江戸の菓子は美味じゃのー。(宮﨑あおい)私は刺客だ。(上戸彩)
戦国時代末期の女忍者あずみ(上戸)が命懸けで作った徳川太平の世が・・・瓦解しようとする幕末・・・。
血で血を洗う内戦を前に・・・篤姫(宮﨑)は秋の長旅を終えて・・・江戸薩摩藩邸に到着。
そこには・・・仮面の義母・英姫(余貴美子)と対面するのだった・・・。あずみが甲賀のくのいち空如(高島礼子)に痛い目に遭うのと対応しているのである。
上戸彩(22)のライバル・・・後藤真希(22)がすっかり・・・L・A三昧でUSHを堪能している頃・・・いつの間にか追い抜いていった気配の宮﨑あおい(22)が火花を散らしているのである。おそるべし・・・1985年生まれたち・・・。なにしろ・・・他にも綾瀬はるか(22)と蒼井優(22)がいるのである。
で『篤姫・第13回』(NHK総合080330PM8~)原作・宮尾登美子、脚本・田渕久美子、演出・佐藤峰世を見た。江戸編の開幕は鹿児島~京都~東京の二ヶ月の旅を挟んで開幕である。もう少し観光名所をはさんで珍道中にしても良かったのに・・・日向灘~瀬戸内海~京・近衛邸~富士山~江戸・三田屋敷で終了である。瀬戸内海なんか・・・船室の障子を開けたのに景色を見せないなんて・・・ガッカリだよ・・・何を楽しみにしているのだ?・・・ともかく・・・例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回は奥女中たちの新作イラスト特集です。英姫の冷たい態度の理由解説つきでお得です。
で、今回はくのいちたちの活躍をもう一度妄想してみたいと考える。なにしろ・・・英姫がくのいちのお頭丸出しで登場なのである。これは萌える・・・いや・・・燃える。ちなみに東京は三田にある江戸の薩摩藩邸。東海道を東進してくると品川の宿に近いので・・・便利なのだな。斉彬の父の愛人・お由羅は三田の八百屋の娘という説もあり・・・これは手近だからである。もちろん・・・お由羅は幕府の隠密・・・くのいちである。お由羅によって薩摩のくぐり衆はかなり骨抜きにされているのである。お由羅が義母となった郁姫につけた生え抜きのくのいちが幾島なのである。前にも述べたように・・・幾島はくぐり衆で幕府隠密で藤原の忍びというものすごく複雑な立場のくのいちなのである。
しかし・・・幕末というのは200年以上も平和の続いた時代の果てなのである・・・平和というものはものすごく複雑なものを生むものなのだ。
たとえば安全装置としての血脈というものがある。世の中に無用な争いを生まないために血統主義があるのだ。組織としては停滞するし・・・自由とか平等とかは犠牲になるがとにかく平和なのである。
その血脈を絶やさないための安全装置である。将軍家の場合・・・いわゆる御三家がある。宗家と・・・尾張徳川家・・・そして紀州徳川家である。よく・・・御三家に水戸徳川家を加える場合があるが・・・水戸家は実は格下なのである。そして、紀州徳川家から宗家を継いだ吉宗以来・・・宗家の中に三卿家が生れる。いわゆる吉宗の子孫の御三家である。これが田安家、一橋家、清水家である・・・それぞれ江戸城の田安門、一橋門、清水門にちなんだネーミングで・・・いわば江戸城将軍一家なのである。
家定の祖父11代将軍家斉は一橋家の出身であり、そのため一橋は名門中の名門になったのである。そして島津斉彬の正室・英姫は家斉の弟で一橋家を継いだ徳川斉敦の娘なのである。気位の高さがお分かりいただけるだろうか。
11代家斉・12代家慶・13代家定と父子相続の続いた徳川宗家なのだが・・・家定で途切れることで・・・幕末が始まると言ってもいいのである。安全装置はたちまち・・・危険装置になるのだな。
14代候補となるのは一橋慶喜と紀伊慶福である。英姫からみると実家の一橋家ではあるが・・・慶喜は格下の水戸徳川家からの養子である。一方・・・慶福は叔父である家斉の孫にあたり・・・血縁なのである。この複雑さが・・・上流階級なのである。紀州‐将軍家‐一橋という微妙なサイヤーラインが存在するのだな。
