白妙の衣をまといし教え子の諦念砕く喝の眩しさ(玉木宏)
【解釈】小川先生(玉木)は不運を嘆くうちにすっかり根性なしになっていたのだがそのものは白き衣を身にまとい「欲しいものを欲しい」と言えぬなら生きている意味なんかないと叱咤激励するのでどちらが教え子かわからないまぶしさなのだなぁ。
スタッフも心の底から視聴率が欲しいと叫べばいいのさ。
さて、木曜10時、伝統のドラマ対決は①「だいすき」↗11.7% ②「鹿男」↗*9.0%である。平均でも「だいすき」が「鹿男」を上回り・・・久しぶりのTBSのリード。実録風身体障害者ショーが伝奇ファンタジーを上回っている。このまま、差が開いていくのか・・・いい勝負になるのか・・・興味深い。
次から次へと繰り出される必殺の子役ひまわりに対し、やや押され気味の鹿・狐・鼠の動物連合。「泣く子」と「動物」には勝てないという業界の鉄則に基づく、「泣く子」VS「動物」の抗争もいよいよ中盤戦なのであった。狐や鼠は北海道からキタキツネとか・・・アメリカからミッキーとか呼ばないと勝てないかも・・・。
ま・・・まだ「だいすき」のレビューはしませんが。
で、『鹿男あをによし・第五話』(フジテレビ080214PM10~)原作・万城目学、脚本・相沢友子、演出・鈴木雅之を見た。・・・うーん、そろそろ低視聴率がボディーブローのように効いてきたかな・・・編集に甘さというか迷いが感じられるのである。・・・がんばれ・・・ここがねばりどころなのである。
さて・・・社会が複雑化したことにより、「善」が「悪」に転化することはままあるのだが・・・たとえば「がんばること」である。まだまだ「がんばることは悪いこと」とまではいかないが、人のがんばりを即すための「がんばれ」という言葉は「言ってはいけない」場合があるという傾向に置かれている。
これは「鬱」の病状にある患者に「がんばれ」と励ますことでさらなる悪化を招く場合があるという指摘からほぼ始まったことだと思う。
前々回、藤原先生が「心の病」をケアするために・・・「病んだ人の妄想をむやみに否定してはいけません」とアドバイスするネット情報を得たように・・・この手の情報は拡散しつつある。
しかし「病んだ人」と「病んでいない人」の見極めは難しい。それは「もう一人の自分が殺せと言ったので殺しました」という殺人容疑者が「病んでいる」のか「病んでいないのか」を精神鑑定すると・・・専門家でさえ判定が分かれる場合があることからも明らかである。
まあ・・・バカがバカをバカかどうか考えるのと同じくらい複雑な話である。
しかし・・・「嫌なことはやりたくないの」という「病んでない人」は必ずいるし、そういう人に「がんばれ」と言えないのは教育上かなり問題のあることなのである。
つまり・・・「イヤだ」と言う人に「がんばれ」と言って「やる気が出た」と言う場合は「病んでない」証拠。「イヤだ」と言う人に「がんばれ」と言って「自殺した」場合は「病んでた」ということになるのだな。
で、「自殺される」のがイヤな人は「がんばれ」という言葉をつい封印するのである。
・・・それでいいじゃないか・・・と言う人はキッドは少し病んでいると思う。
キッドはこう思うのだ。「がんばれ」と言って自殺する人がいたとしても「がんばれる人」が一人でもいるのなら「がんばれ」と言った方が前向きだということである。もちろん、死にたい奴は死ねばいいと同じ意味なので・・・キッドは病んでいます。
「サンカク」を入手しないと日本が大変なことになる・・・と半信半疑の小川先生は「サンカク」を手に入れるために堀田(多部未華子)に「大和杯」の剣道部門での勝利を託すのだが、インターハイ準優勝(女子高校生で二番目に強い)の「敵」を迎えて・・・。
「相手は強すぎる・・・強い相手に絶対勝たないといけないと思うとプレッシャーになるからな・・・無理しないでいいぞ・・・」
