« 2007年9月 | トップページ | 2007年11月 »

2007年10月31日 (水)

横山裕26才、赤西仁23才、鈴木えみ22才、田口淳之介21才、美波21才、香椎由宇20才、原幹恵20才、みーんななんちゃって高校生・・・。

ちなみに吉乃川先輩(入山法子・22)、玉司先輩(忍成修吾・26)でした。

まあ、しつこいようだが・・・「エリートヤンキー三郎」(テレビ東京)を見ていたキッドはまったく違和感なく高校生だと思います。

今回・・・ヒトケタ日本シリーズによる時間変更があって・・・どうなることかと思ったけど・・・。

火曜日のドラマ対決は①「有閑倶楽部」↘12.8% ②「暴れん坊ママ」↘11.8%  ③「スワニー」↗10.4%

「有閑」が首位奪還・・・。こうしてみると「ママ」→「有閑」というコースの人多いのだな。で、今回は両方に分かれて・・・ついでに「スワン」も見た人がいた・・・と。「スワン」はすっかり美山加恋中心のドラマになっていて・・・そこは好感がもてるのだが・・・それでいいのかっ。逆に「ママ」はママのオヤジが来た分、視聴率が下がっている気がする。園ママが個性派ぞろいなのでもう少し園ママと園児にしぼった方がいいと思うな。継母ものとしては昼ドラマ「愛のうた」の方が今週は泣けるっ・・・。そ、そんなものまで・・・。

で、『有閑倶楽部・第三回』(日本テレビ071030PM10~)原作・一条ゆかり、脚本・江頭美智留、演出・大谷太郎を見た。まあ・・・そのなんだ・・・がんばっているけど・・・あと一歩という展開なんだよな。とにかく・・・やたらと海外に出かけるのが基本のこの原作をやっちゃったので・・・大変だとは思いますけどね。しかもジャニーズ三人とモデル三人で下ネタ中心のドタバタコメディーをやっていることがすでに爆笑なのだな。

なにしろ・・・このエピソードなんか・・・生徒会室で酒・煙草が発見され・・・六人全員が停学中に起きた事件のアレンジである。・・・無理があるっ。

キッドとしては堂々と原作通りにやって大問題になった方が面白いのだが・・・そうもいかないもんね。

さて・・・ここでいくつかの気になる点を妄想しておこう。

まずはアンダーグランドとエスタブリッシュメントの共存。基本的にお金持ちとやくざは仲がいい。それはもちろん、お金持ちはある意味やくざなことであるし、やくざがお金持ちであることは珍しくないからだ。時には表の顔と裏の顔があって同一人物の場合さえあるのだな。

で、これだけ建前が最優先の世の中になってくると・・・そういう暗黙の了解さえ・・・成立しないことがある。キッドは内部告発的な流れを悪と決め付けることはしないが、短絡的だったり、発作的だったりすると・・・取り返しのつかないことがあると思うのだ。

逆に・・・すでに手遅れになったことに告発するものというのは・・・なぜ、そうなる前に勇気を出さなかったのか・・・という反省がなかったりするのだな。

で・・・とにかく・・・お金持ちとやくざが知り合いでもいいじゃないかっという意見が通らない世の中での手法が今回の手である。

ま、「いいやくざ」と「悪いやくざ」がいて、「いい金持ち」と「悪い金持ち」がいる。

ま・・・このような手段である。

で、この場合・・・どこに境界線があるかということになると・・・それは・・・有閑倶楽部と仲良しかどうか・・・ということになるのである。ぶははははははっ。ある意味やばいぞ。

さあ、今回は最近、元気な黒沢年男がゲストで白藤組の組長を演じる。大きな声では言えないが役柄はヤクザだ。昔・・・黒沢さん本人にインタビューした時・・・じゃ、ドライブでもしながら・・・と言われて意表をつかれたことがある。インタビューするのにスポーツカーに乗る必要はないのだ・・・と思うからである。キッドはプライベートなことにもすぐつっこむのが基本であるので・・・奥さんはどんな方なんですか・・・それは語らないようにしてるんだよね・・・どうしてでしょうか・・・ほら、黙っとけば奥さんがいないかもと思う人がいるかもしれないだろ・・・ま、ある意味・・・やくざな発想です・・・・ま、それはそれとして今回の役柄は・・・松竹梅(赤西)を男として見込むほどの仲の良さですから・・・いいヤクザなのです。

そして、実は親分の隠し子であり、養家の経済的苦境を救うために政略結婚に同意する吉乃川先輩はいいヤクザの娘です。

さらに吉乃川先輩が本当は愛している玉司先輩はいい元暴走族の寿司職人なのです。

だってみんな仲良しなんだもーん。

それに対し・・・実業家の神亀(正名僕蔵)は有閑倶楽部と仲良しではないので悪いお金持ちでしかも悪いヤクザと関係しているのです。・・・清々しい構図だ。

ま、この論理についてこれない人は脱落しますので・・・楽しみを一つ失うことになる心のせまい人だと思います。

一応・・・そういう人のために・・・セリフで一言だけ・・・「麻薬をあつかう悪い組織だ」と説明されますが・・・そのとってつけた感じは大阪城に金のしゃちほこです。そのたとえはどうかな。

まーっ。いいけどねー。それでいいけどねーっ。説明しただけ偉かったよねーっ。

今回はみんな花嫁大作戦ですが・・・ドタバタするうちに結婚式場が爆破炎上するくらいのドタバタだともっといいと思います。そのくらいやらないと・・・日本人ってドタバタが苦手だから解らないんだよな・・・きっと・・・と思うのでございます。

そして・・・結婚式の裏で麻薬取引も行われていて・・・炎上した麻薬を吸い込んで敵味方ともにハッピーな気分ななってしまうというくらいでも良かったのにな。

ま、今回も松竹梅パパは愛らしく・・・そして美波は500万円のご祝儀で20万円の引き出物とご馳走をたらふく食べたりしてちょっとバカで・・・すでにセレブなのに玉の輿を口にする黄桜には「チョーセレブになる」とか「チョー玉の輿」とかいうセリフをつくってやればいいのに・・・僕蔵は最初からカツラを気にしていて芸が細やかだったり・・・と様々な感想をキッドにもたらしつつ・・・有閑倶楽部は善悪の境界線を爆走していったのでした。

関連するキッドのブログ『先週の火曜日のレビュー

Hcinhawaii0273 ごっこガーデン・生徒会長室セット。エリ・・・みんなガリレオごっこに夢中で遅いのでスー。でもエリは構わないのでスー。赤西先輩を独占できるからなのーっ。むしろ、好都合なのでスー。チュッパチャップスを大量に買い込んだので・・・もはや・・・先輩はエリの虜・・・妄想ははてしなく膨らむのっ。アメ。アメ。アメがあればムチ・・・。ムチ・・・。ムチで苦悶にゆがむ赤西先輩・・・はうぅーんなのでスー・・・

Hcinhawaii0274 ごっこガーデン・結婚式場セット。お気楽吉乃川が水死体にならなくてよかったのね。おなかサービス始めました。でも柴咲のおなかの方がやっぱりいいかなあmari男山と冨久娘もサービスしてくださいよアンナあっ、危ないぴょん・・・まこ可憐ちゃんは結婚願望強いので逆に結婚衣装拒否かもねーっ・・・行き遅れるっていいますからキッークっ!」ろーじーあいたたたた・・・久しぶりに遊びに来たのに・・・なんでやねん・・・来年こそはタイガースが日本一に・・・

で、『キューティーハニーTHE LIVE・第五話』(テレビ東京・071031AM1~)原作・永井豪、脚本・井上敏樹、演出・横山誠を見た。この作品としてはまあ、いい枠を得たといっていいのかもしれない。永井豪はある意味、前衛的な作家だ。子供のための娯楽作品の作者としては子供の求めるものを根源的に追求して表現したといえる。それはエロスとグロテスクであり、そこから生れるバイオレンスを含む。お色気と残虐・・・それは暴力によって迸るのである。刺激的であり・・・それを好まない大人が眉をしかめるのは当然だろう。

「ハレンチ学園」では教師が全員変態であり、「デビルマン」は人間が悪魔であること、「あばしり学園」や「バイオレンスジャック」では暴力こそが正義であることを暴いて暴いて暴きまくったのである。

野獣のようなコミック作家だったのだな。まあ、本人は美少年だったのだが。

で、ある意味、そのすべての要素が溶け込んでいるのが「キューティーハニー」なのだな。

しかし、その力は子供たちが野獣からペットに変質することで急速に失われる。もはや、永井豪的残虐に子供たちが耐えられなくなってしまったのだ。

それでも・・・そういうものを求める魂は常にある。

裸の人間の醜悪さ、裸の人間の神々しさを同時に見せることのできる原作者の魔力を求めるものが。

おそらく使徒であるスタッフたちは忠実に永井豪的魔界を構築しつつあるようだ。

ハニーは基本的に人造人間である。科学の進歩とともにロボットとサイボーグの境界線は急速に喪失しつつあるが・・・ハニーはアンドロイドでロボットと言えるだろう。

もちろん・・・その原型は鉄腕アトムである。

天才科学者・天馬博士の息子トビオが事故死して身代わりのロボット・アトムが創造されたように、ハニーは亡き娘の身代わりとして誕生する。アトムは成長しないロボットだったため、天馬博士の憎悪の対象となるのだが・・・ハニーは空中元素固定装置により成長することができるという発展を伴っている。

しかし・・・その変わりに如月博士はパンサークローに殺害されてしまう。

鉄腕アトムには七つの力が内臓されていたのだが、ハニーは七変化を行うことができる・・・というか・・・実際には何にでもなれるのである。

アトムからハニーへ・・・この身代わりロボットの系譜は非常に変形して受け継がれた。

永井豪には「マジンガーZ」があり・・・これが鉄人28号の後継者であることを考えると、彼はロボットの二大派閥を一人で受け継ぎ、ある意味で統合してしまったのだ。

今回はハニー(原)は白薔薇学園で「√2」という無理数の答えと小鹿模様のパンツを盗み穿いてしまう以外はお休みである。

そして、前フリされていた鑑別所に収監されている少女・早乙女ミキ(水崎綾女)がついに秘密のベールを脱ぐのである。

ハニーたちの明るい学園生活に対し・・・暗さを強調した不良少女の園。

その中でもミキは格別に暗い。出所を望む他の少女に対して彼女は「私は籠の鳥でいい・・・」と嘯く。

超原作の展開であるが・・・どうやら彼女もまた空中元素固定装置を内臓したアンドロイドなのである。

やがて鑑別所に謎の支配者が現れる。彼は権力を纏った変質者であり・・・少女たちは次々に惨殺されてしまう。原作にはないが・・・この性的なイメージの強い暴虐はまさに永井豪のテイストと言っていいだろう。

そして・・・ついにハニーとは異なる位置に内臓されたスイッチが表面化してシスターミキに変身するもう一体のアンドロイド。

彼女は救おうとした少女に叫ぶ・・・「逃げて・・・こうなると私は何をするかわからない・・・」そして、パンサークローの臭いのする残忍な看守たちを殴殺するのであった。

「きちんと挨拶を・・・だったね。さようなら・・・」

エンディングはシスターミキ・ヴァージョンになる。どこかに故障をかかえ、制動が効かないクレイジーアンドロイドを示す震え。ますますダークになっていくキューティーハニーなのであった。トレビアン!

『ちりとてちん・5-2・第26回』今回は「次の御用日」なのであるが・・・この「話」はある意味・・・不条理な話である。ちょっとした悪戯で少女が不幸になり・・・悪戯をしたものは罪を問われる・・・まるで・・「あっと驚かす」ということが恐ろしい行為のような話なのである。そのどの部分に笑いを感じるかは・・・人によってさまざまである。上手いたとえが思いつかないのだが・・・あえて言えば酔っ払って人をひき殺したことのあるドライバーとそうでないドライバーでは感じ方が違うタイプの笑いということですかね。→5-1

シャブリ様のちりとてちん26

木曜日に見る予定のテレビ『医龍Team Medical Dragon 2』(フジテレビ)、『ジョシデカ!』(TBSテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (4) | トラックバック (16)

2007年10月30日 (火)

あなたの美しい論理は醜い現実に私をたどりつかせた・・・けれど。(柴咲コウ)

過剰な視聴者サービスなのか、それとも恋愛フラッグなのか・・・。

内海(柴咲)の瞳は屋内遊戯のロッククライミングをする湯川(福山雅治)の肉体に釘付けなのである。

主題歌的にもキスをめぐる展開は用意されていると予測されるのだが・・・さすがは月9なのか・・・。

ま、それはそれとして・・・ゲスト・広末涼子はまたしても軽く病んでいるのだった。甲本雅裕よりも彼女の方が病んでいる・・・と感じるのは少数派なのか・・・多数派なのか・・・もしも少数派なら・・・病んでいるのはキッドなのだが。

で、『ガリレオ・第三章』(フジテレビ・071029PM9~)原作・東野圭吾、脚本・福田靖(他)、演出・成田岳を見た。いきなり・・・感じの悪い嫌な女として登場する神崎弥生(広末)はガリレオ(福山)のゼミの男子学生・村瀬(林剛史)の姉貴である。姉でなくて姉貴というところが・・・セリフとして微妙なのだな。絶妙と言ってもいいのだが・・・キッドの世代的には甘いようにも思え・・・結局、微妙になる。

この大学はトップクラスの大学であり・・・その学生の親族である・・・彼女が弟に「姉貴」と呼ばれることが・・・彼女のポジションを曖昧にするのだった。

彼女は良家の子女という設定なのだが・・・その階級社会におけるポジションが曖昧なのだな。恐ろしく上なのか・・・まあまあの特権階級なのか・・・。なぜ・・・アネキなのか・・・キッドはここで一時間は悩むことができるのだが、今日はメンテナンスなのでいい加減に先に進むことにしよう。

彼女はトップクラスの名門女子大学の出身で・・・三代続きの卒業生ということで実家は資産家であり、しかも優秀な家系を誇示している鼻持ちならない一家であることが窺える。

そういう家で育ちつつ・・・彼女はエリートではない男に恋をして結婚したと自分で語りだす・・・のでかなり鼻持ちならないのである。これは黒人を憎悪する白人と、黒人を人として意識しない白人のどちらがより差別的かという問題なのだな。

明白な彼女の選択はただ一つ・・・「きれいな心の持ち主と幸せになりたい」ということなのだ。

そして・・・彼女は唯我独尊的エリート意識で一族の反対を押し切り、庶民と結婚するという冒険をするほどの行動力があり・・・それはつまるところ一種の心の病と言ってもいいだろう。なぜならそれは危ういことであるからだ・・・。

冒頭、内海と出合った彼女はパニックに陥っている。なぜなら・・・エリートとしてパーフェクトな選択をした自分が幸福を失ったことに気がついたからである。

彼女の理想の夫が消失してしまったのだ。

さて、人間はないものねだりだが、その根源は空腹であると考えることができる。空腹を満たすシステムがあって・・・まあ、食欲と言ってもいい。そこから、様々な変化形が構築され・・・その中には女性が男性を受け入れるシステムなども生れるのだが・・・それは別のシステムによるものだという考え方もあります・・・とにかく、人間はなるべくして「ないものねだり」になるのである。

もちろん・・・ねだるということは他者に対して働きかける「甘え」の問題も含んでいるのだが、自分で自分におねだりする場合もあり、そうなると客観的には「甘え」には見えなくなってしまったりする。とにかく、このないものねだりシステムによって人は月世界に立ったり、光の速度で会話したり、ヒロシマで10万人を焼殺したりすることもできるのである。

資産家の娘に生まれ、容姿に恵まれ、学業にも優れた彼女が自分にないものをねだりはじめることがいかに危ういものであるかは一目瞭然なのであるな。

なぜなら、君子で危うきに近寄らない男(ガリレオ)がロッククライミングをしているのを見ればわかるように上に行けば行くほど、危険は高まるのである。昇るためには知恵も力も根性も必要であり・・・その結果、上昇するので下降すれば問題ないのだが・・・高みには墜落という罠が仕掛けられているのが基本だからである。

もちろん、ガリレオにとって遊戯であるそれには命綱という保険がかけられている。ガリレオは君子であり、ないものねだりで危うきには近寄らないのだ。

一方、彼女だってそのくらいのことは分かっている。しかし、罠はいたるところに仕掛けられていて、時には雪崩もするし、突発的な低気圧に遭遇することもある。

おそらく、お嬢様大学ではボランティア活動が推奨されるのである。恵まれない人々(貧民)に恵むことは富めるもの(人)の義務であるからな。その中には若さに不自由な人々もあり、そしてその周辺でビジネスをする人々がいる。まさに彼女にないものがあふれかえっているのであり、ないものねだりにとっては宝の山、目の毒なのである。

そして、ついに彼女は「きれいな心を持つ男」をねだる自分に根負けするのである。

まあ・・・それを「恋」と呼んでもさしつかえないでしょう。

彼女の周囲は危惧するのだが・・・おそらく彼女に逆らえるものは一族にはいないのだろう。エリートである弟が家を出た彼女に逆らうことができないというのを見ても明らかなのだ。

すべてのものに引力があり、引力があるゆえに均等になっていく(ように見える)のであるが、均等であり、安定しているように見えても、すべては絶えず惹かれあっているのである。その流動的な部分は局所的には不安定(のようにも見える)である。つまり、火山は噴火したり、惑星と流星が衝突したりするのだ。

墜落した彼女が周囲に与えるインパクトはかなりのものになるのである。

ガリレオは自己中心的であることにかけてはおそらく「彼女」に引けはとらないのである。しかし、彼もまた月9的な「ないものねだり」の罠を逃れることはできないので、光の速度で内海にラブコールをするのだ。「君のことを愛しているとは言わないがすぐに逢いたい」なのである。

内海はもちろんのこのこと出かけていく。仕事が終って人前で腹を出すほど疲れていても公僕は公僕であり・・・根っからのMである内海にとっては正常な意味で「もてるもの」であるガリレオのおねだりに逆らうことなんかできないのだ。

ガリレオと学生と「彼女」が上位市民なら、内海は下級市民である。もちろん、中間という考え方もあるが、二分割すればやはり内海は下僕ということになるのである。しもべの下なのでかなり下なのはまちがいない。

ないものねだりのシステムのために危険を承知でダイビングした「彼女」は今や、手中にした宝物、あるいは理想のペット、あるいは貴重な夫を失い、パニックに陥っている。酸欠寸前なのである。本来、特権階級に属する彼女がしかるべき、ルートを用いれば「痴情のもつれによる人間蒸発」も捜査の対象になるのであるが、ないものねだりをした彼女はその手を封じられているのだ。

彼女の中では嵐が吹きまくっているのである。私の選択に誤りはないはず。私はお宝を手に入れた。彼女の意に反し「お宝」が勝手に消えてしまうはずはない。何かしら、世界が彼女に対して意地悪をしているはずなのだ。そんなことを彼女は許しはしないのである。盗まれた「お宝」の痕跡を追い、彼女は不眠不休で全力を持って望むのである。調査の果てに彼女は一軒の家に辿り着く。そして・・・彼女は絶望の手前で立ち尽くすのである。なぜなら・・・彼女の中にすでに希望があり・・・彼女は絶望と希望の板ばさみになってしまったのだ。彼女は隠しもっていた命綱に手をのばす・・・血脈のコネクション・・・自由奔放なアネキに憧れを抱く弟にすがりついたのだった。

もちろん・・・見る目のある彼女にとって下層階級の女刑事はいかにも役不足である。社交会に出るために百円ショップでアクセサリーを調達するような不確実さを伴っている。しかし、藁にすがった彼女にはもはや贅沢は言えないのだった。彼女は隠し持っていたムチをとりだし振るうのである。「こんなのでペーペーなお前のようなものでも持てる能力をフルに使えば気休めくらいにはなるでしょう。さあ、全力をあげて私の宝物を嗅ぎ出してごらん。人間の私にはできなくても、犬のお前にならできることがあるかも知れぬもの。情けないけれど私にはもう他に手立てがないのです」なのであった。

もちろん・・・奴隷であり、犬である女刑事はこの水色の女王様の理不尽な申し出に困り果てるのであるが・・・ご主人様であるガリレオは「今まで飼ってやった恩を忘れるのか・・・」という目で内海を見つめるのであった。

内海は飼い主をふりかえり、ふりかえり、「彼女」に貸し出されてしまった居心地の悪さを感じながら、手綱を引かれてとぼとぼと歩き出し事件に首をつっこむのであった。

さて、彼女の周囲には朝のドラマ「ちりとてちん」で他人の相談事を「料理が下手だったので男性にふられ肉じゃがを憎悪する」自分の苦い男性体験に置き換えて語る女(原沙知絵)にかぶって秘密の花園における恋人の突然の別離宣言を語る監察医(真矢みき)や絶対にワクをはみ出さない刑事(品川佑)の公僕としての無能さを物語る人物が配されており、常識的な可能性をつぶすことにより事件の特殊性を浮かび上がらせるという手法がとられている。

時間外勤務で女王様に引きずりまわされつつも投げられたボールを無視できない悲しい女刑事の性があぶりだされるのである。その頭の悪さゆえのひたむきさに涙しない人は情緒に欠けると思う。あーっ、いたいけないぞ、内海。

もちろん・・・内海と湯川の種族を越えた禁断の愛はすでに始まっているのである。

だから、湯川は危うきに近寄らないためという口実で内海をデートに誘い、内海は二万件の犯罪者リストから人物を特定しようとするのである。青島刑事がデータベースにデータを打ち込んでから数年。もう少し検索機能が向上していてもいいのではないか。せめて、年齢とか、前科内容から絞り込めるはずだよね。まあ、内海の刑事根性を謳いあげる描写に文句を言っても仕方ないのですが・・・。

ともかく、消去法で「犯罪に巻き込まれたのではない」という可能性をつぶし、事件性をしらみつぶしで立ち上げる内海。そしてお約束の怪奇現象発生である。

犬は尻尾をまるめて飼い主のところまでかけもどってきましたーっ。可愛すぎるぞ。

目を細めてゴースト(ポルターガイスト現象)に遭遇した愛犬を迎えるガリレオ・・・。

ここでくりかえしのギャグが展開される。三回目なので笑うところなのであろう。つまり「犯罪の陰に町工場あり」ということである。第一章では金属加工場、第二章では化学工場、そして第三章では廃液処理工場が事件の鍵を握るのであった。つまり、近所に工場があるということはガリレオ的には犯罪(謎)の温床を抱えているということになるのだな。

とにかく、事件の原因をすべて近所にある何らかの工場に求めるところがここまでのガリレオの最大の特徴と言っていいだろう。

これは明らかに学者と技術者との対立を暗示していると思われるのだが、はたして第四章ではいかなる次第になるのであろうか。

ともかく・・・水がそそぎこまれるコップは突然、こぼれだすという新展開を見せる。

一人の人間が死ぬ(殺される)ことによって揺れなかった家が揺れ始めるのもまったく同じことなのである。それは太鼓をたたけば盆踊りの輪が回りはじめるよりも、キャンプに入隊すればダイエットが可能であることよりも、零度になると水が氷になることよりも明らかなのである。

ギャンブルが好きな下級市民がたちまち借金まみれになり取立て屋におわれて小金をためた親族の老婦人を頼りついには死においやるというかなり危うい状況に遭遇したのにまったく空気が読めないほど無垢な男はその無垢ゆえに無防備でありたちまち命を失う。

そういうある意味、愚かな男に清浄なものを見出してしまった水色の女王様は自分の危うさを楽しむギャンブラーである。彼女はもちろん・・・狂っているのだが・・・持って生れた幸運はなかなかに元手を割らないのだな・・・モップガールのスタッフが復元した死体に対面してもポーカーフェイスは崩さない。

そして・・・彼女の変わりに・・・女刑事の心に悲しみが宿るのである。

内海薫の悲哀は・・・夫と父を失った母子の運命にまつわる悲しみ。身分違いの恋が破局する可能性の大きさへの怖れ。事件を未然に防げなかった人間の限界への憤り。そして、結局・・・彼女の属する下層階級が悪の根本であるという絶望などが混然一体になったものである。

女刑事の直感で最後はこうなることを水色の女王様と同様に予期していた犬の心には残酷な結末に至る過程で涙のもとが蓄積され・・・ついに瞳が決壊することになる。

論理的にそれを予測したガリレオはその場を立ち去る。君子は危うきには近寄らないからである。しかし・・・愛犬にエサを飼ってくることは忘れない。なぜなら彼は一度犬を飼い始めたら手放せなくなるタイプなのである。愛の炎は燃え出して・・・燃え尽きるまで燃え続けるのである。消火器を手にしても炎の美しさに魅了されてしまうタイプにはあまり意味はないのだから。

関連するキッドのブログ『第二章のレビュー

Hcinhawaii0271 ごっこガーデン・湯川の脳内幻想セット。もちろん・・・内海・湯川ラブは断固反対の翠ーっ。それはそれとしてキスするならばーっ。ごっこはぼぎゃん的に遂行ーするのデスアンナモップガールの会社の人ならコンクリート除去作業はできるの。ねえ、できるの? きっとぎょえぇぇぇぇぇぇ的な感じ・・・。アンナはこわいからHERO劇場版を二万回見るの。だってぇ、ダーリンがナンバーワンだからーっikasam4結局・・・残留思念が超常現象を引き起こしたのではない・・・とは誰にも言えないのです。原作的には草薙が・・・・代弁するのです

Hcinhawaii0272 ごっこガーデン・研究室セット。mari僕と好みが同じだ・・・しゅてき♪・・・はうぅんです。工場も湯川の言いなりですよねあんぱんち火で熱を加えたガラスの分子構造が走り出したら止まらないぜ、土曜の夜の天使さ状態に・・・あんぱんち的おてあげなのよ・・・広末ママせつないのみのむし今回、面白かった。脚本家・古池和尚のテイストのせいかしら・・・天才マジシャンとしては気になりまするるる・・・まこ湯川先生・・・惚れましたね・・・チッ・・・ミキと好みが違うでやんの・・・お気楽・・・自分としてはしゃけもおかかも納豆もこぶも嫌いなのね・・・っていうか、湯川と薫はもう両思いなの?」

おっとーっ。忘れてた。恒例の週末の視聴率チェック。「オトコ育て」11.8%(京都地検も11.8%だった)、「歌姫」↗*9.8%(おしい・・・長瀬・佐藤のコンビはI.W.G.P.からの歳月を感じさせるが・・・来週は夕日を浴びるのだな)、「モップガール」↗11.8%(どこまであがるのかっ。テレ朝のドラマを11.8%の人が見ています)、「ドリ☆アゲ」↘*9.5%(ついにヒトケタ転落。週末ヒトケタトリオ結成か・・・)、「ハタチの恋人」↘*9.2%(週末ヒトケタトリオの下げ幅チャンピオン。ま、理解に苦しまない)、「風林火山」↘17.7%(まあ・・・お笑い回だったからでござるかな)、ついでに「バイオハザード」15.5%・・・。「ガリレオ」↘21.3%、「涙そうそう」13.9%(にいにーっ・・・・)・・・以上。

『ちりとてちん ・5-1・第25話』ふふふ、そんなつもりはなかったのにA子の気がつかないけどB子のものはいただくわ攻撃炸裂ーっ。秘密にしていたのは・・・B子との約束だから・・・でも草々さんにはウソはつけないの・・・って悪気はないけど極悪。見事な展開だーっ。恐竜は基本的に猫背だーっ。→4-6

水曜日に見る予定のテレビ『働きマン』(日本テレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

尚、ココログフリーは2007年10月30日(火)20:00~10月31日(水)10:00の約14時間

メンテナンスに突入します。トラックバック/コメントの受けつけができなくなりますので

ご注意ください。

| | コメント (8) | トラックバック (22)

2007年10月29日 (月)

疾風怒涛でございますっ。(前田亜季)&入魂じゃっ(内野聖陽)VSだからパパだろって言ってんだろがっ・・・。(長澤まさみ)

ま、タイトルには登場するのだが・・・もはや・・・語るも哀れなドラマになっているので「さんまさみ」については語りません。「冗談」の失敗をキレイに繰り返しているっていうことはもはや失敗に学ばないっていうか・・・どこかに相当なこだわりがあるのでございましょうね。年の差、不倫、身分詐称、遠距離恋愛、実は父娘・・・ま、どれもテーマとしてはあってもいいが・・・まさみがさんまに好意を寄せるリアリティーの欠如が一番つらいかなぁぁぁぁ。

で、『風林火山・第43回』(NHK総合071028PM8~)原作・井上靖、脚本・大森寿美男、演出・大杉太郎を見た。そうか・・・平蔵(佐藤隆太)とヒサ(水川あさみ)の娘(相原綺羅)の名前は・・・ミツか・・・。一方、勘助(内野)は男の操はミツ(貫地谷しほり)に捧げ、プラトニックラブは諏訪夫人(柴本幸)は捧げ、純情一筋である・・・リツ(前田)はちょこっとラブもないのですかーっ。そりゃぁぁぁぁ、殺生なぁぁぁぁぁ。

ま、シナリオに沿ったレビューは例によってikasama4様を推奨します。今回はお笑いポイント解説イラスト付です。勘助の心はズタボロになっております。

Shinanoechigo1557 で、今回は軽くスルーされた第三次川中島の合戦について妄想しておく。何気に仏教色の強い展開になっている今年の大河なのだが・・・実際に日本の戦国時代はある意味、宗教戦争の時代でもあったのである。それはまつりごとというものが政と聖の両面を持っているように戦が生と死の境界で行われることと無縁ではない。明日の命も知れぬ殺伐とした世の中で死後の世界に寄せられる関心は只事ではなかっのだな。後生大事なのである。

まもなく、歴史の表舞台に登場する織田信長(1557年、織田家相続の対抗者である弟・信行を暗殺・・・尾張統一戦実行中)は武をもって天下に秩序をもたらそうとするのだが、その最大の対抗者は一向一揆勢力であった。一向一揆の秩序原理は信であり、極楽浄土への転生こそが集団の最大の拠り所という宗教的情熱に支えられていたのである。

もちろん、それはフィクションであり、このフィクションで民衆を洗脳し、扇動する一派がいたわけである。その代表が本願寺氏であり、武田信玄の義理の妹の婿だったことは偶然ではない。

織田信長は旧勢力の駆逐者として評されるのだが、足利幕府を再興(継続)させるなど、まったく旧勢力を利用しなかったわけではない。高野山の勢力と手を結ぶこともしたし、神社仏閣を保護もしている。しかし、権力の一元化ということでは、対抗勢力には容赦なく破滅をもたらしもした。ついには新参のキリスト教さえも利用したのである。

結局、戦国時代の終焉は各宗教の和解によって成立したとも考えられるのだが、それについて語るにはこの場はいささか不似合いであろう。

そういう意味で川中島の合戦はつまるところ「善光寺争奪戦」だったと言える。

第二次川中島の手打ちに立ち会ったのは駿河の国の軍師・雪斎であった。今川家の武力を背景に僧として仏の導きとしての和を成したのである。

それを反故にしたのは武田晴信である。前年の1556年、兵力を結集した武田軍は、講和の後で再び、勢力を展開し始めた旧村上陣営の拠点である雨飾城を攻める。独立勢力との戦いは権力の一元化を求める戦国武将の共通の課題だからだ。ここでの晴信は信濃国布武を実行しているのである。

たとえば、後方撹乱の謀略の失敗で大熊朝秀が亡命してくれば、領土内でその領地を確保しなければならない。そうでなければ武田の意志によって行動した大熊氏の信に報いることができず・・・武田氏は信を失うことになるからだ。

そのためには領土を拡大するか、領土を分割するしかない。在地領主の領土を削除すれば不満が発生し・・・謀反が起る。後は鎮圧するか、先制攻撃をするかの選択が残るだけなのだ。

在地領主たちは血縁、地縁で結ばれている。村上残党を粛清すれば、次は我が身と考える在地領主もいる。こうして、1557年には信濃における越後の出先機関としての役割を持つ高梨家に勢力が結集され、同時に武田はそれを討伐という動きが進行していく。

やがて、武田勢力は暫定的国境である犀川を越え、葛山城から信越国境の拠点とも言える飯山城まで進撃したのであった。

そこで越後軍が出兵し、上野原での合戦が起る。戦力差は甲州信州連合軍が二万、越後軍が一万である。攻撃側が少数、防御側が多数という決戦をするにはやや、不適当な戦力差であることは言うまでもない。

これはお互いが消耗を避けつつ、お互いの威信を守ろうとするにらみ合いをもたらすのである。今回、両者を分けるのは将軍という旧時代の威信であった。そして・・・関東出兵をもくろむ景虎と信濃の完全支配を目指す晴信は合意に達する。

武によるつかの間の平和。ここで武田信玄が誕生するのは偶然ではない。禅の流れを汲む仏法僧への帰依。武により、物の支配を達成した信玄は、聖となって心の支配も達成しようと図ったのである。

それは一瞬の成功をおさめるのだが・・・やがて歴史の新たなうねりは信玄の思惑をはるかに越えて伸展する。しかし、彼の戦略は理にかなったものであり・・・受け継がれるのだ。信長も秀吉も家康も武によって立ち、そして最後は神になるのである。

関連するキッドのブログ『第42回のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『キューティーハニー』(テレビ東京)『有閑倶楽部』(日本テレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

尚、ココログフリーは2007年10月30日(火)20:00~10月31日(水)10:00の約14時間

メンテナンスに突入します。トラックバック/コメントの受けつけができなくなりますので

ご注意ください。

| | コメント (2) | トラックバック (4)

2007年10月28日 (日)

アレは何だ? ガンダムエクシアだ! 太平洋をひとっ飛びっ!VS私はお父さんを何度も何度も振り返って見ました・・・。(志田未来)

太平洋横断日帰りパックって・・・。24世紀だからか・・・。24世紀なら何してもいいのか・・・。エ、エコノミークラス症候群が心配だ・・・。

一方・・・志田未来が主役の「ドリ☆アゲ」は・・・イイッ!・・・基本的に愛情に餓えつつ・・・芯まで凍り付いていないで・・・ハッカー・・・うんうん、親孝行機能搭載である。野球バカの実の父(中身他人)をフォローできる「何か」を持っている・・・のだな。このまま、志田未来中心で行けばいいのに・・・来週は10億の損失を一時間でカバーする天才トレーダーとか、その次は父親の再起プログラムを構築とか・・・そのまた次は心霊現象探知機を開発して児玉清を捕獲とか・・・む、無理ですかーっ。

で、『機動戦士ガンダム00・#004・対外折衝』(TBSテレビ071027PM6~)脚本・黒田洋介、演出・うえだしげるを見た。黒いフラッグカスタムはまさにブラックオックス・・・あるいはリックディアスか・・・。世界がシンプルであればいいと願うのも人なら、退屈を厭うのも人なのだな。

たとえば、ミルクとブラックコーヒーの混入時にできる模様。あれこそが世界の姿であり、善と悪の象徴なのだ。子供はミルクを飲み、やがて苦味を求めるようになる。そして、体のことを考えてカフェオレを飲んだりするのだな。

コーヒーにミルクを落としたとき・・・どんな模様ができるのか・・・人は予測できないがなんとなくどういうことになるのか予見することはできる。

ひとたび、火蓋が切られたら燃え尽きるまで炎は燃えるのである。

今まで、紛争地帯には無頓着に名指しだったのに・・・今回、突然いかにもボリビアな国家タリビア登場である。南米まで言っておいてタリビア・・・何に気を使っているのだ。

革命家チョ・ゲバラが銃殺にされた国なのでテロリストであるSBにとっては聖地のようなものであり、独立してから、チリと戦争し、ブラジルと戦争し、パラグアイと戦争し、そして内戦・・・血の気の多い国家なので・・・米国にケンカを売る国としてはわかりやすいよな。