英姫はいわば将軍家から外様で臣下の島津家に嫁いだ女。しかも・・・夫の父は幕府のくのいちに手玉に取られているわけである。そのおかげで藩主夫人にさえ・・・なかなかなれなかったほどなのだ・・・。仮面をかぶりたくなるのである。そして・・・夫の斉彬は父親の愛人には痛い目にあっているはずなのだが・・・篤姫が江戸入りした嘉永6年10月には斉彬の側室・伊集院寿満が五人目の子供を出産しているのだ。そしてわが子は全て夭折なのである・・・。これは仮面をかぶるだろう。
斉彬の父・斉興の側室・・・お由羅。斉彬の側室・・・お寿満。もちろん・・・くのいちである。篤姫は分家の娘・・・そして英姫は将軍家の娘であるが・・・上忍としての共感はあると思われる。なにしろ・・・やがて御台所となる篤姫の夫・家定には側室・お志賀がいるのである。もちろん・・・くのいちだ。
ある意味では・・・男尊女卑の世界の悲しい女たちの物語でもあるのだが・・・身分の低い下忍のくのいちが子を成すことで出世したり・・・上忍であり・・・くのいちを支配する身分の姫たちが子を成さぬことで悲哀を感じる・・・中々に狂おしいのである。
英姫にとってお由羅の手の者に見えるはずの幾島はかなり怪しげな存在であり、幾島の守る玉である篤姫もまた同様なのである。その言動を監視するために配下のくのいち藤野の手のものが探りを入れ、またくぐり衆である小ノ島もまた幕府の隠密であるお由羅がらみの幾島を警戒する。江戸三田屋敷は舞い込んだ分家出身の姫のために・・・くのいちたちの血が騒ぐのだった。
もちろん・・・中間地点の京都では藤原の忍びである村岡もまた油断のならない行動を取っている。幾島の大奥入りの段取をしながら篤姫の前途の多難さを占っているのである。公家の天下を狙う藤原の忍びとしては・・・武家の忍びはお由羅にしろ・・・幾島にしろ・・・英姫にしろ・・・基本的には敵なのである。しかし・・・あくまでお味方を装うのがくのいちの宿命なのだな。
とにかく・・・篤姫の嫁入りまで・・・3年。出世魚のような篤姫の人生は停滞し・・・怪しい権謀術策の日々が始まるのだった。途端にちょっぴり視聴率(↘21.6%)は下がるのである。いやーっ・・・ここからがおどろおどろしく面白いはずなのにーっ。
関連するキッドのブログ『第12回のレビュー』
で、『あずみ2 Death or Love(2005年)』(TBSテレビ080331AM0305~)原作・小山ゆう、脚本・水島力也(他)、監督・金子修介を見た。『あずみ』とくらべると・・・何故かパワーダウンをきっと多くのものが感じるのである。キッドは次のように考える。①北村龍平監督がチャレンジャーだったのに対し金子修介監督はヴェテランである。②脚本がひどいのは両方とも同じだが・・・金子の方が気を使うのでモロにひどさが露呈している ③上戸彩が大人になり・・・かつメジャー化したことにより・・・モロモロあることになった。
まあ・・・こうして良いものが良くなくなることがいわゆる「日本映画」というものなのだな。
「スター・ウォーズ」なら・・・二作目はどうしようもないほど面白い冒険活劇にするのである。
だから・・・「あずみ2」は理屈抜きで次から次へとあずみにピンチが襲い掛かるストーリーを構築しなければならないと思う。・・・そして絶体絶命で観客に悲鳴をあげさせつづくである。当然、あずみは半裸である。
そして「あずみ3」は「あずみの焼き直し」でいいのである。そこにはウエットな感情がもりこまれていい。なちのそっくりさん(小栗旬)はそこでこそ価値があるだろう。もちろん・・・最後はあずみは全裸となり・・・伝説となるのである。そういうスケールがあって国際派プロデューサーだと思う。
まあ・・・上戸彩も栗山千明も前田愛もそして高島礼子とその鎧は楽しめましたけどね。
関連するキッドのブログ『あずみ』
火曜日に見る予定のテレビ『爆笑問題のニッポンの教養』(NHK総合)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
今回はもう
「老女」と呼ばれる忍達の暗躍が入り乱れておりますねぇ。
おそらくこの背後には
水戸、京の公家そして大奥が絡んでいるんでしょうね。
もう今後の展開を考えるとゾクゾクしてきます。
京の忍びに薩摩の忍びに水戸の忍び
