別の私が目を覚ますの・・・きれいな泪こぼすのよ。(上戸彩)
・・・ついに来た水曜日の決戦・・・。レビュー一本化における最初の試練である。
なにしろ・・・明日未来特撮アクションの「ケータイ捜査官7」VS鑑識・夏樹(加賀美早紀)の「警視庁捜査一課9係」VS上戸彩・北村一輝のひと夏のパパペアによる「ホカベン」VSもうなんだかすごいことになっている「週刊真木よう子」である。
いきなり・・・「ケータイ」が超音波で精神制御という荒技をゲスト悪役(手塚とおる)でくりだしてくる・・・警官が小学生を射殺寸前である・・・ちびるだろ・・・一方・・・加賀美早紀はワザとやっているとしか思えないチラリズムの極地・・・後姿で始まり画面奥へ・・・イノッチが美形警戒警報でも発令しているのか・・・しかも被害者の妹・セーラールナの小池里奈である・・・そして・・・上戸彩はいきなり百恵である・・・以前からたくさんのポスト百恵はいたわけだが・・・今回のスーツ姿のファースト・ショットはまさに百恵だ・・・絶対百恵。・・・そして・・・真木よう子は「栞と紙魚子」のAV演出家・井口昇の脚本で狂気の「地獄甲子園」監督・山口雄大の演出で「怪奇筋子女・極道編」である・・・もう意味不明の上にゲスト阿部サダヲが殺人ダーツを投げまくるのだ・・・もう・・・何を語ればいいのか・・・見当もつかないよ。
だから・・・もう・・・百恵・・・いや「ホカベン」でいいや・・・脚本陣・・・ギリギリ踏みとどまっているし・・・。視聴率は*8.8%というおめでたい数字だったけどさ。これは上戸の初主演作「ひと夏のパパ」(平均*5.6%)の初回と同じというミラクルなのである。ちなみに「9係」は*9.7%で「相棒」「斉藤」と同じくダンスはしているらしい。
で、『ホカベン・第一回』(日本テレビ080416PM10~)原作・中嶋博行、脚本・阿相クミコ(他)、演出・佐久間紀佳を見た。脚本監修が・・・例の人なので・・・おっかなびっくりだったが・・・まあ・・・なんとかセーフだったな。脚本陣ががんばったのだな・・・きっと・・・う、撃たないで・・・。それにしても・・・見る前からこれだけ・・・マイナス要素の人をなぜ起用し続けるのか・・・そこが一番・・・謎だよ。
もちろん・・・いきなり・・・女優の思わせぶりなナレーションで入り・・・思わせぶりなクライマックスシーンの先出し・・・そして・・・場を弁えないセリフの応酬と・・・お茶の間を戦慄させる病気ぶりは相変わらずだが・・・とにかく目をそらしておくことにする。
司法と市民生活の乖離という問題提起は申し分ないからである。それは「ドラゴン桜」でも成功している・・・ちょっとした常識へのひねりであり・・・この題材を選択するということが・・・企画者として評価されている・・・ということなのかもなあ・・・。
炊きたてホカホカって言うより出来立てほやほやの方がしっくりくるキッドだが・・・とにかく・・・新人弁護士・堂本灯(上戸)の物語である。彼女は弱者の味方がしたくて法律家を志し・・・大手の弁護士事務所に新規採用されるほどのエリートなのだが・・・とにかく・・・ちょっと現実を洞察できないタイプなのである。
あくまで営利を追及する巨大法律家企業・エムザのお飾り部署である・・・プロボノ(pro bono)部門に配属された彼女が・・・全体像を把握したり・・・本質を直感できないために・・・痛い目に遭うというのが第一回のストーリーである。
その部門の上司が杉崎(北村)である。ボランティア要素の強いプロボノとは相反するバリスタ(法廷弁護士)でバリバリ稼ぐスター弁護士(りょう)とはなにやら因縁があるらしく・・・態度は世を拗ねたスタイルである。
もちろん・・・新人弁護士の技量もはからず・・・事態をこじらせ・・・クライアントの傷害事件発生という最悪の事態に至らせるのは・・・すべて・・・杉崎の監督不行き届きであるが・・・ドラマなので・・・それは不問に付されるのである。
まあ・・・専門家の育成というものは素人が想像すると・・・ちょっとこわいものなのだな。