持たざるものがよりよい暮らしを求めてごねるというフィクションである。貧乏国家にも金持ちはいて・・・金持ちが貧乏人の目をそらせるための手段として使うのが悪の金持ち国家である。

あくなき理想を求めるものたちは結局、すべてと戦うことになる。世界を敵に回せば、やがては追い詰められ、狩られ、捕縛され、銃殺。「よく狙え、オレを殺したのがお前だったってことを忘れないように・・・」刹那たちにもそういう運命が待っているのかもしれない。

刹那は幻影を見る・・・一瞬の殺戮の炎で燃え上がる市民たち。それが「お前たちなんて焼き焦がされてしまえばいいという欲望」なのか・・・「来るべき戦闘で巻き添えになって死亡する市民たちへの憐憫」なのか・・・この時点では明らかにならない。

それは第三の選択を隠して進行する子供だましのシナリオのようなものである。

内政向けの反米ムードでオレンジ色のとんがり帽子MSを実戦配備したタリビア国軍。ユニオン内部の反乱に派兵する米軍主力のユニオン部隊。

反乱軍に味方するのか・・・静観なのか・・・という選択の提示を無視して、反乱軍の先制攻撃撃滅を実行する三体のガンダムだった。市街戦であり、容赦なしの撃破なので非戦闘員も死体の山を築いたはずだが・・・そういう描写はない。世界を敵に回す覚悟はあってもお茶の間を敵に回す覚悟はないのだな・・・。

市民虐殺の主人公では・・・誰もついてこないと読んだか・・・。根性なしっ。

世界征服と武力紛争の根絶・・・その意味はほぼ同じだからな・・・。

早い話が、この紛争根絶にもっとも有効なのは熱核攻撃に決まっている。

人類が絶滅すれば紛争は根絶するからな。

ま、それじゃミもフタもないので・・・結局、バックには米国、あるいは一部特権階級の思惑が垣間見えるSBの行動・・・。駒たちは・・・所詮・・・捨て駒かもね。

少なくとも見た目はものすごい機動力でガンダムエクシアをふっとばしたフラッグカスタム・・・。しかし、水陸両用のガンダムは海中に逃れたらしい・・・。ガンダム追跡部隊のくせに海中配備がないのが・・・やや残念だな。海中での実力をエクシアがみせて「SBのモビルスーツはモンスターかっ・・・ますます惚れたぜ」ぐらいはグラハム中尉に言わせてほしかったのです。

で、『ドリーム☆アゲイン・第三回』(日本テレビ・071027PM9~)脚本・渡邉睦月、演出・長沼誠を見た。「巨人軍の選手にカムバックする」のがどれほど一般に通じる夢なのか・・・どうしてもそこに温度差を感じるのだが・・・特に「コーチがオレのこと金で見てたよ・・・ガッカリ」という男(反町隆史)が「私たちは99%親子でした・・・お父さん」と言っている不憫な中学生に「勘弁してくれよ」が言うのを是とするかどうかでキッドは思い悩むな。

いや・・・ドラマだからどんなセリフがあったっていいが・・・こんなセリフ言ってしまう男は主人公というより人としてダメだろう。その後で片思いの恋人(加藤あい)に意見されて態度を改めるとしてもだ・・・。もうこの一点だけはキッドの心は三畳一間より狭い。

しかし、雛が主人公と考えるのなら話は別だ。心が他人とは言え、中学生相手に非常識な反応する大人の酷い仕打ちに耐え、涙を流し、破滅の矢を放つ。加藤あいは「中学生にもなってしていいことと悪いことの区別がつかないの」などと内部告発を怖れる大企業幹部のような倫理観で頬をうつのだが・・・親にあんなこと言われた子供は何をしてもいいと思うな。

それなのに・・・健気に反省し・・・父親が授業参観に来てくれただけで・・・父親のあくびの回数を数えちゃうほど幸せな気分になる雛。

天使じゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあるまいか。

・・・失礼しました。ま、ドジでもノロマでもない加藤あいも演歌好きの瀬川瑛子もそこそこ出番があってもいいけど・・・笑顔が天使な中学生・志田未来の大活躍中心で進行してもらいたいな・・・てへっ。(大倉孝二が言うなぁぁぁぁぁぁぁぁ)

だって反町隆史が三流野球選手になろうが、妙にまともな加藤あいと恋仲になろうが・・・そんなのどうでもいいのではないでしょおおおおおおおおおか。・・・お前としてはな。

それにしても・・・いつもの土曜日より裏が弱いな・・・。

関連するキッドのブログ『先週の土曜日のレビュー

『ちりとてちん・4-6・第24回』そうかあ・・・ふるさと一曲で押し切ったかあ・・・見事な構成だ・・・喜代美の実力的にも無理がないし・・・そして完走することで・・・恋の奇跡も演じている・・・。そしてA子登場。なるほどーっ。そう来ましたかっ。淡い初恋きえましたかーっ。鯉は淡水魚だけにーっ。そしては恋は酷なもの、鯉こくは好き好きですからなーっ。精がつくけどねーっ。→4-5

月曜日に見る予定のテレビ『ガリレオ』(フジテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

尚、ココログフリーは2007年10月30日(火)20:00~10月31日(水)10:00の約14時間

メンテナンスに突入します。トラックバック/コメントの受けつけができなくなりますので

ご注意ください。

| | コメント (0) | トラックバック (8)

2007年10月27日 (土)

片桐はいりから宝生舞まで・・・ストライクゾーン広すぎ?(北川景子)VSコード13は命預けます・・・。(伴杏里)

「入れて・・・入れて・・・」(北川)で・・・だからあ、エロおやじかっ・・・でも良かったのだが・・・自主規制しました。

いわば、モップガールは裏ガリレオである。まあ、ガリレオが裏モップガールでもいいのだが。

潜入中のためにロッカーに隠れるウザ桃(北川)と大友(谷原章介)は超物理学的現象で謎をとく。ガリレオ湯川が下ネタで内海刑事にセクハラをするごとく・・・大友は「女の友情なんてコンドームみたいなものだ・・・薄そうで厚く、簡単に破れたりする・・・」などと下ネタ責めをするのである。

まさに月曜日はこの世の迷信は許さないSMコンビ、金曜日はこの世には科学を超えた何かがあるSMコンビなのである・・・。どっちも好きだーっ。

で・・・金曜日は開き直ったように渡哲也→高橋克典(克実ではない)と世代をチェンジしただけの欠損家庭・ホームドラマ・・・しかも、高橋がいい味だしている「オトコの子育て」(テレビ朝日)がスタート。これがまたそこそこ面白いのである・・・でも・・・シカトします・・・人間には限度があるのです。ストレスたまるほどレビューをしてはいけないのです。もう、そうなると完全にビョーキですからっ。

で、『モップガール・第三話』(テレビ朝日・071026PM1130~)原作・加藤実秋、脚本・荒井修子、演出・常廣丈太を見た。死体周辺との接触→タイムスリップ→歴史改変というお約束でどれだけバリエーションが出せるかが勝負になるのだが・・・前回は「新婚カップルの両方が別々に倒錯していた・・・」という真相を暴き、今回は「老人介護ビジネスの闇を女の友情に置換する」という心理の綾をほどくという展開・・・。なかなかに乙である。この調子で行くといいなーっ。

ヨーロピアンな恋人たちと熱烈キッスをし続ける谷原は・・・もう・・・変態プレイボーイ専門の俳優と化してきたぞ・・・。ま、天狗の金棒(山おんな壁おんな)→制服フェチ(出るとこ)→洋物専科(ココ)というちょっとした流れなのですけれども・・・。なんか・・・板についているのでございます。

タイムリーパー桃子(北川)とのコンビネーションが抜群である。

最初の歴史ではドジで世間知らずの桃子をネチネチといじめるが、二度目の歴史では「堂真理子とクロちゃんが大食い対決をして堂が勝つ」などという先読みをされて言葉を呑む大友の困った感がとてもいい感じなのである。さわやかだーっ。

汚職事件をお食事券と変換する桃子だが・・・チップで札束をもらったら腰帯解かれてクルクル回ってア~レ~と言う常識力はあるのだ。こういうバカだけど根が善人の主人公を可愛く演じることのできる北川もいきなりいい役をもらえた感じだな。

もちろん・・・ガリレオコンビやさんまさみよりはずっと地味だけど・・・秋ドラマのナイスコンビ大賞確定のコンビネーションである。どんな大賞設定じゃっ。

さあ・・・絶賛してしまったぞ・・・。ジョシデカパターンだと来週は手のひら返したようにつまらなくなって・・・謝罪の日々なのか・・・お願いだ~。コンスタントに面白くやってください。

老人ホームにからんだ汚職事件をめぐる赤の女王議員(片桐)と白の女王議員(宝生)の構図もちょっと笑う。

そして・・・心の優しい北川を褒めていいところ見せた社長(佐藤二郎)が改変された歴史ではいいところ削除されてトホホになっているのも言及しておきたい。脇役だが渡辺夏菜は「ガチバカ」→「松子」→「エラ嫁」→「孤独の賭け」と絵に描いたようなダメドラマばかりを経てここなので・・・彼女のためにもこのままそこそこ名作になってほしいと思うのだった。

で、『ULTRASEVEN X・第四話DIAMOND“S”』(TBSテレビ071027AM0225~)脚本・太田愛、演出・鈴木健二を見た。さて、対エイリアンの組織アンダーカバーの実態はまだ謎に包まれているのだが、指令によって工作員(エージェント)は接触してチームを組むのである。で、今回はエス(伴)が活躍することになる。エイリアンの擬態化マニュアルが存在し「女性社員にお茶をくませるので更新が遅れている」と指摘できるエスとマニュアルの存在さえ知らないケイ(脇坂智史)というように情報の共有化は差別化されている。しかし、エスの残した手書きの暗号は解読できるのである。

もちろん・・・このあたりのちぐはぐさ・・・つまり・・・どんな近未来なんだとか・・・ハイテクなんだかローテクなんだかわからない・・・といったあたりは一笑に付しておくことにする。女子供の限界だからな・・・おいおい、結局女子供を差別するのかよっ。マニュアル更新しろっ。

今回のエイリアンはペジネラ。寄生虫タイプである。物語では明白ではないのだが・・・まあ、女子供の描く世界なので・・・おそらく太古に地球に漂着して人類に寄生、人類とともに進化してきたのである。寄生された人体のリーダーであるエド山口によれば、人類の闘争的な知がペジネラの増殖に適していたらしい。ついに薬品の中に増殖細胞を封じ込めることに成功したペジネラは「潜在能力を開花させる薬物」シャイナー05を販売、爆発的に増殖しようとする。人々は先を争ってこの薬物を使用し、ドーピングするわけだが、まあ、全員が能力を向上させたら、結局は最初の能力格差が残るだけなのですがね。

・・・女子供の・・・もういいか。

実は薬害問題の裏には工作活動がある・・・という考え方もできる。薬品の流通は認可制度の中では閉じた輪である。逆に言えば認可する側に工作員の潜入を許せば・・・日本人全員の毒殺も可能という恐ろしい話なのである。だから、旧・厚生省の役人などは厳重な監視が必要となる職業であり、実際に破壊活動が行われている以上、薬害エイズやC型肝炎の関係者は全員死刑にするべきだという考え方もある。なにしろその場合は国家反逆罪だからな。いえ・・・あくまで妄想ですから。

今回はアイスラッガー大活躍、ペジネラ集合体もアイスラッガー真剣白刃取りの秘儀を見せるのだが・・・エメリウム光線で爆散であった。

関連するキッドのブログ『先週の金曜日のレビュー

さて・・・「歌姫」なのだが・・・NHK教育で「劇場への招待・シェイクスピア・ソナタ」(岩松了・作・演出)を劇場中継しており・・・緒川たまきや伊藤蘭とか高橋克実(克典ではない)が出演していて・・・好みといえばそれまでだが・・・ずっと満足度が大きいのである。比較するのも変な話だが・・・そういうことなのだな。だから・・・今回はパスしておく。

アンナ様の歌姫

みょうがの芯様のどうなる?秋ドラマ

Hcinhawaii0270 H☆Cニュース。H☆Cのアンナ☆ラン様がお誕生日を迎えました。一日違いのお誕生日の中学生ファッションモデルのみょうがの芯様と平成財閥パーティーセンターで合同お誕生日会が催されました。H☆Cデビュー一周年を前に盛り上がったメンバーですが・・・。春になったら高校生になると思っていた翠様はまた中学生なのでサザエさんシステム?とつぶやいていたのでございます。(平成財閥執事長・談)

『ちりとてちん・4-5・第23回』いいテンポで話が進んでいく。「私がついていますから」・・・ミツ・・・ではなかった喜代美の持ち味爆発である。ああ、その発言のせつない度100パーセントでございます。そして・・・頭の中は真っ白、全身硬直の予想通りの展開に・・・爆笑なのだった。ちなみに辻占の基本は神社仏閣で遊ぶ童の言葉に神意を問うもの。つまり、安上がりなお告げなのである。もちろん・・・童を使った思想流通を画策する扇動者的発想もあるわけです。代表的有名人・平清盛。→4-4

日曜日に見る予定のテレビ『風林火山』(NHK総合)『ハタチの恋人』(TBSテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

尚、ココログフリーは2007年10月30日(火)20:00~10月31日(水)10:00の約14時間

メンテナンスに突入します。トラックバック/コメントの受けつけができなくなりますので

ご注意ください。

| | コメント (8) | トラックバック (15)

2007年10月26日 (金)

お前(長男)なんか相模湾に沈めて魚の餌にしてやるっ。(渡哲也)VS「撃ちまーすっ」(仲間由紀恵)VS「おひつじ座・・・」(大塚寧々)

わははははは。もう、笑うしかないな・・・。視聴率的には①「医龍2」↘15.5%、②「おいしいごはん」13.0%、③「京都地検の女」11.8%、④「金八」↘11.6%、⑤「ジョシデカ」10.3%なので軽く、③~⑤をスルーすればいいのだか・・・。

前回・・・脚本家の過去を忘れ・・・ついに期待に胸を膨らませたキッド。それは別のつまらないと誤解していた脚本家の「わたしたちの教科書」が想定外の面白さだったので・・・そういうこともあるかと思ったのだが・・・やはりダメな脚本家はダメだったのだなーっ。

もう・・・語るのも憚れるほどのクソ、つまらん第二回の「ジョシデカ」である。・・・う、撃たないでぇぇぇぇぇ・・・それが言いたいだけだろっ。

で・・・単に視聴しただけだと・・・普通に面白いのは「おいしいごはん」なのであったという・・・困った展開なのだな・・・。もう・・・無理なんですぅぅぅぅぅぅぅ。

「医龍2」は別に問題なく面白いのだが・・・語るポイントがないんだよな。だって「水戸黄門」についてアレコレ言っても虚しい年頃なので・・・。

「お金で人は変わる」という片岡(内田有紀)に対し「そうでない人もいる」と言わんばかりに金を返す朝田(坂口憲二)・・・キッドはもらっとけばいいのにと思った・・・以上ですむ話なのである。

そこで・・・今回は「意外と面白くなりそう・・・ジョシデカ」という前回の記事を反省し、不明を謝罪しつつ「やはり面白くなかったジョシデカ」という記事を書かざるを得ない・・・なぜならキッドは絶対あやまらない男ではないからである。もう簡単にペコペコします。

で、『おいしいごはん 鎌倉・春日井米店・第1回』(テレビ朝日071025PM9~)脚本・古沢良太、演出・吉田啓一郎を見た。鎌倉・・・である。江ノ電が走っている。もうそれだけでちょっとウキウキするキッドなのであるが・・・渡の兄貴が「ガキ(孫)に罪はねえ」とか言い出すので・・・もうすっかり楽しくなってくるのであった。そしてゴスロリの水川あさみと主婦の藤原紀香と華道家の羽田美智子がキャンディーズの「年下の男の子」を演じたりして御得なのであった。まあ、レビューはしないが・・・普通に面白いのだった。オヤジがろくでなしなので離散した家族・・・オヤジが死期せまり・・・全員集合・・・という・・・わかりやすい展開なのだが・・・オヤジが渡の兄貴なのでなんとなく持つのである。すっきりしているのである。まして・・・家族じゃないからな・・・。定番の「ホームドラマ」なのであった。

で、『ジョシデカ! 第2回』(TBSテレビ・071025PM10~)脚本・秦建日子、演出・平野俊一を見た。脚本・演出が同じなのにまったく問題外のクォリティーということはスケジュールの問題なのだと思う。おそらく、このシナリオを消化するためのロケ日数が圧倒的に無理なのだな。で、演出プランにしわ寄せが来て・・・役者の演技に響く・・・そういう展開だと妄想できる・・・そしておそらく・・・その原因は脚本の仕上がりが・・・スケジュール通りではなかったのだと推定。あくまで推定ですので・・・う、撃たないでぇぇぇぇぇぇぇっ。

とにかく・・・一人で完遂した例を知らないので・・・なぜ、この脚本家が起用され続けるのか、「牛」の人と同じくミステリーなのだが・・・まあ、世の中にはいろいろなことがあるからな。

話の要素はけして悪くない。

「被害者に謎の数字を残す猟奇めいた連続殺人事件が継続中」

「発砲事件で捜査をはずされた凸(腹が)凹(胸が)コンビは引ったくり事件の捜査」

「前科ものの犯行の線で的外れの捜査をしていると真犯人が偶然関連してくる」

「もう、撃ちませんと誓ったのにすぐ撃ち、とりあえず事件解決」

この筋立てだけでかなり・・・面白くなりそうだ。

ところが・・・面白くならないのだ・・・。早い話がすべっているのである。もちろん、理由はいろいろあるのだが・・・まとめると作者が未熟なのだな・・・う、撃たないでぇぇぇぇぇっ。

まず、凹刑事(仲間)と凸刑事(泉ピン子)の漫才なのであるが・・・ぼやきとぼやきだったり、つっこみとつっこみだったり、ぼけとぼけだったり・・・かみ合わないことおびただしい。ひょっとするとお笑いを作ろうとしているのかもしれないが・・・何も・・・このゴージャスな二人を使ってやることではない気がする。

百歩譲ってそういうコンビの面白さというものが狙いだとすると・・・周囲は大真面目である必要があるのだが・・・殺人事件の捜査会議で志田未来と過去に共演した脇役の刑事(大倉孝二)が「てへっ」を連発したりする・・・ともう・・・学生コンパのレベルのドラマになってしまうのだ・・・。どういうレベルなんだ。

たとえば住宅街で容疑者を張り込み中の凸凹刑事二人は電気工事作業員に変装しているのだが、その予算とか段取とかはすでに荒唐無稽のレベルであり、容疑者が外出すると次のシーンでは普通の格好に衣装替えしているという超現実的展開である。

まじめなことをやっているからおかしなことが立つというメリハリがまったくない。

ニュースレポーターが凹刑事の学生時代の友人で捜査情報をカメラの前でベラベラしゃべったかと思うと、昼日中、不良のたまり場に凸刑事が乗り込み、仲間の悪口を金をつかませて聞き出す・・・そんな情報に信憑性はなく・・・凸刑事の検挙率ナンバーワンの神話はガラガラと音をたてて崩れていく。

ひったくりの被害者と一緒に事件現場の聞き込み・・・一般市民の協力の範疇を越え、市民の安全を守るという建前もない・・・。とにかく・・・正体不明の外国人を捜査現場に立ち会わせることがもはや・・・シュールという言葉の外にある描写だ。ここはどこ、この人たちは何?・・・という展開で・・・もはや精神病院の入院患者の見ている夢というオチが待っているとしか考えられない。

その証拠に凹刑事のとなりの部屋から何故か丸見えで・・・いくら日暮里だってな・・・いつでも一家団欒をしている・・・くたびれ果てて帰還の深夜だろう・・・家族の会話がすべて聞こえてくる・・・目だけではなく耳も改造人間レベルでいいとしてもだ・・・・のである。

この脚本家は・・・バカかっ・・・・う、撃たないで・・・。

そして・・・バイクでうらみのある市民をひきずりまわす真犯人のチェーンを射撃で撃破する凹刑事。そしてバイクも市民も走行してくる車に衝突しているようにしか見えない映像なのにストーリー上は間一髪助かっているのである。お気楽様の証拠写真もあるっ。

この演出家は・・・素人か・・・面白すぎるっ。

なんでもありが・・・すぎたな・・・仲間もピン子も可愛そう・・・だと思う。あえていえば「アンフェア」の原作者が実力もないくせに「踊る大捜査線」と「トリック」と「ケイゾク」を全部パクって「時効警察」みたいなドラマを作ろうとしている・・・ってことかな・・・すぐに病院に行けばいいのにと思わないでもない。

ま・・・それでも・・・キッドはジョシデカを見続けることにします。責任とって。・・・な、なんの責任が・・・?

関連するキッドのブログ『第1回のレビュー

『ちりとてちん・4-4・第22回』スピーディーな展開なのかどうか・・・。少なくともフリがすべて生きて・・・草々と喜代美の小さな恋のメロディーは進行中である。まったく「鯉」を感じさせない展開ではあるが・・・いや、鯉なのか恋なのかも・・・もう解らない・・・とにかく・・・濃い内容なのは確か・・・。→4-3

シャブリ様のちりとてちん・第4週

土曜日に見る予定のテレビ『ガンダム00』(TBSテレビ)『ドリーム☆アゲイン』(日本テレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (8) | トラックバック (10)

2007年10月25日 (木)

リスキー・・・お前の仇名はこれからリスキーだ・・・(石・・・菅野美穂)VS退場させてください・・・。(水谷豊)

・・・そして退場する右京(水谷)だった。意表をつくことでは定評があるな。

なんとなく・・・後楽園球場を思い出す・・・。ボスの手下であるショーケンが犯人のアキラを追い詰める・・・。「今日からお前はマカロニだ・・・」・・・もう・・・解る人だけご理解ください。

で、とにかく・・・日本テレビに「太陽がほえろ」が今でもあれば・・・新人刑事もこみちはリスキーとかニックネームをつけられて長い足で犯人を追いかけただろうに・・・。そして犯人は山下(Ⓒお気楽様)・・・ライオン丸G・・・20年後の花輪くん・・・波岡一喜だったりして・・・。

それにしても波岡一喜・・・朝はちりとてちんで尊健(ソンケン)、夜はガセネタのタレコミ屋・・・売れているのかいないのか・・・わからんポジションに・・・相棒で殺される役とかやっていれば・・・完璧だったのにな。

それにしても働きライダーVSたれこみライオン丸G・・・なんか・・・すごくもったいない・・・2ショットだった。

ついでに・・・セーラーヴィーナス(小松彩夏)も登場である。今季はセーラーマーズ(北川景子)もがんばっているからな。ぽんた様も応援しているし・・・がんばってもらいたい。

で、『働きマン・第三回』(日本テレビ・071024PM10~)原作・安野モヨコ、脚本・吉田智子、演出・佐久間紀佳を見た。ゲストとしてホリメグこと堀めぐみ(小松)が登場するが・・・菅野も負けじとおっぱいポロリサービスである。演出としてはがんばったと言えるのだがお茶の間としてはものたりなく感じる人もいてこれが働きの難しさというものなのだな。

・・・とにかく・・・このように原作にそこそこ忠実・・・オッパイポロリは原作にもちゃんとある・・・なドラマなのだが・・・微妙に印象が違う・・・気がするキッド。

解釈って人それぞれだからなあ・・・。

で、とにかく視聴率が15.7%↘12.3%↗13.0%と微妙なので良し悪しも語りにくい。

これはこれでいいという数字である。

しかし、キッドは失敗していると思う。それは「働きマン」が女々しくみえるという点である。

第1回は特に女々しかった。働きマンは男スイッチが入ったとき、男になるのではなくて性別を越えて働き出すのである。だから・・・雄雄しくなくてもいいが女々しくてはダメなのだ。

その象徴がゲストの夏木マリのお力を借りてしまう・・・という展開にあったことは言うまでもない。本当は自力で追加記事を通すのであり・・・恋人・山城(吉沢悠)とのデートにもこだわりずきたりして・・・女の子っぽいのである。仕事ができる人間ではないのだ。っていうか、主役の立たせ方が間違っているのである。

これは「できる人間」を主役にしてはいけないという一種のビョーキなのであるが・・・。つまり・・・世の中の人はダメ人間を求めているはずだ・・・という勘違いがあるのだな。

キッドは基本的には「できる人間が不運に見舞われる」と「ダメ人間が幸運に包まれる」が面白いと思うのだが・・・勘違いすると「ダメ人間が不運ならさらに面白い」という欲張った考えが芽生える・・・それではダメなのだなあ・・・。つまり裏の裏は表という意味で。

第2回は「できる女」VS「できる男/女」の対決で・・・原作的には性別を越えて引き分けであり・・・お互いの不足部分を補い合うという・・・対等な決着なのである。ところが、ドラマでは釈由美子に弟子入りしたような形になってしまっている。またしても女々しいのである。

こうして・・・仕事ができる女ではなく・・・女々しい女だけど仕事はがんばってます・・・的なキャラに仕上がった菅野版働きマン・・・。

ところが突然、第三回はほぼ原作のイメージで・・・性別を超越した働きマンがダメ新人を鍛える話になっているのだな・・・。今回も・・・恋人・山城の部分はまだ1話、2話を引きずっているのだが・・・それ以外はしっかりとバカ新人をもてあます仕事のできる男/女として描かれているのだ。

脚本はずっと一人なので・・・演出力が違うという考え方もあるが・・・キッドは構成ミスだと思う。

働きマンが「仕事ができるタイプ」だとはっきり示すのはダメな新人(速水もこみち)と簡単に対比できる第三回のネタなのである。

だから、第1回が菅野、もこみちを苦々しく指導、あげく、暴力制裁。→(女々しくない)

第2回、菅野と釈と対決・・・お互いを認めつつ・・・決別。→(女々しくない)

第3回、菅野が夏木と対決・・・口説き落とす。→(女々しくない)

という流れにすればよかったのです。

そうすれば、原作の改悪が素晴らしいアレンジに見えたはず。視聴率は16~18%を推移したはず・・・と断定できます。・・・根拠なーしっ。

今回・・・「頭が悪いのに頭が悪いと気がついていない人間をどのように気付かせるか」という古典的テーマをよどみなく展開、最後は爆笑のオチというほぽパーフェクトな展開ですが、1回、2回の流れを真面目に受ける視聴者ほど楽しめなかったのではないかしら。

ま・・・結果論といえばそれまでですか・・・構成順を変えるだけという・・・ある意味単純作業ですので・・・シリーズ構成をする脚本家としてはもうひとねばりすればよかったのになあ・・・とキッドは考えます。ま、今回の水準を維持していけば14~15%の回復は可能ではないかな。

しかし・・・全員に違和感をかんじさせる田中・・・。まさに仁義なき戦いに紛れ込んだ青大将なのだな・・・そしてとられて・・・北の国へ転生するのだなあ・・・。

関連するキッドのブログ『第二話のレビュー

で、『相棒・シーズンVIスタートスペシャル』(テレビ朝日・071024PM8~)脚本・櫻井武晴、演出・和泉聖治を見た。スタートスペシャルは意外とものたりないのだが・・・これは待たされたと思うからなのかな。

今回は「殺人事件」「冤罪」「死刑」「裁判員制度」「警察官の犯罪」「報道問題」と由々しき問題を詰め込むだけつめこみ・・・「お前もこの辺にしとけないか・・・」と岸部一徳が一応言っとくという展開。まあ、報道ステーションのおかげで働きマンとかぶらなくて良かったと菅野ファンは思うのだった。

ま、キッドは冤罪は「完璧と言うことが出来ない人間」にとって必然、死刑は当然、復讐は悪いことではないという姿勢で・・・覚悟したいと思います。

付け加えるなら「お前たちの後に必ず逝く」と特攻隊員を送り出して戦後38年間をエンジョイし、95才で大往生した戦争指導者は恥です。

さて、今回も被害者の関係者で死刑を主張する裁判員(田中美奈子)、働きマンとして特ダネを求めるあまり過失致死の罪に問われる報道記者(宝生舞)と女性ゲストが見逃せないライン。刑事被告人の愛人(有沢比呂子=有沢妃呂子)もいい味をだしていた。これは愛人役としては吉野公佳クラス・・・。萌えました・・・。

死刑は復讐ではない・・・というのは敗戦後、敵討を禁じられて洗脳されてしまった発想にすぎない。国家による復讐の代行が死刑であるし、復讐するのは被害者遺族ではなく被害者にあるに決まっている。殺された死者の当然の権利である。

最後はまだ先のある展開・・・シーズンを通して決着するのか・・・ともかく・・・相棒、始まったな・・・でございます。

関連するキッドのブログ『相棒シリーズV

『ちりとてちん・4-3・第21回』今回は「辻占茶屋」である。もう・・・草々と喜代美がかけあいをするのは目に見えているのだが・・・それにしても・・・あの人のことは解っている・・・私には解っていると切々と訴える貫地谷しほりは女神だな・・・。そしてライオン丸Gはどこにでも顔を出すのだな・・・愛されているのか・・・。→4-2

金曜日に見る予定のテレビ『歌姫』(TBSテレビ)、『モップガール』(テレビ朝日)、『ウルトラセブンX』(TBSテレビ)・・・ああ、もう三本立てが標準装備なのか・・・。

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (4) | トラックバック (16)

2007年10月24日 (水)

暴れん坊継母ッス。(上戸彩)VSLOVEオヤジ色(赤西仁)VSパヤパヤパーッ(原幹恵)

ああ、火曜日も捕まりました・・・。こうなると・・・キューティーハニーにまで手を伸ばしているのが・・・辛い・・・。

今回、フジの火9、火10、そして日テレの火10の視聴率順位が一部火花を散らして・・・。

①「暴れん坊ママ」↘14.2%  ②「有閑倶楽部」↘13.7%  ③「スワンの馬鹿」↘*9.0%

と、「ママ」が「有閑」を逆転。・・・ただし平均ではまだ「有閑」がトップ・・・。ともかく、「スワンのこづかい3万円だから浮気できない」は別として・・・美山加恋はウルトラ可愛いのですが・・・「暴れママ」もレビューせざるを得ない状況に・・・どんな状況じゃ・・・。もう、軽くするしかない・・・「ガリレオ」ヘビーだから余計に・・・。

で、『暴れん坊ママ・第2回』(フジテレビ・071023PM9~)脚本・大石静、演出・佐藤祐一を見た。・・・ま、「ふたりっ子」や「功名が辻」の脚本家なので・・・基本的に実力がある。企画はかなり凄いものだが・・・それなりに見せるのだなあ。

「子供のために親が代役ではいけません」・・・子供の運動会に夫が来ないことで文句を言われて・・・「私がすでに代役(継母)なんだよっ」・・・この流れはなかなか書けないのだ。

この脚本家と言えばすぐに思い出すのが「わたしってブスだったの?」というフレーズである。エッセイのタイトルでもあり、ドラマ化もされている。主人公は松田聖子だった。

女の子が自分が「ブス」だと気がつくのは・・・せつないことなのではないかとキッドは思う。

それにいつ気がつくのかによって人生を左右しかねない・・・気付きだろう。

もちろん・・・松田聖子がブスという基準なのでかなり美的水準の高い話である。

そこに踏み込むタイプの作家なので・・・ある意味、こわいもの知らずで・・・言うならば自虐的なのである。

この企画は基本的に「幼な妻」とか「おくさまは18歳」の流れをくんでいる。ヤングなミセスの話だが、それに「バツイチだった夫の隠し子発覚」が乗せられている。ひどい話である。即刻、離婚でいいと思うのだが・・・愛ゆえに別れられないというドラマなのだ。こうして複雑な気持ちのヤンママの物語が始まる。

もちろん・・・親子関係だってフィクションだから・・・どんな親子関係があったっていいのだが・・・血縁関係がないというのは・・・基本的に辛いものなのだ。だから・・・このドラマは底辺に自虐を含んでいる。その上で生きていく「たくましさ」のようなものを語る・・・そういう仕掛けである。そして・・・上戸彩はこういう不憫な状況で唇をかみしめるとき・・・何故か輝いてくる女優なのである。

さて・・・上戸彩VS後藤真希というキッドの妄想物語の片方の主役である。

それは1985年9月14日に東京都練馬区に上戸が、1985年9月23日に東京都江戸川区に後藤が生を受けてひっそりと始まったアイドル物語である。

1999年、後藤真希は13才でモーニング娘。に加入。モ娘。の黄金時代を築く。ここから2003年頃までゴマキはアイドルの頂点に立っていた。

しかし、上戸彩は1997年の国民的美少女コンテストにおいて11才で審査員特別賞を受賞しているのだ。ほとんど無名のアイドルユニット時代を経て・・・上戸は女優として頭角を現し始める。「涙をふいて」「金八第6シリーズ」「渡鬼」「高校教師」「ひと夏のパパへ」「エースをねらえ」「アタックNo.1」「アテンションプリーズ」・・・。

やがて、2002年頃からCM王女になるのだな。とくにエイトフォー(ニベア花王)のパウダースプレーである。

2003年、しかし上戸は「ひと夏のパパへ」(桜井幸子・北村一輝・沢尻エリカなどが共演)では第8話で3.6%を記録したりしている。そして、その頃・・・ソロとなっていた後藤はゆっくりと人気を下降させていく。その象徴がパウダースプレーのCMだ。後藤はBan(ライオン)だった。

ああ・・・青春の光と影・・・腋の下の汗の香りである。・・・なんじゃそりゃ。

・・・ともかく・・・語りだせばきりがない二人のアイドル交差点。大河ドラマ「義経」の共演がひとつのクライマックスだったのだが・・・。

そんな二人も22才である。ここのところ・・・出演ドラマが軒並み低視聴率の上戸・・・。そこに一筋の光が・・・。こんな企画で・・・である。直前・・・後藤はプライベートでアイドルとしては致命的なイメージダウン・・・しかも・・・本人にはある意味・・・無関係にだ・・・。

ま・・・観測者は無責任なのである。しかし・・・こんな面白いドラマはないんだよな。

そのドラマの一部である・・・このドラマは・・・作家の底力で妙に面白い作品に仕上がっている。とにかく・・・気がつけば巨乳の上戸の魅力は親子三人四脚などでいかんなく発揮されているのである。・・・どこ見てんのじゃっ。ちなみに後藤もなかなか巨乳です。

関連するキッドのブログ『ホテリアー

               『功名が辻

Hcinhawaii0268 ごっこガーデン・幼稚園セット。お気楽もったいないから・・・かあ・・・ちょっと・・・ものたりないの・・・音尾琢真さんは発見したけどね・・・とりあえず・・・変顔コレクションは充実しそう・・・ミマム私が子役・・・ちーずさんじゃないのに・・・規則を破る家族を注意する係っていったい・・・。ま・・・いろいろと複雑な気持ちになるドラマです・・・akiこれは・・・北海道特集?・・・私はもったいないから・・・で泣かされましたーっ。上戸ママ・・・見ていて・・・爽快ですっ・・・・あんなママたちに負けるなー

で、『有閑倶楽部・第2回』(日本テレビ071023PM10~)原作・一条ゆかり、脚本・山浦雅大、演出・池田健二を見た。とにかく・・・このマンガがドタバタという前提を踏み外すと乗れないと思うのだな・・・。今回なんて・・・要するに子供の悪戯である。かって、タイトな社会ではこのぐらいの破天荒さが・・・爽快だったのだ。今、社会はルーズである。というか、ルーズであることを隠し切れない社会になってしまったのだな。

そういう中で「狂言誘拐」を楽しむ高校生たちの話が受け入れられるかどうかは・・・ひとえに「これはスラプスティックなお話なんですよーっ」ということを提示できるかどうかにかかっていると思う。

たとえば・・・老舗が「自分の都合」で社会のルールを破る。その時、社会のルールがね・・・厳しすぎるんですよ・・・と発言すれば・・・それは許されない。ルール無用の悪党ボクサーが反則負けしたら・・・もう弁解の余地はないのである・・・その例はどうかな?

