黒船が核武装しているならこちらもしなければ戦争は抑止できないのじゃっ。(宮崎あおい)
・・・歴史に学ぶというのは・・・結構・・・難しいことだ・・・。生兵法はケガのもと・・・というが・・・これは・・・自分は強いと思っているのは・・・ただもっと強いものがいることを知らないだけかもしれない・・・という想像不足に対する戒めである。
しかし・・・「敵に攻めさせないための武装」が・・・「ひょっとしてこの武力なら敵を攻められるのではないか」という誘惑の要因となる場合もある。かって・・・日本は「武装」につぐ「武装」を重ね・・・ついに「先制攻撃病」にとりつかれ・・・最後は最初の原爆被爆国となって息の根を止められた。
しかし・・・だから「武装は不必要」というのは間違いである。「誰よりも強くなり」「けして威をふるわない」・・・この境地を維持すること・・・それしか主体的な平和というものは得られないのである。もちろん・・・それがいかに困難なことであるかは・・・歴史が証明しているのだが。
で、『篤姫・第九回』(NHK総合080302PM8~)原作・宮尾登美子、脚本・田渕久美子、演出・岡田健を見た。いよいよ・・・於一(おかつ)が於篤(おあつ)に名を変えるのである。正式名称は島津篤子となり・・・家来には「篤姫様」と呼ばれることになるのだ。おかつは・・・こうして名前を変える度に複雑な人生の階段をのぼっていくのである。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回は「幾島鉄仮面」「家定肖像画(転用)」他・・・予告と公式サイトとうっちーにツッコミ付きでございます。
で、篤姫マップその3は「薩摩島津一族の陰謀」をお届けします。アジア→日本→薩摩と一応ズームアップしてきています。なんていうか・・・さらに大人気?・・・な今年の大河。まあ・・・キッドの妄想はほとんど本筋とは関係ないことをお断りしておきます。それから歴史の話ですので物語の将来についてネタバレになることがあるのでご注意ください。しかし・・・大河ドラマは基本的にネタバレなんですけどねーっ。逆にネタバレじゃないと史実と違うって怒る人もいますけど・・・。歴史ドラマも歴史小説も・・・そして歴史そのものも妄想にすぎないということだけはご理解くだされますように・・・。
さて・・・まずは今回の篤姫(宮崎)の兄・忠敬(ただゆき・岡田義徳)がどうして女々しいのか・・・という点について釈明しておきます。篤姫の実父・忠剛(ただたけ・長塚京三)の正室は於幸(樋口可南子)で・・・実家は加治木島津家の分家です。しかし・・・一応島津一族のお姫様です。篤姫の実母であり・・・他にも長男・忠冬や次男・久敬を生んでいます。そうです・・・忠敬は・・・於幸の生んだ子供ではないのです。側室の子供です。しかも・・・忠敬が生れた後に篤姫が生れているので・・・当然・・・身分意識は発達します。正室の子供である兄たちや妹と・・・側室の子供である自分は・・・身分が違うのです。「あのような身分卑しきものと交際するなど・・・」と忠敬がこだわるのは・・・悲しい生い立ちがあるからなのです。「どうせ俺は妾の子だよ~~~」なのです。
さて・・・妾の子といえば・・・薩摩藩当主・島津斉彬(高橋英樹)の弟・久光(山口祐一郎)も愛妾・於由羅の息子・・・。於由羅はくのいちですから・・・出自は怪しい階級の出身です。兄の斉彬の母は正室で鳥取藩主の娘ですから由緒正しいお姫様・・・。まあ・・・いろいろと複雑な心境になります・・・。しかし・・・身分ということでは於由羅の息子の久光。久光の息子の忠義。忠義の娘の俔子(ちかこ)、俔子の娘の良子(ながこ)、良子の息子は今上天皇である。階級という意味では最上階まで登りつめた血脈なのである。逆に言えば今上天皇は於由羅の孫の孫の子なのである。畏れ多いことだ。
