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2007年9月29日 (土)

オレザクじゃなくてオレ悪霊。(北村一輝)オレ・・・一休さん・・・かよっ。(須賀健太)親指咥えさせたら日本一。(吉田里琴)

とんでもない流れだったな・・・どうしようかと思ったが・・・『花田少年史 幽霊と秘密のトンネル』(日本テレビ)、『未来遊園地・幽霊少女と観覧車』(テレビ朝日)、『火星から来た蜘蛛の群れとグラマラス・エンジェル』(フジテレビ)という流れで一応レビューしてみる。

ま、メインは「花田」になるけどね。師匠がN氏の追悼文を書いているので関係者は・・・こちらへ

とにかく・・・こちらの歴史はまだ流れているのです。

で、『花田少年史 幽霊と秘密のトンネル(2006年度作品)』(日本テレビ070928PM0903~)原作・一色まこと、脚本・大森寿美男、監督・水田信生を見た。大河ドラマでなかなかに意表をつく展開を見せる脚本家と日本テレビのベテラン演出家(「恋のバカンス」「ぼくの魔法使い」など)のカップリングで綴る幽霊譚である。そこそこ、原作を無視して須賀健太の魅力をあますところなく伝えている。特にポイントはやや長髪の須賀健太を見せておき・・・誰?・・・と思わせておき、交通事故、頭部手術・・・坊主頭という展開・・・そんなところかよっ。

さて、花田少年ははっきり死亡したのにむっくり起き上がる・・・これは「演歌の女王」でオマージュされており、医師(濱田マリ)のボジションは医師(半海一晃)がやっていたのだが・・・ま、誰も気がつかないよな。映画では事故現場の警官(半海)だった。

結構、練りこまれた因縁話である。

新宿で路上シンガーをしていた寿枝(篠原涼子)、そして彼女は妾腹の子だが、祖父は莫大な遺産を残して死ぬ。その遺産を狙って接近したのが沢井弁護士(北村一輝)・・・。彼の娘が香取聖子(吉田里琴/安藤希)である。養育を放棄した沢井に代わって聖子と一時を過ごした寿枝と花田大路郎の間に愛が芽生え・・・二人は花田の故郷で結婚・・・聖子は沢井が引き取るが聖子は病死・・・沢井は借金取りに暴行され死亡。

悪霊となった沢井は花田家にとりつくのであった。そしてその呪いを幽霊なのに成長する聖子が守護していたのである。冒頭でトラックの運転手(六平直政)に聖子が悪戯をしたために花田少年が事故に逢うのは一見・・・矛盾しているのだが、残留思念としての聖子が善なる存在ではないことを暗示している。彼女もまた怨念なのである。

しかし、霊的存在となった花田少年と過ごすうちに聖子は「幸せの記憶」を取り戻し・・・そして最後は父娘対決するのである。このあたりの霊的葛藤はかなりわかりにくい。なぜ・・・聖子が「父とともに地獄に落ちるのか」・・・不思議に思う人はいるだろう。

善悪が彼岸の向こうでは交錯していることを念頭に置かねばならないだろう。生きるものは死せるものの「悲しみ」を受けてこそ善行を選択することができるという主題なのだ。キッドはそういう考え方は理解できるが・・・一般人には伝わらないと考える。

さて、花田家と親交のある村上家。母子家庭である。母(中島ひろ子)、息子・壮太(松田昴大)・・・そして亡き父親(杉本哲太)である。漁師となった大路郎は村上・父と嵐の夜に漁に出て・・・一人生き残り、タクシーの運転手になった。

村上・母は市村氏(小林隆)との再婚を考えている。市村の娘・桂(鬼頭歌乃)は花田少年のライバルだが・・・お決まりの継母との葛藤のエピソードがある。村上・母はハムカツ作ってやればいいのに・・・ハムカツ好きな人は本当に好きだからな。

原作は幽霊の見えるようになった花田少年が様々な幽霊の依頼を引き受けるという展開なのだが、今回、唯一ピックアップされたエビソードは「飼い犬に思いを残して死んだ吉川のばあちゃん」(もたいまさこ)・・・最後は花田少年・聖子チームに助っ人として参加・・・生前は海女だったらしく・・・蛸壺からタコを再現なく繰り出して悪霊を攻撃する。

さあ、オレザク・・・ではなくて・・・悪霊・沢井・・・ついに娘の心に打たれて地獄に落ちる決心をするのである。

あの世では善も悪もなく・・・やがて輪廻転生して再会することもある・・・生死の境をさまよう花田少年にはそれがわかっているので・・・最後はため息で終る・・・このため息もなかなかに理解されにくい・・・とキッドは思うのだった。