とにかく・・・「有閑倶楽部」としては「悪いこと」を楽しむけど・・・でも、結果的には「良いこと」をすることになるから許してね・・・という苦しい展開なのである。苦しいなあ・・・。キッドのブログなら・・・常識はずれな言動をしても・・・ケケケッと開き直ればいいのだが・・・ドラマとなるとなかなかね・・・なのである。

しかし、まあ、やるからにはやりぬくのだっ。それしかないのだっ。

というわけで・・・犯罪被害者の親子の犯罪に自分から進んで巻き込まれる剣菱(美波)・・・。剣菱が松竹梅(赤西)を誘い・・・ついには有閑倶楽部全員が誘拐犯になってしまうのである。狂言誘拐はひとつのジャンルであり、そのヴァリエーションとしてはよどみない展開。ま、薄氷を踏む展開ですけどね。だって・・・生きるために必死に罪を犯している犯罪者からみたら・・・遊びで犯罪をするなんてとんでもないこことだっ・・・という考え方もあるからです。だから・・・遊びのついでに逮捕されてしまう・・・真面目な犯罪者たちには哀れを感じるほどだ・・・おやおや・・・なんだか・・・言ってること間違っているかな・・・。

・・・ま、それはさておき・・・おくのかよっ・・・やはり・・・剣菱が中心になって話は展開してしまうのだな・・・。そして・・・松竹梅が車を貸せっといえば貸さざるを得ない・・・ってあたりがちょっと「つまずくポイント」である。ああいうところで「貸さざるを得ない」ということをちゃんと説明しないと・・・ドタバタがストレートに展開されないのが基本だからだ。

なんでもいいのだよね。女性ドライバーで松竹梅に萌え~になるとか・・・身代金のうちの一千万円くらい差し出すとか・・・そういうスムーズな借用の仕方があって・・・赤いスポーツカーが道交法違反のスピードでムチャクチャをやることが引き立つのである。

基本的に日本人はドタバタの苦手な真面目な国民である・・・本当なのか・・・そういう国民をごまかすテクニックというものはあるのであり・・・もう少し研究してもらいたいのだな。

たとえば剣菱がコミカルな舞踏を見せるのだが・・・そこがもう少しテクニカルでないと・・・ゴージャスなお遊びを味わえないのである。少なくとも・・・東京ローカルの深夜のキューティーハニーはその点をクリアしている。ゴールデンとしてはプライドを持って取り組んでもらいたいよ。

今さらだが・・・主役にはオリジナルで見せ場を作る。主役を変更したことで他のキャラ設定をいじらない。これを基本にした方がいいと思うのだな。

とにかく・・・視聴率がこの辺で維持あるいは上昇できるかどうかは・・・そういうディテールの徹底だとキッドは思うのだ。

関連するキッドのブログ『第1回のレビュー

Hcinhawaii0269  ごっこガーデン・誘拐準備室。エリきゃーっ。ジン先輩・・・遊びにきたんですかーっ。もう、親父ラブ、最高でスーっ。・・・えーっ、猫をひろったんで届けてくれたんですかーっmariきゃーっ。私のクッキーですーっ。ジン君に拾ってもらえるなんて・・・もう、運命の出会いですわーっ。もうワクワクしますーっ、まあ、お茶でもーっまこエリ姉ちゃんに・・・剣菱衣装・・・取られた・・・ミキが狂言誘拐ごっこをした時は100億円要求して・・・重くて逃げ損なってじいやに捕まった記憶が・・・アンナ柿食べてるびょん。有閑は・・・マジで書くと・・・ぴょんぴょんとなるので書きません。アンナは心がウサギさんなのぴょん

で、『キューティーハニーTHE LIVE・第四回』(テレビ東京・071024AM1~)原作・永井豪、脚本・井上敏樹、演出・横山誠を見た。前回、悲しみと怒りと特訓によって少しパワーアップした如月ハニー(原)・・・。今回は不慮の死を遂げた松田(藤本道)の死因を究明するために積極的にナースモードに変身。ダイテンジ(ダイテンメイではなかったのか・・・)病院の秘密を探索するハニーだった。

そして、退院する患者の不審な行動に尾行を開始したハニー。空中元素固定装置により、チャリンコをスーパーバイクに変換・・・これはハリケーンハニー・ヴァージョンかっ。

ああ・・・よどみみない展開である。

もう、地上の世界とは無縁のキャスティングで次々に登場するチープな俳優陣が愛しくなってくるほどだ。

そしてついに人体を改造して兵器化するパンサークローの秘密のオークション会場に到達する。そこでは改造された兵士同士が殺しあうのだった。なす術もなく・・・トモダチを失うハニー。怒りを主催者のデューク渡(マーク武蔵・・・因縁つけてウエイトレスを解雇させるのが趣味)にぶつけようとするが軽くかわされてしまう。

「この世には深い闇がある・・・君も知らない間に闇の中にいるのかもしれないよ」

ハニーは病院で治療を受けた早見(山本匠馬)が怪力になったのを思い出し・・・恐怖を感じる。何があっても早見を失うことはできないのだ。

しかし、すでに怪人と化した早見。暴走族を相手に試運転中だった。早見、ハニー、暴走族、マッドドクターの華麗なるアクションあって・・・意識を失った早見を抱きしめるハニー。

そして・・・ドクターハニーモード・・・。手術の時間なのだった・・・。

非力に戻った早見・・・ハニーは幸せを感じる。

その頃・・・早乙女ミキ(水崎綾女)は「自分がこわい・・・」などとつぶやきながら出番をまっていた・・・いよいよ次週変身の模様です。

関連するキッドのブログ『第三話のレビュー

『ちりとてちん・4-2・第20回』少しずつ・・・草若・早々師弟の謎にせまる・・・喜代美(貫地谷しほり)・・・。っていうか、ソウソウか、リュウビでソンケンなのか・・・カンウでチョウヒでチョウウンはまだですかーっ。コウメイはーっ。→4-1

木曜日に見る予定のテレビ『医龍Team Medical Dragon 2』(フジテレビ)、『ジョシデカ!』(TBSテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (14) | トラックバック (19)

2007年10月23日 (火)

憂鬱な男たちのバラードが聞こえるのね。誰もが学問で生きていけるわけではないから・・・。(柴咲コウ)

少なくとも・・・一話、二話を通じて言えるのは・・・大学の准教授ほどの幸せを持たない・・・鬱屈した男たちのストーリーで20%を獲得するなんて・・・柴咲コウの魔力は半端じゃないってことだな。それは確かだ。サンタクロースに誓ってもいい。

しかも・・・二話は驚くべき、スカシの連打である。そして腐乱死体だけは格別にリアル。ま、スカッシュをしているくらいだからな。

これは・・・凄いな。

本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「歌姫」↘*7.5%(もちろん、内容にも問題はあるがとにかく、ラ・テ欄がすでに凹だからな。もうボコボコ)、「モップガール」↗10.7%(スシ王子にできないことができているらしい。二回目のノリは微妙に評価できる。二回目はサンドイッチガールだけどな)、「ドリ☆アゲ」↘10.0%(天国について・・・もっとでっちあげればいいのに・・・イメージが貧困)、「ハタチの恋人」↘10.4%(さげたーっ。さんまさみが思ったよりきついものなーっ)、「風林火山」↗19.0%(あがってきたーっ。死に別れても・・・妻帯しない・・・残された男の鏡、貫徹・・・ロマンですか。ロマンなのですかーっ・・・リツ・・・納得してるし)、ついでに「ガリレオ」↘22.1%(さがったけど・・・唐沢・北村↘虻川・小市・石井くらいな感じ・・・?)、どうせだし「僕の彼女を紹介します」*7.5%(韓流ブームって本当に終焉したな)、「ふくまる旅館」↘11.0%(だからハルハルがね出番少なすぎ)・・・以上。

で、『ガリレオ・第2回』(フジテレビ・071022PM9~)原作・東野圭吾、脚本・福田靖、演出・西谷弘を見た。ま、タイトルは「おしりじゃありません」だったら、妄想抜きでも良かったのだが・・・内海(柴咲)・・・通俗的な意味で善良・・・湯川(福山雅治)・・・知的なロマンチストという対比を優雅に浮かびあがらせる・・・鬱屈した男たちの連打に敬意を表してみました。

前回は唐沢寿明だったので・・・それほど気にならなかったのだが・・・技術者でボランティアで・・・殺人鬼という犯人。彼の抱える心の闇は一筋縄ではいかない日常的なものなのだな。彼だってロマンチストなのだが・・・その手に幸せがないのである。それは幸せそうな少年を抹殺することでしか入手できないものを「彼」が求めてしまったことで明らかになるのだ・・・。

そして、今回・・・嘘つき少年の父親・上村(小市慢太郎)もまた・・・言い知れぬ虚無を表情に漂わせている。彼もまた・・・何か・・・恐ろしいものを手にしようとしている。

彼はジャーナリストである。すっかり古びた表彰状が飾られている。そこで彼は「小さな命によりそって」というような「子供たちの暮らし」に関わる善良な報道の仕事をしたらしい。賞状を額に入れて飾ったのが彼なのか・・・それとも登場しない子供の母親なのかは明らかにされないが・・・彼が現在、満たされない思いを抱いているのは明らかなのだ。

彼には何もないわけではない。熱を出して寝込んでいる子供があり、その子供に食事の世話をしてくれる・・・つまり、男に好意を寄せている・・・近所の焼肉屋の女主人(虻川美穂子)がいる・・・そして仕事もある。

だが・・・その仕事は少なくとも表彰されるようなものではない。いかにも低俗な三流の知的読者とは無縁の底辺の週刊「ピーチ」の俗悪な記事の締め切りがあるということだ。麻雀ゲームの登場キャラクターの役名のような遠山カナというアイドルが性欲をあおるためにグラビアを飾るような雑誌である。

それの何が不足だっ・・・とキッドの中で思う部分もあるのだか・・・そこはこの際、無視する。

そして・・・男が書こうとしているのは・・・裏ロリコンだの、風俗コンサルタントを目指す女たちだのを扱った・・・ルポルタージュである。

そういう描写がなくても成立する話ではあるのだが・・・この男の虚無感を理解しないと・・・考えることが快楽だという湯川の贅沢感によって生じる負い目が堪能できないはずである。彼はできるならば触れたくない庶民の現実に・・・「興味深い謎」を餌に足を踏み入れてしまうことになる。

男はもちろん・・・その仕事に絶望している。熱を出している子供に誇れるような仕事ではなく、そして・・・仕事を達成しても栄光はない。それは・・・女にも言える。好意を寄せてくれる女に・・・甘えつつ・・・その女に心から感謝はしない・・・。その感謝できない自分というものが男をますます虚無に追い込んでいくのである。

だから・・・熱にうなされた子供(今井悠貴)が「幽体離脱」という幻想を話し始めたとき、男はそれに飛びつく。子供のウソに乗り、坂を転げ落ち始めるのである。その心には子供とともに滅びようとする現実逃避とも自殺願望とも言えるものが浮かび上がる。

男は今、虚無に飲み込まれようとしている。しかも供物というか生贄は我が子なのだ。

それを見守る女は自分が「それほどの女ではない」と自覚している。それは主に外見の問題であるかもしれない・・・。だから、彼女は精一杯のおしゃれであるハイヒールで父と子の家を訪問する・・・。子供はだから・・・女が来るのを耳に捕らえることができるのだ。

父親の絶望をこの子供は敏感に感じ取っている。そして、ひょっとしたら女が救いになるのではという希望も持っている。しかし、父親がそれを期待していないことも知っている。子供もまた・・・ゆっくりと現実に疲れているのだ。体調を崩すほどにだ。

女はそのすべてを知っていて・・・迷いの森でため息をつくのだ。

そこに・・・湯川は足をつっこんだのである。いやあ・・・ただ事ではない暗さであるな。だから、湯川はひたすらに何も見ないようにふるまう。

「子供が見ることのできないはずのものを見たのはなぜか」

自分が興味あるのはこの一点だ・・・他人の家庭に渦巻く虚無の底なし沼なんか・・・知ったことか・・・そういいながら・・・沼に沈みこんでゆく、子供の姿から・・・目を離せない湯川・・・素敵だ。そして・・・内海はそういう湯川を明らかに見て見ぬフリをするのである。

もちろん・・・内海には父と子の虚無は理解できない。もう少し、表面的な・・・「子供をダシにしてお金稼ぎはなんだか・・・せつない」ぐらいの部分でとらえている。そうでなければ腐乱死体を見てこみ上げてくるゲロを飲み下せないからだ。鈍感でなければやっていけない仕事はあるのである。

このドラマには三つの事件が同時進行している。

ネタバレだが、痴情のもつれによる男が女を殺害し、捜査線上に浮かんだ男が冤罪に巻き込まれようとしている事件。目撃者と被疑者の間にある障害物の工場で起った事故を隠蔽している事件。そして目撃者の少年が見えない虚無の底なし沼に沈下しつつある病状としての事件である。

刑事がいて、殺人事件が起きているのに主題がそこにはない。

というのはすごいスカシだな・・・。

そして、とにかく・・・日常を演じる女と男と男の子供が淡々と虚無とのふれあいをキッドに感じさせながら、このドラマの核心ともいうべき、とにかく蜃気楼としては卑小、蜃気楼の再現実験としては巨大な仕掛けを展開して・・・物語は終局を迎える。

蛇足だが少年の見た幻は疲れた男を乗せた赤い車だったのだ。

虚無の沼から湯川が結局はささやかな幸せへと少年を導いた。

湯川にその意志があったのかどうか・・・そして内海がどこまですべてを把握していたのかどうか・・・。

含みを持たせながら・・・救いのある展開・・・おしゃれだな。

このある意味・・・恐るべき地味さで視聴率20%って・・・。

キッドの妄想的には雪男は実在しないが、サンタクロースは実在するのであるが・・・柴咲コウは限りなく魔女だと思う。

関連するキッドのブログ『第一話のレビュー

Newimage3 ←クリックすると『翠の妄想・THE MOVIE 3ガリレオ編』アリマス。

 ぷっち☆翠様のガリレオ

『ちりとてちん・4-1第19回』なんとなく・・・おじいちゃんに似てたから・・・。直観力にすぐれた母親は素晴らしい。理屈っぽい父親があれこれ考えた末にした選択よりも、何も考えない母親の選択が正しいという場面をキッドは子供の頃、何度も目撃している。もちろん・・・結果論なのだが・・・どちらの生き方が正解かで双方の血を引く子供は悩むものだ。そしておそろしいことに人生におけるすべての選択は基本的に二者択一なのである。そしてどちらを選ぼうとも結果があまり変わらないっていうことも人生にはよくあるのだなあ。ま、キー子に対する小草若の話ですけどね。→3-6

水曜日に見る予定のテレビ『働きマン』(日本テレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (10) | トラックバック (30)

2007年10月22日 (月)

国などに未練はないっ。(Gackt)&傷心旅行でござる。(内野聖陽)VS・・・だから、パパなんでしょうってばっ!(長澤まさみ)

「リツは養女に・・・」(内野)「・・・そうきたか・・・」(市川亀治郎)でも良かったが・・・っていうか・・・こんなツッコミの武田信玄・・・新鮮すぎるっ。

ま、大河ドラマとしては必然なのだが・・・今年もたくさんのキャラが逝ってしまったなぁ・・・。

不定期のつもりだったのに・・・夏からこっち・・・ちっとも離脱できないのは・・・今年の大河が魅力的すぎるからだよな・・・ついに素浪人・長尾景虎VS旅人・山本勘助の仏前試合って・・・。わははははは。

一方・・・「冗談」よりはずっと面白いが・・・すごく面白いとは言えない「さんまさみ」・・・二人の悪声合戦もまた続くのだった。それにしても・・・さんまさんも年をとったなぁ・・・。

で、『風林火山・第42回』(NHK総合071021PM8~)原作・井上靖、脚本・大森寿美男、演出・田中健二を見た。例によってシナリオにそったレビューはikasama4様を推奨します。越後の武将イラスト追加アリです。キッドとしては直江実綱がイイッと思いました。

Shinanoechigo1555kouyasan で、キッドとしては雑感をあれこれ妄想しておきたい・・・。由布姫が逝ってしまい・・・キッドもちょっと気が抜けました。越後での謀反についてのマップも考えたのだが・・・今回は剣豪ネタだったので・・・序盤で盛り上がっていた勘助の兵法流派について妄想を膨らませてみたいのである。キッドの妄想的には山本勘助は三条夫人付の忍者なのだが・・・ここはそれをふまえないで戦国兵法家の流れというものを妄想するのです。

まず、兵法とは何か・・・ということを考える。・・・そこからかいっ。俗に武芸十八般と言う。武の芸にも様々なジャンルがあり・・・剣術はその一分野に過ぎない。兵とは「つわもの」と訓むことができ、兵法とは「強者になるための方法」という意味がある。その方法について極めようとするものはすべて兵法家なのである。

さて、しつこいようだが、妄想について一言言っておく。たとえば兵法の緒流についてはほとんど歴史的な資料はない。だから、キッドが語ることは妄想であるが事実ではないとは限らないのである。なにしろ、軍事機密なのである。その伝承方法は口伝が基本であり、知られざることが多いのである。つまり、キッドが知られざる流派の知られざる伝承者であることが事実であってもちっともおかしくないのだ。そして、人々は知らなくても何の問題もないのだった。

そういう意味で山本勘助は京八流の武芸者なのだ・・・といっても京八流が知られざる武芸である以上・・・妄想するしかないのである。

武芸の根底には・・・「孫子の兵法」というものがある。ネタ元は大陸の兵法家で戦国時代からでも歴史の彼方の人だが・・・兵法の基本はすべて論じられていて・・・兵法家にとっては「いろは」のようなものだ。勘助と晴信の意思疎通が可能なのはこの「いろは」をお互いに学んでいるから・・・ということなのである。

芸の性質上、武芸の多くは戦時に発生し、平時に発達する。そういう意味で戦国突入前の室町時代にある程度の発展があったのである。

この時代に同じく発展した芸に「能楽」という演芸がある。武芸も芸のうちなので「能」と「剣」には通じるところがある。「能」には「守・破・離」という思想が生れた。これは芸を学ぶものの基本である。即ち「守」とは師の教えを守り基本を学ぶことである。「破」とは師に伝えられた型を工夫によって発展させること。「離」とは発展した新たなる型を伝えるために一流を起すことである。

「剣」や「槍」などの武芸もまたこの「守・破・離」の思想を得て発達していったのである。

現在も伝承される京八流の形骸といえば鞍馬流であり、山本勘助は当然、鞍馬流に近い剣を学んだと思われる。もちろん、それはどうしたって妄想の域は出ない。

一方、京八流に比べ関東七流はずっと妄想の範囲が狭い。つまり、現在でも命脈がつきていないのである。で、その根源は茨城県と千葉県の県境にある利根川に沿った二つの神社に由来する。香取神道流の飯篠家直(長威斎)と、鹿島神道(新当)流の塚原高幹(卜伝)が名高いのだな。この流れは現在の薩摩示現流にまで流れる。

戦国に入っての剣術は「甲冑」をつけての剣に特化するので、剣の振るい方を考えると「袈裟斬り」「逆袈裟(斬りあげ)」「横一文字」が基本になる。もちろん、刺突は別に考えるものとする。

現在の剣道の基本はこの「袈裟切り」と「横一文字」の特化したものと考えることができる。さらに基本中の基本は「袈裟切り」である。この合理性はつまり万有引力という自然の理に沿ったものだ。つまり、高所から低所に移る剣は省エネなのである。

水は高きから低きへ。この天の理に従うこと。これこそが正攻法というものなのである。しかし、兵法というものが攻守あるものと考えると、この正は時に邪に破られることがある。つまり、「逆袈裟」の存在である。「下から来るとは思わなかった・・・」ということだ。

しかし、合理的な袈裟切りを修練すれば不合理な逆袈裟に必ず勝つという考え方があり・・・要するに上からか下からかで「守・破・離」を継続していくのが剣の緒流派の発達なのである。

ところで、京八流の影響が濃いと思われる越前には中条流があるのだが、ここからは一刀流が生れていく。それが正法であることは言うまでもない。これは長い目でみれば京流に対する「離」の一種だ。

さあ、もうお分かりですね。京八流とは邪法主体の剣なのである。勘助が好きな言葉「兵は奇道なり」がそのことを暗示しています。

ちなみに、斬りあげが現在に色濃く残るのは居合い術である。抜刀に限って言えば斬りあげは正攻法なのだな。

さてさて、いかにも邪な剣といえば陰流である。北畠久忠(愛州移香斎)は伊勢の出身なので根は京八流である。陰流が猿飛陰流と新陰流に分離するのはまさに裏表なのである。

そして、新陰流の流租は上泉秀綱(伊勢守)だ。伊勢守は赤城山の城主なので最初は鹿島で学び、卜伝は兄弟子とも師とも考えられる。そして、移香斎にも学び・・・いわば京八流と関東七流を統合して新陰流を発するのだった・・・。

伊勢守は柳生新陰流の師でもあるが・・・邪に回帰にしていきます・・・戦国武将的には関東管領上杉配下なのである・・・。と言うことはだ・・・この時点で長尾景虎がその剣を学んでいる可能性はなきにしもあらずなのである。新陰流は邪をふまえた正・・・景虎にはうってつけなのである。

さあ、邪で邪で邪な勘助と表はあくまで正の景虎の対決。

キッドは景虎が真っ向から剣を振り下ろせば、まさに・・・と思い、勘助が仕込み杖を抜けばやっぱりと思うのである。

今回の大河の素晴らしいところは・・・こんな遊びの演出でもキッドの妄想ときちんと符号してくるところなのだな。観世音菩薩もご照覧あれっ。

この年、三度の飯より剣が好きの上泉秀綱は城を失い、箕輪城に入る。そして・・・勘助や景虎が高野山に詣でるために素通りしていったかもしれない美濃、稲葉山城では斉藤道三が最後の大晦日を迎えているのだった。信長様は尾張統一を仕上げ中である。マップ的には宗教施設と兵法の流通発展が無縁でないことを示したつもりです。

関連するキッドのブログ『第41回のレビュー

で、『ハタチの恋人・第2回』(TBSテレビ071021PM9~)脚本・吉田紀子、演出・清弘誠を見た。テンメイ様が中々、本命を発表しないので・・・レビューするわけなのだが・・・微妙なんだよなあ・・・。そこそこ面白いのでダラダラ見ることも可能だし・・・男の見果てぬ夢が実はもう逼塞しているしている時代なのだという分析も可能である。ま、老いらくの恋・格差社会と言えます。少なくともさんまさんはステータスでまさみに肩マクラ貸せるわけですからねー。そして・・・妄想を膨らませて・・・おそらく・・・恋人から娘へと立場を変えながら、草臥れた老境の男に陽射しを指していく乙女のファンタジーであるこのドラマを日活ロマンポルノ的ドロドロの桃源郷へ変換していく過激コースもありえるのである。

しかし、レビューバトルがアイドリング状態なので・・・まだ、そこまで萌えないのだった。

だから。それにしても・・・さんまさんは・・・音痴が治りませんね。などと気の抜けた感想をしてしまうのだった。特に「ちっちゃな時からふふんふん・・・」は「ちっちゃくてーっ」て歌っているよな・・・とかですね。

それにしてもリストラコンビニ店員の恵俊彰・・・。いわば・・・まさみにたらしこまれているわけだが・・・いわば・・・「ちりとてちん」の佐藤めぐみポジションにまさみが置かれていて・・・イメージ戦略としてはギリギリだよな。

母子家庭というビハインドで・・・些少はごまかしが効くのだが・・・このままでいくと、私の性的魅力を楽しんでもいいですけど・・・皆さんはあくまで対象外ですからーっ・・・というすごく嫌な女になってしまうのではないかーっ?

それが・・・すべて・・・さんまさんが・・・ちょっとおっちょこちょいで・・・たまには・・・浮気心に心躍らせてしまうけれど・・・根はいいおっさんだからーっ・・・というドラマのために設定されてしまうと・・・すごく損だな・・・。

今回、ラーメンを食べるシーンで気をあわせる芸があるわけだが・・・間があって二人が「美味しい」と同時にリアクションという場面である。ここが今回の最大の見せ場なのだが・・・もう一つ、しっくり行かなかったな。ここが完璧だと・・・その後で親友だけど恋人にはしてもらえない片思いの塚本高史が「美味しいじゃねえか」・・・と押すところがさらに引き立つはずなのである。空振りって感じがしました・・・。ま、気のせいかもしれません。

さて・・・今回は初めて自分が「風太と間違われていること」に気がつく圭祐(明石家さんま)なのだが・・・じゃ・・・今まで・・・彼女は何だと思ってたのか・・・気がつかないというのもやや、不自然なのである。ところが、このドラマに関して言えば・・・さんまさんが自分のことをさんまさんだと思っていてもおかしくない・・・という主張が見える。ま、それでもいいけど・・・ドラマとしては・・・ま、いいか。

ほらーっ・・・微妙なんだよなーっ。

もちろん・・・いわゆる別格(酸いも甘いも嗅ぎ分ける)の人である風太(市村正親)が「こりゃ、面白くなってきたぞーっ」と言えば面白くなってきたような気にもなります。

でも・・・本当に面白いと人に推薦できるのか・・・と言うと・・・まったく自信がありません。

なぜなら・・・キッドの中のハタチの女の子が「さんまキモイよーっ」と叫んでいるからーっ。

そのこと自体も相当にキモイかもしれないけどーっ。

ベッドの中で最初に触れるのが頭じゃなくてお尻だったらーとかキッドが考えたりしているのがバレたら相当にキモイしーっ。自分で自分がキモくなってくるのはーっ、ある意味快感でいいんですけどーっ。・・・どんだけ変態なんじゃいっ。

火曜日に見る予定のテレビ『キューティーハニー』(テレビ東京)『有閑倶楽部』(日本テレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (6) | トラックバック (13)

2007年10月21日 (日)

ガンダムさんには触れないでください。(GN-004)VSまた、こんな役ですか。(志田未来)VSサケ弁・・・。(関めぐみ)

「オレに・・・触れるな」(刹那)でもよかったけど・・・きっとかぶる・・・と思った。

本当は「容疑者 室井慎次」もレビューしたいくらいだが・・・ものすごく・・・今さらだからなあ・・・。今回の新たなる感想は「すごく使える彼氏だったのー」の桜井杏子(木内晶子)を見て砂時計・・・シャブリ様・・・を連想したことくらいかな・・・。・・・なんじゃ、そりゃ・・・。来年、新作の噂もあるが・・・またスピンオフだったりして・・・。まあ・・・「警護人 恩田すみれ」とか、 「新妻 柏木雪乃」とか、「監視人 小池茂」とか・・・最後はなんだよ・・・。

こうやって構築されていった世界って凄いよな。別の意味でアイドルの弟が犯罪者になってしまうのも凄いけどな・・・なんで・・・どうして・・・と思うが・・・それが運命というものなのだろう。

で、『機動戦士ガンダム00・#03変わる世界』(TBSテレビ・071020PM6~)脚本・黒田洋介、演出・吉村章を見た。待ち伏せ攻撃を仕掛けたユニオン軍人のグラハムのなんとなくスペシャルなユニオンフラッグだったが・・・Don’t touch  me!・・・であっさり、撃破。

ここで顔面に負傷して・・・マスクマンになるのではないか・・・というキッドの妄想は実現せず・・・仮面の人はでないのですかーっ。仮面の人はなしですかーっ。

セキュリティーなどというものはあるようでないという世界・・・。そういう意味ではもっと破綻している可能性は高いけどな。貨幣経済が破綻すれば札束は紙くずになるのだが、電子マネー経済が破綻してもゴミはでないのだな。

とにかく、ゲリラは国際指名手配にはならず、正規の輸送ルートで宇宙にモビルスーツごと帰還したりするのだ。査察官はいないのか・・・。

残った三機のガンダムとマイスターはテロを続行。南米とかアフリカとか・・・21世紀と変わらぬ紛争地図・・・現地の皆さん、重ね重ねすみません。

ま、キッドの未来予測では日本列島は必ずやテロの温床と化していて23世紀には形骸になっていると思います。まあ・・・鹿はいるかな。世界に分散した民族の自然豊かなふるさとになっている可能性あり。

しかし、こちらの世界ではドズルじゃなかったしランバラルでもなかったセルゲイもアンタッチャブルのエクシアマイスターの刹那は経済特区・日本で密かに暮らす隣人になるのだった。

学園には・・・転校しないのか・・・お嬢様は・・・出ないのですかーっ。

そんなことで世界は変わらないと思うがアニメなので変わるらしい。アイルランドの皆さんも申し訳ありません。

それにしても・・・段々・・・苦しくなっていく展開なのだろうな・・・。とりあえず、現在はガンダム無敗記録更新中である。004はどこですかーっ。

関連するキッドのブログ『第二話のレビュー

で、『ドリーム☆アゲイン・第2回』(日本テレビ・071020PM0930~)脚本・渡辺睦月、演出・中島悟を見た。キッドが現役だった頃、日本テレビのプロ野球巨人戦中継はドル箱だった。他に何もしなくても問題ないほどの視聴率を獲得していたのである。松井とともにそういう夢は去っていたのだが・・・そんな夢をもう一度・・・という願いが仄かに感じられるタイトルに一回目は思わずシカトしました。だって・・・なんか・・・キモイんですもの。

しかし・・・まあ、ドラマには罪がないからな。挫折したプロ野球選手が再起を図る・・・ということでは反町隆史自身が「ワンダフルライフ」(2004フジ)でやっている。もっとも主題は少年野球チームである。この手でキッドのお気に入りは柳沢みきおのコミック「男の自画像」である。ファンタジー抜きで挫折した中年男がもう一花咲かそうとあがく物語で・・・ま・・・野球に対する愛情というものは漂う。

ある時代の男たちにとっては野球は人生の重要な部分であって、巨人が負けた翌日には交通事故の発生件数が増えるという狂気をもたらしていたのである。だから・・・そういう野球好きはこのドラマは敬遠することになるのではないかと思うのだな。

だってこれは筋書きのあるドラマ・・・しかもファンタジーなんだものーっ。

第1回からふりかえる。代打専門だが、満塁男の異名を持つ、巨人軍の小木選手(反町)は肩を故障、球団から解雇される。ユニフォーム組(夢)と背広組(現実)で分離した演出になっているのだが・・・巨人・・・血も涙もない球団として描かれ・・・よくできたな。

営業マンとなった小木は夢(っていうか選手生活への執着)をあきらめられず、再起を決意。結婚を控えた恋人・二ノ宮(加藤あい)に結婚の無期限延期を申し出て反対される。・・・ま、野球バカということです。婚約指輪を何故か川に投げ捨てた小木は落雷にあい・・・一応・・・死亡。

そこで天国への案内人・田中(児玉清)が登場。死後の世界があった話になる。クリスチャンでもないのになぜ天国に行けるかとか・・・そういう深い話ではない。

ま、いわゆるなんとなくいい加減な死後の世界であり、手続きミスで小木は死亡する運命ではなかったことが判明。死後の世界もこちらの世界と平行して時間が流れており、すでに死亡してから一ヶ月が経過しているといういい加減な設定で・・・キッドはそれをアイディアとは呼びがたい・・・元の体には戻れないのである。

そこで死亡する肉体に魂を挿入するという救済処置がとられ、タイムリミットがあるとせかされて入った体は朝比奈(石川裕司)という冷酷非情な投資会社社長だった。

その男は心臓疾患で死亡するのだが・・・別の魂が入ると、病状は回復するらしいし・・・たまたま、弁護士である二ノ宮が企業買収について人道的立場から訴訟している相手(敵)だったり、認知していない子供(志田未来)が突然、登場したりと・・・いろいろと煩わしい展開である。

にもかかわらず、生き返った朝比奈/小木は生前の夢であるプロ野球選手への復活を目指すのだった・・・。

ああ・・・「いい加減な死後の世界の物語」に新たな一ページが書き加わりました。

のどかでいいな。とにかく・・・志田未来が自分の顔を中の下だと言わされたり、似ても似つかぬ人に加藤あいが恋人の面影を見たり・・・そういうことをなんにも感じずに受け止められれば・・・そこそこ面白いかな・・・。それにしても志田未来・・・たまには普通の女の子・・・やらせてもらえんのか。ざっと思い出しても学校でおしっこをもらす小学生、妊娠出産する中学生、離婚した両親にたらいまわしの中学生、育児放棄され転落死する中学生、メイドのバイトをする探偵の中学生・・・なんだかなあ・・・。ノイローゼになりそうな役ばっかりだよ。

とにかく・・・二回目は一回目のほぼくりかえし。いい人だったコーチ(渡辺哲)がどす黒い臭いを漂わせ始めたのと・・・家政婦(瀬川瑛子)と雛(志田)の仲が深まったことくらいか・・・。とにかく・・・肉体が資本のプロ・スポーツの世界をなめてるとしか思えません。腕立て伏せ50回できるようになったのかよ・・・。

関連するキッドのブログ『ハケンの品格

              『わたしたちの教科書

で、『フライトパニック』(フジテレビ071020PM1120~)脚本・吉高寿男、演出・松山博昭を見た。とにかく客室乗務員になるとますます、元モ娘。飯田圭織と区別がつかなくなる関めぐみなのだった。で、彼の兄の副操縦士(岡田義徳)の初フライトの機内で悪夢のような出来事が展開するエアポートもの(ただしエアポートなし)である。

まあ・・・もう、子供の作り話のようなどうでもいい設定のドタバタであるが・・・とにかく、機内で凶悪な伝染病が発生し・・・着陸許可が下りずに彷徨う旅客機の乗務員と旅客の物語である。機長(平泉成)は操縦席に篭城後、死亡。副操縦士は操縦放棄。妹はサーモンのトレイを持って右往左往なのであった。他にも医者でもないのに病気の治療法を発見しようとする木村了とか、怪しい泉谷しげるとか、フクナガァァァァァァじゃない鈴木浩介とかいろいろ搭乗しています。

オチとして客室乗務員の水川あさみが登場しますが・・・それ以上に語ることが憚られる・・・何やっとんのじゃぁぁぁぁぁぁドラマ。「SP」の前座というか・・・思ったより出来がよかったのでオンエアしちゃったパイロット版?

