さて・・・二本立ての日曜日がフィナーレである。・・・夏は暑かったのでございます。
「篤姫」の↗27.7%はすげぇぇぇぇぇのであるが・・・「Tomorrow」も↗14.1%で有終の美を飾った。フタケタ完走で平均12.6%は夏ドラマの暫定3位、前番組の「猟奇的な彼女」の平均*8.3%から*4.3%のアップはさすが竹野内豊だった。もちろん・・・日曜劇場らしいドラマだった・・・とも言えるのである。
次は・・・鈴木京香・長谷川京子・桃井かおり・吹石一恵で「SCANDAL」か・・・。「四つの嘘」より・・・濃い・・・気がいたします・・・大丈夫か? プロデューサーは「輪舞曲」の生野Pなんだなあ・・・。また・・・中途半端なサスペンスなのか・・・。「孤独の賭け」はひどかったからな・・・しかし脚本は井上由美子である。悪女サスペンスではテレ朝の「氷の華」が相当面白かった・・・それはサスペンスとして秀逸だからである・・・欲張りすぎないことを祈りたいのでございます。
で、『Tomorrow~陽はまたのぼる~・最終回』(TBSテレビ080907PM9~)脚本・篠崎絵里子、演出・山室大輔である。まあ・・・誰もが思うことだと考えるのだが・・・西山室市・・・イベントの度に災害発生である。強風のためにモニュメント倒壊って・・・いくら演出家の名前がらみの市だとしても・・・責任者出てこいという話だ。
しかし・・・まあ・・・ドラマだからな・・・貧乏で貧しい貧窮した田舎の町ではよくあることなのかもしれない・・・。
市議会の議決で廃院が決まった市民病院。
病院スタッフたちも再就職がほぼ決まり・・・それぞれが再スタートを切っていた。
すぺての問題は・・・市の財政問題に端を発しているので・・・リゾートホテルの開発で公用地の有効活用・・・雇用の創設・・・経済活動の活性化を目論む・・・地元の有力者で国会議員の松永(品川徹)と副市長・蓮見(陣内孝則)。まあ・・・誰もが思うことだと考えるのだが・・・このリゾート事業は成算あるのか・・・ないと思う。
なぜなら・・・東京ディズニーランドリゾート以外のリゾートは「死語」だからである。
もう・・・保養地とか行楽地とかリゾートとか・・・無理だよね。
まだ・・・セレブ病院の方が・・・目がある気がする。まあ・・・「セレブ」も死語だけどさ。
さて・・・それはそれとして・・・「市民病院」の消滅を絶対に認めないものたちがいたのである。
一人は主人公のドクター航平(竹野内)・・・そしてもう一人はヒロインのナース愛子(菅野美穂)である。
愛子の妹・七海(黒川智花)は弁護士になることをやめ・・・医師を目指すことにした・・・のだが・・・選択肢がレベル高いのでございます。・・・お金かかるのに・・・姉は就職活動をしないで・・・市民運動を始めるのだった。「市民病院閉鎖反対」署名運動である。まあ・・・これまでもナースの業務を越えて暴走していた愛子なので・・・このある意味・・・自暴自棄な行動も納得なのである。愛子はこのまま・・・テロリストになればいいのに・・・。
最後は・・・市役所とか市議会とかに自爆テロだよな。
「我々~、市民に適正医療を求める実行独立戦線は~、市民が最低限の医療行為を受けられない現状に~、断固として~ぼぎゃぁぁぁぁぁぁぁん」である。
しかし・・・病人を中心に支援者は集まり・・・愛子の孤独な戦いは一歩前進をしたのであった。
おりしも・・・イベント会場ではコンサートが開催され・・・「リゾートホテル計画発表」というセレモニーが行われていた。その会場で署名活動を展開する愛子。ある意味、妨害工作を行うゲリラ戦術である。
だから・・・会場で事故が起きるのはけして偶然ではない・・・という考え方もある。
①病院再開派によるテロ
②隣町の観光協会によるテロ
③北朝鮮によるテロ
④大麻吸引力士の自棄の鉄砲
⑤河原のぶ子(佐々木すみ江)の怨霊
などが考えられます。
たちまち・・・第一回にタイムスリップしたような大事故発生。そして・・・負傷者は前より多い模様・・・その中には蓮見の娘・唯(稲垣鈴夏)も・・・。
