狼の毛皮を着た相撲レスラーとは気が合いそう・・・。(クルエラ・デ・ビル)
原点であるアニメ「101匹わんちゃん(大行進)」(1961)の頃から・・・悪役(ヴィランズ)の中でも抜群の存在感を見せるクルエラ・・・。なにしろ・・・名前にデビル(悪魔)が含まれているのである。
映画「101」(1996)はほぼ原作に忠実な実写化であったが・・・「102」では善玉キャラがオリジナルになっている。にもかかわらずクルエラはそのままで・・・「その後のクルエラ物語」なのである。いわばクルエラが主役の企画と言っていいだろう。
「犯罪者の更生」の問題については年末に「手紙」がオンエアされた・・・。犯罪者の家族の苦渋を描いた作品だが、「102」はもう少し超絶的な技巧でその問題に足を踏み入れていると言っても過言ではないだろう。
で、『102(2000年公開)』(TBSテレビ・080102AM0830~)原作・ドディ・スミス、脚本・クリステン・バックリー、監督・ケビィン・リマを見た。日本語吹き替え版でクルエラ(グレン・クローズ)の声は山田邦子が担当している。
善悪というものは不可分なもの・・・というのは東洋的な考え方だが・・・表向きは世界標準になっている。だから・・・イラクで米軍が捕虜を虐待したことが問題になるのである。しかし、実際には悪の基準にはダブルスタンダードが発生しやすいし・・・正義の名のもとに悪が為されることはままある。
「101」でダルメシアンのコートを作ろうとしたクルエラは「犬誘拐の罪」で投獄されてしまう。服役中にやや実験的な精神医学の治療により・・・善人に生まれ変わったクルエラ。東洋的にはその治療行為そのものにすでに悪の影を感じるのだが・・・映画の中で問題になるのは医師がその「善の呪縛」が「時計の音」で解けてしまうという弱点を隠蔽したことである。・・・もうこのあたりからこの映画はお子様向けとは言いがたい毒々しさを持っている。
善玉は女性保護司のサイモン(アリス・エヴァンス)で愛犬家である。だからクルエラは彼女にとって極悪人なのである。
治療によって悪を封じられたクルエラは仮釈放され彼女の保護観察下に入る。
そして「セカンドチャンス」という捨て犬救済施設でボランティアとして働き始めるのだ。
つまり・・・彼女の第二の人格による第二の人生が始まったのである。
この施設の長は二枚目で・・・お人好しである。彼は過去に「実験用の犬を強奪した前科者」だが・・・愛犬家のサイモンにはそれは好印象の犯罪である。このあたりは「クジラの問題」で肉食人種と軋轢のある我が国の知識人には苦笑の対象だろう。
ともかく・・・「彼」はサイモンが信用しない「生まれ変わったクルエラ」を信用する愚かな善人となる。そのためにやがて「時計の音で目覚めた本来のクルエラ」のために「犬泥棒の濡れ衣」を着せられ・・・冤罪で逮捕されてしまう。
一方、その頃にはサイモンも「クルエラに騙され」・・・「彼」を見捨てる。
面白いのは「善の仮面をかぶったクルエラ」を信用しなかったサイモンが「悪に目覚めたクルエラ」にはあっさりと騙されるという点だ。
とにかく・・・善玉の人間はまったくの戦力外なので・・・正義を為すのは動物たちである。
サイモンにはブチがないことが心理的な障害になっているダルメシアンの仔犬・オッド・ボール。「彼」には自分を犬だと思いこんでいる上にヒト語も動物語も解する天才インコがついている。
彼らの大活躍で・・・事件は解決して・・・つまりクルエラがひどい目に遭うのだが・・・何しろ、最後はオーブンで焼かれてしまうのだ・・・それでも、死なないのだからクルエラは一種のダークヒーローなのであろう。
これは犬たちの自衛戦闘として行われる行為である。その残虐ぶりを見る限り、戦場でこの国の兵士がとる行動は充分に想像がつくのだな。
今回は「フード付のコート」を作るために「102匹」の犬獲得を目指したクルエラ。そして最後は動物たちの餌食になりかけるクルエラ。・・・キッドは人間よりも犬の味方をしたい人格と・・・善人よりも悪人を応援したい人格に分裂し・・・複雑な葛藤を感じる作品なのである。
もちろん・・・この作品のストーリーは一種の狂気で構成されている。それはクルエラの執事が主人にちっとも忠実ではない結末からも明らかだ・・・。
キッドにとっては魅力的な作品だが・・・これを見て育つ子供は恐ろしいものに成長する気がしないわけではない。