でも・・・『ドリ☆アゲ』より面白いキッドだった・・・。

関連するキッドのブログ『ライフ

『ちりとてちん・3-6・第18回』今度は「宿替え」である。これはストレートだ・・・。一週間かけて喜代美と母は子別れである。それは「薮入り」のニュアンスもある。親と別れて子は生きていかねばならないのだが・・・高度情報化社会において・・・水加減は難しく・・・人の運命は定かでなく・・・巣離れが上手くいくかどうかは・・・神のみぞ知ることかもしれない。それでも親は祈るような気持ちで子を送り出し・・・子供は寂しさに耐えるのだな。→3-5

シャブリ様のちりとてちん第三週まとめ

月曜日に見る予定のテレビ『ガリレオ』(フジテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (6) | トラックバック (6)

2007年10月20日 (土)

新郎はゲイで新婦は女王様・・・変態新婚さん?(北川景子)VSぶほっ。(長瀬智也)VS救いようのない人も救うのです。(加賀美早紀)

連日・・・困ったことになっています。なにしろ・・・長瀬智也と佐藤隆太のIWGPコンビをシカト、北川景子の初主演ドラマをシカト・・・しようとしていた金曜日・・・だってウルトラセブンXで充分なのですもの・・・しかし・・・秋ドラマ最低視聴率の座を維持する「歌姫」も・・・そこそこ面白いファンタジーの「モップガール」も無視し続けるわけにもいかないのだーっ。・・・しかし、体力にも限界あるしな・・・。

とりあえず・・・軽くレビューをしてみるのだった。掟やぶりの三本立てに突入ーっ。

で、『モップガール・第2回』(テレビ朝日・071019PM1115~)原作・加藤実秋、脚本・荒井修子、演出・片山修を見た。・・・ここからか・・・っていうか美山加恋(主人公の少女時代)・・・初回だけかっ。初回は真柴あずきの脚本だったのだが、今回は「パパムス7」で脱皮したと思われる荒井修子である。セリフの切れ味が抜群にいい。

で・・・原作小説は清掃会社に勤務していたからモップガールなのに・・・葬儀社勤務に変更してタイトルそのままという結構な大胆アレンジである。ま、死者に関連した事物に触れることにより、過去にタイムスリップ・・・死者の運命を変更して生者にしてしまうという・・・ある意味、運命を清掃する天使としてのモップガールということなのだろう。

北川景子は美少女戦士セーラーマーズなので当然、美少女なのだが、上戸彩とか井上和香とか石原さとみとかの唇グループである。荒井修子のセリフへの対応の仕方を見ていると本人・・・そこそこオタッキーと思える。

上司(谷原章介)が長谷川桃子(北川)をアキバ系と呼ぶことに違和感はない。

そこが・・・一番の魅力かな。桃子は実はお嬢様である。父(本田博太郎)は大病院の院長なのだ。しかし・・・あえて一人暮らしの庶民生活をしているのだ。

で、物語はリフレインを含む構造になっている。繰り返して修正である。もちろん・・・様々な矛盾が生じるわけだが・・・その辺は問題にしないファンタジー展開・・・もう、いちいち、ツッコミません。

で・・・コメディーの場合、なぞりの部分をどう面白くするかもポイントなのだが・・・今回は巧みだったと思う。二回目に娘の出社間際を襲撃する見合い話父兄は娘に逃げられて「そう来たか」と言ったりするのだった。

今回の犠牲者は「女帝」で軽く女王様に開眼した酒井彩名である。しかも・・・女王様きどりのお嬢様モデル役。・・・しかも、どうしようもなくネタバレなのだが・・・本当に女王様だったというオチである。彼女は青酸カリ入りのアーモンド臭のするチョコレート(アーモンドチョコレートではない)で毒殺されるのだが・・・。

レギュラー警部補(マギー)によると容疑者は被害者の婚約者・・・。

過去に戻った桃子はボケを重ねつつ、ついに真相にたどりつく・・・・それは新婦の婚約者はゲイで新婦のストーカーの疑いのあった新婦の友人のゲイと恋仲になり嫉妬に狂った友人のゲイがトリカブトで毒殺しようとしたのだが真犯人は新婦の執事で幼い頃からSMプレーの相手による無理心中目的によるものだった・・・ということである。

ま・・・一読して理解が困難な方も多いかもしれないが・・・ドラマはそこそこわかりやすくできています。池津祥子と佐藤二郎を発見できます。浅見れいなはホタルノヒカリからここに来てました。

ま、一種のシチュエーション・コメディーですのでお約束の好きな方にはお薦め。

関連するキッドのブログ『プロポーズ大作戦

で、『歌姫・第二回』(TBSテレビ071019PM10~)脚本・サタケミキオ、演出・坪井敏雄を見た。うふふ・・・とにかく・・・視聴率のとれなさそうな展開である。冒頭いきなり、ロバート秋山が一曲歌い、次に長瀬がロックンロール・・・のど自慢対決・・・なんだ・・・このお茶の間を拒絶した展開・・・。これで金子文紀に演出バトンタッチしたら・・・もう・・・とんでもないことになりそうだな。

小演劇系の舞台のドラマ化である・・・その瞬間から・・・視聴率とれないのは明白なのだが・・・もう・・・そういうことがしたいならしょうがないよなあ・・・。

だが、まあ、風吹ジュンと高田純次の夫婦とか、その娘で長瀬に恋する相武紗季とか、その姉の大河内奈々子(脚本家の実の妻)とか、バーのママの遠山景織子とか、変な斉藤由貴とかが見れて・・・もう下北沢とかに滅多に行かなくなったキッドが昔を懐かしむにはそこそこ楽しいドラマになっている・・・だめだよな・・・それじゃ。

時々、いかにも舞台ならそこそこおかしい家族の会話とかも出てくるのだが・・・それならそれでそういう演出を工夫しないと・・・無理だよなぁ。

今回、朝ドラ「ちりとてちん」が最高に傑作なのだが・・・「歌姫」は普通の朝ドラのパロディーとして見るならまあまあなのだ・・・。でも・・・その場合、こんな田舎のお茶の間って朝ドラマみたいだよな・・・とか高田純次がツッコミ入れたりする必要があります。

舞台は昭和30年代の土佐清水である。いかにも・・・な設定であるのだが・・・ひなびた映画館の映写技師というあたりが・・・もう・・・時代錯誤な展開である。

娯楽の王様というところがわかっていないのだな。小林旭の映画「南国土佐を後にして」が昭和34年である。ここから三~四年ほどが日活の黄金時代であり・・・渡り鳥シリーズとともに映画の時代は終焉する。もちろん・・・日活には石原裕次郎もいるし、たくさんのスターがいたわけだが・・・そのあたりへのオマージュがほとんどないのは・・・薄いぜ。

もちろん、土佐には坂本竜馬の故郷という伝統もある。土佐の一本釣りもあれば、西原理恵子の出身地でもある。鬼龍院花子の生涯もある。

とにかく・・・やくざな男たちがたむろし・・・それなりに派手に活躍するのだが・・・結局、実りすくないという・・・ちょっと間の抜けた・・・それだけに魅力的な舞台が・・・ちっとも消化されていないのだなぁ・・・。

もっともっと次から次へととんでもない事件が起きて考えるヒマを与えない・・・そんなドラマにすればよかったのに・・・。今のところ、間のびした一部愛好家向けの舞台劇にしか見えません。

関連するキッドのブログ『彼女が死んじゃった

で、『ULTRASEVEN X・第三回』(TBSテレビ・071020AM0225~)脚本・福田卓郎、監督・鈴木健二を見た。前回、北朝鮮への帰国事業や、北朝鮮による拉致被害をイメージした展開で、今回は国防意識の希薄な日本国民を揶揄した展開・・・素晴らしいウルトラ世界が続いていく。

市民生活からはみだしたHOPELESSと呼ばれる人々が連続して変死体として発見される事件が発生。謎の男(小宮孝泰)が彼らに職を斡旋していたと知ったジンとケイは謎の男のオフィスを訪問する。その地下では人間たちが「侵略兵器」の製造に心身ともに使役されていた。

「私は何も強制していない。これはあくまでビジネスだ。彼らは望んで仕事をして報酬を得ているのだ・・・」

しかし、脳髄を吸い上げるシステムで命を奪われる人間たち。

エレア(加賀美)がどこからともなく現れて助言する。「彼の言うことを信用してはいけない」

謎の男はマーキンド星人の正体を見せる。等身大で変身するセブンX。

ゴキジェット・・・ではなくて・・・アイスラッガーのブーメラン攻撃で難なく敵を倒すのだが・・・。

解放された人々は口々に不満をもらす・・・いい報酬の仕事だったのに・・・地球侵略なんて関係ない・・・自分たちがよければいいじゃないか・・・なのである。

エレア「何を言われても・・・あなたは彼らを救わなければならない・・・あなたはこの世界の救世主なのだから・・・」

ま、キッドなら・・・こんなのやってられっかよ・・・と言いたいです。汚職と無関係の自衛隊の皆様、苦労多き任務ご苦労様です。

関連するキッドのブログ『第二話のレビュー

『ちりとてちん・3-5・第17回』今回は「掛取り」である。それにしても徳井優と軽々と渡り合う貫地谷しほり・・・毎回が驚嘆の連続だな・・・。それをニヤニヤ見つめる渡瀬恒彦おじいさん・・・。おじいさんか・・・もう・・・おじいさんなのか・・・。→3-4

日曜日に見る予定のテレビ『風林火山』(NHK総合)『ハタチの恋人』(TBSテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (2) | トラックバック (16)

2007年10月19日 (金)

口で言うより拳銃の方が早い。(仲間由紀恵)VSチョコレート・・・。(大塚寧々)VS・・・追い出してごらん。(草刈麻有)

うわあ・・・ついに捕まった・・・。っていうか木曜日・・・面白すぎるぞ・・・もう「ちりとてちん」メモだけに逃避したい気分だな。

視聴率至上主義、レビューは二本まで・・・という制約だと・・・①「医龍2」16.8%  ②「ジョシデカ」13.4%で問題ないのだが・・・「金八」も・・・実は3年B組金八先生第8シリーズは・・・本当は木九先生だと思うが・・・ちょっと捨てがたい。なぜなら・・・草刈正雄の娘の演じる森月美香(草刈麻有)が・・・赤の女王様・・・ではあるまいか・・・と思うからである。しかし、・・・ここはこらえて「教室から追い出せるものなら追い出してごらん」という美香のセリフから金田明男(教頭先生)もどきですごすご退場だーっ。三本立ては無理ですからーっ。

しかし。「教育」「医療」「犯罪」・・・テレビドラマの定番三本って・・・どんだけB級木曜日なんだ。

で、『ジョシデカ!-女子刑事-・第1回』(TBSテレビ・071018PM10~)脚本・秦建日子、演出・平野俊一を見た。なにしろ・・・脚本家が脚本家だから・・・ものすごい心配な作品だったのに・・・とても好発進である。もう、面白いのである。とにかく・・・風呂敷は広げられたのである。問題は「ドラゴン桜」のようにやりぬけるかどうかだな。ちなみに「アンフェア」は佐藤嗣麻子が脚本です。「花嫁は厄年」とか「鉄板少女」のように途中退場せずに最後までやりぬけるのかっ?・・・う、撃たないで~。

いきなり・・・畑山来実(はたけやま・くるみ)=仲間が撃たれる展開である。「畑山巡査が担当した最初の殺人事件」での出来事。

しかし、ドラマは即座にその一ヶ月後に遡るのだった。・・・ああ、もういきなり思わせぶりだよ・・・。いいけどね。ピン子さんが撃たれてるよりは・・・きっとね。それじゃ、ウイークエンダーもとりあげないしね・・・知るかっ。

検挙率ナンバーワンの刑事・桜華子(泉ピン子)は相棒をノイローゼにするほどの敏腕刑事である。所轄の刑事一同は影で「おばさんデカ」と呼び・・・煙たがっている。刑事課長の青山(益岡徹)もその一人だが・・・新人の頃に面倒見てもらったので・・・あまり強気になれないらしい。部下には吉井(大倉孝二)、本田(袴田吉彦)、高木(鈴木浩介・・・フクナガァァァァァァァァァァァァァァァ)などがいて・・・なかなか乙である。

隣の所轄では連続殺人事件が発生中である。それを伝えるニュースのアナウンサーは蜷川はるか(吉瀬美智子・・・またまた秘書じゃなぁぁぁぁぁい)である。

被害者は手のひらに「22」「15」「07」と書かれている・・・ロト6かっ。ま、思わせぶりである。

新しい相棒は新人刑事・畑山。警視庁でも噂の射撃の名手だが・・・指導教官・岩代(片平なぎさ)には「それ以外才能はまったくなし」なのであった。

そこに強盗事件発生。女とコンビを組むなんてまっぴら(自分は特別)という桜だが、仕方なく、現場へ。「三つ年上・・・つっこめ」などとまあまあ面白いやりとりを展開。

しかし・・・仲間は運転しながら話はできないタイプだった・・・。けれど、遠距離の路上の猫は発見できるのだった。

そして・・・強盗団の車を発見。追跡しながらタイヤに向けて発砲しようとする畑山を桜が制止・・・犯人を取り逃がすのだった。

ここまで快調だーっ。なんか、テレ朝の刑事ドラマテイストだけどーっ。しかし。嫌いじゃないーっ。しかもこのコンビはゴージャスだからーっ。仲間もイキイキーっ。やはり。嫁とかやっている場合じゃないなんだなーっ。

ずーっと研修時代のショートカットでもよかったのになーっ。

魅力的な仲間・・・久しぶりだなーっ。

しかし・・・少女時代から射撃の天才とか・・・家族がいなさそうとか・・・変な外国人・パク(リュ・シウォン)と過去に接点がありそうだとか・・・もう・・・思わせぶりの連打である。

聞き込み開始・・・。桜はパチンコ店勤務の前科のある男(いしだ壱成)にプレッシャーをかける。アリバイがあいまいな男。社会の偏見が更生の妨げになるという古典的なネタである。キッドはそういう偏見に耐えることも含めて更生だと思いますけどね。犯罪者は死ねというのと同じと思われても結構です。

パチンコ屋の店長にも恋人(入山法子・・・セクシーボイスアンドロボ・第五話からここ・・・シャブリ様用)にも前科を隠していた壱成・・・職場では自宅待機を命じられ、恋人からは別離宣言である。即効で自暴自棄になる壱成。服役者の逆ギレ・・・この作者の好きな展開である。キッドはこういう仕打ちも含めて罪をつぐなうのが更生だと重ねて思う。

とにかく・・・包丁取り出し、恋人人質にとって無理心中宣言・・・。刑事たちが現場にかけつけるが・・・壱成は逆上である。そこへ・・・強盗事件解決の一報。ここで・・・桜刑事は汚れに落ちるのだが・・・最初から汚れなので問題ない。ピン子さんの強みである。

そしてドジなのでおいてけぼりだった畑山が到着。「刑事の基本は折れない心」という指導教官の言葉を胸に発砲である。見事にナイフをはじきとばして・・・畑山「確保ーっ」である。ま、『踊る』へのオマージュ(パクリ)はそこかしこに散りばめられています。

人質から「ありがとう」と感謝される畑山・・・。事件が無事解決なので・・・おとがめなし・・・って壱成・・・お咎めなしはまずいだろう・・・。

そして・・・殺人事件発生・・・被害者は壱成の恋人・・・そして手のひらには「13」の文字が。

つづく・・・である。うわあ・・・思わせぶりの連打だが・・・「手術」のない医龍より・・・ずっとずっと面白いのでは・・・。

関連するキッドのブログ『功名が辻

で、『医龍2・第2回』(フジテレビ・071018PM10~)原作・乃木坂太郎、脚本・林宏司、演出・水田成英を見た。あえて・・・やさしい言葉で言うと「お金もちのための病院」を作りたい野口(岸部一徳)と「患者に貴賎はない」という朝田(坂口憲二)が対立。

今のところ、いわゆる「利益追求至上主義」の片岡(内田有紀)は「逆らう奴は潰す」とあえて言ってみる。前回・・・善悪定かでなかったように・・・今回・・・悪役のようで正体は見せない片岡だった。

お金持ちじゃないらしい患者・西沢(牟田悌三)の手術をしようとしたため、貧乏病院に飛ばされる水戸黄門と助さん格さんじゃなかった、朝田と藤吉(佐々木蔵之助)と伊集院(小池徹平)・・・。風車の弥七とかげろうお銀じゃなかった荒瀬(阿部サダヲ)と里原(水川あさみ)は残されてチームドラゴン解散である。

そして・・・貧乏病院には新たなる侍が・・・ひっひっひっと待っている模様。高橋一生とか、大塚寧々とか、佐藤二郎とかね・・・くりかえしっていうか・・・ふりだしに戻すパターンだな。

しかも・・・花君の霊感少年・・・じゃなかった西沢の孫(山本裕典)がテロをした以外・・・(警備が甘い)・・・しかも逮捕されないのか・・・人にペンキ撒くのは立派な犯罪だろう・・・ほとんどアクションはないのだった。海外からのポスト朝田を隠したり・・・なんだかスカスカの第2回・・・手術なしだと・・・主人公・・・ただのボンクラなんですけど。

今回の医術ベクトル。技術度 0 算術度 22  仁術度 15(キッドの妄想です)

とにかく・・・来週は手術しないとな・・・。

関連するキッドのブログ『第1回のレビュー

『ちりとてちん・3-4・第16回』とにかく・・・他人の家で一夜をあかしてしまう・・・喜代美・・・。心配でたまらない喜代美の母は・・・大阪へ・・・そして・・・鼻ひとつで行方不明の喜代美を発見してしまうのだった・・・もう・・・言うことなしのふざけた展開である。→3-3

土曜日に見る予定のテレビ『ガンダム00』(TBSテレビ)『ドリーム☆アゲイン』(日本テレビ)『フライトパニック』(フジテレビ)・・・よっちゃんと関めぐみ・・・攻撃の手を緩めないな・・・。

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (8) | トラックバック (18)

2007年10月18日 (木)

飛び道具ってずるいじゃないですかっ(菅野美穂)VSふっ・・・短時間勤務のくせに・・・。(釈由美子)

ま、菅野がウルトラマンなら釈はウルトラセブン・・・という妄想です。釈は「ヒミツの花園」でウルトラアイを装着していましたからーっ。

また、「働きマン」になるのが・・・短期間の松方(菅野)と生き方変幻自在の野川(釈)ですのでまさにマンVSセブンっぽいのです。夢の対決です。

もちろん・・・富江(菅野)VSイズコでも対決成立ですが・・・不死身の女と地獄の門番は出会えないという問題があります・・・もう誰もついてこないと思うぞ。

もちろん、イグアナの娘VSメカゴジラ・パイロットとしても対決可能です・・・もうワケがわかんないぞ・・・。

「本当のことを教えてください」VS「逃げる場所はありませんよ」という弁護士対決も可能だ・・・。

ともかく・・・誰が何と言おうと黄金カードなのでございます。

で、『働きマン・第2回』(日本テレビ・071017PM10~)原作・安野モヨコ、脚本・吉田智子、演出・南雲聖一を見た。奇をてらった演出というものがある。たとえば、今回、出演者はやたらとお茶の間(カメラ)に話しかけてくるのだが、これはドキュメンタリーの手法である。ドキュメンタリーでレポーターなどがテレビの向こう側つまり視聴者に語りかけるのは主観の強調である。「こういう事実がありますがこれはこうだと思います」と言うのが基本である。当然・・・それは押し付けがましい。また、「親しみの表現」という意味もある。「今、私がコレをやっているの・・・あなた見ているんですよね。なんだか照れ臭いな・・・」という表明をするのである。ま、媚を売っているとも言える。

・・・もちろん、手法は手法として適切に使えばある程度の効果はある。しかし・・・押し付けがましく(特に必要性がない)媚を売る(ドラマだからセリフであり本音ではない)としか受け取られない可能性大なので・・・お得ではない。

女流で・・・特にヒット作のない脚本家が最高のチャンスに挑んでいるのである。いろいろ、やってみたい気持ちや・・・やってみたがる演出家に逆らえない立場はわかるが・・・できたら・・・やめた方がいいと思うよ。

でも・・・意地を張って遣り通すなら・・・それはそれで・・・働きマンだな。

なんとなく・・・原作とくらべて・・・働きマン度が低い印象をうけるのはこの演出にも原因があると思うのである。働きマンはわき目もふらずに仕事に熱中するから働きマンなのであってお茶の間に語りかけたりしてはいけないのだ。そんなヒマがあったら働けよぉ。

女の又と書いて奴である。この場合の又は手の形であり、女が手仕事をしている姿を現す。つまり、働く女の意味で、これが奴隷の奴なのである。女の又の力と書いて努である。これは奴隷労働をさす。女の又の力の力と書いて努力である。つまり、奴隷労働力である。

男は・・・努力が苦手なのである。なまけものだからだ・・・。で、なるべく楽をしようとしてあらゆる手段で女と対等にならぬようにしてきたのである。ま、基本は暴力です。

しかし、社会が進展し・・・そうも言っていられない時代である。努力が苦手で・・・努力が嫌いな男にとってはまずい世の中になってきたのだな。

女だから仕事ができない時代から、女の方が仕事のできる時代へ・・・。仕事のできない男はみじめだ・・・。もう、努力しなければならないのだが・・・世の中は努力どころか・・・結果を求めたりするからな・・・。

そういう時代において「できる女のライバルはできる女である」のは当然であり・・・女を揶揄している「女の敵は女」は・・・通用しないと思うキッドなのだった。

そして・・・今回・・・原作者が描いた素材に基づき・・・脚本家が脚色し・・・・最高の女優二人を配置して・・・この物語は綴られていく。

女子力とか・・・姫力とか・・・そういう薄っぺらい言葉では語れない女が仕事をする時代なのである。そういう物語が寿退社で幕引きというのが・・・えーっなのだが・・・ま、人生は妙なものだからな・・・。

ずーっと続けられない職種の問題があるからな・・・。いや・・・続けさせてもらえないというか・・・たとえばアイドルとか・・・。しかし・・・実は永遠のアイドルという言葉が示す通りにアイドルでさえ・・・その気になれば一生の仕事なのかもしれない。

妊娠・出産・育児と仕事・・・この両立についてはもっと綿密な設計が必要な時代になったことはたしかである。しかし・・・年金使い込んじゃうような官僚がそのシステム設計を成し遂げるとは思えず・・・結局・・・そこでもまた自己責任と格差社会は拡大していくのだな・・・。

ま、そういう理屈はともかく・・・菅野の手をとった釈は無人の荒野を走り抜けて行くのだ。

ああ、いつまでも、いつまでもその姿を見ていたいよ・・・男だからーっ。

ちなみに『仁義なき戦い』の俳優名をベースにしているとおもわれる本作品。

松方は男優であるが・・・野川は女優である。

『仁義なき戦い・完結編』では・・・松方に父を殺された野川は松方の敵対組織の嫁となって・・・むふふである。

原作はそのくらいの殺伐さがいい感じ。それに対してドラマは広告代理店っぽいフレーズがちょっと鼻につく・・・。「自分らしく」といった歯の浮く言葉でまとめる安易さがせっかくのいい話を台無しにしている気がします。

この物語の本質は・・・男とか女とか・・・そんなの関係ない・・・というあたりにあるのです。

関連するキッドのブログ『第一話のレビュー

『ちりとてちん・3-3・第15回』今回は「くしゃみ講釈」である。怪しい落語家の向かいの蕎麦屋「寝床」で・・・洗面器の水をかぶった喜代美・・・いや、あの水の量は洗面器だろう・・・。ものすごい不自然だが・・・風邪をひいてしまいくしゃみ連発で朦朧としながら自分の半生と現状を語る貫地谷しほり・・・もう凄いなっ。→3-2

金曜日に見る予定のテレビ『歌姫』(TBSテレビ)、『モップガール』(テレビ朝日)、『ウルトラセブンX』(TBSテレビ)・・・うーん、どっちにする・・・三本立ては断固として拒否するぞーっ。

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (8) | トラックバック (15)

2007年10月17日 (水)

歴代総理大臣は伊藤博文、黒田清隆、山縣有朋・・・。(原幹恵)VS不潔ーっ。(香椎由宇)

「これは事件だっ・・・」(赤西仁)でも良かったのだが・・・ハニータイトルも続けたいし、バランスを考えると髪型そっくり大賞の白鹿(香椎)ははずせないのだった。

それよりも上戸彩のドラマ初回をパスする日が来るとは・・・。視聴率はまあまあ・・・なのだが・・・「おくさまは18歳」をストレートにやればいいのに・・・。石立鉄男→大泉洋は天然パーマつながりで面白いのにな。こういう中途半端なパクリはむずがゆいぞ・・・「暴れん坊ママ」・・・まあ、ともさかとか片瀬とか山口とか濃い目です。

夏ドラマは三本立てで望んだ・・・火曜日だが・・・消耗激しいので・・・二本までと決めました。

というわけで・・・視聴率トップの「有閑倶楽部」と・・・趣味の「キューティーハニー」で・・・。

で、『有閑倶楽部・第1回』(日本テレビ・071016PM10~)原作・一条ゆかり、脚本・江頭美智留、演出・大谷太郎を見た。かって月曜ドラマランドでドラマ化された時は国生さゆりが剣菱悠理を演じていた。ちなみに松竹梅は豊原功輔である。

ま、原作は有閑倶楽部のメンバー六人の集団劇といえなくはないが・・・あえて主役をあげると剣菱ということになる。そして、重要度でいえば菊正宗、白鹿、黄桜、グランマニエ、そして松竹梅という順になるだろう。

だから、松竹梅魅録を赤西仁で主役というのはかなり大胆なアレンジと言える。ま、ある意味、無理があるのである。

これは脚本が相当に頭を悩ます展開のはずだ。キャスティングの並びで言うと、菊正宗(横山裕・・・拝啓父上様からここ)、グランマニエ(田口淳之介・・・花嫁とパパからここ)、白鹿(香椎)、黄桜(鈴木えみ・・・嫌われ松子の一生からここ)、剣菱(美波・・・怪奇大作戦セカンドファイルからここ)である。・・・大変そうだ。

ともかく、キッドとしてはゲストが岩田さゆりなので何にも問題ないのだが、原作が剣菱を主役として描かれているゆえに・・・どうあがいても・・・剣菱が魅力的なのであり、そして美波は原作のキャラをいかんなくとらえて一番の大活躍をしてしまっている。ま、キッドはまったく問題なく、面白かったのだが・・・大食漢で富豪の娘でキュートで運動神経抜群でちょっとバカという少女マンガの基本パターンをすべて兼備しているキャラはつまらなくなりようがないのである。

もちろん、男三人もそれなりにがんばっているのだが・・・キャラが立っているとは言いがたいのではないだろうか。・・・今回、松竹梅中心の話でこうなのだから・・・原作のあのエピソードとか、あのエピソードなんかをやった場合・・・結構、ガクガクブルブルなキッドだった。

さて、ちょうど20年前の1987年第一刷の『有閑倶楽部【9】』が手元にある。キッドの義妹が大好きだったのだな。登場人物紹介を見ると剣菱は「日本有数の財閥の令嬢。じゃじゃ馬娘」となっている。ギリギリだな。白鹿野梨子は「茶道家元の娘。男ぎらい。囲碁の名人」である。今回のある意味「第一のオチ」担当と言える。なにしろ、松竹梅が歯がたたなかった悪人を一撃必殺なのだから。そして、黄桜は「宝石商の娘。ハデ好き。イロケ虫」である。・・・イロケ虫。もう・・・時空を超越したフレーズだが・・・このように剣菱に不足しているものを補う配置になっているのである。白鹿に「知性」が。黄桜に「お色気」が・・・。

で、実は男子もこれに対応しているのだな。菊正宗が「知性」、グランマニエが「お色気」である。だから松竹梅は実は裏・剣菱だ。そういう意味では原作的には剣菱の影となる役割なのである。さあ・・・お分かりですね。松竹梅が主役になるためには剣菱は目立ってはいけないはずなのである。

しかし・・・アクションといい、父(片岡鶴太郎)、母(かとうかず子)といい、食べ放題といい、原作のノリをあますとこなく伝え、剣菱が面白いのである。だけどきっとそれだと問題が派生するような気がするキッドは心配性なのか・・・。

このドラマ・・・この構造矛盾を抱えながら進行していくのは間違いないと思う。

それにしても・・・吉祥天女で地獄少女の岩田さゆり・・・すごくノーマルな役をしていても「いっぺん死んでみる・・・」と言いそうな怪しさが漂うのであるよ。ちなみにキューティーハニーの敵役・村上幸平は吉祥天女の怪しい魅力にとりつかれていました。

関連するキッドのブログ『吉祥天女

              『地獄少女

              『リンダリンダリンダ

Hcinhawaii0267 ごっこガーデン生徒会室。エリ寝顔が可愛いし、男山も可愛いし、おはようの挨拶も可愛いし、アメも可愛いし、もう、すべてがめっちゃかわいいのでスーっまこあんた誰っ?って思った剣菱になってるのデス・・・アンナアンナはね。まだHEROのことで頭がいっぱいだけどね。なんだかホッとする白鹿になってみたの。でも犬が主役なんだよねっmari赤西ロイドまだですかーっikasama4・・・ね、年賀状が・・・・・・月曜日が祭りなので今・・・萌えつき中デス・・・お気楽香椎さんは先生役やってたのに・・・鈴木さんはモップガールかと思った・・・美波さんは・・・ハーフ?・・・関係ないけど亀田、謝ればいいのに・・・

で、『キューティーハニー THE LIVE・第三回』(テレビ東京・071017AM1~)原作・永井豪、脚本・井上敏樹、演出・横山誠を見た。追い詰められた如月ハニー(原)だったが、戦闘中なのに怪人・中条(村上)に別件で電話が入ったので、早見(山本匠馬)に救助される・・・。

わはははははははは。

ああ、繰り返しのギャグも軽いジャブなのだな。

今回・・・特効薬は源さん(なぎら健壱)が裏の沼でとったカタツムリだった。ハニー痛快まるかじりである。

そして・・・先週、不慮の死を遂げたクラスメートのいる教室ではそんな気配を微塵も感じさせず、歴代総理をエンドレスで答えるハニー。褒められて机の上でダンスである。

しかし・・・ハニーが弱すぎるので・・・早見が特訓を呼びかけにくる。けれど、軟弱な早見はノックすらままならないのである。そこでピッチングマシーンで鉄球を打ち出す展開にハニー・・・ボコボコである。アクション・・・面白すぎっ。

そんな、ある日、源のホームレス仲間の松田(藤本道)が消息不明に・・・。手がかりを求めてハニーはナースに変身。松田が消息を絶った大天明病院に潜入する。ダイテンメイ病院ですよーっ。テンメイ様ーっ。

慈善を売り物にする病院だが・・・なにやら怪しい薬品を取り扱っている・・・。その薬品を注射された人間は異常な体力を身につけるのだった。

しかし、松田はひょっこり帰ってきた。プロ野球の入団テストを受けるという。彼は肩を傷めピッチャーだったのである。

さっそく、チアリーダーに変身して一人応援団をつとめるハニー。

松田はものすごい豪速球を投げ込む。そして腕もちぎれよと投げ込んだ決め球。球場は騒然である。腕ごとミットを突き抜けるボール。グ、グロテスク警報発令。

松田とともに救急車に乗り込んだハニー「松田さ~ん、松田さ~ん」と必死に呼びかけるハニーだったが・・・松田は息を引き取った。そして、救急隊員はパンサークローである。

左手が粒子砲の怪人が登場。例によってハニーはピンチに。

しかし・・・怒りに燃えたハニーはついに剣を取り出し、ハニーフラッシュで怪人を木っ端微塵に・・・。それを見守る新たなボス怪人・デューク渡(マーク武蔵)登場である。今度はバイリンガルなボスらしい・・・。意味あるのかっ?