たとえば・・・医者の外科手術である。誰もが麻酔をかけられ・・・お腹を切られている間に新人の最初の執刀にめぐり合う可能性があるわけで・・・ちょっと妄想すると・・・キッドは絶対に手術はイヤだと・・・思うのである。
先輩「じゃ・・・ちょっとやってみて・・・」
新人「・・・き、切ります・・・あ・・・」
先輩「うん・・・ちょっと切り過ぎたね。でも・・・最初はそんなもんだ」
新人「・・・こ、これ・・・おかしくないですか・・・出血が・・・」
先輩「うん・・・だめだけどね・・・オレも昔はよくやった・・・」
新人「・・・あ・・・これ・・・失敗ですね」
先輩「うん・・・失敗って分るってことは・・・いいことじゃん・・・」
新人「・・・あああああああ」
先輩「ちっ・・・・」
人間・・・運不運だよな・・・。サスペンダーって知ってますか。あの・・・ズボンをつってる奴ね。で・・・サスペンスは・・・つりあげるっていうことです。もうつりあげられてしまうとハラハラドキドキなので・・・どうなるんだーオレはーってところが醍醐味です。
法律家だって同じことで・・・合法的な殺人である死刑を含めて・・・人命にかかわる仕事であることは間違いない・・・。基本的に法律の枠内で生きていないから・・・顧客は弁護士に頼るわけですから・・・とにかく・・・灯は・・・その点を何一つ学んでいない・・・ということになり・・・それはバカすぎる・・・しかし・・・ドラマですからーっ。
とにかく・・・灯が最初に担当することになった手術・・・案件は・・・単純な離婚争議ではない・・・相当に深刻な病状だったわけです。つまり・・・いきなり難しい手術にめぐり合ったと言えます。
お茶の間にはかなり状況が見えています・・・依頼者の妻(富田靖子)は夫の家庭内暴力かなり悪質・・・さらに幼い娘(石井萌々果)に対する性的虐待を知り・・・娘を連れて逃亡中。とにかく・・・一刻も早く離婚を成立させて夫の魔の手から娘を逃したい・・・しかも・・・できるなら内密で・・・とかなり切羽つまっている。
しかし・・・普通の人間で・・・しかも新人である灯はそれが見えません・・・「夫がギャンブルで生活費を入れてくれないので離婚をしたい」という妻の意向をふまえず「娘さんの将来のことを考えて和解を考えたらどうか・・・」などと見当違いの意見を提示します。さらに「暴行の跡」を発見すると「暴力は許されないから裁判するべきだ」と暴走を始めるのです。
医者で言うと盲腸の手術をするのにいきなり心臓にメス入れちゃった段階です。いくらなんでも上司は「バカっ」と注意するところですが・・・杉崎はドラマを盛り上げるためにもう少し灯を泳がせます・・・。この理不尽さに耐えられないとドラマから脱落しますが・・・キッドはいつものことなので馴れてきました。かって堀北も・・・仲間も・・・受けた無謀な脚本監修や脚本の試練を今上戸が受けているのです。暖かく見守るしかありません。
そして・・・世慣れた街の弁護士によって夫側は人権保護法に基づく娘の保護に成功します。
このあたり・・・本当は逃亡中の母子がどのように居所を夫側につかまれるか・・・それをじっくり見せて・・・世間知らずの灯のうっかりミスで居場所発覚という段取の方がスムーズだと思いますけどね。
とにかく・・・灯は弁護士で裁判官ではない・・・両者の言い分を聞いて慎重に判断するのではなくて依頼人の信頼に応えるのが仕事・・・そんな基本中の基本を無視していくのですから・・・もう少し丁寧に・・・まあ・・・いいか。
「娘に悪戯するのが生きがいの夫に娘を奪われてしまった・・・もう・・・娘を守るためには夫を殺すしかない」と決意した妻。
依頼人の殺人未遂・・・。ショックの灯に依頼人は「この役立たず」宣言です。
お約束の雨に打たれ・・・しかし上着のボタンははずさず・・・失意の灯を前世父親だった杉崎が鉄拳制裁です。
「お前がモタモタしていたせいで依頼人は人を刺したんだぞ・・・お前に逃げる場所はありませんよ」なのである。っていうか・・・そうなったのは上司であるあんたの判断ミスでは・・・などと考えてはいけません。
