ぬばたまの黒髪悲し待ち人はデートじゃないと言い訳もせず(綾瀬はるか)
【解釈】小川先生(玉木宏)は「彼女は自分を愛している」などと藤原先生(綾瀬)に言うのだが、それは一体どんなゲームなの?と疑うほどのバカ男なのである。これは本来・・・自信満々のナルシストが愛人をからかうためのジョークであるべきで・・・世の中を見る目がないのもほどほどにするべきなのになぁ。
・・・などと日本一のダメ男を主人公にしてしまう・・・最近のドラマスタッフのダメ男好きには困ったものなのだが・・・これほど面白いドラマが敬遠されてしまうのは・・・難解とか・・・とっつきにくいとかではなくて・・・鹿男がダメ男だから・・・と思わないでもない・・・。たとえば・・・綾瀬はるかに感情移入していた女性視聴者はあまりの惨さにチャンネル替えちゃうだろう。
木曜10時のドラマ対決は①「だいすき」↘11.1% ②「鹿男」↘*8.9%である。フジテレビは火10でも負け、木10でも負け・・・ショック大きいのだな。関テレの民放連復帰も滞ったりして・・・結構ピンチだな。しかし・・・見事に足して20%だな。
で、『鹿男あをによし・第六話』(フジテレビ080221PM10~)原作・万城目学、脚本・相沢友子、演出・村上正典を見た。「だいすき」と「鹿男」をくらべるとエンターティメントに対するふたつの姿勢が見えてくる。「わかりやすいドラマが好きなのか」「謎を含んだドラマが好きなのか」という問題である。前者の姿勢だと「難解」=「退屈」だし、後者なら「平易」=「退屈」である。悩ましい問題だ・・・。どちらの姿勢も満足させた方が視聴率を高めるような気がするからだ。
もちろん・・・前者は「わかりやすい裏に謎を潜ませる」、後者は「謎をわかりやすくする」というテクニックを用いる。そうなると・・・やはり白熱するのだなぁ・・・。
そして気がつくと・・・キッドは際どく少数派なのである。・・・面白いなあ。
多数決の世界では全体数100で51VS49でも49が少数派だ・・・。「51」が勝ちで「49」が負けかよ・・・と納得いかない感が漂うのだが・・・それがゼロサムゲームというものだからな。もちろん・・・「だいすき」と「鹿男」は・・・共倒れですがーっ。
しかし・・・「コトー」VS「松子」とかで・・・ダブルスコアで圧勝してきた局では敗者は辛いのだな・・・。一方連敗続きの局ではこの勝利が過大評価されそうで・・・ちょっと心配だ。
「ハンディキャップを背負ったものの勝利」と「それほどのハンデもないのにダメ男の苦闘」・・・このどちらを日本人が好むのか・・・と言う問題もありますが。
とにかく・・・「鹿男」では女性陣が個性的な顔立ちをそろえている。ヒロイン「綾瀬」マドンナ「柴本幸」アイドル「多部未華子」である。全員・・・「キッ」とにらむのが魅力的なタイプである。その変態度は異様に高いのである。もちろん・・・そういう趣味の男性の萌え度はマックスなのであるが・・・もっと普通に萌えたい・・・と思っている人には・・・苦痛なのかも。
一方・・・男性陣は「玉木宏」の一人舞台である。その玉木が・・・「二枚目」ではいけないキャラクターなのである。基本的に対人恐怖症で・・・基本的に誰に対してもオドオドしている・・・理系の科学者のようなのに研究対象も定かではなく・・・眼鏡さえかけていない・・・剣道もやっていたのに女子高校生に勝てない・・・そして・・・みんなが憧れるという女性に好意を持ち・・・好意を寄せてくれる女性に・・・冷たく当たり・・・フェミニストでもない・・・そして・・・日本のピンチだというのに・・・なんとかしようと思わない・・・ダメだ・・・ダメすぎる・・・こんなとりえのない男を・・・ある程度・・・魅力的に演じている玉木って・・・それなりに凄いと思うが・・・無理ありすぎるーっ。
さて・・・そうなると・・・このドラマに手立てはなかったのだろうか・・・。
