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2008年11月30日 (日)

クスリ飲みづらいんですけど(三浦春馬)ホットマンの七海ですけど(日向ななみ)終わりなんですけど(水嶋ヒロ)

「しゃばけ~うそうそ」の山神と人間の間に生まれ人柱とされたために鬼となった姫神・お比女を演じるのは11歳になった日向ななみ(旧芸名・山内菜々)である。相変わらず達者だ。

あやかしたちや鈴彦姫大好きなあなたはコチラへ→mari様のしゃばけ~うそうそ

土曜ワイド劇場「失踪捜査人・港亮介」の柏原刑事のような港(三浦友和)の助手はチヅル(前田愛)・・・そして軽い家出娘(多岐川華子)、黒幕の悪女・亜紀(仁藤優子)はパールカラーにゆれて・・・だった。

ちなみに「トンスラ」はダイジェスト・特別篇・・・深夜にやられるとのけぞるな。

で、『ブラッディ・マンデイ・第8話』(TBSテレビ081129PM0756~)原作・龍門諒、脚本・渡辺雄介、演出・平野俊一を見た。とにかく・・・最近の高校は対ウイルス防護壁を兼備しているらしい。

このウイルスは確か・・・空気感染するんだったよね。ものすごい・・・気密力のある高校校舎なのだな。それとも感染者の周囲何メートルとかに接触しなければ大丈夫なのか。

ウイルスは脚本次第で突然変異するのか。

そんな変異するウイルスに経口で即効のある抗ウイルス剤って・・・。

魔法のクスリなのか。

こういう感じか・・・。

かおる(芦屋星)はまほうのクスリを隠した。

ファルコン(三浦)はまほうのクスリを捜した・・・みつからない。

もういちど捜しますか? 机の上/机の下

ファルコンは机の下をさがした・・・みつからない。

テロリストがあらわれた!

テロリストはまほうのクスリを持っていた。

ファルコンは14のダメージ。

高校生たちの捨て身の一撃!

音弥(佐藤健)はマシンガンを手にいれた。

音弥の攻撃。

テロリストはおとなしくなった。

高校生たちは逃げ出した・・・テロリストは腰がひけている。

ファルコンは英(久野雅弘)にまほうのクスリをつかった・・・しかし効き目はなかった。

英は死んでいる・・・死んでいる・・・死んでいる・・・高校生たちはがっかりした。

・・・どんなゲームだっ。しかも・・・生死の境目なのに・・・みんなクスリをなかなか飲まないのだった。苦いから嫌がってるのかと思ったぞ。

英の秘密アルバムがあおい(藤井美菜)じゃなくてファルコン中心だったことに違和感を覚えるあなたはコチラへ→お気楽様のブラッディ・マンデイ

経口薬ということでイメージとしてはインフルエンザウイルスの抗ウイルス剤であるリン酸オセルタミビル(いわゆるタミフル)なのであるが・・・タミフルにしても基本的には増殖を抑制する効果なので・・・連続投与が必要だし・・・効果が現れるのは投薬開始後・・・数日を要する。なにしろ・・・消化吸収ですから。また場合によってはウイルスが体内で耐性を持つ場合がある。それなのにまるで解毒剤のような魔法のクスリ・・・マンガじゃないんだから・・・ってマンガかっ。

テロリストの目の前で・・・パソコンを操作するファルコン。妨害電波うんぬんよりも拘束しておくべきだろう・・・人質なんだから。

そして・・・実は・・・謎のテロリストの組織を壊滅させた過去を持つファルコン。

今さら・・・そんなことを言われてもな・・・脚本のまわりくどい仕上がりにはうんざりなんだよ。

導師が尊師だろうとKじゃなかろうと・・・どうでもいいよ。

さっさとウイルス散布して・・・神の王国を作ればいいじゃん。

それから銃を持っている奴に手をあげろって言ったら普通撃たれるぞ。

もう・・・毎週、毎週・・・イライラするために一時間・・・好きなのか・・・それが好きなのか。

本当はイライラさせられるのが好きな弱い子なのか。

イニシャルKの人多すぎで英のために流した涙が乾いたあなたはコチラへ→まこお嬢様のブラッディ・マンデイ

で、『Room Of King・最終話』(フジテレビ081129PM1110~)脚本・大宮エリー、演出・大木綾子を見た。最後はカリスマ家政夫となったもりじ(水嶋ヒロ)・・・。なんていうか・・・学生時代のサークル活動の温い楽しさがいつまでもいつまでも忘れられない居酒屋のイカくさいホッピーのようなドラマだったな。

最後は全員がそれぞれすばらしい個性をいかして大成功・・・お互いがビジネスでもしっかりとコネクションを作り・・・(例)女優と映画プロデューサーとスタイリストが癒着・・・みんな仲良しで・・・プライベートとビジネスが混然と一体になって・・・有頂天なのである。

ホームレス(大倉孝二)は外国の女王に一目惚れされて王様になる始末である。

まあ・・・ある意味前向きで・・・すばらしいのだが・・・人生はどうやっても幸福になるしかないという展開は・・・頭がお菓子になっていると言うしかないな。まあ・・・東大→電通→作家というこの脚本家の経歴にはひれ伏すしかないけどね。

もちろん・・・すべての成功するビジネスは特権階級向けなのだという哲学はすごいといえばすごいが殺意を覚えるといえば覚える。

出産のための病院さえない妊婦がいる世の中で・・・エステ・ヘアメイク・マッサージでファッショナブルな訪問出産・・・どんだけ限られたセレブ向けなんだ。

まあ・・・すべてが楽天的で浮かれた妄想であり・・・楽しいといえば楽しかったかな。

特に・・・もりじのような家政婦を欲しいと思う人は多いかもしれない・・・まあ・・・いつか・・・くどいのが鬱陶しく感じ始めるまでは。まあ・・・面白いと思う人が少なかったのでドロドロの視聴率だったわけですが。豪華メンバーご苦労さんである。

ドラマの方向はよくわからなかったけど花のない花屋になったもりじがステキだからすべて許せる寛大なあなたはコチラへ→くう様のRoom Of King

関連するキッドのブログ『先週の土曜日のレビュー

月曜日に見る予定のテレビ『イノセント・ラヴ』(フジテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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2008年11月29日 (土)

時には母と父のない子のように(戸田恵梨香)流星の絆的濡れ煎餅(錦戸亮)おはぎさん・・・(二宮和也)

「朝まで生テレビ」では六割が「自虐的歴史観」を否定し八割が「憲法改正」を肯定するという凄まじいアンケート結果が出て・・・東アジアからの工作員たちを唖然とさせたのだった。偽らざる国民の声である。そういう意味ではマスメディアの送り手たちは認識がズレているのだ・・・まあ・・・朝生のアンケートに答えちゃう層が特殊だとしてもだ。不特定多数の意見は視聴率と同じように実質ですから。

一方、送り手たちのうちエンターティメントを担当する人々は・・・たとえばドラマの作り手である・・・お茶の間の望みを叶えるべく・・・日夜努力している。そのために・・・内容がかぶることはよくあることである。たとえば・・・医療ものが必ずあるとか・・・刑事ものはかかせないとか・・・だ。キャスティングも人気者を使いたいと誰もが思うので時には火曜日も上地、土曜日も上地だったりする。

しかし・・・今季のかぶり方は異常だと思う。その傾向は・・・親知らずの主人公たちの大量発生である。

かって寺山修司は「時には母のない子のように」を書いたのだが・・・そこには母を慕うと同時に母をうとましく思う思春期特有の精神が反映していたと考えられる。しかし「心はすぐ変わる」のである。「母のない子になったら誰にも愛を語れない」からだ。

けれど・・・今季の孤児たちは・・・少し・・・様子が違う。

「イノセント・ラヴ」の主人公・佳音(堀北真希)は両親を何者かに殺害された孤児である。「セレブと貧乏太郎」のアリス(上戸彩)は不在の父親と継母から独立して生きる。「オー!マイ・ガール!!」の耕太郎(速水もこみち)の両親は事故死、「相棒」や「OLにっぽん」には主人公の親が全くからまない、「七瀬ふたたび」では七瀬(蓮佛美沙子)は父の死を何度も経験する。「小児救命」の宇宙(小西真奈美)は育児放棄された子供、「風のガーデン」では父(中井貴一)が息子と娘を捨てる。「ブラッディ・マンディー」ではファルコン(三浦春馬)は母・死亡、父・消息不明だ。「スクラップティーチャー」の超中学生の親は謎の存在。「SCANDAL」の主婦たちは家庭をないがしろにして心が浮き立つ。そして・・・「流星の絆」の兄妹は両親を何者かに殺害されているのである。

すべての局・・・すべての時間で・・・親たちは存在を抹殺されているのだ。

このことは作り手たちの心の闇を象徴していると考えることもできるが・・・ここまでかぶると・・・お茶の間の「親子関係消滅の願望」を作り手たちが読み取っているという考え方もできる。

キッドは・・・なんとなく・・・背筋が寒いのです。

まあ・・・親はなくとも子は育つ・・・ともいうが・・・家庭の延長上にある国家というものを真剣にとらえない・・・親というものの信用が消滅しているから・・・とも考えられる。つまり・・・憲法九条は家族という自然な営みさえ破壊する・・・悪魔の法であるということです。なぜなら大人が子供を守ることを放棄した世界でただ一つの法なのだから。

秋葉原の事件、拉致被害者の叫び、インドのテロ事件、テロチロ事件、轢き逃げ事件・・・それらを伝えるマスコミの論調の虚しさを連日感じるのである。

暴力を憎む人々の言葉の虚しさである。

1億総孤児化はすでに最終段階に入っているのである。

で、『流星の絆・第7話』(フジテレビ081128PM10~)原作・東野圭吾、脚本・宮藤官九郎、演出・石井康晴を見た。長男・功一(二宮)、次男・泰輔(錦戸)、両親違いの妹(つまり他人)・静奈(戸田)の心理がせつなくすれちがっていく中盤の終了である。

ちなみに功一も泰輔も男として静奈を愛していることは少なくともお茶の間の男性には一目瞭然である。っていうか・・・この状況で静奈を抱きたいと思わない男なんていないのである。これ前提。

その中で・・・長男は時効まで残り三週間の「両親の仇討ち」を錦の御旗に・・・自分の恋情をひた隠す。

次男は・・・兄として妹の幸せを願う気持ちと男として好きな女を誰にも渡したくない気持ちでもやもやなのである。

一方・・・二人の血のつながらない妹には・・・二人の兄を慕う気持ちはあっても・・・男としてはまったく見ていない・・・好きだとか言われても「面倒くさい」心情しかないのである。そして・・・彼女は両親の仇の息子・ダメナリ(要潤)に恋をしているのだ。

冒頭・・・アクセル功一のためなら千円で何でもする三半規管の弱い女・サギ(中島美嘉)との会話で・・・それは明確になっている。

静奈「兄たちとは血がつながっていないけれど・・・兄としか思えない」

サギ「でも・・・あんたは私の恋敵だよ・・・小さな仔猫を拾った晩に仔猫と一緒にとんずらよ・・・私はあんたのなんなのさ」

・・・なのである。

そういう下半身の話とは別に・・・頭脳の功一と身体の泰輔は・・・「証拠捏造作戦」を開始する。

①父親の形見の時計(アリアケのネーム入り)に戸神政行(柄本明)の指紋をつける。

②時計と母親の形見の口紅(本体)をブリキの箱に入れる。

③旧とがみ亭のあった古本屋「BOOK-ON」に侵入・・・押入れの天井裏に口紅のキャップを置き・・・店内から写真集「樽ドル大集合!!~あの娘のお肉に・・・埋もれてみたい・・・」を盗む。

④盗んだ写真集とブリキの箱を車内に置いた闇ルートで仕入れた盗難車を目立つ場所に放置する。

ここまでが・・・その夜の捏造工作だった。

そして・・・「おみやさん」・・・ではなくて「おはぎさん」の幕が開くのである。

県警のボス・飯富デカ長(金田明夫)はポロシャツやジャガーや綿棒やおはぎさんこと萩村刑事(設楽統)とともに盗難車を発見・・・柏原刑事(三浦友和)は目ざとく時計の裏の「アリアケ」の刻印を発見する。

その頃・・・静奈は性悪女子大学ハレンチ学科の女子大生佐緒里として・・・ダメナリとの本日一回目のデートである。

「部屋まで・・・車で送りたい」というダメナリの希望に応じ・・・送ってもらう静奈。

ダメナリの有頂天スキップに和むのである。

しかし・・・部屋で待っていた二人の兄は予定外のデートをする静奈に心穏やかではない。

表向きは「警察が介入してきたら・・・詐欺師の正体がばれる」という理由だが・・・本心は「大好きな静奈が他の男に心を許す」のが許せないのである。「ちょっとここにすわりなさい」と功一は「妹の身を案じて」をあくまで装うが・・・邪な心は次のステップで明らかになる。

静奈はすでに兄の変な想像を見抜いているが素知らぬ顔である。魔性の女だからだ。

ちなみにジョージ(尾美としのり)は泰輔が下半身に天狗の面をつけてロックンロールを踊ることはお見通しだし、ダメナリがパラパラを踊ることもお見通しなのである。ひょっとすると静奈とダメナリが恋をしていることもお見通しなのかもしれない。親代わりとして怒っているのがその証拠である。

一方・・・警察の捜査は写真集の出所で行き詰る。

そこで功一はダメ押し工作を指令。

⑤盗難届けを出すようにデブおタクに変装した泰輔が「樽ドル」には太っていた頃の真弓瑠璃(人気タレント)が掲載されているためにプレミアがついていると偽情報を流す。

盗難届けが出され・・・刑事たちは「とがみ亭の主人」と「殺されたアリアケの主人」の接点についにたどりつく。

その頃・・・ダメナリと静奈は本日二回目のデートである。

「横須賀ラブストーリー」は思い出の横須賀めぐりツアー。昔・・・とある直木賞作家にキッドは女子大生を必ず落とすデートを教えてもらったことがある。(1)女子大生とクルマで花屋に行き薔薇の花を一万円くらい買う。(2)クルマで高速に乗り軽井沢の別荘地に行く (3)留守の他人の別荘のカギを壊して侵入(←ここがポイント・・・ワイルドさが鍵らしい) (4)ワイルドに暖炉の火を炊きベッドに薔薇の花をばらまけばおちない女子大生はいないという (5)妻には内緒にしておいてくれと頼まれたのでここに書いておく。男と女の間には暗くて深い川があるからである。

(3)のポイントと同じように・・・今はつぶれたカフェ・バーになっていた「洋食のありあけ」に侵入したダメナリはワイルドにキャンドルライトに火をつけ・・・静奈のハートを鷲掴みなのであった。

そして・・・静奈は・・・思い出の流星の見える丘にダメナリを案内する。

流星とは宇宙塵である。真空といわれる宇宙だが・・・星間物質は漂っている。地球が太陽の周りを周回している間に・・・宇宙塵の濃度の濃い帯の中に突入することがある。帯もまた軌道をめぐっているので・・・毎年同じ帯を通過することになる。

流星群はこの帯を通過するときに発生する。

地球の引力に引かれた宇宙の塵は大気の摩擦で燃え尽きる。その時に発する光が流星である。

だから・・・時効まで数週間に迫ったこの時期は・・・しし座流星群という宇宙塵のベルトの季節なのである。

宇宙の法則です。

兄たちが・・・いつか見せてやると約束した・・・流星を・・・ダメナリと見ることになった静奈は運命を感じました。

運命を感じた女はロマンチックこの上なしなので・・・全国一部愛好者腰砕けのキス・シーンが無理のない展開で実行されます。

この気配に・・・タイニイこと泰輔は愕然です。

「オレは・・・さ・・・男として・・・もう・・・毎晩・・・お前に手を出さないでいることが・・・地獄なんだよ・・・天狗のダンスが辛抱たまらないのさ」

この最悪のタイミングの告白に静奈は一言。「めんどくさー」なのです。

とにかく・・・。

⑥盗品の出所が旧・とがみ亭であることに気がつくように刑事たちにヒントを出す・・・殺された父親ととがみ亭主人の接点まで誘導。

ここまでをクリアした功一。

⑦戸神の家に(殺害の動機となりうる)アリアケのレシピノートを隠す

この段階です。弟が言うように・・・侵入することも可能です。しかし・・・功一の心はすでに暗く捻じ曲がっているのです。静奈のイヤリングに嫉妬の炎が燃え上がるのです。

「それは・・・静奈に・・・やらせる・・・」

そうです。妹とダメナリの仲を裂くためには・・・それが最も効果的だからです。あくまで・・・「兄としてこの恋は無理だと妹に悟らせる」・・・「息子として親の仇討ちが最優先」のフリをしていますが・・・違います・・・静奈が他の男のものになるのは我慢ならないのです。

黒い功一なのです。泰輔は・・・妹の恋と・・・自分の恋の間で悩んでいるのに対し・・・功一は冷酷で容赦のないことがお分かりでしょうか。そのために妹の身を危険にさらしても・・・妹の恋の成就だけは絶対阻止なのです。

泰輔「・・・あいつは本気だぜ・・・いいのか・・・アニキ・・・」

功一「いいわけねえだろ!・・・完璧にひきさいてやる!」・・・なのです。こわい・・・こわいよ・・・黒いよ・・・功一。auのCMの宇宙人(悪)より邪モードだよ。

この日三回目のデート。兄の命ずるままにカナダ留学宣言をした静奈に・・・ダメナリは「両親に紹介したい」宣言・・・もうお分かりですね・・・ロミジュリですロミオとジュリエットなのです。とがみ家とありあけ家の宿命の対決・・・じゃ・・・静奈とダメナリの二人は最後・・・。戸神さん・・・あなたはどうして戸神なの・・・。(つづく)

関連するキッドのブログ『第6話のレビュー

Hcinhawaii0483 平成財閥シアター・「横須賀ラブストーリー・劇場版」公開中。お気楽シーの幸せを願いつつ・・・シーの幸せを阻止する兄ちゃんたち・・・三人そろって刑務所行きなの?・・・辛い選択だよねまこぬれせんべいもシーが好きだったとは・・・まこには驚きデス・・・シーばかりがモテモテです。ちょっとうらやまシー。私はシーになりたい・・・この映画はハッピーエンドでしゅかー?」アンナじいや、ポプコーンと濡れせんべい買って~。アクチェル・・・なんでアクチェルなんだぴょん・・・とにかく・・・原作とちがうラストを流星とかオリオン座に願うぴょんエリ来週・・・妄想係長来るのでスー。新しいムチをお試しするのyon!」くう新しい店は彼女を喜ばせるための店・・・美しい公私混同だね。そんな行成と静奈の恋・・・かわいそうな感じになってきたよ・・・ウソはばれるの?・・・恋は終るの?ikasama4今回は脇役ぞんざいヴァージョンを多数用意しました・・・映画はドラマではお見せできない妄想ラブシーン、妄想カーチェイス、妄想レッドクリフ天狗満載です・・・同時上映・おはぎさん劇場版もよろしく」みのむし年賀状書いて・・・しゃばけの予習していたら遅刻しましたーわーい、わーい、みんなで映画って・・・なんか盛り上がりますー・・・おはぎさん・劇場版では犯人の妹役で出演しているのですー・・・犯人役はアンナちゃんですー・・・でも遅刻ですーシャブリじいやー・・・またまた早起きすぎーっ・・・たけコマあるし・・・もうすぐ100万アクセスなのでありましたー

新婚旅行でバリ島行ってたので帰国後まとめて二週連続で見たよというあなたはコチラへ→ヤマト様の流星の絆6・7

日曜日に見る予定のテレビ『機動戦士ガンダム00』(TBSテレビ)『篤姫』(NHK総合)『SCANDAL』(TBSテレビ)『プレデター2』(テレビ朝日)

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2008年11月28日 (金)

人間だから言葉で・・・え・・・ええ・・・おま・・・そんな・・・えええ(緒形拳)風のガーデン的七瀬ふたたび一人旅(蓮佛美沙子)

「小児救命」↗*6.3%だってけして悪くないドラマなのだが・・・「娘をなぐる母親になるから結婚しない」中学生の小西真奈美の哀れさが・・・お茶の間に伝わりにくいし・・・いかにも夫に暴行されてる妊婦(新垣結衣のようなちすん)出産のその後が・・・新生児誕生みんな笑顔ですますのか・・・というあたりがよくわかりません。しかも・・・山口紗弥加の片思いとか勝地涼の片思いとか丁寧に描くのに主人公の塚本高史の話の進展がものすごくわかりにくかったり・・・なんだか迷ってます・・・まあな・・・「相棒」とか「おみやさん」↘12.0%とかそこそこ好調なんで少し痺れる気持ちもわかるけど・・・ジャンル違うし・・・我慢なんじゃないの・・・。「七瀬」↗*5.9%や「ゾウ」↘*4.5%には勝ってるし・・・「風」↗14.1%の半分ないけど・・・。

で、『七瀬ふたたび・第八話』(NHK総合081127PM8~)原作・筒井康隆、脚本・伴一彦、演出・松浦善之助。お父さんの遺言で・・・「超能力者から離れて能力を隠して暮らせ・・・」と言われたので・・・「悪魔の子」の烙印を押されたので追い出されたはずの故郷に何事もなかったように戻る七瀬だった。脚本家は本当に少しボケているのか。そして・・・死体は「科学による平和団体」が始末したらしく・・・またしても火田博士(小日向文世)の死体はない・・・つまり生死は不明なのである。

とにかく・・・最初の脱線事故や連続通り魔などなるべく人を殺さない方向で番組作りをしているという努力は窺われる。一体・・・ナニにおびえているのか。

まさに・・・脆弱の嵐が・・・NHKのドラマ作りの現場に吹きまくっているようだ。

まさかと思うが・・・「日清戦争」でも「日露戦争」でもほとんど人が死ななかったり・・・ニュースでもインドのテロでそれほど死傷者はでたようなでなかったようななどと言い出すのではないかと妄想してちょっと面白かった。

ついに七瀬は超能力増幅器でもあり対生命体コントローラーという超絶サイキックという設定になる。

しかもメンタルに問題があるので・・・「いやぁぁぁぁ・・・そんな能力いらなぁぁぁぁい」である。

「私は普通に生きたいの自分探しの旅に出たいのくすん」である。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あほか。

昔と違って・・・ケータイ電話があり・・・原作よりかなり小さな予知能力に設定されている岩渕(塩谷瞬)だが・・・恥ずかしくて会えなくても・・・昔よりずっと七瀬と会話しやすくなっているはずである。しかし・・・このドラマの岩渕は会えば必ず七瀬を抱きしめるのである。もちろん・・・脚本家の趣味なのである。

原作の書かれた頃・・・まだネットの世界は未発達だった。七瀬の能力の描写は非常に斬新だったと思う。しかし・・・今は・・・とある掲示板に行けば・・・七瀬が雑踏にいる気分にひたることはできる。

「自分以外はみんなバカ」「死ね」「インドでテロ」「ペットで殺人」「予想してた」「誰かさらして」「お前がやれ」「韓国では北朝鮮よりも日本を危険視」「統一推進団体のデータ」「解説もなく大新聞がデータのみ記事」「情報操作」「捏造」「竹島問題」「どうでもいい」「マグロがクジラ化」「遺伝子組み換えすでに流通」「狂牛病の二の舞」「宝クジにあたるようなもの」「70億人いるから1億人死んでも69億人」「ぶっ殺す」「エセル先生のイギリスを見習って日本も言論弾圧しなさいの奨め」「またユニセフの宗教的人道ゴリ押しキャンペーンか」「報道機関が言論弾圧を賞賛」「バカか」「アホだ」「死ね」「それにしてテロとチロは狙いすぎだろ」「笑いの神はいつでもどこでも降臨」「もう三日もたつのに思い出し笑いがとまらない件」「いい加減にしとけよ」「死ね」

などと・・・思考の野放し状態がリアルで展開されているわけである。

とにかく・・・ヘニーデ姫ではないのに真弓瑠璃(柳原可奈子)は・・・本来・・・その万華鏡のような思考で・・・七瀬のバリアとなるのだが・・・ドラマ版は単にデブなので防弾板になりました展開である・・・脚本家・・・・・・・・・・・・・・・・・「」。

しかも・・・ひょっとしたら瑠璃も自首奇声いや自主規制モードで殺さないのかもしれない。

とにかく七瀬はテレパスなのに滅多に人の心を読まない。

その上・・・貞操の危機だけは相手の脳を破壊しても守るのである。

マインド・コントロール(洗脳)とは基本的に脳を病的な状態にすることだというのを知らないのだろうか。それともアクティブ・テレパスなどという珍用語でごまかす気なのか。

一つだけはっきりしていることは・・・登場人物の精神年齢は基本的に小学生に統一されているということである。それはドラマが小学生向けに作られているということに他ならない。そう考えると脚本家はかなりのテクニシャンであることが分る。いや・・・しかし・・・まさかと思うが・・・ひょっとして天才的な小学生が代筆しているのかも・・・。

そして歌うのは何故か砂時計の主題歌なのだった。

覚えてますか?

海岸沿いで ずっと隣にいてくれると

幸せにする、大丈夫だよと

抱き寄せながら言った

岩渕のことを思い出して熱唱する七瀬なのか?

まあ・・・漁藤子(水野美紀)の出番が多いしめがねっ娘だし・・・いいか。

ともかくアクティブ・テレパスである七瀬は洗脳打撃能力を行使せず・・・瑠璃は凶弾に倒れる。予告編で七瀬は誰かに恨みがましいことを言っているが・・・持ってる能力を使わない自分が悪いのではないか。

「七瀬」「トモダチ」「美人」「不幸」「本当は」「私」「レズ」「抱きしめて」「ほしかった」「パーマ」「カット」「シャンプー」「おかゆいところはご」「ざい」「ま」「・・・」

「瑠璃ーっ・・・誰か・・・誰か助けてーっ」

しかし・・・謎の襲撃グループもう一人殺したんだから・・・七瀬は拉致れるのじゃないのか?(つづく)

で、『風のガーデン・第8話』(フジテレビ081127PM10~)脚本・倉本聰、演出・宮本理江子を見た。もう・・・主人公・白鳥の行動の一つ一つがうっとりの展開である。

もちろん・・・文句なしにステキなのは家族との場面であるが・・・ややわざとらしい・・・緊急手術で麻酔医として借り出される場面・・・自分のとこの劇団員の出番を作るためのちょっといやらしい生前葬などもふせえりや石田えりの抜群の演技力でそれなりに面白く股開くのだった。

もちろん・・・そういうどうでもいい場面は・・・名場面を引き立たせるじらしとしては充分機能するのである。

ついに・・・ナース・ハットリ君の密告で溺愛する愛しい息子が・・・故郷に帰っていると確信する白鳥の父(緒形)・・・。すでにこっそり再会を果たしている孫娘(黒木メイサ)を責めるように拗ねるように哀願するように最愛唯一の息子の居場所を聞き出すのである。

「・・・君の父さんを・・・私の息子を・・・ふるさとから追い払ったよ・・・それはあの息子がバカだったから・・・君たち孫を守りたかったから・・・でも・・・バカな子ほどかわいいんだよ・・・もう・・・とっくに許してるっていうか・・・叱ったの後悔している・・・っていうか・・・パパパパって甘えてもらいたいんだよ・・・そのさ・・・もう・・・おじいちゃんだから・・・君のお父さんより・・・先に死ぬわけ・・・このまま・・・死んじゃうと・・・すごい心のこりなんだ・・・仲直りして・・・あの世にいきたいの・・・だから・・・居場所を教えてくれ・・・」

「風のガーデンに・・・いるわ・・・」

もう・・・ウキウキです・・・矢も盾もたまらず・・・居ても立ってもいられないのです。もう脱兎のごとく愛しい息子のもとへと老父は走るのです。ずっとずっと会いたかった・・・夢にまで見たわが子に会える。逢いたさ見たさに涙で枕も濡れるほどかわいい息子に逢えるのです。もう突然逢いに行ってびっくりさせてやるのです。親父の愛を舐めるなよ・・・状態なのです。

そして・・・突撃・・・息子のキャンピングカーです・・・愛しい息子は・・・眠っています・・・医者だけに点滴しながら・・・睡眠です・・・って・・・点滴?・・・確かに・・・愛しい息子の寝顔・・・って・・・ええとクスリは・・・こっ抗癌剤・・・ちっ鎮痛剤・・・この画像は・・・ガン・・・ま末期ガン・・・死ぬ・・・オレのムスコが死ぬ・・・すぐ死ぬ・・・えええええええええええええええええええええ・・・ええ・・・うえええええええええええええええ・・・うそ・・・だよな・・・・・・・・・・・・・・そんなバカな・・・なぜだ・・・なぜなんだ(脱走)・・・名演技すぎる・・・。

もう・・・涙と笑いで前が見えないし何も考えられません。

関連するキッドのブログ『先週の木曜日のレビュー

土曜日に見る予定のテレビ『ブラッディ・マンデイ』(TBSテレビ)『しゃばけ・うそうそ』『ルーム オブ キング』(フジテレビ)『トンスラ』(日本テレビ)『ジャッジⅡ』『アグリー・ベティ』(NHK総合)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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2008年11月27日 (木)

愛は地球を日本を会社を家庭を自分を救う・・・かな?(観月ありさ)すべての出来事は幻想・・・かもしれませんねえ(阿部サダヲ)

誰も水谷豊の真似なんかしてないだろう・・・そろそろ誰かがやるべきだと思う。

「これですべてはつながりました!」とか「あなたのしたことが・・・を・・・にしたんですよ!」とかポイントたくさんあるよね。

とにかく・・・先を読みすぎたことによって自殺することとまったく先のことなんか考えないから自滅することは違うと思えば違うし同じだと思えば同じだ。

しかし・・・大韓航空機爆破事件が北朝鮮のテロじゃなかったなどと言い出した頃の韓国の恐ろしさはとんでもなかったよな。しかもその頃、日本は韓流ブームなどというものの余韻にひたっていた頃でもあったのだ。北京オリンピックの頃には中国ブームがあったわけだが・・・さすがに国民の視線は冷えていた。国境などない経済の波が寄せてきても海岸線が消滅するまでにはまだまだ時間はある。そろそろ・・・本格的に戦争放棄などという戯言のある国法を放棄すべきではないかと思う。中国に日本を売ろうとする民主党と米国のものでありつづようとする自民党・・・どちらもNOならば自立するしかないのである。・・・まあ・・・そんなこと言うと・・・テロとチロの区別もつかないのかっ・・・とおこられるに決まっているんですけどね。

もちろん・・・中国やロシアが・・・北海道や沖縄の領土権を主張し始めるのはまだまだ先のことだが・・・その可能性がまったくないという根拠はどこにもない。そういうことを考えるのが基本的に愚かものだという主張が今回の「相棒」にはそこはかとなく感じられる。死体「一度だけ八百長したことが苦になって自殺した」死体の友人「自殺は不名誉なので他殺に見せかけた」死体の宿敵「八百長してなかった」・・・刑事「思い込みってこわいですねえ」刑事の相棒「ほとんど意味不明ですね」・・・なのである。

しかし・・・大韓航空機爆破事件が金賢姫(46)が捏造された存在になれば・・・彼女の日本語教育を担当した田口八重子も捏造された存在になり・・・日本人拉致も捏造された事件となる可能性がある。そんなことになったら・・・関係者の方々の苦しみは・・・どこに消えてしまうのか・・・保健所が厚労省の管轄でないとかと同じ話ではないのである。

しかし・・・最後には・・・実力がすべての言論を虚しくするのである。死に値する罪などというものはフィクションにすぎないが・・・殺人というフィクションは現実化する。日本は今・・・侵略というフィクションを現実化する手段を持たないが・・・侵略は現実化する可能性があるという状況におかれて半世紀・・・平和という夢を見続けるために少数の苦しみをいつまで放置し続ける気なのだろうか。その苦しみが狂気に変わってもキッドは責める気にはなれない。

水曜日のダンスは

「相棒」・・・・・・・・・・・17.9%↗19.7%↘15.0%↗20.7%↘17.3%↘15.7%

「O L」*8.3%↗10.6%↘*9.9%↘*9.7%↘*7.0%↗*7.1%↗*7.6%↗*8.0%

倍をきりましたね。

で、『OLにっぽん・第8回』(日本テレビ081126PM10~)脚本・中園ミホ、演出・本間美由紀を見た。日本の企業が運動会をしなくなった理由は様々あるだろうが・・・基本的には世の中には運動会がキライな人がいるということだろう。旅行がキライな人がいれば社員旅行もなくなるし、忘年会のキライな人がいれば忘年会がなくなるのである。社員の親睦はどうなるという人と親睦がキライな人との戦いもすぐそこにあるだろう。

かって・・・日本はほとんどの人間が貧乏で・・・自家用車なんて特権階級の時代に総力戦の近代戦に突入した・・・近代戦だから・・・戦闘機とかも操縦する必要があるのだが・・・クルマを運転したことのない人間が飛行機を操縦するのである。それがどんなに恐ろしいことか分るだろう。戦車だって軍艦だって・・・もう全く慣れないものを扱うのである。