関連するキッドのブログ『学校の怪談』『学校の怪談2』『学校の怪談3』『学校の怪談4

で、『ドラマスペシャル・未来遊園地・幽霊少女と観覧車』(テレビ朝日070928PM1115~)脚本・朝倉寛、演出・常廣丈太を見た。連続・幽霊譚であり、幽霊が生前最後の姿ではないという変化球の連打でもある。こちらは主人公・達也(田中直樹)の母(松永京子)の幽霊が中学生の姿(夏未エレナ)で登場する。なんとなく松永と夏未が相似しているのでオチは最初からわかっている展開。

子供の頃、遊園地の経営に夢中で育児放棄されていたことを大人になってもずっと怨んでいた達也・・・まあ、達也はそう思い込んでいた・・・母親が急死して借金まみれの遊園地の経営を引き継ぐことになる。投資会社に勤務していた達也はイヤイヤ引き受けたのだが、人生に絶えず後ろ向きな姿勢がたたり、投資会社もクビになってしまう。ついでに交際中の女子アナ(ちすん)にも中途半端な姿勢で険悪なムードに・・・。そんな、達也の前に現れる母親の幽霊・中学生ヴァージョン。

どうしてもココリコ・ミラクルタイプのコントを連想するのでなかなか、終らずにイラッとするところもあるが・・・マイホームパパの借金取り(東幹久)とか、正体バレバレで従業員のサンプラザ・中野とか、思い込みの強い片瀬那奈とか、まあ、ワキがそこそこしめてなんとかほのぼのエンディングへ・・・「子供の時来て、恋人と来て、親子で来て、孫で来る・・・そんな場所に」という願いはディズニーランドのコンセプトで弱小遊園地をなぎ倒しましたが・・・それが何か・・・まあ、アトラクション作者としては閻魔様の前で・・・ボクは少なくとも何人かの家族を幸せにしたと思います・・・と主張するつもりのキッドである。

夏未エレナは堀北真希の妹というコンセプトなのだが・・・中学生なのにもはや姉・・・になっているのでは・・・と思うのはキッドだけではないはずだ。

関連するキッドのブログ『彼女との正しい遊び方』(脚本・朝倉寛)

で、『火星から来た蜘蛛の群れとグラマラス エンジェル』(フジテレビ・070929AM0135~)脚本・山崎淳也、演出・永山耕三を見た。「ロンバケ」だの「ひと屋根」だの「ラブジェネ」だの一世を風靡したベテラン演出家と1990年のヤングシナリオ大賞脚本家のコラボによるほとんど舞台劇である。タイトルはデヴィッド・ボウイの『ジギー・スターダストとスパイダーズ・フロム・マーズの興亡』というコンセプト・アルバムからのイタダキである。

舞台となるのは登場人物たちが一同に会することのできるバー。まあ、一つの店である程度、生活環境も年齢も異なる飲み仲間がなんとなく仲間になって一時代を過ごす・・・そういうノリのよくある話だ。それぞれのメンバーの部屋が臨機応変に登場する。

登場人物はバイ・セクシュアルでスキルス性ガンで余命いくばくもない男(山崎樹範)、その愛人で劇団主催者でカミングアウトに悩むゲイ(内田滋)、ゲイとは知らず淫乱を怖れてオナニー一筋だったのに初めての肉体関係を持ってしまったライター(唐沢美帆)、その友人で不倫をやめさせてくれた恋人が結婚してくれないのを悩む女(吉瀬美智子)、その恋人で幼女誘拐拉致監禁暴行虐待殺害犯人の弟の殺害をライフワークとする男(松尾敏伸)、女子大生(鈴木蛍)、大学生(田中圭)である。

物語のピークはバイとゲイと淫乱娘の三角関係と淫乱娘の妊娠でピークを迎え、バイの死亡で幕となる。いつか・・・凶悪な弟(消息不明)を殺そうと決意しているので結婚できない男は結局、腰砕けになって結婚したい女と渡米する。

キッドは眼鏡=眼鏡なので結婚できない男とバイが兄弟なのだと推測するのだが・・・それは最後まで語られない。

つまり、この芝居の結論は「幼女誘拐拉致監禁暴行虐待殺害犯人」が野放しになっている・・・ということである・・・おいおい。

ま、退屈といえば退屈だが・・・芝居が好きな人にはそこそこ見せる舞台でした。

鈴木蛍はボーカルグループCASSIS(カシス)のメンバーHOTARUだが特に歌ったりはしない。

関連するキッドのブログ『電車男デラックス

日曜日に見る予定のテレビ『風林火山』(NHK総合)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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