そこに今後は雑賀衆も加わっていくんでしょうなぁ。
「昨日の敵は今日の友」
それが当たり前というか日常茶飯事の時代のようですからねぇ。
このドロドロ感がいいんですけどねぇ。
家族と一緒に見るには衛生的によくないって事で
家族ネタを求める視聴者にはこの面白さは伝わらないというか
家族ネタだけを見せるように、そういうドロドロ感は
視聴者が意図的に隠してしまうのかもしれませんね。
「あずみ」
以前見た事がありますけど・・・あれはなぁ(; ̄∀ ̄)ゞ
全体的に非常に残念ですねぇ。
今度、綾瀬さんが「ICHI」をやってくれますが
その出来次第では「あずみ」をやって欲しいですね。
あくまで出来次第ではですけど(苦笑)
投稿: ikasama4 | 2008年4月 1日 (火) 00時59分
✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥
ふふふ・・・英姫様の首領ぶりが
あまりにも見事でしたね。
マスクの下で無音で笑うなんて・・・
もはや超絶的な演技でございました。
幾島の雷演出と並んで
時々・・・ものすごいことを
仕掛けてくるので
うれしい驚きがあります。
ま・・・待ち時間も長いですけど。
桜島の神と
不二の神では
かなり格違いですが
そういう差別感情を持たない
篤姫の子供ならではの
おおらかさが沁みた回でもありました。
今回・・・ikasama4様が
キャラのイラストを起してくれたので
そちらを使うことも考えましたが
今回はH☆Cメンバーで
押してみました。
大奥では役を変更してまた登場させるつもりなので
次回はドラマ版の似顔絵イラスト中心に
させてもらうつもりです。
まあ・・・ありえないとは思いますが
一回くらい
天井裏に潜む忍びを
幾島が槍で一突き・・・
とか・・・
小ノ島が
木の上の忍びを
吹き矢で気絶させ
台所で拷問とか・・・
そういうのも見せてもらいたいのになーっ。
ま・・・お茶の間的には・・・無理でございますか。
「あずみ」は
1は軽く残念だったのに
2はかなり残念になっており・・・
日本映画の夜明けは遠いと
思わせる作品でございましたよ。
もちろん・・・キッドとしては
とっても楽しんだのですが・・・。
「ICHI」はどうなるでしょうかね。
曽利文彦のCGワークは爆発するりでしょうが・・・。
前にも申した通り
「僕の彼女はサイボーグ」
も気になります・・・。
初夏にサイボーグ。
秋に女座頭市。
綾瀬・・・活発です。
投稿: キッド | 2008年4月 1日 (火) 11時44分
こんにちはキッドさん。。
この時代 くのいち隠密だらけだったんですね~
ブルブル~です~
それで今回 幾島と村岡が廊下で密談の時
屋根の上に隠密がいるのではないかとドキドキいたしましたわ。
そんで村岡さんの顔はニコリで腹がわからないとこがさすがでした。。
あずみは1で≪なちさん≫すぐいなくなるんで~
それなりに2はよかったのですけども
1のほうが迫力ありましたね^^
オダジョーさんの迫力が凄かったです。。
投稿: ice | 2008年4月 1日 (火) 12時02分
ジョーダンジャナイヨオオオ~ice様、いらっしゃいませ~ノダメカワイソス
ふふふ・・・あくまでキッドの妄想上でございますけど。
ちなみに家定のおじいちゃんは
将軍在位が長かったために
お庭番(幕府隠密)使いとしても
有名です。
もう・・・いろいろと使いまくったようです。
だから・・・家定が・・・
馬鹿のようで・・・いろいろと世情にくわしいのは
お庭番がついているからなのだ・・・
とも言えるのです。
幾島と村岡のシーン。
迫力がありましたね。
なかなか・・・本心を読ませない感じが
いたしました・・・。
キッドは実は「あずみ」は
大好きなのです・・・。
でも・・・もっと面白くないと
イヤなので
心を鬼にして苦言モードに・・・。
特に2はスピード不足だったような気が・・・。
しかし・・・なちのそっくりさん銀角はハダカまで
サービスしてくれましたからね・・・。
小栗ファンにはたまらない展開?
投稿: キッド | 2008年4月 4日 (金) 16時46分