女帝の正体はキュベレーです。(大野智)
ふふふ・・・結構・・・戸惑いを入れてくるドラマだな。
作為的なものだとすると・・・芹沢直人(生田斗真)は記憶喪失者なのか。
それにしても・・・それを明示しないと・・・直人が頭悪すぎる展開になっている。まあ・・・それでも・・・お茶の間をひきつけられると考えているなら・・・まあ・・・ギャンブルか。
前回とのつなぎで言えば・・・「強烈な悪臭」は「死臭(分泌物による)」ではなく・・・「催涙ガスの匂い」だったとか・・・それに伴い・・・実弾の拳銃ではなく・・・催涙ガス銃だったとか・・・さらにそれにより・・・「銃創」ではなく「呼吸困難」による「事故死」だったりとか・・・「ミス・リード」とか「誤解」を招く演出の連打である。
お茶の間をからかっている気分なのか?
もちろん・・・「戸惑い」はかくせないが・・・「真実を隠している」という「サイン」なら原作とは違う展開をしているのだから違う結末もありうるのである・・・一体・・・どんな結末が・・・犯人は成瀬(大野)じゃありませんでした。直人も成瀬の弟を殺していませんでした・・・などというとんでもないオチじゃないだろうな。すべての黒幕は直人の父(石坂浩二)で本当に魔王の化身でしたという展開なら「ウルトラQ」なのだが・・・。
で、『魔王・第三回』(TBSテレビ080718PM10~)原作・キム=ジウ、脚本・前川洋一、演出・坪井敏雄を見た。今回は・・・前回の謎解き編で・・・新たなる犠牲者はなしである。
しかし・・・新たなる謎の人物が登場。光泉出版の山野(清水優)である。石本(脇知弘)事故死の原因となった女・多恵(奥貫薫)の娘・空(大野百花)と顔見知りであり・・・宗田(忍成修吾)の同級生・・・唐突だな。ついでに葛西(田中圭)と麻里(吉瀬美智子)の密会現場を盗撮していたのもこいつか・・・しかし・・・ミスリード多いから・・・分らんな。
ちなみに・・・麻里の夫に同情する声をあまり見かけないのは劇団ひとりだからなのか。
ともかく・・・空と遊園地で遊んでいたお兄ちゃんは山野だったらしい・・・ミスリ・・・もういいか。
とにかく・・・「未来を奪われたのは悲しいことだ・・・」という成瀬に「犯人を絶対に許さない」という直人。成瀬の弟を殺害したことを記憶喪失しているのでなければ・・・独善的であるにしても頭悪すぎる発言である。どうなるんだろう・・・。
そして・・・孤児のサイキッカー・しおり(小林涼子)のトレースされた記憶により案内された成瀬の弟の殺害現場・・・。ここでの演出が・・・記憶障害なのか・・・単に嫌なこと思い出してドキドキなのか・・・不明って・・・。
そして・・・しおりはとにかく・・・事件の目撃者だったらしい。当時11歳の子役・・・大きすぎる気もする。シャブリ様・・・誰ですか? AKB48の増山加弥乃(チョコミミのミミ)かな?・・・14才だけど。
まあ・・・とにかく・・・直人が事件のことを忘れているのか・・・覚えているのかだけでも早く・・・はっきりさせてほしい・・・。もしも・・・覚えていてこれまでの言動だとすると・・・すごく嫌な性格の男になるけどね・・・直人。
そして・・・成瀬に協力者がいるとすると・・・まあ・・・影でコントロールしている可能性もあるが・・・魔王としては・・・どうかな。
さて・・・残るはタロットカードか。今回は大アルカナの三番「女帝」である。ふざくんなっではない。女帝のカードに水仙があるのは彼女の正体が「ネメシス」である場合が多い。
ネメシスといえば「復讐の女神」なのであるが・・・ニュアンスとしては「眼には眼を歯には歯を」という公平な裁きの結果としての刑罰の意味が強い。ネメシスとは「天罰を与える女神」なのである。
そして・・・水仙はナルキッソスの変態(メタモルフォーゼ)した姿である。ナルキッソスは恋するエコーを袖にした・・・自分しか愛せないナルシストである。エコーは悲しみで声だけの存在と化し・・・ネメシスはその因果応報として水辺に映る自分の姿を見つめ続ける水仙へとナルキッソスを変態させたのである。
