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2007年9月25日 (火)

月夜に悪魔とダンスを踊った?(ジャック・ニコルソン)VS・・・シャンパンをご用意しました。(マイケル・ガフ)

うわあ。来週は「リターンズ」だよ・・・「ちりとてちん」があるのに・・・ハードだなあ。朝から夜中まで・・・か。

まあ、おタクにとってはファーストも「語りどころ」満載なのだが・・・。

まずはティム・バートンかあ。「ピーウィーの大冒険」(1985)「ビートルジュース」(1988)ですでに神だったのだが、この「バットマン」(1989)で超神と化したのだなぁ。20代はまだしも・・・30代以上でそれを認定しないものはおタクとみなさないっ。・・・誰が嫌がるんだよぉ。

ディズニーのアニメーターだった彼は一説によると「ミッキーマウス」を描き飽きてディズニーを後にした・・・ということだが・・・スケルトン・ミッキーとか、デス・ミッキーとか、ミッキーの焼死体とかを描いて放逐されたというほうがレジェンドだ。

で、『月曜映画・バットマン』(日本テレビ・070925AM0126~)脚本・サム・ハム&ウォーレン・スカーレン、音楽・ダニー・エルフマン、監督・ティム・バートンを見た。字幕放送である。DVDの吹き替え版はブルース=渡辺裕之、ジャック=デーモン小暮で・・・ある意味発狂している。

公開当時の作品評価に「暗い」というものがあり、腰が抜けるほど驚愕した。この映画から「暗さ」をとったら何が残るというのだろう。

バットマンは著名なアメリンカンヒーロー(1937~)の一人だが・・・スーパーマンとスパイダーマンと比較すると色が最もダークである。もちろん、「クロウ」「スポーン」とか黒の仲間はいるが、メジャーで暗いという意味ではやはりバットマンだ。

だからこそ、ティム・バートンで、だからこそカルト・ムービーなのである。

暗さとは陰影である・・・。陰影とは複雑さの基本で・・・つまり知性の源と言っていいだろう。太陽を見よ。そこに飛び込んで生きていける人間はいない。暗がりこそが優しい夢の温床なのである。・・・おいおい。それ以上はやめておけ。特に太陽関係の神々をこきおろすのはまずいです。

失礼・・・バットマンに酔っています~。

さて、もちろん、バットマンは復讐者である。復讐とは悪に悪を持って報いることだ。たとえば死刑反対論者を片っ端から処刑するのが悪だとすればそうなるのである。それは怪人ヒーローの宿命だ。娘を殺された親が犯人を極刑にと嘆願することも悪になるというならば・・・である。もちろん、キッドはそう思わない。復讐は人間の行為の中でもとりわけ、美しい行為だと思う。だから、バットマンは美しいのである。

当然、バットマンの敵もまた美しい。今回はジョーカーである。バットマンとの最初の戦いで化学薬品のプールに墜落。顔を奪われた男は永遠の笑顔を手にいれ、悪の限りをつくす。そして彼もまた復讐者なのである。

実は彼は・・・最大のネタバレですが・・・バットマンの正体・ブルース・ウェイン(マイケル・キートン)の両親の殺害犯人だったので、復讐者の復讐者は復讐者だ・・・という構成になっている。

では、バットマンとジョーカーは共に悪という美でありながら・・・どこが対立するのだろう。それはバットマンが美を尊重するのに対し、ジョーカーは美を軽蔑するという点だ。バットマンは美を愛し、ジョーカーは美を憎む。バットマンは美にたじろぎ、ジョーカーは美をふみつぶすのである。

ヒロインのベール(キム・ベイシンガー)はその象徴である。ジョーカーとベールはクライマックスでダンスを踊る。ベールは脱力し、死人のようになっている。それを抱きながら踊るジョーカーは死体との舞踏を好む屍姦野郎なのである。彼は生者には心を許せない悪なのである。前半では彼が焼殺したマフィアのボスと会話する。「お前は血も涙もない奴だ・・・死んでいてよかったぜ」と言うほど明解なのだ。

一方、バットマンは復讐者でありながら・・・心に悪へのためらいを持っている。だから、彼はミサイルを発射しながらジョーカーに止めをさすことができないのだ。っていうか、誘導弾にしろよ。

もうひとつの象徴は周囲に対する心配りだ。ジョーカーは失敗ともいえない失敗をした一の子分を気まぐれに射殺するのに対し、バットマンは忠実な執事のアドバイスに従うし、「彼がいなければ靴下もはけない」と甘えん坊なのであった。

なぜなら・・・バットマンは大富豪の息子で、ジョーカーはしがないチンピラという出自の差があるからである。持てるものは美しく、持たざるものは醜いと相場は決まっているのである・・・おいおい。

さて、キッド的にははずせないのが、ヒーローが大富豪である故の必然としての執事・アルフレッド・ペニーワース(マイケル・ガフ)の存在である。彼はバットマンがヴァルキルマーになろうが、ジョージ・クルーニーになろうが、忠実な執事であり、バットマンの世界に奉仕するのである。

ブルースが坊ちゃんらしい注意力散漫で置いてならないところにグラスを置けばすかさず片付け、刺してはならないところにペンを刺せばすかさず抜く。目ざといのである。そして文句ひとつ言わない。「ミスター・アーサー」(1981)の執事(ジョン・ギールグッド)と並んでハートフルな執事の1、2を争うのである。

これとトップの座を競うのは「エロイカより愛をこめて」のエーベルバッハ家の執事ぐらいなものであろう。山田太郎ものがたりの御村家の磯貝氏などまだまだなのである。ま、ロッキー・ホラー・ショーのせむしの執事はある意味別格だ。

ま、じいや好きには「バットマン」はこれだけでもたまらない映画なのだな。

もちろん、悪が墜落し、ヒーローが摩天楼の頂上に立つというお約束もしっかり守っています。後は・・・風船ですが・・・これは機会を改めて語りたい。

関連するキッドのブログ『オーメン4

水曜日に見る予定のテレビ『ココリコミラクルタイプ最終回90分スペシャル』(フジテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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