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2008年10月31日 (金)

目の前を明るくする女(黒木メイサ)患者を助けスタッフを挫く女(小西真奈美)ヘンリーのトリガーの女(蓮佛美沙子)世界一の幸せをつかむ女(水川あさみ)

変な女ばかりの木曜日である。まあ・・・変な女は面白い・・・ということでこうなっているのだが・・・変かどうかは人それぞれで美人かどうかよりも意見が分かれるかもしれない。

本来・・・木曜日は「七瀬ふたたび」↘*4.9%にしぼりたいのだが・・・もう脚色がドロドロなのでちっともキッドの気分が盛り上がらず・・・それならぱ「風のガーデン」↘15.4%にしたいのだが・・・爺ドラマである・・・そして・・・まったく本命でない「小児救命」↗*7.9%が抜群に面白く・・・もうできれば無視したい「夢をかなえるゾウ」↘*4.9%がそこそこ面白いのである。

困っちゃうよ・・・。

で、『七瀬ふたたび・第四話』(NHK総合081030PM9~)原作・筒井康隆、脚本・伴一彦、演出・松浦善之助を見た。原作の真弓瑠璃はヘニーデ姫と呼ばれる美貌に恵まれたお嬢様である。ヘニーデとは未分離で分裂した支離滅裂的超断片情報のことで・・・原作の七瀬の言葉を借りれば・・・単なる混沌(カオス)ではなく・・・あまりにも豊かな発想力のためにとんでもなくとりとめない心のカタチを真弓が持っている・・・つまり七瀬が心を読んでも何を考えているのかわからないという真弓の特異な精神構造を指す。だから七瀬は真弓にヘニーデ姫と渾名をつけるのである。

簡単に言えば真弓瑠璃がどちらが姓だか名だか分らないというようなことだ・・・簡単じゃないよう。

まあ・・・とにかく・・・100人の男性がいれば65人くらいは・・・柳原可奈子はヘニーデ姫じゃないよう・・・とダダをこねるのである。

実際・・・本作の真弓瑠璃はまったくヘニーデ姫ではなく・・・非常に読みやすいありえないほどの純真な心を持っていて・・・原作の中のホステスの弥栄の役割を担っている。原作では弥栄は透視能力者の西尾に弱みにつけこまれ「豚」と呼ばれる女である。

もしも・・・それを仄めかすためのキャスティングなら悪趣味と言わざるをえない。

もうセリフのひとつひとつにつんのめるこのドラマなのだが・・・。

今回は「念力は使わなければ使わないですむ」と言う言葉ですっころびました。

これは・・・ヘンリー(郭智博)が念動力者と知った岩渕(塩谷瞬)が・・・自分の予知能力や・・・七瀬(蓮佛)の精神感応能力と違って・・・うらやましいという意味でぼやくセリフなのだが、念力が制御できる能力なら・・・予知やテレパスも制御できる能力なのであり・・・逆に念力だって無意識に発動して他人の心臓を静止させてしまう場合もあるわけなのである。

要するに・・・理屈が通ってないのだ。岩渕はそんなバカな子ではない。

基本的に超能力のベースは超心理学であり・・・当然、心理学が基盤となる。

意識や無意識・・・前意識に上位自我・・・本能にコンプレックスと・・・もはや古びた感のある心理学の基礎知識だが・・・それにのっとっていないと・・・グダグダになるのは必然だ。

次に・・・「超能力者じゃなくて普通の人間がいい」と望む七瀬が研究者であり・・・今回、時間遡行者としてデビューする漁藤子(水野美紀)に「超能力をなくす研究だけを研究してください」と頼むシーンである。腰が抜けます。

未知能力をなくすために・・・未知能力とは何かを解明しないのは・・・癌とは何かを研究しないで癌の手術をするようなものだ。そんなことは・・・危険でもあり・・・無理じゃないか・・・。

要するに理屈が通ってないのだ・・・。七瀬はそんなバカな子ではないのである。

もちろん・・・テレビ的限界というものは理解できる。

原作では西尾を「敵」と認知した七瀬が確信的な殺意を持ってヘンリーに西尾を殺させるのである。

そしてしっかりと証拠隠滅をして・・・何食わぬ顔で現場を去るのである。

そんな「悪人」はお茶の間向けではないという様々な検閲がかかるわけである。

だから・・・このドラマの七瀬は警察に通報したり自首したり自白したりするのである。

なんていうか・・・常識的な自己防衛本能がものすごく弱まっているのを感じます。

その結果・・・原作では息の根を止められる西尾が奇跡の生還です。

もうゴロゴロころげまわりたい気分です。

そうでありながら・・・七瀬は人との約束を守るという信義についてはまったく無頓着。あれほどヘンリーに正体を明かすなと岩渕に頼まれたのに簡単に明かし・・・その上・・・岩渕や朗(宮坂健太)の正体まで告げてしまうのです。そのことについて反省する態度はこれっぽっちもないのです。

要するにまったく理屈が通ってないのです。

発動したばかりで・・・自分の能力の持つ危険性についての理解が足りないのだという理屈で押し切ろうとしているわけですが・・・小学生じゃないんだから・・・。

まあ・・・いいか・・・もう・・・しょうがないよね・・・。

超能力者は超能力者であることを絶対に隠さねばならない。この前提がもうクダグダですから・・・なぜそうなのかも説明しない気か?・・・異端者への迫害がこの世にないとでも思ってるのか?

つきつめて言えば原作者の意図がどうあれ・・・原作はこの世に偽善が満ち溢れていることへの痛烈な告発に満ちていて・・・偽善の守護者としてのテレビと折り合いが悪いのは当然なのである。そしてキッドはドラマ化の度にテレビの偽善度が強まっていることを明白にしていると考える。

で、『小児救命・第3回』(テレビ朝日081030PM9~)脚本・龍居由佳里、演出・唐木希浩を見た。さて・・・こちらは暴走小児科医だが・・・殿下の宝刀をついに抜く。世の中は理想通りにはいかず・・・落しどころをさぐるものだが・・・「七瀬ふたたび」がものすごく危うい感じなのに対して・・・こちらは非常にスピーディーに劇的要素を積み重ねていき・・・きっちりと納得の行く落しどころに持っていっている感じがして・・・非常に安心して見られるのだな。

とにかく・・・すべての世間的常識を無視して・・・たとえば医者だって人間だとか・・・医者だって眠りたいとか・・・医者だって他人の経営する病院で勝手に手術してはいけないとか・・・そういうことよりとにかく・・・小児を救命することが絶対を貫徹する青山宇宙(小西)である。

旧上司である柾医師(陣内孝則)は暴走を諌めるために説教したり・・・恋人の狩矢医師(塚本高史)はほどほどにしないとダメだと説教したり・・・腕利きの赤池医師(渡辺えり)もいい加減にしなさいと説教するのだが・・・基本的に・・・聞く耳持たない宇宙なのであった。

今回も喘息持ちの小学生レイナ(松浦愛紗(11)・・・「帰ってきた時効警察」で鶴田真由が一人五役を演じたときの子役)が両親の忙しさゆえのかまってくれなさに絶望し・・・自殺しようとするところを家宅不法侵入で救助である。

その時・・・「自殺が悪いことだって知ってる・・・でも自殺する」と屋上に足をかけたレイナを説得するために自分の過去を告白なのである。

「くやしいよね・・・両親にかまってもらえないのは悲しいよね・・・病気の時にネグレクトされたら死にたくなるよね・・・私も・・・そうだったから・・・わかる・・・私のパパとママも私をかまってくれなかった・・・そして私・・・捨てられちゃった・・・だから私も死のうとしたの・・・でもお医者さんが助けてくれました・・・私も助けるよ・・・レイナちゃんが何度自殺しようとしても・・・何度だって助けちゃうんだから・・・」

「じゃ・・・死ねないじゃん」

・・・なのである。こうして・・・主人公が・・・妻を介護中の青山医師(大杉漣)の養女であることが判明。

現場に居合わせた救命士・小暮(勝地涼)、女医・樋口(山口紗弥加)には気まずい空気が流れ・・・とりあえず赤池がまとめるのだった。

「何がなんでも助けたいのは・・・自分を助けたいからなんだ・・・」

その頃・・・近所の公園ではたらいまわしにされて死んだ子供の幽霊がブランコを漕ぐのだった・・・。・・・ひっそりと・・・声もなく・・・。

で、『風のガーデン・第四回』(フジテレビ081030PM10~)脚本・倉本聰、演出・宮本理江子を見た。大天使ガブリエルのあやまちは神から楽園の警備を任されていたのに蛇に変身した魔王サタンの侵入を許し・・・蛇に誘惑されたイヴが禁断の果実を食べてしまったというものである。・・・白鳥(中井貴一)が浮気三昧したのとはレベルが違います。

ともかく・・・愛のために家族をないがしろにした白鳥は死病となり「父帰る」大作戦を計画中なのである。

だまってひっそりと死んでいくのが男らしいと思うのだが・・・やはり里心はつきます。

そして・・・なんとなく・・・誰かに語りたいらしい。

まずは・・・おしのびで帰郷・・・娘(黒木メイサ)に会うつもりが娘は不倫の清算に忙しく父親にかまっちゃいられないのだった。智恵遅れの息子(神木隆之介)をそっと忍び見て・・・魚屋から花屋に転業した幼馴染のふせえりに会うだけで東京に戻る。

そして・・・同じ病気で死期の迫る患者・二神(奥田瑛二)と同病相哀れむのだった。

そんな・・・白鳥に対し・・・すっかりその気はなくされているのにまだまだ愛人きどりのナース長(伊藤蘭)は復讐のために白鳥の病気を暴き・・・職を奪おうとするのだった。

まあ・・・結局・・・人間というものは余命という信用で動いているわけですから・・・死病にとりつかれた医者を・・・勤務につかせるのは安全保障上不都合だということです。

もう・・・後は白鳥の父(緒形拳)と白鳥のどっちが先に昇天するのか・・・だけだな。

で、『夢をかなえるゾウ・第5話』(日本テレビ081030PM1158~)原作・水野敬也、脚本・山岡真介、演出・岡本浩一を見た。

あすかは「悪女」になろうとするが友達にマリコがいないので挫折。

自分のキャッチフレーズを考えることになる。

「土佐が産んだ能無し荒くれザル」→「2008ミス情緒不安定グランプリ」→「あすか、中身すかすかなの」→「ペラっペラ女ペラっペラ女ペラっペラ女ペラっペラ女ペラっペラ女・・・」を経て「世界一の幸せをつかむ女」に決定。

まあ・・・結局・・・何をしようが運次第という話なので水川あさみをボーッと見ている分には一番楽しいかな・・・。

関連するキッドのブログ『先週の木曜日のレビュー

土曜日に見る予定のテレビ『ブラッディ・マンデイ』(TBSテレビ)『スクラップ・ティーチャー』(日本テレビ)『赤塚不二夫伝説』『ルーム オブ キング』(フジテレビ)『トンスラ』(日本テレビ)『ジャッジⅡ』『アグリー・ベティ』(NHK総合)・・・もうある意味ヘニーデ。

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2008年10月30日 (木)

空(から)なものは腹なんですよ。(水谷豊)見果てぬ夢はブラボーなんですよ。(観月ありさ)

見事なダンスだったな・・・。数字はともかくとして・・・内容的に。

「相棒」では日本から貧しい国への援助の行方についての皮肉。「OLにっぽん」では貧しい国から日本への人材の流入についての皮肉である。

国を守るために戦うことが悪である世界でたったひとつの国だけの二つの悲喜劇である。

こんなにシンクロしたあげくに・・・最後はドン・キホーテ・オチって夢でも見ているのかと思ったぜ。

つまり・・・朝日も読売も所詮は頭の緩んだ腰抜けってこってす。

相棒」と「OL」のダンスは・・・

「相棒」・・・・・・・・・・・17.9%↗19.7%(過去最高)

「O L」*8.3%↗10.6%↘*9.9%↘*9.7%

ある意味・・・凄いな。ぴったり10%差だよ。

で、『相棒Season7・第2回』(テレビ朝日081029PM9~)脚本・輿水泰弘、演出・和泉聖治を見た。前回が「還流・密室の混迷」今回が「還流・悪意の不在」というサブタイトルである。要するに前・後編だったわけだが・・・もうひたすら長いのである。

さて・・・簡単に経済援助や人道援助・・・そして海外支援について説明しておく。

日本は国民から集めた税金の一部を外国との交際費として使っている。世界町内会で嫌われ者にならないためのおつきあいがあるからである。

援助というが無償の場合と有償の場合がある。多くは融資として援助する形であり・・・要するに貧乏人に金を貸して出世払いということです。

今回は架空の国に対する人道援助の問題が犯罪の裏に潜んでいるというネタです。

舞台は東南アジアになってましたが・・・ここは北朝鮮という仮定にしておきます。

北朝鮮では政治システムが半世紀~10世紀遅れているので・・・国民が飢餓に苦しんでいるのです。毎年、万単位で国民が餓死していました。北朝鮮政府は日本から中学生を拉致したり、日本に覚醒剤を密輸したりする極悪国家ですが・・・貧しい下層の人々に罪はないということで・・・日本から食料を援助します。「人道的米支援」などと言います。もちろん・・・貧しい人々を餓えから救うためです。支援は国と国とのつきあいですから・・・日本から北朝鮮へ送られます。すると北朝鮮ではその米を換金して核爆弾や弾道ミサイルを開発します。心ある人は「何のための支援なのか?」と疑問を投げかけますが、支援を担当する日本の政治家は北朝鮮の高官から賄賂とか美女軍団の接待をされるので「何もしないではすまされない」と答弁します。

念のために言っておきますがあくまでキッドの妄想です。

ドラマでは・・・必要とされる物資が現地の人々に届くように民間で活動するボランティア団体のボランティア(四方堂亘)と、ビジネスとして支援物資を扱う日本企業の商社マン(西岡徳馬)、そして独善的な政治家(津川雅彦)が配置され・・・犯罪が連鎖していきます。

不正な流通→恐喝→殺人です。

「還流」とは流れが戻っていくこと。ここでは支援物資が途中で日本に戻ってくるという意味です。つまり・・・それが不正なのです。

前編の「密室の混迷」ではこの不正をめぐり・・・ボランティアが商社マンに殺された密室トリックを右京(水谷豊)と亀山(寺脇康文)が暴きました。

後編では「殺人事件」の背後に潜む真相を暴くことになります。そして「悪意の不在」というまるで運の悪い事故だったのような不正の実行者の弁明を特命係の二人が打ち砕くのです。まさに独善をもって独善を制すなのです。

不正の構図は・・・北朝鮮に渡す支援物資を途中の港で空(から)荷にして・・・横流し換金するというものです。そして北朝鮮の高官に30%、請負業者が30%、発案者である政治家が30%で分配し、残りの10%は必要経費となります。本来、善意の支援物資なので税金がかかりません。北朝鮮の高官は換金の手間が省け、自分たちで捌くより換金率が高いので文句がありません。請け負い業者は丸儲けです。そして政治家は獲得した金を確実に難民支援のできる団体に寄付します。

すると北朝鮮の難民は0%ですが・・・たとえばアフリカの餓えた子供たちは20~25%(必要経費を除く)の援助を直接受けることができるというわけです。

政治家は「北朝鮮の餓えた子供たちはかわいそうだが・・・不正をしないで独裁者の息子が東京ディズニーランドに偽造パスポートで遊びに来る資金源になるよりも、不正をしてアフリカの子供が予防接種受けられた方が人道的だろ・・・不正なしなら失われてしまう命が不正ありで助かるのだから・・・」と弁明するわけです。

この不正をかぎつけたボランティアが商社マンを強請り殺害されるのですが・・・ボランティアは強請ったお金を東南アジアの貧しい子供たちのための学校作りに作る予定だったのです。もちろん・・・日本ではもてなかったのに東南アジアでは凄くかわいい美人を現地妻にできたので情が移ったためなのです。

この事実をつきつけ・・・「あなたが何と言おうと・・・あなたの為した不正が・・・一人のバカな若者を殺し・・・一人のバカなおっさんを殺人者にしたのです・・・あなたのしたことが・・・ひとつの命を奪ったのですよ」と右京さんは善人面した政治家にいつもの説教をぶちかますのです・・・そして・・・亀山は甲殻機動隊のテーマ音楽みたいな妙なアジアンテイストの音楽(赤道伝説/姫神)にのって・・・被害者の妻の元へ。ことの顛末を伝え・・・やるせない涙を流します。これが特命係の役割分担なのです。来週からは一話完結平常業務でお願いします。・・・って日本シリーズかよっ・・・ダンスが上手く踊れない・・・野球があるから・・・。

・・・すべてはあくまでキッドの妄想ですから。

で、『OLにっぽん・第4回』(日本テレビ081029PM10~)脚本・中園ミホ、演出・大谷太郎を見た。寿退社をする宣言の神崎(観月)に中国人たちは持ち家もない人と結婚するなんて貧乏クジを引いた三連発である。しかし・・・神崎に恋をしているチビ太(阿部サダヲ)は「貧乏クジをひいたのは朝比奈課長(東幹久)だ」と憎まれ口をたたく。「まあ・・・丸顔の子供でも生んでお幸せに・・・」ムッとする神崎の後ろで・・・ニヤニヤっとする朝比奈だった・・・ああ・・・これは東十条(ドラマ「やまとなでしこ」での東の役名・・・婚約した女性にさんざんふりまわされ結局婚約破棄される男の代名詞)フラグだよな。

ついでに・・・チビ太はイラストやチビ太のおでんが登場するほど赤塚不二夫キャラである。それなら中国嫌いで無能な係長(モロ師岡)もイヤミという設定をして欲しかったな・・・今回・・・やりこめられた場面では絶対シェーって言うと思ったぞ。

アジアという地域で考えると・・・中国人も日本人も同じアジア人である。そして舞台となる会社では中国人も日本人も同じ会社人である。中国人中国人とバカにするな中国人だって人間だよ同じメシ食ってどこ違うあるか?という理屈は確かにある。しかし・・・中国では日本人は憎むべき敵であるという教育をしているし、日本では中国人についてあまり多くは教育しない。少なくてもその点では日本人と中国人では違うのである。

サツマイモとジャガイモは同じイモだろ・・・と言う理屈でふつうのカレーを作ると失敗するということです。・・・まあ・・・サツマイモのカレー作ったことないのであくまで妄想ですけど。

アジアという地域。会社という組織。そして日本と中国というふたつの国家。

この様々な立場の立ち位置の同じだったり違ったりするところの難しさが・・・このドラマのテーマである。

日本人でも・・・安価な労働力と中国人に期待する経営者と・・・外国人に定職を奪われる労働者ではまったく違うのである。

もちろん・・・経営者だって・・・国家基盤というものが失われたときに自分の立場というものがあるのか・・・という危惧を抱くものもあれば・・・労働者だって・・・貧乏人同士仲良くやっていこうというものもあるはずだ。

そういう中で・・・突然・・・浮上する総務課のイケメン要員・都留(井上芳雄)と総務から営業に転じたネコナデな本部長(小木茂光)・・・部長(浅野ゆう子)の前任者・・・栄転だったのか・・・である。

そして・・・アウトソーシング推進派の総務部長に対し営業本部長は反対派だったのである。

このドラマの欠陥は推進派の理論は丹念に描くのに・・・反対派はただ感情的に描くところにあるのだが・・・それはまあ・・・ドラマの作り手が中途半端な競争社会志向だからなのだろう。

アウトソーシングが危険であることを理論的に説明しないから視聴率が伸び悩むと考えるのだが・・・今回は・・・そういう問題をうやむやにする気満々の仕掛けが施されている。

それは「人生の目標設定」と言う話なのである。

張琳(タン・ジャースー)の夢・・・親に家をプレゼント

楊洋(ローラ・チャン)の夢・・・レストランの経営

矢部桜(美波)の夢・・・イケメン中国人(フー・ビン)とラブラブになること

イケメン中国人の夢・・・中国人の識字率を高めること

・・・とそれぞれに夢がある。

バカっぽく見えるが識字率を知らない落ちこぼれの日本人の桜が将来性のある中国人に魅かれるのは実にしたたかでリアルな話なのだな。

一方・・・ここまで目立たなかった総務課員・都留の秘められた夢、秘められた任務、秘められた思いは・・・実にじっくりと語られていくのである。

①カラオケは歌わない

②しかし・・・ミュージカルナンバーを多数所持

③アウトソーシング反対派の本部長の工作員である

④公園で演じられる「ラ・マンチャの男」をしげしげと見つめる

⑤同じ職場で働く中国人に対して情が移っている

⑥神崎に破壊工作(アウトソーシングのためのデータ改ざん)を発見されると動揺

⑦栄転のかかった工作任務をはっきりと断る

そして・・・夜の総務課で一人・・・歌いだすのは・・・

ミュージカル「ラ・マンチャの男」のドン・キホーテが歌う・・・小泉元総理も愛好したスタンダード・ナンバー「見果てぬ夢」なのである・・・爆笑。

ちなみに井上芳雄は芸大声楽科卒で「ミス・サイゴン」などで知られるミュージカル俳優です。ミュージカル王子なのです。

夢は実りがたく 敵はあまたなりとも

胸に悲しみを秘めて われは勇みて行かん

道は極めがたく 腕は疲れ果つとも

遠き星を目指して 我は歩み続けん

これこそ我が運命

汚れ果てしこの世から

正しきを救うために・・・

そして・・・思わず拍手の神崎を抱きしめて・・・。

⑧「課長と結婚しないでくださ~い!」・・・婚約指輪がキラリなし・・・大爆笑である。

「朝比奈さん」の夢は望み薄く遙かなり・・・。

関連するキッドのブログ『先週の水曜日のダンス

金曜日に見る予定のテレビ『ギラギラ』『サラリーマン金太郎』(テレビ朝日)『流星の絆』(TBSテレビ)『メン☆ドル』(テレビ東京)

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2008年10月29日 (水)

コスプレ、コスプレ、コスプレ祭りよ!(上戸彩)・・・ふっ(吉田里琴)

にひひ~と笑う上戸彩は定番である。それが魅力的なのかどうかはさておき・・・元気にそれをやってれば視聴率がそこそことれる・・・というのが上戸にとっていいのか・・・悪いのか・・・よく分らない。

やせっぽっちな女の子が・・・魅力的だっただけに・・・巨乳で元気はつらつな今の上戸はやはりCMの女王なのか。

しかし・・・これだけ露出してきたのだから・・・いつか・・・すごくいい役にあたって女優として開眼するような気もする。

「あずみ」は一つの成果だったけれど・・・まだ素材そのものの感じがしたしな。

最大のライバル、ゴマキがほぼ脱落し・・・1985年生まれでは宮崎あおい、綾瀬はるかという演技派がいるばかり・・・まあ・・・蒼井優とか貫地谷しほりとか関めぐみとかもいますが・・・。

シリアスで数字を取るというのが残された関門なのかもしれない。まあ・・・先のことはわからないのですけど。

火曜日のドラマ対決は・・・①「セレ貧」↗15.2% ②「チーバチ」↗12.5% ③「オマガ」↘*8.0%

で、『セレブと貧乏太郎・第3回』(フジテレビ081028PM9~)脚本・田中一彦、演出・石川淳一を見た。もう・・・大サービスである。

お話しとしては・・・継母(若村真由美)との確執を抱えるお嬢様・アリス(上戸)が気に染まぬ縁談と元恋人(柏原崇)から逃げるために貧乏人の子沢山の男寡・太郎(上地雄輔)の家に居候して・・・経済封鎖をされ・・・てんやわんやである。

主人公は単なるお嬢様ではなく・・・才能にも恵まれているという設定なのだが・・・まあ・・・そのあたりは結構グダグダです。

しかし・・・貧乏人のダメダメぶりは結構シビアに描かれている。

キッドとしては秘書という名の執事である郡司(風間杜夫)が単なる後妻に過ぎない義母の言いなりになるという設定がなんとなくしっくりこない。

義母がものすごいやり手であるとしたら・・・その資産争奪戦はもっとドス黒いものになるはずだ。なにしろ・・・父親は生存中なのである。

ただ逃げていくアリスというのは実力ある実業家としてはおかしいのである。

・・・ま・・・いいか・・・そういうレベルのドラマじゃないしな。

とにかく・・・銭湯でおばちゃん軍団に襲われ・・・今時・・・ないよ・・・バスタオルを剥ぎ取られあれ~で始まり・・・商店街のお金を着服して体で払う展開。

まあ・・・そこそこ面白いが・・・バカ殿コントをなめるなよってこってす。

そして・・・アリスの家による再開発計画発生。まあ・・・コテコテってこってす。

とりあえずコスプレ模様を確認したい方はコチラへ→お気楽様のセレブと貧乏太郎

で、『オーマイ・ガール!! ・第3話』(日本テレビ081028PM10~)脚本・武田有起、演出・吉野洋を見た。ベタとコテコテはある意味同じだが・・・コテコテには不慣れで無様というニュアンスもある。キッドは非常に主観的だが・・・「セレ貧」にはコテコテを「オマガ」にはベタを感じる。要するにスマートな方が負けるということである。それが現世というものだが・・・なんとなく淋しい。

どのくらいベタかと言うと・・・第3話で三番手のキャストに焦点があたり・・・つまり、①耕太郎(速水もこみち) ②杏(吉田) ③峰子(加藤ローサ)・・・その話題が・・・都会で働く娘を案じた父親(宇梶剛士)が上京しててんやわんや・・・という話だというくらいベタです。

いつもはケンカしている耕太郎と峰子だが・・・峰子の父親を安心させるという点では団結。そして・・・この物語のヒロインである杏がそつなくそれをフォローするという展開で申し分ない。

そして・・・場面場面で見せる杏の子役っぷりも見事である。

キッドは娘を案じる父親が内心を語るシーンで中央に座った巨犬ビワの存在感にも悩殺されました。

峰子は顔が眩しくてカメラに映らないほどの韓流スターのイベントをまかされるのだが・・・結局イベントをドタキャンされ苦境に陥る。

まあ・・・こんな時代に・・・韓流スターという点が・・・スマートじゃないじゃないかっ・・・という意見もあると思いますが・・・最後まで顔を映さないでやりきるというのがスマートなのです。

しかし・・・ここは・・・ミッチーの出番だったと思いますけどね。

それか・・・本当にわがままな韓流スターをそのまま使うかです。

じゃないと・・・瀬川さんの立場がないじゃんって思います。

とにかく・・・視聴率が欲しいなら・・・もう少し・・・コテコテにシフトした方がいいのかな。

台風のような父親が去った後・・・家族が一緒に食事をする習慣が残った・・・とか・・・みんなケーキなのに・・・峰子は父親のみやげのサツマイモを食べるとか・・・とってもハートウォーミングなんですが・・・そこで・・・ちょっと峰子が涙ぐむとか・・・そういう演出がいいかもねーとも思うわけです。

しかし・・・結局・・・シャブリ様お気楽様ikasama4様も吉田里琴が可愛ければなんでもいいんだな・・・これが。

関連するキッドのブログ『第二回のレビュー

で、『チームバチスタの栄光・第三回』(フジテレビ081028PM10~)原作・海堂尊、脚本・後藤法子、演出・今井和久を見た。

今回は麻酔科医の氷室(城田優)にスポットライトが当たる。まるで他の医者の奴隷のような麻酔科医・・・その境遇に同情する田口(伊藤淳史)・・・。

そして・・・友情の特売豚肉のすき焼き・・・。

少しずつ仲良くなるバチスタチームと田口。

そして・・・釈由美子や奥貫薫には少しだけいいところをみせようとする仲村トオル。

田口の家族まで含めて・・・満遍なく登場する人々・・・「安全を確保するためのリスクマネジメントだ」と正論を述べる田口。

もう・・・盛り上がらないことこの上ないドラマだと思うのは・・・キッドだけなのか・・・。

釈と奥貫は一枚しかないけどね・・・名取裕子なんてないし・・・それでもストーリーを確認したいあなたはコチラへ→お気楽様のチームバチスタの栄光

木曜日に見る予定のテレビ『七瀬ふたたび』(NHK総合)『夢をかなえるゾウ』(日本テレビ)『風のガーデン』(フジテレビ)『小児救命』(テレビ朝日)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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2008年10月28日 (火)

まばたきするだけで笑わせる女(内田有紀)二夜連続イノセントラヴ涙色(堀北真希)

謎の寝たきり女・・・聖花(きよか・・・内田)・・・その一挙一動が見逃せない。

子供「聖花、瞬きするって本当?」

パパ「うん・・・見た人がいるって・・・」

子供(待ちくたびれて寝る)

パパ(よそ見)

聖花(瞬き)

・・・っていうことじゃねえか。どんなゲームだっ。

一方・・・そのキャラ設定にお茶の間がややひいている佳音(堀北)なのであるが・・・走る走る堀北~手作りサンドをお届けに~・・・せつない・・・せつないじゃないか・・・イノセントなんだから~。皆様・・・暖かく暖かく見守ってください・・・こんな風にしか愛を表現できないことなんてよくあることじゃないですか~。

本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「ギラギラ」↘11.2%(さよならハニー幸せになれよぉ)、「流星の絆」↘17.3%(下げたが・・・まだまだクドカンラインではない)、「サラ金」↘10.9%(まだまだ高水準)、「ブラ・マン」↘11.3%(好きな人は大好きなんだな・・・新鮮なのか?)「ジャッジⅡ」*6.6%(話し合いよりもお裁きか・・・数字はかわいい)、「スクラップ・ティーチャー」↗12.5%(加藤あいポテトを咥えて)、「巨人VS中日」20.7%(また・・・勘違いが・・・始まるのだな)、「劇団ひとりの棟方志功」*7.8%(私の宗教は・・・むながたすこうだっぺと言って欲しかった)、「ルーキン」↘*5.0%(布袋のガンダムスカシじゃな~カリフラワーにはマヨネーズ)、「東京駅お忘れ物預かり所」13.4%(櫻井淳子は桜田淳子じゃないし酒井美紀は酒井法子じゃないよ・・・みんな知ってるって)、「篤姫」↘24.5%(家茂も人気者だったんだな~)、「SCANDAL」↘14.4%(四草がんばってますっていう数字か?)、「LOVERS」12.2%(グリーン・ディスティニーも視たいぞ)、・・・ついでに「イノセント・ラヴ」↘13.3%・・・以上。

で、『イノセント・ラヴ・第2回』(フジテレビ・081027PM9~)脚本・浅野妙子、演出・加藤裕将を見た。たとえば・・・前回・・・インターネット上の記事を見ないと・・・事件の全貌が見えなかったり・・・今回は・・・よく見ないと・・・抱き上げられ、ピアノの前に座らされた自発呼吸の弱い聖花が一応、人工呼吸器を装着していることが分らない・・・そういうようなドラマ作りで去って行くお茶の間は相手にしない・・・という姿勢が感じられる。

おそらく・・・移ろいやすいエモーションを一番に考えているらしい。

たとえば・・・殉也(北川悠仁)が聖花をお姫様だっこで抱き上げた後で・・・ゴロゴロと人工呼吸器のワゴンを蹴りながら移動するシーンを撮影することは可能なのだが・・・そういうシーンよりも・・・(一方的に)愛する殉也のためにレタスとかトマトの入った手作りサンドイッチを作って幸福の絶頂の快速・佳音が・・・二人のツーショットを見て奈落の底に落ちる気分を大切にしているのである。

一方で・・・「ストーカー女」として認定された佳音が・・・「星屑として消え去りたい」と暗鬱な気持ちでいるところに薔薇じゃない花束の薔薇の人・昴(成宮寛貴)が「救いの電話」をかけてくるところは・・・あえてすごい省略が行われていることで謎を深める作用を期待しているようでもある。

駅で殉也が落としたハンカチを拾った佳音は・・・そのハンカチを届けに来て・・・悪魔の清掃員(宮崎美子)が去った後で・・・殉也の屋敷に不法侵入し・・・昴に見咎められてしまう。

この後・・・言い訳もしないで脱走である。

どうしたら・・・佳音を雇う気になるのかの理由は・・・聖花が笑ったから・・・なのであるが・・・この藁をもすがる感覚をそれほど強調する様子がない。

まして・・・ハンカチのことは触れないのである。

おそらく・・・ハンカチを発見して・・・届けに来た・・・返事がないので・・・家につい入った・・・オルゴールを見つけて・・・手にとってみた・・・人の気配に挨拶しようとした・・・別人がでてきたので驚いた・・・・・・悪気はなかったんじゃないのか。

という説明のシーンは出来たはずなのに・・・しないのである。

それよりも・・・本名を教え・・・携帯の電話番号を教える「スマイルクリーン」である。

当然・・・山本和美が秋山佳音と名乗っている理由を教え、二人は知っているのである。

寝たきりの恋人に献身する教会のピアニスト・殉也と・・・おそらく同性愛者なので・・・疎外されたものには過度の同情心を抱く男・昴・・・二人は語り合った。

昴「・・・親殺しの妹か・・・」

殉也「それは・・・ひどい目にあってきただろうね」

昴「辛かっただろうね・・・」

殉也「・・・ちょっと変な子になってもしょうがないよね」

二人は防犯カメラ(あれだけの家なのであってもおかしくない)の映像をチェックする。

・・・室内に入るとハンカチを置き・・・部屋を片付けはじめる佳音・・・ピアノのオルゴールを見つけ・・・磨く・・・そこへ・・・物音が・・・・・・・・・・・。

殉也「・・・きっといい子なんだよ・・・」

昴「・・・悲しいくらいにな・・・」

殉也「・・・オレ・・・あの子に何かしてやりたい・・・聖花が笑ったのは・・・なんだか・・・神様からのサインのような気がするよ」

殉也「ゆずじゃなくてミスチルか・・・」

というようなことがあったはずなのである。

一方・・・小石を川に投げる佳音は・・・もう死にたいのである。

キッドはかってこんな夢を見たことがある。

物音に気がついて屋外に出ると・・・近所の高層ビルで火災が発生している。音は・・・あの音である。

人々が焼死よりも墜落死を選んで降って来る音だ。

目の前に死体があってその上にグシャッと次の死体が重なる。

そのうち・・・見物人たちが右往左往し始める。飛び降りるものたちが放物線を描いてより遠くに降り始めるのである。

野次馬たちはもう必死だ。逃げ惑う人の間にビジネスマンが雄叫びをあげて落下してくる。制服をきたOLが地面に激突する。

見上げると燃え上がるビルには怪物がいて・・・人々をぶん投げているのである。

ハッと目が覚めるような電話がかかってくる。

その時の佳音の気持ちはそんなものであったのではないか・・・。

なぜなら・・・佳音は・・・今までのところ・・・無実の罪に苦しむ罪人だからである。

面会に来た・・・秘密を暴く男・池田(豊原功補)にようやく・・・地面の一端を話す佳音の兄・耀司(福士誠治)。

両親はすでに死んでいた。妹に無惨な死体を見せたくなくて・・・灯油を巻いて放火した。

・・・ので少なくとも死体損壊・放火の罪である。

凶器からは耀司の指紋だけが発見されるが・・・それは耀司が購入したものとネットの記事は伝えている。状況的には限りなく黒である。

弁護士(宮田早苗)も・・・「今のままでは冤罪として無罪は勝ち取れない・・・反省を示して仮釈放を得た方がお得だ」というのである。

お兄ちゃん・・・と語りかける佳音にも二種類ある。手紙を書く佳音と・・・心でつぶやく佳音である。

「お兄ちゃん・・・記者が・・・冤罪の可能性がある・・・と言ってくれました」と兄に手紙を書く佳音。

一方で・・・「お兄ちゃん・・・本当の私を知られたら・・・みんな去って行く」とつぶやく佳音である。

もしも・・・これをそのまま受け止めたら・・・「お兄ちゃんが・・・ひどいことをしたせいで・・・私はひどい目に遭っている・・・」という非難の言葉になるし・・・。

さらに深読みすれば・・・記者が何かを隠していると感じた・・・耀司の秘密に佳音が関与している可能性まで臭わせることになるのである。

「本当の私」がお茶の間にも隠されているということだ。

・・・まあ・・・基本的にそんなことばっかりやっているドラマです。

「ROOKIES」では未成年者の喫煙、「流星の絆」では自転車の二人~三人乗り、「ブラ・マン」ではハッカーをフィクションですと説明するTBSテレビに対し、ストーカー行為、住居不法侵入、身分詐称、窃盗、殺人未遂、他人の家の冷蔵庫にあるものでサンドイッチをつくることは違法行為ですと説明しないのは清々しいのだが、とにかく・・・有罪と無罪の間のもやもやしたものを・・・描くドラマではあるらしい。

そして・・・好きな人に・・・おそらく、冷たい目で見られたことが悲しくて・・・写真を破る佳音。

おそらく、好きな人を束縛から解放しようとして聖花の呼吸を停止させようとする昴。

おそらく、好きな人に振り向いてもらうために聖花への殺意を抱き告解する美月(香椎由宇)。

おそらく、人間の暗部を描きたくて描きたくて仕方のない脚本家。

まあ・・・おそらくだらけのレビューになってしまうドラマなのである。

そして・・・賛美歌312番のメロディーのオルゴール。

このメロディーで鼻歌を歌うとまばたきする聖花の反応の謎。

同じ街に住んでいるだけで幸せだと自分にウソをついていた佳音が・・・サンドイッチを取り落とした時・・・人々はどこにもいない神の落胆の音を聞いたのである。

それでも・・・神の子は・・・悔い改めれば罪は許されると・・・語りかける。

もちろん・・・それはアーメン(まったくその通り)的な真っ赤なウソであることは言うまでもない。

ついでに言えば・・・すべての宗教は誰かのフィクションです・・・ともフジテレビは説明しないのだった。

ただ・・・神がいようがいまいが・・・人々は愛し憎むのである。

そして・・・高いビルからは絶望が舞い降りるのだ。

そして無垢なのかどうかわからない佳音は・・・この世から穢れを払う清掃員なのである。

関連するキッドのブログ『第1回のレビュー

Hcinhawaii0474 ごっこガーデン・哀愁の親殺しの妹・ヤマダカナコの部屋セット。お気楽マキマキだったら何をしても許される・・・株価が暴落してスタッフ一同そんな気持ちなのかな?・・・そのうち勝手に入籍、勝手に愛妻弁当とかしそうだよね?」まこチョコパはともかくとして・・・まこの頭は?でいっぱいデス・・・???で???が???なのデス。好きな人の匂いを嗅ぐのはのだめ?・・・はうぅんアンナじいや~、これノンカロリーだよね~・・・チョコパのカロリーもゆずの人の演技もいちいち気になるぴょんエリ山田加奈子も山本和美もイニシャルKYでスー。知らない人の作ったサンドイッチを食べたらじいやに叱られますyon・・・でも噂によるとコンビニとかでは誰が作ったか分からないサンドイッチを売ってるとか・・・一度食べてみたいでスー・・・こわいもの食べたさでスーシャブリお皿を落としそうで落さない・・・素晴らしい演技力でありましたーっ。雫はルリちゃんという名前でしたかーっ。来週の予告で殺すって脅されるのは誰かなー?mari重い十字架を背負った佳音・・・犯罪者の家族であるゆえの苦しみですから・・・新しい家族を求めることがすでに心苦しいことなんですね。脅されるのはしつこい記者かしら・・・取材って難しいのよね・・・みのむしドロドロなのに・・・むむむ・・・加減が難しいるるる・・・それではチョコパを賭けて殉也争奪すごろく始めるよ・・・おっと駅でつきとばされたよ・・・一回休みるるるくうあああーっ・・・もう・・・すべての行動がコワイよっ・・・外国人にもいい人と悪い人がいるようにストーカーにもいいストーカーと悪いストーカーがいるみたいな・・・そうなの?・・・ああ・・・じいやのリンクもある意味・・・ストーカー行為?・・・ああ・・・和宮の翌日はイノセントなストーカー・・・まきまきって凄いなikasama4ひょっとして・・・このドラマは全員・・・ソースケを目指しているのかもしれません。長野と横浜は遠いけど・・・教会がらみで・・・内藤さん(神父)はつながってくるのかなあ・・・脅されるのは彼だったりして・・・どんな罪も悔い改めれば許されるという信念の持ち主だったりして・・・ついでに眠れる森だったりして・・・ジークカノン!」

