みんな何事もなかったような感じなので・・・魔王的に無表情で。(大野智)ミーです(高橋愛)ケイです(新垣里沙)
「山口百恵でございます」(星野真里)だったのだが・・・鈴木ヒロミツ(パパイヤ鈴木)もなんかよかった・・・。
・・・というのは「ヒットメーカー阿久悠物語」(日本テレビ・監督・金子修介)の配役である。金子監督なので・・・アイドルたちの描写にほんのりとエロティックな遮光がかかっており・・・それがイイ。
とくに・・・レコード大賞を受賞した時のピンク・レディーの裸の背中は「こだわり」を感じました。
阿久悠と山口百恵の「時代」をめぐる「戦い」の「賛歌」としてもなかなかでしたが・・・もう・・・書き始めたら膨大なレビューになるのでやめておきます。謎の男(テリー伊東)・・・まあ・・・パクリとクリエイティブの微妙な関係のシンボルと解しておきます。
いつだって「少女」たちは「経済価値」があるもの・・・そして・・・そこには善悪を超えた「魅力」というなにかすばらしいものを潜ませているのです。
で、『魔王・第5話』(TBSテレビ080801PM1030~)原作・キム=ジウ、脚本・西田征史、演出・片山剛を見た。最近・・・ゴシップがあって・・・異常にスパムがつくレビューである。まあ・・・片っ端から削除しますが・・・キッドは虚構第一主義なので・・・ドラマの関係者が何をしようが・・・たとえば人を100人くらい殺そうとも・・・ドラマが面白ければそれでいいと思います。ただし・・・世間はそうではないので・・・関係者は自重すればいいのになあ・・・とも思います。金曜ドラマの主演・・・その座を望んで得られない・・・たくさんの予備軍のことを考えると・・・そう思わざるをえない。でも・・・まあ・・・ゴシップだって誰かのメシの種に過ぎないわけですがっ。
さて・・・結局・・・「ちょっとふざけただけで・・・殺すつもりはなかったのに・・・結果的に・・・相手が死んでしまった・・・」という直人(生田斗真)・・・「自分は正直に告白するつもりだったのに・・・父親が無理矢理・・・正当防衛(無実)にしてしまった・・・」という直人・・・「だから・・・罪を償うために絶対に悪を許さない刑事になりました」・・・ということなのかっ。
この設定・・・いじめられっこは絶対におかしいと思うよな。
ある意味「女子高生をコンクリート詰めにして虐待したら・・・殺すつもりはなかったのに・・・死んじゃった」と言っているのと同じだ。
それで問題ないと思っている脚本家ってある意味凄いと思うのだが・・・ひょっとしたら・・・お茶の間ではある程度受け入れられる論理なのかもしれない。
いつも・・・言うことだが・・・仲間はずれ的いじめの場合・・・いじめる方が多数派という・・・悪の勝利があるからだ。もちろん・・・悪魔としては喜ばしいことではある。
その上・・・咲田しおり(小林涼子)と恋愛しようなんて・・・神が許してもオレが許さんと・・・成瀬領(大野)・・・限りなく直人がうっかり殺した少年の実の兄と思われる・・・が考えて・・・直人がしおりにかけてきた電話に出て・・・「今・・・おねんねしているけど・・・起こす?」とか言ってジェラシーストームに投げ込んでやるのは当然なのである。
直人・・・甘い・・・自分に甘すぎるぞ。
とりあえず・・・韓国の方が家父長制度が色濃く残っていて・・・直人と直人の父(石坂浩二)の関係における拘束力も納得なのだが・・・日本のお茶の間ではかなり特殊な関係に映るだろう。そのあたり・・・翻案力が問われる・・・。
まあ・・・麻里(吉瀬美智子)と均(田中圭)の人目を憚らぬ浮気三昧を考えると・・・基本的に登場人物はちょっとバカ・・・という設定なのだろう。
その中で・・・一人ハードボイルドに探索を進める池畑(六平直政)・・・浅草のウナギ職人とは思えぬ腕の冴えである。
もちろん・・・魔王としては池畑もターゲットの一人である以上・・・お見通しなのだろうな。そうでないとつまらないぞ。まあ・・・協力者の山野(清水優)にも全貌を明かさないわけだから・・・奥深い復讐計画が控えていることを期待するばかりである。
さて・・・「LIVE=EVIL」というメッセージとともに直人に届いたカードは「小アルカナの剣のエース」である。
まず・・・「LIVE=EVIL」は「生存していることがすなわち邪悪である」という直人の立場を指摘している。そして・・・二つの言葉がお互いに逆順であることが「死ね」という意味を強調しているとも言える。アナグラム(綴り変え)のヒントになっているというのは・・・直人が「罪悪感からの逃避」として都合のいい解釈にすぎない。
ちなみに「LIVED(命)」の逆つづりは「DEVIL(悪魔)」である。
「the Devil」なら・・・「魔王」と言う意味になる。
さて・・・タロットカードにはこれまで登場した「月」や「女帝」のカードのような大アルカナ(22枚)と今回登場した「剣の1(エース)」のような小アルカナ(56枚)がある。
小アルカナには剣、杖、杯、印(護符)の四種類があり・・・1~10までの数字札・・・ペイジ(書物)、ナイト(騎士)、クイーン(女王)、キング(王)の絵札でそれぞれが14枚ある。ペイジをジョーカーとして除けば・・・小アルカナでそのままトランプゲームが遊べるわけである。
