おねだりしてみた・・・オーケーだった・・・涙が出た。(宮﨑あおい)
マジメな顔をするべきところでできない。これは人としてアルマジロ・・・あるまじきことである。
厳粛なムードに弱い。これも空気が読めない証明のようでアロマオイルである。
しかし・・・日本で二番目に偉い人(一番はミカド)として将軍職にある家定(堺雅人)としては・・・もう我慢できないのであった。辛抱たまらんのであった。アステロイドベルトは寒いのだった。
とにかく・・・キッドにはすごくよく分かる気持ちなのだった。
ああ・・・もう・・・ずっと家定・篤姫・五目ならべ物語でいいよ。時が止まって欲しいよ。
で、『篤姫・第24回』(NHK総合080615PM8~)原作・宮尾登美子、脚本・田渕久美子、演出・岡田健を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回は「しげの」書き下ろしイラスト・・・公式は重野ですが・・・滋野一族の関係者であること疑いなしなので・・・くのいちです・・・あっさりだが似てる。蛍よお・・・蛍。今回は井伊直弼のルーツを探る戦国姫武将物語付・・・シビレがきれましたか・・・まあ・・・篤姫も戦国の世に生れたならきっと立派な姫武将になること間違いなしでございます。
で、今回は家定史上最大のイベント・・・ハリスと会見をめぐる妄想なのである。徳川家康が江戸に幕府を開いた頃・・・影も形もなかった国家が波濤を越えて来日し・・・幕府の終焉の扉を開いたのだな。ちなみにこの四年後・・・米国は南北戦争(1861-1865)に突入する。ある意味で日米はほとんど同時に新生し・・・そして太平洋戦争で雌雄を決するのである。家定とハリスの出会いは一期一会であったが・・・幕府将軍と全権委任の初代駐日領事としてまさに歴史に残る会見だったのである。ちなみにアメリカの大統領はすでにフランクリン・ピアース(民主党)からジェームス・ブキャナン(民主党)に代わっている。
安政四年の夏・・・下田に米国蒸気外輪フリゲート・ポーハタンが来航した。下田一の芸者であるお吉は16才である。お吉は師匠である三日月おせんの異名を持つ武家の愛妾に育てられた・・・もちろん・・・くのいちである。
おせんはお庭番の流れを組むフリーの忍者だが・・・今は一ツ橋家の支配を受けている。つなぎ役は新門の辰という侠客である。異国船の来航で不穏な空気の漂う下田界隈だったが・・・本来は江戸・大阪間の重要な湊の一つである。旅人目当ての歓楽街も発達し・・・賑わいを見せている。
おせんの妾宅は地元の網本の別宅を借り受けたもので・・・風情のある一軒屋だった。
蝉時雨の中を歩いてきた辰は小用を足すそぶりで道をはずれ・・・裏手からおせんの家に上がりこむ。
おせんはすでに姥桜だが・・・隙はない。辰に濡れた手ぬぐいをそっと渡す。
「江戸じゃあ・・・だいぶ派手なことになってるようで・・・」
「ふん・・・すっかり・・・形勢は不利だよ」
「まあ・・・いったりきたりは道中の風情でやんすからね」
「ところで異人どもにかわりはねえか・・・」
「大将のハリスはほとんど玉泉寺に篭りっきりですよ。なにしろ・・・おっかねえドン(大砲)をたんと積んだ黒船が来てるもんだから・・・奉行所のお役人が日参しているような始末でさ。町へ出てくるのは手下のヒューストンだかヒュースケンだとかいう毛唐でやんす」
「そうか・・・実は・・・ハリスの身の丈を知りてえんだが・・・」
「身の丈を・・・なんでまた・・・」
「とにかく・・・上の方のお達しだ・・・俺らは知らねえよ・・・」
おせんは思案顔だったが・・・ふと笑いを浮かべた。「・・・なら・・・わちきの養い芸妓にお吉ってえのがいるから・・・そいつに探らせてみるか・・・」
唐人お吉の誕生である。
・・・江戸城大奥主殿の間。宵の口。白い寝間着に着替えた家定と篤姫がイカの干物を肴に寝酒を楽しんでいる。
「蒸すな・・・」と家定が言うので篤姫は扇で風を送る。熱帯夜である。
「薩摩の夏はもっとお熱うございますぞ」篤姫はすました顔で応じる。
「ふふふ・・・なんじゃ・・・こうして・・・床の間などにいると・・・妙じゃの。第一、姫が女子のようじゃ・・・」
「女子ですから・・・夫婦ですし・・・公方様と御台所でございます」
「・・・おっ・・・」
家定の視線が天井に向いた。かすかなもの音がする。
やや離れたところで・・・猫の断末魔の叫びが短く聞こえた。
「御主の猫の勝ちじゃな」
「サト姫は薩摩一の忍び猫ゆえ・・・それに・・・井伊様のところの忍び猫は阿部様のところで大分・・・命を落としたようです」
