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2007年9月17日 (月)

人の心は移ろうものでございますのに・・・あなたは移ろわぬもの・・・滅びを前にまだ惑う我を愚かと思し召す・・・。(風吹ジュン)

武田信玄の母・大井の方(風吹)身罷る・・・。

長尾景虎(Gackt)が毘沙門天を信奉し、山本勘助(内野聖陽)が真利支天を崇拝するこの風林火山の世界にあって大井の方は不動明王に帰依している。

不動明王は大日如来の化身である。大日如来はブッダの太陽神としての化身であるから、お釈迦様がお日様になってさらに不動さんになったということである。

そして不動さんは仏の武力の象徴である。つまり・・・仏の道に従わないものを力でねじ伏せるという仏とは思えぬふるまいをするときの仏の姿なのである。

そんなものに・・・「争いは嫌い・・・」という祈りを捧げるところがこの世の矛盾であり・・・大井の方の心の葛藤というものを表現している・・・。

で、『風林火山・第37回』(NHK総合070916PM8~)原作・井上靖、脚本・大森寿美男、演出・清水一彦を見た。例によってシナリオにそったレビューはiksama4様を推奨しています。今回はいろいろと痺れたらしいのでございます。

Kantou_1552 で、今回は甲斐武田・駿河今川・相模北条の三国同盟についていろいろと妄想をしておきたい。基本は安全保障なのであるが・・・三竦みの様相を呈しながらこれが戦線拡大に繋がるところがまさに戦国時代の醍醐味である。ま、絶妙なバランスをとったのだな。一種の舞踊のようでもある。1552年、武田晴信の嫡男・義信に今川義元の娘・嶺松院が、1554年、今川義元の嫡男・氏真に北条氏康の娘・蔵春院が、北条氏康の嫡男・氏政に武田晴信の娘・黄梅院が・・・それぞれ嫁ぐことによって今川→武田→北条→今川というお輿入れの輪が完成し・・・嫡男が全員、義兄弟になってものすごい同盟が出来上がるのである。

これはある意味、晴信、義元、氏康の三人があまりにも似たような実力の持ち主だった結果と考えることもできる。三というものはたやすく二対一になるので、それは絶対にさけたい・・・つまり自分が一になることをだ。その思惑がこの結果を生んだのだな。

極東アジアでつい三対一とかになってしまう我が国は国力が他の三国とは比較にならないので仕方がないのである。もちろん、日中米の三国の場合は二対一にしないとどうしようもない。平和的に一対一対一にしようなどと考えるととんでもないことになると思うよ。

・・・で話は戦国時代に戻るわけだが、この巧妙な政略結婚のおかげで三国は平和に末永く暮らしましたとさ・・・めでたし、めでたし・・・とならないところが国際関係論である。背後に敵がなくなり、心置きなく兵力の前方展開を行う三者だった。晴信(そろそろ信玄)はほぼ手中に収めた信濃の完全占領を目指し、西は木曽へ北は村上へ兵を進める。義元は言わずと知れた東海地方進出。遠江、三河、尾張と侵略を手を伸ばす。そして・・・氏康は関東へ。

今回は武蔵をほぼ制覇した北条勢である。譜代の武将を要所に配置して・・・次なる目標を上野に、そして、房総にと定めている。平井城攻めでついに関東管領上杉家を越後に追い払った氏康・・・。この時、関東における最高権威は名としては古河公方・足利晴氏であり、実としては北条氏康ということになった。その晴氏に妹を娶らせ、生れた子供を小田原城に迎え入れている。いわば足利家に北条家の血を注入である。そして晴氏のすでにいた嫡男・足利藤氏を1552年に廃嫡させ・・・妹の子・足利義氏を後継者としたのである。ごり押しである。もちろん・・・足利晴氏は面白いわけがなく・・・房総半島で一番の里見家に泣きついて・・・またいろいろあるわけであるが・・・とにかく氏康の野望の炎はめらめらと燃え上がり・・・ある意味・・・絶頂なのであった。気がかりは長男・氏政くんの出来が今ひとつ・・・なところだが・・・ま、ここまで勢力ひろげりゃ一安心ぐらいな気分はあったと思う。ま、そうでもなかったわけですが。