それに対して現在ではほとんどの人間がクルマを運転するのである。つまり・・・戦車だってその気になれば乗れるし・・・昔よりパイロットの養成は楽だ。しかし・・・おそらく・・・明らかに戦前より劣っているものがある。たとえば一丸となって突撃とか・・・すごく苦手になっているだろう。

それに・・・きっと「この戦争に意味があるのか」とか「今日は趣味の集まりがあるんで戦線が維持できません」とか「人を殺すくらいなら死にます」とか「この作戦はおいしいところがないので興味ないです」とか「今ちょっと鬱なんですよね」とかもう全然戦争にならない感じもするのである。

だから・・・まあ・・・憲法九条は廃止するべきだといろいろ論理を構築しても虚しい気持ちはあるのだなあ。

結局・・・巨大資本が小資本を飲み込むように・・・半島が朝鮮自治区になり、台湾が毛沢東島自治区とかになり、沖縄が琉球自治区になり、北海道がエリツィン大島とかになったあたりで・・・そろそろ・・・憲法九条は時代にそぐわない・・・ロシア軍が青森に上陸していて青森県民が殺害暴行されているし九州に中国・朝鮮連合軍が上陸して福岡県民が全面降伏して人民宣言とかしているので・・・防衛について深刻に考えるとダイゴ総理とかが言うとマスコミは「問題発言だ」と指摘したりしていることもなんとなく妄想できるからである。・・・まあ・・・そこまで長生きしてたらやだなぁと思います。

仕事一本で単身赴任の弥生部長(浅野ゆう子)・・・20年目の結婚記念日には夫から離婚届が届く。結婚記念日に弥生が帰ってこないのが不満らしい。夫は公務員らしいのだが・・・そんなに好きなら「そっちが東京に出張してこいや」とキッドは思いました。

ま・・・結婚記念日にこだわっているところがすでに女性視線なわけですがーっ。

とにかく・・・「脚が長いからいい気になるな」というチビ太に「脚が短いからと陰気になるな」と上手いこと言う島子(観月)・・・キッドは脚が短いからってインキンにはならないだろうと聞き間違えしてました・・・とにかく・・・「離婚届はラブレターじゃないんですか・・・」などと適当にアドバイスすると・・・急に女になった弥生がつらくあたっていたハケンの香(宮地真緒)にも優しくなったりして・・・島子のお節介魂の勝利になるのである。

天気雨の運動会で騎馬戦やって仲の悪かった経理課長と営業課長が一緒に骨折して・・・仲直りなのである。

都留くん(井上芳雄)はゴールド・クロウ(片桐はいり)と・・・

めぐり逢えたのはきっと 運命なのかもしれない

雨上がりの陽射しの中で・・・・

「あしたの空/SPEED」なのであった。・・・おいおい。

「正義の味方」の平均視聴率10.3%からかなり下げてるここまでの平均*8.5%「OLにっぽん」

○| ̄|_にっぽん・・・な感じ・・・○| ̄|_にっぽん・・・○| ̄|_にっぽん・・・

おつかれ~。でも「オマガ」全9回、「スクラップ教師」全9回の中・・・「○| ̄|_にっぽん」は全10回なんだよね。意地だよね。

そして島子の人肌の温もりは・・・ついに出稼ぎ中国人たちの心も温くする。

もちろん・・・張琳(タン・ジャースー)たちと歴史問題について絶対に熱く語らないのがこの番組のポリシーであることは言うまでもない。反日教育の存在はタブーなのであろう。だからといって親日教育はしてないのだが。

そして・・・中国側の対立点は・・・実は日本人のチビ太が背負う趣向なのである。

まあ・・・敵に塩を送っているのか・・・媚びを売っているのか・・・まあね。金持ちケンカせずだよね~。

関連するキッドのブログ『第7回のレビュー

金曜日に見る予定のテレビ『ギラギラ』『サラリーマン金太郎』(テレビ朝日)『流星の絆』(TBSテレビ)『メン☆ドル』(テレビ東京)

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2008年11月26日 (水)

くらえ!雷神エネルギー、クワガライジャー確保!(上戸彩)あくまで六歳ですから!(吉田里琴)アリバイはありませんよ(釈由美子)

さて・・・混迷を深める火曜日・・・。上戸彩・国仲涼子VS吉田里琴・加藤ローサVS釈由美子・・・これで盛り上がらないってどういうことなんだよぉ・・・。

まあ・・・「セレ貧」はドタバタの時はそれなりに楽しいし、「オマガ!!」は一回泣ける、「バチスタ」は釈の出番をひたすら待つ釣り人モードと・・・面白がり方がないわけではないが・・・なんだかなあ・・・。

まあ・・・今回は全体を通じて仲村トオルが伊藤淳史に「生意気だぞ、ちっちゃいのに」と言ったところが一番の笑いどころだったわけだが・・・もう本筋でないことおびただしい。ミステリだって言ってるけど・・・先週だって・・・突然・・・変な器具出してこれが凶器だって・・・もう推理の楽しみとは次元の異なる展開じゃないのか。今回だって墜落死した人間がダイイングメッセージは・・・死ぬほど全身痛いぞ・・・まあ・・・いいか。

火曜日のドラマ対決は・・・①「チーム・バチスタの栄光」↗13.5% ②「セレブと貧乏太郎」↘10.2% ③「オーマイ・ガール!! 」↗*7.0%

平均値では「バチスタ」12.9%「セレ貧」13.7%だがともに全11回らしいので関西テレビ枠の逆転上位は可能である。ちなみに・・・「オマイガ!! 」は全9回らしい・・・やはりね。

で、『セレブと貧乏太郎・第7回』(フジテレビ081125PM9~)脚本・古家和尚、演出・佐藤源太を見た。再び古家脚本でゲーム展開のドタバタである。今回は「人間違い(ひとまちがいともにんげんちがいとも読めるがどちらでしょう?・・・なぜクイズを・・・)」である。複雑な構成になっているがフリがちょっと弱い以外はよくできたパズルになっている。

①アリス(上戸)は自伝を出す必要に迫られゴーストライター仁志山(佐戸井けん太)と待ち合わせ

②幸子(国仲)のために啓一(山下真司)は結婚コンサルタント西山(姜暢雄)と待ち合わせ

アリスは結婚コンサルタント(実は詐欺師)の西山を・・・啓一はゴーストライター仁志山を間違えて獲得してしまうのだった。

メインはアリスと詐欺師になるので・・・自伝を書かないために西山があの手この手で太郎(上地雄輔)と貧乏な仲間たちを振り回すわけである。前払いの1億円入りのピンクのケースなど道具立てもお約束の展開。

一方・・・啓一はひたすら西山を接待・・・ゴーストライター生活に嫌気がさしていた西山はなんとなく流されるという展開である。

まあ・・・とにかく「TRICK」の菊池刑事とか「イケ♂パラ」のオスカーとか・・・出るとそこそこ怪演する姜暢雄は今回もそこそこ怪演するのだった。

そのために三浦理恵子はメイド(脚線美控え目)になったり・・・アリスは現実を凌駕する電撃拘束銃をぶっ放したりするのである。

オチはものすごく・・・詐欺師は小説家志望で・・・アリスや太郎たちと付き合ううちになんとなく善人モードになり・・・そこそこの自伝を書き上げてしまうのだった。

スタートの時点では「仮の自伝」で継母(若村麻由美)が美化されていることが気にいらなかったアリスは・・・詐欺師の書いた自伝で「継母」が一行で処理されているのが受けたらしい。

ちなみに・・・先週のことはまるでなかったように「ラブ・アリス」に戻っている三人組はキムラ緑子四行、中山恵三行、上野なつひ二行だった。エコエコアザラ~ク。

そして・・・少なくとも・・・詐欺師は・・・アリス・太郎の交際モードを読んだらしい。

一方・・・本来のゴーストライターは下町人情話を仕上げるのだった。

こうなれば・・・二人のにしやまは親子とか兄弟でもよかったくらいだな。

ちなみに詐欺師は指名手配の身の上だが行方をくらまします・・・清々しい展開だ。

結局・・・継母が極悪なのかどうかがポイントなんだよな・・・最後は命を狙ってくるぐらいでないと・・・。そしてドタバタの末に監獄行きにならないとハッピーエンドにはならないと考える。

なにやっているかわからないと言いつつ上戸彩のかわいいところは押さえたい方はコチラへ→お気楽様のセレブと貧乏太郎

で、『オーマイ・ガール!! ・第7話 』(日本テレビ081125PM10~)脚本・渋谷直子、演出・長沼誠を見た。まあ・・・先週よりちょっぴり良かったのはうれしいよね。・・・それにしても大胆だったなあ・・・「おじさんの語るわが姪・桜井杏・独占手記」を耕太郎(速水もこみち)が延々と語る・・・とは相当に勇気がないと書けない脚本である。それも「ライバル雑誌」の「暴露記事」に対抗する「トップ記事」の原稿という設定である。

そして・・・これが耕太郎の桜井杏(吉田)に対するラブレターになっていることはいうまでもないのである。

一応、このオチのフリとしては・・・「桜井杏のインタビュー・模範解答・マニュアル」(藤峰子(加藤)作)で・・・インタビュー練習の相手をさせられた耕太郎が・・・。

耕太郎「今一番楽しいことは?」

杏「耕太郎と一緒にいること~」

とマニュアルを無視した杏の愛の告白にメロメロになっているという展開がある。

・・・・・・・・・・おい・・・・・・これ・・・・・一部愛好家以外・・・誰が感動するんだ。

もう・・・スタッフが何をしていいんだがわからない涙目状態になっていることは充分に感じられます。

まあ・・・なんていうか・・・しょうがないよね。

結局、火曜日の勝者は「セレブと貧乏男との恋愛」でも「子役と貧乏男の擬似父娘愛」でもなくて「エリートの男たちの世界のあれこれ」を描いただったのである。しかも今はタイムリーにも「厚生労働省の役人」と「ペット殺人」なのである。テロではなくチロなのである・・・いい加減にしとけよ。

しかし・・・恐ろしいよな・・・恋愛もダメ。子供もダメ。動物もダメ。男たちをたくさん出しておけば視聴率がそこそことれるというメカニズム・・・。どんだけお茶の間は男好きなんだ・・・。「ギラギラ」がもう一つなのは客とかに女を配置しすぎなのである。真矢の設定もあくまで男ぐらいでいいと思う。男で男で男で押しておけばいいのだ。なんなら客も男でいいくらいだと思う。・・・それはもうただのホストクラブじゃないだろう。

・・・ま・・・とにかく・・・オー!マイガール!!の企画の失敗点は数え上げればキリがないのである。

たとえばとなりの二人は・・・ミーハー母子なのであるが・・・ストレートとカーブではない。たとえば古典「奥様は魔女」にはおとなりさんとして覗きが趣味な病的な夫人とそれをもてあます夫という夫婦が出てくる。夫人がボケで夫がツッコミになっている上に実は夫人は真実を語っているのに夫がそれを相手にしないという二重の立場の巧妙さを持っている。二人が出てくるだけで笑えるのだ。

夫人「あんた・・・わたしゃ見たんだよ・・・サマンサは魔女なんだってば」

夫「お前・・・今日・・・クスリ(精神安定剤)飲み忘れているだろう・・・」

・・・爆笑である。

だから・・・息子が桜井杏のおタクで・・・母はそのことで息子が何かしないか異常に心配しているとか・・・母が杏の母・大空ひなこ(YOU)のおっかけで息子は母がレズではないのかと自分の出生の秘密を疑っているとか・・・そういうストレートとカーブぐらいは必要なのだ。

その上で・・・杏の正体を探る石田(岡田義徳)の情報源になったって問題はない。

また・・・子役スターに関する哲学もかなり底が浅い。

子供の労働については世界でかなり流動的な基準がある。そういう流れにそってたとえば子供は働ける時間を制限されている。そこに例外があるのかどうかが問題なのである。

たとえば・・・歌舞伎の世界で・・・未成年の子供が舞台に出るために親に稽古をつけてもらうことは時間外労働になるのかならないのか曖昧なのである。

それでは子役がボイス・トレーニングなどのレッスンをする時間はどうなのか。

そういう曖昧な時間はあるのだ。

そして・・・それは・・・それ自体が特殊な世界なのである。

たとえば「TR」に出演した宮﨑あおいは「現場では・・・子役は・・・冷たく扱われる」と語っている。当然・・・それが今をときめく大河主演女優の糧になっているわけである。

一言でいえば「芸のためなら子も捨てる親も殺すのが河原者の勤め」なのである。

また・・・最近では児童虐待の防止に関係したチャイルド・ポルノの規制の流れがある。

その理念をキッドは完全否定はしないが・・・たとえば・・・出産シーンで裸の赤ん坊を撮ることは許されないということになれば・・・ちょっとした危険なものを感じるのだ。

もちろん・・・子供の裸を商品化することは無惨なことだ・・・という感性には一理あると思う。

しかし・・・美しく魅力的なヌードで・・・今の役者の地位にある・・・多くの女優たちの存在を完全否定するのかよっ・・・という気分も捨てきれない。

もちろん・・・本人たちにとっては・・・人前で裸になったことを恥と感じる人もいるだろうし・・・なかったことにしたい人もいるだろう・・・しかし・・・それこそが・・・「善」の圧力による心情と言えないこともない。

何よりも・・・そういう経済関係が「悪」であると決めるのはどこかの誰かなのである。そしてそれは「独善」である可能性は常にある。

キッドはそれが・・・裸の女神の絵が不謹慎なので服を描き加えるというある種の冒涜であるお笑いが大好きなのである。

秋吉久美子の「十六歳の戦争」とか大谷直子の「肉弾」とか高橋(関根)恵子の「高校生ブルース」とか宮崎あおいの「あの、夏の日」とか常盤貴子の「悪魔のKISS」とか全否定かよっと思うのである。

ま・・・男だからかもしれません。

とにかく・・・児童の就労や児童の性的虐待と・・・限りなく接近する・・・児童の芸の世界。

そういう世界の是非をめぐり・・・もう少し・・・アグレッシブであることもできる話なのである。

さらにいえば・・・おそらくはそういう世界で芸を磨いたであろう・・・ひなこの不在の問題がある。早い話が母子家庭の母親が仕事のために海外に単身赴任している話なのである。しかもスターである。杏が母に連絡が取れないのはひなこが携帯電話を忘れたからでは・・・違うだろうと思うのである。あえて言えば「獅子がわが子を千尋の谷に突き落としている状況」の方がまだ納得する。そうなるとハリウッドで就職運動中のひなこの動向を全く描かないというのは企画として成立していない。予算とか主題とかを言うならばそういう設定がそもそも成立していないと思う。

母親が理解不能の異常行動をとっていてしかもそれを描かないのでは子供の感情をお茶の間が理解するのは相当ハードルが高くなってしまうのである。

それを感じさせない周囲の役者が・・・そろってないし。

もちろん・・・耕太郎と峰子という大きな子供の成長物語という側面を持つドラマである。

峰子はインタビュー・マニュアルを製作する能力はあるがタレントが弱肉強食の世界を生きていることを理解しない。耕太郎は人々を感動させる話を書きたいと思っているがそう思う人間が競争していることから目をそらす。

もちろん石田はそういう二人を「てんでダメだ」と否定するのだからスタッフは一応・・・そこをテーマにしているわけである。でも・・・きっと・・・お茶の間には恐ろしく伝わっていないと思います。

まあ・・・それはそれとして今しか見れない吉田里琴の魅力を全9話に渡って展開してくれたことはものすごく高く評価しますけどーっ。

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で、『チーム・バチスタの栄光・第7回』(フジテレビ081125PM10~)原作・海堂尊、脚本・後藤法子、演出・今井和久を見た。結局・・・一人の脚本家の統一された世界観の方がなんでもありのバラエティー・ドラマより見やすいということはある。もちろん・・・うんざりさせてくれる世界を見せ付けられる可能性もあるので一長一短です。

脱走した殺人犯・氷室(城田優)は何者かに殺されてしまう。残されたダイイングメッセージは「n」のような「27」だった。

ついに警察が介入・・・取調べを担当するのは青木刑事(眞島秀和)である。「相棒7-3」の犯人でしたね。吉田里琴がダニエルだった「しにがみのバラッド。」の七話にもゲストで出ています。映画「スゥイングガールズ」のフォーク兄です。

そして・・・再び・・・怪しい女に戻る釈由美子・・・白衣にピンクのカーディガンで取調べトークである。男性用サービスはそこだけかっ。

まあ・・・熟女ナース(名取裕子)とか・・・喫茶店ママ(奥貫薫)とか・・・田口家姉妹(彩木里紗・石井美絵子)とかもでますけどね・・・これはある種のチラリズムかっ。

そして・・・ケース27は器具の用意は別人だったという事実が判明・・・。凶器があれだけ特殊なんだから・・・すぐわかるよね。

とにかく・・・事件はふりだしに戻ったのだった・・・麻酔医抜きで・・・。

合コンを楽しむ白鳥や小猿をなでる白鳥や三枚もある釈由美子を確認したあなたはコチラへ→お気楽様のチーム・バチスタの栄光

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関連するキッドのブログ『先週の火曜日のレビュー

木曜日に見る予定のテレビ『七瀬ふたたび』(NHK総合)『夢をかなえるゾウ』(日本テレビ)『風のガーデン』(フジテレビ)『小児救命』(テレビ朝日)

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2008年11月25日 (火)

私の百合は投げ捨てられ踏みにじられるでしょう(堀北真希)ふっかーつ!(内田有紀)

・・・凄まじい生命力だ・・・飛びぬけた筋力の維持・・・人間か・・・。

さて・・・佳音(堀北)のカノンはキリスト教の聖書を指す言葉だが・・・バイブルが旧約聖書を含むとすればニュアンスとしては新約聖書を示す・・・ともいえなくない。

美月(香椎由宇)が・・・好きだと言った「聖書の朗読の・・・マタイの12章」というのは「新約聖書」の「マタイによる福音書」の第12章を指す。

福音書は佳き知らせという意味でエヴァンゲリオンである。・・・つまり『新世紀福音書』です。

聖書(バイブル)の中の新約聖書(カノン)の中の福音書(エヴァンゲリオン)の中のマタイ伝の12章はざっとこんな内容である。

イエスは新興宗教の教祖として・・・ユダヤ教の異端派として・・・ユダヤ教の主流派のひとつであるパリサイ派の導師たちに疑いをもたれていた。

パリサイの人々は宗教改革を唱えるイエスの落ち度を指摘し・・・イエスを貶めようと画策する。

「何もしてはならない安息日に・・・イエスの弟子は麦を刈って食べた」という導師の指摘にイエスはユダヤ教のバイブル(旧約聖書)にある過去の英雄ダビデが「清められた食べてはならないものを部下に食べさせた」という故事を引き合いに出し・・・導師たちの無知を指摘する。

片手の不自由なものがイエスに「安息日にいやしをあたえるのは正しいことか」と問いかける。これは導師たちの罠で・・・「なにもしてはならない日にイエスがいやしを与える」罪を問う意図があった。しかし・・・イエスは不自由な手を自由にしてしまい・・・「安息日に佳きことをするのは正しい」と宣言する。

次に眼と口の不自由なものの眼と口を自由にしてしまう。人々は奇跡を見て驚いた。

導師が「これは悪魔ベルゼブブの力を借りているのだ」と難癖をつけるとイエスは「悪魔の王がしもべの悪魔を追い出すのなら・・・私を追い出すものは誰ですか?」と応じる。

そして・・・自分が神によって選ばれた特別な人間であることを宣言するのである。

「神はどんな罪も許される・・・しかし・・・私を通じて示される神の言葉を疑うことは許されない・・・そのことを疑うのは・・・そのものに神を裏切った蛇の血が流れている証拠なのです。・・・裁きの日に御前で正しき言葉と悪しき言葉は必ずや・・・それを口にした人々を裁くでしょう」

追い詰められた導師たちは・・・イエスの正しさを示す証拠を求める。

イエスは神に反逆したために鯨に飲まれたヨナにたとえて「ヨナは神に許しを請いニネベの街を悪から救った・・・ヨナは自分に与えられた罰と許されたニネベの人々をくらべて不満を感じた・・・その時・・・神はヨナを見捨てましたか・・・それ以外に正しいことはこの世にないのです」と神の言葉の絶対性を譲らない。

そして・・・自分がヨナよりも・・・優れたものであることを宣言する。

さらに・・・ソロモン王の叡智を讃えたシバの女王の例をあげ・・・それにくらべて・・・神の子である俺の話を聞くお前たち導師の態度はなんだ・・・と恫喝に転じる。

そこで導師たちは・・・イエスの母や兄弟たちを連れてきて・・・「あれはお前の母ではないか」とイエスの神性を否定する最終手段に出る。しかし・・・イエスは「天におられる私の父・・・神・・・の御心を信じるものはすべて私の母なのだ」とおとぼけをかますのである。

おそらく美月が好きなのは布教活動序盤戦におけるこのイエスの口の減らないところだと思われる。

・・・本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。(・・・忘れてただろ)・・・「ギラギラ」↘*7.7%(変顔キター)、「流星の絆」↘14.8%(うんうん・・・逃げ切れそう・・・)、「続・三丁目の夕日」18.5%(ホリキッターの六が絶妙・・・あんぱんち様専用コメント)、「サラ金」↘*9.5%(ここがダメージか・・・)、「ブラマン」↗11.9%(最初が恥ずかしながらオウムネタって言えばいいのに・・・)、「スクラップ教師」↗11.5%(加藤あい回だが・・・最初から加藤山田上地で確定しておけば・・・)、「ジャッジⅡ(終)」↗*8.6%(有終の美を飾る弁護士もっと見たいよね)、「法医学教室の事件」14.8%(中村愛美と殿下とったな)、「ROK」↘*6.6%(たけしさんにおしやられかわいい視聴率に)、「篤姫」↗25.1%(幾島さすがだ・・・)、「SCANDAL」↗10.4%(浮気して子供を傷つけるといつか・・・笑い話じゃ・・・)、「プレデター」12.8%(コマンドー)・・・ついでに「イノセント・ラブ」(誤検索対応)↗12.6%(ついにあがったか・・・)、「薬師丸ひろ子と将軍家定のあるがままの君でいて」14.3%(夕日コンビでとりあいか・・・)・・・以上。

で、『イノセント・ラヴ・第6回』(フジテレビ081124PM9~)脚本・浅野妙子、演出・遠藤光貴を見た。前回・・・このドラマの最も魅力的なキャラクターを退場させかけておいて・・・キッドを不安に陥れたと思ったら・・・今回完全復活である。・・・さすがだな。

そしてこの寝たきりの恋人(耀司・談)は・・・ラブ・ロマンスの王道である・・・最強の恋のライバルとして劇的に出現したのである。こうして・・・白雪姫A聖花(内田)と白雪姫B佳音(堀北)は統合され・・・そして再び分裂する・・・聖花は毒リンゴ・・・介護される継母・・・王子の心を奪う魔女となり・・・佳音は・・・森を彷徨う白雪姫に分化したのだった。うーん・・・スペクタクル。

さて・・・ある日突然・・・二人黙るの・・・だが・・・案の定・・・聖花の生命維持装置は警告音を発し・・・二人の愛はおあずけなのである。

ここから・・・殉也(北川悠仁)がどれだけ聖花を愛しているか・・・お茶の間は再確認することになる。

まるで・・・聖花のことは聖花のこととして・・・佳音を愛し始めたように見えた殉也はうろたえつつ・・・救急車と医師への連絡を佳音に命ずる。

そして・・・救急車の中で早くも復活の狼煙をあげ・・・HR(心拍数)ゼロを脱する聖花なのである。

そして・・・病院で・・・危篤の危機にありながら・・・終らない聖花。

しかし・・・ついにその時が来たのかと激しく動揺する殉也。

その人を失うショックが恐ろしく死にたくなる相手というのは・・・滅多にあるものではない。それは子供が注射がこわくて泣き出すほどの恐怖なのである。まあ・・・基本的には母親ぐらいしかいないだろう。死にそうな母親を目にすれば死にたくなるのがマザコンというものだからだ。

昔から男は母親が死んだ時にしか泣いてはいけないほど・・・特別な愛なのである。

そして・・・殉也の聖花に奉げる愛はどうやらそのレベルだったらしい。

食をとらない殉也のために・・・食料を買ってきた佳音の心は軽くスルーである。

そして・・・教会にやってきた殉也は怪しい神父(内藤剛志)と美月に心の不安を告白する。

「神は僕の愛しているものを奪う・・・両親・・・そして今度は・・・聖花・・・僕は神を呪う・・・そんな僕は地獄行きですか・・・」

神父は「悔い改めれば・・・許されない罪はない・・・ただし自殺は別だ・・・なぜなら・・・人を殺すという罪を犯して・・・悔い改めるチャンスがないから・・・」と殉也の心を読むのである。

この言葉は殉也を死へと導く逆効果だったらしく・・・殉也はビルの屋上で・・・うわあ・・・高い高いである。

しかし・・・佳音は・・・「私が・・・聖花だったら・・・あなたのために死なない・・・だから・・・あなたは目覚めたときに・・・側にいてください・・・」

・・・と自分と聖花の区別がつかない心境を吐露・・・これが効き目があったらしい。

そこで・・・佳音は・・・殉也からもらった「いつくしみ深き」のオルゴールのネジを巻き続けるのだった。ある意味、聖なる呪いともいうべき怪しい儀式である。

その音にひかれ・・・病院に戻る殉也・・・そして・・・聖花は・・・目を開くのである。

復活の第一段階として・・・いつもの聖花に戻ったのだが・・・この後・・・眼球運動・・・口の開閉・・・首の回転と・・・聖花は準備運動を展開していくのである。

一方・・・危篤状態の聖花に「さようなら」を告げた昴(成宮寛貴)・・・。回想シーンでは聖花とのいけない関係が暗示される。ゲイではなくバイセクシュアルの予感である。

昴というネーミング。スバルと読めば日本語で統べるの意がある・・・星々を統べる星がスバルなのである。これはスバルがプレアデス星団という散開星団だからでもある。ちなみにギリシャ神話のプレアデスは七人の姉妹の総称である。ヘルメスを生んだマイア、リュカスを生んだケラエノ、オリオンに熱愛されて追いかけられたメロペなど美人軍団なのである。昴・・・。

そんな昴に奉げるのか・・・立ち直った殉也が奏でるのは「Over the Rainbow」である。オズの魔法使いでこの歌を歌ったジョデイ・ガーランドが娘のライザ・ミネリとゲイとの結婚を許すなど・・・性の少数派に同情的だったことから・・・同性愛の聖歌となっている曲である。

虹の彼方に行こう

夢の世界が待ってるから

・・・同性愛者は夢見がちである。少数派は競争が激しいからだ。ついでに以前に殉也がピアノバーで奏でた「Fly Me to the Moon」にも触れておこう。

スタンダード・ナンバーで「新世紀福音書」のエンディング・テーマだったり・・・宇多田ヒカルが歌ったりもしている。

私を月に連れてって

その別の意味は手をつないで・・・

その別の意味はキスをして・・・

その別の意味は愛してる・・・

・・・まあ・・・佳音のテーマでもあり・・・昴のテーマでもあるわけだ。

しかし・・・佳音は兄・耀司(福士誠治)とは手をつなぐことができるが・・・他の男に触れられると気絶してしまう体質なのである。前途多難だな。

佳音の祈りで奇跡の復活を遂げた聖花(十字架)により・・・自分を取り戻した殉也。

十字架を背負った仲間として・・・殺人を認めたことにより・・・佳音の失われた十字架(耀司)を取り戻すことを推奨する殉也。

二人でペアを作るゲームである神経衰弱をしているが・・・二人の心は微妙にすれ違っているのだな。

ここで・・・殉也と一緒に過ごせるだけで幸せだった佳音の心は激しく揺さぶられる。

そして・・・どうやら・・・超人的にいつくしみ深い人であるらしい耀司専用看守・藤堂(二階堂智)は「妹に信じられる人ができたことを喜び・・・身を引こうとする兄」に哀れを感じ・・・妹に十字架を見捨てた罪悪感を呼び起こす。天使のような悪魔のすまし顔である。

夢のような現実と・・・悪夢の間で揺れる佳音は木々の間でもう一人の佳音(沢木ルカ)に変貌する超常現象を引き起こす。・・・はいはい・・・イメージイメージ。

呪われた聖なる夜に少女時代の佳音を襲った黒い影は・・・誰なのか・・・まだまだ内緒です。

一方・・・刑務所の兄に面会に行き・・・約束の時間に帰ってこない佳音に・・・思わず走り出す殉也。殉也もまた十字架を背負う自分と乖離する何かを求めているのか・・・それともすごい心配性なのか・・・これが所謂重い性格なのか・・・難しいところです。

聖花のために聖なる花・マドンナリリーを持ち帰った佳音。しかし・・・殉也に触られたので気絶です。

目覚めた佳音は・・・「私は価値のない女」だから「みんな離れていく」と・・・前段の理由が「兄のことを知られると」でなくなっていることに注意である。

イノセントを「純潔」と解すれば「処女でなくなった」ことは「価値がなくなった」に通じるニュアンスがある。いくつかの階層を持つ佳音の意識・無意識のエリアから・・・事件の記憶が言わせたセリフであるのだろう。

一方・・・スペードのジャックに在りし日の聖花によって似顔絵を書かれた殉也は・・・「僕は君から離れない・・・もう君なしではいられない」と言いたい放題である。

ちなみにスペードのジャックはタロットの小アルカナでは剣のナイトにあたる。その意味するところは「猪突猛進な白馬の騎士による流血沙汰・・・軽率」である。

そして・・・再び高まる・・・ある日突然・・・二人黙るのモード。そこへ「聖花の寝返りの時間」を告げるアラーム。

愛しい人から渡されたカップを置いた佳音は・・・異変に気がつく。

起き上がった聖花。佳音の百合(聖母と同性愛のシンボルです)を捨て・・・踏みにじり・・・聖花を抱きしめる殉也。

それを見守る佳音の顔には・・・祝福の笑顔はないのだった。十字架を背負う仲間だった殉也が歩み去る足音が聞こえたのである。

関係するキッドのブログ『第5話のレビュー

Hcinhawaii0482 ごっこガーデン・聖なる花をサンドイッチの家セット。お気楽文句は言うけど・・・不法侵入は・・・好き・・・ないと・・・ものたりないのね。次回は・・・聖花が・・・意地悪しまくってくれる・・・かな?まこ佳音ちゃんと殉也がいい感じ~ラヴラヴ~になってくると・・・お邪魔アラーム・・・聖花と昴も怪しくラヴラヴ~になってくると・・・回想終了・・・欲求不満デス!!」アンナホントだぴょん・・・その先が興味津々のお年頃ぴょん・・・カサブランカの花びらマジックじゃごまかされないお年頃ぴょんぴょんぴょん~エリビックカメラというところに視察に行ってケーキを捜していたら遅刻でスー。あんなに広いのにケーキを置いてないとは変なお店ですyon~・・・奇跡ですね・・・佳音ちゃんがネジを巻くと・・・死者も蘇る・・・これって救世主ものなの?みのむし眠れる森とか七瀬ふたたび原作とかエディプスの恋人とか寄り道してたら遅刻です・・・この話はドロドロエディプスコンプレックスがらみ~るるる・・・って聖花起きたぁぁぁぁぁぁぁぁくうう~ん・・・逃亡者になるのかと思ってたのに耀司あっさり自首・・・。刑務所に戻る前に妹のライバルたちを殺っておくべきだったのに・・・おっと剣呑剣呑ikasama4年賀状が忙しいのでアンナロイドにいろいろ暴れてもらいました。年末過密スケジュール用の影武者ロイドプロトタイプです。ま・・・いろいろ卓袱台ポイントはあるのですが・・・起死回生の一発か・・・魔法のオルゴールなのか・・・堀北七瀬なのか・・・mariいよいよ・・・殉也争奪戦の女王覚醒ですね。はたして瞬きしない目じゃなくても・・・魅力的なのか・・・楽しみです。ラヴ・ウォーズ勃発なのですシャブリおっとー・・・じいや・・・早起きじゃないのー・・・これじゃ遅刻するのでありましたー

テンメイ様は冒頭・・・聖書の引用から来たが悪魔の割愛した「イザヤ預言成就」のくだりをピックアップ・・・奇跡のコンビネーションである。正しい行いが人間には困難であるから神の許しが必要となる・・・という主題は・・・正しい恋愛なんて面白くないでしょうという悪魔の囁きにたちまち姿を変えるのでございますよ・・・。

水曜日に見る予定のテレビ『OLにっぽん』(日本テレビ)『相棒』(テレビ朝日)

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2008年11月24日 (月)