「ふふふ・・・阿部かあ・・・阿部が存命であったらのう・・・夜な夜な鼠小僧で遊び暮らせたものを・・・それより・・・あれだな・・・御主のところのアレ・・・な」
「幾島でございますか・・・」
「そうそう・・・かなり暗躍しておると・・・母上がこぼしておったぞ・・・なにしろ・・・母上は・・・慶喜がお嫌いなのじゃ。いつも書物ばかり読んでおって・・・時々・・・ニヤリと笑うそうなのだが・・・キモいっと申しておった。まったく・・・うっかり・・・笑うこともできんのじゃな」
「まあ・・・慶喜様は・・・根暗というか・・・おタクというか・・・ひきこもりというか・・・大奥受けは悪いタイプでごわすね」
「そうだろう・・・そこ行くと慶福はさあ・・・なんてったって美少年だからな・・・カワイイの連打なんだよなあ。この前・・・城中の亀の池で蝶を追いかけて転んだだけど・・・転び方がカワイイって評判なんだ・・・転び方にカワイイもクソもないだろう」
「殿・・・はしたないっ・・・では殿は慶喜様を跡つぎに?」
「・・・うーん・・・何しろ・・・あやつは殺気立ってるからなあ。ちょっと将軍にしちゃうとヤバイ感じなんだよなあ。この間だってあんなことしといてケロリとしてるしさ・・・不気味なんだよなあ・・・御主の魔眼で睨まれるよりゾクっとするもんね。そういや・・・姫はアレで操りまくればイチコロだろうに・・・なぜしない・・・」
「それは・・・公方様を・・・」
「うん?・・・なんじゃ・・・」
「・・・お慕いしてしまったからです・・・」
「・・・姫・・・」
二人の見交わす目と目・・・思わず・・・家定が目を閉じる。篤姫は夢中で口を吸う家定に応じながら部屋の隅に目をやった。
(折鶴?)・・・刹那・・・篤姫は寝具の横に無造作に置かれた碁石に手を伸ばす。石を数個握りこむと・・・親指とひとさし指の間に一石ずつ送り込み・・・指がしなう度に驚くべき速度で石を発射する。指弾の妙技である。
真紅の紙で折られた鶴が数羽・・・篤姫に向って飛翔してくるが・・・またたくまに碁石の餌食となる。鶴のくちばしにはキラリと光るものがある・・・毒針だ。
すべての鶴が床に落ちたとき・・・家定は本格的に篤姫を床に組み敷いた。
廊下をすべるようにお志賀が去って行く。顔に浮かぶは嫉妬の炎か・・・般若の形相である。
(ふふふ・・・小笠原流地獄鶴・・・通じぬか・・・)
お志賀は般若の面をとり・・・いつもの笑顔に戻ると・・・少し肩を落として自分の居室に戻って行った。(つづく)
関連するキッドのブログ『第23回のレビュー』
火曜日に見る予定のテレビ『絶対彼氏』(フジテレビ)『おせん』(日本テレビ)
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皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
大奥での篤姫の日々は
毎日がプロジェクトXって感じですね(笑)
そして碁石VS折鶴
なかなかですねぇ。
今後は達人と言われる程の手裏剣の名手・慶喜との
手合わせが楽しみですねぇ。
見た目的には四方剣や卍とか
でも、達人ならば棒手裏剣でしょうかねぇ。
うーん、どうでしょう。
>篤姫は夢中で口を吸う家定に応じ
この大河というか
大河全般にこういうシーンは描かれないでしょうねぇ。
そういうとこは見せないとこ=恥じらいに
日本ならではの美学があるのかもしれません。
でも、やっぱ出来るならば見てみたい(〃▽〃)
投稿: ikasama4 | 2008年6月19日 (木) 00時50分
✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥
ふふふ・・・五目ならべが始まって以来
篤姫の指弾はもう・・・
妄想の中ではじかれまくっていましたからね。
短銃と渡り合える妙技の予定です。
井伊の赤忍者と
橋本の越前卍党は
飛び道具合戦になる予定。
それにしても安政の大獄前後の
ことを考えると赤忍者たちの実力は
まだまだ序の口のようです。
慶喜にはだんだん・・・愛着が
湧いてきました・・・。
もう・・・なんか・・・
漫画喫茶とかにいそうな感じです。
手裏剣は・・・両尖りかな・・・。
サーベルとかも使いそうですし・・・。
ふふふ・・・ぱふぱふ展開は
なるべくセーブしたいと思っているのですが・・・
時々・・・妄想爆発なのでございます。
どうか・・・穏便に・・・お願いします。
投稿: キッド | 2008年6月19日 (木) 19時44分