一人で恋をして一人で裏切られ一人でバカヤローって叫ぶのです。(菅野美穂)
「失恋の予感編」「失恋の実態編」「失恋の傷痕編」という松方失恋三部作である。キッドは・・・これはもはや「働きマン」ではない・・・とテレビに向かって叫びました。
こういうことがやりたいならオリジナルでやればいいのに・・・企画通らないけどね。
演技力のある菅野が演じるので・・・それなりにドラマにはなっているが・・・五分で済む話を三時間も聞かされると人はうんざりすることが多い。うんざりしない人は優しい人だと思う。
しかし・・・続けることというのは恐ろしいもので視聴率は10.1%↗12.7%↗13.2%と回復してきたのである。ちなみに前田亜季がゲストの「相棒」は↗14,6%でした。今回は盗作された音楽家が死亡、心臓を移植された前田亜季が盗作した音楽家の恋人になってしまうという運命の悪戯展開・・・菅野も凄いけど前田妹も地味に凄いぞ。
「相棒」もじっくり書きたいけど・・・「点と線」をじっくり書きたくもあり・・・結局、「恋愛マン」をネチネチ書くことになるのであった。
で、『働きマン・第8話』(日本テレビ・071128PM10~)原作・安野モヨコ、脚本・吉田智子、演出・佐久間紀佳を見た。山城(吉沢悠)にふられた松方(菅野美穂)は自我が崩壊し、仕事も投げやりになってしまう。乱心しているために集中力を欠いて能力が発揮できないのである。原作よりかなり優秀にチェーンアップされている田中(速水もこみち)にまで激励される始末である。そして逆ギレである。もう、脚本家の女が失恋した時は殺人だって許されるべきだという願望丸出しである。殺されてはたまらないので雪斎キャップ(伊武雅刀)もセクシーデスク(沢村一樹)も腫れ物を触るように休暇をくれるのだった。・・・なんて心温まる職場なんだっ。
山城はきれいごとを並べるのだが・・・お前にはうんざりなんだよっ・・・てことなのだな。
つまり・・・愛されていないどころか・・・嫌われているのである。
そこまで一人の男に愛想をつかされる菅野美穂というのは想像できないのだが・・・脚本家は菅野ではないので想像がつくのである。
基本的に男と女が別離(わか)れる・・・ガリレオ病かっ・・・のは「新しい異性の出現」か「経済的困窮」と相場が決まっているのだが・・・「将来性を見切る」という場合がある。
この女(男)とつきあっていると幸福になれないような気がする・・・という場合である。これには様々な場合がある。まず・・・もう異性としての魅力を感じないので新しい恋をするのに邪魔だなと思う時があり、これは広義では「新しい異性の出現」に含まれるだろう。女が家事が苦手・・・かっての専業主婦幻想にしばられた男にはすごくもっともな理由で、逆に男に専業主夫を求める女にとっても重要な問題だ。相手が犯罪者、相手が薬物中毒(アル中を含む)、相手が不治の病、相手が地球征服を目標にしている、相手がギャンブル狂(パチンコ中毒を含む)、ゲームばかりしている、熱狂的な欽ちゃん球団ファン、いまどきのヨン様のおっかけ、人前で鼻毛を抜く・・・もういいか・・・など・・・まあ、個人的な趣味の問題です。
で・・・こうして、恋愛関係解消を一方的に宣告された人間は・・・えーって思うものだ。
人間は否定されるのは辛い。「死ねっ」て言われている気がするからである。だから、心に傷を負うのである。で・・・傷を負ったのだから・・・手当てをしなければならない。ところが・・・傷ついているのを認めたくないタイプというのがいるのだな。えーっ、傷ついてなんていないですよーっ・・・という者もあれば・・・失恋そのものを認めないものもいる。キッドは根が悪魔なのでそういう人間を見ると傷口に塩をすりこみたくなります。ほら、ほら、痛くないのかよ・・・ざっくりいってるんだよ・・・傷口ぽっかりあいているんだよーっなのだな。
だが・・・それは傷口をほっておくと化膿したりして危険だから・・・と思うからなのです。優しさの裏返しなのです・・・誰にむかってフォローしているのか。
ともかく・・・失恋、傷心と向き合うことのできない松方はダメ人間になってしまうのだった。
でもねえ・・・そんなの・・・日常茶飯事だから・・・いちいちつきあってられないの・・・という職場ではないのである。松方が失恋傷心したら職場全体が沈滞するのです。・・・どんな職場なんだっ。
