最初のいじめられっ子です(黒木メイサ)二番目のいじめられっ子です(堀北真希)
おいおい・・・いつのオンエアなんだよ・・・ってもう夏も終わってんじゃん。
まあ・・・気がつくと・・・今年の夏は「魔王」以外はほとんどホラー色がなかったので・・・まあ・・・「シバトラ」の死神とか・・・あるけど・・・ごにょごにょ・・・。
堀北真希もの・・・ということで掘り出しました。
まあ・・・中村俊介版浅見光彦(9/19・14.4%)VS沢村一樹版浅見光彦(9/29・16.5%)対決レビューとか・・・夢じゃ夢じゃ夢じゃ夢じゃ夢じゃ夢じゃ夢じゃ夢じゃ夢じゃ夢じゃ夢じゃ夢じゃ夢じゃ夢じゃ夢じゃ夢でござる~の「柳生一族の陰謀」成田三樹夫と佐野史郎の烏丸少将文麿どっちがお好きレビューとか・・・書いてるだけで疲れそうなのでやめました。
本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「スパイダーマン」11.0%(ヒーローにもヒロインにも馴れました)、「ショコラ~本当にあった女のヒミツ」10.1%(キョンキョン、ローサ、ベッキー・・・それだけ)、「上海タイフーン」↘*5.8%(可もなく不可もなく悪い中国人がちっともでてこないところが最悪)、「陽炎の辻2」↗11.6%(本屋は原作だらけ・・・)、「33分探偵」↘8.7%(まあ・・・水川あさみは面白かった・・・かな)、「山陽・東海道連続殺人ルート」15.8%(いつもの村川透と賀来千賀子だった・・・)、「篤姫」↘24.7%(やはりな・・・みんな大奥が好きなんだな・・・大奥が~・・・あとは瑛太がともさかを愛さなすぎ~)、「柳生一族の陰謀」11.1%(家光がナンバーワンだけど首ちょんぱ~・・・惜しいのは上川十兵衛から入らない演出か・・・神にあえば神を斬り仏にあえば仏を斬らないと・・・)・・・以上。
で、『着信アリ Final(2006公開)』(日本テレビ080715AM0214~)原作・秋元康、脚本・大良美波子(他)、監督・麻生学を見た。アイテム+呪いの「携帯電話」版である。特に着信音に絞ったものといえる。映画化もドラマ化もされていて・・・まあ・・・そこそこ話題になった作品と言える。
映画版では「着信アリ」が柴咲コウ、吹石一恵・・・「着信アリ2」がミムラ・・・となかなかの人たちがヒロインを演じているが・・・三作目にあたる・・・この堀北真希・黒木メイサのカップルが一番・・・作品にフィットしている気がする。
全作を通じての悪霊は・・・水沼美々子(大島かれん)の怨霊である。生前から薄気味悪い子供だったが喘息の発作で死亡すると台湾で非業の死を遂げた少女リリィの怨霊と合体し・・・ネットワーク回線に憑依する。嗜虐的な性格で人を呪殺。これは原作者の好みによるものだろう。手口は犠牲者に未来からの電話をかけ殺人予告するというのが基本。
今日もどこかで呪いの着信音が響くのである。
「Final」では「転送スレバ死ナナイ」という機能的発展が盛り込まれている。これはストーリー展開の「いじめられっ子をかばった子がいじめられる」と対応している。そのような展開そのものはコミック「毎日が夏休み」(大島弓子・1989→金子修介が映画化・1994・主演・佐伯日菜子)などにも見られる古典的パターンである。
基本的には「いじめそのものは別に悪ではない」という思想が見受けられ・・・まあ・・・大衆的な設定になっている。
最初のいじめられっ子が高校生えみり(黒木)であり、えみりをかばっていじめのターゲットとなったのが明日香(堀北)である。ドラマは二人の同性愛的な友情の物語と考えられる。
おそらく・・・美少女であるゆえに・・・いじめのターゲットとなったえみり・・・いつか一緒に海に行くことが夢だった暗喩的な恋人の明日香はそのいじめを止める。そのためにターゲットは明日香になる。おそらく・・・美少女なら・・・誰でもよかったのだろう。
技巧的には・・・パムと明日香の二人の少女がいるような序盤の演出なのだが・・・中盤でパムはスパムの略であり・・・いじめられっ子の明日香のニックネームだったことが判明する。また・・・これは明日香が悪霊・美々子に憑依されたためとも・・・明日香の人格の分裂ともとれる曖昧さの形成のテクニックである。もちろん・・・正体不明の方が怖いという基本によるものである。
黒板消しで顔をふかれ、トイレの個室でバケツシャワー・・・などのいじめに耐えかねた明日香は学校のニワトリ小屋で首吊り自殺を図る。発見が早かったために一命をとりとめるが・・・意識不明の重態である。
そんな事件があったにもかかわらず・・・クラスメートたちは韓国への修学旅行に楽しげに出発する。自分をかばったために明日香がいじめのターゲットになったことについて心に鬱屈をかかえるえみりだったが・・・韓国には日本で身体障害者に対するボランティアを通じて知り合ったボーイフレンドのアン(ジャン・ダンソク)がいて・・・再会を楽しみにもしていた。
