ですが・・・正妻の父の名も頼を含んでいる・・・というあたりが様々に妄想ふくらむところですね。案外、「お方様の父上は公頼、私の父は頼重・・・どちらもあまり頼りにはなりませんね・・・」などと娘に苦労させる父親を呪いあったりしていたりして・・・。

そして、油川夫人の登場です。油川家は武田の分家ですが、信虎の時に後継者争いをして一族郎党滅び去り、唯一残った油川信守が名跡を継いでいます。その娘が於琴姫。いわば祖父を滅ぼした男の息子の愛人になったわけです。ねー、もう、現代では想像もつかないドロドロさで、そこが面白いかどうか・・・意見が分かれるのでは・・・と思います。

さて、武田の本家館である躑躅が崎館の南に勝山城があり、ここに油川氏がいます。小山田家はその南東にやはり勝山城を構えていますが、油川家とは姻戚関係にあります。小山田家は平氏ですので源氏である武田とは源平を越えた仲良しということなのですが、油川謀反の時に小山田家は油川に加担しているのです。ま、当然、於琴姫のバックには小山田家の思惑がからんでいる・・・ということです。

ところで、史実を越えて生存しているけど最後が近いという巷で噂の小山田信有(田辺誠一)なのですが・・・まあ、同姓同名が何人かいてぐだぐだなので本当はどうだかわかんないもん的フィクションなのでしょうね・・・彼が、史実を無視して平賀の娘・美瑠姫(真木よう子)を側室にしているのもまた面白いところ。平賀家は実は大井氏です。で、大井氏には晴信の母、大井の方の実家もあって、これは武田の分家です。そして晴信の父、信虎と敵対していた一族。しかし、大井の方との婚姻により融和したのです。油川勝山城の西にある上野城が大井武田の拠点。

信濃の大井家は小笠原の分家です。小笠原が武田の分家なので大井小笠原武田ということになります。信虎の信濃侵攻の際に武田大井が小笠原大井にのっとりをしかけていますので、大井はかなりまぜこぜになっています。甲斐の南側に大井武田、油川武田、大井小笠原のネットワークが広がっているのです。まあ、大井の方と油川夫人のつながり・・・というものが浮かび上がってきますね。

於琴姫は五郎仁科盛信など二男二女を授かっています。ま、盛信の名にうっすらと平家の香が漂っています。

さあ、三人の姫で十人の子供たち・・・晴信・・・そろそろ武田信玄か・・・ま、がんばりましたーっ。もちろん、晴信の姫も子供も実際にはもっともっといるわけです。視聴者的には女性よりも男性がきーっとなりそうです。まあ、男性が女々しくなっている兆候という考え方もあります。

ま、キッドとしては六郎武田信清(安田信清)の母・禰津御寮人の動向が気がかりです。六郎がまだ生れていないので側室化されているともいないとも思われるのですが・・・なにしろ禰津(滋野一族)のくのいちですから・・・ま、諏訪御寮人の影武者ならず影姫だったのかもしれないとか・・・妄想・留まるところを知らずです。とにかく、六郎加えて11人ですから男女混合でサッカーチームが出来上がり・・・今宵はここまでにいたしとうございます。

関連するキッドのレビュー『第34話のレビュー

                 『復讐するは我にあり

火曜日に見る予定のテレビ『花ざかりの君たちへ』(フジテレビ)→『探偵学園Q』(日本テレビ)→『牛に願いを』(フジテレビ)

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2007年9月 2日 (日)

あなたが食べたいのは焼きソバ?それともお好み焼き?(成海璃子)VS私には夢がある。(関めぐみ)VS私には玩具がある。(福田沙紀)

さあーっ。絶好調の土曜の夜の女王様対決・・・一部個人的になっ。

今回、「受験の女王様」はお嬢様女子中学文化祭まつりである。一方、「白VS黒の女王様対決」は夏休みのバカンスまつり。「荷物を持ってあげるのと持たされるのではどっちが快感かっプレー」が展開される。白熱しているなーっ。・・・一部個人的になっ。