と・・・何を言いたいのか分らないアドバイス・・・自分では気を使っているつもり・・・をするのだが・・・。
「サンカクが欲しいのですか・・・欲しくないのですか・・・ウダウダ言ってないでハッキリおっしゃいっ」と堀田に叱責されてしまう。
・・・ああ、難しい世の中になったよね。もう・・・キッドのような無責任な人間は死んだ方がマシだよね。でも死なないけどね・・・イッヒッヒ・・・なのである。
まあ・・・少なくとも・・・このドラマの主張は「少数派のために多数派が我慢するなんて馬鹿馬鹿しい」という方向に偏っていると見ることができます。
しかし・・・恐ろしいのはそう考えるものが「少数派」になっている場合です。
そういう場合は「なんてことを言うのだっ」と袋だたきに逢うのです。「いじめは仕方ないよね」と言った人が「なんてことを言うのだっ」と袋だたきに逢う時代ですからーっ。
まったく「いじめなんてとんでもないことだ」と言いながら正々堂々といじめをする人間を時々ぶっ殺してやりたくなりますよ。・・・それは病んでいる証拠です。
さて・・・剣道部の試合があれほどの人気になるのは・・・スタッフの隠された欲望の吐露であると思えなくもない展開。
しかし・・・本来、人間は「負けるより勝つ」のが好きでいいのです。弱肉強食を忘れてはいけない。ブタに食われるよりもトンカツ食べた方がいいに決まっているっ。そんなことも分らなくなっている世の中だとしても。
だから・・・金メダルをとれるかもしれない決勝戦に注目が集まるのですからーっ。
さて・・・「見せ場」です。人間は勝負事が大好きです。何でもいいのです。「勝者」を見て「自分が勝ったような気」になりたいし、「敗者」を見て負けていない自分より不幸な人を蔑みたいからです。
うーん。ものたりない。「キューティーハニーTHE LIVE」には遠く及ばないアクション描写力・・・。もっと勉強して欲しいなあ。リアリティーには限度がありますからね。
せっかく解説の名手「らくだ」福原先生(佐々木蔵之介)がいるのに・・・もったいない。
「ううん・・・キツネ大将とウチの堀田の実力は互角だが・・・なにしろ・・・ウチの堀田は三連戦の後・・・対ネズミ戦からは八連戦目だ・・・。体力の消耗が激しいが・・・得意の抜き胴が決まれば心臓バイバス手術の確実性からバチスタは必ず成功する・・・」なんの解説をしているのだ・・・とにかく・・・面白さをサービスする演出テクニックがちょっと惜しいのかなあ・・・。ま、キッドとしては充分面白かったのですがーっ。
せっかく・・・剣道どころかスポーツ観戦に素人の溝口先生(篠井英介)とかを配置しているので聞き手と解説の役割分担ができるはずなのにーっ。
・・・と思わないでもありませんよ。
ともかく・・・藤原先生は「自分の剣道を忘れるなーっ」とか「なぜ敵が混じっている」とか長岡先生(柴本幸)には敵意丸出しなのに、ひょっとしたら対抗馬かもしれない堀田については「小川先生のこときっと好きなんですよ」・・・間抜けです。間が抜けてますーっ。
長岡先生は福原先生狙いだってばーっ。
そして・・・小川先生に「何でも望みをかなえてやる」と約束された堀田は見事に勝利しましたーっ。全校生徒が大喜びーっ。59連敗の後の優勝・・・もの珍しさかっ。
そして・・・今回のオチは「これはサンカクじゃない」(飛火野の鹿・談)・・・でしたーっ。あ、やっぱりーっ。話はフリダシに戻りましたよーっ。本物のサンカクは一体どこにーっ。キツネの使い番は誰なのですかー。小川先生がシカの運び番だとするとー・・・シカの使い番、ネズミの使い番、ネズミの運び番、キツネの運び番もいるのですかーっ。そうならそうで言ってくれると誰が誰なのか妄想する喜びも拡がるのですけれどーっ。そして・・・サンカクらしいものももっといっぱいだして・・・紛らわしくしたりして・・・アレだけじゃ・・・どうもねーっ・・・ともかく・・・どうせアレンジしているんだからーっ・・・もっとお茶の間受けを狙うべきなのではーっ。キッドとしては最後まではうぅんと楽しみたいしーっ。今回・・・観光シーンお休みだったしーっ。藤原歴史おタクも控え目だったしーっ。弱気かーっ。弱気になったのかーっ。水島ーっ。一緒に日本に帰ろうーっ。もげっ。