さて・・・危険な匂いを感じてきたので・・・篤姫に戻ることにしよう。篤姫の父・忠剛は斉彬の父・斉興の弟である。最初は島津分家のひとつ花岡家の養子となったが・・・一度、本家に戻り・・・さらに今和泉島津家の養子となったのである。これに久光が相続している重富島津家、忠剛の正室・於幸の本家・加治木島津家などを見ると鹿児島(鶴丸)城の本家を中心に鹿児島湾を囲んで島津分家が翼を広げるように展開していることがわかる。
つまり・・・島津家は海賊一家なのである。その首領である島津斉彬が・・・「黒船のような軍船を作りたい」と考えるのは・・・もう自明の理というものでございます。
だから・・・この10年後に勃発する薩英戦争(1863)は・・・イギリスが海賊王国である以上・・・海賊と海賊の縄張り争いであると言っても過言ではないのである。しかし・・・新型のアームストロング砲を装備したイギリス艦隊は薩摩の陸上砲台を撃破・・・。斉彬の夢見た「薩摩の黒船計画」は頓挫し・・・薩摩は賠償金六万両(当時でおよそ1500万円・・・現在なら150億円くらい・・・妄想レート)を払って許してもらったのだった。
しかし・・・この時、作戦に参加した薩摩藩士の中にはさらに40年後・・・ロシアのバルチック艦隊を壊滅させる連合艦隊司令長官・東郷平八郎がいたりするのである。この時点では「薩摩の黒船計画」はついに実現したと言える。ここでやめておけば何の問題もなかったのだが・・・調子に乗って最後は全世界を敵に回して・・・さらに40年後に「薩摩の黒船」が壊滅することは言うまでもない。
さて・・・今回・・・くのいち・幾島は篤姫に情報の重要性と武力の鍛錬の必要性を教え・・・くのいち姫育成にきぇぇぇぇぇぇぇぇと余念がないわけだが・・・日本一のじゃじゃ馬姫は「篤」の名前を授けられる。「篤」と言う字は危篤の篤であり、篤志家の篤である。これはすごく危ないのすごくであり、素晴らしい志の人の素晴らしいである。篤は熱中すること集中することを意味するのだが・・・。字を分解してもらいたい。「篤」はすなわち「竹馬」なのである。竹馬にのるのは神経を集中するし、竹馬で遊ぶことはとても熱中できることなのだ。そして竹を馬にして遊ぶ時代の仲間を竹馬の友と言ったりするのである。
海賊王・斉彬のネーミングセンスは素晴らしいし・・・宮崎あおいをキャスティングしたプロデューサーはなかなかに慧眼だと思います。
さて・・・そういう島津一家の子分たち・・・幹部の小松帯刀は別として・・・下っ端の西郷は斉彬に・・・大久保は久光にそれぞれ見出されて出世していくわけだが・・・それについての妄想はもう少し先にとっておきたいと考えます。
関連するキッドのブログ『第8話のレビュー』
今週の『佐々木夫妻の仁義なき戦い』は「胎児は人間じゃないから殺してもOK」という小雪のスリリングな発言が・・・握手しない夫の態度につながるというアクロバットに・・・もうお茶の間は誰もついてこないのでは・・・と戦慄しました。
火曜日に見る予定のテレビ「ハチクロ」「あしたの・・・」(フジテレビ)「貧乏男子」(日本テレビ)「キューティーハニーTL」(テレビ東京)・・・ふふふ・・・やはり、火曜日かよっ。
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
キッドさん、コメントは、はじめまして・・・こんばんは。いつもTBありがとうございます。
前回の「幾島」の解説といい、とても分かり易くて面白いですね。知らないで見ていると「意味ワカラン」「ワケワカラン」状態なのですが・・・なるほどね。
>「どうせ俺は妾の子だよ~~~」なのです。
だからあんなに「うっとおしい」オトコなんですね?コンプレックスのカタマリなワケですね。
ドラマの方でも、それとなく「解説」を入れてくれれば「うっちー」もただのKYから脱することができるんでしょうにね。・・・どうでもいい扱いなんでしょうか?
