鵺鳥の片恋侘びし京の夜徳利渡され手酌で泥酔(綾瀬はるか)
さあ・・・楽しいファンタジーの時間だぜ・・・とは小川先生(玉木宏)は言わないのだが・・・ひぃぃぃぃぃ的要素には満ちていて・・・「おれ」には「オレ様」要素が未だ漂うのである。そのため二日酔いの藤原先生(綾瀬)はのだめに見えて仕方ない人も多いと思う。
しかし・・・厳かに展開する儀式を超越して・・・藤原先生の暴走は止まらないのである。
小川先生と同じように不運に見舞われ続け・・・しかも明るさを失わない藤原先生なのだが・・・。
どうやら・・・小川先生が他の女性に目移りするのは腹が立つらしい・・・もしや・・・一回デートしたから・・・もはや恋人気分・・・藤原先生・・・だから・・・他人の結婚式にウェディングドレスを着ていくことになるのでは・・・。
で、『鹿男あをによし・第二話』(フジテレビ・080124PM10~)原作・万城目学、脚本・相沢友子、演出・鈴木雅之を見た。ところで・・・こういうファンタジーを楽しむためにはいくつかの難点があると思う。
たとえば・・・基本的には「大地震が地下に潜む大ナマズによって引き起こされている」という設定が・・・絶対に受け入れられん・・・というタイプがいるだろう。そういう人は科学というものを誤解している。なぜならば・・・誰も地下の大ナマズの存在の否定を科学的に証明した人はいないのである。だから・・・地下に大ナマズがいる可能性は大いにあるのだ。
次に「関西大地震」や「中越大地震」のように・・・最近、実際に地震が起きて被災した人に申し訳ないという心情があるだろう。そんなことで笑ったり、面白がったり、楽しんだりできようか・・・なのである。しかし・・・毎日のように自動車が人身事故を引き起こし、悲しみにくれている人がいるのに運転を楽しむ人がいることを忘れてはいけない。飲酒運転で人が死んでも全国の酒飲みが禁酒したりはしないのである。
教師の酒宴はストレスたまっているので乱れに乱れるというが・・・京都女学館、奈良女学館、大阪女学館の三校合同宴会は乱れに乱れるのである。その中で誰かが小島よしおの「そんなの関係ねえ」をやっている・・・そこだ。
現世のあらゆる出来事は「そんなの関係ねえ」で乗り越えなくてはならない。学校の諸問題を一々気にしてハリポタが楽しめるかってんだい。・・・失礼しました。
ま・・・ファンタジーですから・・・異世界との邂逅にひたって・・・浮世のことは忘れてほしいものである。
鹿がしゃべるのですから・・・もう然るべく。
さて・・・歴史おタクの藤原先生が解説するように・・・奈良女学館と姉妹校はいにしえの都・・・いわゆる古都に分散している。人によっては大阪は古都じゃないだろう・・・という人もいるかもしれないが・・・歴史的には大阪は京都よりも古い都なのである。
日本史は実は七世紀以前の記録が曖昧なので・・・七世紀の飛鳥京(奈良県)が最古の都になってしまうのだが、七世紀の間に飛鳥から難波(大阪府)に遷都がある。難波から一度飛鳥に戻り、その次は大津宮(滋賀県)である。またまた飛鳥に戻り、その後は奈良と大阪を行ったり来たり・・・平安京(京都府)になるのは八世紀の終わりなのである。
つまり・・・奈良や大阪に比べると京都は古都ではないのである。
ま・・・140年前に東京に遷都して以来・・・ずーっと東京をうらんでいる京都の人々をあまり刺激したくはないのだが・・・そういう意味で京都は古都としても三流なのです。
そういうわけで・・・京都人の奈良に対する気持ちの中にはなかなかに憎しみが存在している。老舗に対する新参者の潜在的憎悪である。だから・・・京都女学館は打倒!奈良女学館に燃えるのです。
さて・・・儀式は神事である。神と人のコミュニケーションは基本的に難しい。アメリカ人と話すのより難しいのである。だって相手は人間ではないのです。
で、雷神を祭る春日大社としては鹿をインターフェイスに使います。神と直接コンタクトをとろうとすると感電してしまいますから。けれど・・・鹿だって人間ではありませんから・・・完璧な意思疎通は不可能です。
小川先生の立場だと・・・「お役目はわかったから・・・もっと具体的に言ってくれ」とイライラするわけですが・・・相手は神様だから・・・言葉にできない部分があるわけです・・・神としてはもったいぶっているわけではなくて・・・人間には理解不可能なことが伝えられない・・・ということなのです。だから・・・小川先生と一緒になってイライラしてもいいですが・・・神の気持ちも考えてあげるといいでしょう。あっちも相当イライラしてますから。「なんでこんなこともわからんのだ・・・この下等生物め・・・」と思っているに違いありません。
で、「鹿」が言うには神事には「狐」と「鼠」も関わってくるというのです。
狐は京都の稲荷神社のインターフェイスです。稲荷神社の神は雨神です。雨は作物の実りをもたらしますから「五穀豊穣の神」でもあり・・・そして・・・時には洪水ももたらすので夜叉の顔を持っています。狐の面がなんとなくこわいのはこの二面性があるからです。
鼠についてはまだ・・・正体が不明ですが・・・大阪にその本拠があるわけです。
もちろん・・・雷神→鹿→小川先生(奈良女学館剣道部顧問)なので・・・狐→長岡先生(柴本幸)、鼠→南場先生(宅間孝行)という類推も可能ですが・・・。