関連するキッドのブログ『第四話のレビュー』
『ちりとてちん・20-4・第113回』おっとーっ・・・若狭の兄の嫁候補までが乱入ーっ。今週は回想大寒波襲来なのかーっ。そして・・・やっぱり・・・若狭は・・・みんなと一緒がイイってーっ、この期に及んでこの娘は・・・朝ドラヒロインの自覚がないのですかーっ。着せ替えゲームじゃなきゃやだーってごねるのですかーっ。欲しい玩具はもらえないものですのにーっ。でも・・・フリだよね・・・フリ幅は大きくだよね・・・明日はきっとヒロインらしく見せ場を作ってもらえるんだよねーっ・・・脚本家がクセものだからーっ。→20-3
土曜日に見る予定のテレビ『機動戦士ガンダム00』(TBSテレビ)『1ポンドの福音』(日本テレビ)『ロス:タイム:ライフ』(フジテレビ)『腐女子デカ』(テレビ朝日)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
「自分は鬱じゃない」とか言って
鬱になっていく人がいれば
「自分は鬱です」と医者にも診断されてもないのに
勝手に自分は鬱だと決め付ける
世の中、人は様々ですが
小川の場合はおそらく後者でしょうね。
何に対してもマイナス人間ですからね。
まぁそんな時はちょっとくらいの
賭け事もアリかもしれませんね。
「大和杯、奈良が優勝する方にキツネうどん賭けましょか?」
ってな具合に(笑)
世の中、悲観的になっている人には
藤原先生の10分の一の爪の垢でも飲ませたいものです。
・・・というか藤原先生ならば
そんな人よりも喜び勇んで馳せ参じる人がいるのかもしれませんが(苦笑)
今回は歴史ネタがとっても少なかったので
私の方で記事の8割程度、歴史妄想が占めました(笑)
でもってドラマも終わってないうちに
とうとう原作を読んでしまいまいた。
そんな自分は鹿になってしまったようです。
最終回を迎えるまで、どうも
印は解けそうにありません。
ただ、どうも背中にファスナーがあるみたいです(; ̄∀ ̄)ゞ
投稿: ikasama4 | 2008年2月16日 (土) 00時15分
最後のキッド様の魂の叫び。最高です!
笑わせてもらいました。
ここで弱気になってはいけませんよね。
面白いですもん。
投稿: みのむし | 2008年2月16日 (土) 10時46分
✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥
心の病の問題は難しいですねえ・・・。
今、神経伝達的な分析は
かなりのところまで来ているようですが
また・・・新たな問題が発生するような
気がしています・・・。
たとえば・・・薬物投与や外科手術で
悪意や殺意を消去する技術が確立したとしても
それを消すのが
正しいことなのかどうかはまた別の問題ですから・・・。
また・・・消去できるということは
付加もできるということでもありますし・・・。
ふふふ、歴史妄想三昧ですな。
じいや版武雷神再登場ありがとうございます。
原作からはかなりアレンジされていますので
オリジナル展開に期待したいところです。
まあ・・・ラストはそれほど変更されないのでは・・・
とは思いますが・・・。
キッドはオオクニヌシと
ネズミは
オオナムジとスクナヒコの関係に
還元できると思っています。
そうなると・・・鹿の言うババアの
存在が気になるところなんですよね。
まあ・・・オオナムジは中々に浮気な神ですからねえ。
様々な女神が登場しそうで・・・。
ヤマタのオロチを退治したスサノオは
オオクニヌシに娘を略奪されてしまうのですが
