極意とは・・・ふれもせずおとすということじゃ(宮﨑あおい)
・・・「猟奇的な彼女」との二本立て「銭形VSなっちゃん」も考えたのだが・・・謎の番組「アンナ様のダーリンのチェンジ」まで空白の月曜日を埋めるべく・・・「猟奇」は明日に回すことにしました。なにしろ・・・妄想的なドラマなので妄想がとまらない可能性がありますから。
一方、連続20%超を16回に伸ばした「篤姫」・・・突然、時空が乱れ始め・・・今が西暦何年なのか・・・朦朧としています。
まさに妄想空間に突入した模様。二週連続・・・篤姫を一目見た老人男性はルルーシュのギアスされてしまうという展開です。
邪眼の持ち主なのか・・・。その力は女性に対しても有効の模様。無敵じゃ・・・「見るだけで支配できる超能力」・・・中国共産党もきっと欲しがるな。
で、『篤姫・第16回』(NHK総合080420PM8~)原作・宮尾登美子、脚本・田渕久美子、演出・岡田健を見た。例によってシナリオにそったレビューはikasama4様を推奨します。今回は名場面の解説特集とコミカル斉昭、クリムト風総天然色篤姫の豪華二大イラスト付でございます。まあ・・・セクスィー部長の運命も気になるところですが・・・篤姫の使う妖術はまさにセクスィー部長系・・・幼い頃から小松家秘伝を伝授されていたと考えると見事に辻褄があっています・・・政(まつりごと)と色恋は一緒になされぬように・・・と決めてもらいたいくらいだ。おそらく・・・秘伝の香を使用するのでしょうな。
で、今回は江戸城は異次元空間につつまれ・・・安政2~3年のいつともしれぬ春を人々は彷徨っていく。おそらく・・・奇人を装った将軍・家定(堺雅人)が大掛かりな乱心法春霞の術を使っているのだろう。もはや・・・大河ドラマなのか・・・妄想なのか判別しがたい展開である。江戸城(現在の皇居)を挟んで対峙する水戸藩邸(現在の後楽園・東京ドーム)と薩摩藩邸(現在の芝公園・東京タワー)にはそれぞれ魔方陣が描かれ・・・己が主の野望の成就のために忍びの者たちは暗闘をくりひろげるのです・・・。
さて・・・今回、初登場する忍びの者は家定の生母・お美津の方(本寿院=高畑淳子)の率いる甲州忍びの末裔たちである。武田信玄が信州・佐久を占領した時に目付けとしたした跡部氏の忍びたちで・・・徳川宗家・旗本に名を残す跡部家を中心とした忍びの衆。お美津を頭領として旗本の子女を統括する大奥組はもちろん・・・全員くのいちという・・・艶やか集団だ。特に閨房の術に優れた跡部のお美津は「秘術しぼりとり」で精力の衰えた家定の父・家慶から・・・子種を得た手練れなのである。
一方、家定は神道系の呪術・亀甲仙卜の発展系として煎餅を焼いて吉凶をうらなうほどの実力者なのだった。彼とて・・・名目的には日本の守護なのである。その役職は征夷大将軍なので・・・名目的には夷(外敵)を征さねばならない。しかし・・・それが至難であることは忍びたちの調べで分っている。煎餅でも焼かねばやっていられないのだった。
国とは「人」の集まりである・・・人の集まりにはエネルギー源である「米」が必要だ・・・そして「米」を集め守り散じるためには「武」が必要である。武家の棟梁はその武を有効に使わねばならない。かって半島に攻め込むほどの最新鋭の重武装を誇った列島の武力は鎖国のうちに旧式化し・・・時代遅れのものになっていた。その認識は海外に放った「草」からの報告で家定にもたらされている。
家定の結論は「開国やむなし」だった。しかし・・・征夷大将軍である以上・・・それを朝廷に承服してもらわなければならない。しかし・・・朝廷にもまた「愛国」よりも「愛家」の有象無象が巣食っているのだった。幕府に巣食う有象無象と同様・・・国の大事よりも家の大事と考える小人は世にあふれている。
彼らの根底には「国が滅びても我が家が栄えればいい」と言う欲望がある。
家定はそういうものたちを率いて異国と戦など無理・・・と考えている。
そして・・・そういうものたちが己の利権拡大のために「攘夷」を叫ぶに至るのを暗澹たる思いで眺めている。・・・煎餅でも焼かねばやってられないのである。煎餅はいい・・・火にあぶられてもち米は焦げ・・・その香に心が慰められる・・・のであった。
そういう家定の心を誰よりも理解しているのが島津斉彬である。後継者を持たない二人の王・・・薩摩王と幕府王はお互いの胸中を察している。
一方・・・水戸藩の黒幕・・・斉昭はすでに老いによる狂を発し始めていた。その狂を二人の忍びが支えている。一人は「その責め常に己に有り」と信ずる実存主義の藤田東湖であり、一人は「滅びても戦は必然」の軍事至上主義の武田耕雲斎だった。もちろん・・・二人とも忍者であるが・・・藤田は名とは逆に天皇の忍び小野妹子の末裔であり・・・武田は跡部忍者の分派である。
二流は外交と戦争という対外政策の二輪を形成し・・・究極の忍び理論である水戸学を守護していたのであった。その一輪が天変によって失われることも・・・また回天の神秘性を高めるのであった。
跡部の名は部曲の名残であるが・・・それが「遺跡を守護する墓守」の部民であることは・・・この時期に二系統の跡部忍軍が敵味方に分かれる皮肉となるのである。
軍事費算出のために大奥の倹約を求める斉昭の跡部水戸忍軍と・・・大奥の主である将軍生母の跡部旗本忍軍・・・権力闘争には同族相打つ悲劇はつきものなのであった。