それにしても・・・無垢なハニーの心に悲しみと怒りが芽生えるこの展開・・・クールじゃねえかーっ。もはや・・・論評の必要がないほど傑作である。

関連するキッドのブログ『第2回のレビュー

『ちりとてちん・3-2・第14回』エビの背わたどり人生におびえ、街をさまよう喜代美。彼女の苦悩を友達(原因)も母(原因)も理解できないところがまた素晴らしい。・・・ま、普通できないが・・・。渡瀬恒彦に出会い、泣いて歌って妄想して客引きしてお鍋をかぶる・・・貫地谷しほり全開である。いよっ。天才っ!→3-1

木曜日に見る予定のテレビ『医龍Team Medical Dragon 2』(フジテレビ)、『ジョシデカ!』(TBSテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。      

| | コメント (12) | トラックバック (22)

2007年10月16日 (火)

43回目、いくぞーっ。(福山雅治)&・・・もう・・・いかないでぇ・・・。(柴咲コウ)

久しぶりに妄想抜きのタイトルなのに・・・これかっ。エロオヤジかっ。

柴咲コウはとりあえず狙った獲物ははずさない視聴率ハンター&観客動員ハンターである。しかし、アナログテレビへの愛を捧げるこのブログへの登場回数は少ない。なぜなら・・・最近、出ないからである。

キッドにとっては中谷美紀のそっくりさん、「アナザヘヴンec」で佐伯日菜子と共演という初期イメージから、とにかく、なんでもあてるアーチストという現在のかなりモンスターなイメージまで、様々な柴咲コウが乱舞しているのであるが・・・「おいら、どろろだーい」もあるしな。

そして、ある意味、相手役の福山雅治も似たタイプである・・・だから・・・これはゴージャスといえる。

で、恒例の週末の視聴率チェックであるが、ドラマが半分ほどそろったので初回視聴率順位に変えてみた。

1位 24.7% 「ガリレオ」・・・ゴージャスだったのだ。

2位 21.0% 「医龍2」・・・これは水戸黄門である。

3位 15.7% 「働きマン」・・・安定している。

4位 13.5% 「さんまさみ」・・・きわどい。

さて・・・ここまではキッドがレビューしたドラマ。

5位 12.9% 「ドリ☆アゲ」・・・惜しい。

6位 10.7% 「ふくまる」・・・ハルハルの出番が少ない。

7位 10.2% 「モガ」・・・がんばってる。

8位 *9.4% 「歌姫」・・・危ないっ。

まあ・・・視聴率が絶対とはいわないがキッドはある程度視聴率至上主義。もちろん・・・ダメドラマの方がツッコミ入れやすいのだが・・・それを続けると虚しくなってくるからなぁ・・・秋ドラマはなるべく絶賛の方向で生きていきたいと思うのでございます。

で、『ガリレオ・第1回』(フジテレビ・071015PM9~)原作・東野圭吾、脚本・福田靖、演出・西谷弘を見た。まず、原作者の倫理観は結構ハードである。基本的には殺人を否定していないところが好感が持てる。もちろん、それは殺人礼賛ということではなくて、たとえば頭の悪い死刑反対論者のように「人が人を殺すなんて悪いに決まっている」と決め付けないという意味である。キッドは人が人を殺したいという欲望の存在を否定しない。現に人が人を殺しているからである。その抑止については様々なアプローチがあっていいのであり、たとえば殺人者を被害者遺族が殺したいと思うのは当然であるし、死刑を廃止するならその代償を考えなければならず、そういう発想がないのに死刑廃止を提唱する脳が不自由な人に組みする倫理観には攻撃の手を緩めないからである。

さて・・・一部の人たちが撤退したところで本題に入る。

ゲストが唐沢寿明であり・・・二重人格に近い異常性格者だ。もう、犯人は彼以外にありえず・・・物語の軸はコロンボ方式(倒叙ミステリ)にならざるを得ない。しかし、犯人の犯行方法は隠されている。ある意味、中途半端な展開だが・・・そこが楽しくもあり、また、気持ち悪くもある。しかし、ある程度の気持ち悪さをこらえられないと事件は解決しないのである。

怪現象が発生する。公園で騒いでいた不良少年グループの一人が毛髪から発火、頭蓋骨が炭化するほどの焼死体となる。その時、唐沢寿明(役名・金森龍男)が近所の屋内で携帯電話を使い怪しい操作をしている。とにかく、トリックがあり、仕掛け人は唐沢なのである。

しかし・・・たとえば、携帯でコンピューターを遠隔操作するという手法について常識外の人にとっては・・・何しているんだろう・・・ということになり・・・そういう意味ではあまり親切なドラマではないのだが・・・まあ、すべての人の常識に合わせるのは至難のワザだからな。

たとえばナイフの問題がある。ナイフは果物を切る時に便利だが、凶器にもなるのである。だから・・・規制が必要だという考え方がある。同様に、レーザーメスは医療行為に有効な道具だとしても凶器になるし、工業用の加工レーザーも凶器になり・・・そういうことをなるべく隠したいという気持ちがいろいろな立場の人に発生するのである。だから・・・すべてが終った後で再現しないでね・・・と番組は頼むのであるが・・・まあ、なんとなく自殺の人が電車で不特定多数の無関係な人と無理心中を計画する時代なので・・・受け入れられるかどうかは疑問なのだな。

今回のドラマ内事件ですぐに連想するのが、公園の噴水で子供たちの遊ぶ声がうるさいと苦情を発した市民の声に答えて公園管理当局が噴水がとめた事件である。その市民が噴水に爆弾を仕掛けなくて良かったと思うし、噴水を止められた子供もしくはその親が苦情市民の家に爆弾を仕掛けなければいいのになあと思う。どちらにしろ・・・恐怖はすぐそこにあるのである。ま、悪魔としてはケケケと笑うところです。

死体を発見した刑事グループは貝原北署の内海薫(柴咲)と先輩だがダメ刑事の弓削(品川祐)、そしてミステリーハンターの異名を持つ草薙(オレザクじゃなかった北村一輝)である。草薙は難事件を次々に解決した功績でいきなり本庁に転属なのである。女性にモテモテの刑事なので男性刑事は誰も見送りに来ないのだった。嫉妬である。

そして監察医(真矢ミキ)である。さすがにこのメンバーでは控え目なのだが、それでも「美人監察医」だとか「女の涙は武器よ」とかは譲らない。一番、油断がならない存在だ。

ここで、焼死体を見て、お約束のこみあげてくるもののシーンだが、弓削はトイレに吐きにいく・・・何年刑事やってんだ・・・しかし、内海はゲロを飲み込むのである。刑事根性も役者根性も見事だ。

草薙は「後継者になる」という内海が可愛くなったらしい。弓削にはまったく関心がないのは当然だが、内海にはかなり親切である。そして、秘中の秘である情報源を内海に伝授するのである。「宝物は埋もれている」と痴漢のおとり捜査で検挙者65名の内海を意味なく抱き寄せるのだった。

帝都大学(虚構的な東大の仮称)の准教授で物理学者・変人ガリレオこと湯川学(福山)の登場である。講義の受講者は女子学生のみで質問は「水を構成する分子は何かな?」女子大生A「酸素~」女子大生B「水素~」なのであるが、ゆとりか、ゆとりのキャンパスライフなのか。せめて「H~」「H~」「先生のH~」といった展開は・・・いらないか。

ここで、「マイクロ波で水分子に振動を起させ発熱させるための仮定要件」について質問されたニセ学生・内海は「マイクローゼット」と答えるのである。正解は福山の発音が悪いので聞き取れないがおそらく「電子レンジでチン」だと思う。本当は・・・お気楽様のところで「家庭用品は?」「マイ・クローゼット」「電子レンジだっ」という流れだったと知りました。・・・耳が遠いのに福山さんの発音のせいにしてすみません。・・・横文字に対する苦手意識もなっ。最近、電子レンジでチンは死語らしいし・・・。

それはさておき、湯川のことを愛しているし、女性にレンガでなぐられたこともある栗林(渡辺いっけい)は内海の接触を拒もうとするが、「街中で火の気がないのに突然、人間が燃え出して死んじゃったんです」「ありえないと思う」「オカルト」などと餌を巻き湯川の一本釣りに成功する。

さっそく現場を検証する湯川。たちまち、いくつかの発見をするが内海には教えない。「何かわかったんですか・・・」「ふふふふふふふふふ、ふははははははは、わっははははは。まったくわからない」なのであった。

子供に対して苦手意識がある湯川。これは湯川が根っからのロリコンで幼女と会話をすると何をしでかすかわからないからではないらしい。とにかく、通訳・内海を通して「空中に浮かぶ赤い糸の伝説」を入手したのである。しかも、三ヶ月前の七夕がからんでいるのである。都会なのだ。田舎だと八月に七夕だったりするからな・・・関係ないだろ。

事件を面白がる湯川に凡人として不謹慎なものを感じる内海。

「人が死んでいるんですよ」「それがどうしたっ」とは言わない湯川だった。

その代わりに「君は犬のウンチだ」と言うのである。ここでウンチの応酬があり、そこが食堂であることから・・・最後に「下品」のオチがあるが、フリオチの距離があるので視聴者に回収されたかどうかは謎である。

とにかく、金属加工用の炭酸ガスレーザー切断機を使用した犯行と見切った湯川は犯人に犯行の再現を仕向ける。まあ、キッドが犯人なら再現はしません。

しかし、唐沢はゲストなのでまんまと再現してしまい、張り込みをしていた内海に現行犯逮捕されてしまう。

事件は解決したように見えたが、ここで草薙が登場し、事件の奥行きが狭い・・・それじゃ、視聴率はとれないよ・・・と内海にアドバイスする。この辺り、ダンドリや、セリフ回しにちょっと難や不親切があるが目をつぶることにする。

実は内海刑事のキャラは働きマンの主人公とかぶっているのだが・・・秋ドラマ最高のかぶりであり・・・しかし、働きマンとしての刑事内海の描写はまずまずできているのだな。

だから・・・犯人の真実の姿に内海が目を向ける流れがややギクシャクするのである。(原作では内海のポジションに草薙がいることにも遠因があると推定)・・・しかし、まあ、些細なことだから。

さて、唐沢寿明は金属加工の技術者であり、目の不自由な人の朗読ボランティアをしている。

読んでいるのはヘルマン・ヘッセの『車輪の下』である。自らの才能に溺れて死にいたる若者の話であり・・・おそらく暗示的なのであろう。

明らかに唐沢は超越者モードにスイッチが入ってしまう異常者であり、その場合は社会のクズに人権など認めないのである。ま、心配し始めると、そういう人に感情移入するのは危険なのでほどほどにしましょうというテロップも必要だけどな。実験にだけ・・・テロップをつけるのは片手落ちだ・・・福田首相・・・その言葉は不適切ですので・・・なに・・・かた・・・て・・・あ・・・・訂正して・・・適切に処置します。(本日の国会中継が一部混入したことをお詫び申しあげます)

しかし・・・小心者を装い・・・「あんなことになるとは思わなかった」と減刑体勢に入るのだった。

事件は解決したのに予算を無視して犯行再現の実験を続ける湯川。内海は割り勘にしてもらいたいと粘るのだった。しかし、43回目にして実験は成功。・・・学生の中にまたしても福井博章を発見。日月登場かっ。売れているのかっ。

レーザーホーミング(可視光線による照準)とレーザー射撃との誤差。ミラーの位置と角度について手作業で修正していたのでは、ジオンが攻めてきてしまうではないか。・・・ガンダム禁止。・・・とにかく、その試行錯誤の必要性から・・・犯人の犯意を推理する湯川。

「犯人は(比喩的な意味で)42回も殺人未遂を犯した冷酷で残忍な人です・・・」

犯人に同情的だった内海の目から鱗が落ち、マフィアに家族を殺された刑事クラリスのようにベッドの下で震えていたキルビルの女殺し屋のように犯人を激しく憎悪するのであった。

犯人の心理しだいで態度を変えるなんて公僕としてはダメなのであるが・・・キッドは激しく萌え~なのであった。

ま、正体ばれたあと・・・唐沢にはとっておきの最後の一言がのぞましいのだが・・・たとえば「ヘッセには母親がいたけどハンスにはいなかった・・・原作通りにボクに目の不自由な妹がいれば話はまた変わったのに」とかね。

ともかく・・・豪華共演の二人の事件簿その1はつつがなく幕を閉じたのである。裸じゃない唇ってどんな感じ? ま、女性視聴者の場合、草薙と湯川というキスの相手の選択肢はあるわけですが・・・。被害者の友人「ちがうっ燃えたんだよぉぉぉ」もなかなかいい感じだったのだな。誰なのかしら。シャブリ様、仮説とか実証とかどうでもいいからぁ、教えて~。

さあ、テンメイ様はどうするのかなっと。

関連するキッドのブログ『Dr.コトー診療所

水曜日に見る予定のテレビ『働きマン』(日本テレビ)

『ちりとてちん・3-1・第13回』A子はどこまでもA子・・・B子はどこまでもB子・・・でもB子のお母さんにはそんなの関係ないんだよ・・・お母さんのためにいい子でいたいのに・・・いい子になれないのはお母さんのせいだって思ってしまうところがまた人間なんだよなぁ・・・。ママのエビチリ食べたいなぁ。→2-6

水曜日に見る予定のテレビ『働きマン』(日本テレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (13) | トラックバック (31)

2007年10月15日 (月)

・・・ああ・・・時の涙が見えまする・・・。(柴本幸)VS結局、パパなんでしょう?(長澤まさみ)

しかし・・・企画ってさぁ。困るんだよねえ。さんまさんは使いたい・・・でも・・・相手が同世代の女優じゃあ・・・って誰かが思うわけだよね。でも渡辺えり子、伊藤蘭、高橋恵子、上沼恵美子、田中裕子、永島暎子、麻丘めぐみ、竹内まりあ(さんまさんと同年生まれの皆さん)じゃ、だめだってどうして思うのかな。そのあたり・・・根本的に考えてみたらどうだ・・・。だってこの企画ってさんまさんと同年代のまさみ好きの男にしか・・・受けないのでは?

もちろん・・・そういう企画あってもいいけど・・・織田・上野で大惨敗した後で・・・よくまあ・・・と思います。

意地か・・・誰かの意地なのか?

一方、もはや、スタッフが楽しんでいるとしか思えない・・・やりたい放題の大河ドラマ。ついに勘助が「お約束」させられましたぞーっ。しかも・・・自暴自棄で斬り込みって・・・しかも・・・無敵って・・・わはははははは。

で、『風林火山・第41回』(NHK総合071914PM8~)原作・井上靖、脚本・大森寿美男、演出・清水一彦を見た。例によってシナリオにそったレビューはikasama4様を推奨します。今回は忍びの者恋愛模様に、第二次川中島の合戦(犀川の戦い)完全攻略マップ付でさらに盛り上がっている展開です。まさに、さよなら、由布姫大全集です。姫のイラストも書いてほしい気もしますが、できれば秋山とか・・・直江も書いてもらいたい・・・でも、そうするとH☆Cメンバーで遊べないしな・・・。

Shinanoechigo1555 で、今回は真理姫が登場する。木曽義昌の正室となる武田信玄の三女だが・・・母親が誰なのか分からない姫である。今回、ドラマでは油川夫人(於琴姫=紺野まひる)の長女という説を採用している。キッドとしてはいろいろと妄想が膨らむポイントである。まず、信玄が姫たちの侍女にお手つきした・・・という可能性がある。なにしろ・・・ミツにまで手を出そうとした今回の晴信なのでありえることである。

塩尻峠から林城攻めの間の休戦期間に仕込まれた姫なので・・・もう・・・由布姫の子であってもおかしくない。真理姫は義昌が勝頼を裏切った後で離別するのだが、これも同母妹なら頷ける話だ。さらに信玄が酒色に耽溺しているとなれば由布姫母の麻績夫人の可能性も・・・それはないか・・・。

ここで、キッドがもっとも妄想するのは根津夫人の姉妹説である。根津夫人は七郎武田信清の母であるが・・・由布姫とほぼ同じ時期に越し入れしているのに10年以上子がないのである。そこで、真理姫を生んだ根津夫人姉と信清を生んだ根津夫人妹がいるのではないかと妄想する。同じ異母妹でも諏訪にて勝頼と兄妹として育った可能性があり・・・やはり納得できる武田滅亡後のふるまいなのである。

真理姫は義昌の下へ長男・義利を残して隠遁生活をしたのだが・・・木曽家が下総の小領主になり、そこも義利の代で改易されると・・・老母・真理姫の元で暮らしたという。親孝行なんだか不肖の息子なのか・・・わからない末路であるよ。

さて、今回、多方面作戦になってしまう武田軍。しかし、それだけ余裕が出てきたのである。由布姫の予言で木曽攻めに向かう信玄。ドラマ的には死期の迫った男まさりの由布姫に決断を預ける晴信がなかなか粋なのであるが、実際は第二次川中島の合戦勃発の前年の1554年には三方向で戦をしていたのである。

まず、武田信廉の影武者部隊が秋山信友らと伊那の残党掃討戦に。次に嫡男・義信は飯富氏に守られてまたしても反乱した佐久鎮圧。そして、武田信繁を中核にした主力部隊は犀川以南の旧村上領で善光寺攻略を目指していたのである。

伊那方面軍は大島城に篭る小笠原長時の弟・信定を降伏させ、さらに南下、飯田付近の土豪・知久氏を伊那神之峰城で撃破。ほぼ伊那を制圧すると、伊那と筑摩の中間にある御嶽山のふもとの木曽一族に圧力を加えた。

何しろ、自称・源(木曽)義仲の末裔を誇る木曽一族である。信濃全土が武田の勢力範囲になっても武家の意地を通そうとするのである。なかなかのものなのだが、要するに伊那方面軍がついでに攻略できてしまう弱小勢力なのである。名門なのですが・・・。ま、ドラマでは山本勘助一人で攻略しそうでしたが・・・そこまではね。

とにかく、木曽義康は筑摩(馬場の深志城)、伊那(秋山の長姫城)の武田軍に木曽福島城を包囲される形勢となり、降伏。しかし、武田から嫁をもらうという好条件で陣営に入ります。この時、義昌15才、真理姫5才でした・・・。

上杉謙信の南下は伊那と佐久の信濃の反乱を当てにしてのことだったとも考えられ、双方が晴信の弟・信廉と嫡男・義信に鎮圧されて、後方撹乱に失敗・・・長期対陣になってしまったのだとキッドは妄想しました。

関連するキッドのブログ『第40回のレビュー

で、『ハタチの恋人・第一話』(TBSテレビ071014PM9~)脚本・吉田紀子、演出・清弘誠も見た。とにかく・・・「冗談じゃない」がまったく冗談じゃなかったので・・・すごく心配していたのだが・・・逆に普通に面白かったのである。しかし・・・心配しすぎで面白いような気がしただけかも知れず・・・微妙なのだな。

まず、ラブコメの鉄則である「変な人が普通の恋をする」というハードルはクリアしている。

この「変」も、そして「普通」も微妙なのであるが・・・ま、明石家さんまは「変」と言ってもいいだろうし、長澤まさみに恋するのは「普通」であると言ってもいいだろう。

「冗談」の失敗は「変じゃない」織田が「普通じゃない」上野に恋をしているから失敗なのだ。もちろん、「変」な上野が織田に「普通」に恋をすればギリギリセーフだったのだな。

さあ、今回はざっと構成を述べるだけにしておく。主にフリのみの第1回だからである。

まずは主人公・圭祐(さんま)の紹介である。これにおよそ10分をついやすのである。部下とカラオケに来て最初から最後まで自分の初恋を語る・・・しかもうんざりするほど度々である・・・語る上司は・・・充分に変であるが・・・きっと最果ての地・大阪では珍しくないのかもしれない。ま、落語家だから、そのぐらいの話芸はあっていいのだが・・・台本的にはあと一歩だったかな。脱落した客もいるかもねえ。

サザン→チェッカーズ→ユーミン→山下達郎って誰の青春なんだ・・・しかも三部作じゃないし。

とにかく、大阪と東京の小泉今日子との遠距離恋愛に破れ・・・地元の森下愛子と結婚して円満な家庭を構築した男なのである。夫婦仲といい子供たちとの仲といい、不倫の入り込む余地なし・・・のところがなかなかだ。長女の理沙(黒瀬真奈美)が一家の中で一人だけ気鬱なところがキッドはツボだった。

さて、恋の相手である長澤まさみは就職の決まらない専門学校生。グラフィックデザイナー志望らしい。母・小泉今日子は美容師で沢田エリ。未婚の母である。娘が沢田ユリなのは単に紛らわしいのだが・・・ユリと書いてエリと読めるためだけの名前ってなんだかイヤだ。

ま、それはそれとして男友達(塚本高史)である。二枚目にいきかけてまたこのポジションに戻ってきたのだな。このワクでのまきまきとの黒歴史がそうさせたのか。

とにかく、母子家庭で経済的に苦しいユリはホテルのルームサービスのアルバイトである。コンビニの期限切れ弁当を主食とする苦学生なのである。

そして・・・外資系の会社である圭祐は本社で横文字ミーティングに参加するために毎週、出張なのである。しかも、会議で・・・出たな・・・福井博章・・・セーラー服組員、どM教師の同僚を経てココである・・・に使用言語の意味を問うダメ社員である・・・だ、大丈夫か。

こういう交通・宿泊費のムダ使いをしている会社・・・まだあるのか?・・・などの疑問にヒヤリとするが・・・まあ、もうこのワクのこういうダメっぷりを指摘しだすとキリがないからな。

さあ、二人が出会うお膳立てはそろった。どう考えても実の娘の可能性のある初恋の人にそっくりな娘に・・・ちょっとアホな中年男が恋する瞬間待ちである。

しかし、焦らします。焦らすポイントが市村正親・・・圭祐の旧友で昔は貧乏だったけれど、今は売れっ子小説家年収三億円の男・風太である。

豪華スゥイートルームに常泊する風太。風太に就職のことを頼もうと思い接近するユリ。そして風太の部屋にたまたま宿泊した圭祐。

正体を誤解されたまま・・・圭祐はついに初恋の人のそっくりさんに出会った。

うーん・・・初回はどうにか乗り切ったが・・・この話・・・持つのか・・・。

関連するキッドのブログ『プロポーズ大作戦

で、『ヅラ刑事・頭上最大の決戦』ももちろん見た。ヌーブラ刑事(北川弘美)の逮捕テクニック最高っ・・・と言っておく。

火曜日に見る予定のテレビ『キューティーハニー』(テレビ東京)『有閑倶楽部』(日本テレビ)『暴れん坊ママ』『スワンの馬鹿!(以下略)』(フジテレビ)・・・来たな火曜日・・・レビューは一日二本までって決めておきたい・・・。

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (6) | トラックバック (26)

2007年10月14日 (日)

喧嘩両成敗だ。上意に逆らう者は手討に処する・・・。(ガンダム職人)

「300年続いた武力紛争がたった1回の武力介入で解決するかよっ」と300年後の名もない人がつぶやくのだが、セイロン島におけるシンハラ族(上座仏教徒)とタミル族(ヒンドゥー教徒)の争いは2200年前から継続しているので2500年前からという方が正しい。

で、比較的平和だったのが、圧倒的な武力でイギリス連邦が植民地化している間である。

早い話がインドにおけるアーリア(シンハラ)人とドラヴィダ(タミル)人の戦争がこの島では現在も継続中なのだな。

現在の国名スリランカはシンハラ語で「輝く島」である。少数民族のタミル人は国名からして面白くないのだ。

で、当然、この紛争の背後にはインド亜大陸の事情がからんでくる。スリランカの通貨はスリランカ・ルピーだ。

政府軍(シンハラ)がゲリラ(タミル)の拠点を空爆は常套手段だが、今年3月にはゲリラが政府軍基地を空爆したりしている。テロリズムとしては模範的な凶悪ぶりで少年を拉致して兵士に仕上げるという「少年兵問題」の本家である。共産主義的毛沢東思想の猛威はまだこんなところで害毒をもたらしている。

キッドとしては問題根絶のためにはセイロン島ごと熱核攻撃処理しかないと妄想することがある。昨年から発生している東部州での戦闘は現在も継続中。ゲリラ勢力は微弱ながら海軍力も持っていてインドとセイロン島間の海路に対する襲撃事件も起っている。・・・ま、要するに「ソレスタルビーイング」のターゲットとして相応しい背景条件ということなのだな・・・。

こんなに面白いのだから「ドリ☆アゲ」なんてどうでもいいよね。ま、お気楽様に迎合したわけではありません。ま、ikasama4様の穿った見方にはしびれましたが。アンナ様には意外に受けています。ポイズンに浮気の虫・・・? さらにエリ様にも好評・・・結局・・・反町なのか。反町ならある程度OK?

で、『機動戦士ガンダム00・#02・ガンダムマイスター』(TBSテレビ・071013PM6~)脚本・黒田洋介、演出・ヤマトナオミチを見た。24世紀セイロン島は旧政府軍(シンハラ)と独立解放軍(タミル)による内戦状態になっている。ちなみに日本は三大勢力の一つユニオンの経済特区になっているらしい。独立解放軍には人類革新連盟(ロシア・中国・インド合同勢力=人革連)が支援をしているが、実質は派兵である。機動兵器として人革連の主力兵器である鉄人Aや鉄人LCが大量投入され、装備におとるアンフ(これも人革連製)やヘリオン(新ヨーロッパ連合=AEU製)などの旧型兵器しか持たない旧政府軍を圧倒している最前線。それにしても300年後も紛争を継続させられているセイロン島民あわれ・・・。怒らないでください・・・。

武力による戦争根絶の理想を掲げた謎の組織「ソレスタル・ビーイング=CB」はこの紛争地帯に宇宙と海上から超次世代兵器であるガンダムを派遣する。

その攻撃力は圧倒的である。MSエクシアとMSデュナメスのCB地球部隊の支援をしているのが華僑的な富豪なので・・・CBの独善的性格が推察できる。CBは22世紀にすでに創立していたらしい。活動開始まで200年・・・なかなかに根気のある組織だ。

旧政府軍を包囲攻撃するゲリラ側支援の人革連の派兵部隊。そこへ来襲するMSエクシア「オレがガンダムだ・・・紛争を確認・・・根絶する・・・」と主人公・刹那は自己暗示をかけるように戦闘開始である。強い。強すぎる・・・っていうかティエレン(鉄人)弱すぎ・・・である。鈍重な動きの鉄人戦隊をたちまち撃破する刹那。鉄人長距離射撃タイプの大型カノン砲直撃も効果なし。「なんという装甲なんだ・・・」お約束である。

上空からはMSデュナメスが支援攻撃・・・ほぼ壊滅する人革連の派遣部隊。退却する部隊を見逃す刹那・・・甘いな・・・と思っていると調子に乗ったゲリラ軍が追撃を開始。これは見逃さずに薙ぎ払う刹那だった。

一方、派遣軍の補給基地には可変MAキュリオスが爆撃を慣行。パイロットのアレルヤは「これで稀代の殺戮者だ」と言いながらMS形態になって残敵を掃討である。

そして、派遣軍補給艦にはMSヴァーチェが対応。ビームバズーカ砲の一撃で撃沈する。

「ひょっとしたらガンダムを捕獲できるかも」と思っていた人革連幹部・・・蒼白である。

一方、ガンダムの魅力に好意を持ったユニオンのエース・パイロット・グラハムは帰路のエクシアを待ち伏せ攻撃である。MSユニオンフラッグVSMガンダムエクシア・・・。そろそろ、互角の戦いというものを見たいものだな・・・。予想されるセリフ「君の実力ではない。モビルスーツの性能のおかげだということを・・・」・・・ともかく変革には痛みを伴うとアル中艦長がつぶやきながら・・・つづくである。どうやら憎しみを一手に引き受ける奉仕作戦らしい。

関連するキッド『第1回のレビュー

で、『ハリ系・第一話』(日本テレビ・071014AM0105~)原作・オイカワショータロー(他)、脚本・中津留章仁、演出・河原雅彦を見た。「サタデーTVラボ」の深夜ドラマ第一弾。サル系と呼ばれる人間とハリ系(ハリネズミから進化した生物・人工比はサル系:ハリ系=100:1)の共存する社会での種族外恋愛を描いたファンタジー・・・らしい。まあ・・・小劇団的というか・・・小芝居の臭いがプンプンする。

中津留・河原とは視聴率的には悪名高い「下北サンデーズ」関係者。まあ、このあたりで細々とやるのはいいかもしれんね。

ハリネズミのジレンマ・・・愛そうすると針が痛い・・・を連想する小心者のハリ系男子・ハリ彦(中村友也)は優柔不断で決断を他人に委ねる傾向のあるダメハリ系人間。そのダメさのために恋人・ハリ奈(阿井莉沙)にふられてしまう。その時の模様。「ねえ、次何する?」「ハリ奈のしたいことなら何でもいいよ」「じゃ、別れて」なのであった。

ハリ彦の仕事は鍼灸師である。師匠(もたいまさこ)は名人らしい。カレーと胡瓜の浅漬けが好物らしい。

なんとか、ハリ奈との交際を復活したいと思うハリ彦だったが、ハリ奈は新しい恋人とルンルンなのであった。訪問告白作戦もピンポンダッシュに終るのだった。

そんなハリ彦は公園で彼氏とチューしていた人間の女の子・すず子(村川絵梨)に土手で再会。夕日をスケッチしていた彼女に恋をしてウニ系になってしまうのだった。

ま、風のハルカでニコの姉の村川絵梨が出ていなかったら見なかったな。

関連するキッドのブログ『セクシーボイスアンドロボ

で、『もうひとつの象の背中・第一話』(テレビ朝日・071014AM0125~)脚本・遠藤察男、演出・木内麻由美を見た。秋元康原作の映画「象の背中」の宣伝ドラマである。

おそらくオムニバスなのだが、今回は五代目・実写版・黒井ミサ(吉野公佳→佐伯日菜子→加藤夏希→上野なつひ→映画「エコエコアザラクR-oage」)の近野成美が主役なので一応見てみた。ちなみに元「おはガールフルーツポンチ」のメンバーである。

女子高生・飛鳥(近野)は父親(渡辺いっけい)の再婚に不満があった。・・・古典すぎるだろ。その腹いせにコンビニで仲間と一緒に万引き・・・。一人だけ捕まってしまう。

大人顔でもう19才・・・そして前半はすねて悪意に満ちた表情の連打でなんちゃって女子高生不成立なのであるが・・・後半は力技でなんとか成立しました。

停学処分になり教師に注意を受けた後で父親と顔を合わせた飛鳥。素直になれない飛鳥は「説教なんか聞きたくない」と反抗的な態度に出るのだが・・・父親は心ここにない様子。

「お父さん・・・末期ガンで余命半年なんだ・・・」「えーっ」である。

「なんで、こんなときに言うのよ」「じゃ、いつ言えばいいんだ?」

なのであった。たちまち・・・父親への愛がこみあげる飛鳥。黒板に「ごめんね」と書きました。

「いつも見ているよ・・・仕事でいつも一緒にいられなかったけど・・・死んだらいつも一緒にいるから・・・」

「私・・・義理のお母さんと暮らす・・・その方が様子を見るの・・・楽でしょ・・・」

涙の和解。写メで記念撮影。父娘抱擁である。

・・・ま、映画「象の背中」は多分、見ないな。

ちなみに近野はドラマ版「アキハバラ@DEEP」の第五話のゲストで自殺サイトがらみのミズキ役をやっています。

美人なんだけどきっと要ウエイトコントロールだな。

『ちりとてちん・2-6・第12回』祖母は餞別に三味線をくれた「最後までやり通した」から。あてもなくふるさとを飛び出して大阪へ向かう喜代美。ま、ルポライターとA子が二食くらいは恵んでくれるのか。母は「カラオケ熱唱」で娘を見送り「いつでも帰っておいでふるさとはここにある」から。「母みたいになりたくない」と汽車に飛び乗った娘は窓から「おかあちゃーん」と絶叫である・・・似たもの母娘なのだった。列車の乗客はじっと身をかがめ・・・恐怖に震えるのだった。ミラクルボイスだからである。こんなおバカな展開の朝ドラマ・・・大丈夫か・・・。ま・・・東京生まれだと・・・ニューヨークに行くしかないのだよなあ。ハードル高いよ。→2-5

月曜日に見る予定のテレビ『ガリレオ』(フジテレビ)

★★★★★岡田ひとみテレビ出演情報★★★★★

ねん☆ドル岡田ひとみが『からだのちから』(NHK教育・071013AM7~)に登場。

子供たちにミニチュアフード作りを伝授しましたーっ。

手仕事の楽しさを伝えるこの番組。今回のお題は「餃子」でしたーっ。

再放送は10月14日(日)午後5時からあるよーっ。

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (0) | トラックバック (3)

2007年10月13日 (土)

だまされないで・・・だまされている人の言葉はウソだから・・・。(加賀美早紀)

初回だから・・・ということでドラマを必ずとりあげる・・・という決めがあるわけではないのだが、ずーっと続けてきた展開。これは一種の惰性なのかもしれない。特に金曜のドラマは・・・夏シーズン厳しかったからなぁ。

で、思い切って「歌姫」と「モップガール」は切ってみた。・・・うそーっ。

もちろん、長瀬くんのドラマだから、見るし、北川景子はほぼ新人なので、見ることは見る。ファンタジーだしね。しかし、レビューはまだ、しません。まこ様、こらえてつかーさい。

そして・・・面白くなってきたらレビューしてみたい。

だって今回はむぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっな気分なのである。

で、『ULTRASEVEN X・第2回』(TBSテレビ・071013AM0240~)脚本・太田愛、監督・八木毅を見た。

謎につつまれたウルトラセブンXの世界。まるで「死者の舞踏」のような人類の生活。まさに古臭い未来が展開しているのである。タイトルを「おへそで茶を沸かしたら火傷するぞ」にしたくなるような名セリフ「根っこでも生えたのか。植木鉢いるか?」もなんのその・・・。キッドの妄想的には堪能です。まず、ウルトラマンシリーズ防衛論的な発想を紹介しておきます。かいつまんでいうと、それは冷戦構造の寓話だということです。科学特捜隊やウルトラ警備隊は「自衛隊」、ウルトラマンは「米軍」、怪獣や宇宙人は「社会主義国陣営」ということです。

そういう意味で今回の話はまさに「アレ」の話なのです。

最初にNHKスペシャル「北朝鮮帰国船~知られざる半世紀の記録」(NHK総合・071008PM10~)に触れておく。いわずと知れた在日朝鮮人が祖国に夢と希望を抱きながら底辺の奴隷としてあるいは身代金目的の人質として帰国していった人間残酷物語である。まるで送り出した側の日本政府にも非があるような公正にしようとしてかえって不公正になる論調もあった番組だったが、とにかく北朝鮮が国家とは名ばかりの巨大犯罪組織であるという一端はあますことなく伝えていたと考える。

そこで「パッチギ!」である。青春映画の佳作だが、井筒監督がどのように弁明しようと「帰国事業」に儚い夢を描く在日朝鮮人をとりあげながら・・・その実態についてまったくとりあげないで・・・つまり、騙されてたままで映画をしめくくったのはかなり、冒険だったと考える。下手をすれば「帰国事業」が薔薇色のままだったと誤解を招きかねない展開である。事情を知らなければ恋人の出産で夢をあきらめた在日朝鮮人が実は命拾いをしたという皮肉がまったくきかないのである。そして、さらに言えばできれば今でも薔薇色だったと主張する政治宣伝だと誤解を招くおそれさえあるのだな。

さあ、ようやく、ウルトラセブンである。

未来都市の住人の一人・エリコ(宮下ともみ)は日常生活に疲れていた。やや過剰な管理社会に所属するエリコは、世界の供給する幸福に馴染めなかったのである。おいしいものを食べなさい。孤独にならないように注意しなさい。と絶えず指示する管理機構。仕事を終えて帰宅しメッセージを伝えるモニターを空きチャンネルの砂嵐のノイズに切り替えるエリコ。突然、彼女は深夜の街に飛び出し、タクシーの運転手に「早くして、早くしないと、船が出てしまう」と告げる。

深夜の船着場。集まった人々は頭上からの光線に包まれ消え去るのだった。

エイリアンによるアブダクション(拉致)として事件解決を命じられたジン(与座重理久)とケイ(脇坂智史)・・・二人の前に行方不明だったエージェントのRが現れる。

人々の拉致への集合は彼が仕掛けた潜在意識へのメッセージによって達成されていた。

愛していた妻を自殺で失ったRはこの世界から逃避したい気持ちに心を支配されエイリアンの誘惑に乗ったらしい。

「我々は誘拐なんてしていない。この世界から脱出したいと願う人々に呼びかけただけだ。彼らは自ら望んで旅立ったのだ」というR。

もちろん、旅立った先で人々がどうなるのかの説明はまったくない。その上、突然、Rはウルトラアイをジンから略奪するのである。

「こんなもののいらない世界が待っている。本当の自分を取り戻すために一緒に行こう」と言うRに「君が彼らを信じるというのならば・・・そんなものは必要ないだろう」と答えるジン。

Rの中に躊躇が生じる。彼は幸福を約束する神(エイリアン)を試してみたい誘惑にかられる。そして、ウルトラアイをジンに返却する。その刹那、エイリアンの巨大な未確認飛行物体はRを抹殺する。

もちろん、このエイリアンは金王朝の支配する悪の帝国朝鮮民主主義人民共和国のシンボルに他ならない。変身したウルトラセブンはワイドショットの一撃でエイリアンの船を壊滅させる。

できることなら・・・あの悪辣な支配者を・・・壊滅させてしまいたい・・・拉致被害者の家族の心情。怒りをこれほどにストレートに表現したフィクションは見事である。

「パッチギ!」が偽善に満ちた創作であり・・・エリカの今もすべてそのせいだと思いたくなるような本作品の出来ばえなのである。トレビアン!

