一天にわかにかき曇り・・・稲妻使いかっ!(宮崎あおい)
・・・人にはそれぞれ役目というものがあります・・・。
母の教えは「身分」というものの利を説いたもの。「天は人の上に人を作らず人の下に人を作らず」という平等の理念よりも「下克上には百害あって一利なし」の信念である。つまり・・・階級社会の肯定なのだ。
なぜなら・・・階級こそが平和の基本だからである。
自由・平等・平和という支離滅裂な理想を掲げ、狂人を大量発生させる教育で育った人々には・・・ほとんど受容できない思想でございます・・・まあ・・・みんな聞き流すだろうけどね・・・。
とにかく・・・母の必殺技・死者からのお手紙によって篤姫(宮崎)は覚悟を決めました。「偉そうにしろっていうならしてやるよぉーっ」なのである。
で、『篤姫・第八回』(NHK総合080224PM8~)原作・宮尾登美子、脚本・田渕久美子、演出・佐藤峰世を見た。なんて言うか・・・大人気?・・・なのであるな。とにかく・・・今回も前半はあんみつ姫、意地悪されてプリプリ・・・玩具を渡されエヘヘ・・・乳母の遺言で・・・シャキーンである・・・。そして・・・幾島(松坂慶子)登場で・・・ふりだしに戻る・・・すごろく展開だ。もう・・・分りやすいのである。まあ・・・お笑いの世界で言えば・・・やすいコントだな~・・・ということである。とにかく・・・シナリオにそったレビューは例によってikasama4様を推奨いたします。今回は「夷狄は東夷・北狄の略だよ!・周辺異民族徹底殲滅大特集」付でございます・・・ちょっと違うだろう・・・まあ・・・とにかくお勉強になりますですからーっ。
で、篤姫マップその2は「江戸・京都・薩摩をみんなで移動中」をお届けします。本筋とは関係ありませんが坂本龍馬(玉木宏)は江戸に向けて移動中だと思われます。江戸では鉄平の父ではなくて勝海舟(北大路欣也)が待機中。もちろん・・・篤姫の運命の人、家定(堺雅人)や、篤姫の江戸の母となる英姫(恒姫・余貴美子)も待っています。
そして・・・京都には次の養父となる近衛忠煕(春風亭小朝)も待ってます。さて・・・問題は・・・京都で斉彬(高橋英樹)と会っていた幾島(松坂慶子)がなぜ・・・薩摩に先着したか・・・ということです。①足が速いから ②参勤交代の大名行列がのんびりだから ③海路で直行したから・・・まあ・・・様々な可能性がありますが・・・妄想的な結論はただ一つ。幾島が薩摩忍者・くぐり衆のくのいちだからです・・・ああ・・・そうだろうとも。
さて・・・江戸幕府対薩摩藩の暗闘は関ヶ原以来・・・ずーっと続いているわけですが・・・幕末ともなると・・・表面上はなかよしになっています。それは斉彬が幕政に深く関与している風な今回の大河ドラマで描かれている通り。
しかし・・・幕府の隠密は「薩摩潜入」は「死」を意味する状態になって長いのです。これは戦国大名・島津忠良が作り出した薩摩忍軍・くぐり衆が最強だから・・・なのでございます。本来、薩摩隼人は熊襲として・・・ヤマトタケルに首領暗殺されて以来・・・しのびの衆に対する警戒心はなみなみならぬものだったわけですが・・・どうせなら・・・こっちも忍者を組織すればいいのでごわすと金峰山に修験者系の忍者講師を招いて・・・ものすごいしごきの果てにくぐり衆をたちあげたのです。
それから・・・300年・・・ついにくぐり衆の暗躍が幕府の忍び衆の手に負えなくなってきたのが幕末なのです。
さて・・・もちろん・・・忍びの道はけものみちですので・・・一筋縄ではいきません。藤原忍軍のように1000年の歴史を誇る古強者もおりますし・・・くぐり衆といえども無敵というわけには参りません。幕府のくのいちであるお由羅や・・・隠れ忍びである調所など・・・薩摩の中枢に食い込まれたりもします。また・・・斉彬のようにまんまと幕府側に操作されてしまう江戸育ちのお殿様も登場するわけです。
しかし・・・歴史が物語るように・・・最終的に勝利を獲得するのはくぐり衆なのです。
もちろん・・・その首領は普賢様と呼ばれる菊本です。菊本、広川、そして幾島と続く、くぐりのくのいちたちは篤姫をくのいち姫として育てあげるのでございます。その目指すところは・・・まだ秘密です。
さて・・・誤解があるといけないのでくのいち幾島の出自を説明しておきます。幾島は薩摩出身です。まず・・・藤田という名前で篤姫の祖父・島津家宣の娘・郁姫の侍女となります。そして郁姫が嫁いだ藤原北家・近衛忠煕に潜入したのです。郁姫が幕府の隠密お由羅に養育されていたために・・・薩摩の隠し目付け役割です。藤田(幾島)は天才くのいちですので・・・3年前に33才で没した郁姫の死後も忠煕に密着していたわけです。
