ふるさとは捨てがたいものよ・・・(宮﨑あおい)武力攻撃ではなく心理戦です!(瑛太)
19世紀である。世界は力こそ正義へと移行しつつあったが・・・日本は太平の夢の中・・・まだ平和ボケをしているのであった。しかし・・・下克上の波は所詮・・・力こそ正義という理念に支配される。
田舎侍にちょっと脅されて膝を屈する老中の出現により・・・幕府の体制は根底から覆る。
幕府とは軍事独裁政権なのである。しかし・・・もはや・・・武士の一分は消失し・・・平民たちの暴力が・・・日本を支配し始めていたのだった。
明治維新とはチンピラによる革命だったのである。
そして・・・その・・・やったるで~は全世界を敵に回して敗北するまで止まらないのだった。まさにバカは死ななきゃ治らないのである。
で、『篤姫・第37回』(NHK総合080914PM8~)原作・宮尾登美子、脚本・田渕久美子、演出・渡邊良雄を見た。さすがに文久二年は長いぞ。もう四回目だ。そして・・・すっかり久光のターンである。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回は・・・篤姫(宮崎)と小松帯刀(瑛太)の禁断の密会・・・違う違う・・・同志二人の意志の確認をかわすの場・・・篤姫は嫁の和宮(堀北真希)に・・・帯刀は幕府旗本勝義邦(北大路欣也)に・・・それぞれアドバイスを受け・・・なかなかに綾なる模様を描く再会場面をじっくりと・・・。ついでに犬神家の一族・勝の変身後の姿・ホワイト家主人(ソルボンヌ卒)・イラスト付です。幕府の役人が薩摩の家老に・・・将軍大御台が皇女に・・・心を動かされ・・・という図式・・・実に象徴的な名場面でした。さらに「文久の改革」「生麦事件」背景解説付きでございます。
文久二年(ほぼ1862年)の夏・・・。島津久光は勅使・大原重徳(木村元・去年は本庄実乃)の警護の名目で威力偵察とも言える江戸進駐を果たした。いわば・・・幕府にケンカを売ったのである。これに対して・・・幕府はいわば土下座外交を展開する。安政の大獄→桜田門外の変→和宮降嫁と流れる・・・幕府崩壊の流れは→文久の改革へと歩を進める。
勅使の要求は・・・家茂の上洛(長州藩案)、薩摩・長州・土佐・仙台・加賀の五つの大藩による五大老の設置(公家案)、一橋慶喜の将軍後見職・松平春嶽の政治総裁職就任(薩摩案)の「三事策」・・・という三点セットであった。薩摩の要求は斉彬の理想に追従したものであり・・・結局・・・安政の大獄以前の状況への回帰である。
いずれにせよ・・・幕府の権威を失墜させる要求であった。
大奥・・・亀の池。最近・・・意気投合した篤姫と和宮はここで・・・夕涼みをすることが多かった。和宮はまだ・・・幼い・・・篤姫の忍び猫と戯れるのが大いに気に入っていたのだ。
篤「和宮様は・・・ほんにサト姫がお好きじゃのう・・・」
和「まがり(猫)の姿はなごみます・・・」
篤「時に・・・兄上の今上天皇は・・・ひどく異人がお嫌いじゃそうだが・・・なんぞ理由がおありなのですか?」
和「・・・亡くなられた父上の仁孝天皇は・・・学問の好きな・・・お人でした・・・特に怪談がお好きで・・・こわがりの兄によく・・・お話しをされました・・・その中に・・・英国の詩人の梅論さんと堀鳥さんのお書きになった・・・「蛮盃夜」という人の生き血をすする鬼の話がありました・・・兄上はこのお話をたいそうおそろしやとおぼしめしまして・・・ききとうないと父上におっしゃったのですが・・・父上はおもしろがって・・・兄上が泣こうが喚こうがお話しを続けたんです。兄にとっては異国はそのおそろしい鬼がウヨウヨいるところと・・・ついに心にしみついておしまいになったのです・・・」
篤「困ったじいさんだったのじゃなあ・・・先のすめらみことは・・・」
和「お義母さま・・・攘夷の実行は本当に無理なのでしょうか・・・」