この作品シリーズの魅力である・・・動物たちはひっそりと連絡をとりあっている・・・はそこそこ再現されているし・・・劇中アニメとして「わんわん物語」(1955)が登場したりして・・・オールド・ファンがニヤリとする場面も用意されているが・・・まあ・・・この世には狂人しか存在しないということを実感するにはまあまあの作品だ・・・ということなのです。
関連するキッドのブログ『バットマン』
H☆C情報。合衆国ラスベガス空港に着陸したH☆Cメイク専用機と機材輸送機・・・。お気楽「ガリレオのスピンオフのユンゲルまで見たのにマッハの速度で渡米・・・くうさん・・・ろーじーさん・・・お疲れでーす」ろーじー「久しぶりに紅白のレビューで更新したんですけどね・・・。さすがに正月から太平洋横断はきついでんな・・・鶴瓶の頭のアップくらい・・・」くう「2007年は次から次へと悪夢のような出来事が・・・しかし・・・今回のフライトですべてを忘れて・・・幸運を呼び込むっ・・・なにしろ・・・受験生がいますからーっ」
ラスベガスのメインストリート。 まこ「眠っている間に気がついたら・・・賑やかなところに着いてましたーっ・・・なんだか・・・悪の匂いがしますーっ」エリ「私は発熱でーっ・・・朦朧としていたのでスー。そうしたら飛行機がブーンと来てーっ・・・これは夢かもしれないのでスー」アンナ「まこちゃん、エリちゃん、しっかりするぴょん。これはミサトデビルの陰謀かもしれないぴょん」結城美里アナ「皆さん、何言ってるんですかっ。今日からH☆Cはワールドツアーでしょっ。私・・・そのために追っかけ取材してるんですよーっ」
ラスベガスシアター・ステージ・リハーサル中。まこ「今回はディナー・ショーなのデスーっ。みんながおいしいものを食べてるのに歌なんか歌ってられマスカーッ」エリ「こら、こら・・・アイドルがそんなこと言っちゃダメでスー」アンナ「それにしても・・・ツアー初日がなんでラスベガスなのかしら・・・ニューヨークか・・・ロスなら分かるけど・・・やっぱり・・・なんだか陰謀の匂いがするぴょん」
カジノ・ロワイヤル店内。ads(あず)「ふふふ・・・ラスベガス・・・ギャンブルの都・・・私に何故かお似合いの街ですな・・・スタッフの特権でツアーをここから始めることにしたのは・・・私です・・・さあーっ・・・・賭けて賭けて賭けまくるのだーっ・・・」ちーず「ギャンブルのあらすじは倍々プッシュなのです。天才子役の私には年齢制限は無関係。さあーっ・・・ドラマ開始の一瞬の隙をついてーっ、倍々プッシュまたプッシュですーっ。勝負ですーっ」
金曜日に見る予定のテレビ『のだめカンタービレin ヨーロッパ・第一夜』(フジテレビ)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
| 固定リンク
« 被害者の体温が二℃下がっているので死亡推定時刻は30分~1時間前ということにしましょう。(水谷豊) | トップページ | 仇の娘と生まれしは因果の縁と思いきり恋しいお方の目の前で熱き血潮の流出をお見せたてまつる・・・。(戸田恵梨香) »
コメント
キッドぴょん こんにちは。
すごい!すごい!H★Cはワールドツアーなんですね!
空想ワールドもお正月バージョン(笑)
ぶっ飛んでます♪
セリフ見てると、みんなの記事をしっかり見てるな~
って感心します(^^)わかる私も、何気にみんなの記事
見てるねん(笑)
今夜はのだめSP!こちらもぶっ飛びそうです。
なんせ終わるのが11時半だよ?
明日私はお仕事です(汗)
投稿: アンナ | 2008年1月 4日 (金) 15時48分
☁Building☁アンナ☆ラン様いらっしゃいませ☁Building☁
アンナ様、あけましておめでとうございます。
お正月からお仕事ご苦労様でございます。
今年もおせち料理は
飛行機の中でお召し上がりになり
ご満足いただけたか
じいや・・・心配でございます。
高校生なのに・・・
お屋敷でおくつろぎする時間もないほどに
多忙とは・・・
お可哀相です・・・(のっけからじいやバカ)
のだめSPはもうなんと申しますか
ぱーふぇくとっ
でございましたね。
正月からこんないいものを見てしまうと・・・
今年の今後が・・・心配になってきましたぞっ。
それではお仕事がんばってくださりませえ~。
投稿: キッド | 2008年1月10日 (木) 16時04分