篤姫的愛なのです(宮崎あおい)おなじく舞なのです(堀北真希)雷なのです・・・(松坂慶子)

・・・まあ・・・本寿院(高畑淳子)で宴なのです・・・でも良かったのだが・・・ここは再登場に敬意を表する・・・銭形雷つながりもあるし。

それにしても回想シーンの篤姫の選択は見事だな・・・本当に若返って見える。それだけ・・・現在の天璋院を年増女として演じているということであり・・・宮崎のその計算力に脱帽である。

このドラマに対する妄想レビューとシンクロする・・・晴天の霹靂登場をする幾島。生没年不詳の謎の女が否が応でもくのいち気分を盛り上げるのである。それにしても・・・篤姫の生母、勝、幾島と・・・某ケータイCMつながりとケータイ刑事つながりで軽大河ドラマのつもりかっ。

で、『篤姫・第47回』(NHK総合081123PM8~)原作・宮尾登美子、脚本・田渕久美子、演出・佐藤峰世を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回は西郷隆盛の目に涙の篤姫様のお手紙を余すところなく再現。ついでに篤姫と勝海舟のお手紙交換サービス付。さらに「宮崎あおいゲストのTR」感想付で御得です。ついでにテレ東系の怪しい歴史ミステリーの家茂暗殺説感想もあります。大奥を作ったのは石田三成だったとか言っちゃうやつですか。宮崎あおいは・・・妊娠降板することもなくプロとして家族計画をしっかりできているだけでも素晴らしいと思います。書き下ろしイラストは本寿院ぞんざい版でございます。まあ・・・かまってもらえない涙と同時に・・・46年に及ぶ大奥生活の果てが来たことを・・・女の勘で気がついた本寿院の寂寥の涙だったような気もいたします。高畑淳子が演じているだけに・・・大奥の死も告知されず・・・みたいな。

Atuhime18683 で、慶応四年(1868年)正月・・・鳥羽伏見の合戦の後まで話は遡行します。ドラキュラ・ナポレオンの血を引くレオン・ロシュ・フランス公使は・・・ついに大阪城本丸に攻撃を仕掛け慶喜奪取を試みるのですが・・・幾島とお琴たちの必死の防戦の末・・・慶喜は到着した勝海舟の軍船・回天に逃れ・・・一路江戸を目指すのです・・・そんな話なかったろう。こうして最後の将軍大阪城家来置き去り事件伝説が誕生しました。

公家やくざの首領とも言える岩倉具視は当然・・・ギャンブラーである。岩倉は・・・御所の控えの間で鳥羽・伏見の戦勝報告を聞き・・・勝った・・・と思った。第一・・・賭場は鳥羽に通じていてゲンがいい・・・と思ったりもしていた。

サムライたちを操り・・・長い道程だった。孝徳天皇から皇太子を預かってからは・・・新しい目標ができた。(今上天皇さんを日本一の天皇さんにしたるわい・・・)・・・岩倉の博打魂が燃えるのである。

そこへ・・・燃える男が入ってきた。

「西郷さん・・・」

「岩倉様・・・」

二人は抱き合った。岩倉は西郷吉之助から戦場の香が立ち上るのを感じ・・・うっとりとした。

「お情けを頂戴したいのは山々ですが・・・今後のことを決めねばなりもはん」

「・・・そうよのう・・・」

「江戸攻めをいたします・・・梅の散る頃には京を発ち・・・桜の散る頃には江戸を陥落させるつもりでごわす・・・」

「江戸をおとしますか・・・しかし・・・それでは儲けがでまへんな」

「・・・しかし・・・成り行きではご一新のことはなりもはん・・・貿易のこと・・・利権を握るにはまず・・・フランスと幕府の約束ごとを反故にしもすことが肝要」

「エゲレスさんが・・・そうおおせであらっしゃりますのか」

「いえ・・・英国は・・・武器弾薬の援助に加えて・・・兵力の派遣も申し出ておりもす。しかし・・・それに乗っては幕府の二の舞でごわす・・・」

「なるほど・・・」

「薩摩くぐり党は諸国に潜入して・・・草となった忍びがおりもうす・・・岩倉様の手のものと合わせれば・・・関東かく乱はたやすきこと・・・錦の旗をふれば・・・進出先の城はことごとく開場いたしましょう」

「・・・ふふふ・・・下克上は・・・諸刃の剣・・・民の一揆は・・・幕府を滅ぼすのに役立つでおじゃろうが・・・民草がそないに暴れたら・・・おさまりつかなくなるのではあらっしゃいませんかな」

「・・・もちろん・・・潮時は・・・ありましょう・・・実力主義は限度がなければ・・・ただの無政府状態・・・戦国の世に逆戻りでごわす・・・炎は消してこそ・・・人の道でごわす・・・」

・・・岩倉は・・・(お前がいうか)とツッコミたいのを必死にこらえた。

江戸城では慶喜を連れ帰った勝と幾島・・・そして篤姫と静寛院宮が大奥の主だったものと大広間に集まっていた。

「これで・・・ひとまずは安心じゃ・・・」

「江戸の情勢はいかがですか・・・」

「ドラキュラの血を受けたものは・・・なりをひそめて江戸市中に潜んでおる・・・一方で薩摩藩邸を根城にしていた西洋狼の血族たちは江戸を北に向かって抜け出たようだ。・・・公儀隠密の犬男たちが働いてくれておる・・・のう・・・半蔵・・・いや・・・山岡鉄舟」

篤姫が出合ってから三人目となる新々・半蔵は平伏した。

「この勝が戻りましたからには・・・関東の騒乱を鎮めること・・・おまかされくだされ」

「旗本を始めとした幕臣の中には不満を申すものもあろう・・・すべてが忍びのものではないからのう・・・」

「幕府の中には隠れヴァンパイヤもまだ潜んでいます。それらに扇動されたものらは海軍を中心に徹底抗戦の構えを見せているようです・・・」

「宮様の軍と戦って・・・勝算はあるのか・・・」

「幕府軍も近代化は進めておりますし・・・将の器のあるものを配置すれば・・・一進一退の戦はできましょう・・・しかし・・・」

「しかし・・・」

「鳥羽伏見の戦では淀軍や山崎の津軍が官軍に寝返りました・・・宮様の軍が江戸に進軍すれば・・・行く先々で・・・諸藩のものが・・・敵の味方になるのは必然・・・」

「・・・なるほど・・・戦術で勝っても戦略で負けるか・・・」

「すでに・・・西郷の手のものが・・・年貢半減の知らせを持って諸国をまわっております」

「・・・ふふふ・・・出血大奉仕じゃの・・・」

「しかし・・・民の力はおそろしきもの・・・上に立つものは・・・それを必ずや・・・感じますれば・・・手打ちの潮時は必ずくるでしょう・・・」

「そして・・・民は年貢が次の年は倍になっているのに気がつくのじゃな・・・哀れなものじゃ・・・」

「もちろん・・・いつの世にも・・・皆が満ち足りるということなどはないのでございますれば」

「大奥は滅びるか・・・それでも・・・このくのいちどもの行く末は考えてやらねばならぬ・・・」

「ふふふ・・・釈迦に説法かも知れませんが・・・浜のまさごは尽きるとも世に忍び尽きることなしでございましょう・・・」

「さて・・・慶喜の助命嘆願のことじゃ・・・」

黙って勝と篤姫の話を聞いていた和宮が口を開いた。

「藤原の忍びの話では・・・宮様の軍(いくさ)の先鋒は・・・橋本一族のものがなるそうでおじゃります・・・橋本はわが母・・・観行院の実家・・・おそらく・・・お母さんのお兄さんが将軍(いくさのきみ)になるでしょう・・・そこで・・・母の侍女で私の乳母でもある土御門藤子さんを使者にたて・・・お願いの文を届けさせます・・・」

篤姫は・・・わが嫁の明晰な口ぶりを聞いて・・・誇らしい気持ちになり思わず微笑んだ。

陰陽師系のくのいちである藤子は和人離れしたプロポーションを現す忍び装束を纏い・・・すでに出発の準備を整えていた。

篤姫は藤子から山岡に視線を移して言った。

「半蔵・・・護衛の手配を頼むぞ」

「こころえてございます」

桜が散り始めたころ・・・桜前線を追うように・・・官軍は進発した。

宮さん 宮さん お馬の前の

ひらひらするのは なんじゃいな

トコトンヤレトンヤレナ・・・。

あれは朝敵征伐せよとの

錦のお旗じゃ 知らないか

トコトンヤレトンヤレナ・・・・

同盟の際に薩摩の人質となっていた長州の品川弥二郎の作詞作曲による「みやこ風流節」の歌声が東海道を席巻していた。

二月中旬に京都を北陸道軍、山東道軍、東海道軍の三路に分かれて出発した有栖川宮大総督指揮下の東征軍は・・・進路上の諸藩を降伏させ味方につけながら無人の野を行くように進軍していく。

唯一・・・甲州勝沼近辺で山東道軍が甲府城を目指していた新撰組残存部隊と遭遇・・・これをほぼ殲滅し・・・一説によると偵察隊が白昼吸血剣士たちを発見し寝込みを襲ったため一方的な虐殺に近い状態だっという・・・その後、山東道軍は関東平野に出たところで・・・旧幕臣ヴァンパイヤ歩兵隊に待ち伏せされるも得意の十字砲火でこれを壊滅させた・・・それ以外は戦闘らしい戦闘もなく・・・東海道軍の先鋒はすでに三月初旬・・・品川付近に到着していた。

東海道本軍は徳川のお膝元と言える・・・駿府城に大本営を設置し・・・三月五日には有栖川宮を迎え入れた。そして・・・翌三月六日・・・参謀会議で西郷は・・・江戸討ち入りを三月十五日に決定したのである。

その間・・・幕府陸軍総督・勝海舟は・・・江戸周辺の一揆鎮圧に忙殺されていた。江戸が無傷であることが・・・戦略の要だからである。世界一の大都市の魅力が最後の武器だった。

関連するキッドのブログ『第46話のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『オーマイ・ガール!! 』(日本テレビ)『セレブと貧乏太郎』『チーム・バチスタの栄光』(フジテレビ)

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2008年11月23日 (日)

ハケン社員、ハケン教師次はハケン主婦って家政婦なんです~(加藤あい)ブラッディ・マンデイってポアなの?(川島海荷)悪魔払いかよっ(吉高由里子)

まあ・・・どんな物語でもフリが終ればそこそこ面白くなる。

唐突に始まり唐突に終る事件は・・・味気ない現実というフィクションにはありがちだ。

現実というフィクションに誰もが慣れているわけではないので報道というフィクションが味付けをする。

フリオチは構成の基本だが・・・いい加減な概念なので・・・その論理構造は複雑である。

まず・・・フリというのはお店用語である。お店話用語といってもいい。この場合、お店というのはおたなと読んで遊郭を示す。最初の客をフリ(初見)といい・・・その客が二度目に来店することを裏を返すと言う。三度目で馴染みとなる。ここから最初の部分をフリというのである。

一方、お店話とは落語のジャンルでもある。落語のは話のサゲ(最後)の部分でオチるわけである。落ちるのは落ち着く意味でもあり行き止るということでもある。ここから最後の部分をオチというのである。

全体の流れを二分割すればフリ(最初)とオチ(最後)になる。

たとえば質問と答えはフリとオチである。

お店用語ではフリ→裏を返す→馴染みの三分割で序破急にのっとっている。

フリ→裏を返す→馴染み→それっきり音沙汰なしなら四分割の起承転結なのである。

「なぜ殺したのか?」「飼い犬を殺されたから」というのは二分割のありふれた事件でも・・・裏を返している間に「テロリスト」「背後関係」「闇組織」「警備強化」「言論の自由」「政策論争」「政権交代」「汚職」「捏造」「誤報」などが乱れ飛ぶとそこそこ珍妙な事件になる。

まあ・・・失われた人命は取り戻せないので冥福を祈るしかないのだが・・・相対的に幸福に見えることは常に標的になることであるという一般常識を思い出させることで些少の意義はあったと思う。公僕たるもの命を国民に奉げるのは基本なので名誉は深まったという考え方もできる。突然加害者の家族になったものは「命を奉げたい・・・犯人には切腹してもらいたい」と発言したりするが・・・その心情もまた闇の中にある。

で、『ブラッディ・マンデイ・第七回』(TBSテレビ081122PM0756~)原作・龍門諒、脚本・渡辺雄介、演出・宮下健作を見た。映画「20世紀少年」の脚本家で今シーズンの「相棒」も書いている。もう淡々とオーソドックスで明らかに流している。

ここまでの話である。20世紀の戦後の日本は東西冷戦の中で・・・政治的なテロリストが実在した。・・・どこからだよっ。・・・基本的には西側に所属する日本では東側による工作の対象となるのが基本でテロリストといえば東側の息のかかった人間のことである。主にハイジャックをしたりビルを爆破したり山荘にたてこもったり拉致監禁をしたりしていたのである。

しかし・・・「豊かさが革命を飲み込む」論理でテロリストはまったく世間に支持されず・・・下火になっていく。その間に様々な理由で背後にある東側そのものが崩壊してしまう。

そんな頃・・・世界を驚愕させたのがカルト的な宗教によるテロリズムである。背後に黒幕としての国家を持たないテロはテロごっこの気配を漂わせながら・・・社会から逸脱し狂気としてのテロリズムを展開していく。

さらに言えば国家として崩壊しつつある東側は国家そのものが狂気となっていったという推定も可能である。

毒ガスで無差別殺人を行ったカルト宗教団体に肩を並べて崩壊しつつある東側の狂気の影が窺われるのは・・・凶器と凶器の握手なのである。

市民殺しの片棒を担いでしまった過去を持つこのテレビ局は死んだフリから立ち直り死んだと言った人は死んだが局の命脈はいまも続いてこのドラマをお送りしてる。

ある意味、神経を逆撫でする展開である。

ロシアでの実験的テロを経て・・・大量殺人兵器である必殺ウィルスを確保した謎の組織は抗ウイルス剤を入手することで生命与奪の力を握ったのである。その組織のリーダー格はJこと神崎純(成宮寛貴)であるが・・・それはとある狂人集団のJを頭文字とするある人物を彷彿とさせる。一方・・・拘置所にいるカルト的教団の教祖・Kこと神島紫門(島田久作)はJから「尊師」と呼ばれ・・・痩身であることが一つのパロディーとなっているわかりやすい配置である。このドラマの妄想がいかにもお安いことがご理解いただけるだろうか。

こういうドラマはああいう事件が起る前に製作されてこそ妄想としての価値があるのである。

あの事件でさんざん稼いでおいて・・・事件そのものに関与してしまい・・・ズブズブになったことをあんなに反省したのに・・・素知らぬ顔でフィクションかっ。

そんなことだから関連会社が誤報体質と呼ばれるのではないのか。

まあ・・・フィクションなので・・・ハッカーが違法行為だけどドラマですからと謝るほどなのに「あの事件で世間にご迷惑をおかけしたのにまたやっちゃってます」とテロップはしないのだなぁ。

まあ・・・各局こぞって「ぶっ殺すしかない」的な報道をして煽り事件になると「ぶっ殺すのは何があっても許されない」の合唱的体質は報道機関の宿命ですけれども。

よい子のみんなは真に受けないことが大切です。

そして・・・「お父さんもお兄ちゃんも要領悪すぎて信用できない」と遥(川島)は嘆くのだった。

その頃、主人公のチョー激マックスちゃらいハッカーの高校生・藤丸(三浦春馬)はテロリストの罠にはまり、刑事殺しの重要参考人として指名手配されていたのだった。

藤丸は友情のよしみで学校の開かずの間にかくまわれる。まあ・・・容疑者の会社員が自分の会社に隠れるような間抜けさだが・・・捜査する警察も同じように間抜けな設定なので・・・まあ・・・きっと・・・いい勝負なのだと思います。

で、『スクラップ・ティーチャー・第7回』(日本テレビ081122PM9~)脚本・江頭満智留、演出・南雲聖一を見た。ハケン教師(非常勤講師)・滝(加藤)の主役回である。・・・ようやくだな。いつものパターンでスーパー中学生トリオ(山田涼介・知念侑李・有岡大貴)が塾講師への転職に揺れる滝をお仕置きするのだが・・・決めセリフである「無様だな」は滝自身が自嘲して言うという貫禄処置が行われている。代用教員でも加藤あいである。

まあ・・・「恋人と三日間オリエン座を見たら結ばれる」というおまじないを沢渡(高畑岬)と上野まりや(西内まりや・・・「正義の味方」の知佳である)というロミジュリ・カップルに示唆して夜のデートに誘導するあたりは・・・問題教師といって過言ではないだろう。

このあたり・・・日本テレビの倫理基準はオツムのネジがかなり緩んでいる証拠である。しかし・・・夜の塾通いが日常茶飯事になっている現在・・・庶民の子弟の夜間外出はもはや誰の管理も及ばないのかもしれない。そりゃ・・・売春はするわクスリはやるわだろうさ。

ともかく・・・そういう疑念はさておき・・・中学生らしい健全な交際をしていた二人は街の不良にからまれて・・・お約束の展開である。

一度は生徒の信頼を裏切った滝だが・・・身体を張って生徒を守ろうとする。

倉庫にあきたら波止場だよね的修羅場にトリオが登場・・・人知を越えたジャンプ力で悪い暴走族を自滅させるのだった。

さて・・・正体を明かさないままのトリオだが・・・バイクと力比べをしたり・・・疾走してくるクルマを飛越したりするにいたっては滝のセリフを借りれば「もう・・・メチャクチャ」なのである。

まあ・・・「謎の転校生」だからな。なぞの転校生といえば・・・異世界人(別の次元からやってきた)なのである。

原作・リメイクによって些少の変容はあるのだが・・・失われた別の世界からやってきた彼らは超人的な力を使ってこの世界に住み着こうとするのである。

さて・・・実は同じ原作者(眉村卓)による物語に「ねらわれた学園」があり・・・これも謎の転校生ものである。この物語の原作は「地獄の才能」であり・・・映画「ねらわれた学園」やドラマ「未来からの挑戦」を生んでいる。

こちらの転校生は未来からやってきた。

つまり、未来から過去に干渉して歴史改変の話である。

ともかく・・・どちらにしろ未来や次元の異なる世界からやってきた転校生が・・・育ちの違いにより・・・現世に関与するという話なのである。

まあ・・・つまり・・・工作員の話です。

満足に他人の家を訪問する作法も知らない滝を・・・「他人に対する配慮が欠ける」と断定する謎の転校生たち。

彼らは・・荒廃した未来から・・・現代を修正するために送られた改造人間であることはまず間違いないと思う。まあ・・・ヒト型ロボットかもしれないのさ。

高見沢くんのかわりに高杉くんなのである。

関連するキッドのブログ『先週の土曜日のレビュー

月曜日に見る予定のテレビ『イノセント・ラヴ』(フジテレビ)

あの事件の犯人自首のため放送時間変更の「トンスラ」は悪魔祓い解決篇・・・昔の恋人の婚約者の婚約指輪を下水に捨てる主人公(吉高)・・・悪魔に他人の乳首を魔術的に移植される温水・・・やりたい放題です。

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2008年11月22日 (土)

俺たちは餃子じゃない(錦戸亮)兄妹じゃない的流星の絆(二宮和也)・・・最初から知ってたよ(戸田恵梨香)

コンプレックスをどう訳すかということはこれまでにも何度か書いた。コンプレックスとは複合体のことである。たとえばキッドは東京コンプレックスというものがあると考える。それは千葉県に東京ディズニーランドがあることや・・・成田から東京にいたるまでの途切れない町並み・・・そういう感覚的なもので関東平野には行政区分とは別の東京コンプレックスという市があるという意味である。関東甲信越地方という言い方があり、新潟や長野そして山梨は東京ではないが・・・千葉や埼玉は東京だし、横浜も横須賀も東京コンプレックス的には東京である。

そういう場合のコンプレックスとは「まとまり」である。さらにそれが「とにかくなんとなくまとまっているということの主張」ということになれば「こわばり」とか「こだわり」とか「わだかまり」というニュアンスが生じてくる。

・・・「劣等感」=「コンプレックス」という誤解が浸透しているのは「心理学」の用語で「~に対するこだわり」とか「~に対するこだわりを刺激されたときの過剰な情動」といった時に使用される「コンプレックス」の説明が・・・「チビと言われるとカッとなるコンプレックス」といった特殊な例で強い印象を残すからである。

これは「常日頃から身長について強いコンプレックス(こだわり)を持っていて低身長を劣等であると感じるコンプレックス(こだわり)を持っていてそのコンプレックス(こだわり)に対する刺激を受けると敵意が発動するようなコンプレックス(こだわり)がある」ということである。そういう人間は低身長に対する劣等感があるわけだが・・・その劣等感はコンプレックス(こだわり)のほんの一部だし・・・つまりあえて言えばコンプレックスのほんの一部分が劣等感と呼ばれるのに過ぎない。

そういう人間には「南米のチリでさ」と言う話をしても「チビって言った・・・チビって言った」と怨まれることがあるので注意したいのである。

さて・・・問題は性的コンプレックスという話なのである。これを性的劣等感と訳せば・・・話が見えなくなることは確実である。つまり・・・性的な関係者を満足させられないことで不安定な気持ちになる・・・という話ではない。

たとえば・・・ファーザー・コンプレックスを父親劣等感と訳したら・・・父さんが激しく劣悪だと感じている話になってしまうだろう。

ファーザー・コンプレックスは父親に対するこだわりということである。さて・・・ここでまず父親というこだわりが問題になってくる。それは基本的に男性の親を示す言葉である。好むと好まざるとに拘らず男性には「性」が混入されている。もちろん・・・生命と生殖とは切っても切れない関係なので性がからむのは当然なのである。しかし・・・その性をどう感じるかが・・・ファザコンの場合は問題になってくる。つまりそこには性的なコンプレックス(こだわり)があるのだ。たとえば・・・「大きくなったらパパと結婚する」と言っていた娘が父親を雑巾でも見るようになるのは①昔は最高の男と思っていたが幻滅した②子供の頃の約束を本気にされたら困る③父親と母親がいやらしいことをしていたと考えると自分もいやらしい気持ちがしてくるのでいやらしい・・・などと様々な要因があるわけだが・・・つまり・・・娘を主体とすれば他者である父親という性的なコンプレックスに対するややこしさが自らの娘という性的コンプレックスのややこしさともつれて鬱陶しさが生まれるということなのである。

当然・・・ブラザー・コンプレックスやシスター・コンプレックスも性的なこだわりを示す言葉なのである。

お兄ちゃんに萌えたり・・・妹に萌えたりするのは・・・誰にでもあることなので特に異常ではない。

弟がお兄ちゃん萌えしたりもするし・・・兄が弟萌えしたりもする。犬萌えや猫萌えもするしぬいぐるみも萌える。

すべては性的なこだわりのもつれなのです。

お父さんが優秀で抱かれたいくらいなのにファザコンって言われた・・・うちのパパに劣等感なんてもってないのに・・・と疑問に思う娘たちのために劣等感をコンプレックスと呼ぶのは根本的にバカが間違っているだけなのだと言っておきます。

で、『流星の絆・第6話』(TBSテレビ081121PM10~)原作・東野圭吾、脚本・宮藤官九郎、演出・金子文紀を見た。言うなれば・・・フィクションとはこの世のこだわり(コンプレクックス)を紐解く作業である。

それは「続・三丁目の夕日」で小池彩夢がプレゼントを渡され「あけてもいい?」と訊ねる作業であれば・・・なかなかにエンターティメントなのである。

包まれている・・・こだわりを解くと・・・そこには新品の色鉛筆がある。しかし色鉛筆には・・・最初の出会いの時に古い色鉛筆を持っていた・・・贈り主が貯金をしていた・・・そこに愛がある・・・というこだわりがあるのである。

そのこだわりの紐解き方は人それぞれなのであるが・・・たとえば倉本聰ならうっとりとほどくし・・・そこそこの作家なら手際よくほどいていく。ろくでもない作家はグチャグチャにしてしまうのである。

そして・・・クドカンの場合はあっと驚くほどき方をする。奇想天外とも言えるし・・・魔術的でもある。ここは好みの分かれるところだが・・・大切なのはほどき方ではなくて中身だろうというこだわりを持つ人には悪印象を持たれる場合もある。

しかし・・・そのマジカルで巧妙なほどき方はすでに中身に対する深いこだわりに基づいているという受け取り方もできるのである。

もちろん・・・好きになれば・・・ああ・・・クドカン・・・もっとほどいて・・・もっとほどいてくれよう・・・いつまでもほどき続けてくれよう・・・と思わずにはいられなくなるテクニシャンであることは間違いない。もちろん・・・そういうほどき方をされてしまうと・・・普通のほどき方をされるとほどかれ気分が色褪せることは必然なのだな。

今回は・・・タイトル→前提供→CMである。秋ドラマ首位の視聴率に調子に乗っていることが窺われるフォーマットだ。そして・・・CM明けはこれまでのあらすじのフラッシュカットに乗せて主題歌とスタッフとキャストのクレジットである。もう・・・さらっとまとめちゃいました。という展開である。残るいつもの要素は挿入歌と予告。もちろん・・・演出の要素も高いが・・・挿入歌で仕掛ける気満々のほどき方なのである。

前回の引きは静奈(戸田)の実の父親の妻・秀子(麻生祐未)が功一(二宮)に面会に来て「あなたたちの両親を殺したのは夫です」と宣言する・・・だった。

ややこしい人間関係をさらにややこしくするのである。

功一は母親の連れ子である静奈が父親の連れ子である自分や泰輔(錦戸)と血縁関係ではないことを・・・いつか・・・静奈に告白しなければならない・・・ということで悩んでいる。

さらに言えば・・・兄として妹を好きな気持ちと男として女を好きな気持ちが混じっていることにも悩んでいる。さらにさらに言えば弟も同じ気持ちだったら応援するのか引き裂くのか戦うのかでも悩んでいる。さらにさらにさらに言えば親の敵討ちを控えた今そんなことで悩んでいていいのかと悩んでいるのである。

そんな時・・・予想外の真犯人登場なのである。

しかし・・・お茶の間は・・・その真犯人の正体を別の場面で知っている。

静奈の実の父親・信郎(国広富之)は柏原刑事(三浦友和)に相談していたのである。

「すべて妄想なんだ・・・」

つまり・・・頭がお菓子と化した妻・秀子なのであった。ありゃりゃんこりゃりゃんおつむのネジがこりゃまたバッチリ狂ってるのであった。

信郎は秀子に対して・・・静奈の母・塔子(りょう)について隠していたつもりだったのだが・・・秀子はすべてを知っており・・・事件当日に・・・金策に困った塔子に相談されて信郎が金を渡したことまで調べていたのである。女の勘なのである。そして女の勘に基づいて・・・夫が元・愛人とその夫の殺害を実行したと睨んだのである。夫のアリバイとかクソとかはまったく信用していないのである。浮気のアリバイで口裏あわせるくらいだから同僚なんて信用できない視点にたっているのである。

事件当時から記事をスクラップしたりして・・・かなり偏執的にお菓子な状態になっている秀子。これまでに・・・迷惑をかけた・・・おわびに・・・お金を・・・そして夫の実の娘である静奈に会わせてもらいたい・・・最後がある意味・・・不気味である。

夫が愛人に生ませた娘に会って謝罪したい・・・これは人間的にすばらしいようにも見えるし・・・かなり異常な心理にも見えるのである。まして演じているのが麻生祐未なのである。

しかし・・・その夫によれば妄想という妻の動きに乗せられる萩村刑事(設楽統)だった。

すでに・・・容疑者リストから外れている信郎を再び・・・目撃者・泰輔に首実見させるのであった。もちろん・・・「本物」である戸神(柄本明)を見てしまった泰輔は言葉を濁すしかないのである。

さて・・・戸神の息子であるダメナリ(要潤)に心をほどかれていく静奈。

本店の味の再現を父親に却下されたダメナリは別人になりすました静奈と・・・功一の働くカレーショップで厨房デートなのだった。中坊のような厨房デートなのである。

やがて・・・血のつながらないことで複雑な気持ちの兄弟のヨコでクタクタの静奈ジャージに生着替えがあって・・・兄と男がこんがらがりまくった二人は「早く本当のことを言え」「そんなこと言ったら兄妹関係が男女関係になっちゃう」「別にいいし」「いやなんだよぉぉぉぉぉ」で兄弟の骨肉の争いに発展。静奈目撃の立ち聞きである。

ここで・・・挿入曲である。

泣いたのは・・・今週も静奈でした。

脚本に「うぞぉ・・・」と書いてある勢いです。

そして・・・店内ではサギ(中島美嘉)が実際に歌っていたのである。このあたりが・・・アクロバットすぎるほどきかたです。しかも「悲しみのkeyが1octave違う」というフィクションの限界を超えそうなセリフで押します。あーっ・・・誰かにどこかでなんじゃこりゃ・・・と思われたねーっという瞬間です。しかし・・・クドカンを愛していればギュッとしてあげたくなるボイントでもありますねーっ。アンビバレンツ!

そして・・・功一から見て・・・弟と妹はそれぞれの異次元空間に突入していきます。

弟は・・・今回のもつれの諸悪の根源である・・・お菓子な秀子に自作自演の「黒革のハンドバッグ」作戦を展開・・・秀子からお金を騙しとろうとしますが二人でラブホにしけこむ展開に。しかも・・・泰輔(24)と秀子(44)・・・そういう関係になってもまったく不自然ではありません。魔性です。魔性の麻生祐未全開バリバリです。

はたして・・・けだもの的な・・・そういう関係になったかどうかはお茶を濁しますが・・・秀子はお菓子な人特有のサイキック的直感で泰輔の正体を見抜いてしまいます。

魔性なのです。まさに魔性。

一方・・・もう一人の若き魔性の女は・・・ダメナリと・・・健全なお食事デート。

架空の友達・・・矢崎静奈(実の父の姓プラス本名)の話として・・・自分の悲しい生い立ちを物語ます。

「・・・その友達は・・・二人の兄と血がつながっていないことを・・・ずっとずっと知っていたんです・・・だって・・・初めて・・・兄たちと出会った日のことを・・・優しくしてくれた兄たちの言葉を・・・つないだ手の温もりを・・・今でも覚えていますから・・・」

静奈も泣いたけど一部お茶の間も泣いた。

そして「友達の話で・・・ごめんなさい」という静奈にダメナリは「だって・・・静奈さんの心に残る思い出は・・・みんな静奈さんの物語じゃないですか」と静奈の恋するハートを直撃なのだった。ダメナリ・・・「キミ犯人じゃないよね」と全く同じシチュエーションなのに別人のように心を震わせる役所になっています。クドカンです。ここがクドカンの凄みです。

そういう弟と妹のそれなりに楽しい人生とはうらはらに・・・コツコツと調査を続ける悲しみ本線長男かいの功一。

ついに・・・競馬のノミ行為の舞台となった喫茶店で(店主・半海一晃)・・・父親(寺島進)と近所の洋食屋の戸神との接点にたどり着きます。

バカナリの母親・貴美子(森下愛子)→バカナリ→静奈というルートで「戸神は八年もまずい洋食屋を続けていたこと・・・父親と出会い・・・味が変わったこと・・・父親も戸神もお金に困っていたこと」が判明し・・・ついに功一は冷えピタ熱さまシートを投げ捨てるのです。

「父親は・・・レシピを売ろうとした・・・ギャンブル狂だったから・・・戸神は・・・買いたくてもお金がなかった・・・ハヤシライスが不味かったから・・・そして・・・あの夜・・・売るためのレシピは用意されていた・・・しかし・・・戸神は買うためのお金が用意できなかった・・・だから・・・戸神は・・・殺した」

すべての辻褄があったと信じた・・・功一と泰輔と静奈は・・・復讐計画を始動させる。

そのために・・・父親の形見の時計を戸神に触らせ・・・指紋をつけさせる。

証拠を捏造し・・・警察を詐欺にかけようという魂胆らしい・・・はたして・・・。功一の推理に間違いはないのか・・・静奈の恋の行方は・・・泰輔と信郎は兄弟になっちゃったのかどうか・・・全てお見通しでたぶんの林ジョージ(尾美としのり)のおみとおしとおみとしのりはなんだか似ているけど偶然か・・・など様々な疑問を残して・・・予告編は戸田恵梨香と結婚できる可能性が100%ないわけではないと信じるお茶の間の一部愛好家絶叫のダメナリと静奈のキスである。

関連するキッドのブログ『第5回のレビュー

日曜日に見る予定のテレビ『機動戦士ガンダム00』(TBSテレビ)『篤姫』(NHK総合)『SCANDAL』(TBSテレビ)『犯人に告ぐ』(テレビ朝日)

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2008年11月21日 (金)

黒木メイサVS中井貴一、小西真奈美VS大杉漣、蓮佛美沙子VS小日向文世・・・娘と父の木曜日かっ!

