崖を見ればよじのぼり海を見れば飛び込むビキニの群れは見たがる・・・それがガリレオφ。(長澤まさみ)
ああ・・・すごい・・・土曜日だったなぁ・・・。
まず・・・「ユンゲル」(フジテレビ)の再放送である。柳沢(伊藤淳史)と弓削(品川庄司)が秋葉原のラーメンと高級メイドカフェ「ぴゅあはーと」をめぐって繰り広げる知の攻防戦・・・。主役が殺人ネズミでヒロインが「一番暗いのは夜明け前・第8話」でメイン・ゲストだった山崎真実演じる婦警・柿崎千鶴である。実はところどころ本編より面白い気持ちになる部分がある。ま・・・事件が「田園調布ネズミ男事件」だからな。
次に単発ドラマ「シュラバッ!」(TBSテレビ)があって・・・資産家の梅沢富美男が死んで妻の野際陽子の元へ続々と故人の愛人たちが遺産分与を求めて群がってくる話。松田美由紀だの安達祐実だの紺野まひるだのである。実は・・・このドラマを見ていると・・・「ガリレオφ」の蟹江敬三・香里奈の義理の父娘は絶対できているとしか思えなくなるのである。
そして「ROOKIESスペシャル」という総集編のほぼ再放送があって・・・「また再放送だと思ったでしょう」(小出恵介)「案の定だよな」(佐藤隆太)「それ以上は慎んで」(市原隼人)という追加のセリフが爆笑だった・・・そんなものはないっ!
ここで・・・土曜ワイド劇場では「隠蔽捜査2」である。娘を殺された夫婦の復讐劇で・・・平泉成の声でいきなりネタバレをする力作である。陣内孝則、柳葉敏郎、杉本哲太、松重豊の濃い目の警察官チームがオヤジ臭さを撒き散らすのだった。・・・だから・・・「上海タイフーン」なんか見てられないのである。
さらに・・・深夜になると・・・誰もが望んでいない方向に成長した鈴木杏のそれでも時々ハッとするほど昔が忍ばれる美しさを見るために「ルーム オブ キング」(フジテレビ)を見なければならない。井川遙と鈴木杏はある意味同じベクトルじゃないのか・・・。せめて・・・「花とアリス」のあたりで落ち着いてくれたらよかったのにな・・・。森三中の黒沢のそっくりさんはできるけどな。奈良沙緒理か・・・。まあ・・・イギリスの血がある程度仕方ないけどね。渡辺えりになっていくのか・・・。危うい面白さはあるけどね。
そして・・・都築浩原作で三木聡脚本・演出という「トンスラ」(日本テレビ)が吉高由里子と温水洋一でスタートである。いきなり、吉高が腰をひねって屁をこいたり、温水がロープで首を吊ったりして・・・もうあなどれない展開になっている。少なくとも初回はロケもよどみなく挿入され・・・ジンタンをボール食いなどのコネタも満載・・・単なる密室劇ではない・・・面白さである。
さらに「安楽椅子探偵と忘却の岬」(テレビ朝日)では前田愛を見なければならないのだ。
・・・殺す気かっ。もちろん「デスパレードな妻たち2」(NHK総合)も見たけどね。
で、『土曜プレミアム・ガリレオφ(第0章)』(フジテレビ081004PM9~)原作・東野圭吾、脚本・福田靖、演出・西坂瑞城を見た。「ROOKIES」と違ってこちらは・・・ちゃんと中身があってホッとした。しかも・・・サービス満点な内容で・・・ある意味・・・散漫だったりもする。
とにかく・・・ドラマというタイムマシンはレギュラーの「ガリレオ」の最終回から時を遡行して・・・ドラマ版のヒロイン内海刑事(柴咲コウ)と物理学者・湯川(福山雅治)が出会う三年前の世界へ・・・お茶の間をタイムスリップさせるのだった。
そして・・・殺されても仕方のない奴を演じさせたら若手ナンバーワンの波岡一喜が・・・今回の被害者である。
金属の加工メーカー『友永スチール』の創業者・友永幸正(蟹江敬三)は脳梗塞の発症後・・・車椅子生活を余儀なくされている。その海辺の屋敷に見舞いに訪れた部下たち。自家製のボトルシップのコレクションを見せながら・・・さらに手作りの仕込み杖を自慢する幸正・・・。それは折りたたみ傘を利用した伸縮システムと赤外線照準装置を内臓していた。
やがて・・・死んだ愛人の娘であり・・・幸正の介護をする奈美恵(香里奈)を接客を任せ自室に引きあげた幸正・・・。
その直後・・・屋敷の離れではガラスの割れる音がして・・・火災が発生。焼け跡からは・・・幸正の死んだ妻の息子・邦宏(波岡)の遺体が発見される。その死体には日本刀のようなもので刺殺された形跡があり・・・しかも・・・離れは密室状態であり・・・犯人の痕跡は皆無だったのである。
邦宏は評判の不良息子だったらしい。
謎の多い現場の状況に・・・草薙刑事は・・・旧友の物理学者・湯川を訪ねるのだった。
湯川助教授の研究室で待ち構えていたのは今回はメガネっ娘と脚線美で勝負のゼミの学生塩野谷あかり(長澤)である。メガネっ娘でドジッ娘である。さらに泡々娘である。・・・もちろん・・・湯川を狙っているのだった。そして・・・自称・理数系の優等生なのだった。