ともかく、土曜の夜はたのしーっ。・・・一部個人的になっ。

で、『ライフ・第9話』(フジテレビ・070901PM1110~)原作・すえのぶけいこ、脚本・根津理香、演出・加藤裕将を見た。最近、『ライフ』の第一話のレビューがキッドのブログとしては記録的に検索されている。これまで一番だった『のだめ』の第一話を上回る勢いなのだが、その検索キーワードは「関めぐみ」である。つまり、「ライフ」の大きな関心事は関めぐみなのだな。そこで今回は黒の女王様に敬意を表し、レビュー順を変えてみた。

イケメン=男子はイケテルメンズの意味があるからだと思うが、イケテル面(顔)ということではイケメン女子がいてもいいと思う。しかも、これは古典的な「女子生徒に人気のあるお姉さま的イメージ」も含有してるっぽい。キッドは黒の女王様=羽鳥未来=関めぐみをイケメン女子と設定してみたい。

参考資料として「オビラジⓇ」(TBSテレビ070831AM0035~)をレポートしてみる。っていうか、最近、ドラマのレビューに偏りすぎだよな・・・キッド・・・だって面白いんだもん・・・ま、いいか。

オリエンタルラジオがMCのトークショー。素材は日替わりで今回は映画「包帯クラブ」のお知らせでゲスト・関めぐみなのである。ちなみに映画共演者で石原さとみがVTRクリップでメッセージを寄せている。石原の証言で「関めぐみさんは足がしびれても平気で足を組む」ことが判明・・・。もう、いきなり、核心である。つまり、黒の女王様は「Mの気持ちを理解しようという取り組みを欠かさないソフトな女王様」なのである。

ついでに関→石原についてのコメントは「ほぼ同じ年代ですが、さとみさんは食事とかの世話をするのが好き」・・・もちろん、「お姉さんとかお母さん」イメージ的に表面はとりつくろっているのだが、まさに女王様的傅かれて当然発言なのだっ。

この日のスタイルは黒のジャケットにシルキーなパンツスタイル・・・ま、まさに黒の女王様なのだった。

ここでスチールで「関めぐみファッション」を紹介。ここで「勝負服」として女王様らしくないワンピース、足元ルーズのちょっと可愛い装いを示す黒女王。

関「これで間違いないの・・・」藤森慎吾(オリエンタルラジオのあっちゃんじゃない方)「間違いないとは?」「計算して・・・いつもと違う・・・家庭の臭い・・・足元のゆるさとか・・・これで落ちる・・・男も女も落ちる・・・私も落ちるし・・・間違いない」オリラジ「えーっ」

もう、黒女王ならではの発言である。もう、男も女も落そうという展開を一般人の誰が・・・。しかも、自分が落ちるからみんなも落ちるという唯我独尊基調・・・トレビアン!

この後、「デートは清潔感」というつまり、きれいじゃないといろいろ出来ないでしょう・・・汚すことも含めていう黒女王。「銀座でOLのコスプレで妄想スシプレー」などというそのまんま黒女王を展開。

自宅写真ではとにかく階段に靴をならべるという・・・もう靴フェチ目当てとしか思えない展開。聖なるイメージをくずさないためにサンダルはステンドグラス仕様なのだ。

ここで「母と談義して・・・」というご発言。黒女王以外言うか・・・「母と談義」するか?

そして「ハブラシ」を崇拝である。ど、どんなプレーですか・・・。一応、イチゴ好きということで「真っ赤なイチゴのクッション」が私室に置いてありましたな・・・。

ここでラブラップという藤森質問→ゲスト回答→中田敦彦(あっちゃん)リアクションという一問一答のわりとグダグダラップコーナーである。

藤「告白の時のセリフは?」黒女王「好き・・・」あ「好き・・・は英語でDynamite!」

といういうような感じです。

好きなタイプ「正直な人」好きな芸能人「加藤浩次」(つまり尊敬できるS的お父さん)好きな男性の部分「腕のスジ」(ど、どういう時にできるスジ・・・)、好きな相手からの告白「助けてあげる」(ふっ・・・と微笑むリアクションができるからですね・・・)、自分の自慢できる部分「力こぶ」(う、そこですか・・・)好きな男性のしぐさ「サラダをとりわけた時の・・・トマトみたいな」(うわー・・・もうわけわかんないほど妄想ふくらむ回答)結婚するならどんな人「畑持ってて自給自足できる人・・・それが究極の二人的愛の暮らし?」・・・ま、黒女王です。