つまり・・・美少年のなれの果ての水仙を観賞用にしているネメシスの・・・ある意味偉大な残酷さを示している。
しかし・・・母親というものは・・・ある意味・・・そういう危険な側面を持っているものだ。
つまり・・・わが子を飼い殺す性質である。
そういう意味で「女帝」は大地の母を意味するのだが・・・筋は通っている。大地は生命を育み・・・飼い殺すのである。
もちろん・・・カードは・・・豊穣や繁栄・・・つまり生めよ増やせよ地に満てよ・・・結婚出産を意味するのである。もちろん・・・その裏には虚栄の都、そして縄張り争いとしての戦争が秘められている。
さて・・・翼を持つ場合はネメシスだが・・・玉座に座る場合は伝説の女王神キュベレーがそのシンボルになる。つまり・・・主神ゼウスに属さない・・・別天上界の女帝がキュベレーである。「女帝」のカードには「鷲の紋章の盾」が添えられる場合がある。鷲は食物連鎖の頂点に立つ鳥として崇拝されドイツ王家のシンボルとなっているが・・・その真相は百獣の王ライオンである。だからキュベレーはライオンをも従える完全無敵の権力者の象徴にもなる。しかも・・・その支配は恐怖によるものではなく・・・崇拝によるものなのだ。
つまり・・・母に対する子の盲目的な崇拝なのである。
キュベレーを崇拝するものは男であれば同一化を目指し自ら去勢するほどの熱狂をみせたという。その中には実子アッテイスもいたのである。ここでもまた・・・わが子を去勢する母親像が登場する。ハマーン・カーンの愛機もキュベレーだ。
実在したローマ帝国最初の女帝に王位継承者である実子コンスタンティノスの眼をくりぬいて王位を簒奪したエイレーネーがいるが・・・もちろん・・・この系譜に属している。
しかし・・・罪を犯したものにとって・・・当然受けるべき罰を優しく与えてくれる「女帝」は心を癒すシンボルである。その本質は「裸の女である金星」に通じていく。つまり・・・やはり魔王ルシファーの化身なのである。
ここに・・・神に対する反逆者でありながら・・・罪人を罰する地獄の王であるサタンの奥深さがあるのである。
成瀬が・・・しおりに「女帝」のカードを贈るのは・・・罪を裁いてください・・・という願いがこめられていることが分るだろう。
その罪が・・・直人の罪なのか・・・それとも・・・復讐を遂行する成瀬の罪なのか・・・物語はまだ明らかにはしていないのである。
関連するキッドのブログ『第二回のレビュー』
日曜日に見る予定のテレビ『コードギアスR2』(TBSテレビ)『篤姫』(NHK総合)『Tomorrow』(TBSテレビ)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
業務連絡。
咲田しおり(11才)…増山加弥乃(AKB48) パーフィットプロダクション
www.parfit.co.jp/artist/kayano/index.html
山野圭太?(中学・メガネ・廊下を逃げた)…堀本昴弥 ムーン・ザ・チャイルド
www.moon-the-child.com/profile/cat06/000059.html
配役から見える憶測:
中学の廊下を逃げた中学のオタク編集者が、事件を期に領と協力していそうですね。
11歳のしおり:(注意※つい”しほり”と打ち込みそうになる)
チョコミミのミミ=西原亜希@白線流し(with小出)に見えて仕方がないのですが(^^;
涼子ちゃんの幼少といえば、美山加恋嬢ではないかと・・
いや・・松元環季嬢でも、村中暖奈嬢でもよいのですけど。
昔だったら、福田麻由子嬢、成海璃子嬢だろうなぁ・・
データは調べてあるんですが、記事書くのがおくれそうです。
(シバ・深キョ・青線…… 溜めたぁ・・)
おまけ:
