いい日旅立ち幸せをさがしに・・・母を道連れに・・・(上戸彩)VSよう子よう子よう子
・・・うふん・・・水曜日も捕まりかけている・・・。
「ケータイ捜査官7」は日曜日朝のジャリ番組によほどのことがないと手が届かないのと同様になんとか自制できる・・・視聴率*3.0%だしな・・・「警視庁捜査一課9係」は↗11.4%と微上げしてきて・・・しかもゲストが被害者・大村彩子、加害者・キノコ(鈴木浩介)である。大村は拉致→監禁→絞殺→死体というフルコースで生前が心身ともにかわいそうな人だったという・・・あわれのデザート付であるし、キノコは偽善→悪→改心という芸の見せ所たっぷりな展開・・・そして鑑識(加賀美早紀)は草若の靴下をつまんでバストショット・・・申し分ない・・・。しかし・・・面白い部分があからさますぎて・・・「相棒」より地味だし・・・パスできるのである。そうなると「ホカベン」↗*9.3%になってしまうのだが・・・今回の「週刊真木よう子」はかなりの傑作なのである。・・・だから・・・今日も二本立てになりました・・・。
で、『ホカベン・第二回』(日本テレビ080423PM10~)原作・中嶋博行、脚本・阿相クミコ、演出・佐久間紀佳を見た。早い話が二時間ドラマを前・後編でお届けされてしまったわけだが・・・起承転結を起承(前)転結(後)で見せているので・・・この視聴率である。
まあ・・・二時間ドラマを見ていない人には・・・逆に新鮮だったのかもしれない。
しかし・・・そういう人はそれほど多くないだろうからな。
たとえば日本における失踪者は年間およそ2万人くらい・・・ものすごいどんぶり勘定で人口を一億人くらいと考えると5000人に一人の割合である。そうなると・・・100人くらい親しい人がいる人が50人に1人くらい・・・「今年・・・行方不明になった奴がいてさ・・・」ということになる。
こういう場合・・・多くの人は「失踪者」というものを身近に感じない。
実の娘に対する性的虐待を行う父親は表面的にはもっと縁遠い感じ・・・を一般の人は受けるはずである。しかし・・・思うだけなら・・・「娘を性的に可愛がりたい」と一瞬でも考える男は圧倒的多数なのであり・・・それは抑圧されているだけだという考え方もできる。
抑圧のかかり方は人それぞれなのだが・・・「そんなこと考えるだけでおぞましい」というのが一般的である。この「抑圧」がかかると人はそういう事実を見聞しても「そんなことはありえなないだろう」と反応するのが普通である。
これは「母」から「息子」にもあるし・・・「父」から「息子」にもあるし・・・「母」から「娘」にだってあるのであり・・・現実にはいくらでもあることなのだが・・・「認識」としては認めづらいことなのである。
だから・・・隣の小学生の娘が・・・「夜パパにエッチなことされるの・・・」とか告白してきても「ええっ・・・」と思って絶句して思考が停止する人は多いと思うのである。
「夫と義母が近親相姦で夫がDVで義母が孫に虐待で夫が娘に性的虐待」された実在の妻がいたとして相談されたとしても・・・そういう事実を認める前に・・・告白している本人の正気を疑ってしまうのは仕方ないのである。人間は自分の認識外のことが大嫌いな場合が多いからである。
キャリアを重ねた弁護士はどうしても胡散臭い存在になってしまうのだが・・・このような常識外の相談事に日常的に接していればある程度自我が崩壊して当然なのだな。
なにしろ・・・常識外のことが起こるから・・・そして対処の仕方が分らないから・・・依頼人は弁護士事務所に来訪するのである。
もちろん・・・弁護士にとっては逆に日常茶飯事ということになり・・・然るべく対処の方法もある程度、マニュアル化されているのが普通だろう。
単純に言えば「耐えられない嫌がらせがあり・・・しかし・・・法的に加害者が処罰の対象にならない場合・・・被害者は戦うか逃げ出すかの選択肢があり・・・逃げ出すと決めたからには改名は基本中の基本」なのだが・・・一般人はそんな基本は知らなくて当然なのだった。
もちろん・・・プロの調査員にかかればそれでも発見は可能ですがね・・・。