「イノセント・ラヴ」が父と娘の間違った愛の形を匂わせているのに対し・・・木曜日は清く正しく・・・美しい父娘愛三連発である。年頃の娘たちが・・・「お父さん大好き~」過ぎるのは・・・あきらかに間違った願望モードだと思うのはキッドだけではないはずだ。

まあ・・・一緒にお風呂に入ってくれなくてもいいが・・・冷たい眼で見るのはやめてほしいパパだらけだと思うが。

娘を守るために逃亡していた父との再会「七瀬ふたたび」↘*5.7%、養父がネグレクトされた養女を暖かく見守る「小児救命」↗*5.9%、浮気三昧の父帰るに娘涙の「風のガーデン」↘13.1%である。

ついでに擬似父(ゾウの神様)と擬似娘の「夢をかなえるゾウ」↗*5.9%なのだな。

母と子で視聴率取れないからといって父と娘にしたら・・・もっと取れないとなぜ・・・わからないのだ。

どっちにしてもかぶりすぎだよね。

で、『七瀬ふたたび・第7回』(NHK総合・081120PM8~)原作・筒井康隆、脚本・真柴あずさ、演出・吉川邦夫を見た。原作では「新人類の抹殺」が主要テーマだったが、今回のドラマ版は「超能力資源の有効活用」がテーマになっているらしい。これは原子力の平和利用と戦争利用に準じるのだろう。火薬だって達成感のある工事用と殺戮的軍事利用に分かれるしな。最先端研究者である火田博士(小日向)が・・・「超能力促進増幅装置」であるらしい実の娘・七瀬(蓮佛)を道具として利用されることを恐れた・・・というのが七瀬の能力封印、博士逃亡の真相だったらしい。

もちろん・・・超能力の軍事利用は旧ソ連でさかんに研究されていたというフィクションに基づいているわけである。これは「出る釘は打たれる」のか「立ってるものは猫でも使え」なのかという基本姿勢の問題でもある。

七瀬は父の心を読んだ。(七瀬)(七瀬がいると)(ネズミが賢くなる)(七瀬がいると)(子供たちの能力アップ)(金のなる木)(わが子可愛い)(モルモット)(会社のもの)(道具)(それはイヤ)(人間あつかいされない)(七瀬が不幸に)(それだけはイヤ)(証拠隠滅)(なかったことに)(オレは自殺したことに)(妻には未練が)(しかし娘の方がかわいい)

七瀬は父親の気持ちを汲んだ。父への怨みを忘れた。父親が自分だけを特別に愛してくれたことに満足した。

朗(宮坂健太)は刑事(市川亀治郎)の心を読んだ。(素晴らしき超能力時代)(恐ろしい)(しかし)(オレの仕事は犯罪者から市民を守ること)(犯罪者でない超能力者は守る)(恐怖を克服する)(超能力者はヤクザではない)(漁博士(水野美紀)は美人)(オレの名前入り)(オレのもの)(七瀬(可憐)を待ち伏せ)(頼りにしてくれる)(オレのもの)(子供かわいい)(オレのもの)(ヘンリー)(バカ)(ふられている)(バカな市民ほどかわいい)(岩渕(塩谷瞬)容疑者)(うたがってすまない)(市民)(オレの市民)(市民はみんなオレのもの)(オレのものだから守る)(国は人なり)

朗は刑事に親方様を見た。

七瀬は悪人たちの心を読まなかった。佐倉(光石研)は邪だった。(未知能力)(金のなる木)(超能力ハケン)(大儲け)(100億円)(小室バカ)(オレなら貯金)(老後の安定)(ガリレオの最終回の久米宏)(未知能力兵器)(尋問)(拷問なし)(アグレイブ)(世間体)(各国欲しがる)(テロリスト)(ユナイテッド93)(乗る前に発覚)(念力)(スプーン曲げ)(血管曲げ)(暗殺)(証拠なし)(予知)(今夜のおかず)(キライなものなら外食)(火田博士)(研究成果)(立身出世)(1兆円)(小室以上)(貯蓄)(脅迫)(拉致監禁)(独占)(抵抗)(拳銃)(脅す)(脚)(血)(血)(血)

火田博士は思った。(佐倉)(危険)(七瀬)(道具)(玩具)(機械)(モルモット)(イヤだ)(秘密)(自白剤)(ばれる)(七瀬)(不幸)(解剖)(徹底的に分析)(秘密)(厳守)(自殺)(地獄に持っていく)(自己犠牲)(親の勤め)(娘のために死ねる)(甘美)

発砲。七瀬は父の死の匂いにむせた。(七瀬)(封印しろ)(力を隠せ)(あぶないところへいっちゃだめ)(七瀬)(愛)(し)(てる)(ななせ)(・・・)

七瀬は漁博士に頼んだ。「時間遡行して時間遡行して時間遡行して」

漁博士は時をのぼった。しかし・・・限界だった。

七瀬は現場に向かって森を走った。

発砲。七瀬は父の死をふたたび・・・(以下同文)・・・。

七瀬は水に濡れながら泣きながら震えながら岩渕に優しく抱かれた。やはり父親より恋人に抱かれたい年頃なのである。

で、『風のガーデン・第7回』(フジテレビ081120PM10~)脚本・倉本聰、演出・宮本理江子を見た。人それぞれだが・・・ある種の男は・・・愛人を抱きたい気持ちよりも娘に微笑まれたい気持ちの方が強くなる。まだまだ女を捨てきれない昔の不倫相手(伊藤蘭)がその気満々で迫ってきても・・・うっとうしく感じるばかりなのである。とにかく・・・このドラマはその点は残酷なほどに強調しています。

昔の愛人「もう・・・残りの人生・・・私と激しく燃えてすごしましょう。私は覚悟できているの・・・死ぬまであなたを寝かせない・・・」

主人公(中井)「息子がさあ・・・オレのこと天使だって思い込んじゃってさぁ・・・かわいいんだよねぇ・・・もう愛くるしいのとはあのことだよぉ・・・じゃ・・・あとの面倒くさいことは頼むわ」

・・・なのであった。

孫(神木隆之介)にかわいい恋人でもできたかとほのぼのしていた祖父(緒形拳)・・・勘当した息子(主人公)が舞い戻ってきていると知り・・・複雑だけどこわい顔をする。

そして・・・不倫の果てに母の死を招いた父親を・・・一日で許す娘(黒木)・・・。

「うらめしかった・・・でも・・・無性に会いたかった・・・」

あくまでファザコン濃度高め設定です。ふるさとの友人たちも全員暖かめ設定になっています。

もうすぐ死ぬ人間には優しくしてくれるはずだ・・・願望です。

そして相変わらず死ぬのは・・・父か息子か・・・どっちが先か。スリリングです。

一足先にかまきり夫人をこよなく愛する男(織本順吉)が妻や娘そして孫に見守られ大往生・・・。

「遺族にとって尊厳ある死」を演出します。もう生前に女遊びで家族を苦しめようが・・・ギャンブル三昧だったりとか・・・そういうのはさておき・・・死ぬときくらい暖かく・・・という姿勢です。

一瞬・・・一瞬の思い出はせつないもの。もうすでにたくさんの人々が向こう側へ行ってしまった年齢になると・・・そういう葬儀で・・・ろくでもないことを思い出していても・・・厳粛な態度が大切です・・・この男の娘を愛していたことがあったなあ・・・ナニした後でバッタリあったときに・・・ナニした後とは知られていないのに・・・ものすごく恥ずかしい気持ちになって居心地悪かったなぁ・・・などと思いつつ何食わぬ顔で焼香したりするのが人間というものです。

金持ちの先輩にすごいキャンピングカーをプレゼントされ、息子に天使だと思われ、娘には「私・・・お父さんに似ていて・・・困っちゃう」と微笑まれ・・・至福の時を迎える主人公。

しかし・・・時は残り少ないのです。来週は老いた父親が先立ちそうな息子の病状を知る模様。暗い夜の訪れが近付いていますが・・・うっとりです。もはやうっとりするしかないドラマになってきました。

で、『小児救命・第5回』(テレビ朝日081120PM9~)脚本・龍居由佳里、演出・片山修を見た。「おみやさん」↘13.4%の半分しか視聴率はありませんが・・・コニタンとしてはがんばっています。もう何が何でも24時間小児救命がしたい主人公・宇宙(そら=小西)・・・それは偽善や独善よりも・・・ネグレクト(育児放棄)された少女時代の復讐心に支えられています。他人の子供たちの救命をすることで・・・自分を捨てた親を見返すという複雑な原動力なのです。・・・わかりにくいです。

そして・・・その事実を知るものと知らないものとで・・・周囲の反応は微妙なものに。

宇宙の理想を単なる正義だと考えるものほど・・・自分の気持ちがついていかないのです。

「あんたみたいにえらくなれない・・・」そういう気持ちが生じた医師たちは脱落しはじめます。

ただ一人・・・宇宙先生萌えの救命士(勝地涼)だけは別次元です。

そんな・・・窮状を見かねた・・・引退していた養父(大杉)は「手伝わない宣言」を翻して診療に参加。しかし・・・ちょっと眼を離すとアルツハイマーの老いた妻が不安定な状態に・・・現実は・・・どうしようもないことが多いからねえ。

そして・・・ついに・・・24時間診療の灯は・・・消える。

その時・・・恋人の狩矢医師(塚本高史)が・・・何もかも捨てて・・・やってきました。悩んでも迷わず(意味不明)という精神らしいです。

塚本と勝地が恋のライバル・・・この展開は・・・未来講師めぐるかっ。

関連するキッドのブログ『先週の木曜日のレビュー

土曜日に見る予定のテレビ『ブラッディ・マンデイ』(TBSテレビ)『スクラップ・ティーチャー』(日本テレビ)『ルーム オブ キング』(フジテレビ)『トンスラ』(日本テレビ)『ジャッジⅡ』『アグリー・ベティ』(NHK総合)

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2008年11月20日 (木)

経済特区エリア日本への道(観月ありさ)二週連続犯人は女(清水美沙)

ついに・・・中国国籍のハケン社員・張琳(タン・ジャースー)に同情されるに至った野呂昭和主任(モロ師岡)・・・書道二段だが・・・「人は宝」の出来は・・・微妙だった。

国籍は虚しいという考え方は常にある。

そして・・・平和で安全な場所から・・・人道的に間違った行いをした兵士を裁くものたちは・・・「裸の捕虜の前で恋人と笑顔で記念撮影をした」といって戦場から刑務所へ送り込んだり・・・捕虜を銃剣で刺したので死刑にして「生まれ変わるのなら私は貝になりたい」と嘆かせたりするのである。

しかし・・・時代が違うとはいえ・・・米国民なら死刑にならず日本国国民なら死刑になるということはある。

国籍は虚しいなどとは言っていられない場合なのである。

水曜日のダンスは

「相棒」・・・・・・・・・・・17.9%↗19.7%↘15.0%↗20.7%↘17.3%

「O L」*8.3%↗10.6%↘*9.9%↘*9.7%↘*7.0%↗*7.1%↗*7.6%

歩み寄るステップが・・・二人の差を10%未満に・・・。

で、『OLにっぽん・第7回』(日本テレビ081119PM10~)脚本・中園ミホ、演出・大谷太郎を見た。「アウトソーシングで仕事を奪われると・・・奪われた仕事のありがたみが分る」という「失ってはじめて幸福だったことに気がつく」展開である。

つまり・・・もしも・・・日本人でなくなったら日本人だったありがたみがわかる・・・ということである。

まあ・・・しかし・・・そんなことは言われるまでもない・・・という人は多いのである。

それでも人生は一寸先は闇なのである。

Office Ladyという和製英語の略がOLであり・・・世界にOLは日本にしかいないということになる。だから・・・このタイトルは変なのだが・・・スシと同様にOLも文化として輸出されるわけである。

もちろん・・・男尊女卑の文化であるから・・・欧米では非難の対象になります。

婦人参政権獲得後の日本、男女雇用機会均等法以後の日本と男たちは既得権益をどんどん剥奪されていく。男と生れただけでちょっと有利な時代が過ぎ去っていくように・・・日本人に生れただけでちょっと有利な時代も過ぎ去って行くのである。

まあ・・・すべてのものは過ぎ去るのだから仕方ない・・・という考え方もあります。

しかし・・・仕事と家庭を両立させるために・・・仕事一本、家庭一本で済んだ時代と・・・仕事と家庭・・・両方のスキルを要求される時代では・・・仕事も家庭も質的変化を遂げることは明白である。

その結果・・・仕事も家庭も豊かになったのか・・・仕事も家庭も品質が低下したのか・・・それはもう・・・ものすごく複雑系だろう。

しかし・・・凡ミスによる失敗の増加とか・・・少子化とか・・・負の要素が明白になっていることもある。そこにどう対応していくのか・・・悩ましいのだ。

とても・・・いい考えはない・・・という時には小野武彦が登場する。

「ハケンの品格」ではマグロ解体の神様ツネさんである。篠原涼子をスキルアップした恩人だ。

「働きマン」では仕事に息が詰まった菅野美穂を慰める父親である。

そして今回は・・・どうしていいのかわからなくなった観月ありさにアドバイスをする昔の上司である。彼は海外アウトソーシングに反対し・・・子会社にとばされ定年退職を迎えたが・・・外国人を恨んでも仕方ないと達観する。そして・・・とりあえず万歳三唱すればなんとかなるとありさを諭すのである。つまり・・・なるようにしかならん・・・ということだ。

まあ・・・真理です。あえて言うのなら負け犬だって幸せになれる・・・ということですから。

まあ・・・反則ですけどね。

争いを嫌い・・・争いをさけていればいつかは滅ぼされる・・・これもまた真理。

そのために会社は争う。争うために社員を犠牲にする。そして・・・社員のいない会社が残る・・・。そういう論理です。

これを国家に置き換えると・・・生き残りのために国家は争う。争うために国民を犠牲にする。そして国民のいない国家が残るということです。

それが詭弁なのか・・・どうなのか・・・それは不明。

まあ・・・キッドは戦わずして滅びるのと・・・戦って滅びるのとでは気分が違うと思いますけどね。

とにかく・・・今のところ・・・日本VS中国は・・・日本の中の中国よりも・・・中国の中の日本へと進んでいるような気がします。

まあね・・・アメリカの中の日本でいるのだから同じじゃないか・・・と言う考え方もありますが・・・失われて初めて気がつく幸せというものをじっくりと考える必要がありますよ。

本当にそれでいいのかと・・・。

たとえば・・・間違った暴力が人命を損なったとして・・・間違ったのは誰かという問題はあります。もちろん・・・みんな悪いのだではおさまらないので・・・誰かが悪いことにはするわけですけれど・・・。手を下したもの。それを防げなかったもの。そのように誘導したもの。溜飲がさがるもの。それを非難するもの。それで米を買うもの・・・。

もちろん・・・正解などないので・・・なにも考えないというのもひとつの手ですね。

しかし・・・いろいろと考えた方が面白い場合もあると・・・キッドは思うのです。

なぜ・・・世界が統一されても人々が幸せにならないのか・・・それは平和な日本でも一部の人を苦しめる状況は作られるし・・・それに携わりながら・・・相対的に幸せそうな人々は憎まれる・・・そして局所的には平和でなくなることからも明白です。だから・・・中国は航空母艦という侵略的能力の高い兵器を配備する。インド海軍は中東のインド洋の海賊を撃沈する。イスラム過激派は宗教の坩堝である国家を不純と断定する。そして今日もどこかで血が流れるのです。

だから・・・おめおめと食われるために土下座するよりも・・・三点とって勝った方が気持ちがいいのです。

弱肉強食より平和共存の方が効率的だと誰もが考える。しかし・・・そのために利益は折半が基本です。資本金も智恵も設備投資も出したけどお前の出すのは血とか涙とか汗だろう・・・それなのに折半なんて無理だよ。

人間は二人いればケンカができる生き物・・・いや・・・一人でさえ・・・争わずにはいられなかったりするのですね。

それから目をそらせば・・・問題は解決していないけど残された時間楽しくやろうぜ・・・という沈没船のパーティーを始めるしかありません。おでんがアツアツならそれでよしです。

母の死を連絡してきたOLの正体とか今回の桜の間違い探しとかチェックしたいあなたはコチラへ→シャブリ様のOLにっぽん

で、『相棒Season7・第5回』(テレビ朝日081119PM9~)脚本・渡辺雄介、演出・近藤俊明を見た。犯人は声だけスターのDJ(清水)・・・熱狂的なファンに心中を持ちかけ・・・殺したい人間を殺そうとするが・・・殺されたのは第三者だった・・・という皮肉な事件です。

動機は「十年もつきあっているのに電話の声で別人と間違えたから・・・」もちろん・・・ベースには女プロデューサーに対する犯人のエルの世界があるわけですが・・・そこは伏せるのが相棒のお約束です。

ちなみに・・・このエピソードは「オレオレ詐欺」の本質をついているとも・・・「オレオレ詐欺」を支援しているとも言えるでしょう。

「オレオレ詐欺」の話を聞くと「オレって誰だよ・・・」とキッドはいつも思うのですが・・・それは空気が読めないからだ・・・という考え方があります。

つまり・・・「オレ」と言われても相手のことが分らない時に「誰ですか?」と聞いては失礼だと考える人がいるらしいのです。その裏には親しい人の声を聴いて認知できないと相手の親しさが減ずるのではないかという心理があるわけです。

今回のドラマは「場合によっては殺される」というのですから・・・明らかに「オレオレ詐欺犯」にとって有利な情報です。

まあ・・・キッドも昔・・・自分から電話をかけておいて・・・名乗らず・・・「私だが・・・」と言ってピンとこない相手には対人関係一覧表で評価を下げるというシステムを構築していましたので気持ちはよくわかりますけどね。

とにかく・・・「オレオレ詐欺」には「オレって誰だよ」と平気で聞ける「気配りのなさ」がもっとも有効な対策だと申し上げておきます。

人を殺すこと・・・人を騙すこと・・・どちらが話し合いで解決していることに近いのか・・・とふと考えたりもしますけどね。

関連するキッドのブログ『先週の水曜日のレビュー

金曜日に見る予定のテレビ『ギラギラ』『サラリーマン金太郎』(テレビ朝日)『流星の絆』(TBSテレビ)『メン☆ドル』(テレビ東京)『ALWAYS 続・三丁目の夕日』(日本テレビ)

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2008年11月19日 (水)

真犯人その1です(城田優)仮面がかぶれない症候群です(吉田里琴)セクシーボイス姉にパコか!(上戸彩)

コスプレしているのでジェシカ=村川絵梨は「ROOKIES」の八木塔子のイメージよりも「ニコロボ」の姉のイメージだったな。やはり・・・ジャージとか制服は七難隠すのだな。

とにかく・・・「バチスタ」が原作オチを先出しというウルトラ展開で盛り上がったのか・・・またしても火曜日のドラマ対決は順位変動である。

①「チー・バチ」↗13.2% ②「セレ貧」↘11.4% ③「オマイガ!! 」↘*6.6%(可愛い試聴率キター)

で、『セレブと貧乏太郎・第6回』(フジテレビ081118~)脚本・田中一彦、演出・北川学を見た。前回とうってかわってコネタよりもゲストによる一発展開である。

ニセ・アリスとししてジェシカ(村川)が登場。そのブランド名が「ラブ・ジェシカ」でコネタのかけらもない分りやすさだ。少しもひねらない二番煎じネーミングって・・・。

どこぞの国(アルム公国)のプリンセス・クララ(アヤカ・ウィルソン・・・パコと魔法の絵本のパコ)の社交界レビュー用ドレスの公開コンペティションである。

そして・・・一般の人気とか・・・専門家の意見とかを一切無視して・・・本人が選ぶドレスが最高というセレブな展開である。

このためにアリスが利用したのは・・・①素直になれという太郎(上地雄輔)のアドバイス ②太郎の娘の亡母の形見を仕立て直した幸子(国仲涼子)の屈折した愛情 ③そしてお姫さまはローリング・ストーンズがお好き・・・だった。

まあ・・・今時、「Satisfaction」もクソもないだろうと思うのだった。

私、ロックはダメなのストレートよなのである。

もりあがらないことおびただしい。ここはキッスだろう・・・同じだっ。

どっちにしたってここのお客には「なにそれ~」じゃん。

じゃ、クイーンの『ウイ・ウイル・ロック・ユー(We Will Rock You)』で・・・だから同じだってば。

とにかく・・・素直になって・・・昔の恋人・後藤田司(柏原崇)に寄り添うアリス(上戸)・・・。

それを見つめる太郎は複雑な気持ちに・・・。そんな太郎を思う幸子って・・・。

それにしても陽子(キムラ緑子)、静(上野なつひ)、まなみ(中山恵)のラブ・アリス・バカ・トリオ・・・来週・・・おめおめと再就職なのか。

郡司(風間杜夫)がザ・ローリング・ストーンズをかけるのは理にかなっているけどね。世代でございますからね。壇ノ浦夜枕合戦記ほどに。

田舎くさいジェシカの金髪をチェックしたいあなたはコチラへ→お気楽様のセレブと貧乏太郎

で、『オーマイ・ガール!! ・第六話』(日本テレビ081118PM10~)脚本・武田有起、演出・吉野洋を見た。今さらなのだが・・・この物語は二つの要素で出来ている・・・①小説家を夢見る雑誌記者が義理の姉の娘を預けられる子育て日記 ②実力派美少女子役スターがスター女優の隠し子であることを隠し義理の叔父に預けられる話である。

これはある意味「まぜると危険な組合せ」なのではないか・・・と思う。

もちろん・・・面白くすることはできる。そのためには叔父の耕太郎(速水もこみち)がコメディーもこなせる実力派で・・・姪の杏が天才的な演技力の美少女である必要がある。

しかし・・・後者はともかく・・・前者はなーっ・・・。

ポイントは「耕太郎が義理の姉を憎んでいる」ことへの共感なのだが・・・お茶の間の知ることができるのは「女優業に専念していて両親の葬式に帰ってこなかった」という過去だけである。それじゃあ・・・耕太郎の屈折している気持ちを・・・耕太郎は表現できないのである。

さて・・・吉田里琴(よしだりこ)は1999年生まれの9歳である。ドラマでは6歳の桜井杏を演じているのだが・・・いくら名優でもこの年齢の三歳差は大きいぞ・・・どうしても・・・学校はどうしたって思うからな。このあたりも・・・企画そのものに問題ありなのである。

たとえば・・・風間杜夫は1940年代生まれの子役スター出身である。大人になって二枚目スターになり・・・現在では執事を演じるまでになっている。

そうなる間に消え去った同世代俳優ははいてすてるほどいるのである。

女優でいえば・・・杉田かおるは1960年代生まれを代表する子役スターで・・・安達祐実は1980年代生まれを代表する子役スターと言える。

杉田かおるには「パパと呼ばないで」(1972・当時7歳)のチー坊役があり・・・天才子役と呼ばれるのだが・・・相手役は当時・絶大な人気の石立鉄男である。

安達祐実には「家なき子」(1994・当時13歳)のすず役があり・・・天才子役と呼ぶなら金をくれなのだが・・・シリアスな内容で田中好子・内藤剛志・京本政樹など名実を伴った脇役陣がガッチリとフォローをしている。

両方とも日本テレビのヒットドラマである。

しかし・・・このドラマは・・・明らかに・・・吉田里琴が・・・主演のもこみちや・・・ヒロインの加藤ローサを演技的にフォローしまくってます・・・どうしろって言うんだよ。

これは・・・日本テレビの職場シリーズと日本テレビの子役シリーズを合体して・・・もう訳のわからないものになっているとしか・・・言えないのです。

毎回・・・一度は泣けるシーンを作ることでなんとか面目をたもってきたドラマですが・・・。

今回は無軌道な母親のために・・・傷心の杏を・・・耕太郎が「お前の母親は嫌いだが・・・お前と出会わせてくれたことには感謝している」と慰めるのがそこ。

・・・無理だ・・・泣けませ~ん。

うんとね・・・もっと義理の姉(りょう)と耕太郎の・・・血がつながらないことによるすれちがいのエピソードを積み重ねないとね・・・それで・・・憎んでるけど(心の底では愛しているが耕太郎はバカなので気がつかない)という形にしておかないと・・・ダメなのです。

同時に・・・杏は・・・仕事はきっちりやるが・・・終ると抜け殻にするか・・・ガラスの仮面のようなドロドロした演出にしないと・・・実力の出しようがないのです。少し・・・おっとりとした演出に偏りましたな。ま・・・企画のダメさをよくカバーしているとも言えますけど。

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で、『チーム・バチスタの栄光・第6回』(フジテレビ)原作・海堂尊、脚本・後藤法子、演出・植田尚を見た。白鳥(仲村トオル)「犯人はお前だ・・・」でほぼ原作通りの犯人は麻酔科医の氷室(城田)・・・おいおい・・・終っちゃったよ・・・と思うと「ここからはドラマオリジナルで他にも犯人いるという展開です」と説明する氷室だった。

すると・・・大友(釈由美子)・・・嘘泣きか・・・。

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関連するキッドのブログ『先週の火曜日のレビュー

木曜日に見る予定のテレビ『七瀬ふたたび』(NHK総合)『夢をかなえるゾウ』(日本テレビ)『風のガーデン』(フジテレビ)『小児救命』(テレビ朝日)

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2008年11月18日 (火)

理由があっても暴力をふるうことは許されない世界に一人(堀北真希)

ローマに征服され・・・屈辱を感じていたユダヤの民は救世主・・・英雄を待っていた。

ユダヤの王ヘロデは征服者であるローマとの友好関係を保ちながら・・・ユダヤを支配していたのである。

彼はローマに服従しながらエルサレム神殿を改築するという現実的な政治家だったが・・・反ローマのユダヤ人にとっては憎むべき傀儡の王でもあった。

彼の死後・・・ユダヤに王は不在となり・・・ユダヤはローマの完全な属国となる。

その死の直前に・・・ユダヤの正当な後継者が現れるという予言があり・・・彼は嬰児虐殺の汚名を伝説に残す。

そして伝説の嬰児虐殺の年に生まれたナザレのイエスが・・・新たな伝説を築くことになる。

もちろん、クリスチャンでない人間にとって・・・どちらの伝説が伝説なのか・・・それとも両者が真実なのか・・・あるいは両者が共に虚構なのかは興味深いポイントにすぎない。

ヘロデ王の死後30年を経て・・・ユダヤ教の宗教改革を目指したナザレのイエスは支配者であるローマからもユダヤ教の司祭からも反逆者と見なされ・・・十字架刑に処せられた。

イエスは犯罪者として自分を磔にする十字架(杭)を背負い・・・刑場に向かう死のパレードを行う。民衆たちはこの見世物を楽しみ・・・あるものは石を投げ・・・あるものは罵声をあびせる。

やがて死刑場であるゴルゴダの丘にたどり着いたイエスは自らの運んできた十字架に釘打たれ・・・自らの重みで呼吸困難になり数時間後に息たえたのである。

その瞬間に彼がやがて神の子と讃えられ・・・世界的な宗教の一つのシンボル的存在になると・・・誰が想像しただろうか?

人間というものは実に面白いものだ。

ともかく・・・重い十字架を背負う・・・と人が例えるとき・・・それはナザレのイエスに対するある意味残虐で冒涜的な意味で魅力的な刑罰が念頭にあることをあえて記しておく。

本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「ギラギラ」↘*9.0%(今日はホステス明日は秘密警察官の芦名星だった)、「流星の絆」↘15.0%(すっかり安定しているな・・・)、「サラ金」↘11.3%(まあ・・・好きな人は好きなんだな・・・きっと)、「ブラマン」↘11.6%(好きな人は・・・もういいか)、「スクラップ・ティーチャー」↘10.7%(おや?)、「ROK」↗*8.1%(おやおや?)、「告知せず」19.6%(これかあ・・・)、「ジャッジⅡ」↗*7.1%(よく食われなかったな・・・男の友情ワク確保か)、「篤姫」↗24.3%(さあ・・・終盤戦・・・どこまであげるのか?・・・明治16年まで行くのだしな・・・猫は出ないのか・・・)、「SCANDAL」↘10.1%(おっとっ)、「犯人に告ぐ」14.7%(トヨエツにくわれたか・・・分りやすい・・・)・・・ついでに「イノセント・ラブ」(誤表記検索専用)→11.7%(→キタキタ)以上。

で、『イノセント・ラヴ・第5回』(フジテレビ081117PM9~)脚本・浅野妙子、演出・加藤裕将を見た。「おやすみなさい」って佳音(堀北)に言われた聖花(内田有紀)は微笑んだように見えた後・・・涙を流し・・・目を閉じる。そして・・・HR(心拍数)はゼロになり・・・CPA(心肺停止)状態に・・・おいおい・・・お前が死んだらダメだろうっとこんなに心配になるドラマがかってあっただろうか・・・ある意味・・・キッドにとっては次に聖花がどう動くかの緊張感が一番ポイントのドラマなのに・・・。

もちろん・・・ヒロイン・佳音の一挙一動だって充分に魅力的である。しかし・・・過酷な環境の中で必死にあがく・・・動の佳音に対し・・・ある意味・・・究極の十字架状態の静の聖花・・・この対比がなんだかうれしい今日この頃なのである。

それに一部愛好家絶賛の殉也(北川悠仁)の名セリフである「きよかぁぁぁぁ」って叫ばなくていいのかよっ。

とにかく・・・もたれることこの上なしの引きのテクニックだけは見事である。

主要登場人物の中で唯一・・・悪意丸出しの美月(香椎由宇)の妨害工作も虚しく・・・ラヴへのステップを登る佳音と殉也。

しかし・・・過去(の一部分)を取り戻し・・・兄の有罪を受け止めた佳音。そんな佳音は・・・無実の罪を負った兄という十字架から解き放たれたと同時に・・・夢のような優しさを見せる殉也に対し・・・ただ幸せを祈るだけでは済まされない気持ちになっている気配である。

それはまさしく・・・美月側へのステップを踏み出したようでもある。今回のラストシーンではある意味・・・聖花に「おやすみなさい」・・・殉也に「ありがとうございます」を言う以外の佳音の沈黙が一番スリリングなのである。罪深い憎しみを生む愛の始まりだからだ。

一方・・・今回の冒頭で殉也に触れた美月はその手を払いのけられる。

反射的な行為にも見えるのだが・・・ドラマの初回で・・・美月の入室を拒絶したのとあわせて・・・殉也の中に・・・表面的にとりつくろった笑顔の影で・・・明らかに美月への嫌悪の感情が覗くのである。

それは当然・・・美月に対する疑惑に基づいている。意識的はどうかはさておき・・・殉也は聖花の服毒(睡眠薬の過剰摂取)に美月がなんらかの関与をしているのではないかと疑っていることが予想される。

当然・・・殉也は美月の自分に対する好意以上の気持ちを理解しているわけで・・・美月が自分が関心を寄せる異性(美月にとっての同性)に敵意をむける可能性を察知しているのである。

一例をあげれば・・・佳音についての情報提供が上げられる。

「佳音には犯罪者の家族がいる・・・新聞にも載っている」と告げる美月。

新聞には・・・仮釈放中に傷害事件の容疑者となった秋山耀司(24)の記事が載っている。

彼が過去に犯した犯罪の情報も些少は記述されているかもしれないが・・・未成年時の犯行であるだけに報道内容は微妙なものになるはずである。

しかし・・・彼が佳音の兄であるという記述はまったくないであろう。

共通点は秋山という姓だけである。彼と佳音が兄妹であると断定するためには・・・未成年者の犯罪や・・・その犯罪者の家族に対する悪意やあるいは善意なき無神経な心理に基づく情報源を必要とするはずである。

当然・・・その情報源に接する美月は薄汚れた醜い心情を露呈しているのであり・・・繊細な殉也には・・・その薄気味悪さが確実に伝わっているのである。

そして・・・美月は愚かにも・・・そのことに気がついていないのである。

だから・・・邪険に手を振り払う殉也には美月を心から嫌悪しており、美月の接触を拒絶したい心理が存在するのである。

しかし・・・自分の愛を疑わない美月にはそのことが理解できない。

自分の汚れた心を隠すよりも・・・その汚れた心が望む恋敵を駆逐することを優先するのである。そして・・・殉也の心はますます美月から遠ざかるのである。

一方・・・何らかの苦しい出来事から逃れるために・・・自らの記憶を封印した佳音。

そして、明らかにその記憶を十字架として背負うために・・・あらゆる罪を厭わない兄。

前回のナレーションで「あなたが私を守るために戦っていることを私は知らなかった」と佳音が語ったので・・・そのことはやがて明らかになるわけだが・・・多くの人々が思い描く・・・父親(平田満)の性的虐待がその秘密だとすると・・・ドラマ的にはすでにかなり物足りなく感じる・・・嫌な世界なのである。

