犯人です(高橋かおり)VSプロポーズです(藤木直人)犯人です(横山めぐみ)
岩手・宮城内陸地震発生である。朝ドラマの後・・・そのままになっていたテレビから緊急地震速報が発せられ・・・ほどなく・・・揺れた。東京23区は震度3であった。凄い科学の力なのか・・・どうか・・・とにかく・・・読者の中には被災地の方もいらっしゃるかもしれない・・・ご無事をお祈り申し上げます。
様々な情報が毎日・・・現れては消える。今朝の地震は日朝交渉についての報道の途中であった。
人々にとって・・・もっとも大切な情報は人それぞれで違う。
今週は・・・「人と人は違うという認識」を伝えるドラマ「CHANGE」もあったし・・・「被害者も加害者も第三者も同じ人間だという認識」と主張するドラマ「ホカベン」もあった。
どちらも間違いではない以上、人は「人は違うし同じだ」ということを認識しなければならない。
もちろん・・・なんだか・・・わからない・・・ことになるのだが・・・なんだか・・・わからないのが人間なのである。
だから・・・ドラマは皆くだらないと言えばくだらないし・・・面白いと言えば面白いのである。
で、『パズル・第9話』(テレビ朝日080613PM9~)脚本・蒔田光治、演出・木村政和を見た。山奥の神社に伝わる呪いの数え歌と宝探し・・・そして連続殺人・・・おなじみの展開である。犯人は巫女の京子(高橋かおり)である。
もう一つの軸としては「初恋殺人事件」がある。もちろん・・・珍しいアイディアではないが・・・京子中心で行けば・・・もう少し・・・味わい深い作品になったと思う。
クラスで一番かわいい女の子・・・という概念は・・・人によってはあってはならないものだろう。とくにそうでなかった女の子にはなかったことにしたい概念である。しかし・・・そうなるとクラスで一番かっこいい男の子もなかったことになってしまう。
また記憶力というものは個人差の激しいものだ。また個人によっても印象に残る記憶と残らない記憶があるし・・・日記などの外部記憶を持つものと持たないものでも違う。
小学生時代のとある日を鮮明に覚えているものも・・・自分に小学生時代があったことをまったく覚えていないものも・・・存在するのだな。
初恋は・・・一度ではない。つまり・・・人は忘却するからだ。逆に記憶に残る最初の恋を人は初恋と呼ぶ。
小学生たちも恋をするし・・・淡い恋もあれば・・・一生を燃やし尽くす激しい恋もある。
小学生時代の京子は・・・マドンナであり・・・四人の男の子たちに好意を寄せられていた。そのうちの一人と・・・京子は相思相愛となり・・・そして悲劇は起きた。
それは・・・事故だったのかもしれないし・・・いじめだったのかもしれない・・・しかし・・・恋敵たちの殺意の賜物だったのかもしれない。
そういうことがうやむやになる人もいるし・・・そうでない人もいる。
とにかく・・・恋人を殺された京子は・・・数十年の時を経て・・・真相にたどり着き・・・復讐を遂げるのである。
この小学生時代をもっと幻想的にとらえた作品を見てみたかったなあ。
ちなみに・・・たがみよしひさのコミック『NERVOUS BREAKDOWN』(1988~)にもこういう匂いのエピソードがあった・・・恋の内容はもう少し複雑だが・・・幼い恋と殺人・・・というテーマでは同系列になるだろう・・・その時・・・ヒロインとなるキャラクター名が京子だった。発想の関連性ということではなかなかに奥ゆかしいネーミングだと考える。
高橋かおりといえば大林監督の『あした』(1995)がある。ノスルタルジックな香が似合うのはいい女優の一つの条件だと思うが・・・そういう意味ではナイスキャスティングだった。
で、『Around40~チューのカットの多いオンナたち・第10話』(TBSテレビ080613PM10~)脚本・橋部敦子、演出・川嶋龍太郎を見た。そういうカット(場面)が多いのではなく・・・そういうシーン(場面)をカット(排除)することが多いのである。まあ・・・ほとんどありません。まあ・・・天海祐希と藤木直人・・・大塚寧々と筒井道隆あるいは丸山智己・・・松下由樹と神保悟志・・・という組合せのそういうシーンなんていらない・・・と言えばそれまでだが。
しかし・・・前日にラスフレで・・・長澤まさみの母と愛人を見ていると・・・聡子(天海)と聡子の父(林隆三)と後妻(加賀まりこ)のあまりにもエレガンスで・・・ハートウォーミングで・・・きれいごとのやりとりが・・・長澤まさみのために泣けてくるのである。
しかも・・・ある意味・・・この・・・どうでもいいやりとりが・・・つまり「実子の遺産相続に気を使い入籍をさけて事実婚していた後妻が夫や子供たちに説得されて遺産相続の手続を承認する」ということです・・・延々と続くのである・・・もう倍速で送りそうでした。
まあ・・・人々は様々ですが・・・実子と後妻の愛憎関係なんてクールじゃないじゃんというのが・・・ともかく押し付けがましいです。
とにかく・・・天海は藤木にプロポーズされ承認。すると勤務先の病院が倒産。
松下は家庭を修復。すると夫がリストラ。
大塚は自己中心的なのでまったく罪悪感がないらしい離婚達成。すると妊娠。
まあ・・・見事に波乱の最終回を迎えたのですが・・・もちろん・・・もうどうでもいいですよ。
