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2008年4月30日 (水)

純情可憐と混浴。(相武紗季)VS厚顔無恥と御御御つけ。(蒼井優)

御味噌汁のことをおみお付けと最近は呼ぶ人は少ないと思うが・・・キッドとしては発達障害的なこのくどさが好きなのだった。つまり、みそ汁のことを「つけ」とも呼ぶのだが・・・これに丁寧語としての「お」をつけて「おつけ」・・・で「おつけ」が馴染んでしまい・・・もっと丁寧にしたくて「み」をつけて「みおつけ」、「みおつけ」が馴染んでしまい・・・さらに丁寧にしようとして「おみおつけ」である。漢字で書くと「御御御つけ」になるこの・・・ある意味頭の悪い展開が「粋」なのである。

ある意味・・・究極のおもてなしの心の言語化なのである。

おせん(蒼井優)が「よっちゃんさん」と言うのと同じで・・・さらにおもてなそうとすると「よっちゃんさん様」になるのであり・・・ニュアンスとしてはちょっとおちょくりというか・・・慇懃無礼というか・・・蔑みがまじっていくところがこの重ねる面白さなのだな。

と・・・このように・・・なかなか・・・刺激的な内容の「おせん」なのであるが・・・視聴率的には苦戦なのであった。

火曜日のドラマ対決は①「絶対彼氏」↗15.1% ②「おせん」↘*8.7% ③「無理な恋愛」↘*6.9%

「ごくせん」「篤姫」と「おせん」「無理な恋愛」に横たわる壁を分析することはなかなかワクワクする作業だが・・・時間不足で無理なのが残念だ。

で、『絶対彼氏・第三回』(フジテレビ080429PM9~)原作・渡瀬悠宇、脚本・根津理香、演出・佐藤源太を見た。砂糖菓子のようなスイーツな女の子の心は・・・いつも甘い甘い夢を見ている。そこには大切な三点セットがある。自分に忠実な下僕。ちょっと意地悪な友達。そして運命の王子様である。

運命の王子様は・・・不運な場合が多い。なぜなら・・・女の子が本当にお嬢様だったり、抜群の器量よしだったり、成績優良・健康発育だったり・・・する場合は少ないからである。バランスなのである。夢だってつりあいが大切だから・・・そのために王子様は追放されていたり、カエルにされていたり、かかしだったりするのである。

創司(水嶋ヒロ)が御曹司でありながら・・・兄に虐待されて不遇なのは彼が「王子様」候補だからである。

ちょっと意地悪な友達は・・・時には「悪い王妃」だったのする。「継母」も定番だ。これは友達母子の原点なのだな。で・・・今回は美加(上野なつひ)である。その行動は・・・常軌を逸しているが・・・実はひどく常套手段で無理がないのである。もう馬小屋で寝かせるし、毒リンゴ売りつけるレベルだ。

そして・・・実はナイト(速水もこみち)に・・・工夫があるのだな。彼は「ロボット」なので・・・奴隷・・・忠実な下僕なのだが・・・「恋人型ロボット」なので擬似王子様でもあるのだ。

夢見る女の子である梨衣子(相武)は戸惑いを隠せないのである。

梨衣子は「ナイトは人間ではない」と主張する。「人間」でない「機械」のやることに一々激しく反発する。イライラするのである。なにしろ・・・相手は「理想の彼氏」なのである。そして・・・「ナイト」の裸を見ると「きゃーっ」と言ったりするのである。「人間でない」のに・・・。

それが・・・女の子と言うものなのだな・・・。

ナイトは「忠実な下僕」と「運命の王子様」のハーフである。

自動的に物語は二つのゴールを持つことになる。一つは「忠実な下僕を犠牲にして運命の王子様と出会う」・・・一つは「忠実な下僕が運命の王子様に生まれ変わる」である。

そのどちらもほろ苦いハッピーエンドであり・・・だから欲張りな女の子心を満足させるためには永遠に二つのゴールの間を彷徨うという手もあるわけだ。

梨衣子「どうしてロボットなのに嫉妬するのよ?」

ナイト「だって・・・梨衣子の設定でしょ・・・ちょっとヤキモチ焼きな彼氏」

このギャフンな展開は因果応報なのだが・・・アンケートをその場のノリで書く気まぐれな女の子がしっぺ返しをくらうというドタバタでもある。

まあ・・・そういうことはよくあることだ・・・100回のデートで99回遅刻してくる女の子が相手が一回遅刻すると「絶対許さない」なんてことは常識であり・・・なにしろ・・・女の子にとっては自分が遅刻するのは細かいことで・・・相手が遅刻するのは「信じられないほどの裏切り行為で巨悪このうえなし」なのである。

ま・・・人と場合によりますでしょうが・・・。

とにかく・・・そういうわけで・・・この御伽噺は・・・ストレートに面白いのである。

そして・・・次から次へと繰り出されるナイトの「試作機」ならではの問題点。

「キスをしたら・・・初期化されて・・・別の女の子のものに・・・」って「回収されて・・・記憶がなくなったら・・・可哀想って・・・思った私の思いやりの行き場なしじゃん・・・復元してちょうだい・・・今すぐ・・・データ・・・サルベージして復元してちょうだい」なのであった。

二人の王子の物語が同時進行というのも・・・シュガーベイブたちの心にとろりとしみこむのである。

で、『おせん・第二回』(日本テレビ080429PM10~)原作・きくち正太、脚本・神ひとえ、演出・南雲聖一を見た。一方・・・女の子が許せない存在と女の子が憧れる存在は紙一重なのである。とにかく・・・蒼井優版のおせんは・・・若くて可愛くておしゃれのセンスが抜群で老舗料亭の箱入り女将でしかも・・・愛情のこもった御味噌汁を手間暇かけた上に手早く作ってしまう・・・タイトロープである。もう反発爆発のギリギリを渡っているのだな。

しかも・・・不気味な覆面脚本家だ・・・まあ・・・限りなく「ニコロボ」の香漂いますけどね。

キッドとしては・・・とにかくメガネッ娘モードを追加して・・・反発爆発を消火するべきだと思うが・・・これがまた火に油を注ぐ可能性があるからな・・・。

さて・・・とにかく・・・おせんのキーワードは「時代」なのである。

ところが・・・この「時代」というのはくせもので・・・危ういのだなあ・・・。

同時にセリフで言うと「思想」もある。おせんの脚本の中でセリフにすると強烈に浮き立つ「時代」と「思想」・・・。無理があるのだなあ・・・。

ともかく・・・キッドが感じた「おせん」の「時代」のここまでの解釈はこうである。

まず・・・前時代は「年功序列型社会」であった。そこでのキーワードは「敬語」だ。

「目上の人(お客様)は敬うのが当然」である。

これに対し現時代は「実力優先型社会」である。キーワードは「タメ口」だ。

「目上の人(お客様)は対等なフレンド」である。

お笑い芸人もかなりの階級社会だが・・・先輩後輩の礼は厳しい・・・同時にお笑いは価値の逆転という主題も持っている。そのために・・・あえて下克上という場合がある。

たとえば・・・タモリとダウンタウンとか・・・タモリとナインティナインとか・・・タモリと爆笑問題を考えてみると・・・本来はものすごく敬語が求められる関係なのだが・・・上が「対等であることで下に追従する」という関係を求めるので・・・あえてタメ口になっていくのである。

もちろん・・・その一点だけが全てではない・・・他にも・・・支配階級の言語である英語のyouが「あなた」「おまえ」「きみ」「てめえ」「なんじ」「あんた」「あなたさま」などのニュアンスの差がないと信じられる・・・というような要素もある。

ともかく・・・「若い奴が口のきき方をしらない」のと「いい大人がきちんと注意できない」のが複合して・・・身分関係が崩壊した・・・虚構世界というものが出現しているのである。

その象徴が・・・よっちゃん(内博貴)のセリフだろう・・・キッドなどは雇われ職人が主人に対して敬語を使わない・・・という時点で異次元空間なのだか・・・もはや・・・そういう時代なのだという・・・気分がおせんにはあるらしい。

母の千代(由紀さおり)は「あんな・・・職人として心がけのコの字もない・・・ヤクザでクズでゴミでカスなんて・・・ダメ袋に包んでとっとと捨てちまいなっ」とアドバイスするのだが・・・。

おせんは「・・・もう・・・よっちゃんさんとかを捨てたら・・・人材不足になっちまうんです・・・そういう時代なのでありんす・・・」と言うのであった。

これは・・・まあ・・・ありとあらゆる職場・・・ありとあらゆる現場で・・・次々に送り込まれてくる「ゆとり世代」の人材に対する・・・悲鳴にも似た・・・正直な感想なのかもしれません・・・。

もちろん・・・千代もバカではないので・・・ため息つきながら・・・「面の顔の厚いのだってトリエと思うしかないのかもねえ・・・それだって才能だものねえ・・・」と機転を働かせるのであった。

まあ・・・江崎ヨシ夫が「グリコ」でなく「よっちゃん」だったり・・・帳場係でなくて板前見習いだったりすることに・・・なんとなく・・・力関係とか・・・違和感を感じる人も多いと思うし・・・それが生む不自然さに・・・グダグダになっている部分もあり・・・視聴率はそれを端的に示しているのであるが・・・「ニコロボ」のよっちゃんゲストでよっちゃん先輩後輩だったりして・・・ちょっと面白かったりもするので・・・キッドは気にしない・・・。

そういう意味で罰ゲームのようなキャラクター設定を・・・よっちゃんさんは中々・・・見事に演じているような気もする。

キッドにとっては・・・機知外にしか見えないキャラクターだが・・・時代的には標準的なキャラクターなのかもしれないのである。まあ・・・正気と狂気のボーダーがどんどん曖昧になっていくのが・・・複雑系社会というものでございますからね。

「褒められてうれしい・・・そのうれしさをお返しする」これがよっちゃんにもできるようになりますように・・・と願うおせん・・・キッドはその谷間は意外に深いような気もするし・・・そうでありながら・・・未来はそれを飛び越えて作っていくしかない・・・というのも分かります。

まあ・・・昔で言うと・・・よっちゃんさんは老舗を食いつぶすお嬢についたヒモに一番近いタイプですけどね・・・。

怒りを箸のつまみ食いで表現するおせんとそれに応対する板長・精二(杉本哲太)の細やかな表情・・・渋い・・・。この魅力的な主人と有能で忠実な下僕こそがオールドファッションラブ絆でございますとも。

関連するキッドのブログ『先週の火曜日のレビュー

木曜日に見る予定のテレビ『バッテリー』(NHK総合)『ラストフレンズ』(フジテレビ)

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2008年4月29日 (火)

実にガリレオの視聴率がうらやましい~。(田中麗奈)

・・・タイトルがなーっ。間違いなのだな。「猟奇的な彼女・日本版」ではなくて「コント・猟奇的な彼女」にすれば良かったと思うよ。

演技が!うますぎ・・・た・な・か。一人で!女優だ・・・た・な・か。そーれ!ひっとえんどら~ん、ひっとえんどら~ん・・・バッティングセンターでユニフォーム・・・とちゃかしてあげたくなるような空気感があります。

とにかく・・・他のみんなが棒読み演技をしているのに一人だけ自然体・・・結果・・・不自然なことに・・・。

そして・・・世間では「猟奇的な事件」のラッシュである。もう・・・父親が娘を地下室で監禁強姦出産・・・スピード違反で脱線衝突・・・花は折られ白鳥は殴られ・・・パフォーマーは逮捕、ローアングラーは涙・・・中華な人民は国家が動員・・・硫黄で硫化水素・・・司書が爆破予告で逮捕・・・オヤジがフィリピーナをバラバラ殺人・・・世の中には本物の猟奇が満ち満ちてもはや猟奇ではない事態に・・・。

本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「パズル」↘10.9%(うふん・・・あまりにもネタが焼きなおしすぎ・・・だったしな・・・岩田さゆり出番少ないし)、「Around40」↘13.9%(精神科にどんな病気の人が来院するのか楽しみなのだが・・・)、「タッチ」12.1%(とにかく・・・揺れていた)、「キミ犯」↘*8.5%(ここまで三話の中では一番面白かったが・・・ノリが昭和すぎる・・・)、「ROOKIES」↗14.8%(あがったにゃあ~)、「ごくせん」↘24.8%(さがったにゃあ~)、「トップセールス」↘*7.7%(ガスでにゃあ~)、「カンフーハッスル」14.8%(にゃあ~にゃあ~にゃあ~)、「篤姫」↗23.1%(ごくせんと勝負か)、「猟奇」↘11.5%、「パニックルーム」12.6%(ジョデイ、田中に辛勝)・・・以上。

で、『猟奇的な彼女・第二回』(TBSテレビ080427PM9~)原作・キム・ホシク、脚本・坂元裕二、演出・土井裕泰を見た。とにかく・・・なぜか・・・日曜劇場が固執する年上の男とすごく年下の女のカップル誕生。主役から外れても上川隆也と松下奈緒で成立である。・・・一体誰の願望なのか・・・。今回・・・「ガリレオ」のパロディーが挿入されるのだが・・・「ガリレオ」→「ゴロレオ」→「ツヨレオ」という自然な流れである・・・自然じゃないよっ。

まあ・・・芸能界は力関係で・・・しゃれだっ・・・と言えば済む話だが・・・なんだか・・・とても悲しい感じがするよ。

なにより・・・そこが・・・一番の見所だった・・・というのは・・・どうなの?

それにしても・・・「モップガール」の谷原章介は良かったよなあ・・・。それにくらべて・・・セリフだけで・・・もてない役をやらされている今回・・・とても悲しい感じがするよね。

そして・・・凛子(田中)にふりまわされる三郎(草彅剛)にふりまわされて南(松下)はなぜ必ず・・・研究室に向うのか・・・部屋に帰って「ちりとてちん」のテーマソングでも弾けばいいのに・・・。すごく悲しいよね。

そして・・・なんとなくいるだけの・・・他のメンバーたち・・・ものすごく悲しいよ。

まあ・・・拷問であんなにたくさん石を抱いたのに足がつぶれない罪人の強さもなんだか悲しいけどね・・・。

凛子の腋の下に手を差し入れて持ち上げる三郎とか・・・来場一億人記念パレードとか・・・食べてもらえないカニとか・・・食べられちゃう魚とか・・・逃げていると異次元移動する空間とか・・・大人免許も男免許も不携帯の大人の男たちとか・・・奇をてらい続ける脚本&演出とか・・・どうやら・・・いつもの・・・ダメなダメな日曜劇場が漂い始めています。どんな呪いがかかっているのだ?

っていうか・・・アラ40と連続謎のストーカー引きって・・・悲しくて悲しくて今夜は泣くと思います。悲しくて悲しくて悲しくて・・・。

まあ・・・5月12日がくれば・・・この「猟奇的な彼女」のレビューも自動的に消滅するから・・・いいか。

関連するキッドのブログ『第1話のレビュー

水曜日に見る予定のテレビ『週刊真木よう子』(テレビ東京)『警視庁捜査一課9係』(テレビ朝日)『ホカベン』(日本テレビ)

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2008年4月28日 (月)

永い永い春じゃったのう・・・。(宮﨑あおい)

「・・・」(瑛太)なのである。隠れ切支丹の紋章である薩摩十字の札を持ち合う二人は・・・天国の夫婦なのであった。お互いに・・・童貞と処女のまま(建前上)パライソで結ばれる契約・・・。しかし・・・くのいちとやりたい盛りの薩摩隼人にそんなこと言っても無理なのだった・・・前書きから妄想かよっ。

とにかく・・・例によって・・・「猟奇的な彼女」は月曜日の記事にします。

で、『篤姫・第17回』(NHK総合080427PM8~)原作・宮尾登美子、脚本・田渕久美子、演出・渡邊良雄を見た。さらに・・・例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回はファン待望・読者垂涎・希望殺到の肝付尚五郎(瑛太)の新作書き下ろしイラスト付です。そして・・・逝去を悼んでセクスィー家老再登場。大鯰出張掲載もあります。水戸の二田の解説付きで必読でございます。

Atuhime1855b で、今回は安政の大地震をめぐる妄想である。日本は地中に大鯰が存在するためにやたらと大地震が多いのであるが、安政には忍者が暗躍し続けたために大地震が集中している。1854~1855年には安政伊賀地震、安政東海地震、安政南海地震、安政江戸地震とM7~8級の地震が起こっている。この前後にも小田原地震(1853)、飛越地震(1858)が発生していて・・・無論・・・すべて忍者の仕業である。

存亡の危機にある日の本の国。しかし・・・世界情勢を知りつつ・・・己が野望から目を逸らせぬのが人の性である。息子を将軍にしたい一心で心の曇った水戸の隠居・烈公斉昭は敵対する勢力へ忍びを繰り出し、暗殺・陰謀を重ねていた。しかし・・・薩摩の秘密兵器・魔眼の篤姫により・・・魂を抜かれてしまったのである。こうして・・・外様大名筆頭である島津斉彬は大奥へ篤姫を御台所として送り込む足がかりを築いたのであった。

しかし・・・泰平の眠りから醒めた忍びのものたちは戦乱の世の再来を夢見て蠢動を繰り返すのだった。

信州松代藩真田家には井伊の血脈が流れている。外様でありながら譜代という特殊な家にはもちろん・・・真田忍軍が控えている。これを配下とした井伊直弼の譜代大名グループは一橋家を中心とした親藩(水戸徳川)・外様(薩摩)・公家(近衛)の癒着を分断するべく暗躍を開始したのである。その中忍は科学忍者・佐久間象山(真田家臣)である。

佐久間は南蛮渡来の魔術と神道の秘術を融合して「地震の法」を実現させようとしていた。強力な火薬と強力な念力により地下の大鯰を制御しようというのである。

一方、水戸忍軍はこの動きを察知していた。水戸忍軍の中忍の一人、森忍軍を率いる戸田忠太夫は弟の安島帯刀を通じて奥州戸沢家に伝わる白雲斎秘録を入手し・・・真田に伝わる「地震の法」の存在を探っていたのである。

草木も眠る丑三つ時・・・。水戸の偕楽園には水戸三人衆が闇の中で集っていた。安政2年の梅の花薫る頃である。

藤田「なんと・・・それでは佐久間は秘法を完成したというのか・・・」

武田「そのようなことが・・・夢語りじゃの」

戸田「・・・冬の駿府から大阪までの大地震・・・あれは佐久間の術によるものと分っておる」

藤田「面妖な・・・一日で万余の死者を出したあの地震を人為で引き起こしたと・・・」

戸田「小野忍びに伝わる秘伝・乱心法にも元寇を葬りし竜神神風の法とならんで大鯰神土の法があるではないか・・・」

藤田「そのようなもの・・・乱心怪奇を語らず・・・じゃ」

戸田「・・・まったく儒教に毒されおって・・・忍びの奥を忘れたか・・・疑心暗鬼を得るのは必定・・・」

武田「ともかく・・・狙いを探らねばならぬ・・・真田が海防掛ゆえ・・・津波で攘夷を実現せんとの狙いやも知れぬ・・・」

藤田「あるいは・・・井伊の衆がからんでおるのか・・・」

藤田東湖は陽忍として幕臣や大名衆の師として洗脳の術を施している。しかし・・・相手が忍者であれば容易に暗示にかからぬものもあり・・・逆スパイとなっている場合も多い。特に・・・越前卍衆の橋本左内と・・・薩摩くぐり衆の西郷吉之助は要注意人物であった。

佐久間象山の門人・・・吉田松陰(長州藩)が網にかかったのは開国派にも攘夷派にも不可解な出来事であった。しかし・・・神州をあがめる水戸・信州・長州の下忍たちの間に何者かが介在した気配があった。

密命を帯びた坂本龍馬(土佐藩)はすでにすべての仕掛けを終えて高知に戻っていたのだった。

江戸・芝・薩摩藩邸・奥・桜島の庭にくぐり衆江戸頭の西郷とくぐり衆御国頭の肝付尚五郎が膝をそろえる。冬も間違い黄昏である。忍び香が漂い・・・篤姫が縁に立つ。

篤姫「京に残した幾島の手のものから知らせがあった。真田忍軍が要石を動かした証これあり・・・じゃ」

西郷「では・・・大鯰神土の法を・・・」

篤姫「・・・恐ろしいことじゃ・・・男というものは愚かなものじゃのう・・・」

肝付「これは・・・手厳しい」

篤姫「・・・護法の力を手にいれて国を守る意ありて・・・国を滅ぼしては元も子もない・・・」

西郷「御意・・・でございます」

篤姫「佐久間象山はすでに幕府隠密が捕縛したが・・・要石も・・・京の忍びがほとんど復元したようじゃ・・・じゃが・・・東海道を吉田松陰と坂本龍馬なる佐久間象山門弟が廻った後が気がかりじゃ・・・」

肝付「長州と・・・土佐の者でございますか・・・」

篤姫「駿府と大阪・・・狙いが徳川宗家となれば・・・」

西郷「最後の狙いは御江戸・・・」

篤姫「追え・・・くぐり衆を動員して真田の忍びを追い・・・術を封じねばならぬ・・・」

肝付はくぐり衆を引きつれ東海道を西へ・・・。東海道に潜伏する真田の忍びを駆逐するのだった・・・。

しかし・・・佐久間の最後の秘術はすでに完成していた。

燃え盛る炎の中・・・藤田東湖は倒壊した家屋の下・・・身動きできぬ姿で・・・息子小四郎の姿を見た・・・。

父「・・・小四郎・・・」

子「ふふふ・・・父上たちは甘いのです・・・この世は一度滅びるべきなのですよ・・・」

父「狂うたか・・・」

子「ふふふ・・・父上がいけないのですよ・・・兄上ぱかりを可愛がるから・・・」

父「・・・馬鹿な・・・」

子「ふふふ・・・安心してくだされ・・・江戸を滅ぼし・・・幕府を倒し・・・必ずや回天の事・・・この小四郎成し遂げて見せましょう・・・」

父「・・・愚かな・・・ぐふっ・・・」

燃え上がる父の姿を幼さの残る瞳に映しながら・・・母方の里が土岐(明智)流の忍びである藤田小四郎は妖しく微笑んだ。

関連するキッドのブログ『第16回のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『絶対彼氏』(フジテレビ)『おせん』(日本テレビ)

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2008年4月27日 (日)

男の説得は度胸(佐藤隆太)VS女の暴力は愛嬌(仲間由紀恵)

・・・説得とは口説きであり・・・暴力とは暴く力である。口説かれてしまった森山未來はもう「大好きな先生の邪魔したらオレが許さないからーーーー」なのである。ぞっこんなのである。一方・・・力によって暴かれてしまうと・・・心もハダカにされてしまうのだ・・・「オレたち強がっていたいたけど・・・本当は誰かに甘えたかったんだよーーーー」なのである。うっとりなのである。もう・・・生徒たちは先生の虜なのだな。

つまり・・・教育とは先生が生徒を捕虜にすることなのだ。

もちろん・・・クラスの一部を捕虜にしようとする佐藤隆太は包囲によって説得が許されるのであり、クラス全員を相手にする仲間由紀恵は強行突破もやむなしなのであった。

で、『ROOKIES・第二回』(TBSテレビ・080426PM8~)原作・森田まさのり、脚本・いずみ吉紘、演出・武藤淳を見た。川藤(佐藤)の心の捕獲作戦は現在2/9である。分母が9なのは「野球」だからであり・・・サッカーなら11でもっと大変だったな。もちろん・・・「生徒の夢を応援するシステム」としての教師を標榜する川藤としては「生徒の夢」が「テニス」でも「世界征服」でも「百人斬り」でも応援するのであり・・・生徒が「先生・・・オレは沢尻エリカと結婚したい」と言えば「フレーフレー」と応援するのだった。

だから「サッカーがやりたい」と若菜(高岡蒼甫)が口からでまかせを言っても「お前はあおいと結婚してるんだから贅沢言うな」とは言わずに「そっかー。先生うれしいぞ」とサッカー部顧問に若菜の入部を申し込むのであった。

そして「一週間でサッカー場の草むしりをしたら入部許可」の条件を獲得・・・。ひたすら草むしりに励むのだった。川藤は生徒から暴行(先週)、草むしり(今週)と労力を惜しまない・・・良い教師なのだった。とにかく・・・校内で宿泊(気絶)する・・・のは得意なのである。果報は寝て待て・・・なので・・・目覚めると目的は遂げられているのだった。

なにしろ・・・「野球がしたい・・・」のは生徒の心に眠る本能のようなもの・・・この世界では・・・なので・・・四人まとめて確保なのだった。これで6/9である。

このままでは・・・全員がそろった時にはビールで乾杯しそうなメンバーなのであったにゃあ。

もう・・・メンバーそろうまで・・・来週からねこに書かせるか・・・。っていうか・・・安仁屋(市原隼人)のアイドル抱っこ展開・・・なしだったのか・・・お前の妄想だろうがっ。

で、『ごくせん・第二話』(日本テレビ080426PM9~)原作・森本梢子、脚本・横田理恵、演出・太田理恵を見た。とにかく・・・ごくせんの世界では町に暴力があふれているし・・・リンチを加えるための秘密の工場跡地はいたるところに配置されているし・・・チンピラやチーマーやヤンキーにはことかかないのである。

そしてヤンクミ(仲間)は「力しか頼るものがない」という生徒たちを「そんなことはない」と「力」で屈服させていくのだった。

つまり「一人の暴力は弱いが仲間が暴力を合わせれば強い。ただし、自分は例外・・・だって一人だけど仲間(由紀恵)だもーん」なのである。

だじゃれか・・・。

そして・・・ヤンクミはかわいい教え子たちにはけして手を出さない。あくまでこてんぱんにするのは街の部外者である。ヨソモノにはナニをしてもいいのである。そして生徒たちには「私がマジになると・・・どういうことになるか・・・わかるな?・・・お前たち」という恫喝を行うのであった。

こうして・・・ヤンクミはリーダー格二人、子分格四人合わせて六人を配下に加えたのだった。

奇しくも・・・川藤と人数・・・一緒である。しかし・・・手ごわいリーダー格を残した川藤と・・・頂上作戦を敢行した・・・ヤンクミ・・・今後の展開は予断を許さない。

まあ・・・団結して・・・チベット人をボコボコにした中国人に意見をすれば中国人は団結して赤旗を振るうのである。日本に対しては「アジアで中国のことをとやかく言うのはお前のところだけだぞ」と威嚇である。そして・・・シンメトリーで言えば西の中国であるおフランスが「シェー」というような団結力を見せ付けて・・・「・・・お前のところにまた・・・コレやっていいのか?」と恫喝してくるのだな。そうなると「もう・・・絶対もめごとはゴメン」の日本なのである。「聖火」様には何人たりとも触らせない体制で臨むのであった。

そして「聖火」様は無事にソウルにお運ばれになったのである。

もはや・・・「聖火」なのか「業火」なのか・・・あるいは「劫火」かもな・・・。

もちろん・・・赤旗やめて五輪旗を振るべきだった・・・とか・・・そういう意見は虚しい。

中国はいつだって「お客様」の顔でボイコットをなさり・・・商人たちは顔色を変えて「お客様」にご無礼のないように気を配る・・・そして・・・中国商人たちは「とやかく言うなら買ってもらわなくて結構だ」の殿様ビジネスをなさるのであった。

最終的には「華僑VSユダヤ」のハルマゲドンとなるのか・・・それとも金持ちケンカせずなのか・・・。

とにかく・・・ヤンクミと彼女のクラスは・・・あくまで暴力特区であり・・・一般庶民とは無縁の世界なのである。

そこでは・・・あくまで・・・堅気に迷惑はかけない任侠の世界が展開されるのであって覚醒剤、拉致監禁、恐喝、地上げ、売春、地下賭博などとは無縁なのである。

さあて・・・とりあえず・・・たこ焼きは無性に食べたくなるドラマなのだった。

関連するキッドのブログ『先週の土曜日のレビュー

月曜日に見る予定のテレビ『オペラ座の怪人』(日本テレビ)・・・『世にも奇妙な物語・SMAPの特別編(再)』(フジテレビ)・・・うっ・・・そう来たか。あ・・・あれは豪華だったからなあ・・・。

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2008年4月26日 (土)

滑車と梃子でずぶ濡れ(石原さとみ)元デブ(大塚寧々)二階から墜ちてもかすり傷(貫地谷しほり)開脚(安めぐみ)

・・・春である。眠いのだな。ドラマを見ていてもシャキーンとしないのだった。しかも・・・聖火リレーをめぐる妄想をくりひろげているとドラマはいかにものほほんとしている。

だって・・・チベットの子供たちを援助している星野監督に火達磨になったチベット支援派が抱きつき、星野が一緒に炎上して燃え上がり、卓球の福原に放水車で放水、愛ちゃん水びたしで一部愛好家放心とか、競泳の北島にコロッケが投げつけられ商売繁盛とか、マラソンの野口にオバQ人形が投下され、欽ちゃんが「なんでそーなるの?」って叫ぶかもしれないと思うとゾクゾクするでしょう。

・・・まあ・・・中国応援団とチベット支援団が激突、死者100人とかの事態にならなくて心の底からホッとしました。

まあ・・・本来・・・北京開催を決定した五輪関係の皆さんはこの事態をどう考えるのか・・・聞いてみたいのです。

しかし・・・中国が悪の帝国であるという・・・認識が世の中に少しでも浸透したという意味では大成功なのか・・・。

で、『パズル・第二話』(テレビ朝日080425PM9~)脚本・蒔田光治、演出・宮下健作を見た。今回のゲストは巫女さん(若村麻由美)にジェシー(池津祥子)である。まあ・・・ハヤタ隊員(黒部進)も神主で登場。落武者の呪いと財宝をめぐる物語は「TRICK2」の六つ墓村のネタで・・・ということは「八つ墓村」の孫である。落武者時代も少しズレていて面白い。

今回は落武者の隠した財宝を奪おうとした村人が落武者を惨殺。方法は「岩で押しつぶし」「逆さ吊り」「火あぶり」である。現代に蘇った呪いを阻止するために・・・「落武者の祟り」を解明した人に「賞金100万円と牛一頭」という地元の神社。

例によってちょい悪女子高生ゆうこ(岩田さゆり)にのった真一(山本裕典)だが・・・お金の匂いを山村哲也じゃなかった鮎川美沙子先生(石原さとみ)は見逃さないのだった。

「呪いを村人ではなく私たちに・・・」とまんまと人身御供となった調査隊・・・。

そして案の定・・・調査隊から「岩の下敷き」「逆さ吊り」の犠牲者が発生。

天才の美沙子と秀才の高校生トリオは・・・総力を一部結集して謎に挑むのである。

まあ・・・仕掛けは梃子とか・・・滑車とか・・・ハリボテ・・・とかです。

スピードスケートの岡崎朋美の代わりに水浸しになったもののちっとも透けないので一部愛好家をガッカリさせながら・・・かなり悪の石原さとみは「隠された現代の悲しい復讐劇には目もくれず」財宝を獲得しようとするのだが・・・もちろん・・・今回も空振りです。

