黒いバレリーナはヴィリを踊る・・・。(米倉涼子)
天使のヨネクラくんから・・・何年たったのだろう。
分岐点となった「整形美人」(2002)あたり・・・?
すっかり・・・黒い女になった米倉涼子はもはやドス黒いレベルに・・・。
まあ・・・美人だけどごっつい感じがするので・・・「武蔵」なんて歴代もっとも骨太なお通だったもんな・・・。
つい・・・黒くしたがるのかもしれないし・・・惚れすぎて女星野になってしまったのかもしれない・・・。
「奥様は魔女」(明らかな企画ミス・・・このあたりからTBSはおかしくなってた)の後・・・「黒革の手帳」がそこそこ当って・・・この路線になってしまったのだな。どうせなら・・・『極道の妻たち』やればいいのに・・・できないか。
「不信のとき」「わるいやつら」「肩ごしの恋人」とよろめき~ドス黒~よろめきと迷走するヨネクラくん・・・。そして・・・ついに黒い天使のモチーフにたどり着いたのだな。
ちなみに「テレプシコーラ」の後の山岸凉子のバレエ・コミックが「ヴィリ」である。
ヴィリとはバレエに登場する失恋傷心の亡霊だ・・・。
で、『交渉人~THE NEGOTIATOR~・第一話』(テレビ朝日・080110PM9~)脚本・寺田敏雄、演出・松田秀知を見た。刑事ドラマで「わるいやつら」の脚本家である。どちらかといえば手堅い作者であるので・・・やや・・・定型で辛いところもあるが・・・センスの悪いおしゃれ気分を投げつけるジョシデカよりも見やすいのである。
ヨネクラくんは体当たり演技で行くらしい・・・予告編では下着姿を披露している。
まあ・・・私の鍛えられたボディーを見ろ的要素が強いのでエロスはありません。
ともかく・・・ムードは黒い天使である。・・・といっても地獄の裁判長に悪人の魂を引き渡す黒智天使ではない。石井隆の描くヒロイン「名美」の別名としての黒い天使である。
それは・・・汚辱と清純の狭間に漂う乙女の精霊なのだ・・・。
おそらく・・・本能的なつかみであって・・・理性によるものではないと思うが・・・ヨネクラくんには相応しいポジションなのである・・・時々・・・ぶれてしまうのが残念なのだが・・・ほぼ・・・黒い天使は舞い降りている。
実はこの感想は非常に個人的なものであるだろう。しかし・・・「天使のはらわた」を・・・できればコミックで・・・鑑賞したことがある人の何割かには伝わると思う。
そして・・・この黒い天使は・・・警視庁捜査一課特殊犯捜査係(SIT・・・実在します)に舞い降りたのである。
実は特殊犯捜査係は重装備の突入部隊である。しかし・・・立てこもり事件や誘拐事件の強行突入の前に犯人の説得・・・交渉・・・を要求される場面があり・・・その点に特化した技術の向上が要求され・・・交渉人という存在がクローズアップされるのだ。
犯罪は特殊な行為だ。その行為の中でもスペシャルな特殊犯・・・それに対応するSITの中でもさらに特殊なネゴシエーター・・・。異端の黒い天使が出現する特異点なのである。
さて・・・いきなり「羊たちの沈黙」へのオマージュである。レクターは特殊犯の帝王なので仕方ないな・・・。死刑囚・真理谷(城田優)に面会に訪れる刑事・宇佐木玲子(米倉涼子)・・・真理谷が猟奇的な殺人犯であることは明白だが・・・その犯行内容や宇佐木との関連は謎である・・・「愛している・・・なぜなら・・・君は死にたいと思う人の気持ちがわかる人間だから・・・」「あなたを死なせない・・・あなたが自分の罪を認め悔いるまでは・・・」二人の愛の叫びとささやきは意味深げに挿入される・・・。本当に意味深いといいな。
玲子の友人(安めぐみ)が一般人代表として配置されるのだが・・・宇佐木を利用してナンパしようとしているのに・・・獲物にバカと言ったりして・・・脚本が破綻しているのが気になる。これと・・・どうしても浮いてしまう陣内孝則の演技も気になる。それほどに黒い天使の周囲にはもう少し配慮が必要なのになあ・・・。陣内はもう少し演技の幅を拡げないとどこにいっても作品のイメージを破壊する存在になってしまうよなあ・・・。なぜか・・・いるだけで絵空事感覚を高めてしまうキャラなんだよな・・・夜にサングラスかける刑事なんていないだろう・・・視力を低下させてどうするの?
その他はますまずの陣容である。
自殺願望のあるたてこもり犯人。犯人の逮捕と人質の救出を両立を追求する交渉人。
ちなみに日本人は瀬戸際外交が苦手である。交渉とは根回しだと思っている風土なのだ。しかし・・・相手を屈服させる必要のある戦争の一部である外交は・・・苦手なのである。交渉人のレベルの描き方にも問題があるが・・・基本的には折衝術に長けた人々の集団として描かれるべきで・・・今さら・・・職場の性差の問題などに拘泥するのはスマートじゃないんだよなあ・・・洞察力のプロ同士・・・相手をコントロールしようとする戦いに重点を置くべきで人目もはばからず感情むき出しにするという筋書きはちょっと甘い。
しかも・・・その場面からコピーキャットの出現につなげる展開であり・・・キッドはいただけないと思います。
そういう・・・脚本の甘さ・・・キャスティングの不備・・・演出の力不足をさしひいても・・・今回のヨネクラくんは魅力爆発なのである。・・・男の刑事からかりたスラックスでお尻パンパンになっているのはご愛嬌だが・・・笹野高史のセクハラも・・・篤姫を妊娠させないようにだけは配慮してもらいた甘利刑事(高岡蒼甫)も・・・キノコ(鈴木浩介)も・・・管理官じゃないのか筧利夫も・・・黒い天使の脇役としていい味を出しているとも言える。
そして・・・つかのまの休息・・・天使は夜の公園で幼いバレリーナたちとバレエするのだった。
二時間ドラマ的時間配分の・・・やや・・・唐突なつづく展開だが・・・林丹丹の怪しい妹とともに・・・またまた楽しみなドラマ登場である。視聴率16.7%だし・・・。も・・・木曜日は「鹿男あおによし」もあるんですけど・・・。もう・・・およしになって・・・。
関連するキッドのブログ『不信のとき~ウーマンズ・ウォーズ』
『ちりとてちん・15-4・第83回』森脇健児(森脇健児)登場である。そう来たか・・・。しかし、天狗プロには所属していないらしい・・・。ついに・・・驚くべき金額のギャラをもらったらしい若狭・・・それは宮崎あおいの家計のような状態なのか・・・キッドは昔かたぎでないので・・・実にうらやましいだけなのだが・・・草々・・・くさってしまうのか・・・そんなケツのアナの小さい草々はイヤなんですけどーっ。で・・・いくらだったの?→15-3
土曜日に見る予定のテレビ『バブルへGO!!』(フジテレビ)『ガンダムOO』(TBSテレビ)『1ポンドの福音』(日本テレビ)『感染爆発バンデミック・フルー』(NHK総合)『SP』(フジテレビ)『栞と紙魚子の怪奇事件簿』(日本テレビ)・・・もう・・・だめ・・・。
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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