水曜日に見る予定のテレビ『OLにっぽん』(日本テレビ)『相棒』(テレビ朝日)

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2008年10月27日 (月)

涙と笑顔は6:4で・・・それが篤姫じゃ(宮﨑あおい)和宮は7:3でおじゃります(堀北真希)

涙に溺れる和宮(堀北)と耐えて笑顔の天璋院(宮崎)・・・それが涙を誘い・・・微笑に転ずる。

見事なケータイ刑事女優二人の演技共演炸裂である。

泣き笑い・・・不幸のどん底に救いを見出す。これが人間ドラマである。・・・まったりしています。

もう・・・なんていうか・・・フィナーレ間近でございますねえ。

一方、子宝に恵まれない・・・もう一人の女・お近に対して側室としての勤めを果たしたお琴。維新の時が接近しても・・・まだまだ・・・お家大事の時代は続いていくのだった。

で、『篤姫・第43回』(NHK総合081026PM8~)原作・宮尾登美子、脚本・田渕久美子、演出・岡田健を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回は家茂逝去をめぐる嫁・和宮と姑・天璋院の心のふれあいを描く名シーンをたっぷりと再現。そして・・・列侯会議メンバーの実録版書き下ろしイラスト付です。特別付録として会津藩主・松平容保のイラストもあります。そして・・・ドラマでは説明不足の新将軍と雄藩大名の確執事情解説付きです。もちろん・・・小松家正室側室騒動の顛末もお龍の涙に結晶しています。・・・今回・・・シナリオは非情に巧みでございましたねえ。不幸の共有が人の幸せを生み・・・指導者の我欲が社会の不幸を生む・・・そういうことなのでしょうね。

Atuhime1867 で、14代将軍は世を去り・・・1866年夏・・・日本は最大の政治的空白を生じてしまいます。後継者に指名されていた前将軍後見職・徳川慶頼の子・亀之助は幼く・・・幕閣はすでに将軍代理を務める慶喜に将軍後継を求めるのです。しかし・・・慶喜は・・・断る。真意は定かではないのですが・・・将軍職がすでに・・・栄達の極みではなくなっていた・・・という含みが感じられます。

この時・・・慶喜を推奨したのが老中・松平康英・・・三河松井という家康所縁の譜代の家柄です。人事としては最上の選択なので関係省庁は納得です。しかし・・・慶喜本人は・・・時すでに遅しの気持ちがあったのでしょう。しかし・・・それは正史の話。

幕府の敗色濃厚で頓挫した第二次長州征伐。その敗戦処理は幕府から長州への停戦交渉を中心に行われていた。幕府軍艦奉行・勝安房守はその任にあたったが・・・その頃・・・魔人と化した慶喜は御所を訪れていた。

京都の夕闇に巨大な蝙蝠の影が浮かび上がる。

その姿を無職の公家・岩倉具視は家宝の源氏の水晶球で見つめていた。蝙蝠は御所の上空で旋回すると・・・無作法にも帝の庭に着地した。

すでに・・・慶喜の僕となっている公家衆が慶喜の衣装を用意して騒いでいる。蝙蝠の擬態を解いた慶喜は全裸だった。

「おぞましい・・・」岩倉は思わず一人つぶやいた。「異国のアヤカシがこうもやすやすと入り込むとは・・・天朝開闢以来未曾有の危機でおまんな。しかもお上(孝明天皇)の御前にあのようなものを・・・。二人を夕闇が包むあの窓辺に・・・どんなおそろしいことが・・・待っているのでおじゃろうか・・・」

その時・・・岩倉の粗末な屋敷に使いがやってきた。

今上天皇が主催する学習院に集う土御門の者であった。天皇の忍びである。出迎えた岩倉は・・・忍びの背後に立つ少年の姿に驚いた。

「お上は・・・岩倉さんに・・・日嗣の皇子を託されなさいました・・・」

「・・・これは・・・睦仁儲君さん・・・このようなところに・・・」

少年とは思えぬ眼光を見せた皇太子・睦仁親王(後の明治帝)は凛とした声音で言った。

「お上は・・・身の危険を感じて・・・吾を逃がしたのでおじゃる。岩倉・・・吾を匿ってくれ」

岩倉は感激に震える自分に驚いた。

その頃・・・御所では・・・今上天皇が慶喜と御簾ごしに対面していた。

「慶喜・・・火急の用か・・・」

「お上におかれましては直答のお許しをいただき恐悦至極でございます」

「よい・・・要件を申せ」

「されば・・・長州の件でござりまする・・・もはや・・・長州は朝敵でござりまするが・・・国難に際して・・・耐えがたきを耐え・・・忍びがたきを忍びまいらせ・・・なにとぞ・・・お許しをいただきたく・・・」

「戦を停めよと申すのだな・・・」

「なにとぞ・・・」

「よい・・・慶喜・・・お前に託す」

「されば・・・しかるべく・・・」

慶喜は暗闇に赤い目を開くと・・・口元を不遜に歪めた。

「・・・この・・・慶喜に万事おまかせくださりませ・・・」

慶喜はあっさりと御前を去っていった。今上天皇をとりまく天皇の忍びたちはしたたる汗を拭った。

「なんと・・・おそろしき・・・魔性のものよ・・・」

御簾の向こうで帝は大きく息を吐いた。

魔人慶喜は喜悦を感じていた。フランス公使ロッシュの齎した血の儀式によって・・・慶喜の体内には異様な活力が漲っている。

すでに宵闇につつまれた二条城までの道がくっきりと見える。慶喜は供も連れず・・・徒歩で城に向かっているのだ。

その前方に行く手をさえぎるものがあった。

勝の配下の忍び・・・山岡鉄舟だった。

「ふふふ・・・臭うぞ・・・勝の手のものか・・・」

「慶喜様・・・国をお売りになられるか・・・」

「国・・・国など・・・どこにある・・・この腐りきった大和の国などというものは・・・幻よ・・・」

「幻・・・」

「まもなく・・・異国から・・・異国の富が神州に流れ込む・・・異国の文明が・・・この暗い国を輝かせることになるだろう・・・そうなれば・・・幕府も・・・雄藩も・・・そして朝廷もなにもかも消えうせるのだ・・・そして・・・我こそが・・・その輝ける闇の帝国を治めるのだ・・・ふふふ・・・まあ・・・一時・・・闇将軍となってもよいがな・・・そして・・・民草はすべて・・・我の愛すべき奴隷となるであろう・・・お前もな・・・さあ・・・我をあがめよ・・・」

その時・・・月光が京都の町を照らした。

一斉に犬の遠吠えが湧き上がる。

闇の中から忍び犬が出現した。山岡の顔にも獣の毛が密生しはじめている。犬神忍軍の秘術によって獣人化現象を起した犬男たちは半人半獣の姿で慶喜を囲む。

「かかれ」

山岡の号令で四匹の忍び犬が慶喜の周囲で輪を描く。その包囲から攻撃に転じた瞬間。

慶喜の手には鎖鎌が握られていた。空気が揺れたのは一瞬だった。目にも止まらぬ速度で一回転した分銅つきの鎖は忍び犬たちを叫ぶ間もなく粉砕していた。

千切れとんだ犬の体が血しぶきをあげながら四散する。

犬男剣士たちは抜刀した。慶喜に殺到するその速度も・・・並の忍びの技をはるかに凌駕している。

しかし・・・慶喜はほとんど身動きもせず・・・接近する犬男剣士の顔面を分銅の直撃で粉砕していくのだった。魔人の持つ異常な筋力と神経が可能にする達人技である。

風の音と破壊音・・・その無言の戦いは数秒で終息していた。

立っているのは慶喜と・・・山岡だけだった。

「ふふふ・・・どうした・・・幕臣としての意地はないのか・・・怖気づいたかな・・・」

山岡は発達した犬歯で唇を噛みしめた。

「勝に伝えるがよい・・・闇の幕府で・・・仕えるのもまた・・・味なものじゃとな・・・」

山岡は・・・震える手で刀を鞘に収めると尻尾を巻いて逃走に移った。

背後では魔人が声をあげて笑っていた。その哄笑が聞こえたかのように・・・犬の遠吠えは静まった。

慶喜はすでに魔城と化している棲家へとすべるように進んでいく。

その頃・・・江戸城・大奥では・・・篤姫と和宮が・・・膝を交えていた。

二人に京都のことを報告するのは死んだ半蔵の後を継いだ新・半蔵である。

和宮が声を震わせた。

「それでは・・・公方様は・・・慶喜に殺されたと申すのでおじゃるか・・・」

「御意・・・」

「許せぬ・・・許せぬ・・・許せぬ・・・あのようにお優しい方を・・・なぜ・・・」

篤姫は和宮を案じるように見つめて言った。

「近頃・・・江戸では・・・血を吸う忍びが増えておりまする・・・いにしえには・・・そのような忍びが幾筋もあったそうです。しかし・・・和を尊しとするこの国では・・・そういう忍びたちも里に溶け込み・・・やがて・・・埋もれていったとか・・・。しかし・・・フランスの妖異が持ち込んだこの血の病はもっと恐ろしいもののようでございます・・・」

「・・・血を吸う忍びは・・・京都にもおりまする・・・」

「血を吸われたものは・・・死にいたるものも多しと聞き及びますが・・・血が合うたものは・・・生き延びて・・・恐ろしき力を身につけるようです。そして・・・血を吸うたものにさからえぬらしい。なにやら血の誓いをするのです・・・」

「・・・すると慶喜さんは・・・」

「おそらく・・・フランスの王の奴隷となったのです・・・」

「お兄さんが・・・お上が危ないのではあらっしゃいませんか・・・」

「・・・私が・・・京に参ります・・・」

「いや・・・母上・・・もう・・・留守居はいやや・・・・私も参ります・・・そして仇討ちします」

「宮様・・・」(つづく)

関連するキッドのブログ『第42話のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『オーマイ・ガール!! 』(日本テレビ)『セレブと貧乏太郎』『チーム・バチスタの栄光』(フジテレビ)

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2008年10月26日 (日)

妻子がいるのが恥ずかしい男の妻(香椎由宇)今日は誘拐なしか・・・(川島海荷)

まあ・・・「スクラップ・ティーチャー」はまだしも「トンスラ」なんて追跡不能だよな。まあ・・・優勝決定戦だから・・・仕方ないか・・・。

「スクラップ・ティーチャー」の加藤あいはもはや・・・主役だろう。加藤あいががんばるから・・・辛うじてドラマとしての崩壊を免れている。ちなみに今回のしごかれ教師は美術の先生(内田紳一郎)で「ゴッホは生前、売れた絵はたった一枚だったが・・・だから不幸だったとは限らない」という名言を残す。まあ・・・「棟方志功」とかぶってます。

ついに「Room Of King」の朝子(鈴木杏)はアイドル宣言である。ランドセル背負って「巨大小学生朝子ちゃん」とかやればいいのに・・・。ものすごく嗜虐的な気分になるが・・・そういうのが狙いでないとしたら・・・一体・・・。

つくづく・・・「アグリー・ベティ」をやればいいのにと思う。「醜女朝子」・・・これは凄い・・・と思う。鈴木杏の演技力も遺憾なく発揮されるだろうに・・・。

で、『土曜プレミアム・我はゴッホになる!愛を彫った男・棟方志功とその妻』(フジテレビ081025PM9~)脚本・監督・五十嵐匠を見た。映画「地雷を踏んだらサヨウナラ」(1999)でカメラマン一ノ瀬泰造(カンボジアで処刑死)、映画「みすゞ」(2001)で童謡詩人金子みすゞ(服毒自殺)を描いた監督である。陶芸家・板谷波山(老衰死)を描いた「HAZAN」(2004)などもあり・・・伝記映画作家と言えるだろう。青森県出身である。

ゴッホが自殺した1890年から13年後に棟方志功(劇団ひとり)は青森県の刀鍛冶職人の三男として生まれる。少年時代にゴッホの「ひまわり」に感動した志功は兄(佐藤二朗)や姉(鶴田真由)の援助の元・・・上京し・・・画家を志す。

昭和3年に帝国美術院展覧会(現在の日展)で入選した時・・・志功は25歳だった。

ドラマは故郷に錦を飾った志功が看護師ちや(香椎)と出会い「ねぶた祭り」の夜にプロポーズするというラッセラ~ラッセラな展開である。

実際には30代の志功には日中戦争という時代背景があり・・・40代の志功には太平洋戦争がある。

志功が版画を彫るときに口ずさむのは「軍艦マーチ」だし・・・志功が仏教に傾倒するのは戦火を逃れ疎開した富山県で出合った浄土真宗の影響が大きい。

そして・・・志功が版画家として国際的に評価されるのは戦後のことである。

しかし・・・ドラマには戦争の「せ」の字も出てきません。

つまり・・・志功の芸術家の半生から「戦争」をまるまる抜き取ったファンタジーなのである。

そういう意味でロマンチックな作品になっている。

志功の作品にこめられた「祈り」が・・・「戦争」と無縁とは思えないが・・・その身代わりとして・・・病弱な姉の存在と・・・一人の天才を生み出すために消えていった芸術家の卵たちの代表として親友の画家(藤木直人)が配置されている。

まあ・・・持って生れたものへの強烈な追従こそが・・・非凡の道なのである。

だから・・・その「天才」を愛し・・・病床から「絵の具っこを買え」と金銭的援助をする・・・姉の・・・絶命は・・・もはや涙で前が見えなくなる名場面。

つまり・・・時代とか・・・社会とか・・・知ったこっちゃない・・・という我こそが・・・芸術家の魂なのである。そして・・・たまたま運命に出合ったものだけが・・・光を放つのだなぁ。

つまり・・・宝クジを買わなければ宝クジは当たらないけれど・・・滅多に当たらないよ・・・という話なのです。

もちろん・・・それを支える妻の存在は絶対条件であることは言うまでもありません。

これがまた宝くじに当たるようなものなのです。

掘って・・・掘って・・・掘る・・・でも・・・セックスしたり子供ができたりしてることは・・・ものすごく恥ずかしい・・・この歪な精神が・・・燦然と輝くのだから人間って面白いのです。

詩人・佐藤一英は昭和8年頃「大和し美し」を書きますが・・・志功は佐藤の編集した「児童文学」で宮澤賢治作品の挿絵を書いています。昭和11年の志功の「大和し美し」の版画化はその延長上にあるわけです。ま・・・書と画の融合というチャレンジです。

言うまでもなく・・・じゃ言うな・・・言います・・・「大和し美し」は英雄ヤマトタケルの物語詩です。もちろん・・・悲劇のヒーローですが・・・その功績は侵略戦争と周辺諸国征服。時代は帝国時代なのです。そのあたりのことも・・・綺麗に省略されています。

ま・・・ファンタジーでございますからーっ。

「私と版画とどっちが大事~」とか聞かれても困るよね。

関連するキッドのブログ『有閑倶楽部

               『リンダ リンダ リンダ

で、『ブラッディ・マンデイ・第三回』(TBSテレビ081025PM0756~)脚本・龍門諒、脚本・蒔田光治、演出・宮下健作を見た。ファルコン(三浦春馬)の子供のようなトリックでマルサン(警視庁特殊三課)に狙撃され、拘束された謎のテロリスト・マヤ(吉瀬美智子)・・・。

傷の痛みに苦悶する声が安いアダルトビデオのようにわざとらしくエロいのであった。

さらに・・・正体を把握するための尋問は電気ショックの拷問である。このショックに対する反応が安いアダ・・・以下同文。

なぜ・・・薬物投与による尋問をしないのだ。情報とれれば廃人になったって問題ないだろう。

そして「ギラギラ」では謎のホステス、ここではマルサン課員の南海かおる(芦名星)・・・指示に従わないテロリスト相手に・・・まったく発砲せず・・・ついには肉弾戦で悶絶である・・・バカか。

そしてファルコンの子供のような推理で正体を見抜かれたスパイの宝生(片瀬那奈)、正体見抜いているのに捕虜のマヤを宝生にまかせるってどういうことだ。

正体ばれた時点で背後のマヤをまったく警戒しない古参課員の加納(松重豊)・・・可能というより無能だろう。

そして三すくみの状態からまたしても発砲しないファルコン・・・まあ・・・素人だから仕方ないか・・・。

もう・・・スパイ活劇としてはまったく緊張感ありません。

登場人物・・・もう半分くらい死んでいてもおかしくないよな。

毎年・・・二万人くらいが行方不明になる現代日本の諜報戦・・・なめてんのかぁ。

関連するキッドのブログ『先週の土曜日のレビュー

月曜日に見る予定のテレビ『イノセント・ラヴ』(フジテレビ)

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2008年10月25日 (土)

自己犠牲フラッシュ!(原幹恵)どエスとどエムの間に地味がある・・・それが流星の絆!(戸田恵梨香)

ホストにすべてを貢ぎ・・・苦界に身を沈める小夜(原)・・・もう少しで変身するところでしたが・・・心を入れ替えたイーグル(五十嵐隼士)が救出・・・おっとー・・・二人は仲良く都落ちかよーっ。

これで・・・心おきなく「流星の絆」にしぼることができる。

いや・・・ベタが変態的にマックスに達している「ギラギラ」はもう説明不要だよね。

「パパ約束やぶったー」(娘)「パパはお仕事だから・・・」(妻)「ラクダさ~んだよ~」(夫)「パパ好き~チュ!」(娘)・・・パパの仕事はホストぞな~アイアイピッチャンアイピッチャン・・・『子連れ狼』再放送中。

ま、妄想的にはダイジェストしがいがあるけどね。

テレ東の「メン☆ドル」も多岐川華子が指を・・・フェ・・・したりしてもうタレントポジション不明なのである・・・サラブレッドの武者修行なのか・・・暗い過去持つ宿命なのか・・・来週は「合体したい」とか言っちゃってます。ま・・・「聖獣学園」の娘だからな・・・母は28歳で「七瀬」を華子出産直前には昼メロしてました。華子が大女優になりこのドラマが伝説になりますように。

で、『流星の絆・第二回』(TBSテレビ081024PM10~)原作・東野圭吾、脚本・宮藤官九郎、演出・金子文紀を見た。演出家は去年の今頃は「歌姫」でひどい目にあっていたので初回高視聴率は心暖まる出来事だっただろうなぁ・・・。

長瀬智也-相武紗季-佐藤隆太と二宮和也-戸田恵梨香-錦戸亮がそれほど違うとは思えないが・・・ここが組合せの妙なのだよな。

長瀬-二宮といえば「ハンドク!!!」(2001)でアニキと舎弟の関係だった。この後・・・二宮は主演路線である。一方、錦戸は「がんばっていきまっしょい」で鈴木杏、「1リットルの涙」で沢尻エリカ、「アテンションプリーズ」で上戸彩、「ラストフレンズ」で長澤まさみとヒロインをフォローアップするポジションを不動のものにしている。・・・なんていうかヒロインの実績アップに欠かせないキャラクターを持っているらしい。

二宮は「Stand Up!!」の鈴木杏、「南くんの恋人」の深田恭子、「優しい時間」で長澤まさみ、「拝啓、父上様」で黒木メイサ・・・とどちらかといえば胸を借りてきた。「山田太郎物語」だけは借りる胸が無かった・・・多部未華子、村中暖奈、吉田里琴にバンビだったからである。

だから・・・戸田恵梨香に錦戸をつけたというのはもう見事な配剤なのである。

ついでに「白夜行」では平均12.3%だった東野原作も「ガリレオ」で平均21.9%とメジャーになっている。さらに夏ドラマのトップ視聴率「コード・ブルー」からパイロット(寺島進)とシニアドクター(りょう)とともにフェロードクター(戸田)をピックアップしているのも中々に縁起がいいのだった。

まあ・・・だから・・・ずっと20%とは無縁だった・・・クドカン作品が20%越えちゃったりしたのだ・・・と考えます。「ロケットボーイ(笑)」(2001)以来だものな・・・。

さて・・・「流星の絆」には歳月が挿入される。今回で言えば・・・2008年8月とか。

すると・・・現在だと思っている「シーン」が現在とは限らないトリックが仕掛けられる可能性はある。

もうすでに記憶のシャッフルは凄い感じになっている。

主人公である功一の記憶・・・「レシピのノートと父親」が今回・・・最も・・・古い記憶。

最も新しい記憶は第二の復讐としての詐欺のターゲット・妄想係長・高山(桐谷健太)を追い詰めるシナリオ(後編)を作る功一である。

功一の弟(錦戸)と妹(戸田)にもそれぞれの記憶がある。本来・・・兄である功一の顔の記憶は・・・弟や妹の記憶に残されたものが自然だ・・・しかし・・・時には柏原刑事(三浦友和)や萩村刑事(設楽統)の記憶も混入されている。

だから・・・「2008年8月」に・・・柏原や荻村が「似顔絵についての新しい情報」を功一に届けた出来事の位置は曖昧だ。

それは妹が「就職活動」をして「地味からキャバクラ嬢のアフター」に変身した後だったのか先だったのかは不明なのである。

しかし・・・妹から「第二の復讐計画」を持ちかけられたときに「ナイル川のだじゃれ」でかわした功一に謎の女(中島美嘉)が「いつから水道水を飲まなくなっちゃった」とホームレスにもひょっとしたら通用するような素朴の疑問・・・。都市生活と貯水槽とミネラルウォーターの不気味な関係を問うのは前後する出来事なのだ。

その間には「地味な女」について謎のジョージ(尾美としのり)と弟と妹の会話がある。

ちなみに戸田恵梨香が地味な女かどうかは・・・お茶の間でも異論が分かれるだろう。

では・・・派手な女って誰だってことになる。りょう、中島、戸田は顔立ち的には同系列。

この裏となると丸である。つまり鈴木杏は派手な顔になる。派手と化粧はこの場合関係していて・・・化粧面積が広くなるほど派手な顔なのである。

早い話が・・・地味な顔とは美人の・・・地味な表現なのだということです。

これ以上は深く追求しませんが・・・相対的な美と絶対的な美は主観的にも客観的にも存在するとキッドは考えています。

さて・・・そうなると・・・レシピを取り出して「父親のハヤシライス」を作り出す功一をじっと見つめる柏原の顔は誰の記憶なのか・・・もちろん・・・ガラスに映った自分の顔を見る柏原の記憶かもしれません。

そして・・・「イノセントラヴ」の横浜と「流星の絆」の横浜はハヤシライスを求めているくせにハヤシライスを食べない男(要潤)はひっそりとひっそりとすれちがってきたこのとりあわせほどにも遠いのである。

関東の人間だと東京から横浜と横須賀はどういう位置関係にあるか・・・知っていると思うが・・・そうでない人はピンと来ないかもしれない。東京から横浜までと横浜から横須賀まではさほど変わらない。そして・・・東京から横浜までより・・・東京から横須賀までの方がずっと遠いのである。

それには三浦半島というものを知る必要がある。東京から東海道を西に下っていくと横浜がある。そして横浜というのは三浦半島の付け根の東側なのである。三浦半島の根元をたどっていくと西側には鎌倉とか江ノ島とか藤沢とか茅ヶ崎があってなんとなくサザンなエリアである・・・しかし・・・横須賀は違うのだ。横須賀は三浦半島を先端の方に向けてつつつと指をすべせせて・・・ああ・・・そこは・・・という部分にあるのである。もう、これっきりですかな土地なのである。かっこいい軍艦多数停泊中で敬礼のエリアなのだな。

まあ・・・横浜の人間に近所ということで握手を求められた横須賀の人間にはそういう逡巡があり・・・二宮と要には身長差20センチ以上に心の隔たりがあると思われるのだった。

とにかく・・・功一の記憶は大きく分けると「12歳以前」と「12歳以後」に分けられる。

つまり「事件前」と「事件後」である。

「ハヤシライスのレシピの記憶」は「盗み読みしたノートと父親との会話・・・血縁のない母親の介在と・・・初めてのハヤシライス作り・・・それを弟や妹と食べたこと」という「幸福な記憶」であり・・・それは「事件前の記憶」なのである。

そして「事件」とは「そういう幸福な記憶をも喪失させる記憶」なのである。

すでに「12才」である功一にはそうした見通しがある。つまり・・・未来へのビジョンである。

それは自分が「幸福な過去を失ったように」妹が目覚めれば自分よりもっと幼くしてそれを経験することになるというビジョンである。

そしてその未来も過去になった現在。

「妹が親を失った日を思い出し・・・それを告げた自分を思い出し・・・妹の嘆きを思い出す」功一は妹に「自分を不憫だと思っている顔」を常に向けているのだった。

「事件前」と「事件後」の記憶のカクテルは性格が異なる三人の兄妹たちにも・・・共通の偏りを齎している。

「事件」は度々思い出される。すると思い出した記憶がまた「事件の記憶」となる。その「事件の記憶」を思い出す。するとそれが事件の記憶の記憶になる。特殊な事件であるほどその記憶は特殊な記憶になるのである。

「未解決な事件」・・・それは他人にとっては不安な出来事である。しかし・・・遺族にとっては不安であり不満であり・・・時には苦痛であり・・・時には人格が変貌する出来事だ。

「すべての事件」が実際には不幸で不吉な出来事なのである。

だから・・・功一たちは・・・犯罪をそれほど憎まない。犯罪は日常的なのである。そして司法制度を軽蔑する。親を殺されてもいない刑事・・・親を殺されてもいない判事・・・親を殺されてもいない裁判官など・・・信用できないのである。

しかし・・・功一は弟や・・・妹は信じている。少なくとも・・・自分の気持ちはわかってくれると信じている。

だから・・・目撃情報の相手がまったく「間違い」であっても・・・「殺人事件の時効」が迫ってきても・・・功一は平気なのだ。

「法」ではなく・・・「誰か」ではなく・・・「裁く」のは「自分たち」と功一は信じている。

それは・・・「父親のレシピ」で作ったハヤシライスを・・・弟も妹も「父親の味」だと食べれば分るほどに明白なのである。どんなに上手に作ってもそれは殺された父親の血の味が必ずしてしまうのだ。それでもそれを美味しいと食べるほかはない・・・三人だけの特別な心。

さて・・・前回は「ウサギ萌え心」につけこんだ流星三兄妹だったが・・・今回はありあけさんとして・・・ナース萌え心を利用する。

ナースは隷属の象徴だが・・・実は二つの方向性を持っている。それはドクター→ナース→クランケという力関係の中間に位置するからだ。

奴隷がエムで主人がエスなどというのは素人の発想だが・・・分かりやすく言えば・・・ナースは奴隷と主人の変換アイテムなのである。

ドクターとしてナースを支配しようとしてふと気がつくとクランケになっているという新鮮さは新たな体験を齎す場合が多いのである。

だから・・・エスだと思っていた人が自分の中にエムを見出すには基本的な対象であるといえるナースなのである。

まあ・・・戸田恵梨香(地味)→ライオン100%の戸田(沢尻)エリカ(派手)→キューティーハニーでおなじみの戸田(ただの)エリカ(地味派手)というエリカの連鎖もあります。

ふふふ・・・白衣をまくりあげてやろうと思ったら・・・いつのまにか拘束されているではないか・・・むふふ・・・しかし・・・これはこれで・・・(つづく)

関連するキッドのブログ『第1回のレビュー

Newimagebirthdaymovie2 ←クリックするとH☆C情報。アンナ様&芯様お誕生日記念PV「birthday1」のテレビCMをご覧いただけます。いつのまにかココログ容量設定厳しくなってます。かなりダイジェスト版に・・・。H☆Cはお気楽ビルで。

日曜日に見る予定のテレビ『機動戦士ガンダム00』(TBSテレビ)『篤姫』(NHK総合)『SCANDAL』(TBSテレビ)

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2008年10月24日 (金)

七瀬サン、私ハアナタノ召使デス。(マル・ウォルドロン)

・・・もう亡くなってたか・・・。キッドの妄想の中では七瀬とヘンリーの関係はレディ・デイと彼の関係のようでもある。

もちろん・・・ドラマは今のところ・・・ポップコーンのようなアレンジで・・・「レフト・アローン」とはほど遠い・・・このドラマから入って・・・原作にたどり着いたら・・・ちょっとしたトラウマになる人がいるかもしれないと思うとちょっとうれしい。

超能力と魔術は・・・そのいかがわしさにおいて親しい関係だが・・・あなたの知らない世界・・・というものはいつだって似たようなものなのである。あなたは何かを知っているし・・・また別の何かを知らない。

そして・・・別の誰かは何かを知っているだろうが・・・また別の何かを知らない。

「私は全てを知っている」という人を疑う必要があるのは知っておくべき事柄だろう。

ちなみに木曜のドラマの視聴率は①「風のガーデン」↘15.5% ②「渡る世間は鬼ばかり」↗13.5% ③「小児救命」↘*7.8% ④「七瀬またたび」↗*6.4% ⑤「夢をかなえるゾウ」↗*5.3%

で、『蓮佛美沙子の七瀬ふたたび・第三話』(NHK総合081023PM8~)原作・筒井康隆、脚本・伴一彦、演出・笠浦友愛を見た。前回・・・お客をおみやさんにごっそりもっていかれたマジック・バーの店長(北村総一郎)は透視能力を悪用する詐欺師・西尾(今井朋彦)のターゲットとなる。

西尾は透視能力で体内のペースメーカーを透視できるのに七瀬の体は下着さえも透視しないのだった。できるのに描写しないのである。

店長はマジック愛好家とは思えない人の良さで西尾を信じ・・・妻の発病してもいない病気のために店を売却する決心をする。

西尾の心を読んで・・・心配になった七瀬が店長夫人に告げ口をしたので七尾の計画は失敗する。

怨みに燃える西尾は七瀬の親友・真弓(柳原可奈子)を毒牙にかけようとするが好きなようにすればいいとお茶の間のほとんどが思うのではないかと心配になる。

ただ一回の警察の取調べで・・・故郷を追われた七瀬はそのことへの反省がまったく感じられない。

どうやら・・・超能力を消すことを科学に期待しているという流れらしいが・・・ついにはたった一人の科学者の研究の成果にしてしまうのか・・・この恐るべき未知の能力者たちを・・・。

すると・・・朗(宮坂健太)も西尾もみんな関係者なのか・・・。

関係者をちまちまと集めて説明を簡単にすることで何かが面白くなるのだろうか。

「超能力を使ってお金をもうける」のがなぜ「悪」なのか全く説明がない。

それは「政治家が立場を利用して私腹をこやすことが悪だから」なのか?

それでは「スポーツ選手が金メダルを利用してスポンサーを集めること」も「悪」なのか。

なぜ・・・岩渕(塩谷瞬)はギャンブルをしないのか。

なぜ・・・七瀬は能力をなくそうとするのか。

ある種の人々にはちんぷんかんぷんなのではないのか・・・と・・・まあ・・・キッドもそうなのですが・・・ものすごく・・・イライラする展開に仕上がっています。

とにかく・・・こんなことではおみやさんには勝てないよ。

今回・・・野球で良かったよ。

っていうか・・・もう原作との接点を切り離さそうとしても出来ないのだった。うわあ・・・それほどまでに深く「七瀬ふたたび」は妄想神経にからみついているのだな・・・。

とにかく・・・岩渕には超能力者の友達が一杯。店長夫婦は他人の心を読む少年・朗をそうとは知らず養子にするのだった。

もちろん・・・七瀬の親しい人は増えれば増えるほど・・・七瀬の悲嘆は深くなるわけである。

だから・・・今はジェットコースターの上昇段階と考えられるのだが・・・この甘口展開だと・・・ジェットコースターが・・・ゆっくりと下りだしそうで・・・不安です。

関連するキッドのブログ『第二回のレビュー

で、『小児救命・第2回』(テレビ朝日081023PM9~)脚本・龍居由佳里、演出・片山修を見た。ときどき・・・「キラキラ研修医」のウサコのように見えるのだが・・・宇宙(小西真奈美)は別人格というか・・・ウサコなど・・・およびもつかない・・・暴走機関車であることがわかる。今回・・・子供の心を考えないダメダメな教師を張り飛ばしたことでも分るように・・・小児医療をダメにする・・・絶対的な障害があったら・・・迷わず・・・消去(爆破殺害を含む)・・・右京さんの捜査対象になっても遜色ないキャラクターなのである。

目の前の子供の苦しみを救えない小児科医はクソだっ!

これが宇宙の行動原理である。

しかも・・・はねっかえりのように見える宇宙の行動はこれまで誰にも阻止できていない。

両親に捨てられ川へ身を投げた不治の病の少年さえも・・・救命してしまうのだ。

ある意味、七瀬よりもすごい超能力者であり、ヒロイックファンタジーとしてはずっと完成度が高い。なにしろ・・・今回・・・宇宙は一瞬も停滞することなく・・・小児を救命して救命して救命しまくるのである。

はっきり言って・・・七瀬の三倍面白いです。

基本的に医療というビジネスは金の流れが複雑です。

それは患者→医療機関←国家

という三叉路のような道路があるからです。

そのためにデザインが複雑になる。つまり供給に答える医者が・・・神の見えざる手によって・・・需要である患者と・・・節税する国家によって弄ばれることになるのです。

もちろん・・・エリートな役人は問題点を分析し・・・それなりに調節していくわけですが・・・本当に優秀な医師が・・・患者のことを考えると・・・そんなまどろっこしいこと突破してやるよ・・・ということになるわけです。

そうするとコーデネイト(統合指揮)する側は「作戦メチャクチャになるだろうが」・・・と直ちに「引き上げ命令」を降すわけです。しかし・・・コマンド(現場指揮)するものがどんどん、戦線を拡大する。しかも・・・どんどん・・・勝利していきます。もちろん・・・いつかは破綻するわけですが・・・「補給を送るな」といった嫌がらせも「現場で調達」で通用せず・・・そうこうするうちに司令部に・・・コーデネイターよりコマンダーの方が「優秀なんじゃね?」という空気がかもし出されてきます。

とにかく・・・それがいいことか悪いことかは別にして・・・。

宇宙は医療行政大本営に対して・・・勝手にやらしてもらいます関東軍なのでございます。

その暴走振り・・・この爽快感・・・これが「踊る小児医療」です。

すると・・・赤池小夜子先生(渡辺えり)のポジションが見えてくる。湾岸署婦警で女青島・篠原夏美(内田有紀)を指導した桑野冴子なのですな。しかし・・・宇宙は・・・単なる一兵士ではないのです。院長として・・・それなりに配下を従え・・・したたかなプレーイング・マネージャー・・・。

とにかく・・・腕と度胸の女親分で・・・救命士(勝地涼)殺しの美貌です。

テレビでは描写されませんが・・・恋人・狩矢(塚本高史)とは医療行為の隙間をぬって屋上でさっとパンツ下ろして・・・狩矢を瞬殺しているはずです。とにかく白衣のヒップラインはそういう妄想を充分に引き出しています。

すげえぇぇぇぇぇ。はっきり言ってスピード感と展開の緻密さでは秋ドラマナンバーワンだな。

このまま・・・最後までこの質感が落ちなかったら・・・傑作になるぞぉぉぉぉ。

で、『風のガーデン・第三忌中』(フジテレビ081023PM10~)脚本・倉本聰、演出・宮本理江子を見た。さて・・・孫の不倫には目を細めるが息子の不倫には目くじらの緒形拳の遺作効果もそろそろ終了であるな。

末期がんの父親二人(中井貴一&奥田英二)にかわいい娘二人(黒木メイサ&国仲涼子)である。

そして・・・ひどいお父さんだけど「大好き~」という展開なのだな。

どんだけ・・・一部愛好家向け妄想なんだか・・・。

黒木メイサにいたっては「お父さんが不倫なんで私も不倫~」なのである。

不倫中に死んだ本妻なんか・・・「死ぬなんてバカだな・・・」という展開である。

墓場には夜想曲(ノクターン)がお似合いなのかよっ。

そして・・・本来なら・・・「お前のせいで母さんが死んだ・・・俺は許さない」の長男は知能の発達に障害がある人である。なんて・・・都合がいいんだ。

そして・・・妻に浮気された男(夫)は顔も見せはしないのだ・・・。

まあ・・・妄想だから・・・いいよね。

内山妙子(伊藤蘭)の息子が居たりすると・・・すごく・・・歪む可能性があって面白いんだよな。ははは・・・父さんが・・・哀れじゃないか・・・ははは・・・母さん・・・ボクは・・・本当に父さんの子供なの・・・母さん・・・ボクより・・・白鳥って奴の息子を愛したんだね・・・・シモネタか・・・シモネタやりたかっただけなのかっ。

とにかく・・・もうすぐ死ぬ男二人の距離は縮まり・・・もうすぐ死ぬ人間は何が一番・・・ステキ・カッコイイ・ハッピー・あれこれの始まりなのです。

まあ・・・今回の見せ場は・・・ファルコンを狙う検事のような暗殺者(田中哲司)と白鳥の攻防戦か・・・。まあ・・・シラきっただけですが。

愛犬ホタルが死んだだけで・・・すごく・・・見逃せない気分が薄くなったんですけど。

来週は黒木メイサ・神木隆之介姉弟の出番がもっとありますように。

白鳥が妙子に「もう・・・もっと若い女を抱いてんだよ・・・」とか言いますように・・・。

妙子の顔下だけベッドシーン・・・ちょっと怖かった。

で、『夢をかなえるゾウ・第4回』(日本テレビ081023PM1158~)原作・水野敬也、脚本・山岡真介、演出・岡本浩一を見た。深夜だから・・・忘れていたが日本テレビ説教シリーズの一貫である・・・親を叱り・・・企業を叱り・・・先生を叱り・・・夜中には若者を叱っているのである。

まあ・・・OLという意味では女性を叱っているのがかぶっているわけである。

しかし・・・もう叱る役が神様だから・・・日本テレビ編成部の本心が見えるわけである。

「神様」です。・・・「私が神だ」と思っているのです。

しかし・・・キッドは言う・・・「私が神だ」・・・パクリだろ。

まあ・・・今回は「ウソをつくと心が痛む時計」のアイディアとそれに答えたあすか(水川あさみ)の熱演が見事でした。

ガネーシャ(古田新太)はイケメン変身で騙すならキスして鼻ぐらいつっこんじゃうくらいが爆笑で・・・正体ばれてあすかが怒るのも無理はない・・・という展開なのに・・・そこだけ甘くて残念な演出でした。くりかえしでエスカレート・・・それでもまた騙されるも見たいなぁ。