しかし・・・実際には・・・そういう体験が・・・ものすごく嫌であることも事実なのだな。

この辺の兼ね合いが・・・エンターティメントの難しさなのだな。

ま・・・どうしてもそれでやりたければそれで・・・いいのですけど。

そういう意味で・・・物議をかもしそうなヒヤリとするセリフが・・・再犯を犯したらしい兄の弁護を頼むために・・・佳音が弁護士に言う「理由もないのに兄が暴力をふるうはずはない」である。

もちろん・・・どんな犯罪にも情状酌量が存在するのだが・・・たとえば交通事故で人を殺してもほとんどの場合は殺人事件にはならないという暗黙の了解があるわけである。

しかし・・・逆に言えば・・・業務用過失致死よりも・・・故意の暴力による軽傷の方が裁判官の心証を害することがあるわけである。

それは・・・いかなる暴力も許さないというこの世界のある意味・・・偏重が存在するためである。

だが・・・それはとある社会の社会的な規範に過ぎない。

実際には暴力をふるう理由は存在する。

しかし・・・どうやら・・・世界は鍵のあいているドアを開けて何かを確かめようとする人間の行動をすべて否定する傾向にあるようなのだな。

もちろん・・・キッドは自分の家に他人がそういう行為をした場合に備えて玄関には高圧電流を張り巡らせているのだが・・・必要とあれば他人の家のその類の警備システムを無力化する能力も行使する。

この論理は非常に身勝手で・・・自分は浮気しているくせに相手が浮気するのは許せないと言うのと同じだが・・・悪魔なので仕方ないのである。

まあ・・・どちらにしてもアイドル女優にやらせるにはギリギリの脚本だと思うが・・・演技力には定評がある女優だけに・・・淡々とこなすのである。

ギリギリと言えばおそらくかなり狙った説明不足もギリギリである。

たとえば・・・佳音の通った山本(圭)心療内科について。

まず・・・佳音についての隠された事実を隠滅するために兄・耀司(福士誠治)はまたしても家宅不法侵入である。その手口が秘密だ。もちろん・・・模倣犯対策であるが・・・そんなことに気を使うと・・・家宅不法侵入自体がいけなくなるのである。

耀司は両親の死体を損壊するために放火したように佳音のカルテを発見して燃やす。ここで場面は佳音のガス・レンジの炎に転換するという凝った演出をする余裕があるのに明かに残されていると思われる記録映像には触れないのである。

山本医師はその後・・・ハンマー打撃をものともしない石頭の記者・池田(豊原功補)から取材を受ける。その場合の答えは「患者についての質問にはお答えできない」が正しい。ところが記者は「秋山佳音のカルテが紛失している」ことを聞き出すのである。医師の守秘義務うんぬんよりも・・・山本医師のどこかモラルの欠如した人格が窺われるわけだが・・・当然・・・ここには「カルテの紛失」による疑念につけこまれた演出も可能なのである。

つづいて・・・患者本人が同意したという経過で佳音に対する催眠療法が行われる。

すでに・・・「眠れる森」などでなんとなくわかってますよね・・・的にその医療行為としての説明はほとんど排除される。そして・・・「時間がかかる」と説明しながら・・・山本医師の態度は医師であるよりも記者専属スタッフのようである。当然・・・すべては佳音と池田の「とりひき」によって・・・治療行為への第三者の立会いなどを医師が認めたという経過があるわけだが・・・それを割愛するために山本医師がこれまた怪しく見えてくるのである。

さて・・・眠れる森といえば眠りにつきやすい森と森そのものが眠っている場合があるわけだが眠れる森の美女の場合は美女が眠っているのである。

このドラマにはあからさまな寝たきり美女がいるわけだが・・・佳音もまた一部の記憶が眠っている美女である。

しかし・・・このドラマで提出されるメルヘンは「眠れる森の美女」ではなくて「白雪姫」なのである。

その関係者は衣装合わせに余念がない・・・殉也と美月だ。

この作者は同性愛に対する傾斜が激しい・・・たとえば今回は昴(成宮寛貴)はズバリ・・・イノセントなホモセクシュアルなゲイの男色家である。それを念頭に置くと・・・物語の配置は・・・白雪姫Aが聖花。継母で魔女が美月である。すると・・・殉也は・・・王子ではなくて・・・七人の小人ということになる。では王子はだれか・・・佳音なのである。

だから・・・佳音の接近は・・・聖花の覚醒を促すのだ。

もちろん・・・目覚めた聖花と性的虐待による男性恐怖症である佳音がイノセント・ラヴに堕ちる・・・というのが作者はおそらく書きたいのだが・・・その欲望を抑えてストーリーを展開していくのである。そのひねりぶりが・・・「ラスフレ」よりもさらに難解であることは言うまでもないだろう。

そのために・・・佳音は白雪姫Bとなる。記憶を目覚めさせようとする池田が王子である以上・・・殉也も耀司も山本医師も・・・白雪姫をそっとしておく・・・七人の小人にすぎない。ついに挫折してドクターヘリを降り工場で働く卓夫(浅利陽介)もピアノバーのマスター(矢島健一)も佳音には妙に優しい昴も・・・あと一人ならその元恋人のユキオ(中村倫也)もである。

佳音と聖花の同性愛という正解を伏せたままで終ると思われるこのドラマはおそらく核心をつかないラストを迎えることが充分に予想できるのだ。

佳音のアパートの大家(兎本有紀)は佳音を追い出しにかかるのだが・・・あの線路沿いでしかも・・・踏み切り横のアパートはものすごい入居者不足に悩んでいるだろうはずだが・・・その点が不問にされていることは言うまでもない・・・ささいなことだからな。

守護者を妨げる踏み切りのランプ・・・毒なしのリンゴを食べる入院中の池田の病院前の救急車のランプ・・・自制心が育たないためにいつまでも妹を守りきれない兄が向かう警察のランプ。それらは聖夜を彩る明滅するイルミネーションである。

二人の白雪姫は同性愛という子供を生まない関係に向けて交わらない道を進んでいくのである。待ち遠しいのは処女懐妊なのである。

ナザレのイエスの誕生を祝う聖なる夜に向かって進行するこのドラマ・・・。

できれば・・・悪魔の心が洗われるようなイノセント・ラヴだといいな・・・と今日もお茶の間の幸せのために祈るのだった。

さてさて・・・テンメイ様は・・・乙女の終焉・・・そして合法的な侵入でまとめてきました。合法的な侵入は侵入じゃないか・・・。赤い薔薇は散ったのです・・・。まあ・・・犬にかまれたと思ってあきらめる傷の話でございますね。それもまたハッピーエンドへの道程でございますので。

関連するキッドのブログ『第4話のレビュー

水曜日に見る予定のテレビ『OLにっぽん』(日本テレビ)『相棒』(テレビ朝日)

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2008年11月17日 (月)

死なせはせんぞ・・・生きるのじゃ!(宮崎あおい)篤姫的お手紙の書き方(堀北真希)

たとえば歴史観によってそれぞれに正しい歴史がある。歴史はフィクションに過ぎないからだ。勝者によって敗者の歴史が改竄されるのは当然のことだし、勝者にとって都合の悪いことがかよわい歴史家によって封印されることも日常茶飯事である。

一寸先の闇の中で中華帝国および北朝鮮臣下国が日本列島を支配するような事態になれば「拉致事件はなかった」ことになったりするのだって充分にありえるのである。

実際に東西冷戦下においては「拉致事件はなかった」ことにされていたのがその証拠である。

そういう歴史観認識に立てば「篤姫」は充分に正史の流れに正しく寄り添ったドラマと言える。

とにかく・・・神様、仏様、天璋院様なのである。宰相の孤独に涙しないものは責任感という言葉を知らない幸福な人々なのである。

で、『篤姫・第46回』(NHK総合081116PM8~)原作・宮尾登美子、脚本・田渕久美子、演出・岡田健を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回はついに幕末の役割を終えた悲運の将軍・徳川慶喜新作イラスト書き下ろしにくわえて謹慎するぞんざいロボ・ヴァージョン大公開です。元の黙阿弥15号の姿に爆涙です。筒井順昭は爆笑です。徳川家は一家御三卿も御三家も皆兄弟の篤姫節をたっぷりと堪能したい方はぜひご照覧ください。和宮が嘆願書を書いた理由も行間から読み取れます。もちろん薩摩藩にはハイヤーとかタクシーとか駕籠とか輿とかないのかよとお嘆きの方にも一読をお勧めします。そして・・・江戸城無血開城に向けての伏線の検証など先読みもバッチリです。毎度ご苦労様です。今年も秒読み体勢でございますね。

Atuhime18682 で、いよいよ慶応四年の開幕である。正史的には譜代大名軍と親藩・外様連合軍の権力争奪戦の最終段階と言えるだろう。もちろん・・・西軍(新政府軍)には背後にイギリスが東軍(旧幕府軍)にはフランスがついている。アメリカとロシアは様子見の構えだが・・・西洋の後進国ドイツは先読みをしてすでに東北地方に触手を伸ばしている。新旧どちらのリーダーたちも外に虎狼の諸外国、内に民衆の暴動をにらみつつ・・・敵対するのでその謀略戦の複雑さは頂点に達しつつあるのだった。だから・・・維新後・・・こんなはずではなかった人々が大量発生するのだが・・・それが歴史というものなのだ。

大奥くのいち卍の陣、新徴組忍び、くぐり衆西郷党の連合により、江戸城二の丸を追われたドラキュラ・ナポレオンの眷属たちは江戸市中に逃げ散った。その追跡を開始した新徴組・沖田林太郎(実は新・服部半蔵)は敵が庄内藩邸に向かっているのに気がついた。

(よもや・・・)と沖田の心中に不安が生じた時・・・敗走していた敵の一軍が動きを止めた。

闇の中で反撃の態勢を整えているようだ。

夜明けまではまだ間があった。

沖田は符牒で配下の忍びの者たちを停止させた。しかし・・・間に合わず敵の包囲の網に飛び込んだ者は抜刀して叫びをあげる。その者に無数の蝙蝠が襲い掛かった。何匹かは切り落とすがたちまち蝙蝠に取り付かれると喉笛を噛み切られ動きを止める。風下にいる沖田に血の匂いが届く。蝙蝠たちは次の獲物を求めて飛翔する。

「引け・・・」と思わず声に出した沖田の前に翼を広げた怪人が現れた。

「・・・幕府の犬め・・・拙者が相手してくれるわ・・・」

「うぬ・・・奥義・鹿の骨」

沖田の秘剣が怪人に殺到した瞬間、怪人の剣がまったく同じ構えで沖田の胴体をなぎ払っていた。刹那、体を宙に飛ばせた沖田はそのまま長屋の屋根に跳びうつる。

「・・・天然理心流・・・」

「ふふふ・・・拙者は・・・増田蔵六よ・・・御主とは同門だわ・・・もっとも・・・本当の名は・・・風魔小太郎だかな・・・ふふふ・・・因縁の当代同志決着をつけようぞ・・・この西洋の血を受けた魔神の剣・・・存分に味わうがよい」

沖田は周囲に巻き起こる血風の中・・・次々に配下のものが倒される気配を感じていた。

ロンドンの狼男・ボンドが支配する勤皇浪士糾屯(きゅうとん)隊は江戸薩摩藩邸に続々と集合していた。西洋狼の血で強化された彼らは士農工商のワクを越えた勤皇の志士たちの成れの果てである。半人半獣と化した彼らは肉食である。周囲には獣の匂いが立ち込めている。夜に強いのはヴゥンパイヤ一族と同じだが・・・彼らは昼間にも活動できるのが強みである。しかし・・・満月の夜には理性を失い暴走するのが弱点だった。

そのため、甲府城のヴァンパイヤ勢力を駆逐に向かった上田修理隊は八王子の女郎屋で酒池肉林状態になり、八王子土着の犬神部隊に鎮圧されたりしている。

そして・・・慶応三年の暮れ・・・江戸薩摩藩邸はウルフマンとヴァンパイヤの一大決戦が行われた。月が細り・・・狼男の活力が失われたところをすでに風魔一族の支配下となった庄内藩ヴァンパイヤ部隊に襲撃されたのである。

江戸城・本丸の火の見の間から市中を見下ろしていた篤姫の目に三田薩摩藩邸の炎上が見える。

静寛院宮が炎を見つめながらつぶやいた。

「救援に向かわないでよろしいのですか・・・」

「・・・どちらも西洋の血を引いた魔族たちの勢力争い・・・手出しは無用のことじゃ・・・」

「しかし・・・薩摩はご実家であらっしゃいます・・・」

「もはや・・・血縁など・・・虚しいことなのです・・・今は・・・いつなりとも油断ができませぬ・・・江戸城をくのいち衆と犬神部隊で守るのが精一杯・・・卍の陣を崩せば・・・コウモリや狼の餌食になる恐れがあります・・・」

「上方は・・・大丈夫でごじゃりましょうか・・・」

「西郷も京に戻り・・・大阪には幾島がおりますれば・・・あの者たちを信じるほかはありませぬ・・・」

その時・・・山岡鉄舟(新々・半蔵)が忍び入った。

「どうした・・・」振り返らずに篤姫が直答を許す。

「江戸湾の軍艦三隻が・・・ヴァンパイヤ勢力に襲撃されました。蒸気船・回天は勝総督が守りましたが・・・開陽と朝陽そして蟠龍は魔人化した榎本釜次郎提督に強奪された模様です」

「勝・・・だらしのない」

東海海上では西郷党残留部隊を乗せて西に向かう薩摩軍艦・翔鳳丸を吸血軍艦と化した開陽・朝陽・蟠龍が追撃していた。その後方を犬神海軍の回天が追尾している。

回天船上の勝は叫んだ。「左舷。弾幕薄いぞ!」

砲力では全く劣る薩摩軍艦・翔鳳丸は逃げの一手である。

艦長の東郷が叫んだ。「くぐり衆は桜島式煙幕をはれ・・・夜明けは近いぞ」

速力に勝る翔鳳丸を射程外に逃した吸血艦隊は矛先を後方の回転に替える。しかし・・・その動きを察知していた勝はすでに転舵していた。

回天は進路を東に向けている。「全力前進・・・黎明を目指すのだ」勝は命じた。「夜があければこっちのもんだ」

回天の姑息な動きに開陽の榎本は牙をむき出すと、再び転進し・・・進路を西にむけて巡航速度で翔鳳丸追跡を再開する。三つ巴の海戦は年越しで続いた。

大阪城ではヴァンパイアの首領・ロシェが歯軋りしていた。本国からは情報を求める伝書蝙蝠がひっきりなしに届く。フランス・ドラキュラ・ナポレオン皇帝はすでに幕府に膨大な投資を行っている。このまま、幕府が消滅したら貸し倒れなのである。

しかし・・・虎の子の徳川慶喜は浄化されてしまい・・・イギリス諜報部の策略に乗った新政府勢力の後手後手を踏んでいる。慶喜ほどの器は配下になく・・・慶喜奪還を試みても大阪城本丸は雌猿どもの部隊に守られ手が出せないのだ。

白痴化した慶喜のひきこもる大阪城本丸は幾島率いるくぐり衆くのいちと小猿の藤原くのいち衆、そしてお琴の明智流くのいちによって鉄壁に守護されていた。

ドラキュラ一族は基本的に超人特有の短気さを持っている。我慢ならないロシェは大阪城に集結した手持ちの傀儡たちにより勝負に打って出ることを決断した。

大多喜藩主・大河内豊前守に京都襲撃を命じたのである。狙いは天皇家とイギリス勢力の分断である。兵力においてはまだ優越しているという過信がロシェの傲慢な心を支配していた。吸血鬼としての血は薄いが・・・手元には軍師・竹中半兵衛の血を引く竹中丹後守、伝説の忍者・滝川一益の一族である滝川播磨守など有能そうに見える奴隷がいる。伏見には手懐けた土着の吸血鬼集団・新撰組もいる。江戸からは海軍も到着している。何よりも好戦的なドラキュラの血が騒ぐのである。

「シュツジンじゃ」・・・ロシェは号令した。ロシェの愛人となっている大河内家の桃姫はその命令を義兄・大河内豊前守に伝えた。

旧幕・吸血軍は京都に向けて進発した。大阪から京都に向けては京都盆地の出口を扼する山崎城・橋本砦を抜け南の拠点淀城を通過する。淀に集結した吸血部隊はここに大河内の本陣を置き、伏見奉行所の新撰組と合流するために竹中軍と桂川流域から鳥羽街道を進軍する滝川軍の二手を京都御所に向けて進出させる。

一方、すでに山城国全域を支配下に置く公家・武家連合軍はその動きを察知していた。

イギリスの諜報部隊が電信による情報を東福寺の参謀本部に伝えてくる。御所では岩倉具視が老獪に天皇家の意向を伏せていたが前線の薩摩・長州・土佐の諸部隊には情報が筒抜けだった。

長州軍は田中顕義の指揮する隠密奇兵隊が野戦となる鳥羽方面に野津鎮雄の薩摩軍第一砲兵隊が出陣・・・そして攻城戦となる伏見方面には品川弥二郎の長州科学忍者隊と中村半次郎の薩摩第二砲兵隊が出撃する。

西郷「おいどんも出もす・・・」

大久保「西郷どんは・・・控えておってほしいのでごわす・・・」

大久保は伏見方面の出火を畏れていた。

田園地帯を進軍していた滝川軍は鳥羽小枝橋付近で待ち伏せていた薩長連合軍に左右から挟撃される。世に言う鳥羽伏見の合戦は・・・長州の開発した河川型砲艦の桂川からの一斉砲撃で幕をあけた。滝川軍の前方に展開した吸血砲隊は狙い撃たれて一瞬で壊滅する。さらに進軍のために縦列となっていた吸血縦隊は横陣展開に手間取る間に銃撃戦になれた隠密奇兵隊の猛射を浴びたのである。変身能力のある一部の吸血鬼は空に逃れたがそこをまた奇兵隊が狙い撃つのである。吸血軍はいつしか敗走を始めていた。

一方・・・伏見奉行所に集結した竹中吸血軍は軍師の下・・・新撰組との共同作戦で鉄壁の守備体勢を整えていた。しかし・・・すでに動きを読んだ薩長連合軍は正面にあたる北側に土佐の陸援隊と長州の科学忍者隊の砲兵を・・・そして東側の山頂に薩摩軍新型重砲を展開させていたのである。

鳥羽方面の砲撃を合図に・・・北からは土佐長州連合軍が・・・東からは薩摩軍が・・・伏見篭城部隊に十字砲火を浴びせたのだった。

竹中軍師の指揮の下・・・必死に応戦する東洋西洋吸血連合軍だったが・・・山側からの正確な砲撃に守備砲を潰され・・・肉薄する銃撃隊に犠牲者を増やしていった。新撰組ファンが号泣の壊滅ぶりである。

大久保のせっかくの心配りを台無しにする陸援隊秘蔵の火炎放射器部隊が進出すると伏見市街地はたちまち猛火に包まれた。比叡おろしに追われた吸血軍は火災に包まれて南へと壊走したのである。

滝川部隊は鳥羽・富の森に応急陣地を作り、初期の敗走から立ち直った。しかし・・・富の森は三方を川に囲まれた守備に有利な地であったが・・・鳥羽に続いて伏見でも勝利を収めた新政府軍に・・・御所がついに朝廷軍としての承認を行い、仁和寺宮を新将軍に任命すると予備兵力がすべて富に投入された。次々に増強される火力に兵力比は逆転し・・・吸血軍は再び敗走した。

鳥羽、伏見両方面で敗北を喫した吸血軍は淀城まで撤退したが・・・淀城はすでに天皇の忍びにより・・・城代・田辺右京以下淀藩軍が新政府軍に寝返っていた。前後からの攻撃に合流した吸血軍はさらに西南へ敗走する。

橋本にたどりついた吸血軍はここで夜を待ち反抗に転ずるべく陣営を立て直していた。しかし・・・対岸の藤堂采女もまた政府軍に寝返っていた。隠密奇兵隊によって奪われた吸血軍の虎の子砲が橋本の吸血軍に猛射を始めたのである。

傷だらけの三羽の蝙蝠・・・大河内豊前守・滝川播磨守・竹中丹後守は夕闇にまぎれて大阪に向けて逃亡した。

こうして・・・鳥羽・伏見の合戦は新政府軍の圧倒的勝利に終ったのである。

関連するキッドのブログ『第45話のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『オーマイ・ガール!! 』(日本テレビ)『セレブと貧乏太郎』『チーム・バチスタの栄光』(フジテレビ)

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2008年11月16日 (日)

洗脳と教育の狭間なんです。(加藤あい)信頼と疑惑の狭間なんだ。(三浦春馬)39.6℃かよ!(吉高由里子)

劇中番組「タイツでポン」に幼稚園児コスプレで挑む朝子(鈴木杏)・・・デビュー曲は「Tバック刑事」であるが単にミニスカポリスだった。このドラマのプロデューサーは美人なのだが・・・お嬢様なのでお目こぼしに限度があるのだろう。まあ・・・tea packオチでなくてよかったな。

とにかく・・・朝子は脚線美には自信があるらしい。

キッドの中には美の基準が二つある。一つは相対的な美というものへの懐疑。一つは絶対的な美への憧憬である。

相対的な美というものは美に対する粉飾行為である。あるいは「美」そのものの価値を貶める陰謀と言ってもいい。美しさの基準は人それぞれだ・・・ということは・・・ある人にとっては美しいものがある人にとっては美しくないということである。そのあるものが「美」である必要はどこにもない。

もちろん・・・「美」などというものは存在しないという絶望もあるわけである。しかし・・・キッドは誰にとっても「美しいもの」がどこかに必ずあるという・・・甘美な夢こそが・・・「美」の存在意義なのだと信じている。

そういう意味で・・・イケメン(美しい男)と美少女(美しい女)の美しい愛のカタチを求めることこそが美しいドラマなのである。

しかし・・・美しいものが手に入らないとあきらめ、ひがみ、そねみ、ねたみ、うろたえる人々はつい・・・「男(女)はつらいよ」のあやしい逆説や・・・吉永小百合とジャガイモの結婚などに活路を求めるのだった。

「OLにっぽん」では観月ありさ(美女)に阿部サダヲ(チビ)である。阿部に関しては・・・これまでにもドラマ「ぼくの魔法使い」で井川遥の彼氏だったり・・・映画「舞妓Haaaan!!!」で柴咲コウを袖にしたりと非イケメンの願望充足の役柄をこなし、ある意味育ってきたと言える。

「トンスラ」では吉高由里子(美女)に温水洋一(ハゲ)である。吉高は「太陽と海の教室」で濱田岳(チビ)、「あしたの、喜多善男」で小日向文世(チビ)・・・非イケメンとしか恋愛を許されない星の下にいるようだ。

「チーム・バチスタの栄光」は恋愛モードではないが・・・主役に伊藤淳史(チビ)、ヒロインに釈由美子(美女)である。伊藤淳史といえば「電車男」であり・・・エルメス・伊東美咲(美女)の陥落させる非イケメンの代名詞だ。その後も「わたしたちの教科書」で真木よう子(美女)と結婚したりしているのである。

そして・・・「スクラップ・ティーチャー」は加藤あい(美女)が八嶋智人(チビ)の愛人である。

こうなると「流星の絆」の戸田恵梨香(美女)と要潤(イケメン)のカップルがいかにも希少価値なのである。

そこで・・・「Room Of King」である。このドラマは水嶋ヒロ(イケメン)と鈴木杏(元・美少女)なので微妙なのだな・・・。よく・・・写真映りが悪いという話を聞くが・・・それは角度によって美醜の落差が激しいということなのである。「流星の絆」では戸田恵梨香が「照明の加減で美がそこなわれることがある」と言い・・・「ほら」と自分の顔にスポットライトを照射するのだが・・・やはり美しいので要潤がハートを射抜かれるのである。このように美とは環境に左右されないゆるぎないものなのだ。しかし・・・部分的に美しいものというものはあるわけで・・・その重責はカメラマンにかかるのである。選んでます・・・選んでます・・・「ROK」のカメラマンは細心の注意を払っている・・・かっての鈴木杏の美少女ぶりの面影を求めて・・・。スタイリストもがんばります・・・とにかく・・・脚はモデルの脚なのです・・・ショートパンツやミニスカートで・・・美しい部分を強調するのです。しかし・・・美とはバランスですから・・・上半身と下半身をなるべくあわせてみせないようにって・・・それじゃ全身ショットが撮れないじゃん・・・横顔はいいけど正面はやめて!・・・輪郭を越えるクローズアップはOKよ・・・眼はまだまだ美少女だから~・・・疲れるわ。

まあ・・・とにかく・・・宮崎あおいと瑛太とか・・・堀北真希と松田翔太とか・・・美少女とイケメンのカップルが成立するのが時代劇だけとか・・・そんな美しさに背を向けたドラマはいつか滅びる予感がします。

じゃあ・・・聞くが・・・お前は・・・朝子のTバック姿にまったく興味がなかったわけだな・・・・・・・ありまおんせん。

で、『ブラッディ・マンデイ・第6話』(TBSテレビ081115PM0756~)原作・龍門諒、脚本・渡辺雄介、演出・波多野貴文を見た。殺人ウイルスによって民間人の安田由紀子(江口のりこ)に続いて特殊機関・サードアイの部員・中川沙織(原田佳奈・・・「童顔刑事シバトラ」では警察官さくら(真矢みき)の妹・ゆりの役で・・・ドラマの開始前に殺害されており回想シーンのみである)が第二の犠牲者となる。殉職扱いになるのかどうか微妙である。

秘密警察というのはそのあたりが辛いのである。

かって秘密警察と言えば・・・民主主義の敵の一つであった。社会主義国=全体主義の図式では・・・東側国家は独裁国家であり・・・反乱を抑えるために秘密警察はつきものだったのである。しかし・・・イラク戦争での不祥事で明らかになったように・・・民主主義国家にだって取調べに秘密警察のように拷問しちゃったりする組織はあるわけであり・・・そういう組織がなければ・・・なんでもありの攻撃をしてくる敵には対処できないのである。

しつこいようだが・・・隣国に不法上陸して中学生を誘拐してしまう国家も現実に存在するのである。

そんな国家に民主主義のルールなど通用しない。

現に不審船を武力で撃沈してからは北朝鮮の暴虐は沈静化したのである。

しつこいようだが・・・この時・・・中国政府が撃沈した船の引き上げに難色を示したことを忘れてはいけない。

拉致被害には北朝鮮-中国の闇の関係があるのは暗黙の了解事項なのである。

しかし・・・国家と国家の関係はそうした非協力関係だけでなく・・・協力関係もある。ここがバランスなのである。一見・・・平穏に見えるこの感覚は・・・拉致被害者の関係者にとってはドライで冷酷にもなる。

国民全体の利益か・・・一部の国民の不利益か・・・選択を迫られる指導者は・・・常に苦い空気を吸っている。

秘密警察の存在もそういう側面がある。

たとえば・・・国家間の戦争は人気競争でもある。人気のない国家からは国民が逃げ出すからだ。国民は国家の活力であるから・・・逃げ出されては困るのである。そのために・・・相手の国家の人気を貶めるのは常套手段である。

テロはその手段の一つと考えることができる。

地下鉄に乗ると毒ガスがまかれる・・・ギョーザを食べると毒入りだ・・・旅客機に乗るとビルに突っ込む・・・そんな社会では人々は安心して暮らせないので・・・政府に圧力がかかるということである。

そういう外国からの攻撃と・・・本当に内政に不満があってビルを爆破するのと・・・ちょっと頭がおかしいので秋葉原で連続殺人するのとの境界線は非常に曖昧だ。

しかし・・・その曖昧さをそのままに対処すると・・・とんでもないことになることがある。

つまり・・・単独犯罪と組織的犯罪さらには国家による犯罪では対処の仕方が違うからである。

その任務にあたるのが秘密警察なのである。もちろん・・・超法規的組織である。なぜなら世界には超法規でなければ解決できない問題があるからだ。

けれど・・・世界にはそういう問題などないと考える人々もいて・・・そういう人間にとって秘密警察こそが悪なのである。

もちろん・・・単におめでたい人もいるし・・・敵の秘密組織に踊らされている人もいるし・・・敵そのものの謀略行為であることもあるわけで・・・秘密警察が秘密であることはもうそりゃ大変なのだった。

テロの目的が社会不安を煽ることなら・・・テロがあるかもしれないということが社会不安になり・・・そういうテロを阻止しようとする組織があることが社会不安になるのである。

だから・・・秘密警察そのものが社会不安なのである。

そのために・・・国民を守るために・・・テロに倒れた秘密警察要員が・・・殉職あつかいされない・・・ということはありえる。だって秘密なんだからっ。

・・・そういうドラマなのだが・・・まあ・・・そういう気配はあまり感じられません。

そもそも・・・テロという戦争行為と・・・人質とって金銭を要求する犯罪行為との境界線すら曖昧なのである。曖昧という言い方は優しいな・・・要するにグダグダなのである。

父が息子を撃てるか?

撃つ場合もありますよ。しかし・・・それを試してみるのが愛ってものじゃありませんか?

