ノロネズミになるために生れて来ました(森山未來)
ちなみに貫地谷しほり(22)である。1985年生まれ・・・花盛りなのだな。
「未来講師めぐる」の後番組である「キミ犯人じゃないよね?」(テレビ朝日)の主演を前に軽く地味目の事務員を演じている。セクハラを受ける場面もあり見所は抑えているのである・・・さすがだ。
さて・・・TBSテレビと講談社がタイアップしたドラマ原作大賞の第一回受賞作である。受賞者は1977年生まれの公務員。第二回の募集も始まっている。コチラ→第2回ドラマ原作大賞
本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「未来遊園地」↘*6.3%(だから主演の器ではないのですってば・・・いい脇役になれるのに・・・もったいない)「刑事の現場」↘*7.8%(結局・・・ここを見る人はかなりのドラマ好きなので・・・少しでもクォリティーが下がるとたちまち離れるのである・・・厳しいな)、「ロスタイムライフ」↘*9.8%(常盤とほぼ同じ数字なのは評価できる・・・死ぬまでの長さがちょっとダメだったかも)、「ハリーポッターと秘密の部屋」12.1%(まあ・・・もういいってことだよね)、「篤姫」↘21.6%(みんな・・・一足先にお花見か?)・・・以上。
で、『月曜ゴールデン・被取締役 新入社員』(TBSテレビ080331PM9~)原作・安藤祐介、脚本・蓬莱竜太、演出・吉田秋生を見た。シンプルなアイディアである「とりしまりやく」があるなら「とりしまられやく」があってもいいじゃないかっ・・・てことなのだな。
で・・・主人公の鈴木信男(森山)は「注意力散漫で失敗をするのでいじめられるタイプ」でついに就職活動をするまでに成長してしまったダメ人間である。それなのに「大手広告代理店」の入社試験を受けるという・・・身の程知らずのところもある。
ところが・・・この会社の会長(宇津井健)が「意識下の優越」という概念の信奉者(変人)であったために・・・思わぬ幸運に恵まれる。
「ドジでグズでみんなに蔑まれることによって自分以外のメンバーのチームワークを向上させる特殊任務」を与えられた役員待遇の秘密社員に任命されたのである。
この超一流のダメ人間が・・・ものすごく・・・役者にはまっている・・・のだな。
キッドも絶対いじめてみたい・・・タイプを演じているのである。
で・・・会長の目論見は成功し・・・仮名・羽ケ口信男は社員の士気を向上させるのである・・・ところが・・・災い転じて福となる例外が生じ・・・ありえないクズアイディアである「オナラブタ」が大ヒットしてしまい・・・信男は有名クリエーターに祭り上げられてしまう。
さて・・・キャバ嬢として岩佐真悠子が登場するのだが・・・脚本的にはちょっと穴があるのが・・・「有名になった信男」に岩佐が気がつかないことである。さらに信男のいじめっ子も信男に気がつかない。もちろん・・・有名人がさほど有名ではないことはよくあることだし、キャバ嬢やチンピラが情報に疎いということはままあるが・・・アマチュアの原作をプロの脚本家がアレンジするのだから・・・このあたりには気配りが必要だと考える。
金づるである客のことや・・・いじめて楽しかったいじめられっ子のことをちゃんとあつかうのが人間というものではないか。
とにかく・・・後半はやや・・・もつれた展開になっていくのだが・・・まあ・・・それも最近のドラマというものかもしれない。
さて・・・後半のキーワードは「いじめられっ子、世に憚る」である。元になるのは「憎まれっ子、世に憚る」という決まり文句だ。この言葉は不思議な言葉なのである。いや・・・言葉というものは全て不思議なのだが・・・それを強く感じさせる言葉だ。
この言葉の意味は「憎まれっ子というものは世に幅をきかせるものだ」という意味である。
つまり・・・仲間内では憎まれても世間では実力を評価されるということなのだ。しかし・・・「憚る」という言葉は同時に「畏れて慎む」という意味も含んでいる。
だから・・・「仲間内では憎まれるほど強気なくせに・・・世間に出ると大人しい」という意味にもとれるのである。
つまり・・・言葉に表裏があるのだな。これは・・・この言葉を使うものの立場というものをそれとなく暗示しているのである。つまり・・・憎まれっ子と自覚するものと・・・憎まれっ子ではないと自覚するものの心が言葉の意味を曖昧にしていくのだな。
言葉遊びでなつかしいビックリハウスのご教訓に「憎まれっ子、夜に憚りから出てこない」というものがあるが・・・この場合の憚りとはトイレのことである。で・・・この場合も・・・排便や排尿という行為が恥ずかしいから憚りなのか・・・排尿や排便をするためにはある程度の幅を借用するから憚りなのか・・・微妙なのにどちらでも通じるのである。
憚りとは借地である。借りるものとしては大家に遠慮があるのが普通である。しかし・・・現在では権利の意識が拡大し・・・借地権というものはなかなかにあなどれないものがある。時には大家が借地している方に憚らねばならない場合がある。
つまり・・・憚りの意味が逆転するのである。ああ・・・日本語って不思議だ・・・これが忌憚のないキッドの感想である。つまりキッドは世に憚る人間なのだな・・・。ねっ?
よくもまあ・・・人間はこんな不確かなツールを使って意志の疎通ができるものだと・・・久しぶりに感慨にふけりました。
とにかく・・・森山のかわいいいじめられっ子キャラが爆発の面白いドラマです。
これってオチてるの?とふと疑問なあなたはコチラへ→お気楽様の被取締役 新入社員
関連するキッドのブログ『貫地谷しほりのちりとてちん』
水曜日に見る予定のテレビ『ケータイ捜査官7』(テレビ東京)『世にも奇妙な物語・春の特別編』(フジテレビ)『トリハダ3』(フジテレビ)『週間真木よう子』(テレビ東京)・・・ああ・・・テレ東の二本立ての日になるのかよ・・・。
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皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
う~ん・・ややこしいです。はばかってもはばかられて、
何が何やら。・・でも素直に読めばキッドじいやは憎まれることもなくしかも実力を評価されてると思うんですよね☆
いい感じのドラマでしたね。
あのキョドっぷりのおどおどさがなんとも言えず哀愁で、
しかもコミカルに演じた未来くんは上手でした。
名古屋に行くと言う時点で、すでに次回作を用意していると読みましたけど。
でもそうすると貫地谷さんの処理があるので
一緒に異動したほうがいいのになあ・・。
投稿: エリ | 2008年4月 1日 (火) 13時06分
✿❀✿❀✿かりん☆スー☆エリ様、いらっしゃいませ✿❀✿❀✿
日本語は本当に複雑怪奇でございますよ。
まあ・・・だからどんな妄想をしましても
じいやは言い逃れる自信だけはございます。
白を黒と言いくるめるのは執事の必携技術ですからーっ。
お嬢様のご指摘の通り・・・
後姿に何故かチャップリンを感じましたな。
しかも・・・ロンリー・チャップリンで・・・。
キッドだったら・・・
あの貫地谷の役も
会長のスパイにするのですが・・・
そうすると・・・
貫地谷の純情さがまた含みを持ってくるのですが・・・。
この話って・・・特命係長の変種なのですが
「いじめられっ子」に特化しているので
お話しのヴァリエーションは
意外と難しいような気もします。
ある意味、世にものシャクにおさまる話ですから。
続編があるとするとドジの達人ぶりと
天然ドジのアイディア次第か・・・。
なにか・・・違う視点が必要になりそうです。
投稿: キッド | 2008年4月 4日 (金) 16時57分