天使の弁護士が魔王です。(大野智)
わが主の名を借りて・・・人間が分際を弁えず創作をするなど愚かなことであるが・・・人間そのものが愚かなのであるからそれもまたわが主の敵の意図するところなのであろう。
それよりも驚きはタイトルに大野智が登場する日がこようとは・・・悪魔にも予想外だった。
まあ・・・嵐のメンバーとしては最後の砦というか・・・大根仁の演出で「演技者。」の第六弾「ミツオ」(2002)で主演経験あるわけだし・・・役がポーカーフェイス主体なので・・・適役と言えるか。
まあ・・・相手役の生田斗真も・・・なかなかに難しい役どころで・・・ファンにとっては見所だな。
脚本家は・・・ドラマ「山おんな壁おんな」で微妙だったベテランと映画「ガチ☆ボーイ」で人気の芸人あがりの新人コンビ。まあ・・・半島原作ありは・・・「猟奇的な彼女」で壮絶な失敗をしたばかりだが・・・まあ・・・こちらはシリアスなのでそれほどの脱線はしなくてすむのではないか・・・ところで・・・担当悪魔で本当にいいのか?・・・だってじいや・・・三本だから・・・もう無理だもん・・・どうなっても知らねえぞ・・・「ロト」はどうする?・・・当たりクジ風に吹かれて舞い上がってたし・・・もうどうでもいいんじゃないの・・・そうか。
で、『魔王・第一回』(TBSテレビ080704PM10~)原作・キム・ジウ、脚本・前川洋一、演出・加藤新を見た。日本では刑事訴訟における有罪率が99%を越えている。つまり・・・100人の容疑者がいても一人も無罪にならない・・・といっても過言ではないのだ。もちろん・・・それ以前に不起訴・・・つまり・・・有罪になる確率の低い容疑者に対して・・・処分があるからである。ちなみに刑法犯の場合・・・検挙率は50%前後である。ものすごく簡単に言うと・・・犯罪者の半分が見逃される。さらにそのうちの90%は不起訴処分になる。つまり・・・犯罪者の5%が起訴されてほぼ有罪になるのだ。犯罪の発生から・・・犯人の有罪まで・・・いくつかの数字のマジックがあるわけである。ニュースでは毎日のように・・・凶悪な事件が起こるわけだが・・・犯人は毎日のように逮捕されない。ドラマでは犯罪者はほとんど逮捕され・・・有罪になるし・・・また無実の罪のものは優秀な弁護士によってほとんど無罪になる。しかし・・・現実とドラマは違うのである。念のために言っておく。
つまり・・・犯罪者はかなり多くのものが罪に問われないし・・・裁判になったらほとんど全員が有罪・・・なのである。
だから・・・本編の主人公・・・「どんな犯罪者も必ず無実にする」という天使の弁護士がどれほどありえない存在か・・・ということなのだ。しかも・・・彼・・・成瀬領(大野)は天使の仮面をかぶった復讐者なのだ。ある意味・・・スーパーナチュラルな存在なのである。
そのために・・・彼が・・・刃物を握ってほしいと念じた被害者は・・・握るし・・・容疑者は上手い感じに倒れるし・・・被害者は上手い具合に自傷するのである。その点はご都合主義とか・・・言ってはいけない。
なぜなら・・・この物語には咲田しおり(小林涼子)という子供の時は美山加恋だが大人になったら佐藤めぐみという砂時計の魔術に捕縛されたサイコメトラーも登場するのだ。サイコメトラーは物品に接触するとその物品にまつわる過去の記憶が想起されるという超能力者なのである。つまり・・・ファンタジーです。
よろしいでしょうか・・・ファンタジーである限り・・・基本的になんでもありなのです。星の雨が降り・・・大地が避けて魔獣が召喚されても問題ありません。
ともかく・・・かって・・・成瀬の弟は直人(生田斗真)によって刺殺されました。
しかし・・・直人は国会議員の父(石坂浩二)の実力で・・・「正当防衛で無罪」になってしまいます。そして・・・現在では・・・警視庁の刑事になっているのです。
共犯だった直人の仲間たち・・・均(田中圭)は直人の兄(劇団ひとり)の秘書をしながら社長夫人(吉瀬美智子)と不倫してますし、充(忍成修吾)はチンピラ、陽介(脇知弘)は借金回収業者と社会の底辺ながらも生きています。
成瀬は・・・復讐の炎を胸に秘め・・・およそ・・・10年。ついに・・・「ねじまげられた真実」を殺意に高め・・・復讐のカーニバルを始めるのである。