さて・・・そういう戦争行為の最中・・・戦争という具体的な事象ではなくてそれが悪だとしか教育されない国の国民は非常に無防備であることは間違いない。

そのお守をする秘密警察はベビーシッターであることを求められるのだった。

一方・・・少年マンガであることから・・・極めて大人の秘密警察の世界に紛れ込む高校生・藤丸(三浦)・・・これは超人である必要があるのだが・・・その発想の飛躍が・・・またグダグダである。

たとえば・・・フィギュアスケートの浅田真央を見れば・・・超人というものが年齢を超えて存在することが分る。しかし・・・それは体育会系の話で・・・知的超人は・・・年齢制限があって欲しいと一般人は願望するのである。

確かに・・・経験の浅さが・・・能力の限界を形勢する場合はある。

しかし・・・経験が足枷となり能力を限定することもあるのである。

政治家だろうが・・・作家だろうが・・・軍人だろうが・・・年齢を超越して・・・抜群に優秀であることは可能なのである。

そして・・・それが・・・敵(テロリスト)側にもいて・・・国家の安全を死守する秘密警察側にもいるそれでこそ・・・対テロ戦争物語は盛り上がる・・・とキッドは今週も思いました。

で、『スクラップ・ティーチャー・第6回』(日本テレビ081115PM9~)脚本・佐藤久美子(他)、演出・佐久間紀佳を見た。さて・・・実はスーパー高校生の次はスーパー中学生(山田涼介・他)ということで「ブラマン」と「スクテイ」はつながっています。

片や国家を脅迫するテロ組織と対決、片やダメ教師をチクチクといじめるだけと・・・その敵対者がかなり違うのですが・・・罪も恥もない国民や罪も学もない中学生を死守するという点ではハッカーな高校生・藤丸もドイツ語に堪能な中学生たちも超人生徒に変わりはありません。

朝の仮面ライダーなら・・・なぜ・・・超人なのかの説明ぐらいはするのですが・・・その点についてスルーする点も同様です。

つまり・・・彼らは生まれつき・・・優秀ということです。

そういう意味では「七瀬ふたたび」ともコンセプト一緒です。

キッドはスーパー中学生はショッカーに改造され、パンドラ流星群に知能促進され、菩提樹の下で冥想後、悟りを開いた大日如来の化身と妄想しています。

・・・でないと優秀すぎるだろうが。

さて・・・今回のお題は・・・生徒会会長選挙。ヒロイン・ゲストは金沢(指出瑞貴・・・妹系水着モデルの出身・・・ある意味最前線です)である。親から内申書のために出馬を強制され、親が教師(仲本工事)に選挙工作をさせるという汚濁に悩み傷つくという設定です。

今回の見せ場は杉虎之助(上地雄輔)が家出して山奥に逃げた金沢を捜索するというもの。もちろん・・・杉は遭難して・・・高杉(山田)が救助します。

そして・・・山奥からの立候補演説中継です。

もちろん・・・ハケン教師(加藤あい)がフォローしまくるのです。もはや・・・美人女優は・・・チビやバカをお手伝いすることでしか・・・活路を見出せないのかっ。・・・淋しすぎるっ。

このドラマ・・・ドタバタ・コメディーとしては面白い部分もあるのですが・・・正論の絡ませ方が微妙なのです。それはスーパー中学生の謎を伏せたままであるからだとキッドは考えます。・・・ま・・・いいけどね。

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「トンスラ」では吉高由里子が風邪で発熱・・・幻覚を見まくります・・・皆様も季節の変わり目ご自愛ください。ドラムソロをしても症状は改善されないのでご注意くださりますように。

月曜日に見る予定のテレビ『イノセント・ラヴ』(フジテレビ)

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2008年11月15日 (土)

殺すのリフレインは危険!(戸田恵梨香)手を握る講座(錦戸亮)流星の絆的無闇(二宮和也)

無闇に人を疑うなとか・・・無闇に人を信じるなとか・・・どっちなんだよっ・・・と小学生の頃に思ったことを思い出す。

無闇か・・・久しぶりに聞いた言葉だなぁ。

闇がないから明白なのだな・・・。

無闇に美味しい醤油だから「無闇」なのか・・・。

流れ星がキレイなのは闇があるからだけどな・・・昼下がりの流星は誰にも見えないからな・・・サンコンさんは見えるのか・・・。

で、『流星の絆・第5回』(TBSテレビ081114PM10~)原作・東野圭吾、脚本・宮藤官九郎、演出・金子文紀を見た。ザ・テレビジョンは石井康晴になっている。最近・・・だれかがぶったるんでいるのではないかと無闇に思うのだった。まあ・・・二次的な情報源に頼るのがいけないんですけどね。

両親を殺害した男の顔に・・・14年の年月を越えて再会した次男・泰輔(錦戸亮)・・・一つだけ言えることは似顔絵・・・似てないじゃん・・・ということだった。

長男・功一(二宮)は泰輔の記憶力と似顔絵とどちらを信じていいのか分らなくなる。

一方・・・戸神ダメナリ(要潤)の試食会でハヤシライスを食べた静奈(戸田)はお父さんのハヤシライスの味にそっくりなので思わず涙を流す。そこでダメナリの父親・・・政行(柄本明)を紹介される。・・・それは「あの男」だった。

亀山「つながりましたね・・・右京さん」

右京「いえ・・・まだ・・・わかりませんよ・・・似ている男が似ている味を作った・・・ただの偶然かもしれませんからね・・・」

亀山「・・・いつもはそのぐらい偶然が重なったら・・・もう犯人あつかいなのに・・・」

・・・誰が特命係に推理させろと言った。・・・視聴率がいいのでつい・・・。

功一は慎重だった。14年間・・・ガセネタを掴まされ続けてきたので・・・疑り深いのだった。

右京「・・・その方が不自然ですねえ・・・なぜ・・・ガセネタばかりが続くのでしょう」

亀山「担当刑事の腕が悪いからじゃないんですか?」

右京「・・・あるいはあえてガセネタぱかりをつかんでいる・・・警察内部に問題があるのかもしれませんよ」

亀山「・・・またそっちですか・・・」

パンダ「ひまか~・・・またよけいなことをしてるんじゃないだろうな」

・・・だからいい加減にしておきなさい・・・だって柏原(三浦友和)は怪しいんだもん。嫁は山口百恵だし・・・まだ恨んでいるのか。

まあ・・・辻希美のできちゃった結婚でお馴染みのカナダからの手紙を待つホスト(杉浦太陽)が集める怨念よりはマシか・・・。

そういえば・・・現実と虚構を混ぜると「ギラギラ」そのものだよな。

それよりもウルトラマンコスモスと仮面ライダーG3を手玉にとっている静奈・・・恐ろしい娘だ。

あれ・・・なんていってるの「ゲイヨ?」・・・バカナリが携帯電話開くときか・・・アギトで使われた装着変身の時の効果音の口真似だろ・・・gate openっぽい。四国出身だけに芸予かと思ったよ・・・大地震かっ。要、香川県(讃岐の国)出身だし。

ドラマに戻らんかーっ。

疑問点を検証するための調査に入った流星のロックマンのアクセルじゃなくて功一。ヒマになった泰輔と静奈は妄想係長高山(桐谷健太)からさらに50万円をふんだくるのだった。この時、妄想係長は南田志穂(実は静奈)との待ち合わせの喫茶店に早く着きすぎたため、静奈を高圧的態度で呼び出す。静奈はピンクのジャージで登場するのだが・・・どSの高山に奴隷のように扱われ・・・内心プリプリだがお尻もプリプリで一部愛好家は全国で昇天しまくったのである。

そして・・・南田に変装した静奈は留学のためにドル建て債券を解約すると言い出し・・・恋に目が眩んだ高山は「解約しません・・・解約したら~・・・僕たちの関係は債券につながれた~絆だから~」・・・せつない・・・せつないぞ・・・高山。

そして・・・静奈というか・・・一日早い飛行機でカナダへ旅立った南田(嘘)。高山は債券を解約しないために静奈に50万円を渡したのだった。高山・・・二度死んだからには三度目も死ぬのか。

弟と妹がそんなことやっている間に功一は・・・自分が作ったハヤシライスより・・・とがみ亭のハヤシライスが・・・静奈にとってお父さんの味だった秘密を突き止めた。

それは・・・隠し味に名古屋の醤油メーカーの名品「無闇」が使われているということ・・・しかも・・・かって「アリアケ」が契約していたことも分り・・・さらに1993年12月(両親殺害の一ヵ月後)から・・・「とがみ亭」が発注していることも明らかになったのだ。

亀山「今度こそ・・・」

右京「失礼・・・亀山くん・・・その醤油メーカーが知る人ぞ知るメーカーならよくあることですよ・・・」

・・・もういいだろう。

とにかく・・・右京さんの推理はともかく・・・戸神(父)は「昔・・・彼女が食べたつぶれた洋食屋のハヤシライスにそっくり」という息子の言葉に激しく動揺するのだった。

一方、戸神の妻(森下愛子)は息子の女性関係に激しく嫉妬するのだった。むいてくれるはずの梨がなしになるほどなのだった。

妹の手を握ったことを告白され功一がコップを割ったりしているのに童貞だからがっつきすぎるお坊ちゃまのバカナリは・・・しかし・・・かって父親の作った洋食屋の夢を追うことで・・・静奈の幼い頃(熊田聖亜)の幸せな記憶を呼び覚まし・・・結果として静奈の心を着々と引きよせているのである。今年のクリスマスはバカナリ・・・童貞サヨナラ祭りなのか?

一方・・・相変わらず・・・兄弟にアプローチする柏原刑事。「全裸DEエベレスト登頂」だの「全裸DE北京オリンピック」だの「全裸DEお遍路」だの「全裸DE林間学校」だの「全裸DE批難訓練」だのを見まくるのは淋しいからだなどと・・・泰輔を泣き落としである。・・・「全裸でフイギュアスケート・グランプリ」はないのか・・・。

一方、相棒の萩村刑事(設楽統)は「柏原さんは刑事と遺族の関係じゃなく・・・君たちを自分の子供のように思っている・・・最近・・・実のお子さんを病気で亡くしているし・・・」などと吹き込むのである。

右京「本当は・・・加害者と遺族かもしれませんね」

亀山「・・・右京さん・・・どうしても身内の不祥事にしたいんですね・・・」

・・・ところで萩村というネーミングだが萩島にしておけば・・・次は「荻島」で間違うことができたのに・・・と思う。それは萩原健一とか荻島眞一とかに馴染みのある世代だけだろう・・・そうなのか・・・もうそんな時代かっ。

などと・・・言っていると・・・突然・・・戸神の妻(森下)がカレーショップの功一を訪ねてきた・・・と逆光シルエットで思わせておいて・・・静奈の実の父(国広富之)の妻(麻生祐未)が登場である。クドカンワールド(「木更津キャッツアイ」とか)と東野ワールド(「白夜行」ね)の交差点か・・・。

「有明夫妻を殺したのは・・・私の夫なんです」

衝撃の告白である。

亀山「昼メロのような展開ですね・・・」

右京「これは昼下がりのジョージなのかもしれませんねえ・・・静奈の母と父親とその妻・・・バカナリ(おい・・・途中からダメナリがバカナリになってるぞ・・・ま・・・いいか)の父と母・・・功一たちの父親・・・ひょっとして功一たちの母親もどこかで生きていたりして・・・静奈とバカナリが兄妹なら韓ドラですが・・・功一とバカナリが兄弟なら昼メロかもしれませんっ・・・」(つづく・・・相棒がらみはつづくなよっ)

関連するキッドのブログ『第4話のレビュー

Hcinhawaii0479 ごっこガーデン・お昼の兄妹のお部屋セット。お気楽高山はまだまだ騙されそうだよね・・・柱とは結婚できないよね・・・味を盗んだだけなのかなぁ・・・原作と違う犯人だったりして・・・どんどん登場人物増えて・・・忘れちゃう・・・まこ国広・麻生夫妻・・・豪華なキャスティングなのデス・・・このままスルーはないと思ってマシター!・・・功一・・・バカナリの話に反応しすぎです・・・おびえた小動物のようなのデス・・・柱が子供を生んだりするのでしゅか~?」くういよいよ・・・ミステリーの季節なのね・・・せつなさも笑いもかかせないけどね・・・挙動不審な・・・トガミパパ・・・いきなり犯行宣言のトミーの妻・・・怪しい人が真犯人でないとすると・・・まさか功一が・・・犯人ってことはないよね・・・でもシーちゃん寝てたし・・・泰輔は別行動・・・可能性はあるけどな・・・でも・・・イノ・ラヴじゃないんだから・・・わーい・・・キャナメロイドと遊んでいたら・・・遅刻です

Hcinhawaii0480 ごっこガーデン・夜の兄妹のお部屋セット。エリ男と女・・・あやつりつられ・・・どエスとどエムが入れ替わる・・・笑いながら・・・ジーンとしたりして・・・名作・・・名作の薫りがしまスー・・・今度の新曲は着物って手もありますyon・・・じいや・・・糸切れたーアンナげ、原作読んじゃったぴょん。アンナは誘惑に弱い女・・・アンナは我慢できない女・・・そしてアンナは読んでから後悔する女・・・ダイエットもしかりぴょんぴょんぴょ~ん・・・アンナにも妄想係長人形ちゃぶだいみのむしドロドロの予感がしてきたのに・・・録画し忘れ~・・・自分がドロドロに・・・ものすごく新たな展開してるのに~るるる・・・ikasama4ウルトラマンと仮面ライダーの間に百式を置いてみました・・・推理とは失われた絆を捜すものですから・・・私の容疑者・・・柏原刑事を・・・実の父親のように感じ始める・・・アリアケ兄弟・・・これは・・・当たってたら・・・すごいきついせつなさの嵐の予感です・・・いっそ・・・係長が犯人なら気が楽なのに・・・

Hcinhawaii0481 ごっこガーデン・深夜の兄妹のお部屋。mariふふふ・・・ニノロイドと大人の時間です。謎は深まり・・・ハヤシライスの味も深まります・・・忙しいとオリジナルのハヤシはねー・・・デミグラスソースとかもねー・・・ニノロイドはハヤシライス調理機能付なのかーっ・・・作って~作って~シャブリはい・・・全裸シリーズ全巻セットが気になって・・・遅刻なのでありました~akiちょっと・・・風邪を引いてしまいました~・・・ビールはこの辺で・・・じいや・・・卵酒にしてほしいっしょ・・・そして財閥病院から・・・お医者さんも呼んで~・・・おっとここに院長がいたのね・・・

日曜日に見る予定のテレビ『機動戦士ガンダム00』(TBSテレビ)『篤姫』(NHK総合)『SCANDAL』(TBSテレビ)『犯人に告ぐ』(テレビ朝日)

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2008年11月14日 (金)

男の子による乙女の祈り(神木隆之介)七瀬ふたたびネズミの旅(蓮佛美沙子)

たとえば・・・「懐柔」などと聞くとヒヤリとする。そこは「手懐けること」だろうと思う。あるいは「丸めこまれること」か。

視聴率を取りにいくための病気であり・・・もはや・・・その心配はしなくてもいいのだが・・・「懐柔」を大胆に使ってくる倉本先生の茶目っ気を微笑ましくは思えないのだな。

そして「怪獣になんかならないっ」と岳(神木)が妄想することを妄想するのだった。

だから「風のガーデン」↘13.5%は納得の数字なのである。懐柔分*0.1%下がったのだ・・・(妄想)。

もっとも・・・サッカーのオープン戦による時間変更であおりを食らったとも言えるのだが・・・その最大の被害者は「小児救命」↘*5.4%かもしれない。

脚本家の変更で先週からちょっと面白くなった「七瀬ふたつき」↗*6.3%、先週の展開がもうひとつだった「夢ゾウ」↘*3.6%はともに前回の出来に左右される視聴率として理解できる。

まあ・・・「渡鬼(オヤジバンド)」↗15.3%とか「ひみつのアラシちゃん(整形ニューハーフ)」↗13.0%とか・・・今世間はゲテモノ好きらしいです。

で、『七瀬ふたたび・第六話』(NHK総合081113PM8~)原作・筒井康隆、脚本・真柴あずさ、演出・吉川邦夫を見た。原作のアレンジ展開である前回のオチとほぼドラマ・オリジナル展開の今回は・・・それほどイライラしなかったが・・・まったくイライラしなかったわけではない。

たとえば・・・精神感応というフィクション(虚構)の辻褄の問題がある。

まず・・・精神感応力というものを原作では他人の思考を読み取る力と規定している。思考も基本的には表層意識だが・・・時には記憶や・・・無意識を含む場合がある。

原作の年代では・・・大脳生理学や神経学が心の機能局在をまだ充分に解明していないので・・・もちろん今でも解明されたとは言えないが・・・どちらかと言えば心理学的なアプローチである。

まあ・・・人間にとって心がどのようなものであるかはなかなか共通認識できないものであるが・・・能力の格差もあるし・・・ある意味妥協的な・・・心のようなもの・・・を読むのが七瀬というテレパス(精神感応能力者)なのである。

たとえば・・・心に・・・近親者の顔・・・あるいは鏡に映った自分の顔を思い浮かべてみてください。それもまた心の機能なのである。

優秀なテレパスであれば・・・それを読み取ることにより・・・あなたの近親者の顔やあなたの顔を読み取ることができるのです。

つまり・・・聴覚的な言語だけが・・・心ではないということ。

また・・・今・・・あなたがこのブログを見ているというのは心の機能の一つです。

視覚的な情報は眼という視覚感覚器(センサー)を通じてあなたの脳に情報としてとりこまれ複雑な処理手続きで言語的な記憶領域とのやりとりが行われることにより生じるなんらかの意味を理解することも心の機能の一つです。・・・視聴率とれないわ。

そうなると・・・七瀬はあなたの目を通してものを見ることが可能なエスパーです。

だから・・・心を読み取ることができれば・・・相手の位置を特定することはかなりの範囲で可能なのです。

たとえば・・・原作では七瀬とヘンリーによって殺害されている西尾(今井朋彦)は透視能力者です。西尾が七瀬の体を透視して・・・裸の七瀬を見ているとき、七瀬は西尾の心を読むことによって自分の裸を見ることができるのです。

また・・・西尾はかなり遠方の人間を発見できる能力があります。その心を七瀬が読めば・・・自分が発見されていることが分ったりもするわけです。

七瀬は・・・基本的には男たちが自分を見るとまず想像で裸にすることを熟知しています。もちろん西尾は例外で実際に透視で裸を見ます。

人一倍照れ屋の岩渕(塩谷瞬)はだから・・・「オレの心は読むな」と絶叫するのです。恥ずかしいからです。

さて・・・今回のドラマ版では・・・このあたりの七瀬の能力は「目覚めたばかり」という設定で非常に曖昧になっています。本来・・・超能力ものとはありえない能力の設定で楽しむ知的ゲームですから・・・その点は非常にものたりないのです。

ドラマの基本要素の一つに「善人が悪人にだまされる」というものがあります。原点としては「赤ずきんちゃん」があるでしょう。赤ずきんちゃんは狼に騙されて食べられてしまいます。狼が丸呑みするので命は助かるのですが・・・普通は噛み砕かれて死にます。

ところが・・・七瀬は・・・テレパスなので・・・騙されるということはありません。

それじゃ・・・お約束の手が使えないじゃないか・・・と脚本家が思うと・・・「心を読んだり読まなかったり」自由自在という手口が浮上します。原作者はこのご都合主義を使わずに七瀬をしっかりとピンチに追い込みますが・・・脚本家にはそこまでアイディアを練りこむ時間はないのでオリジナルになるとたちまち・・・辻褄があわなくなるのです。

そこで・・・登場するのが心の声の手法です。声というものが持っているイメージを使って視聴者をごまかすテクニックです。

さて・・・ドラマ版ではテレパスの先輩である朗(宮坂健太)から心にフタをすることを教えてもらう七瀬ですが・・・原作では逆・・・そのために七瀬は「だまされる女の子」のボジションを獲得することができるのです。

しかし・・・原作のそういうテクニックはあくまで「不特定多数の意識を排除」することが目的で・・・雑音が多すぎて煩わしいですから・・・読むべき心を読まないテクニックではありません。

普通の人間が初対面の人と会うとき・・・その人が善意の人なのか・・・悪意の人なのかを判断しようとするのは常識でしょう。そして七瀬にはそれができるのに・・・しないということはまずありえません。

しかし・・・ここでは心にフタをしたから・・・普通の人間としてふるまえるという展開を許しているわけです。

そう・・・そういうお約束ならまあ・・・許せるわけです。

しかし・・・最後は「父親(小日向文世)の声」が七瀬に届いてしまいます。・・・おいおい・・・前の約束はどうなったんだ・・・と絶叫するポイントです。

そこで声です。この場合・・・父親は心で絶叫していたのだ・・・ということです。優しく語りかけているように見えますが・・・心の声を大にして呼びかけたので心のフタを通過したということなのです・・・ふう・・・なぜ・・・お茶の間にいる方がそんな努力を・・・。

まあ・・・しかし・・・この脚本家はどちらかといえば・・・そういう知的ゲームよりも心のぬめぬめっとしたところをお届けするタイプなので大目に見ます。

たとえば・・・原作では女に保険金をかけて事故にみせかけて殺そうとするような悪い男の手から女を救い出すエピソードをドラマでは・・・些細な母親の罵詈雑言によって傷ついた少女ミサト(宮本侑芽)が自殺をはかるのを食い止めるというアレンジになっています。

漁藤子(水野美紀)と時間遡行をすることで自殺前の時間に現れた七瀬は・・・テレパスとして母親の心を読み・・・お説教することで・・・カウンセラー的役割を果たすのです。原作では悪い男が再びチャンスを求めることには関知しないドライな展開であるのに対して・・・こちらでは母子の関係改善をはかるウェットな展開になっています。

一見・・・よりよいアレンジになっているように見えますが・・・原作で仕掛けられている藤子の時間遡行力に秘められた恐るべき欠陥・・・あるいは罠を考えるとそのアイディアを使うのならば抜本的解決にはならないということを指摘しておきます。

原作では七瀬たち・・・能力者を排除する組織は最後まで謎の存在ですが・・・ドラマ版ではどうやら・・・具体的な組織として登場する気配。

原作では圧倒的な少数派である能力者たちが・・・結局はいかに無力かを強調する恐ろしい展開なのですが・・・そのためには具体的でないことが実に効果的でした。

こちらの世界では・・・佐倉(光石研)のおそらく絡むであろう謎の組織「パクス・シエンティア」・・・早くもみみっちい匂いが漂い始めています。シェンティアScientiaはラテン語で理解すること・・・つまり・・・分かり合うことで維持する平和・・・を名乗る団体です。

まあ・・・展開としては・・・善意で超能力の存在をオープンにしたNPO法人を旧人類の保守的勢力がターゲットにして七瀬たちが巻き込まれるというひねりもあるわけですが・・・さてさて・・・残り回数を考えると・・・ストレートできそうで・・・こわいです。

まあ・・・とりあえず・・・前回-今回の脚本家は・・・親には親らしくあってほしい乙女チックな少女の願いを貫徹ですね。

とにかく・・・70年代の親子テイストと現代のそれをくらべたら・・・かなり甘口になっているということでしょう。もちろん・・・あくまで表面上の問題で・・・本質はそれほど変わらないとは思いますが・・・。

・・・暖かい・・・冬の訪れを感じさせない暖かさだ・・・この家をこれほど暖めるとは・・・娘の考えることは・・・何故かおそろしい・・・この火という奴を・・・これほど巧につかいこなせるとは・・・ただの毛の薄い変わり者と思っていたが・・・もう・・・我慢できない・・・かわいそうだが・・・明日こそは殺してしまおう・・・わが子は・・・サルとして異常すぎるから・・・。

で、『風のガーデン・第6回』(フジテレビ081113PM10~)脚本・倉本聰、演出・宮本理江子を見た。まあ・・・ようやく・・・最近の倉本ドラマらしい視聴率になって緒形拳さんさよなら祭りは終ったらしい。しかし・・・今回は・・・ドラマの中で・・・二神(奥田英二)がこの世を去り・・・主人公の白鳥(中井貴一)は大天使ガブリエルとして風のガーデンに降臨するという核心に迫る内容だったのです。

かって・・・家庭を顧みず・・・障害を持つ息子を見捨て・・・妻が死んだ時も他人の妻と不倫していた・・・罪・・・により・・・実の父(緒形)から・・・楽園(故郷)を追放された白鳥。

しかし・・・末期ガンによる死を宣告され・・・里心がついて「父帰る」なのである。

菊池寛版では「あんな父親・・・死んだのも同然だ」と許せない長男なのだが・・・このドラマでは長男・岳は知的障害を持つこともあって・・・まもなく・・・天国に逝くことになる父親を「よろしくお願いします」と大天使ガブリエル(実は白鳥)にお願いするのであった。息子を持つ父親・全員涙である。

ドラマでは楽園を追放した・・・白鳥の父と・・・長女・ルイ(黒木メイサ)が長男の役割を引き受け「絶対に許さないポジション」を維持している。

しかし・・・白鳥には「余命いくばくもない」という絶対的切り札があり・・・それをどこで使うかがドラマのポイントになっている。場合によっては最後まで使わない手もある。

また・・・白鳥の父は高齢であり・・・息子に先立つ不幸を許さない事態も想定され・・・そこも気になるところなのだな。

妻を看取ることのなかった白鳥としては父親を看取ることで贖罪をするという可能性もあるのである。

そうなればドラマでも死に現実でも死んだ役者魂はお茶の間にインパクトをもたらすのである。

若い役者は・・・その生き様に触れて・・・ある意味・・・幸せと言えるだろう。

その幸せを生かすも殺すも役者次第だか・・・少なくとも・・・かっての神童(神木)は名演技を披露しているようだ。

一方・・・馬としてのルイは・・・満を持しての登場でヒロインとしての風格を漂わせている。

しかし・・・風格としては白鳥の最初の頃の女・エリカ(石田えり)が今回の白眉を持って行くのだった。

実録・児童養護施設育ちの女優である。その深み・・・何人の追従も許さないのである。

石田エリといえば映画「遠雷」(1981)でトマト栽培農家の男(永島敏行)と見合いしたその足でモーテルに行く女である。そして・・・いきなり婚前交渉である。

その即物的な行動の中に・・・時代の魂をよどみなく肉体で表現しているのである。

だから・・・「白い尻を見せ合った仲」である白鳥の気持ちは全員が共有しようと思えばできるのである。

そこが・・・理屈を越えて素晴らしいとキッドは思います。

最近の・・・アイドル女優の皆さんにもぜひ見習ってほしい・・・そこかよっ。

もちろん・・・未成年者の裸体は性的な虐待にあたるという倫理的な問題をふまえての話ですが表現の自由にもたまにはがんばってもらいたいと思う今日この頃です。

ネットの世界でたまに発見する実際のおぞましいにもほどがある虐待の存在を描けなくなってはドラマの価値は下がると思うからです。

関連するキッドのブログ『先週の木曜日のレビュー

土曜日に見る予定のテレビ『ブラッディ・マンデイ』(TBSテレビ)『スクラップ・ティーチャー』(日本テレビ)『ルーム オブ キング』(フジテレビ)『トンスラ』(日本テレビ)『ジャッジⅡ』『アグリー・ベティ』(NHK総合)『告知せず』(テレビ朝日)『サニー千葉のゴルゴ13』(テレビ東京)・・・志穂美悦子出るからな・・・。

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2008年11月13日 (木)

私も犯罪被害者の妹(佐藤仁美)と寿退社が退社になる悪夢の女(観月ありさ)

愛してると言わなかったから愛が通り過ぎるのはよくある話だが、愛してると何度言っても愛が逃げ出して行くのもよくある話である。

よくある話をややこしく語るのも一種のテクニックだ。

愛されている喜びとは愛されていない悲しみに気がつかない幸せなのである。

そんなことを日中貿易摩擦、日中就職競争、日中主導権争奪戦の間に言われてもとまどうよな。

一方、「相棒」はズバリ、昭和枯れすすきの兄妹である。

「イノセント・ラブ」・・・犯罪加害者の妹(犯罪者)、「流星の絆」・・・犯罪被害者の妹(犯罪者)、「相棒」・・・犯罪加害者の妹(犯罪者)である・・・今週は・・・犯罪関係者の妹強化週間なのか・・・。

そして・・・水曜日のダンスはとんでもないことに・・・。

「相棒」・・・・・・・・・・・17.9%↗19.7%↘15.0%↗20.7%

「O L」*8.3%↗10.6%↘*9.9%↘*9.7%↘*7.0%↗*7.1%

ステップは踏んでいるが・・・パートナーのジャンプ力ははるかな高みにあるのだった。がんばれ・・・齋藤さん・・・じゃなかった神崎さん。

で、『相棒・Season7・第四回』(テレビ朝日091112PM9~)脚本・岩下悠子、演出・長谷部安春・・・ザ・テレビジョン・・・安晴になっている・・・改名したのかと思ったぞ。再編集版を除くと初の20%越えである。ゲストが佐藤仁美なので記念にメモしておく。2000年(20世紀から・・・レギュラーは2002年から・・・)スタートの相棒がついにやりました。

まあ・・・こうなるともう・・・何でもいい・・・。ネタとしては「なりすまし」(最近では「魔王」ね)と「犯罪加害者の家族」(最近では映画「手紙」とか「イノセント・ラヴ」ね)である。

一つの犯罪から逃れるために・・・他人になる・・・しかし・・・その人もまた犯罪者だったというのは一応ひねりということになるだろう。

なりすましの古典としては映画「太陽がいっぱい」がある。これを原点とすれば・・・小説「火車」(宮部みゆき)までジャンルとしては脈々と続いていてる。

「犯罪加害者の家族」では「手紙」(原作・東野圭吾)のとある経営者(杉浦直樹)の語る「犯罪者の家族は世間の仕打ちは理不尽だと思うかもしれない・・・しかし・・・犯罪者は・・・家族の迷惑も考えて犯罪をしないといけないのだ」などと言うのだが・・・。

そんなこと考えないから・・・犯罪をするのだと思います。

そして・・・魔女狩りをしている人々は・・・いつか火あぶりにされる可能性があるのです。

しかし・・・役人である・・・右京さんはいつものように重箱の隅を穿り返すのです。

まあ・・・そっとしておく・・・という気持ちはこれっぽっちもないのですが・・・その頑固さが・・・「相棒」なのだと言うべきでしょう。最近・・・亀山・・・悩まないな。昔は・・・もう少し・・・人情に流される方にシフトしたのに・・・。

それでも・・・加害者の妹(佐藤)よりも・・・加害者本人の兄の方に・・・心が揺れているのは・・・男たちのドラマならではだな・・・。

事件を整理します・・・天蓋孤独な女と犯罪加害者の妹が淋しいもの同志でともだちに。しかし・・・天涯孤独な女は自殺。犯罪加害者の妹は恋人をまきこんで・・・天涯孤独な女になりすます・・・。しかし・・・天涯孤独な女は不倫関係のもつれで情夫を殺していたのだった。その死体が発見され・・・容疑者となった犯罪加害者の妹。犯罪加害者の妹として「正直に生きなさい・・・そしていつか子供が犯罪加害者の甥っ子として迫害されても耐えなさい・・・だってそれが犯罪加害者の家族なのだから・・・そのために甥っ子が犯罪者になったとしてもそれが運命なのです・・・警察はそれでメシ食ってるんですからっ」と右京さんは説教するのだった。

で、『OLにっぽん・第6話』(日本テレビ081112PM10~)脚本・中園ミホ、演出・本間美由紀を見た。ドラマの中では赤い中国に攻められてリストラされてボロボロの日本の労働者の悲哀を描いているのだが、ドラマの外では赤いカーペット(今回・視聴率22.5%)に攻められてボロボロにされているのです。

それでも・・・モテモテの神崎島子(観月)なのですが・・・相手がチビ太(阿部サダヲ)、東十条じゃなくて朝比奈課長(東幹久)、ミュージカル王子・都留くん(井上芳雄)じゃ・・・一般のOL感情移入できねーっ。

そして・・・日本人は・・・こうで・・・中国人は・・・こう・・・という比較論。

中国には10億人いるし・・・日本にも1億人いるからねーっ・・・いろいろな人がいますよ。

ただここだけの話・・・日本人は血液型A型社会、中国人は血液型B型社会です。

そりゃ・・・あわねーって思う人は甘えたがりのO型なのです。

そして・・・何も感じないのは空気を読めない話があわないでも気にしないAB型なのです。

・・・誰が血液型の話をしろと言った。

さて・・・今回は・・・恋愛結婚に憧れる男・朝比奈課長の壮大な一人相撲。

ドキドキするほど好きなのです→結婚してください→承諾されて歓喜→チビ太と島子のワキアイアイのケンカっぷりに嫉妬→自問自答→鬱→部長(浅野ゆう子)から桜(美波)のリストラ回避のための寿退社という真実を告げられる→はげしく鬱→愛しているから結婚しないとダメなんだもーん→躁状態→愛し合ってないと幸せになれないんだもーん→激しく躁状態→婚約解消させてください→婚約指輪川に投げ捨て→すっきり。

島子・・・呆然である。まあ・・・東十条じゃなくて・・・朝比奈だからな・・・慰謝料とか請求する気になれないよな。

婚約指輪・・・キラッとしたのにね。段々・・・いい感じになってたのにね・・・。

据え膳か・・・据え膳しないとだめなのか・・・腰の引けてる男は・・・お迎えするか・・・上から押さえ込むか・・・か・・・でも食い逃げされたらいやだしなあ・・・とチビ太のように妄想ナレーションするキッドだった・・・。

ま・・・選択肢が選択肢だけに・・・どうでもいいかぁ・・・そこが低視聴率だな。

観月も・・・31歳・・・ナース時代は藤木直人、旅館の女将時代は中井貴一などという結婚相手もいたのだが・・・最近はゴリとか・・・顔のない人とか・・・相手にめぐまれないよな・・・。

それにしても・・・恋よりも仕事を選ぶ女が板につく・・・っていうか・・・今のドラマ・・・両立はさせない気満々だよな・・・少子化もブームのように忘れ去られるしな。

それにしてもチビ太・・・他人の心はお見通しだが・・・自分の恋心は隠しまくる・・・典型的な日本人の恋愛系ダメ男じゃないか・・・。

日本企業に切り捨てられたというよりも・・・女に手痛くふられて・・・中国に逃亡した方に三千ダカット(金貨)賭けたい気分だぜ。

とにかく・・・日本人は極悪人という義務教育をして・・・悪いのは常に外国という政府を持ち・・・攻撃型兵器である空母の装備改変をちゃくちゃくとすすめ・・・弾道核ミサイルを持ち日本に狙いをつけ・・・日本人を拉致した北朝鮮を影で操る黒幕国家に・・・戦々恐々とする日本人に・・・中国を理解してあげよう・・・という態度で作るドラマ・・・お茶の間はけして受け入れないことは明白だったのだな。

ついに・・・パパッチ野呂主任(モロ師岡)が楊洋(ローラ・チャン)と意気投合である。

「郷に入れば郷に従え」の郷はGOじゃない・・・郷ひろみの郷だって・・・郷ひろみは時々、GO!ひろみだけどな。

ターゲットの桜は李(フービン)にお熱だし・・・なんだ国際結婚とか国際不倫のすすめなのか・・・。

ものすごく面白いが・・・作者が一番空気読めてないよな・・・。

そんなことで笑うにはあまりにも日中関係火花散りすぎているんですよ・・・。

いつまでもあると思うな日本海なんだからっ。

今回・・・ハケン社員・大沢(宮地真緒)にセリフが・・・。ちょっと嫌な脇役のボジションで・・・。「まんてん」(2002)のヒロイン・・・地上で苦労してます・・・ってこってす。

まあ・・・常に世界は弱肉強食ってこってす。

関連するキッドのブログ『先週の水曜日のレビュー

金曜日に見る予定のテレビ『ギラギラ』『サラリーマン金太郎』(テレビ朝日)『流星の絆』(TBSテレビ)『メン☆ドル』(テレビ東京)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

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2008年11月12日 (水)

オレが主役だったんだなぁ(速水もこみち)爆発の後で粉も吹くべきかな(上地雄輔)まあ、泣かせたり笑わせたりするのは私たちだけどね。(吉田里琴&上戸彩)

まあ・・・とにかく吉田が毎回一回だけは泣かすドラマと上戸のコスプレをニヤニヤ眺めるドラマなんですがっ。

日本シリーズも終わり・・・ようやく平常運転です。

火曜日のドラマ対決も元の配置に戻りました。

①「セレブと貧乏太郎」↗14.9% ②「チーム・バチスタの栄光」↘11.8% ③「オーマイ・ガール!! 」↗*8.1%

「チーバチ」の釈由美子・・・「セレブ」の上野なつひと同じポジションだよな・・・「OL」の宮地真緒よりはいいけど・・・いいのか。

で、『セレブと貧乏太郎・第5回』(フジテレビ081111PM9~)脚本・古家和尚、演出・松田秀知を見た。「ガリレオ」「ウソゲ」「ハチワン」の脚本家登場である。で、今回は箱入り娘脱走ゲームであるので・・・そこそこ作戦が練られていて楽しいのである。朝子(ニワトリ)のゲームができるくらいだからな。