ここで「オリエンタルラジオ、恋人にするならどっち?」というコンビのお決まりの質問。

これに女王様は「信用するなら・・・あっちゃん」と答える。

「???」というオリラジなのでキッドが黒女王の代わりに妄想解説しておこう。

「オリラジのネタであっちゃんかっこいいというから、それを信用してあっちゃんっていう意味だけど、あっちゃんじゃない方の名前知らないし、ま、あっちゃんとしか答えられないんだけど、それだけじゃ、物足りないから、一応、名前の知らない方のおだて上手もからめてみた・・・」黒の女王様なのだった。

ああ、イケメン女子である。さりげない気配り・・・そして根が女王様。Mの心になって考えられるSなのである。ここに、婦女子の皆さんはメロメロになるはずーっ。

さあ、その黒の女王様、大活躍の今回。ヒロ(星井七瀬)の自殺未遂により、窮地に立たされた白の女王様・マナ(福田)。しかも白線流しのような道路の白筋踏みしめて、平岡先生(酒井美紀)が家庭訪問でいじめ実態調査・・・結果を持ってマナ親子を直撃である。しかし、一切、耳を貸さないマナ・パパ・・・。平岡「どうしていじめるの・・・。さびしいから?」マナ「バカね。楽しいからに決まってるでしょう。みんな、玩具なんだから・・・先生もね」平岡「そんなことしていたら一人ぼっちになってしまうわよ」マナ「バカね。女王様は・・・最初から一人なのよ」ニヤリである。

今回は白と黒の女王様ツアー。白の女王様は「ちょっと一息、手下いじめプレーでバカンス」である。一方、黒の女王様は仔犬の調教と配合をかねてひまわり畑プレーである。「ほらほら、園田くんはお前をお友達にしたいみたいだよ・・・・ふふふ」「ほらほら、園田くんがお前の荷物を持ってくれるよ・・・ふふふ」「ほらほら・・・・こうしていると園田くんと私がパパとママでお前は可愛い娘のようだよ・・・ふふふ」である。ううん、黒の女王様のプレーは奥深い・・・まるでSMプレーであることを忘れてしまうような繊細さに満ちています。

しかし、繊細さでは白の女王様も負けてはいませんよーっ。入院中のヒロを襲うときの暗がりでの待機、出のタイミング、恐怖というメンタルなテクニック。さすがだ。白の女王様・・・さすがでございますーっ。しかし、悲しいかな、下々のものには女王様の気高いプレーは理解されにくい・・・一の子分の玩具・みどり(末永遥)までが謀反の気配を・・・。滅びの国に棲む白の女王様・・・最後の時が近付いてまいりましたな・・・。最後まで美しく、気高くお願いいたします・・・え・・・そんな・・・土下座なんて・・・もったいない。

Hcinhawaii0261 ごっこガーデン・ひまわり畑セット。まこお気楽社長が文句を言わない奇跡の番組『ライフ』・・・エリ姉ちゃんにはマナもやってもらいたいけどイメージくずれると困るからやはり羽鳥さんで我慢デスエリいじめは許しませんっ。オシオキしますっ・・・ふふふアンナうきゃーっ。羽鳥さん。萌え~なのレス。ダーリン・ラブとはまた別なのレス。クール・ビューティーのアンナが実は甘えんぼ・・・こういう意外性が間違いないのレスお気楽迷彩服のストーカーじゃないのね。園田くんなのね。今回は受験の神様も浴衣サービスがあるから許すのね

で、『受験の神様・第七話』(日本テレビ・070901PM9~)脚本・福間正浩、演出・大谷太郎も見た。ようやく、滑り込みセーフの土佐礼子銅メダル。あの五位からのあえぐような逆転劇・・・日本男子は全員切腹しろっ。やはり・・・日本は女王様の国になる運命なのでは・・・とふと思う。で、受験の女王様を軸に展開する今回。こうでないとねえ。だめだよねえ。広(長島弘宣)とか勇(山口達也)はあくまで付属物だよねえ。器の問題だからです。出番はすくなくともその存在感はどうですか道子(成海璃子)・・・つらい無表情演技の拘束からあふれ出る微妙なエモーション。しかも、最後「私が受からせる」でお茶の間を涙させながら、抑えに抑えつつ、全身で感動を表現・・・見事だ。女王様の神様だ・・・。