投稿: なおみ | 2008年3月 3日 (月) 18時56分
徒然亭四天王勢揃いですねぇ。
ロボは・・・(゚Д゚≡゚Д゚)
まぁ映画で忙しいみたいですからね(笑)
軍艦と言えば
日本で最初に軍艦を作ったのが薩摩藩。
そして次に作ったのが宇和島藩。
個人的にはその宇和島藩で作った軍艦というのが
たった一人の職人が作ったという話が好きで
この話が自分にちょっと勇気を与えてくれます( ^▽^)
まぁこのドラマで描かれる事はないでしょうけど(苦笑)
幾島の教育は流石ですねぇ。
廊下の歩き方に関してもキッチリしてますしね。
おそらく鴬張りでも
歩く音を立てないような訓練もしているんでしょうね。
全ては江戸での御勤めを果たすために。
今後の姫様の活躍が楽しみです♪
薩英戦争ですかぁ。
攘夷、攘夷と叫んでみても
異国の武力を知って開国派になった訳ですが
そうすると結局、自分で痛い目に合わないと
人はわからないという事なんでしょうが
そう考えると最初から
開国を考えていた幕府の要人達は
既にそうなるであろう事を見越していた可能性が高いですね。
どっちが賢人でどっちが凡人か
勝者に掻き消された敗者の価値
この辺りを調べてみると面白そうな予感がします。
投稿: ikasama4 | 2008年3月 4日 (火) 01時15分
★☆ニャー!ニャー!ニャー!☆★なおみ様、いらっしゃいませ★☆ニャー!ニャー!ニャー!☆★
キッドのブログは妄想成分100%なので
けして信用なさいませんように・・・。
ただし・・・歴史的事実については
それほどオリジナルな虚構はさけています。
あくまで・・・歴史的事実も虚構にすぎない
という姿勢ですけれど。
幾島については・・・知らない人が見ていると
京都の人のようにも見える出だしだったので
一応説明してみました。
今回も・・・うっちーがただのダメ男に
見えているので一応・・・身分の差というものに
対する劣等コンプレックス的「こだわり」が
どこから出てくるのか
一応・・・言っておかねば・・・と思いました。
まあ・・・幾島も次第にその内面の葛藤を
描きだされるでしょうし
うっちーもやがては・・・になるので
これからその部分を描かれるかもと期待しています。
まだまだ先の長い大河ドラマ・・・。
素晴らしいキャスティングの連打の模様なので
楽しみです。
また、お遊びにいらしてくださいね。
投稿: キッド | 2008年3月 4日 (火) 10時18分
✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥
ふふふ・・・よっちゃんがニコと浮気のムードに
なってしまいました。
瑛太オリジナルがなければ
松ケン小松もあったのですが
ロボははみ出しました・・・。
ううん・・・贅沢な悩み。
まあ・・・去年は姫武将多数でしたので
今回は女形奥女中という展開も考えられ
ロボ腰元などで登場するのかも・・・。
とにかく・・・今回はネジまき将軍誕生
雨中にかわいい花に水をやる・・・の巻
が最高でございましたねえ。
もう短い命でどんだけボケ続けてくれるのか
楽しみです。
キッドのご先祖様は伊達藩所属でございましたから
親藩である宇和島伊達藩には親近感がございますよ。
なんといっても幕末には伊達宗城がいますしね。
ふふふ・・・手作り軍艦・・・
諸刃でございますけれど
マスプロの時代と職人の時代は
リフレインする・・・とキッドは思っています。
画一化されたものが独自性に解体される。
そしてまた画一化へ。
どの時代にどう生きるか・・・
それが悲劇や喜劇の素材ですよね。
幾島もまた「姫様」を型にはめようとする。
しかし篤姫がさらに「姫」として型破りに生きる。
どちらが欠けても
素晴らしいものに到達しない・・・。
まあ、選手とコーチのような関係なのでしょうね。
まあ・・・くのいち姫と師匠なんですけど。
今回・・・薙刀登場で
お茶の間でキッドは
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!!!!!
と叫びましたよ。
ああ・・・忍び装束のコスプレも見たいものです・・・ナイナイ。
まあ・・・とにかく
そういう素晴らしいものをお手本にして
画一化されるのが日本人の本質。
最近はろくでもないお手本が多すぎて
しょーもないことになっているのでは・・・
と思うこともあります。
指導者や官僚はエリートとして先の先を読んで行く。
しかし・・・相手があった場合には
相手もまた先を読んでいく。
両者は内圧と外圧の中で
打つ手を限られながらも
努力の限りをつくさねばならない。
まあ・・・緩やかな軍事占領下にある
我が国は打つ手が非常に限られているわけですが
クジラバカのオージーとか
毒ギョーザ大国とか
核武装テロ国家とか
火事場泥棒のクマさんとか
もう相手にはことかかない状態・・・。
幕末のように素晴らしい打ち手が現れてくれるといいのになあ・・・。
と日々願うキッドでございます。
投稿: キッド | 2008年3月 4日 (火) 10時53分