しかし・・・こんな傑作が夜中ひっそりとやっていることがまた・・・この問題の微妙なところなのだな。なぜならこの問題には罪人ではない人の方がずっと少ない・・・というジレンマが内包されているのだから。

それにしてもエレア(加賀美)のセリフ。まさに鶴の一声だったな。どこに潜んでいたのだっ。

関連するキッドのブログ『報道スペシャル・再会~横田めぐみさんの願い~

               『不審船を追え!国境の海を守る男たち

               『ウルトラセブンX第一話

『ちりとてちん・2-5・第11回』裏方向きの人は裏方向が好きとは限らない。でも裏方でいることが泣くほど悲しいなら・・・裏方にならない方がいいと思う。もちろん、裏方の経験はかならず表舞台で役立つ・・・と思う。→2-4

日曜日に見る予定のテレビ『風林火山』(NHK総合)『ハタチの恋人』(TBSテレビ)『テレビスペシャル・ヅラ刑事・頭上最大の決戦』(フジテレビ)・・・いい加減にしてくれよぉぉぉぉ。

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2007年10月12日 (金)

朝田っ。(池田鉄洋)龍太郎っ。(小池徹平)・・・リンダリンダァ、リンダリンダリンダァァアッ。(ペ・ドゥナ&香椎由宇&前田亜季・関根史織)

・・・本格的に殺しに来ているな・・・秋ドラマめーっ。

しかもテレビ東京の深夜映画が連動しているのである。こうなると「本当に生きているとギラリと光る」金八はパスだな。演出が今井夏木となってギラリとしているのだが・・・もう限界だわーっ。ま、生徒たちの名前と顔が一致してきたら・・・1回くらいは触れないとなぁ・・・。前シリーズは福田沙紀、岩田さゆり、黒川智花と渋いトリオだったのだが・・・今回はペアかな・・・。ジャニーズJr.も大量投入だしな・・・。

だから・・・今夜は「医龍2」と「リンダリンダリンダ」である。

で、『医龍 Team Medical Dragon 2・KARTE1』(フジテレビ・071011PM9~)脚本・林宏司、演出・水田成英を見た。原案や、原作コミックがあるのだが、第2シリーズはオリジナルストーリーらしい。初回2時間18分スペシャルは視聴率21.0%を獲得。第1シリーズの平均視聴率14.8%を大きく上回っている。お気楽プロ社長や、平成財閥医師団長のシャブリ様(妄想)の不評ぶりにもかかわらず・・・前評判高しの面白さである。

まあ、第1シリーズのメンバーがほぼ味方として登場し、肉体系ブラックジャックがどんどん困難になっていく手術を神業で処理していくという脳天気な展開が・・・楽しいからだと思うのですが・・・。

さて、第一シリーズはキツネ目の女、全員集合だったこのドラマ(夏木マリ、稲森いずみ、水川あさみ)だったのですが、稲森が抜けて、内田有紀の登場です。キツネ2、タヌキ1です。しかし、一回目はゲスト患者・りょうなのでキツネ1が追加され、このドラマのキツネ目に対する並々ならぬこだわりが感じられます。

さて、タヌキですので・・・やはり、よからぬことをたくらみます。

内田有紀の演技者としての評価は一般的には微妙なのですが、キッドは高く評価しています。途中まで善意の第三者を演じながら、実は黒幕というのは意外と難しい。完全に騙しに入ってもよいのですが・・・今回はセリフには一切そういう部分がないのに「何かたくらんでいる」というムードをプンプン漂わせていました。いわゆる目が笑っていない演技です。このあたりでおそらく評価が分かれるでしょう。

前にも書いたけど、内田有紀は「子供の時に家出して野外で寝起きした経験」があるタイプ。ちょっとこわいもの知らずでしかもしたたかという感性を持っています。こういうタイプは「こわさ」を秘めていますので、魅力的と感じる人と、反発を感じる人が大きく分かれるのですね。

今回はドラマ的には敵役のポジションでいい感じに思いました。

ちなみに、バチスタチームドラゴンの内科担当・藤吉(佐々木蔵之助)とチームドラゴンのライバル医師・霧島(オレザクじゃなくて北村一輝)と謎の女・片岡(内田)のトリオを見るとバンビ~ノを連想してしまう人は多いと思うのでございます。

そして、「相棒」がスタートすると水曜日木曜日は岸部一徳が善悪の狭間でリスクを管理する姿がかぶります。

さあ、本題に入ります。医学ものの古典テーマは「医は仁術なり」というものです。実はこのテーマは次の二つの裏を持っています。「医は技術なり」というものと「医は算術なり」というもの。

「ブラックジャック」は「神のような手術の技術と超高額な治療費請求」がセットになっています。ところが・・・実はハートウォーミングなキャラというところがミソなわけです。

「赤ひげ」は名医ですが・・・「技術」が及ばなかったり、「貧困」に勝てなかったり・・・仁術以外のところでは敗退するところがミソなのです。

「ブラックジャックによろしく」はそういう高度な問題ではなく・・・普通の医者になるだけで精一杯なんだよ・・・という話ですし、「ER」はそういうすべてのものをただただ切り取っていく話です。「Dr.コトー」は希少価値の話です。さあ、それでは「医龍」はどんな話なのか。

それを解説するのが、木原(池田鉄洋)と伊集院(小池徹平)のデコボココンビ。凸は髪型的に凸なのですが、とにかく、事情通です。誰に向かってかは知らないのですか、とにかくあらゆるものを説明します。「今、病院経営は苦境に立たされている」とか「教授はワインが好きだ」とか「いわゆるコンマコンマの指サインは外資系の医薬情報担当者が最近よく使う挨拶だ」とか「目に血が入ったら痛い」とか・・・役にたつかどうかは別にして何でも知っている男です。

凹は身長的にもそうですが、心が凹みます。いろいろなことが信じられないのです。たとえば、自分の技術が信じられなかったり、技術が向上すると心がなくなったり、患者が信じられなかったりします。患者は信じるものではないと思うのですが、この疑り深さがドラマのキーポイントになっています。医療に潜む、仁術(ハートの問題)、算術(経営の問題)、技術(難病克服の問題)のトライアングルを彷徨うのが凹の使命なのです。

さて、このドラマは神のような技術を持った平凡な男・朝田(坂口憲二)が主人公です。あれほどの技術を持った人間はどこか偏ったところがある・・・という先入観に逆らって、いたってノーマルな感性の持ち主です。これが世に言う「主役」が目立たない問題なのですが・・・実は・・・神業を持ちながら謙虚というところが・・・好ましいキャラなのだと考えることもできます。それは手術に関すること以外はリーダーシップを発揮しない・・・というこのリーダーの特質であり、たまに「病気ばかり見て患者を見忘れちゃダメだよ」などと言うと「えーっ、普通なアドバイスすぎるーっ」と逆にインパクトがあるわけです。

さあ、主役が「技術の男」ですので、ドラマは技術的に展開していきます。朝田にふさわしい「難病」の登場です。彼はコンマ何秒で不可能を可能にする男なのです。しかし、普通の難病ではものたりないので、さらに困難な状況を重ねていきます。このあたりでしらける人はしらけますが、手に汗握りたい人はどんどんドラマに引きずり込まれるのです。

特発性拡張型心筋症の女性(りょう)は心臓細胞が変化し、心臓機能が低下する難病が進行し、バチスタ手術の必要があったが、病状が進行して普通の医師には手を出せない(失敗して死亡する確率高し)状態。しかも、14年の不妊治療の末、念願の妊娠中である。個人差もあるわけだが、妊娠中の施術は困難で、患者の余命2ヶ月、妊娠七カ月(出産まで三カ月)という困った状況というか設定である。しかも妊娠中毒症を発症。

さらにリスクの大きすぎる手術にリスクマネージャーのタイ帰りの男・野口(岸部)が難色を示す。さらに、交換条件で引き受けた公開手術の日程に合わせて、女性の容態が急変である。このために公開手術→帝王切開による早期出産→バチスタ手術と病院の廊下を走らないでくださいの表示無視のハードスケジュール、さらにさらに公開手術の患者が予想外の合併症を発症、さらにさらにさらに出産した胎児が心臓に10万人に1人の奇形疾患を持っていて要緊急手術である。さらにさらにさらにさらに朝田は未体験の手術。さらにさらにさらにさらにさらに新生児の患部は治療方法のない特殊例だった・・・。

もう、どんだけ困難なんだ。この困難をライバル霧島にパス、弟子・伊集院にパス。そして、先輩・鬼頭(夏木)に指導されつつ、最後の最後は「いいこと思いついた」で新治療法発案で患者死亡率ゼロをキープする主人公だった・・・。

さて・・・「仁術」の問題は凹が一心に引き受ける。「死んでも生みたい」という患者に「死んだら生めないじゃん」とわがままを感じる凹。しかし・・・「命を助けても患者の心が死んだら意味ないかも」と思いなおす凹。ま、キッドは「医者にかかってまで長生きしたいとは思わない」タイプなので・・・どっちでもいいんじゃないの・・・とふと思ったりします。

そして、「算術」の問題は冒頭で轢き逃げされて心肺停止の状態から朝田に蘇生してもらった謎の女(内田)が「先生は命の恩人」と口で言いつつ、一手に引き受けます。途中でバチスタ手術に難色を示す野口を説得したりして・・・ただの医療ジャーナリストではないことは明確なのですが・・・その正体は医療機関専門の外資系企業買収専門家で資産家というミラクルな存在らしい。単なる雇われオーナーなのかもしれませんが、病院の価値を利潤でしか考えない立場に立つことは明確。まさに21世紀の医は算術の体現者です。

とにかく、利益追求のために病院をつぶして入院患者を追い出し、轢き逃げで殺害されるほどの怨みを買う女なのでその守銭奴ぶりは半端ではない模様。難病患者の手配から大学病院と外資系病院の提携まですべてはそろばんを弾いた彼女の企画という醍醐味。乾杯です。とっておきのワインで乾杯です。

ま、キッドは思うのですが・・・結局最後は何があっても・・・朝田が勝つのだ・・・そういうドラマなので面白くない人にはちっとも面白くないかも・・・と。

関連するキッドのブログ『医龍・第一シリーズのレビュー

で、『リンダ リンダ リンダ(2005年公開)』(テレビ東京・071012AM0255~)脚本・向井康介(他)、監督・山下敦弘も見た。「高校生が学園祭でTHE BLUE HERTの曲を演奏する」というだけの映画である。ま、ある意味、ドキュメンタリータッチで・・・ある意味、高校生でも作れそうな自主制作映画的な手法で・・・淡々と描いていく。だから・・・好きな人にはたまらない作品なのである。

この高校の文化祭はおそらく一ヶ月くらいは続いている感じ(セリフとしては三日)である。時間の感覚が狂うのは夢と現実が交錯した作品構造にある。もちろん、アニメ『うる星やつらビューティフル ドリーマー』の影響を無視することのできない作品だ。この作品の演奏シーンはアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』の文化祭シーンでリスペクトされるので、まさに一つの流れである。

もう一つ別の流れとして映画『スウィングガールズ』も意識される。女の子たちの演奏という意味ではまったく二番煎じであり、そしてその系列に映画『フラガール』がある。前者はあたったし、後者もあたった・・・。この作品がそれほどヒットしていないのは・・・ものすごい守備範囲の狭さにあるのは明らかで・・・そこがまた好きな人にはたまらないのだ。

映画の最後に「リンダリンダ」が演奏されると突然、観客がタテノリになり大盛況になるのだが・・・これを不自然と感じる人は甲本ヒロトの魔力というものを知らないのである。

知らない人にはただ不自然に映るのだが・・・実は知らなくても甲本の魅力を感じられる人には納得の展開なのである。要するにラストシーンが不自然と感じる人は基本的に感受性が弱い人だと断定できる。

永遠の文化祭空間にある高校。物語の最初は文化祭の数日前のように思うのだが、実はすでに文化祭は始まっている。少なくとも記録映画を作っている三人組にはそうなのである。このあまり魅力的とはいえない三人のどうでもいいやりとりが長くあってここで脱落する人は脱落する。また、作品全体において極めてアップが少ない。また、カメラ目線もほとんどない。主人公が重要なセリフを後ろ向きで語ったりする。おそらく、監督は対人恐怖症なのだと思われる。そういう暗さを否定する人は確実に脱落する。

主人公は韓国からの留学生ソン(ペ・ドゥナ)であり、韓流ドラマが苦手だった人もそこそこ脱落するのだ。異邦人は基本的につらいものだが・・・ソンはぼーっとしていてつらさを表にはださない。アメリカで韓国人留学生が大量殺戮事件を起したので韓国人が嫌いという人も脱落する可能性はある。そういう疎外感をソン自身が感じている。

文化祭で彼女は牛の部位による名称を示したボードを使ったダーツの担当者である。いかにも韓国からの留学生だからという意識の強い指導教諭の作りそうな半島民族の伝統展示パネルが背景にある。ソンの唯一の友人は近所の小学生で彼女の語学力を向上させるためにマンガを貸してくれるのだった。

さて、高校の軽音楽部には仲良しの女の子五人のバンドはつきものだが・・・ちょっとしたアクシデントで解散してしまう。

ボーカルの凛子(三村恭代)はバスケットボールでつき指したギターの萠(湯川潮音)の代役を立てることを提案したためにキーボードの恵(香椎由宇)と衝突してしまう。

恵「今まで一緒にやってきたのに萠ヌキでやるなんて信じられない」

凛子「じゃ、やめちゃうの?」

恵「やめる!」

実は二人は似たもの同志で実は親友だったと思われ、心がこじれてねじれていくのだった。このニュアンスにしびれない人がまた脱落するのである。

原因となった指先包帯の萠はあたふたなのであった。恵がやめたくせに人望あつく、二人のメンバーが残る。凛子は何とかしようとして仲間はずれだ。うふふ。

練習嫌いで男の子に夢中のドラムの響子(前田亜季)。ベースを忘れるベースの望(関根史織)である。とにかく、アップが少ないので誰が誰かもわかりにくい。前田は過渡期で少女と大人の間の不思議な顔になっている。関根は本当のベーシストである。

そして彼女たちは部室で「ブルーハーツ」の「リンダリンダ」のテープを見つけ、たちまち虜になって演奏曲を決定する。ちなみに顧問の教師は甲本雅裕(ヒロトの実の弟)である。

そして、ボーカルなんて誰でもいいよ~的に偶然通りかかったソンをスカウトするのであった。

こうして、四人は不眠不休で練習を開始する。その間、虚実おりまぜて様々な出来事が展開していく。ソンは「ブルーハーツ」に触れて無意識に泣くほど感激。最初に発見した時のノリや、このシーンが実はラストに向けての伏線である。ほとんどの人が即座にタテノリになる甲本の魔力なのである。

キッドは昔、一度だけカラオケバーで本人生歌を体験しているのでこれだけはガチ。

さて、ソンはカラオケルームでドリンク抜きで練習したり、ロボじゃなかった裕作(松山ケンイチ)に一目惚れされて「サランヘヨ」と告白されて「嫌いじゃないけど好きじゃない」と瞬殺したり・・・やっぱりロボなんですけど・・・援助交際体験が売りのME-ISMのボーカル・山崎優子演ずる花子先輩が屋上で喫茶を開いていたり、前田亜季がクレープ屋さんをしたり、胡坐をかいたり、告白しそこねたり・・・香椎が元カレのスタジオで練習したり、でっかい右手をプレゼントされたり、韓国語ペラペラになったり・・・階段でソンがみんなのパンツを見たりと・・・最後は寝坊、遅刻、豪雨を乗り越えてステージでパランマウム(韓国語でブルーハーツ)が爆発するまでの四人の交流が淡々と語られていく。

この淡々にひたれる人はひたれるのである。ちなみに小出恵介も高校生役で出演しています。ま、ある意味、目立たない存在です。

ま・・・ひたれるキッドはリピートが止まらず・・・日常生活に支障を来たしたほどひたり経験があります。ちなみにペは韓国版『リング』で貞子です。最近では『グエルム』です。

子供ばんどのベーシスト・湯川トーベンの娘・湯川潮音のふーらりふらふら風来坊・・・が聞けるのもここだけです。

キッドとしては映画「バウンス ko GALS」(1997)の流れも組んでいるかな・・・とも思いました。ドラマ「ライフ」ぐらいスカートが短ければもっとヒットしたと思いますが、プールで香椎がスクール水着で仰向けですから・・・ま、いいか。

関連するキッドのブログ『フラガール

『ちりとてちん・2-4・第10回』どうしようもない人間とは本当にどうしようもないのであるが・・・そういう人がいることで困ったことになってしまうよりもそういう人がいることでホッとすることが大切だったりするのだな。→2-3

土曜日に見る予定のテレビ『ガンダム00』(TBSテレビ)『ドリーム☆アゲイン』(日本テレビ)・・・ま、初回ぐらいは・・・。

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (8) | トラックバック (19)

2007年10月11日 (木)

仕事だけの人生はイヤだ。(速水もこみち)一仕事終えて死にたい。(菅野美穂)

本当は「仕事したなって思って死にたい・・・」なのである。この微妙なニュアンスは論じていくと虚しいことになるだろう。スタイルというものはおしゃれだと思えばそうだし・・・笑えると思えばそれもあるのだな。

ああ・・・シーズン・インしたら少しは解りやすい文章を書こうと思ったのにいきなり難解な出だし。

原作をほぼ展開しながら・・・微妙に違うラストに違和感が漂っているからなのだな。このラストって難解だよなぁ。

原作者は「ハッピーマニア」の人で「エヴァンゲリオン」の庵野監督の妻である。いい仕事しているのである。たとえば「さくらん」では吉原を巧みに描いている。つまり、コツコツ勉強してじっくり熟成させているということだ。

この姿勢で言うと・・・最後は取材相手を軽く説得してよりかかるというドラマのオチはどうなんだろう。納得できるのか。できるのさ。・・・大人だから。

で、『働きマン・第1回』(日本テレビ071010PM10~)原作・安野モヨコ、脚本・吉田智子、演出・南雲聖一を見た。脚本家は今、話題の「クローズド・ノート」の人である。話題が作品のことでなくてエリカのことである件についてはもう書かない。

エヴァといえばアクエリオンなのだが・・・どういう連想だよ・・・某公然ギャンブルのコマーシャルに天使が出ているのだが、つまり、多岐川裕美の娘の多岐川華子である。母と娘が同じく美人というのは奇跡に近いのだが・・・これはミラクルだよな。とにかく、ここまでクズな作品にしか、からんでなくて、脚光を浴びるのが賭博遊戯のCMって・・・なんだか・・・もっと大切にしてもらいたいような・・・ま、キッドの感性はお堅いのかもしれません。

つまり・・・そういういかがわしさが・・・もはや日常となってしまった明治140年ということなのですね。・・・なぜ、ここに明治の年号を・・・。

で、キッドがそういう美人の断定をしていることもきっといかがわしいことなのかもしれないのですが、そういう意味で菅野美穂はウルトラマン・フェイスです。

で、働きマンというのは実はウルトラマンのパロディーなのですね。原作では変身モードがもろにそうなっています。フラッシュビームの代わりにペンをもってポーズします。ウルトラマンは変身後3分しか、働きませんが、働きマンは寝食も恋人も忘れて長時間労働をします。曰く「普段の三倍の速度で働く」のですが、まあ、締め切りのある仕事をする人は基本的にそうします。

だから菅野美穂はナイスキャスティングだーっ。

もちろん・・・「ハッピーマニア」ファンには稲森いずみという手もあったかもしれませんが・・・最近、花王のCMでしか見ないな・・・「曲がり角の彼女」をやってしまったからな・・・。

「ホタルノヒカリ」を大胆アレンジしたワクなので・・・もう原作との違いアレコレはこれで終わりにします。まあ、原作ファンの77%ぐらいが納得行かないよぉぉぉぉと思っているのはガチです。

読者のターゲットがよくわからない雑誌の編集者である松方弘子(菅野)は仕事人間である。生意気な新人(速水もこみち)には「目標にしたくない人」と思われている。おそらく、新人の父親が仕事人間だったのだな。そして、新人は斜にかまえるタイプなのだ。

自分に自信がある人間というのは協調性にかける。ゴリ押しのゴリさんのように他人の気持ちなんか考えずに自己主張するのである。ソレが許させるのは極めて一部の天才のみなのだが・・・ま、若い時は可能性だけはあるのですからね。

新人は仕事は適当だが、自分は天才なのでそこそこの仕事はできると思っている。松方はどちらかといえばたたき上げなのだろう・・・不安と戦いながら・・・コツコツやって現在のキャリアにたどりついたタイプで・・・とにかく、仕事はできるのである。やや、消化不良の感はあるが・・・第1回はタイトルのセリフが提示するように仕事に対する二人の態度の差を主題にしている。

なぜか・・・大臣のセレブなライフスタイルを記事にしようとする企画が通って大臣に取材に出かけた松方。犬も歩けば棒にあたる(棚からボタもち的幸運な意味で)式で「外務省の機密費流用問題」ネタが飛び込んでくる。

ネタ元は大臣の美人秘書(20年物)のゲスト・夏木マリである。

ひとつだけ揚げ足をとっておくと張り込み屋台の菅原(津田寛治)がスキャンダルネタを追いかけているうちに入手した写真が・・・やや年代的に無理がある。無理があるが・・・ま、許せる範囲だということにしておく。

突然のスクープに働きマンに変身する松方。元・巨乳だけに胸がはずむのだった。

さて、ここで職場のその他の人々にふれておく。編集長・梅宮(伊武雅刀)、デスク・成田(セクスィー部長ではなくて沢村一樹)、新人よりベテラン、松方より新人コンビの小林(荒川良々)と渚(平山あや)、ベテランの文芸担当・梶(吉瀬美智子)・・・仁義なき戦いかっ。

吉瀬・・・秘書以外の役なのだが・・・「秘書が云々」というセリフがあるところがさすがだ。・・・なにがだ。

そして・・・女友達が歯科衛生士の佐田真由美、松方の恋人が吉沢悠である。「奥さんと別れて結婚して~」とか、「一緒にアメリカに来なさい」とか言いそうでこわい。いや、佐田は言いそうなキャラだが、吉沢はいつものイイ人モードか。

で・・・結局、政治家は秘書に責任を負わせて無罪を主張。記事は捏造扱いに・・・。ま、名誉毀損で訴訟は起こされない模様。秘書は雲隠れである。HERO的には特捜の出番の事件だろう。しかし・・・他メディアは沈黙なのである・・・ありえないっ。

責任を感じて秘書を擁護する記事を書こうとする松方だが・・・今度は上の許可が出ないのだった。記事に信憑性がないという判断である。このアタリ・・・記事にいたる裏づけがまったく描かれていないので・・・すべてとってつけた感がある。

で・・・ライバルの菅原におねだりして・・・秘書のデータを入手した松方は菅原の「愛人の復讐説」を否定して「愛人の決別説」にたどりつくのだった。どういうルートでたどりついたかは一切不明だが・・・女の勘に逆らうとろくなことはないので言葉をにごします。

どうやら・・・美人秘書で愛人の夏木は乾いて砂漠になったらしい。それならぱ「別れの手紙」・・・「最後のラブレター」を一緒に書きませんかという松方。なぜなら彼女もまた最近濡れないからなのだ・・・これ・・・もう・・・ほとんど暗号解読の世界だよな。

ま・・・とにかく・・・働く女の今を・・・またしても模索する展開なのだった。

いつも・・・なぜかナツメロを思い出すこのワクのドラマ。今回はズバリ。井上陽水の「人生が二度あれば」を想起した。

働きマンは今年8月で六十五

顔のシワは増えてゆくばかり

仕事におわれ

死ぬまでずっと ゆとりがなかった・・・

という感じなのだな・・・元歌の設定は仕事人間の父と専業主婦の母の歌である。

老いた両親に「本当にあなたの人生はそれでよかったの・・・」と語りかける子供。

哀愁である。哀愁であるが・・・男女雇用機会均等法の向こうにあるこの替え歌は・・・語りかける子供のいない・・・さらに不毛を感じさせる世界なのかもしれない。

人生が二度あれば・・・うぅ・・・・。

でも・・・来週のゲストは釈由美子だーっ。釈はウルトラセブンかっ。

関連するキッドのブログ『わたしたちの教科書

              『一生忘れない物語

『ちりとてちん・2-3・第9回』ものごとの習得は何も考えないで打ち込むことが必要だが、みのごとの上達には深く考え込む必要もある。このバランスはとてもとても難しい。→2-2

金曜日に見る予定のテレビ『歌姫』(TBSテレビ)、『モップガール』(テレビ朝日)、『ウルトラセブンX』(TBSテレビ)・・・金曜日・・・殺す気満々だなっ。

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (10) | トラックバック (30)

2007年10月10日 (水)

円周率は3.1415926535897932386426433・・・(原幹恵)

・・・っていうか。今まで一番シュールなタイトルだな。如月ハニー(原)が白薔薇学園の教室で円周率を答えるとこうなってしまうのである。

・・・っていうか、連続レビューなのか・・・っていうか・・・少し傑作の気配漂っているな・・・これは「有閑倶楽部」の強力なライバルになりそうだ・・・キッド的にですけどね。

全国8万人のホームレスのネットワークを持つ男・・・源さん(なぎら健壱)も登場し・・・ジワジワとメンバーをふやしていくあたり・・・しかも、怪人が「名乗らない」というあたり・・・かなり、腹に一物ある展開である。

で、『キューティーハニーTHE LIVE・第2話』(テレビ東京・071010AM0140~)原作・永井豪、脚本・井上敏樹、監督・総監督・横山誠を見た。50年代生まれの脚本家と60年代生まれの監督によるいぶし銀な展開・・・ひしひしと感じます。

まずは、先週の続き。二重人格ではなく、三重人格(クール・おちゃらけ・悪魔)だった巨大なツメを持つ怪人・中条有次(村上幸平)に圧倒的な実力さで痛めつけられてつづくだったわけだが、軽くMであるハニー。中条にぶっとばされて土手の階段上に激突である。わははははははは。そこへ、早見(山本匠馬)が車を回し、撤退である。

撤退なのだーっ。わははははは。

そして、早見の汚い部屋で眠るハニー。その間に調べがついて敵の組織は秘密結社パンサークローだと判明する。

今回、その後の展開で視聴者は「中条がとにかくちょっと変なギャンブル」を考えて道楽者に提供していること」が解る。つまり、最近で言うと「ウソゲ」である。しかし、レースに参加するのは一般人でギャンブルはモラルなき富豪が楽しむのである。今回はやや説明不足だが「1億円拾って警察に届けるのは誰だレース」であったらしい。

こういうお約束な展開を設定した場合、毎回、どんなレースにするのかがポイントになってくる。できれば最後までやってもらいたい。

さて、「私負けちゃった」としょんぼりするハニーだが、初登場のホームレスの源さんが裏の沼(どこだっ)で捕獲したカエルの丸焼きをご馳走してくれたので、元気いっぱいになるのだった。わは、わははははははは。

そして、話は学園生活へ。他の生徒には小数点以下第2位までしか答えられない円周率を無限に回答するハニー。ほめられると机の上でぴょんぴょんして喜びを表現。

わはははははは。

このハニーの態度にクラスの女王様・優子(彩月真央)が激怒。ハニーの親友・秋夏子(小松愛)に「もうハニーとはつきあうな」と仲間はずれ強要である。毅然とした態度で拒絶する秋夏子。しかし、そこにハニーが現れて、優子の宝石をもらうかわりになんでもすると約束し、ブルマでイスの上で授業を受けるという展開。優子は笑いものにしてやったつもりなのだがハニーは大喜びである。

わはははははははははは。これはもう「ライフ」にケンカ売ってるね。

秋夏子は「もう優子とつきあっちゃダメ」とアドバイスするのだが、ハニーは「なんで?どうして?遊んでくれているのに・・・」である。秋夏子「いじめられてるんだってば・・・」

わはははははははははははははははは。

まあ、原爆とか、水爆とかにそうとは知らずにケンカ売っているお笑いなのだな。ともかく、ヨガりながら秋夏子は優子の黒い噂をハニーに提供する。「最近、金まわりがよくてとりまきをプレゼントで手懐けているのよ」なのだ。

しかし、大金の入ったカバンはパンサークローの罠で一定のお金を使うと毒ガスが噴出する仕組みである。優子死亡。

「お友達」の突然の死に涙にくれるハニー。しかし、源さんが「そういやあ・・・オレの仲間にも急に大金をつかんだ奴がいる」・・・どこの町内会で事件は進行しているのだっ。

さっそく、成金ホームレス調査のために男の通うキャバクラにキャバ嬢として潜入するハニー。路上で赤いドレスの女に変身するので通行人がみんな萌え~(男女を問わず)になるのだった。

結局、コスチュームプレーでキャバ嬢をやり、主題歌を歌いたいだけだったのか。さらにどこなんだ鉄火場の女壷フリで不知火のハニーモードである。勝負に負けて男とホテルに行ったハニーは乗馬プレー。しかし、こんなのつまんなーいなのだった。それは男がMでお馬さんになったから。ハニーがお馬さんになりたかったのだ。

しかし、男は金でなんとかしようとして毒ガス噴射。ついに真相に迫ったハニー・・・迫ったのか?

そして、源さんの携帯赤電話からの情報で次のカバンの犠牲者(おねだり女にプレゼントする男・・・ネコババなので犯罪者である)を救い出すハニー。結婚式に乱入して「拾ったお金はとどけなきゃっ」なのだ。「邪魔をしてもらっちゃ困りますね」と怪人・中条登場である。

ザコ怪人の新ワザおっぱいわしづかみもあるアクション(いつも怪人たち楽しいな)の前に間奏曲。早乙女ミキ(水崎綾女)のちょっと顔出しである。どうやら女囚らしい。早く、変身が見たいものだぜ・・・ワクワクである。

そして怪人と対決するハニー。どうやら「腕をあげたな・・・」らしく、中条にも顔面に一発お見舞いするハニー。しかし、そこでギザパワーアップした水かきクローを食らうハニー。あっという間に形勢逆転。ヒップをけられるわ、池をすべらされるわのギタギタのボロボロである。そして・・・最後のセリフが・・・もう、やめて・・・で続く・・・なのだった。

わは、わは、わはははははははは。毎回か、毎回、コレで行くのか。

わははははははははははははははははははははははははははははは。

関連するキッドのブログ『第1回のレビュー

『ちりとてちん2-2・第八回』ふふふ・・・ちりとてちんコンプレックス爆発である。それにしてもこの設定・・・昼ドラマならドロドロになること必至だな。→2-1

木曜日と深夜(金曜日)に見る予定のテレビ『医龍Team Medical Dragon 2』(フジテレビ)、『3年B組金八先生』(TBSテレビ)、『リンダ リンダ リンダ』(テレビ東京)・・・レビューはできる範囲で・・・シーズン突入だーっ・・・。

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2007年10月 9日 (火)

ちりとてちんができない私でしたぁ~。(貫地谷しほり)VSワンシーンかよっ。(木南晴夏)

うわーっ・・・月曜日は無風かと思っていたのに・・・ハルハル、レギュラーだよっ。

しかも・・・うっかりすると見過ごす出番の少なさ・・・。

ま、西ヤンで見てもいいけどぉ。・・・家族と普通にしゃべっているときに小浜なまりの語尾になるキッド。

そして・・・一週間のお待たせでした・・・貫地谷登場です。

いや、かなりクセになっています。

で、『ちりとてちん・2-1・第7回』(NHK総合・071008AM0815~)作・藤本有紀、演出・伊勢田雅也を見た。いよいよ和田喜代美が桑島真理乃から貫地谷にバトンタッチされたのだが、上沼恵美子のナレーションはそのままなのである。桑島から貫地谷にチェンジしたようにある日、突然、上沼にチェンジしたらどうしよう・・・と悪夢にうなされるのである。

ま、自分にツッコミを入れるというのは難しいのだが・・・変な手法だよな。

さて、この朝ドラマのヒロインは現在のところ、魅力的ではない女の子である。魅力的ではない女の子を魅力的に演ずるというのはかなりアクロバットなのである。

「自分はダメな女の子だ・・・」って常にいじけている女の子は・・・キッドにはいまいましい存在だ。もちろん、逆に自信満々も腹立たしい。人間はないものねだりだから・・・「素晴らしいのに謙虚」、「ダメなのに頑張る」という方向が魅力的なのである。そういう意味で沢尻エリカは方向性間違っているのだが、あえて逆を試すという誘惑は常にあるのである。

キッドとしてはもう少し桑島B子も見てみたかったのだが、九年の時の流れをこえて、高校生になった喜代美。父(松重豊)は修行を終えて、塗りばしのお店を開業する。母(和久井映見)はお店の主気分でワクワクである。「山に登ってかわらけ投げをしたい・・・」という娘の願いをかなえて一緒に山に登ったヴァイタリティーは言動を見ると影を潜めている。九年の間に何があったのか・・・と思うのだが・・・つまり、喜代美の視線の変化ということなのだな。

かっては神にも見えた母親が・・・今はただのおばさんなのである。

しかし、そういう脚本家の意図を無視するように・・・外見的には九年の歳月をまるで感じさせない両親、祖母(江波杏子)、厄介叔父(京本政樹)である。弟は星野亜門から橋本淳にチェンジしており、まるで姉弟がタイムスリップしてしまったようである。ま、ドラマだから・・・と言ってしまえばそれまでだが。

球技大会のバレーボールでヘディングする喜代美。A子(佐藤めぐみ)は華麗なるアタックを決める。自分の失敗を心の中では気に病みながら、表面上は明るくふるまう喜代美なのである。

そんな喜代美を魚屋食堂の順子(宮嶋麻衣)はクールに見つめている。

「喜代美はたくさん笑え」と言った祖父の遺言をかなり曲解している喜代美なのである。その前段の「息子が帰ってきたらうれしい。うれしかったら素直に笑えばよかった」を無視している。今、喜代美はうれしくないのに笑っている女の子になってしまったのである。

やがて、そのような姿勢は消極性を形勢する。自分の得意な「徒然草」についてさえ、口が重くなる喜代美。まさに負のスパイラルである。

そんな喜代美に何故か好意的なA子。遠足で拾った「きれいな石」と「変な石」の思い出の交換を申し出る。そして・・・高校最後の学園祭で一緒に三味線演奏をしようと持ちかけるのである。

しかし、尻が重いのであった。ま、安産型なのである。通りすがりの謎の女(原沙知絵)にスーツ姿にかっこいい自分を妄想したりはするのだが・・・。

そんな喜代美に転機がやってくる・・・「変な石」が恐竜の化石であることが判明し、現在の持ち主であるA子が新聞に載ってしまったのだ。

なんだか、ショックな喜代美に順子は「あんたが持っていたらずーっと変な石のまんま」と辛辣なことを言う。何事にも後ろ向きな喜代美への叱咤激励だった。

今、喜代美は目覚めました・・・なのかな・・・目覚めてほしい・・・でも・・・きっと・・・目覚めてないよな。

関連するキッドのブログ『第6回のメモ

で、『浅草ふくまる旅館』(TBSテレビ・071008PM8~)脚本・横田与志、演出・脇田時三を見た。このワクのレギュラーになりつつある西田敏行。こちら本池上署シリーズが署長の娘の喫煙問題で消えてしまったので・・・こちらをシリーズ化するのか・・・。だから用心して未成年のキャスティングがないのか・・・という気持ちになる展開である。

浅草を舞台にした老舗旅館のお話。主人は福丸大吉(西田)である。息子は良夫(石垣佑磨)で娘は美穂だが第一シリーズでは大塚ちひろだったのが黒川智花にチェンジしている。

良夫は旅館を継ぐ気持ちはなく旅行代理店勤務。ライバルのビジネスホテルの娘(北川弘美)と交際中。番頭は渡辺いっけい。鰥夫である大吉の亡妻の姉(木野花)がビジネスパートナーという設定はそのままである。

大吉のマドンナが賀来千賀子から黒田知永子にチェンジ。骨董屋の主人として大滝秀治が参入である。

そして・・・仲居に変動があり・・・新人仲居・森川静代として木南晴夏登場である。しかも・・・スリーショットに字幕というひどい扱いだ・・・出番をもっとつくらないとダメ。

朝のワイドショーに西ヤンが番組宣伝出演をしていたのだが・・・ゲストも豪華という話をしているのに紹介されたのはレギュラーの大滝秀治だった。

本当のゲストは木の実ナナである。木の実ナナが豪華ではないということなのか・・・。しかし、脚本はいきなり、飛ばしている。木の実ナナはバスガイド役である。いくら木の実ナナだって61才でバスガイドって・・・修学旅行でキッドが生徒だったら・・・ガッカリするだろう・・・バスガイドのおばあさん・・・って言わないだろう。しかし・・・キッドが現実を知らないだけで高齢化社会はもうそういうものなのかもしれない。

修学旅行バスのバスガイドのお姉さんとして旅館にやってきた木の実ナナ。大吉たち従業員に不審な言動をする。実は大吉の亡妻は別に恋人がいてその恋人が事故死した時、お腹に子供(良夫)がいたのである。そしてナナは恋人の姉なのだった。

実はナナは末期がんを宣告されて余命いくばくもない身。終末医療の一環としてバスガイトをしていたのだが・・・天涯孤独の身の上、唯一の血縁である良夫に名乗りをあげたいと乗り込んできたのであった。

この発想がこわいのか・・・木の実ナナの存在がこわいのか・・・微妙だが・・・最後まで感動するよりも不気味な話だったぞ・・・。設定・・・もう少しなんとかならなかったのか・・・。っていうか・・・木の実ナナ以外をあてこんだ脚本にしか見えん。

血がつながっていないことを隠してきた大吉には迷惑な話だったが・・・「お客は家族」をモットーとする大吉には無視することもできなかった。ついに対面を許すのだが・・・。

大吉良夫の親子ぶりを見たナナは口をつぐんで去って行くのだった・・・。まさに人情ここにあり・・・なのか・・・ま、人間、往生際は悪くなりがち・・・っていう話なんだよな。きっと。