リチャード小治田教頭(児玉清)の怪しい行動も気になるし、顔立ちから言って謎の少女・堀田イト(多部未華子)も可能性があります。小川先生の行動をスパイするのは鼠にはたやすいことでしょうしね。
そういう意味では一人恋の暴走機関車・藤原先生だって狐のムードはありますから。
つまり・・・登場人物のだれが神の使いによって選ばれしものになっているのか・・・ここも推理が楽しいポイントです。
神事の基本は時と場所そして道具と手順、場合によっては言葉が必要となります。
小川先生に託された言葉は「京都」「狐」「サンカク・・・目」というヒント・・・もうまったく意味不明ですが・・・手順は稲荷神社から狐の使いの手によって「目」(宝)を受け取り鹿に託すというもの。つまり、京都→狐→女→小川→鹿→奈良というこの手順が大切なのです。
ところが・・・使者としての自覚の足りない小川先生はいきなり失敗してしまいます。
まあ・・・誰がやっても失敗しますが・・・。
とにかく・・・儀式を果たさないと「大ナマズ」が暴れ・・・日本は壊滅的な打撃を受けることに・・・。
そんなこと言われてもなあ・・・という小川先生にはたちまち鹿の呪いが・・・。神をあなどってはならないということです。
さて・・・長岡先生が・・・小川先生に気があるのでは・・・と気を揉む方には一つヒントを。
長岡先生は「小川先生は福原先生(佐々木蔵之介)の家に下宿しているとか・・・」と言ってお土産に「八橋」をくれたのです。そして・・・「八橋」は福原先生の大好物・・・。長岡先生の意中の人が誰かはもうお分かりですね。・・・ラクダ好きかよっ。
小川先生・・・勘違い・・・してます。それより・・・おんぶでうふふ・・・となったのは背中に何かいいものがあたったからではないのですかーっ。
関連するキッドのブログ『第1話のレビュー』
ごっこガーデン。京都竹林セット。お気楽「また・・・ワールドツアー中なのにこんなセットをベルリンにまで作って・・・。しかも鹿ロイドまで・・・。マドンナに男はみんな夢中になるの?・・・サンカクって・・・ペナント・・・?」まこ「マイ鹿一号に玉木ロイド・改も到着です・・・鹿見るとひぃぃぃぃと叫ぶ機能もついています。もちろん・・・おんぶシステム内臓なので・・・後でこっそり楽しむのデスーーーーーーっ、はぅん、アタックチャ~ス」
さて、木曜ドラマ対決は①「交渉人」↗14.1% ②「だいすき」↗11.5% ③「鹿男」↘11.4%
と予想通りの10時台の激戦が展開。「交渉人」は設定の甘さについてクドクド書くのは疲れるし、「だいすき」は身体障害者ショーについて危険な言動がレベルを越えそうなので・・・「面白い・・・だけど苦戦」が予想される「鹿男」をレビューすることにしました・・・最初からそのつもりだっただろう・・・。
『ちりとてちん・17-4・第95回』・・・ついに夫婦落語会当日・・・。いつまでたっても若狭は若狭・・・余裕がありません・・・若狭にしてみれば・・・「自分のことで精一杯・・・だってアホやから」・・・しかし、預言者順子は何かをいいかける・・・そうそう・・・他人のことを思いやることが・・・自分のためになることがある・・・ということを若狭もそろそろ気がついてもいい頃・・・お客を喜ばせる仕事をしているのですから・・・。そんな時・・・「ひろし」(五木)から試練が与えられるのだった。・・・「ボクがつくまで・・・間をもたせて・・・」はたして・・・若狭は脱皮できるのかーっ。→17-3
土曜日に見る予定のテレビ『機動戦士ガンダム00』(TBSテレビ)『1ポンドの福音』(日本テレビ)『SP』(フジテレビ)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
| 固定リンク
« メールするますっ。(ミムラ)・・・するますって。(観月ありさ) | トップページ | 初めて人間からメールをもらいました。チェーンメールですけど・・・。(高部あい)VS口が半開き。(深田恭子) »
コメント
じいやが面白いと言った意味がわかったよ。
初回は疲れていて妄想スイッチが切れてたみたい(笑)
昨夜は御伽話を聞いたようにわくわく。
藤原先生ひとりマイペースに暴走するるし
おんぶされてるし、、、うんうん、のだめちっく。
神無月の意味を初めて知った。なんだかそういう古典的な
ところも好き。。。
投稿: アンナ | 2008年1月25日 (金) 11時19分
「目」に「さんかく」と聞くと
フリーメイソン⇒ニコラス・ケイジが思い浮かぶ
今日この頃です(笑)
古事記や日本書記の日本神話や
飛鳥・奈良・平安時代のみならず
江戸時代の鯰絵と色々と楽しませてくれます。
今後は「何故、神無月なのか」とか
「何故、狐の使いは女と決まってるのか」とか
「何故、鼠が鹿の邪魔をするのか」とか
色々と謎が出てくるんでしょうね。
まぁ雷神さんと鼠を使役する神には
少なからず因縁があるみたいですけどね。
それにしてもホントに
鹿・狐・鼠と上手いこと考えているものです。
もう、原作が読みたくて読みたくて。
先ほど、書店に行ったら・・・売り切れ。
・・・末期症状です(笑)
投稿: ikasama4 | 2008年1月25日 (金) 20時41分
キッドさんの、飲酒運転事故説を読んで何だか救われます。
なんて書くとこれまた不謹慎ですが。
浮世のことは忘れます(^_^;)
へぇ~、藤原先生より歴史オタクですね(笑)
勉強になります!