土曜日に見る予定のテレビ『ブラッディ・マンデイ』(TBSテレビ)『スクラップ・ティーチャー』(日本テレビ)『ルーム オブ キング』(フジテレビ)『トンスラ』(日本テレビ)・・・もう『棟方志功とその妻』とか・・・『ジャッジⅡ』とか無理じゃんかぁ・・・でも「アグリー・ベティ」(NHK総合)は見逃せないっ。イエー。

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2008年10月23日 (木)

来週から朝比奈さんが始まると思いましたか?(観月ありさ)

ちなみに脚本家は「やまとなでしこ」(2000)を書いた人。プロポーズの承諾を伝えられた東十条・・・ではなくて朝比奈(東幹久)は歓喜するが・・・それを見つめる神崎(観月)の表情は慈愛に満ちていた。

それにしても朝比奈と小旗(阿部サダヲ)しか選択肢が与えられない・・・神崎って・・・。

しかも・・・交際していない朝比奈の土下座姿に一目惚れって・・・してないよ・・・ま、爆笑でした。

このまま・・・朝比奈の縁の下の力持ちになっていくとしたら・・・それはものすごい奇抜さだ。

えぇぇぇぇぇって言うよ。まんてんの宮地真緒がずっとセリフがなくて佇んでいるみたいに。

「相棒」と「OL」のダンスは・・・前途多難そうだ。

「相棒」・・・・・・・・・・・17.9%

「O L」*8.3%↗10.6%↘*9.9%

「相棒」と「斉藤」のような華麗なステップを赤い絨毯の上でも踊れるとステキなのだが。

で、『相棒・Season7・第一話』(テレビ朝日081022PM10~)脚本・輿水泰弘、演出・和泉聖治を見た。毎度・・・スペシャルになると・・・ものすごく退屈になるこのシリーズ・・・しかも今回は・・・二時間では終らず・・・さらに来週へ続くのである。・・・さすがだ。

しかし・・・まあ・・・重厚なドラマとしてみれば・・・そこそこ面白い。

今回の犠牲者は特命係の亀山(寺脇康文)の高校時代の友人・兼高(四方堂亘)である。

同窓会で再会した時に・・・亀山は胸がときめくほどうれしかった。ちなみに亀山は妻帯者だが・・・「結婚しないのはゲイだからか・・・」などと兼高にあえて聞くところが同性にも興味があることを示している。

そんな亀山と右京(水谷豊)を厳しく叱責するのは大河内監察官(神保悟志)で・・・ラムネ菓子も好きだが・・・同性愛者である。

まあ・・・男たちのドラマは・・・ある意味同性愛ドラマなのである。もう・・・それは仕方ない。

男たちの友情とか・・・正義への共感・・・生活に漂う倦怠感・・・権力闘争の醍醐味・・・過去への郷愁・・・そういうものを丁寧に描けばどうしても男色っぽくなるのだな。

早い話・・・杉下右京と亀山薫・・・もうすでにカップルである。

亀山には昔の恋人のようなライバル・捜査一課の伊丹(川原和久)がいるし・・・右京には昔の愛人・小野田官房長(岸部一徳)がいる。

鑑識の米沢(六角精児)だって逃げた女房への未練よりも特命係の二人にぞっこんなのである。

・・・今回・・・いかにも怪しい・・・ボランティア団体のボス(織本順吉)を師と仰ぐ毎度おなじみきれいごとを本気で実践する坊主くずれの政治家・瀬戸内(津川雅彦)・・・死刑を執行しないダメダメな元法務大臣・・・の師弟もそことなく・・・老いらくの甘いカップルなのである。いい年して・・・師匠とか・・・言ってるところがもう疑わしい。

ま・・・そういういかにもホモな男たちが・・・繰り広げるドラマです。たかが高校の同級生が死んだくらいで熱くなりすぎだろう・・・というような情のない見方をしてはいけません。

もう・・・ちらっと見かけただけで・・・ホテルの部屋まで押しかけて「連絡してくれなくちゃイヤンバカン・・・薫」とメモをドア下から挿入する亀山なんですからーっ。

計画的殺人の舞台となるのは高級ホテルだが・・・原因は東南アジア某国への経済援助と開発利権がらみの問題であるらしい。

被害者は・・・井戸掘り職人。加害者は・・・商社マン。

実行犯として指に接着剤がついていることを理由に任意同行を求められた商社マン・小笠原(西岡徳馬)はその後は黙秘を続ける。凶器と血のついた着衣が発見されるとそれを認めつつさらに黙秘である。

そして・・・アフリカ大陸の平均寿命が短いだの・・・援助の必要な人に援助だの・・・ウランも欲しいわ・・・などと清濁併せ呑む師弟・・・特に師匠は・・・犯人逮捕に衝撃を受ける。さすがの名演技である。

暴走する杉下右京の正義の矛先は・・・どこに向かうのか・・・男同士が愛しあうのはいい・・・しかし殺しあうのはいけません・・・もったいないということが分りませんかっ!・・・とかかな・・・。

そして・・・相棒からの卒業が囁かれる亀山は・・・一人・・・色褪せた無国籍の赤道伝説/姫神的な荒野を・・・どこだ・・・どこなんだよ・・・そこは・・・シンガポールからどこへ・・・(つづく)

関連するキッドのブログ『相棒Season6

で、『OLにっぽん・第三回』(日本テレビ081022PM1030~)脚本・中園ミホ、演出・大谷太郎を見た。ようやくダンスパートナーが来たのに・・・時間変更である。もう・・・日本テレビの編成はことごとく連続ドラマに冷たいが・・・まあ・・・ドラマよりジャイアンツの営業の方が大切なんだから仕方ないよな。

だから・・・どんなに良質なドラマを作っても・・・滅多に爆発しないのである。まあ・・・「ごくせん」とか「ごくせん」とか「ごくせん」は別にして・・・。

そういう意味で「ハケンの品格」というヒットを放った脚本家。さすがに手堅い内容だ。

中国に業務委託をして経営合理化を図る会社の方針で・・・日本人スタッフのリストラ係になった神崎・・・。

まあ・・・ドラマを見ていて・・・あんな部長はいないとか・・・あんな指揮系統はおかしいとかいろいろあると思いますが・・・ドラマですから。

中国人の教育係とか総務課のリストラ係とか言っても・・・勤務査定に考慮される役職というよりは富士田部長(浅野ゆう子)の発案を実現する役割に神崎は抜擢されているだけで・・・ようするに図書係とか休職当番レベルの話です。

今回は・・・矢部桜(美波)のリストラ問題。

「同じ穴の鯰」などといい中国娘に間違いを指摘される。

「コネ入社だったがバックの実力者が引退して情実期限無効に」

「起死回生の第二営業部改装計画で部長にお前のイスねーからぁぁぁぁで墓穴」

チビゆえに女に縁がなく日本を恨んで中国に逃げたチビ太(阿部)に・・・。

「中国人が日本人を追い出すのじゃない」

「日本人が日本人を追い出すのだ」

「それは日本人が劣化した(ダメダメになった)から」

「桜を愛してたならなぜもっと早く手をさしのべなかった・・・」

とガツンガツンやられた神崎は・・・「桜の変わりに私が寿退社する・・・」

予想外の展開に・・・神崎に片思いのチビ太は街のおそ松くんたちにあえてちょっかいを出しボコボコにされて自虐の喜びにケケケっと震えるのだった。

まあ・・・人間を奴隷労働から解放する・・・ロボットたちは・・・いつしか人間そのものを不要とする・・・まあ・・・特権階級にとってはロボットでも中国人でも日本人でも奴隷労働してくれればそれでいいわけです。

そういう流れの中で・・・ふつうよりちょっと頭の悪い人たちが暴動を起さない・・・これまでの日本・・・しかし・・・いつまでもあると思うな親と金と年金と保険制度と忍耐心ですよね。

ま・・・下層階級が完全に外国人になれば・・・暴動は自動的に起きると思いますけど。

どんな時代になろうとも・・・面白くやろうと思いさえすれば面白くできる。

キッドはそう信じています。そういう気持ちがなくなったらもう面白くないのです。

もちろん面白くなくたって生きてはいれますれどね。

まあ・・・キッドは面白くない長い寿命もありがたい人にはありがたいのだと思います。

そういう人はきっと今を生きる人なんでしょうね。

ま・・・本人が幸せならきっと幸せなんだなーっ。

それにしても・・・朝比奈・・・ヌカ喜びなのか・・・ヌカ喜びになるのかなーっ。

関連するキッドのブログ『第二回のレビュー

金曜日に見る予定のテレビ『ギラギラ』『サラリーマン金太郎』(テレビ朝日)『流星の絆』(TBSテレビ)『メン☆ドル』(テレビ東京)

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2008年10月22日 (水)

そしたらねー、晴れた(速水もこみち)てるてるでよかったね!(吉田里琴)

ピンクのてるてる坊主である。まあ・・・母親(YOU)が女優という名の魔法使いのようなので・・・娘(吉田)が魔法使いというファンタジーでもいいくらいだが・・・あくまで・・・偶然・・・晴れたということにしておきたい。

お願いがかなうときだってあるのさ・・・それは偶然という名前のラッキーだから。

ま・・・キッドはある時期・・・ほとんどロケ日に雨は降らさなかったけどな。

そういう運はあると思えばあるし・・・雨男だって絶望する必要はない。ちょっと迷惑なだけ・・・。

そして・・・結局・・・最後には雨は降るし・・・晴れたりもするものだ。

秋にも桜が咲くだろう・・・。

火曜日のドラマ対決は ①「セレブー」↘15.0% ②「チーバチ」↘11.7% ③「オーマイ・ガール!! 」→*8.3%

出たっ→。

で、『セレブと貧乏太郎・第二回』(フジテレビ081021PM9~)脚本・徳永友一(他)、演出・松田秀知を見た。今回はかなり逆「花より男子」展開。特に上流にありがちな政略結婚という定番を使うと・・・もう・・・継母(若村真由美)が加賀まり子に見えてくる。ところが・・・貧乏男(上地雄輔)はつくしには見えない・・・そしてセレブ女(上戸)も司には見えない。もちろん・・・セレブ女と理由ありのセレブ男(柏原崇)も類には見えない。ただ・・・貧乏女(国仲涼子)がなんだか主役のように見えてくるのである。しかし待ち続ける幼馴染・・・嫉妬で仕事への夢も情熱も中途半端に・・・これ・・・失敗してないか。

セレブ男とセレブ女の過去を隠したままで・・・思わせぶり展開なのであるが・・・上戸と柏原がどうなってもどうでもいい感じがする。

もちろん・・・上地と上戸がどうなってもどうでもいい感じ。

すると・・・お茶の間は何を面白がっているのだろう。っていうか。これは視聴率下がるはずだ。(下げたよ)

今時・・・テーブルマナーにこだわるリッチ表現も時代遅れだろう。

マイフェアレディにもなってない。アリスが命じたら執事の郡司がたとえどこかの浮浪者でもバリバリのジェントルマンに仕立てないとな・・・。それでもボロが出るだけの罠をどう構築するかって話だろう。

会社の中を自転車乗り回す時代と逆行してるよね。

執事(風間杜夫)とお嬢様(上戸)の関係だけが辛うじて面白いだけのドラマになってる。

しかし・・・まあ・・・GGCしかピアノを弾けないピアニストをお嬢様が連弾でフォローっていうのは・・・のだめかっ。

お嬢様ものの面白さって・・・もっと別のところにあると思います。

まあ・・・上戸と上地のキスも恋愛とかと別次元にしか見えないし。

貧乏男が子育て・・・娘がチーンはまあ・・・面白いのか・・・な。

なんだか・・・よく・・・わからないドラマだなぁ・・・。もしも・・・また高視聴率だったら・・・どうしよう・・・。(だから下げたってば)

話には興味はひかれないがとりあえずキスの程度を確認したいあなたはコチラへ→お気楽様のセレブと貧乏太郎

で、『オーマイ・ガール!! ・第2回』(日本テレビ081021PM10~)脚本・高橋麻紀、演出・久保田充を見た。もう・・・圧倒的にドラマとしてこちらの方がよくできている。だから・・・視聴率が悪いとなるともうそれはそれで凄いな。突然・・・義理の姉の娘で・・・美少女子役スターの桜井杏(吉田)と同居することになった・・・雑誌記者の山下耕太郎(速水)は狂喜乱舞はしないで・・・すごく気分が悪いのである。

それは・・・もちろん・・・耕太郎が一種の発達障害だからである。彼には「子供より大人に責任がある」とか「一度受け入れたものには責任がある」とか「正しいことと悪いことの区別をつける」とか「優しい気持ち」とか「恩義」とかが分っていないのである。

「自分の生活のリズムを乱されるのはいやだ」とか「他人に気持ちがあるとは思えない」とか・・・昔でいう「道理の分らない男」なのだな。

まあ・・・ある意味・・・今の世の中・・・そんな奴ばかりなのである。

そして・・・そういう人間がどんどん不幸になり・・・その不幸を嘆くのだ。

しかし・・・本当の幸せは結局・・・発達することでしか得られないという話だ。

「廃校になる中学校の器楽部の生徒たちが・・・街のイベントのパレードで思い出作りにブラスバンドとして参加する」という地味な記事の企画が通った耕太郎。しかし・・・杏の飼い犬ビワのためにアパートを追い出されることになり・・・家探しに引越しの準備、引越しの支度金作りのアルバイトと・・・雑用は増えるばかり・・・。

一方・・・杏は口には出さないが・・・環境の激変に体調はどんどん悪化していたのだった。

取材の日・・・天候不良である。雨天の場合・・・パレードは中止になるという点を下調べしていなかった耕太郎は・・・パニックになる。

しかし・・・当日は奇跡の晴天。順調に取材を行ったマーくん・・・いや耕太郎の元へ・・・杏倒れるの連絡が・・・しかし・・・知ったこっちゃない耕太郎である。

その上・・・極秘事項の杏との親戚関係を憧れの人(ともさかりえ)に吹聴である。

しかし・・・愛人の生んだ子供を夫の死後も育てる・・・それはお近だろう・・・シングルマザーである憧れの人に・・・「譲らなきゃいけないのは・・・大人なのかしら・・・それとも幼い子供なのかしら・・・自分の都合を押し付けるのと・・・幼いものを守るのとは違う。幼いものの笑顔を守ることでしか得られない喜びというものがあるのよ」・・・なのである。

ま・・・多くの大人にとって・・・耳に痛い話かもしれないですが。

そして・・・家に帰った耕太郎が見たものは・・・耕太郎の仕事が上手くいくように・・・杏が作ったテルテルボウズでした・・・。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。

一方・・・ある意味・・・杏のマネージャーとして・・・マニュアルを実行することはできるが他人の気持ちは考えない女・藤峰子(加藤ローサ)・・・支障が生じたときにはすべて「耕太郎が悪いの一点張り」である。つまり・・・杏の体調不良を彼女も見抜けなかったことでは・・・同じ穴の狢なのである。

そして・・・穴といえば・・・「ひなこ(YOU)のマンションで杏と耕太郎」の同居生活を主張する藤なのだが・・・そもそも・・・隠し子なのに同居してたら・・・バレバレだろう・・・パパラッチなめてんのかっ・・・なのであるが・・・ついにあきらめて・・・「自分が杏と同居すること」に・・・。

しかし・・・杏の照る照る坊主に心まで晴れた耕太郎は・・・嫌いな姉のマンションに同居することを決意・・・幸せのピンクのテルテルぼうずをベランダにつるすのだった。

かくして・・・杏と耕太郎と峰子は同棲生活することになったのだった。

ああ・・・雑居時代です・・・これは雑居時代。

まったく無理のない展開で・・・ありえない状態に・・・これがコメディーの基本ですよね。

そして・・・ちょっとハッピーな気持ちに・・・なるよねー。そしたらねー。ありがとねー。

関連するキッドのブログ『第1回のレビュー

チーム・バチスタの栄光・第二話』(フジテレビ081021PM10~)原作・海堂尊、脚本・後藤法子、演出・植田尚を見た。今回の患者は黒人の少年兵・・・いろいろあって・・・「大人は死ぬが子供は死なない」が確認されただけでした。・・・恐ろしいことに・・・内容はそれだけです・・・。

自分がなぜ・・・ここにいるのか・・・兵士は分らなかった。長い旅をして・・・ここに来た。ここにはジャングルもない・・・身を守る武器もない。たくさんの黄色い肌の人間たちが不思議な言葉で語りかけるが意味不明だ。

しかし・・・体力は回復しているようだ・・・。時々・・・胸が苦しくなるが・・・敵は油断しきっている。

監視の兵士さえいない。

戦場を遠く離れると・・・警戒は緩むというが本当だ。

もう・・・潮時だ・・・次の夜に脱走しよう。銃器はないが・・・病院には刃物はつきものだ・・・薬物も・・・豊富だ。脱走の前にできる限り後方撹乱の任務は果たせるだろう。

この小うるさい小男はナイフで切り刻む。杖の男は首を絞めてやろう。それから・・・そろそろ女が欲しい・・・あの女を犯して犯して・・・そして殺す。後は・・・夜明け前までにやれるだけやって・・・森に逃げ込むのだ。

そして・・・少年ゲリラは消えた。血の海と・・・大量の医者と看護師の死体を残して・・・。

本当のストーリーと釈由美子を確認したいあなたはコチラヘ→お気楽様のチーム・バチスタの栄光

木曜日に見る予定のテレビ『七瀬ふたたび』(NHK総合)『夢をかなえるゾウ』(日本テレビ)『風のガーデン』(フジテレビ)『小児救命』(テレビ朝日)

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2008年10月21日 (火)

イノセント(純)ラヴ(愛)って一方的に人を好きになること永遠に・・・(堀北真希)・・・(香椎由宇)・・・(八木優希)・・・(内田有紀)

ふふふ・・・月曜日はステキだ。何も考えずに一本である。しかも堀北真希である。しかもイノセントでラヴである。

しかもクリスマス・イヴ(2001)でクリスマス・イヴ(2007)でクリスマス・イヴ(2008・・・おそらく最終回)だ。

そして・・・浅野妙子・脚本なのですでに主人公は心のビョーキもあらわである。

ああ・・・楽しいよね。楽しい。もう楽しさがホワイト・クリスマスです。最後・・・雪山遭難だと申し分ないけどなぁ。

本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「流星の絆」21.2%(えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇフリカケかフリカケが数字持っていたのか?・・・それとも東野10%クドカン10%あわせて一本か?)、「ホーム・アローン3」10.7%(ちょっと時期尚早)、「ギラギラ」12.2%(ラクダとハニーでいい感じ)、「サラ金」↘11.1%(切れたがさがる・・・エロがないことに気がついたな)、「鬼平犯科帳SP」16.4%(う~ん多岐川裕美)、「スクラップ・ティーチャー」↘12.2%(ゲストをどうするかだな・・・)、「ブラ・マン」→11.4%(アクション不足かな・・・)、「裸の塚地」13.8%(竹中生瀬蓮司・・・濃い)、「部屋王」↗*8.2%(ルール説明詐欺の勝利か)、「上海タイフーン」↗*7.9%(あがった~*0.1%だけど~最終回だけど~)、「篤姫」↗26.3%(もう・・・心騒がない高水準・・・)、「SCANDAL」16.9%(よってたかってこの数字だがこれを維持できるかどうかがね)、「MI-2」13.9%(ブラ・マンにもこういう要素がちょびっと欲しいよね)・・・ついでに「イノセント・ラヴ」16.9%(スキャンダルと同じだ・・・)以上。

で、『イノセント・ラヴ・第1回』(フジテレビ081020PM9~)脚本・浅野妙子、演出・加藤裕将を見た。いきなり・・・回想シーン。主人公の秋山佳音(かのん)の幼少時代は佐伯日菜子系の沢木ルカ・・・10歳(実)だが13歳(虚)である。

それは・・・2001年のクリスマス・イヴ。五歳年上の兄の耀司(カツラをかぶった福士誠治)にたたき起こされて燃え上がる我が家から脱出した・・・佳音。

近所の人は子供連れで火事場見物に来ているが・・・家が崩れるときには思わず目を閉じさせる・・・放り出されるテディ・ベアである。

その間・・・流れるのは賛美歌312番「いつくしみ深き(What a Friend We Have in Jesus)」である。

What a Friend we have in Jesus,

All our sins and griefs to bear!

What a previlege to carry

Everything to God in Prayer!・・・と英語なわけだが・・・。

途中で日本語ヴァージョンも登場するので・・・

いつくしみ深き 友なるイェスは

つみとが憂いを 取り去り給う

心の嘆きを 包まず述べて

などかは下ろさぬ 負える重荷を

いつくしみ深き 友なるイェスは

我らの弱きを 知りて憐れむ

悩み悲しみに 沈めるときも

祈りに応えて 慰め給わん

いつくしみ深き 友なるイェスは

変わらぬ愛もて 導き給う

世の友我らを 捨て去るときも

祈りに応えて いたわり給わん

ようするに・・・神の子である救世主は罪も罰も罪悪感もすべてないことにしてくれる。悩みも悲しみも祈れば消えちゃう・・・世界が見捨てても救世主は見捨てない・・・という犯罪者にはかかせない賛美歌である。

もちろん・・・そのためにはクリスチャンである必要があるのだが・・・一人暮らしになった2007年の佳音の部屋には・・・十字架を飾った祭壇があり・・・胸にはロザリオ。「いただきます」の時のポーズは「アーメン」というより「なまんだぶ」だが・・・とにかく・・・クリスチャンらしい。

彼女がなぜ一人暮らしなのは・・・もちろん検索してみれば分る。

「長野県両親放火殺人事件・・・2001年12月24日の深夜、長野県下高井郡で発生した公務員の秋山誠太郎(46)、妻の順子(44)が刃物で殺害され、自宅が放火された事件。事件発生時、在宅だった長男の耀司(18)と長女の佳音ちゃん(13)は自力で脱出。駆けつけた消防隊員に無事保護された。しかし、その後の調べで長野県警は耀司を両親の殺害と放火の容疑で逮捕した。司法解剖の結果、夫の胸部と妻の腹部にナイフの刺し傷があり火災発生時には死亡していたことか判明、火災も居間に灯油がまかれた形跡があり放火と断定された。凶器のナイフは事件の2日前に耀司が購入、また事件当日、父親と言い争う耀司の声を聞いたという近隣住人からの証言もあり、県警は逮捕に踏みきった。逮捕後、耀司は犯行について自供した・・・」

こうして・・・兄の耀司は服役し・・・妹の佳音は一人取り残されたのであった。

両親を殺害され・・・その犯人が・・・兄である少女がその後・・・どのように過ごしたかはまだ明らかにされないが・・・。

2007年・・・。バイト先で心無い仕打ちにあった・・・「犯罪加害者の家族だから失職」・・・アパートには毎日「親殺し出て行け」の張り紙・・・19歳の佳音は故郷を追い出されるように横浜に移り住むのである。

初回における未成年者に対する世間の心無い仕打ち

①誹謗中傷の張り紙を張る誰か

②出身村と名前だけでアルバイト先の喫茶店に過去を告げ口にくる客(松澤一之)

③事件の話を聞いただけで佳音を馘首するオーナー(須藤理彩)

④横浜で就職した「スマイルクリーン」という清掃員派遣会社に正体をばらしに来る雑誌記者・池田(豊原功補)

⑤たちまち佳音を馘首する「スマイルクリーン」経営者(筒井真理子)

⑥その時・・・窃盗の罪を佳音になすりつける先輩スタッフ・春江(宮崎美子)

⑦面会にきた佳音のせっかくのクリスマスプレゼントを時間がないからと目の前で開けない獄中の耀司

⑧写真を盗もうとした佳音の弱みに付け込んで無理矢理肩を抱いた音楽家・長崎殉也(北川悠仁)・・・それは・・・ちょっと違うのね。しかもぬいぐるみなのですれちがうし・・・置かれた贈り物をスルーである。・・・だから・・・まあ・・・いいか。長野少年刑務所仲間は斉藤さんでも改心させられなかったのか山田優の弟・山田親太郎・・・とにかく・・・脇役の布陣が・・・ちょっと豪華だな・・・。

それはさておき・・・シンデレラストーリーらしい本作品の王子様らしい長崎は・・・理由もなくもてるらしい。

①佳音・・・笑顔に一目惚れ。

②近所の女の子(八木)・・・プレゼントを持って待ち伏せ。

③年下の幼馴染・桜井美月(香椎)・・・ずっと狙っていていつかは落せる自信がある。

④幼馴染・瀬川昴(成宮寛貴)・・・一緒にナイトクルージングしたいほど好きらしい。

⑤寝たきり彼女・遠野聖花(内田有紀)・・・クマのぬいぐるみで死ぬほど笑うらしい。しかし、今は笑わない女らしい。

なんとなく魔性の男なのである。まあ・・・好色ではないみたい。とりあえず・・・ソースケを生み出したスタッフはなんとなく味をしめている気配が濃厚です。

一方・・・佳音の心は真夜中の火事のクリスマス・イヴに明らかに呪縛されている。

普通なら猟銃持ってきて銃殺してもいいようなあこぎな人々にも淡々と耐え・・・コンビニ弁当や・・・手作りお弁当を黙々と食べるのである。

その・・・明らかに仮面をかぶっているような表情。

しかし・・・行動はすでに・・・ちょっと妙になっている。

①笑顔の写真へのこだわり・・・焼け跡で発見した家族写真(両親は燃えて顔なし)を捨てられたことが原因か。

②こだわりから他人の母娘を盗撮

③アベックも盗撮

④捨てろと言われた他人のピンボケの家族写真を捨てない

⑤見ず知らずの長崎のアルバムから写真を盗もうとする

⑥それらの写真をコレクション

⑦どんなひどい仕打ちにも笑って耐える・・・後でひっそりと涙を流す

⑧写真をプレゼントしてくれた長崎のために「ピアノのオルゴール」を買ってクリスマス・イヴに玄関に笑顔でそっと置く・・・爆弾入りでもおかしくない描写である。

獄中の兄に「好きな人」(片思いらしい)ができた宣言をすると・・・獄中の兄はなぜか荒れまくる・・・深い理由があるのか・・・妹の春の訪れに性的興奮を覚えたのかは不明。ちなみに獄中では基本的に自慰行為は禁止である。夢精はどうするっ。

真犯人が別にいるとしたら・・・義道神父(内藤剛志)は特別出演的に怪しい。

とにかく・・・こうして堀北真希の付け毛やショートカットを堪能する月曜日がやってきました。すでに番宣で大サービスなのだが・・・どこまで御奉仕してくれるのか予想もつかない。

主題歌は「Eternally/宇多田ヒカル」である。

目の前にいる君が少し輝き

周りが見えない

私達はどこにいるの

I wanna be here eternally

誰にも見つからないところに

そうなのか・・・九歳の年の差なんて越えて・・・イノセント(処女)のラヴ(恋)は大人の階段登るのか・・・。その瞬間だけは永遠の・・・。あの暗く貧しい部屋で・・・。明日の私は幸せになれますか?

死んだ父親が(平田満)だとすると・・・その死には・・・重要な何かがあるだろう・・・近親相姦もあり・・・兄妹の血縁関係なしもあり・・・逆親子丼もあり・・・記憶喪失もあり・・・二重人格もあり・・・と思わせぶりぶりで・・・何もないことは充分にある・・・そのあたりがスカシのテクニシャンですから・・・。

まあ・・・王子様が耀司だった・・・というのがありえる逆転かしら。

関連するキッドのブログ『着信アリ

               『ラストフレンズ

                『出るトコ出ましょ!』

                 『花ざかりの君たちへ

                  『三丁目の夕日

水曜日に見る予定のテレビ『OLにっぽん』(日本テレビ)『相棒スタートSP』(テレビ朝日)・・・ようやくダンスか・・・遅いわっ。

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2008年10月20日 (月)

父に死なれ夫に死なれ息子に死なれ・・・それが篤姫じゃ(宮﨑あおい)あなたが泣かないから(堀北真希)

「日高義樹のワシントンレポート」は「太平洋分割・中国野望の真相」である。

これは米中親睦のためのウォー・カレッジ(中国の戦争学校)のパーティーで中国の提督が米軍の司令官に囁いた酒の席の話について・・・米国議会でも取り沙汰され・・・波紋を投げかけた・・・「中国が空母を整備した後はハワイ以東を米国がハワイ以西を中国が分割管理しよう」というとんでも提案の真偽について日高義樹がアメリカ太平洋軍司令官に質問する・・・という企画です。まあ・・・ある意味爆笑しつつ・・・背筋を寒くさせる話です。

もちろん・・・「中国にそんな能力はない」と一笑にふす司令官なのだが・・・「能力」はともかく中国にその「意図」がないわけではないとニヤリなのである。

まあ・・・中国はけして愚かな国家ではない・・・しかし・・・肥大しつつある自意識を持つ国家でもある。

そして主導権は中国と米国にあり・・・日本にはないというのがポイントである。

日本と沖縄県の関係を考えてみよう。沖縄の日本返還は・・・日本と米国の間の話であり・・・けして沖縄にイニシアチブはあるわけではなかったのである。それと同様のことが米国と中国と日本の間に絶対におきないとは断言できない。

その時・・・日本人は・・・「ポイしないで・・・」と泣きながら退場するのだろうか・・・。

その裏では映画「ICHI」の宣伝番組。綾瀬はるか欠乏症中なのでオアシスである。共演した窪塚洋介は綾瀬を「水餃子プラス炒飯で780円みたいな」と例えていた。悲しい女座頭市・・・按摩上下十八文である。

その直後に「機動戦士ガンダムOO・第三話」である。収容された仲間の奪還。メロウな戦術予報士の復活。ヒーローとヒロインの再会。強化人間の悲しきすれちがい。落下洪水強襲作戦・・・。もう文句のない面白さ。なぜ・・・ガンダムは面白くなってしまうの?

その裏では食糧危機啓発ドラマ「お米のなみだ」(奥田恵梨華・黒部進・出演)である。ハヤタ隊員が不作で自殺した米農家の父親の娘の病んだ心を癒しまくる小品。毒米関係者は正座して10回見ろやっ。

・・・っていうか・・・日曜日の夕方・・・充実しすぎだろうがっ。殺す気かっ。

そして・・・日曜劇場は「SCANDAL」(井上由美子・脚本)のスタートである。さすがである。鈴木京香、長谷川京子、吹石一恵、桃井かおり、戸田菜穂が一同に会し結婚式の夜にお会計を賭けた街でナンパ大作戦ゲーム・・・。沢村一樹はセクスィー浮気亭主である。加藤虎ノ介は国際的ピアニストである。小日向文世は底辺の刑事で、遠藤憲一はエロ医師である・・・面白いじゃねえか・・・困るのである。まあ萌え要素は荒井萌だけですが・・・。だが・・・怒涛の最終局面・・・「篤姫」に集中するぞ・・・ザクッとふとももにクナイを刺して正気に返るのだった。

で、『篤姫・第42話』(NHK総合081019PM8~)原作・宮尾登美子、脚本・田渕久美子、演出・佐藤峰世を見た。例によってシナリオにそったレビューはikasama4様を推奨します。ついに書き下ろしお龍(市川実日子)イラスト大公開。そして・・・旗揚げ、砲声、銃声、終戦という第二次長州征伐の描写にふはっとした人絶対必見・四境戦争・合戦模様完全解説・マップ・ドム・ザク・百式・ゲルググ・戦術予報士・クワトロ・ホワイトベース・マイスター・黒い三連星・参戦大名家総覧・戦況推移・勝敗因分析・総解説・大図解つきでございます・・・まことにご苦労様でございました。もちろん・・・涙のセリフも完全収録です。

Atuhime1866 で・・・ドラマ的には錯綜するが・・・慶応二年一月(1866年3月)に寺田屋龍馬襲撃事件が起こる。この寺田屋があの寺田屋であることは言うまでもない。伏見奉行の配下によって包囲された龍馬だったが負傷しつつも脱出し・・・すっ裸のお龍とともに薩摩藩邸に逃げ込んだ。その後、薩摩藩内に逃亡するのだが、その時はお龍は着衣していたらしい。・・・。

その頃・・・すでに幕府の全権大使として老中・小笠原長行は「長州処分」のため、最前線の広島に到着している。しかし・・・ここから・・・長州は延々と引き伸ばし工作をして時間を稼ぐのである。結局・・・長州が降伏の意志がないことを悟るまでに一ヶ月近くを要している。その後に・・・幕府は開戦準備を行い・・・準備が整ったのは慶応二年六月であった。

幕府は四つの拠点に兵力を集め、侵攻を開始するのだが、それは一斉侵攻とは程遠い集中力のなさではある。六月初旬・・・周防大島に侵攻・・・世良修蔵軍に撃退される。六月中旬・・・芸州小瀬川に侵攻・・・井上聞多軍に撃退される。七月上旬・・・石見国を突破した大村益次郎軍に逆襲され拠点である浜田城炎上。

そして七月二十日に将軍・家茂死去である。小倉口を担当していた小笠原長行は七月末日に軍艦富士山丸で大阪に逃亡。八月一日小倉城炎上である。

将軍の死は秘せられたがだだ漏れだった。とにかく幕府軍は完敗したのであった。

話は京都・伏見寺田屋の夜に遡る。

夜の闇の中に二つの影が浮かび上がる。

月光に照らされた忍び装束の篤姫と源蔵だった。

「奉行の林(請西藩主)が坂本を捕縛するようです・・・」

「ふふふ・・・まさか・・・捕まるようなことはあるまい」

二人は蔵屋敷の屋根にいた。その時・・・爆音が響いた。路上の捕り方がお龍の投げた手投げ爆薬で空中に浮かぶ。仕込まれた破片で切り刻まれた捕り方の体から鮮血がほとばしる。しかし・・・闇の中なので漂うのは火薬の匂いと血の匂い・・・そして息のあるものの絶叫である。

「派手なことをするの・・・」

「案の定・・・こちらに来ますぞ」

入浴中を襲われ全裸のお龍の白い裸身が闇に浮かぶ。坂本龍馬とお龍は屋根伝いに伏見の薩摩屋敷を目指していた。その逃走経路に篤姫と源蔵が立っているのだ。

手前で気配を察した龍馬は跳躍に移ろうとしたお龍を制止する。お龍は無言で地雷火に着火しようと火種をかざす、その手に源蔵の伊賀十字手裏剣が飛んだ。手首を撃たれ・・・取り落とされた地雷火は落下して屋根を転がり落ちる。

龍馬は懐に手をいれかけ・・・相手の正体に気がつく。

「・・・源蔵・・・いや・・・服部半蔵か・・・わしを・・・獲りにきたのか」

「こちらの方が・・・御用がおありなんで・・・お待ちしてました・・・」

「こりゃ・・・難儀なことをするもんじゃな・・・たまげたきに」

篤姫は一瞬で覆面を解いた。黒髪がこぼれる。春の夜風が吹きすぎる。

「坂本龍馬・・・妾はお篤と申す」

「なんと・・・天璋院様・・・噂に聞いたがこりゃ・・・凄まじいお方じゃ・・・江戸の大奥にいるお方が・・・京都の蔵の屋根の上にお立ちとは・・・もうおったまげじゃ」

「坂本龍馬・・・御主が陰謀・・・いろいろと面白い・・・妾は問いたい・・・御主はこの国をどうするつもりかの・・・」

「ほげっ・・・こりゃ・・・鯨のようなお方じゃ・・・どうするもこうするも・・・なるようになりますじゃろ・・・わしゃ・・・ちょっとそれを後押しするばかりじゃきに・・・」

「ほう・・・」

「いくさは強いものが勝つ・・・いくさがいやなら弱いものはこらえる・・・逃げるのも手じゃけど・・・逃げ場のないものはこらえるしかないきに・・・今・・・日の本は餓えた狼にあちこち囲まれた鹿のようなもの・・・このままじゃ・・・餌になる他・・・道なしじゃ・・・」

「ふむ・・・」

「こりゃ・・・もう・・・ガッチリ握手をしなきゃならん・・・しかし・・・武士にはそれができん・・・わしゃ・・・握手のできるもんが・・・力を合わせて・・・世直しないと・・・どうにもならんと思っちょります」

「そのために・・・喧嘩をするか・・・」

「喧嘩を仕掛けたのは幕府です・・・まあ・・・要するに腐ったものらが・・・狼の手の中で踊らされているんじゃ・・・青い目をした・・・金髪さんにの・・・」

「丸くは収まらないものか・・・」

「わしゃ・・・そうしようといつも思ってましたぜ・・・たとえ・・・幕府がなくなったとて・・・幕府に使えるものとそうでないものが・・・握手ができればいいのですき」

「そうか・・・幕府を倒すか・・・」

すでに・・・篤姫の目は爛々と輝き出していた。

「ふふふ・・・天璋院様・・・邪眼の法は聞きませんぜ・・・なにしろ・・・明智流忍者は・・・人ではありませんからな・・・」

一瞬、篤姫は虚をつかれた。坂本がやにわに着物の帯を解いたからである。

「総髪にして髪を後ろで束ねることをメリケンではポニーテールというそうです。馬の尻尾ってことなんじゃ。この坂本・・・この髪を解きましてもシッポがなくなりませぬ。この髪はタテガミになります」

次の瞬間、間合いをとるために篤姫は跳躍した。一瞬で坂本の姿が何か巨大なものに変化したからだ。

一軒離れた屋根の上には巨大な白馬が立っていた。

白馬は一言いななくと・・・背にお龍をのせ・・・篤姫の頭上を跳躍して越えていった。

京都伏見の屋根の上を瓦を蹴散らして走り去る白馬。

篤姫はすでに笑っていた。

「面白いのう・・・あの者は・・・面白い」

源蔵が震える声でつぶやく。

「篤姫様・・・あれは・・・」

「神法じゃ・・・しかし・・・馬とはな・・・しかも・・・白馬じゃぞ・・・大阪城の公方様にいい土産話ができたわ・・・半蔵・・・まいるぞ」

二人の姿は闇に消えた。

その闇の中にひっそりとうずくまっていたものがある。

身なりは渡世人・・・博打打の風体だが・・・篤姫と源蔵から気配を読まれぬだけでも只者ではなかった。それは元の左近中将岩倉具視だった。

「ふふふ・・・まさに馬の骨や・・・そう簡単に世の中・・・移りますかいな・・・」

岩倉は背を丸めると春の夜風の中を歩きだした。

その風が夏風に変わる頃・・・長州周辺では先端が開かれたのである。

すでに篤姫は江戸に戻っている。江戸周辺に異国のものに買われた忍者が出没するようになったからだ。

大阪城本丸の家茂の元へ・・・源蔵が姿を見せたのは・・・苦戦する幕府軍の浜田城が陥落した翌々日のことだった。

「・・・異国に忍者が転ぶか・・・」

「本来・・・忍びのものは国を持たぬみのゆえ・・・野にあるものには・・・それも身過ぎ世過ぎでございまする」

篤姫からの文を読み終えた家茂の問いに半蔵が答える。

「主も持たぬか・・・」

「いえ・・・主は持ちまする・・・それに古にはしのびの宗家があったと申しまする・・・前に天璋院様がお話しの・・・神法使いなどは・・・申せば・・・宗家の血筋なのでござりまする」