ちなみに剣(ソード)のカードはトランプのスペードに該当する。
この四種類は四大元素(地水火風)によるもので・・・剣(スペード)は風・・・杖(クラブ)は火・・・杯(ハート)は水・・・印(ダイヤ)は地に対応しているのである。
つまり・・・剣の1はスペードのエース。小アルカナでの最強のカードである。
ドラマの中では「避けられない変化」と意味づけられるのだが・・・つまり「絶対的な力の存在」そして「勝利の運命」を意味するのである。もちろん・・・それは「敵にとっては敗北の運命」でもある。また風の中の剣の一番ということから・・・「愛」や「憎悪」といった激しい感情の流れの高まりも意味するのである。
そして・・・絶対的な力は物事を決着させるので・・・「聖なる剣エクスカリバー」のシンボルである・・・という伝承もある。
もちろん・・・剣などというものは神が使えば神の剣・・・悪魔が使えば悪魔の剣なのですがね。
まあ・・・スペードのエースが実はエクスカリバーだと思うと・・・なかなか微笑ましい。
まあ・・・成瀬としては「必殺の剣」を直人の喉下に突き付けたというところなのでしょう。
一方・・・成瀬には大アルカナの16番「塔」が届く。タロットの中で最も邪悪なカードである。その暗示するところについては・・・次回のお楽しみにしたい。
関連するキッドのブログ『第四話のレビュー』
日曜日に見る予定のテレビ『コードギアスR2』(TBSテレビ)『篤姫』(NHK総合)『Tomorrow』(TBSテレビ)
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皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
こんばんは。
元のドラマを知ってるだけに、感想が書きにくく、
毎回「全部ネタバレしちゃえ~~」と囁く、
私の中の悪魔と闘っています(笑)
>ちなみに「LIVED(命)」の逆つづりは「DEVIL(悪魔)」である
これ、気付きませんでした。なるほど・・・・・。
今回のアナグラムの一件は、ちょっとこじ付けっぽかった気がしました。
何とかもとのドラマのティストを、上手く取り入れようとする努力は、毎回感じますが。
投稿: aki | 2008年8月 2日 (土) 21時31分
ふふふ・・・aki様のお出迎えコメント
絵文字にすると夏仕様でございましたな。
いえいえ・・・原作と日本版の比較記事
なかなか巧みですばらしいと思いますです。
キッドの場合・・・基本妄想ですので
ネタバレとか気にしていたら
書けなくなってしまうので
aki様の気配りに感動でございます。
今回の魔王はドラマというより
悪魔学の豆知識になってしまっている
じいやでございます。
韓国版→日本版というのは
アメリカ版→日本版よりも
難しいと思うので
確かにスタッフはがんばっている方だと思いますね。
まあ・・・ちょっと御粗末な部分もありますが
もう・・・TBSは慢性的に人材不足ですから・・・。
来週は「塔」のカードを
どんな解釈してくるのかがキッドは一番の楽しみです。
もう北海道もお暑いのでしょうか。
とりあえず暑中見舞い申し上げまする。
投稿: キッド | 2008年8月 3日 (日) 03時29分
暑中お見舞い申し上げます。
北海道も暑さ本番になってきていますよ。
野球のあと、阿久悠物語を何気なく見ていたら
結局、最後まで見てしまって(面白かったもので…)
「魔王」は録画したのをそのあと一気に観賞。
今期、一番気に入ってるドラマなので
最後までしっかり見ていきたいと思っています。
ことごとくトラバが入らなくて申し訳ないです(^^;)
まだまだ暑いですがご自愛くださいませ♪
今夜は「あんどーなつ」(←視聴のみ)と
「太陽と海の教室」(←リタイア寸前?)を見る予定です。
投稿: ミマム | 2008年8月 4日 (月) 16時28分
ミマム様のお出迎えコメント・・・涼しくて
よろしゅうございます~。
そうですか・・・北海道も夏でございますか。
阿久悠物語は面白かったですねえ。
登場する歌手(ニセモノ)の皆さんが
すごくいい感じの微妙さで
ふっふっふっ・・・と笑いながら見ていました。
天性のスター百恵に
ライバル心むき出しの裏方阿久悠という構図が
とても刺激的でございましたね。
魔王は・・・
あの「目」が気になって
サイコメトラーという
超自然現象がすでに
「ある」という世界観なので
本物の地獄の紳士たちが
登場する展開になったら
どうしよう・・・と
ドキドキの毎日です。
もうすごいSFXで・・・ないない。
トラバはじいやも相変わらず
入ったり入らなかったりで
最近は一度入らないとあきらめるようになってしまいました。
「あんどーなつ」は地味ですけど
脚本はしっかりしていますよねえ。
「太陽と海の教室」は
よほど我慢してみないと・・・つらいものがあります。
なんだろう・・・テーマというか
作者の人生観というか・・・
それにかなり違和感がありますです。
それでは夏をエンジョイなされますように。
投稿: キッド | 2008年8月 6日 (水) 01時23分