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2008年4月13日 (日)

今度こそいいママになるから(篠原涼子)・・・信用できない(向井地美音)

・・・どんな育児放棄ママでも大好きなママを信じる美央(向井)・・・今回は自家用車爆破に巻き込まれて負傷入院のあげく細菌兵器に感染である。しかもママ(篠原)は抗血清(毒消し)を手に入れても事件解決優先なのであった。母親ゆずりの不死身の体力があるから・・・それでいいのか・・・。

原作はもちろんグダグダなのであるが・・・脚本家が隙なくまとめあげ・・・原作者関係の他作品よりもずっと良質なアンフェアシリーズ・・・「ホカベン」の若手作家もこれを見習ってがんばってもらいたい・・・なぜ・・・この原作者が・・・自分たちを監修するボジションなのか・・・不条理でも耐えるのだ・・・社会とはアンフェア(理不尽)なものだから・・・う、撃たないで~。

で、『土曜プレミアム・アンフェア the movie(2007)』(フジテレビ080412PM9~)原作・秦建日子、脚本・佐藤嗣麻子、監督・小林義則を見た。刑事・雪平夏見(篠原)と警察の裏金の機密文書をめぐる攻防戦は・・・「アンフェア」の開始(2006年1月~)から「スペシャル」(同10月)を経てようやく完結である。ドラマ映画化そしてオンエアというこの時差と集金方法はあこぎだが常套手段と化しつつある。まあ・・・県立高校の入学式に入学金未納のため出席させてもらえない経済的弱者にはムカつく手口も・・・気にならない人には気にならないだろう。この格差は・・・正義の心にもあり・・・登場人物たちは正義心の格差によって対立して・・・ついには八方塞になるという結末は非常にアナーキーで微笑ましい。

原作者はつかこうへいの弟子であるので・・・こういう商業的な反骨魂は受け継いでいるのだな。

いわば・・・「戦争で死ねなかったお父さんのために」・・・の系譜なのである。

・・・太平洋戦争に参戦した隣の父親は戦場で敵の金玉痛快丸かじりで玉砕だったのに・・・そうでなかったお父さんは肩身がせまいという痛烈な皮肉は・・・警察が不正を行い、警察が市民を殺害する・・・かもしれない世の中の皮肉に転じているのだな。もちろん・・・つかこうへいほどには爆笑を誘うことはないわけだが・・・それは時代の格差なのであろう。

さて・・・複雑な人間関係によって・・・何がどうなっているのか・・・わからないお茶の間のためにネタバレの連打を妄想していくのでご注意ください。

主人公・雪平は人命よりも法を優先する一児の母である。映画版には出張のために登場しないジャーナリストの元夫がある。彼女と同様に刑事だった父親は警察内部の不正を暴くための組織を結成し警察によって暗殺されている。彼女は父の秘密を知るが、警察内部の権力闘争に過ぎない不正者と不正告発者の対立には懐疑的であくまで一匹狼をつらぬく。不正があればそれを暴くだけだという立場だ。

警察の不正組織の幹部である入江(大杉漣)は末端に粛清実行部隊を持ち、警察組織の防衛の名目で不具合のある警察官を暗殺したり、冤罪に陥れ社会的に抹殺したりしている。ある意味では警察という組織は上層部の汚職のために存在しており・・・犯罪の予防・摘発はその余波であるという信念を持っている。

単独で極秘機密(警察組織の裏金の実態ファイル)を捜査する雪平の車に入江の指示で警察は爆弾を仕掛け・・・身代わりとなったベビーシッターは死亡。娘の美央も負傷する。

美央の入院した豊洲警察病院は対テロ対策に特化したハイテク要塞病院で・・・生物兵器の研究施設も完備していた。

この病院をテロリストが占拠。病院には検査入院していた警察庁長官がいて人質にとられる。警察はSATを突入させるが・・・隊員たちはすべて警察の不正を告発し無実の罪で投獄された過去を持つ元SATの指揮官・後藤(椎名桔平)の同志だった。

その頃・・・射殺された看護師によって隠されたため脱出不能となった美央は病院内を彷徨う。

入院中の元警官のハッカー蓮見(濱田マリ)を解放したテログループは警察のコンピューターに侵入し・・・「不正にプールされた裏金80億円」の送金を警察上層部に迫る。警察が拒否すると長官を射殺。病院内の細菌兵器を使って都民の殺害を予告する。

同時に長官の遺体から暗号解読のための情報を得た蓮見は極秘情報にアクセスするのだった。

一方、看護師を射殺したテロリストの戸田(成宮寛貴)は精神的に動揺し・・・細菌兵器の輸送時に転倒・・・空気感染する致死率ほぼ100%の細菌に感染する。この時、唯一の抗血清を後藤が戸田に対して使用しないのは脚本としては穴だが話を盛り上げるためではなく、後藤も動揺していたのだと解釈する必要がある。