でも・・・そういうヒューマニズムって捨てがたいじゃないというあなたはコチラへ→テンメイ様のAround40
で、『キミ犯人じゃないよね?・最終回』(テレビ朝日080613PM1115~)脚本・林誠人、演出・都築淳一を見た。後提供ベースで「森田さくら(貫地谷しほり)このヤマ(事件)いただきっ」というフレーズのフラッシュカットが入るのだが・・・前々作の「モップガール」の北川景子の「もげっ」連発にくらべたら・・・まったく破壊力がなかった。もうそれがすべて。
もちろん・・・貫地谷にそういう魅力がないということでは断じてない。今回で言えば囁き刑事(升毅)とのツーショットで相手を見上げた眼力などはなみなみならぬ萌え力である。
もう・・・スタッフが・・・その力をもてあました・・・ということに尽きるだろう。
今回の犯人は女医の千葉美由貴(横山めぐみ)である。真珠夫人である。夏川結衣の一個下である。彼女は高校時代の初恋をめぐって・・・事件にまきこまれ・・・それがさくらの幼女時代の誘拐事件に結びつくというなかなか凝った手なのであるが・・・まったく・・・しみじみするところがない・・・ただ・・・そうだったというだけなのである。
もう横山めぐみの魅力ももてあましているのだな。
ようするに・・・マイナーなボジションで・・・未知数の新人女優相手に・・・お手軽なことばっかりやっているうちに染み付いたものはシャワーでは拭えないのである。
ものすごく・・・もったいない気持ちでいっぱいです。
なぜ・・・もっとチャレンジをしないのだ。ま・・・最終回だったんですけど。
犯人の名前が千葉県の市の名前で統一されているとか・・・そんなことどうでもいいじゃん。いや・・・内容があってのコネタじゃん。
ま・・・ルーティンワークなのだということですか。楽だからな。
関連するキッドのブログ『先週の金曜日のレビュー』
日曜日に見る予定のテレビ『コードギアスR2』(TBSテレビ)・『篤姫』『サラリーマンNEOシーズン3』(NHK総合)『猟奇的な彼女』(TBSテレビ)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
こんばんは 緊急地震速報ね
で、凄い科学の力は、実際のリスク回避行動に
結びついたんですか? 僕は寝てましたけど(^^ゞ
どうも最近、キッドさんと基本的な見方が近づいてるなと
思ってたら、これは本来の関係に戻りましたね♪
「人は同じだし違う」ってこと。
チューのカットの多さはその通りですが、
レビューがやたら短くて冷たいのが笑えます ^^
僕は「素晴らしい!」と書きそうになったほどの満足☆
まあ、ラスフレでガッカリした後だってのも大きいかも。
何と、ラスフレの父と「娘」のきれいごとはOKで、
アラフォーのきれいごとは倍速飛ばしですか!
完全に逆だなぁ。僕はスローにしたほど。(ウソ♪)
あまりに型通りのハートウォーミングで、
素直に涙が滲みましたよ。何と美しい光景。。
波乱の最終回も、橋部の剛腕を感じますね。
中年女性の地味な話で平均視聴率15%近くを
確実にした職人芸。演出の地味さはやや不運だったかも。
ともかくこれで、来週も退屈せずにすみそうです
P.S.ウチへのコメントの弟さんって実話ですか?
投稿: テンメイ | 2008年6月16日 (月) 02時57分
○-○)))テンメイ様、いらっしゃいませ。○-○)))
・・・っていうか・・・速報があってから
揺れだしたのに・・・なんとなく感動してしまったのです。
21世紀を感じたのでございます。
室内に異常はなかったのですが
あれならもしも本棚が倒れてきてもよけられそうな
気がしました。
まあ・・・テレビとかが飛んでくるような揺れだと
意味ないような気がしますけど。
キッドの密林・・・結構高度がありますし。
ふふふ・・・似て非なるもの。
ここに近親憎悪を感じるか・・・
親しみやすさを感じるか・・・
人間性が問われるところですね。
キッドの弟は・・・ものすごく
兄思い(近親相姦ではない)なので
キッドのレビューに
コメントの書き込みがないことに
・過激すぎて読者がひいているのでは・・・
・あまり・・・バカとかデブとかハゲとか書くな・・・
・テンメイ様を見習え・・・
などと・・・色々アドバイスを
してくれるのです。
まあ・・・キッドとしては
コメントは
時々・・・オーバーワークになることが
あるので現状維持を目指しています。
ふふふ・・・キッドは
遺産の分捕りあいでドロドロに
なるくらいが好みですね。
それから・・・
女性たちの継母に対する
ただならぬ感情のもつれというものを
数多く目撃してますので
この「逆」を言っているところが
スマートすぎて鼻につく・・・
という感じです。
もちろん・・・橋部の実力を
高く評価してのことで・・・は
テンメイ様にはお分かりでしょうけれど。
ふふふ・・・この短さは
狙いだったので
笑いがとれてうれしゅうございます。
ちなみに・・・この記事では横山めぐみに
検索が集中しました。
根強いファンがいるのだなあ・・・。
来週・・・タイトルバック通り
黒ウサギのお腹の中的な
ブラックユーモアなオチがあって
お茶の間がのけぞることを
密かに期待しています。
投稿: キッド | 2008年6月19日 (木) 19時02分