岩田さゆり・・・出番少なすぎ・・・。

関連するキッドのブログ『第一話のレビュー

で、『Around40~注文の多いオンナたち~・第三回』(TBSテレビ・080425PM10~)脚本・橋部敦子、演出・吉田健を見た。今回・・・キッドが思わず・・・小癪なことを・・・と思ったのが・・・奈央(大塚)に片思いの貞夫(筒井道隆)の洋食屋のキッチンに張られた子供の写真が・・・奈央と貞夫の写真であるらしい・・・ことである。まったく読み違えていたよ・・・。

こうなると・・・貞夫は貞子なのであるな・・・初恋の小太りの奈央を子供の頃からずっと好きで好きで好きで好きで好きで・・・ずっとつけ狙ってきた執念深さヘビの如しの39歳の童貞くんだったのである。・・・童貞じゃなくてもいいだろう?・・・いや・・・女は奈央以外抱かないくらいの病的さはありえる・・・なるほど。

つまり・・・洋食屋経営も奈央に美味しいもの食べさせて小太りしてもらおうという魂胆なのだな。

そして・・・周囲にも自分にも気がつく女である奈央は「その一点」だけはまったく気がつかないのだが・・・まあ・・・気がつくと面倒なので気がつかないフリをし続けているということも考えられるのだな・・・。

「隣の芝生が碧く見えたら・・・庭に花を植えればいい」と竹内まりやは歌うのだが・・・庭なんかねえよ・・・というネットカフェ難民はこのドラマは見ていないので・・・まあ・・・考え方としてはあるのだな・・・。

さて・・・恵太郎(藤木直人)と瑞恵(松下由樹)といえば・・・「ナースのお仕事」なのであるが・・・今回は瑞恵のときめき対象となる恵太郎。「転移」の問題についてはテンメイ様が説明すると思うが・・・基本的には心と心が密接に触れ合う現場で・・・患者と治療者が恋愛感情を抱く場合は・・・「医者の行為を異性としての好意であると錯覚する患者」が例として一番・・・分りやすい・・・ということで・・・もちろん・・・心の病気です。

もちろん・・・治療者が患者に特殊な感情を抱く場合もあり・・・この場合は逆転移となる。

しかし・・・まあ・・・恋愛なんてすべて・・・転移なんじゃね・・・という視点もあります。

冒険をしなければ獲得できないものは・・・いつの時代でもあるのだが・・・冒険は危険なのでなるべく避けたいという人情もある。日本人は「危険を恐れる」遺伝子に恵まれているので冒険を恐れるという研究もあるくらいなので・・・冒険を語るのは難しいのである。

去年、昔、在籍していた事務所の後輩がミャンマーで死んだのだが・・・あれもまた冒険の結果であり、痛ましいのだが・・・それは変わり者の結末の一つなのである。長野の聖火リレーが無事終了するのは日本に冒険を恐れる心が宿っているからであるとも考えられる。

「そんなことはない」という思い込みを大家さんではなく占い師(大島蓉子)は激しく指摘するのだが・・・「冒険を恐れる心の奴隷」である聡子(天海祐希)にはその指摘はけして届かないである。「冒険をするのは愚かな行為」と信じている人間に・・・「冒険」を推奨してもムダなのである。

逆に・・・「目的達成のためには手段を選ばない」という恵太郎は生まれついての冒険家なのである。もちろん・・・そのためには幸運に恵まれている必要があるのだが・・・ドラマなので幸運はいくらでも繰り出される。その行為は「間違っていないけど間違っている」という二律背反を生み出し・・・冒険しない女を混乱の中に巻き込んでいくのである。

少子化時代に三人の姉を持つ男・恵太郎が・・・一人の弟を持つ年上の女・聡子と出会う。これは聡子にとってかなり冒険へのハードルの下がった状態なのである。

そして・・・他のことにはまったく気がきかない女である瑞恵はこの一点においては異常なまでに直感が冴え渡り・・・聡子の深層心理まで見抜いてしまうところがまた凄いのだな。

人には・・・様々な能力が隠されているのだ。

で、『キミ犯人じゃないよね?・第三話』(テレビ朝日080425PM1115~)脚本・荒井修子、演出・城宝秀則を見た。ようやく・・・脚本家チェンジなのであるが・・・フォーマットが固定されているので・・・それほど凄くはなれなかったのである。しかし・・・遊びは充分に増量され・・・原稿持込場面で青島刑事・・・殺人現場でいきなりぐわっしでサバラ・・・お金を稼ぐ理由の緻密さ・・・盗んだバイクで走り出す・・・捜査妨害のために二階からつき落とされても不死身・・・取調べでパンダ金貨、そしてキミ犯決めセリフにまたそれかいっとツッコミ・・・など反骨精神をみなぎらせていたのだ・・・。

結局、貫地谷と要、妹、今回は星野真理に星井七瀬・・・ついでに「ライフ」からは中別府葵とムダにしがらむゲストなど・・・構造的な問題を抱えるドラマなのだな。

なんだか・・・とても残念な感じだが・・・まあ・・・犯人(星野)ががっかりされないようにやたらと胸のふくらみを強調していたようなので・・・そこはとてもうれしい気がしました。

それにしても・・・来週は脚本逆戻りか・・・お約束の展開がお楽しみになれば・・・それはそれでいいのだが・・・なんだか・・・退屈になってきてるんですけど・・・。

で、『秘書のカガミ・第三話』(テレビ東京080426AM0042~)原作・堀戸けい、脚本・村上直美、演出・伊藤寿浩を見た。こちらは特殊秘書・加賀美(安)が様々な会社に派遣されて不正を正すという展開。今回は多重受験で合格率水増しの進学塾に潜入である。もう意味もなくおっぱいだし・・・悪徳講師はパンチラで成績優秀者にご褒美である。もうすべてのお約束がバカ丸出しなのだが・・・テレ東で深夜だから・・・いいような気がする・・・まあ・・・金曜ナイトドラマには・・・もう少し期待したいのでこれにも触れることにしました。ま、稲田奈緒(パンチラ)とか舞雪(おっぱい)とか・・・滅多にお目にかかれない顔ぶれだし・・・。

日曜日に見る予定のテレビ『コードギアスR2』(TBSテレビ)・『篤姫』『サラリーマンNEOシーズン3』(NHK総合)『猟奇的な彼女』(TBSテレビ)

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2008年4月25日 (金)

男の子は男の子のもの・・・女の子は女の子のもの・・・の木曜日(上野樹里)

おそろしい展開だ。悪としての暴力の強調と・・・同性愛の正義を謳いあげる木曜日。もう美少年系腐れ女子と百合系腐れ女子の妄想パワー炸裂である。

もう・・・辻褄とか・・・主張とかはどうでもよくて・・・男の子と男の子が裸で顔をしかめたらはうぅんで・・・悪い男がかわいい女の子に乱暴したらボーイッシュな女の子が黙っちゃいないのでうふん・・・なのである。

ナンじゃあこりゃあああああああああ・・・なのであるが・・・もちろん、それはそれで面白いのである。

世界の現実や・・・自然の法則から目を背け・・・奴隷としての自己を正当化し・・・自傷することを愛し続けてきたこの国の現代が・・・ある意味・・・1億総変態化の波をうねらせているようだ。

そりゃ・・・まぜると危険で死ぬし、警官は発砲自殺、国をあげて売国するわな。

しかし・・・キッドは正義の暴力はあると信じるし・・・男の子と女の子が愛し合っても素敵な場合もあると考えます。

ちなみに視聴率は「バッテリー」↘*7.2% 「ラストフレンズ」↘15.6%・・・微妙。

で、『バッテリー・第3回』(NHK総合080424PM8~)原作・あさのあつこ、脚本・相良敦子、演出・田中健二を見た。「野球とヘアスタイルは関係ない」という中学一年生が野球部の伝統に反抗した場合・・・指導者はどうするべきなのか・・・という課題が楽しみだったのに・・・結果的には「例外はある」という指導者の柔軟な発想という処理である。この国にはもはや共有されるべき暗黙の了解はないのだ。

自分の指導者だった反逆児の祖父を訪ねた指導者は「孫を特別扱いしないでほしい」と求められるのだが・・・現時点での・・・指導者の指導は「特別扱い」なのである。

反逆児の野球の実力は一般市民とはかけ離れているから・・・一般市民とは違う生活が許されて当然だということなのだな。

「それでは・・・今まで自分たちが守ってきたルールは何だったのだ」と義憤に燃えた有志たちは無法な反逆児に闇討ちをかける。鞭打ち制裁である。

キッドとしてはそんな暴力行為が表沙汰になったら大変だからこっそり山に埋めるべきだと思うが・・・ここでは・・・集団で一人をリンチするなんて許されない行為だ・・・ということを強調したいらしく・・・犯行動機も義憤よりは嫉妬として描かれる。

そして掟破りの反逆児は「こんな卑怯な奴を絶対に許さない」と言うのである。

とにかく・・・「悪法もまた法なり」という・・・ソクラテスの残した法令順守の基本精神さえ伝えられない・・・親も教師もいっそ山に埋めてしまえばいいのである。

とにかく・・・それでは話にならないと言われたらベストセラーである原作にひれ伏さねばならないし・・・日本人はそこまで腐っているという現実を認めなければならないのだった。

とにかく・・・「髪を切らなければ退部」という話は棚上げされ・・・成り行きでヘアスタイルについては不問にされる展開・・・この指導者の立場とか・・・理念とか・・・どうなってしまうのか・・・ものすごく興味深いのである。

しかし・・・この話の核心は・・・そんな教育論でもなければ・・・少年野球の話でもないのである。

主人公の巧(中山優馬)がリンチで・・・背中を鞭打たれ・・・苦しみ悶え・・・一部愛好家がはうぅん・・・。

傷だらけの巧が裸になって冷たいシャワーで火照った体を癒して・・・一部愛好家がうふぇん・・・。

そして・・・誰よりも主人公を愛する同級生の豪(高田翔)が・・・傷だらけの巧の裸の背中をクリームでマッサージ・・・その手痛い愛撫に巧がううううとあえぐと・・・一部愛好家があはぁん・・・。

もう・・・それがやりたいだけのドラマですから・・・けして男の子の人間的成長とか・・・少年たちの友情とか・・・家族の絆とか・・・そういう感動的な主題を期待なさらぬようにお願いします。

しつこいようだが・・・暴力が全て悪事だというのは幻想にすぎない。戦争や死刑、しつけ、鉄拳制裁、個人的復讐など正義の暴力は存在するのである。バットはボールを打つためにあるように拳は殴るためにあるのである。いや・・・もちろん・・・使い方はいろいろありますけど・・・まあな、人間ほどほどにしないとな。

関連するキッドのブログ『第二回のレビュー

で、『ラスト・フレンズ・第三回』(フジテレビ080424PM10~)脚本・浅野妙子、演出・加藤裕将を見た。たとえば・・・原子の中に人類を絶滅させるほどのエネルギーが潜んでいるということを誰も発見しなければ・・・原子力を規制する法など無用である。しかし・・・実際には発見されてしまったので・・・広島や長崎や各地の実験で・・・人々は大量に殺戮され・・・恐怖を感じた・・・それゆえにその力を制限するために・・・様々な法を人々はとりきめたのである。

同じように・・・人には人を殺す力があるので・・・法で制限する必要があるのだ。

日本では・・・傷害罪、過失致死罪、殺人罪などで・・・その殺傷力を制限しているのである。

しかし・・・殺人犯を死刑にしたり・・・不審船を撃沈したり・・・お尻をペンペンしたり・・・必要な暴力は行使されても問題ないのである。

人々はあまりにも守られていて・・・つまり過保護であるがために・・・こうした暴力の二重性を忘れがちだ。まるで・・・暴力が基本的にも絶対的にも相対的にも全体的にも悪事だと考え違いをしているのである。

もちろん・・・それがいけないことだとキッドは断言しない。

幻想を信じ・・・麻薬中毒患者のように・・・幸せに包まれて生きていくという選択をするのは自由だからだ。キッドは自由であることを尊ぶのだ。

しかし・・・暴力はどんな時にも許されないという信念は持たない。そんなことを信じる人間は殺されても文句を言う資格のないお馬鹿さんだと思うのである。

まあ・・・これはただのありふれた真理の論述である。しかし・・・時々、キッドは世の中の人々はそんな基本的な真理も忘却しているのではないかと感じるときがあり・・・さらには自分も時々忘れるので機会あるごとにメモしてしまうのである。

邪悪な暴力があるように正義の暴力はある。

キッドは邪悪な暴力を憎悪するし・・・嫌悪する・・・しかし・・・正義の暴力を敬愛するし・・・賛美するのである。

暴力の類別については各自が自由に判断し判断した責任を持つことももちろん大切なのである。

しかし・・・「ラスト・フレンズ」はそういう哲学を語るドラマではないのである。

悪戯で気まぐれで従順で愛に餓えた女の子がいて・・・女の子を家畜のように愛する男がいる。家畜としての自覚のないまま・・・衝動的に間違いをしでかす美智留(長澤まさみ)は主人の宗佑(錦戸亮)の逆鱗にふれ・・・今日もお仕置きされてしまうのだ。そうすると一部愛好家はドキドキなのである。

思い込んだら絶対にそうしないと気がすまない気の強い女の子がいて男の子より女の子の方が自分のタイプだったり、自分のタイプがたまたま女の子だったりした場合、男になってでもその女の子をものにしようと思うのである。でも女の子だからそこまで愛しているのに片思いだったらどうしようとビクビクして中々告白できなかったりしてもやもやでへとへとなのである。そんな瑠可(上野)に一部愛好家がハラハラなのである。

そして・・・いたずらがすぎたために・・・おしおきがちょっと限度越えて・・・もう耐えられないから・・・飼い主の隙をついて血まみれで血ぶくれになった美智留が瑠可に「瑠可には宗佑の悪口言われたくないし、宗佑には瑠可の悪口を言われたくない。私の望みはそれだけなのに・・・恋人と友達を両立できないなんて変だと思うけど・・・とにかく今は助けて・・・」と「私の瑠可」と「私の美智留」がしっかりと抱き合えば・・・一部愛好家がうっとりなのである。

ふふふ・・・理想の人には愛されないし・・・理想じゃない人は愛さない。

そんな・・・出口のない恋愛を求めて・・・彷徨う・・・傷つきやすい男でも女でもない人間がこの国に充満しているらしい。

ひとつだけ言えることは・・・「私は奴隷じゃない」という美智留は間違っている。あらゆる意味で日本には奴隷しかいないのだから。

関連するキッドのブログ『第二話のレビュー

土曜日に見る予定のテレビ『ROOKIES』(TBSテレビ)『ごくせん』『2クール』(日本テレビ)『トップセールス』(NHK総合)村川透の十津川警部も魅力だけど・・・。

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2008年4月24日 (木)

いい日旅立ち幸せをさがしに・・・母を道連れに・・・(上戸彩)VSよう子よう子よう子

・・・うふん・・・水曜日も捕まりかけている・・・。

「ケータイ捜査官7」は日曜日朝のジャリ番組によほどのことがないと手が届かないのと同様になんとか自制できる・・・視聴率*3.0%だしな・・・「警視庁捜査一課9係」は↗11.4%と微上げしてきて・・・しかもゲストが被害者・大村彩子、加害者・キノコ(鈴木浩介)である。大村は拉致→監禁→絞殺→死体というフルコースで生前が心身ともにかわいそうな人だったという・・・あわれのデザート付であるし、キノコは偽善→悪→改心という芸の見せ所たっぷりな展開・・・そして鑑識(加賀美早紀)は草若の靴下をつまんでバストショット・・・申し分ない・・・。しかし・・・面白い部分があからさますぎて・・・「相棒」より地味だし・・・パスできるのである。そうなると「ホカベン」↗*9.3%になってしまうのだが・・・今回の「週刊真木よう子」はかなりの傑作なのである。・・・だから・・・今日も二本立てになりました・・・。

で、『ホカベン・第二回』(日本テレビ080423PM10~)原作・中嶋博行、脚本・阿相クミコ、演出・佐久間紀佳を見た。早い話が二時間ドラマを前・後編でお届けされてしまったわけだが・・・起承転結を起承(前)転結(後)で見せているので・・・この視聴率である。

まあ・・・二時間ドラマを見ていない人には・・・逆に新鮮だったのかもしれない。

しかし・・・そういう人はそれほど多くないだろうからな。

たとえば日本における失踪者は年間およそ2万人くらい・・・ものすごいどんぶり勘定で人口を一億人くらいと考えると5000人に一人の割合である。そうなると・・・100人くらい親しい人がいる人が50人に1人くらい・・・「今年・・・行方不明になった奴がいてさ・・・」ということになる。

こういう場合・・・多くの人は「失踪者」というものを身近に感じない。

実の娘に対する性的虐待を行う父親は表面的にはもっと縁遠い感じ・・・を一般の人は受けるはずである。しかし・・・思うだけなら・・・「娘を性的に可愛がりたい」と一瞬でも考える男は圧倒的多数なのであり・・・それは抑圧されているだけだという考え方もできる。

抑圧のかかり方は人それぞれなのだが・・・「そんなこと考えるだけでおぞましい」というのが一般的である。この「抑圧」がかかると人はそういう事実を見聞しても「そんなことはありえなないだろう」と反応するのが普通である。

これは「母」から「息子」にもあるし・・・「父」から「息子」にもあるし・・・「母」から「娘」にだってあるのであり・・・現実にはいくらでもあることなのだが・・・「認識」としては認めづらいことなのである。

だから・・・隣の小学生の娘が・・・「夜パパにエッチなことされるの・・・」とか告白してきても「ええっ・・・」と思って絶句して思考が停止する人は多いと思うのである。

「夫と義母が近親相姦で夫がDVで義母が孫に虐待で夫が娘に性的虐待」された実在の妻がいたとして相談されたとしても・・・そういう事実を認める前に・・・告白している本人の正気を疑ってしまうのは仕方ないのである。人間は自分の認識外のことが大嫌いな場合が多いからである。

キャリアを重ねた弁護士はどうしても胡散臭い存在になってしまうのだが・・・このような常識外の相談事に日常的に接していればある程度自我が崩壊して当然なのだな。

なにしろ・・・常識外のことが起こるから・・・そして対処の仕方が分らないから・・・依頼人は弁護士事務所に来訪するのである。

もちろん・・・弁護士にとっては逆に日常茶飯事ということになり・・・然るべく対処の方法もある程度、マニュアル化されているのが普通だろう。

単純に言えば「耐えられない嫌がらせがあり・・・しかし・・・法的に加害者が処罰の対象にならない場合・・・被害者は戦うか逃げ出すかの選択肢があり・・・逃げ出すと決めたからには改名は基本中の基本」なのだが・・・一般人はそんな基本は知らなくて当然なのだった。

もちろん・・・プロの調査員にかかればそれでも発見は可能ですがね・・・。

しかし・・・弁護士が・・・それを知らないのは・・・ダメだよな・・・。

しかし・・・前回も論じたように・・・初心者はどこにでもいるし・・・鉄を熱いうちに打つために・・・依頼者の利益よりも部下の成長を優先する上司はいるだろうし・・・そのために依頼者が前科者になっても結果オーライにすればドラマ的にはOKでしょうと考える脚本家はいるのだ・・・。

さて・・・このドラマの場合、弁護士が依頼者の秘密を偶然知る・・・依頼者が秘密の開示を望まないため・・・弁護士は担当を外れ・・・証人となるという作劇上のケレン(アクロバット)が優先され・・・依頼者の心情が宙に浮いているのである。

「父親に悪戯された事実を公表すると娘の将来に傷がつく」・・・と考える母親が「殺人犯の母親を持つ娘の将来について」考えが及ばないという不思議。

「父親の元においては娘が性的虐待を受け続けると考え脱出した母親」が「自分が受刑者になって娘が父親の元に残れば父親の性はどこまで暴走するか想像もつかないのに世間体を重視する姿勢」を続けるのは「世間にバレるくらいなら娘は夫の性的奴隷になっても構わない」といういうことだがそれでいいのか・・・という疑問。

もう・・・「異常事態」なので正常な判断が下せない状態だったと弁護するしかない脚本なのである。

キッドが素直にこの脚本を受け取れば・・・妻であり母であるクライアント(富田靖子)の心情は「夫と性的に関係した娘が憎い。私よりも娘を愛した夫も憎いが夫と関係した娘をどうしても許すことができない・・・あんな娘・・・不幸になってしまえばいい・・・」なのである。

それで・・・いいのですか?

まあ・・・人間は割り切れないものだからな。結局・・・真希(石井萌々果)は光に改名した。

一夜をともにした灯(上戸)はその「違う名前」への違和感をさりげなく表情に浮かべる。「真希ちゃん」と呼びかけることに馴れた人間が「光ちゃん」になることの喪失感は大きいものだ・・・。そして・・・その改名が「本人を守るため」だとわかりきっていても違和感を感じることは免れないのである。「真希だった日々」と「光としての日々」の分断・・・そういう結果を招いたのが自分の未熟さであるという重みを彼女は感じたのであろうか。

そういう描きこみはやや不足だったとキッドは思う。

それでも・・・日常の中に紛れ込む狂気は確率的なものである。不運にもそれに見舞われた母と娘・・・つまり・・・夫と父親に恵まれなかったという意味で・・・に対して灯は祈ることしかできない自分を感じるのである。

雪解け間近の北の空に向かい・・・過ぎ去りし日々の・・・帰らぬ人達熱い胸をよぎる・・・ああ・・・日本のどこかに・・・私に頼った人がいる・・・と灯の佇む上野駅なのだった。

関連するキッドのレビュー『第1回のレビュー

で、『週刊真木よう子・第四号・中野の友人』(テレビ東京080424AM0120~)原作・いましろたかし、脚本・赤堀雅秋、演出・山下敦弘を見た。演出は「リンダリンダリンダ」の人である・・・あのテイストが好きな人にはたまらない小品なのだと思う。説明できない味なのである。説明しますがね・・・。

原作はコミックで・・・まあ・・・脱力系というキャラを主人公にした・・・つげ義春の発展系ソフト。社会の底辺にいるどちらかといえば容姿の冴えない・・・中身も輝いているとはいえない・・・ひっそりと生きている年齢不詳の人が主人公である。

その友人を主演の真木が演じ・・・本来の主人公をゲストの井口昇が演じる。

ネタバレだが・・・真木よう子は可愛い女子高校生という役である。

一方・・・井口は地方出身者で就職浪人のフリーターで五頭身のデブで小心者の醜男である。

この二人は最初から最後まで会話を一切しない。

物語は・・・鬱屈した井口の日常生活を淡々と描いていく・・・バイト先のCDショップでレジの金を抜いたと疑われ・・・真犯人のデブであこぎな女の同僚(小林きな子)に口止め料としておもちのような胸部を見せられ・・・勃起して「最低」と言われたり・・・扇風機を「強」にしたり・・・ふるさとの母親の仕送りにお礼の電話をしたり・・・帰宅途中で公園で花火をする親子にみとれたり・・・まあ・・・「真夜中のカウボーイ」的な哀愁の描写が続いていく。

そして・・・二人は「東京の場末の中野のすえた商店街のうらぶれたゲームセンターのさして人気のないピンボール・マシンの最高得点者」を争うプレイヤーとして接点を持つのだった。ピンボールの魔術師であり・・・ピンボールの青春なのであるな。

二人は言葉を交わさないし・・・目を合わせるわけでもない・・・お互いに黙々とゲームをプレーするだけだし・・・時には縄張りを荒らされた不快感を示す視線を相手の背中に向けるのである・・・。

やがて・・・時代遅れのゲームは撤去され・・・それなりに燃えた二人のひとときは・・・終る。井口の手に真木の微妙な忘れ物・・・「美味しんぼにはさまれたプリクラ」を残して・・・。

そして・・・ラスト・・・二人は再会し・・・妙に心の暖まる・・・そしてはかない・・・挨拶を交わすのである・・・もちろん・・・無言なのだが・・・二人は遠ざかりながら微笑むのである。

ラストショットの真木よう子はこれまでになく魅力的で・・・そしてあろうことか・・・井口昇までが美しく見えてくる・・・トレビアン。

関連するキッドのブログ『第二号のレビュー

金曜日に見る予定のテレビ『パズル』(テレビ朝日)『Around40・注文の多い女たち』(TBSテレビ)『キミ犯人じゃないよね?』(テレビ朝日)『秘書のカガミ』(テレビ東京)・・・・・・・・おいっ・・・。

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2008年4月23日 (水)

ロボットとスイーツ。(相武紗季)VS二日酔いで朝風呂。(蒼井優)

火曜日は逃げられませんでした。「絶対彼氏」→「おせん」コース。でも「喜多善男」も「キューティーハニーTL」も「ちりとてちん」メモもないのだから・・・冬ドラマより・・・楽だ・・・。

っていうか・・・「無理な恋愛」・・・ごめん。

一応、火曜日のドラマ対決は①「絶対彼氏」↗14.3% ②「おせん」10.3% ③「無理」↗*8.1%

・・・日本テレビは脚本家の名前をシークレットにする作戦に出たのだが・・・失敗なのかもね。っていうか大石静を隠して・・・何の意味が・・・?

もちろん・・・それは秦がらみだから見る人と秦がらみだから見ない人を天秤にかけた結果(ホカベンの場合)なのだろうが・・・見ない人の方は調べちゃうから・・・あまり意味ないのではないかな・・・。大石の場合はプラスマイナスゼロくらい・・・?・・・脚本家のステータス残酷物語である。

で、『絶対彼氏・完全無欠の恋人ロボット・第二回』(フジテレビ080422PM9~)原作・渡瀬悠宇、脚本・根津理香、演出・土方政人を見た。シュークリームはお菓子であり、おやつであり、デザートであり、スイーツなのだが・・・エクレアのライバルである・・・とキッドは思っている。ババロアとプリン。ストロベリー・ショートケーキとモンブランもライバルだと思う。そしてショコラとレアチーズも・・・もういいか。

タイトルバックが速水もこみち・相武紗季・水嶋ヒロの三人の横ならびであるので・・・三角関係の物語なのである。ロボット(理想の彼氏ナイト・速水)と女の操(梨衣子・相武)と人間男子(スイーツの御曹司・水嶋)の恋愛バトルである。梨衣子を軸に考えると自動人形と人間の戦いなのでルール無用の真剣勝負なのだな。

で・・・ただ今のところ・・・流れはナイト→ハート・ケチャップのオムレツ→梨衣子→手作りシュークリーム→御曹司と食物連鎖を形成しているのである。

乙女心は・・・いつだって不可解なものであるが・・・それは心が不可解だからだ。

「あなたのために守り通した女の操・・・今さらロボットに捧げられましょうか」と梨衣子は思っているのだが・・・相手は梨衣子を「最愛の恋人」としか認知しない「理想の彼氏」なのである。「料理が上手」で「筋トレをかかさない」し「いつでも味方」の純情可憐充電可能価格1億円である・・・1億円・・・今回バイトで週に35万円稼ぐことが判明したので年収1500万円で十年ローンで返済できるのだが・・・保障期間とかメンテナンスとか考えると・・・微妙だよな・・・なにしろ・・・コンピューター搭載である・・・二年持てばいい・・・的な秘密の使用期限が考えられます。

ともかく・・・そういう時代に人々は足を踏み入れている。

たとえば「労働力の不足はロボットが補う時代」なのである。「人間の働く場所がない→人口減少→労働力不足→ロボット投入→人間の働く場所がない」という構図は明らかだが・・・奴隷労働からの解放を人間が望む以上・・・寿司職人は寿司ロボットに駆逐される運命なのだ。

恋人型ロボットの歴史は古い。映画「メトロポリス」(1927・ドイツ)のマリアはすでにセクシーなのである。手塚治虫の「メトロポリス」のミッチィは天使のごとく美しく悪魔のように力強い・・・抱きしめられたら壊れそう・・・なのである。他にも桑田二郎の「アンドロイドピニ」とか・・・セクサロイドはめくるめくほど創作されてきた。桑田二郎でいえば平井和正・原作の「8マン」など・・・主人公のロボットに人間のさち子は恋しているのである。ロボットは人間の記憶を電子頭脳に移植したハートフルなタイプなので・・・そのことに気がつき・・・懊悩したりする。そしてさち子さんの手作り料理を格納したお腹の収納袋を取り出し・・・そっとゴミ箱に捨て・・・機械である自分の宿命を呪ったりするのである。

まあ・・・そういう哀しいロボットと人間の恋物語は伝統的なものであり・・・コミカルに淡々と進行する「絶対彼氏」にもそこはかとなく哀愁は漂うのである。

「梨衣子の理想だから・・・」と繰り返すナイトに・・・梨衣子の心は・・・ほだされ始めました・・・。

ま・・・あくまでキッドの妄想ですが・・・成人女子が・・・ナイトを手に入れた場合・・・99.99999%までが・・・即日・夜のお試しをなされると思います。もう、ウインウインですな。

・・・失礼しました。ともかく・・・本人が言い張る以上「守り通してきた女の操=処女」の梨衣子は・・・いろいろな感情が交差して・・・使用は限定していたわけですが・・・お試し期間延長の後・・・ついに購入を決定。もちろん・・・まだ・・・夜のお試しには至りません。

なにしろ・・・ロボットなので梨衣子様には絶対服従です。「・・・愛してる・・・なあ・・・苦しいんだよ・・・お前とひとつになりたくて・・・もう・・・我慢できないんだ・・・辛いんだよ・・・愛しているから・・・はあはあ」と男の子の常套手段を使って求めては来ないのです。おそらく・・・処女である梨衣子にはその初期設定が出来なかったと思われます。

まだ梨衣子のナイトに対する初期設定には謎の部分が残されていますが・・・クロノスヘヴン社には女性職員が少ないようなので・・・「初夜のシチュエーション」とかの設定項目が欠落していた可能性はある。

「初夜はどうしますか? ①有無を言わさず強引に ②二回までの拒絶は引き下がり三回目は強引に ③お呼びがかかるまで待機 ④その他の特殊設定を希望」

という項目があるべきだと思います。そういう項目があったら梨衣子は拒絶するかもしれませんがね・・・しかし・・・あくまでアンケートですから・・・。

ともかく・・・梨衣子一筋に身を捧げる泣かせるロボットを返品するなんて人間じゃないので梨衣子はついに購入を決断するのでした。

まあ・・・錆びたナイフを皿の裏で研ぐ梨衣子・・・名人だったおじいちゃんのシュークリームを自己流で作る梨衣子・・・筋の通らない金は受け取らない梨衣子をおんぶした御曹司(人間)は少しずつ・・・梨衣子に惹かれていて・・・梨衣子は苦しい決断を迫られるのは明らかなのですが・・・まあ・・・3Pすればいいのか。

大家さん(峯村リエ)である。猫背椿の役どころが池津祥子ならジェシー&キャシーの揃い踏みだったのに・・・と思いました。

関連するキッドのブログ『第一回のレビュー

Hcinhawaii0361 ごっこガーデン・休憩室セット。お気楽50万円なら買ってもいいかなあ・・・。中古になるのを待って・・・値引き交渉で・・・1億円から50万円になるのにどのくらい待てばいいのかなあ・・・その間に廉価版とか・・・きっと出るよねちーずikasama4先生におねだりしたらさっそくチョビロボットシリーズを作ってくれました。小学生専用男の子ロイドチビヒロと小学生女の子ロイドミニアイブです。カワイイのです・・・ある意味危険なシリーズかもしれませんが・・・あらすじ的にはありですよ・・・実はちーずロイドは昔から闇で出回っているらしいし・・・海賊版反対です

Hcinhawaii0362 平成財閥ロイド研究センター。シャブリ新学期が始まっているのに・・・出席日数不足の二人がこんなところに・・・梨衣子は時間外やコンビニでは引き出さない堅実なタイプですけど・・・ikasama4マーくんミニの開発が難航しています・・・お誘い機能の設定が困難だし・・・ダーロイドの新機能開発も・・・ゴールデンウイーク返上・・・昭和かっくうアンナちゃんたら・・・人前で・・・ヒロロイドのおんぶ機能は・・・ひっそりと堪能すべきもの・・・つつしみ上等ですよ・・・臨終最愛ですよまこアンナちゃん・・・待ちくたびれハイに突入しているのデス。もう・・・ナイトと同じく浮気しないタイプなので・・・ストレス爆発なのデス・・・大目に見て~アンナお姫様だっこ機能搭載・・・もちろん・・・発汗も気温と動作連動の自動調節機能付。ダーロイドは世界で一番ぴょん。最新型は100億円ぴょん。でもアンナ専用だから門外不出ぴょ~んお気楽おせんごっこガーデン・・・男子立ち入り禁止なのね・・・何してるの・・・?