篤「無理も無理・・・米国は優しいところもあるが・・・英国は海賊の子孫じゃし・・・仏国は山賊の子孫・・・ロシアに至っては熊の子孫も同然じゃ。これらが牙をむき出せば・・・日の本は火の海になりましょう。これは軍艦奉行の勝の申しておったことじゃが・・・いくさの船にはスループ、コルベット、フリゲートと大小があるそうな・・・日の本にはスループさえ幾隻もないのに・・・かの国にはフリゲートよりも巨大なスーパーフリゲートやクルーザーさらにはバトルシップなるものもあるとか・・・今の日の本では子供と大人のケンカのようなものになるそうです」
和「・・・まあ・・・なんだか口惜しいでおじゃります・・・」
篤「臥薪嘗胆なのでございます・・・まあ・・・いざとなれば日の本には忍びの道がございますれば・・・」
和「草木にかくれ・・・影戦をするのですね・・・」
篤「そうならぬように・・・幕府も朝廷も諸藩も力を一にする時なのです」
和「ほほほ・・・お義母さまのお名前ですわね。お一・・・」
篤「そして御台所のお名前ですよ・・・和でございます・・・」
将軍の後家と皇女が・・・まったりと平和を願っている頃・・・巷では着々と動乱の準備が始まっていた。
京都の三条にあるとある宿屋・・・。まもなく三十路を向かえようとする桂小五郎は・・・京から薩摩の軍勢が江戸に向かったのをいいことに公家たちへの政治活動を再開していた。同時に・・・まだまだ頭の固い大目付たちの主張する封建的商工論を粉砕するべく・・・藩内の洗脳作業も進めている。彼は安政の大獄で露と消えた尊師・吉田松陰の意志を継ぎ・・・富国強兵を成し遂げるためには倒幕しかないと信じていた。そして・・・天皇統帥による軍を整え、朝鮮、琉球、蝦夷を属国化し・・・満州、台湾、比律賓を領有化しなければ・・・日本の将来はないと信じている。
しかし・・・問題は・・・。
宿の娘が目の前にいることだ。昨日・・・土佐の武市瑞山と岡場所で盛り上がった後に・・・つい・・手をつけてしまったのである。すっかり・・・桂の情婦きどりで・・・昼間から酒をもってはべっているのだ。そこへ・・・江戸から客が来た。江戸の宿の娘である。この娘とも桂はつい寝てしまったのだ。しかも赤子が胎にいるという。そこへ・・・国許から娘が来た・・・家に手伝いに来た下士の娘でやはり妊娠したらしい。三人の娘に囲まれて・・・桂は冷や汗をかいている。そこへ・・・子分の伊藤俊輔がやってきた。「桂様・・・」と耳打ちされると桂の血相が変わった・・・。「幾松がこちらにむかっていると・・・」
次の瞬間・・・部屋に白煙があがった。桂はドロンと消えていた。
毛利元就の血を引き・・・天野流忍者の末裔でもある小五郎は・・・遁走にかけては超一流なのであった。
その頃・・・相模の国、横浜村では・・・上海から来た若きボロディル夫人マーガレットをめぐり海賊商人たちがナンパ合戦を繰り広げていた。横浜居留地のビリヤード場でハード商会の駐在員のクラークと・・・その同輩であるリチャードソンは盛んにマーガレットを口説いているのである。
僻地で・・・白人娘はモテるのだった。男たちは岡場所で女に不自由はしていないが・・・たまには口説ける女も相手にしたいと思うものだ。
「馬で遠乗りなんてどうです・・・かわいい奥様・・・」とクラークが誘う。
来日したばかりのリチャードソンはやや鼻白みながら「抜け駆けすんなよ・・・」と凄む。
二人の優男たちを横目で見ていたマーガレットの義兄で・・・英国村長のマーシャルはなだめるように言う。「まあまあ・・・どうだい・・・川崎大師という荘厳な寺院があるのだ・・・そこまで四人で気晴らしに行くというのは・・・」
夫を上海に残し・・・日本に観光に来ていたマーガレットは男たちの争いにワクワクしながら・・・「まあ・・・よろしくてよ」と答えた。
その側にたまたま居合わせた英国諜報部の日本研究家アーネストは眉をひそめた。
「おいおい・・・近日中に薩摩のキングが近所をパレードをするのだ・・・外出は控えた方がいい」