市民病院では・・・航平と事務長(岸部一徳)が残務処理をしていた。事故現場から連絡を受けた航平はもちろん「患者の受け入れ」を即断する。ある意味、不法占拠である。
「市民病院に存在意義があっては困る」と患者の搬送を妨害しようとするリゾートホテル開発推進派の人間はもちろん・・・殺気だった市民に袋叩きにあって死亡である。もちろん・・・死して屍拾うものなし・・・海に捨てれば魚のえさである。・・・地方都市にはよくあることだ・・・いい加減にしておきなさい。
病院に到着した・・・蓮見父娘と愛子・・・唯は脳内出血があり緊急手術の必要な重態だった・・・しかし・・・愛子も腹部に負傷していて・・・意識を失ってしまう。愛子も生死にかかわる重傷だった。
ドクター航平の二人同時手術ミラクルデラックスゴッドハンド炸裂か・・・と思いきや・・・騎兵隊が続々到着である。看護師長(エドはるみ)がマラソン後のインタビュー番組の合間をぬって駆けつけ・・・ドクター遠藤(緒川たまき)もタクシーでかけつけ・・・その他のスタッフも再就職先の仕事を放棄して・・・駆けつけたのである。一斉蜂起なのである。サンチャゴに雨は降るのである。トラトラトラなのであった。ザク核爆発である。
自称・救命の鬼・柿沼委員長(志賀廣太郎)までが昼行灯の仮面を脱ぐのだった。・・・まあ・・・ある意味・・・爆笑である。もちろん・・・コレとか・・・禁断の菅野とエドでグ~とかは・・・感動を放棄した演出・・・と言えないこともないと思います。
もちろん・・・手術は大成功。航平のミラクルボイスが炸裂。
市民病院革命最前線義勇団は一致団結して悪い権力者を追放である。
松永議員「・・・このままですむと思うなよ・・・おぼえてやがれ~」である。
まあ・・・彼は国会議員でありながら実は暴力団の組長だったのですね。たぶん・・・きっと・・・おそらく・・・。
こうして・・・なし崩し的に再生された・・・市民病院は・・・地域医療・・・相互参加・・・開業医メンバーズ制のオープン病院となったわけです。・・・もちろん・・・ものすごく妖しい経営形態です。備品の横流し・・・不健全な雇用形態・・・そして脱税の匂いがプンプンします。
まあ・・・それでも新たなる道は開かれたのです・・・っていうか・・・とっととこれを初めて・・・その中での善と悪をドラマ化するべきではなかったのですか・・・。
航平「そんなことしたら・・・また・・・収拾がつかなくなってしまうでしょう・・・これでいいと思うんだ・・・陽はまたのぼり・・・そして・・・俺たちの戦いは・・・まだまだ・・・これからなんだ・・・握手はするけど・・・それ以上のことは・・・雨の日までおあずけなのです」
関連するキッドのブログ『第9話のレビュー』
ごっこガーデン・お姫様抱っこ専用セット。まこ「むふふ・・・むふふ・・・ドラマは呆気ない… ┐( ̄ヘ ̄)┌ フゥゥ~・・・でもなんだかんだ竹野内様のサービスはバッチグ~なドラマデス・・・握手あり・・・人工呼吸あり・・・そしてついにはお姫様だっこはうぅん・・・ドサクサにまぎれてさりげなく・・・がポイントデス・・・航平と愛子は・・・どういう関係・・・?・・・二人とも・・・照れ屋さんでしゅか~?・・・それとも不器用同志のいくじなしのすれちがいでしゅか~?」mari「結局・・・病院再建は・・・藪の中のドラマでした・・・政治が悪いっていう結論なのかしら・・・まあ・・・マスコミの常套手段ですよね・・・お客様である市民は絶対に悪人にしないんですよね~・・・ちょっとピントはずれだったかな~」芯「まこ先輩・・・意識不明なのに・・・タッチプレイはごっことして反則ですよ~」あんぱんち「またしても33分探偵から太陽と海の教室にワープしたのよ~・・・日曜日は忙しいのよね~」ちーず「主題歌の星村麻衣さん劇中歌手登場。愛子が麻衣を呼ぶのと三井が黒田を呼ぶのはかぶりましたね。まあ・・・ありがちというのはテクニックの一つです。あらすじ的には感動できればOKなのです。