で、『おせん・第1回』(日本テレビ080422PM10~)原作・きくち正太、脚本・大石静、演出・南雲聖一も見た。老舗料亭「一升庵」の女将・おせんは生活習慣荒れすぎである。一升酒を飲んで朝湯、迎え酒で朝からビールである。どんだけ高血圧・超消化機能なのか・・・人知を越えている。

つまり・・・これは・・・夢の世界なのだな・・・。かわいい女が・・・だじゃれも大好きで・・・優しくて・・・白髪ねぎをとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとんとん・・・ああ・・・朝だ・・・お母さんが・・・朝ごはんを作っているよう・・・ああ・・・夢か現か幻か・・・失われた日本の朝が・・・ここにあります・・・なのである。

さて・・・脚本家は山内一豊の妻という理想の妻を描き、久本雅美のミヤコ蝶々という似て非なる女芸人を描き、暴れん坊ママという斉藤さんには負けたママを描き、ここである。今回も・・・中途半端に拍車がかかっているが・・・もう・・・芸風だな。

個性を殺して職人芸に磨きをかけてているうちに自分の芸というものが見えなくなってしまうということはある。今回は「理想の女将」と「再出発をはかる昔酒と女で失敗したアイドル」の両輪に激しく蛇行しているのだ。

それにしても・・・未成年飲酒年上女がらみでしくじったアイドルに・・・うわばみのようなアルコール依存症もどきの女将(あくまで役です)をセッティングするとは・・・ものすごい・・・感覚だな・・・。キッドは正直・・・のけぞりました。

しかし・・・もう一人の主人公である・・・よっちゃん(内博貴)は正統派の二枚目であり・・・原作の基本設定である・・・「天衣無縫な女主人に翻弄されつつ思慕する若者」をそつなく演じている・・・もう世の中がそれを受け入れるかどうかは流れの問題だな・・・。未成年でも「死刑」という事件が毎週あるわけではないし・・・それほどには凶悪な犯罪を犯したわけではないので・・・暖かく見守ってほしいのであった。

さて・・・よっちゃん視点で見るとワクは違うが「バンビ~ノ」を連想せざるを得ない。もう・・・そのままの部分もある。さらに言えば「拝啓、父上様」である。もう・・・様々な要素が入り乱れ・・・最後は「スシ王子」とか「鉄板焼きアカネ」の世界である。ハンカチ王子(松方弘樹)もいるので「ハケンの品格臭」までするのである。

この中途半端な気分を・・・洗い流すのは・・・とにかく・・・蒼井優が飲酒して・・・入浴・・・という基本軸なのか・・・とにかく・・・ナニがナンでも入浴なのである。脳溢血注意報です。

そしてよっちゃんは・・・ひたすらウザいのである・・・。

優しい人がいなくなると憂いが残るのであるが・・・よっちゃんは憂いの若者なのだな。

冒頭・・・「忍者鉄板焼き」というゲテモノ料理屋のフロア係に嫌気がさしたよっちゃんは転職を決意・・・憧れの女将がいる「一升庵」を訪ねるのだが、先代(由紀さおり)は引退して代替わりしたおせんと出会う。ここで・・・まず虚言癖であることがわかる・・・「前は板場を仕切っていた」と経歴詐称である。「得意な料理は?」と聞かれて「スローフード」と応えるあたり・・・おせんが電話で先代に「たやすくスローフードなんて口にする人間は信用できない」と筑紫哲也の胡散臭さを例に出すまでもなく指摘されてしまうほどである。

「ファーストフード」に対応する概念としての「スローフード」は・・・合理化偏重の食生活はかえって不合理であるというアンチテーゼであるが・・・あくまで相互補完の思想なので・・・贅沢と紙一重であることを知っておくべきだな。

貧しく健康的な食もあり・・・貧しく不健康な食もあり・・・豊かで健康的な食もあり、豊かで不健康な食もある・・・このバランスをどう考えるかが医食同源の難しさなのである。

人々は完全を求めるものだが・・・そんなものはないと知ることが肝心なのだな。

完全な死刑もないし、完全な国家もないし、完全な電子レンジもないし、完全なまかないもない・・・もちろん完全な時代なんてあるわけない。

ところが・・・よっちゃんは「世の中よりもオレの方が完全」というウザさを貫いていく。

もう・・・格好悪いことこの上なしなのである。それでも二枚目なので・・・仲居たちは「いい男だから脈ありかもね」と噂するのだが仲居の古株・テル子(鈴木蘭々)には「金輪際ない」と完全否定されるほどのウザさなのだな。

「職人の手間を惜しむよりお客さま第一」という一升庵の方針に逆らい歯が立たないと知るとたちまち逃げ出す根性なしである。

そのたたき上げた正しさを担うのが・・・清二(杉本哲太)である。哲太も・・・そういう年齢になったのだなあ・・・過去に間違いがないでもない先輩として・・・公私ともにしごいてあげるといいと思うよ・・・まあ・・・若者は聞く耳もたない場合があるので大変だと思うけどね。

情があれば・・・通じるはずである。

しかし・・・役柄のよっちゃんはとにかく・・・一筋縄ではいかないウザさを展開していく。

店をやめる直接の原因となった・・・スピードクッキング研究家(片桐はいり)とおせんの「まかない(調理場の食事)」勝負の結果を見て・・・仲居頭のシズ(余貴美子)の「まっとうな意見」を小耳に挟んだよっちゃんは受け売りで「おせんさんの勝利を確信していましたーっ」と復帰宣言なのである。もうウザさ爆発である。

「来るものは拒まず・・・去るものは追わず」とよっちゃんを受け入れるおせん。「手間を惜しまぬ職人になってください」・・・と諭すのだが・・・「でも大豆の産地ぐらいは知っていてもいいのでは・・・」とあくまで自説に固執のウザさなのである。

ドラマでは表現しきれているとは思えないが・・・おせんは血筋と仕込みによって磨きぬかれた究極の女将なのである。酒に酔っても女将。転んでも女将。目覚めれば女将なのである。それは優雅・・・・な存在だ・・・。対するよっちゃんはおそらくお粗末の極みなのである。

優雅と粗末・・・その出会いは・・・やがて・・・何かを生み出すのだろうが・・・それはまだ謎なのだな。

とにかく・・・これだけの教えを受けて・・・最後は年下の先輩を騙し・・・喫茶店で朝のひとさぼりをする・・・よっちゃん・・・最後までウザさを貫徹するのだった。ある意味・・・筋は通っています・・・。

まあ・・・とにかく・・・おせんが何をしてもかわいいというのだけはよくわかります。

実力派女優とベテラン作家の組合せは・・・田中&坂元に対応する形。「猟奇」か「おせん」か・・・この最終到達点も興味深いのです。

まあ・・・渡辺いっけい的には「キミ犯」か「おせん」かでかぶってますが・・・。

関連するキッドのブログ『蒼井優の亀は意外に速く泳ぐ

Hcinhawaii0360 ごっこガーデン・おせんのお風呂セット。まこ電子レンジの女王も好きっデスが・・・やはりお風呂デス。じいやが発注ミスをして大きめなのでみんなで入ってもはう~んなのデス・・・ちなみに箱根から直通パイプの温泉デス、蒼井先輩お疲れ様デスmariよっちゃんがねえ・・・現実に引き戻すのよねえ・・・別世界だけにひたらせてくれてもいいのに・・・のぼせた~アンナとにかくお風呂に入るのれ~す・・・癒されるのれ~す・・・早くはじま~れ~早くはじま~れ~と呪文を唱えるとチェンジ始まるのれすか~っ。ぴょょよ~んエリ五時間も火を使ったら・・・逆にもったいないとは思うけど・・・贅沢ってそういうものなのでスー。美味しいものを食べられるなら地球なんて滅びてもいいと思うのが美食なのでスー・・・。じいや・・・明日は登別温泉にパイプを切り替えてね・・・湯上りのおやつはコリコリの産地直送あわびお願いしまスー

木曜日に見る予定のテレビ『バッテリー』(NHK総合)『ラストフレンズ』(フジテレビ)

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2008年4月22日 (火)

世界の中心で箱の中身はなんじゃろなと叫んだ獣。(田中麗奈)

・・・とにかく問題作である。TBSテレビが韓国よりなのか中国よりなのか混沌とさせるからである。まあ、事大主義的には韓国と中国は一体のものなのかもしれません。

これはあくまでキッドの妄想であるが・・・漢字的文化圏において・・・「漢字」から「ひらがな」を発明した日本は表意文字表音文字併用という独自の文化を築いてきた。それはひらがな(初心者)漢字(専門家)という文字習得の段階性を可能にして・・・日本の文盲率を低下させるのだが・・・同時に深みのある感性育成にも一役買ったと思う。一方、同様にハングルを生み出した韓国では影響力排除のために漢字を禁じてしまった。そのために非常に短絡的な国民性を育成してしまったようだ。

「猟奇的な彼女」から連想されるイメージと「りょうきてきなかのじょ」から連想されるイメージを比較してもらいたい。日本人ならピンと来ることが韓国人には理解不能であると思われる一例である。

リプキ(猟奇)は韓国語ではもはや「ちょっと風変わりでかわいい」というニュアンスになってしまった。もちろん・・・原作や原点となる韓国映画を見れば・・・日本人にもそれが「かわいいいたずらっ娘」であることは理解できる・・・しかし・・・日本人には「猟奇的」という漢字の持つ淫靡で面妖なイメージも浮かぶのである。

まあ・・・日韓がその国民性の溝を埋めるのは困難であるが・・・中国が怪物的な素顔を見せ始めた現在・・・仲違いしている場合ではないことを・・・遺伝子をある程度共有する列島民族と半島民族は考えてもいいと思う。そして、その団結には両国を軍事的に支配している米国の協力は不可欠だと考える。

かってソ連は人民の水源地確保のために核爆弾を使って貯水池を作るという荒技を実行して不毛の大穴を作り出すという一神教(マルクス主義はキリスト教の狂信的分派である)ならではのおバカぶりを披露したのだが、いまや中国共産党帝国は「金儲けのためなら毒餃子を積極的に輸出」という経済全開教と化している気配があり、世界はもっともっとこのやくざな漢人一族国家の脅威の認識を共有しなければならない段階に入っている。

本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「パズル」14.1%(石原さとみファンは長い禁断症状がさぞや苦しかったのだろうな)、「Around40」↘14.2%(このドラマには「僕」シリーズの女性版と「金妻」の現代版という二つの方向性がある・・・方向をスタッフが間違えないことを祈る)、「キミ犯」↗10.4%(う・・・あがったよ・・・いいのか?)、「ROOKIES」12.2%(さあ・・・この数字で・・・夏まで持つのか?)、「ごくせん」26.4%(どひゃあああ・・・どこに視聴者は潜んでいたのだ・・・篤姫も圧倒するのかよっ)、「トップセールス」↘*7.8%(・・・それでもしのいだと言えるかもね)、「猟奇的な彼女」13.5%、「篤姫」↘22.4%・・・以上。

で、『猟奇的な彼女(日本版)・第一話』(TBSテレビ080420PM9~)原作・キム・ホシク、脚本・坂元裕二、演出・土井裕泰を見た。この脚本家は「私たちの教科書」は視聴率は度外視して書いた・・・次は獲得する方向で・・・と言っていたのだが・・・一度、そういうことをすると軌道修正は難しいとキッドは知っている。それでも「私教」の平均視聴率11.2%よりも最終回視聴率12.4%よりもあげてきたのである。しかし「私教」は初回視聴率14.2%だったので非常に微妙だ。

ブームというのは不思議なもので・・・ブームになるためには魅力が必要であるので「それ」には確かに魅力がある。しかし、ブームになったものはやがて魅力を減ずるという法則がある。一方でブームはマニアも残す。ブームを追うものにとって「かってブームだったもの」は「過去のもの」という感覚が強い。「去ったものにこだわるマニア」を「まだそんなものに・・・」という蔑むのは「流行」というシステムに深く関係している。あるいはブーム・マニアの存在である。

「ブームマニア」は「ただのマニア」を「鈍感」と感じるし、「ただのマニア」は「ブームマニア」を「浅薄」と感じる・・・まあ・・・キッドはどちらの気持ちも分るような気がする鈍感で浅薄な人間である。

問題は「韓流ブーム」が終ったのに「韓流マニア」が作り手になってしまった場合である。これは視聴率を獲得できないレシピだと思うのだな。それでも趣味に殉じるという人を誰がストップできるだろうか。

ともかく・・・視聴率を狙いにいった脚本家は122分の映画を連続ドラマにするわけである。これが成功したのは最近では「華麗なる一族」であるが・・・他にも「電車男」や「セカチュー」などがあるが・・・このワクでは成功とは言いがたい「いま、会いにいきます」があり・・・演出家は映画版の監督である。

まあ・・・お手並み拝見なのだが・・・。

いきなり・・・主人公・三郎(草彅剛)の恋人(岩佐真悠子)登場である。見知らぬ韓国人(キョン・ジュン)を連れ込んでセックスしているという際どい役柄であり・・・レギュラーに鈴木えみ(スターダストプロモーション)がいて・・・キャラがかぶっていると言えばそれまでだが・・・弱小プロによる下積み稼業の悲哀を感じるのである。もうそれだけで泣けてきたよ・・・がんばれ・・・岩佐真悠子と叫びたい。

しかし・・・逆に言えば豪華な配役である。

そして・・・「Over Time-オーバー・タイム」(1999)以来の連続ドラマ登場のヒロイン・凛子(田中麗奈)である。どちらかといえば人間離れした美しさの女優なのでテレビドラマには向かず・・・戦略的には成功している女優といえるだろう。竹内結子や、広末涼子という同世代の女優と戦うことなく・・・フレッシュなままで存在感を高めている。

まあ・・・テレビドラマの女優としてはほとんどニューフェイスでも通るくらいだ。

もちろん・・・正統派美人ではなく・・・ファニーフェイスだが・・・優香とも酒井若菜とも戦わないし・・・もちろん、箕輪はるか(ハリセンボン)や大島美幸(森三中)とも戦わないのである。

まさに・・・満を持しての登場といえる。岩佐真悠子とくらべたら同じ人間かと思うほどの過保護ぶりである。普通・・・賞味期限切れるぞ・・・。

それでもドラマ形式のCMと地味だが長い映画のキャリアにものを言わせて・・・堂々たる存在感なのだった。キッドはなんとも言えない微妙な気持ちになるのだった。それはなんとなく・・・深窓の令嬢がちょっとブスだったときのアンニュイな気持ちと言ったら分ってもらえるだろうか・・・分りません。

とにかく・・・こうして二人は出会うのだった。

キッドは大学生の時に好意を寄せる女子にゲロを吐かれ両手で椀を作り受け止めた経験があるので三郎が凛子を好きになってしまう気持ちが良くわかるのである・・・まだそうなってないぞ・・・そうなのか。

ともかく・・・幻想と現実の狭間で二人の恋は始まるのであるが・・・三郎の幼馴染が浅倉南(松下奈緒)だったり・・・圭輔(谷原章介)が「もげっ」のキャラクターから外人マニアを抜いただけだったり・・・上川隆也が「ハケン」に影響されてマグロの解体ショーをしたりと・・・脚本家が酔っているとしか思えない展開に背筋がゾクゾクと寒くなるのだった。

この「おかしな世界」のまま・・・好きになってもらおうとしているのかもしれないが・・・それは微妙なのであるな・・・。

とにかく・・・この話の原点はキッドにとっては小説「ティファニーで朝食を」(カポーティー1958)であり同名映画(1961・主演・オードリー・ヘップパーン)だと考える。「僕だけのマドンナ」(2003)ほどのストレートさはないが・・・日常生活に侵入してきた奇妙な謎の女性とその正体にまつわる泣かせる結末・・・という意味では「猟奇的な彼女」は立派な後継者である。

もちろん・・・「猟奇的な彼女」が主人公につきまとう理由の・・・韓国的なストレートさをどうするかは重要なポイントだ。「ティファニー」→「猟奇」の換骨奪胎が成功しているのはアメリカ人と韓国人のストレートさが・・・近似しているためだと思われるからだ。

だから・・・「奇妙さ」に秘められた「ありきたりさ」が胸に染みるという構図なのである。

そういう意味で・・・いろいろと付属物をちりばめた今回のアレンジは大失敗の可能性が大きい・・・しかし・・・田中麗奈の特殊性がそれを大逆転勝利に導く展開もあると思う。

だからキッドにとってこの作品はやくざの条件だった岸壁に沈められたトランクの中身や深夜に食事をする留置場の奇妙な人々の正体と同様にかなりスリリングなものと言える。

ちなみにキッドの妄想では「猟奇的な彼女」は「クラリス的な恋人」のイメージである。「羊たちの沈黙」は猟奇的な殺人事件を題材とするサスペンスだが・・・映画のヒロインを演じるジョディ・フォスターは男なら一度は恋に堕ちたい魅力的なクラリスを生み出した。

その魅力は実は「猟奇的なレクター」が恋に堕ちるほど輝いているわけだ。

物語の中では恋をしないのに・・・観客が恋をするヒロインは凄いのである。

それは「ナウシカ的な恋人」だったり、「峰不二子的な恋人」だったりするのだが・・・ここに女優というものが何を演じるべきかという・・・一つのヒントがあるような気がする。

韓国映画版の監督は「僕の彼女を紹介します」(2004)を撮るのだが、そのヒロインが刑事と知った時・・・キッドの感じた親近感は並々ならぬものだったことを記しておきたい。

その監督が綾瀬はるかで撮る「僕の彼女はサイボーグ」・・・きっとキッドはそれがどんな駄作でも許せる気がするのである。

関連するキッドのブログ『日本沈没

『月曜映画・N.Y.式ハッピー・セラピー』(2003)はまあまあでした。まあ・・・怒り抑制セラピーなんて無理だよな・・・。

水曜日に見る予定のテレビ『ケータイ捜査官7』(テレビ東京)『週刊真木よう子』(テレビ東京)『警視庁捜査一課9係』(テレビ朝日)『ホカベン』(日本テレビ)

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2008年4月21日 (月)

極意とは・・・ふれもせずおとすということじゃ(宮﨑あおい)

・・・「猟奇的な彼女」との二本立て「銭形VSなっちゃん」も考えたのだが・・・謎の番組「アンナ様のダーリンのチェンジ」まで空白の月曜日を埋めるべく・・・「猟奇」は明日に回すことにしました。なにしろ・・・妄想的なドラマなので妄想がとまらない可能性がありますから。

一方、連続20%超を16回に伸ばした「篤姫」・・・突然、時空が乱れ始め・・・今が西暦何年なのか・・・朦朧としています。

まさに妄想空間に突入した模様。二週連続・・・篤姫を一目見た老人男性はルルーシュのギアスされてしまうという展開です。

邪眼の持ち主なのか・・・。その力は女性に対しても有効の模様。無敵じゃ・・・「見るだけで支配できる超能力」・・・中国共産党もきっと欲しがるな。

で、『篤姫・第16回』(NHK総合080420PM8~)原作・宮尾登美子、脚本・田渕久美子、演出・岡田健を見た。例によってシナリオにそったレビューはikasama4様を推奨します。今回は名場面の解説特集とコミカル斉昭、クリムト風総天然色篤姫の豪華二大イラスト付でございます。まあ・・・セクスィー部長の運命も気になるところですが・・・篤姫の使う妖術はまさにセクスィー部長系・・・幼い頃から小松家秘伝を伝授されていたと考えると見事に辻褄があっています・・・政(まつりごと)と色恋は一緒になされぬように・・・と決めてもらいたいくらいだ。おそらく・・・秘伝の香を使用するのでしょうな。

Atuhime1855 で、今回は江戸城は異次元空間につつまれ・・・安政2~3年のいつともしれぬ春を人々は彷徨っていく。おそらく・・・奇人を装った将軍・家定(堺雅人)が大掛かりな乱心法春霞の術を使っているのだろう。もはや・・・大河ドラマなのか・・・妄想なのか判別しがたい展開である。江戸城(現在の皇居)を挟んで対峙する水戸藩邸(現在の後楽園・東京ドーム)と薩摩藩邸(現在の芝公園・東京タワー)にはそれぞれ魔方陣が描かれ・・・己が主の野望の成就のために忍びの者たちは暗闘をくりひろげるのです・・・。

さて・・・今回、初登場する忍びの者は家定の生母・お美津の方(本寿院=高畑淳子)の率いる甲州忍びの末裔たちである。武田信玄が信州・佐久を占領した時に目付けとしたした跡部氏の忍びたちで・・・徳川宗家・旗本に名を残す跡部家を中心とした忍びの衆。お美津を頭領として旗本の子女を統括する大奥組はもちろん・・・全員くのいちという・・・艶やか集団だ。特に閨房の術に優れた跡部のお美津は「秘術しぼりとり」で精力の衰えた家定の父・家慶から・・・子種を得た手練れなのである。

一方、家定は神道系の呪術・亀甲仙卜の発展系として煎餅を焼いて吉凶をうらなうほどの実力者なのだった。彼とて・・・名目的には日本の守護なのである。その役職は征夷大将軍なので・・・名目的には夷(外敵)を征さねばならない。しかし・・・それが至難であることは忍びたちの調べで分っている。煎餅でも焼かねばやっていられないのだった。

国とは「人」の集まりである・・・人の集まりにはエネルギー源である「米」が必要だ・・・そして「米」を集め守り散じるためには「武」が必要である。武家の棟梁はその武を有効に使わねばならない。かって半島に攻め込むほどの最新鋭の重武装を誇った列島の武力は鎖国のうちに旧式化し・・・時代遅れのものになっていた。その認識は海外に放った「草」からの報告で家定にもたらされている。

家定の結論は「開国やむなし」だった。しかし・・・征夷大将軍である以上・・・それを朝廷に承服してもらわなければならない。しかし・・・朝廷にもまた「愛国」よりも「愛家」の有象無象が巣食っているのだった。幕府に巣食う有象無象と同様・・・国の大事よりも家の大事と考える小人は世にあふれている。

彼らの根底には「国が滅びても我が家が栄えればいい」と言う欲望がある。

家定はそういうものたちを率いて異国と戦など無理・・・と考えている。

そして・・・そういうものたちが己の利権拡大のために「攘夷」を叫ぶに至るのを暗澹たる思いで眺めている。・・・煎餅でも焼かねばやってられないのである。煎餅はいい・・・火にあぶられてもち米は焦げ・・・その香に心が慰められる・・・のであった。

そういう家定の心を誰よりも理解しているのが島津斉彬である。後継者を持たない二人の王・・・薩摩王と幕府王はお互いの胸中を察している。

一方・・・水戸藩の黒幕・・・斉昭はすでに老いによる狂を発し始めていた。その狂を二人の忍びが支えている。一人は「その責め常に己に有り」と信ずる実存主義の藤田東湖であり、一人は「滅びても戦は必然」の軍事至上主義の武田耕雲斎だった。もちろん・・・二人とも忍者であるが・・・藤田は名とは逆に天皇の忍び小野妹子の末裔であり・・・武田は跡部忍者の分派である。

二流は外交と戦争という対外政策の二輪を形成し・・・究極の忍び理論である水戸学を守護していたのであった。その一輪が天変によって失われることも・・・また回天の神秘性を高めるのであった。

跡部の名は部曲の名残であるが・・・それが「遺跡を守護する墓守」の部民であることは・・・この時期に二系統の跡部忍軍が敵味方に分かれる皮肉となるのである。

軍事費算出のために大奥の倹約を求める斉昭の跡部水戸忍軍と・・・大奥の主である将軍生母の跡部旗本忍軍・・・権力闘争には同族相打つ悲劇はつきものなのであった。

江戸城・・・内堀に・・・外堀に名も残らぬ忍びたちの死体が浮かぶ・・・安政の初頭。

わが子可愛さに眼の曇った斉昭は家定の実力を削ぐために忍びのものを江戸城に送り込むことをやめない。

その動きをじっと見つめるのは島津斉彬の正室・英姫だった。英姫は一橋徳川家から送り込まれた目付け忍びが付いている。藤野(北原佐和子)がその中忍である。

英姫「水戸のご隠居にも困ったものじゃ・・・」

藤野「ご実家のことなれば・・・ご心痛のこと・・・」

英姫「一橋の根来衆もすっかり・・・鹿島流に骨抜きにされてしまったようじゃの」

藤野「水戸には・・・光圀公以来の全国草の流れがございます・・・なかなか・・・強きもの多くございますれば・・・」

英姫「・・・今はまだ跡部と跡部の小競り合いじゃが・・・旗本衆と親藩衆の争いともなれば・・・大事じゃ」

藤野「・・・旗本衆には譜代衆が加勢するやもしれませぬ・・・」

英姫「物憂いことよのう・・・風雅に生きることもままならぬ・・・殿のお気持ちが察せられることよ・・・。これは・・・また・・・アレじゃな・・・」

藤野「・・・篤姫様でございますか・・・」

英姫「修行によって得られぬ秘術というものがある・・・篤姫の人心掌握術は生来のもの・・・あの無垢な瞳で見つめられては・・・この身にさえ・・・熱いものがほとばしるわ・・・恐ろしき女子よの・・・贈り物のひとつもせんでは・・・身が持たぬは・・・」

二人の老いたくのいちの眼に桜の花びらがそよと動くのが映る。

江戸の各所に桜が満開の季節となった。桜花の魔力は篤姫の妖力を増幅する。

斉彬の招きに応じた斉昭の脳裏には怪しい夢の名残がある。

斉昭(島津の屋敷にのこのこと出かけていくとは・・・余も老いたものよ・・・しかし・・・心に映る女の姿が辛抱たまらぬ・・・大奥のくのいちたちとの争いで後楽園が手薄になっているとは言うものの・・・よもや・・・催眠をかけられるとは思いの他のこと・・・しかも・・・この屋敷で桜を見るに・・・暗示を解くとは・・・よほどの自信があると見える・・・薩摩のくぐり衆の実力・・・侮れぬな・・・しかし・・・お歴々の揃う中・・・まさか・・・毒もつかえまいに・・・斉彬め・・・いかなる・・・意向のありしものか・・・まあ・・・評判の姫とやらを見ておくのも悪くあるまい・・・こととしだいによっては余が・・・召し上げて・・・おう・・・そうか・・・ついに見せるか・・・ふふふ・・・薩摩の田舎姫など・・・お・・・おお・・・おおおお・・・こ、これは・・・むぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ、萌え~っ)

桜の花びらに乗せて漂う秘伝の香を嗅いだ烈公は心の扉を開かれた。そしてその無防備な視覚に・・・篤姫の顔がクローズアップされて飛び込んでくる。黒く光るその瞳は斉昭にとって観音様そのものに映るのであった。

「法蓮華・・・法蓮華・・・法蓮華」

斉昭は恍惚に包まれた。そして一物は激しく怒張するのであった。

斉彬は誘惑に耐えて・・・目を背けた。対閃光防御姿勢をとらねば危険なのだった。

「わが・・・従妹なれど・・・おそろしき女よ・・・」

斉昭はそっと法蓮華経を唱えるのだった。

関連するキッドのブログ『第15話のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『絶対彼氏』(フジテレビ)『おせん』(日本テレビ)・・・う、苦しい。

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2008年4月20日 (日)

小出恵介(24)、高岡蒼甫(26)、桐谷健太(28)、五十嵐隼士(21)、佐藤健(19)、城田優(22)・・・お前たちっ(仲間由紀恵)

他にも村川絵梨(20)、中尾明慶(19)、尾上寛之(22)、川村洋介(24)、森山未來(23)・・・なんちゃって高校生の嵐である。しかし・・・「エリートヤンキー三郎」の石井武=橋本じゅん(43=当時)がOKである以上、問題ありません。

2時間スペシャル「ROOKIES」と90分スペシャル「ごくせん」で「少年ジャンプ」→「YOU」の集英社的不良高校生=バカの三時間半・・・頭・・・カラッポになりそうだ・・・。

ちなみに小出恵介とか秋山陽介は「ごくせん」の卒業生である。今回、「ごくせん」はよりジャニーズ濃度が濃くなっているが・・・「ROOKIES」は仮面ライダー電王(佐藤健)とかウルトラマンメビウス(五十嵐)とかヒーローたちも結集している。先生(佐藤隆太)と生徒(桐谷=1ポンドの福音の紅流星)は同じ28歳なのだった。しかも生徒の方が誕生日が早いのだった。まあ・・・演技とメイクで何才だって演じられるのが真の役者というものですからーっ。

で、『ROOKIES・第一回』(TBSテレビ080419PM7~)原作・森田まさのり、脚本・いずみ吉紘、演出・平川雄一郎を見た。篠田節子の小説「転生」ではチベットのラマの即身成仏(ミイラ)が突然、ゾンビとして蘇生し・・・中国共産党帝国とチベット自治区の矛盾と相克を断片的に切り取るという荒技を展開しているのだが・・・まあ・・・少年ジャンプの描く高校球児なんていうものはそれに順ずる奇想天外さである。

さして頭の良くない連中の青春なのである・・・面白ければいいじゃないか・・・という姿勢が大事なのだな。

で・・・不良の青春とクソ暴力は切り離しては考えられないのである。それは・・・拳を交えたものだけが理解できる美しい境地とも・・・コンクリートに女子高生を埋め凄惨なリンチのあげく死に至らしめるというクソ行為とも背中合わせだが・・・人間のあらゆる行為は清濁両面を合わせ持つのであり・・・基本は結果オーライなのである。