さて、個人的趣味の絶賛はこれぐらいにして・・・今回、舞台は女子校の文化祭である。

沙織(石橋杏奈)は別としても、次々に繰り出される女子中学生の皆さん。科学実験の娘、プログラミングの娘、ロミジュリの娘、そして鼓笛隊の娘、さらにチャリティーレストランにご来店の娘・・・シャブリ様に配置図付配役を作ってもらいたいほどのラッシュである。

勇の会社コントより、道子の学校コントの方を多くしてくれーと誰もが思っている・・・間違いないのだった。

さて、個人的な願望はこれぐらいにして、「恵美(小園江愛理)が本当は一人で涙するほど進学したい学校」をめぐってストーリーの展開する今回。話の流れといい、ディティールのツメといい、成海璃子の浴衣サービスといい、一番スムーズな回だったような気がする。

小学生の将来の夢・・・それがどれほどリアルなものなのか・・・あまりにも個人差が大きいのである。今年はゆとり教育から反転と位置づけられる年になったのだが、学力低下が叫ばれて数年である。この国家という装置のどうしようもない動きの遅さ。これを補うのは個人的努力の他はない。

しかし、個人というものはバラバラだ。「学校の成績だけがすべてじゃない」という信念もあるだろうし、「つかずはなれずが一番だ」という中道精神もあるだろう。

しかし、子供にとっては「選択肢を増やしてくれる親」と「ろくでもない選択しか残さない親」ではどちらがいいか・・・子供の身になれば・・・明白なのだな。

勇はわが子のために周囲を裏切った負い目のために他人の子供の幸せについて目ざとくなった・・・そのために道子とのコンビプレーが可能となり・・・まあ、すべては道子の誘導と考えることもできますが・・・師たるもの道を示すことが大事ですからな。

「私はアドバイスするだけだ・・・勉強は君がするのだ」・・・これはキッドの友人が学生時代に撮った家庭教師と教え子の男の愛の物語自主制作映画の中のセリフですが・・・なんとなくいつまでも覚えている名言です。

本人が「自分でそう思ったと思わせること」・・・教師たるもの最大のテクニックです。欠点は「感謝されない」というところですが・・・これはいつか「気がつく」と信じてするサービスでもありますからね。

なぜならそうでないと「やる気にならない」という人間の本質と関係しているのですね。

ともかく、教育者が道を示すために地図を出すのもそういう手口です。まあ、教育ママたるもの、理想的教育環境を求めて三度引越ししないと偉人は生まれないのですが・・・。

教育のために国外に移住できる力を持つものと持たないもの・・・その矛盾と対立・・・ジュラシーと絶望はまた別の物語ですが・・・まあ、田舎に住んでいて・・・そういう受験に参加することもできない多くの人々には・・・それがどうした・・・という話であることは最初に予言した通りなのですが・・・少なくとも今回は・・・感動的だったと申し上げておきます。

関連するキッドのレビュー『先週の土曜日のレビュー

月曜日に見る予定のテレビ『ファースト・キス』(フジテレビ)

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2007年9月 1日 (土)

スシ王子三代目マドンナは堂本光一よりミスターちんが好きなのです。(貫地谷しほり)

・・・そんなはずあるかーっ・・・と誰も怒らないような視聴率なのだが、ま、いいのではないか。

ゆとり化が始まったのは1977年からと言われるが、その時の小学一年生が今、37才である。中学一年生が43才だ。よく、ゆとり世代と言われるのだが、実は最大幅だと今、現在、43才までが低水準義務教育によるゆとりバカという犠牲者なのである。

もちろん、38才~43才まではその下の世代を「小学校の最初からゆとりでバカだ」とバカにすることができる。

さらに、ゆとり化は段階的に進化していったので、「よりゆとり」とか「さらにゆとり」とか、「円周率3のゆとり」とか「ゆとりバカ」さ加減も進行性の病のように悪化していった史実がある

そのために「ゆとりバカ」であっても、その下の世代を「よりバカ」「さらにバカ」「円周率3のバカ」と見下すことが可能になったのである。

ミスターちんは1978年頃、中学を卒業しているので、まさにゆとり世代じゃない世代の最若手なのだった。だから、ゆとり世代ど真ん中の貫地谷しほりが憧れてもおかしくないのである。もちろん、残念だが堂本光一はゆとりなんだから・・・相手にされなくて当然だ。・・・という考え方もあるという話です。