ま・・・ここは伝家の宝刀の出番だな・・・ドラマだからですっ。
「失恋傷心」→「感傷旅行」→「ちょっとした出会い」→「復活」という方程式でピンチを脱した松方。不法投棄という巨悪にその場かぎりの義憤、赤の他人の思い出の冬桜にたちまち慰安という薄っぺらな松方はちょっと悲しいけど・・・心の傷が和らぐなら・・・それでいいよね。時はいつの日にも親切な友達、過ぎて来た昨日を物語に変えるユーミンはありだから・・・怨みます怨みます死んでも怨み続けますのみゆきだって好きだけどーっ。
さて・・・やはり・・・漂うのは「専業主婦に育てられた子供たち」の問題だな。
父、サラリーマン、母、専業主婦という家庭が主流だった時代の子供たち。
時が変わり・・・親のように生きようとして生きられないジレンマがあるのだな。
もちろん・・・熟年離婚のようにこの主流の裏もあり、問題は複雑なのだが・・・。
けれど・・・家庭や家族そして夫婦の在り方なんて・・・もっともっと多彩なものである。専業農家なら夫婦で農作業・・・妻は家事もやり場合によっては夫は出稼ぎなんてこともあるし、遠洋漁業の夫なら妻は帰りを待ちながら海女ってこともあるし、マンガ家の妻に編集者の夫だってあるし、アグネスチャンが妻でマネージャーが夫だってあるし、美容師の妻にヒモの芸術家の夫だってあるし、そば職人の夫に蕎麦屋の女将の妻だってあるし、コンビニ店長の夫に副店長の妻だってあるし・・・士農工商人間模様なのである。
ところが・・・サラリーマン専業主婦の息子や娘はなかなか・・・実感がわかないのだよな。様々な暮らし方という夫婦の在り方が・・・。小説とかドラマとか・・・そういうもので視野を拡げなくなってしまった時代・・・人々は幸せへの道を見失いがちなのかもしれない。
結局・・・松方がこの失恋から何一つ学んでいないような気がするのはキッドの杞憂なのでしょうか・・・。
なんか・・・職業と結婚を組み合わせた「家族ゲーム」みたいな育成シミュレーションを作ってあげたい気持ちになる今日この頃でございます。
もちろん・・・仕事一筋のサラリーマン夫とのんびり専業主婦妻の組み合わせもあってもいいと思いますけど・・・。貧しくても愛があればそれなりに幸せ・・・だから。
関連するキッドのブログ『第七話のレビュー』
『ちりとてちん・9-3・第51回』今日の四草(加藤虎ノ介)「三角関係か・・・」・・・それにしても鈍感な人間と口ごもる人間は紙一重・・・草々とA子のトスアタックに喜代美も爆発・・・。そこですべてを投げ出さない喜代美・・・「お店の空気を悪くしてすみませんでした・・・」・・・そして師匠がついに立ち上がりました。一杯のお茶で弟子をおもてなし・・・。サリバン先生です。ヘレン・ケラーです。「奇跡の人」なのです。ドジでグズでノロマで根性ナシという四重苦の喜代美に差し込む理解の光。「愛なんだ・・・この世には愛があるんだ・・・それはありがたいけどあるんだ・・・」・・・もう、喜代美の心は師匠のものなのです。弟子入りを許されたときのことを思い出すだけで微笑んでしまう四草の境地が喜代美にも今、訪れました・・・。→9-2
金曜日に見る予定のテレビ『歌姫』(TBSテレビ)、『モップガール』(テレビ朝日)、『ウルトラセブンX』(TBSテレビ)・・・堀北真希、石原さとみ、水川あさみの『恋からドラマ』もあるのだが・・・。
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
いつの間にか「恋愛マン」と言うドラマにすりかわっていたんですね~。
「点と線」はお正月にゆっくり見ます!
投稿: みょうがの芯 | 2007年11月29日 (木) 17時12分
♡♡♡♥♥♥みょうがの芯様いらっしゃいませ♡♡♡♥♥♥
ま、ドラマとしては菅野美穂の
OL失恋物語をやってもまったくいいと思うのですが
「働きマン」じゃないのではーっ。
とつい思ってしまうのでございます。
「点と線」はまさにお正月ドラマのような
豪華さがありますな・・・
次々に飛び出すオールスター脇役陣。
キッドはまだ前編しか見ていないのですが
お正月にはもう一度見たいと思っています。
投稿: キッド | 2007年11月30日 (金) 23時26分