国語教師・川藤(佐藤隆太)は空手の達人であったため・・・素行不良の生徒を諌めようとして鉄拳制裁を実行。一発殴っただけなのに吹っ飛んだ生徒(森山)は教室の最上階(原作では二階)から窓ガラスを突き破り転落・・・重傷である。

責任をとって教職を辞した川藤だが・・・試合中に相手の選手を金属バットで殴り乱闘事件を起したため・・・謹慎している野球部のある二子玉川学園から夢を失い凶暴化した野球部員の鎮圧手段として復帰を求められるのである。

「もう一度・・・若者たちの夢を応援できる・・・」青雲の志に燃えた川藤は自分が暴徒鎮圧のための生物兵器とは知らずにもう一度。教壇に立つ決心をする。

野球部員たちは事件後・・・上級生と下級生が事件の責任問題のこじれから対立。ほぼ解散状態にあり・・・野球部部室は二年生のピッチャー安仁屋(市原)をリーダーとするケンカ上等校内不純異性交遊上等ギャンブル上等飲酒喫煙上等のチンピラグループの巣窟と化していた・・・ちなみに安仁屋の父(川藤幸三)である。ついでに安仁屋の幼馴染の同級生・八木(村川)だ。

そんなグループのパシリとして使われる御子柴(小出)だったが・・・彼はまだ野球への夢を失っていなかった・・・もう一度みんなと野球がしたい・・・心の中でそうつぶやいていたのである。ちなみに姉(綾瀬はるか)である。

一方、スラッガーの新庄(城田)は恵まれた体力に溺れ・・・暴力で他人を支配する喜びに魅了されてすっかりダークサイドに転落。人を暴力で傷つけることでしか生きている実感を味わえない人格障害者になっている。

着任早々・・・彼ら主要なメンバーの担任教師となった川藤先生は「生徒たちを笑って卒業させる」という自分の夢を実現させるためにチンピラたちに体当たりしていく。

事情を知る英語教師・真弓(吹石一恵)はそんな川藤を暖かく見守るのである。

笑顔とテロに屈しない姿勢で説得する川藤を信頼し始めた御子柴たち。

それを裏切りと感じた新庄は御子柴たちを半殺しにしてしまう。止めに入った川藤も鉄拳を封印したために半殺しである。

もちろん・・・これだけの暴力が行使されれば後遺症で選手生命を絶たれ再起不能続出だなどと考えては少年ジャンプ的低脳世界は楽しめないのである。

彼らは不死身のキャラクターなのだ。

気絶するほど殴られても朝まで野球場の整備ができるほどの体力は残っているのである。

こうして・・・川藤は二時間かけて御子柴(セカンド)と関川(センター・中尾)二人の若者のハートをキャッチしたのだった。野球は九人でするので試合開始まで後七人である。

もちろん、なぐられてもたちあがる川藤の不屈の闘志は残りのメンバーの「死んだ闘魂」を揺さぶっていた模様。

できれば・・・夏までやりたいと語る番組プロデューサー・・・それは視聴率次第ということなのですな・・・。はたして・・・野球冬の時代に・・・プロ野球中継を超える視聴率を獲得できるかどうか・・・キッド的には毎回、安仁屋が部室ホテルにアイドル的ゲスト連れ込みをすればいけると思う・・・理想のラインナップ・・・宮崎あおい、なっち、蒼井優、ゴマキ、岩田さゆり、沢尻エリカ、小倉優子、南沢奈央、水崎綾女、加護亜依、上戸彩、相武紗季、岩佐真悠子で夏へ・・・体位はいつも同じにすること・・・「きゃーっ」でタイトルというパターン・・・無理だよ。とにかく・・・電王、かわいいよ、電王。

関連するキッドのブログ『エリートヤンキー三郎

で、『ごくせん(第三シリーズ)・第一回』(日本テレビ080419PM9~)原作・森本梢子、脚本・江頭美智留、演出・佐藤東弥を見た。第一シリーズ(2002年)で今の蒼井優年代の22歳だったヤンクミ(仲間由紀恵)も28歳になりました。高校生たちはメンバー入れ替えなので大丈夫ですが・・・大江戸一家に高齢化の波が・・・みんな老けた・・・しかし・・・組長(宇津井健)だけは若返りの気配が・・・。役者の色気の妙というものでございます。

人間という野獣をまとめあげ・・・社会を構築するために武力行使をどう使うか・・・。

これはいつの時代、どんな社会になっても逃れられない宿命。

全世界を敵に回し敗北、武装カ解除され半世紀以上という半独立国家・日本においてもその点は変わらない。この国では徴兵制という国家としては当然の制度も極悪と認定されるし、「敵に上陸されて占領されてもクラスター爆弾を使用」するのは不適切、毒餃子を食卓に出されても、少女を誘拐されて監禁の上、暴行殺人されても、タクシーの運転手が殺害されても、善光寺が破壊されても、「善処をお願いする」ことしかできないわけだが・・・先進国なみに人権を保護するために・・・体罰は禁止だし、警官は武装した犯罪者に対しても発砲に躊躇する・・・まあ・・・ある意味・・・素晴らしい社会である。

しかし・・・目には目を。歯には歯を。暴力には暴力を。もって制す必要があることは自明の理なのである。

「人を殴る蹴る」行為が・・・一般人にとって不快な行為であることは明白なのであるが・・・それが快感に転ずるポイントというものがある。

今回・・・赤銅学院高校に着任した秋吉百恵じゃなかった山口久美子(仲間=ヤンクミ)は例によってイケメン不良クラスを担当。

不良のリーダー格の一人・風間(三浦春馬)が強盗犯の濡れ衣を着せられたことから真犯人探しを開始するのである。

もう一人のリーダー格である緒方(高木雄也)が犯人を発見するが拉致され監禁され暴行を受ける・・・そこへ颯爽と現れたヤンクミは数十人をバッタバッタとなぎ倒して悶絶させるのである。

基本的には達人なので敵を一瞬で倒しても障害を残すようなことはしない。これだけの人数を相手だとキッドでも半分くらいは再起不能にしないとつらいと思う。一番確実なのは視力を奪うことなので・・・目の不自由な人続出になると思う。

ま・・・とにかく・・・ヤンクミは担任の先生としてかわいい生徒を救出・・・いやな渡世にまたもや一輪の花を咲かせるのである。

この殺伐とした21世紀・・・仁義を重んじ・・・義理を貫くヒロインが・・・かえってきました。

それにしても・・・仲間由紀恵はヤンクミ、山田奈緒子、千代と・・・あたり役を三つも持っているところが・・・もはや不世出の女優レベルだな。

関連するキッドのブログ『仲間由紀恵の功名が辻

月曜日に見る予定のテレビ『N.Y.式ハッピー・セラピー』(日本テレビ)

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2008年4月19日 (土)

女という暗号(石原さとみ)女という病状(天海祐希)女という虚構(貫地谷しほり)

・・・これに「女という秘書」(安めぐみ)を加えると・・・金曜日は女たちのドラマ四本立てである・・・殺す気かっ。

もちろん・・・軸となる「Around40」は「金曜日の妻たちへプラスワン」なので・・・これは「金曜日の独身女たち」からの攻撃なのである。

もう・・・よりどりみどりなのである・・・全部に付き合う必要はこれっぽっちもないのだが・・・浮気でやくざな男には罪な攻撃なのだった。泣く泣く・・・安めぐみをあきらめるのだな。もちろん・・・三人を相手にするとなると体力的にもたないので・・・それなりに手を抜くのである・・・しょうがないのだった。

それにしても「女探偵」→「女精神科医」→「女探偵」→「女秘書」と絶妙の布陣。・・・結託してんのかよ。

で、『パズル・第一話』(テレビ朝日080418PM9~)脚本・蒔田光治、演出・片山修を見た。どちらかといえば裏表のある性悪女でエリート高校の臨時の英語教師・鮎川美佐子(石原さとみ)が直観力を生かした謎の解明をする素人探偵ものである。もちろん「ケイゾク」→「トリック」→「クイズ」→「パズル」の系譜である。スピンオフである「時効警察」や合体系の「もげっ」や廉価版の「ケータイ刑事」シリーズも入れれば・・・どれだけ亜流の果てなのか・・・なのだが・・・ある意味「トリック」直系である。

「英語は日本語の方言の一種だ」とか「生徒にもしものことがあったら教師の立場がなくなる」とか「お宝いただいてずらかろう」とか・・・もう本音と建前の境界も定かでない美佐子は「どこでも良い子じゃいられない」キャラクターなのだが・・・その前にレギュラーとゲストの二人の「魔性の女」が立ちはだかり・・・さとみは女優としての真価を問われるのだった。まあ・・・なんとか・・・凌いだか・・・やはり・・・正統派の美形だからできることだな。

レギュラーの魔性の女はお嬢様学校の女生徒・松尾ゆうこ(岩田さゆり)である。なにしろ「吉祥天女」の叶小夜子で「地獄少女」の閻魔あいである。ついでに言えば「金八7」の飯島弥生(ヤヨ)だ。とろ~りなのである。石原より四歳年下だが「魔性の女」としてのキャリアがただものではないのである。しかも・・・どちらかといえばファニーフェイスなのに強引に魔性の女を演じ続けてきたツワモノなのである。

そしてゲストは金に目がくらんで被害者となる旧家の女・時恵(荻野目慶子)である。慶子が「魔性の女」であることの説明は省略するが実の妹が「洋子」であることだけはコネタとして指摘しておく。

とにかく・・・ものすごくチープトリックだが配役は豪華絢爛という理想のエンターティメントに仕上がっています。例によって「旧家の遺産をめぐる相続争い・謎解き」ものなのだがその関係者が井川比佐志、西郷輝彦、神保悟志、宮地雅子、山下裕子、井手らっきょとスキがない・・・。井手らっきょがスケキヨメイクとよどみがないのである。

「時価相当な値打ちの家宝のツボの隠し場所」をめぐるサイファ(暗号)を一瞬で解読する美佐子は「お勉強が苦手」なので最後の「初歩的なコード(暗号)」が解読できないというオチまで軽妙洒脱に流れていく。あまりにいい流れなのでのりそこなうと溺れる危険があるほどだ。

I were no way.  You can no walk.. She kill really.

いわのうえ   ゆかのおく  しきりあり

「簡単じゃねえか」・・・と凡人には計り知れない直観力を発揮する美佐子。Net→Tenから Pot→Topを推察する洞察力も兼ね備え・・・あぶり出しをあぶり出す前から見抜く視力も持っているのである。

擬似・二重人格の教師といえば「紅蓮女」だが・・・「女探偵」と相棒たちということでは「女王の教室」のアレンジにもなっている。かわいい生徒たちの「成績優秀だが間抜けな男の子たち」トリオ(山本裕典=仮面ライダーサソード・木村了=武田義信・永山絢斗=瑛太の弟)も問題ないし、それに対応した「ちょっと悪逆な女の子たち」トリオ(岩田・佐藤千亜妃・朝倉あき)も邪魔にならない。

「人間・・・死ぬ前に帳尻をあわせようとしても・・・無理なのさ」という警句もこっそりと暗示して・・・たのしい女探偵シリーズとして申し分のないスタートをきったのだった。好みと言ってしまえばそれまでだが・・・「4姉妹」とかここまでの「キミ犯」にはこのある程度の抑制がないから・・・魅力が半減するのだよな。

関連するキッドのブログ「石原さとみのナースあおい

やっぱりテレ朝とかぼやきながらやっぱり見てしまうあなたはコチラへ→お気楽様のパズル

洋館は洋子はんの奥のなまりがお気に入りのあなたはコチラへ→エリ様のパズル

で、『Around40・注文の多いオンナたち・第二回』(TBSテレビ・080418PM10~)脚本・橋部敦子、演出・吉田健を見た。「幸福」を主題とした番組ほど難解なものはないのであるが・・・この脚本家はその無謀なチャレンジを繰り返し・・・偽善嫌いの皮肉屋の監視をすり抜けて・・・そこそこの成功をおさめるという離れ業を成し遂げるのである。すごい実力だ。その剛腕は常に完全な二重構造の構築を達成するのである。

「幸せかどうかは自分で決める」というのは正論である。しかし・・・「幸せ」と感じるのと「幸せである」と考えるのは実は違うのだ。ここでは論じるために実感する幸せを「主観的幸福」とし、幸せと考えることを「客観的幸福」とする。

「幸福とは失われるまで持っていたとは気がつかなかった宝」であるという考え方があり・・・そういう意味では主人公の主観は「若さ」という「幸福」を失ったことに気がついている途中である。もちろん客観はそんなこととっくに気がついている。

結婚相談所の相談員に「あと1年早くいらっしゃってくれれば・・・」と言われる年齢。主人公は「それは自分の実感や認識とは違う」と主観的には思うのだが「誤差の範囲を想定すればそういう視点もわからないことはない」と客観的に考える。

この「主観」と「客観」のズレは彼女にとって苦痛だが・・・我慢できない痛みではない。

なぜ我慢できるかといえば・・・彼女には「女性である前に人間である」とか・・・「いつか王子様はきっとくる」などという夢想を抱くインナーチャイルドを心に巣食わせているからである。もちろん・・・極めて知能に優れ、理性的である聡子(天海)にとって「心の中の少女」を合理化することは容易であるのだが・・・同時に真の支配者が「自分」なのか「彼女」なのかを判別することは極めて困難になっている。

タイトルバックで示される「黒いウサギの腹の中で白いウサギを食べる自分」はそのシンボルであり・・・このドラマは「悩める乙女の成長物語」と「深刻で過酷な現実からの逃避の話」を同時進行していくのである。

聡子は「完璧な幸せなどない」と知りつつ「完璧な幸せ」を求める愚かな人間であると同時に・・・「完璧な人間などいない」と知っているから「自分が完璧でない」と認めることのできる賢い女でもある。こうした複雑な人間を描こうとすると「なんだかわからなくなる」ものなのであるが・・・この作者は「見せ掛けの物語」である「やせ我慢でも自分なりの筋を通す」主観を追うことで・・・どんどん苦境に向かっていく主人公をオブラートに包んでいるのである。そのために客観的には「かわいそうな女」は主観的に「そんな風に決め付けないで」と「間違っているのは自分でない」という希望を持つことができる。つまり・・・主観的幸福と客観的幸福の谷間で彼女は青い鳥を探し続けることができるのである。

基本的に聡子は「臆病」である。彼女が「相棒」の相棒(寺脇康文)を後輩(大塚寧々)から夫の相棒の弁護士として紹介され最初のデートをした後で性交渉を持ったかどうかは微妙だが・・・とにかく・・・にゃんにゃんにゃにゃにゃにゃんにゃんにゃんピーチパイと歌うほどの高揚感を得たのは間違いない。そういう気分は「幸福」の範疇に入ると思うが・・・聡子はそれを「幸福」とは考えない。彼女にとって「幸福」はもっともっと極上のもののはずだからだ。失ったら生きていけないほどの素晴らしいもの・・・それが幸福だ。もちろん・・・そんな素晴らしいものに手を出すことはできないのである。だってもしもそんな「幸福」が失われたら・・・どんな恐ろしいことになるか・・・想像もつかないからだ。

そういう聡子の心情を夫と息子に舌打ちされ傷心の女友達(松下由樹)はまったく理解できない。もちろん・・・そういうタイプだから真心弁当を食べ残され・・・家族に拒絶されてしまうのである。つまり空気の読めなさでは聡子と似た者同志なのだ。一方・・・理性では聡子に匹敵する後輩は聡子の人格の異常を理解しているのだが・・・それを修正する方法が発見できない。「折り合いをつける」という簡単なことがどうしてできないのか・・・不思議なのである。

もちろん・・・聡子も女友達も後輩も「幸福」の探求者という点では見事に一致しているキャラクターだ。女友達は基本的に「依存」・・・後輩は基本的に「妥協」という必殺技を持っている。

これに対して主人公はあくまで「理想」で戦うのである。もちろん・・・現実では絶対完敗なのだが・・・ドラマだから奇跡的勝利が待っていることは間違いないだろう。

今回の相棒の相棒との出会いが「限りなく理想に近い幸福への招待状」であるにも関わらず・・・聡子が「仕事だけじゃ女性は幸せになれない」という言葉に拘泥し・・・「そんな今までの自分が不幸だなんて言う人はイヤ」と拒絶するのは・・・あまりにも大人気ないと思う人がいるかもしれない。しかし・・・彼女は影の支配者である「心の中の少女」に「あの人以外と結ばれるのは絶対にダメ」と命じられているので仕方ないのである。

「あの人」が「父親(林隆三)」であるのか・・・「かって結婚したいと願ったカメラマン(近日登場と予想)」であるのか・・・それともどこにもいない「白馬にのった王子様」であるのか・・・それは謎である。もちろん・・・自転車に乗ったケチ(客観)でエコ(主観)のカウンセラー(藤木直人)が「あの人」に勝利して「邪悪な魔女から聡子を解放できるかどうか」・・・この作者の「本当はこわい人生の童話作り」は準備万端整えていると思われる。

アリスよ。アリス・・・キミがいつまでも少女のままでいてくれたら・・・僕はどんなに幸福だろう。しかし僕は知っている・・・そんな幸福は現実にはないことを・・・。

アリスよ。アリス・・・キミは自分が一番と知っていながら姉妹を常にねたましく思っている。そんな複雑なところが・・・僕は愛しくて愛しくてたまらないんだよ。

アリスよ。アリス・・・キミの話を聞かせておくれ。もっともっと聞かせておくれ。

関連するキッドのブログ『第1話のレビュー

一話より楽しかったあなたはコチラへ→アンナ様のAround40

ドリフも温泉もなしが不満なあなたはコチラへ→まこ様のAround40

で、『キミ犯人じゃないよね?・第二回』(テレビ朝日080418PM1130~)脚本・林誠人、演出・石川淳一を見た。とにかく・・・脚本・荒井修子待ちである。今回は貫地谷しほりがオカマを演じて「いっひっひ」と笑うところ以外には見所なし。荒井がこういう場面ばかりを集めて一本作ってくれることに期待するばかりだが・・・それはあまりにも期待しすぎなんだよな。

今回もゲスト・新山千春が犯人。要潤が一目惚れして、草々のようにイカ串を大人買いして、最初の被害者、中盤の被害者、最後の被害者(最初の被害者が加害者の過去の隠された殺人)と三人の死者を残し、妹(小島藤子)の「要としほりはお似合い」発言あって簡単なトリックをさくら(貫地谷)が暴いて小銭を稼ぐ・・・以上である。

作品内で自分で自分を批判する作者はそんな自己弁護しているヒマがあったら「阿部寛と仲間由紀恵」の二人が・・・せつないほどのお似合いのカップルであることを・・・脚本は一度も具体的には書いていないことをもう少しじっくり研究してもらいたいと思うのだった。

しほりと要はそうなる可能性のあるコンビだが・・・それをあからさまに提示してしまってはものすごく興醒め・・・ですよ。

同じ日に同じようなものでテレ朝は困ったものだと言いながらついつい見ているあなたはコチラへ→お気楽様のキミ犯人じゃないよね?

パズルとキミ犯(ただし一週遅れ)、ワンセットでいいんじゃね?というあなたはコチラへ→ikasama4様のセット

日曜日に見る予定のテレビ『コードギアスR2』(TBSテレビ)・『篤姫』『サラリーマンNEOシーズン3』(NHK総合)『猟奇的な彼女』(TBSテレビ)

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2008年4月18日 (金)

幸せになりたいと願うことはいけないことですか?(上野樹里)

たとえば・・・麻薬に耽溺した人間が・・・そうなる前の自分に戻ろうとしたり・・・麻薬からできるだけ遠ざかろうとしたり、麻薬に耽溺しなかった人間と同等の権利を主張したり・・・そういう「悪さ」や「弱さ」を包み込む「優しさ」を自分や他者に求めるとき・・・そこには必ず戸惑いがあるだろう。本人も戸惑うし周囲も戸惑う。

おそらく・・・適度に病んでいるという意味で「ふつうの若者たち」が・・・小さな群れの中で鑑賞する映画「キャンディ」(2006オートラリア)・・・麻薬中毒の主人公を演じるヒース・レジャーが現実に薬物中毒死するという・・・なんともいえない展開を秘めた作品である。

ソフトな表現を使えば「薬品の過剰摂取による事故死」ということになるし、ハードに言えば「ヤクでおっちんだ」ということになるので・・・そして21世紀は20世紀よりも複雑に病んでいることになるのだな。

日本は経済的な豊かさから・・・自由と平等に恵まれた国家である。だから・・・人々の心は病んでいるというのがこの世の面白いところなのだ。「病気」を診断するのは「医師」で・・・ゆとりがなければ「患者」は「医師」と出会うことはないのであり・・・ゆとりがあるからこそ・・・患者は増えていくのである。

そうした・・・複雑な社会で・・・生きていかねばならない・・・若者たち・・・それは結構大変なんだろうなあ。

で、『ラスト・フレンズ・第二回』(フジテレビ080417PM10~)脚本・浅野妙子、演出・加藤裕将を見た。キッドはどちらかといえば暴力の信奉者である。人間が動物の一員である以上、調教にあたって体罰は効果的であり、芸をしこむには時に不可欠なものであろう。たとえば・・・筋肉をつけるために・・・効果的な運動はほとんど苦痛を伴う。腕立て伏せ100回など・・・強制されなければ誰がやりたいと思うだろうか。人によってはそれぞれの意志で選択した行為であれば・・・この苦痛は本人の意思によるものだ・・・と言うかもしれない。しかし・・・時には暴力による恐怖を感じなければ本気でトレーニングしない場合もあり、そういう時は・・・己の意思の弱さを克服するために他者の強制が望ましい場合もあるのである。・・・まあ・・・ようするに「しごきの是非」である。

かって・・・エリートは皆・・・しごきに耐えたという伝説がある。エリートとは特権階級であり・・・奴隷を支配するものだ。その支配には責任と義務が伴うのである。そのために激しいしごきによって心身を鍛える。しごきに耐えられないものは死ぬほどのしごきである。それを克服したものだけが支配する権利を得られるのであり・・・集団の指導者として認められる。いわゆるひとつのスパルタ社会だ。

もちろん・・・現代でも・・・それは続いている。集団生活でいじめが発生するのは自然なことだし、弱肉強食で弱いものが死においやられるのもまったく自然のことだろう。

おいおい・・・それは勘弁してくれ・・・と言うものがあるかもしれないが・・・本当のことだから仕方ない。

しかし・・・主人と奴隷に分かれて暮らすことはなかなかに辛いことだ・・・という考え方があって・・・誰も支配しないし支配もされない・・・フレンドリーな集団が楽なのではないのか・・・という概念を生み出す。その信念に基づけば暴力など古臭い・・・時代おくれの考え方であり・・・助け合って生きていけば・・・つらいことは何もないじゃないか・・・ということになるのである。はたして・・・本当にそうなのか・・・とキッドはいつも疑問に感じている。

たとえば・・・恋人とドライブをしていて・・・突然、エンジントラブルになり・・・見知らぬ町で立ち往生した時にゾンビの群れに襲われた場合、素手で100人くらいは殺戮できるキッドだからこそ今、この駄文を書いていることができるのである。

よく・・・銃はよくないというが・・・かよわい少女が野獣のような男に囲まれて貞操の危機に直面した時・・・銃器の扱いの心得があれば野獣を射殺して事なきを得ることも可能なのである。少なくともリップスティックのマーゴ・ヘミングウェイはそうだった。

あらためて申し上げるがこれはジョークではない。キッドは本気でそう思っている。犠牲者として悼まれるよりも敵を倒して今、生存している方が少なくともおいしいものが食べられるのである。死者に花を手向けて死者がそれを見ることができるかどうかは半信半疑だからである。

さあ・・・もう・・・誰もいなくなったかな・・・。

そういう意味では・・・宗佑(錦戸亮)には何の問題もない・・・と考えることもできる。主人は奴隷の安全について責任を持つべきで・・・奴隷が無能で愚かな場合はある程度、暴力による調教も必要なのである。放任すれば・・・悪い仲間と知り合って麻薬とか始めるかもしれないし・・・つい気が迷って不純異性交遊におよびエイズに感染したりするかもしれない。そのためには檻に入れておくのが理想だが、放牧が必要であれば、盗聴器や盗撮カメラを使って常時監視下に置かねばならない。情報端末などをコントロールするのは基本中の基本である。そうでないと心配で心配でたまらないじゃないか。僕の子羊ちゃんがすごく危険な目に遭うかもしれないのだから・・・。

それを異常とか・・・人格障害とか・・・頭がおかしいと決め付けるのは・・・変じゃないか。

しかし・・・それを健全な人間とは言えないと考える人が多数派であれば・・・彼は異端者として糾弾されてしまうだろう。それが・・・不確かで漠然とした正常な社会というものだからだ。

ふふふ・・・とにかく・・・エクソシストのテーマソングのような宗佑の主題にのって・・・宗佑が「暴力の苦手な人」には悪魔そのものでしかない行動に出た後・・・心身ともに傷ついた美知留(長澤まさみ)が・・・「暴力をふるうなんてそんな人だと思わなかった」とさっさと警察に出頭し傷害罪で告訴しないのは・・・美知留の中に・・・宗佑の正しさを感じる部分があるからなのである。

いや・・・そうではない・・・彼女は優しくて・・・宗佑が本当の愛に気がつくのを見守っているのだという考え方もあってもいいが・・・本当の愛って何だよ。

それでは・・・なんとなく同性愛者である瑠可(上野)はどうなのであろうか。

同性愛者は基本的には種の保存本能の否定者である。それは遺伝子という生の肯定者からすれば・・・人類を滅ぼすための毒そのものであるという見方もできる存在だ。

人類が全員同性愛者になり・・・異性による性交を邪とすれば人類は一世代で滅亡するのである。キッドはもちろん悪魔の使徒であるからそれで滅びるならそれはそれで面白いと思うのだが、同性愛者にとってはそんな極端なことはありえないのだから・・・一種の変態としてひっそりと認めてくれ・・・あるいは差別しなくてもいいじゃないか・・・と主張するのである。

人々はそういう嗜好を時には病気であると診断したり、個人の自由と命名したりするだけだ。

だが・・・主体性を持たない・・・あるいは意志薄弱な美知留が男の恋人に暴力をふるわれ個体生存を脅かされるのと同様に・・・女の恋人の愛を受け入れ種としての生存を脅かされるとなると・・・もう困った人たちだなあ・・・と微笑む以外にはないだろう。

しかし・・・セックスに対する嫌悪感で性的不能であるとか・・・同性しか性愛の対象にできないとか・・・恋人を拘束しないと安心できないとか・・・そういうかわいそうな人たちは現実にいて・・・どうも増加している・・・と考える人々はいる。

しかし・・・多くの人間は・・・ああ・・・自分は男で女を愛せて幸せだとか・・・女で男に愛されて幸せだとか・・・あるいはオレはブタしか愛さないので煩わしくなくてよかった・・・とか・・・このドラマを楽しむのかもしれないし・・・自分の病的部分をドラマで発散して・・・偽りの健全な社会生活営む合理的解消に役立てたりするのでしょう。

そういう意味でこのドラマはなかなかに美しい一面を持っているような気がします。

まあ・・・心理学から精神医学そして脳科学・・・脳解析学と科学が発達し・・・心が質量で計れるようになると・・・そういうものはガンが不治の病から治療可能な病になったように単なる処置可能な揺らぎになってしまう可能性はあります。

もちろん・・・そうして病的な人が一人もいない世界を・・・悪魔が望んでいるのかどうか・・・それは言わぬが花というものなのです。

まあ・・・とにかく・・・不完全な人間がよりそって・・・時にはぬくもりを感じあったりして・・・それを幸せと呼ぶのであれば・・・一人の男と・・・一人の女に愛されて所有権を争われる・・・美知留は人の足を踏むことでしか性的興奮を得られない令奈(西原亜季)よりも・・・快感に恵まれていると言えるのです。それをうらやましいと感じる人は変態ですが・・・かわいい人だと思います。

タイトルバック的には主要な登場人物が集団リストカットで血まみれ・・・意志は薄弱だったが生命力に優れていた美知留だけが生き残るというラストもなかなかに清々しい。そうなると美知留の胎の仔の父親が平田満である可能性は0.00000000000000000000000001%くらいはあるのかも。

視聴率は↗15.9%と2.0%のアップでした。

関連するキッドのブログ『第一話のレビュー

さて『新・科捜研の女』も開始したのだが・・・こちらはいたって健全に楽しめる犯罪ドラマなのである。第一回は豪華ゲストである。いきなり死体が佐藤仁美である。また盗聴マニアで加藤虎ノ介(四草)も登場した。そして、監察医の娘として風丘亜矢(松元環季)。「プロポーズ大作戦」の礼の少女時代を演じたあの娘である。まあ・・・アブノーマルな人間ほどこういう健全さを求めるものだと考えます。なんだか・・・さっぱりしていると思ったら『バッテリー』が水泳中継でお休みなのだった。まあ・・・これを機会に「ラスト・フレンズ」で変態の限りを尽くす方向性・・・。それも運命か。「科捜研」は視聴率13.4%で順当なスタート。

土曜日に見る予定のテレビ『ROOKIES』(TBSテレビ)『ロスタイムライフ特別編』(フジテレビ)『ごくせん』『2クール』(日本テレビ)『トップセールス』(NHK総合)『天才刑事』(テレビ朝日)こうなりゃヤケだ『パイレーツ・オブ・カリビアン』(フジテレビ)・・・やはり・・・土曜日・・・ドラマ多すぎ・・・。

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2008年4月17日 (木)

別の私が目を覚ますの・・・きれいな泪こぼすのよ。(上戸彩)

・・・ついに来た水曜日の決戦・・・。レビュー一本化における最初の試練である。

なにしろ・・・明日未来特撮アクションの「ケータイ捜査官7」VS鑑識・夏樹(加賀美早紀)の「警視庁捜査一課9係」VS上戸彩・北村一輝のひと夏のパパペアによる「ホカベン」VSもうなんだかすごいことになっている「週刊真木よう子」である。

いきなり・・・「ケータイ」が超音波で精神制御という荒技をゲスト悪役(手塚とおる)でくりだしてくる・・・警官が小学生を射殺寸前である・・・ちびるだろ・・・一方・・・加賀美早紀はワザとやっているとしか思えないチラリズムの極地・・・後姿で始まり画面奥へ・・・イノッチが美形警戒警報でも発令しているのか・・・しかも被害者の妹・セーラールナの小池里奈である・・・そして・・・上戸彩はいきなり百恵である・・・以前からたくさんのポスト百恵はいたわけだが・・・今回のスーツ姿のファースト・ショットはまさに百恵だ・・・絶対百恵。・・・そして・・・真木よう子は「栞と紙魚子」のAV演出家・井口昇の脚本で狂気の「地獄甲子園」監督・山口雄大の演出で「怪奇筋子女・極道編」である・・・もう意味不明の上にゲスト阿部サダヲが殺人ダーツを投げまくるのだ・・・もう・・・何を語ればいいのか・・・見当もつかないよ。