継母(若村麻由美)の陰謀でかって仲を裂かれた昔の恋人・後藤田(柏原崇)との婚約発表をしたアリス(上戸)だったが・・・過去の傷心は癒しがたい。そこへ・・・滅多に会えない父親が美田園家専用空港にやってくるという電報が届き・・・脱出作戦である。・・・はっきりいって父親に会いにいくだけなので脱出する必要はないが・・・アリスとしては・・・太郎(上地)と愉快な貧乏人たちに逢いたい・・・というのが本音ですから。

①まずは「スパイ大作戦」のパロディーで指令発動である。ここで・・・指令DVDが消滅ではなくて大爆発します。・・・ある意味・・・もはや普通のドラマではない宣言。なにしろ・・・太郎の子供全員が鼻血たらすほどの大惨事ですが・・・その後スルーですから。ドタバタだな・・・ドタバタをやるのだな・・・です。だから・・・途中で警官がムードで退散したりしますが・・・そんなことにとらわれていてはいけないのです。

②箱入り娘なので箱に入る。ちなみに作戦を考えたのはアリスの幼馴染のFBI捜査官ボブらしい。ここで執事の郡司(風間杜夫)が見て見ぬフリをして執事萌え泣かせです。

③警備陣突破作戦A~C・・・プランAは裏口で急病人(仮病)発生。警備陣をひきつけます。プランBは替え玉作戦。玄関にニセアリス(実は幸子=国仲涼子)が登場。検問にひっかかった箱入り娘の突破を助けます。プランCは箱の入れ替え作戦です。そっくりの箱を目立つ場所において追っ手の目を欺く常套手段。中身はイモになっています。八百屋ならではのテクニックです。

④しかし・・・婚約記者会見を控える後藤田は誘拐事件としてアリスの捜索に警察を巻き込みます。消防車にアリスを隠し・・・消防士に扮した太郎ですが・・・根が小心者なので・・・警察の検問にびびり・・・貧乏人のたまり場「だるま」に一時避難。ここにも警察の手が伸びますが・・・床下に隠れる展開。

⑤抜け穴作戦・・・ところが・・・床下には戦時中の防空壕と称する秘密の通路があったのです・・・あるかっ。そして・・・その穴は何故か・・・太郎の家の床下に通じていたのでした。

⑥ここにも伸びる警察の捜査。ここは・・・太郎と幸子が夫婦ゲンカを偽装。関節技を決め・・・太郎を両足ではさみこむ国仲涼子に一部愛好家が興奮します。

⑦変装・亡妻のウェディングドレスで偽装結婚式、偽装ウエディング・ロード、サイズぴったり目立ちすぎて目立たない作戦・・・もうすべての意見は聞かない態度です。

⑧脱出はなりますが・・・警備陣が待ち伏せ・・・。絶対絶命ですが・・・パパラッチ(宅間孝行)がなぜか白馬の騎士として登場。「誘拐はなかったのにここでそれをすれば誘拐だ」ともう無理矢理の説得です。しかし・・・ここで後藤田が過去の「悲しい別離」について口を開きかけます・・・。しかし・・・手切れ金もらっちゃってるからな・・・。

⑨けれどガス欠です・・・父親との約束の時間には間に合わなかったアリスと太郎の二人。ここでブーケを投げる花嫁・・・キャッチする太郎・・・次は私の番よ・・・フラグです。

⑩しかし・・・父親はニューヨークで倒れていたのだった。・・・アリス・・・どんだけ恥かきっこ(遅く出来た子供の昔の呼び方)なんだ。

・・・まあ・・・こういうコツコツしたアイディアものもたまにはいいよね。

で、『オーマイ・ガール!! ・第五話』(日本テレビ081111PM10~)脚本・高橋麻紀、演出・長沼誠である。まあ・・・小説家というものは基本的に詐欺師なので・・・被害者になってどうするっ・・・というツッコミはおいといて・・・倒産出版社の社員(岩崎ひろみ)にまんまとだまされる前半・・・ガッカリで失意の後半・・・そして最後は天才子役・杏(吉田)が小学生のような大の大人・耕太郎(速水)の心を優しく癒す展開である。カニブックスの編集長(古田新太)までがなぜ騙されるのか・・・という疑問はあるだろうが・・・編集長はすべて知っていて・・・耕太郎にどん底体験をさせるために知らないフリをしていた・・・というのが表情でわかる。もちろん・・・耕太郎に才能があると見込んでいるからなのである。

ちなみに・・・出版のための保証金を要求する出版社は絶対にありません。

もちろん・・・自費出版のための費用を持ち逃げされることもあるので契約は慎重に。

しかし・・・総合雑誌編集者で、小説家志望の人間がひっかかるのはおかしいだろうと言う人は多いでしょうが・・・夢とは我を忘れることでございますからね。

男が・・・性病とか美人局とか・・・そういう危険もかえりみず買春行為をしたり・・・水商売の女性がいつも自分のやってる手口でホストクラブにいれあげる・・・そういうことなのでございます。

まあ・・・いい夢見たと思ってあきらめることが大切である・・・という詐欺師からの自己弁護的なところもありますけどね。

なにしろ・・・作り手は夢を売るのが商売ですからーっ。

そして・・・さすがは一流の作り手である杏・・・傷心の耕太郎の心を慰めるのは赤子の手をひねるより簡単だったのです。

それにしても・・・動物園ロケぐらい・・・しないかっ。

レッサーパンダもキリンも見せないなんて詐欺じゃないかっ。

Hcinhawaii0478 ごっこガーデン・特設社交場・CLUB・Rico。お気楽こんな怪しい手口に・・・ひっかかるなんて・・・80万円って微妙だよね・・・十人だまして800万円か・・・原稿を持っているところがミソだよね・・・それにしても地道なサギだ・・・杏ブックス・・・泣かせるよね・・・」シャブリいやーっ・・・これはリコロイドにくわえて・・・ビワロイド(竹矢ベル)までーっ。ikasama4博士・・・ご苦労様でありましたーっ。知っているのに知らぬふりをする編集長・・・そして・・・最後の最後に小説を書き続けて・・・と笑顔でコメントする詐欺師となった・・・元編集者・・・良心の疼きが聞こえてくるような味わいでありましたーっ・・・もちろん・・・一発ですべてを救う杏ちゃんの可愛さぶりは必殺ですけどっ・・・ikasama4夢を追いかけたら貧乏・・・夢をあきらめても貧乏・・・まあ・・・貧乏でも幸せにはなれますからね。絵に描いたモチを食べたりして・・・ヤギかっ。入園料タダの動物園にはいそうです。加藤ローサさんはコロ一筋でしたねえ・・・近々、新作予定です」じいや「それでは今日の最初の議題は・・・後何回あるのか予想・・・でございます・・・」

で、『チーム・バチスタの栄光・第5回』(フジテレビ081111PM10~)原作・海堂尊、脚本・後藤法子、演出・植田尚を見た。ようやく・・・大友(釈)のターンである。しかし・・・最後は氷室(城田優)が持って行きました。特売豚肉すきやきの友情も・・・もはやこれまでなのか・・・。まあ・・・手術なんて・・・自分の命を他人に預ける行為ですから・・・そんなことするなら死んだ方がマシだ・・・と思うキッドでございます。

それでも・・・捜査の進展が気になるあなたはコチラへ→お気楽様のチーム・バチスタの栄光

ガツン・ピュー・コッソリの法則についてはコチラへ→エリお嬢様のチーム・バチスタの栄光

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2008年11月11日 (火)

ピアノのオルゴール・・・ヴのB♭(堀北真希)慈しみ深き友なるイェスは・・・(八木優希)

・・・公式裏サイトかっ。ルリ子(八木)の出番が少ないとお嘆きのあなたは・・・試してください。

しかし・・・聖歌隊・・・結構メンバーそろっているので・・・なにか重要な役を与えられるのかしら。

ボ、ボ、ボクらは不法侵入応援団・・・それはダメだろ・・・とにかく佳音については天使テンメイ様とともに些少の罪は許します。

罪深き子羊たちと悪魔をお許しください。アーメン。

で、本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「ギラギラ」↘*9.8%(ホスト陣の弱体化か・・・)、「エド・はるみ物語」11.8%(Happy birthday to me・・・痛すぎる)、「流星の絆」↗15.6%(うわぁぁぁぁさげどまっちゃったよ)、「インビジブル」11.5%(現れないのに現れるのが)、「サラ金」→12.1%(つかんだのか・・・)、「ブラマン」↗12.2%(発砲しないくせにぃぃぃぃ)、「スクラップティーチャー」↗13.3%(お届けスタントがんばったから)、「ジャッジⅡ」↘*5.7%(柳生みゆ・・・いい味出してましたけど)、「スウィングガールズ」13.0%(上野貫地谷本仮屋・・・地味に豪華だ・・・たまには白石見たいよね)、「ROK」↗*6.3%(ひきこもり賛歌か・・・)、「夢ゾウ」↗*5.2%(ほぼワンマンショーなのにいい勝負だ)、「篤姫」↘*22.6%(さて・・・スルーしすぎ?)、「SCANDAL」↗12.1%(全員集合で稼いだか?)、「日本シリーズ最終戦」28.2%(どこに潜んでいたのだ・・・)・・・ついでに「イノセント・ラブ」(誤検索用)↘11.7%(えーっ・・・男だけしか見てないのか?・・・ま、男性陣、介護の人、同性愛者、凶悪犯罪者だからな・・・)以上。

で、『イノセント・ラヴ・第4回』(フジテレピ081110PM9~)脚本・浅野妙子、演出・松山博昭を見た。ここまで・・・昴(成宮寛貴)が同性愛者ではないかも・・・と意地を張り続けた皆さんはユキオ(中村倫也)の登場で木っ端微塵になったのだった。その変態度は・・・コップが割れるほどだったのである。

まあ・・・性愛なんて基本的には倒錯だから・・・人類みな変態なんですけど・・・。

たとえばキッドは異性愛者だが・・・まったく愛を感じない異性なんてはいて捨てるほどいるし・・・何様だっ。

そして・・・主役を凌ぐ勢いで変質者モードに突入した佳音(堀北)の兄・耀二(福士誠治)と殉也(北川悠仁)の幼馴染・美月(香椎由宇)・・・。

特に兄は・・・妹のナレーションでイノセントぶりを証明されている。妹を守るためには暴力の行使も厭わないのである。・・・侍かっ。

そして・・・愛する男から女ッ気を排除するためには優秀な私立探偵と化す美月。秘密のサイトにも侵入し・・・いけない情報を入手・・・明らかに尾行して家庭訪問である。・・・くのいちかっ。

そして・・・振り返ると消えている。音もなく忍び寄る。電動ドリルで脅しつけ、ふりむけばハンマーで一撃。耀司も美月もかなりの手練れだ・・・どこの忍者教室で修行を積んだのだ。

しかし・・・今回・・・微妙な表情の変化だけだった寝たきり女・聖花(内田有紀)は「悲しい瞳」で「このピアニストが妹をもてあそんでいる」という耀司の誤解を一瞬で消失させる・・・さすがだ。

一方・・・邪悪なる魂に満ちた美月は・・・殉也と佳音の聖なる唱和に圧迫され・・・壁に激突して隠身の術を解かれてしまうのだった。

その「聖なる歌」はご存知「アメイジング・グレイス」でした。

二人が歌うのは聖歌229番ヴァージョンである。

おどろくばかりの めぐみなりき

このみの けがれを しれるわれに

我のわ・・・で邪悪な魂がのけぞる美月だった。

この歌の作者は罪深き奴隷商人である。もちろん・・・彼が奴隷商人だった時代には奴隷売買は合法的な職業だったし・・・もちろん奴隷以外にとってはだが・・・奴隷は家畜だったので・・・人間として扱わないことも別に不当ではなかった。正しき行いだったのである。米国の新大統領がその出自を問われるのは・・・現在ではその行いが間違いだったとされるからである。

しかし・・・世界の法律がどうあれ・・・現場で・・・その家畜人間を・・・眼にしたものは・・・それが人間ではないことを否定することに躊躇することもあっただろう。・・・もちろん・・・奴隷を奴隷として扱うことに何の疑問も感じないものもいるし・・・喜びを感じるものさえいるが・・・「彼」はそうではなかったらしい・・・。

やがて・・・彼は罪深い自分が・・・神によって許されるという奇跡を体験し・・・この歌の境地にたどりつく。

つまり・・・罪を自覚するものにとって・・・この歌は強烈なパンチになるのである。

私は罪を悔いて・・・今・・・神の驚くべき声を耳にしている。

あなたは・・・この声を聞いてもなお・・・罪を重ねるのか・・・。

しかし・・・美月の心には神の声はない。

ただ・・・自分の手に入れられないものを誰かが手にする可能性に恐怖し・・・嫉妬し・・・激怒するのである。

その眼からは今にも怪光線がビームとなって射出されそうなほどに・・・。

たまたま佳音は闇サイトの有名人だったわけだが・・・そうでない場合は個人名から本籍地などを探り出し、住所を調べ、学校時代の友人などに聞き込み、卒業アルバムを買い取り、住居に侵入して個人情報を探り出し、脅迫材料がそろわないときにはでっちあげてでも佳音というメスを排除する気満々の美月だった。

一方・・・少女時代の記憶が混乱する佳音。

封印された過去は自律神経を揺さぶり・・・呼吸困難さえ招く。

夢の中で少女(沢木ルカ)に戻った佳音は・・・森を走る。

帽子をかぶった男から逃げるためだ。少女は転倒し・・・追い詰められる。

そこへ棒を持った男が割って入る。

棒を持った男は帽子をかぶった男を打ち据える。

少女は・・・その行為を制止する。帽子をかぶった男への複雑な感情が明確だ。

棒を持った男は振り返る・・・それは兄だった。

少年が何かを守るために暴力を行使するのは・・・すべての暴力が悪とされる世界では許されないが・・・本来は輝かしい行いである。

人々は自分だけは安全だと信じたいがためにそれを否定するが・・・目の前に電動ドリルを突きつけられれば眼が覚めるのである。

この世には犯しがたい神聖なものと・・・それを守護するものがいるという真実にふれて。

他人の心の苦しみから目をそらすもの。

他人の心の苦しみを糧にしようとするもの。

他人の心の苦しみに暗い喜びを覚えるもの・・・。

そういうものを否定する暴力をキッドは神の力と呼ばずにはいられない。

その暴力を封印した人々は・・・中学生の娘を奪われ犯され殺されてもただ涙することしか許されないのである。

兄はもちろん・・・魔神である。しかし・・・奴隷商人を撃ち殺す魔神を・・・果たして悪と呼べるのだろうか。

人々は・・・恐れおののき・・・そして・・・魔神の目を逃れたものの歌にすがりつく。

恵みはわが身の 恐れを消し

任する心を 起こさせたり

その兄の荒ぶる魂の盲目的献身を拒絶するほどの恋に落ちた妹。

愛欲に狂った美月の妨害を振り払い・・・今・・・佳音は殉也に会いに来ました。

もちろん・・・ウサギさんなので逃げ出します。夜の公園でつかまえて・・・ですね。

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2008年11月10日 (月)

江戸城は燃えているか?(宮﨑あおい)篤姫の出番控え目です!(堀北真希)

今回は架空の唐橋(高橋由美子)と実在の小の島(佐藤藍子)の出番を作ってみました回である。

もちろん・・・この物語のもう一人の主役である勝海舟の妻・・・ではなくて典型的な良妻賢母として描かれるお幸(樋口可南子)という「篤姫の母」の薩摩おごじょぶりの念押しでもある。

おごじょは諸説あると思うが漢字で書くと「御御女」だと思う。

女をたてまつりあげた表現だ。

これはキッドの「九州男ダメダメ伝説」に符号する言葉なのである。九州は男尊女卑の国だが、その虐げられた女はたくましく優秀である。そして・・・男を徹底的に甘やかす。男子は宝物のように扱われるのである。それに対して女子は「御御女」として育てられる。つまり・・・男を仕上げるのは女という理屈である。

その結果・・・西郷隆盛のような怪男児を時々、生み出す・・・そしてほとんどの男はろくでなしになるのである。

このドラマでの小松帯刀が一例です。

九州男児の皆さん・・・あくまで妄想仮説ですから・・・。

で、『篤姫・第45回』(NHK総合081109PM8~)原作・宮尾登美子、脚本・田渕久美子、演出・渡邊良雄を見た。例によってシナリオにそったレビューはikasama4様を推奨します。未亡人が出戻ることについての苦悩についてたっぷり再現。そして王政復古があっさりすぎるぞ記念小松帯刀・唐橋二大ぞんざいイラスト付・・・爆笑です。そして大政奉還・内閣総辞職政権放棄比較論考証を展開。まあ・・・政治というものはいつの時代もいかなる場所でも似たようなことをやっているわけで・・・こうした歴史こそが・・・今・・・あの場面なのだなと連想することで・・・だから次はこうなる・・・と先読みができるということになるわけです。しかし、政治の難しいところは最悪の結果がすでに先例としてあるところなのです。そして人間は時々わかっちゃいるけどやめられない生き物なのですよね。

Atuhime1868_2 で、ついに江戸幕府最後の年、1868年に突入である。西暦と元号はづれを生じる。 ここでは西暦の方が先に新年を迎える。1868年1月1日は慶応3年12月7日なのである。そして1868年9月8日から元号は明治に変わる。だから・・・1868年は慶応3年の師走、慶応4年、そして明治元年でもある。この西洋歴(太陽暦)と旧暦(太陰暦)のズレは1873年まで続きます。

年号ひとつとってもややこしい・・・動乱の時代である。その1868年1月3日・・・王政復古の大号令が下る。早い話が・・・イギリスに後援される関西政権(維新政府)とフランスに後援される関東政権(旧幕府政権)が対峙する内乱の危機を迎えたのだった。

まさに一瞬即発の危機だった。

そして・・・その危機の重圧を一身に背負う徳川慶喜は・・・赤子のようにすやすやと眠っていた。大阪城本丸天守閣で天璋院と幾島がその寝顔を見ている。

「これは・・・また・・・よくお休みで・・・」

幾島はしみじみと慶喜の寝顔を眺めていた。思えば・・・幾島の任務はこの慶喜を将軍にすることだった。紆余曲折を経て慶喜は将軍になった。しかし・・・もはや将軍職そのものがないのである。

篤姫は久しぶりに会う幾島に心が安らかになるのを感じていた。先代半蔵の死によって情報戦に支障が生じている。公儀隠密の諜報網が乱れているのだ。跡目を継いだ新半蔵も懸命に努めているが・・・刻々と変わる戦況に対応するのが精一杯だった。

「京の様子はいかがじゃ・・・」

「なにしろ・・・西郷の火炎で焼け野原になっていて・・・復興がおくれております・・・それにもまして・・・貿易のために・・・国内の物資が不足しているのです・・・坂本龍馬の暗殺犯を捜すどころではない状況です。・・・御所を守る忍びにも人手を欠く始末で・・・」

「・・・龍馬を殺したのは・・・異人たちかもしれぬな・・・」

「あるいは・・・異人に魂を売った・・・浪人たちかもしれません・・・」

「とにかく・・・妾は・・・江戸に戻らねばならぬ・・・それで・・・公方様・・・いや慶喜を幾島に頼みたい・・・なにしろ・・・もはや・・・幼子の智恵しか持たぬお方だ・・・」

「もはや・・・くぐり衆も・・・藤原の忍びも・・・統制がとれておりませぬゆえ・・・この老骨にいかばかりの働きができましょうか・・・」

「京のことは・・・お琴のくのいち衆が味方してくれる・・・大阪の公儀隠密と・・・くぐり衆で妾の下に残ってくれたものを・・・幾島につける・・・このお方をお守りすることが第一じゃ」

「・・・それは是非もないことです・・・」

「幾島・・・頼んだぞ」

「それにしても・・・異人たちの狙いはどこにあるのでしょう」

「・・・異人たちには異人たちの利があるが・・・一枚岩ではないのじゃ・・・清国や朝鮮国とは違い・・・この国がやすやすと手に入らぬと分った以上・・・無理をするものとそうでないものとが分かれておる・・・妾たちは・・・その乱れに乗ずるほかはない・・・今・・・国生みの戦は避けられぬとしても・・・被害を最小限でくいとめ・・・そして虎狼の餌食にならんですむ道をさぐらねばならん・・・メリケンでは南北戦争があり・・・その結果・・・より強き国が生れたという・・・おそらく・・・薩摩や長州・・・そして公家の一部には・・・そういう志を持つものがいるだろう・・・」

「いずれにしろ・・・細き道でございますな・・・」

「・・・ふふふ・・・幾島・・・それでも・・・道は一筋なのじゃ・・・縁があったら・・・また逢おう・・・達者でな・・・」

「姫様・・・」

すでに・・・天守の間から篤姫の姿は消えていた。

その頃・・・西郷党と名を変えた・・・くぐり衆の一団はすでに東海道を下っていた。

江戸城の周囲も騒然としていた。関東周辺を荒らす打ちこわし一揆の群れは・・・江戸近郊の宿場にも姿を現すようになっている。その中には忍びくずれも多い。また・・・食い詰めた浪人や・・・土地を失った農民を積極的に指揮する旗本さえもがいた。

将軍が留守をして長い江戸の警備を担当するのは庄内藩の酒井左衛門尉忠篤である。徳川四天王の一人酒井忠次の血を引く・・・15才の少年大名は・・・懸命に任務に努めていたが・・・各地で勃発する騒乱への対応に追われていた。

新撰組と同系列と言える臨時雇いの浪士隊・新徴組がその配下として活動している。組頭は・・・沖田総司の義理の兄にあたる・・・沖田林太郎・・・じつは新半蔵だった。

沖田は・・・忠篤の寝所に忍びいり直答することを許されていた。篤姫の采配である。

「林太郎か・・・」

すでに寝床についた忠篤が気配に気づき・・・身を起す・・・。

「どうした・・・」

「かねてから・・・探索しておりました・・・薩摩の忍びが・・・江戸城に討ち入るおそれ・・・これあり・・・」

「馬鹿な・・・」

「しかし・・・江戸城には・・・慶喜様を鬼道に導いた魔物たちが潜んでおります。狙いは・・・そのものたちの駆除かと・・・」

「だが・・・江戸城での騒動は・・・さけねばならん・・・手配せよ・・・」

「すでに・・・新徴組の忍びを忍ばせました・・・拙者も・・・これより・・・」

「我もまいる・・・」

江戸城大奥ではすでに・・・西方から戻った和宮の指揮の下・・・臨戦態勢が整えられていた。

「・・・滝山・・・状況を報告せよ・・・」

「・・・江戸城二の丸に・・・多数の魔族が集結しておりまする・・・おそらく・・・亀之助様の御身を狙ってのこと・・・」

「愚かな奴らめ・・・慶喜さんの代わりを作る気か・・・大奥・・・卍の陣を・・・ご覧にいれてさしあげなされ」

「御意」

重野に指揮された大奥しのび衆と・・・唐橋に指揮された大奥くのいち衆は本丸から大奥への通路と・・・二の丸から大奥への忍び道を固めている。

そこへ・・・半人半獣となった元の旗本衆やその一族が侵入を開始する。

だが・・・その戦闘力は魔人となっていた慶喜にははるかにおよばない。一人また一人と大奥しのびの餌食となっていく。

大奥にはりめぐらされた迷路はやがて卍の形を為してくのいちたちを吐き出していく。

大奥を襲った獣人たちはすでに守勢にまわっていた。

二の丸御殿に続く通路に和宮が現れた。

「今宵・・・ケリをつけるのでおじゃる・・・おフランスの魔物たちを焼き払っておしまい!」

二の丸に殺到するくのいちたち・・・。しかし・・・その姿が断末魔の叫びとともに空中に舞い上がる。

二の丸の壁がくずれ・・・姿を見せたのは巨大な蛇だった。

「おのれ・・・こんなところに潜んでおったか・・・」

和宮の顔色が蒼白になった。坂本龍馬の青龍変化によっても息の音を止められなかった相手と悟ったのだ。

荒れ狂う蛇は大奥のくのいちたちをなぎ倒し・・・逃げ遅れたものを飲み込んだ。

その蛇の前に沖田林太郎が・・・立ちはだかった。

「天然理心流奥義・・・鹿の角」

抜き打ちで仕掛けた林の剣が一瞬巨大な鹿の角のように古き蛇の胴体をなぎ払う・・・しかし・・・蛇は熱気を放って・・・その剣を溶解させた・・・。

「・・・なんと・・・」

呆然とした沖田の肩をつかむものがいた。

「おいどんが相手をいたすでごわす・・・国を思う気持ち・・・これあり」

忍び装束を解いた西郷吉之助は巨大な蛇をひと睨みした。

その夜・・・江戸城二の丸は炎上し・・・全焼した。

風下の江戸八百八町の民は・・・へびの蒲焼の匂いをかいだ。

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2008年11月 9日 (日)

人間には二通りある・・・とりあえず発砲するものとしないものだ(三浦春馬)

誰がスウィングガールズの井上(福士誠治)だ。もっとも井上の語り口は「全ての人間は2種類に分けられる・・・」になっている。

このパターンで有名なのは映画「続・夕陽のガンマン」のクリント・イーストウッド。「世の中には2種類の人間がいる・・・ドアから入る奴と・・・窓から入る奴だ」・・・吹き替え版だと・・・故・山田康雄のユーモラスな味わいがさらにくわわり・・・心に染みるのだが・・・場面は敵が窓から侵入・・・発砲である。

西部劇は発砲が日常茶飯事である。この映画の原題は「The Good, the Bad and the Ugly」で日本語版のセリフに従えば「オレ、いい奴(イーストウッド)、オレ、悪い奴(リーバン・クリフ)そしてオレ、汚い奴(イーライ・ウォラック)」ということだ。三種類いるのである。

この第三の選択「どちらでもない」というのが効いている。つまりこの世は勧善懲悪ではないということだ。

この面白みというのは小学生でも分るものには分る。そういう小学生には勧善懲悪のドラマは侮蔑の対象になのやすい・・・しかし・・・いつか・・・ベタというものを知り・・・これはこれで面白いのだと気がついたりもする。

つまり・・・勧善懲悪がなければ第三の選択(ひねり)もないということだ。

「続・夕陽のガンマン」の主人公・ブロンディー(イーストウッド)は賞金稼ぎで・・・お尋ね者の賞金首トゥーコ(ウォラック)を生け捕りにして・・・賞金を稼ぐ。トゥーコは死刑になり首に縄をかけられる。ここでブロンディーは「世の中には二種類の人間がいる・・・首にロープを巻く奴と・・・それを切る奴だ」・・・ブロンディーは狙撃で縛り首のロープを切断し・・・トゥーコは脱走する。別の街に行き・・・ブロンディーは保安官にトゥーコを突き出すのである。

詐欺なのである。

時は南北戦争中で・・・隠された金貨をめぐり・・・金のためなら簡単に人を射殺する男エンジェル(クリフ)を加えて争奪戦を繰り広げる。

こんなセリフもある・・・「銃を構える奴と穴を掘る奴だ」・・・見ていなくてもなんとなく情景が浮かぶだろう。

この世には二種類の人間がいる・・・それをユーモアと感じる人間と感じない人間だ。

で、『ブラッディ・マンデイ・第5回』(TBSテレビ081108PM0756~)原作・龍門諒、脚本・渡辺雄介、演出・平野俊一を見た。致死率ほぼ100%の凶悪なウイルス・ブラマンを保持するテロリスト。それを追う警察の特殊組織・サード・アイ。そして・・・単なる高校生ハッカーの藤丸(三浦)・・・彼らが日本の安全を賭けたゲームをしているのだ。

これで面白くならないはずはないのだが・・・面白くなりません。

そこが一番面白いところなのだな。

なにしろ・・・テロリストが正体不明すぎるのである。

テロリストの不気味なところは「どこに潜んでいるのかわからない」ことだが・・・同時に「何をするのかわからない」ところでもある。

それなら・・・いっそ・・・「どこの誰だかわからない」方がこわい。

しかし・・・敵は正体をさらしまくります。

次に・・・「ロシア」で入手したウィルスを「日本」で使う・・・というのがテロリストの「計画」なのですが・・・最初は「方法の誇示」・・・次に「ウイルスの脅威の誇示」と進んでいきます。そうなると「ウィルス・テロ」を餌に「何らかの要求」をしてくることは明らかです。

これは・・・毒入りチョコ事件の時の企業恐喝の手口であり・・・最近ではエバラ焼肉のタレに農薬入れた男が逮捕された・・・よくある犯罪です。

そんなもの・・・面白くもなんともないよね。

しかも・・・途中から「抗ウイルス剤」というアイテムが加わります。これは第三者が持っていてこれから争奪戦に突入。それを手に入れれば「死」だけでもなく「生」も手にいれることができて・・・テロリストは「神」になれると現在のところのリーダーがのたまうわけです。

最初の目標はどこいったんだ。

つまり・・・テロリストは単に「支配欲に目がくらんだバカ」にすぎません。そんな奴・・・クラスに2~3人はいるのが普通なので・・・ちっともこわくないのです。

そして・・・囮操作でテロリスト・グループを包囲した・・・特殊部隊が・・・犯人に発砲されると・・・あわてふためいて・・・簡単に脱走されてしまいます。

とりあえず・・・発砲して・・・動けなくする技量もないのか・・・。

そんなんで・・・特殊部隊と言えるのか・・・。

まあ・・・世の中には二通りの人間しかいないのです。少年マンガなのに少年にウロチョロされるとイライラするくせについ見ちゃうタイプと最初から期待しないタイプ。

後者だったら・・・どんなにか・・・良かったか・・・。

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2008年11月 8日 (土)

防波堤の上をつかまって歩いた・・・(戸田恵梨香)オレだって七変化(錦戸亮)流星の絆的歯ブラシ(二宮和也)

たたみかけるなぁ・・・一人何役もするというのは・・・舞台ではよくある話で・・・そういうストーリーだからというのではなくて・・・単に劇団員の人数と脚本家が書いてしまう登場人物の数がマッチしないから・・・という事情のことが多い。

ある意味・・・今回のストーリーはそういうせせこましさを反映しているような感じだ。

もちろん・・・森の妖精Aが城の騎士Aで村の住人Aであったりすることが・・・味わいになることもある。

そういう味が分るためには少なくとも若さとか・・・若い頃からそういうムードに慣れている必要があり・・・そういう意味では不親切な物語なのである。

だが・・・もちろん・・・そこがいいのだな。

で、『流星の絆・第4回』(TBSテレビ081107PM10~)原作・東野圭吾、脚本・宮藤官九郎、演出・石井康晴を見た。おおまかに言って・・・ある層の人々を拒絶する演出と言っていいだろう。それは・・・年齢的に話についていけない人だったり、ある程度、ドラマ慣れしていない人だったり、一定の知能のない人だったりするある層である。

たとえば・・・切り刻まれた時間の流れがある。

現在のシーンから回想シーンに移る時にはある程度の間を必要とするのが普通だが・・・このドラマの場合・・・静奈(戸田)が詐欺現場で帰国子女に扮して御曹司(要潤)を騙している最中に・・・過去の功一(二宮)が詐欺計画を静奈や泰輔(錦戸)を打ち合わせ中の過去にカットイン(映像や音声をそのまま切り替えること)する。そうかと思えば・・・詐欺現場からその後の結果報告の場面にカットインするし・・・さらには過去から詐欺現場へ・・・未来から詐欺現場へふたたびカットインしたりするのである。

のんびりドラマを見ている人には刺激的すぎる演出と言えるだろう。

視聴者によっては話の筋を追えなくなってしまう人もいるはずだ。

それでも・・・この現在・過去・未来をシャッフルした演出は・・・その場面での登場人物の心情に深みを与える効果があるために・・・より面白くなることを狙っているわけである。

まあ・・・すべての演出は諸刃の剣なのである。

さらにはセリフもなかなかに・・・巧妙である。

御曹司との会食を終えて・・・静奈と功一が会話するシーンで・・・静奈は功一に「お兄ちゃんの言っていたことが分った」と言う。

実は・・・「お兄ちゃんの言っていたこと」は二つある。

一つは「ターゲットを御曹司にしたのは・・・なんとなく・・・イラッとするから」ということ。

一つは「詐欺はこれで最後にする・・・自分たちが人としてダメになるから」ということ。

そして静奈は二つともに釈然としていなかった。

第1回目の御曹司への遭遇を終えて・・・静奈は「まじめでいい人だった」と御曹司の印象を語る。これには功一が釈然とできずに・・・「ビジネスとプライベートでキャラクターを使いわけている」とフォローするのである。