逮捕された妻の接見をする灯。
妻「なんで泣いてるの?」
灯「泣いて・・・・グス・・・なんか・・・うえーん・・・いませ・・・ううう・・・ん」
爆笑である。このオチがやりたいだけなのが・・・ものすごく面白く・・・今後の展開が心配なのである。まあ・・・しかし・・・これが現代日本・・・というものなのかもしれない。
とにかく・・・青い果実・灯は・・・クライアントが望むなら私どんな手段を使ってもいいわ、いけない弁護士だと噂されてもいい・・・という信念への一歩を踏み出した模様です。・・・しかもいきなりつづくです。
関連するブログ『上戸彩のアテンションプリーズ』
金曜日に見る予定のテレビ『パズル』(テレビ朝日)『Around40・注文の多い女たち』(TBSテレビ)『キミ犯人じゃないよね?』(テレビ朝日)・・・三本立ての悪寒が・・・。
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
じいやお知らせありがとう~
シャブリ宅に行ってきました~さすがですね~
Q&Aを再現してくれてた(笑)
ホカベンはね、上戸彩でしょ?ホカベンの文字を見て、笑えるコメディーだと思った人多いと思う。ん?
こんなにシリアスなドラマだったなんて。
で。。。私は冒頭の2分ほどトイレタイムで見逃したので
後でもう一度見たら、冒頭で結果を流してるじゃん
良かった~見てなくて。冒頭見ない方が楽しめたよ。
でも。。。重い。。。
投稿: アンナ | 2008年4月17日 (木) 09時39分
☁Building☁アンナ☆ラン様いらっしゃいませ☁Building☁
このドラマは構成的にも演出的にも
明らかに失敗している点があり
せっかくの題材や素材を
残念なことにしている・・・
とじいやは思います。
①最初はホームドラマでスタートするべきだった。
灯の家は庶民の家。灯はガリ勉をして
弁護士になった・・・。
そういう成り上がりもののベースを
しっかり見せて
あの・・・他人の不幸を金に替える
巨大な法律事務所に乗り込むことが
灯にとってどれほど
プレッシャーがかかることか
というのを見せるべきでした。
そうすれば・・・やる気のない上司への反発とか
同僚が目に入らないテンパリぶりも
好感をもって迎えられたはず。
②橋本知事が涙目になる・・・既得権益を守ろうとする
人々の悪辣さを具体的に描くべきだった。
実は法律家企業は巨悪なので・・・それを
大杉漣が「演説」で表現するのですが
その手法が退屈すぎるのです。
「隠された過去」でそれを表現するのは遠回り。
なにしろ「ハゲタカ」がすでにあるし
法律が強者の味方であるなんて
すでに庶民はハダで感じているわけですから・・・。
もちろん・・・灯は世間知らずでOKなのですが
杉崎がそういう世間知らずを
泳がせすぎるのは
ある意味・・・致命的です。
杉崎も世間知らずに見えてきますから。
そうするとお茶の間には
ただの「重さ」が残ってしまうのです。
まあ・・・お嬢様方には
それぞれに弁護士が100人ずつ(ジャンル別)
待機していますし
判事は全員買収済みですから
何しても大丈夫なので
無縁な重さでございますけれど。
投稿: キッド | 2008年4月17日 (木) 18時33分
まさにサスペンダーでつり上げられたみたいデス。
灯がいけない弁護士だと呼ばれてもいいくらいの度量を
見せてくれるようになるんだったら楽しみですね。
法律は守ってくれるんじゃないかと漠然と思ってましたが
それは法律じゃなくて法律を武器にできる弁護士にあたるかどうかの運不運なんですね。
どうやって見分けるんでしょう。
ま、平成財閥には顧問弁護士がずらりといるんで
心配してませ~ん。
でも、ちょっと目をそらしたくなりましたよねぇ。
問題は重過ぎるような。
灯はたぶん盲腸だと思ったのにね・・。
投稿: エリ | 2008年4月17日 (木) 18時43分
✿❀✿❀✿かりん☆スー☆エリ様、いらっしゃいませ✿❀✿❀✿
