無理して尚五郎の出番を作ることもあるまいに・・・サービスじゃなっ。(宮﨑あおい)
・・・「うきゃーっ。大奥広すぎっ。ぼぎゃんきゅー」(篤姫)でも良かったのだが・・・ようやく結婚して小松帯刀となり、星雲の志に点火したはずの尚五郎・・・「お手紙ありませんかー・・・そーですかー・・・なんとなく物憂いのですよね・・・」のウザ五郎に逆戻り・・・なんていうか・・・これは・・・誰かの趣味なのか?・・・やや謎めいている。
しかし・・・いよいよ・・・大奥編に突入。次から次へと繰り出される女中軍団。
「殿のおなーりーっ」はあるのか・・・ないのか・・・などと期待が高まるのである。
実家→鶴丸城→江戸藩邸→江戸城と「お庭」は豪華になるべきなのだが、なんとか凌いだか。こういうところこそ最新技術を駆使して・・・華麗なる江戸城を見せてもらいたいものだ。篤姫が見た景色を見せてもらいたい。皇居の虚空に聳え立つ幻の江戸城天守閣が見たいのだな。
『猟奇的な彼女』は今回、アレンジのネタ(彼女の恋人は不治の病)を割ったのだが・・・なんとなく・・・『西遊記』の匂いが感じられる。孫悟空(田中麗奈)、猪八戒(谷原章介)、沙悟浄(草彅剛)、三蔵法師(松下奈緒)とかでな・・・ま、猪八戒は上川隆也で馬(谷原)もあり。・・・とにかくいろいろな意味で残念なことだ。貫地谷しほりの使い方と奈緒・麗奈の入浴シーンは良かった。
で、『篤姫・第19回』(NHK総合080511PM8~)原作・宮尾登美子、脚本・田渕久美子、演出・佐藤峰世を見た。例によってシナリオにそったレビューはikasama4様を推奨します。今回は再録・井伊直弼拡大版に加え初瀬・滝山に家定母子の書き下ろしイラスト付。特に家定は全身衝撃ポーズで見逃せません。さらに「篤姫VS厚姫」変換勝負あなたはどっち分析批評付です。一足早く和宮を先取りかっ。キッドとしては・・・白いおネマに着替えた篤姫に早くもドキドキいたしましたぞーーーっ。ikasama4様女中千人描きの悲願成就なるかーっ・・・てウソついてどうするっ。
で、いよいよ・・・江戸城入りした。島津篤子改め近衛敬子こと篤姫(宮﨑)。御台所となれば徳川敬子になるわけですが・・・通称・篤姫で通す気満々だな。ちなみに篤姫は天親院(鷹司任子)死別、澄心院(一条秀子)死別に継ぐ第三の正室である。つまり継室なのであって・・・それを知らないで嫁ぐということはまずないし・・・お世継ぎ出産が至上命題である時代に側室がいないと考えることもないと思う。現に篤姫の兄・忠敬は側室の子だし・・・義父の斉彬は藩邸に側室多数だったのである。ま・・・ドラマにあれこれ言っても始まらないし、歴史も所詮はフィクション。もちろん・・・妄想もである。
駕籠に揺られつつ篤姫は江戸城の巨大さに驚きを隠せない。薩摩鹿児島の鶴丸城に比べても圧倒的な規模である。遠くから眺めていただけでは分らない日本一の城郭の巨大さに・・・篤姫は痺れるのであった。
(おう・・・これはどうじゃ・・・お堀を過ぎて門までの遠いこと・・・そしてお堀の向こうにまたお堀・・・あれが本丸かと思えば・・・ただの番屋・・・今度こそと思えば三の丸・・・そして・・・木戸をくぐれば・・・・どこまでも続く廊下・・・広い・・・広い・・・迷子になりそうじゃ)
篤姫はくのいちとしての修行の日々・・・御台所としての特訓の日々をしばし忘れ・・・幼心を残す二十歳の乙女として・・・未知の領域への侵入に胸を騒がせるのだった。