学生たちとすでに助手の栗林(渡辺いっけい)そして湯川と草薙が盛大に泡と戯れた後・・・事件の経過を話した草薙は現場の付近に「ビキニの美女しかいないビーチ」があるというウソのような本当の話で湯川を釣り上げるのだった。
あかり「刑事さんと・・・湯川先生はどんな関係なのですか?」
この質問によって再びタイムマシンが始動。
湯川と草薙の学生時代に・・・お茶の間は連れ込まれるのだった。
草薙(佐野和真)は宅配ピザのアルバイト中・・・宅配先で・・・女性の転落死に遭遇・・・不審死であったために第一発見者として・・・殺人の容疑をかけられてしまう。
ここで・・・友人の湯川は・・・「現場にいない人間が女性を転落死させる方法」を考案するように草薙に依頼される。
草薙の考えたロウソクの火でヒモを切るトリックを改良し・・・湯川はすでに万年助手人生を始めていた栗林の協力で・・・「ヤカンのフタを使って掃除機のコードを巻き戻させる時限装置」のトリックを成功させ・・・草薙の目撃した被害者宅と同じ匂いの香水臭のする男が容疑者リストに加わったのである。
そして・・・警察の下した結論は・・・香水男と被害者は不倫の果てに別れ話をしており・・・被害者は世を儚んで発作的に飛び降り自殺をした・・・というものであった。
もちろん・・・これは「藪の中」なのである。
世の中に起こるあらゆる事件の真相はただ一つでありながら無限の可能性を秘めているという真理を提示しているのだ。
だからこそ・・・冤罪は存在するし・・・限りなく怪しい容疑者がありながら証拠不十分で迷宮入りの事件も存在する。
ある意味・・・刑事警察機構の根底を覆す真理だが・・・世の中はそういう真理とは別の観点で動いているのだな。
少なくとも・・・一般的な刑事ドラマでは・・・犯人はかならず悪事を暴かれるし・・・お茶の間はその過程を楽しむのだが・・・ガリレオの場合はこういう「投げた」展開が持ち味である。
また・・・最近では・・・「殺されていい人間なんていない」という倫理観が反映するドラマが多いのだが・・・「ガリレオ」の場合は・・・まあ・・・こいつは殺されても仕方ない感じが・・・色濃く漂う傾向がある。
裏番組では加害者と被害者遺族の復讐感情の問題が提示されているが・・・ここでは反社会的人格の社会的抹殺の是非が問われているのだ。ある意味・・・危ないのである。
そのため・・・若き変人ガリレオはより「被害者や加害者の人間性に興味はない・・・ただどういう方法でそれが可能になるか・・・興味があるだけ」を強調するのだった。
つまり・・・①香水男が催眠術で女を殺した ②草薙が暴行目的で女を襲い争いになって女が転落死 ③女は飛び降りが趣味だった・・・などあらゆる可能性を黙殺しながらドラマは進行していくのだった。
ふたたび・・・不良息子怪死事件の時代に戻ると・・・草薙と湯川はビーチバレーをエンジョイしつつお茶の間の一部愛好家に対するサービスにはげんでいる。
さわやかな疲労感を身にまとい・・・事件に巻き込まれていく湯川とビキニになるなる詐欺のあかりだった。
ここで・・・湯川の興味は『友永スチール』の業務内容に向かっていく。
友永は中卒でありながら金属の爆破成形の第一人者だった。友永は爆発により加わる圧力で金属を加工する技術を持っていたのである。
落ちた果実で頭を打って失神したあかりを・・・たっぷりといろいろと鑑賞した湯川は現場と海を結ぶ直線状にガラスの破片を発見。その延長線上にある証拠の品を素潜りで海底から発見する。三年若いから・・・いろいろとできるのだった。
つまり・・・友永は離れに爆発して金属片を変形させながら発射する装置を仕掛け・・・遠隔操作で実子の邦宏を射殺/刺殺したのである。
すべては・・・愛人の娘である奈美恵に遺産を相続させるためであった。
さらに・・・湯川たちに杖のヒントを与えたのは・・・自分が逮捕されることによって奈美恵を介護から解放し・・・交際中の彼氏と結婚させたいという親心だったらしい。
もちろん・・・考え方によってはそのために実子を殺害するというのは相当に狂気の沙汰である。
だから・・・もちろん・・・秘密の通路があって・・・奈美恵の双子の妹が邦宏を日本刀で刺殺後・・・放火して逃走・・・という様々な可能性はさておき・・・友永の動機としては①息子が生意気なのでこらしめてやろうと思ったが威力ありすぎでびっくり ②暗殺用の秘密兵器を開発していたのだが息子が持ち出して自爆 ③愛人の娘を愛人としていた父親・・・実の息子と愛人の娘との間になにやら親密な空気が・・・嫉妬に狂った父親は・・・実子殺害を決意したのだった・・・などという様々な可能性があるのである。