だから・・・もう・・・百恵・・・いや「ホカベン」でいいや・・・脚本陣・・・ギリギリ踏みとどまっているし・・・。視聴率は*8.8%というおめでたい数字だったけどさ。これは上戸の初主演作「ひと夏のパパ」(平均*5.6%)の初回と同じというミラクルなのである。ちなみに「9係」は*9.7%で「相棒」「斉藤」と同じくダンスはしているらしい。

で、『ホカベン・第一回』(日本テレビ080416PM10~)原作・中嶋博行、脚本・阿相クミコ(他)、演出・佐久間紀佳を見た。脚本監修が・・・例の人なので・・・おっかなびっくりだったが・・・まあ・・・なんとかセーフだったな。脚本陣ががんばったのだな・・・きっと・・・う、撃たないで・・・。それにしても・・・見る前からこれだけ・・・マイナス要素の人をなぜ起用し続けるのか・・・そこが一番・・・謎だよ。

もちろん・・・いきなり・・・女優の思わせぶりなナレーションで入り・・・思わせぶりなクライマックスシーンの先出し・・・そして・・・場を弁えないセリフの応酬と・・・お茶の間を戦慄させる病気ぶりは相変わらずだが・・・とにかく目をそらしておくことにする。

司法と市民生活の乖離という問題提起は申し分ないからである。それは「ドラゴン桜」でも成功している・・・ちょっとした常識へのひねりであり・・・この題材を選択するということが・・・企画者として評価されている・・・ということなのかもなあ・・・。

炊きたてホカホカって言うより出来立てほやほやの方がしっくりくるキッドだが・・・とにかく・・・新人弁護士・堂本灯(上戸)の物語である。彼女は弱者の味方がしたくて法律家を志し・・・大手の弁護士事務所に新規採用されるほどのエリートなのだが・・・とにかく・・・ちょっと現実を洞察できないタイプなのである。

あくまで営利を追及する巨大法律家企業・エムザのお飾り部署である・・・プロボノ(pro bono)部門に配属された彼女が・・・全体像を把握したり・・・本質を直感できないために・・・痛い目に遭うというのが第一回のストーリーである。

その部門の上司が杉崎(北村)である。ボランティア要素の強いプロボノとは相反するバリスタ(法廷弁護士)でバリバリ稼ぐスター弁護士(りょう)とはなにやら因縁があるらしく・・・態度は世を拗ねたスタイルである。

もちろん・・・新人弁護士の技量もはからず・・・事態をこじらせ・・・クライアントの傷害事件発生という最悪の事態に至らせるのは・・・すべて・・・杉崎の監督不行き届きであるが・・・ドラマなので・・・それは不問に付されるのである。

まあ・・・専門家の育成というものは素人が想像すると・・・ちょっとこわいものなのだな。

たとえば・・・医者の外科手術である。誰もが麻酔をかけられ・・・お腹を切られている間に新人の最初の執刀にめぐり合う可能性があるわけで・・・ちょっと妄想すると・・・キッドは絶対に手術はイヤだと・・・思うのである。

先輩「じゃ・・・ちょっとやってみて・・・」

新人「・・・き、切ります・・・あ・・・」

先輩「うん・・・ちょっと切り過ぎたね。でも・・・最初はそんなもんだ」

新人「・・・こ、これ・・・おかしくないですか・・・出血が・・・」

先輩「うん・・・だめだけどね・・・オレも昔はよくやった・・・」

新人「・・・あ・・・これ・・・失敗ですね」

先輩「うん・・・失敗って分るってことは・・・いいことじゃん・・・」

新人「・・・あああああああ」

先輩「ちっ・・・・」

人間・・・運不運だよな・・・。サスペンダーって知ってますか。あの・・・ズボンをつってる奴ね。で・・・サスペンスは・・・つりあげるっていうことです。もうつりあげられてしまうとハラハラドキドキなので・・・どうなるんだーオレはーってところが醍醐味です。

法律家だって同じことで・・・合法的な殺人である死刑を含めて・・・人命にかかわる仕事であることは間違いない・・・。基本的に法律の枠内で生きていないから・・・顧客は弁護士に頼るわけですから・・・とにかく・・・灯は・・・その点を何一つ学んでいない・・・ということになり・・・それはバカすぎる・・・しかし・・・ドラマですからーっ。

とにかく・・・灯が最初に担当することになった手術・・・案件は・・・単純な離婚争議ではない・・・相当に深刻な病状だったわけです。つまり・・・いきなり難しい手術にめぐり合ったと言えます。

お茶の間にはかなり状況が見えています・・・依頼者の妻(富田靖子)は夫の家庭内暴力かなり悪質・・・さらに幼い娘(石井萌々果)に対する性的虐待を知り・・・娘を連れて逃亡中。とにかく・・・一刻も早く離婚を成立させて夫の魔の手から娘を逃したい・・・しかも・・・できるなら内密で・・・とかなり切羽つまっている。

しかし・・・普通の人間で・・・しかも新人である灯はそれが見えません・・・「夫がギャンブルで生活費を入れてくれないので離婚をしたい」という妻の意向をふまえず「娘さんの将来のことを考えて和解を考えたらどうか・・・」などと見当違いの意見を提示します。さらに「暴行の跡」を発見すると「暴力は許されないから裁判するべきだ」と暴走を始めるのです。

医者で言うと盲腸の手術をするのにいきなり心臓にメス入れちゃった段階です。いくらなんでも上司は「バカっ」と注意するところですが・・・杉崎はドラマを盛り上げるためにもう少し灯を泳がせます・・・。この理不尽さに耐えられないとドラマから脱落しますが・・・キッドはいつものことなので馴れてきました。かって堀北も・・・仲間も・・・受けた無謀な脚本監修や脚本の試練を今上戸が受けているのです。暖かく見守るしかありません。

そして・・・世慣れた街の弁護士によって夫側は人権保護法に基づく娘の保護に成功します。

このあたり・・・本当は逃亡中の母子がどのように居所を夫側につかまれるか・・・それをじっくり見せて・・・世間知らずの灯のうっかりミスで居場所発覚という段取の方がスムーズだと思いますけどね。

とにかく・・・灯は弁護士で裁判官ではない・・・両者の言い分を聞いて慎重に判断するのではなくて依頼人の信頼に応えるのが仕事・・・そんな基本中の基本を無視していくのですから・・・もう少し丁寧に・・・まあ・・・いいか。

「娘に悪戯するのが生きがいの夫に娘を奪われてしまった・・・もう・・・娘を守るためには夫を殺すしかない」と決意した妻。

依頼人の殺人未遂・・・。ショックの灯に依頼人は「この役立たず」宣言です。

お約束の雨に打たれ・・・しかし上着のボタンははずさず・・・失意の灯を前世父親だった杉崎が鉄拳制裁です。

「お前がモタモタしていたせいで依頼人は人を刺したんだぞ・・・お前に逃げる場所はありませんよ」なのである。っていうか・・・そうなったのは上司であるあんたの判断ミスでは・・・などと考えてはいけません。

逮捕された妻の接見をする灯。

妻「なんで泣いてるの?」

灯「泣いて・・・・グス・・・なんか・・・うえーん・・・いませ・・・ううう・・・ん」

爆笑である。このオチがやりたいだけなのが・・・ものすごく面白く・・・今後の展開が心配なのである。まあ・・・しかし・・・これが現代日本・・・というものなのかもしれない。

とにかく・・・青い果実・灯は・・・クライアントが望むなら私どんな手段を使ってもいいわ、いけない弁護士だと噂されてもいい・・・という信念への一歩を踏み出した模様です。・・・しかもいきなりつづくです。

関連するブログ『上戸彩のアテンションプリーズ

金曜日に見る予定のテレビ『パズル』(テレビ朝日)『Around40・注文の多い女たち』(TBSテレビ)『キミ犯人じゃないよね?』(テレビ朝日)・・・三本立ての悪寒が・・・。

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2008年4月16日 (水)

男を見る目がなさすぎるのよ(上野なつひ)だってプログラムなんだもん(相武紗季)

・・・ふふふ、伊藤美加(上野)である・・・ドラマ「4姉妹」では死体だし・・・映画「フラガール」ではほとんどセリフなし・・・。なにしろ・・・85年組なのである。「エコエコアザラク」で四代目黒井ミサを演じて以来・・・あまり・・・いいことがなかった末に・・・バリバリの仇役である。梨衣子(相武)も・・・85年組だが・・・人気の割りに視聴率にめぐまれず・・・ここである。

悪名高い「レガッタ」のメンバー多数で・・・ロボットファンタジー・・・ものすごいギャンブルなのだな・・・。

とにかく・・・「無理な恋愛」が二回目にして・・・やはり無理だったので・・・もう圧倒的に「絶対彼氏」が浮上してくるわけだが・・・来週は85年組のダークホース蒼井優が「おせん」で猛攻してくるのである。火曜日のレビュー一本化は本当に・・・実現するのだろうか・・・。ちなみに視聴率は「絶対彼氏」13.1%、「無理」↘*8.0%だった。

それより・・・上野・・・本当はいい人(相武を鍛えるためにあえて意地悪)展開はないのかーっ。

で、『絶対彼氏~完全無欠の恋人ロボット~・第一回』(フジテレビ080415PM9~)原作・渡瀬悠宇、脚本・根津理香、演出・土方政人を見た。「ライフ」の脚本家が・・・安定した力を見せるかどうか・・・まあ・・・思い切りベタっていうことですがーっ。

まず・・・原作からの最大の変更は主人公が高校生から社会人にチェンジしているところ。

しかし・・・基本的に子供化した社会なのでこれは問題ないだろう。主人公はとにかく好きになったらガンガンいくし・・・あまり男を見る目がないのに・・・妙に自信家だったりする・・・不安定で未成熟な女の子である。これは・・・相武紗季にははまり役なのではないか・・・。

「がんばっていきまっしょい」「アテンションプリーズ」「華麗なる一族」と成功した方の相武はこの「かわいいけどちょっとバカ」のタイプであった。

とにかく・・・「ロボット」を段々と好きになっていく役である・・・ちょっとバカでないと成立しないのだな。

だが・・・もちろん・・・バカでなくても機械を好きになることはある。キッドはかなりバカではない方だが・・・人間よりガンダムの方を愛していると思う時があるし・・・キューティーハニーなんて大好きだ・・・お前・・・バカだろ。

とにかく・・・どう見ても速水もこみちのアンドロイド(原作ではフィギュア)を手に入れた梨衣子は半信半疑でその存在を受け入れるのである。

梨衣子の理想の彼氏タイプなので・・・モデル体型でH度はちょっとHなのである。もうどういうHな機能がついているのか・・・関心は高まるのだが・・・きっとそこはスルーだと思う。・・・だってそんな・・・お茶の間だからな。

しかし・・・起動のためのキスは問題ないらしい・・・だって相手・・・機械ですから・・・変な気持ちになるほうがおかしいですよー・・・と言いつつカーテンを閉めるのが乙女というものでございます。

さて・・・人間そっくりのロボットといえば・・・「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」のディック的懐疑論であり・・・映画「ブレードランナー」のレプリカントの哀愁が基本である。

ロボットが人間的であればあるほど悲しいのが宿命である。だってロボットなんだから。

これは朝鮮人がいくら日本人と似ていても日本人ではない悲しさとはレベルの違う悲しさなのだ・・・その例えはどうだろう。じゃ、中国人が・・・もういいよ。

ロボット「梨衣子が好き」

梨衣子「そうやってプログラムされているからでしょ」

ロボット「そうだよ」

・・・なのである。しかし・・・無能に見えるけれど・・・実はお菓子(スイーツ(笑))作りの天才を匂わせる梨衣子のように・・・名もないロボットもまたただのプログラムとは言えない何かが潜んでいる・・・かもしれないのだ・・・ドラマだからな。

まあ・・・ここでは・・・心はノイズに過ぎないという信念があるので・・・つまり・・・人間も所詮プログラムの集合体にすぎないからだ。

たとえば・・・梨衣子の男の好き嫌いである。上司の創志(水嶋ヒロ)は嫌いで・・・石関(姜暢雄)は好き・・・という梨衣子・・・それはピーマンの好き嫌いと同様に単純なプログラムに過ぎない。ピーマンが嫌いなんていうのは修正されるべき誤作動であるが・・・社会が許容すれば・・・誤差の範囲になってしまう。そのためにチンジャオロースーが食べられなかったりスパゲティーナポリタンを食べるのにすごく時間がかかったり馬鹿馬鹿しいのだが・・・それもまた個性だという考え方である。

その結果・・・梨衣子はひどい傷心を味わうことになるのである。意地悪な友達・美加の陰謀で実は美加の愛人である石関に弄ばれ・・・ひどい目にあってしまう。

しかし・・・それもすべてプログラムの問題にすぎない。

そんな愚かなプログラムしか持たない梨衣子をあくまでお慕いするアンドロイド・・・。梨衣子のためには体が損傷しても厭わないし・・・どんなに梨衣子が愚かでも・・・ひたすら梨衣子の味方なのである・・・そんな機械を邪険にするようでは・・・ヒロインの資格はないのである。

だから・・・早くも・・・ロボットの献身に心を動かされる梨衣子・・・。ついにロボットに名前を授けるのだ・・・。ナイト(速水)である。いい大人のロボットがナイトとかつけられて恥ずかしいだろうに・・・ナイトはひたすら喜ぶのである・・・なにしろ・・・彼は理想の彼氏なのだから・・・。

もう・・・ロボットと人間の禁断の恋・・・。これは来てます。きっと新型とか・・・作動不良とか・・・モデルチェンジとか・・・女性タイプとか・・・少年型とか・・・合体変形とか・・・巨大化とか・・・ロボット対自衛隊とか・・・もう・・・すごい展開になっていくはずで・・・まあ・・・ならなくてもいいですけど・・・。最後は創志とナイトの二者択一かしら・・・。とりあえず・・・故障した時とかは・・・わざとらしいSE足してくれてもいいのに・・・。ウイ~ンって。

関連するキッドのブログ『東京タワーのもこみち

Hcinhawaii0358 ごっこガーデン・梨衣子の部屋セット。まこふふふ・・・ついにロイドがロイドでロイドの世界デス・・・全裸ロイドデスアンナ相武先輩・・・こわがらないで大丈夫ぴょん・・・もこロイドにキスするぴょん。アンナはもう慣れ慣れなのぴょんエリでも・・・相武先輩は人間?・・・それとも相武ロイドなのかしら・・・?・・・人間ってロイドとどう違うの・・・エリには時々わからなくなりまスー。人間も本当はみんなロイドだったりして・・・はうぅん・・・とりあえずアレをチェックしまスー

Hcinhawaii0359 ごっこガーデン・空中散歩セット。お気楽別に恋人機能なしでいいから・・・こんなロボット一台欲しいのね・・・どうせなら・・・ジェットで空飛ぶ機能つければいいのに・・・ミマム鹿男の先生たちが・・・ロボットの博士たちに・・・ついつられてしまう私・・・来週も見てしまいそう・・・くう難しい理論はともかく・・・とりあえず・・・ヒロロイドはおみやげにもらっていきます・・・もうオプションはフルセットでヨロシクっ

ところで地球の人口が66億6666万6666人を突破していた・・・(推定)・・・まもなく獣の数字の666並びである66億6千万人から66億7千万人(推定)になるのである・・・。とにかく・・・獣の数字マニアが不祥事をおこさなくてよかった・・・。→世界の人口

木曜日に見る予定のテレビ『ラストフレンズ』(フジテレビ)

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2008年4月15日 (火)

私は生きる・・・(福田麻由子)会津・・・最強・・・(柴咲コウ)

ふふふ・・・「日本沈没」ではなく「日本およそ半没」あるいは「日本かなり陥没」である2006年度版「日本沈没」・・・。韓国では反日感情によって初日大入り満員だったのだが「日本が完全に沈まない」結末と分り観客が激減したという噂がある。映画の出来のせいではないと信じたい。

原作小説を読後・・・スッキリした人と絶望に打ちのめされた人がいると思われ・・・評価は分かれる。

戦後20年(1965)あたりの構想開始では原作者は「日本が沈没しちゃったらウヒョウヒョこりゃおもしろい」という感じだったのだが、10年もかけて書いているうちに悲壮になってしまったと妄想している。原作も新旧映画もテレビドラマも基本はメロドラマ。特にキッドは「いつか・・・地球のどこかで・・・」と小野寺(藤岡弘)と阿部(いしだあゆみ)が荒野を対向する列車に乗って壮大にすれちがっていく1973年度映画版ラストに・・・感動した経験がある。

そういう意味で・・・新作の沈みきらない中途半端な結末は・・・甘いと言えば甘いのだが・・・男が死んで女が生き残るという点では逆にシビアであるとも言える。

本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「ゴチスペシャル」14.8%(星野真里かわいすぎる、森泉お嬢様すぎる)「Around40」15.7%(エコにケチをつける気も満々だ)、「Mr.&Mrs.スミス」14.9%(おバカなコメディーできちんと暴力描写・・・ラスフレはまだまだなのである)、「キミ犯」*8.3%(ふふふ・・・荒井版までに最悪の状況になるかな)、「オトコマエ」10.6%(木曜時代劇が短縮されて土曜時代劇に・・・)、「トップセールス」*9.2%(かなり面白かった)、「アンフェアtm」17.6%(とにかく嗣麻子はさすがだ)、「ロスタイムライフ温水」↘*9.9%(防衛庁汚職も家族愛で打ち消しって爆笑展開)、「法律事務所」14.1%(さすらいの弁護士・・・水谷豊にしかできないな)、「篤姫」↗23.7%(吉田松陰捕縛・・・この駅には止まりません)、「日本沈没」15.6%(大作の視聴率ではないな)、「スビード2」*9.9%(これのファンがいたからか・・・)・・・以上。

で、『特別ロードショー・日本沈没(2006年)』(TBSテレビ080413PM9~)原作・小松左京、脚本・加藤正人、演出・樋口真嗣を見た。深海探査艇の艇内で田所博士(豊川悦司)が顔をしかめ、左右の目が変形するシーンでは本家・小林桂樹に準じており・・・微笑ましい。名場面だからな・・・試算により・・・日本沈没が1年未満と分るシーンでは「ものにあたる」演出があるのだが・・・もういい加減・・・別の表現を考えた方がいい。

本家・山本総理(丹波哲郎)は難民少女・美咲(福田)を助けた阿部(柴咲)の死んだ祖父として写真で登場。新作ではなんとなく小泉総理(石坂浩二)となんとなく小池大臣(大地真央)になっていて・・・総理大臣は序盤で墜落死してしまう。このあたりはすでにTBSが中国共産党の制御下にあることを匂わせている。とにかく・・・原作よりアメリカの態度は冷たく・・・中国については不透明な展開である。

ロシアとかはドサクサにまぎれて北海道を占領・・・日本沈没を信じていない・・・そのまま沈没という展開も充分考えられるのに・・・そうはならない。

っていうか・・・新作ラストだと・・・占領成功してしまうのだな。

沖縄がどうなったのか・・・言及がないのだが・・・無事なら・・・臨時政府や皇室も沖縄に置かれる可能性は高い。スイスに行ったのでは・・・皇室帰還はかなり波紋を呼ぶだろう。国体を護持するのだって「朕はどうなってもいいから国民を助けてほしい」という昭和天皇の降伏の論理が破綻してしまう。ここは・・・最後まで国内に残って沈む覚悟だったのに奇跡がおこるという展開であるべきだったと考える。

とにかく・・・小野寺の魂はツバメになって会津若松の生家で待つ母(長山藍子)の元へ帰還るのだった。

つまり・・・東北地方でひきこもっていると・・・なんの問題もなく・・・生存できたのである。東北の火山はなめられたのである。

そういう若者はかなりいたのである。それもすべて小野寺のおかげである。

・・・最近、地震が多いと思っていたら・・・『月曜ゴールデン・山村美紗13回忌 狩矢警部シリーズ4・京都阿修羅王殺人事件』の途中で臨時ニュースが入る。前田亜季を見たいのになんていうことだ。大和田獏の娘の大和田美帆とか、悪い顔になってきた金子さやかとか結構楽しみにしてたのに・・・まあ・・・伝統芸能講師の涼風真世が犯人で昔やくざの組長夫人で生徒の大和田美帆が生き別れの娘で間違いないと思うが・・・えーっ・・・あと四年で日本沈没って・・・マジかよっ・・・ま・・・いいか。・・・家から出られないのに国外脱出なんてできるかっての。へー・・・結構すごいことになってんのな・・・おいおい・・・阿蘇山噴火で総理大臣死亡かよ・・・あ・・・今のニュースに出ていた看護婦さん・・・前田愛に似ていたなー。前田姉妹息長いよなー・・・ところでネットとか大丈夫か・・・こりゃ・・・ラジオとか買っとくか・・・AMなんてまだ放送してんのか・・・ある意味びっくりだよな。テレビもアナログ買い替えなくてよかったな・・・って沈む直前に地デジ時代が一瞬くるのかな・・・まあ・・・こんな非常事態に政府発表を鵜呑みにするひきこもりはいないよな・・・ちょっと内閣情報調査室のコンピューターをハックしてみるか・・・ありゃりゃーなんだよ・・・残り三ヶ月切ってるじゃん・・・。まったく・・・それなのにテレビで「増えてます地デジ」って総務省・・・あこぎにもほどがあるだろう・・・しかし・・・光ケーブル意外に耐震構造だな・・・まだ通じているよ・・・そうか・・・しかし・・・さすがに中継点が持たないよな・・・しかし・・・電源さえ確保できれば録画したまま一度も見てないアニメとか・・・未開封のゲームとか死ぬほどあるからな・・・しかも・・・家・・・太陽光発電で自家発電可なんだよな・・・。まあ・・・火山灰で日照時間に難があるけどな・・・食料はおいしいごはんとツナ缶あれば問題ないしな・・・なにしろ・・・コンビニとかいかないしな・・・あー・・・おふくろ・・・いいよー・・・とっとと逃げてー・・・ちっ・・・邪魔すんな・・・なに・・・オレを置いて逃げられないって・・・じゃ・・・逃げなきゃいいじゃん・・・ケケケ・・・大変だなあ・・・海外移住って・・・まあ・・・金持ちはとっくに逃げてるよな・・・原作の発想の原点て彷徨えるユダヤ人だからな・・・教養があって勤勉な日本人・・・きっと嫌われまくるよな・・・オタクだって・・・実際間近にいたらキモイことになるだろうしな・・・でもハリウッドや中国に進出していた芸能人はラッキーだよな。ああ。だからモ娘。とか中国人入れてたのか・・・つんく抜け目ないよな・・・在日芸能人は半島芸能人と厳しい生存競争かあ・・・草彅剛は韓国語しゃべれて有利だよなあ・・・お・・・北海道真っ二つかよ・・・あー・・・奈良の大仏水没・・・ってこれよく中継できるな・・・そうか・・・五輪みたいにイベント中継料発生しているのか・・・救難ヘリより中継ヘリだよな・・・おお・・・九州火の海だよ・・・まさに火の国九州だよな・・・あーっ・・・もうツナ缶切れた・・・でもカップ麺あるしー・・・大阪・・・グリコがグリコが・・・フォッサマグナが発作を起したとか・・・昔・・・よく言ったよな・・・現実に裂けるとは・・・本州真っ二つかよ・・・しかし・・・東北地方・・・平穏すぎる・・・こりゃ・・・座敷童ほんとうにいるのか・・・すげえ・・・いよいよ・・・富士山噴火かよ・・・ドラゴンヘッドより灰少なめだよな・・・っていうか・・・犯罪者っていうか・・・エゴのぶつかりあいとか・・・本当に日本人って・・・いざとなると潔いよな・・・マジか・・・さて・・・いよいよとなると最後はなんだろう・・・ジブリって感じじゃないし・・・やはり・・・ガンダム・・・いやキューティーハニー・・・樋口はやはり特技監督だけしてた方がいいかもね・・・ガメラとかね・・・隠し砦の三悪人はどうなのかなーって・・・ええーっ・・・日本沈没終了かよ・・・なに・・・おふくろ・・・オレがひきこもっていたおかげで命拾いしたって・・・バカだな・・・そんなことで泣くなよ・・・。

関連するキッドのブログ『笑う大天使

水曜日に見る予定のテレビ『ケータイ捜査官7』(テレビ東京)『週間真木よう子』(テレビ東京)『警視庁捜査一課9係』(テレビ朝日)・・・鑑識の夏樹(加賀美早紀)は出るのかどうか・・・見所そこだけだな・・・『ホカベン』(日本テレビ)もうほとんどビックリ箱をあける気分だよな・・・う、撃たないで~。

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2008年4月14日 (月)

嘉永六年は永かったが・・・嘉永七年はあっと言う間じゃのう・・・。(宮﨑あおい)

さあ・・・加速してまいりました・・・あれだけ長かった1853年が終った瞬間・・・ほぼ、1854年は一瞬で通過です。まあ・・・篤姫にとっては・・・穏やかに過ごした江戸の日々ということでございますから・・・。いいんですけどね。

さて・・・春ドラマがスタートして・・・ここまでを振り返ると・・・お茶の間の年齢層と・・・キャスティングの年齢層をめぐる工夫というものがそこはかとなく臭ってくる。

まず「無理な恋愛」はともに高めである。これで11.7%スタート。次に「ラストフレンズ」はともに低め。13.9%だ。そしてミドルに合わせた「アラ40」は15.7%なのである。その中で・・・「バッテリー」(*9.6%)は剛速球、「トップセールス」(*9.2%)はかなりの変化球である。

「トップセールス」は題材が70年代で・・・青春ではなく・・・青春の終わりからスタートするという新機軸なのである。もちろん・・・団塊の世代狙いなのだ。「無理な恋愛」とヒロインが同じというアクロバットであわせてみるとタイムスリップしているような気になる。現代編では売れ残り女優・・・70年代編では飛び込みでセールスマンになってしまう・・・夏川結衣なのである。キッドはなんとなくそうやって見ているとものすごく面白く感じる。今度は「無理な恋愛」がどう感じるか楽しみなのだ。

そういう意味で宮﨑あおいという若手ナンバーワン女優を使って・・・幕末という・・・この大河ドラマの23.7%はものすごく理にかなっていると思う。

年寄りは・・・若い者が好き・・・と昔から相場が決まっているからなのです。

で、『篤姫・第15回』(NHK総合080413PM8~)原作・宮尾登美子、脚本・田渕久美子、演出・岡田健を見た。例によってシナリオにそったレビューはikasama4様を推奨します。今回は調伏を真面目に考察してみよう研究付でございます。まあ・・・フィクション濃度の濃い今年の大河・・・チクチクしてもちょっと楽しい特集になっているようです。

Atuhime1854 で・・・なにしろ・・・本編が西郷吉之助を斉彬がお庭方(直属の陽忍)として採用という展開なので・・・しかも「忍びに忍び目付け(陰忍)をつけている」と斉彬がセリフとして言う展開。妄想の邪魔をしないでくれーっ・・・という気分になりました・・・。こうなっては・・・もう・・・真面目に妄想するしかないのでございます。ええ・・・もうみんな忍者ですからーっ。

さて・・・まず年号について。1854年は嘉永六年の暮れから嘉永七年の暮れまででかなりすっきりしていますが・・・1855年は嘉永七年が暮れに安政元年に変わり、そして安政二年の暮れまで続きます。つまり・・・嘉永七年・安政元年・安政二年が1855年に同居するわけです。とにかく・・・篤姫が江戸に来て1年・・・斉彬の病などはあっても平穏な日々がすぎていったわけです。

次に薩摩藩の江戸藩邸について。江戸は基本的には幕府直轄地ですから・・・土地は幕府から各藩に付与されていることになります。一方で町人の勃興による経済の拡大により・・・土地の権利に対する様々な金銭的もつれが生じている時代ですので・・・力のある藩はそれなりに私有地的な土地利用もしていました。薩摩は江戸と江戸近郊に藩の屋敷を複数(最大7~9)所有していたとされています。大名屋敷は江戸城との距離に従って上屋敷(最も近い)中屋敷下屋敷などとも呼称しますし、本邸(大名が居住)としての本屋敷、倉庫としての蔵屋敷など用途としての名称もあり・・・また住所としての芝屋敷、三田屋敷、高輪屋敷としての名称もあって紛らわしいのです。

ここでは・・・芝屋敷を上屋敷・・・斉彬が江戸城登場のために使うオフィス。三田屋敷を本屋敷・・・斉彬一家の住居と藩士のためのオフィス。田町屋敷を蔵屋敷(下屋敷)・・・藩士の住居と物資貯蔵庫。そして高輪屋敷を中屋敷・・・前藩主・斉興の隠居先と考えます。この他にも渋谷屋敷(当時としては江戸郊外の田舎)などがあり・・・火事などの災害の場合の避難施設となっていた・・・これなどを下屋敷としておきます。

で、西郷吉之助はくぐり衆(薩摩の忍び)から大抜擢されて斉彬直属の部下になるのです。しかし、その行動はまた別の集団に監視されています。つまり、斉彬は少なくとも二つの忍び衆をコントロールしているのです。ここでは便宜的に西郷くぐり、東郷くぐりと呼称します。

まず、薩摩藩主には公式な家来のルートがあります。薩摩においては小松くんが家老としてその頂点に立ち、江戸においては川上くんが江戸家老として仕切っています。

それに対して・・・西郷は下級武士として密命を受ける忍びになるのですが・・・そこで西郷は江戸くぐり衆の頭目になる・・・その西郷にも目付けが付く・・・別のくぐり組織(東郷くぐり)があるということです。

平和な社会とは階級社会であり・・・階級社会であれば監視社会である・・・という冷たい認識が浮かんできます。

同時に呪詛・調伏というある意味、スーパーナチュラルな手法を使わなくとも・・・幼い子供の命を奪うことは簡単に可能であったということです。

斉彬には知られただけでも11人の子供がありますが・・・天寿を全うしたのは側室・須磨の娘・典姫だけ・・・という不幸が続きます。幕末で英雄的な大名として名を残した斉彬の悲劇性はこれだけでも充分伝わるのです。

それが・・・すべて父親の愛人である・・・お由羅の陰謀というのはいかにも無理がありますが・・・久光との相続問題で揺れていた嘉永元年の次男・寛之助の夭折(四歳)には由羅が容疑者として浮上するのはやむを得ないでしょう。しかし・・・由羅もまた久光以外に一男一女を夭折で失っているのです。

英姫も男子一名を生んでいますが夭折・・・。そうなると他の子供たちは皆・・・庶子ということになり・・・正室の嫉妬という意味では・・・彼女もまた容疑者の一人になります。