鼠と狐探しも面白いですね。楽しみ♪
>・・・ラクダ好きかよっ。
なるほど~。納得!
あの食べっぷりに釘付けで気づきませんでした(^▽^;)
投稿: mana | 2008年1月26日 (土) 09時18分
☁Building☁アンナ☆ラン様いらっしゃいませ☁Building☁
アンナ様にもお分かりいただき
うれしゅーございます。
御伽噺は大好きのはずでございましたから
きっと楽しんでいただけるはずと
思っておりましたぞ。
大人になっても童心キープ
これは世界を豊かにするポイントですからな。
100%童心でも困りますが・・・。
藤原先生はドラマのオリジナルキャラですので
今後どうなるか・・・
まったく読めません。
最後まで大暴れしてもらいたいものです。
それに小川先生も
別の女性をおんぶしながら
他の女性について語るなど
失礼極まりない性格。
これではふられますな。
出雲では10月は神在月になりますぞ。
全員集合ですからな。
まあ・・・日本の神々は
面白いキャラがそろっているのですが
戦前の神道教育の反動で
忘れられがち・・・。
たまにはこういうドラマは必要だと
じいやは思いますです。
投稿: キッド | 2008年1月27日 (日) 02時14分
✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥
ふふふ、あれがヒトデになると
昔の映画の宇宙人みたいですな。
キッドとしては
「日本沈没」の神話的解釈として
このドラマを楽しみたいと思っています。
「ドラゴンヘッド」では
どうしてこんなことに・・・
という理由はいっさい語られず
恐怖の事態になるのですが
このドラマはその一つの答えですよね。
龍頭ではなくてナマズだったと・・・。
ドラマでもいつかは宝永の富士山大噴火についても
語られるのかもしれませんが
これは鼠の悪戯だったらしい・・・。
そのおかげで江戸にも
火山灰が降り
みんなネズミ色になってしまったという・・・。
まあ・・・ミッキーだと黒なので
ジェリー系・・・茶色か。
トムはネズミ色だがネコだし・・・。
ネズミ色のネズミはおらんのかーっ。
ま・・・とにかく・・・
ネズミは悪戯者と相場が決まっておりますからな。
米食ってチューですからね。
ふふふ・・・原作が売り切れとは
原作者は万歳三唱ですな。
ikasama4様の鹿男のイラストも素晴らしかったので
次回も期待しています。
キッドとしてはドラマの鹿男・・・
小川先生がびっくりした時には
鏡の中の鹿もびっくりしてほしかったのですが・・・。
投稿: キッド | 2008年1月27日 (日) 02時25分
|||-_||シャンプーブロー~mana様、いらっしゃいませ~トリートメント|||-_||
ふふふ・・・案の定・・・視聴率は苦戦。
「歌姫」の時はまあ当然と思っていたのですが
これは・・・面白いのに・・・
みんな・・・冷たい・・・
「ハリポタ」を楽しむように
「鹿男」も楽しめばいいのに・・・。
という気分でございます。
なにしろ・・・日本は
本当は魔法の王国なのですから・・・。
これだけ世界各国の神様やら
妖怪やらがあふれている国は
空前絶後なのに・・・。
と思うのでございます。
ドラマでファンタジーというと
とってつけたようになりがちですが
今回はじっくりと
よどみなく描いていて
好感があります。
見ない人はみんな鹿に
印をつけられてしまえばいいのに・・・。
ラクダの八橋連続食い
甘いもの苦手だったら
罰ゲームですけど。
素晴らしかったですね。
投稿: キッド | 2008年1月27日 (日) 02時33分