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2008年3月22日 (土)

クジャク(蒼井優)とスズメ(上野樹里)。

花(鈴木杏)とアリス(蒼井優)のパロディーである・・・断言していいのか。

まあ・・・女友達もの・・・というジャンルでくくることも出来るだろう。

岩井俊二が作ればストレートに芸術作品なのであるが、三木聡が作ると芸術?作品になるのだな。

しかし・・・女の本質が[女がいれば男はいらない性」である以上・・・この手の物語の持つ魅力は普遍的なのである。「テルマ&ルイーズ」であり、「バウンス ko GALS」であり、「斉藤さん」なのである。

で、『亀は意外と速く泳ぐ(2005年公開)』(テレビ東京080321AM0255~)脚本・監督・三木聡を見た。『花とアリス』が2004年度公開なのだが・・・主人公に比べるとおしゃれで美人という設定の蒼井優は高校生から23才に一年でワープしているのである。劇中では高校生も演じていて・・・お得です。

アリスよりもクジャクの方がワイルドな感じに仕上がっているが・・・花にもスズメにもそこはかとない劣等コンプレックスを伴った・・・別れ難さを抱かせるキャラクターに仕上がっている。『花とアリス』では三角関係が少女マンガ的なモチーフになっているのだが・・「スズメとクジャク」ではより女同志の愛の傾向は強い。そして・・・基本が緩いドタバタなので・・・二人の愛はより際立って美しいのである。

とにかく・・・一線を越えているのは「クジャクがどうしても気になっていた坂(階段)の途中にある洋館でショパンの『別れの曲』を弾いているのがノコギリさん」という一発ギャグである。もはや・・・リアルではない。

さて・・・スズメは・・・クジャクのセンスの良さに憧れを感じつつ・・・平凡な自分を見失わないイイ女である。二人の違いを決定付けるのは学生鞄に貼るステッカーのレイアウト。なんだか・・・前衛的なクジャクに対して「お花」「ピースマーク」「カエル」「ウサギ」を四隅に貼ったスズメ・・・。クジャクの恋人がスケールが大きい彼氏なのに・・・スズメの片思いの相手は「サラっとした髪が魅力的だったのに二十代前半で若ハゲヅラ着用して不倫に誘うくせに実子に目撃されると口止め料を渡すような加藤先輩」(要潤)だし・・・結婚相手は「中肉中背で海外に単身赴任して亀の餌やりだけを妻にもとめる顔のない男」なのである。

スズメの一生は「炊事洗濯掃除&亀の餌やり」なのに対しクジャクは「エッフェル塔の見えるアパートの一室でフランス人と暮らそうとしている」のだった。ただし・・・現在は「時効警察」でお馴染みの洞窟住まいである。

そんな・・・スズメは・・・坂の途中で「スパイ募集」のシールを発見し・・・非日常の世界に巻き込まれていくのである。

さて・・・ギャグの基本は「×××」である。「×××をもらしちゃった」で大抵の場合はなんとかなる。子供にお話ししてとせがまれたときは「ママがね、×××をもらしちゃった」でバッチリなのである。「校長先生が×××をもらしちゃった」でもいいし、「サザエさんが×××をもらしちゃった」でもいい。とにかく決め手なのである。

だから・・・この作品では「×××」で進行していく。他は女スパイ・クギタニエツコ(ふせえり)が「あずきパンダちゃ~ん」と「コモドとんとと~ん」を歌うくらいである。

スパイたちをスパイする公安の手下が水道屋(緋田康人)であるのもスパイ・クギタニシズオ(岩松了)の草食動物のような異常に太い×××をなんとかするためなのである。×××を見た水道屋は絶叫するし、エツコも絶叫するし、スズメも絶叫するのである。

スズメが自己喪失感に襲われるのはトイレで見知らぬおばさんの×××の前段階としてのおならがプーを嗅がされるためだし・・・クジャクがスズメを待たせるのも×××をしているからなのである。

スパイたちを追い詰める公安の中西(伊武雅刀)も鉄棒で大車輪なんかするから捜査中に×××がもれそうになるのである。

そして・・・かりんとうを一晩水につけておくとものすごく×××になってしまうのだ。

とにかく・・・スズメは永久パーマ屋(温水洋一)に×××パーマをかけられたり、街を停電させるためにクジャクのまねをして電線を切断してさらに×××パーマ状態になったりしながら・・・おそらく・・・ふっとびながら×××をもらしている・・・スパイとして成長していくのである。