やはり・・・オープン病院のプラス・マイナスも見たかったかな?・・・最後の左手握手はちょっとしたミステリーなのかしら?」ikasama4「・・・とにかく・・・せっかくの題材をコネタでまとめるというのが・・・とっても残念な感じですよね?・・・なんていうのか・・・本格的なドラマを作る力量というか・・・現場の空気というか・・・そういうものがこの局からは消えてしまったのでしょうか・・・役者さんたちはすごく好演しているので・・・余計にちぐはぐな感じがしてしまいます・・・ドラマのTBSこそ・・・再建の必要があるような気が・・・ただひとつ言えるのは院長最高(笑)!」
ごっこガーデン・握手専用セット。お気楽「右腕を切断するのかと思った・・・。リストラされた希美(有村実樹)も来たのね・・・。愛子も植物人間になって・・・遠藤のお母さんと枕を並べるのかと思った・・・そして遠藤と航平が・・・看護仲間に・・・来年の24時間のドラマにどうかな・・・あ・・・局が違うか・・・ま・・・まあまあ・・・まあまあ・・・まあまあ・・・だったのかなぁ」エリ「松永議員は次の選挙で落選間違いなしでスー。命より金が大事って政治家にとってはさすがに禁句ですyon・・・久しぶり日曜劇場最後まで見たのでスー。命に値段はつけられないので・・・全部タダにすればいいのでスー。赤字はツケにしとくのでスー。最近・・・ツケという言葉を覚えたので言ってみたかっただけでスー」アンナ「パラミドシンは幻の除草剤ぴょん・・・氷の華ネタぴょん・・・最後まで犯罪者・・・しかも殺人者が逮捕されないドラマってある意味・・・大冒険・・・患者が誰も助からない医療もの・・・とか?・・・まこぴょ~ん・・・お仕事の時間ですぴょんぴょんぴょん」みのむし「さらっと・・・Tomorrowをスルーするアンナちゃん・・・氷の華モードるるる・・・あなたも悪女になりますかるるる・・・まこちゃんを盛り上げつつ・・・秋ドラマをふるるるる・・・るるる」
ごっこガーデン・幻の朝日の美しいリゾートホテルセット。ろーじー「じいやーっ・・・間に合ったで~、わてはレビューが間に合った・・・やったで!副市長は昔の助役やで・・・遠藤紗綾はさやえんどうやで・・・星村麻衣販促反則ギリギリやないの~?・・・浪速の商人かいなっ・・・トモロ岬もヨロシク!」くう「ろーじーさん・・・今回ネタのキレいいね・・・といいつつ・・・竹野内の2ショットは抑えてみる私でした・・・」シャブリ「おっとー・・・次のスミレ地上波は9月14日AM0420~0450でありました~時間変更あるのでご注意なされますように・・・」ミマム「日曜日の昼間にこっそりオンエアされたHTBスペシャルドラマ『歓喜の歌』・・・染みますわ~歌手だから~」aki「青い封筒が来たり~・・・事故米宝山騒動とかで・・・遅刻している私です・・・それではまたTomorrow・・・・・・」
で、『篤姫・第36話』(NHK総合080907PM8~)原作・宮尾登美子、脚本・田渕久美子、演出・岡田健を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回はもちろん有馬新七書下ろしイラスト付ですが・・・謎の文久寺田屋事件の真相についての解釈付でございます。現在でも上意討ちだったのか・・・それとも偶発的事件だったのかでさえ意見の分かれるこの事件。ま・・・歴史の真相などというものは基本的に藪の中でございますけれど。特に大河ドラマでは解釈と言う名の歴史捏造は常習でございますからねえ。贔屓の歴史的人物や・・・歴史観によっては・・・「あの人がそんなことするはずがない」という部分は必ず出てきます。また・・・ドラマの流れから考えておかしい場合もあれば・・・歴史的には無理だけどドラマとしてはどうか・・・という場合もございますね。さてさて・・・皆様の中の真実の文久寺田屋事件はいかがな展開でございましょうか。もちろんキッドは慶応寺田屋事件(龍馬急襲)の方が好きです・・・そういう問題なのか?