須磨以外の三人の側室もみな・・・子供を夭折させていて・・・それぞれに動機はあるわけです。

また虎寿丸は近衛忠煕の娘との婚約が予定されており・・・それを好ましく思わない権力者の意向(朝廷側にも幕府内にもある)も関係してきます。

少なくとも・・・虎寿丸には英姫付の一橋根来衆、お由羅の飼う公儀隠密くずれ衆、斉昭の鹿島神道衆、反近衛の藤原の忍び、同盟者の福井藩の松平慶永の越前卍党・・・など・・・ものすごい数の忍びが群がっている。薩摩くぐり衆の必死の防戦虚しく暗殺された可能性は充分にあるのです。

そして・・・たとえ不審死だとしても・・・相続者の死はお家騒動(不祥事)につながることから病死として届けられるのが通例で・・・真実は闇の中なのでしょう。

徳川家康と伊達政宗の血を引く・・・島津斉彬の胸中にどのような復讐の炎が燃え上がったか・・・想像に難くない。

斉彬「仮病じゃ・・・吉之助・・・我はじっくり考えた・・・薩摩藩の世継ぎとして生まれ・・・育った我が・・・子さえ残せぬ・・・その原因はなにか・・・とな・・・我は・・・思い当たったのじゃ・・・この世は・・・腐り果てたのだと・・・吉之助・・・我は・・・いっそ・・・こんな世など滅びてしまえ・・・と呪いたい」

西郷「殿・・・お殿様・・・お労しか・・・お労しゅうございまする・・・じゃっどん」

斉彬「何も申すな・・・吉之助・・・愚痴じゃ・・・しかし・・・我の身に何かあれば・・・この思い・・・吉之助には哀れと・・・感ぜよ・・・我は命を捨てて回天の挙に出るのじゃ」

西郷「・・・」

一方・・・くぐり衆くのいち筆頭の幾島は高輪薩摩藩中屋敷の庭にいた。燈籠に浮かぶ合図の炎に一人佇むお由羅は闇を見据えて微笑む。

由羅「・・・藤田か・・・久しいの・・・三田の屋敷で分れて以来か・・・いくらか肥えたの」

幾島「お由羅様は・・・月日の流れもない様でござりまする」

由羅「忍びの化粧じゃ・・・あたいも老いたわさ・・・郁姫は残念じゃったの・・・」

幾島「近衛のお家に忘れ形見をお残しなれば・・・心慰められまする・・・」

由羅「ふふふ・・・上方で雅になったの・・・公家の味はいかがじゃった・・・」

幾島「殿方に上も下もございませぬ・・・」

由羅「・・・藤田・・・いや・・・幾島か・・・お主の今度の玉は・・・なかなか・・・面白そうじゃ」

幾島「・・・姫様にはくぐり衆総出で目を配りますゆえに・・・」

由羅「手出し無用と・・・この由羅に釘を刺しにまいったか・・・」

幾島「おそれいりましてございます・・・」

由羅「・・・ふふふ・・・敵は意外なところに潜んでいるもの・・・福井の坊主どもには気をつけることじゃ・・・」

幾島「・・・卍・・・」

由羅「・・・篤姫のご機嫌伺いの件は承知した・・・旦那も・・・叔父が姪に会うのに何の支障があろうと言ってるし・・・まあ、きっと・・・評判のお姫様で目の保養をしたいんだねえ・・・」

その頃・・・土佐の下忍・坂本龍馬は一時帰郷のために東海道を下っていたが・・・江ノ島では長州一の狂い忍者・吉田松陰が密航に失敗していたのである。

関連するキッドのブログ『第14回のレビュー

さて・・・『日本沈没』も堪能したのだが・・・明日・・・船越ミステリがつまらなかったら・・・語ることにしたい・・・。

火曜日に見る予定のテレビ『絶対彼氏』(フジテレビ)・・・ふふふ・・・火曜日今回はバラバラのスタートでうれしいよ・・・。

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2008年4月13日 (日)

今度こそいいママになるから(篠原涼子)・・・信用できない(向井地美音)

・・・どんな育児放棄ママでも大好きなママを信じる美央(向井)・・・今回は自家用車爆破に巻き込まれて負傷入院のあげく細菌兵器に感染である。しかもママ(篠原)は抗血清(毒消し)を手に入れても事件解決優先なのであった。母親ゆずりの不死身の体力があるから・・・それでいいのか・・・。

原作はもちろんグダグダなのであるが・・・脚本家が隙なくまとめあげ・・・原作者関係の他作品よりもずっと良質なアンフェアシリーズ・・・「ホカベン」の若手作家もこれを見習ってがんばってもらいたい・・・なぜ・・・この原作者が・・・自分たちを監修するボジションなのか・・・不条理でも耐えるのだ・・・社会とはアンフェア(理不尽)なものだから・・・う、撃たないで~。

で、『土曜プレミアム・アンフェア the movie(2007)』(フジテレビ080412PM9~)原作・秦建日子、脚本・佐藤嗣麻子、監督・小林義則を見た。刑事・雪平夏見(篠原)と警察の裏金の機密文書をめぐる攻防戦は・・・「アンフェア」の開始(2006年1月~)から「スペシャル」(同10月)を経てようやく完結である。ドラマ映画化そしてオンエアというこの時差と集金方法はあこぎだが常套手段と化しつつある。まあ・・・県立高校の入学式に入学金未納のため出席させてもらえない経済的弱者にはムカつく手口も・・・気にならない人には気にならないだろう。この格差は・・・正義の心にもあり・・・登場人物たちは正義心の格差によって対立して・・・ついには八方塞になるという結末は非常にアナーキーで微笑ましい。

原作者はつかこうへいの弟子であるので・・・こういう商業的な反骨魂は受け継いでいるのだな。

いわば・・・「戦争で死ねなかったお父さんのために」・・・の系譜なのである。

・・・太平洋戦争に参戦した隣の父親は戦場で敵の金玉痛快丸かじりで玉砕だったのに・・・そうでなかったお父さんは肩身がせまいという痛烈な皮肉は・・・警察が不正を行い、警察が市民を殺害する・・・かもしれない世の中の皮肉に転じているのだな。もちろん・・・つかこうへいほどには爆笑を誘うことはないわけだが・・・それは時代の格差なのであろう。

さて・・・複雑な人間関係によって・・・何がどうなっているのか・・・わからないお茶の間のためにネタバレの連打を妄想していくのでご注意ください。

主人公・雪平は人命よりも法を優先する一児の母である。映画版には出張のために登場しないジャーナリストの元夫がある。彼女と同様に刑事だった父親は警察内部の不正を暴くための組織を結成し警察によって暗殺されている。彼女は父の秘密を知るが、警察内部の権力闘争に過ぎない不正者と不正告発者の対立には懐疑的であくまで一匹狼をつらぬく。不正があればそれを暴くだけだという立場だ。

警察の不正組織の幹部である入江(大杉漣)は末端に粛清実行部隊を持ち、警察組織の防衛の名目で不具合のある警察官を暗殺したり、冤罪に陥れ社会的に抹殺したりしている。ある意味では警察という組織は上層部の汚職のために存在しており・・・犯罪の予防・摘発はその余波であるという信念を持っている。

単独で極秘機密(警察組織の裏金の実態ファイル)を捜査する雪平の車に入江の指示で警察は爆弾を仕掛け・・・身代わりとなったベビーシッターは死亡。娘の美央も負傷する。

美央の入院した豊洲警察病院は対テロ対策に特化したハイテク要塞病院で・・・生物兵器の研究施設も完備していた。

この病院をテロリストが占拠。病院には検査入院していた警察庁長官がいて人質にとられる。警察はSATを突入させるが・・・隊員たちはすべて警察の不正を告発し無実の罪で投獄された過去を持つ元SATの指揮官・後藤(椎名桔平)の同志だった。

その頃・・・射殺された看護師によって隠されたため脱出不能となった美央は病院内を彷徨う。

入院中の元警官のハッカー蓮見(濱田マリ)を解放したテログループは警察のコンピューターに侵入し・・・「不正にプールされた裏金80億円」の送金を警察上層部に迫る。警察が拒否すると長官を射殺。病院内の細菌兵器を使って都民の殺害を予告する。

同時に長官の遺体から暗号解読のための情報を得た蓮見は極秘情報にアクセスするのだった。

一方、看護師を射殺したテロリストの戸田(成宮寛貴)は精神的に動揺し・・・細菌兵器の輸送時に転倒・・・空気感染する致死率ほぼ100%の細菌に感染する。この時、唯一の抗血清を後藤が戸田に対して使用しないのは脚本としては穴だが話を盛り上げるためではなく、後藤も動揺していたのだと解釈する必要がある。

とにかく・・・そのために院内を彷徨っていた美央は戸田とともに感染病棟に隔離されてしまい細菌に感染してしまう。

雪平は娘救出のために病院内に排水施設から侵入。雪平にずっと片思いの警視で検視官の薫(加藤雅也)も仕方なく同行する。

テロリストの交渉窓口に指名された公安部の管理官・斉木(江口洋介)はかって不正を摘発しようとして恋人を警察に暗殺された過去を持つ。侵入した雪平の情報が筒抜けになるために彼もまた内部通報者のリストに上がる。

そして・・・現場の指揮をとる警視で特殊班の山路(寺島進)もまたかって蓮見の愛人であったために限りなく疑わしいのである。

不正組織と不正告発組織の対立により・・・警察内部は誰が敵で誰が味方なのかまったく不明な状態になっているのだった。

警視たちが複雑な人間関係で暗闘を繰り返す間に警部補の雪平は細菌を奪還し・・・抗血清の入手に成功・・・間一髪で美央の命を救う。それが可能なのは雪平が不死身の美人だからなので・・・文句をつけても始まらないのである。

蓮見が薫を監禁、後藤が蓮見を銃撃(死亡未確認)、斉木が後藤を銃撃・・・。

そして・・・極秘情報と80億円は斉木の手に渡るが・・・地獄から生還した雪平が斉木を逃がさない・・・。

正義と正義の対決・・・。「撃てよ・・・俺は撃つぞ」という斉木を何者かが狙撃。

機密情報を手に入れた雪平は・・・80億円を寄付して・・・斉木殺害犯人の捜査を始めるのである。もちろん・・・機密情報は人質になったのだ・・・「私の孤高な調査を邪魔するものは・・・警察上層部でも許さない・・・」なのである。

まあ・・・庶民の悪と特権階級の悪には格差がある・・・というみもふたもない結末ですが・・・それが真実というものですから。悪が存在すると国民全員が知ってもどうにかなるわけではないというのは中国毒餃子を食べるより明らかですからね。

関連するキッドのブログ『アンフェア・スペシャル

月曜日に見る予定のテレビ『狩矢警部シリーズ4』(TBSテレビ)『TR・ゲスト・パフューム』(NHK総合)

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2008年4月12日 (土)

歯磨けよ!宿題やったか?結婚しろよ・・・泣く(天海祐希)いただき!(貫地谷しほり)

・・・女、39歳、一人温泉帰りにホームにて号泣である。ここまで淡々と涙の理由のフリが続くオーソドックスな展開。『僕の生きる道』シリーズの脚本家42歳ぐらいの作品である。『ナースのお仕事』の松下由樹や『百年の恋』の筒井道隆など脇役陣とも馴染んで・・・「結婚と仕事と人生に悩む女」をそつなく描いていく。

一方、「トリック」「おみやさん」「相棒」「ケータイ刑事」「探偵学園Q」とある意味、姑息なトリックの職人脚本家48歳くらいは演技力抜群の貫地谷しほりを迎えて姑息なトリックを炸裂させている。まあ・・・この脚本家よりも・・・「もげっ」で革新した荒井修子のヴァージョンに期待しているわけだが。

ああああああああ。金曜日も二本立てかよっ・・・おまけに天使テンメイ様の軽い感想宣言で・・・悪魔としての対応焦点拡散にも対応しないといけないのだっ・・・。こうして一日一本化計画は早くも挫折の危機を迎えているわけだが・・・まあ・・・計画通りに行ったことなんかないのだから・・・いいか・・・。

で、『Around40~注文の多いオンナたち~・第一話』(TBSテレビ080411PM10~)脚本・橋部敦子、演出・吉田健を見た。昔からいい脚本は凡庸な演出家にも秀作を与えるし、凡庸な脚本は優秀な演出家に駄作を授けると言われるわけだが・・・この脚本家は・・・この格言の例としてあてはまると思う。基本は地味なのだが・・・ひとつひとつの場面、ひとつひとつのセリフにムダがなく・・・気がつくと登場人物たちの気持ちがわかってしまうのである。

そして・・・終盤・・・今回で言えば「社会的にも認められた仕事について容姿端麗だけど未婚の40歳直前の電車に乗り遅れたオンナが号泣」という悲哀が無理なく伝わるのである。

そして・・・一転・・・彼女の福音となる・・・新しい出会いが訪れ・・・それがコミカルな波乱を含みつつ・・・次回を期待させる・・・連続ドラマとして・・・全く文句のない展開である。

とにかく・・・視聴率云々は別にして昨日は20代向け青春群像劇としてフジテレビ得意の「ラスト・フレンズ」・・・今日は大人向けオンナの人生劇としてTBSテレビ得意のコレと・・・王道の連打なのであるな。フジが宇多田ヒカルなら・・・TBSは竹内まりやである。

おそらく・・・ドラマファンはこういうのが見たいのである。しかし・・・そうでない人はマンネリだと言うし・・・時には視聴率も下がる・・・そうなるとスタッフは奇をてらいたくなる。ところが奇をてらって視聴率はさらに下がったりする。もう・・・何が面白いのかわからなくなってしまうのだ。だから・・・たまには王道に帰ってみるのは正しいと思う。

かってのオヤジはプロ野球観戦、オフクロは専業主婦の時代なら・・・そこから外れる人はちょっと変わった人だった。しかし・・・男女雇用機会均等法施行以来・・・価値観の多様化は社会の中核を奪ってしまった。もはや・・・ちょっと変わった人しかいないのである。

そういう時代の王道って困難だし・・・よほどの天性が求められる。そういう意味で昨日も今日もある種の天才脚本だと思う。

これで15%ぐらいの視聴率が確保できれば成功という時代なのかもしれない。

たとえば・・・今回で言えば・・・主人公の同窓会からは・・・離婚の問題は軽く省略されている。パーセンテージで言えば・・・離散家庭の問題はもう少し深刻なはずである。しかし、同窓会に参加しなかった男友達(筒井道隆)がおそらくそういうポジションであるのだろう。

産まず後家という言葉があり・・・それはかなり腐羊水的な危険なニュアンスの言葉であるが・・・主人公が「子供を生むことを前提に40代未婚の異性」を求めると片桐はいりに全否定されてしまう年齢だったりすることも・・・後添えとしての父親の再婚相手(加賀まりこ)の配置でバランスがとれている。

「自分が幸せかどうかは自分で決めたい」と主張する主人公も志を同じにしていたはずの後輩(大塚寧々)に裏切られると・・・心穏やかにはいられないのだった。

ほらほら・・・配役がすごく・・・計算されているのである。

それでも人は人生に年齢制限はないと・・・意地を張りたい時があるし・・・そうでも思わないとやってられない時があるだろう。

そして、もう40歳なのか・・・まだ40歳なのか・・・ここは悩みどころである。しかし・・・最近・・・父親が「似てきたな・・・」という主人公の母親は40歳で他界なのである。

つまりタイムリミットはあるのである。なぜなら人生はゲームだからだ。ファンタジーのロスタイムライフと違って試合終了時間は未定のこのゲームで・・・プレイヤーがどんな素晴らしいプレイを展開してくれるのか・・・。心の病の専門家(天海)と心の悩みの専門家(藤木直人)がトライする大人の恋愛ゲーム・・・スタートの笛が今、吹かれました。

ちなみに『注文の多い料理店』を連想すると・・・『注文の多い通過点』がだじゃれタイトルとしては無難だと思う。もっと毒を入れると『注文多いとノーリターン』とかもあるかな。あと『注文の少ない在庫品一斉処分』・・・もういいか。

関連するキッドのブログ 『藤木直人のホタルノヒカリ

               『藤木直人のプロポーズ大作戦

                                 『藤木直人のギャルサー

で、『キミ犯人じゃないよね?・第一回』(テレビ朝日080411PM1115~)脚本・林誠人、演出・植田泰史を見た。毎度おなじみのミステリ・コメディーである。「トリック」「時効警察」「モップガール」など歴代アベック探偵ものに続き・・・小説家の卵・さくら(貫地谷)とお坊ちゃん刑事・宇田川(要潤)の登場である。で・・・問題は・・・ケータイ刑事シリーズでお馴染みの鑑識の柴田(金剛地武志)の転属である。はっきりいってどうでもいい。あえて言うなら主役がらみで遊ぶべきだろう。少なくとも・・・さくらの子役は八木優希でないとダメではないかと思う。・・・まあ・・・あくまで・・・個人的な感想ですからーっ。

「ケータイ刑事」シリーズは今をときめく宮崎あおいや・・・堀北真希などを生んでいるし・・・それなりにステータスはあるのだが・・・金曜ナイトドラマはもう少しメジャーで・・・もう少しイージーではないのだと考える。

「探偵学園Q」も微妙に・・・ケータイ刑事ノリがあって・・・それが失敗していた。

たとえば・・・今回は最初の密室トリックがヒモを使ってドアの前にものを置くである。

で・・・今回の主人公さくらは「瞬間画像記憶保持」と「推理小説マニア」という二つの個性を持っているのだが・・・このトリックを解明するのはおそらく・・・後者の個性によるものだろう・・・。そのための説明が不足しているのです。

「ヒモでドアを閉めるなんてトリックの基本中の基本ですよ」ぐらいで始めて・・・ヒモを使ったトリックの古典の作品名ぐらいはあげる・・・という緻密さが必要なのである。

そうしておけば・・・ありふれたトリックを使う言い訳にもなるし、主人公のキャラも立つのだ。

ケータイ刑事ではこういういい加減さがある意味、味なので・・・つまり、リアリティーのなさを開き直ってるわけである。今や・・・演技力に定評があり・・・それなりに期待を持って見られる貫地谷には不向きな作品に対する姿勢と言える。

こうした・・・バランス感覚の不足が決定的になるのが犯人のミキ(黒谷友香)が第2の密室トリックのために室内に潜んでいて・・・隙を見て室外から来たように思わせる時のセリフである。

さくら「どうしてここに・・・?」

ミキ「気持ちの悪い声でここに来るようにと電話があって・・・」

・・・ミキは一体どうして・・・気持ちの悪い声の電話の指示に従う必要があったのだろうか・・・?・・・少なくとも一切必然性がありません。

こうした・・・トリックを成立させるための不自然さは・・・トリックを暴くための快感を激しく減ずるものではありませんか?

そうすると・・・ボケ担当の刑事・太宰(渡辺いっけい)の捜査ミスも・・・犯人に惚れたために逃がそうとしてさくらに手錠をかけてしまう大ボケかます坊ちゃん刑事も・・・劇中ドラマの悪徳刑事を演じるささやき刑事(升毅・友情出演)の快演も・・・・「いもじょうちゅ・・・」の要・しほりのバナナ食べつつキス顔共演も・・・天才「かしこまりましたー」も・・・すべてトーンダウンしてしまうのである。

この・・・ヴェテラン脚本家の・・・手抜き工事の失態を新鋭・荒井修子が拭いさることができるか・・・この期待があるために・・・仕方なく・・・二本立てなのだった。

のほほん・・・と見せるためには・・・スタッフはのほほんとしていてはいけない・・・と思う。

最後に・・・さくらはミキのファンだったというくだりがあるのだが・・・そのとってつけた感・・・寒気がしましたよ・・・。

さくらの妹役でおはガールの小島藤子が登場。姉妹には隠された過去があるという横筋があるのだが・・・この妹の出し方も・・・ほとんど工夫がない・・・。まあ・・・脚本家の情熱がもうこぼれてしまっている後だというのはよく分かります。

関連するキッドのブログ『貫地谷しほりのちりとてちん

               『貫地谷しほりの風林火山

日曜日に見る予定のテレビ『コードギアスR2』(TBSテレビ)・『篤姫』『サラリーマンNEOシーズン3』(NHK総合)『日本沈没』(TBSテレビ)

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2008年4月11日 (金)

オレのタマを信じないのか?(中山優馬)ありがとうありました(宮沢りえ)蹴られた(長澤まさみ)キスした(上野樹里)

・・・木曜日かっ。木曜日・・・結構つらいな。

こういう時には視聴率だ。「バッテリー」↗*9.6%である。ジャニーズ版中学生日記だが・・・実力主義と封建主義の対立は温故知新なのであるな。そういう意味でちょっと歯ごたえがある。「7人の女弁護士」(新)10.1%なのだ。コンパクトな2時間ドラマという内容で・・・決め台詞が「逃げる場所はありませんよ」(旧)と「残された答えは・・・ひとつです」(新)と両方あったりして・・・腰がすわっていない。キッドとしては釈由美子でキューティーハニー大人版をやればいいのに・・・と思うだけだった。「渡る世間は鬼ばかり」↘12.0%(渡鬼でも下がる時代)、そして「ラスト・フレンズ」(新)13.9%である。・・・また微妙な数字を・・・。ちなみに「ひみつのアラシちゃん」10.0%、「ミニミニ大作戦」*9.3%、「みなさんのおかげでした」17.4%だった。

木曜日10時の伝統のドラマ対決が消え・・・TBSテレビ勝ち逃げである。なんとなく・・・そういうところにも中国共産党汚染局の匂いがする。・・・考えすぎだろう。それにしても五輪聖火リレー関連の開催国擁護報道は恐ろしいほどに徹底しているな。まあ・・・放送権がらみで五輪ボイコットにでもなったらモスクワ五輪の時のテレビ朝日みたいなことになるからな・・・。中国はそういう駆け引きではソ連や大日本帝国より洗練されていると考えることもでき・・・さらに恐ろしいのだが。

もちろん・・・大多数の日本人にとってチベット人の人権なんてどうでもいいし、毒餃子事件さえなかったことにする勢いなのである。政治色の強い映画を作っておいて半島人の監督が「上映自粛は日本のイメージをダウンさせる」などと発言することこそ黙殺するべきだろうがしない。

虚仮の一心という言葉がある。愚者でも集中力はあなどれないということである。中国はあらゆる手段を使って岩を砕くし、チベット人は叶わぬ願いを祈る。そして世界はポーズとしての人権擁護を唱えるし、日本人は知らぬ存ぜぬを押し通す。それで・・・いいのである。

で、『バッテリー・第二回』(NHK総合080410PM8~)原作・あさのあつこ、脚本・相良敦子、演出・清水一彦を見た。「タマが速いことが神である」ということを信仰する中学生・巧(中山)と一番の信者・豪(高田翔)は魂のバッテリー(野球において投手と捕手のコンビのこと)なのである。投手は亭主、捕手は女房なのである。プロ野球において捕手はいろいろな投手とコンビを組むことが多く、浮気ものとされる。

さて・・・そんな巧はジャニーズ事務所なので髪を切れないのだが、豪はジャニーズ事務所なのに髪を切るのだった。

なぜなら・・・中学一年は丸刈りが野球部の伝統だからである。

しかし・・・巧は「髪の長さとオレのタマの速さは無関係」と断固、丸刈りを拒否する。

そして・・・バッテリーの間に亀裂が走る。

豪「お前が丸刈りにしないと俺はお前のタマを捕れないよ」

巧「お前は野球部のルールを信じるのか、オレのタマを信じるのか、どっちなんだ」

豪「なに、中学生みたいなこと言ってるんだ」

巧「中学生だからだよ」

まあ・・・研ぎ澄まされたものというのは・・・視野がせまいものである。しかし、バカとハサミは使い様なのである。女房役の豪(巧のタマに惚れて進学コースを変更したほどの信者)はちょっと融通の利かない巧(豪は自分のタマを捕れるのでちょっと好き)をどのようにコントロールするのか・・・見物である。

視野の狭さは母親譲りの巧。母親(斉藤由貴)の憎たらしさは過剰気味である。キッドが息子だったら刃傷沙汰は避けられない勢いだが・・・そこがまたいいのである。

まあ・・・もしも・・・キッドが中学生でどうしても髪を切りたくなかったら・・・ひっそりと校則厳守教師を闇から闇に葬るのが一番だと考えますけれど・・・。そうすると教師が誰もいなくなってしまう場合があり・・・それでもいいのかと自問自答です。

「自由」と「平等」のせめぎあう最初の空間・・・それが中学校。もちろん・・・個人差はあり・・・小学校でそういう折り合いのついてしまうものも・・・大人になってもつかないものもいるわけです。そのあたりをじっくり見せていくのは・・・やはり・・・中学生日記なのですが・・・巧好きの矢島繭(宮崎香蓮)と豪好きの伊藤春菜(梶原ひかり)が「尺八よ」「フルートよ」と性的技巧の優劣を論じ合うのもほのぼのとしていいのです。・・・それだけは断固として違うと思うぞ。

さて・・・はたして・・・「髪の毛サラサラじゃなきゃオレ投げない騒動」・・・結末はどうなるのか・・・①巧のタマを監督(千原ジュニア)が打って三角関係になる ②豪が泣いて頼むので巧が折れる ③巧が寝ている隙に祖父(石橋蓮司)が刈って鬘を作ってしまう ④「尺八」「フルート」同時達成・・・期待を裏切る意外な結末を期待したいものです。しかし・・・ミスチルの主題歌は反則だよな。一瞬でドラマの内容を忘れさせるパワーがあるよ。

関連するキッドのブログ『第一回のレビュー

で、『ラスト・フレンズ・第一回』(フジテレビ080410PM10~)脚本・浅野妙子、演出・加藤裕将を見た。そういう意味ではこちらは宇多田ヒカルである。これでもかこれでもかとかけまくるのである。ミスチルと宇多田の木曜日かよっ。

まあ・・・歌には力があるからな・・・仕方ないか。

で、こちらは「シンデレラ」の長澤まさみと「雑草」の上野樹里の豪華共演である。天下の篤姫の脇役でお馴染みの瑛太や、「1リットルの涙」で沢尻エリカ、「アテンションプリーズ」で上戸彩とどんな猛獣でもそつなく相手を務める錦戸亮、さらに2~3番手なら鉄壁の水川あさみ・・・ポーカーならロイヤルストレートフラッシュな布陣といえるだろう。

どの場面にも必ずそれなりの人が出ているドラマなのである。

そして・・・次から次へと繰り出される・・・青春にありがちだけど実は非日常的な出来事の数々・・・。

いきなり・・・長澤まさみ妊娠・・・上野樹里死亡でスタートなのである。なんじゃあぁぁぁぁぁそりゃぁぁぁぁぁぁ。そして・・・ドラマは長い回想に突入する・・・。

そして・・・登場人物は全員・・・強く握ったら壊れるガラス細工設定なのである。

前半は登場人物紹介でゆっくりだが・・・いわばジェットコースターのタメの部分で後半は青春の病急降下でまっさかさまなのだった。

長澤まさみが錦戸と前戯としてのキス、着衣のまま性行為(ファン死亡)、目覚めると錦戸の携帯チェック、妄想的な疑心暗鬼、まさみを平手打ち、殴打、倒れたところを連続蹴り(ファン死亡)、そして逃げてきたまさみの寝込みを強襲して上野が同性愛的キス(ファン死亡、一部別のファン覚醒)でつづくである。

まあ・・・変態に好意的な番組ではドラマにならないのだが・・・「栞と紙魚子の怪奇事件簿」とかの・・・同性愛なんて別に普通のことじゃないの・・・というスタンスの方がキッドは楽しいのにな・・・それはお前が変態だからだろう・・・。

とにかく・・・木曜日は・・・この二本でもう少し・・・迷いたい。

関連するキッドのブログ『長澤まさみのプロポーズ大作戦

               『上野樹里ののだめカンタービレ

で、『父と暮せば(2004年)』(テレビ東京080411AM0255~)原作・井上ひさし、脚本・池田眞也(他)、監督・黒木和雄を見た。テレ東深夜映画の「シネ・ラ・バンバ」枠・・・。先週「笑う大天使」で来週「ヅラ刑事」である。この脈絡のなさ・・・醍醐味だな。

昭和23年の広島・・・原爆投下の惨事から生き残り・・・一人暮らす美津江(宮沢りえ)と幽霊の父親(原田芳雄)の対話でほぼ全編がおりなされるという・・・作品である。

話題は木下(浅野忠信)との縁談についてだが・・・やがて・・・結婚を渋る美津江と説得しようとする父親は原爆投下のあの日に帰っていく。

美しい宮沢の口調によって織り成される恐ろしいあの日の出来事。

おそらく・・・宮沢りえの最高傑作と言っていいだろう。

「燃え上がる炎の中で家の下敷きになったお父さんを捨てて逃げた私が幸せになるのは許されないことなのです・・・」

戦争を責めない。敵国を責めない。帝国軍を責めない。原爆発明者を責めない。原爆の後遺症を責めない。ひたすら被爆者である自分を責め続ける美津江・・・この皮肉が何人かには通じる世の中でありますように。

宮沢りえにはたまにはテレビドラマにも出てもらいたい。けれど・・・今はそういう器がないのかもな。お茶や化粧品のCMでしかお目にかかれないなんて残念である。

関連するキッドのブログ『戦争へのまなざし

土曜日に見る予定のテレビ『アンフェア the movie』(フジテレビ)ついに公式サイトに姿を見せた「ホカベン」の脚本監修者・・・この脚本家に監修される脚本家の将来を憂う・・・うっ・・・撃たないで・・・『ロスタイムライフ特別編』(フジテレビ)『先生はエライっ!』『2クール』(日本テレビ)『トップセールス』(NHK総合)『法律事務所』(テレビ朝日)・・・土曜日・・・ドラマ多すぎ・・・。

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2008年4月10日 (木)

春ですが雪山遭難をお届けします。(真木よう子)

・・・実は冬ドラマでは「交渉人」が最終回で軽く雪山遭難をしているのだが・・・レビューにはいたらなかった。吹雪もないし・・・凍死もないのである。そして・・・「薔薇のない花屋」にかける期待が大きかった・・・のだな。

しかし・・・スカシだったのだ。

それから・・・悲しみにひたっていたキッドの中の雪山遭難心をそっと慰めてくれた・・・今回の「週真木」・・・難点もあるにはあるが・・・全編雪山である・・・とても不満なんか言えないのだった。

で、『週刊真木よう子・第二号・スノウブラインド』(テレビ東京080410AM0120~)原作・すぎむらしんいち、脚本・演出・大根仁を見た。雪国の寒村・・・。蛇行するクルマの中で乾いた銃声が連続する。フロントウィンドウに血痕。ワイパーが虚しく起動する。

クルマから転げだした男たちは血まみれである。そして・・・スーツケースには札束。駆けつけた私服刑事と制服警官は私腹をこやそうとして息を吹き返した謎の男・タツヤ(中村達也)に射殺されてしまう。