「ほほう・・・すると・・・しのびは元は馬か・・・」

「いえ・・・馬には限りませぬ・・・というより・・・馬などというものは・・・本筋のものではないと伝えられまする・・・」

「ほう?」

「本来・・・しのびのものはオオクチノカミ・・・すなわちオオカミに使えまする・・・また・・・あるものは・・・クマにつかえるとも申します」

「ふむ・・・カムイのものじゃな・・・」

「流石は上様・・・ご存知ですか・・・」

「勝を知っておろう。勝はな・・・実は・・・イヌカミの一族なのじゃ・・・あれは・・・お庭番でも公儀隠密でもなく・・・大御所様の使い番なのじゃ・・・これは秘中の秘じゃぞ・・・犬養の一族の犬には神の犬がおって血に神の種を潜ませているそうじゃ・・・勝の一族は・・・子供の時にその犬にな・・・ふぐりを噛ませるそうじゃ・・・だからイヌカミの一族と申すそうだ。・・・かように勝がホラを吹いておった・・・面白い男よな・・・」

「・・・上様・・・それは・・・まことですか・・・」

「なんじゃ・・・血相を変えて・・・」

「すると・・・勝安房守様は・・・犬男でございまする・・・」

「満月の夜に犬に変り身するのです・・・」

「ふふふ・・・お前も・・・笑わせるのう・・・」

「・・・」

その時・・・半蔵の鼓動が高まった。殺気を感じたのである。

本丸の広間の周囲に静寂が広がっていた。

正面の襖が開く。そこには将軍後見の徳川慶喜が立っていた。漆黒の異様な裃を身に纏っている。

「・・・慶喜・・・どうした・・・」

「ふふふ・・・血のお話しに誘われました・・・」

「慶喜・・・」

「ナポレオン三世は幕府に・・・武器弾薬を与えてくれましたが・・・拙者には・・・もっといいものをくださいました・・・」

「何をいっておる・・・」

「それは・・・栄光につつまれた血脈なのでござる・・・その血を受けたものには・・・暗黒の力が宿るのでござる・・・ふふふ・・・公方様にもご披露いたそう・・・」

慶喜の背中に羽根が生えた。それは邪悪な黒いコウモリの翼だった。

「公方様・・・その身にのしかかるまつりごとの苦しみを拙者が散じてつかまつる」

半蔵は本能的に家茂を守る姿勢をとった。その瞬間、半蔵の首が宙を飛んでいた。

慶喜は脇差を抜刀していた。半蔵ほどのものがその動きを察することもできない早業だったのである。

慶喜は口からキバをのぞかせた。その目は血の色に染まっている。(つづく)

関連するキッドのブログ『第41回のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『オーマイ・ガール!! 』(日本テレビ)『セレブと貧乏太郎』『チーム・バチスタの栄光』(フジテレビ)

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2008年10月19日 (日)

おっぱいさわらせるってこってす・・・ちっ(加藤あい)さらわれるってこってす(川島海荷)多元的ってこってす(加護亜依)

土曜の夜も・・・「ブラッディ・マンデイ」→「スクラップ・ティーチャー」→「ルーム オブ キング」→「トンスラ」(ちなみに加護は吉高由里子のライバル作家役)とカタカナのパレードなのであるが・・・「部屋の王」と「ハゲ」の後には「アグリー・ベティ」が続いている。

「部屋の王」は鈴木杏の演じる主人公が・・・かわいいヒロインなのか・・・ふつうのヒロインなのか・・・ブスのヒロインなのか・・・ポジションが曖昧すぎて困るのである。「ハゲ」では修正不能なイビツさを持つ温水の狂った美的感覚が・・・一般的なブスに惚れ一般的な美人に冷たくするという話で・・・美醜の問題に深夜だから容赦なく触れる・・・しかし・・・その後で「アグリー・ベティ」である・・・もう・・・これは思いっきり醜女(しこめ)が主人公なのである。ある意味・・・腰が抜けました。そうなんだよな・・・今の鈴木杏なら「アグリー・ベティ」の主人公ができるのになぜそういうものを作らないのかと・・・問いかけてくる夜だった。

まあ・・・そんな・・・ミもフタもないことにこだわってもろくなことにはならないと思うけれど・・・思ったままを正直に書いてみました。

で、『新垣結衣スペシャル』(NHK総合081018PM0350~)を見た。・・・そこかよっ。アルバム「そら」、シングル「Make my day」「赤い糸」と続く新垣結衣の音楽活動にしぼった形のドキュメンタリーである。ものすごく唐突だが説得力ある番組になっている。しかも楽曲はほぼ触りだけを流すという・・・まるでプロモーションビデオのような内容だ。しかし・・・素材が新垣結衣なので・・・十代最後の女性スターの人間ドキュメントとして成立しているという作品である。

「そら」というアルバムのコンセプトについて・・・新垣が「もしも・・・なぜそらなのかと聞かれたらコメントに困る」というあたりから・・・モデルから女優へ「与えられた役割」をこなしてきた少女が・・・脱皮しようとするあがきを感じさせるのである。

「そらって・・・ぬくもりがある・・・って太陽だけど・・・雨が降れば冷たいし・・・でも雨は生き物に必要でしょう・・・それにコロコロ変わるし・・・そういう感じってどうかな?」

ココロとはコトバである。作詞にチャレンジしながら・・・少女は「どこにもいない自分」を見つけだそうと苦悶する。それは「ひかり」と「そら」という二曲に仕上がる。

女優としてかかわった「恋空」の主題歌「heavenly days」の収録では役の感情が涙となって噴出す一幕もある・・・スタッフたちは「緊張か?」と問うが「気持ちが募った」と答える新垣。コントロールできない心との格闘なのである。

「与えられてお膳立てされた仕事をこなすときに最初から自分がいないことで・・・終ったときにもやもやしたものが残る」

キッドが思わず心を撃たれたシングル「Make my day」はその後の曲だ。

最初に新垣が「自分の心の中にあるもの・・・そうなりたい自分」をメッセージとして書き、それを元にシンガーソングライターKeito Blowが楽曲にしたという手順。

その震える感性は20歳を迎えた新垣のどうしようもなく大人になっていくココロを結実させていると思う。

素材としての新垣結衣の「よさ」を実感できる番組でした。

で、『ブラッディ・マンデイ・第二話』(TBSテレビ081018PM0756~)原作・龍門諒、脚本・蒔田光治、演出・波多野貴文を見た。「あなたはだあれ?」のつづきである。女医(宮澤美保)はあっさり死体となっていました。二週連続で誘拐されるファルコン(三浦春馬)の妹・遥(川島)・・・警備陣は経験から何も学ばないのか・・・。

そして二週連続・妹の命を人質にとられ・・・テロリストの命令を実行するファルコンである。・・・まあ・・・笑うしかないですけど。

たちまち・・・ピンチに陥るマルサン(特殊三課)・・・まあ・・・すごいトリックが一つは隠されているわけだが・・・その正体を知るまではもはや間抜けの物語である。

①犯人はなぜファルコンを妹とともに誘拐し・・・監禁して・・・常時命令しないのか。

②マルサンはなぜファルコンと妹を軟禁しないのか。あるいは処理してしまわないのか。

誰か教えて・・・。

そして・・・犯人の要求はロシアのテロ画像を消去せよだった。

その理由は今のところ・・・マヤ(吉瀬美智子)が見切れていたからである。

そのために・・・マヤが素顔をファルコンにさらしているのでは・・・無意味なのでは?

そして・・・とにかく・・・ウイルステロ戦争の最中・・・オレが守ると誓った妹を一人残して学校に登校するファルコン・・・まあ・・・爆笑するしかありません。

そして・・・最初の犠牲者サネイエ(江口のり子)は死亡である。

さらにマヤはファルコンに正体を見抜かれ・・・拳銃を取り出すのだった。

まあ・・・少年マンガですから・・・勘弁してあげてください。

で、『スクラップ・ティーチャー・教師再生・第二回』(日本テレビ081018PM9~)脚本・水橋文美江(他)、演出・南雲聖一を見た。「女王の教室」の桃、「演歌の女王」で貞子をいじめる役、「わたしたちの教科書」の麻衣である伊藤沙莉。抜群の演技力だが・・・地味な顔立ち・・・この後で・・・「部屋王」「トンスラ」「アグリーベティ」と続く美醜論の前フリのような登場である。志田未来、福田麻由子、成海璃子と代表的な少女三人と絡んでいる彼女のポジションは由緒正しい脇役人生だが・・・今回はゲストスターだ。比較対象がなければ彼女の表情は群を抜いていて演技派であることがわかる。ジャニーズの坊ちゃんたちをしっかり支える名演技なのである。

万引きをした大崎(伊藤)・・・しかも再犯である。しかし・・・生活指導の高須(八嶋智人)は処分をせずに・・・万引きをなかったことにしてしまう。

テヘっと笑う大崎だが・・・せっかくのゲストなのに・・・このままではもやもやしてしまうとばかりに街をさすらい・・・不良たちの餌食になるのである。

大崎の心情を案じて尾行した久坂(中島裕翔)も「いつもの倉庫」に連れ込まれてしまうのである。

スーパー中学生を「おっぱい触らせてあげる」と誘惑したが逃げられたハケン教師・滝(加藤あい)はそんな二人を尾行していてSOS発信である。

その頃・・・スーパー中学生たち(山田涼介・知念侑李・有岡大貴)は高須をフリーキックでしごいて「無様だな」と根性たたきなおし中である・・・こういうパターンか。

そして・・・杉(上地雄輔)が体を張って生徒を守っているところに乱入するスーパー中学生たち。街の不良を壊滅である。ケンジ(松岡昌宏)よりも若い切れ味のある殺陣でした。

ま・・・爆笑の加藤あい・・・以外は・・・すごくはありませんが・・・子供が喜ぶ要素と大人が納得する倫理展開はしっかりあります。このあたりが日本テレビのドラマで視聴率トップの実力・・・そうなのか・・・。

まあ・・・土曜日ですから・・・。加藤あいと加護亜依が両方見れる日本テレビだし・・・。もう・・・なんだかなあ・・・という気分にはなります。

関連するキッドのブログ『先週の土曜日のレビュー

月曜日に見る予定のテレビ『イノセント・ラヴ』(フジテレビ)

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2008年10月18日 (土)

指名フラッシユ!(原幹恵)だまされたらだましかえす・・・それが流星の絆!(戸田恵梨香)

・・・ふう・・・なかなか・・・困るよね。「ギラギラ」→「流星の絆」→「サラリーマンをなめんなよ金太郎」→「レオナ爆発メン☆ドル」と見逃せない展開になっている・・・っていうか・・・一日一本の誓いはどうしたぁっ!

だから・・・とりあえずレビューは「多岐川華子鑑賞メン☆ドル」と「久しぶりに切れちまった金太郎」はやらない。

しかし・・・とりあえず・・・「ギラギラ」と「流星の絆」の二本立てはやる。

「ギラギラ」は荒井修子→原幹恵→戸田恵子だし、「流星」はクドカン→中島美嘉→戸田恵梨香で・・・もう食いつくしかないのである。・・・そこかよっ。

ちなみにかけだしの芸人がドラマに参加すると不快になるキッドだが設楽統は別格。ホストという人間のクズをあつかったドラマは基本的に嫌いなキッドだが・・・今回は二つともホストがらみであるが・・・真摯に受け止めることができた。やはり・・・どんな素材も料理次第ということなのだろう。

「ROOKIES」は視聴率はともかく・・・役者の見本市としては成功しているのだろう。「ギラギラ」には五十嵐隼士が、「流星」には桐谷健太がキャスティングされている。

で、『ギラギラ・第一話』(テレビ朝日081017PM9~)原作・土田世紀、脚本・荒井修子、演出・高橋伸之を見た。基本的に女性の性の捌け口であるホストクラブに現場に顔を出す女性オーナーは異端であると思うが、園部(真矢みき)であるのが妙である。男であるのだな・・・女だが・・・男なのだ・・・脚本家はそういう変態が得意だから。

お話しはものすごいベタです。

伝説のホストだった七瀬公平(佐々木蔵之介)が桃子(原沙知絵)との結婚のために・・・引退・・・サラリーマンになるが36歳でリストラされ・・・業界に戻ってくるという話である。

六本木の古巣のホストクラブのオーナー・園部は難色を示すが・・・現在のナンバーワンホストであるイーグル(五十嵐)は底意地の悪い興味を示して・・・一週間で三人の指名客を獲得できたら・・・復帰を認めるという条件を出す。

女を金づると言い切るイーグルに・・・お客様を癒すのがホストの勤めですとアピールする公平。「体」と「心」の勝負である。

もちろん・・・愛妻家の公平は・・・妻に貞操を奉げているので体で御奉仕は厳禁なのである。

ま・・・つまり・・・そういうファンタジーなのです。

さて・・・ホストクラブにもピンからキリまであるが・・・客筋は①有閑マダム②もてない女実業家③荒んだOL④水商売の女というようなジャンルが想定される。もちろん、金で性を買うビジネスであるので客は金を落とす客ほど良いのである。

イーグルの恋人的存在の客である小夜(原幹恵)は一見、キャバクラ嬢モードのキューティーハニーのようであるが・・・実はエステサロンの経営者である。上筋の客だが・・・イーグルにとって金づるの一人にすぎない。その心のなさに疲れを感じていた小夜にそっと忍び寄る癒しのテクニシャン・ラクダ・・・ではなくて公平。

そして・・・いかにも・・・金には縁のなさそうな中年女・美砂(戸田恵子)・・・。

さらには・・・謎めいた銀座のナンバーワン・ホステス・優奈(芦名星・・・ブラッディ・マンデイでは南海かおる)・・・。

この三人が出た時点でもう・・・最後の瞬間まで展開が読めるのであるが・・・そういうベタさが最高なドラマである。

ゲームの締め切り間際・・・。

①優奈 ②小夜(イーグルから指名変更) ③美砂(実は化粧品会社のオーナー社長)

と言う順番で公平を指名である。

・・・かくて・・・六本木の夜に伝説のホストが再臨・・・なのである。

早くも公平の弟子志望の翔児(三浦翔平)を始め・・・ホストな俳優勢ぞろいである。ようするにミもフタもない「ごくせん」なのだった。

そんな六本木の夜を・・・銀座の大将・葛城(石橋凌)と新宿の帝王・堂島(平泉成)が虎視眈々と狙っているのである。

こうなると・・・財前直見とか上川隆也とか伊東美咲とか沢村一樹とか一色紗英とか長嶋一茂とか木村多江とか妻夫木聡とか横山めぐみとか・・・それは「お水の花道」か・・・。

で、『流星の絆・第1回』(TBSテレビ081017PM10~)原作・東野圭吾、脚本・宮藤官九郎、演出・金子文紀を見た。犯罪被害者遺族のその後を扱ったミステリーで・・・この脚本家でいいのか・・・という疑問は誰にもあると思うが・・・「池袋ウエストゲートパーク」だって連続殺人犯の話だったのである・・・だからいいと思う。まあ・・・数字は別として。

ちなみに・・・原作者は大阪府大卒業、演出家は二人とも早稲田である。クドカンは日大中退なので・・・心情的には社会の底辺に一番近いのであり・・・だから「心」はあると予想されるのである。

なんといっても・・・本編の主人公たちは両親を殺害されて施設で育った三兄妹である。

長男・有明功一(二宮和也)を「かわいそ村の村長さん( ´・ω・`)」と呼ぶ弟・泰輔(錦戸亮)と妹・静奈(戸田恵梨香)だが・・・二人もまたかわいそ村の村民であることに変わりはない。

その心に潜む傷跡の深さをドラマは淡々と語っていく。

雨上がりの夜空に流星群が舞う夜。父親(寺島進)と母親(りょう)の目を盗み・・・功一(斉藤隆成)、泰輔(嘉和一星)、静奈(熊田聖亜)の三兄妹(静奈は母親の連れ子だが本人はそれを知らない・・・)は家を抜け出して・・・横須賀港を見下ろす丘に登った・・・そして悲劇は起きたのだった。子供たちの両親は何者かに惨殺されたのである。

それから・・・14年・・・殺人罪の時効まで後三ヶ月という時に・・・捜査の担当だった柏原刑事(三浦友和)は東京のカレーショップで働く功一を訪ねてきた。

世間話をして・・・帰っていく刑事を見送る功一の目には不満がくすぶっていた。

「警察なんか・・・信用できない・・・犯人は・・・いつか自分がぶっ殺す」と功一は心に誓っている。

そのためにいざという時にそなえて・・・弟や妹と疎遠を装うこともしているのだ。

現在の日本では復讐のための殺人も犯罪だからである。

横須賀に戻った柏原は後輩の萩村刑事(設楽)に「あの三姉妹ももうバラバラになったようだ」・・・と往時を忍ぶ。しかし・・・当時新米だった萩村は・・・事件の起こった洋食屋「ありあけ」の料理の味も忘れているのだった。

しかし・・・三兄妹は固い絆で結ばれている。

育った施設の園長・林(尾美としのり)が経営するカレーショップで働く長男。レンタルビデオ店で働く次男。そして・・・一流企業を退職したばかりの・・・長女。

この妹の話が・・・やや・・・現実を離れた幻想のように展開していくのだが・・・すべて事実なのである。

最初は「会社を辞めた表向きの理由」である。ポストイットで注意をしすぎる上司・高山久伸(桐谷)が「ワードとエクセルおぼえろ」とか「朝シャンの匂いきつい」とか「仕事なめてる」とか「キーボード汚い」とかデスク周りはおろか衣服、さらには顔面までポストイットを貼り付けるので静奈は高山の顔面に「辞職」を貼り付けたのだった。

しかも・・・資格商法の詐欺にひっかかった静奈は三十万円を騙しとられてしまう。

キャンペーンガールとして「私も使ってます」と避妊具配りまでしてためたお金を失った妹を哀れに思う兄・功一は・・・復讐計画を立ち上げるのである。

その計画とは・・・執拗な張り込みで詐欺師の桂木(池津祥子)を発見・・・その祥子が入れあげるホストの一矢(杉浦太陽)から騙し取ろうという荒唐無稽なもの。

しかも・・・そのために・・・泰輔はホストクラブに潜入し・・・静奈はウサギのフリカケが熱を出したので病院を捜す体の弱い妹キャラ栞に変装して・・・一矢の心を獲得するという大胆不敵な展開である。

普通なら「そんなことができたらよかったよね」という場面だが・・・事実なのである。

「大好きなお兄ちゃんへ・・・栞はカナダに行くことになりました・・・念のためカナダの住所と口座番号を書いておきます」という手紙を読んで30万円を振り込む一矢だった。

そんなバカな・・・とついていけないお茶の間多数だと思うが・・・甘く見てはいけないのである。

彼らの心の傷は深いのだ。これから・・・彼らは詐欺の常習犯となっていくのである。

静奈が会社を辞めた本当の理由は過去を知るものが社内にいたからであった。

犯罪被害者は好奇の目にさらされるのである。そしていたたまれないのである。

だが・・・何気なく淡々と語られる物語の中にはすでに伏線が張り巡らされているのである。

たとえば・・・単純にハヤシライスと林ライス(林オリジナルまかない飯=納豆目玉焼きゴハン)という一発ネタのためにゲスト登場したように見える店の客・戸神(要潤)も実は重要なレギュラーキャラクターなのである。

まあね・・・とにかく・・・悲しいミステリーなのに笑っちゃうのは不謹慎だとは思いますよ。

でも・・・面白いときは笑った方がいいのです。

恐ろしい犯罪も・・・日常と日常の隙間にある非日常にすぎないからです。

キッドは・・・「ウサギの刺繍のハンカチ」で爆笑しました。

関連するキッドのブログ『先週のレビュー

               『コード・ブルー

               『キューティーハニー THE LIVE

日曜日に見る予定のテレビ『機動戦士ガンダム00』(TBSテレビ)『篤姫』(NHK総合)『SCANDAL』(TBSテレビ)

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2008年10月17日 (金)

七瀬サン、私ハアナタノ賛美者デス。(ジェロ)

・・・じゃないのかよっ・・・と思いました。・・・ネタだろっ。

ああ・・・できれば「七瀬ふたたび」を倉本さんでやってほしかった。・・・どうして・・・日本人はSFを重厚に作るという発想ができないのだろう。「七瀬ふたたび」脚本・倉本聰に・・・やらないって・・・監督・黒沢明で・・・お亡くなりだって・・・そうですか。

それにしても・・・フジテレビは「チームバチスタの栄光」→「風のガーデン」で・・・木曜日はテレ朝が「小児救命」→「風のガーデン」である。医者ばっかりじゃん!・・・他にも「ルーム オブ キング」の女医(井川遥)とか、「ブラッディ・マンデイ」の透析担当医(宮澤美保)とか、「SCANDAL」の整形外科医(遠藤憲一)とか・・・ドラマ界に医師不足なし・・・である。

まあ・・・刑事と医者がいなかったら・・・ドラマ成立はむずかしいよねえ・・・。しかし・・・またしても「おみやさん」レビューならず・・・。そこそこ面白いけどね。

木曜日のドラマは①「風のガーデン」↘18.0% ②「おみやさん」14.8% ③「わたる世間は鬼ばかり」↘13.1% ④「小児救命」*9.6% ⑤「七瀬ふたたび」↘*5.2%・・・わはははははははははははは・・・。⑥「夢をかなえるゾウ」↗*4.7%

で、『七瀬ふたたび・第二回』(NHK総合081016PM8~)原作・筒井康隆、脚本・伴一彦、演出・笠浦友愛を見た。もはや・・・多次元ワールドの「七瀬」である。それにしても脚本家はどちらかといえば辻褄あわせが苦手のようだし・・・ある意味、適当な人みたい。緻密な超能力ドラマには不向きであることはまちがいない。まあ・・・ベテランだしラブコメは得意なんですけどね。ま・・・最近はラブコメも失敗してましたけどね。まあ・・・年も年だし仕方ないよな。

その証拠に精神感応力のある子供に「ねえ・・・どうして?」と質問するセリフを書くのである。聞く前に心を読むわな。

まあ・・・色々と唐突だったり・・・残念な部分もあるけれど・・・実写版七瀬が見れるだけで幸せを感じるしかないのだな・・・そればっかだな。

さて・・・超能力について簡単に述べておく。「それが実在する以上、超能力は単に能力にすぎない」という考え方がある。まあ、ある意味ロマンがありません。超能力を持つ人間が人類であるかどうか・・・という種の問題から・・・新人類という名称が生まれ・・・その系列にニュータイプがある。また・・・目に見えない力という意味で霊と関係づけ、霊能力という言葉も出てくる。また超能力は省略形であるという発想から超自然能力という概念もある。スーパー・ナチュラルパワーである。作家によっては「シャイニング(輝き)」という表現を使い・・・これはある意味宗教的だ。もちろん悪魔の力としてのダークパワーも対応している。日本語で言うなら神技である。超能力を研究する学問が超心理学だったことからサイキックという言葉もある。超能力者と狂人は紙一重なのである。

・・・まあ・・・要するに・・・超能力者についての妄想は定番ということです。

キッドは「未知能力」という言葉を造語したことがあります。つまり「知られざる力」です。まあ・・・これも・・・実在するとなると「知られた力」になってしまうわけです。

最高の超能力とは何か・・・という問題はこの手のゲームではよくあることですが・・・一つには願望達成能力というものがあります。つまり・・・望みがすべて叶う超能力です。そうなるともはや神に等しい存在になり・・・人間の持つ能力と言えるのかどうかは謎なのです。

テレパスの七瀬(蓮佛美沙子)と朗(宮坂健太)は予知能力者・岩淵(塩谷瞬)の未来幻視を読み取り・・・崖崩れによる列車事故から逃れる。考えられないほどモタモタしていたためか・・・崖崩れが起こるような場所の最寄り駅で山手線なみのダイヤで運行されているためか・・・ねえ・・・次の列車に乗り、岩淵を連続殺人事件の犯人と疑う刑事・高村(市川亀治郎)に七瀬は郎と一緒にいるところを目撃されてしまう。

まあ・・・ある意味・・・高村刑事は・・・犯罪に関する直感という超能力を持っているのである・・・と考えることもできます。

なぜか・・・施設に子供を預ける人間を悪い人に描けないこの世界では・・・事故に巻き込まれた朗の叔母を死亡させず・・・「駅を間違えて降りた」というウソで朗は叔父の家に戻っていきます。

事故の被害者の言動から・・・七瀬の不可解な行動を知った刑事たちは・・・朗のルートから・・・七瀬の所在をつきとめます。そして・・・どんな事情聴取をしたのか・・・。

七瀬は「不吉な怪物」という風評被害に遇うのです。・・・ここもすごい唐突だったな。原作読んでなきゃ・・・七瀬の周囲の人々が集団発狂したとしか思えない。なんてことするんだよ。

とにかく・・・七瀬は故郷にいたたまれず・・・東京に旅立つ。

そのために美容師の瑠璃(柳原可奈子)が設定されているのだ。ちなみに瑠璃は心の底までいい人なのだが・・・そんな人はいないのである。

これと同じく・・・岩淵も根っからの善人である。七瀬に心を読まれるのがイヤで逃げ回ったりしないのである。さらにヘンリー(郭智博)は七瀬を見るなり(岩淵の恋人)と疑ったり、さらにはしゃべります・・・ああ・・・もう耐えられないほどの改悪だが・・・実写版七瀬を・・・もういいか。

七瀬は研究室に父親の助手だった・・・科学者・漁藤子(水野美紀)を訪ねます。そこで岩淵が・・・研究のために集められた子供の一人だと知るのです・・・ああ・・・本当にイヤだ。でも実写・・・。

一体・・・父親は・・・何をしていたのか?・・・新生活のために預金を解約した七瀬は貸金庫の中に眠る父親の研究ノートを入手。すでに七瀬が超能力者であることを示してしまった藤子にノートを預けます。

もはや・・・藤子が・・・心を隠している可能性もでてきましたが・・・どうするつもりなんだろう。なんだか・・・とても不安だなぁ・・・。

ちなみに藤子は原作では時間遡行者です。ああ・・・久しぶりに言いますがキッドはネタバレとかには一切注意を払っていませんのであしからず。

神様・・・どうか脚本家が素晴らしい深謀遠慮でアレンジしている結果でありますようにと祈りたい気分です。

ちなみに・・・時間遡行者はタイムトリッパー(例・時をかける少女)ですが、本人がそのままま過去に移動するという超能力で・・・女子高生だけど老けているというのが原作の素晴らしいアイディアになっています。そういう意味では科学者に見える藤子は実は女子高校生かもしれないのです・・・違うと思うけどね。

それにしても水野美紀ももう34歳か・・・時の流れるのは早いなあ。

実は「七瀬ふたたび」は岩淵の未来予知能力と藤子の時間遡行能力が対となって重要な時間についての哲学的なポイントになっています。このままの設定だとそこが描かれない可能性が・・・実。

さて・・・ここで・・・朗が瑠璃の家で暮らし始めた七瀬を訪ねてきます。

超能力の先輩である朗は七瀬に「能力の使い方」を教えに来たのです。

ドラマでは説明されませんが・・・朗は「検索能力」を持っているようです。周囲のすべての表層意識情報(以後、意識波と略す)を窓を閉めること(イメージです)シャットアウトし・・・必要な情報だけをフィルター付換気扇から(イメージです)取り入れるのです。

犬の嗅覚による追跡で例えてみましょう。人にはそれぞれ個性的な意識波があります。七瀬と接触したことで朗は七瀬の意識波を認証し・・・周囲にうごめくあらゆるノイズの中から七瀬の意識波だけを特定できるのです。朗は拡散している七瀬の意識波をたどり・・・より意識波の強い方向へ自分を移動させ・・・ついには発信源にたどり着くのです。

「お姉ちゃんの特定なんて簡単だよ・・・ボクから逃げようたってダメさ・・・だって地球は丸いのだもの・・・」・・・っていうか脚本家お願いだからそれなりに解説してくれ。

朗の名コーチで群集を前にしても耳鳴りのような情報の洪水に溺れなくなった七瀬はさっそく・・・岩淵に会いに行きます。もう・・・恋しているのに逢えない二人のロマンスをどうしてくれるんだ。

二人が・・・お互いの素性について情報交換している最中に高村刑事がまたしても来訪。

岩淵はとっさに七瀬を隠します。っていうか・・・七瀬は刑事が接近しただけでわかるだろう。・・・ずっと窓を閉めきりなのか・・・。

その時・・・岩淵に・・・殺人事件の予知の衝撃が・・・。岩淵は「赤いドレスの女が殺される」と警察に匿名通報。

今度こそ・・・犠牲者を助けようとマジックで刑事の目をごまかし・・・現場にかけつけますが・・・またしても犯人を取り逃がし・・・現行犯逮捕。女は重傷です。しかし・・・凶器は発見されません。

高村刑事「犯人はお前だな・・・」

岩淵「・・・凶器のナイフはどこだよ」

高村「お前のマジックで・・・」

相棒の刑事「・・・それは・・・報告書に書きますか」

岩淵「なんで赤いドレスの女をマークしなかったんだよ」

高村「それは・・・無理だろう」

相棒「無理っす・・・」

岩淵「無理なの?」

相棒「予知したんだろう?」

二人「えーっ・・・そのセリフは無理」

岩淵「あ・・・七瀬が危ないっ」

その頃・・・七瀬は現場で犯人と接触・・・心を読んで尾行していた・・・が・・・見失う・・・なぜだ・・・そんなこと不可能だろう・・・そして犯人にナイフをつきつけて「悟りの化け物攻撃」である。お前の心は読んでいるだ・・・。

パニックに陥った犯人が振り上げた手を制する高村刑事・・・テレポーテーションかっ?

もう・・・なんだかなあ・・・である。しかし・・・じっ・・・。

そして・・・心を読んで犯人を追い詰めたことを悔やむ七瀬と・・・犯行を未然に防げなかった岩淵を慰める朗。

「だって・・・おかげで犯人捕まったでしょ・・・そうでなかったらもっと犠牲者がでたかも・・・二人ともお手柄じゃないの・・・」

・・・おーい・・・脚本家・・・道徳的な辻褄あわせはどうでもいいから・・・物語の核心だけはしっかり辻褄あわせてくださいよぉ・・・お願いしますよぉ・・・来週も見るからぁ・・・。まあ・・・何度もやり直した果ての理想で幻想の三人の邂逅なのかもしれないけどね。

関連するキッドのブログ『第一話のレビュー

で、『小児救命・第1回』(テレビ朝日091016PM9~)脚本・龍居由佳里、演出・片山修を見た。時々しか書かないので凄く久しぶりに感じる「星の金貨」の脚本家である。まあ・・・きっちり書くので甘く見れない。キラキラ研修医から一年半・・・こんどのウサ子は名医だ。

しかも・・・最近癒し系イケメン要員として急速浮上中の勝地涼が救命士・賢斗で登場である。

メンバー的にはかなり複雑な配置がなされている。

大学系の総合病院に勤めていた小児科医・青山宇宙(小西)・・・宇宙とかいてそらである・・・キラキラの名残なのか・・・は独立して開業医になる。

しかも・・・引退した父親・冬悟(大杉漣)の医院を改装して24時間営業の小児専門病院を立ち上げるのである。

この独立には大学系の男のメンツがかなり面目なくなるらしく・・・早くも総合病院長の森崎(名高達男)などは「青山医院からの患者の転院は受け入れない」などと圧力をかけているのであった。

しかし・・・どうやら・・・母親からの幼児虐待をされた過去を持つらしい宇宙院長は「子供の病気を治せるなら世界なんて滅んでもいい」という危険思想の持ち主なのだった。

母親が不安で連れてくる子供の・・・1~2%(100人に一人か二人)しか・・・重症の小児がいないにしても・・・その子供たちには・・・いつも灯がともっているコンビニ病院が必要なのだ・・・宇宙の心はその理想の小児科病院の実現への欲望に燃え滾るのである。

そんな宇宙にちょっと気がある総合病院の医師・狩矢(塚本高史)、狩矢に気がある皮肉屋の医師・樋口(山口紗弥加)、やや宇宙をもてあましていた上司の医師・柾(陣内孝則)を残して・・・宇宙は飛び立ちました。

そして・・・そこには小児科医の集団が・・・ただでさえ少ない小児科医をこんなに集めたら・・・そりゃ・・・風当たり強くなるっていうか・・・この病院から遠い人は・・・困るだろう。

赤池(渡辺えり)、片桐(笛木優子)、名波(藤原一裕)・・・浮いている、相馬(正名僕蔵)、真柴(田実陽子)・・・ベテランから新人まで宇宙を入れて六人の医師たち。

開業2日前・・・ミーティングに顔を出した片桐は子育て中なので早速定時退散である。・・・早くも・・・若き院長・宇宙の人選の課程が気になるのだが・・・そこへ・・・急患が運ばれてきた・・・開業前なのに患者を目の前にした宇宙の気はおかしくなるのである。

たちまち・・・医師会の承認も得ず緊急営業開始である。そして・・・小児科不足に悩む近所の親たちは続々外来するのだった。

早くもヘトヘトになるスタッフたち(宇宙を除く)・・・救急搬送を受け入れるどころか・・・来院を躊躇する親もダッシュで確保である。さらに・・・診療を終えて・・・帰ろうとする患者と親を呼び止めて再診察し・・・重病を発見するのであった。誤診をした真柴は無視されて涙目である。

赤池は「ローテーションを無視して・・・院長失格です・・・少しは空気を読んで・・・」なのであるが・・・そこへ総合病院から前の担当患者失踪の知らせが・・・疲れ果てたスタッフを残し・・・自転車で捜索に乗り出す宇宙だった。(つづく)

もちろん・・・宇宙は明らかな心の病であるが・・・まあ・・・名医だからきっと許されるのだな。一体・・・いつ・・・スタッフの中に宇宙への殺意が芽生えるのか・・・楽しみです。

関連するキッドのブログ『きらきら研修医

               『あしたの、喜多善男

で、『風のガーデン・第二忌中』(フジテレビ081016PM10~)脚本・倉本聰、演出・宮本理江子を見た。すでにクランクアップしているという本作品。すべては緒形拳の生前に終っているのであり・・・もはや・・・遺作と言うか遺言的な内容になっていると思われる。

ある意味ひっそりと北海道で暮らす開業医の父親(緒形拳)や・・・娘・ルイ(黒木メイサ)、息子・岳(神木隆之介)と六年前の謎の事件を契機に別れ・・・東京で享楽的な生活を生きる麻酔科医の白鳥(中井貴一)・・・恋人の歌手・茜(平原綾香)と北海道旅行を楽しみつつ・・・昼間は学会と偽って・・・同級生の開業医・水木(布施博)に診断を受ける。

結果は・・・末期ガンだった。

茜を抱きながら・・・白鳥は震えが止まらないのだった。

東京に戻るとガンの告知を政治的な配慮から意図的に避けている患者が再入院してきた。財政界の黒幕たちが黙ったまま死んでくれることを願う二神(奥田瑛二)である。

白鳥と二神は末期ガンのツインズなのだった。

その頃・・・北海道の白鳥家では風のガーデンで・・・愛犬ホタルが臨終の時を迎えていた。泣き悲しむ知的障害者・岳に祖父である貞三は優しく語りかける。

「泣いてもいいけど・・・あまり悲しむな。悲しみは愛しさと同じであまり過ぎてはいけないよ。愛しいから失うのが辛い・・・辛いから悲しい・・・ほどほどに愛せば悲しみもほどほどですむ・・・それに・・・あの世に行ったホタルは・・・この世では会えなかった死んだばあちゃんとかかあちゃんに逢うことができる。もう・・・そりゃうれしくてかけまわってるさ・・・命あるものはいつか死ぬ・・・それはそんなにひどいことじゃない・・・明日・・・穴掘って埋めような」

しかし・・・岳は泣きつかれて眠っていた。

その頃、夜の森を彷徨うルイは小枝を拾い・・・理想の十字架のペアをついに発見し微笑むのだった。前世がシスター・アンジェラだからである。

風のガーデンのガーデンとはガーデニングと関係あるらしい。

庭とは・・・何もなくても庭である。ガーデンは庭園であるが、ガーデニングは園芸である。

造園を楽しむことをガーデニングと言うらしい。・・・もちろん・・・そんなことは知っているわけだが・・・風の庭なのか・・・風の庭園なのか・・・風の家庭菜園なのかによってはイメージはかなり変わるのである。風の日本庭園ならもう完全に和風旅館である。

キッドは貧しい都会の子供だったので・・・庭という言葉にはかなりナイーヴになるのである。サザエさんの家の庭でさえ許せない気分になることがある。庭か・・・庭はいいなあ・・・家庭というくらい家だけでは家庭ではないのだな。家と庭で家庭なのだと考えると・・・さいはてのテロリストの気分になるのである。自然に囲まれた囲い。囲いの中の庭。庭の中の家である。ましてガーデニングはその庭園が芸をするのである。なんだかとても幸福そうだ。巨大な犬なんか飼いやがって・・・。そういうすべての幸福のシンボルを焼け野原に変えてしまいたい。テロリストはそういう暗い気持ちを抱いているものなのか・・・。まだ・・・正体を隠す・・・風のガーデンに・・・すでに敵意を燃やす・・・心の中の闇のキャラクター・・・キッドはちょっと恐ろしいのであった。

暗いアパートの一室が我が家なら・・・暗い廊下は庭ですか。ネズミが一匹走り去る。

おいおい・・・暴走してるぞ・・・。いい加減にしとけよ。おちょくるのか褒め称えるのかどっちかにしとけ・・・。

あ・・・「夢をかなえるゾウ」忘れてた・・・ま・・・いいかぁ。水川あさみは・・・ドタバタ女優一直線なのだ。

土曜日に見る予定のテレビ『ブラッディ・マンデイ』(TBSテレビ)『スクラップ・ティーチャー』(日本テレビ)『ルーム オブ キング』(フジテレビ)『トンスラ』(日本テレビ)・・・もう『裸の大将』とか・・・『上海タイフーン最終回』とかどうでもいいかぁ・・・でも「新垣結衣スペシャル」(NHK総合)は見逃せないっ。イエー。

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2008年10月16日 (木)

裏切られても愛することができますか?(観月ありさ)

日本人は「不戦の誓い」をしている。それは第二次世界大戦の戦死者に対し・・・「二度と過ちを犯しませんから生き延びることをお許しください」という誓いである。

「1億玉砕」で「靖国で再会する約束」も果たさず「欲しがりません、勝つまでは」と言ったのに命を惜しんだ昭和天皇以下の帝国国民は全員、死んだ同胞を裏切り「耐えがたきを耐え忍びがたきを忍び」・・・「生きる」ことを選んだのである。

そして・・・「日本国」が生れた。日本国は最初から外国(連合軍主に米国)の占領下に置かれ、外国の定めた法を憲法とし、ひたすら「日本」以外の世界に奉仕することを義務付けられている。

そういう国民はどうなるのか・・・もちろん・・・お人好しになるのである。

日本というのはそういう法治国家である。その法というのは・・・「外国に国民を誘拐されても身代金を払う以外にお願いはしない」「毒入りの商品を売られても外国に対しては文句を言わない」「経済的に豊かになってもけして一流にはならない」「日本人が困っても外国人には迷惑をかけない」「日本人が外国の法律を守るのは当然だが外国人が日本の法律を守らないのも当然である」「何が起こっても基本的に悪いのは日本人だから必ず謝罪すること」というようなものだ。

やってられっか。・・・戦に敗れるとは本当に恐ろしいことだな。

もちろん・・・そんな国民でも幸せになれる。いや・・・そういう国民だから幸せなのだ・・・という考え方もある。

国会議員が・・・マルチ商法の勧誘をしてしまうほど幸せなのである。

で、『OLにっぽん・第二回』(日本テレビ081015PM10~)脚本・中園ミホ、演出・岩本仁志を見た。フンワリ中村もコロコロ遠藤も顔面から流血しながら・・・やられてもやりかえさないホームでドローでも問題ない・・・それが大和魂2008秋なのである。もういい加減憲法改正しないと・・・子々孫々が苦労するぞ。

そういう意味で着々と軍備増強中の中国を相手に外国軍(米軍)まかせの我が国は・・・もしも・・・米国が崩壊したら・・・どうするつもりなのか。ソ連だって消滅するのだから米国が消滅しても不思議でも何でもないのだが・・・。

そんな日本で・・・国家や国民よりも利潤を追求する企業で生きる人々の物語である。

通勤のバスの中で空席を見つけた張琳(タン・ジャースー)は「さわらせてください」と席に荷物を置いた乗客にお願いをする。張琳は疲れているのだ。その声を聞きつけた同僚の神崎(観月)はさっそくかけつける。「さわるじゃなくてすわるよ」と総務部総務課のアウトソーシングに伴う派遣中国人スタッフ教育係である神崎は指導するのだった。

外国人のすることは常に正しいという洗脳教育を受けた神崎は中国人に労力の無駄使いを指摘されてスッピン(素顔のようなメイク)になっている。

中国人スタッフは神崎の仕事を奪いに来日しているのだがもちろん神崎にはそのことは気にならない。なぜなら相手は外国人なのだ。外国人様と仲良しになることはとても大切なことなのだ。

そんな神崎をすでに中国人の走狗となっているチビ太(阿部サダヲ)は思わしげに見つめるのだった。

総務部総務課ではアウトソーシングに対するサポタージュが行われていた。外国人様のために尽くすのは大切と頭では理解しながら・・・主任の野呂(モロ師岡)は心では割り切れないものを感じていたのだ。業務を外国に委託して利潤を追求するのは会社のためにはいいことだが・・・自分の席がなくなることが恐ろしいのだった。

しかし・・・そういう思想はこの国では悪しき思想なのである。外国人様のためには日本人は命を惜しまず尽くさねばならないのだ。

勤勉と言われる日本人の先人が築き上げた業績、行程マニュアルの果実の一番おいしいところをなぜ渡さねばならないのか・・・野呂は釈然としないのである。

しかし・・・日本人であるよりも企業人である藤田部長(浅野ゆう子)はそういう部下の不品行を許さない。遅々として進まないマニュアル化作業に苛立ち、朝比奈総務課長に一週間の期限付きで「委託リストの一項目をマニュアル化」することを命令する。

同時に「いくら外国人様の発言とは言えスポンサー様や自らのタレント価値を下げるようなスッピンは許さない」と「スッピン禁止」命令も下すのである。

野呂主任の抵抗は続く・・・「業務委託のもっとも困難そうな項目をモデルケースとして外国人様の無能力をアピールする作戦」である。席上には神崎もいるが悪者にしないためにあえて発言は控えているのが苦肉の策であるが・・・ポジションがわかりにくい。

神崎は・・・国家や国益よりも目の前の仕事に燃えることが好きなのだった。

神崎は野呂主任の意図を越え・・・不可能に思えるからやりがいがあるとばかりに外国人を熱烈指導するのだった。

その最中・・・神崎は張琳がコンビニでアルバイトをしているところを目撃してしまう。同僚のクソ生意気な中国人様である楊洋(ローラ・チャン)によれば・・・張琳は親の借金のために仕送りをしなければならないのだという。神崎たちの企業は兼業は原則禁止である。本来は上司に報告しなければならないのだが神崎は忠告してバイトをやめてもらい事を穏便にすませようと考える。相手は中国人様なのだ・・・強盗や強盗殺人だってなさってもおかしくないのに業務時間外のバイトぐらいは目をつぶりたいのである。張琳は神崎の忠告を神妙に聞くのだった。

しかし・・・バイトはやめないのだった。日本人の言うことなどに耳を貸す必要はないと教育を受けているからだ。

しかし・・・別の社員に目撃され・・・神崎にも庇い立てができなくなってしまう。

企業大事の藤田部長は企業に滅私しないスタッフは看過できない。国家に忠誠を尽くす必要はないが所属企業には忠誠を尽くすべきなのだ・・・だからマネージャーのチビ太に張琳のチェンジを要求するのだった。

しかし・・・教育係の神崎にとって部下の規則違反は汚点である。なんとかならないかとチビ太に泣きつくのだった。

建前は「彼女の仕事にかける情熱は私に忘れていた何かを思い出させてくれた・・・恩義がある」というのである。

そこで工作員であるチビ太はマニュアルのデータの破壊というテロ活動を実行する。コーヒーをこぼしたくらいではデータは消去されないのでおそるへき電磁的装置を用いたものと思われる。

こうして・・・帰国を翌日に控えてそれでもギリギリまでコンビニで業務を続ける張琳に召集がかかるのである。マニュアルを再構築するためだ。もちろん・・・コンビニの業務に支障が起きるのは無視である。コンビニ店長を困惑させてもタスポ導入で煙草とついで買いで売り上げ好調だから構わないだろうということである。

こうしてお手柄を立てた張琳は解雇を免れる。当然、実力による復帰なのでバイトを続ける気満々なのである。次は中国人パブか。

そして・・・アウトソーシング実現の目盛りはひとつ進み・・・神崎は「リストラ係」を部長に命じられる。それは・・・課長並の待遇ということなのか。

総務課から日本人一人をリストラ対象としてピックアップすること。

外国人を助け日本人をくじく・・・神崎は自分が苦しい立場に置かれたことを自覚する。もちろん・・・そうしたのは神崎本人なのである。(つづく)

・・・これって・・・日本でオンエアされているドラマなんだよな?・・・誰向け?