で、『スシ王子!・第六話』(テレビ朝日070831PM1115~)原案・堤幸彦、脚本・関えり香、演出・木村ひさしを見た。舞台を勝浦に移しての後編である。勝浦編では豪華に二人目の刺客が送られてくる。まあ、①鮫島(袴田吉彦)②赤月(葛山信吾)③鱗林(板尾創路)と②と③の落差は大きく、今回はさらにビッグネーム感はない。④巻(伊東明賢)・・・と言われても「エリートヤンキー三郎」(テレビ東京)で田所雄二やってたじゃん・・・じゃ田舎の人には通用しないのだ。

さて、「山田太郎ものがたり」が日本選手が全滅だけどまあいいじゃん世陸でお休みなので表舞台に立たされた「スシ王子」・・・無理だろう。

大体、もはや、このドラマはゆとり世代前のゆとり世代からゆとりなく老害とか、オヤジ死ねとか、加齢臭なる一族とか、うざがられる世代がひっそりと楽しむ番組なのである。

そうでないと赤星昇一郎という戦後のドサクサに生れたので出身地が東京だか熊本だかすら定かでないゆとりもへったくりもない怪物ランドの人が、なぜ、子泣きじじいなのか、それはあらゆるゆとり藤子アニメがらむラーメンの小池さんとどっちがメジャーかという意地を賭け、南京玉簾を虚空に投げ月を破壊して「夢見るぞ」万歳ゴールでオチという今回がこれっぽっちも成立しませんからーっ。

まあ、特撮オタはスーパー戦隊やウルトラシリーズでおなじみかもしれないし、大河ドラマでも見かけたり、深夜ドラマなら「時効」にも「ニコロボ」にもでてましたけどーっ。・・・赤星さん・・・人気だな。

さあ、今回のお話はスシ王子がすし屋(ミスター)の息子・磯貝タクミ(西山潤・映画「サイレン」からここ)にかっての自分を見出す。すし屋は料理評論家(篠井英介)に酷評されて負け犬になっていた。しかし、腕は確か。だが、まずいスシという評判で息子はいじめを受けていた・・・そんなことあるかーっという人は現実を知らない人だと思う。まあ、スシ王子は南京玉簾の特訓中、「だめ、目をあわせちゃっ」と通りすがりのおばさんの悪意にさらされるというベタな演出の後で視線を転じるといじめの現場を発見するのだが、それほどに日常茶飯事なのだ。まずいと評判のすし屋の息子はいじめられるに相場は決まっているのだ。

そして、いじめられないためには上手いスシをいじめっこに食べさせる以外に解決法はないのだ。一目瞭然なのだ。薄利多売である・・・おいおい、いい加減にしとけよ。

そこですし王子に弟子入りした磯貝タクミ。教員免許を持つ保母・浅葱ユリ(貫地谷しほり)も応援します。ちょっとおとぼけなマドンナというキャラクター設定を持つこのシリーズのヒロイン。三代目の貫地谷もいい味出してます。彼女がタクミをフルネームで呼ぶのは「将を射んとすればまず馬を射よ」なのです。

この特訓の場でもスシ王子の指導に合いの手を入れるだけなのですが・・・もう、キュンとなるほどに可愛いのです。ま、キャラをつかんでいるのです。

司「裏返せ」ユリ「裏返せ」・・・「ねじれ」「ねじる」「つかめ」「つかむ」「握れ」「にぎるぅぅぅ」です。もう・・・握るですから・・・。・・・またそこかよっ。でも狙われたからには、しとめられるのがよい視聴者ですから・・・。ミツかわいいよ、ミツでございます。

指で貝殻こじこじすれば貝のお味がわかるってえぐらいですからーっ。

白熱の途中で妙にねっとりと河太郎(中丸雄一)の手を握る。しかもブラフですからーっ。

まあ、ゆとりなき世代は妄想でどこまでもいい気持になれるのですねーっ。

B21スペシャルと怪物ランドの共演・・・80年代のトリオで韻を踏んだか・・・とかねーっ。

ま、コネタの数々はシャブリ様におまかせするとして・・・。

キッドとしては来週、初代マドンナ(加藤夏希)が復活でよかったねと申し上げておきます。

まあ、この記事で自分がゆとり世代の一員だったと気がついた人もいると思いますが・・・それがゆとりというものなのです。

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日曜日に見る予定のテレビ『風林火山』(NHK総合)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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