アマテラスがスサノオの姉ということを考えると
ヒミコとオオナムジの間に確執があるのは
なんとなく納得できたりするのですけど・・・。
そうそう・・・まこ様が
perfumeネタを延長希望なので
なんとなくお心にとめてくださいますように。
マカロニとピョリリズムの別ヴァージョンなんですけど・・・。
キッドとしては冬服アレンジでも
やろうと思えばなんとかなるんですが・・・。
投稿: キッド | 2008年2月17日 (日) 01時57分
*simple*life*みのむし様、いらっしゃいませ*simple*life*
リチャード、怪しいですね。
はい、サンカクではなかった。残念っ。
とか・・・言い出しそうな雰囲気があります。
巨匠が亡くなって
チラッとビルマの竪琴を見たので
つい・・・あの場面が頭をよぎりました・・・。
なんとなく・・・
奈良の大仏の中とかにサンカクが
隠してありそうな気もします・・・。
水島の家族のこと・・・。
そして・・・帰れぬ遺骨の思い。
やるせない・・・のに
ちょっとルルルな埴生の宿・・・。
複雑です。
鹿男も複雑な作品なので・・・
もっとみんなに愛されるといいのに・・・
と毎回思います。
投稿: キッド | 2008年2月17日 (日) 03時10分
「がんばれ」の使い方はむずかしいですよねー。
実際に、身近で鬱病を患った人がいたのですが、
「頑張らないようにして下さいね。」と変な励ましの言葉を
かけてしまったトホホなあたしです。
あたしの場合も頑張れと言われたら、実力以上に
頑張ろうとして自爆しそうなので、遠慮したい言葉デス…
運動選手の皆さんが「応援よろしくお願いします。」と
発言されるたびに、その精神力の強さに感心なのデス。
>病んだ人の妄想をむやみに否定してはいけません
なので、遠慮せずに妄想モードに突入すっど~!!!
【鹿男あをによし】の番外編を妄想なのデス♪
まこ☆ミキ主演で【馬鹿女いってよし】
サンカク…ではなく、マルを求めてさまよう馬鹿女!
マルの情報を求めて、3人の使い番(盲目女・花屋・頭巾娘)を
訪ね歩くお話なのデス。
そして、マルの正体は・・・なんとゼロで振り出しに戻る!
3人の使い番に呆れられ、運び番をクビに・・・
えっ、本当に逝ってよしってか!?
師匠~、あたしも地獄へ行く事になったさけ、ご一緒させて
下さいまし~。
やかましゅーゆうてやってきましたその道中のよ~きな事っ!!!
↑鹿病・薔薇病・ちりとて病を同時に発症し
かなりの重症らしい(笑)。
投稿: まこ | 2008年2月17日 (日) 14時02分
●no choco●まこ☆ミキ様、いらっしゃいませ●no choco●
ふふふ、がんばらないようにしてください。
まあ・・・リラックスということですよね。
スポーツの場合は「火事場のバカ力」と「平常心」の
兼ね合いが難しいのですよね。
これは「コントロール」という問題がございますから。
いつも通りの力を発揮すれば
勝てる・・・はずなのに勝てない。
これは「力み」でコントロールが上手くいかないから。
いわゆる本番に弱いタイプの登場です。
そういう人にとってはいかに
ダラダラできるかがポイントになるわけで
がんばらないようにしたいわけです。
まこ様のトホホな励ましは
まさにそういう人のためにベストなのでございますよ・・・。
ああ・・・人を励ますのって難しいのですな。
まあ・・・お嬢様の場合、
全力で暴走なされば
おのずと道は開けるのですな・・・。
ただし・・・草木一本残っていたり
残骸の山が残る場合も多いのですが
じいやめにおまかせくだされば
きれいにお片づけして
何一つ証拠を残さず・・・いえ
整理整頓いたしますのでご心配なく・・・。
いよいよ中盤戦ですが
ちりとてちんも終るこのクール
最終回シーズンはなかなかに淋しくなりそうで
ございますね。
投稿: キッド | 2008年2月20日 (水) 04時09分