しかし・・・天才・・・くのいちとしての能力がそのときめきに水を差す。
(お・・・あの松の木の上に・・・忍びがおるな・・・根来衆か・・・あの池の淵にも一人・・・おお・・・燈籠の側の茂み・・・見事な穏行じゃ・・・里姫がいなければ気がつかぬは・・・)
篤姫の懐には気配を消した一匹の猫が抱かれていた。忍び猫・・・里姫である。幾島と配下のくぐり衆のくのいち数人・・・大奥に入れば篤姫の味方はもはやそれきり・・・後は敵である。
もちろん・・・幕府と薩摩は戦略的互恵関係にあり・・・幕府と近衛家も戦略的互恵関係にある・・・篤姫は嫁入りという・・・戦略的互恵関係のもっとも古典的なカタチ・・・政略結婚の道具である。おいそれと道具が傷つけられるわけではない。しかし・・・内外に敵を抱えるこの時節・・・篤姫という道具の価値次第では・・・いつ暗殺されるかは不明なのである。懐妊した時が・・・もっとも危うい・・・と篤姫は思う。自分の価値は値千金となり・・・しかも・・・妊婦ともなれば・・・術は落ちる・・・忍びたちの包囲の輪をくぐりながら・・・篤姫の思いはめぐるのだった。
江戸城本丸の中奥・・・荻の間は大奥に続く渡りの手前である。そこにただ「お庭」と呼ばれる空間への隠し扉がある。その秘密を知るのは表向きには江戸城の主のみ・・・つまり将軍・家定(堺雅人)だけである。もちろん・・・裏にはそれを知るものがいて・・・知るものがいなければその場所は無用である・・・ただ・・・その扉をくぐれば・・・家定は将軍から・・・大上忍に・・・変わるのである。家定は陽のあるうちにここに来ることはない・・・小姓たちは控えの間で警護体制をとり・・・背後で家定が闇に消えるのを待つのである。
家定は常時近侍する小姓忍びに命じ・・・「お庭」への呼び出しをかける。呼ばれた忍びはお庭番十人衆の繋ぎを得て・・・江戸城地下通路を経て・・・「お庭」で待つのであった。
「半蔵・・・」唐突に家定が闇の中から声をかける。燈籠に照らされて無防備な姿を曝す忍び装束の男は「はっ」とかしこまる。
家定「・・・久しいのう・・・大御所(家斉)のみまかりし年(1841年)以来か・・・薩摩は面白かったかの・・・」
半蔵「先代の間宮林蔵の後を受け・・・草として過ごしておりましたので・・・つつがなく・・・」
家定「林蔵か・・・先ごろの地震で水戸で二代目が死んで・・・今は三代目よ・・・これが使えぬ・・・まあ・・・そちの家・・・服部家も三代目は使えなかったから・・・これは理というものだな」
半蔵「世の習いでございますれば・・・拙者も・・・服部家とは名ばかりの・・・伊賀の末家からの養子なれば・・・」
家定「ふふふ・・・余も大御所からは三代目・・・たわけ者と評判よ・・・さて・・・篤姫か・・・いかなる女子ぞ・・・」
半蔵「くのいち・・・でござる」
家定「ほう・・・」
半蔵「おそるべき使い手と存知奉る」
闇の中で家定の気配がかすかに変わる。服部半蔵にはそれが主の含み笑いのように思えた。促される気があり・・・半蔵は仔細な報告を続けた。生誕から江戸城入りまですべてを見続けた薩摩の草の持つ「篤姫秘録」である。