とにかく、この同盟は十年近く・・・有効に機能するのである・・・。そしてもちろん、同盟の終焉は信長様が田楽狭間で義元の首をとり・・・今川家が崩壊することにより・・・すべてがぶち壊しになっていくのであった。

ある意味、最高に天下無敵な仏、不動明王にすがっても心の平安を得られぬ大井の方はわが子の行く末を山本勘助に頼み込む・・・しかし、三国同盟が崩壊した時・・・勘助の余命も残り少ないことを大井の方は知らないのだった。

仏はすべてを静かにご覧になっていた。

関連するキッドのブログ『第36回のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『花ざかりの君たちへ』(フジテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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コメント

隻眼の勘助が御堂でお北の方と対面するシーンで
今更ながらに不動明王と梵天丸を思い出しました(; ̄∀ ̄)ゞ

でもこの不動明王は隻眼じゃないんですよね。
勘助が信じる神はあくまで摩利支天ですからねぇ。


お北の方の死は自身は全く悲観しなかったとはいえ
最後にあのような夢を見せた神の御心がどうしても
知りたかったようです。

何にせよ
己のした事はいずれ己に返ってくるようですね。


この時代の「同盟」とは
婚姻関係とはいえ結局のところ、人質ですからね。

しかし、その人質でさえ
国の利害関係によって容赦なく斬り捨てられる。

このような同盟は
互いの国主のもつ「義」と「欲」のバランスで
成り立っているのかもしれませんね。

これについては次の世代である
武田勝頼と北条氏政、上杉景勝との関係にあっても
変わらなかったようです。


「義」といえば北条家・上杉家それぞの「義」も対照的でした。


上杉家にとって新興勢力の伊勢=北条氏康は
足利家の譜代の家臣である上杉家に楯突く逆臣=悪

北条家にとって上杉憲政は政を乱し
国を乱し農民を苦しめる暗君=悪

氏康が竜若丸を斬ったのも
竜若丸の中の「義」を守ったがため
そして嫡男・新九郎に「義」のなんたるものかを教えるため

しかし憲政には
氏康は己の嫡男である竜若丸を斬った悪にしか映らない


この時代では強き者の言葉が「正義」となったようですが

「義」とは己の心の中に信じる拠り所として
描かれていたように感じられます。


この辺りの演出にまた痺れます(笑)

投稿: ikasama4 | 2007年9月17日 (月) 23時04分

✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥

以前もどこかで書きましたが
義という字には羊がおります。
羊の下は我でございます。

この場合の羊とは犠牲(いけにえ)の羊です。
義とは自分を犠牲にすることです。

これは基本的に他人には都合のいい考え。
しかし、それゆえに美しいのです。

お気づきのように美にも羊がいます。
下にあるのは大です。
大きな羊は美しいのです。
つまり・・・美にはいたましいものが含まれている。

人と人との世には犠牲がつきものです。
戦はその最もたるものでしょう。

それを避けるために
我を羊とすること。
それが義なのです。

姫たちは義のために他国に嫁ぐ。
そして勘助は義のために仇の家で働く。
耐えがたきを耐え
忍びがたきを忍ぶ
それが義です。

義を見てせざるは勇なきなり・・・
という言葉がありますが

場合によっては義に潜む美を
打ち消してしまうことがある言葉・・・。

しかし、男はついそれを美と思いやすい・・・
それが勇というものですから。

戦国時代の終焉を告げる信長様は
六天魔王を名乗っていますが
実は不動明王とも考えられます。
すると秀吉は大日如来。
そして家康は釈迦。

ブッダが同時に三人に転生し・・・
そしてついに戦国を終えた・・・
それまでにどれほどの義が・・・
消え去ったのか・・・。

北の方の疑問はまさに
なぜにそれほどの義が必要なのか・・・
ということだったかもしれません。

しかし、それは仏にもわからないのですね、きっと。

投稿: キッド | 2007年9月18日 (火) 17時51分

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