関連するキッドのブログ『第1話のレビュー

金曜日に見る予定のテレビ『ギラギラ』『サラリーマン金太郎』(テレビ朝日)『流星の絆』(TBSテレビ)『メン☆ドル』(テレビ東京)

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2008年10月15日 (水)

運命の出会いの奇跡がどーたらこーたら(速水もこみち)ふっ・・・(吉田里琴)

つまり・・・もこみちのドラマなのだが・・・リアル子役の里琴が上手すぎて・・・もうバランス悪いわ・・・つんのめるドラマである。まあ・・・里琴のナレーションベースに走るもこみちが一番の名場面というのがすべてを物語ります。

ここでは・・・編集長に古田新太登場。今季・・・かけもち多いんじゃないか?

上地雄輔のダブルってなんだよ。

旬なのか、季節のフルーツなのか。

そして・・・推理もので小説、映画が先行した後のドラマ化って・・・結末知りたい病の人は瞬殺じゃないか。

キャスティング的に釈以外の犯人ってありえるのか?

火曜日のドラマ対決は①「セレブと貧乏太郎」17.6% ②「チーム・バチスタの栄光」15.2% ③「オーマイ・ガール!! 」*8.3%

格差社会を「セレブ=知的、貧乏人=バカ」で描くと失敗するという証拠がここにありますね。「セレブ=バカ、貧乏人=やさしくてちょっとバカ」・・・これが正解です。それが大衆におもねる姿勢というものでございます。それにしても・・・「学校じゃ教えられない!」の傷は深いな・・・。日テレ再チャレンジさせすぎ・・・。しかし・・・「正義の味方」「ヤスコとケンジ」「スクラップ・ティーチャー」「OLにっぽん」と夏・秋すべてコメディーでそろえてきたのは何かの作戦なのか・・・。それとも「ホカベン」の後遺症なのか。

で、『セレブと貧乏太郎・第一回』(フジテレビ081014PM9~)脚本・徳永友一、演出・松田秀知を見た。貧乏男(上地)とセレブ女(上戸彩)、貧乏チームに国仲涼子がいて、セレブチームに柏原崇がいて・・・恋の三角関係である。まあ・・・上戸はとんな役でも観月ありさ同様にそれなりに楽しく見せるので・・・いい感じかな?

大河ドラマで観行院(堀北真希の母親役)の若村真由美・・・日曜日に大往生したのに上戸の義母役で復活である・・・すごい生命力だ・・・ザクっ・・・グフっ・・・ドムっ・・・・・・ふっかーつっレベルである。余韻もへったくれもないのだな。

貧乏人は何やっても許されると思ったら大間違いなドラマだが・・・まあ・・・金持ちなら何やっても許されるという本当のことを描いても・・・困るしな。

来週はいきなりキスシーンである。上戸もいよいよ少しは数字を獲りにきたといえる状態だが・・・そうではなくて企画の選択ミスの連打だと思うけどね。

今回は・・・まあ・・・いいと思うのだが・・・「ホカペン」とか「ホテリヤー」とかと違い「ホ」がついてないし・・・。

もちろん・・・一番の見せ場は風間杜夫の上戸彩を見つめる思わしげな表情である。アリスお嬢様(上戸)と秘書・郡司(風間)・・・この関係がじいや萌えにはたまらないのだな。

ちなみに誤解がらみで運転手が説教乱入するのだがセレブ登場のステージにありえない警備状況なのである。しかし・・・「デンジャラス・ビューティー」を月曜映画でやってたのでタイムリーすぎて面白かった。意地悪なのか。

・・・一言付け加えるなら・・・TBS(猟奇的な彼女)でもフジでも・・・冒頭変な役の岩佐真悠子・・・(´;ω;`)ウウ・・・。・・・もはや定番かよっ。

関連するキッドのブログ『ホカベン

で、『オーマイ・ガール!! ・第1回』(日本テレビ081014PM10~)脚本・武田有起、演出・吉野洋を見た。上戸彩と釈由美子を差し置いてタイトルに浮上している吉田里琴・・・恐ろしい子・・・。実は「セレブと貧乏太郎」とものすごく・・・似ている部分がある。たとえば・・・主人公がお嬢様でワガママ・・・相手役がイケメンだけどバカで貧乏・・・そして男の子育て・・・さらに脇を固める国仲涼子に対して加藤ローサである。

加藤ローサといえば・・・スターに押し付けられた子育てものとして「役者魂!」にもからんでいたが・・・今回は!が二つも多いのだ。

ま・・・ある意味・・・定番もので・・・そうなると役者の魅力がすべて・・・それに見事に答える吉田里琴・・・見事である。

脚本も六歳の子供のセリフは秀逸だ・・・もう少しワクを広げようね。

雑誌記者・山下耕太郎(速水)はボイスレコーダーを片手に宇宙旅行研究所を取材中である。ボソボソとしゃべっているのは素人を演じているからである。これと後半に見られる声をはりあげるのと二つしか演技パターンがないわけではない。ロボ(セクサロイド・ヴァージョン)があるからだ。

その頃・・・天才子役スター・桜井杏(吉田)は往時の鈴木杏を忍ばせる美少女ぶりで愛犬ビワ(竹矢ベル)と感動の再会・・・という映画の場面を撮影中。

もちろん・・・現場はスタッフ一同大喝采である。

そんな耕太郎は雑誌記者として・・・杏はスターとして映画の発表記者会見で運命の出会いを・・・しないのだった。真面目だが要領の悪い耕太郎が記者会見に遅刻したからだ。その上・・・楽屋に押しかけ強引に取材申し込みである。

もちろん・・・力関係でありといえばありのやり方だが・・・この場合は空気読めないことこの上なしである。普通なら首を洗うところだ。

案の定・・・編集部に戻った耕太郎は編集長(古田)にインドの神様ガネーシャについて・・・いや・・・クズあつかいされるのだった。

職場には冷たいやり手の石田(岡田義徳)や優しい先輩の安野(ともさかりえ)がいて・・・なかなかに豪華である。もこみちとしては「働きマン」より格落ちの編集部記者なのである。リストラされたのかっ。

失意の耕太郎だが・・・彼にはケータイ小説という夢のステージがあった。いつかはヒットを飛ばしたいと今日もピコピコするのだった。

「君は・・・運命の出会いを信じるかい」なのであった。

その夜・・・第一の運命の人は血縁ではない姉・大空ひなこ(YOU)だった。

部屋に突然現れたひなこを即座に追い返す耕太郎。二人は血のつながらない姉弟だった。セリフから察するにひなこは父親の連れ子で、耕太郎は母親の連れ子である。しかし・・・両親が事故死した時に・・・すでに大女優だったひなこは葬儀に姿を見せず・・・耕太郎はそのことを今も怨みに思っている心のせまい男なのである。

翌朝・・・第二の運命の人は血縁ではない姪の杏だったのである。杏は大空ひなこの隠し子だったのだ。しかも・・・ひなこは失踪・・・杏の面倒を耕太郎にまかせる・・・と事務所に伝言が残されていたと・・・杏のマネージャー藤峰子ちゃ~ん(加藤)は説明するのだった。それなら主人公の名前は竜峯太とか雷竜太にしてもらいたい。

しかし・・・心のせまい・・・というか身も心も貧しい耕太郎には到底受け入れられない事態である。

だが・・・唯一の戸籍上の家族として父親が死んで(ひなこ談)、母親が失踪中(ハリウッドにオーディションを受けに行ったらしい・・・)として無碍にも出来ない耕太郎。

成り行きで・・・杏が独占インタビューを受け編集部は大手柄だと喜び・・・杏には二名様八万円超の中華をゴチになる始末である。その上・・・巨大ベッドに・・・バースデイプレゼントの巨犬ビワまでが届き・・・ついに怒り爆発なのである。

しかし・・・夜に幼女を放り出すのはさすがに大人げないと考え・・・捜索である。

杏はビワとともに公園のベンチで涙をこぼして眠っていました・・・家なき子かっ。

だが・・・たちまち落ちる目薬。すべては演技だった・・・。

「お前はなんて子だ・・・お前はいけない子だ・・・お前は人をだまして喜んで悪い子だ・・・お前なんて捨てられて当然の子だ」・・・耕太郎・・・相手六歳です。

翌日・・・仕事終わりで失踪する杏。パニックに陥ったマネージャー藤は「ひなこさんがいないんで杏ちゃんが唯一の稼ぎ手なんです・・・もしも・・・いなくなったら会社倒産なんです・・・路頭に迷うのよ」とヒステリックに耕太郎を叱るのだった。

さて・・・ここまで・・・何度か呼び出し音が鳴るけれど放置されたままの謎の携帯電話のシーンが挿入されるのですが・・・キッドとしてはもう少しフッてもいいかなと思いました。

その正体は・・・杏を捜して・・・ひなこの豪華マンションに足を踏み入れた耕太郎によって明らかになるのです。それは・・・置き忘れたひなこの携帯電話でした。

耕太郎が・・・着信履歴を見るとそこには・・・杏から母親へのメッセージが十七件。

「・・・今・・・耕太郎のところについたよ・・・イケメンだっていうけど寝顔はバカみたいだね・・・耕太郎に食事を奢ってやったよ・・・耕太郎は貧乏だから・・・耕太郎のお風呂はせまいよ・・・体はでかいのにね・・・耕太郎とケンカをしたよ・・・だって犬を飼えないって言うんだもん・・・耕太郎は誕生日のお祝いもしてくれないのに文句ばっかだよ・・・耕太郎に捨てられて当然だって言われたよ・・・ママ・・・もうハリウッドについた・・・ママ・・・去年の誕生日は楽しかったな・・・二人で八景島シーパラダイスに行ったよね・・・イルカのショーが・・・」

耕太郎は走りました。

発見されて逃げ出そうとしたした杏はプールに転落・・・。しかし、ナイト・・・いや耕太郎はすかさず救助です。

「よし・・・わかった・・・俺がお前の面倒見る・・・ただし条件がある・・・贅沢は禁止だ・・・」

「わかったよ」

そして・・・その夜・・・耕太郎の狭いアパートには入りきらない犬小屋が届くのだった。

藤子・・・いや・・・峰子「ひなこさんのマンションに住んじゃえばいいのに・・・」

日本テレビ・・・コメディー路線快調だな・・・。視聴率はともかくとして。

関連するキッドのブログ『山田太郎ものがたり

               『ホタルノヒカリ

               『絶対彼氏

                『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン

で、『チーム・バチスタの栄光・第1回』(フジテレビ081014PM1010~)原作・海堂尊、脚本・後藤法子、演出・植田尚を見た。キッドの初恋の女子の一人は医者の娘でキッドに医師になることを求めたのだが・・・カエルの解剖ができなかったキッドは恋を断念した淡い思い出がある。だから・・・血を見るのがキライなくせに医者の田口(伊藤淳史)にはものすごく違和感があります。くそっ・・・心療内科医(原作では神経内科医)ってなんだよ。昔はなかったぞ。

医龍ではなく外科医・桐生(伊原剛志)はバチスタチームのリーダーとして圧倒的な成功率を誇る天才外科医だったが・・・続けざまに三件・・・患者が蘇生せずに鬱になる。

そのため・・・チームを作った高階病院長(林隆三)はその原因究明を田口と厚労省の変な役人・白鳥(仲村トオル)に託すのだった。

病院の影の支配者・ナース藤原(名取裕子)や喫茶店の女(奥貫薫)もいるのだが・・・チーム・バチスタにしぼると・・・残りは第一助手の垣谷(鶴見辰吾)、麻酔科医の氷室(城田優)、ナース大友(釈)の誰かが犯人である。だって鳴海(宮川大輔)が犯人だったりしたら最後の演技がこわいわ・・・。もちろん・・・主演級としては釈以外に犯人は考えられないのだが。穴としては新庄だろう・・・ホームランを打つ力はあるし・・・いや麻酔科医の氷室だった。

ま・・・医療もので推理もので・・・ちょっとコミカル・・・ベストセラーだけど読まない人にはちょっと面白いかもしれない。

まあ・・・どんな風に水増ししていくのか・・・ちょっと楽しみです。

ちなみに今回の演出は「結婚できない男」の演出家の一人。

それにしては音楽がちょっとチープだったな・・・狙いなのかもね。

解決しないと毎週患者が死にます。今回のゲスト死者(四人目)は朝加真由美でした。お涙頂戴ありがとう・・・なのだが・・・ギャグなのか?

それとも愛と感動のヒューマンドラマに仕立直す気なのかしら?

関連するキッドのブログ『ヒミツの花園

木曜日に見る予定のテレビ『七瀬ふたたび』(NHK総合)『夢をかなえるゾウ』(日本テレビ)『風のガーデン』(フジテレビ)『小児救命』・・・四本立てか・・・逃げられないのか・・・。医療ドラマ多すぎ・・・。

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2008年10月14日 (火)

妄想しない私なんて・・・(多部未華子)前半で銀角大王を倒しとくべきだった・・・(香取慎吾)

日曜日のガッキーVSまきまき対決を結構楽しみにしていたのに・・・緒形拳追悼番組が水を差したな・・・追悼してもいいが・・・もうあざとすぎるぞ・・・。「風のガーデン」の数字見て決めたよね。

本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「帽子(再)」11.8%、「恋のから騒ぎドラマSP」*6.6%(やっぱりかわいい数字が出るよね・・・さんまさみの後遺症は大きい)、「サラリーマン金太郎」13.8%(すげぇぇぇぇ金曜ナイトドラマ初回最高更新・・・黒い太陽かっ代役の井上和香かっ)、「赤い霊柩車23」16.1%(大西結花でかっ・・・有森也美でかっ)、「上海タイフーン」↗*7.8%(またあがった~・・・成功の甘い匂い?)、「ブラッディ・マンデイ」11.4%(小学生には複雑すぎ大人にはマンガ・・・でも恋空よりはあがった)、「鉄道捜査官9」14.7%(時刻表で間に合わない時はクルマ・・・わかります)、「スクラップ・ティーチャー」12.6%(皮肉も効いてメルヘンとしては完成度高し順当)、「Room Of King 」↘*7.1%(さがった~ヒロと杏のエンディングに違和感ありなのはキッドだけではないのか~)、「篤姫」↘24.2%(観行院・・・ひっそりと・・・)、「ディア・フレンド」14.2%(緒形拳さんに黙祷・・・)、「花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイスSP」18.8%(まきまき旋風とどまるところを知らず・・・アカネだけがね・・・残念だよね)、「コラテラル・ダメージ」10.6%(メジャーになると大人しい法則)、ついでに「西遊記」15.5%・・・以上。

で、『映画・西遊記(2007年度公開)』(フジテレビ081013PM9~)原作・呉承恩(他)、脚本・坂元裕二、演出・澤田鎌作を見た。まあ・・・原作との関係というものはたとえば・・・このドラマを見て・・・ドラゴンボールのパクリを感じる教養の程度の差というものが介在するのである。すでに著作権は自然権に帰った・・・伝説の物語なのだが・・・それが中国産だからといって・・・その面白さは減じない。中国人は誇るだろうが・・・現在の中国人と「西遊記」は何の関係もない。「源氏物語」と現在の日本人が何の関係もないのと同じである。

たとえば・・・手塚治虫や・・・魔夜峰央が各自のキャラクターを使って原作に乗る場合、そしてそれを読者が楽しむ場合・・・それは伝統を継ぐのであって国際的な機能なのである。

キッドとしてはディズニーが世界一有名なネズミを使って「西遊記」をやればいいのにといつも思うのだな。ミッキー・孫悟空、ドナルド・沙悟浄、グーフィー・猪八戒、ミニー・三蔵法師で・・・。

さて・・・香取慎吾版ドラマの映画化である本作品。ドラマは怪物的視聴率だが・・・映画はそこそこである。

単純に構成ミスなのだな・・・。物語の見せ場は①巨大な石輪の転輪②銀角(岸谷五朗)との空中戦③金角大王(鹿賀丈史)との決戦④巨大な龍の封印なのである。

これにハートウォーミングな要素として①玲美姫(多部)と孫悟空(香取)の「ナカマ(仲間)」をめぐる友情物語、②父母と国家を人質にとられた玲美の苦渋、③三蔵法師(深津絵里)と孫悟空の師弟愛、④凛凛(水川あさみ)と孫悟空の幼い恋がからんでくるのである。

で・・・前半は人間関係の説明をくどくどと続けるのである。脚本家はメッセージを大切にするタイプだからだ・・・これが飽きる。

構成としては一番面白い「銀角との空中戦」を冒頭に持ってくる工夫をするべきだった。

そうすれば・・・まあまあエンターティメントになったと思う。

まあ・・・これは脚本家の責任とばかりは言えません。

演出家が・・・まあ・・・オーソドックスなこだわりを持っているのかもしれないし。

とにかく・・・南原清隆、草彅剛、猫ひろし、倖田來未のニセモノグループで掴みはOKと思ったら大間違い・・・。

まず・・・銀角空中戦でコケおどし・・・ニセモノで軽く失笑というのが正しい方程式だろう。

さて・・・脚本家は「ナマカ」というワンフレーズでドラマ版をヒットに導いている。孫悟空の重要な面白さであるチーム・プレイを新鮮な言葉で集約したというのがアイディアなのである。

今回は「親子」がテーマなのである。なぜ「オコヤ」にしなかったのだ。

さて・・・冗談はさておき・・・親を亀にかえて脅迫するような悪が・・・果たして約束を守ってくれるかどうか・・・そこに「信」という問題がある。

金角銀角は実は「老子の使い魔」である。本質的には仏教と老子教とは宗教的ライバル関係にあるので三蔵法師の旅(布教活動である)を邪魔するのは理の当然なのだ。

しかし・・・老子はどちらかといえば性善説である。孔子はどちらかといえば性悪説なので・・・そう考えるとこの世に正邪のない仏教は中立的立場ということになる。

三蔵法師は僧でありながら・・・時には老子的に「この世に本来悪はない」と言ったり、孔子的に「礼儀はわきまえないと」と言ったりする。つまり・・・非仏教的な優等生なのだ。

そうすると「孫悟空」は当たってくだけろタイプなのである。実はこれは「自然の理」であるので仏教的なのである。

父母への孝養という善を積もうとして結果として世界を破滅させる悪の手先となる玲美は要するに無知なのであるが・・・溺れるものは藁をもつかむのである。

ここに「信」の不確かさがある。

これに対し孫悟空は実力を持って応じる。信あれば大乗、知(実力)あれば小乗なのだな。

さて・・・そういう哲学的な命題とは別に・・・もっと単純なメッセージもある。

亀に変えられた玲美の父の王(三谷幸喜)は「親の無力」の象徴である。

基本的に格差社会にあっては・・・親の力の有無の差は激しい。そして常に勝ち組は少数派となるので無力の親を持つ子供は多数派なのである。

この映画には「無力の親を持ってもあきらめるな・・・努力しだいでは孫悟空(運)が味方になってくれる」という単純なメッセージがこめられている。

親子で見ると・・・多くの親が肩身のせまい思いをすることになり・・・当然、お茶の間の受けはそこそこになるのである。

関連するキッドのブログ『薔薇のない花屋

               『ヤスコとケンジ

水曜日に見る予定のテレビ『OLにっぽん』(日本テレビ)『サッカーアジア最終予選・日本VSウズペキスタン」(テレビ朝日)

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2008年10月13日 (月)

顔で笑って心で泣くのじゃ・・・(宮﨑あおい)制服男子で心は女子です(堀北真希)

「イケメン♂パラダイス」SPで堀北真希の日だった・・・。

まあ・・・最後の堀北・小栗旬・生田斗真のからみが売りのひとつだけに・・・このアイディアは楽しい。まあ・・・のんびり見る分には・・・。

堀北もサービスするところはサービス。このクールさがナンバーワンなのである。

その他なにやら楽しげで・・・まあ・・・いいんじゃないの・・・と思うあなたはコチラへ→お気楽様の花ざかりの君たちへSP

一方、馬関戦争も土佐勤王党粛清も長州奇兵隊結成も通過して薩長同盟である。薩長同盟の謎を謎のまま描く・・・新しい手法なのか・・・。しかし・・・もはや・・・嫁と姑の和解しかネタのなくなった大奥なのである。今回・・・家茂が去った後・・・篤姫が笑顔で泣いていて・・・篤姫と和宮が抱擁・・・という手もあったと思うが・・・そうするとネタがなくなってしまうのである。「・・・しかし・・・その夜・・・」ってナレーション久しぶりに聞いたな。・・・必要なのか?・・・勝の倒幕黒幕説・・・まあ・・・つまり・・・公儀隠密の本当の首領についての話なのだな。龍馬の師匠とは言え・・・軍事機密だだ漏れはさすがである。

で、『篤姫・第41回』(NHK総合081012PM8~)原作・宮尾登美子、脚本・田渕久美子、演出・渡邊良雄を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回は観行院&お琴二大女優豪華共演美麗イラスト公開でございます。また・・・本編ではまったく語られない攘夷本家水戸と攘夷元祖長州ここが運命の分かれ道、親藩支藩と外様支藩その血脈系図分析付でございます。寺田屋はつづくなので・・・来週か・・・お龍の駆け上がってくる前の時間に巻き戻るのか・・・その場合お龍のイラストはお風呂場シーンになるのか乞うご期待です・・・ないない・・・マイペースでお願いします。

Atuhime1865 禁門の変(元治元年1864年夏)から薩長同盟(慶応二年1866年春)までは二年近い歳月があるわけだが駆け抜けていくのである。まるで忍者のように駆け抜けていくので何が何やらなのである。しかし・・・まあ・・・薩長同盟も一夜にしてできたわけではなく・・・敵の敵は味方であるという・・・アジア的な孫子の兵法に基づいて薩摩王家と長州王家が歩みよる素地は馬関戦争を抜きにしては語れない。文久三年(1863年)の薩英戦争に続いて、禁門の変の直後に起こったイギリス・フランス・オランダ・アメリカの四国連合軍と長州軍の戦争は痛み分けに終った薩英戦争とは違い・・・長州が完膚なきまでに叩きのめされる展開となる。このために藩内の尊王攘夷派は勢いを失い・・・藩内は幕府に対して恭順するのである。

イギリスとは五分に戦った薩摩だが・・・長州に対する西洋軍の連合を見てどう感じたかは明瞭である。

さらに言えば・・・経済的な問題として・・・密輸貿易仲間である・・・薩摩と長州の共通点が浮上する。鎖国下における密貿易で巨大な利を得てきた長州と薩摩にとって幕府主導による開国はその利益の損失を招くのである。

こうして・・・共通の敵(幕府と諸外国)に対するための同盟の下地は作られたのである。

また世界的な潮流が帝国主義であったことが最後の要因となる。兵農分離は非戦のためには効果的だが・・・戦力を確保するためには農兵制度が不可欠であり、徴兵のための人民平等が希求されていたのである。これは武士を特権階級とする幕府も浪士組を結成したことで明らかなのだが・・・長州ではさらに身分を問わない奇兵隊を結成するのである。

この兵農分離と国民皆兵の制度の軋轢が・・・薩摩の場合は西南戦争へと続いていく。

こうした条件を把握していたのが・・・土佐の浪人・坂本龍馬であったのだ。彼は郷士階級の出身であり、開国貿易の利を心得ており、そして愛国者だった。

京都・江戸という都市での遊民生活で得た人脈から、幕府、親藩、外様の各大名家に巨大な人脈を構築した明智流忍者坂本龍馬直陰が実像と虚像の間に揺れるのは当然の如くである。

観行院が死の床についた慶応元年秋・・・。従一位右大臣将軍家茂は長州征討戦を指揮するためにすでに京に向かい・・・江戸城大奥には沈黙が下りていた。お渡りがないのである。

大御台所の間を訪ねた和宮は鼻をひくひくさせた。「天璋院さんは・・・どこにいかれましたの?」・・・篤姫は答える。「ここに・・・」、和宮は鼻を鳴らした。「そなた・・・影姫でおじゃろう・・・天皇家の鼻は効きますのや。隠し立て無用でおじゃる」・・・篤姫(影姫)は微笑んだ。「宮様にはかないませんねえ・・・天璋院様は・・・その・・・京都におのぼりです・・・上様の護衛をなさるとか・・・」和宮の顔色が蒼白となる。「まあ・・・そないなこと・・・ずるいわ・・・まさか・・・上様だけでなくお上(孝明天皇)を・・・」和宮はプンプンだった。

篤姫は男装して・・・購入したばかりの幕府輸送艦・駿河の船上にあった。イギリス製の中古蒸気船だが・・・実は・・・天璋院の私船だった。船長はくぐり水軍の頭・種子島珍九である。伊豆沖で乗船してきたのは・・・源蔵だった。

「なに・・・薩摩と長州が結ぶとな・・・」源蔵の報告を聞いて篤姫は声を高くした。

「はい・・・それもこれも・・・坂本って浪人の画策でさ・・・普段はぼーっとしていて何考えているかわからない風なんですが・・・これがくわせもので・・・というより・・・お方様(天璋院)といい勝負の忍びの達人です・・・」

「ふむ・・・勝が操りし浪人と思っていたが・・・それほどの者か・・・時代じゃのう・・・くわしく話して聞かせよ」

「・・・はい・・・公儀隠密伝によりますと・・・土佐の坂本は明智光秀の妾腹の血筋・・・砲術をよくするとあります・・・龍馬はその明智流忍軍の頭でその剣才は千葉道場の塾頭なみになるほど・・・」

「陽忍なのじゃな」

「御意・・・」

「続けよ」

「・・・お方様もご存知の通りに軍艦奉行の勝に接近し・・・勝の片腕ともいうべき存在となりましたが・・・それは表の顔。京都ではいくつかの料亭を経営しております。かかえる芸妓の数はかなりのものです・・・つまりくのいち使いでさ。この芸妓たちを・・・京都の主だった者に・・・その・・・あてがっております・・・そのくのいちの頭がお龍・・・長州藩から新撰組まで俗人たちはみな・・・坂本の手のうちというわけでさ・・・薩摩の家老の小松様なんかも・・・」

「ほほう・・・」篤姫の目が光る。「小松帯刀の相手はだれぞ」

「小松様のお相手は確か・・・お琴とか・・・」

「そうか・・・そうでしたか・・・続けよ」

「勝様もよからぬことをお考えのようですが・・・坂本はもっと恐ろしいことを考えているようです・・・倒幕です」

「倒幕・・・」

「めりけんのように・・・上様もお上もない世を作るとか・・・」

「なんと・・・そのようなことをか・・・畏れを知らぬ奴じゃな・・・」

「そして・・・坂本は目の術も使います・・・これはお方さまほどの術ではなく・・・おそらく・・・相手に好意を抱かせる程度のものかと・・・」

「恐ろしいものじゃな・・・科学忍者で・・・女衒で・・・神法も使いしか・・・で・・・今は何をやっておる・・・」

「長崎でイギリスから武器を買い・・・それを長州に売り・・・長州で米を買い・・・それを薩摩に売るという回船業で・・・」

「なるほど・・・商人もやるか・・・三点貿易じゃな・・・大航海時代かっ」

「なんですって?」

「いや・・・ふと言ってみたまでじゃ・・・なるほど・・・坂本とやら・・・ただものではないな・・・一度話してみたい・・・」

「お方様・・・」

「源蔵・・・いや半蔵・・・薩摩おごじょのこの私が・・・徳川に嫁いだのは・・・もう昔の話だ・・・主である薩摩王を失い・・・くぐり党の主となり・・・夫である家定将軍を失い・・・徳川総忍びの上となった今・・・何を為すべきか・・・迷うばかりじゃ・・・何が正しくて何が世のためか・・・もはやわからぬ・・・エゲレスは女王の国というが・・・一国の命運を女手でになう・・・一度会ってみたいもの・・・メリケンでは戦に勝った北軍の大統領が暗殺されたとか・・・理想の国などこの世にあるのかの・・・やはり次は世界制服かの・・・」

「お方様・・・」

「そうだ・・・坂本の作った結社はなんと言ったかの?」

「亀山社中でございます・・・」

「・・・なるほど・・・亀山か・・・」

「?」

「明智光秀が本能寺を襲うために・・・兵を集めし場所が・・・亀山じゃ・・・ふふふ・・・味な名付けじゃな」

「それで・・・お方様・・・坂本に会ってどうなされるのですか・・・」

「場合によっては・・・斬る」

その頃、グラバー(実はボンド)は蒸気機関車営業の新しいレイアウトを考えていた。(つづく)

関連するキッドのブログ『第40回のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『オーマイ・ガール!! 』(日本テレビ)『セレブと貧乏太郎』『チーム・バチスタの栄光』(フジテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

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2008年10月12日 (日)

今度はハケンの教師ってこってす。(加藤あい)谷間ってこってす。(吉瀬美智子)

「ブラッディ・マンディー」のハッキングによるメガ・ネットワークの構築はネットの覚醒を促すファンタジーな展開であるが・・・「ケータイ捜査官7」の低視聴率の最中・・・分散コンピューティングとは・・・仁義もへったくれもないな。

またまたマンガ原作がらみで・・・寒いところも多いが・・・東宝の参戦で一部邦画レベルのクォリティーになっている。

テレビドラマが持つ暗黙の倫理規定に沿い・・・たとえば・・・脱法行為を正当化しない上で犯罪を描こうとする・・・かなりアレンジの入った展開である。

まあ・・・「秘密警察」を描こうとすれば・・・いろいろと抵触するわけである。

なにしろ・・・フィクションだから・・・という言い訳が通用しにくい時代なのである。

じゃあ・・・最初から他のメディア・・・まあ映画とか・・・で表現すればいいと思うのだが・・・簡単に踊らない国民である。

テロ組織と公安組織と個人の戦いは・・・常にそこにある危機だが、背後に理性・・・損得計算がある限りは破滅は回避される。そうではない狂おしい何かが絡むときに滅びの笛が吹かれるのだ。

一方・・・ファンタジーな格差社会反動学園ものである「スクラップ・ティーチャー」は当然の如く一種の寓話である。すでに社会の病根はかなり拡大し・・・手術の必要な状況になっているが・・・それを「無様だな」・・・「かかってこんかーい」で生徒が教師を調教するという荒療治で治療するのは・・・お笑いとしては楽しい。

土曜の夜はなんだか・・・ものすごいことになっている・・・「上海タイフーン」での失意のOLが中国で恋も仕事もリフレッシュという荒唐無稽な展開が吹き飛ぶほどである。

「Room Of King ルーム オブ キング」の鈴木杏は・・・相変わらずだが・・・もしも顔が丸くなってしまう病魔との闘いで演じているのだしたらあまりに悲壮なので自粛する。今回は・・・布袋寅泰、前田健、渡部篤郎のからみが抜群だった。

「トンスラ」は監禁状態になって・・・やや・・・失速気味であるが・・・温水洋一の性欲を吉高由里子が男性器が「サボテンの花」になるものすごい性病で圧殺するところが・・・筒井康隆の小説「俗物図鑑」に登場する性病女医を連想させる。ま・・・いいアレンジです。

土曜日は・・・困るよね。

で、『ブラッディ・マンデイ・第1回』(TBSテレビ081011PM7~)原作・龍門諒、脚本・蒔田光治、演出・平野俊一を見た。なんだか・・・社運を賭けたような展開である。国家工作員の妄想は・・・常にある。その実情がけして明らかにならない以上・・・妄想のリアリティーは定かではない。そのために・・・いつか・・・みた・・・工作員本部になるわけである。

超法規的措置が・・・ハイジャッカーから乗客の命を守るために実行が許されるお国柄では・・・国家の威信のために人命を尊重しない・・・という組織はありえない・・・と想定されるからである。しかし・・・妄想的には・・・シークレット・エージェントマンは常に存在するのであり・・・そうでなければ隣国にスパイとマフィアが支配している国とか、メガネモグラが支配している国とか、人民帝国とかを抱えている国とかは・・・事実上、自由と平等の国の占領化であるとはいえ・・・安眠できないのである。

もちろん・・・秘密警察があることを・・・庶民が実感するような国家はろくなものじゃないので・・・まったく実在を否定されながら日本の国家工作員は基本的に義理と人情と奉仕と給与で職務に励むのである。

そのあたりが・・・妄想的にはリアリティーを欠くのだよな。

スパイが道徳的ではやっていられないし・・・非情のライセンスは不可欠のはずだ。

まして・・・全員・・・本名で勤務なんてありえないのだった。

工作員は・・・隔離された施設で生れた時から洗脳教育を施され・・・素質のあるものだけが・・・社会に投入される。管理側が・・・家族に恵まれていても問題はないが・・・平和が50年も続いた国家では・・・当然・・・管理者も工作員出身である可能性は高い。その家族が血縁で結ばれることは稀だろう。

スパイにとって家族の愛は危険だからである。

しかし・・・そこは少年マンガの話である。父がスパイあるいは工作員あるいは秘密警察官あるいは警視庁警備局警備部特殊第三課課員でも愛しい妹を人質にとられたハッキングの天才少年は・・・たちまち・・・心が乱れるのだった。

謎のキーワード・ブラッディー・マンデイ・・・日本語にすれば血まみれ月曜日である。ナニの時にナニすればナニがナニになるのが月曜日だった・・・というわけではない。・・・トンスラ方面に逸脱したぞ・・・すまん。

もちろん・・・それが謎のテロ組織が・・・大量虐殺テロを起すことを暗示しているのだ。

ロシアで起こったウイルス兵器による大量虐殺「クリスマスの虐殺」により・・・ロシアの町が一つ消えた(住民がほぼ死に絶えた)ことが・・・各国情報機関を騒然とさせる。

すでに・・・電脳社会が超国家を実現している現代では・・・諜報戦争は複雑化している。謀略を行うには情報が漏洩しすぎるのである。各国情報機関は基本的に情報を共有している。地球を何度でも破滅させることのできる核兵器が存在し、人類を何度も絶滅させるだけの生物化学兵器を所有するこの世界はいつでも死の淵にいるのである。国家つまり支配者階級・・・つまり偉い人たちにとって・・・自分たちの帝国が危険にさらされるような事態は好ましくないのである。

