裏切られても愛することができますか?(観月ありさ)
日本人は「不戦の誓い」をしている。それは第二次世界大戦の戦死者に対し・・・「二度と過ちを犯しませんから生き延びることをお許しください」という誓いである。
「1億玉砕」で「靖国で再会する約束」も果たさず「欲しがりません、勝つまでは」と言ったのに命を惜しんだ昭和天皇以下の帝国国民は全員、死んだ同胞を裏切り「耐えがたきを耐え忍びがたきを忍び」・・・「生きる」ことを選んだのである。
そして・・・「日本国」が生れた。日本国は最初から外国(連合軍主に米国)の占領下に置かれ、外国の定めた法を憲法とし、ひたすら「日本」以外の世界に奉仕することを義務付けられている。
そういう国民はどうなるのか・・・もちろん・・・お人好しになるのである。
日本というのはそういう法治国家である。その法というのは・・・「外国に国民を誘拐されても身代金を払う以外にお願いはしない」「毒入りの商品を売られても外国に対しては文句を言わない」「経済的に豊かになってもけして一流にはならない」「日本人が困っても外国人には迷惑をかけない」「日本人が外国の法律を守るのは当然だが外国人が日本の法律を守らないのも当然である」「何が起こっても基本的に悪いのは日本人だから必ず謝罪すること」というようなものだ。
やってられっか。・・・戦に敗れるとは本当に恐ろしいことだな。
もちろん・・・そんな国民でも幸せになれる。いや・・・そういう国民だから幸せなのだ・・・という考え方もある。
国会議員が・・・マルチ商法の勧誘をしてしまうほど幸せなのである。
で、『OLにっぽん・第二回』(日本テレビ081015PM10~)脚本・中園ミホ、演出・岩本仁志を見た。フンワリ中村もコロコロ遠藤も顔面から流血しながら・・・やられてもやりかえさないホームでドローでも問題ない・・・それが大和魂2008秋なのである。もういい加減憲法改正しないと・・・子々孫々が苦労するぞ。
そういう意味で着々と軍備増強中の中国を相手に外国軍(米軍)まかせの我が国は・・・もしも・・・米国が崩壊したら・・・どうするつもりなのか。ソ連だって消滅するのだから米国が消滅しても不思議でも何でもないのだが・・・。
そんな日本で・・・国家や国民よりも利潤を追求する企業で生きる人々の物語である。
通勤のバスの中で空席を見つけた張琳(タン・ジャースー)は「さわらせてください」と席に荷物を置いた乗客にお願いをする。張琳は疲れているのだ。その声を聞きつけた同僚の神崎(観月)はさっそくかけつける。「さわるじゃなくてすわるよ」と総務部総務課のアウトソーシングに伴う派遣中国人スタッフ教育係である神崎は指導するのだった。
外国人のすることは常に正しいという洗脳教育を受けた神崎は中国人に労力の無駄使いを指摘されてスッピン(素顔のようなメイク)になっている。
中国人スタッフは神崎の仕事を奪いに来日しているのだがもちろん神崎にはそのことは気にならない。なぜなら相手は外国人なのだ。外国人様と仲良しになることはとても大切なことなのだ。
そんな神崎をすでに中国人の走狗となっているチビ太(阿部サダヲ)は思わしげに見つめるのだった。
総務部総務課ではアウトソーシングに対するサポタージュが行われていた。外国人様のために尽くすのは大切と頭では理解しながら・・・主任の野呂(モロ師岡)は心では割り切れないものを感じていたのだ。業務を外国に委託して利潤を追求するのは会社のためにはいいことだが・・・自分の席がなくなることが恐ろしいのだった。
しかし・・・そういう思想はこの国では悪しき思想なのである。外国人様のためには日本人は命を惜しまず尽くさねばならないのだ。
勤勉と言われる日本人の先人が築き上げた業績、行程マニュアルの果実の一番おいしいところをなぜ渡さねばならないのか・・・野呂は釈然としないのである。
しかし・・・日本人であるよりも企業人である藤田部長(浅野ゆう子)はそういう部下の不品行を許さない。遅々として進まないマニュアル化作業に苛立ち、朝比奈総務課長に一週間の期限付きで「委託リストの一項目をマニュアル化」することを命令する。
同時に「いくら外国人様の発言とは言えスポンサー様や自らのタレント価値を下げるようなスッピンは許さない」と「スッピン禁止」命令も下すのである。
野呂主任の抵抗は続く・・・「業務委託のもっとも困難そうな項目をモデルケースとして外国人様の無能力をアピールする作戦」である。席上には神崎もいるが悪者にしないためにあえて発言は控えているのが苦肉の策であるが・・・ポジションがわかりにくい。
神崎は・・・国家や国益よりも目の前の仕事に燃えることが好きなのだった。
神崎は野呂主任の意図を越え・・・不可能に思えるからやりがいがあるとばかりに外国人を熱烈指導するのだった。
その最中・・・神崎は張琳がコンビニでアルバイトをしているところを目撃してしまう。同僚のクソ生意気な中国人様である楊洋(ローラ・チャン)によれば・・・張琳は親の借金のために仕送りをしなければならないのだという。神崎たちの企業は兼業は原則禁止である。本来は上司に報告しなければならないのだが神崎は忠告してバイトをやめてもらい事を穏便にすませようと考える。相手は中国人様なのだ・・・強盗や強盗殺人だってなさってもおかしくないのに業務時間外のバイトぐらいは目をつぶりたいのである。張琳は神崎の忠告を神妙に聞くのだった。
しかし・・・バイトはやめないのだった。日本人の言うことなどに耳を貸す必要はないと教育を受けているからだ。
しかし・・・別の社員に目撃され・・・神崎にも庇い立てができなくなってしまう。
企業大事の藤田部長は企業に滅私しないスタッフは看過できない。国家に忠誠を尽くす必要はないが所属企業には忠誠を尽くすべきなのだ・・・だからマネージャーのチビ太に張琳のチェンジを要求するのだった。
しかし・・・教育係の神崎にとって部下の規則違反は汚点である。なんとかならないかとチビ太に泣きつくのだった。
建前は「彼女の仕事にかける情熱は私に忘れていた何かを思い出させてくれた・・・恩義がある」というのである。
そこで工作員であるチビ太はマニュアルのデータの破壊というテロ活動を実行する。コーヒーをこぼしたくらいではデータは消去されないのでおそるへき電磁的装置を用いたものと思われる。
こうして・・・帰国を翌日に控えてそれでもギリギリまでコンビニで業務を続ける張琳に召集がかかるのである。マニュアルを再構築するためだ。もちろん・・・コンビニの業務に支障が起きるのは無視である。コンビニ店長を困惑させてもタスポ導入で煙草とついで買いで売り上げ好調だから構わないだろうということである。
こうしてお手柄を立てた張琳は解雇を免れる。当然、実力による復帰なのでバイトを続ける気満々なのである。次は中国人パブか。
そして・・・アウトソーシング実現の目盛りはひとつ進み・・・神崎は「リストラ係」を部長に命じられる。それは・・・課長並の待遇ということなのか。
総務課から日本人一人をリストラ対象としてピックアップすること。
外国人を助け日本人をくじく・・・神崎は自分が苦しい立場に置かれたことを自覚する。もちろん・・・そうしたのは神崎本人なのである。(つづく)
・・・これって・・・日本でオンエアされているドラマなんだよな?・・・誰向け?
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金曜日に見る予定のテレビ『ギラギラ』『サラリーマン金太郎』(テレビ朝日)『流星の絆』(TBSテレビ)『メン☆ドル』(テレビ東京)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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