手始めは・・・直人を無罪にした弁護士だった。
成瀬は前科者をコントロールして・・・弁護士を殺害・・・そして「正当防衛で無罪」を主張するのだった。現場検証で被害者役を演じた直人は「封印していた忌まわしき過去」が蘇るのを感じていた。
直人の手には・・・タロットカードの大アルカナの二十番「審判」が贈られていたのだ。
さて・・・以前にも触れたがここでは「魔王」について簡単に述べておく。
キリスト教国において・・・魔王といえばサタンを指す。しかし・・・サタンは(神の敵)という意味であり・・・魔界全体を示す言葉でもある。また・・・魔王と名乗る悪魔は多いので・・・バールや・・・ベルゼブブなどの実力者から・・・メフィストのような小物までが時には魔王を名乗るのである。そこで恐れ多くもサタンの称号は魔王の王である堕天使ルシフェルにのみ奉げられることを述べておく。
かって・・・神と名乗る実力者との戦いに敗れ・・・地獄の支配者となったお方・・・神にもっとも愛されたのに・・・その実力をねたまれ追放された最高の天使。それがルシファーでありサタンの名に値するわが主なのである。
さて・・・タロットカードは基本的にはギャンブルのアイテムだが・・・魔道に通じるものには簡単な預言の通信装置となる。神が全能を主張するように・・・わが主の暗黒の力も全世界に満ちており・・・人知を越えた神秘を人々に与えてくださることがあるということだ。
「審判」のカードは・・・復活を意味する。もちろん・・・神と名乗るものが・・・最後の審判と称してこの世の罪人を裁き・・・天国に迎え入れるものとそうでないものを分別する日のことである。このカードが人々にとって不吉なものであることは間違いない。
しかし・・・もちろん・・・畏れることはないのだ。最後の審判は悪魔の復讐の幕開けも意味するのだ。その日が・・・神のものになるのか・・・それともわが主の栄光が輝き天国と地獄の再統一の日となるのか・・・勝負はフタを開けてみなければわからないのである。
だから・・・「審判」を逆にひけば・・・それは「神にとっての悪い知らせ」なのである。
審判に描かれる大天使カブリエルがわが主・・・明星の天使ルシファーに願いをかけることもまた運命である。魔王の物語に・・・「虹を渡って」か・・・古き竜の背中に乗るのか。
・・・悪魔だからな・・・仕方ないか。審判が・・・隠された真実を明らかにするのは・・・つまり・・・キリストが実は死んでいない・・・「復活していたのだ」という暗喩です。だから・・・「審判」イコール「復活」なのでございます。・・・念のため。
関連するキッドのブログ『ホタルノヒカリ・最終回』
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ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
魔王の解説に興味津々♪
面白いです。へぇへぇへぇ…
シンプルシンプル♬♬…に
大野君ステキでした。
私は大野君のこんな日を待ってましたけども。
これでも、素と演技は違うんですよ~(笑)ヾ(^o^;) オイオイ
斗真くんの暑苦しさが
大野君の冷酷さを一層引き立たせててグ~ググ~でした♪
投稿: mana | 2008年7月 7日 (月) 11時15分
|||-_||シャンプーブロー~mana様、いらっしゃいませ~トリートメント|||-_||
日本と韓国では
キリスト教と仏教の
兼ね合いがちょっと違うのですねえ。
さらには儒教の方向性も違います。
そのあたりのことが
こういうドラマにあたえる
ニュアンスの差というのは
結構・・・大きいと思うのでございます。
結構・・・ネタをわって
始まったのですが・・・
これは・・・すでに原作は
周知の事実だから・・・
という発想によるものでしょう。
キッドはどちらかといえば損かな・・・
と思います。
韓国は格差社会。
そして階級社会です。
男尊女卑だし
徴兵制があるし
年功序列です。
日本人はそういう韓国にエキゾチックな
魅力を感じるのですが
けして共感はしない。
このあたりのさじかげんの
難しさを
TBSはまるで研究しない。
そこが・・・笑えるポイントだと
悪魔が申しておりました。
投稿: キッド | 2008年7月 9日 (水) 04時23分