そんな可能性に・・・湯川はこれっぽっちも興味はないのだった。もちろん・・・口止めのために湯川が初体験を奈美恵に奉げた可能性は否定できない。
湯川「・・・ははは・・・わからない・・・おもしろいね・・・ははは・・・さっぱりわからない・・・・はははははは・・・・実におもしろい・・・・ははははは・・・はうぅん」
しかし・・・純真なあかりにはそういう夜の営みは無縁だったようだ。
あかりは・・・警察に就職し・・・いつか科学捜査研究所の一員としてガリレオ世界に帰って来る可能性を残しつつ・・・ガリレオはその後の世界を銀幕の彼方に展開していくのだった。
ドラマ冒頭を飾る書棚の本は「攻撃の心理学/バーバラ・クラーエ」だった。ドメスティックバイオレンス・・・あるいは性的攻撃の物語だったからであろう。さらに言えば「攻撃行動」についての雑感と言えるだろう。父親による好ましくない子供への究極の家庭内暴力の実戦の話なのだから。
例によってテンメイ様は数式と図についてレポート先行なのであった。
月曜日に見る予定のテレビ『恋うたドラマSP』(TBSテレビ)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
こんばんは
プチご無沙汰でした。
しかいないビーチに

例によって2本立て。丸一日つぶれちゃいましたよ。
寝るヒマもない状況なので、簡単に。。
本質を突いた鋭いタイトルだなと思ったら、
その下にズラッと並ぶ他の番組の数々。
いくら何でも見過ぎでしょ!
疲れ切ってるから、福「原」雅治になってますよ ^^
アハハ (^^) 殺されても仕方のない奴ナンバーワン。
ギターのナンバーワン・布袋じゃないのね♪
あぁ、メガネっ娘か。そうゆう趣味もあるんだった。
僕は、ビキニの美女
男が数人混ざってるのが不満でしたね。
ホントにビキニだけならシュールで笑えたのに。
ホホーッ、「投げた」展開ね。そんなに違いますか。
いや、僕はほとんど刑事ものは見ないもんで。
まあ科学ミステリーだから、焦点は違いますよね。
僕も、殺された男については一言注意を促しました。
3年前でも、メガネ外して海底は見えないでしょ。
友永は賢そうで、あんまし賢くもないですね。
「はうぅん」って文字に反射的に萌えちゃうかも♪
心理学は、特定個人のパロディにも見えました。
占い師のパロディは怒られちゃったらしいけど、
心理学者なら大丈夫ってことかな。
誰も気付いてくれないとは思うけど。
って感じで、今回は軽めのコメントで。
それでは、また。。
投稿: テンメイ | 2008年10月 6日 (月) 03時23分
ふふふ・・・ガリレオφ「数式」篇「解題」篇
という感じでございますね。
毎度お疲れ様でございます。
睡眠はこの季節よくとらないと
夏の疲労が抜けませんぞ。
まあ・・・天使様のことを言えた義理ではない
睡眠不足でございますが・・・
まあ・・・キッドの場合は
すでに一種のビョーキでございますから。
福原という知人がいるので
よく書き間違います。
早速訂正しました。
ありがとうございました。
まあ・・・もしも・・・
見なかった番組が
すごく面白かったらどうしよう・・・
という強迫観念で
見るわけですが・・・
見てすごく面白いことは
まずないのですけどね・・・。
テンメイ様との
バトルの中では
「たっ恋」の不良・山下役が思い出されます。
ライオン丸Gでは
史上最悪のヒーローやってましたしね。
しかし・・・あんなにビキニ率の高い
ビーチは一種の風俗営業でございましょう。
まあ・・・これは原作者の傾向ですが
基本的に
公序良俗とか勧善懲悪とかに
やや反抗的な側面が
あるのですよね。
だから・・・今回の犯人の周囲の人々の
善意も・・・どこか・・・虚ろな響きをおびている。
それを「ガリレオ」スタッフは
前面に押し出さないで
軽く突き放した展開にしているようです。
すると・・・反社会的なものを求める人も
そうでない人も釣れるという計算が感じられ
なかなかにしたたかだなぁ・・・と思いますです。
リアルとロマンは交差するものですが
そういう意味で
海底から証拠品応酬とか
草薙の品定めをする目つきとか
ある意味・・・おふざけを
さりげなく練りこんであるところが
絶妙でございます。
そして天使にも悪魔にもわかる
セクシーな部分の暗喩も適当だし・・・。
とにかく・・・お見事な作品に仕上がっていて
視聴率20.8%はさもありなんなのでございます。
攻撃の心理学は翻訳者が湯川博士なので
それだけのパロディーだったのかもしれません。
まあ・・・多くの大衆にとって
倫理学と心理学の交差点は
あまり意味がないのかもしれませんな。
投稿: キッド | 2008年10月 6日 (月) 21時49分