つまり、幾島はくぐり衆(薩摩忍者)であり、幕府隠密(紀伊忍者)のお由羅に学び、藤原上忍(韓流忍者)の近衛家に仕えたという・・・スーパーエリートくのいちなのです。
薩摩から江戸へ、江戸から京へ、そして京から薩摩へ・・・藤田は任務を終え帰還・・・そして逆のコースをたどって名を改めた幾島は篤姫とともに江戸城に乗り込んでいくわけです。だから・・・神出鬼没だし・・・篤姫とのご対面で落雷くらいは当たり前なのです。
ちなみに・・・藤原北家は様々な権力者と結んでいるわけですが・・・近衛家は薩摩と深い関係を持っています。篤姫は普賢菩薩を母から贈られるのですが・・・普賢菩薩こそは女人成仏の教えを説く法華宗の菩薩。男尊女卑の薩摩にあって「成仏に男女差別なし」はまさにくのいちの法と言えます。そして・・・藤原北家の伝来の宝物は鎌足の法華経です。
しかし・・・所有するのは九条家。近衛家には「鎌足の鎌」(レプリカ)がありますが・・・近衛家では九条家の藤原三宝(ちなみに他は鎌足自画像と雷神宿りの小狐の太刀)がねたましくてしかたなかったのです。若き日の幾島が藤田と呼ばれた頃にこれらを九条家から盗みだしたのは・・・今回の登場で明確に描き出されたわけです。
まあ・・・忍びの歴史を知らぬ一般人にはコントに見えることも・・・闇の歴史を知るものには・・・おいおい・・・そんなのマジでやっちゃっていいのかよ・・・というドキドキものだということなのでございます。
とにかく・・・忍び姫・篤子とスーパーくのいち・幾島の冒険は今、始まったばかり・・・そして京都には真言宗大覚寺系の密教くのいち・村岡局・・・大奥には各国よりすぐりのくのいち衆が待ち構えています。ああ・・・くのいち三昧か・・・今年の大河ドラマは夢のくのいち三昧なのかーっ・・・でございますからーっ。
関連するキッドのブログ『第7回のレビュー』
ちなみに今週の『佐々木夫妻の仁義なき戦い』は「手紙をください~」の根岸季衣の神演技に号泣でございました。横筋は実に面白いのに・・・。
火曜日に見る予定のテレビ「ハチクロ」「あしたの・・・」(フジテレビ)「貧乏男子」(日本テレビ)「キューティーハニーTL」(テレビ東京)・・・ふふふ・・・やはり、火曜日かよっ。
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
きましたねぇ、薩摩の忍軍団(笑)
幕府は内部の権力争いに必死で
服部が潰れ、柳生が潰れ、御庭番が潰れ
忍の力が弱体化していく中で
薩摩は着々と手を変え品を変え
力をつけていったんでしょうね。
薩摩は地理的にもなかなか辿り着くのが大変な場所であり
薩摩弁は第二次世界大戦の暗号に使われたというのですから
公儀隠密が忍び込むのは至難の業ですね。
稲妻使いかぁ。
稲妻、稲妻・・・・・・飯綱?!
という事は
飯綱もしくは雷獣を使役したかもしれんですねぇ。
そうなると幾島は古今東西の忍の業を極めているんでしょうね。
だから三つ目なんでしょうね(笑)
「佐々木夫妻」
たしかに根岸さんの「手紙を下さい」は
とても素晴らしかったです。
あのサブストーリーだけは秀逸です。
流石部分部分のシーンでは定評があるTBSです( ̄ー ̄)b
投稿: ikasama4 | 2008年2月26日 (火) 20時49分
✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥
巷では「風林火山」との落差に
賛否両論の「篤姫」ですが
時代劇マニアには
かなりそそる展開。
要するに「戦」がないと
我慢できない人とか
「新撰組」だけが好きな人とか
標準語の歴史を知らない人とか
要するに未熟な人たちが
「これはキライ・・・」って
駄々をこねているような気がします。
まあ・・・アイドルオタク的には
あの件で可愛さあまって憎さ100倍という
アンチオタッキーもいるでしょうしね。
キッドにとっては次から次へと繰り出される
くのいちたちの「暗示の術」の冴えに
舌を巻く日々。
斉興をお由羅が・・・。
忠剛をお幸が・・・。
尚五郎をお一が・・・。
もうコントロールしまくっているわけです。
男尊女卑というより
女に人権なしの薩摩で
くのいちたちのおバカさん操縦術は
実に面白い。
そして・・・ついに大御所・雷神加護の幾島登場。
もう・・・雷鳴でも稲光でも
まったく問題ありません。
できれば・・・
アクションもあって
高い木の上から
幾島が幕府隠密と落下して
飯綱落としで勝利とか
見てみたいのですが・・・それは無理ですか。
忍者ハットリくん的に・・・。
佐々木夫妻・・・は・・・ねえ・・・。
まあ、「冗談」や「ハタチ」よりも
ずっと高度な脚本なので
それがお楽しみポイントでございますけれど。
投稿: キッド | 2008年2月29日 (金) 03時29分