ま、脚本は頭がおかしくなったような展開だが・・・木南晴夏をピックアップした回まではきっとレビューしないと思うキッドだった。

関連するキッドのブログ『きらきら研修医

               『セクシーボイスアンドロボ

               『探偵学園Q

水曜日に見る予定のテレビ『働きマン』(日本テレビ)・・・ついに本格的にシーズン突入かぁ・・・『マクロス(再)』もまた見るけどね。『ネギま(実写)』はとても口に出せない。

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年10月 8日 (月)

お帰りをお出迎えしちゃうぞっ。晩酌付き合っちゃうぞ。お心お慰めしちゃうぞっ。だって、それが私のシュ・ク・メ・イだからっ。(前田亜季)

・・・ああ、奥深い展開よのぉ・・・。しかし、鬼美濃(リツの父)、晴信(主君)、雪斎(隣国の軍師)が総がかりで攻めるのが・・・勘助(内野聖陽)の男の操・・・。うほほーっと笑いがとまりません。

それにしても軍議の後で・・・「話というのはそれだけかぁ・・・?」の折の晴信(市川亀治郎)の「え、え、リツのことはいかがいたした・・・もう・・・アレしたのか・・・ん?・・・どうなのじゃ?」的なねっとりした視線・・・役者やのう。

一方、人の幸せなどはそれぞれのもの。凡夫が良き人か、英雄が良き人かは・・・解らぬこと・・・。もちろん・・・キッドは凡夫はたまたま幸せになるのみ、英雄は自ら幸せになるものと画する一線は断固として譲りませんよ。三条夫人(池脇千鶴)。三条「ほんに幸薄いお方どすなぁ・・・」キッド「しかし、都の姫よ・・・今川滅亡に際して、いかほどの凡夫、凡妻、その子弟たちが・・・どれほどの苦渋をなめたか・・・それを忘れて一族繁栄は恥知らずというものです」三条「まあまあ・・・こちらにくればみな仏・・・恥も空とお釈迦さんもおっしゃりなさるよって」キッド「・・・?」三条「恥空要塞処女喪失(再)でんがな」・・・いい加減にしとけよ。ま、梅姫(福田麻由子)はウルトラ名演技でございました。

で、『風林火山・第40回』(NHK総合071007PM8~)原作・井上靖、脚本・大森寿美男、演出・大杉太郎を見た。例によってシナリオにそったレビューはikasama4様を推奨します。今回も三国同盟マップに三国武将書き下ろしイラスト、軍師新作の豪華付録付。その上、三条夫人の言葉に秘められた藤原一族の未来予言解説つきです。もう、キッドが書くことないよう的充実ぶりになっておりますです。

で、キッドとしては妄想中心でまいります。・・・いつもだろっ。

Shinanoechigo1554 さて、大河ドラマは歴史的事実という虚構によりかかった虚構である。無から有を生み出すのは困難なのですでに形あるものに宿るのである。たとえば、於琴姫(紺野まひる)はすでに姫を産んでいるが・・・歴史的にはその事実は微妙だ。第一次川中島と第二次川中島の合戦の合間のこの時期、五郎盛信は生れていないし、盛信に姉がいた歴史的事実はない。だが、大河ドラマ「風林火山」には初姫(仮名)が存在する。

先ほど、ニュースでミャンマーで殺された取材記者の死後の様子が紹介されていた。一つは葬儀であり、一つは盗撮映像である。キッドは故人の死を追悼してテレビにむかって瞑目したが・・・気が重いのと同時に面白くもある。「彼」は仕事でミャンマーに行った。これまでも危険地帯に潜入し「現地の衝撃の映像」を伝えることで日々の糧を得ていたのである。不謹慎な言い方をすれば「他人の不幸」で飯を食っていたのである。「あの日」も「ミャンマーで絵になる出来事が起りそうだ」という情報を得て現地に入ったのだろう。そして、自分が「絵」になってしまった。そして・・・「彼」の過去の映像、「彼」のその後の映像が莫大な商品価値を生み出した。インタビューなどで「彼」の老父母の声を聞くたびに「彼」の死が生み出した価値のいくばくかは・・・そこに流れていくのだろうか・・・と心配になる。「在日ミャンマー人のヒーロー」になってしまうのも「彼」の宿命だったのかもしれないが・・・できれば今でも「他人の不幸」を撮る側にいたのなら良かったのにな・・・とキッドは考える。

さて、ミャンマーの仏教は上座部仏教である。恐ろしいことに日本では小乗仏教という。キッドは義務教育で大乗仏教・小乗仏教というフレーズを得たのだが、ある意味で大乗仏教はでっかい仏教、小乗仏教はちんけな仏教ということである。日本が大乗仏教に支配されている国であることが示されているのだな。つまり、上座部仏教徒は自分のこと小乗仏教徒とは言わないということだ。

さて、大乗仏教の基本は他力本願である。よく、他人に頼るのか・・・と思うのだが、この場合の他者というのは神となったブッダのことでいわば人間の無力さを示している。本願とはブッダが「全人類をまとめて救済する」という約束をしたことで、その約束にすがるしか救いの道はないというのが「他力本願」の意味なのだ。

で、大乗仏教はどのようにすがればいいのか・・・という方法論なのである。たとえば禅宗では「座禅」を組めばよいとし、日蓮宗では「法華経」を唱えればよいとし、浄土宗では「阿弥陀如来」を拝めばよいとするのである。・・・ああ。面白い。

さて、三条の方の妹は本願寺顕如の正室である。本願寺は浄土真宗で念仏教である。阿弥陀仏を唱えればそれだけで浄土にいたるというありがたい方法論なのである。ま、浄土プラス法華であるが・・・法華教が現世利益重視なのに対し、浄土宗は彼岸での救済重視であるので浄土真宗はその折衷案だと考えることができる。「この世でも楽しいし、あの世でも楽しいよ」ということなのだな。

で、このある意味、おバカな思想を展開したのが親鸞である。上座部仏教には戒律重視の傾向がある。ブッダを理想の人と考え、ブッダが伝えた戒律を守るのが重要なのだが、その中には女犯の戒律がある。つまり、僧たるもの妻帯不可なのであるが、「いやあ、僧も人なんだから、女におぼれていいんじゃないの。子供を慈しんでいいんじゃないの」というのが親鸞の考えであった。ま、ある意味、無法な思想なので中央から追放されます。そして、流刑地が越後である。戦国時代からおよそ300年前の鎌倉時代初頭のことなので謙信は影も形もないのだが・・・もしいたら「堕落じゃっ」と親鸞が怒られる可能性は大きい。

親鸞は貴族の出身だが・・・妻子と放浪した関東でこの教えを説いて民衆信者を多数獲得した。

さて、その課程で善光寺を訪れて「阿弥陀如来」を拝んでいる。善光寺は親鸞の時代よりさらに600年前の7世紀には成立している。この寺にある阿弥陀如来は百済からの贈り物とも、麻績氏が発掘したものとも伝えられている。出たな・・・麻績氏である。最初の善光寺は現在の飯田市に建立され・・・そして犀川の北に遷座したのである。

さて、お分かりの通り、犀川の南にいる麻績氏は同族である。

ここで話は甲賀三郎になる。甲賀三郎は諏訪氏の租の一人で、いわゆる甲賀忍者である。甲賀三郎は蛇の術に優れ、蛇体に変身したという。麻績氏が近江に通じることを考えれば甲賀一族と麻績一族は同族なのである。甲賀に望月一族があり、海野に望月一族があるのは偶然ではないのである。

諏訪を中心とした中世信濃が滋野一族と甲賀忍者の跋扈した地域だったということである。ちなみに伝説の猿飛佐助が戸隠山で修行したのに甲賀流の忍者であるのはこういう理由があるのである。ちなみに甲賀三郎は諏訪と若狭を結ぶ地下トンネルを所有していた。若狭に若狭武田氏が領地を持つのはここに理由があるのである。・・・大丈夫か。

さて、日本に上座部仏教が皆無であったか・・・といえばそんなことはなく、天台宗では上座部的な修行が行われていたのであり、日本本来の山岳信仰と結びついてかなり原始仏教的な広がりも展開する。自力本願に挫折した僧が他力に転向していくというのが日本仏教の基本であるとも言える。

さらに密教が加わると仏教の複雑は混迷の極みに達する。密教は仏教がイスラムの狂信的弾圧(これは今に始まったことではないのである)によってかくれきりしたん化した(その用法はどうかと思うぞ)教派であり、こそこそしているので断片的になり、上座大乗入り乱れ訳が解らなくなった教派なのだが、その不可解さが逆に「神秘的」になり、空海とかには大いに「受けた」のである。

そんな空海(弘法大師)のお気に入りの仏が虚空蔵菩薩である。

ちなみに空海は9世紀の人である。

さて、ここで本題なのである。7世紀に麻績氏が阿弥陀如来を飯田から善光寺に遷座して、9世紀にどこにでもいける超能力者であった空海かもしくはその弟子が虚空蔵菩薩の教えを広める。10世紀に滋野氏が平将門を殲滅する。この辺りで飯田と善光寺を結ぶルートに虚空蔵山が多数出現したのである。12世紀、甲賀三郎が諏訪大明神に融合し、13世紀、親鸞が通り過ぎ、そして16世紀・・・人々は子を生み育て死んでいったのであった。

三条夫人の妹の夫は親鸞の子孫である本願寺顕如である。貴族を捨ててのんびりのびのびライフに入った男の子孫はいつの間にか貴族で武将で僧侶というとんでもないモンスターになっていた。

阿弥陀如来は太陽神である。拝むにしろ、念ずるにしろ・・・この御仏に帰依することは自然を畏怖しかつ敬愛するこことだ。これに対し虚空蔵菩薩は智恵の母であり、すなわち生を自覚する人の象徴である。同時に情報というものが空虚なものであることを示している。昔は暗記していることを「そらんじる」と言ったのだが、このそらとは虚空のことなのである。いわば、常に人々を救済する阿弥陀と阿弥陀があることを自覚する人の記憶である虚空蔵菩薩は大乗と密教に秘められた上座との邂逅なのだな。

人がいるから仏があるのだ・・・という親鸞的態度で勘助に妻帯を薦める鬼美濃、信玄、雪斎・・・。陽炎を信仰する勘助はおぼろでなければ人は仏になれぬとかたくなにリツを拒絶する。

もしも、そんな勘助の心を溶かすものがあれば・・・それはきっと観世音菩薩に違いない。吉祥天ミツを失い、弁財天由布姫に依存した勘助をリツが誘惑できるかどうか・・・それは勘助がリツの観音様を拝むことができるかどうかにかかっているのだな。

虚空に生き、虚空に死ぬものも母より生まれしもの、あまねくものをみる観音様こそは母に他ならない。しかし・・・そうならないで異国の街角に消えるのもまた人生なのである。それが曼荼羅というものだ。

関連するキッドのブログ『第39回のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『キューティーハニー』(テレビ東京)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (2) | トラックバック (6)

2007年10月 7日 (日)

じゃあなぁーっ。(蒼井優)・・・じゃあなぁぁぁ。(徳永えり)VS・・・RX-78ガンダム・・・?(刹那・F・セイエイ)

秋ドラマの開始を前に重厚な攻撃が続いている。もはや、枠特性(人間の習慣への依存に基づく視聴率の期待値を伝説的に押し上げる性質・・・例・月9は格別)はズタズタに寸断されつつある。

特に週末はすごいな・・・もう・・・眩暈がします。

今回、キッド的には秋ドラマ・レビューにいくつもの伏兵がいる。まず、「ちりとてちん」だ。貫地谷登場前からすでにかなりそそられている。そして、火曜日はテレ東深夜のキューティーハニー。「有閑」「暴ママ」「スワ馬鹿」に強力なライバル。水曜日は「働きマン」だが「相棒」もある。木曜日は「医龍2」VS「ジョシデカ」の対決だが、ドラマの定番である医療系と犯罪系の激突で人はなぜ手術と事件が好きなのか?という問題提起ができるだろう。「風の果て」には大好きな涼風真世が魔性の女なので・・・もう迷う。金曜日は「歌姫」なのだが・・・「モップガール」には北川景子という美少女戦士セーラーマーズが登場するので危険だ。ドコモCMで一人だけ誰?の印象のある女の子である。そして、土曜日・・・「ジャッジ」(戸田菜穂・浅野温子)もあり、「ドリーム☆アゲイン」(加藤あい・志田未来)もあるのだが、本命「SP」の開始前に「ガンダム00」を一ヶ月視聴したら・・・すっかり、洗脳されてしまうおそれは充分にある。日曜日は「さんまさみ」だが・・・不倫モードの色合い次第だな。月は「ガリレオ」で・・・一番、無風だ・・・月9の枠特性の秘密だな・・・みんな・・・逃げ腰なのだな。

ま・・・結局、視聴して・・・どうするか・・・決めるのはドラマブロガーの皆さんと同じでございます。

で、『土曜プレミアム・フラガール(2006年公開)』(フジテレビ・071006PM9~)脚本・羽原大介、監督・李相日を見た。いわば、実録ものである。第30回日本アカデミー賞を受賞して各種映画賞を総なめした。名作なのだが・・・「笑い」は控え目である。まあ、炭鉱労働者の娘たちが東北にハワイを作るということ自体が大笑いなのであるが。

いわば、日本の中の極貧アジアの物語である。だから、炭鉱労働者とは相性のいい朝鮮系の監督がメガホンを撮るということは非常に理にかなっている。ただし、随所に見られる「口で言うより手の方が早い」とか、「都落ちの理由は借金」とか・・・やや、半島色が強いのが鼻につく人は鼻につくだろう。

逆におすぎなんかはその虐げられたものの解放要素がピンと来るのかもしれない。

しかし、キッドとしては「お笑いレベル」の大胆な発想(60年代に企業がテーマパークでギャンブル)が奇跡的に成功する・・・というファンタスティックな内容に一番しびれるのである。

もちろん、常磐ハワイアンセンターという「言葉」がキッドの中ではかなり「懐かしい」ということも大きいし、蒼井優の魅力もヘソも腰振りも全開という点も見逃せない。

東北と言えば子捨て、子殺しの土地である。身売りという人身売買で口を養い、水子という幼児殺害で餓えをしのいできた伝統がある。それらは吉原の遊女やらこけしやら日本の伝統文化を怪しく彩ってきた。だから「フラガール」は当って当然とキッドはひそかに確信していた。そして、マイナー公開にもかかわらず、動員・120万人、興行収入15億円は当ったと言えると思う。

東京に出て売春婦になるよりも地元でフラを踊っている方がどれだけ心やすらぐことか・・・この施設の企画者の心底にはそういう素朴な愛があると感じるのである。ま、映画の企画者がその志をどの程度かんじていたかは微妙ですが。

もちろん、体罰は昭和の日本ではそれほど珍しいことではないが・・・この映画では多用しすぎなので拾っておく。①友達に誘われてフラを始めた娘・紀美子(蒼井)を昔堅気の炭鉱の女である母・千代(富司純子)が言うこと聞かないという理由で張り飛ばす。②紀美子の兄(豊川悦司)がふざけすぎるので親友の光夫(三宅弘城)が鉄拳制裁。③うかれて衣装を弟妹に披露していた早苗(徳永)を炭鉱から馘首された父親(高橋克実)が馬乗りになって顔面殴打。④これに怒ったダンス教師まどか(松雪泰子)が早苗の父親を風呂場で暴行。⑤夕張に引っ越した親友・早苗のために心ここにあらずの紀美子にまどか先生がビンタで喝をいれる。⑥巡業中、観客にものを投げられた紀美子が客と乱闘。⑦踊り子同士がバス内で乱闘。⑧まどか先生の借金取り(寺島すすむ)を紀美子の兄がツルハシで殴殺。死体を炭鉱に埋める・・・おいおい。

ま、現代日本だと、子供や生徒を殴った親や教師は子供や生徒にナイフで刺されるのでやりません。できないことを映像にするのが映画だとすればまさに夢あふれる映画だったと言えるのだなあ。

この映画の凄いところは最高の見せ場が父親が炭鉱事故にあった小百合(山崎静代)が巡業を中止にしようとする一同に「踊らせて・・・」と訴えるシーンだということだ。最高の見せ場が南海キャンディーズのしずちゃんで・・・しかも感動的なのである。

ま、もちろん、蒼井優は王道で感動させるのだが。ラストシーンで「お客の前では笑顔をたやさない」という師の教えを必死で守り、他の踊り子たちが泣き崩れる中・・・映画中ではほとんど目立たない比呂子(上野なつひ)も泣いた・・・明らかに映画『プリティー・リーグ』のパクリキャラの初子(ジェシーこと池津祥子)も泣いた・・・しずちゃんも泣いた・・・のに一泊おくれて泣き崩れるのをこらえる場面はキッドの映画史上に残る萌える名演技です。

キッドは大学時代ハワイアン研究会の男の子と仲良くなったり、ハワイアン好きの娘に恋したり、最初に習った楽器がウクレレだったりとハワイアンに縁が深いというのを割り引いても・・・「フラガール」・・・名作です。

関連するキッドのブログ『情熱大陸の蒼井優

で、『機動戦士ガンダム00・#01・ソレスタルビーイング』(TBSテレビ・071006PM6~)脚本・黒田洋介、演出・北村真咲を見た。ガンダムの前シリーズは「ガンダムSEED」と「ガンダムS.D.」という連作になるのだが、この時は人物キャラが「消毒液」と「ショートケーキ」が似ているほどに似ていたのにとまどったのだが・・・遺伝子操作でほとんどの登場人物が同一クローンに近いという設定が隠されていて、のけぞった記憶が新しい。ほとんどR.P.G.の色違い敵キャラのような絵柄だったからなあ。今でも・・・単にキャラの描き分けができなかっただけなのではないかと疑っている。

今回は人物キャラのデザインはコミック作家の高河ゆんである。車田正美おタクなのでガンダムでなくて「聖闘士星矢」かよっと思うようなキャラ連打であるが・・・ま、いいか・・・。基本は・・・同人誌的美形である。

舞台は24世紀初頭である。キャッチフレーズは「近未来」ということなのだが・・・300年後は近未来といわないだろう。基本的に一世紀を越えたら近未来ではないと思うし、十年一昔という言葉に応ずれば近未来は十年後までだと思う。24世紀が近未来という感覚は・・・スケールが大きいのかっ。

で、西暦がこの世界の延長線を指す用語であるという意図ならば・・・キッド的には宇宙世紀は西暦2100年から西暦2200年の出来事と推定しているので、逆にこの西暦は怪しい虚構度を強める暦法と言える。ただし科学や歴史がゆっくりと進歩したパラレルワールドと考えれば、序盤があまりにも『新機動戦記ガンダムW』なので新たな黒歴史が開始されたと考える他ないのである。

ま、第一印象としては随分遅れた24世紀だな・・・と思う他はない。これは世紀末から今世紀初頭にかけての宇宙開発の遅滞がもたらした感覚なのかもしれない。

・・・ってこの調子で妄想を拡げていくと終わりが来ない気がするな・・・しかし、このブログが開始されて最初のガンダムシリーズなのである。仕方ないか・・・なにしろ、ガンダム禁止されないのだからな。

ま、ガンダムSEEDシリーズがテロリズムの消極的肯定と擬似宗教的個人主義の賛美で終っているので、今回、最初からテロリストが主人公の「W」的世界が開始されるのはありうることであると納得できる。キッドとしては「G」でなくて良かったと思うのだな。いや「G」だっていいけど・・・最初から異色すぎるからな。

タブルオー西暦の24世紀、世界はほぼ四分割されている。中国がロシアとインドを併合した人類革新連盟(人革連)、EUの発展系であるAEU、そして環太平洋連邦であると思われるユニオン(日本はここ)。そしてその他である。

キッドは環太平洋と中華帝国は21世紀中に軍事衝突すると読んでいるので・・・この設定にあまりリアリティーは感じないがまあ、虚構だからな。

で、化石燃料が枯渇しているのに中東が相変わらず紛争地帯というのも考えものだ。お宝のないところで海賊たちが争わないのはイラクと朝鮮半島を比較するだけで明らかなのである。しかし、まあ、虚構だからな。

さて、そういう世界において主人公が属するのは私設武装組織「ソレスタルビーイング」なのである。テロリストの集団で「平和のための武力行使」を理想に掲げるのである。

宇宙開発の推移がまだ提示されないため「コロニー」の有無が未定である。このテロ組織が重力の井戸の底に本拠をおくのか、いずれかの勢力の謀略的ダミーなのかはまだ謎につつまれている。

四機のガンダムがそれぞれ、天使の名前を持つことから、擬似キリスト教に関係した団体であることは明らかだ。

中級天使は三種類あるが、力天使(パワー)はデュナメイスとヴァーチェズの二つ名を持っている。この名に対応する機体はそれぞれ長距離支援機と重武装機という特徴を持っている。主人公・刹那の乗る機体はエクシア(能天使)であり、乙タイプの変形機体がアレルヤ(神に栄光あれ)という名を持つキャラの搭乗機でキュリオス(主天使)である。

ネーミングではこれから主人公が新型機に乗り換えるときは上級天使名、セラフィムとか、ケルビムとかが使用され、量産期には下級天使名アルケーとかアンゲロイが使われる可能性がある。ちなみにアンゲロイとはエンジェルのことである。

テロリストを支配する論理は理性よりも感情である。そういう意味で信仰心はかかせない。信仰とは理性を否定する行為だからな。

中東がテロの温床となるのはユダヤ、キリスト、イスラムと狂信的な預言者が伝統的に誕生する土地シリアがあるから・・・と考えることができる。

最も最新のイスラームでも始祖ムハマッドは盗賊で略奪者で聖戦好きの革命家だった。

この地が紛争地帯なのは・・・化石燃料の有無ではないと考えることもできるのだな。

しかし、それを言うと中東出身者は基本的に機知外ということになってしまうのでキッドは主張しませんが。

ともかく、ヒロインは中東の王族の姫マリナである。彼女がどんな教徒なのか・・・楽しみだなぁ。

ともかく、ヒーロー・刹那の回想シーンにRX-78によく似た機体が登場し、何故か圧倒的な能力差のガンダムたちが撃破する既得権益国家のモビルスーツたちが、オリーブ・グリーンとか、ダークグリーンとか・・・緑でザクっぽいところは高く評価したいと思うキッドなのだった。

関連するキッドのブログ『アキハバラ@DEEPhttp://kid-blog.cocolog-nifty.com/blog/2006/08/post_44b1.html

で、『ちりとてちん・第六回』・・・ついに貫地谷しほりを発見。うわぁ、意外に早かったっていうか、一週間ですっかり・・・桑島真里乃が好きになってしまったキッドは・・・もう・・・泣き笑いである。えーっ、急に九年経過かよーっ。「おじいちゃんがもういっぺん逢えますようにーっ」「おじいちゃんが天国にいけますようにーっ」「おじいちゃんが天国で幸せにおなりますようにーっ」・・・「喜代美が元気になりますようにっ」「喜代美が笑ってくれますように」「喜代美が大きく育ちますようにーっ」・・・「あっ、サイフも投げた」「愛宕山の一八かいっ」・・・泣き笑いである。とにかく・・・桑島→貫地谷にバトンは渡り・・・B子は制服で走っておりますーっ。万歳ーっ。なお、この記事はシャブリ様のコメント後に追加更新されました。

関連するキッドのブログ『第5回のメモ

で、『ジャッジ』も見たのだが犯罪者の子供はやはり犯罪者だな・・・などと恐ろしいレビューになりそうなので今回はパス。とりあえず浅野温子はいくつになっても浅野温子なのだな。まこ様、訛ってない西島秀俊たっぷりでございましたなっ。

月曜日に見る予定のテレビ『浅草ふくまる旅館』(TBSテレビ)『ちりとてちん』(NHK総合)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (4) | トラックバック (3)

2007年10月 6日 (土)

ウルトラセブンXはエイリアン・ガルキメスの夢を見るか?VSインドで新ふにゃふにゃ伝説(長澤まさみ)VS狙撃者のマイケル・ケインがアルフレッド・・・。

・・・ものすごい金曜日だったな。テレビって凄い・・・。ああ、キッドは本当にテレビが好きだ。

バットマンの最新作からクドカンの長澤まさみ、セカチュー裏の長澤まさみ、ウルトラシリーズの最新作、そして早朝HTBドラマ「そらぷち」・・・そして「ちりとてちん」いつだ。いつ眠ればいいんだーっ。

ま、眠るけどね。起きたらまた、テレビ見るけどね。

で、『ULTRASEVEN X・第一話』(TBSテレビ・071006AM0225~)脚本・小林雄次、監督・八木毅を見た。いきなり・・・海に浮いているジン(与座重理久)は記憶を失っているが実はウルトラアイを装着するとウルトラセブンエックスに変身するのである。

近未来の地球らしい惑星でジンはエイリアン駆除を目的とする秘密の防衛組織に属するエージェントである。謎の女A・エレア(加賀美早紀)や謎の女B・エス(伴杏里)や、謎の男・ケイ(脇崎智史)とともに侵略目的で潜入中のエイリアンを捜索し、摘発したり、殺害したりするらしい。

主人公が記憶喪失なのですべては謎につつまれているのだが・・・ちょっと包みすぎだ。

で、その世界観が「ブレードランナー」である。市街地上空には巨大浮遊物がニュースショーを垂れ流している。どうやらTBS系列らしい。「昨夜、遅く、エイリアンの一斉検挙が行われました。市民の皆さんはこれで安心して眠ることができます・・・」てなことを伝えているのである。

「あなたは救世主なのよ」とエレアに言われ、ジンはウルトラアイを手渡される。悪夢のような展開だが・・・リアルさを欠くとも言える。微妙だなぁ。

ともかく・・・ウルトラセブンはウルトラシリーズの中でも、善悪の境界が定かでなくなるのが特徴だ。地球人が侵略宇宙人の末裔という基本設定が尾をひいているのである。

本来は原作者・P・K・ディックの神に対する信仰と不信の気持ちが交錯した『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』が原作の映画『ブレードランナー』・・・そこでは人間そっくりなものが人間ではないのかどうかが問われていく。

幼いものに必ず生じる疑い・・・誰もが善を望むのに・・・悪が行われるのは何故か・・・大人はその答えを探して電子の森に迷い込むのである。

ジンもまた「自分が何者か」を知らぬまま、人間そっくりのインベーダーを尾行する。しかし、彼の迷いとは無関係にインベーダーたちは地球に魔手を伸ばしている。宇宙人の本拠地に辿り着いたジンは宇宙人に問われる。

「君は何者なのか」と。

ジンはその答えを見出させないまま、ウルトラセブンエックスに変身すると・・・本編では名前の語られない巨大宇宙怪獣をアイスラッガーで粉砕し、エイリアンの円盤をエメリウム光線で撃滅する。

つかのまの平和に眠る未来都市で主要登場人物たちの不安そうな表情や、ジンの記憶喪失の謎は語られないまま・・・ウルトラセブンの新たなる戦いは開始されたのだった。

関連するキッドのブログ『ゼブラーマン

で、『バットマン ビギンズ』(日本テレビ・071005PM0903~)原作・ボブ・ケイン、脚本・デヴィット・S・ゴイヤー(他)、監督・クリストファー・ノーランを見た。ティム・バートンで二本、ジョエル・シューマッハーで二本、に続き、五作目で三人目のバットマン監督。「インソムニア」の監督であるが・・・スケールの大きさはまったく感じさせない監督だ。しかし・・・バットマンに注ぐ愛情はなかなかなのである。

そして、配役は『太陽の帝国』の少年・・・クリスチャン・ベールがブルース(バットマン)を。ヒロインは幼馴染のレイチェル判事(ケイティ・ホームズ)、そして執事のアルフレッドはマイケル・ケインにチェンジしている。ああ、狙撃者のサントラ盤が見つからない。

さて、今回はバットマン誕生秘話。ティム・シリーズではバットマンの両親を殺したのはジョーカーだったのだが、今回は貧困の生んだ単なる犯罪者。

釈放された犯人を射殺しようとしたブルースだが、組織のヒットマンに先をこされ・・・目的を見失い、ガンジス川でバタフライを・・・じゃなかった世界放浪の旅に出る。そして、悪魔の頭ラーズ・アル・グール(渡辺謙)の率いる謎の組織・影の同盟と遭遇する。この組織は「悪を滅ぼすためには腐敗した都市や国家ごと滅ぼす必要がある」という過激な組織である。幼いものの「善と悪への懐疑」のひとつの回答と言っていいだろう。

「復讐と正義は別ものかもしれない」という懐疑主義者であるブルースにはとても受け入れることのできない信念であり、ブルースの才能にほれ込んだラーズの後継者指名を断り、組織を壊滅させるブルース。

ここにハードボイルド世界甘口が誕生する。「ケンカはやめて」という女子供の論理寄りで本来、非情で乾いた世界としては辛口好みのキッドだが、心が広いので受容。

もちろん、結局、路上や屋根でバットモービルを暴走させるバットマンに人命の重視は無理なのであり・・・大人が建前で「人命尊重」を叫ぶ世の中で実は人命が札束よりも軽いという現実を描くのがフィクションの使命なのである。幼い子供たちはそうして幼さを克服していくのだからな。

今回もバットマンは「孤独」に一人では戦わない。ウエイン系企業には天才科学者・ルシウス(モーガン・フリーマン)が、警察には唯一の正義の刑事ジェームズ・ゴードン(ゲイリー・オールドマン)がいて、バットマンを援護する。ゲイリー、腐敗した警官も正義の刑事も似合う天使な俳優だな。

今回の敵は地味である。スケアクロウ(キリアン・マーフィー・日本語吹き替え声優はガンダムSEEDのクルーゼでおなじみ関俊彦)も幻覚剤で変身するとき以外はほとんど素顔。ラーズの本体であるリチャードはずーっと素顔だ。

そしてこれを演じるのがルトガー・ハウアーなのである。

彼が「悪を滅ぼすために慈悲の心は障害だ」とバットマンに説教するのがメインテーマである。バットマンは「司法制度があるじゃないか・・・」と口ごもる。しかし、彼との対決を経てバットマンは「お前を殺すつもりはない。しかし、助けるつもりもない」という境地に達することができる。つまり、虫を叩き潰すのはイヤだが蚊取り線香は使うということだ。

さて、ルトガー・ハウアーといえば・・・「ブレードランナー」の美しくも悲しいレプリカント・ロイである。寿命の固定されたアンドロイドの彼は人間に復讐しようとするのだが、最後はハリソン・フォードに情けをかける。

「お前などが見たこともない・・・深遠なる宇宙の果て・・・灼熱の太陽もこの目で見た・・・その記憶もまもなく消える・・・流した汗が引くように。こぼれた涙が渇くように」というロイの遺言はこのブログのテーマ『愛はメモリー』の原点である。

こうして世界の善と悪のいたちごっこは続いていく。そして、また、死んで消えた悪もまたよみがえるのがハードボイルドと言うものなのだ。

関連するキッドのブログ『バットマン リターンズ

で、『ドラマスペシャル・ガンジス河でバタフライ・前編』(テレビ朝日071005PM1115~)原作・たかのてるこ、脚本・宮藤官九郎、演出・李闘士男を見た。キッドの友人たちは旅が大好きである。キッドはそうでもない。仕事の関係上、日本全国、世界数カ国を旅したこともあるが・・・できれば家でのんびりしていたいと思う。

キッドは「百聞は一見にしかず」という言葉を信じない。洞察力のない人間が何を見ようがけして本質を見たりしないと思うからである。

修学旅行で古都に出かけたとき、たとえば飛鳥の地で聖徳太子の魂に触れ合ったりするのは特殊能力の持ち主に限定されるし、能力があれば時空は超越するし・・・キッドなんか、自宅トイレでヒットラーの魂とかと交流できる場合もあるはずだと思うのである。

ま、そういうわけで塚本高史が「うるるんで見たことのある展開」と自ら切り捨てた能天気な女の子の「自分探し」の旅の物語はなかなかに爆笑なのであった。ま、乗り物酔いとかしないで生水飲んでもお腹をこわさない女の子(長澤まさみ)はちょっとうらやましいんですけど。

キッドにとって世界はあくまで妄想であり・・・妄想だから・・・どこにも行かなくても世界の果てがここにあるのである。ま・・・たまには温泉にいってみたくなりますけど・・・単にじじいってことだろうがっ。

深夜のトーク番組でさんまに操られ鶴瓶にいたずらを仕掛けるまさみ。そしてガンジス河らしき汚濁の河で目をつぶってバタフライをするまさみ。エリカと違ってまさみは今、縦横無尽に弄ばれることをエンジョイしているようだ。

「吾輩は主婦である」に続いてクドカン・竹下景子・・・相性いいのか・・・微妙だ。まさみはふにゃふにゃ爆発でセリフが意味不明なところが萌えポイントなのだな。

ま、インドにいって牛の糞踏むのも百聞は一見にしかずなら・・・そんな体験はしなくてもキッドは全然OKなのだな。

関連するキッドのブログ『吾輩は主婦である

で、『ちりとてちん・第五回』今日も貫地谷を見ず・・・日本海海戦の観測船かっ。家族に病状を隠していた祖父。ま、難病と聞かされる家族の気持ちを考えると祖父の優しさ100倍です。そして、ほんのわずかの間におじいちゃんに心をとられた喜代美。医師に「意識が戻らないかも・・・」と言われた祖父ですが・・・落語で意識を取り戻す。看護婦は先生を呼びに行くと言ってそのまま。「笑うことを忘れていた。喜代美は笑えよ」と遺言を残し、父と和解。そして・・・息をひきとる・・・ああ、本当にこの脚本家はクセがあるよな。それにしても母はニュータイプなのか・・・カセットテープを持ってはドアがあけられないので・・・ダンドリ芝居なのか・・・ああ、嗅覚なのね。

関連するキッドのブログ『第4回のメモ

日曜日に見る予定のテレビ『風林火山』(NHK総合)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (2) | トラックバック (8)

2007年10月 5日 (金)

折れた煙草の吸殻でL<>VEと書いてみました。(オダギリジョー)

もう、盛りだくさんなのであった。しかし、恒例の「細もの」チェックも「逮捕しちゃうぞっ」についてもいささか時間が不足しているので、レビューは映画「イン・ザ・プール」に絞ることにした。最近、記事の誤記が多くて皆さんにご迷惑をかけることも多いのだが意図的な場合もあり・・・すべて妄想としてお許しください。

さて、2005年はオダジョーがひとつのピークを迎えていて、本作品もあれば、「メゾン・ド・ヒミコ」もあり、「パッチギ!」とか「SHINOBI」とか、いろいろありました。ま、前年の大河ドラマ「新撰組!」の余波ということもあります。

で、この作品からドラマ「時効警察」シリーズが展開していく・・・という観測もあります。そして、映画としては「転々」に継承されていく模様。ま、途中で松尾スズキとかが「イエーイってカウントダウンTVかっ」などと時代と寝てしまったギャグも入って古典には一歩及ばないのですが・・・小劇団テイスト映画としてわかりやすいテキストといえるでしょう。「イン・ザ・プール」→「時効警察」という流れを考えると舞台「歌姫」→ドラマ「歌姫」というアレンジを考察するときのヒントになるかもしれません。

で、『イン・ザ・プール(2005年公開)』(テレビ東京・071005AM0315~)原作・奥田英朗、脚本・監督・三木聡を見た。まず、例によって頭の不自由な人の問題になるのだが、キッドは全人類は基本的に頭不自由論者であることをおことわりしておきます。で、機知外の人と基違いの人は微妙に違うのですが、前者は愚鈍の要素が強く、後者はボケの要素が強いわけです。もちろん、この映画で扱われるのはどちらかといえば後者ですが・・・愚鈍的要素がまったく皆無というわけではありません。