付近の雪原ではいかにもアバズレなヨーコ(真木)が探し物をしている。そして・・・通りかかった小学生・温之(桑代貴明)を呼び止める。

「ボウヤ・・・ボク・・・ガキッ・・・」

「おばさん・・・何探してんの?」

「おばさんじゃねえ・・・透明な袋に入った白い薬・・・それがないと死んじゃう・・・おっぱいみせてあげるから・・・手伝って」なのである。

こうして・・・くされ○○コでくされジャンキーのヨーコと塾通いの途中の小学6年生との雪山でヘロインみたいな白い粉を探そう大会」が始まるのである。

・・・突然だが・・・キッドは何故か・・・修司を連想してしまった。寺山修司である。

寺山修司の「誰か故郷を想はざる-自叙伝らしくなく-」(角川文庫・1973)を引用してみる。

「青森の方言では、性行為のことをへっぺと言う・・・女性の性器は、だんべである。だんべ、ということばには美しいひびきがないのが、私には不満だった」のである。この時、修司は小学三年生だった。たまたま・・・東京から転校生が来て・・・青森の悪童たちは彼に「東京弁ではなんて言う?・・・言わないと足をへし折る」と脅しをかける。

そして・・・彼らは「お○○こ」という優雅な言葉を知るのである。もちろん・・・原文は伏字ではなく・・・ひらがな四文字が書かれている。それどころか・・・その言葉の美しさに魅入られた田舎の子供たちが「お○○こ、お○○こ、お○○こ、お○○こ」と連発する描写もあるのである。キッドが伏字にしているのは修司が書いても上品なことが、キッドが書くと下品になる可能性に対しての配慮です。

もちろん・・・子供たちの性に対する・・・憧憬、恐怖、欲望が交錯し・・・詩的に描写されているこの作品を引用するのは憚られることなのだが・・・まあ・・・ドラマの中でヨーコが小学生にストッキングの足を揉ませ「おちんちんムズムズしてきた?」と言ったりするので・・・それがお茶の間向きかどうか微妙だな・・・という話をするにあたって・・・煙幕として修司が登場しているのだとも言える。

前回・・・ややM系の内気だが性的には奔放な女だったのに対し・・・今回は・・・麻薬中毒で・・・裏社会につかりこんだ・・・ちょっと頭の悪い女なのである。

真木よう子は舌足らずなしゃべり方・・・いつも飴をしゃぶっているような口調が・・・個性といえば個性なのだが・・・このシリーズの間に一本くらいはそれを修正した演技というものを見てみたいな・・・できるのか・・・無理なのか・・・楽しみだ。

このしゃべり方を魅力と考える人も多いかもしれないが・・・キッドは思わないからだ。

とにかく・・・「アタシも塾に通ってたらこんなことにならなかったのかな?」・・・とつぶやく女はいつもの真木よう子で問題ない。

ヤクザな女と小学生の男の子の間に微妙な空気が生れつつあるところに・・・タツヤが登場する。タツヤはヨーコの周囲に近距離射撃をする。

「ヤクはどこだよ・・・」

「落しちゃった・・・」

と言っている途中で小学生はヤクを拾うのである。

「それだ・・・それをこっちによこせ・・・」

そして恐怖のあまり・・・袋を引きちぎる・・・小学生。散って風に舞う白い粉。激怒したタツヤは小学生の首をしめ・・・背後からヨーコはタツヤを狙撃。小学生顔面血まみれである。

雪盲というタイトルに沿った展開だ・・・白い雪、赤い血で小学生は目がみえないのである。メクラと打っても盲と変換されない・・・この不自由な世界で・・・修司たちがまもなく青森空襲死者三万人によって死んだり生き残ったりするように・・・小学生の生死も定かではないのである。

ただ・・・ヨーコは残存した白い粉を吸い込んですっかりご機嫌になるのだった。

それはもう・・・サイケデリックに・・・70年代がごとくに・・・。

関連するキッドのブログ『創刊号のレビュー

で、『ケータイ捜査官7・第二回』(テレビ東京080409PM7~)も見た。こちらは・・・とにかく・・・秘密の組織に仮採用された・・・ケイタ(窪田正孝)が・・・最初の任務を例によって身を挺して果たすのである。とにかく・・・組織の中で一番の素人を・・・おそらく・・・最大のライバルである破壊の権化・・・はぐれケータイゼロワンの確保に向かわせるという・・・謎の組織の思い切りの良さに爆笑の展開である。もちろん・・・登場するケータイ型キャラクターたちはロボットなのか・・・異次元生命体なのか・・・まったく不明だが・・・可愛いことだけはまったく問題ないと思われます。一つだけ言えることは・・・面白すぎるっ。

ま・・・基本は明日未来アクションなので・・・よほど・・・衝撃的なコンセプトが展開されるまではメモに止める予定。さあ・・・「ホカベン」・・・この二作を越えられるかどうか・・・。脚本家に阿相クミコ(もうひとつのシュガー&スパイス)とか浜田秀哉(トリハダ)とか・・・ある意味ホヤホヤの人たちの名が上がっていて・・・こわいもの見たさの気持ちは満々なのだが・・・何故か情報が制限されている・・・憶測や予断を恐れているのか・・・? まあ・・・こう低視聴率の波が来ていると疑心暗鬼になるのかもね・・・。「上戸彩」と「北村一輝」で「弁護士もの」だから見てねーっという態度なのだな・・・。まあ・・・そういう作戦もありか。

金曜日に見る予定のテレビ『Around40・注文の多い女たち』(TBSテレビ)『キミ犯人じゃないよね?』(テレビ朝日)さあ・・・どっちかなあ・・・。っていうか・・・藤木と貫地谷ではもう二本立てしか・・・許されないのか・・・?

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2008年4月 9日 (水)

主題歌まで歌うのかよっ。(夏川結衣)

マチャアキでなくてチャッピー(堺正章)が歌うのだが・・・まあ・・・これが「あるある」なのか「ないない」なのか意見が分かれるところだろう。

チャッピーといえぱ渡辺茂樹(ザ・ワイルドワンズ)である。ちなみにタクシーの運転手が「どちらへ?」と訪ねると「1968年」と答えるシーンがあり、この年「あの時君は若かった」(ザ・スパイダース)がヒットしている。そしてザ・ワイルドワンズにチャッピーが加入した年でもあるのだ。

ちなみにチャッピーは加藤茶の従弟だが、マチャアキより五才くらい年下で、実際には61才のマチャアキが60才を演じるのと同様に・・・イメージ的に微妙にサバをよんでいるのだと思う・・・一体何の意味がっ。

「冗談じゃない」(TBSテレビ)織田裕二(40)と上野樹里(20)で平均視聴率13.4%、「ハタチの恋人」明石家さんま(52)と長澤まさみ(20)で平均視聴率*8.15%・・・この日曜劇場の大失敗を知りつつ「あるある大事典」でおなじみの関西テレビは「無理な恋愛」堺正章(61)と夏川結衣(39)で初回視聴率11.7%である。

ちなみにあの「喜多善男」でさえ・・・初回視聴率は12.7%あったのである。

まあ・・・「ハタチ」の年の差30歳以上に比べると・・・「無理」は22歳で抑え目であるが・・・主役が60代である。

視聴率的には・・・「ハタチ」を下回ってもおかしくないと思うよ。それでも・・・どうしても・・・っていうなら仕方ないよね。

で、『無理な恋愛・第一回』(フジテレビ・080408PM10~)脚本・岡田惠和、演出・塚本連平を見た。チャッピーは音楽プロデューサー、離婚歴があり、別れた妻(夏木マリ・55歳)は再婚して夫(尾美としのり・42歳)とチャッピーとの娘(小嶋陽菜・19歳)と暮らしている。

最近、見かけるようになったAKB48メンバー・・・。小嶋陽菜は「コインロッカー物語」からココである。

「女子大生をナンパしないでよ・・・娘だったりしたらシャレになんないから・・・」と夏木が言うのは明らかに「冗談」とか「ハタチ」をちょっとバカにしているのだが・・・まあ・・・20歳の男が10歳の女の子を誘惑したら非合法だが、30歳の男が20歳の女を誘惑するのは合法で・・・だから60歳が40歳はいいのだ・・・ということなのかもしれない・・・そうなのか・・・まあ・・・なんでもいいや。

で・・・タイトルが無理なので・・・その無理を通してどうやって道理をひっこめるか・・・という話である。そのために・・・坂口憲二(32)がゲストで徳井義実(32)がレギュラーなのである。坂口と夏川の年下の男の子パターンなら・・・まったく無理がないからである。そうなったらマチャアキの出る幕ないだろう。

まあ・・・世の中には無理に見えても成立するカップルはいくらでもいるから・・・別にいいのだけれど・・・そうまでして・・・マチャアキと夏川の素敵な恋愛を捏造して・・・お茶の間が楽しくなるのかどうか・・・キッドは・・・よくわかりません。

脚本は・・・結構・・・自然な感じを出しているようですが・・・夏川が母親に「チャッピー」との出会いを報告しているシーンで「その経緯は後で話す」というセリフがあって・・・「経緯」という言葉のあまりの不自然さに・・・いろいろ大変なんで・・・セリフまで気がまわらないのだな・・・と感じましたよ。

今季こそ・・・火曜日は一本にしぼりたいので・・・おそらくレビューからは脱落するかな・・・。

ただ今の期待値は・・・①おせん ②絶対彼氏 ③無理な恋愛で・・・初回を見る限り変動なし・・・。しかし・・・蒼井優VSもこみちはかなり激戦なんだよな・・・。「絶対彼氏」→「おせん」というルートはあるよなあ・・・。夏川結衣は魅力なんだけどなあ・・・。でも「無理」は無理なんだよなあ。

まあ・・・愛に障害は王道ですが・・・①年の差 ②貧富の差 ③身分の差 ④性別の差 ⑤知能の差 ⑥出身地の差 ⑦性的嗜好の差 ⑧容姿の差などという差別の基本からだと・・・ロボットと人間とか・・・南京人と東京人とか・・・女王様と犬とか・・・そういう宿命の落差に萌えるキッドとしては・・・絶対彼氏・・・危険なんだよな・・・。これ・・・絶対彼女なら・・・確実に落ちるよな・・・。アンドロイド・沢尻エリカで。

関連するキッドのブログ『結婚できない男』 

さて・・・「キューティーハニーTHE LIVE」があったので・・・カバーできなかった日本テレビの深夜アニメ枠。今回はSF二本立てで・・・初回を見る限り・・・かなりそそられる。

RD 潜脳調査室・第一回』(日本テレビ080409AM0129~)は『攻殻機動隊』の士郎正宗が原作である。シリーズ構成・藤咲淳一、監督・古橋一浩である。謎の超自然現象「地球律」を解明するプロジェクトチームの一員が・・・事故で植物人間状態(脳機能障害)で50年・・・すっかり老化して目覚めた男・・・新たなる肉体を得て・・・未知への好奇心を取り戻す・・・。そして・・・「論理」と「直感」という古典的な対立の幕開け・・・。まあ・・・この時代は「無理な恋愛」が科学的に不成立になっているのである。なにしろ・・・年齢も容姿もすでにヴァーチャルだからである。まあ・・・キッドは同じ「老いらくの恋」の妄想なら・・・断固こちらを支持します。

秘密-トップシークレット-第一回』(日本テレビ080409AM0159~)こちらはSF少女コミックのヴェテラン清水玲子の原作。シリーズ構成・鈴木智、監督・青山弘である。近未来・・・脳死状態の脳から記憶を取り出すことのできる時代である。たとえば・・・射殺死体から・・・脳を摘出し・・・犯人の顔を再生できるのである。しかし・・・そのためには故人のあらゆるプライヴァシーも暴かれてしまう可能性がある・・・。第一回はその問題点を明確にするために・・・「元恋人に射殺された妻の秘密を守るために脳を盗み出す夫」というかなりお約束の展開でした。もちろん・・・妻の心の秘密はかなりナイーヴな領域。なにしろ・・・本心なんてノイズにすぎないわけですから。まあ・・・キッドとしてはそういう本質に目をつぶればとてもムーディーな出来ばえでよかった・・・。ま・・・上司がクールだけど寝顔のあどけない美青年・・・主人公・・・純情な長身の美青年と・・・腐女子臭はしますけど。

とにかく・・・ある意味サイコダイバー(脳内潜入)の二本立て・・・しかも男の子用、女の子用という差別化ありなのである。もうそれだけでも編成的におしゃれだと思う。こうなると内容かぶったらかぶったで神展開なのである。

・・・この二本をレビューしないのに・・・「無理な恋愛」をレビューするなんて・・・やはり無理なのだーっ。

関連するキッドのブログ『イノセンス

木曜日に見る予定のテレビ『バッテリー』(NHK総合)『7人の女弁護士』(テレビ朝日)『ラストフレンズ』(フジテレビ)『父と暮らせば』(テレビ東京)・・・ううん・・・来たな木曜日。ここもピンチの可能性高いよな。テレ朝ミステリーを切れば・・・「ジュニーズ帝国」VS「東宝芸能・アミューズ・パパドゥ・それでもジャニーズ連合軍」である。ううん・・・悩む。でも一本化するぞ。一本化するぞ。一本化するぞ。

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2008年4月 8日 (火)

結婚させてもらえない男。(沢村一樹)

・・・ふふふ・・・沢村一樹が来ているな・・・。大河ドラマで・・・「香を炊いてくれ・・・」と島津忠剛(長塚京三)の死を悼む家老を演じていたいたかと思えば・・・サラリーマンNEOでは色香恋次郎としてフェロモンでめんたいこをゴリ押し・・・そして月曜日は浅見光彦でキツネ踊りを舞う・・・舞わないよ。

九州男児としては滅多にないセクスィーでミステリアスなハンサム。南方系の理想系美男である。ちなみに長谷川潤をセクスィー部長のゲストに希望しているらしく・・・なんとなくナルシストな感じがするのも濃い目なのである。

キッドは「ハンドク!!!」(2001)の神の手持つ心臓外科医・新堂をもう一度見たいのだな。ある意味・・・ずっと怪しいのである。

で、本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「常盤貴子の眉山」12.1%(最近・・・常盤はこのあたりだな・・・露出不足じゃないのか)、「トゥームレイダー2」11.0%(でもアンジェリーナには勝った・・・)、「めちゃイケひろみと聖子」21.1%(イケメンが不在だったような気がする)、「SP総集編」21.5%(わははははははははは)、「ロスタイムライフ大泉洋」↗12.4%(ロスタイムが12世紀でなくてよかった・・・)、「篤姫」↗22.3%(強い・・・強いよ・・・くわっくわっくわ~)、「フライトプラン」16.7%(ジョディ・フォスターみたいになるかもな~あひるな~)、ついでに「姫島殺人事件」16.0%・・・以上。

で、『月曜ゴールデン・浅見光彦シリーズ25・姫島殺人事件』原作・内田康夫、脚本・石原武龍、演出・山内宗信を見た。沢村版で11作目である。なんていうか・・・もうズブズブなのである。ズブズブの意味は良く知らないが・・・ズブズブな気がする。お約束とか・・・定番とか・・・お手本というか・・・そういう意味で一度は見ておきたい2時間ドラマなのである。

そして・・・疲れている時なんか・・・もう・・・ダラダラと見ていられる。素人探偵ものの中ではズバ抜けてイライラしないのである。

お嫁さん探し中のルポライターの浅見(沢村)が取材先(観光名所であることが多い)で、ゲストのヒロイン(結婚適齢者であることが多い)と知り合い、殺人事件に巻き込まれ(不審人物として事情聴取されることが多い)、事件は見事に解決するのだが・・・結婚はできないのである。母・雪江(加藤治子)ガッカリである。

今回は大分県国東半島の北、黒曜石の断崖で有名な姫島が舞台。ヒロインは旅館の娘(原作ではみやげ物屋)の中瀬古朝子(浅見れいな)である。春からは「警視庁捜査一課9係」の津田寛治の恋人つかさお嬢様が控えている。まあ・・・浅見に浅見ということは言っておきたい。・・・裏でだじゃれクイズをやっていたからである。

で・・・廃棄物処理場建設(原作では米軍基地移転)の利権がらみで殺人事件発生。いろいろな意味で有力者の男(織本順吉)、朝子の父(小野武彦)と渋い脇役も手堅い演技である。

そして光彦の知人のカメラマン(宮川一郎太)は事件背景の説明を終えると即行で水死体なのである。清々しいほどズブズブなのである。・・・使い方、違うよ。

とにかく・・・キツネ踊り(姫島の盆踊り)は冬場のロケ・・・袷で踊る子供たちは寒かったと思う。

関連するキッドのブログ『佐用姫伝説殺人事件

水曜日に見る予定のテレビ『ケータイ捜査官7』(テレビ東京)『週間真木よう子』(テレビ東京)・・・ああ・・・マジでテレ東の二本立てになってるよ・・・。

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2008年4月 7日 (月)

できた~。(堺雅人)くわっくわっくわっくわ~。(宮﨑あおい)

ふふふ・・・ホームドラマ大河に見せかけながら・・・コネタふりまくなぁ・・・。

なかなかに魅力的なバカボン家定(堺)に仕上がっているのである。「大奥」(2003・フジテレビ)のオレザク家定もなかなかであったが・・・もうバカボン家定は馬鹿な将軍ほど可愛いレベルである。萌え~なのである。

もっともっとしでかしてくれ~だし・・・余命を考えると・・・不憫でならぬのだな。

忠剛(長塚京三)の死も哀れを誘うのは前半のダメ親父ぶりが効いているのであり・・・家定の逝去もきっと涙なくしては見れないものになりそうだ。長い・・・1853年もようやく冬なのである。

ちなみに西暦と旧暦ではズレが生じる。1853年は嘉永6年12月2日までである。日米和親条約の成立は嘉永7年の3月のことで・・・すでに1854年になっている。篤姫の世界でこのあたりにねじれが生じているが・・・まあ・・・ドラマですからーっ。

で、『篤姫・第14回』(NHK総合080406PM8~)原作・宮尾登美子、脚本・田渕久美子、演出・佐藤峰世を見た。例によってシナリオにそったレビューはikasama4様を推奨します。今回は将軍直筆家鴨・セクスィー家老イラスト特集、島津・小松・肝付夜話、近衛家、島津家、将軍家の家系図と・・・豪華三大付録付でございます。

Atuhime1853h で、今回はいよいよ・・・江戸に舞台が移ったのだ・・・ストーリー的には薩摩の人々もまだまだ出番を確保していますが・・・ペリーも再来日して・・・風雲、急を告げているのである。ご政道は大混乱なのであった。幕府では・・・水戸藩の隠居・徳川斉昭を首魁とする神道的主戦派と譜代大名官僚機構の現実路線派が火花を散らし始めている。譜代大名の影のリーダーが彦根藩主・井伊直弼である。

権力闘争的には・・・将軍家血縁者と・・・将軍家家来衆の対立という図式になる。ペリー来日は・・・国家の危機と認識した老中首座(官僚機構の表のリーダー)の阿部正弘が・・・国力を結集せんと・・・親藩の隠居やら・・・外様大名の国政参加やらを始めた結果・・・収拾がつかない状態になってきたのである。

海防掛(国防相)に抜擢された徳川斉昭は「鎖国を遵守し夷戎を殲滅せよ」と主張し・・・溜間筆頭(官僚機構の黒幕)である井伊直弼は「武力で劣勢のものが仕掛けるのは無謀」と曖昧決着の部分的開港に到達する。

その経済効果は・・・国内の物資減少・・・インフレを引き起こし・・・ついに幕末の動乱が始まっていくのだ。

しかし・・・そういう大局的見地と権力闘争とはまた別である。

「将軍」という・・・日本の覇者のポストをめぐって・・・後継者のいない家定の将軍職就任と同時に政争が始まったのである。

つまり・・・1853~1854は・・・米国の武力による侵略の開始(外圧)と・・・将軍家の後継者レース(内紛)が同時進行していくのだな。

これは・・・もう・・・忍者の出番・・・この上なしなのである。

さて・・・当時の忍者の主な分布を妄想してみる。まず・・・将軍・家定は外出もままならぬ身でありながら・・・世情に通じている。これはいわゆる将軍直属の忍者であるお庭番のなせる技なのである。これを幕府隠密としておく。しかし・・・お庭番制度は8代将軍吉宗からのものであり・・・それ以前にも将軍家の隠密は存在する。これを公儀隠密と呼称しておくことにする。

徳川の初代将軍家康は忍者としても最高の使い手であり・・・同時にそれは上忍としての忍者使いであったことも意味する。忍者としては不本意ながら・・・名を残す服部半蔵を始めとする伊賀忍者や・・・武田所縁の真田忍軍、その延長線にある甲賀忍者、風魔の残党やら・・・鹿島の神忍、さらには柳生忍軍まで・・・これら・・・無数の忍者たちを統合支配していたのである。

そうした忍者たちも徳川の禄を得るうちに・・・あるものは衰退し・・・弱体化していった。そこで吉宗は紀州から引き連れてきた根来衆を中核とする新組織を立ち上げたのである。吉宗から家定まで・・・概ね順調に家督が相続され・・・このお庭番は機能し続ける。特に家定の祖父・家斉はお庭番使いとして記録に残るほど・・・お庭番を活用した将軍であったことでも知られている。

諜報組織は一つに目付け(監視役)として機能する。たとえば・・・徳川家が分家するときには宗家から・・・紀州家に目付けがつくわけである。しかし・・・紀州家の主もリーダーである以上、自らの諜報機関を必要とする。この時点で紀州藩には敵味方とは判別しがたい忍者グループが生れるのである。宗家の目付けと・・・分家の目付けである。忍者もまた人であるから・・・血縁・地縁を持ち・・・時には宗家と分家の間で交流する。

吉宗は紀州から宗家に復帰した将軍でもある。この場合、紀州には根来忍者の本流も残り、また、幕府隠密が新たに目付けとして派遣されることもある。

また、吉宗将軍からご三卿が分家すれば・・・たとえば一橋家でも宗家の目付けと分家の目付けが生れるわけである。

この複雑さが平和の代償というものなのだな。・・・忍者は何人いても足りないのである。

もちろん・・・忍者であるから・・・どの忍者がどうなっていったかなどというものは憶測の域は出ない。しかし・・・滅んでいった・・・と思われるものが実は生きていたというのは忍者の世界ではある意味常識なのである。

たとえば・・・真田忍軍は豊臣家の滅亡と同時に滅んだような印象を持つわけだが・・・徳川幕府時代にも真田家は大名として実在するのであり・・・当然、真田忍軍もまた不滅なのだ。

こうして・・・服部軍団も・・・柳生忍軍も・・・幕末にだってしっかり暗躍しているのであり・・・なにしろ・・・平安時代の藤原忍軍だって・・・聖徳太子の大伴忍軍だって・・・伝統を受け継いで闇に生きているのが忍者の世界なのである。

乱世・・・それは・・・影の存在である忍者が時として陽忍として姿を現す時代である。たとえば明智光秀の血を受け継ぎ・・・蘇我の忍びの流れである下忍・・・坂本龍馬が・・・歴史に名を残したりするのである。土佐藩から江戸に留学し・・・幕府の要人に接触し・・・変装して京都に忍び・・・薩摩と長州を股にかける・・・そんなことがただの人(忍者でない)に出来ると考える人はちょっとおかしい・・・とキッドは思います。

関連するキッドのブログ『第13回のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『無理な恋愛』(フジテレビ)・・・ふふふ・・・年の差恋愛ものはパスしたいのに・・・見事な単独スタートだ・・・マチャアキと夏川結衣・・・。

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2008年4月 6日 (日)

地味ね(小林聡美)地味だわ(もたいまさこ)ゴージャスよね(松本莉緒)ゴージャスだな(真木よう子)

まあ・・・「2クール」の二人と「東京フレンズ」の二人である。この2ショットの落差は性別によってことなるだろう。

人によっては小林・もたい組がゴージャスで・・・松本・真木組と感じるだろう。

っていうか・・・お茶の間的にはその方が王道なのだな。

まあ・・・キッドは宮崎あおい・蒼井優のペアとかが・・・ゴージャスだと思うタイプなのだが・・・「東京フレンズ」で海の風に吹かれる松本・真木のツーショットを演出している人は・・・どうだ・・・すごいだろう・・・と自信満々だった気がするのである。

で、『2クール・第一回』(日本テレビ・080406AM0055~)構成・霞澤花子、演出・松本佳奈を見た。「栞と紙魚子の怪奇事件簿」の後番組である・・・南沢奈央と前田敦子のペアの後に小林・もたいペア・・・客席は激しく移動・・・したのかな・・・。

さて・・・作為という問題がある。世の中にはまだドラマがフィクションではないと思っている人がいて・・・そういう人は騙されるのが嫌いであったりする。そういう人は夢なんて信じないし・・・ウソは悪いことに決まっているのである。

だから・・・演技とか・・・演出とかがあること自体が面白くないのである。

・・・そんな人いるのか。

まあ・・・少なくとも昔のキッドはそうだった。面白いコントに台本があったり・・・泣かせるドラマに筋書きがあったりすると知った時は大ショックだったのである・・・ウソだろ。

とにかく・・・人間は・・・人に騙されるのが嫌いだ・・・という一面を持っている。たとえば詐欺にあったら困るからだ・・・。

そういう潜在意識が・・・わざとらしいものをなんとなく・・・厭うのである。

そこで・・・自然体のドラマ・・・という手法が存在する。

トークショーと会話劇。ゲームショーと活劇の狭間に・・・そういうジャンルが成立するのだな。

タレント(才能)というものは複雑なものだが・・・たとえば・・・役を演じる才能というものがあり・・・役者の魅力を引き出す才能というものもある。

「キューティーハニーTL」では美少女たちが浪花節を展開していくのだが・・・美少女たちはアンドロイドやサイボーグを演じるために・・・肉体を鍛え上げていく・・・。そういう努力の果てに作られた舞台で・・・。

普通の女の子「生きていれば誰でもいい」

ハニー「望みが高いよね」

・・・というセリフが交わされる。アンドロイドにとって・・・ただ生きているということがどれだけ見果てぬ望みであるか・・・ということを考えると・・・泣ける会話なのである。

しかし・・・そういう世界に入り込めない人には・・・どこが面白いのかわからない。

だから・・・誰もが・・・入り込める世界というものを企画者はふと考えるのだ。

小林聡美とかもたいまさこは・・・そのままで・・・魅力的なのだから・・・その素材をいかした番組作りなのである。それをドキュメントして編集すれば・・・番組になる・・・わけである。

かっては「DAISUKI!」(1991~2000・日本テレビ)という番組があり・・・松本明子とか飯島直子とか中山秀征とかが・・・なんとなく・・・楽しいことをするだけの番組であり・・・この手法は・・・深夜のバラエティーショーの基本になっている。

ある程度・・・存在感と魅力があるタレントなら・・・お手軽に成立するのである。なにしろ・・・ロケーションが時間・予算ともに大いに節約できるのである。

そして・・・お茶の間も・・・たいして期待もせずに・・・のんびりと・・・深読みとかもしないで・・・楽しめるわけだ・・・。

今回は・・・それをドラマとして・・・構築していくつもりらしい。第一回目は二人が河原で地球温暖化に優しくない焚き火をして・・・若い高校生男女(受験生・西田裕希とサッカー部のマネージャー・小室裕美)と世間話をするだけである。

マシュマロを焼いたり・・・バナナを焼いたり・・・焼き芋もします。

で・・・男の子はそこそこ不器用だったり・・・女の子はそこそこ不器量だったりして・・・普通ってくつろぐよなあ・・・という世界を展開していくわけである。

ま・・・こんなわざとらしい世界も・・・滅多に見られないと考える。

「キューティーハニーTL」のシスターミキなら・・・こう言うだろう。「私は貴重な時間を盗まれた。私は盗まれるのが嫌いなんだ。・・・昔・・・命を盗まれたことがあるからな・・・」

深夜の同じ30分・・・お手軽で安易な番組があってもいいが・・・キッドは職人たちが作りに作りこんだものが駆逐されてしまうのは・・・イヤだなあ。

もちろん・・・こういう番組にだって・・・演出はある・・・焚き火がもうすでに設置され・・・いい感じで燃えているところから始めるか・・・準備段階から始めるか・・・インストラクターを見せるか・・・消し去るか・・・そういうもろもろの作りこみがあるのである。最後は焼き芋が炭化してしまっても別の時空間から美味しい焼き芋が取り寄せられ・・・SFの香もするのである・・・もはやお前の視点がわざとらしいわっ。

関連するキッドのブログ『堂本剛の正直しんどい

で、『東京フレンズ The Movie(2006年)』(TBSテレビ080406AM0244~)脚本・衛藤凛、監督・永山耕三である。「のだめ」の脚本家と「ロンバケ」の演出家であるが・・・このコンビは映画「スローダンス」(2005)と映画「バックダンサーズ!」(2006)もやっていて・・・まあ・・・こういう青春ドラマが・・・得意なのだな。

若者が・・・夢を追いかけて・・・同時に恋もして・・・青春って素敵っ・・・なのだな。

で・・・今回は大塚愛が主演で・・・居酒屋でアルバイトしながらバンドデビューをしようとしている女の子の役である。恋人はギタリスト(瑛太)で将来の不安からニューヨークに逃亡してしまい・・・岩槻玲(大塚)は探しに行ったりするのである。

まあ・・・大塚愛というシンガーありきの・・・これ以上ない企画ものである。

主題歌「ユメクイ」の長めのプロモーションビデオといえ・・・ファンにはうれしい作品なのだな。だが・・・そうでない人は脇役陣が豪華すぎるのに・・・驚く程度の作品に仕上がっているとキッドは思います。

関連するキッドのブログ『のだめカンタービレ

月曜日に見る予定のテレビ『浅見光彦シリーズ25・姫島殺人事件』(TBSテレビ)セクスィー部長の浅見も11作目か・・・。浅見れいながヒロインって・・・ある意味・・・貴重だ。

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2008年4月 5日 (土)

薔薇・・・(上野樹里)百合ですって言っちゃったりなんかしちゃったりして~(広川太一郎)

古代くんが・・・古代くんが・・・死んじゃった~なんて言っちゃったりなんかしちゃったりして~。なんともはや・・・広川太一郎永眠(~080303)である。

この作品ではナレーターであるが・・・最後にナレーションの正体が謎の黒犬ダミアンとオチるので・・・ほぼ広川太一郎をフィーチャーした作品と言える。あらためてサヨナラである。

天国で「ローマの休日」の理容師マリオを吹きかえることができるようになりました。

で、『笑う大天使<ミカエル>(2005年)』(テレビ東京080404AM0255~)原作・川原泉、脚本・吉村元希(他)、監督・小田一生を見た。特技監督の監督なので・・・作品としては・・・まあ・・・B級である・・・しかし・・・原作が・・・ある意味・・・オタッキーな少女マンガであるから・・・これでいいとも思う。ダミアン=広川太一郎は・・・控え目で・・・抑えた演技をしている。もちろん・・・コレが彼の遺作というわけではないが・・・まあ・・・人間はどこで終るか・・・本当に分らない。