とにかく・・・そのために院内を彷徨っていた美央は戸田とともに感染病棟に隔離されてしまい細菌に感染してしまう。

雪平は娘救出のために病院内に排水施設から侵入。雪平にずっと片思いの警視で検視官の薫(加藤雅也)も仕方なく同行する。

テロリストの交渉窓口に指名された公安部の管理官・斉木(江口洋介)はかって不正を摘発しようとして恋人を警察に暗殺された過去を持つ。侵入した雪平の情報が筒抜けになるために彼もまた内部通報者のリストに上がる。

そして・・・現場の指揮をとる警視で特殊班の山路(寺島進)もまたかって蓮見の愛人であったために限りなく疑わしいのである。

不正組織と不正告発組織の対立により・・・警察内部は誰が敵で誰が味方なのかまったく不明な状態になっているのだった。

警視たちが複雑な人間関係で暗闘を繰り返す間に警部補の雪平は細菌を奪還し・・・抗血清の入手に成功・・・間一髪で美央の命を救う。それが可能なのは雪平が不死身の美人だからなので・・・文句をつけても始まらないのである。

蓮見が薫を監禁、後藤が蓮見を銃撃(死亡未確認)、斉木が後藤を銃撃・・・。

そして・・・極秘情報と80億円は斉木の手に渡るが・・・地獄から生還した雪平が斉木を逃がさない・・・。

正義と正義の対決・・・。「撃てよ・・・俺は撃つぞ」という斉木を何者かが狙撃。

機密情報を手に入れた雪平は・・・80億円を寄付して・・・斉木殺害犯人の捜査を始めるのである。もちろん・・・機密情報は人質になったのだ・・・「私の孤高な調査を邪魔するものは・・・警察上層部でも許さない・・・」なのである。

まあ・・・庶民の悪と特権階級の悪には格差がある・・・というみもふたもない結末ですが・・・それが真実というものですから。悪が存在すると国民全員が知ってもどうにかなるわけではないというのは中国毒餃子を食べるより明らかですからね。

関連するキッドのブログ『アンフェア・スペシャル

月曜日に見る予定のテレビ『狩矢警部シリーズ4』(TBSテレビ)『TR・ゲスト・パフューム』(NHK総合)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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コメント

成績が悪いと聞いてましたが十分面白かったですよね。
でもお金払って見なくてもいいかも。
だってテレビの続きじゃないですか。
まさに悪の不正の格差。あまりにも格差がありすぎて想像もつかないくらいの悪ですね。
だから人がじゃんじゃん死んでしまうのね(違うけど。
で、美央ちゃんがちゃんと「ママは警察続けて」とけなげに話をするので胸いっぱいになりました。
抱きしめてママは目をつぶり子守唄です。
そして篠原さんもママになるんですね~♪
この映画がもっと成績良かったらあの黄色のネクタイがラスボスで続編あったかもね。

投稿: エリ | 2008年4月14日 (月) 21時06分

✿❀✿❀✿かりん☆スー☆エリ様、いらっしゃいませ✿❀✿❀✿

ふふふ・・・巨悪とは悪とは似て非なるもの・・・。

以前にも申し上げましたが
お嬢様方のなさる無駄遣いは
一般家庭ではとんでもない悪さですが
平成財閥にとっては悪でもなんでもありません。

お嬢様が一日で何億円使っても
それはすべて平成財閥の企業にとって売り上げ
として記録され
早い話がお嬢様の財布から
お嬢様の財布にお金が循環するだけなのです。

まこ様が破壊の限りをつくしても
平成財閥建築部門の利潤になりますし
アンナ様がロイドを開発すれば
平成財閥ロボット部門の技術革新になる・・・
このように富めるものはますます富む
の法則発動でございます。

もちろん・・・そのしわ寄せは
時には庶民の肩にのしかかるわけですが
それが庶民の生きる道なのでございます。

国家予算をピンはねするくらい
かわいいものでございますよね。

テレビでいえば受信料。
公共放送なのか
企業なのか
このぬえのような組織は微妙なポジションで
あたふたしております。
公共放送なら無料にすべきだし
企業なら独占禁止法違反です。

受信料クレクレ団体としては
自分だけは特別の例外と主張するのですが
はたして善なのか悪なのか・・・。

キッドは巨悪の匂いをどうしても嗅ぎつけて
しまうのです。

まあ・・・お隣には統一の名のもとに
市民を虐殺して
何食わぬ顔で内政問題で処理する巨悪な国家があり
平成財閥は注意深くワイロでコントロールする
必要があるのでございますが・・・。

そういう意味で「アンフェア」シリーズは
なかなかに傑作でございました。

投稿: キッド | 2008年4月14日 (月) 22時37分

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