江戸城・・・内堀に・・・外堀に名も残らぬ忍びたちの死体が浮かぶ・・・安政の初頭。
わが子可愛さに眼の曇った斉昭は家定の実力を削ぐために忍びのものを江戸城に送り込むことをやめない。
その動きをじっと見つめるのは島津斉彬の正室・英姫だった。英姫は一橋徳川家から送り込まれた目付け忍びが付いている。藤野(北原佐和子)がその中忍である。
英姫「水戸のご隠居にも困ったものじゃ・・・」
藤野「ご実家のことなれば・・・ご心痛のこと・・・」
英姫「一橋の根来衆もすっかり・・・鹿島流に骨抜きにされてしまったようじゃの」
藤野「水戸には・・・光圀公以来の全国草の流れがございます・・・なかなか・・・強きもの多くございますれば・・・」
英姫「・・・今はまだ跡部と跡部の小競り合いじゃが・・・旗本衆と親藩衆の争いともなれば・・・大事じゃ」
藤野「・・・旗本衆には譜代衆が加勢するやもしれませぬ・・・」
英姫「物憂いことよのう・・・風雅に生きることもままならぬ・・・殿のお気持ちが察せられることよ・・・。これは・・・また・・・アレじゃな・・・」
藤野「・・・篤姫様でございますか・・・」
英姫「修行によって得られぬ秘術というものがある・・・篤姫の人心掌握術は生来のもの・・・あの無垢な瞳で見つめられては・・・この身にさえ・・・熱いものがほとばしるわ・・・恐ろしき女子よの・・・贈り物のひとつもせんでは・・・身が持たぬは・・・」
二人の老いたくのいちの眼に桜の花びらがそよと動くのが映る。
江戸の各所に桜が満開の季節となった。桜花の魔力は篤姫の妖力を増幅する。
斉彬の招きに応じた斉昭の脳裏には怪しい夢の名残がある。
斉昭(島津の屋敷にのこのこと出かけていくとは・・・余も老いたものよ・・・しかし・・・心に映る女の姿が辛抱たまらぬ・・・大奥のくのいちたちとの争いで後楽園が手薄になっているとは言うものの・・・よもや・・・催眠をかけられるとは思いの他のこと・・・しかも・・・この屋敷で桜を見るに・・・暗示を解くとは・・・よほどの自信があると見える・・・薩摩のくぐり衆の実力・・・侮れぬな・・・しかし・・・お歴々の揃う中・・・まさか・・・毒もつかえまいに・・・斉彬め・・・いかなる・・・意向のありしものか・・・まあ・・・評判の姫とやらを見ておくのも悪くあるまい・・・こととしだいによっては余が・・・召し上げて・・・おう・・・そうか・・・ついに見せるか・・・ふふふ・・・薩摩の田舎姫など・・・お・・・おお・・・おおおお・・・こ、これは・・・むぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ、萌え~っ)
桜の花びらに乗せて漂う秘伝の香を嗅いだ烈公は心の扉を開かれた。そしてその無防備な視覚に・・・篤姫の顔がクローズアップされて飛び込んでくる。黒く光るその瞳は斉昭にとって観音様そのものに映るのであった。
「法蓮華・・・法蓮華・・・法蓮華」
斉昭は恍惚に包まれた。そして一物は激しく怒張するのであった。
斉彬は誘惑に耐えて・・・目を背けた。対閃光防御姿勢をとらねば危険なのだった。
「わが・・・従妹なれど・・・おそろしき女よ・・・」
斉昭はそっと法蓮華経を唱えるのだった。
関連するキッドのブログ『第15話のレビュー』
火曜日に見る予定のテレビ『絶対彼氏』(フジテレビ)『おせん』(日本テレビ)・・・う、苦しい。
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
回を重ねる度に
宮崎さん演じる篤姫に
女帝の品格が漂っているような気がしてきました。
流石、幾島が丹精込めて育てただけの事はあります。
たしかに大奥や武家屋敷には
閨房の術に優れし者達がたくさんいた事でしょう。
出来ればその様子を描いて欲しいもんですねぇ。
・・・でもやっぱ無理だろうな(; ̄∀ ̄)
それにしても煎餅を亀甲に見立てるとは
恐るべき慧眼です(笑)
なるほどですねぇ。
水戸の忍が暗躍してる訳ですねぇ。
そんな水戸藩の勢力を分断させるためには
やはり後の世で「安政の大地震」と呼ばれた事件が
起こるんでしょうね。
それも人為的に(苦笑)
それでは次回のネタも楽しみにしております( ̄ー ̄)
投稿: ikasama4 | 2008年4月22日 (火) 00時17分
✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥
ふふふ、ペースのあげさげが
激しい展開ですね。
こうなると
事件の詰め込みすぎにも見えるし
何も起らないようにも見えるという
情報格差が生じるのは必然。
まったく歴史を知らなければ
篤姫と小松帯刀が
かけおちしかねない予告編。
それにしても帯刀は
何度篤姫と決別すれば
気がすむのでしょうか。
今回・・・帯刀は姫の嫁入り支度
お手伝いのために江戸入りするわけで
はりきりぶりが
痛々しいと感じさせたいのか・・・
と不思議な気持ちになりました。
さっさと小松になっちゃえば・・・
いいのに・・・と思うほどでございます。
まあ・・・脚本・演出の好みは
ともかく・・・妄想忍者世界は
次から次へと投げ込まれるエサに
嬉々として飛びつくサル状態なのでございます。
投稿: キッド | 2008年4月23日 (水) 02時30分