これ以上ないお嬢様学園・・・というのは星の数ほどあるわけだが・・・聖ミカエル学園に転入してきた・・・司城史緒(上野)は実は庶民の育ちだった。

伯爵家(超時空である)の後継者だった父親の死後・・・母親は家を追い出されて・・・極貧のうちに死に・・・生き別れとなっていた兄・一臣(伊勢谷友介)が史緒を引き取ったため・・・突然・・・お嬢様生活をすることになったのである。

まあ・・・「本当はお嬢様だった・・・」は少女の見果てぬ夢でございます。

そして・・・母と妹と生き別れ・・・「再会」を夢見るあまり・・・超リッチなライトノベル作家になった一臣は・・・デートに同伴するほど妹・史緒を溺愛する「お兄様」なのである。

成績抜群・スポーツ万能だが・・・仮面をかぶった史緒だったのだが・・・「居心地悪いのはお前だけではない」と餌をあげなくても死なない猫を飼っている=猫をかぶっている・・・お嬢様仲間が現れる。

成金の娘・・・学業優秀の更科柚子(平愛理・・・花君のエリカである)、名門だが両親不和で養育係・若月(松尾敏伸)に育てられた・・・体力抜群の斉木和音(関めぐみ・・・ライフの羽鳥である)・・・こうして猫かぶりのお嬢様トリオがチキラー(チキンラーメンが大好物)の契りによって結ばれるのである。

さて・・・学園には伝説があり・・・それはこの地で大天使ミカエルが悪い竜を打ち破った・・・ということなのであるが・・・まあ・・・ローカルな人間好きの妖怪の類であり・・・キリスト教とは無縁のお話しです・・・今も・・・甘いもの好きの黒犬ダミアンとなって少女たちを見守っているのだった。

そこで・・・お嬢様誘拐・人身売買の秘密結社が登場・・・狙われたお嬢様たちを・・・ダミアンから神秘の力を付与された猫かぶりトリオを奪還する・・・というストーリーです。

最後・・・絶体絶命のピンチに三人を代表して史緒が綾波レイ的巨大化現象を起こし・・・幕となります。終盤は特撮アクション展開になるのですが・・・チープだけれど計算されつくした「キューティーハニーTL」を見た後だと・・・若干色褪せますが・・・まあ・・・2年の時差がありますから・・・これは仕方のないところ。

美少女アクションが「キューティーハニーTL」を標準とする以前の作品ということです。

「ことわざの誤用」など・・・「無知」を笑うポイントで広川太一郎が大活躍するのですが・・・これも常識クイズでアイドルたちが笑いの極地を体現してしまっているので・・・やや・・・薄め・・・しかし・・・原作は1987年連載ですから・・・これもまた仕方ないのです。

それでも・・・一々・・・広川ツッコミが入って・・・不覚にも前が見えなくなる一瞬がございます。

関連するキッドのブログ『亀は意外に速く泳ぐ

で、『マクロスF(フロンティア)・第一話』(TBSテレビ080405AM0159~)脚本・吉野弘幸、絵コンテ・河森正治(他)、演出・田中孝行を見た。アイドルとファイターを主軸とする宇宙戦争アニメのシリーズ最新作登場である。まあ・・・関東では・・・このためにファーストシリーズの「超時空要塞マクロス」(1982)の再放送をやっていたのだった。

バルキリーのデザイナーで『創聖のアクエリオン』の河森監督が総監督なので・・・おタク心をあおるツボは物凄いことになっている。とにかく・・・アイドルが歌っているのに戦闘突入である。

とりあえず・・・マクロス西暦2059年には人類は長距離移民船団で銀河の中心部を目指すのである。今・・・20才の人は70才くらいでこの船に乗っている可能性があるのだ・・・このあたりが・・・超時空である・・・なにしろマクロス西暦では・・・来年・・・人類はほぼ滅びますから・・・。

ああ・・・今・・・超時空リアルでは・・・ミンメイはオーディションの応募メールを書き込んでいる頃なのである。まあ・・・超時空リアルではネット社会は到来していませんが・・・。

前作「マクロス7」(1994・シリーズ構成・富田祐弘)はマクロス西暦2045年で・・・移民船団の規模は100万人だったが・・・「マクロスF」は1000万人規模に増量している。

ミンメイ~熱気バサラ・ミレーヌに続く歌姫はシェリル・ノームである。

まあ・・・歌って戦って萌え萌えの深夜アニメ「マクロスF」・・・そして深夜から出世した日曜午後5時の「コードギアス 反逆のルルーシュR2」と並んで・・・「ガンダム00」の谷間は滞りなく埋められているのである。

今の時代・・・小学生だったら・・・キッドは確実に過労死していた・・・と思う。

関連するキッドのブログ『機動戦士ガンダム00

日曜日に見る予定のテレビ『コードギアスR2』(TBSテレビ)・『篤姫』『サラリーマンNEOシーズン3』(NHK総合)『ドキュメント'08・兵士たちが記録した南京大虐殺』(日本テレビ)・・・混沌としているな・・・『情熱大陸さかなクン』とか『堂本兄弟in沖縄』とかもあるし・・・。『007』VS『ジョディ・フォスター』とか・・・春か・・・春なのか・・・。

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2008年4月 4日 (金)

なぜオレのタマを崇めないのだ?(中山優馬)世界で一番安全な不時着。(上戸彩)

さて・・・木曜日は「ラストフレンズ」という・・・シンデレラVS雑草の激突する・・・謎のドラマがあるわけだが・・・一足先にNHKが木曜時代劇を木曜現代劇に換えてきたのである。

「ベストセラー」を「ジャニーズ」で・・・というミもフタもない展開である。

しかも・・・中学一年の男の子の友情物語である・・・腐女子でショタなのである。

こんな変態の物語を・・・それは違うだろう・・・堂々とゴールデンで・・・NHKのなみなみならぬ決意というか下心が窺えるのだな。

一方・・・長澤シンデレラまさみの相方である大塚スペシャルちひろをほぼ主役に据えた「アテプリSP」・・・とにかくあんぱんち様出演作なのでレビューしないわけにはいかないのでございます。

で、『バッテリー・第一話』(NHK総合080403PM8~)原作・あさのあつこ、脚本・相良敦子、演出・清水一彦を見た。小学校六年の最後の春休み・・・原田巧(中山)は岡山の田舎に引っ越してきたのだった。まあ・・・中山はギリギリ・・・小学生に見えなくはない。次回は中学生なので・・・違和感は減少するだろう。

小学校の野球大会で・・・巧の剛速球を目撃した永倉豪(高田翔)は巧に一目惚れ・・・その巧が近所に引っ越してくると知り・・・もうなんだかいてもたってもいられないほど興奮してしまうのだが・・・小学生なので・・・ストーカーになっても大丈夫なのである。

ちなみに豪はキャッチャーなのである。野球ではピッチャー(投手)とキャッチャー(捕手)のペアのことをバッテリーといいます。

豪の願いはただひとつ・・・「巧の剛速球をキャッチしてみたい」・・・ということだ。

ちなみに剛速球をとれないのはピッチャーのコントロールが悪い場合もあるが・・・この場合はあまりに巧のストレートが早いので・・・キャッチャーが恐怖を感じるからなのである。

しかし・・・ボールをキャッチするからキャッチャーなのであり・・・キャッチャーとしてはすごいタマほどキャッチしたいものなのだ。もう・・・ズバーンとズシーンとメリメリッと受け止めたいのである。

さて・・・巧は・・・少し・・・心に鬱屈を抱えている・・・。口うるさい上に・・・野球嫌いな母親(斉藤由貴)をもてあましているし・・・体の弱い弟・青波(森本慎太郎)がちょっと面倒くさいのである。もちろん・・・母親に「くそババアだまってろっ」とか弟に「お前・・・うざいよ」とかは言ったりしないのだが・・・一歩間違えば言いそうなムードなのだ。

それは「オレのタマは最高なんだ・・・」と信じているからなのだ。

そして・・・「野球がこの世で最高の真理なんだ・・・」と知っているからなのである。

豪は愛するものの勘で巧の心理を読み取り・・・とにかく一回だけでも捕らせてくれと泣きつくのである。

巧「しょうがねえな・・・一回だけだぞ」

豪「う・・・捕れそうなのに・・・お願い・・・もう一回だけ・・・ね・・・ねぇぇぇぇぇ」

巧「お前には無理なんだよ」

豪「そんな・・・寂しいこと言うなよ・・・お前だって捕ってもらいたいくせに・・・」

・・・いかにも腐女子が好みそうな展開である。

そして・・・ついに豪は巧をキャッチ・・・。ところが・・・豪は進学校に進学するために・・・巧とはバッテリーを組めないと宣言する。

豪「私・・・あなたのこと・・・世界で一番愛している・・・だけど・・・住む世界が違うのよ・・・」

巧「何だよ・・・それ・・・?」

・・・なのである。

もちろん・・・それでは話が進まないので・・・豪は教育ママを振り切り・・・巧と同じ中学に進むことにするのだった。

豪「あんなものみせられたら・・・ママの言うことなんて・・・聞いてられないよ」

巧「もう・・・お前を離さない・・・」

・・・まあ・・・とにかく・・・矢島繭(宮崎香蓮)とか・・・伊藤春菜(梶原ひかり)とか・・・女子の出番はあまりなさそうな・・・スタートなのだった。

・・・おじいちゃん(石橋蓮司)がおじいちゃんだけに・・・オタマとかの使用は差し控えてもらいたいものだ・・・映画「牛頭」を見ていない人にはわかりません・・・。

亀ちゃんがガイドしていたのだからもっとストレートに楽しみたい方はコチラへ→エリお嬢様のバッテリー

関連するキッドのブログ『タッチ

で、『アテンションプリーズスペシャル オーストラリア・シドニー編』(フジテレビ080403PM0930~)原案・上條逸雄、脚本・今井雅子、演出・佐藤祐市を見た。・・・なんていうか・・・可もなく不可もない・・・お手本のような・・・スペシャルドラマなのだった。

美咲洋子(上戸彩)と若村弥生(相武紗季)と関山有紀(大塚ちひろ)の同期生キャビンアテンダントの友情と成長の物語・・・。

美咲は生意気な後輩・上野(清水由紀)に煽られて発奮・・・若村と関山を引きずりまわすが・・・若村は家庭の事情・・・関山は恋愛関係で・・・悩んでいた・・・。

そこで・・・お互いを傷つけることに・・・しかし・・・スケジュールが合わなかったのか・・・回想シーンしかなかった中原(錦戸亮)との遠距離恋愛で美咲も悩んでいたのだった。

そこで仲直り・・・ついでに堤(小泉孝太郎)が関山にプロポーズしたりするのだった。

最後・・・ちょっとした故障による・・・スリリングな展開があって・・・「命懸けのビジネス」をアピール・・・そして・・・見事に成長したトリオの実力を見せ付ける・・・である。

視聴率が13.3%というのは微妙だが・・・海外ロケが楽しい人たちがいるので・・・続きはあるかもしれない・・・。「のだめ」と「アテプリ」・・・そして「P大作戦」・・・フジテレビのドラマスペシャル・・・海外編・・・だらけであるな・・・。まあ・・・そういうコンテンツ作りがお家芸なのかも・・・しれません。

あんぱんち様探しに熱中したあなたはコチラへ→アンナお嬢様のアテンションプリーズSP

でもやはり見つからなかったあなたはコチラへ→まこお嬢様のアテンションプリーズSP

関連するキッドのブログ『アテンションプリーズ』『アテンションプリーズ最終回

土曜日に見る予定のテレビ『SPスペシャルアンコール特別編』・・・新撮プラス総集編なのか・・・あこぎだな・・・『ロス:タイム:ライフ』(フジテレビ)『2クール』(日本テレビ)『東京フレンズ The Movie』(TBSテレビ)・・・土曜日は新枠登場なのか・・・。

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2008年4月 3日 (木)

先は長いの。(三津谷葉子)ケータイ捜査官には負けたくない。(真木よう子)

まあ・・・お子様用と大人用に分れているわけだが・・・今の日本では・・・本当にそんな区分けは無意味だと思う。基本的に自分が大人だと思っている子供向けに作るのが主流だからな・・・。

そういう意味で・・・そういう主流とは・・・ちょっと違う流れに乗った演出家の激突である・・・あくまでキッドの妄想内です・・・。

水曜日には「ホカベン」が・・・来る・・・上戸彩である。水曜日の主軸がどこになるのか・・・予断を許さない展開だ・・・。

まあ・・・そこそこ面白かった「世にも春」をおさらいしたい人はコチラへ→お気楽様の世にも奇妙な物語・春の特別編

で、『ケータイ捜査官7・第1回』(テレビ東京・080402PM7~)原作・WiZ(他)、脚本・冨岡淳広、監督・三池崇史を見た。まあ・・・謹んで・・・荒唐無稽の帝王の降臨をお迎えするわけだが・・・『ハニーTL』の奪っていった心の隙間を埋めるのは・・・結構・・・大変だよな。

なにしろ・・・「明日未来」である。もういきなり問答無用なのである。明日未来なんだよなのである。

玩具メーカーとアニメーションのプロダクションが「原作」なのである。もう・・・開き直った展開と言える。

とにかく・・・近未来に似て非なる明日未来の・・・東京。ネット社会の安定を秘密裏に支える組織があり・・・そこではケータイ電話が捜査官化しているのである。

もちろん・・・すでに明日未来なので荒唐無稽ではないのだが・・・明日未来の一般人にとってはまだ・・・携帯電話が歩いたり喋ったりするのが都市伝説の類になるらしい。

明日未来は混沌としているのである。

さて・・・ここで・・・少年冒険活劇の王道である・・・平凡な少年が事件に巻き込まれて・・・超秘密組織であるアンダーアンカーに接触し・・・たちまち・・・ケータイ捜査官のパートナーになってしまう・・・という強引な展開が来る。

ここは・・・ある意味・・・脚本家の腕の見せ所だが・・・そんな小細工はしないのである。昔なら「勇気」があるから・・・と言うところを「優しさ」があるから・・・仲間としてあっさり認められるのである。

敵は暴力的な組織であり・・・いい大人が子供に対してそんな任務を簡単に委任したらダメだろうとか・・・言っている場合ではないのだ。もう・・・事件が起こっていて人手が足りないんだから子供だって戦えっ・・・なのだ。

高校一年生・網島ケイタ(窪田正孝)は・・・家出の途中でサイバーテロによるロボット工作機械の暴走現場に遭遇し・・・ケイタを救助しようとして重傷を負った滝本(津田寛治)の代わりに滝本のバディ(相棒)・・・ケータイ捜査官7(セブン・声・河本邦弘)を託される。

セブンは端末にとりつくと・・・サイバーテロに対して有効なアクセスができるのである。とにかく・・・ケイタは端末にセブンを移送(なるべくならぶん投げない)し・・・アクセス中にセブンの安全を確保(身を挺して犯罪者の暴力に耐えたり)するのである。

ふふふ・・・サイバーテロリスト(劇団ひとりなど)は基本的に虚弱だが・・・捜査官たちはさらに非暴力っぽい・・・こんな縛りの中で・・・演出陣がどれほど暴走できるのか・・・楽しみである。なにしろ全51話予定という・・・ロンングランなのだ・・・完走するのも大変そうだ。

エージェント・麻野(三津谷)、同級生・御堂(岡本奈月)、妹・可憐(五十嵐令子)が萌え要員・・・ちなみに両親は田口浩正・渡辺典子であり・・・第一話はそこが一番、荒唐無稽だった。

筋立てに・・・やや不安は感じるが・・・とにかく・・・派手さは出せたのかな・・・。セブンはそこそこ可愛い・・・のかもしれない。

で、『週間真木よう子・第一号・ねぎぼうず』(テレビ東京・080403AM0120~)原作・リリー・フランキー、脚本・三浦大輔(他)、演出・大根仁を見た。主演・真木のオムニバスらしい。一番手は変態好きの演出である。真木よう子が・・・どこへ向かっていくのか・・・キッドは全く読めない。この演出家は「すごい女優」としてとらえているので・・・「すごい女優」の方向性があるのだな。

ここまで・・・仲代達矢とケンカした・・・スレンダーで爆乳・・・バッチギで在日ナース・・・風林火山で殿様殺し・・・SPでショートカット・・・可愛い顔して粗野・・・というイメージが作られつつある主演者である。今回はどちらかといえば・・・M系のかわいい奥さんをあてられている。しかし・・・セックス依存症という設定なので・・・変態である。

パート帰りにスーパーでネギなどを買い・・・夕食の支度のために家路を急ぐ・・・岩崎よう子(真木)は怪しい男(田中哲司)に呼び止められる。

「スーパーで万引きしたでしょう・・・」と声をかけてきた男は・・・「実は探偵なのだ」と名乗り・・・よう子の恥ずかしい写真を持っていることを示す。

それが自分の恥ずかしい過去の写真と認めてしまったよう子は男の言うままにホテルへ連れ込まれてしまう。・・・まあ・・・ここで・・・ある意味・・・変態はネタバレしているわけです。

とにかく・・・恐喝・・・金が目当てなのか・・・体が目当てなのか・・・目的を明らかにしないまま・・・男はねちねちとよう子をいやらしい目で見るのである。ある意味・・・ドラマはいやらしい目で見る男といやらしい目で見られるよう子・・・これだけである。

とにかく・・・なんだか・・・魅力的でない夫からの夕飯おねだり電話とか・・・回想の恥ずかしい体験とか・・・夫にいやらしい仕草をとがめられたこととか・・・出会い系でゆきずりの肉体関係を重ねた過去とか・・・よう子はぼそぼそと語り続けるし・・・男はとにかく・・・いい体だと褒め讃えるのである。

やがて探偵は・・・二年前に写真を撮った男はよう子の体が忘れられず・・・ずっと捜し続けていたということを・・・男はよう子に伝え・・・男の顔さえ覚えていないよう子に・・・写真を撮った男の正体を明かすのである。

もう・・・とにかく・・・よう子は濡れそぼっていたのだな・・・。

まあ・・・ストレートな口説き話なのであるが・・・「ロス:タイム:ライフ」とどっちがエンターティメントか・・・と問われると・・・なんとも言えないのだった。

まあ・・・ノーマルな変態にとっては・・・いいセックスが全てだろう・・・というコンセプトはそれなりに説得力があるのかもしれない・・・。

とりあえず・・・男と女はむさぼりあう・・・という王道をやったので・・・次回はどう方向転換してくるのかは・・・少し楽しみである。

関連するキッドのブログ『北村一輝のアキハバラ@DEEP

               『風間俊介のアキハバラ@DEEP

               『ライオン丸G

金曜日に見る予定のテレビ『マクロスF』(TBSテレビ)・・・『眉山』(フジテレビ)も見るけどね。

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2008年4月 2日 (水)

立川談志みたいになりたいけどならない。(爆笑問題・太田光)

キッドは動作や表情、口調から太田光から立川談志を感じるのだが・・・他の人はどうかは知らない。

連続ドラマの過渡期が短いので・・・ドラマ以外の番組レビューがものすごく減少している。

その中でこの番組が対象になることは・・・あくまで偶然の産物である。

「タイヨウのうた」の映画版はシンプルでいい・・・とか・・・「あずみ2」をもっと好意的に解釈するヴァージョンとか・・・「サイレン」困ったもんだ・・・とか・・・「タイムマシン」という独善とか・・・「サンダーバード」って無理があるとか・・・まあ・・・そういうことより・・・春らしい話題だしな・・・どこがだっ。

まあ・・・どこか・・・似たようなものになる・・・個性というものを念頭に置いておく。

で、『爆笑問題のニッポンの教養32・タテ・ヨコ・ナナメにモノを見ろ!編集工学 松岡正剛』(NHK総合080401PM11~)取材・水高満、ディレクター・金田将二郎を見た。

まず・・・このサブタイトルは番組内容をあまり反映していない。基本的には「編集こそが神である」という松岡正剛と「お笑いこそが自分である」という太田光の対談である。もちろん・・・司会は田中裕二というセッティングになっている。

冒頭でインタビューを短く編集してふざけた要素を見せる。

松岡「漫才なんてどうやって作るんですか?」

太田「稽古を重視してます・・・」

松岡「漫才なんてどうやって作るんですか?」

太田「漫才なんてどうでもいいです・・・」

松岡「漫才なんてどうやって作るんですか?」

太田「・・・もうやめろよ」

インタビューの断片を再構成して・・・まったく違う意味を作るという遊びである。基本的にテレビや映画にはこの編集技術があることで「事実を伝えない」場合があるということを提示しているのだ。

松岡のモットーは「創作とは編集である」なので・・・その基本を示したということだ。「ものづくり」において・・・基本となる考え方である。

もちろん・・・丹精こめてオリジナルを作った人の視点で見ると・・・オリジナルとオリジナルを結びつけることが新しいオリジナルである・・・という思考は・・・なんだか・・・大切なものを奪われたり・・・汚されたり・・・されたような気分をもたらすように思えるが・・・しかし・・・基本としては抑えておかねばならない思考なのである。

昨日・・・「はばかり」について日本語の持つ曖昧さを示したキッドだが・・・松岡はそれを「言語の持つ不埒な覚束なさ」と表現する。おしゃれなのである。赤坂にある編集工学研究所のようなおしゃれさんなのであるな。

ま・・・要するに言語なんて・・・すべて戯言なのだ・・・ということだ。

しかし・・・人々は言語を使って意思疎通をはかるのである。そのもどかしさを太田は「言葉にすると・・・死んでしまう・・・今の自分が伝えきれない」と語る。

松岡は「世界は編集されているので仕方ない」と大人として慰めるのだった。

松岡は「知の巨人」として・・・とにかく・・・「メソッド」とか「デュアル」とか「モード」とか言ってしまうのだが・・・「メソッド」は「方法」だし、「デュアル」は「二重」だし、「モード」は「形態」である。そういう言い方が鼻持ちならない人には刺激的な語り口である。

もちろん・・・基本的には寄せ集め人間なのである。だから・・・「能」という芸能が「田楽」から洗練されるときに「四つの動作」に集約された・・・などというとんでもない暴論を語る。

この時にあげたのが「切る」「しおる」「照らす」「曇る」である。

おそらく「キリ」である作品の終了を示す言葉と「しおる」(泣く動作)、「照らす」(仰ぐ喜びの表現)、「曇」(俯く悲しみの表現)を・・・取捨選択の結果の到達点の例として表現しているのである。言っていることは支離滅裂だが・・・そこが面白いのである。

もちろん・・・世界の情報が人間という媒体に吸収されるときに情報は質量ともに変化するという話である。

たとえば「田中」を見た太田が「愛おしいチビの田中」と得た情報は「田中」そのものではありえない。太田が松岡に「田中は愛人です」と言葉にすれば・・・それは太田の内面にある「田中」でもなくなり、そして松岡が「田中はもろもろ面倒な人」と受け取れば・・・もはや「田中」は激しく変換されてしまっているのである。

すべての事象はこのように編集されている・・・というのが松岡のメインテーマなのである。

太田は心の中で松岡を「書庫タン」と呼んでちょっとうれしくなるのだが・・・それを松岡に伝える危険性は熟知している。

今回・・・爆笑問題の漫才ネタが挿入されるのだが・・・「遺伝子バンクに大江健三郎の精子があったらヒシアマゾンとかけあわせていいケンタウロスを作りたい」というネタだった。ここでおばちゃんたちの笑い声がおこるのだが・・・ケンタウロスが伝わらないのでおばちゃんが笑うはずはないと偏見を持てばこの笑いがフィクションであることは明白なのである。

松岡は「奈良の歴史イベント」にブレーン参加しており・・・トナカイダイブツくん(仮称)の是非を問われ・・・「面白くていいのではないか・・・神仏なんてキマイラだから」と言うのである。

こうして・・・最後に太田と松岡は「異端」というものについて意見を交換する。

「騒がしいハンバーグという異常な組合せは面白い」という松岡に対して・・・太田は「面白いからと毒蝮三太夫をホームから線路に突き落としたり突き落とされたりする立川談志さんがメジャーになったら面白いと思うがそんなことになったら嫌だ」とオトすのだった。

まあ・・・両者とも・・・素晴らしいことは何ひとつ言っていないのだが・・・「知」というものに思いをめぐらせるきっかけとしては・・・まあまあのテキストである。

「組合せ」の中から「美しいもの」を選び取る・・・それは・・・自然に迎合することなのか・・・修羅の果てにある不自然の極地なのか・・・。

キッドはふと・・・そんなことを考えさせられた。

「価値観の相対化による多様化」を「編集という手法」で「実用化する」という松岡にものすごく磨き抜かれた胡散臭さを感じるし・・・松岡を天然ボケだと指摘する爆笑問題はそれなりにいい感じなのである。

最後に編集の魔術は・・・。

太田「松岡さんは人を笑わせようとしたりするんですか?」

松岡「欧米かっ欧米かっ欧米かっ」

田中「それはつまらないですね」

なのであった。

まあ・・・基本的に「教養をめぐる対談」は「キツネとタヌキの化かしあい」なのだな。

関連するキッドのブログ『太田光の私が総理大臣になったら・・・秘書田中

木曜日に見る予定のテレビ『バッテリー』(NHK総合)『アテンションプリーズスペシャル』(フジテレビ)『笑う大天使<ミカエル>』(テレビ東京)

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2008年4月 1日 (火)

ノロネズミになるために生れて来ました(森山未來)

ちなみに貫地谷しほり(22)である。1985年生まれ・・・花盛りなのだな。

「未来講師めぐる」の後番組である「キミ犯人じゃないよね?」(テレビ朝日)の主演を前に軽く地味目の事務員を演じている。セクハラを受ける場面もあり見所は抑えているのである・・・さすがだ。

さて・・・TBSテレビと講談社がタイアップしたドラマ原作大賞の第一回受賞作である。受賞者は1977年生まれの公務員。第二回の募集も始まっている。コチラ→第2回ドラマ原作大賞

本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「未来遊園地」↘*6.3%(だから主演の器ではないのですってば・・・いい脇役になれるのに・・・もったいない)「刑事の現場」↘*7.8%(結局・・・ここを見る人はかなりのドラマ好きなので・・・少しでもクォリティーが下がるとたちまち離れるのである・・・厳しいな)、「ロスタイムライフ」↘*9.8%(常盤とほぼ同じ数字なのは評価できる・・・死ぬまでの長さがちょっとダメだったかも)、「ハリーポッターと秘密の部屋」12.1%(まあ・・・もういいってことだよね)、「篤姫」↘21.6%(みんな・・・一足先にお花見か?)・・・以上。

で、『月曜ゴールデン・被取締役 新入社員』(TBSテレビ080331PM9~)原作・安藤祐介、脚本・蓬莱竜太、演出・吉田秋生を見た。シンプルなアイディアである「とりしまりやく」があるなら「とりしまられやく」があってもいいじゃないかっ・・・てことなのだな。

で・・・主人公の鈴木信男(森山)は「注意力散漫で失敗をするのでいじめられるタイプ」でついに就職活動をするまでに成長してしまったダメ人間である。それなのに「大手広告代理店」の入社試験を受けるという・・・身の程知らずのところもある。

ところが・・・この会社の会長(宇津井健)が「意識下の優越」という概念の信奉者(変人)であったために・・・思わぬ幸運に恵まれる。

「ドジでグズでみんなに蔑まれることによって自分以外のメンバーのチームワークを向上させる特殊任務」を与えられた役員待遇の秘密社員に任命されたのである。

この超一流のダメ人間が・・・ものすごく・・・役者にはまっている・・・のだな。

キッドも絶対いじめてみたい・・・タイプを演じているのである。

で・・・会長の目論見は成功し・・・仮名・羽ケ口信男は社員の士気を向上させるのである・・・ところが・・・災い転じて福となる例外が生じ・・・ありえないクズアイディアである「オナラブタ」が大ヒットしてしまい・・・信男は有名クリエーターに祭り上げられてしまう。

さて・・・キャバ嬢として岩佐真悠子が登場するのだが・・・脚本的にはちょっと穴があるのが・・・「有名になった信男」に岩佐が気がつかないことである。さらに信男のいじめっ子も信男に気がつかない。もちろん・・・有名人がさほど有名ではないことはよくあることだし、キャバ嬢やチンピラが情報に疎いということはままあるが・・・アマチュアの原作をプロの脚本家がアレンジするのだから・・・このあたりには気配りが必要だと考える。

金づるである客のことや・・・いじめて楽しかったいじめられっ子のことをちゃんとあつかうのが人間というものではないか。

とにかく・・・後半はやや・・・もつれた展開になっていくのだが・・・まあ・・・それも最近のドラマというものかもしれない。

さて・・・後半のキーワードは「いじめられっ子、世に憚る」である。元になるのは「憎まれっ子、世に憚る」という決まり文句だ。この言葉は不思議な言葉なのである。いや・・・言葉というものは全て不思議なのだが・・・それを強く感じさせる言葉だ。

この言葉の意味は「憎まれっ子というものは世に幅をきかせるものだ」という意味である。

つまり・・・仲間内では憎まれても世間では実力を評価されるということなのだ。しかし・・・「憚る」という言葉は同時に「畏れて慎む」という意味も含んでいる。

だから・・・「仲間内では憎まれるほど強気なくせに・・・世間に出ると大人しい」という意味にもとれるのである。

つまり・・・言葉に表裏があるのだな。これは・・・この言葉を使うものの立場というものをそれとなく暗示しているのである。つまり・・・憎まれっ子と自覚するものと・・・憎まれっ子ではないと自覚するものの心が言葉の意味を曖昧にしていくのだな。

言葉遊びでなつかしいビックリハウスのご教訓に「憎まれっ子、夜に憚りから出てこない」というものがあるが・・・この場合の憚りとはトイレのことである。で・・・この場合も・・・排便や排尿という行為が恥ずかしいから憚りなのか・・・排尿や排便をするためにはある程度の幅を借用するから憚りなのか・・・微妙なのにどちらでも通じるのである。

憚りとは借地である。借りるものとしては大家に遠慮があるのが普通である。しかし・・・現在では権利の意識が拡大し・・・借地権というものはなかなかにあなどれないものがある。時には大家が借地している方に憚らねばならない場合がある。

つまり・・・憚りの意味が逆転するのである。ああ・・・日本語って不思議だ・・・これが忌憚のないキッドの感想である。つまりキッドは世に憚る人間なのだな・・・。ねっ?

よくもまあ・・・人間はこんな不確かなツールを使って意志の疎通ができるものだと・・・久しぶりに感慨にふけりました。

とにかく・・・森山のかわいいいじめられっ子キャラが爆発の面白いドラマです。

これってオチてるの?とふと疑問なあなたはコチラへ→お気楽様の被取締役 新入社員

関連するキッドのブログ『貫地谷しほりのちりとてちん

               『貫地谷しほりの風林火山

               『森山未來の僕たちの戦争

水曜日に見る予定のテレビ『ケータイ捜査官7』(テレビ東京)『世にも奇妙な物語・春の特別編』(フジテレビ)『トリハダ3』(フジテレビ)『週間真木よう子』(テレビ東京)・・・ああ・・・テレ東の二本立ての日になるのかよ・・・。

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