キッドは藤原を女性化したことで・・・かなりアレンジが入って・・・ちょっと油断していた・・・ような気がしないでもない。それがストーリー展開の緩さになっているのである。「神」と「人」の関係をもう少し・・・意識して・・・「神の代理」と「神の代理の代理」というややこしさをからめていくべきだったと思う。前回も触れたが、「神の代理」である「鹿・狐・鼠」に対し、「神の代理の代理」である「使い番」と「運び番」を設定し・・・まったくのオリジナルを構築するべきだったし・・・「お宝」としての「目」のダミーも複数設定し・・・「どれが本当の宝なのか」を推理する喜びを提示するべきだったと思う。
もちろん・・・「不運なのに楽天的な女」と「不運なので悲観的な男」のラブコメとしては非常にユニークでキッドは賞賛に値すると思うのだが・・・それだけでは・・・さすがに視聴率は獲得できないのだった・・・。
さて・・・「サンカク」編が終了し・・・あたかも・・・第二部「目」編が開始したように見える今回・・・しかし・・・とってもとってつけたようなのである。
日本中で悲惨な出来事が展開し・・・「それをなんとかできるかもしれない」男が・・・恋にうつつを抜かしているという・・・爆笑の展開なのだが・・・これを笑えるのは一部の悪魔だけなのではないのかな・・・。
そして・・・その男の不甲斐なさを叱咤激励する女が・・・単に「嫉妬しているから」というものすごい動機の不純さにも見えることもまた・・・爆笑の展開なのだが・・・これもまた・・・お茶の間には馴染みにくいと思う。
それは藤原先生と小川先生の密会を見たラクダが「ブハハハ」と笑い・・・藤原先生がくしゃみをしているのを見てラクダの祖母が「ブハハハ」と笑うというような芸の細かさに・・・そんなこと誰も気がつかないよ・・・という隠し味メインの危険を感じるのである。
ちなみにマドンナはラクダの個展に行きたかったのであり、一緒に行く小川先生はオマケなのである。
ま・・・とにかく・・・キツネが京都の動物園にいることが判明・・・「キツネの使い番は女で京都にいて以前に会ったことがある」という情報から・・・「キツネ」は「マドンナ」以外にはいないと判断した小川先生は「あなたはキツネですか」と質問して水をかけられてしまうのだった。
ええーっ・・・マドンナはキツネの使い番じゃないのかよ・・・じゃ・・・だ・・・誰が?・・・で、堀田(多部)登場である・・・そして・・・学校を無断欠席中の彼女の願いは「学校をやめさせてくれ・・・」なのであった・・・。
とにかく・・・日本が滅びようとしているのに・・・誰が好きだとか・・・学校やめたいとか・・・オレには無理だとか・・・神様って意地悪なのよねえ・・・基本的に。
関連するキッドのブログ『第五話のレビュー』
さて・・・マドンナは「私がキツネですってーっ」で怒るのは・・・不自然なのかどうかという問題もある・・・。これは「キツネ」のイメージの問題で・・・「キツネ」が「可愛い」とか「美形だ」という感覚の可否の問題である。日本では「キツネの母」を持つヒーローがいたりして・・・実は・・・母性としてのキツネは結構、肯定的なのである。もちろん、カテゴリーとしては「動物嫌い」というものもあり・・・動物に例えられるのがイヤだったりする。また・・・「女狐」と言った場合には「邪悪さ」もつきまとう。それでは「猫みたい」と言えば喜ぶ女性はどうなのだろう。猫にも「泥棒猫」という言い方もあり・・・この場合は「夫を狙われたサザエさん」的な心情が関係する。日本では「キツネ顔」と「タヌキ顔」という比較もある。どちらも化かす動物であるが・・・キツネは狡猾・・・タヌキは愛嬌という印象があったりするのである。顔立ちで言うと・・・日本人には北方朝鮮半島系の顔立ち・・・キツネと南方海洋系の顔立ち・・・タヌキが混在する・・・人はないものねだりや自己肯定と様々な好みを持つわけだが・・・そのあたりの複雑な気持ちも・・・あるわけだな。マドンナの場合は「私はどちらかといえばタヌキですっ」という気持ちがあったのかもしれない。さて・・・他にはイヌ系の問題・・・そしてネズミ系の問題があるわけであるが・・・「ブタ」っていわれるよりはイイのじゃないかなーっとブタの立場も考えず・・・キッドは言ってみたりするのである。キッドはとりあえず・・・虎だっ虎になるんだっ・・・と自己暗示をかけるタイガーマスクに憧れます。