もちろん・・・国家単位の情報組織は国益の追求を是とするので衝突することはあるが・・・それも均衡を保つために必要なことであって・・・物騒なことは極力回避なのである。

たとえば・・・9・11のような大規模テロは・・・狂信者のなせるワザだ。しかし・・・人々は疑心暗鬼を是とするので・・・それ以後の・・・アフガン戦争、イラク戦争、世界的な株暴落、ロシアの台頭を考えるとKGBの支配する国家が裏で糸を引いていたと考えることもできる。

その程度には疑われる国家ロシアでの・・・ウィルス兵器による虐殺。

各国情報機関は・・・新たなるテロ組織の発生に震撼するのであった。

しかし・・・ロシアはエネルギー資源の有効活用によって新たに得た国家パワーを損なうことを恐れ情報を封鎖する。

もっとも近い隣国である日本では・・・安全管理を担当する役人が戦々恐々となる。もしものことがあったら出世に響くからである。

警視庁長官が尻をたたかれ、警備局長が叱責され、局長直属の特殊第三課課長は頭ごなしにどやされる。

苑間課長(中原丈雄)「おい・・・あの件どうなってんだ・・・何もつかめないのかよ・・・お前ら・・・公僕としてたるんでるぞ」

高木班長(田中哲司)「情報は簡単にとれません・・・現地からの情報待ちです・・・」

課長「・・・手ぬるい・・・そうだ・・・お前の息子な・・・ほら・・・アダルトサイトを見ている首相官邸の要員のリストを総務省のホームページに貼り付けた奴・・・あいつ・・・優秀だったじゃん・・・あれに・・・やらせてみればいいじゃん」

班長「・・・しかし・・・息子は未成年ですし・・・不正アクセス禁止法に触れるようなことは・・・」

課長「何言ってんの・・・こちとら秘密組織なんだよ・・・予算獲得が大変なんだよ・・・経費削減で要員解雇になったら・・・一家の危機だろっ・・・ごたくならべてんじゃねえよ・・・」

加納班員(松重豊)「・・・班長・・・大変でんな・・・しかし・・・バカとハサミは使いようですよって」

課長「オレの息子をバカって言うなっ」

加納「えろうすんまへん」

宝生班員(片瀬那奈)「高木班長のご子息を確保します」

・・・こうして・・・どこぞの高校の・・・たいして成績優秀でも体力抜群でもない高校生・高木藤丸(三浦春馬)はコードネーム・ファルコン(自称)として・・・日本を襲う未曾有の危機に立ち向かうことになったのである。まあ・・・博士の息子だから巨大ロボットの操縦者になるのと同じ展開です。

しかし・・・基本的に甘えん坊の高校生藤丸は・・・いつも約束を守らない父親に拗ねているので任務を拒絶。こんな国家機密に触れて・・・たたですむと思うなよ・・・なのである。

だから・・・身内とはいえ・・・父の正体を息子が知っている時点で・・・スパイとして落第なんだってばさ。

そんな・・・息子は暢気にキライな教師の人生を破滅させて喜悦を覚えているダメ人間である。

突然・・・始まる学園モード。息子は新聞部員でした・・・。高飛車・朝田あおい(藤井美菜・・・鹿男あをによしの剣道部員佐倉)、低姿勢・安斎真子(徳永えり・・・フラガールの蒼井優の親友早苗役)、二枚目でロリコンの九条(佐藤健)、三枚目で年上好きの立川(久野雅弘)である。

そこへ・・・転任してくる女教師・折原マヤ(吉瀬美智子)・・・実は本編のヒロインでエロ・・・テロリストである。武器は巨乳らしい。

さすがだ・・・さすがに少年マンガだ。

この物語は妹萌えの兄が・・・妹は中学生・遥(川島海荷・・・コードブルー第一話で腕を切られていた)・・・女教師の色香に翻弄される物語なのです・・・それは違うと思う・・・いや・・間違いであってほしい。

とにかく・・・目的不明、背後関係不明・・・しかし・・・実行力は絶大の謎のテロリストたちは暗躍を始めていたのだった。

そして・・・ロシアから秘密情報を持ち帰った課員が射殺され・・・現場にいた高木班長は容疑者として指名手配される。そして・・・高木の部下たちは課内にいるスパイの嫌疑を高木班長に向けるのだった。

腎臓病を抱える妹は父のために・・・料理を作っている。その料理を食べに父が帰宅することを条件に任務を引きうけた藤丸・・・これってギャグなのかな・・・しかし・・・父は逃亡者になってしまうのだった。

やがて・・・課内スパイからの通報により・・・ファルコンの優秀さに目をつけたテロ組織は透析中の妹を拉致誘拐・・・復讐に燃えるエロ教師の自由にさせるのだった。

そして・・・ファルコンは脅迫に屈し・・・発電所のコンピューターへのハッキングし・・・パスワードの奪取を命じられるままに実行。

一方、ロシアからは裏ワザを使って「クリスマスの虐殺」の動画を入手するのだった。

そんな画像情報いくらでも捏造できるがな・・・。

とにかく・・・ロシア発のテロリストが東京を狙っていることが特定できたのだった。しかもウィルス兵器による攻撃である。さらにターゲットとなる建物も特定できたのである。

東京の広さが箱庭のようじゃないか・・・。

とにかく・・・発電所のハッキングはダミーで強襲・・・ターゲットの建物ではウィルス噴霧があるがフェイクという・・・ちょっとふざけたテロ組織であるらしい。

しかも・・・犯人は度の過ぎた愉快犯ということでお目こぼしになるらしい。

・・・このあたりが・・・もう・・・ガッカリです。

そのため・・・次の犠牲者はふてくされたサネイエ(江口のりこ)だった。

関連するキッドのブログ『のだめカンタービレ

で、『スクラップ・ティーチャー・教師再生・第1回』(日本テレビ081011PM9~)脚本・水橋文美江(他)、演出・南雲聖一を見た。格差社会は競争社会である。平等社会は不自由社会である。どちらがいいとか悪いとかは好みの問題である。競争を拒む優秀な人間もいるし一攫千金を狙うバカもいる。それは複雑な問題である。

もちろん・・・人間は自由で平等というないものねだりをする生き物だし、困難を克服するのが好きな人間にとって解決不可能な問題ほど面白いものはないのである。

およそ三十年前には・・・ソ連もあったし・・・ソ連の経済成長は脅威でもあった。経済のシステムの勝負はこういう結果になったわけだが・・・その経済競争は様々な禍根を残している。日教組と大臣の軋轢などもその一つにすぎない。まあ・・・三十年前には日本の人口は1%だが増加していて・・・減少に転じた現在もひとつの成果である。

環境問題を考える場合は増加よりも減少の方が正しい。

しかし・・・地球全体では予測通り67億人にいたる人口増加が継続しており・・・この巨悪は人命を尊重していることでは是正できないのである。

「今の日本ってなんかおかしいよね」というのってなんかおかしいよねといつもキッドは思うのだが・・・今とはいつとくらべて今なのか・・・日本がおかしくないときってあったのかと思うからである。しかし・・・子供は少ない情報、少ない経験から・・・そういう違和感を感じることはあるだろう。神は与え奪うのである。できる・・・と思うからできないのである。

そして・・・今回は・・・浪人、落第を経て29歳でようやく教壇に立つことができた教師・杉虎之助(上地雄輔)と彼をダメ教師から卒業させようとする謎の転校生・高杉(山田涼介)の物語であるらしい。例によって気楽なポジションのハケン教師・滝(加藤あい)である。

最初からダメな人間というものはいる。生れてすぐ死んでしまう子供もいるし、胎児の間に死ぬ子もいる。・・・おいおい・・・危険だよ。

しかし・・・生きている間にダメな人間になるものもいる。大体・・・ダメッてなんだよ・・・などと言う人間はダメ人間である。

で・・・平等社会はそういうダメ人間をカムフラージュするが競争社会はあぶりだすのである。

競争社会に敗れたからってダメ人間じゃないだろう・・・などと言う人は基本的にダメ人間である・・・危険、危険。

まあ・・・秋葉原事件です。競争社会の弊害です。

さて・・・弊害に対処するには二つの方法がある。一つは競争社会から方向転換をすること。たとえば運動会で順位はつけない。五輪はボイコットするという方向性です。すると・・・たちまち抑圧されたエネルギーが爆発します。

もう一つはセーフティーネットとか・・・敗者復活戦とか・・・再生とか更生とか・・・ようするに救済制度の構築です。

一応・・・このファンタジーはそちらの方向らしい。つまり・・・大変だけど競争はやめない・・・でも負けた人にも気配りしています・・・という態度なのである。

学校選択制度の採用により・・・公立中学校にも階級制度が自然発生し・・・統廃合の際には当然下位のものが廃校になる。

せっかく・・・希望に燃えて教壇に立った虎之助は・・・たちまち落胆し・・・やる気を失ってしまいます。かっては抱き合って励ましあった生徒の久坂(中島裕翔)がクラスでいじめられていても・・・感じることができないほどダメ教師に転落です。

競争のための判断基準となる統一学力テストも鬱で自殺願望のある校長(升毅)の投げやりな方針で参加しない方向に。

たちまち・・・ゴミ屋敷となる学校。ファンタスティック。

片付けられない教師と生徒たちになってしまったのです。

そんな中・・・謎の転校生トリオが現れて・・・虎之助の根性を竹刀でたたきなおします。・・・その手があったかっ。逆体罰か。正義の鉄拳制裁かっ。

痛みと屈辱で教師本来の姿を取り戻す・・・虎之助。そうです。教師とは生徒の奴隷であるべきなのです。

そうでない対等な人間であろうとすると・・・自分より優秀な生徒に出合ったとき・・・嫉妬で叩き潰します。

虎之助は久坂の希望を入れて担任を務めるクラスだけ学力テストに参加します。

格差社会の中の格差学校で格差学級誕生です。

これを絶対に許せない平等主義者の教師・松尾(向井理)・・・テスト用紙の入ったロッカーの鍵を川に投げ捨てです。平等主義者ならではの陰湿ぶりです。つまり・・・これが・・・日本をダメにする日教・・・。

しかし・・・どうやら・・・競争主義の継続のために部分修正を実地している転校生トリオはすべてを読みきっているらしい。

もちろん・・・それなら・・・ロッカーの鍵がないことを朝、電話すれば済む話だがそれではカンフル剤としての元気が出るドラマにならないのであわてて鍵をとりに戻る虎之助をフォローである。

ヘリコプター出動、スカイダイビングでありえない決着なのだった。

滝「ドクターヘリみたい・・・」

関連するキッドのブログ『世にも奇妙な物語

              『ハケンの品格

              『海猿

月曜日に見る予定のテレビ『西遊記』(TBSテレビ)

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2008年10月11日 (土)

てん、てん、天使なのです。(小嶋陽菜・高橋みなみ・峰岸みなみ)リクカイクウって自衛隊かっ。(多岐川華子)

「ウォーキン☆バタフライ」の後番組である。また路線が変更。ただし・・・夢を目指す女の子のコンセプトはやや残っている。しかし・・・どちらかといえば・・・マニアックな匂いがしてきた。

それもすべて・・・広田レオナが出ているからだな。もうつきぬけている。

自分で顔もスタイルも中の上と言ってしまう・・・アイドル・オーディションに落選する女の子たち。しかし・・・広田レオナは彼女たちに「顔もスタイルも並」と言い切るのである。一応・・・現役アイドル三人(いずれもAKB48・ノースリーブス)なのだが・・・まあ・・・確かに並と言われれば並だ・・・おいおい。

そこに・・・格上の存在として君臨するナンバーワン・アイドル歌手役が多岐川華子である。

「七瀬ふたたび」の初代七瀬の娘だ・・・パチンコのCM(創聖のアクエリオンとか大夏祭り)とかで超絶美少女ぶりを披露しているのだが・・・美人すぎて敬遠されているのか深窓の令嬢戦略なのか・・・よくわからないプロモーション戦略である。黒木メイサ系だが・・・そもそも多岐川裕美系なのである・・・ともに20歳。沢尻エリカの次の世代の文句なく美人キャラなのだ。まあ・・・そういうキャラを使える企画が出にくいご時勢なのか・・・。

早くも美しいが悪いお姉さんポジションだ・・・。

その直後のタカハタ秀太・演出の「アベレイジ2」には貫地谷しほりが登場。深夜番組のアシスタント・プロデューサー役で付き合いがらみのつまらない芝居の俳優の楽屋に挨拶という楽屋オチネタである。二年前にはほめる場所がないので貧血で倒れ(演技)、去年はインフルエンザでマスク(仮病)、今年こそはほめようとするが言葉につまる。そこに実在の松嶋尚美が登場・・・酷評しまくって帰り・・・ほめずにすむ。二人には共通点があるという楽屋オチなのである。松嶋尚美の読み方はなほみなのである。なほみとしほりなのだ・・・もう・・・おしゃれだがなんだかわからないよ・・・秀太。

ついでに「堀北真希と南海ひょうたん島10人の子供たち」はグダグダな感じの「課外授業」である。海で子供たちと遊び・・・川で子供たちと遊びなのだが・・・堀北完全武装なのである・・・「イケメン♂パラダイス」で見せたビキニはノンフィクションでは見せないのだな。しかし・・・天の配剤で・・・川に転落してびしょ濡れにはなるのだった。神様ありがとうございます。ちなみに・・・「イケ♂パラ」と言えばアイドルが男装する話だが・・・「メン☆ドル」は明らかにそのいただきである。まあ・・・往年の仁侠映画→金八の上戸彩→イケ♂パラの堀北と続くサラシの系譜は・・・今回も滔々と流れています。ま・・・並ですけど。

で、『メン☆ドル イケメンアイドル・第1回』(テレビ東京081011AM0012~)脚本・岩村匡子、演出・木下高男を見た。深夜にいろいろな企画があり・・・埋没しそうになるところをギリギリこらえる東京ローカル。視聴出来ないお茶の間の皆さんはすみません。

アイドルのオーディション会場にセーラー服で乗り込む若松アサヒ(小嶋・・・ヤスコとケンジの真行寺である)・・・すでに18歳(実年齢は20歳)でアイドルを目指すには少し出遅れ気味である。そして49回目のオーディションも不合格なのであった。そこには38回落ちているアイドルバンド志望の河内ナミ(高橋・・・斉藤さんの女子高校生けいである)、すでに落選100回を越えているロリータ電波系の音羽ヒナタ(峰岸・・・キャットストリートのフリースクール生徒ゆかりである)もいて・・・落胆仲間として家路につく。しかし・・・ヒナタには審査員の音楽番組プロデューサーから携帯電話に連絡があり・・・呼び戻される。

なったばかりの仲間の幸運にアサヒとナミは素直に喜べない。

オーディション会場のテレビ局の地下駐車場では怪しい事件が・・・いかにも堅気の人ではない男たち(ボス・白竜)がジャーナリストを拉致して車で走り去った。ジャーナリストは落し物・・・マスコット人形・・・をして・・・それを通りかかったアサヒが拾う。そこへ・・・走り去った車が戻ってきて・・・ヤクザのボスのような人が人形を渡すようにと迫るのである。拳銃で脅迫である。その時・・・アサヒは脱兎の如く・・・逃げ出すのだった。・・・このありえなさがいい・・・のか悪いのか深夜なのでよくわかりません。

すごくセキュリティーの甘いテレビ局で・・・アサヒとナミもヤクザのような男たちも出入り自由である。

アサヒが最初に逃げ込んだ部屋では芸能事務所社長・鴨嘴冴子(かものはしさえこ・広田)と秘書のマリリン(インリン・オブ・ジョイトイ)がエルの世界(レズビアン)の濃厚キスをしているのだった。ここから・・・バニーガールの行きかう廊下を経て・・・アサヒとナミは衣装室へ。ここで変装して脱出に成功する。その二人の姿に・・・冴子はインスピレーションを感じ・・・スカウトとするのだった。

デビューの話に飛びつく二人。即効で契約書にサインである。

「本当になれるのですか?・・・アイドルに」

「なれるわよ・・・男性アイドルに・・・」

そんなバカなと断ろうとするナミに・・・アサヒは・・・その手があったかと目を輝かすのだ。

この後・・・不審な男たちのことを警察に通報しようとするナミに・・・アサヒは・・・これからデビューする大事なときに面倒なことはダメと釘を刺すのである。

こうしてあくまで男性としてデビューすることが決まった二人。グループ名は「ペルソナ(仮面)」・・・二人の芸名はアサヒがリク、ナミがカイである。

正体を隠すために冴子は二人の両親に・・・芸の修行のために海外留学したと説得・・・二人は事務所で寮生活である。

手回しのいい社長は親会社の芸能プロの社長猿川(太川陽介)を色仕掛けで攻略・・・人気音楽番組の新人紹介コーナーに二人をねじこむ。

三日間の特訓で初めての舞台に立つリクとカイ・・・このありえなさが・・・もういいか。

屋外イベント会場での小さな舞台・・・しかし・・・二人はすっかり舞い上がってしまう。

そこへ・・・現れた・・・ヒナタはカッターナイフを握りしめていた。オーディションに合格したのではなく・・・この番組のブロデューサーの性奴隷としてあつかわれそうになったヒナタは復讐の念に燃え・・・公開自殺をしにきたのだった。

過去に同様の経験を持つリクとカイには・・・ヒナタの気持ちはよくわかるのだった。

「だめよ・・・あなたは地上の天使になるんでしょ・・・天使だったら人を不幸にするようなことをしちゃダメ・・・」

「天使になれるかな・・・」

「きっとなれるよ・・・」

カッターナイフを放棄したヒナタ・・・会場は予期せぬ出来事に興奮するのだった。その勢いに乗ってペルソナのデビューは成功を収める。

「なんなの・・・あいつら・・・」・・・会場では人気歌手のレイ(多岐川華子)が憎々しげにつぶやくのだった・・・もう少し出番お願いします。

そして・・・リクとカイの前に男装して現れるヒナタ。

「仲間に入れて・・・」

「えーっそんなー」

・・・なのであるが冴子は即決OKなのである。

「あなたは今日からクウよーっ」なのであった。

まあ・・・とりあえず・・・面白い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・かな? まあ・・・番組の主題歌は彼女(彼)たちが歌いますけどね。それにしてもタイトル・・・略して・・・説明って・・・どうなの?

関連するキッドのブログ『コインロッカー物語

日曜日に見る予定のテレビ『機動戦士ガンダム00』(TBSテレビ)『篤姫』(NHK総合)『花ざかりの君たちへ・イケメン♂パラダイス・卒業式&7と1/2話スペシャル』(フジテレビ)ここに来たのか。『新垣結衣の恋空』(TBSテレビ)うう・・・激突かっ。

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2008年10月10日 (金)

七瀬サン、私ハアナタノ崇拝者デス。(ダンテ・カーヴァー)

・・・じゃないのかよっ・・・と思いました。

今回のテレキネシス(念動力)の人ヘンリー役は「聖者の行進」から十年、郭智博・・・。最近では「ROOKIES」の野球部の三年生・小林です。・・・黒人じゃないヘンリーなんて・・・ま、いいか。

もう・・・あらゆる場面で「痛さ」満載のドラマですが・・・まあ・・・基本的に日本の空想科学小説のドラマ化はいつもこんな感じなので・・・慣れました。・・・でもね。たまには悲観を裏切ってほしいよ。

木曜日のドラマは対決はしていないが・・・「七瀬ふたたび」*9.1%、「夢をかなえるゾウ」*4.1%、「渡鬼」14.4%、「風のガーデン」20.1%・・・故・緒形拳追悼か・・・。それでも倉本聰ドラマはそこそこ安定した視聴率なんだよな。まあ・・・落ち着いて見られるからかな・・・。時々・・・ものすごくくどい時があるけど・・・味だからな。倉本なのに時々・・・山田太一みたいなところがあるが演出家が山田の娘だからである。血というものはおそろしいな。

で、『七瀬ふたたび・第1回』(NHK総合081009PM8~)原作・筒井康隆、脚本・伴一彦、演出・笠浦友愛を見た。原作は1975年の出版である。超心理学については・・・それ以後、爆発的に進化したわけではないので・・・現代でも遜色はない・・・と思う。

小説は実験的手法の強いもので・・・テレパス(精神感応力能力者)である七瀬が住み込みのお手伝いとして様々な家庭を転々としながら・・・奇妙な心を持つ人々の心理を読んでいく連作スタイルの「家族八景」(1972)、様々な超能力者たちとの出会いと超能力者に対する魔女狩り的迫害を描いた「七瀬ふたたび」、そして、ついに死後の世界でこの世の神との邂逅を果たすスペクタクル「エディプスの恋人」(1977)の三部作によっている。そして・・・なぜか・・・まあ、分りますが・・・「七瀬ふたたび」だけが四度目のドラマ化である。

前編と後編なしで・・・いいのかよっ・・・といつも思うのだった。

ま・・・それだけ・・・原作が・・・次から次へと繰り出される超能力の新しいアイディア、超能力者同志の対立、人類対新人類の軋轢、世界に横たわる悪意、そして・・・七瀬と青年岩淵恒夫とのせつない恋(今回のドラマでは恒介に・・・なんの意味が・・・)と・・・ドラマチックな要素てんこもりのエンターティメントだということでしょう。

もちろん・・・「心を読む」とはどういうことなのか・・・「心」とはなにかという哲学要素の強い「家族八景」よりも「表層意識をとらえる」ということでいいじゃないか・・・という妥協をしている「七瀬ふたたび」の方が甘口に仕上がっていることは言うのでもありません。

また・・・1977年を境に神様が男性神から女性神にバトンタッチしたという壮大なギャグである「エディップスの恋人」よりもドタバタも控え目です。

要するに面白いということです。

さて・・・その名作のドラマ化ですから・・・「冗談じゃない!」でもう一つのりきれなかった脚本家は相当に力が入っているでしょう。そのためにものすごく・・・アレンジをしています。恒夫の名前を変えちゃうくらいです。

そのために・・・かなり・・・不安な出だしになっています。

さて・・・中篇からのスタートで・・・脚本家が悩むのは過去の七瀬をどうするか・・・です。

本来・・・「七瀬ふたたび」の七瀬は「家族八景」で様々な体験をしており・・・ある意味・・・ベテランのテレパスです。凡人の群れの中の超人として・・・正体が発覚する危険というものを充分に認識しているわけです。ところが・・・それをお茶の間に伝えようとすると・・・これが結構大変です。まあ・・・いじめ社会でいじめられないいじめられっ子を伝えようとする困難さがあるわけです。

今回は・・・第1回で突然、超能力が発動し始めた・・・という展開です。しかも・・・怪しい科学者である父(小日向文世・・・またか・・・また遺影か・・・いや・・・しかし・・・)が「能力を忘れさせた」という設定です。・・・能力がどうして発動するのかわからないのに・・・それを消去できる・・・仕掛けを考えているのかどうか・・・とても不安です。

そして・・・基本的にはすごく知的である・・・七瀬が・・・かなり頭の悪いキャラとして描かれることになります。つまり・・・能力に慣れていないから・・・というわけですが・・・それはどうだろう。人の心を読むことで「耳年増」になっており・・・見かけより・・・大人というのが七瀬の魅力なのに・・・と考えます。しかし・・・まあ・・・七瀬の実写版を見ることのできる喜びはそういう違和感を打ち消すインパクトがあるので・・・よろしいでしょう。

地方都市の介護施設で働く田中七瀬(奥森皐月→高瀬岬→蓮佛美沙子)は幼い頃・・・エスパーとしての能力を発露していた・・・しかし・・・それは何らかの方法で封印されたらしい。封印の発案者である父親は自殺・・・ただし死体は発見されていない・・・七瀬は本名の火田七瀬を隠し、母と一般人として暮らしていた。もちろん・・・時々・・・妙に勘がいいのを除いて。

しかし・・・母が交通事故にあったショックから・・・何らかの方法で封印されていた能力が発動し・・・瀕死の状態の母の心の声が聞こえるようになる。母は・・・七瀬に秘密があることを暗示して昇天する。

それ以来・・・周囲の人々の意識が聞こえるようになった七瀬。耳をふさいでもムダなのであるが・・・素人なのでふさいでしまうのだった。

そんな七瀬の前に過去の七瀬を知る科学者・漁藤子(水野美紀・・・原作では女子高校生である・・・彼女が女子高校生であることは重要な要素であるので・・・もはや違うドラマとして見るしかない・・・)が姿を見せる・・・七瀬の親友・真弓(柳原可奈子)も登場し・・・もしも彼女がヘニーデ姫だったら卒倒するぞ・・・。ああ・・・ものすごく違和感があるぞ。

その頃・・・東京では女性を狙った連続殺人事件が発生し・・・事件現場に必ず姿を見せる青年マジシャン・岩淵(塩谷瞬・・・原作では内気な画家・・・とにかくものすごく・・・もう・・・いいか)は高村刑事(市川亀治郎・・・武田信玄である)に不審人物として疑いをかけられる。

岩淵は・・・未来を感知するプレコグニション(予知)能力者であり・・・事件を予知して未然に防ごうと現場にかけつけるが間に合わない・・・というのが真相だった。もちろん・・・そんなことを信じる人は1万人に一人いるかどうかだろう・・・と岩淵は思うのだが・・・つい「ただ見えただけ・・・」などと言ってしまう頭の悪さがある。

ドラマには「人の死を予見したものが未然に防がないのは悪」という不文律があるので・・・一応・・・葛藤する岩淵なのである。そんなこと言っても人類は毎年六千~七千万人くらい死ぬのが自然なのであっていちいち付き合っていては身が持たないのである。

漁の心に浮かんだ父親の正体を探るために・・・上京した七瀬は・・・なんの手がかりも掴むことはできない。

失意のまま・・・乗り合わせた電車に・・・第二のテレパシスト・広瀬朗(宮坂健太・・・原作ではノリオ)がいた。両親のいない彼は親戚にたらいまわしにされているが今回は施設に預けられる途中だった。もちろん・・・引率する叔母に対してはクールな悪意を持っている。

けれど・・・ドラマではそういうキャラクターは好ましくないので・・・その後の経過はあっさりと描かれる。

「お姉ちゃんも心が読めるの」

「あなたも・・・」

「話をしたのは初めてだ・・・ボクたち・・・仲間だね・・・」

もう一人電車に乗り合わせるものがいた。・・・岩淵である。

彼は・・・この電車に乗り・・・七瀬と出会うことを予知していたのである。

ドラマでは充分に描かれていないが・・・彼は予知した通りに行動しないと・・・死ぬという強迫観念にとりつかれているのだ。

そして・・・降りだした豪雨の中・・・七瀬たちが降車した後で・・・電車は土砂崩れに巻き込まれ大惨事となるのである。

岩淵の心に・・・その予知を見つけた・・・七瀬は・・・乗客の説得を試みるが・・・もちろん・・・信じるものはいない。

機転をきかせて車掌に事態を告げるとみせかけて・・・クールにおりた朗。

そして・・・七瀬と岩淵をホームに残し・・・列車は「死」へ向かって走り去る。

頭が悪い設定なので仕方なく岩淵を非難がましく睨む七瀬。

「僕たち・・・三人が降りることは決まっていた・・・未来はいつだって変えられないんだよ」

人道的には問題あるが・・・不可抗力・・・いい人しか描けないドラマは大変でございますよね。

関連するキッドのブログ『キャットストリート

で、『風のガーデン・第1回』(フジテレビ081009PM10~)脚本・倉本聰、演出・宮本理江子を見た。こちらはお茶の間に迎合しない作品宣言を時々する脚本家の作品なので時々、反社会的である。まあ・・・主人公の白鳥がナース・妙子(伊藤蘭)に食事を作らせたりしているくせにシャンソン歌手・茜(平原綾香)と逢瀬を楽しむチョイ悪親父だったり・・・白鳥の娘・ルイ(黒木メイサ)が不倫していたり・・・そういうことだけかっ。

しかし・・・過去に死んだ妻との間に何かあったと思われる麻酔医・白鳥は・・・投資ファンドの黒幕経営者・二神(奥田英二)に死期を悟らせまいといる政財界の大物たちの意向を受けて・・・二神はおろか・・・その唯一の家族・香苗(国仲涼子)にも病状を説明しない・・・という黒さを持っていた。・・・これはかなり反社会的なのか・・・。

まあ・・・後は・・・ひたすらに・・・中井貴一である。ずーっと中井貴一なので・・・辛抱たまらん人には辛抱たまらんでしょう。

そんな・・・白鳥の父は赤ひげ先生と呼ばれる北海道の良心的な医師・貞三である。知的障害を抱える孫の岳(神木隆之介)に変な花言葉を教える以外は・・・いい人らしい。うちのホンカンから三十年の大滝秀治はボケ老人である。

患者「市民病院は好かん・・・オレをボケ老人あつかいだっ」

医師「・・・」

患者「息子さんは元気か」

医師「今、東京にいるよ」

患者「そうか・・・息子さんは東京か」

医師「・・・」

患者「息子さんは元気か」

(エンドレス)

関連するキッドのブログ『拝啓、父上様

で、『夢をかなえるゾウ・第二回』(日本テレビ081010AM0028~)原作・水野敬也、脚本・三浦有為子、演出・国本雅広を見た。自己啓発というのは胡散臭いものだが、この世は胡散臭いし人間は胡散臭いので胡散臭くていいのである。・・・断頭台の露と消えるか?

・・・まあ・・・ある意味・・・ドタバタ人生相談なので・・・「33分探偵」で水川あさみの魅力だけで視聴を続けた人は見るべきだろう。

今回はお好み焼きの削り節を口元につけて、マリー・アントワネット(堀内敬子)プロデュースの「パンがなければケーキをお食べ」ファッションに身をつつみ、土佐名物よさこい音頭を踊る星野あすか(水川)が楽しめます。

武田信玄(畠中洋)、ジュリアス・シーザー(橋本さとし)のアドバイスを受け・・・インドの神・ガネーシャ(古田新太)が実況を見守る中・・・女の戦場である合コンに臨むあすか・・・。

ガネーシャが幸運を呼び込む課題して提示するのは「左手を使う」「心のこもったボディータッチ」そして「沈黙」である。

もちろん・・・聾唖者をおちょくった展開になるのは必至で・・・反社会度はもっとも高めである。

ふっ・・・お笑いつくるのに道徳的なことなんかやってられるか・・・なのだな。キッドはもちろんそうだと思う。

キッドの座右の銘「人を信じるな、人を疑うな、どっちなんだよぉ

土曜日に見る予定のテレビ『ブラッディ・マンデイ』(TBSテレビ)『スクラップ・ティーチャー』(日本テレビ)『ルーム オブ キング』(フジテレビ)『トンスラ』(日本テレビ)血の月曜日にポンコツ教師が部屋の主に頭頂部を剃髪である・・・わけがわかりません。

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2008年10月 9日 (木)

実力で負けて悔し涙を流したことがありますか?(観月ありさ)

「OLにっぽん」*8.3%のスタートである。ちなみに「爆笑レッドカーペット3時間満点コラボ祭り!!」は16.5%だった。

・・・最大の失敗は中国人を毛嫌いする野呂主任(モロ師岡)を無能の人として描いていることだろう。

中国人を嫌悪するのは日本人なら当然抱くべき感情であり、それを勧善懲悪的に否定するドラマは最初からスタートラインが低くなるわけである。

中国の脅威を描くためにはもう少し、頭脳的な処理が必要だろう。

張琳(タン・ジャースー)を田舎から出てきた健気な頑張り屋さんと描くくらいではお茶の間はごまかされない。

相手は仮想敵国なのであり・・・敬意は払っても心を許す必要はないのである。

で、『OLにっぽん・第一回』(日本テレビ081008PM1015~)脚本・中園ミホ、演出・岩本仁志を見た。ドラマとしては申し分のない出来だったと思う。正社員VSハケンの対決を描いた「ハケンの品格」にほぼ連なるシリーズ。今回は国外へのアウト・ソーシング(外部委託)に焦点をあて・・・正社員・ハケン・VS中国人の対決なのである。それはグローバルな多国籍企業と・・・チーム日本との戦いでもある。そして・・・国家というものをどう考えるかという思想の探索でもある。

昨日の「ありがとう、オカン」では下請け企業は中国製品に圧されて倒産する。利潤の追求を考えれば親企業の当然の選択である・・・という考え方の結果・・・庶民はすべてのものに毒入りを疑わなければ食を確保できない時代を迎えている。そして・・・世界同時株安の危機を迎え、最低賃金は抑止され続ける。

もちろん・・・国家戦略は対中国だけで語られる問題ではないが・・・ここはあえて絞って考える。

経済の規模では中国は日本と肩を並べている。しかし、十倍の人口比を考えると、現在の日本人は中国人の十倍のお金持ちである。その十倍をどう使うかが日本の命運を分けるだろう。つまり・・・岐路なのである。

もしも・・・中国人がこの格差を生めた時・・・日本は中国の十分の一しか国力を持たないのだ。

たとえば人間には能力の格差というものがある。日本人の能力上位一千万人に対し、中国人は一億人がそれに対することになる。つまり・・・日本で最高の人材が・・・中国では九千万位になる可能性があるのである。

もしも・・・そうなったら・・・日本人は口惜しくて涙を流すだけではすまないのだ。

そうならないためには日本人の基本的な能力の底上げを図らなければならない。泣こうがわめこうが英才教育・・・これしかないのである。基本的には母国語をあわせて三ヶ国語に堪能でなければならない。義務教育期間中に理数系と言語系の選択をしなければならない。それ以外は予備軍となる。予備軍は徹底した順応教育を施すべきだろう。どんな部品になろうとも死ぬまで従順に働く階級である。

まあ・・・そういう悪夢のような世界の到来が背景にあるドラマなので・・・エンターティメントとして成立するのは難しいと思うのである。

実際・・・日本には資源がない。あるのは人材だけなのである。もしも・・・勝負をする気ならこれに磨きをかけるしかないのだ。

例によってそこそこの大企業。社員はあまり働いていない。総務部総務課に務めるOLの神崎(観月)は「落ちこぼれにならないように頑張り、負け組にならないように頑張ってきた」スキルとキャリアにそこそこの自尊心を持っている。そんな総務部に大阪支社から栄転してきた藤田部長(浅野ゆう子)・・・この組合せは「私を旅館に連れてって」(2001フジテレビ)であるな・・・世の流れにそって海外(中国)への業務委託のエキスパートである。おそらく・・・大阪支社ではこの流儀で経費節約というお手柄を立てたのだろう。

それはいかにも無能そうな朝比奈経理課長(東幹久)、いかにも視野のせまい野呂主任(モロ)という神崎の上司の顔ぶれからも明らかである。後輩OLの桜(美波)は食欲だけは旺盛である・・・有閑倶楽部かっ・・・つまり・・・前部長が経営トップ入りした形跡はないのである。

その中でそこそこ有能なOLだった神崎だが・・・実はそれはぬるま湯の有能さだったのだ。

そして・・・それほど有能でもない経営トップは・・・経理業務、人事業務とアウト・ソーシングにより経営効率化に成功し・・・ついに・・・総務部にも業務のアウトソーシング化を導入することを決定したのだ。

単純に言えば・・・国内のハケン企業が・・・中国のハケン企業に営業競争で敗北したのである。一人の日本人スタッフに払う賃金で同じ能力の中国人を15人雇えるとしたら・・・日本人を雇う意味は国防的な問題以外はまるでないのだ。

もちろん・・・冒頭に述べたように・・・国力の低下は免れないし・・・情報が流出しセキュリティー的には大問題である。しかし・・・経営者にそんなこと言ってもムダなのだ。儲かる方がいいに決まっているのである。ましてや・・・能力主義の経営トップともなれば国際人である。国家なんてあってもなくてもいい・・・と普通に考えるのだ。

こうして・・・登場したのが中国人を英才教育する人買い・・・いや人材派遣業のマネージャーチビ太・・・小旗(阿部サダヲ)である。彼がどういう経路を経て中国の手先になったのかはまだ語られないが・・・その心底には日本に対する暗い怨念が満ちている。おそらく低身長で・・・なにか辛い目にあったのだろう。

彼が・・・連れてきたのは秘蔵の中国娘・・・張琳と楊洋(ローラ・チャン)だった。

中国支社に出張した神崎は・・・現地で働く中国人たちを「マシン(機械)のように働いていた・・・私たちのような心のある存在ではない」と根拠のない優越感を持っていた。やってきた中国娘たちは・・・訛った日本語を話し・・・なにやら怪しい存在である。しかし・・・人間として親切にしてあげようとは思うのだった。

成田空港に張琳を迎えた神崎は紛失した荷物を親身になって捜す人の良さを持っているのである・・・斉藤さんかっ。

しかし・・・そんな・・・張琳に「日本語タイピング勝負」を挑まれた神崎。勝負になるわけはない・・・と思っていた神崎だったが・・・チビ太にうまくのせられて結局勝負することに・・・例によって課をあげてのイベント化である・・・だから水曜ドラマの会社は仕事しろよっ。

そして・・・タッチの差で敗北した・・・神崎。

「私が日本に残れるようにわざと負けてくれてありがとう」と無邪気に感謝する張琳は貧しいアパートだるま荘で手料理で感謝を伝えようとする。剣菱悠理・・・ではなくて・・・桜は美味しくいただくのだが・・・「日本のOLはなぜ職場で化粧するのか」と問われ・・・言葉に屈するのである。

憤然と家を飛び出した神崎に通りすがりのチビ太が言う。

「・・・あんたの有能さは無能に毛が生えた程度のものなのさ」

翌日・・・スッピン(素顔のようなメイク)で出社した神崎は・・・日本人としての誇りを忘れ・・・中国人たちを教育し始めるのだった。そんなことしちゃ・・・ダメーっ・・・っとキッドは思います。中国人も日本人も同じ人間じゃないか・・・という展開だとしたら日本滅亡のシナリオに加担したドラマとなるでしょう。

ま・・・キッドは面白ければそれでいいと思いますけど。・・・う、裏切りもの・・・。

関連するキッドのブログ『斉藤さん

               『有閑倶楽部

金曜日に見る予定のテレビ『メン☆ドル』(日本テレビ)←ドラマです・・・『堀北真希と南海ひょうたん島10人の子供たち』(フジテレビ)←ドラマではありません。

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2008年10月 8日 (水)

ありがとう、オカン。(戸田恵梨香)えへへ・・・(大竹しのぶ)

「信じる」とはないものをあると思うことである。

たとえば・・・「愛」・・・たとえば「親子の情」・・・そんなものはないのだが・・・あると思うのである。

そういうことができるのである。人間の「心」が・・・である。

もちろん・・・「信じない」というのはあるものをないと思うことである。

あるのか・・・ないのか・・・それは本当はわからない。

しかし・・・人は哺乳類を観察していて・・・ひょっとしたら人間にも・・・「愛」があるかもしれない・・・と考える。

しかし・・・愛を考えるということは・・・すでに愛を疑っている証拠なのだ。

人間は面倒くさい生き物だ。

俳優の緒形拳が亡くなって株価が大暴落である。・・・関係ないだろう・・・と思う人は関係というものを分っていない。関係とは運命であり・・・この世のすべてのことは生死と無関係ではないのである。強烈な個性の喪失は世界の気分を大きく変えるのだ。残されたものは歯をくいしばって耐えるしかないのだ。