大奥の御台所の間は廊下といくつかの控えの間に囲まれた一室である。南には中庭が開かれている。将軍が大奥入りした場合の配置はまた異なるが・・・現在は将軍不在。比較的緩やかな警護体制である。中庭にはくのいちが潜んでいるが・・・篤姫の持参した猫に気をとられている。御台所の愛猫であり・・・粗相があってはならないのだが・・・その猫が時々・・・忍んでいるくのいちをからかうように気を放つのである。まるでこちらの気配を読んで「うかつなことをするな」と警告されているようだった。
庭に面した廊下を東に下り・・・・渡り廊下を渡って・・・いくつかの座敷を過ぎると長い廊下がある。先には長局という女中用の部屋が並ぶ一角がある。その途中に年寄り資格を与えられた幾島の控えの間があった。幾島の寝所は空である。幾島は伝え聞く大奥の部屋の配置を確認するために・・・探索に出ていたのである。幾島は長い廊下の天井にいた。
もちろん・・・天井裏にもくのいちたちが潜んでいるわけだが・・・魔性とも呼ばれる幾島にとって尋常の下忍から身を隠すのは児戯に等しい。その幾島の動きが止まった。殺気を感じたのである。
御台所の間に通じる・・・天井の一角に男の匂いが漂っていた。
幾島はそろそろとくぐり衆の手裏剣である・・・懐の十字クナイに手を伸ばした。その目前に何かが打ち込まれた。針である。闇に慣れた幾島の目に針の先に鈍い薬跡が映る。・・・しかし・・・これは威嚇・・・しかも・・・前方の男臭い殺気の主のものではない・・・。
幾島の耳元にささやき声が生じる。遠声の術だが・・・その声には聞き覚えがあった。大奥上臈の一人・・・滝山・・・。
「お控えなされ・・・幾島殿・・・」
闇の中で幾島が微笑んだ・・・小癪な・・・天井裏の闇の中で・・・滝山の潜む位置を掴む・・・それは意外に近距離だった・・・。
「あれは・・・鼠でございますよ・・・」
滝山の声に・・・宥めるような響きがある。大岡流のお庭番の血筋を引くくのいちの手際に少し感心しつつ・・・幾島はくつろぐ・・・。
「・・・これは大きな鼠じゃな・・・」
突然返された幾島の遠声に・・・刹那たじろいだ滝山だが・・・何事もなかったように・・・応じた。
「・・・鼠小僧でございます・・・ただし・・・大奥は・・・かの鼠の支配する場所・・・鼠極楽なれば・・・お手出しはお控えくだされ・・・」
「すると・・・あれは・・・上様・・・」
二人の凄腕のくのいちの会話を背に・・・忍び装束の家定は・・・夜の顔である・・・鼠小僧二郎太夫の面をかぶり・・・御台所の間へするすると近付いていく。
「ふふふ・・・うかみ(偵察)じゃ・・・うかみじゃ・・・姫の顔を見てしんぜよう・・・」
その歌うようなささやきがふと・・・停まった・・・御台所の間の天井に・・・白い変化を見たからである。
「お・・・これは・・・神妙じゃ・・・」
悪戯な笑みを浮かべた家定に・・・三つ指ついた篤姫は顔を伏せたまま・・・口上を述べる。
「上様・・・お初にお目にかかりまする・・・近衛敬子にごじゃりまする・・・」
天井板に向けられた篤姫の魔眼はすでに妖しく金色の輝きを放っていた・・・(つづく)
関連するキッドのブログ『第18話のレビュー』
火曜日に見る予定のテレビ『絶対彼氏』(フジテレビ)『おせん』(日本テレビ)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
じい、わらわは魔性の幾島か?(^^;)
昨日の幾島は滝山にやられ気味だったので、
イマイチ楽しくなかったぞ。
ほんに、わざわざ尚五郎の出番を作ることもあるまいに。
どうせ作るならば、
ウザ。。。!