やがて・・・スズメの平凡なスパイ任務は終了する・・・その頃・・・クジャクはパリで無実の罪のために・・・逮捕されていた。死ぬ前に亭主の顔は見たくないがクジャクの顔は見たいスズメは・・・クジャクを救出するために旅立っていく・・・。しかし・・・旅行カバンのシールはカエルさんとウサギさんなのだった・・・。ふえっふえっふえっ~スズメのワルツ~。

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『ちりとてちん・25-5・第144回』若狭の母→若狭のワンツーがこのドラマの基本である。その間隔は狭まっている・・・昨日若狭の母がヒロイン・・・今日は若狭がヒロインなのである。クライマックスは近いな。そして・・・思い出の石を粉砕・・・塗り箸の素材に・・・見事なアイテムのパズルである。もう・・・ちりとてちん・・・博物館ができるな・・・箸くずで作った恐竜、恐竜の化石と好感した石で作る箸・・・そして・・・毎日・・・落語が聞ける常打ち小屋・・・まあ・・・再生装置があれば・・・すむ話ですけ・・・ザクっ・・・ドムっ・・・グフっ・・・そ、そうです・・・いや・・・違います・・・生ですよね・・・生で体験しないとダメですよね・・・たとえ・・・名人芸が聞けなくても・・・ゲルググっ・・・。→25-4

日曜日に見る予定のテレビ『佐々木夫妻の仁義なき戦い』(TBSテレビ)・『篤姫』(NHK総合)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。       

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コメント

キッドさん、こんにちは~♪♪

あー面白かったです

このところヤマトはマイナーな気分で
ブログ更新もあんまりする気になれず
Emばっかりジャカジャカ弾きしてましたが
やっとなんかいろいろクリアになったかんじ。
この映画のおかげで。

クジャクがスズメのために電線切って
加藤先輩がまた髪をかきわけスズメがぽわーん・・・
なんだかなー
女の友情は薄いなんてよく聞くけど、
わかっちゃいないよ全く。
キッドさんの記事の冒頭にもあるとおり、
女は男がいなくても女がいれば良いのだ(本当)。

色彩(美術全般)が綺麗ですよね、三木聡さんて。
お笑いとストーリー展開のセンスにばかり
目がいってしまうけれど、
小道具や衣装がね。お洒落で綺麗

クジャクはヒットでした。
叫んだり暴れたりする優ちゃんは良い。
そして平凡な女を貫く樹里ちゃんも良い。

ヤマトはクジャク派ですね。
ダイナミックに華麗に生きたいです。
でも現実はスズメな道をたどると思う。
なんじゃそりゃ。

あっ、そうだ、T&Dの優ちゃんだ!
岡田君ひっぱたいて暴れて叫ぶ優ちゃんだ!
今思い出しました(リアルに)。

投稿: ヤマト | 2008年3月26日 (水) 09時35分

☆*⋄◊✧◇✧◊⋄*ヤマト様、いらっしゃいませ*⋄◊✧◇✧◊⋄*☆

ふふふ・・・タイガー&ドラゴンのリサは
クドカンで言うと酒井若菜のポジションでしたし
あの伊東美咲に
対応したポジションであれだけの存在感は
やはり蒼井優の面目躍如でしたね。

男にメロメロの役もこなし
しかも悪い男にメロメロの役もこなし
さらにダメな男にメロメロの役もこなし
それでいて・・・清々しいキャラ。

蒼井優・・・ステキです。

次はおせんですなあ・・・。
天才の役を天才がどう演じるのか・・・。

ジャニーズの不祥事の人がらみなのが
ちょっと心配ですが・・・。

まあ・・・天才だから
災い転じて福となしてほしいものでございます。

Emをジャカジャカ弾くと
キッドはA7も弾きたくなります。
この繰り返しで
「高円寺じゃないよね~」
とリフレインで1~2時間引き続けたことがあります。

おしゃれはいいですな。
おしゃれは憧れます。
最後のポーズと旅客機の組合せも
おしゃれでした。

クジャクでスズメな女。
リバーシブルでございますね。

投稿: キッド | 2008年3月27日 (木) 14時08分

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受信: 2008年3月26日 (水) 09時54分

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