で、『ありがとう、オカン』(フジテレビ081007PM9~)脚本・金子ありさ、演出・三宅喜重を見た。視聴率は*9.5%・・・微妙である。朝ドラマで里親問題をあつかった「瞳」があって・・・比較すると・・・脚本家のいつものリアリティーのなさが際立つとか・・・主役である・・・いっちょかみ(世話好きの方言)の未亡人・華子(大竹しのぶ)の死んだ亭主が小日向文世(遺影のみ)で縁起が悪かったとか・・・配役的には主役は幸也(渋谷すばる)と虎太郎(村上信五)なのだが無理があった・・・華子の実の娘・紀世子(戸田恵梨香)とその恋人・弘明(吉沢悠)はとってつけられた存在だったとか・・・まあ・・・またしてもとんでもないドラマ一丁上がりである。・・・もういい加減気がついてほしい。

しかも・・・冒頭・・・大阪の路面電車・阪堺電気軌道のロングショットから「天王寺駅前行き」の車輌の中の親を失った幼い少年と福祉課のベテラン職員・長谷川(大杉漣)そして新人・永坂(石田ゆり子)の三人のショットは妙にこだわっていて・・・仏作って魂入れずの予感がプンプンしたのである。

この脚本家の失敗は・・・「ロマン」を説明しないことであるが・・・つまり・・・基本的にスカシなのである。だから・・・「ナースのお仕事」とか「電車男」とか「がんばっていきまっしょい」・・・構造がしっかりしているものをそこそこおしゃれに展開するときは問題ないのだが・・・そうでないと・・・きゅうりの入っていないかっぱ巻きを食べたような気分になる。

路上で血を流して死んだ父親の記憶を残す少年を引き取った里親は町工場を経営する華子だった。孤児であった夫・・・片親だった自分の体験を生かして里親を引き受けている華子。夫の死後も親のない子を引き受けている。実子の紀世子は口には出さないが・・・自分の食い扶持が減っていることを密かに不満に思っている。

華子の家にはすでに旅立ちの日(18歳になったら里親は続けられないという制度)が近い幸也と虎太郎の他に幼い兄妹の里子もいる。少年を加えると母一人子供6人の大家族である。しかも・・・華子は単なる経営者ではなく・・・工場で汗を流す作業員でもある。

このあたりの際どさが・・・聞き流せる人とそうでない人がいるのは充分に想像できるのである。

かなり・・・無理があるだろう。

しかし・・・育てるのは「親のない子供」なのだ。充分なケアが必要だという考え方と・・・いないよりいた方がマシという考え方がもつれるわけである。

長谷川は・・・どうやら華子の人柄を見込んで・・・難しい子供を預けているニュアンスがある。しかし・・・人柄で解決しない問題もあるはずである。けれど・・・もちろん・・・この脚本家は・・・そういうところに深入りしないのである。

下請けの部品工場の経営は思わしくないし・・・子供たちはそれぞれに心の闇を潜ませている。毎日が修羅場のはずなのであるが・・・もちろん・・・そういう描写もない。

ただ・・・幼児退行を起した新入りの少年が・・・食事を庭に投げ捨てお皿を割りまくってもひたすら優しく見守るのが華子の子育てなのであった。もちろん・・・キッドなら折檻するのが正しいと思うが・・・民間におまかせの役所の人である長谷川は「子育てに絶対はないから・・・」と優しく諭すのだった。

そうなのである・・・すべてが淡々と・・・そういうのもありじゃないの・・・という展開で進むのがこの脚本家の持ち味なのである。まさにお茶の間におまかせ気質なのである。

で・・・どんな育て方をしようと・・・人はそれぞれに育つ・・・というお話しである。

虎太郎は明るく前向きに育ち・・・幸也はちょっと拗ねた目をしていた。

で・・・虎太郎は華子の工場に就職・・・幸也はミュージシャンになりたかったのだが・・・レストランに就職。

しかし・・・幸也は明らさまに嫌われ役の上司を殴って退職である。

そこで・・・連絡を受けた華子は工場を飛び出していく。他にも子供が家出したり、子供が将棋の駒を飲んだりすると飛び出します。

ここで・・・とてもある種の人々には耐えられない場面になる。

幸也は路上でライブをしていた。それを見守る華子は・・・雨も降っていないのに赤い傘と紙袋に入った手作り弁当を持って立っている。やがて・・・振り出す雨・・・華子は唐突に紙袋を幸也の側に置くとそれに傘をさしかけて去って行くのである。天気予報見たなら自分の分も持ってくるべきだろう。

とにかく・・・そんなことやっているので・・・工場は傾きます。とにかく・・・技術開発とか・・・設備投資とか・・・営業努力とか・・・そういう努力とは無縁な華子です・・・趣味の子育てで手一杯なのです・・・とも言えるわけだが・・・底辺というものは結局・・・そういう意味不明な善意で支えられている側面もあるわけです。・・・まあ・・・いかにも危ういのですが・・・もちろん・・・そういう人を脚本家は描きたいのですから仕方ありません。

そうした・・・様々な問題を暗示しつつ・・・突然・・・二年経過です・・・おいおい。

すごいのは・・・二年たっているのに子役たちはそのままである。栄養失調なのか。

まあ・・・メルヘンの世界にとやかく言ってもな。

そして・・・里子を卒業した二人にも転機が訪れていた。

虎太郎の前には実母(山下容莉枝)が現れ金の無心である。虎太郎は工場のお金を使い込んでしまう。

幸也は恋人(中村ゆり)と同棲中・・・恋人が妊娠して・・・なんとなく気が重い。

幼い頃の幸也(吉川史樹)は実父から家庭内暴力を受けていた・・・その古傷が疼くのである。そんな父親を激しく求める幼い頃の自分を・・・幸也はまだ心に飼っているのである。

ここで・・・工場の資金を盗んだのは誰だのドタバタがある。

「お母さんは立派だけど・・・里子は裏切る・・・もうやめてよ」と実子である紀世子の本音を聞かされる華子・・・そして・・・工場の倒産も回避不能に・・・。

華子はすべてを投げ出しました・・・。

そして・・・幼い里子たちは・・・新しい里親のもとへ去っていきます。路面電車の駅での別れ・・・「オカン・・・いい子にするから・・・置いといて・・・」・・・「ごめん」・・・とにかく・・・演出家は路面電車にこだわっているようです。

引っ越しの整理で華子の里親日記を発見する紀世子は・・・細かく書かれた日常にちょっと感動します。・・・多忙を極めているのに日記まで・・・まあいいでしょう。

里子の家族たちが消えたがらんとした部屋。職を失った従業員の庄内(六平直政)が「いれば鬱陶しい、いなければ淋しい・・・それが家族ってもんでさ」と紀世子の心情を代弁します。まあ・・・正論です。

そして・・・なんとなく・・・成り行きでパパになった幸也に紀世子は日記を渡すのです。

日記を読んだ幸也は・・・そこに愛があると信じ・・・幸せになりました・・・そして背中で泣くのです。

これに対応して・・・華子は感極まると別室に泣きにいくという描写があるのですが・・・そういう演出はなかなか・・・好ましい。

それにもかかわらず・・・工場が売れた日・・・結局、資産家だったのです・・・虎太郎が全員集合をかけて・・・華子の前に集結。新しい家族・・・里嫁・・・里孫を披露して・・・華子を泣かせて幕です。

一応・・・孤児への行政の対応について永坂が軽く反省を口にする場面がつけたされ体裁を整えます。まあ・・・終わりよければすべてよし・・・ということなのでしょう。

まあ・・・なんだかなあ・・・と微妙な気持ちになることは間違いないと考えます。

とにかく・・・キッドとしては戸田恵梨香が「バナナ食べる?」などの珍セリフを連発していたので楽しかったです。

関連するキッドのブログ『戸田恵梨香のコード・ブルー

木曜日に見る予定のテレビ『七瀬ふたたび』(NHK総合)『夢をかなえるゾウ』(日本テレビ)『風のガーデン』(フジテレビ)・・・三本立てか・・・逃げられないのか・・・。

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2008年10月 7日 (火)

昨日までの涙と偽りを捨てて唇奪って・・・(加藤ローサ)

・・・まあ・・・妄想中心のレビューをしているキッドが言うのもなんなのだが・・・。

竹内まりや・・・妄想しすぎ・・・。

まさに・・・一部思想家が「ふざくんなっ」と言いたいドラマなのだが・・・。

癒しの王子として頭角をあらわにした勝地涼がスゴイのである。ユーキ(「未来講師めぐる」)英児(「四つの嘘」)浩一(「キャットストリート」)と来て今回恋人の友達・祐樹(「カムフラージュ」)である。

また・・・ユーキかっ・・・役名からして・・・とんでもない妄想の気配が濃厚だ・・・。

ゴールデンタイムと深夜番組の境界線に・・・各局・・・ドラマのようなものを続々投入なのであるが・・・どれもこれも中途半端に面白くて・・・困ります。

「恋うたドラマスペシャル」から「チチ、カエル」そして・・・日曜日に始まった「機動戦士ガンダム00・セカンドシリーズ」を駆け抜けていきます。

本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「ハウルの動く城」18.7%(しっとりとメルヘンだなあ・・・)、「上海タイフーン」↗*6.6%(あがった~しかもかわいい視聴率)、「ROOKIESスペシャル」10.0%(作戦ミスだろう・・・いや狙い通りなのか)、「ガリレオφ」20.8%(ザッツ・エンターティメントでした・・・)、「Room Of King 」10.4%(水嶋ヒロと変な鈴木杏・・・残念だ・・・熱烈ファンのキッドの弟も変貌にガッカリしてた)、「隠蔽捜査2」11.9%(オヤジ色強すぎ~)、「篤姫」↗28.1%(しつこいようだが・・・戦争→大奥の順番が方程式)、「涙そうそう」11.4%(まあね・・・)、「ポセイドン」15.3%(当然だよね)・・・以上。

で、『恋うたドラマSP・竹内まりや・カムフラージュ』(TBSテレビ081006PM1159~)脚本・村上桃子、演出・吉田秋生を見た。最近・・・死語と言う言葉を久しぶりに聞いて・・・死語が死語になっている・・・とフッと笑ったのだが・・・「少女趣味」というのはどうなのか・・・死語か?・・・ともかく・・・かって・・・レースのカーテンや・・・とにかく壁にドライフラワーとか・・・そういうものは「少女趣味」だったのである。それは少女しか愛せない一部変態男性ではなくて・・・いかにも少女が好みそうなファンシーなものへの嗜好を示している。しかし、一部変態男性が・・・そういうファンシーなものへのフェティッシュを感じることもあるのでまるっきり無関係ではない。

猫に語りかけたりするのは少女趣味なのだが・・・おばちゃんが語ってもそうなのかという問題がある。

そういう複雑な問題を孕む「少女趣味」である。大島弓子とか萩尾望都とか山岸凉子とかの少女マンガを愛読する男子も少女趣味であるし・・・最近では「のだめカンタービレ」に夢中になっていれば少女趣味だろう。

そして・・・ぬけぬけとストレートな少女趣味・・・それが竹内まりやである。

これさあ・・・加藤ローサと・・・勝地涼だから許される世界なんですよぉ。・・・とまず・・・心にムチを入れないと正視できない展開が待っています。

ちなみに歌謡曲をベースにドラマを作ると歌謡ドラマと言われるわけですが「カムフラージュ/竹内まりや」はすでにドラマ「眠れる森」(1998)の主題歌でした。

観葉植物の群れに囲まれ・・・植物たちに名前をつけ・・・話しかける一人暮らしのOL・南さくら(加藤)・・・天気のいい日には鉢植え持ってお散歩・・・公園で日向ぼっこ&光合成である。・・・こらえてください。

小さい頃から空想好きで・・・チャクラくんという幻想の友人さえいたというさくら。

さらに・・・父子家庭で父親の激甘手料理で育ち味覚音痴である。

そんな・・・さくらには恋人がいる。職業不詳(ゲーム関係らしい)・住所不明(近郊らしい)の周作(夕輝壽太)である。いかにも軽い男である。そして・・・ものすごい浮気な性分なのであった。

周作の友人・祐樹(勝地)から見ても・・・「おいおい・・・それはどうだろう・・・」というほどの浮気ものだが周作は「だって帰る場所はさくらだし・・・ハニーと呼べるのはさくらだけ」なのである・・・死語かもしれないが「女たらし」なのであった。

まあ・・・女に縁のない人には信じられないかもしれないが・・・性的魅力に満ちた男性というものは実在します。

しかし・・・美輪明宏さん曰く「美人は損よね・・・いつか美人じゃなくなるもの」なので・・・まあ・・・「若さゆえのあやまち」はいつかギャフンとなる運命でもあります。

もちろん・・・それでも待ち続ける女もあり・・・辛抱たまらん女もありが世の常ですが・・・さくらは・・・待つ女を演じつつ・・・しだいに狂っていくわけです。

「彼が浮気するたびに植木を買ってしまう」病なのでした。

「だじゃれかよっ」(周作・談)

まあ・・・一夫一婦制の恋愛の前ではいかにも人でなしな周作ですが・・・さくらの同僚の百合(亜希子)とさくらのアパートで浮気発覚におよび・・・ついにさくらの堪忍袋の緒が切れるのでした。まあ・・・「ふざくんな」・・・と観葉植物にあげるお水を部屋に撒き散らし・・・「出て行け」状態に・・・気持ちは分ります。

ここで・・・さくらに・・・「チャクラ」からのメールが届くのです。不審に思いつつ・・・傷心を「チャクラ」とのチャットで癒す・・・哀れなさくら。

そんな・・・さくらに・・・遠距離恋愛中の恋人を持つ・・・祐樹が心を動かされていきます。

恋人のいる恋人の友人と恋人の浮気に悩まされる女の恋・・・タブル不倫かよっ。

まあ・・・少女趣味ですから・・・心の中のもやもやは・・・すべて・・・歌が流し去っていくのです。

祐樹は・・・もう・・・前の彼女とは心が通い合っていないんだ・・・さくらは・・・もう周作とは決別したの・・・ボクは・・・ワタシは・・・あなたが好きです・・・こ、こらえてください。

とにかく・・・こんな話をそこそこみせる勝地涼・・・そこが凄いのでございます。

まあ・・・メタボだから息が臭いメタボだから彼女ができない嫌な上司・山本(小倉久寛)のボディーを連打する女帝ローサも楽しめましたけれど。

もう・・・いい・・・明日の伊東美咲版は意地でも見ないぞと思える第一夜でごさいました。

で、『チチ、カエル。~ボクとオカマの夏休み』(フジテレビ081007AM0050~)脚本・杉山直己、監督・英勉を見た。さて・・・少女趣味である。男のくせに・・・花模様のハンカチが好きだったり・・・花模様のスカートが好きだったり・・・花模様の女性用下着を装着しはじめたりすると・・・オカマである。これ・・・性同一性障害とかで痛切に語られるレベルの話ではなくて・・・オカマでナニが悪いのよっキーッというお笑いなのである。シチュエーション・コメディーとしてガヤ(観客の笑い声などのリアクション)を後付けしたスタイルである。笑い声の処理がちょっとこなれてなくて鼻につきます。またお涙シーンでは完全に静まりかえり・・・ちょっと中途半端でした。

まあ・・・そういういかにも・・・歴史がない演出の問題はさておき・・・死んだと思っていた尊敬している父親(池田鉄洋)がオカマになって突然出現・・・息子である若者(山本裕典)の心の動揺を描くという設定で・・・オカマのチチがいい味出しているのでそれなりに楽しめました。

まあ・・・苦手だけど池鉄の変顔は抑えておきたいというあなたはコチラヘ→お気楽様のチチ、カエル。

ともかく・・・ちょっとバカだけどいたいけない友人(柄本時生)の唐突な死とか・・・少女趣味なんだな・・・これが・・・まあ・・・こっそりひっそりやってる分にはいいでしょう。

最後はオカマ軍団のエア・SPEED、曲は「Body & Soul」である。

言葉だけじゃ足りないから

痛い事とか恐がらないで

もっと奥まで行こうよ

いっしょに・・・。

オカマが歌うと怖いわっ・・・。

ま・・・あれです・・・少女趣味は不滅という夜でした・・・。

で、『機動戦士ガンダムOO・セカンドシーズン・第一回・天使再臨』(TBSテレビ081005PM5~)脚本・黒田洋介、監督・水島精二を見た。作品世界ではファーストシーズン最終回から五年の月日が・・・人々の熱意と犠牲もむなしく・・・世界はある意味不変だった・・・そして、当然のように登場人物はほとんど老けていないのだった。美形だらけなので誰が誰やらなのであった。とにかく・・・「篤姫」の妄想レビューが大変なので・・・よほどのことがない限り放置の予定である。

いきなり・・・宇宙でのモビルスーツ戦である。西暦2312年・・・地球連邦政府が樹立され・・・宇宙ではスペースコロニー建築が開始されている。そして・・・地球の統一を目指す連邦政府と反政府軍との対立が激化しているらしい。そして・・・反政府組織は「カタロン」として統合されつつあるようだ。まあ・・・反政府組織が統合されるというのはすでに矛盾でございます。まあ・・・ようするに・・・エウーゴです。当然のようにティターンズ・・・いや・・・地球連邦正規軍から特化した独立治安維持部隊「アロウズ」が結成されていて・・・この二つの勢力がすでに戦争状態にある模様。

冒頭ではカタロンの拠点と思われる小惑星「レゾルス」をアロウズが爆砕する・・・実にゼータな展開です。

アロウズは基本色が赤・・・。新型モビルスーツはアヘッド・タイプ。擬似太陽炉搭載で・・・五年前の機体であるエクシアよりもパワーアップしているらしい。しかし・・・五年前にもあったジンクスⅢも稼動中である。まあ・・・改良が重ねられているということだろう。

一方・・・カタロン機体色は青らしい。モビルスーツは宇宙仕様のイナクト・・・そしてティエレン宇宙型である・・・まあ・・・ジムとザクの混成部隊で・・・グフの青・・・反乱軍っぽい感じはあります。

とにかく・・・粛清攻撃は横暴の極みで・・・悪の匂いがプンプンです。

その・・・反乱軍摘発作戦の中でじわじわと姿を見せる・・・ファーストシーズンの皆さんのその後の姿・・・。

とにかく・・・連邦政府の黒幕として君臨するリボンズ総帥・・・。

反政府組織に参加しているアザディタン王国のマリナ姫の側近だったシーリン。

そして・・・技術者として宇宙で働き始めた沙慈・・・。

しかし・・・沙慈は同僚の技術者が反政府活動によって逮捕される現場に居合わせたことで強制労働所に収監されてしまう。24世紀に基本的人権はないらしい。

それにしても・・・沙慈・・・体験が身につかないタイプらしい。

元人革連軍人セルゲイはまったりと超兵一号ソーマと午後のお茶を楽しむ生活。しかし・・・アロウズに参加する元AEU軍人マネキンと連絡をとりあったり・・・息子のアンドレイとなにやら確執をかかえているようだ。まあ・・・ソーマと・・・男として関係しているとなると当然の成り行きなのだが。

沙慈の勤務していたラグランジェポイント4に浮かぶコロニー・プラウド(誇り)では資源採掘が行われている。その高重力区画が強制労働施設となっており・・・反乱分子は更生のための奴隷労働中である。沙慈はすでにそこに送致されている。なんて・・・生活力のない奴だ。

その同志解放のためにカタロンは支援モビルスーツを仮装巡洋艦をプラウドに派遣する。しかし・・・その解放作戦はすでにアロウズの知るところであり・・・新型モビルスーツを搭載した戦艦がプラウドに向かっていた。反乱分子掃討を目指すため・・・対人兵器オートマトンの実用試験を行う計画だった。

カタロンの仮装巡洋艦はプラウドに強制着艦するが・・・たちまち・・・アロウズのジーン大尉率いるアヘッド小隊に撃破されてしまう。

その小隊の一機に新兵として・・・沙慈の元ガールフレンド・・・ルイス・ハレヴィ准尉が搭乗している。

ジーン大尉は対人無差別殺戮兵器オートマトンの群れをプラウドに搬入するのだった。

たちまち始まる虐殺の嵐。もはやこれまでの沙慈の命を救ったのは・・・刹那だった。

刹那は半壊状態でちょっとかわいいガンダムエクシアを持ち込みしていた・・・どうやったのだ・・・。たちまち・・・オートマトンは掃討されてしまう。

コロニー外部での反乱軍のイナクトを殲滅したアヘッド部隊の前にエクシアが登場する。

「こんな非道なことをする・・・お前たちを・・・破壊する」

ガンダムを目撃して精神的に失調するルイス。

しかし・・・すでにガンダムエクシアは時代遅れの機体だった。両腕をもがれてなす術のないエクシア。

そこに・・・重武装のセラヴィーガンダムが到着する。

「刹那か・・・」

「ティエリア・・・」

圧倒的な実力差に不利を悟ったジーンは退却するのだった。

ソレスタルビーイングはプトレマイオスⅡで刹那を回収する。そこに待っていたのはガンダムダブルオーだった。

そして・・・ついに仮面の人・・・登場である。おとめ座生まれらしい。・・・。

そして・・・行方不明者は生存者ということでロックオンも生きていた・・・彼は記憶喪失の人か・・・。

水曜日に見る予定のテレビ『OLにっぽん』(日本テレビ)

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2008年10月 6日 (月)

前半に戦・・・後半大奥・・・このコンビじゃな(宮﨑あおい)天璋院が変換されません・・・篤姫は出るのに(堀北真希)

視聴率がついに28.1%に到達である。お琴(原田夏希)か・・・お琴が*0.5%くらい持っているのか。

まあ・・・ハチクロのあゆみとかイケパラの可南子よりもお菊(出雲の阿国)とかおきね(陽炎の辻)の方が可愛いのである・・・ヅラの似合う女なのかっ。

それにしてもついに40回に到達。幕末というよりも維新の香が漂ってきたのである。文久4年の春が元治元年(1864)と代わりいよいよ幕末の年号も慶応を残すのみ・・・もはや・・・残りは四年である。

だから・・・ものすごく・・・特急列車が通過します・・・なのである。池田屋事件がないので一部愛好家が阿鼻叫喚である。しかし・・・予告編では寺田屋事件パート2はあるらしい。お龍は手早く着込むらしい。一部愛好家が滂沱落涙である。ま・・・フィクションですからダイジェストは当然・・・ドラマとして面白ければ文句ないのです。

で、『篤姫・第40回』(NHK総合081005PM8~)原作・宮尾登美子、脚本・田渕久美子、演出・岡田健を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回は禁門の変(蛤御門の変)の戦闘推移マップ、幕府ジム、長州シャアザク、薩摩ドム豪華イラスト付です。西郷、大久保、伊地知は黒い三連星か・・・じゃあ・・・小松はマ・クベか・・・「あつひめさまぁぁぁぁぁ・・・お慕いもうしあげますぅぅぅぅ・・・」・・・なるほど。この作戦に奇兵隊(ニュータイプ部隊)が参戦していたら・・・歴史は変わっていたのか・・・。もちろん・・・後半の大奥模様もたっぷりと・・・。滝山(稲森いずみ)も庭田(中村メイコ)もお仕えするものの和合のために・・・あえて悪役を買って出ているとも言える展開でしたな。お、お琴はマダァ-? (・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン・・・。・・・これこれおねだり禁止。

Atuhime1864_2  で、鹿児島城下が焦土と化した文久3年夏の薩英戦争から・・・翌元治元年夏の禁門の変まで一足跳びなのである。無数の幕末の志士たちが篤姫的歴史の彼方に消えたのであった。前回・・・篤姫の妄想なのに篤姫が登場していなかった問題を反省し・・・文久3年の秋に・・・戻ってみる。舞台は江戸城大奥である。

大御台の間(天璋院居室)には西洋のからくりが置かれていた。室内にいるのは・・・篤姫と和宮だけである。

和宮「・・・天璋院はん・・・これはなんどすか?」

篤姫「宮様・・・これなるは勝が異国より仕入れし・・・照本(てるほん)と申すからくりでございます」

和宮「てる・・・ほん・・・」

篤姫は照本を起動するため手動発電機を回転させる。そして受話器を和宮に渡した。

篤姫「それをお耳にお当てください」

和宮「・・・こうどすか」

すると・・・和宮の耳元で「家茂でございます」と将軍が囁くのであった。和宮の頬が薔薇色に染まった。

和宮「これは・・・本当に照れくさい」

篤姫「なので・・・照本です・・・糸筒の原理をエレキテルに応用したものだそうです」

和宮「公方様は・・・どちらに・・・」

家茂「・・・本丸御殿です・・・」

和宮「・・・今宵はお渡りありますか?」

家茂「渡りますとも~」

微笑む篤姫だった。

その胸元で電子音が鳴った。篤姫は別のからくりをとりだすと・・・通信を紙に書き写す。

和宮「それは・・・何どすか?」

篤姫「これは線なし照本でございます。声は届きませんが・・・符丁を送れるのです。飛脚の商売あがったりになるのです。忍びの足よりも早く通信できるのです」

万事に聡い和宮は血相を変える・・・「夷は恐ろしいからくりを作るもの」

篤姫「遠くはなれた本国と・・・この国を訪れた夷忍びがこれで渡りをつけますれば・・・その連携は水際立つものになりましょう・・・勝の手のものと水戸の科学忍者たちが・・・これを研究しておりまする・・・忍びにも新時代が訪れるのです」

和宮「今の知らせは・・・」

篤姫「京都の源蔵からです・・・朝廷で長州撲滅キャンペーンが成功したようです」

和宮「キャンペーン?」

篤姫「はたらきかけでございます。まつりごとへの運動です」

和宮「では・・・攘夷のことはおさまりますのでおじゃるか?」

篤姫「それは・・・なかなか・・・お上は・・・とにかく・・・夷嫌いでございますから」

和宮「お手数かけてすみません」

文久の政変(八月十八日の政変)により・・・尊皇攘夷の急先鋒であった長州藩過激派と・・・それに連なる公家は朝廷から締め出された。将軍後見の一橋慶喜を中心に会津藩・松平容保、薩摩藩家老・小松帯刀らが画策し・・・長州藩の堺町御門警備の任を解き・・・事実上の藩主・毛利敬親の京都からの追放を実現せしめたのである。三条実美など攘夷派の公家も身に危険を感じ・・・長州軍とともに都落ちしていったのである。

いわば・・・テロリストたちがアジトを追い出された状況である。長州藩の影に隠れ・・・公武合体派や・・・開国派の要人暗殺を請け負ってきた過激派浪士は・・・裸にされて・・・路頭に迷うことになったのである。

新撰組のターンである。

魂の国の忍びである近藤勇ら・・・草として長年潜んでいた藤原忍軍の末裔たちは・・・妖剣・神道無念流とともに一瞬の輝きを放つのだった。

一方・・・自軍を持たぬ慶喜のために生家である水戸藩から派遣された天狗党忍びの武田耕雲斎と藤田小四郎は・・・長州穏健派の桂小五郎の接待を受け・・・水戸本来の攘夷思想に原点回帰しつつあった。

まさに・・・京都の夜は・・・忍びが敵味方の境目も定かならぬ暗闘を繰り広げる舞台となっていたのである。

やがて・・・水戸に戻った二人の忍びの頭領は・・・天狗党の乱を引き起こす。

元治元年。春に挙兵した天狗党忍軍が略奪行為を重ねながら関東を迂回・・・下野、上野、信濃、美濃と京都へ進撃したのである。

これに呼応するべく・・・京都では・・・隠密となった過激派志士たちが・・・武装蜂起の計画を立ち上げていたのである。

元治元年・・・夏。池田屋に向かう桂小五郎の前に・・・勝の下男・源蔵が立った。

「半蔵・・・いや・・・源蔵・・・どうしたのでありますか・・・?」

三条小橋に佇んだ・・・源蔵は忍び声で囁く・・・。

「坂本様からの伝言です・・・今夜・・・お手入れあり・・・忍ばれよ」

「なにっ・・・では・・・同士たちに・・・」

「もう・・・間に合いません・・・ここも包囲陣のうちです・・・この下に小船を用意してありますから・・・」

「しかし・・・」

「桂先生のやっとうは確かにお見事ですが・・・魂の忍びは骨まで斬りますぜ・・・多勢に無勢ですよ・・・」

・・・まもなく・・・血に餓えた近藤勇、沖田総司、藤堂平助、土方歳三、佐々木蔵之助ら・・・いにしえの忍びの血を受けつぐ闇の剣士たちは血祭りを繰り広げ・・・過激派たちに致命的な打撃を与えたのである。池田屋事件(洛陽動乱)の夜であった。

京都の町にまた夏の暑さが戻りつつあった。科学忍者・佐久間象山は・・・一人で祇園の町を後にした。金子が尽きたので・・・勝か・・・慶喜に用立ててもらおうと思ったのである。桂に紹介された芸妓に入れあげているのであった。

橋の上に河上彦斎と数人の浪人が待っていた。「石橋もたたいて渡らんといかんとです」

佐久間は青ざめた。「・・・おいおい・・・もう・・・そういうご時勢じゃないだろう・・・オレを殺したって一文にもならんぞ・・・」

河上「肥後もっこすのこの赤い剣は・・・金では人を斬りもうさん・・・頑固で斬りもうす」

佐久間は懐から拳銃を取り出した。近距離射撃である。佐久間は三発撃ったが・・・河上にかすりもしなかった。佐久間は射撃が信じられないほど苦手だった。河上は銃声を聞きつつ間合いをつめ抜刀した。逆袈裟の太刀筋が通過すると・・・佐久間の胴体は二つに裂けていた。加速した上半身に河上が刀を返すと・・・佐久間の首が胴体と切り離されていた。

河上は叫んだ。「国賊討ち取ったり、我は打撃の神なり」

その夏・・・再び京都における勢力挽回をはかった長州藩・家老福原越後は・・・御所強襲を決断した。直訴はいつの場合も最終手段である。奇兵隊の長・・・天才軍師・高杉晋作はこの作戦を否定した。「勝ち目がない戦は面白くないのであります」がその理由だった。

桂は・・・高杉が参戦しないので反対に回った。

藩論は二分されたが・・・そういう時ほど暴発するのが長州人なのであった。

孝明天皇を確保して勝てば官軍を合言葉に・・・長州軍は臨戦態勢に入った。京都の町に潜む浪士たちは餓えていた。毛利の忍びたちは・・・「勝てば食わせる」・・・と浪士たちに囁きかけたのだった。

すでに勤皇から佐幕へと方向転換した・・・土佐藩の密偵たちはこの動きを京都所司代に伝えていた。禁裏御守衛総督となっている慶喜は先手を取って長州藩邸を包囲した。

しかし・・・吉田松陰流科学忍者の久坂玄瑞を先鋒とする別働隊は御所突入に成功したのである。餓えた浪士を交えた長州軍主力が集中したのが焼けたら開く蛤御門であった。守備するのは会津・桑名藩兵である。

餓えた浪士を盾に銃撃を防いだ長州軍は白兵戦に突入した。

迎え撃つ新撰組は闇の戦士が多いので白日の戦闘は苦手なのである。しかも・・・池田屋事件で吸血しすぎて血に餓えていなかったのだ。対する長州軍は餓えてギラギラしていた。守備側は押されていた。

乾門を守備していた薩摩軍は・・・軍師伊地知の指揮の下・・・鉄壁な守備戦を行っていた。大久保が長崎で新兵器の機関銃を購入してきたので・・・侵入不可の弾幕を張ることができるのである。

くぐり衆が蛤門の苦戦を伝えてきたのは昼飯前だった。聞くが早いが手もち無沙汰だった西郷が立ち上がった。

小松「ああ・・・西郷さんは・・・ダメ・・・」

大久保「行っちゃった・・・」

彼方から轟音が聞こえ・・・天高く火柱が立ち上がった。火炎魔人・西郷の活躍で長州軍は壊滅・・・そして京都の町は全焼したのだった。

関連するキッドのブログ『第39話のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『ありがとう、オカン』(フジテレビ)

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2008年10月 5日 (日)

崖を見ればよじのぼり海を見れば飛び込むビキニの群れは見たがる・・・それがガリレオφ。(長澤まさみ)

ああ・・・すごい・・・土曜日だったなぁ・・・。

まず・・・「ユンゲル」(フジテレビ)の再放送である。柳沢(伊藤淳史)と弓削(品川庄司)が秋葉原のラーメンと高級メイドカフェ「ぴゅあはーと」をめぐって繰り広げる知の攻防戦・・・。主役が殺人ネズミでヒロインが「一番暗いのは夜明け前・第8話」でメイン・ゲストだった山崎真実演じる婦警・柿崎千鶴である。実はところどころ本編より面白い気持ちになる部分がある。ま・・・事件が「田園調布ネズミ男事件」だからな。

次に単発ドラマ「シュラバッ!」(TBSテレビ)があって・・・資産家の梅沢富美男が死んで妻の野際陽子の元へ続々と故人の愛人たちが遺産分与を求めて群がってくる話。松田美由紀だの安達祐実だの紺野まひるだのである。実は・・・このドラマを見ていると・・・「ガリレオφ」の蟹江敬三・香里奈の義理の父娘は絶対できているとしか思えなくなるのである。

そして「ROOKIESスペシャル」という総集編のほぼ再放送があって・・・「また再放送だと思ったでしょう」(小出恵介)「案の定だよな」(佐藤隆太)「それ以上は慎んで」(市原隼人)という追加のセリフが爆笑だった・・・そんなものはないっ!