ふふふ・・・「世界の子供たち」
というじいやの愛蔵している写真集があって
そこで洗濯物として干されている子供・・・
という構図があります。
まあ・・・やらせの写真でしょうが
ブカブカのシャツとズボンで
横吊り状態の男の子が
なんともファニーなのです。
キッドのイメージでは
サスペンダーでつられた男は
谷底を見下ろしながら
ぼよよんとなっており
スリルにあふれています。
まあ・・・法律を知らずに生きる
庶民は・・・ある意味
そういう状態であることを知らないのですね。
まあ・・・庶民で言えば
基本的には法律には関わらないのが無難です。
弁護士事務所を訪ねるようでは
もはや・・・危険なのだといえます。
法律の無料相談・・・という奉仕活動を
プロボノと称して日本の弁護士もするわけですが
相談料を払った弁護士と
無料の弁護士のどちらが
依頼者にとって頼りになるか・・・。
お金の価値を知るものにとっては
明らかでございましょう。
そして専門家にとって
素人はカモネギが基本です。
弁護士にとって天敵は無法者・・・。
あの事件が例といえます。
そして・・・天敵さえもを弁護するというのが
プロというものです。
どの弁護士がいい弁護士か・・・。
勝率を調べるのがもっとも適切でしょう。
しかし・・・実績のある弁護士に
やんわりと断られた場合・・・。
それはもう首を洗って待つしかないのが
庶民なのでしょうね。
なにしろ・・・金に糸目をつけるしかないのが
庶民というものなのですから・・・。
投稿: キッド | 2008年4月18日 (金) 05時25分
医者と弁護士
面白い喩えですが
現実も正直、そんなとこでしょうね。
たとえ新人でも
「弁護士」として
「医者」として扱われる現実。
能力があるという事は
その世界にどれくらいいるかどうか
その世界の常識を正確に把握しているかどうかで
判断されるってとこでしょうかね。
それはテレビ局のスタッフも例外じゃないんでしょうね。
ちゃんと先輩方の言う事は聞いているんでしょうかね(笑)
とりあえず、まぁ掴みとしてはOKでしょうね。
もうインパクトと意外性だけで
ひき付けている感がありますけど(; ̄∀ ̄)
今のとこ「ひと夏のパパへ」の後遺症は脱却しております。
後は今後の流れ次第でしょうね。
できれば
「あなたの隣に誰かいる」ような終わり方に
ならない事を願います。
それにしても北村さんは
テレ朝「わるいやつら」でも弁護士でしたが
今回の役柄はちょっと手探り感があるものの
個人的にはこっちの方がイイ感じです。
後、ゲーム機は赤く塗って欲しかったです(;・∀・)ゞ
投稿: ikasama4 | 2008年4月18日 (金) 20時43分
✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥
教育がかなり流動的で
国民の情報共有がかなり困難になっているのは
確実ではないでしょうか。
かって・・・主義と主義が冷たい戦争で
世界を覆っていた頃・・・。
日本は「経済的豊かさ」を選択して
まずまずの成功をしましたが
それによって複雑化した社会は
かっての貧富の差や
地域の差とは
くらべられない
根源的な情報格差社会を
準備しているような気がしてなりません。
こうなると常識や
モデルケースから学ぶというのは
馬鹿馬鹿しいものになりやすい。
誰もが「病魔に犯されたり」
「事件に巻き込まれたり」
「したくはないはず」ですが
実際には人は病気になり
そして人は事件の当事者となる。
その不運な人たちを
幸運な人たちがどう支えるか・・・。
それが肝心だと思うのですが・・・。
それが「常識」なのか
「非常識」なのか・・・。
微妙な時代に突入しているようです。
「学び方」を「学ぶ」
この教育の基本中の基本が
危機に瀕している。
キッドは10年ほど前から
それを危惧しているのですが・・・
ここ2~3年で
それが具現化しているという
妄想が胸を騒がせています。
投稿: キッド | 2008年4月20日 (日) 02時30分