と言われないように作ってやって貰いたいものじゃ。
投稿: くう | 2008年5月12日 (月) 18時11分
❀❀❀☥❀❀❀~くう様、いらっしゃいませ~❀❀❀☥❀❀❀
賛否両論のある今年の大河ですが
視聴率的には絶好調・・・。
まあ・・・そろそろ・・・
幕末もの・・・というよりは大奥もの・・・
という気配が濃厚になってきましたね。
残り30回・・・。
はたして・・・新撰組が出てくるのかも
謎の展開・・・。
史実では幾島は途中退場なのですが・・・
妄想世界では
篤姫を最後の最後まで
守り抜く・・・幾島になる予定で
ございますので
よろしくお願いします。
まあ・・・尚五郎は坂本龍馬の登場のあたりから
男をあげてくる・・・とよろしいのですが・・・。
投稿: キッド | 2008年5月12日 (月) 20時39分
こんにちは。いつもにも増して今回のエントリは面白すぎます。DVD-BOXの特典か何かで映像化してほしいです(笑)。
なんか最近『バッテリー』と『篤姫』も頭の中で融合しはじめている私でした。
投稿: 幻灯機 | 2008年5月12日 (月) 22時21分
相変わらず
ホームドラマの主軸は外さない今期の大河(笑)
滝山がいいですねぇ。
妖艶ですねぇ。これも忍の為せる業でしょうかね。
最近、自分の描いたなおすけちゃんが
ボーリングの球やりんごに見えてくる今日この頃です(苦笑)
友達千人は無理ですけど
女中千人は最近文明の発達により
コピー&ペーストで何とかなるかもしれません(; ̄∀ ̄)ゞ
ちなみに「恐るべき遣い手」=「房術の遣い手」しか
思い浮かばんです(笑)
でも、ドラマ的にこれは無理だろうなぁ(; ̄∀ ̄)ゞ
魔眼と聞くと「甲賀忍法帖」が思い浮かびます。
篤姫の魔眼が如何なる能力なのか、楽しみに致しております。
とりあえず尚五郎殿にはしばらくこちらを休んでもらって
木曜日を頑張ってもらいましょう(苦笑)
投稿: ikasama4 | 2008年5月13日 (火) 00時30分
✪マジックランタン✪~幻灯機様、いらっしゃいませ~✪マジックランタン✪
ふふふ・・・お楽しみいただけて何よりです。
まあ・・・あくまで
ドラマ「篤姫」と
スターの皆様によりかかった妄想ですので
ほどほどにしておかないといけないのですが
妄想渦巻いておりますので
少し・・・解放しないと
精神衛生上好ましくありませんので・・・。
まあ・・・バッテリーの方は
かなりおちょくってますが・・・
「篤姫」は
尊敬しながら妄想しています。
よく・・・この
まったりとした感じで
高視聴率を維持できているな・・・
と思いますもので・・・。
投稿: キッド | 2008年5月15日 (木) 17時49分
✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥
まあ・・・ここからも
嫁姑・嫁姑の連打でございますからね。
滝山といえば・・・
慶福の生母の飲酒をとがめたことで
有名なわけですが・・・
喫煙者であることが
かってヘビースモーカーだった
キッドには好感触です。
・・・現在はあまりの喫煙者魔女狩りぶりに
人前では禁煙しておりますよ。
煙管カッポーン・・・いよっ日本一っ
と声をかけたいほどでございます。
「なおすけ」は
もう・・・なんだか・・・抱きしめたくなるキャラ造形。
傑作ではないでしょうか。
ごっこガーデンなら
腰元に腰をもませたいほどでございます。
ふふふ・・・夜の
大人の
篤姫は・・・
危険ですなーっ。
まあ・・・妄想のすることだし
未成年者にも許される
ブンガク的範囲の中で
妄想してまいりたいと考えています。
篤姫秘術・・・蛸壺すいつくしの法
などというワザは・・・イメージキャラの
翠様・・・ご不在のおり・・・
自主規制する方向です。
ああ・・・篤姫の魔眼に
見つめられてみたーい・・・
のでございますけれどもっ。
尚五郎・・・後半で・・・
維新の立役者・・・しかもちょっとワル・・・
になれるのかどうか・・・ちょっと心配ですね。
投稿: キッド | 2008年5月15日 (木) 18時02分