永い永い春じゃったのう・・・。(宮﨑あおい)
「・・・」(瑛太)なのである。隠れ切支丹の紋章である薩摩十字の札を持ち合う二人は・・・天国の夫婦なのであった。お互いに・・・童貞と処女のまま(建前上)パライソで結ばれる契約・・・。しかし・・・くのいちとやりたい盛りの薩摩隼人にそんなこと言っても無理なのだった・・・前書きから妄想かよっ。
とにかく・・・例によって・・・「猟奇的な彼女」は月曜日の記事にします。
で、『篤姫・第17回』(NHK総合080427PM8~)原作・宮尾登美子、脚本・田渕久美子、演出・渡邊良雄を見た。さらに・・・例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回はファン待望・読者垂涎・希望殺到の肝付尚五郎(瑛太)の新作書き下ろしイラスト付です。そして・・・逝去を悼んでセクスィー家老再登場。大鯰出張掲載もあります。水戸の二田の解説付きで必読でございます。
で、今回は安政の大地震をめぐる妄想である。日本は地中に大鯰が存在するためにやたらと大地震が多いのであるが、安政には忍者が暗躍し続けたために大地震が集中している。1854~1855年には安政伊賀地震、安政東海地震、安政南海地震、安政江戸地震とM7~8級の地震が起こっている。この前後にも小田原地震(1853)、飛越地震(1858)が発生していて・・・無論・・・すべて忍者の仕業である。
存亡の危機にある日の本の国。しかし・・・世界情勢を知りつつ・・・己が野望から目を逸らせぬのが人の性である。息子を将軍にしたい一心で心の曇った水戸の隠居・烈公斉昭は敵対する勢力へ忍びを繰り出し、暗殺・陰謀を重ねていた。しかし・・・薩摩の秘密兵器・魔眼の篤姫により・・・魂を抜かれてしまったのである。こうして・・・外様大名筆頭である島津斉彬は大奥へ篤姫を御台所として送り込む足がかりを築いたのであった。
しかし・・・泰平の眠りから醒めた忍びのものたちは戦乱の世の再来を夢見て蠢動を繰り返すのだった。
信州松代藩真田家には井伊の血脈が流れている。外様でありながら譜代という特殊な家にはもちろん・・・真田忍軍が控えている。これを配下とした井伊直弼の譜代大名グループは一橋家を中心とした親藩(水戸徳川)・外様(薩摩)・公家(近衛)の癒着を分断するべく暗躍を開始したのである。その中忍は科学忍者・佐久間象山(真田家臣)である。
佐久間は南蛮渡来の魔術と神道の秘術を融合して「地震の法」を実現させようとしていた。強力な火薬と強力な念力により地下の大鯰を制御しようというのである。
一方、水戸忍軍はこの動きを察知していた。水戸忍軍の中忍の一人、森忍軍を率いる戸田忠太夫は弟の安島帯刀を通じて奥州戸沢家に伝わる白雲斎秘録を入手し・・・真田に伝わる「地震の法」の存在を探っていたのである。
草木も眠る丑三つ時・・・。水戸の偕楽園には水戸三人衆が闇の中で集っていた。安政2年の梅の花薫る頃である。
藤田「なんと・・・それでは佐久間は秘法を完成したというのか・・・」
武田「そのようなことが・・・夢語りじゃの」
戸田「・・・冬の駿府から大阪までの大地震・・・あれは佐久間の術によるものと分っておる」
藤田「面妖な・・・一日で万余の死者を出したあの地震を人為で引き起こしたと・・・」
戸田「小野忍びに伝わる秘伝・乱心法にも元寇を葬りし竜神神風の法とならんで大鯰神土の法があるではないか・・・」
藤田「そのようなもの・・・乱心怪奇を語らず・・・じゃ」
戸田「・・・まったく儒教に毒されおって・・・忍びの奥を忘れたか・・・疑心暗鬼を得るのは必定・・・」
武田「ともかく・・・狙いを探らねばならぬ・・・真田が海防掛ゆえ・・・津波で攘夷を実現せんとの狙いやも知れぬ・・・」
藤田「あるいは・・・井伊の衆がからんでおるのか・・・」
藤田東湖は陽忍として幕臣や大名衆の師として洗脳の術を施している。しかし・・・相手が忍者であれば容易に暗示にかからぬものもあり・・・逆スパイとなっている場合も多い。特に・・・越前卍衆の橋本左内と・・・薩摩くぐり衆の西郷吉之助は要注意人物であった。
佐久間象山の門人・・・吉田松陰(長州藩)が網にかかったのは開国派にも攘夷派にも不可解な出来事であった。しかし・・・神州をあがめる水戸・信州・長州の下忍たちの間に何者かが介在した気配があった。
密命を帯びた坂本龍馬(土佐藩)はすでにすべての仕掛けを終えて高知に戻っていたのだった。
江戸・芝・薩摩藩邸・奥・桜島の庭にくぐり衆江戸頭の西郷とくぐり衆御国頭の肝付尚五郎が膝をそろえる。冬も間違い黄昏である。忍び香が漂い・・・篤姫が縁に立つ。