・・・このあたりのテイストがいじめっ子がいじめられた子の自殺に頓着していない視点であることを指摘しておく。
日本から韓国へ向かうフェリーの船上で呪いの着信音が鳴り響く・・・。いじめっ子の一人あずさ(天川美穂)が受け取った死の予告画像は・・・本人の首吊りのシーンだった。
同時に自分の声を聞くあずさ・・・皆は誰かの悪戯であると受け止める。
翌日・・・あずさが実際に予告通りの姿で死ぬまでは怪談話に興ずる余裕があったのである。超自然な存在に首をロープで吊り上げられたあずさは口から超自然な赤い玉をこぼすのだった。赤玉はシリーズお約束の展開である。
つづいていじめのリーダー格の一人である三上(山根和馬)が予告着信→感電死。
生徒たちはパニックに陥るのだった。
三番目にホテルの部屋で着信を受けた友香(高橋あゆみ)は「転送スレバ死ナナイ」という指示に従い・・・居合わせた瑞江(橋本真実)に転送する。瑞恵はベッドの下に引きずりこまれ消失。
四番目の犠牲者は転送されないようにクラスメートによってクローゼットに閉じ込められる。予定時刻になると圧縮されて行方不明の瑞恵とともに発見される。
残されたものは「明日香の呪い」ではないか・・・と言い出す。
そして・・・「明日香の生死」を確かめるためにかっての友人だったえみりに電話をかけさせる。
しかし・・・電話に出たのは意識不明のはずの明日香だった・・・。
ここで・・・パムと明日香が同一人物であることが判明するが・・・電話の明日香は別にパムがいるかのようにふるまうのである。
そこで明日香は「いじめの論理」をニワトリにたくして語り始める。
「狭いトリ小屋に閉じ込められたニワトリは他のニワトリをつつかないではいられない。強いニワトリにつつかれたニワトリは自分より弱いニワトリをつつく・・・そして一番弱いニワトリは地面をつつくの・・・人間も同じ・・・と思っていたら以外と強弱関係なくつつけたりするのよね・・・」
「何言ってるの・・・」
えみりに呆れられた明日香はムッとしてえみりと仲のいい真理(上脇結友)の携帯にメールするのだった。パニックに陥るフリをしながら真理は恋敵のみのり(朝倉えりか)にすかさず転送するのだった。即座にみのりは隠れてデートしていたホテルの洗濯室の乾燥機の中でバラバラ死体になるのである。
この後も生徒が教師に転送して殺し、男の子のいじめられっ子が男の子のいじめっ子に転送して殺すのである。
そういう呪い祭りの最中・・・ボーイフレンドに勇気付けられたえみりはもう一度明日香に電話をかける。「謝罪の電話」である。
「私を助けてあなたがいじめの標的にされたのに・・・私はあなたを助けてあげられなかった・・・ごめんなさい・・・私は弱虫でした・・・でも・・・もう・・・やめて・・・私に電話してください・・・私はあなたに命を奉げます」
その言葉を「愛の告白」と受け取った明日香は病院のベッドで目を覚ます。一方・・・えみりには死の予告電話が・・・。
しかし・・・明日香の自宅にはもう一人の明日香がいた。明日香の深層心理に潜む怨みのエネルギーを利用した悪霊・美々子だった。
超自然的トンネルで明日香の自宅に転送されたえみりは美々子の誘導で飛び降り自殺しようとする本物の明日香を制止し・・・抱き合い愛を確かめあうのであった。
「死んではだめ・・・二人で海を見に行こうって・・・約束したじゃない・・・」
二人の愛に美々子はおぞましい変態性を感じて・・・一端退却するのだった。
超自然トンネルで韓国に戻ったえみりはアンと抱擁する。心に思うところのあるアンはえみりの電話を奪い・・・自分の電話に転送するのだった。
目の前でボーイフレンドの異状死を目撃したえみりは虚脱してしまう。
エピローグ・・・車椅子のえみりと海を見に来た明日香・・・。えみりは生ける屍と化していたが・・・明日香は満足だった。いじめに耐え・・・自殺からも生還し・・・そして愛しい人を手に入れることができたのだから・・・明日香は悪霊・美々子に感謝の祈りを捧げるのであった・・・そうなのか?
関連するキッドのブログ『怪談新耳袋・劇場版』
水曜日に見る予定のテレビ『課長 島耕作2』(日本テレビ)『刑事吉永誠一・涙の事件簿』(テレビ東京)・・・深夜に新作アニメの大河(「とらドラ!」)・虎子(「ヒャッコ」)二本立てがあるのだがタイガーブームなのか?
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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