で、今回も文久二年(ほぼ1862年)である。さすがに・・・時間が止まってきた。前回も書いたがこの年は幕末動乱の主要人物たちがほぼ位置についた年なので・・・描く必要のあることが多いのである。非常に大雑把に言うと・・・幕末とは・・・徳川宗家と薩摩・長州・土佐の三国同盟の戦争である。徳川宗家は公武合体という非戦主義でこの戦争を回避しようとし・・・三国同盟側では上は佐幕、下は倒幕という分裂を呈し下克上によって結局倒幕に向かっていくのである。幕府側から見れば・・・三国同盟の主体は・・・上は天皇を下は民草を利用し・・・権力を簒奪した悪逆非道の輩ということになる。
もちろん・・・戦争によって強力な中央集権体制を作らなければ日本は清国なみの欧米列強の植民地になってしまった可能性はあり・・・そこが歴史の綾というものだ。
そして・・・ドラマではのんびりと・・・天皇家・将軍家・薩摩大名家の権力闘争を描いている頃・・・水面下では最初の三国同盟が三藩の下級武士たちによって密約され・・・すでに倒幕戦争が開始されたのが・・・この文久2年だったのである。
薩摩と長州は島津家も毛利家も関ヶ原の負け組であるため・・・下克上は曖昧だったが・・・関ヶ原の勝ち組である・・・山内家(上士)と負け組である長曽我部家(郷士)の合体している土佐では・・・下克上は先鋭化していく。
これに幕府でありながら・・・勤皇という特異な思想を持つ水戸藩の存在がからみ・・・下級武士たちは・・・倒幕の大義名分を尊皇攘夷に求めていくのだった。
そして・・・それを扇動するのは徳川四天王の一人・酒井忠次の血脈が支配する庄内藩の郷士・・・月山忍軍の下忍である天才忍者・斎藤原氏清川八朗正明(いつきのふじわらのうじのきよかわはちろうまさあき)略して月山の清八である。
清八は・・・月山に篭ること3年で言霊の術を会得した。17歳で江戸に出ると・・・文武で頭角を現し・・・ついに剣と学問を教授する私塾を開講する。そして・・・幕府直参・・・藩を問わず・・・類稀なる洗脳術で影の支配を拡大していくのだ。言わば新興宗教・清河教の教祖なのである。
大奥・大御台所の間。深夜である。天璋院の直属くのいち・重野はそっと合図の拍子木を打つ。
篤姫は眠りを解き床に身を起す。その瞳が闇を見据える。
「これに・・・」
大奥にはあってはならない男の声が応える。
「・・・半蔵か・・・」
闇の中に平伏するのは・・・隠密同心の長・服部半蔵だった。いつもの奥医師・伊東玄朴の姿ではなく・・・変装をしたままだ。その姿は火付盗賊改方頭・渡辺源蔵である。服部も渡辺も元は綿部という職業集団だが・・・当然・・・変装を得意とした忍者の衆である。
服部半蔵宗家は四代で断絶したと正史は伝えるがもちろん・・・それは表向きで公儀隠密の長として続き・・・現在24代目である。無論・・・忍者としての地位は中忍である。
半蔵は前上忍である徳川家定から・・・上忍位を譲られた天璋院に仕える身となっている。無論・・・形式的には現在の上忍は家茂であるが・・・忍びの世界では何よりも実力が優先される。
将軍後見職に松平慶永の弟・田安慶頼があるように・・・家茂に代わり上忍職を篤姫が預かっているのである。
「いかがした・・・」
「安藤様暗殺の黒幕は・・・やはり・・・清八でございました・・・」
「やはりの・・・」
「清八の汚染は激しく・・・その毒は・・・公儀隠密にも広がっておりまする」
「・・・情けないのう・・・」
「面目ござらぬ・・・しかし・・・篤姫様の邪眼の法には及ばぬとはいえ・・・清八の言霊の術・・・侮れませぬ・・・気がつけば口車に乗せられるのです・・・」
「・・・ふむ・・・」
「以前・・・清八の妻女を捕らえましたが・・・清八の施した断食の暗示が解けぬまま・・・獄中衰弱死をしております」
「むごいの・・・で・・・清八は何処におるのじゃ・・・」
「京でございます・・・その旨・・・幾島殿には伝え申した・・・」
「そうか・・・幾島・・・達者でおるかのう・・・」
はるか西の都・・・京では・・・幾島・村岡の二人の老くのいちが月見酒をしていた。春霞がたなびいて・・・月光が妖しくにじむ。
清八に対抗するために老女たちは今・・・藤原流秘術・水鏡を会得しようとしていた。水は涙である。涙を鏡とする境地は・・・極意であった。二人は真言を唱えつつ・・・涙腺を意識の支配下に置くために集中力を高めているのだ。