しかし・・・弁護士が・・・それを知らないのは・・・ダメだよな・・・。
しかし・・・前回も論じたように・・・初心者はどこにでもいるし・・・鉄を熱いうちに打つために・・・依頼者の利益よりも部下の成長を優先する上司はいるだろうし・・・そのために依頼者が前科者になっても結果オーライにすればドラマ的にはOKでしょうと考える脚本家はいるのだ・・・。
さて・・・このドラマの場合、弁護士が依頼者の秘密を偶然知る・・・依頼者が秘密の開示を望まないため・・・弁護士は担当を外れ・・・証人となるという作劇上のケレン(アクロバット)が優先され・・・依頼者の心情が宙に浮いているのである。
「父親に悪戯された事実を公表すると娘の将来に傷がつく」・・・と考える母親が「殺人犯の母親を持つ娘の将来について」考えが及ばないという不思議。
「父親の元においては娘が性的虐待を受け続けると考え脱出した母親」が「自分が受刑者になって娘が父親の元に残れば父親の性はどこまで暴走するか想像もつかないのに世間体を重視する姿勢」を続けるのは「世間にバレるくらいなら娘は夫の性的奴隷になっても構わない」といういうことだがそれでいいのか・・・という疑問。
もう・・・「異常事態」なので正常な判断が下せない状態だったと弁護するしかない脚本なのである。
キッドが素直にこの脚本を受け取れば・・・妻であり母であるクライアント(富田靖子)の心情は「夫と性的に関係した娘が憎い。私よりも娘を愛した夫も憎いが夫と関係した娘をどうしても許すことができない・・・あんな娘・・・不幸になってしまえばいい・・・」なのである。
それで・・・いいのですか?
まあ・・・人間は割り切れないものだからな。結局・・・真希(石井萌々果)は光に改名した。
一夜をともにした灯(上戸)はその「違う名前」への違和感をさりげなく表情に浮かべる。「真希ちゃん」と呼びかけることに馴れた人間が「光ちゃん」になることの喪失感は大きいものだ・・・。そして・・・その改名が「本人を守るため」だとわかりきっていても違和感を感じることは免れないのである。「真希だった日々」と「光としての日々」の分断・・・そういう結果を招いたのが自分の未熟さであるという重みを彼女は感じたのであろうか。
そういう描きこみはやや不足だったとキッドは思う。
それでも・・・日常の中に紛れ込む狂気は確率的なものである。不運にもそれに見舞われた母と娘・・・つまり・・・夫と父親に恵まれなかったという意味で・・・に対して灯は祈ることしかできない自分を感じるのである。
雪解け間近の北の空に向かい・・・過ぎ去りし日々の・・・帰らぬ人達熱い胸をよぎる・・・ああ・・・日本のどこかに・・・私に頼った人がいる・・・と灯の佇む上野駅なのだった。
関連するキッドのレビュー『第1回のレビュー』
で、『週刊真木よう子・第四号・中野の友人』(テレビ東京080424AM0120~)原作・いましろたかし、脚本・赤堀雅秋、演出・山下敦弘を見た。演出は「リンダリンダリンダ」の人である・・・あのテイストが好きな人にはたまらない小品なのだと思う。説明できない味なのである。説明しますがね・・・。
原作はコミックで・・・まあ・・・脱力系というキャラを主人公にした・・・つげ義春の発展系ソフト。社会の底辺にいるどちらかといえば容姿の冴えない・・・中身も輝いているとはいえない・・・ひっそりと生きている年齢不詳の人が主人公である。
その友人を主演の真木が演じ・・・本来の主人公をゲストの井口昇が演じる。
ネタバレだが・・・真木よう子は可愛い女子高校生という役である。
一方・・・井口は地方出身者で就職浪人のフリーターで五頭身のデブで小心者の醜男である。
この二人は最初から最後まで会話を一切しない。
物語は・・・鬱屈した井口の日常生活を淡々と描いていく・・・バイト先のCDショップでレジの金を抜いたと疑われ・・・真犯人のデブであこぎな女の同僚(小林きな子)に口止め料としておもちのような胸部を見せられ・・・勃起して「最低」と言われたり・・・扇風機を「強」にしたり・・・ふるさとの母親の仕送りにお礼の電話をしたり・・・帰宅途中で公園で花火をする親子にみとれたり・・・まあ・・・「真夜中のカウボーイ」的な哀愁の描写が続いていく。
