修羅の世界に咲いた一輪の花・・・散りとても・・・。(貫地谷しほり)
もう少し・・・汗の匂いがしてもいいと思うが・・・物語的には素晴らしい終焉だった。
後日談をもう少し盛り込むのか・・・と想像していたのだが・・・ほぼ戦で幕を閉じた最終回。このドラマは堪能するのにかなりの記憶力を要求する展開だが・・・それが最終回18.0%・・・という限界かな・・・。
最後はかなり幻想的な展開になっていて・・・これも好みが分かれるところ・・・。
まあ・・・玉木宏の織田信長以外に・・・見るところのなかった「敵は本能寺にあり」よりは・・・かなり・・・面白かったけどな・・・ガスパッチョ。信長の信じるものは・・・力ではなく・・・己(の中の神)だと思いますよ・・・金子さん。オチから言っても。最後が中途半端な古典(湖上渡り)回帰なら・・・そのあたりの整合性は大切なのでは。
で、『風林火山・第50回(最終回)』(NHK総合071216PM8~)原作・井上靖、脚本・大森寿美男、演出・清水一彦を見た。第四次川中島の戦い・・・八幡原の合戦で幕を閉じる大河ドラマ・・・戦国時代の終焉まで・・・キッドとしては残り半世紀・・・またまだ戦国の修羅は続いていくのだが・・・なんだか・・・思い切ったナレーションだったな。
例によってシナリオに沿ったレビューはikasma4様を推奨します。なにしろ・・・完走なさっているのがトレビアン。今回は山本勘助イラスト大放出でございます。ミ、ミツはまだですか・・・。
で・・・いよいよ・・・八幡原の合戦の妄想も最終章である。まず・・・幼い読者・・・そんなのいるのか・・・のために申し上げておくと・・・日本という国家はまだ存在しない時代である。日本という国家が成立するのはおよそ・・・1世紀半~半世紀前のことであり・・・戦国時代には国といえばふるさとのことであった。それぞれのふるさとがようやく・・・国家としての成立を見るのがこの頃である。国家とはたとえば武田王家の支配する甲斐軍事共同体(山梨県)であり、上杉王朝の支配する越後軍事同盟(新潟県)だったのである。今で言う長野県は国家としての体裁が整わず甲斐国と越後国の戦場と化した。国などなければ争いがないのに・・・という三条夫人の言葉はお姫様ならではせつない気持ちの表現なので基本的に間違った認識ですから感情移入してはいけません。
さて・・・甲斐も越後も食料事情には恵まれていない・・・民の餓えをしのぐには略奪しかなかった・・・ので・・・信濃は格好の餌食だったわけだが・・・それで・・・両者の餓えがしのげるかと言えば・・・しのげなかったので・・・戦なのである。腹の減った侍は戦うしか能がないのである。
川中島の合戦はこれ以前にもこれ以降にも行われるのだが・・・この八幡原が最大の死傷者を発生させたと伝えられている。それは両軍の空腹が頂点に達していたからである。
越後軍は前年の関東略奪戦で多数の食料を確保したのだが・・・同時に兵員が増加してしまった。つまり・・・食い詰めた雑兵が強者である上杉政虎に集ってしまったのである。そのため・・・越後軍は口減らしを迫られていた。もちろん・・・その増強された兵力で勝つことも目標であるが・・・指導者としてはその点は二の次だったのだろう・・・あわよくば勝ってもいい・・・という程度。
一方、甲斐軍は植民地として信濃をほぼ手中におさめ・・・経営を開始している・・・気分は人の獲物に手をだすな・・・という感じ。できれば侵略者を一網打尽にしたいのだ。そうでないと略奪がくりかえされるからだ。そこで作戦は包囲殲滅を目的とする。
しかし・・・行者武将である上杉政虎は野戦では戦国最強の軍神。なにしろ、攻撃力が倍になるという秘法に通じている。つまり・・・五千の兵力が一万になってしまうのである。
武田信玄は全軍をあげて包囲を完遂しようとするが・・・上杉政虎は伏兵と退却戦で武田の包囲を足止めしながら一点突破で武田本陣に突入をはかる。
まさに肉を斬らせて骨を絶つの作戦である。
犀川沿いに突入を開始した上杉主力は結果的に背水の陣になった武田の右翼(信繁担当)をつきやぶり時計まわりに回転するように武田本陣に迫った。
伝説の信玄・政虎の一騎打ちはこうして生れた・・・もちろん・・・信玄が影武者であったことは言うまでもないだろう。
政虎「もう・・・七人は信玄を斬ったのに・・・またあそこに信玄がおるわ・・・信玄め・・・一体何人いるのだ・・・」なのであった。
一方、妻女山に残された上杉側の雑兵を虐殺した武田の別働隊はようやく、千曲川を渡河し・・・伏兵として残された越後の甘粕部隊を突破。散開しながら犀川までの包囲網を完成し輪を縮めはじめる。
越後勢は戦のずるさにも定評がある。一戦交えると恥も外聞もなく撤退・・・。蜘蛛の子を散らすように敗走するのである。このため・・・武田軍は各所で追撃戦を開始することになる。こうして八幡原には武田軍が充満しながら戦力を集中できないという戦況が発生する。