リチャードソンは酒を飲み干して言う・・・「ちょっかいはゴメンだぜ・・・役人さんよ」
その目は新たな恋敵参入を危険視してギラギラしていた。
世話役で年長者のマーシャルが割って入る。「まあまあ・・・ミスター・サトー・・・私がついてますから大丈夫ですよ・・・」
「まあ・・・サムライ・パレードなんて楽しみだわ・・・」とマーガレットがウキウキした口調で言った。
(青二才どもめ・・・)アーネストは心の中で舌打ちしながら・・・その場を離れた・・・いくつか重要な情報交換の予定があるのだ。しかし・・・腕利きの情報部員としての勘が・・・胸騒ぎを起していた。(虎の衣を借るキツネどもめ・・・このバカどもは必ず問題を起すだろう・・・こいつらは知らないのだ・・・アジアの他の国々と違い・・・この国には神秘がある・・・そして驚くべき剣の技があることを・・・)そう思いつつ・・・アーネストはその店を後にした。生麦事件の前日のことだった。(つづく)
関連するキッドのブログ『第36話のレビュー』
火曜日に見る予定のテレビ『シバトラ』『リアル・クローズ』(フジテレビ)『学校じゃ教えられない!』(日本テレビ)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
ドラマは1日1本が丁度よいと思う今日この頃です(; ̄∀ ̄)ゞ
下の下の者同士
行き着く先は戦争しかないみたいですが
「武」は使わない事に意味があると同時に
使う事でその「武」の力を誇示できるものですからねぇ。
「武」というのはなかなかです。
という事で
次回は錬金術と陰陽道の対決が見られるのか
英国式武術と示現流の対決が見られるのか
どちらにしても楽しみなところです。
そして犬にとあるとこを噛まれた事で
「犬」になってしまった勝隣太郎
たとえ相手が熊であろうとも絶・天狼抜刀牙で一撃です(違)
投稿: ikasama4 | 2008年9月15日 (月) 13時29分
なんと申しましょうか・・・。
プレッシャーの解放みたいな感じが
じいや的にございますね。
もちろん・・・お嬢様方に御奉仕するのは
喜びなのでございますが・・・
ゆとり・・・みたいなものを感じる日曜日でした。
歴史ドラマはもう・・・結末の分っているドラマ
のようなもの・・・でございます。
ある意味・・・すべてが再放送。
しかし・・・初めてこのドラマで篤姫の存在を
知る方もいるわけです。
そうなると篤姫の「今」を単純に
楽しめるわけでそれはそれでうらやましい。
「武」というものもそういう側面がございますね。
「演習」をするのは
ここに「武」があるという告知。
だから「和」が有利だという話です。
しかし・・・「弾圧」という「武」を
実施すれば
「粛清」という「武」は生まれ出る。
「独裁国家」と「内乱」のどちらが
「平和」なのか・・・という問題になります。
今回は「文久寺田屋事件」が
「武力」の誇示です。
薩摩の兵力はたかだか千なのですが・・・
旗本八万騎はこれに屈するわけです。
抜いた刀の脅威というものです。
篤姫は菊本の自害によって
少なくともそういう「死」の威力を知っているし
同時に「死」を克服している。
ところが・・・泰平の夢から醒めない幕府閣僚は
そういう覚悟がないわけです。
今こそ・・・篤姫はなおすけを懐かしく思い出したでしょうな。
篤姫と久光の考えはともに
斉彬の発展系・・・。
しかし・・・Ζガンダムとサイコガンダムほど
設計思想の発展ぶりが違う・・・
ということなのでしょう。
科学忍法VSしのびのわざ
荒野のガンマンVS隠密剣士
このあたりは異種格闘技の醍醐味でこざいますね。
ゾンビはほんの序の口。
吸血鬼にオオカミ男そして・・・人造人間と
幕末妖怪大戦はそこそこ盛り上がる予定です。
はたして・・・時をかける巫女は・・・
収拾つかなくなるかな・・・。( ゚Д゚)y─┛
投稿: キッド | 2008年9月16日 (火) 01時29分