そして・・・二人は「東京の場末の中野のすえた商店街のうらぶれたゲームセンターのさして人気のないピンボール・マシンの最高得点者」を争うプレイヤーとして接点を持つのだった。ピンボールの魔術師であり・・・ピンボールの青春なのであるな。
二人は言葉を交わさないし・・・目を合わせるわけでもない・・・お互いに黙々とゲームをプレーするだけだし・・・時には縄張りを荒らされた不快感を示す視線を相手の背中に向けるのである・・・。
やがて・・・時代遅れのゲームは撤去され・・・それなりに燃えた二人のひとときは・・・終る。井口の手に真木の微妙な忘れ物・・・「美味しんぼにはさまれたプリクラ」を残して・・・。
そして・・・ラスト・・・二人は再会し・・・妙に心の暖まる・・・そしてはかない・・・挨拶を交わすのである・・・もちろん・・・無言なのだが・・・二人は遠ざかりながら微笑むのである。
ラストショットの真木よう子はこれまでになく魅力的で・・・そしてあろうことか・・・井口昇までが美しく見えてくる・・・トレビアン。
関連するキッドのブログ『第二号のレビュー』
金曜日に見る予定のテレビ『パズル』(テレビ朝日)『Around40・注文の多い女たち』(TBSテレビ)『キミ犯人じゃないよね?』(テレビ朝日)『秘書のカガミ』(テレビ東京)・・・・・・・・おいっ・・・。
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
依頼者が証言を拒否する理由
まぁ今までの法廷ドラマではよくあった内容なんですが
実際にはそれを回避するテクニックがあった。
まぁこれこそ世間の常識と弁護士の常識の違いという
やつなんでしょうね。
新人弁護士=まだまだ弁護士の常識を知らない
というトコロで
視聴者と同じ目線に立たせて行動させているようですね。
「ヒカリ」ちゃんとなったあの子は
ぬいぐるみをひきちぎる習性が身についてしまったようですね。
おそらくはDV予備軍ってとこでしょうか。
「永遠の仔」のように後年彼女も過去の出来事で
苦しむことになるんでしょうけど
まぁそれは別のお話(苦笑)
ドラマとしては北村さんの起用は
抜群にハマってますが、上戸さんの場合はどうなんだろうって
感じですかね。
「ハケンの品格」で喩えるならば
篠原涼子さんのポジションが北村さんで
加藤あいさんのポジションが上戸さんってとこでしょうか。
ただ、このドラマの場合は
主役不在って感じもしなくはないですね。
R指定になりそうな感じもありますが
今後、スタッフが考える
醜くて理不尽とも言えるような現実を見せてくれるのもいいですが
わざわざ主人公を女性にした以上
個人的には上戸さんがどっかの悪い男にはう~んする展開も
見てみたいものです(; ̄∀ ̄)ゞ
投稿: ikasama4 | 2008年4月27日 (日) 03時46分
✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥
まあ・・・二時間ドラマ的には
使い古された題材で・・・
しかもハードと相性の悪い上戸彩・・・。
監修の人が台本書いていないだけ
「ジョシデカ」より
イライラしないですむのが
唯一の長所のような気がします。
幼女による性的虐待の告白が
一部愛好家に受けた・・・
と言う程度の・・・はったり展開。
もちろん・・・上戸のリアクション演技は
ハッとさせる力があるのですが・・・
ナレーションと
会話の演技の落差が
大きすぎて・・・台無しに
している気がします。
テーマがテーマだけに
「手詰まりなのにどうするつもり」という
作劇よりも・・・
結果的に・・・法廷に
「少女の恥ずかしい過去を提出しなければならない」
実の母と担当弁護士という
二人の心ある女の悲しさを
表現することを考えるべきなのでは・・・
とキッドは考えました。
まあ・・・山口百恵なら
こう演じるだろう・・・
と心の中で置換しているので
キッドはそこそこ楽しいドラマになっています・・・。
投稿: キッド | 2008年4月28日 (月) 02時47分