『ちりとてちん・21-4・第119回』・・・さあ・・・いよいよ・・・A子が登場です・・・っていうか・・・嘘つき小僧の怪しいプロフィール・・・親・・・死んでないような気がするし・・・大学生でもないような気がするし・・・北朝鮮の工作員のような気もするし・・・危険です・・・狙われているのは上方落語界なのか・・・それとも若狭の貞操か・・・ないない・・・一方・・・A子・・・恋人を寝取られた怨みに復讐の血がたぎるのか・・・っていうか・・・若狭と草々が初夜を迎えているのかどうかも・・・謎ですが・・・はうぅん→21-3
土曜日に見る予定のテレビ『機動戦士ガンダム00』(TBSテレビ)『1ポンドの福音』(日本テレビ)『ロス:タイム:ライフ』(フジテレビ)『コインロッカー物語』(テレビ朝日)
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皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
色々と調べてみると
「狐」と称された人々は
古来より虐げられてきたような歴史っぽいものを
感じさせるところがあり、
だから人々は時として狐に祟られないように
「神」として祀ったのかもしれませんね。
「猫」もまた同じなんでしょうかね。
調べてみるとこちらも狛猫とかがあるみたいです。
この辺りはもうちょっと要調査ですかね。
狸も狐も両方イヌ科だけれども目はネコ目だそうで。
こちらも探せば狸を神使とする神社もあるらしく
突き詰めると狸も狐も本来はルーツは同じなんでしょうね。
ただ、狐を神使とする稲荷神社が全国各地に展開したのに対して
狸を神とするとこで直に思い浮かぶのは四国っていう
当時はおそらく閉鎖的な場所だったという事を考えると
その起源を探れば何かあるんでしょうね。
そんな時間がとれればいいな(笑)
投稿: ikasama4 | 2008年2月23日 (土) 13時01分
✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥
とにかく・・・ウソ八百万の歴史において
古人の妄想はまた格別なのでございますが・・・
キツネは本来・・・安倍晴明の母でございますからね。
陰陽道では聖母マリア様のようなもの。
キツネと呼ばれたら
「まあ、うれしい」が正しい反応だと思います。
・・・ま、君子危うきに近寄らずなので
キッドはあえてそんなこと言いませんが。
基本的には飲酒ともののけは密接ということですね。
日本では飲酒の習慣の高まりとともに
「何かに化かされる」という現象が発達したのです。
まあ・・・酔っ払いに飲ませる酒はないっ
ということでございます。
古来・・・日本では猛獣は神でした。
神の語源であるカムイは
「熊」であり「オオカミ」であり
「オロチ」であったわけです。
それに対し、キツネとか鹿とかネズミとかは
まあ・・・かわいい存在です。
これらは・・・しかし人でないものとして
猛獣ではないが害をなすかもしれない・・・
そのあたりの恐れが・・・神格化に発展する
というあたりがキッドとしてはツボです。
まあ・・・オオナムジに対するネズミは
スクナヒコの変形ですので
大男と小人というペアの面白さでもあります。
つまり・・・ネズミの正体は
小さい人であるべき・・・とキッドは思ったりします。
そういう意味では子役があまり起用されていない
このドラマ・・・ダメじゃないかっと
思ったりもするのでございます。
そういうふくらましの工夫が
ちょっぴり足りないのかもしれません。
ふふふ・・・四国は八百八狸でございますな・・・。
藤原先生がキツネに反感を持つのは
大きい声では言えませんが・・・
「タヌキだからですかーーーーーっ」
なのでございます。
投稿: キッド | 2008年2月26日 (火) 06時02分