最初に森本レオのインチキ教授が性的嗜好の錯誤について説明します。女子高校の校門前に置かれたクッキー。「女王様のハイヒールで袋入り糸こんにゃくをぐにぐにすると快感系」の阿部サダヲ風の男が電柱の上で女子高校生によるクッキー踏み潰しに身悶えするわけです。ま、どうみてもヤラセです。次には女子高のプールの水を飲み、汲んでペットボトルでお持ち帰りの荒川良々風の男が登場して「女子高生のおいしい水」で学生がお追従笑いをするのですが・・・これもヤラセくさいな・・・映画のイントロだよっ。

さて、主人公はいかにもどっぷりとビョーキにつかった神経科の医師・伊良部一郎(松尾スズキ)です。地下で神経科を開いているのですが・・・病院の経営者でもある・・・というあたりが趣味人を感じさせます。

基本的に精神病は伝染しますから、精神科医であろうと、心療内科医であろうと、カウンセラーであろうと心の暗部に踏み込む職種の人が精神を病むことはさけられません。しかし、たくさんの患者に触れることで心の抵抗力が養成される場合があり、おそらく、伊良部はそういうタイプ、つまり、正常な人よりは狂っているが異常な人よりはまともというポジションです。

秘書のような無口な看護師マユミ(MAIKO)はいかにもサディスティックです。伊良部は雨に濡れた白衣でチッと舌打ちし、実家から大量にカブトムシを送ってくるマユミちゃんが患者に保険点数を稼ぐための注射をした時に逆流する血液のモワモワをこよなく愛するのです。

さて、第一の患者は泌尿器から回されてきた上司がきたろうの若いサラリーマン田口(オダジョー)です。彼は三日前から連続勃起状態で脱ぐと●がトレードマークです。かなり、立派な男性器らしく、それを見る人々はみんな財宝を目にした海賊のように恍惚となるのです。もちろん、泌尿器科の看護師サネイエ(江口のりこ)はポーカーフェイスですが一回転しても注視です。

日常生活で勃起が続くのは大変、支障があります。田口は本当に困っているのです。しかし、周囲の人々はうらやましい感じがしてしまいます。そういう意味で言葉はいい加減だが、伊良部は真摯な態度で患者に接します。基本的に患者たちが伊良部を愛しているのがこの映画の隠し味です。まあ、人柄に惚れるというやつですね。

実は継続勃起症の田口は心にある悩みをかかえています。男ができて田口を捨てたアボガト納豆丼の得意な元・妻(藤田陽子・野田秀樹の現在の妻)を夢の中でクルクルまわしているのです。

「女性に対して怒りを表すことができない」・・・それが田口の病巣なのです。

伊良部は病的な直観力でそれを悟りますが・・・安易に解決したりはしません・・・そんなことをしたら病院が儲からないからです。

ともかく、田口は勃起し続ける自分に耐え・・・温泉旅行で裸になりたくないばかりに火災警報器のスイッチを押したりしてしまいます。

・・・全身整形サイボーグ美女の妻と離婚し慰謝料を請求されている伊良部は田口の妻にやつあたりをしに出かけます。「どうして怒らないの。私のことのぞきにきていたでしょ。私はあなたにも幸せになってもらいたいの」という田口の妻に「このクサレ売女めが硫酸と塩酸で溶かしてやりたい」と逆上する伊良部。田口はあわてて退散します。

ああ、そうですよねー。男作って逃げた女に対して未練だとか逆上だとかどちらかでも表現しないと勃起がおさまらないってすごーく胸にしみますねーっ。ま、キッドならば男も女も人知れず消去しますけれどーっ。

一人・・・枕を涙で濡らし勃起し続ける田口。

しかし、泌尿器科医師によって学術的興味から自分が研究対象としてあつかわれた時、田口の怒りがついに爆発するのです。大暴れして器物破損して警察に逮捕される田口。しかし、勃起は収まったのです。高らかに伊良部とうたう「学級閉鎖の歌」・・・。

第二の患者は強迫神経症と自己診断するルポライター岩村(市川実和子)です。まあ、彼女の場合・・・外出時に部屋のガスを消したかどうかが気になるわけです。ちなみに上司っぽい編集長は又来(ふせえり)です。そのためにせっかく便所臭いマーガレットの花束を持って取材に行こうとしても家に戻るしかありません。だって・・・もしも火事になったら大変です。もちろん・・・ガスはしっかり消えています。

こうしてルポライターなのにあらゆるアポイントメントがキャンセルという最悪な女になってしまいます。

もちろん、伊良部は「何か大切なことを忘れているから・・・どうでもいいことが気になる」と即座に看破するのですが・・・遠回りです。だってそうでないと病院が儲からないからです。

岩村の病状は進行し・・・アイロンが気になり、クーラーの漏電が気になり、鍵が気になり、ついにはカブトムシの発火現象が気になります。そして、駅から自宅前へ。自宅前から玄関へと行動範囲は縮小し・・・ついに家から一歩も出られなくなってしまうのです。そして焼肉店の火の始末が気になってガラスを破って不法侵入です。

彼女を助けたのは伊良部ではなくて又来でした。ブスだけど本当にイイ人なのです。

ついに「子供の時に友達の西川くんを冷蔵庫に閉じ込めた」ことを思い出した岩村は髑髏という字を「四に釣り針虫田中串刺し女骨骨」で書ける好奇心旺盛で刑事になりたい伊良部とともに現場へ向かいます。そこは社会派ルポの定番産業廃棄物の拠点でした。

靴にはさまった石が気になって坂道を転げ落ちる伊良部と偶然にも「冷蔵庫の中の腐乱死体」というスクープを発見した岩村はついでに西川くんの無事も確認・・・心の病も快方へと向かうのでした。

そして、第三の患者は上司が岩松了のエリート・ビジネスマン大森(田辺誠一)。彼はプールで泳がないことには心の安定が保てないプール依存症。1500メートルをターンすると涅槃を感じる男です。しかし、いろいろな妨害が入って彼は泳ぎを禁じられ・・・真夜中の貯水タンクを覗き込む危険な領域に。

彼には妻(ちはる)も愛人(真木よう子)もいるのですが・・・両方とも性病持ちで彼もまた性病になって水泳を禁じられてしまいます。彼も人並みにセックスをするのですが・・・彼を癒すのは何よりもスイミング・プールなのです。

万引きをして逮捕された妻のバックから抗生物質の青いカプセルを発見した時。彼はもはや大それた大会開催中の深夜のプールのドアを叩き壊し背広で高飛び込みするしかなかった・・・水が入っていてよかったよ。

ともかく・・・割ってはいけないガラスを割ったらビョーキだったりビョーキが直ったりするわけですが・・・大滝詠一の「ナイアガラ・ムーン」に乗って伊良部先生のところに行くのはなんだか楽しい感じなのかもしれません。キッドはいかない。

関連するキッドのブログ『帰ってきた時効警察

で、『ちりとてちん・第四回』今日も貫地谷しほりは観測できず。B子はA子の父が祖父の技を盗んで大成功している箸メーカーの社長だと知ります。祖父はついに倒れるのですが・・・「お前はおかしな子で面白い。おかしな子が一生懸命なことをしてまるで落語や」と言ってB子を慰めます。B子は慰められた模様ですか・・・普通は傷つく展開です。ま、そういう話だということです。

関連するキッドのブログ『第三回のメモ

土曜日に見る予定のテレビ『ガンダム00』(TBSテレビ)『フラガール』(フジテレビ)なるほど・・・土曜はガンダム→SPの可能性もあるのか・・・「ジャッジ」も・・・来週は「ドリ☆アゲ」も「ハリ系」も見るけど・・・とてもつきあってられない気が・・・。

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年10月 4日 (木)

キャイ~ン。(ウド鈴木)・・・レ(D)ソ(G)です。(絶対音感のある辰巳奈都子)

まあ、麗しの沢尻エリカがいろいろと問題になっているわけだが、もう、もって生れた「美」は失われようがないので・・・それをもてあましたり、飲み込まれたり、傷ついたりするのも・・・運命なのですな。まあ、「美」を破壊できるのは「時」だけですが・・・すでに「美」を封じ込めた「作品」がいくつもある以上・・・「態度が嫌いだから作品も嫌い」という人は計算の外に置くしかないのです。ま、周囲のスタッフは乗りこなせるかどうか・・・瀬戸際っぽいですが・・・スターというのは本来、そうでなくちゃね。

それはそうと発端となった現場にあんぱんち様がいてレポートしていましたーっ。さすがだーっ。

松田聖子と少し雰囲気が似ているエリカ・・・「美」としては格別ですが・・・プロモーションのヒントにはなるかもしれません。

さて・・・そういう格上の人生とは別に・・・チャンスを求めてあがく人生もある。そういう底辺からみればエリカはまぶしすぎるのですが・・・キッドはどちらもそこそこ愛しています。

で、『週刊プレイガール』(テレビ朝日・071004AM0121~)構成・ゴウヒデキ(他)、演出・西田修を見た。「週刊プレイボーイ」とタイアップしてウド鈴木が「新しいグラビア・アイドルを生み出そう」という企画である。滅びつつあるアナログテレビと前世紀の遺物である雑誌のコラボレーション・・・乙ですな。アシスタント・ホステスは山川恵里佳である。矢口ひとりと似たコラボなのだが・・・目的を一点に絞る必要のある不器用さは感じるので・・・この企画はいいのではないか。

で、プロアマ問わずのオーディションからスタートして・・・グラドルを育てていくという趣向。一回目は「面接」と「水着でカメラテスト」という審査でメンバーを絞りこむという段取である。

結果発表は誌上で・・・なのである。ま、来週、この番組を見ても解るのだが。

審査員はウド&山川、週プレ・編集長・小森利之、同・グラビア担当・地代所哲也、リア・ディゾンを撮ったカメラマン・飯塚昌太である。

さて・・・肝心なのはタマだな。トップバッター・・・広島出身なのか東京出身なのかもさだかでない森下悠里(1985生)は「OUT★PUT」(2005テレビ東京)ですでに人気投票1位のグラビアアイドル(DVD多数発売)なので「新しい」かどうかは疑問だが、何が「新しい」かはまた困難な問題だからな。とにかく・・・Gカップで抜群のプロポーションは健在なのであった。カメラテストでは下乳はみ出しの水着を持参・・・セルフ・プロデュース力はよどみない。

そして・・・辰巳奈都子(1988生)登場である。映画「スウィングカールズ」(2004)でトロンボーン担当(役名・小林陽子)である。つまり、キッド的カテゴリーで言うと貫地谷しほり関係者だ。じゃ、上野樹里も貫地谷関係者かよ・・・そうだっ。

ま、それはそれとして・・・相武紗希のあまりヒットしたとはいえない映画「ビートキッズ」(2005)や平均視聴率*7.9%のドラマ「ガチバカ!」(2006)などの脇役出演を経てここなのである。「やりすぎコージー」(テレビ東京)ではやりすぎガールなのである。十九歳だが・・・苦労しているのよ。そして絶対音感を武器にグラビアアイドルなのである。面接では控え目なのだが・・・カメラテストでは女優としてギラギラ視線を披露。

この他、月34万のマンションに一人暮らしのITソフト会社社長の孫のロレックス女・安藤成子(20)、10才まで中国にいたルル(20)、島根大学卒で株が趣味の佐々木梨絵(24)、グラビアアイドル尻相撲をしていた藍原亜美(18)、元気100倍チャキパンマン(自称)の畠山智妃(22)など・・・硬軟とりまぜて登場である。

ま・・・こういうチャンスの泉から・・・エリカ様も生まれ出たわけなのだが・・・それをラッキーと考えるか・・・当然と考えるかは・・・本人の自由・・・そしてどう考えても成功したりしなかったりするのが・・・この世界の醍醐味なのだなぁ。

雑誌「TV・station・2007年21号」146ページの「麻生香太郎のエンタメ最前線」でねんドル岡田ひとみがとりあげられている。グラビアアイドルから・・・ねんドルになった岡田ひとみの決断を紹介したりしている。

幸運もなければ成功できないのだが・・・幸運があっても失敗することはある。

キッドはその「どうなるのかわからない」ところも含めて楽しめるかどうかが・・・ポイントだと思うのです。

関連するキッドのブログ『うたばん・キューティー★マミー

ちりとてちん・第三回』今日も貫地谷は観測できず・・・和田喜代美は「わだきよみB」から「B子」に渾名が発展しているのだった。今回はおじいちゃんによる落語「愛宕山」の解説あり・・・。「タイガー&ドラゴン手法」でドラマの登場人物が落語の登場人物になるごっこ展開を披露。まあ、筋立てまでリンクする神業ではありませんが・・・そこそこ楽しいです。一八は和久井映見が演じていて・・・つまり・・・喜代美にとって母はちょっと間抜けな幇間(たいこもち)なのかっ。

関連するキッドのブログ『第2回のメモ

金曜日に見る予定のテレビ『バットマン ビギンズ』(日本テレビ)、『ガンジス河でバタフライ』(テレビ朝日)、『ウルトラセブンX』(TBSテレビ)・・・先週から金曜日・・・殺す気かっ。

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年10月 3日 (水)

ダメじゃないっ!そんなことしちゃっ・・・もう、しょうがないなぁ・・・ハニー・フラッシュ!!(原幹恵)

キッドの夢としては『火曜ドラマゴールド・ビネツ・美肌の誘惑・現代エステ大奥物語』なんかで三番手の藤結花役の佐藤江梨子を見るよりもテレ東の深夜で毎週『キューティーハニー』のサトエリを見たいのだが、なぜか、世の中って奴はそういう夢には応えてくれないのだなぁ。

・・・と去年の11月22日のブログに書いたのだが、サトエリ(イエロー・キャブ推定Fカップ)に対してハラミキ(オスカー・プロ推定Gカップ)の差はあるけれど天然ボケ要素の強いキューティーハニーが降臨。夢って願えば・・・時々叶うものらしい。

キャラクターの実写化はコミック→アニメ→実写と予算が増大していくものだが、技術の発展によってそのボーダーラインは曖昧になっている。しかし、キューティーハニーはいくつものハードルが設定されているのである。

まず・・・キャラクターがセクシーという問題がある。セクシーは魅力的なことだが。セクシーではない人々の拒絶反応というものがある。セクシー絶対反対とか、セクシー断固反対とか・・・そういう悲しい嫉妬の感情がキューティーハニーを十字架に掛けようとするのである。

そこで実写の場合、キャラクターの人選が難航するのである。それはスタッフはセクシーなヒロインを求めるのだが・・・実際にセクシーなスターは人々のネガティブな感情に配慮して・・・やりたがらない。

そういう意味でサトエリのキャスティングは奇跡のようなものだ。

次にそういう難関を突破しても・・・意外に大当たりしないという問題がある。ま、大衆はそんなにセンスがよくないので仕方がないのだな。

しかし、主題歌「キューティーハニー」がその底力で倖田來未をスターにしてしまったりする。この当時「エロかっこいい」という言葉が生れたが要するにセクシーということなのである。まったく、セクシーでない人々のセクシーに対する苦手意識というものは大爆笑なのである。

とにかく・・・そういうハードルを乗り越えてキューティーハニーの歴史に新たなる一ページが加えられたのだ。

で、『キューティーハニー THE LIVE』(テレビ東京・071003AM1~)原作・永井豪、脚本・井上敏樹、監督・横山誠を見た。如月ハニー=キューティーハニーは原幹恵なのだが、この他に早乙女ミキ=シスターミキ(水崎綾女)、剣持ユキ=シスターユキ(竹田真恋人)も設定されていて、今回は未登場なのだが、いろいろサービスする気らしい。

オープニング・タイトルで頭部と胴体が切断されているハニーの映像がある以外はハニーがアンドロイドであるといった説明は一切なし、その背景も第一話ではまったく説明されない。その上、ハニーもほとんど登場しないという・・・ある意味、凝った展開である。それが吉なのかどうかは微妙だが・・・まあ、スタッフがそういうことをしたくなる素材なのですな。

高校一年の如月ハニーの通う白薔薇学園は健康診断の日。何故か、ブルマに着替え、身体測定中なのである。もう、おっかなびっくりセクシーなのである。どうしても下品になってしまうのだな。

一方、悪の組織・パンサー・クローは陰謀を実行中。二重人格のボス・中条有次(村上幸平)は「服役中の三人の囚人に超科学の武器を与えて脱獄させ誰が最後まで逮捕されないかレースを開催してお金持ちのギャンブラーに賭けさせる」というデモーニッシュなビジネスを展開するのである。

脱獄犯の一人、山下次郎の妹・奈々(山本彩乃)が早見青児(山本匠馬)探偵事務所を訪ねることによって事件はハニーサイドに引き寄せられていく。

実は妹が殺人犯で兄は身代わり犯人だったという真相がもりこまれ・・・わざとらしくおどろおどろしい展開で話は進んでいく。早見にまとわりつくハエネタもくどいが・・・まあ、もう、スタッフがセクシーにものすごい抵抗感があるので仕方ないと言えるだろう。

脱獄犯が逮捕されそうになると刑事ごと、始末して証拠隠滅をするパンサークロー。みんな突然、マスクをかぶり始めたり、刑事が中学生のように見えたり、まあ、ふざけているのか、穴なのか、微妙な演出が続くのだが・・・終盤、絶対絶命になった早見探偵がお友達の如月ハニーを「すっごく楽しい身体検査」からお呼び出しすると・・・ものすごく楽しい展開になっていく。

キューティーハニーに変身して繰り出す攻撃が・・・コミカルなのである。そしてボスが変身して立ちふさがると妙にやられまくるのである。そして、ハニーはSからMへとポジション・チェンジをしながら・・・最後までボケ・キャラを貫いていく。

ああ、楽しいよぉ。これは子供に見せたいよぉ。でも人格疑われるから見せられないよぉ。・・・まったく、どこへ向かっているのか検討もつかない展開だが・・・実写版・セーラームーンの臭いは微かに漂っている。ライオン丸Gとの中間あたり。レビューはともかく、最終回までキッドが視聴することは確実なのだな。

関連するキッドのブログ『ライオン丸G

で、『ちりとてちん・第2回』(NHK総合)も見た・・・おいおい、毎回レビューする気か?・・・ともかく、落語「愛宕山」のテープをめぐっておじいちゃんと仲良くなる和田喜代美なのであるが、渾名が「わだきよみB」になったことと、それを「隕石にあたったようなものだから受け入れるしかないよ」と慰めてくれる友人・野口順子(伊藤千由季)の登場をメモしておく。今、子役名を検索したらシャブリ様一本だった。シャブリ様、仕事速いです。

後は語尾が→↗になる方言イントネーションが妙に耳についてはなれないんですけど。

関連するキッドのブログ『第1回のレビュー

木曜深夜(金曜日)に見る予定のテレビ『とんねるずのみなさんのおかげでした20周年突入記念SP』(フジテレビ)、『逮捕しちゃうぞフルスロットル』(TBSテレビ)、『イン・ザ・プール』(テレビ東京)・・・レビューはできる範囲で・・・集中しすぎ・・・。

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (6) | トラックバック (2)

2007年10月 2日 (火)

最悪を妄想しとけばちょっと悪くても大丈夫。(桑島真里乃)VS九死に一生みゃぁお~・・・。(ミシェル・ファイファー)

朝はニューフェイスの子役に萌え~。深夜は狂乱のキャットウーマンに萌え~。十月は最初からゴージャスに開始されている。夕方は「チョコミミ」(テレビ東京)にもちょっと萌えかけたが、そんなに一日中萌えているわけにもいかないからな・・・。

さあて・・・困ったぞ・・・とりあえず・・・一目、貫地谷しほりを見ようと思ったのにこれっぽっちも登場せず、しかも語りが上沼恵美子って・・・。おあずけかっ。おあずけなのかっ。

しかも・・・子役が非常にそそるタイプである。池脇千鶴系だが・・・確かに貫地谷の少女時代も思わせ、和久井映見の娘という設定に違和感がない・・・ナイスキャスティング。しかし・・・月~土・連日レビューしてたら「ちりとてちん」のブログになってしまうではないかっ・・・ま、それも一興だけどね。

それにしても前回「バットマン」が字幕で今回「バットマンリターンズ」が吹き替えって・・・。月曜映画・・・この脈絡のなさは・・・わざとなのかっ。ま、コレクターはどんな声優だろうと、どんな切り裂き編集版だろうと新アイテムとして確保ーっなのですけどね。で、みゃあお・・・なのですけどね。

で、『ちりとてちん・第1週第1話』(071001AM0815~)脚本・藤本有紀、音楽・佐橋俊彦、演出・伊勢田雅也を見た。テーマ曲のピアノ演奏は女優もやってる松下奈緒である。「仔犬のワルツ」ではなっちのライバル。「タイヨウのうた」では沢尻エリカのライバルである。いつもピアノを弾いています。

さて、脚本家は「ギャルサー」も書いているが、基本的には「かなりクセがある」「基本的に視聴率はとらない」という特徴がある。音楽とのコンビは「ミニモニ。でブレーメンの音楽隊」でも組んでいるが・・・これは傑作だった。特に辻希美の歌う「豆腐の唄」は大傑作。

そして・・・今回もそのクセの強さは健在である。

主人公・和田喜代美(桑島→貫地谷)はかぞえで九歳・・・。1982年はぎりぎり「かぞえ」が通じるが・・・ほとんど死語だっただろう。生れた年を1として数える年齢表記である。家族とドライブ中なのであるが・・・不安な気持ちに襲われる。父(松重豊)は勤めていた会社をやめ、10年ぶりに妻(和久井)と二人の子供・・・姉と弟(星野亜門)を連れ、実家に引っ越す途中であった。

母は「あ~誰にもふるさとはある」などと呑気に唄っているのだが・・・かなり心配性の喜代美は気持ちが悪くなるほど悪い予感でいっぱいなのだった。ま、心配性というものは自分ではツッコミのつもりで世間から見るとボケであることも多く・・・一人でボケとツッコミを演ずる落語家としてはまあまあ素質があるのだ。ともかく・・・この話は女落語家の物語らしいからな。

それにしても・・・主人公の大人目線の語りがなぜ、上沼なのだ・・・この少女(桑島)が貫地谷に成長するのだなぁ・・・と思っていると声が上沼なので・・・なんや気持ち悪うなってきますーっ。おえっ。このあたりがクセの悪さかもしれん。

しかし、初めて見る若狭の海に子供なので機嫌が直る喜代美だった。

物語の最初の舞台は福井県小浜市である。祖父・正太郎(米倉斉加年)はいかにも頑固な若狭塗箸職人。祖母・小梅(江波杏子)はいかにも元・芸者である。そして・・・父は箸職人を投げ出して出奔していたらしい・・・喜代美は祖父母と初対面なのである。

祖母に挨拶しようとするといきなり、車のドアにスカートをはさみ、スカートやぶれ、喜代美のパンチラである・・・もう、どんなサービスじゃっ。あー、信じられへーん。

そして、引越しの荷物からなかなかスカートはみつからない。

さらにとんでもない年齢不明の父の弟・小次郎(京本政樹)は父の蔵書は売りとばすは、喜代美の裂けたスカートをさらに切り刻むは・・・で変態である。

発掘された母のスカートをはいて弟と二人・・・浜辺に出てみる喜代美。長めのスカート引きずって・・・転ぶのである。尾崎豊世代のギャグだな。

もう・・・ろくなことない・・・小浜なんか嫌いやぁぁぁぁぁという喜代美に差し伸べられる手。和田清海(佐藤初→佐藤めぐみ)である。二人の「わだきよみ」の運命の出会いだった。ま、同級生なので次には教室で出会うのである。

佐藤初と桑島真里乃のどっちが可愛いかはかなり微妙だが、脚本上は佐藤初が可愛いという設定らしい。・・・それはどうかな?

とりあえず・・・父と祖父は喧嘩していて顔あわせようともしない・・・。「あしたもあさってもしあさっても・・・なーんもええことないんとちゃうやろかぁ」と妄想に走る喜代美だったが・・・ここの描写がちょっと心配になる展開だ・・・まる子をやりたいのか・・・みかんの汁を顔射されたり、おしっこ漏れそうになったり・・・サービスなのかっ。

しかし・・・母に手作りのお守りもらって・・・ちょっとうれしくなった喜代美で・・・つづくである。

あーっ、やっぱりクセがあったなーっ。でもこれがクセになりやすいんだよなーっ。とりあえずレビューは未定として明日も見るのです。でないと貫地谷を楽しめないからーっ。

関連するキッドのブログ『純情きらり

で、『バットマン・リターンズ(1992年公開)』(日本テレビ・071002AM0159~)監督・ティム・バートンを見た。日本語吹き替えはバットマン(山寺宏一)、キャットウーマン(藤田淑子)、ペンギン(石田太郎)、シュレック(野沢那智)である。ま、この豪華さはお下がりです。ペンギンは群集から野菜クズを投げつけられるところで「オレを野菜サラダにする気かっ」と言うのだが石田は「なんで都合よくトマトとか持ってるの」とかましている・・・やりすぎだが・・・まあ、いいか。

前回が復讐者の物語なら今回は因果応報者の物語である。ある意味同じである。しかし、前回の仇役が持たざるものだったのに対し、今回の仇役は欠けたるものであり・・・悲しみはより深くなっている。まず、ペンギン(ダニー・デヴィート)は生まれついての奇形児であり、両親に川に流されるがゴッサムシティの下水道に棲息するペンギン一族によって育てられ・・・幼児誘拐を裏稼業とするサーカス団を結成する。手下にはピエロとペンギンそして猿にカナリヤちゃんである。

成り上りものでブルース(バットマン=マイケルキートン)を甘やかされたボンボン呼ばわりするシュレック(クリストファー・ウォーケン)は息子に財産を残してやるために電力強奪の陰謀をもくろみむ影の極悪人。

その秘密を知ったために殺される秘書セリーナ(ミシェル)は九つの命を持つ猫族と融合し、キャットウーマンとして蘇生する。彼女は当時の男尊女卑社会の犠牲者であり、また足の不自由な不具者(かたわもの)として虐げられた悪である。ゾンビと化したセリーナが混乱して家を黒く塗り・・・キャットウーマンのレザースーツを手縫いする描写はティム・バートン以外の手からは生まれなかっただろう。もちろん・・・ディズニーランドにありそうな廃墟の公園の地球儀を破壊し、フリッツ・ザ・キャットのような猫をイヒヒと笑わせ、悪趣味の限りをつくしていくのである。

全編が美しい悪夢なのだなあ。

わが子の幸せのために世界が不幸になってもかまわないシュレック。自分を捨てた世界を憎悪しつつ・・・支配欲も隠せないペンギン。そして男社会を憎みつつ、男を憎みきれないキャットウーマン。悪たちはそれぞれの情念をバットマンに放射するのである。

そして・・・舞台はクリスマスを目前にするゴッサムシティーなのである。

キャットウーマンはベンギンに殺され、一度は助けようとしたバットマンにも殺され、その度に蘇生してはますます・・・混乱していく。ま、知性と教養のないものにはついてこれない話なのである。

前回のヒロインとは「秘密を受け入れてもらえず」別離したブルース。

今回は戦いの最中にクリスマスには男の子が女の子にキスしてもいいともクリスマスにキスしたらカップルは永遠に結ばれるとも言われるヤドリギの下でキャットウーマンに語りかけるパットマン。「ヤドリギの下だね・・・知っているかい。仔猫ちゃん。ヤドリギは毒があるから食べたらお腹痛い痛いになっちゃうよ」キャットウーマン「でも、キスは時には命さえ奪いかねない危険なものよ・・・」そしてバットマンを舐めあげるキャットウーマン。

仮面舞踏会の夜。ブルースとセリーナはキスを交わし、歓喜のセリーナはヤドリギの下であることに気がつく。

セリーナ「ヤドリギの下ね。知っている? ヤドリギには毒があるの・・・」

ブルース「そして、キスは時には・・・命とりだ」

一瞬にしてお互いの正体を悟る二人・・・。

そして、物語はクライマックスへ。バットマンを射殺しようとしたシュレックを地獄に道連れ大電撃スパークしたキャットウーマンは姿を消す。ペンギンはほぼ自滅し・・・孤独な生涯に終止符がうたれ・・・ペンギン族によって水葬の儀が執り行われた。

聖夜である。小さな仔猫をひろったバットマンは忠実な執事アルフレッド(マイケル・ガフ)と「メリークリスマス」の祝福を交わし・・・世界中の恋人たちの幸せを願う。

そして、そのはるか頭上にバットマンサインが浮かぶと・・・それを見上げるキャットウーマンの後姿・・・全世界(の一部熱狂者)がみゃ~おとうなったエンディングである。

関連するキッドのブログ『バットマン

水曜日に見る予定のテレビ『週刊プレイガール』(テレビ朝日)・・・『マクロス(再)』も見るけどね。

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (2) | トラックバック (2)

2007年10月 1日 (月)

死のうとすれば生。生きようとすれば死。すなわち死中に活ありっ・・・。(Gackt)

いよいよ川中島シーズン突入。武田晴信(信玄)と長尾景虎(上杉謙信)が雌雄を決しようとして決することのできなかった長い長い戦いの火蓋が切っておとされたのでございます。

ううん。待ちかねましたーっ。今回は第一次川中島の合戦(布施の戦い)を山本勘助VS宇佐美定満の智恵比べ。諸角虎定の老骨ムチうち話。武田信繁優しい男だ物語。由布姫霊力開眼篇。馬場馬上一夜話。リツ(前田亜季)・おくまのおもろい主従・・・など話題満載でしたーっ。

戦闘シーン控え目ですが・・・ま、序盤ということで大目に見て、板垣信方(千葉真一)も、甘利虎泰(竜雷太)も、ミツ(貫地谷しほり)も草葉の陰でご照覧あれっ。

で、『風林火山・第39回』(NHK総合・070930PM8~)原作・井上靖、脚本・大森寿美男、演出・東山充裕を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨いたします。今回は戦闘推移マップにイラストもたっぷりついた特大号展開。川中島始まった記念特集・・・まあ、ワクテカでございます。もちろんキッドもワクテカです。専門用語で言うと「武者震いがするのぉぉぉぉぉぉぉ」なのです。

Kawanakajima1553 で、今回はもう妄想どころがたっぷりである。最初に視聴率が15.9%だったあたりから・・・キッドがこれほど興奮するということは一般大衆がついてこれない場合が予想され・・・案の上だったのだった。大体、布施の戦いをこのように虚実織り交ぜて展開することがすでにすげぇ・・・なのであり、ついてこれない人は多いとは思われる。ここは緒戦の武田・長尾の先方戦で血生臭い描写をしておくべきだったな。一般大衆は血に餓えているからーっ。

さて、おちょくりはほどほどにして・・・難解な由布姫(柴本幸)の蜻蛉(とんぼ)を見て「勝ち虫が来ました」発言から・・・もう何を言ってるのか解らん一般大衆は多かったはずだ。もちろん、蜻蛉が縁起のいい虫として吉兆を告げたというのが基本だが・・・妄想はもう少し膨らんでいく。まず、日本という国名の古い言い回しから思い出す。もちろん、ヤマトという言葉があるが、他にも敷島ともいうし、大八嶋とも言う。その中に秋津島(あきつしま)というものがある。秋津とはアキツ(とんぼの古名)であり、日本は「蜻蛉の飛ぶ国」という名を持っているのである。それはラドンがメガヌロンを食するがごとく、とんぼが愛される虫であるということなのだな。

さて、しかし、由布姫はなぜ虫の知らせを受けて勝利を確信したのか・・・ということになる。

ここで布施の戦いに目を転ずる。すでに北信濃の大半は武田の占領化に置かれている。基本的には調略による勝利であり、地侍たちは武田家に降伏することにより領土を安堵されるのである。そのために牧城で見られたように本来の城主である高坂氏と武田の目付けである春日氏が同居するという体制になっている。占領政策の基本中の基本でいわば牧城の二人は昭和天皇とマッカーサー元帥なのである。

これが武田に服した犀川以南の各城の基本である。

長尾勢で辛うじて領土を維持しているのは犀川以北の高梨家であり、高梨家は長尾家の縁戚として血縁が濃く、越後にとっては最前線である。かくて、越後勢およそ8000が信濃に遠征してきたのが、川中島12年の戦いの始まりなのである。これに対して武田軍の動員勢力は10000人とされるが、これは甲斐と越後という両軍の本拠地との距離から考えて妥当な数字だろう。しかし、実際は守勢の武田軍にとっては補給などの点で有利があり、また増員も可能という強みがある。

甲州ラッパや真田忍軍などの武田の諜報力も長尾の軒猿を上回っていたと推定される。

しかし、犀川を渡り川中島に侵入した毘沙門天軍は風林火山軍の布施の先陣を突破して、第二陣の八幡の陣も突破。おそらくこの時点で塩崎城軍は退却し、さらにかっての村上家の重臣・屋代氏の守る荒砥城もおそらく抵抗なく落城する。しかし、ここまでは戦術的退却であり、鶴翼に展開する武田の布陣を見れば毘沙門天が死地に向かって進んでいることは明らかなのである。もちろん、錐揉み先鋒で敵の本陣をつくのも短期決戦の常道で、要するに鶴翼のツバサが閉じて・・・つまり、牧城の武田軍と須田城の須田氏が合流して・・・越後勢の退路を絶てば包囲が完成され・・・越後勢の殲滅が可能となるのだが・・・それよりも早く、越後勢が武田の本陣に乱入して晴信の首級をあげれば景虎の勝利ということになるのだ。

そういう意味でこの戦いは最初から最後まで互角の戦いであり、鶴翼対魚鱗の我慢比べなのである。

武田軍は荒砥城の対岸にある葛尾城にも鶴翼の罠を張っており、景虎をツバサを拡げてまっていた。まあ、虎口である。しかし、景色もまんまと罠には飛び込まず馬首を西にめぐらし、旧・小笠原領にルートを変更するのだった。

さて、ここで抜かれる城として登場するのが青柳城である。その周辺には虚空蔵城、虚空蔵山城・・・そして麻績城がある。実際、この辺りの土豪は青柳氏で目付けには武田信繁がついていたと推定される。青柳氏は実は麻績氏の一族である。そして、牧城の高坂氏と同様に彼らもまた滋野一族なのである。

さて、麻績氏である。麻績の姫(小見の方)は由布姫の母なのであり、いわば・・・さらりとスルーされているが戦いの帰趨・・・景虎の退却はこの地で決せられたということだ。

川中島の戦いから九百年前の天武天皇の時代、追放された王子に麻績王がいる。すでにその時代から麻績という氏族はあったのである。いわば名族である。その姫がアキツ(とんぼ)を見て実家の里である麻績の地で勝敗が決すると読む・・・由布姫が単なるメランコリックかつヒステリーな姫ではなく霊能者だった証がここにあるのだーってそんな妄想なのだーっ・・・わかった、わかった。

ま、こうして、川中島一回戦は景虎の「オレは強いぞ、いつも勝つぞ、でも得るところなしだっぺ」的性格を表現して終結したのだった。

「お館様勝利・・・ふふふ・・・そんなこととっくに分かっていたのです」などと由布姫が言い出して周囲に白い目で見られた可能性は大なのです。

今回は善光寺の阿弥陀仏とミャンマーの上座仏教についても妄想があるのだが・・・それは機会を改めたい・・・まだまだ先は長いですからな・・・。

関連するキッドのブログ『第38回のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『キューティーハニー』(テレビ東京)・・・『世にも奇妙な物語・秋の特別篇』(フジテレビ)も見るけどね。

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (4) | トラックバック (10)

« 2007年9月 | トップページ | 2007年11月 »