篤姫「京に残した幾島の手のものから知らせがあった。真田忍軍が要石を動かした証これあり・・・じゃ」
西郷「では・・・大鯰神土の法を・・・」
篤姫「・・・恐ろしいことじゃ・・・男というものは愚かなものじゃのう・・・」
肝付「これは・・・手厳しい」
篤姫「・・・護法の力を手にいれて国を守る意ありて・・・国を滅ぼしては元も子もない・・・」
西郷「御意・・・でございます」
篤姫「佐久間象山はすでに幕府隠密が捕縛したが・・・要石も・・・京の忍びがほとんど復元したようじゃ・・・じゃが・・・東海道を吉田松陰と坂本龍馬なる佐久間象山門弟が廻った後が気がかりじゃ・・・」
肝付「長州と・・・土佐の者でございますか・・・」
篤姫「駿府と大阪・・・狙いが徳川宗家となれば・・・」
西郷「最後の狙いは御江戸・・・」
篤姫「追え・・・くぐり衆を動員して真田の忍びを追い・・・術を封じねばならぬ・・・」
肝付はくぐり衆を引きつれ東海道を西へ・・・。東海道に潜伏する真田の忍びを駆逐するのだった・・・。
しかし・・・佐久間の最後の秘術はすでに完成していた。
燃え盛る炎の中・・・藤田東湖は倒壊した家屋の下・・・身動きできぬ姿で・・・息子小四郎の姿を見た・・・。
父「・・・小四郎・・・」
子「ふふふ・・・父上たちは甘いのです・・・この世は一度滅びるべきなのですよ・・・」
父「狂うたか・・・」
子「ふふふ・・・父上がいけないのですよ・・・兄上ぱかりを可愛がるから・・・」
父「・・・馬鹿な・・・」
子「ふふふ・・・安心してくだされ・・・江戸を滅ぼし・・・幕府を倒し・・・必ずや回天の事・・・この小四郎成し遂げて見せましょう・・・」
父「・・・愚かな・・・ぐふっ・・・」
燃え上がる父の姿を幼さの残る瞳に映しながら・・・母方の里が土岐(明智)流の忍びである藤田小四郎は妖しく微笑んだ。
関連するキッドのブログ『第16回のレビュー』
火曜日に見る予定のテレビ『絶対彼氏』(フジテレビ)『おせん』(日本テレビ)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
きましたねぇきましたねぇ。
個人的には
かつて江戸幕府に苦渋を舐めさせられた
関が原で西軍についた諸将が江戸幕府を崩壊させるために
まず御三家である水戸藩を手駒として使う事を考え
そのために水戸藩を支える人物を消す事で切り崩しを謀ったと。
そこには実は篤姫も関与と。
表の忍(西郷方面)には真田の忍を止めるように振る舞いながら
裏の忍(幾島方面)には水戸の過激攘夷派をそそのかして
障害となる人物を消していき最後には水戸藩を手駒として扱う。
その計画の第一弾が「大鯰による大地震」でしょうかね。
そんでもって直弼にはこの混乱に乗じて
天下を握るように篤姫が囁く訳ですねぇ。
その言葉に乗せられて直弼は大老になっていく。
ここから先もダークな展開が満載(笑)
もうあんなに明るい主人公は
個人的にちょっとマンネリな感じがするんで
ここで一気にダークサイドに落として欲しいですねぇ。
まぁそれは別の人がやりそうな気がするんですけど。
というかしてくれるんかなぁ(; ̄∀ ̄)ゞ
投稿: ikasama4 | 2008年4月29日 (火) 15時34分
✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥
ふふふ・・・どんどん妄想がひろがっています。
物語がゆっくりなので
もうどんどんわいてきますね。
画伯のおっしゃる通り
基本は西軍VS幕府の
逆襲の戦いに流れていく幕末戦争ですが
序盤は・・・譜代VS親藩の
相続をめぐる権力闘争。
外様は様子見でした。
それがやがて皇室VS幕府の
指導権闘争となり
支配者と下層民の階級闘争に発展していき
イギリスとフランスの代理戦争と
なっていく・・・。
この内戦から・・・外交へと
転換していくところが
幕末維新の醍醐味でございます。
その中で・・・篤姫は
ダークな黒幕でもあり・・・
中々に正義のヒロインでもあったと
キッドは妄想しています。
篤姫が江戸入りしてからの
地震の連打は・・・
その影響がいかに甚大だったかを
物語るもの・・・。
キッドは篤姫は忍び犬も
使っていたと考えますので・・・
家定との出会いでは
そこにスポットをあてたいと
妄想しています・・・。
妄想するだけで・・・ちょっと涙します・・・。
まあ・・・キッドの場合・・・
幕末の暗黒大魔神は
岩倉卿というのが
基本軸なのでございますよ・・・。
すーはー・・・すーはー・・・。
投稿: キッド | 2008年5月 3日 (土) 03時16分