ふと・・・幾島の唱和が途絶えた。村岡が問う・・・「得たか」・・・「八割方・・・」・・・「時が惜しい・・・」・・・「参りまする」・・・京の洛北の小さな庵から人影が消えた。
京都の薩摩藩邸は・・・勤皇の志士という清八の信者でごった返していた。数ヶ月の九州遊説で清八が洗脳した・・・浪士たちである。その中にはくぐり衆の小頭である有馬新七もいた。
藩邸の中で・・・清八に染まらぬものたちにはまさに奇異な集団であった。
「ぎゃーてーぎゃーてーはーらーぎゃーてーはらそーぎゃーてーぼーじーそわか」
清八が唱える奇声に薩摩隼人を中心にした浪士の集団が・・・身をゆらせ・・・放心した表情で唱和する。
その途中で・・・清八は説教をはじめるのである。
「おめら・・・すめらみことのおんためならはあ・・・いのちささげねえどなんねえのは・・・難儀のごど承知すて・・・悪さすでる関白殺らねばなんねえのは・・・所司代の首ばおどすことすねばは・・・地獄さ落ちるのは・・・」
彼は薩摩藩邸で堂々と・・・関白・九条尚忠と京都所司代・酒井忠義(小浜藩主・酒井正親系酒井氏)の暗殺を教唆しているのである。しかし・・・あまりの庄内訛りに術にかかっているもの以外にはその意味は判じかねるのだった。
ただし・・・暗示にかかっているものには清八の声は神の声のように心の奥底に響き渡り・・・絶対的な命令として心に染み付くのである。
その時・・・清八の声が止んだ・・・。
「ふふふ・・・京都の女狐どもか・・・おらの妾になりにきたか・・・」天井板がはずれ・・・くぐり衆で清八信者の弟子丸龍介が藤原のくのいち・佐賀野ともみ合いながら落下した・・・その周囲から藤原のくのいちが天井板をはずして殺到する・・・集団催眠状態になっている階下の浪士たちは呆然としたままだ。
清八は舌打ちすると・・・広間の障子戸を破り・・・藩邸の裏庭へと逃れ出た。
そこに・・・幾島が立っていた。
「どけ・・・婆・・・」傲岸な清八は幾島に罵声を浴びせかけ・・・さすがに北辰一刀流の免許皆伝である・・・相手の殺気から・・・幾島の並々ならぬ力量を読み取った。
すかさず清八は自慢の七星剣を抜刀する。
「ふふふ・・・不浄のものだが・・・斬る」
しかし・・・清八は間合いを詰めない。刀を正眼から八相、八相から脇構、脇構から正眼と・・・構えを変えながら・・・瞳を燃やし始める。
幾島は忍び装束で忍者刀を構えていたが・・・不意に清八の構えの変化に応じ始める・・・清八の顔に残忍な笑みが浮かぶ・・・。しかし・・・周囲には他の敵も多いことに清八は気がついた・・・それが結果的に清八の命を永らえた。
「ふ・・・お前などに手間どってはいられぬは・・・去ね・・・まっすぐに走って行け」
その瞬間・・・清八は脱兎の如く・・・走り始めていた・・・。
「おう・・・これは・・・そんな・・・」
清八は言霊返しにあったことに愕然とした・・・。しかし・・・同時に幾島も反対側で走り出していた。二人はただすれ違った。
薩摩藩邸の裏庭を中心に清八は東へ・・・幾島は西へ・・・目にも留まらぬ速さで疾走していく。
潜在意識による活動は潜在能力を顕在化させ・・・その足の速さは尋常ではない・・・。
呆気にとられるくのいちたちの包囲を突破し・・・幾島と清八は力尽きるまで走り続けたのだった。
幾島が意識を取り戻したのは・・・長州萩の里だった。
そして・・・清八は江戸・日本橋で目を覚ました。
その頃・・・薩摩藩邸に残されたものたちは清八の暗示が解けたものもあり・・・解けぬものもあった・・・そして・・・そのうちの何人かは・・・清八の計画した京都焼き討ち計画の実行のため・・・つなぎの宿となる伏見・寺田屋に足を運んでいた。(つづく)
火曜日に見る予定のテレビ『モンスターぺアレント』『シバトラ』(フジテレビ)『学校じゃ教えられない!』(日本テレビ)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
2008年9月9日(火)9:00から15:00までの約6時間、メンテナンスを実施いたします。
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