アパート大家…しのへけい子 宝井プロジェクト
www.wakiyaku.com/pro_detail.html?id=44
投稿: シャブリ | 2008年7月20日 (日) 14時19分
わざわざありがとうございます。
キッドが思うに
しおり(22)としおり(11)は
雰囲気はすごく出ていたと思うのですが
あえて子役を使うほどの年齢差かっ・・・
と思うようなキャスティングだったもので・・・。
下手すりゃ・・・(11)の方が大人びてた・・・。
小林涼子(18)と増山加弥乃(14)の
間に11年を埋め込む難しさでございますね・・・。
ま・・・そんなことにこだわる人間は
ほとんどいないかもしれませーん。
美山加恋なら実年齢通りで
砂時計がらみ的にもベストでしたよね。
その世代なら遼花でもよかったのにな・・・。
まあ・・・なんちゃって女子高生には甘いのに
子役の年齢にこだわりすぎるのもなんですけどーっ。
ミステリーであれから何年・・・
というのは重要なポイントだと思うのでございます。
猛暑到来でございます。
ご自愛くださいますように。
投稿: キッド | 2008年7月20日 (日) 16時18分
世界史が苦手だったもので
どうも西洋の神話はトンとうといのですが
こうして見ると面白い限りです。
水仙のお話、勉強させて頂きました。
ちょっと年増で幸薄い女性というキャスティングに
局の皆さんは奥貫薫さんを求めていくみたいです(笑)
このサスペンスの雰囲気がたまりません(・∀・;)ゾクゾク
投稿: ikasama4 | 2008年7月20日 (日) 16時24分
こんにちは。
先日はエビフライ、ご馳走さまでした(笑)
ビストロスマップゲストの香里奈三姉妹記事を
読んで下さったキッドさんの心遣いが嬉しかったです。
そうなんです!
直人が記憶喪失なら納得。どこまで引っ張る?
熱すぎて矛盾した発言多くて、もう見てて辛いので
早くそこをハッキリして欲しいです。
てか元々、悪だったの?
どれが本当の直人の姿なのか。
斗真君がすごく嫌な性格な訳ないし…(笑)
神話にはいつも感動します。
こういうドラマはワクワクしますゎーィ♪ヽ(*´∀`)ノ
投稿: mana | 2008年7月21日 (月) 11時30分
ふふふ・・・キッドは
「戦争の世界史」にしか
興味はなかったのですが・・・
一応・・・高校で社会科の
教育実習生をゆったことがあり・・・倫理社会
でしたが・・・
そこそこ・・・西洋の神話好きになりました。
日本神話とギリシャ神話は
ものすごく似ている部分があり
そういう点も
「パクリ」という視点で考えたりします。
なんていうか・・・
魔王は
駄作の境界線を
ギリギリかわしている・・・
そんなスリリングさが
ありますね。
奥貫さんはもうこういう役は説明抜きの
手間要らず・・・ということですね。
直人が単にバカだったら・・・
どう収拾つけるつもりなんだろう・・・。
投稿: キッド | 2008年7月22日 (火) 18時15分
ふふふ・・・謎の日本の中心地
名古屋でございますからね。
家康、秀吉、信長を
生み出しながら
首都になけれなかった都市。
エビフライが美味しすぎるからか・・・。
ですよね。
直人がなんらかの障害を抱えていないと
言動が
あまりにもおバカさんで・・・
どうしていいか
わからなくなる感じがします。
親が認知症の気配を
漂わせ始めた子供のような気分になりますよ。
タロットなどに
秘められた
妖しげなムードは
とてもいい感じなのになあ・・・。
解釈も独特だし・・・
まあ・・・これは原作に負うところが大きいですけど。
神秘と超能力をたやすく結びつけたりするのは
キッドは微妙な気もするんですけどね。
一歩間違えると新興宗教ですし。
まあ・・・ロマンとして楽しむには
すごく奥が深くて面白いのですけど。
投稿: キッド | 2008年7月22日 (火) 18時25分