武田軍に名のある武将の戦死が多く・・・上杉軍にそれが少ない・・・というのは・・・もちろん・・・この時点では上杉軍に名のある武将が少なかったという理由もあるのだが・・・この鬼ごっこ的戦況が関係している。いつの間にか追い越してしまった武田軍が逃げ遅れた上杉軍に背後をつかれるという事態が発生するからだ。
これは上杉軍が犀川以北への北上運動(退却)を行い、武田軍主力が犀川以南で東進運動(包囲)を行っているために必然的に発生するアクシデントである。
その中で唯一、上杉本陣だけが東進し・・・武田本陣を突破して・・・千曲川を渡河したのであった。
武田軍が包囲を完成した時・・・包囲網の中に残されたのは両軍の戦死者だけだったのである。
退却した上杉軍は犀川を渡河すると・・・退却集合点である善光寺を目指し、武田軍の追撃を振り払う。上杉本陣は山中に逃亡し・・・大きく迂回しながら・・・越後への退却に移る。戦は結果的には一方的な敗北だが・・・上杉主力はほぼ無傷・・・関東武者の口減らしは完遂という戦略目標を達成したのだった。
武田軍は勝鬨をあげながら・・・越後軍の性悪さに不気味なものを感じるのだった。しかし・・・この勝利により・・・信濃の植民地化をほぼ達成した甲斐国は・・・この後・・・戦力の空白地帯となった上野国、駿河国へと侵略の手を広げていくのである。
戦国時代100年のほぼ中盤・・・ここから戦国時代は信長様を中心にもっとも盛り上がっていくのでございます。ま・・・スペクタクルすぎて・・・実写化はますます困難になっていくのですけどね・・・。信長様・・・エキストラ、五万とか・・・合戦のたびに無理なんですよ・・・比叡山焼き討ちとか・・・門徒大量虐殺とか・・・流血しすぎで・・・お茶の間が引くし・・・鉄甲船とか鉄砲蓄積量世界一とか・・・やりすぎですから・・・予算的に無理ですからーっ。
泣き言などは知らぬ・・・面白い戦国をもっと見せるのだがやっ。・・・来年は幕末か・・・是非もないわっ。
関連するキッドのブログ『第49回のレビュー』
火曜日に見る予定のテレビ『キューティーハニー』(テレビ東京)『有閑倶楽部』(日本テレビ)
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皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
今回は第一話であった出来事が結構使われてました。
なもんで必死に記憶の在り処を探してました(; ̄∀ ̄)ゞ
たしか第一話での政虎は白頭巾姿でしたが
最終話ではいつのまにやら髪を縛っただけ。
甲冑といい大分変えてきてますねぇ(笑)
ちなみに何故か私は
再来年の大河のキャスティングを想像してます(; ̄∀ ̄)ゞ
個人的に気になるのは
関が原の合戦で誰が伊達政宗を演じるのかという事。
個人的には渡辺謙さんが第一希望なんだけど
ハリウッド俳優がこのドラマに出てくれるかどうか微妙。
でもって次に考えたのが上杉に雪辱を晴らすという事で
再び内野さんに隻眼をば。
来年は大奥ファンを取り込むのか
それとも「翔ぶが如く」を思い出させるキャスティングで沸かせるのか
なかなかに楽しみどころのあるドラマになるのかもしれませんが女性の着物姿。
煌びやかになる程、これを描き上げるのはつらいですヽ(;´Д`)ノ
追伸
只今、若狭を計画中。
お楽しみ下され(・∀・)/~~
投稿: ikasama4 | 2007年12月18日 (火) 00時03分
✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥
具合は如何ですか?
風林火山な一年ご苦労様でございました。
一仕事終えると体調を崩すっていうことはありますよね。
キッドも現役時代は正月に生放送がないときは
必ず発熱して寝込んでいました。
今はもう一年中どっか悪いのですけど。
一年という長丁場・・・
最初のプランが変更されていくのは
当然ですが・・・
まあ・・・子供が成長するみたいで
親にとってはうれしいことですよね。
画伯のように細かいところまで
メモリーしているのは
まさに親心・・・。
勘助をめぐる三人の女。
ミツ、由布姫、リツ・・・。
キッドは結局・・・勘助は
愛してもらえなかった・・・
と勘助が思いこんでいる
父母を・・・求めていたような気がします。
そして・・・それが
武田信玄と由布姫だったのではないでしょうか・・・。
妻夫木兼続の「天地人」・・・
再来年か・・・鬼ものけぞりますな。
まあ、信長様がガスパッチョの人なら
キッドはアンナ様の卓袱台をひっくりかえすほど
爆笑するかもしれません。
・・・あのCMは地方では流れていないのかな・・・?
脚本の人が・・・とても
戦国時代向きとは思えず・・・
それだけが気がかりです・・・。
お船の方が池脇千鶴なら
ジョゼです・・・。
若狭・・・お待ちしています。(*゚ー゚) ワクワク
投稿: キッド | 2007年12月21日 (金) 06時46分