ここで・・・土曜ワイド劇場では「隠蔽捜査2」である。娘を殺された夫婦の復讐劇で・・・平泉成の声でいきなりネタバレをする力作である。陣内孝則、柳葉敏郎、杉本哲太、松重豊の濃い目の警察官チームがオヤジ臭さを撒き散らすのだった。・・・だから・・・「上海タイフーン」なんか見てられないのである。

さらに・・・深夜になると・・・誰もが望んでいない方向に成長した鈴木杏のそれでも時々ハッとするほど昔が忍ばれる美しさを見るために「ルーム オブ キング」(フジテレビ)を見なければならない。井川遙と鈴木杏はある意味同じベクトルじゃないのか・・・。せめて・・・「花とアリス」のあたりで落ち着いてくれたらよかったのにな・・・。森三中の黒沢のそっくりさんはできるけどな。奈良沙緒理か・・・。まあ・・・イギリスの血がある程度仕方ないけどね。渡辺えりになっていくのか・・・。危うい面白さはあるけどね。

そして・・・都築浩原作で三木聡脚本・演出という「トンスラ」(日本テレビ)が吉高由里子と温水洋一でスタートである。いきなり、吉高が腰をひねって屁をこいたり、温水がロープで首を吊ったりして・・・もうあなどれない展開になっている。少なくとも初回はロケもよどみなく挿入され・・・ジンタンをボール食いなどのコネタも満載・・・単なる密室劇ではない・・・面白さである。

さらに「安楽椅子探偵と忘却の岬」(テレビ朝日)では前田愛を見なければならないのだ。

・・・殺す気かっ。もちろん「デスパレードな妻たち2」(NHK総合)も見たけどね。

で、『土曜プレミアム・ガリレオφ(第0章)』(フジテレビ081004PM9~)原作・東野圭吾、脚本・福田靖、演出・西坂瑞城を見た。「ROOKIES」と違ってこちらは・・・ちゃんと中身があってホッとした。しかも・・・サービス満点な内容で・・・ある意味・・・散漫だったりもする。

とにかく・・・ドラマというタイムマシンはレギュラーの「ガリレオ」の最終回から時を遡行して・・・ドラマ版のヒロイン内海刑事(柴咲コウ)と物理学者・湯川(福山雅治)が出会う三年前の世界へ・・・お茶の間をタイムスリップさせるのだった。

そして・・・殺されても仕方のない奴を演じさせたら若手ナンバーワンの波岡一喜が・・・今回の被害者である。

金属の加工メーカー『友永スチール』の創業者・友永幸正(蟹江敬三)は脳梗塞の発症後・・・車椅子生活を余儀なくされている。その海辺の屋敷に見舞いに訪れた部下たち。自家製のボトルシップのコレクションを見せながら・・・さらに手作りの仕込み杖を自慢する幸正・・・。それは折りたたみ傘を利用した伸縮システムと赤外線照準装置を内臓していた。

やがて・・・死んだ愛人の娘であり・・・幸正の介護をする奈美恵(香里奈)を接客を任せ自室に引きあげた幸正・・・。

その直後・・・屋敷の離れではガラスの割れる音がして・・・火災が発生。焼け跡からは・・・幸正の死んだ妻の息子・邦宏(波岡)の遺体が発見される。その死体には日本刀のようなもので刺殺された形跡があり・・・しかも・・・離れは密室状態であり・・・犯人の痕跡は皆無だったのである。

邦宏は評判の不良息子だったらしい。

謎の多い現場の状況に・・・草薙刑事は・・・旧友の物理学者・湯川を訪ねるのだった。

湯川助教授の研究室で待ち構えていたのは今回はメガネっ娘と脚線美で勝負のゼミの学生塩野谷あかり(長澤)である。メガネっ娘でドジッ娘である。さらに泡々娘である。・・・もちろん・・・湯川を狙っているのだった。そして・・・自称・理数系の優等生なのだった。

学生たちとすでに助手の栗林(渡辺いっけい)そして湯川と草薙が盛大に泡と戯れた後・・・事件の経過を話した草薙は現場の付近に「ビキニの美女しかいないビーチ」があるというウソのような本当の話で湯川を釣り上げるのだった。

あかり「刑事さんと・・・湯川先生はどんな関係なのですか?」

この質問によって再びタイムマシンが始動。

湯川と草薙の学生時代に・・・お茶の間は連れ込まれるのだった。

草薙(佐野和真)は宅配ピザのアルバイト中・・・宅配先で・・・女性の転落死に遭遇・・・不審死であったために第一発見者として・・・殺人の容疑をかけられてしまう。

ここで・・・友人の湯川は・・・「現場にいない人間が女性を転落死させる方法」を考案するように草薙に依頼される。

草薙の考えたロウソクの火でヒモを切るトリックを改良し・・・湯川はすでに万年助手人生を始めていた栗林の協力で・・・「ヤカンのフタを使って掃除機のコードを巻き戻させる時限装置」のトリックを成功させ・・・草薙の目撃した被害者宅と同じ匂いの香水臭のする男が容疑者リストに加わったのである。

そして・・・警察の下した結論は・・・香水男と被害者は不倫の果てに別れ話をしており・・・被害者は世を儚んで発作的に飛び降り自殺をした・・・というものであった。

もちろん・・・これは「藪の中」なのである。

世の中に起こるあらゆる事件の真相はただ一つでありながら無限の可能性を秘めているという真理を提示しているのだ。

だからこそ・・・冤罪は存在するし・・・限りなく怪しい容疑者がありながら証拠不十分で迷宮入りの事件も存在する。

ある意味・・・刑事警察機構の根底を覆す真理だが・・・世の中はそういう真理とは別の観点で動いているのだな。

少なくとも・・・一般的な刑事ドラマでは・・・犯人はかならず悪事を暴かれるし・・・お茶の間はその過程を楽しむのだが・・・ガリレオの場合はこういう「投げた」展開が持ち味である。

また・・・最近では・・・「殺されていい人間なんていない」という倫理観が反映するドラマが多いのだが・・・「ガリレオ」の場合は・・・まあ・・・こいつは殺されても仕方ない感じが・・・色濃く漂う傾向がある。

裏番組では加害者と被害者遺族の復讐感情の問題が提示されているが・・・ここでは反社会的人格の社会的抹殺の是非が問われているのだ。ある意味・・・危ないのである。

そのため・・・若き変人ガリレオはより「被害者や加害者の人間性に興味はない・・・ただどういう方法でそれが可能になるか・・・興味があるだけ」を強調するのだった。

つまり・・・①香水男が催眠術で女を殺した ②草薙が暴行目的で女を襲い争いになって女が転落死 ③女は飛び降りが趣味だった・・・などあらゆる可能性を黙殺しながらドラマは進行していくのだった。

ふたたび・・・不良息子怪死事件の時代に戻ると・・・草薙と湯川はビーチバレーをエンジョイしつつお茶の間の一部愛好家に対するサービスにはげんでいる。

さわやかな疲労感を身にまとい・・・事件に巻き込まれていく湯川とビキニになるなる詐欺のあかりだった。

ここで・・・湯川の興味は『友永スチール』の業務内容に向かっていく。

友永は中卒でありながら金属の爆破成形の第一人者だった。友永は爆発により加わる圧力で金属を加工する技術を持っていたのである。

落ちた果実で頭を打って失神したあかりを・・・たっぷりといろいろと鑑賞した湯川は現場と海を結ぶ直線状にガラスの破片を発見。その延長線上にある証拠の品を素潜りで海底から発見する。三年若いから・・・いろいろとできるのだった。

つまり・・・友永は離れに爆発して金属片を変形させながら発射する装置を仕掛け・・・遠隔操作で実子の邦宏を射殺/刺殺したのである。

すべては・・・愛人の娘である奈美恵に遺産を相続させるためであった。

さらに・・・湯川たちに杖のヒントを与えたのは・・・自分が逮捕されることによって奈美恵を介護から解放し・・・交際中の彼氏と結婚させたいという親心だったらしい。

もちろん・・・考え方によってはそのために実子を殺害するというのは相当に狂気の沙汰である。

だから・・・もちろん・・・秘密の通路があって・・・奈美恵の双子の妹が邦宏を日本刀で刺殺後・・・放火して逃走・・・という様々な可能性はさておき・・・友永の動機としては①息子が生意気なのでこらしめてやろうと思ったが威力ありすぎでびっくり ②暗殺用の秘密兵器を開発していたのだが息子が持ち出して自爆 ③愛人の娘を愛人としていた父親・・・実の息子と愛人の娘との間になにやら親密な空気が・・・嫉妬に狂った父親は・・・実子殺害を決意したのだった・・・などという様々な可能性があるのである。

そんな可能性に・・・湯川はこれっぽっちも興味はないのだった。もちろん・・・口止めのために湯川が初体験を奈美恵に奉げた可能性は否定できない。

湯川「・・・ははは・・・わからない・・・おもしろいね・・・ははは・・・さっぱりわからない・・・・はははははは・・・・実におもしろい・・・・ははははは・・・はうぅん」

しかし・・・純真なあかりにはそういう夜の営みは無縁だったようだ。

あかりは・・・警察に就職し・・・いつか科学捜査研究所の一員としてガリレオ世界に帰って来る可能性を残しつつ・・・ガリレオはその後の世界を銀幕の彼方に展開していくのだった。

ドラマ冒頭を飾る書棚の本は「攻撃の心理学/バーバラ・クラーエ」だった。ドメスティックバイオレンス・・・あるいは性的攻撃の物語だったからであろう。さらに言えば「攻撃行動」についての雑感と言えるだろう。父親による好ましくない子供への究極の家庭内暴力の実戦の話なのだから。

例によってテンメイ様は数式と図についてレポート先行なのであった。

月曜日に見る予定のテレビ『恋うたドラマSP』(TBSテレビ)

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2008年10月 4日 (土)

ジンライムがお気に入りの天使なのです。(深田恭子)

さて・・・「ハウルの動く城」の謎を解いてもみたいのだが・・・やはり・・・深夜映画「天使」である。

で、『天使(2006年公開)』(テレビ朝日081004AM0255~)原作・桜沢エリカ、脚本・奥寺佐渡子、監督・宮坂まゆみを見た。

で・・・深田恭子が演じるのは天使(angel)である。けしてダジャレではありません。

はっきりいって深キョンの天使・・・最高です。っていうか・・・このタイプの天使を演じられるのは深キョンだけじゃないか・・・と考える。

たとえば・・・米倉涼子は売り出しの頃・・・天使としてCMに出ていたが・・・あの天使は・・・上司の言いつけ聞かずに自由にふるまうOL天使だった。

「セレンディップの奇跡」では広末涼子が天使役であるが・・・こちらはヒューマンな感じである。

もちろん・・・お茶の間の人々が漠然と天使に抱くイメージは人それぞれだろう。

天使にも大天使ミカエルから堕天使ルシフェルまで多種多様なジャンルがあるわけである。

たとえば・・・恋のエンジェルと言えばキューピッドが連想される人がいるだろうが・・・天使の系譜から言えば・・・クピドはエロスであり・・・どちらかといえば妖魔に近いのである。

キリスト教・・・特にカトリックで整然とした天使の序列の中には・・・恋の天使は居場所を失い・・・どこか・・・疎外されている傾向がある。

もちろん・・・性という自然の営みを象徴する天使は・・・当然・・・神の領域にいるのであり・・・それを人間が人間的な秩序のために勝手に排除するのはひどく冒涜的なことだろう。

そういう意味で・・・神(エロス)でありながら・・・天使(クピド)・・・そして福音を齎すものとして・・・迷い猫のような天使の存在・・・その愛らしさと寂しさを体現する深田恭子はまさに天使なのである。

成人マンガから突出してきた原作者から神様もう少しだけで援助交際からエイズに倒れたコギャル以来・・・10年たってもなんちゃって高校生(学校じゃ教えられない!の回想シーンでも)ができる超越したカワイサを持つ主演女優へ・・・確かに存在する天使がジンライムを飲み干すのである。

マンションの屋上の貯水槽の上が天使(深田)のお気に入りの場所である。天使の目には街の様子は手にとるように映るし・・・階下の住人(西田尚美)は天使の好物であるジンライムをベランダのテーブルにちょくちょく置き忘れるのだ。

天使の姿を見ることのできる人とそうでない人の区別は定かではない。区別などというものと天使は縁がない。ただあるがままなのである。

お人好しだが・・・気が弱いコンビニ店員のカトウ(内田朝陽)は小銭で買い物をする猫おばさん(鰐淵晴子)にも親切に対応するため・・・レジに長蛇の列を作っている。カトウがそこそこイケメンなので興味がないわけではない同僚のユカリ(安藤希)も思わずじれったくなって舌打ちである。

バツイチの吉川(永瀬正敏)と六歳の娘チイ(森迫永依)と二人暮らしである。「私はママに愛されていないから」と言うチイに「そんなことはない」と恋人のいる元妻をかばう吉川だったが・・・「ウソはよくないよ」とチイにたしなめられるのだった。そんな吉川にも恋人カスミ(永作博美)がいて仕事で都合がつかないときなど・・・チイの送り迎えを頼むまでの仲にはなっている。しかし・・・チイとカスミの間にはまだまだわだかまりがあるのだった。

カスミは図書館の司書である。その図書館に頻繁に本を借りに来る女子高校生ユミ(大竹佑季)。彼女はクラスのブタとして・・・のけものになっているので毎日読書は欠かせないのだった。エンディング・テーマ「天使が舞い降りてくる日」を歌っているのは彼女である。孤独なので天使についても造詣が深いのだが・・・彼女には天使は見えない。最近はレイ・ブラッドベリを「死ぬときはひとりぼっち」→「十月はたそがれの国」の順で読んでいる。

ユミのクラスでは・・・友達の好きな子に色目を使ったという疑惑でみづほ(小出早織・・・電車男の花梨→ココ→銭形雷→時効警察の真加出くんである)がハブられて・・・机をユミの隣にする刑に処せられた。ブタとハブの間には気まずい空気が漂うのだった。

さらには恋人と別れたばかりで一人暮らしの美帆(佐藤めぐみ)は飼い猫にも逃げられたのだった。

そして・・・天使は街に舞い降りたのである。

ユカリに誘われてクラブに遊びにいったカトウはユカリが顔なじみと仲良くふるまうので手持ち無沙汰である。ジンライムを注文するのだが・・・それを天使が飲んでしまう。文句を言おうとすると消える。バーテンダーに訪ねるが・・・そんな女は知らないと言う。

アパートに戻ったカトウは自分でジンライムを作って飲もうとするのだが・・・またしても天使に飲まれてしまうのである。「お前・・・なんなんだよ・・・」と問うが天使は答えない。最後まで天使はセリフなしである。

しかし・・・天使はキスをするのである。これに対しカトウは「いいのかよ」なのである。ロマンチックのかけらもないのだが・・・積極的に天使の唇を奪うカトウ・・・すると・・・浮くのである。二人で空中浮揚なのだ。気がついたカトウは驚愕して落下する。カトウはうとい・・・が鈍感であるので・・・この奇妙な存在を認める。しかも・・・その姿を見るものが限られることになかなか気がつかないのだった。

天使はカトウが気にいったのでしばらくつきまとう。何よりもカトウはジンライムをつくるのである。

母子家庭で忙しい母親とも疎遠なみづほは自殺を考えるようになる。そんなみづほのカバンについたウサギのアクセサリーに目を留めた天使は興味に体を光らせる。天使は「カワイイモノ」が好きなのだった。

そして・・・みづほは天使が見えるのだった。

チイもまた・・・天使が見えた。コンビニで棚の上に座る天使を見て・・・周囲に訴えるが大人たちは素知らぬ顔をするのだった。

天使はチイも気に入ったようだ。ちびまる子ちゃん的カワイサがあるからだろう。

ごらん・・・パレードが行くよ・・・なのである。

天使は夜の街に抜け出したチイと夜遊びをする。マンションの屋上の貯水槽で奈津(西田)と恵美(小林明実)の姉妹に発見されたチイは迎えに来た父親に叱られた後で抱きしめられ・・・心のしこりが溶けるのだった。

チイの父親・吉川とカスミの仲も行き詰まりを感じていた・・・吉川の中には別れた妻に対するモヤモヤとかチイに対するモヤモヤがあり・・・カスミの中にも同じモヤモヤがあるのである。

やがて・・・ぶどうの食べすぎで盲腸炎になった吉川は天使に助けられて一命をとりとめるが・・・カスミとの仲を清算しふるさとに帰る弱気の決断をする。

その頃・・・母親とケンカして発作的に陸橋から鉄道線路への自殺を図ったみづほは天使に救われる。

そして・・・カトウと美帆は出会う。

天使は神の計画の一部である。

天使に善意があるわけではない。

天使が気まぐれなわけでもない。

神のまわす巨大な運命の歯車によって・・・人間のはかない営みは転輪していく。

その小さなひずみ・・・わずかな歪みを天使は修復するのだった。

たとえば神は有能であることを求め・・・そして従順であることを求める。

その相性の悪さを補うのが天使の職務なのである。

ユミ「どんな天使が見えるの?」みづほ「なんだか野良猫みたいな奴」

いつしか・・・会話を交わすようになったユミとみづほ。それどころかいじめっ子のカナ(高瀬友規奈・・・のだめのマキちゃんである)との関係まで修復されるのである。カナのイヤリングにつきまとう天使を笑うみづほに悪の気配を感じるのだった。

ユミ「高校にいる間・・・ずっとずっと一人ぼっちだったら・・・退屈で死ぬかと思った」

いつしかみづほの心からも死への誘惑は消えていたのだった。

猫屋敷の猫おばさんと猫探しを通じて仲良しになったカトウは聞く。

「なんで見る人と見ない人がいるのでしょう」

猫おばさんは答える。

「人はね。見る必要があるものを見るの」

やがて・・・天使は雪を降らせることにした。季節はずれだが雪もなんだか好きなのだった。

雪の日に図書館を訪ねた吉川は「もう一度やり直さないか」とカスミに持ちかける。

カスミ「やり直す気なんかない」

吉川(ガッカリ)

カスミ「一から始めるのよ」

吉川(はうぅん)

・・・また、このパターンか。

その頃・・・すっかり大人の関係になったカトウと美帆の前に三毛猫が帰ってくる。例によってベッドから出た美帆は完全武装である。

些細な修正作業を終えた・・・それを人は癒しと呼ぶ・・・天使に一筋の天使のはしごが下ろされる。

天使は何処とも知れぬ世界に光とともに帰還していくのだった。

関連するキッドのブログ『未来講師めぐる

               『山おんな壁おんな

                『彼女が死んじゃった。』

                『下妻物語

                『富豪刑事デラックス

日曜日に見る予定のテレビ『機動戦士ガンダム00』(TBSテレビ)『篤姫』(NHK総合)『ポセイドン』(テレビ朝日)

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2008年10月 3日 (金)

キャットストリートはランウェイそれともキャットウォーク?(谷村美月)猫の道は花道(勝地涼)猫通りは裏通り(田中圭)象の道は獣道(小栗旬)

ふう・・・ようやく・・・最後の夏ドラマが終った・・・と思ったら最初の秋ドラマがスタートである。

さよならキャットストリート、こんにちは夢を叶えるゾウなのであった。

しかし・・・「キャットストリート」は視聴率↘*5.5%(平均*5.9%)で終了。

「夢をかなえるゾウ」は「スペシャル版・男の成功篇主演・小栗旬」が*8.1%、「レギュラー版・女の幸せ篇主演・水川あさみ」が*7.1%というスタート。

「ゾウ」は数字的には前途多難だなあ・・・まあ・・・レギュラーは深夜枠だから作戦的には成功という考え方もある。「キャットストリート」(ドラマ8)枠は「バッテリー」平均*7.9%、「乙女のパンチ」平均*8.7%と来て・・・「キャットストリート」でつまずいた形になってしまった。まったくバラバラに見える企画だが・・・実は共通点がある。

「バッテリー」は凄い球を投げる中学生が主人公。「乙女のパンチ」は凄いパンチを持つしずちゃんが主人公、「キャットストリート」は凄い演技力の元天才子役が主人公である。そして・・・それぞれが生意気、落ちこぼれ、引きこもりと問題を抱えているという設定。つまり、天才が問題を克服する話だ。

次回作は・・・「七瀬ふたたび」でスバリ、主人公が超能力者であり・・・そのために世間から迫害されるという展開である。突然、SFなのだが・・・企画意図はシリーズを通して同じなのである。

ここまでの数字を見る限り、現代の大衆は・・・もはや・・・埋もれている特殊能力を磨くという幻想にはひたれないのではないかと思う。

普通・・・あるいは普通以下の人間が幸せになれる道を示す必要があるのだな・・・まあ・・・幻想の道ですが。

「渡る世間は鬼ばかりスペシャル」は16.2%とまずまずの数字だったが・・・現金獲得の鬼ごっこである「逃走中」が14.3%を獲得・・・逮捕されたチャーミー石川が途中檻にいないなどスカスカのゲーム・ショー・・・吾妻橋を渡るハンターが人力車で待機などシュールな発想もあってあなどれないのだが・・・どう考えても一日ロケである。

ドラマも・・・もう少し・・・頭脳戦を要求されているような気がします。

小栗旬がガネーシャから何を学んだか知りたい方はコチラへ→お気楽様の夢をかなえるゾウエリお嬢様の夢をかなえるゾウ

で、『キャットストリート・最終回』(NHK総合081002PM8~)原作・神尾葉子、脚本・浅野妙子、演出・佐々木章光を見た。10歳の時に心に深い傷を受けた恵都(美山加恋)が17歳まで引きこもり・・・舞台女優として立ち直る話である。立ち直った恵都(谷村美月)は過去の自分と手をとりあって花吹雪舞う舞台に立つ。ここまでを描くには・・・ちょっとダイジェストな展開だったかな・・・。それにしても第5話の脚本のワンポイントリリーフは何だったのだ。

恵都を傷つけた奈子(鈴木理子→高部あい)は手下のヘアメイク・マーサ(田中圭)を使い、復帰のための重要な仕事である映画の撮影現場へ向かう恵都を廃墟に監禁する。

恵都が現場に現れないことを知ったフリースクール「エル・リストン(エロリストではない・・・念のため)」の仲間たちは捜索を開始するが・・・見つかるわけもないのである。

恵都は携帯電話をどうしてしまったのだ・・・という疑問を抱いてはいけないらしい。

そして・・・全員が「いい人」になるために・・・拉致監禁とか威力業務妨害とか・・・刑事罰の存在しない世界が開幕する。この脚本家ならではの世界である。

恵都が奈子を説得するのである。

恵都「・・・どうしてこんなことをするの?」

奈子「・・・お前の才能が憎いからさ・・・。昔・・・私はすごく努力をしたよ・・・お前と肩を並べるため・・・お前を追い越すために・・・でも・・・どんなに努力したって・・・周囲の大人たちはこう言うのさ・・・恵都は凄い・・・青山恵都を見習えってね・・・私がお前に勝つためには・・・お前を葬り去るしかなかったのさ・・・それなのにお前は墓場からのこのことゾンビのように這い出してきた・・・亡霊は亡霊らしく・・・大人しくしていればよかったのさ・・・絶対にお前を復活させたりしない・・・」

恵都「・・・あなたもがんばったかもしれないけど・・・私もがんばったんだよ・・・私も傷つけられてあなたを憎んだよ・・・でも・・・ある人に言われたんだ・・・憎しみがあっても苦しいだけ・・・戦いには勝てないって。勝たなければいけないのは自分自身だから。自分の中の自分に勝って・・・そしたら勝った気がするの」

奈子「・・・あんたの言ってること・・・てんでわからない・・・でも・・・いいわ・・・もう撮影終ってるし・・・解放してあげる・・・」

マーサ「口ではあんなこと言ってるけど・・・奈子はびびってるんだ・・・今から送れば・・・撤収前に現場につくから・・・内緒にしてよ・・・警察には黙っていて・・・今の君の商業価値なら首一枚つながるかもしれないよ・・・」

恵都「私・・・奈子への・・・怨みはないの・・・お互いに・・・子供だった・・・それだけなのよ」

こうして・・・現場に戻った恵都は監督(大友康平)に謝罪。

監督「愛がすべてさ・・・強く・・・強く」(ff)

恵都に客寄せパンダ力を期待する監督は恵都の起用を続けるのだった。それほど作品に自信がないのか・・・。

過去の栄光に感謝しながらのほほんと浩一(勝地涼)を訪ねた恵都はみんなが心配していたと知り・・・突然カレー作りを宣言する。しかし・・・浩一の着信メール「昨日はとてもステキだった・・・はうぅん」を盗み見て・・・嫉妬の激情にかられ逃走するのだった。

落ち込んだ恵都を見て事情を察した紅葉(黒川智花)は浩一にそれとなく「浮気がばれている」ことを伝える。浩一はたちまちピンと来るのだった。

目をむくヘアメイク(鳥居みゆき)を中心に現場を敵に回した恵都だったが・・・水着のような白いスポーツブラで完全武装・・・客寄せパンダとして「雨に濡れて衣装がスケスケエロ場面」に果敢に挑むのだった。その体当たりの演技プラス天性の底力に現場の一同はひれ伏すのである。水戸黄門かっ。

ここからは・・・もはや・・・あれよあれよの展開である。

「あれは・・・ヴァーチャルなデートごっこだった」・・・とそれがさも潔白であるようにふるまう・・・浩一。恵都を自宅に送っていくと「交際宣言」である。

もはや・・・演技の女王様として君臨した姉に対して・・・立場の弱まった妹(荒井萌)とコンビニにアイスを食べに行こうとしてた父(高橋ジョージ)・・・正義の味方かっ・・・目を白黒である。

化粧濃い目の母(賀来千賀子)は金のなる木の復活にホクホクなのであった。

父親「何でもないような事が幸せだったと思う・・・」(ロード)

ステキな橋の上の二人・・・。

恵都「ウソはダメだよ・・・私たち・・・付き合ってないよ」

浩一(ガッカリ)

恵都「私たち・・・これから付き合うんだよ」

浩一(はうぅん)

握手から手をとって抱きしめの合せ技一本である。

とにかく・・・ずっと踊り続けていた剛太(木村了)・・・イケてるのかイケてないのかよく分らないダンスでイケてるのかイケてないのかよく分らないダンス大会で優勝する。これ・・・俳優よりも演出の限界です。

浩一のゲーム・ソフトのギャラ。恵都の出演料。紅葉のフリマの売上金。剛太の賞金。

経営の足しにしてくれと差し出されたスクール長・森口(生瀬勝久)は・・・そのお金を卒業証書にして卒業式を即行する。

森口「オレの子供はいじめで自殺・・・世間を恨んでも仕方ない・・・行き場のない子供らに・・・居場所を作る・・・この支配からの卒業・・・が大事なんだ・・・」

こうして・・・四人は・・・それぞれの道を行く。仲良く・・・お手手をつないで・・・左から剛太・恵都・紅葉・浩一である・・・スワッピングかっ。

悲しみの夜を越えて・・・僕らは歩き続ける

みんなが復活した恵都の舞台に集合だ・・・大洋(石黒英雄)もきた・・・彼女のユミ(大島優子)はどうした。

こころは・・・ほら・・・今・・・こぼれた光に手を伸ばすよ

逆光のサービス・ショットで・・・恵都ナイス・ボディー・・・幕である。

しつこく再放送すれば伝説の名作になると思う。それからパート2かな。ランウェイ(花道)としてのキャットウォークと舞台裏としてのキャットウォーク・・・その二重の意味として・・・猫通り(キャットストリート)があったのかな・・・まあ・・・言葉としては間違ってるけどな。

関連するキッドのブログ『第五話のレビュー

Hcinhawaii0473 ごっこガーデン・素敵な夜の橋セット。お気楽とにかく鳥居みゆきの目・・・そして・・・覗き穴の智花のキュートさ・・・拉致監禁のグダグダさ・・・何しとんねん!・・・でも・・・もう少し・・・見たかったかな・・・普通に10回くらいで・・・昨日のことは忘れる明日のことは考えないそれがお気楽ライフまこはうぅん・・・ikasama4博士の新作ロイドが出来たので・・・迷わず恵都になったのデス・・・ギュッデス・・・きゅんきゅんデス・・・紅葉・・・最後まで・・・グッジョブさんでした~mari世の中にあわせなければ悪だけど・・・はみ出すことを許さない世の中も悪・・・この兼ね合いが難しいのですよね。一人一人が幸せになるために・・・近道はないのですねくう良いドラマだったな~。でも・・・ちょっと時間が不足してたかも・・・奈子とかももう少し掘り下げてほしかった・・・まあ・・・演技力のある配役でなんとなく・・・ごまかされた感じがするかも・・・でも充分感動したけど・・・来週からは生瀬ふたたび・・・じゃなくて七瀬ふたたび・・・楽しみ~ちーずゴンゾウ、魔王に次ぐお気に入りドラマでした・・・子役ネタだし・・・心の変化が丁寧に描かれていて・・・谷村さんの演技が光ってました・・・保存版ですikasama4谷村さんは本当に役者ですね・・・表情も雰囲気も役によって変わるので似顔絵が難しい・・・今回は・・・勝地さんも魅力的でした・・・生瀬さんも抑えた感じで・・・光ってました・・・最後が駆け足っぽくて残念ですシャブリだんだん始めました・・・キャットストリート最終回しばらくお待ちください・・・なのでありましたー・・・最終回できました

土曜日に見る予定のテレビ『ROOKIESスペシャル』(TBSテレビ)『ガリレオφ』『ルーム オブ キング』(フジテレビ)『トンズラ』(日本テレビ)さあ・・・殺しのシーズン到来です。

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2008年10月 2日 (木)

課長・島耕作・・・愛社バカ・・・(高橋克典)ベッドを出たら完全武装よ(松下奈緒)

おいおい・・・いつのオンエアなんだよ・・・って昨日のかっ。

三回やるのかと思った・・・。さて水曜日の二時間ドラマ対決は・・・。

「課長・島耕作2」(日本テレビ)*7.8%、「吉永誠一・涙の事件簿7」(テレビ東京)*7.7%・・・いい勝負だった。

で、『課長・島耕作2・香港の誘惑』(日本テレビ081001PM0854~)原作・弘兼憲史、脚本・君塚良一・北川大樹、演出・大塚恭司を見た。パート1が10.0%だったのに・・・パート2をやってしかもスペシャルドラマとしては惨敗の数字・・・関係者・・・気をしっかりっ・・・。

まあなあ・・・規制緩和から揺り戻しの時代に・・・それ以前の価値観って・・・時代劇みたいなものだものな・・・。基本的に・・・それを現代に変換する形式がダメ・・・。どちらかといえば・・・ノスタルジックに80年代を描けば良かったのだよな。

社内派閥と一匹狼とか・・・もう・・・まったくピンと来ないだろう。とにかく・・・大企業の課長が・・・エグゼクティプなお嬢様と愛人関係になったり・・・ウハウハ出世したりという夢物語を少しでもリアルに感じた大衆はいないし・・・しかも男の夢想なのだからお茶の間にはもっといないだろう・・・企画者は世間がまるっきり見えていないと思える。

それでも・・・どうしてもやりたいし・・・島耕作おタクがDVD買ってくれるだろう作戦で・・・ま・・いいか。

とにかく・・・フジテレビ版(1993~)で島耕作だった宅麻伸がこちらでは上司の中沢である。そして島耕作はTBSではサラリーマン金太郎であり、テレ朝では特命係長・只野仁である高橋克典が演じている。サラリーマン俳優一直線だ。

そういう意味では「沙粧妙子~帰還の挨拶」(1997)や「点と線」(2007)で見せる・・・刑事役をもっと見たい気がする。「相棒」のパートナーチェンジの相手として・・・ワン・シーズンやってもらいたかった。それにしても伊丹刑事(川原和久)の「特命係の亀山(寺脇康文)~」抜きで「相棒」って成立するのか?

・・・全然、本題に入らないな。

とにかく・・・島耕作は大株主の後継者・大町久美子(松下)と愛人関係にある愛社精神はあるが派閥には入らない意地っ張りな課長。別居中の妻(横山めぐみ)の元にいる娘・奈美(飯野芹菜)と疎遠になるのがいやで離婚できない卑怯な男(自称)でもある。

そんな島耕作はなぜか・・・大企業の会長や社長には気にいられ・・・大きな仕事をまかされる。

まあ・・・釣好きではないハマちゃんなのである。

今回は新米重役の中沢の社長就任を賭けた香港のIT企業買収作戦に参加。

敵対する企業と買収相手の汚職幹部の仕掛けたスパイを逆手に取り・・・入札金額を操作して買収に成功するという話。

そして・・・久美子を見合い結婚させようとする久美子の母(萬田久子)の毒牙をくぐりぬけ・・・ずるずると愛人関係を続けるハッピーエンドである。・・・ま・・・このあたりがある意味・・・お茶の間にまっこう拒絶されるポイントです。

とにかく・・・最高だったのは・・・愛の営みを終えた二人・・・仕事があるからと先に帰ろうとする耕作をひきとめる久美子が完全に衣装を着込んでいるところ・・・着衣の達人かっ。

そして・・・久美子と耕作のキスシーンはないのに耕作と久美子の母のキスシーンはあるところです。

もちろん・・・ゴージャスだけどピュアな久美子の役を松下は好演しているのだが・・・そんな久美子が大胆に奔放にふるまうところが・・・数少ない見せ場なのに・・・。

まあ・・・ガッカリな作品にはそれに相応しい数字が贈られるということでしょう。

関連するキッドのブログ『猟奇的な彼女・日本版

さて・・・秋ドラマの開始である・・・キッドは特に予告記事は書かないのだが・・・H☆C関係者の皆さんの記事を見て・・・いつも参考にしています。

Hcinhawaii0472 ごっこガーデン・秋の夜長の流星セット。お気楽また・・・始まるのねエリまた始まるのでスー・・・ぐるぐる回って迷うのyonアンナ期待度ナンバーワンは・・・東野圭吾原作、クドカン脚本、ソースケ主演の流星の絆ぴょ~んまこアンナぴょん・・・ソースケは出ないのデス。錦戸亮先輩デスよ・・・ソースケはお墓にいます・・・それから二宮和也先輩にドクターヘリの緋山先生デスみのむしまこちゃん・・・それ、戸田恵梨香ちゃんだから・・・今回はブラッディ・マンディの三浦春馬くんに期待です・・・きっとドロドロに・・・るるるくう流星の絆って原作と脚本が異種格闘技みたいな・・・とりあえず水嶋ヒロくんでROOM OF KINGを見るよっ。後はイノセント・ラヴは脚本が不安でいっぱい・・・ラスフレ・・・またラスフレなの?」きっとドロドロですよね。チームバチスタの栄光は・・・映画とどう違うのか・・・楽しみですぅ~ちーず「(月)イノセント、(火)チームバチスタ、(水)考え中、(木)風のガーデン、(金)流星、(土)ブラマン、(日)SCANDAL・・・あらすじの日々がまた始まる・・・mari結局・・・見てみないと面白いかどうかはわかりませんよね・・・楽しめるドラマがあればうれしい・・・ああ・・・開けて見るまでわからない・・・楽しみがいっぱいありますねえaki七瀬ふたたび・・・昔・・・原作を夢中になって読みました・・・はたしてドラマはどうかな?・・・ギラギラ・・・佐々木蔵之介のホスト・・・興味津々です・・・ミマムやはり・・・流星は気になるよねえ・・・どうか心にヒット!のドラマがありますように・・・ikasama4・・・ふふふ・・・やはり・・・気になるのはイノセント、流星、七瀬・・・ですかな。とりあえず・・・ROOKIESからガリレオってすごいリレーです。ルーム オブ キングまで見るとなると・・・さらにデスパレートな妻たち見て・・・深夜映画ピンポンを見て・・・じいやさん・・・夜食お願いします・・・

金曜日に見る予定のテレビ『ハウルの動く城』(日本テレビ)『天使』(テレビ朝日)

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2008年10月 1日 (水)

デッドリー・フレンドは電気クッキーの夢を見るか?

おいおい・・・いつのオンエアなんだよ・・・ってくりかえしのギャグか。

まあ・・・気がつくと・・・今年の夏は「魔王」以外はほとんどホラー色がなかったので・・・ってダブルでくりかえすのかよっ。

久しぶりに(タレント名)のないタイトルだなあ・・・。

で、『デッドリー・フレンド(1986米国映画)』(日本テレビ080909AM0229~)原作・ダイアナ・ヘンステル、脚本・ブルース・ジョエル・ルービン、監督・ウェス・クレイヴンを見た。深夜映画の香りは時々異臭がするもので・・・いかにも匂う映画なのである。この映画を見て・・・脚本家が・・・「ジェイコブズ・ラダー」や「ゴースト/ニューヨークの幻」(1990・アカデミー脚本賞)の人だと気がつくと・・・思わずニヤリとすると思う。そして監督が「エルム街の悪夢」や「スクリーム」の人だと気がつくと・・・またも思わずニヤリとするのである。そしてヒロインを演じるクリスティ・スワンソンが「地獄のハイウェイ」(1991)のレイチェルを演じていることに気がつくと・・・さらにニヤリとするのである。しかも・・・ものすごくB級映画で・・・あらためてニヤニヤするのである。まあ・・・人によっては吐き気を催すのでご注意ください。

天才少年科学者ポール(マシュー・ラボートー)は15歳で大学医学部の特待生となり・・・学園に秘書の職を得た母とともに学園都市に引っ越してきた。まあ・・・80年代ではあるが「デスパレードな妻たち」の住むようなほどほどに高級な住宅街です。彼は自分が開発した思考する電子頭脳を持つロボット・BBをペットにしている。・・・どれだけ天才なんだ・・・。

すぐに新聞配達の少年トム(マイケル・シャレット)と知り合い・・・街の不良たちを怪力も持っているBBにより撃退したりします。トムはポールを天才と知りながら・・・普通の友達として接してくれるいい奴で・・・ちょっとおバカさんです。

トムが「巨乳」と呼ぶ・・・ポールの隣家の少女サマンサ(クリスティ・スワンソン)を一目見るなり胸のときめきを感じるポール。サマンサもまんざらではないのですが・・・彼女と二人暮らしの父親は・・・暴力的で・・・酒飲みで・・・かなりイカレています。現在なら間違いなく親権を剥奪されるタイプ。どうやら・・・妻との間には暗い過去があるようです。

さらに・・・お向かいさんは一人暮らしの老婆・エルビラ(アン・ラムジー~1988故人・「グーニーズ」(1985)の意地悪婆さんである)で・・・まったく人を寄せ付けずあやまって庭に入ったバスケットボールを取りに行こうとしても猟銃で狙いをつける悪逆キャラである。

前途洋々のポールだが・・・周囲は悪意に満ちているのだった。

市販のクッキーを持ってポールの家へ遊びに来たサマンサを父親が凶悪な顔で迎えにくる。

その夜・・・サマンサの寝室には父親が忍び寄る。目覚めたサマンサに暴行を働こうとするのである。「パパやめて・・・さわらないで」「へへへ・・・触ってやる触りまくってやるぞ」「キャー」っとサマンサはベッドサイドの花瓶をたたきわり・・・花瓶の首の部分を父親の腹に突き刺す・・・管となった花瓶の首から血液が脈打つたびにほとばしるのである。絶叫するサマンサに・・・父親は「ははは・・・そんなことで俺を殺せると思うのか・・・俺は不死身だ・・・あはは・・・あははははは」・・・夢でした。しかし・・・娘にこんな夢を見させる父親が尋常ではないのは確かです。

そんな・・・不幸な環境にあっても・・・ポールやトム・・・そしてBBと遊ぶサマンサは無邪気な笑顔を浮かべます。日本版なら・・・妄想が広がりすぎたのでやめておきます。まあ・・・山田太郎ものがたりの三人が無難か・・・。しかし・・・巨乳となると・・・やはり・・・やめておきます。

ハロウィンの夜。悪戯に出かけた三人はエルビラの家にピンポンダッシュを仕掛けるが・・・逃げ遅れたサマンサを庇おうとした・・・BBはエルビラの猟銃で無惨にも破壊されてしまいます。発案者のトムは責任を感じますがだからといってなす術はありません。

BBは死んだのです。もう・・・このあたりから・・・家族で楽しむ映画ではないムードが漂いはじめます。

ポールと理解のあるポールの母親にお呼ばれして・・・サマンサが家に戻ると酔って寝ているはずの父親が待ち構えています。父親は娘をなぐりとばし・・・娘は二階から階段を転がり落ちます。痙攣して意識を失った娘に父親は「ふざけるな・・・死んだ真似なんかしても・・・俺はだまされんぞ・・・この売女が・・・」・・・夢・・・ではありません。

救急車で病院に運ばれた時にはすでに脳死状態です。そして父親は「事故だった」と言い警察もあっさりそれで処理します・・・恐ろしい80年代のアメリカです。

悲しみにくれるポール。24時間後に生命維持装置が停止され・・・サマンサは世を去って行くのです。

しかし・・・天才科学者であるポールはあきらめませんでした。ひそかに開発していたBBⅡの電子頭脳を使い・・・サマンサの蘇生を試みることにしたのです。しかし・・・人体実験なので・・・さすがに80年代のアメリカでも公式には許されず・・・トムを誘って死体を盗むことになります。トムはビビりますが・・・BBのことを持ち出され・・・承諾します。

母親に一服盛って昏睡させるポール。このあたりがスタッフたちのある種の暗いテイストです。母親に一服盛るということをしないではいられないのでしょう。特にトムは眠っているだけの母親を「死んでいる」と騒ぎたて・・・目覚めた母親を異常に驚愕したりします。

・・・ともかく・・・父親の要望で予定より早く・・・生命維持装置をはずされ・・・名実ともに死体となったサマンサを二人はなんとか取り戻し・・・ポールは手術によって・・・サマンサの脳に電子頭脳・・・まあ・・・携帯の基盤よりもシンプルな感じのLSI(集積回路)を埋め込みます。電源はリモコンでオンオフできるのです・・・ちなみにギャグではなく・・・マジですから。

そして・・・蘇ったサマンサは・・・かっての快活な少女ではなく・・・生まれたての思考するロボットになったのです。そして・・・指も満足に開けないのにものすごい怪力だったりします。

さて・・・脚本家は後に・・・「ゴースト/ニューヨークの幻」という非常にロマンチックなラブストリーを書くわけですが・・・同時に・・・「ジェイコブス・ラダー」というベトナム戦争で幻覚剤中毒になった男がフラッシュバックによって・・・現実と幻想の境界に飲み込まれていくという恐怖も描いています。いわば・・・この「デッドリーフレンド」はそのカクテルというか・・・分裂前の母体と言えるわけです。

母親の目を恐れ・・・ゾンビのサマンサを物置にかくまうポールは・・・幼い少年と天才科学者が同居した存在ですが・・・表情を失ってもなお美しいサマンサの内部では「何か得体の知れないもの」が成長し始めているようです。

最初は身動きも困難だったサマンサはやがて・・・ポールの留守の間に自分の家に戻ります。地下室で父親を待ち伏せたサマンサはものすごい怪力で父親を締め上げ・・・復讐を果たすのです。

どうやら・・・サマンサの記憶と・・・BBの記憶が混在して・・・彼女を動かしているようなのです。

ポールはなんとか・・・母親の目からサマンサを隠そうとしていますが・・・もはや・・・思春期の少年の願望を大きく越えた存在と化しつつあるサマンサは・・・エルビラの家に侵入し・・・バスケットボールを投げつけエルビラの頭部はスイカ割りのスイカのように砕け散ります。ギャグではなくマジなのですが・・・まあ・・・ある意味爆笑ポイントです。

連続殺人犯となったゾンビ・サマンサを警察が追跡し・・・それをなんとか阻止しようとするポール。しかし・・・目の前で人間をパトカーに向かって投げつけたサマンサを警官たちはもはや化け物としか思えないのです。

ようやく・・・サマンサがポールを・・・愛しい恋人と認識し始めたとき・・・警官の弾丸がサマンサの第二の人生に終止符を打ちます。

ここで・・・終れば・・・それなりに哀愁の結末ですが・・・監督はウェス・クレイブンです。

死体の冷凍補完室に忍びこんだポール。サマンサをもう一度復活させようと意欲満々です。しかし・・・その場で目覚めるサマンサ。突然・・・ポールの首をしめにきます。不意をつかれて愕然としつつ・・・抵抗するポール。サマンサは・・・「ポール」と名を呼ぶと・・・顔面の皮膚がさけ・・・内部から金属的なロボットBBの骨格が現れます。細胞が突然変異してメタリックになったのです・・・もはや・・・超自然・・・魔法の領域に突入したサマンサ/BBは・・・「私のところへきて・・・」とポールに呼びかけます。生と死のはざま・・・夢の領域へ・・・ポールは・・・暗転です。

ああ・・・もちろん・・・フランケンシュタインの怪物の・・・子孫ですが・・・必見のB級映画なんだな・・・これが。

関連するキッドのブログ『メアリー・シェリー

木曜日に見る予定のテレビ『キャットストリート』(NHK総合)『夢をかなえるゾウ』(日本テレビ)

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