功一の言いたいことが矛盾している以上・・・それは当然の結果である。

「御曹司が嫌いだからターゲットにする」というのと「詐欺は悪いことだからもうやめる」というのは相反した事柄だからである。しかし・・・それでも詐欺に踏み切るのは功一が御曹司を嫉妬によって憎悪している気持ちが勝つからだ。

二回目で・・・静奈が「分った・・・お兄ちゃんの言いたいこと」は・・・。

「真面目な御曹司の言葉を聞いていると・・・自分たちがダメなことをやっているのを感じた」ということであった。

このシーンで二人の気持ちはすれ違っているのである。

功一は「ダメなことは分っているが御曹司が憎いからやる」のである。

静奈は「自分たちのやっていることがダメなことだと分った」のである。

しかし・・・功一が二つの矛盾した「言いたいこと」(目標)を設定しているので兄と妹の会話は成立する。しかし・・・確実に兄の心にはもやもやとしたものが残るのである。

兄は・・・妹と心がすれ違っているのに気がつくからだ。

もちろん・・・キッドがそう思うような含みがあるとは限らないが・・・セリフの流れが実に巧妙であることは明白なのだな。

今回は冒頭のこれまでのあらすじを除くと・・・過去の子役たちが登場するのは施設でのチーちゃん(稲垣鈴夏・・・山田太郎ものがたりの七生である)ことちえみ(徳永えり)との出会いのシーンだけだ。暗く落ち込んだ三人の兄弟妹に施設の先輩であるちえみにお小遣いとして「牛乳のフタにかかれた500円」をもらい・・・勇気付けられる。そのちえみは成人して施設長でありカレーショップの店長でありDVD店の店長である林ジョージ(尾美としのり)の経営する激安キャバクラ「ジョージ・ミート・ガール」でキャバクラ嬢をしていた。今回のラストで・・・計画か・・・味に何らかの理由かは・・・まだ定かではないがハヤシライスを食べて涙する静奈だが・・・この500円をお返しするシーンがお茶の間の涙ポイントになっていたと考える。

ちえみと不倫して妊娠させて責任を回避する中学教師・沢井(デビット伊東)に仕掛けた「さわやかオン・ザ・ラン」の詐欺も・・・「この世の不義を討つ義賊」的に詐欺であったが・・・虐げられたもの同士の・・・「辛かったけれど楽しいこともあった」施設の暮らしでの希望と・・・「子供を生んでもかわいそうなだけ」というちえみの絶望を生める偽金・・・この意味深さはなんてこったである。

ついでに・・・今回は怒涛の劇中劇に見せかけた劇の攻撃。「妄想係長高山Final」の最中に「カナダからの手紙」がアドリブ的に挿入され・・・「ダイヤと嘘とやさしいレストラン」になだれ込むのだ・・・そして・・・そこでは目撃された男(柄本明)が登場するのである。

単に通りすがりの謎の女だと思われていたサギ(中島美嘉)はいつの間にか功一と同棲しているし(静奈の推測)・・・被害者の子供たちを何故か執拗に疑いの目で見る柏原(三浦友和)もどこか怪しい・・・。

このままの流れだと・・・御曹司と静奈が恋・・・御曹司の父親を殺害後・・・真犯人でないことがわかる・・・静奈は崖から身を投げる・・・二時間ドラマみたいなことになりますよね。

アクセルってアクセル・ローズか?・・・それともロックマンのアクセルか?・・・ふり幅大きいな。

関連するキッドのブログ『第三回のレビュー

Hcinhawaii0476 ごっこガーデン・なつかしの洋食屋セット。お気楽すごく多角経営なのね・・・施設をまだやってるとしたら・・・儲けは全部施設に・・・すごいボランティアだよね・・・復讐は・・・ぶっ殺すのかなぁ・・・まこエリ姉ちゃんもサギさんもなぜ和服?・・・なぜタモリ倶楽部の合言葉?・・・なぜダイブ?・・・ここは洋食屋さん?・・・それともSM割烹?」アンナ録画しそこなったぴょん・・・ダーリンツアーで心ここにあらずぴょん・・・じいや・・・スタミナドリンクちゃぶだいエリ和風ボンテージでスー。革の和服がアバンギャルドなのでスー。妄想劇場完結記念タカヤマロイドをヒーヒーいわせる大会ですyon・・・魔性の女も女のたしなみでスーくうニノの妄想劇場につぐ妄想劇場なのに・・・そっと咲いた一輪の花に・・・涙をしぼりとられる私・・・今夜のシチューもちょっとしょっぱめだよikasama4・・・子供が苦労するから・・・私みたいに・・・母と人殺しの分かれ目で・・・重い・・・柏原真犯人かな?・・・流星の三人のれんイラスト完成しました・・・

Hcinhawaii0477 ごっこガーデン・まぼろしの洋食屋セット。みのむしえーと看護師で保険の勧誘員で病弱少女で帰国子女・・・静奈・・・天才るるる・・・ちょっとした憎しみが・・・皮肉な運命の扉を開く・・・前向きの夢と犯罪に走る心・・・功一の心せつなし・・・泰輔・・・どれだけ心に焼き付けてきたことか悲し・・・」mariやはり・・・ハヤシライスは父の味・・・ニノの作ったのより・・・美味しかったのかもしれません・・・エピ盛りだくさんで楽しませてくれますね・・・いよいよ本題でしょうか?・・・おなかすきましたねちーずとにかく・・・あらすじが複雑巧妙にできているので・・・大変です・・・遅刻ですシャブリいろいろあるので・・・大変です・・・遅刻なのでありましたーっ」・・・和風ビーフシチューを食べてたら・・・遅刻しましたーっ・・・このお店って・・・パクリですかーっakiシーっ。芯ちゃん・・・大人の事情よ・・・最近また韓ドラにはまっていて・・・遅刻しましたけど・・・なにか

日曜日に見る予定のテレビ『機動戦士ガンダム00』(TBSテレビ)『篤姫』(NHK総合)『SCANDAL』(TBSテレビ)

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2008年11月 7日 (金)

なんて云ったのと三回訊きました。(国仲涼子)七瀬ふたたび船の旅(蓮佛美沙子)

さて・・・「七瀬ふたまた」↘*4.5%は脚本家がバトンタッチしたわけだが・・・少しトーンがコミカルになったが・・・七瀬のメンヘル度はあいかわらずだな・・・。まあ・・・サイキックはサイコだから・・・いいのか。

こわれるなんて云っちゃダメ・・・こわれてる人は自分のことこわれているって云わないからっ。

・・・っていうことか。

「風のガーデン」↘13.6%は間男された妙子(伊藤蘭)の夫・内山(利重剛・・・またお前か)が登場・・・。貞美(中井貴一)の親友だったのか。それにしても・・・本人は知らないのか?・・・上司も知っているのに・・・知らぬは亭主ばかりなりか。

さらに云うと・・・妙子の接近を拒絶する貞美・・・「これ以上・・・私を罪深くさせないでくれ・・・」

その時、病院前を通りすがりの七瀬(蓮佛)が「・・・もう・・・飽きちゃって性的魅力を感じないので抱きたくないだけだけど・・・誰?・・・誰の心なの?」

「小児救命」は野球延長で放送休止である。「夢をかなえるゾウ」↗*5.2%・・・七瀬・・・。

で、『心のきれいな世界の七瀬ふたたび・第5回』(NHK総合081106PM8~)原作・筒井康隆、脚本・真柴あずさ、演出・吉川邦夫を見た。原作の一部愛好家をゲッソリさせ・・・一般人にはとっつきにくい展開で・・・今回を迎えたわけだが・・・ユーモアという点ではそこそこ・・・新しい風が吹いたような気がする。

まあ・・・これも好みによるが・・・ついに時間を遡行する能力に目覚めた漁藤子(水野美紀)・・・科学者として検証するために選んだ実験方法が投身自殺・・・飛び降りである。ここ・・・ここまで放送道徳モードで回避してきたのに・・・ついに検閲を突破である。

あまり悪意に満ちていない世界・・・なにしろ・・・西尾を殺さないし・・・殺そうとしたことをくやむ七瀬である。そして・・・朗(宮坂健太)の継母が息子の身を案じたりする。そんな殺伐としていない七瀬なんて・・・と思ってきたキッドは・・・とりあえずこの検証方法がちょっとうれしかった。

しかも・・・くりかえしのギャグ展開だ。

「超能力なんて消えてしまうばいい」という七瀬と「原子力の平和利用も否定するの」という漁。一般人と科学者の平行線である。

「自分の身が危険になると・・・時間をさかのぼる」という仮説を検証するため・・・窓から身を乗り出す漁は・・・「やっぱりできない」・・・結局、落下・・・時間遡行である。

自分の能力を七瀬に証明するためにふたたび・・・飛び降り・・・七瀬にとめられて・・・結局、二人で落下・・・七瀬も時間遡行である。

「自分の身が危険でないとできない」かどうかはまだ未知能力なのであった。

ここで七瀬の唇を奪い原作を越えた男・岩渕(塩谷瞬)が・・・火田博士(小日向文世)の秘密をめぐり漁博士に電話・・・嫉妬丸出しで電話に割り込む七瀬。

七瀬にまとわりつく客をクルクルダンスさせるヘンリー(郭智博)はちょっとチンピラモードだが・・・ドラマのトーンにはあっている。

そして・・・ヘンリーを騙し・・・七瀬につきまとう朗。

船上で原作では愛人に殺される女の変わりに溺れる少女ミサト(宮本侑芽)を人口呼吸で心臓マッサージする高村刑事(市川亀治郎)のアクション。

その少女はなぜか落下・・・人形でも落としたのかと思ったら本人が人形だった。

そして・・・「行きましょう」と手をとりあって走り出す漁と七瀬。

ついでにとってつけたように出番を確保する真弓瑠璃(柳原可奈子)と店長(北村総一郎)・・・真弓・・・美容師をなめるなよ・・・。

とにかく・・・このように軽いタッチになってきたのである。少なくとも・・・原作の悪意あふれる世界をスポイルし・・・気の抜けたサスペンスだけでここまでこの作品をつまらなく仕上げた前の脚本家より・・・ちょっと面白みを感じました。まあ・・・前が前だけにかなりハードルの下がった面白みですけどね。もう・・・小芝居でもなきゃ・・・やってられないもんな。もう思い切ってハチャハチャにしてしまえばいいのさ。

で、『風のガーデン・第5回』(フジテレビ081106PM10~)脚本・倉本聰、演出・宮本理江子を見た。末期ガンの後輩として末期ガンの先輩・二神(奥田瑛二)に「告知」してしまった貞美。おかげで・・・末期ガン患者専用トレーラーを入手するのだった。

ここで・・・心変わりして優しくなった父に驚いた二神の娘・香苗(国仲)に問い詰められる貞美・・・。

「父に・・・何を言ったんですか・・・父が・・・私にありがとうって・・・そして子供みたいに泣き出したんです・・・」

父を案じる香苗に・・・自分の娘・ルイ(黒木メイサ)を重ねる貞美。・・・しかし二神は200億円持ってるからな・・・。

貞美の現在の愛人(平原綾香)は主題歌「ノクターン」(ショパン)を歌うのだが・・・劇中ではカッブリングの「カンパニュラの恋」・・・の歌というのが最後に歌われることが暗示されて・・・一種のお遊びになっている。

ちなみに・・・伊藤蘭の体に飽きた・・・貞美がそれほど美人ではないが若い平原綾香に魅力を感じるというこのキャスティングは恥ずかしいくらいのリアリティーだと思う。

そして・・・その延長線上には国仲涼子がいて・・・さらにその先に黒木メイサがいる。

淫靡である。ノクターンがサマータイムみたいに聞こえるほどに・・・。

さて・・・カンパニュラ(釣鐘草)といえばカンパネルラである。宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」の登場人物の一人である。カンパネラと表記される場合もある。カンパネルラは・・・優しい死の匂いのする少年である。宮沢童話には残酷な死を真綿でくるもうとする趣向があり・・・それがなんともいえないエロチシズムを発揮するわけだが・・・それを代表する登場人物の一人と言っていいだろう。

宮沢は死んだ妹の「死」を和らげようと・・・見つめ続けた作家でもあるからだ。

カンパネルラはザネリを助けようとして溺死する。

一説によるとカンパネルラは「太陽の都」の著者で十七世紀のイタリア思想家カンパネルラから取ったとされている。トマス・モアの「ユートピア」と並び称される理想主義が「太陽の都」では語られている。つまりカンパネルラは「輝ける死」の象徴なのである。これに対しザネリは一説ではバリトン歌手のザネリから取ったと言われる。

男としては・・・放蕩したうらやましい存在の・・・貞美にやがて訪れる死・・・それを歌いあげるのが・・・愛人の歌だとすれば・・・このドラマは「銀河鉄道の夜」の変奏曲と言えるだろう。

そして・・・キキョウ科ホタルブクロ属の花の名を奏で続ける岳(神木隆之介)・・・頭の中がカタカナだらけで心の病になってしまうのではないかと・・・ふと案じるのだった。

まあ・・・在宅看護とか・・・親の死に目に会わないとか・・・先立つ不幸をお許しくださいとか・・・のたれ死ぬ自由とか・・・人それぞれだと思いますけど。

関連するキッドのブログ『先週の木曜日のレビュー

土曜日に見る予定のテレビ『ブラッディ・マンデイ』(TBSテレビ)『スクラップ・ティーチャー』(日本テレビ)『スウィングガールズ』『ルーム オブ キング』(フジテレビ)『トンスラ』(日本テレビ)『ジャッジⅡ』『アグリー・ベティ』(NHK総合)・・・もうある意味ヘニーデ。

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2008年11月 6日 (木)

背が低いのは実在しないのと同じですか?(観月ありさ)言葉を知らないのは無口と同じですか?(美波)

さて・・・浪費の達人の次は黒人初の大統領なのであるが・・・お茶の間はそんなことより・・・韓国の整形手術の失敗の結果に興味津々なのである。まさにゲテモノ・ショー魂よ永遠なれ・・・だな。

つまり「ザ!世界仰天ニュース」20.5%ってこってす。

さて・・・男たちのドラマ「相棒」は今回は犯人も男なら被害者も男。最初の容疑者も男なら二番目の容疑者も男です。一応・・・動機は辱められた両親の復讐ですが・・・そこには被害者(男)と加害者(男)の擬似父と息子的な愛憎がからんでいる・・・という相棒ならではの展開。

もう・・・激しく・・・そっちの世界に行っているので右京さんが犯人を説教する内容も・・・「あなたの復讐のために利用されて犯人にしたてあげられたワーキングプアの命をどう思っているのですか・・・」と言うべきところを・・・「被害者は心からあなたを愛していたようですよ・・・」になっている。・・・爆笑したわ。

そんなこんなで野球延長のため30分もつれた「相棒」と「OL」のダンスは・・・

「相棒」・・・・・・・・・・・17.9%↗19.7%↘15.0%

「O L」*8.3%↗10.6%↘*9.9%↘*9.7%↘*7.0%

まさに共倒れステップ。しかし、小数点以下はあわせてきました。

で、『OLにっぽん・第五回』(日本テレビ081105PM10~)脚本・中園ミホ、演出・岩本仁志を見た。国際関係は難しい。孫子の兵法には「敵を知り己を知れば百戦危うからず」という戦争の基本が語られるが・・・自分というものを知ることと・・・世界のすべてについて知ることは非常に困難なことだからだ。

よく・・・「自分探し」などという言葉を嘲笑の対象にする人がいるが・・・その裏には「本当の自分を知ることなんて不可能だ」という絶望感が潜んでいる。もちろん・・・絶望することはない・・・本当の自分を知っている人なんてそう簡単にはいない。「ボクは自分のことをよく知っている」という人が借金苦に陥って犯罪に走ったりするのが現実にあるからである。

自分を知るためには・・・まず・・・過去というものを知る必要がある。過去の自分があって今の自分があるからである。

当然・・・記憶力の曖昧な人は曖昧な自分しか発見できないのである。

また・・・そういう歴史的な自己形成を考える場合、両親の過去というものも考慮に入れなければいけない。吉田茂を祖父にもつ人間と・・・竹下登を祖父に持つ人間では麻生太郎とDAIGOほど違うからである。

本当の両親を知らなかったりすると・・・前途多難である。

そして・・・さらに自分の属する社会というものも知る必要がある。東京都民なら東京都の地理や歴史、日本人なら日本国の地理や歴史、地球人なら地球の地理や歴史を知らなければならない。

つまり・・・自分を知るということは世界の全てを知るのと同じ意味なのである。

当然・・・「敵」についても同じことが言え・・・そもそも「敵」と「味方」を峻別するためには世界のすべてを知る必要があるのは当然のことなのである。

だから・・・何をしても何もしないのと同じというのは愚か者の結論である。

なんとなく自分でなんとなく敵でなんとなく生きていく・・・それがなんとなく人生なのです。

だから・・・「なんとなく己を知りなんとなく敵を知ればなんとなく百戦連勝」なのであった。

さて・・・それではなんとなくレビューをしていこう。

民主党のオバマが勝利したことによって日米関係がどうなるか・・・心配という人がいる。しかし・・・ブッシュの時だって日米関係はそれほど安心できる状態ではなかったので・・・それは杞憂というものだろう。

経済の問題で言えばオバマは「自由→平等」にシフトしていくと思われるのだが、つまり自由競争(規制緩和)から計画経済(規制強化)へと転換されるわけだが・・・すでに日本ではそれに類する動きが始まっている。

また・・・クリントンによるジャパン・バッシングの記憶から米国民主党政権は日本をいじめる・・・という憶測があるわけだが・・・当時の日本はナンバーワンに迫るナンバーツーとしてたたかれたのである。現在・・・その地位にあるのは日本ではなくて中国であることを忘れてはならない。チャイナ・バッシングが起こる可能性は高いのである。そうなれば・・・かって中国がそうだったように日本が漁夫の利を得ることは可能である。

さあ・・・ようやく中国の話になりました。

いつだって変革の時はそこにある。それを見逃せば・・・失敗することも多いのだが・・・人は失敗から多くのことを学ぶ。変革とは機会に過ぎない・・・民主主義は自由と平等という両立しない二つの理想のせめぎ合うイデオロギーである。自由側に偏ればそれにのり、平等側に偏ればそれにのる。そういうシーソーゲームなのである。

そして・・・時には自由と平等は戦争をする。それはチビとノッポがケンカするのも同じなのだな。

今回・・・神崎島国根性子(観月)は小旗健太(阿部サダヲ)の過去を「ひねくれた性格が災いして日本企業からおちこぼれ中国に逃げ出して復讐するために戻ってきた」と指摘する。そして・・・それはどうやら当たらずとも遠からずだったようなのだ・・・島子はエスパーだったのか!

・・・それはさておき・・・トムとジェリーのように仲良くケンカする島子と健太・・・。

それを見て非常に聞き取りにくい発音で中国人の李(フービン)は・・・「中国ではケンカをしなければ仲良くなれないと云います」と島子の婚約者・東十条・・・でなくて朝比奈(東幹久)に告げるのである。

はげしく動揺する朝比奈課長。なにしろ日本では「ケンカするほど仲が良い」と言うのである。

「島子さんは健太と・・・ケンカ・・・私は島子さんとケンカしたことない・・・ま、またしても東十条コースか・・・」と暗澹とするのです。

一方・・・前回、ドン・キホーテコースで島子への愛を告白した都留(井上芳雄)は告白を聞かなかったことにするという島子に「もう人間やめたい・・・」的脱力ぶりである。恋敵課長に慰められる体たらくなのである。

そんな・・・レギュラーに殴り込みをかけるのがキノコ・・・じゃなかった窓際の資料室男・山村(鈴木浩介)だった。

彼は「蘇州夜曲」の流れる中国人パブの踊り子メイメイ(チェン・チュー・・・マイ☆ボス マイ☆ヒーローのフェイ・リンでだんだんのイーリンである)へ酒に酔って暴力をふるった疑いで店側が会社を脅迫してきたたために・・・会社に監禁されてしまうのだった。

・・・日本テレビも・・・不祥事・・・婦女暴行など・・・を起した社員・・・アナウンサーなど・・・を監禁するのかしら?

なんとか・・・事を穏便にすませようとする社員一同。

しかし・・・「日本人が中国人に暴力をふるうこと」を義務教育されている派遣社員・張琳(タン・ジャースー)と楊洋(ローラ・チャン)は「この会社の人悪いことした」とマスコミのインタビューに答えてしまう。

たちまち部長(浅野ゆう子)はおかんむりだが・・・教育係の島子は「私が悪かった」と二人に代わって謝るのだった。

その姿に・・・「他人をかばって謝罪する」日本的姿勢を学んだ二人は・・・街でメイメイと出会い・・・山村に代わって謝るのだった。

ついでに・・・家柄上流能力底辺の桜(美波)も一緒に謝罪するのだった。

この物語の底辺には「中国史」の基本の一つ・・・文明社会が野蛮に滅ぼされるが流れている。

現在は日本という文明社会が中国という野蛮に滅ぼされる過程なのであるが・・・滅びた中国は常に野蛮を飲み込み復活する。その点を日本は学ぶべきなのだろう。

ユダヤが国を失って流浪するという真似はやめた方がいいのである。まあ・・・日本沈没の場合は仕方ないのです。

その象徴が甘やかされてちょっとバカの桜に集約されているのです。

とにかく・・・チビだけど・・・強い男・・・小幡は中国人パブに単身殴りこみ・・・実は濡れ衣だった山村の罪を晴らすのだった。

そのすべての事情を一瞬で悟る島子・・・その心は怒涛の勢いで小幡に傾斜する。

しかし・・・自分の恋心だけはまったく悟ることのできない島子は・・・まだチビ太が本命に浮上していることを意識していないのだった。

己を知る・・・己の国を知る・・・その難しさは・・・他人を知る・・・敵の国を知る難しさと瓜二つなのである。

関連するキッドのブログ『第四話のレビュー

金曜日に見る予定のテレビ『ギラギラ』『サラリーマン金太郎』(テレビ朝日)『流星の絆』(TBSテレビ)『メン☆ドル』(テレビ東京)

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2008年11月 5日 (水)

鬼ごっこ鬼ごっこ鬼ごっこ祭りよ!(上戸彩)子供は何するかわからないよ!(吉田里琴)

実録100億円稼いだのにもう使っちゃった男の嵐である。それは日本シリーズより強力だったらしい。

日本シリーズが18.0%で報道ステーションが19.0%ですからね。ま・・・スポーツニュースもあるから合作効果とも言えますが・・・そのあおりなのか・・・火曜日のドラマ対決に変動が・・・。つまり・・・「チーム・バチスタの栄光」視聴者はプロ野球にもTKにも興味がないということなのです。

①「チーム・バチスタの栄光」↘12.2% ②「セレブと貧乏太郎」↘11.6% ③「オーマイ・ガール!! 」↘*6.5%

ふふふ・・・せっかく総集編スペシャルまで作ったのにな・・・ともさかりえ主演回なのに・・・。それにしても・・・火曜日はつらいよ・・・になってきている。

で、『セレブと貧乏太郎・第4回』(フジテレビ081104PM9~)脚本・武藤将吾、演出・佐藤源太を見た。花より男子逆ヴァージョンであるこのお話。どうも中途半端なのだが・・・どうやら二重構造になっているからなのだろう。

最初の逆ヴァージョン。アリス(上戸彩)と若き日の後藤田(柏原崇)はアリスの継母・真紀子(若村真由美)の策略で愛し合っているのに引き裂かれた。アリスはそのことを知らないらしい。そして後藤田は金をもらって身を引き・・・出世(成りあがった)した現在・・・そのことについてわだかまりを持ちつつ・・・事情を話す気はないらしい。

現在の逆ヴァージョン。アリスと太郎(上地雄輔)・・・しかし・・・太郎は三人の子持ちの男寡である。そんな・・・太郎を密かに思うはっきりしない幼馴染の女・幸子(国仲涼子)もいる。

一番はっきりしているのは・・・アリスにとって死んだ実母の後に後妻を迎えた父親が許せない・・・当然・・・義母は認めないということである。

今回・・・太郎が・・・成り行きで・・・太郎の娘・花子(北村燦來)にプレゼントしてしまったアリスの母親の形見の玩具のネックレスをめぐって・・・花子とアリスが繰り広げる鬼ごっこのスラップスティック(ドタバタ)の結末は・・・「私たちは母を亡くしたかわいそうな子供たち」なのであった。

もちろん・・・ドラマは何を描いてもいいのだが・・・中途半端なんだよなぁ・・・。

そして・・・花子の母親の思い出の丘を守るために・・・継母の勧める後藤田との婚約を承諾するアリスなのである。

いわゆる一つのビジネスと色事を一緒にした展開である。

こういう場合・・・悪役側は徹底して悪として描かないと面白くない・・・とキッドは思う。

ところが・・・継母も・・・後藤田も・・・なんだか・・・まだ・・・善人の仮面をかぶったままなのである。継母は・・・アリス暗殺も含めて・・・美田園家の全財産を獲得するために手段を選ばぬ・・・ムードでいいと思うし・・・後藤田ものしあがるためにすでに2~3人殺していて骨の髄まで腐っているくらいでいい。

そして・・・毎回・・・仕掛けてくる彼女たちの罠をアリスが太郎たちと力を合わせて解決・・・最後は・・・ちょっと太郎も好きになっているのにお似合いの太郎と幸子のために身を引いて自分の世界に帰っていく・・・そういう展開が楽しいのではないかと思うのだが・・・ま・・・みんないい人でした・・・って展開にしたいのでしょうね。

だから継母は・・・実の母に勝ちたい母として・・・みたいな・・・後藤田は・・・今もあの愛が忘れられない男として・・・みたいな・・・すげえ中途半端だわ。

とにかく・・・執事の郡司(風間杜夫)が最後までアリスに忠実であれば・・・キッドとしては萌え~なんですけど。

今回は地上げされる土地を賭けて日本シリーズの裏で草野球対決。しかも後藤田の用意したのは大リーグ・オールスター・・・その上でスカシである。野球対決・・・まったくありません。みんな・・・これ・・・面白いのか?

花子の泣かせる演技を確認したあなたはコチラへ→お気楽様のセレブと貧乏太郎

で、『オーマイ・ガール!! 第4話』(日本テレビ081104PM10~)脚本・白石まみ、演出・久保田充を見た。次から次へと繰り出される違う脚本家・・・その度に登場人物のキャラ設定が微妙に違っています。同時に耕太郎(速水もこみち)と杏(吉田里琴)の関係も一進一退・・・まあ・・・リアルといえばリアルなのだが・・・らせんを描いたくりかえしではなく・・・堂々巡りをしていように感じられるところがあります。そこがちょっともったいないかな・・・。

耕太郎は週刊誌の記者・・・杏はスター子役。ある意味特殊な世界である。その上・・・耕太郎はケータイ小説家という夢を持つ発展途上の人・・・一方・・・杏は子役とはいえ主演級スターなのである。

その特殊性に・・・耕太郎は一般常識で意見しようとしたり・・・自分の不満をやつあたりしたり・・・ほのかな恋心で擬似家族を犠牲にしたりする・・・ある意味ダメ男としてかかわっていく。

すると・・・杏は・・・子役スターである前に一人の子供として対応せざるを得ない。

日本の子役には二つの流れがある。一つは伝統芸能である歌舞伎の子役。これは世襲的要素もあり・・・親子関係がそのまま芸能関係だったりする。もう一つは劇団出身のサバイバル系である。大手プロダクションの国民的オーディションやグループ系歌手、子供雑誌のモデルなどもあわせて・・・一般人の親が子供に・・・スターの道を託す世界だ。

杏はこの中でも特殊なサバイバル系だけど二世タレントであるという中間派。

本来・・・この辺りのことを描くだけで相当に面白くなるだろう。

NHKがアニーのようなもので・・・そのサバイバルの激しさを描いているくらいなので(「キャットストリート」ね)、本家としては・・・「アニー」はもちろん・・・「家なき子」だとか・・・「女王の教室」だとか・・・そのようなもののパロディーをもっとガンガンにやって笑わせてくれればいいのに・・・と思ったりする。

しかし・・・実は・・・主役はあくまで耕太郎・・・なのである。そして二番手はマネージャーの峰子(加藤ローサ)、三番手はなんと先輩編集者の真貴子(ともさかりえ)なのである。

だから・・・これは耕太郎と峰子と真貴子のラブコメのテイストを残している。

そうでありながら・・・あきらかにスターとしての存在感は・・・杏が飛びぬけている。

だから・・・脚本が非常にギクシャクしているのである。

今回なんて「あなたは・・・子供もひっぱたいて叱ることができますか?」がテーマなのである。

大人と一緒に仕事をして・・・しかもスターになるような子供を相手にからめるテーマじゃないだろうがっ。

だから・・・親でもないのに・・・親の真似をして・・・本当の親に親としてのアドバイスをする耕太郎が・・・かなり無理がある。ただでさえ・・・演技に難がある主役の人にこの設定はハードル高すぎるだろう。

しかし・・・耕太郎はがんばりました・・・離縁した夫と子供の関係に悩む真貴子を激励したり・・・真貴子の子供のつぐむ(加藤清史郎)を下心丸出しでチヤホヤし・・・それに嫉妬した杏が火事を引き起こすと一人前にビンタで叱咤である。

部屋の中で野球をされて迷惑そうにするビワ(犬)の演技力に謝罪しろよ。

まあ・・・要するに甘やかされて育った人々は甘い親にしかなれない・・・ってことですよね。

しかし・・・おイタをするたびに窓から放り出され地面にたたきつけられて育った子供はそれなりにバカになったりしますから・・・。

要するにしつけは加減ですな。加減につきるのです。その加減が難しいのなんのって。

一つだけ言えることは・・・地味だ・・・なんて地味な芸能界なんだ。自分のことを描くときはものすごく批判的でないと・・・ものすごくきれいごとになる。これ鉄則ですから。

真貴子の件は結局ウヤムヤかよっと思いつつ杏がかわいいからいいやと思うあなたはコチラへ→お気楽様のオーマイ・ガール!!

お灸をすえればいいのにと思いつつ杏がかわいいからいいやと思うあなたはコチラへ→ikasama4様のオーマイ・ガール!! 

パパ度チェックをしながら稲垣鈴夏チェックもしていろいろ大変だけど杏がかわいいからいいやと思うあなたはコチラへ→シャブリ様のオーマイ・ガール!! 

オマイガ・カルテット(仮称)全員出席を確認。

で、『チーム・バチスタの栄光・第四回』(フジテレビ081104PM10~)原作・海堂尊、脚本・後藤法子、演出・今井和久を見た。原作を薄く薄く引き延ばしながら・・・人情話をまぜこんでいく・・・まるで和菓子職人のような腕を見せる脚本家である。まあ・・・それはそれでひとつの芸だよな・・・「あんどーなつ」かっ。

今回は病理医・鳴海(宮川大輔)と第二助手の酒井(鈴木裕樹)をからめて・・・「働く喜びって何ですか?」という展開である。

天才・桐生(伊原剛志)の影に隠れる鳴海の医師生命を奪ったのは桐生だった。そうでなければ天才外科医になったかもしれない鳴海。

そんな鳴海が「犯人」と疑う白鳥(仲村トオル)・・・。

しかし・・・ビデオテープ盗難については鳴海は白だった。

黒だった・・・天才医師を父に持つ酒井は・・・自分の才能のなさを悲観していた。

しかし・・・田口(伊藤淳史)は語りかける。

「君に才能がなかったら・・・君よりダメなボクなんか死んだ方がマシだっていうのか・・・医者に上も下もないだろう・・・患者を苦しみから救いたい・・・そのために自分ができることをする・・・それが医者として生きる喜びじゃないかっ」

「そうか・・・下には下がいるんだものな・・・」

こうして・・・士農工商は作られていくのだった。

今週は奥貫薫はないけれど釈由美子は二枚あるし大谷允保(「エリートヤンキー三郎」の食堂のお姉さん)もチェックしたいあなたはコチラへ→お気楽様のチーム・バチスタの栄光

関連するキッドのブログ『先週の火曜日のレビュー

木曜日に見る予定のテレビ『七瀬ふたたび』(NHK総合)『夢をかなえるゾウ』(日本テレビ)『風のガーデン』(フジテレビ)『小児救命』(テレビ朝日)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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2008年11月 4日 (火)

それは私ですと挙手をしました(内田有紀)ヘロデ大王とイノセント・ラヴ(堀北真希)また・・・オレですか(平田満)

人々は裸で生まれ・・・多くは着衣のまま死んでいく。ただし・・・お風呂ですべって転んで死ぬ場合はその限りではない。

腹上死の場合も着衣でない場合があるが・・・下着フェチやコスプレイヤーは違うことが多い。

妻の認知症を赤裸々に語る夫は・・・多くの場合、死の一歩手前だが・・・若い寝たきり女のフィクションよりも視聴率を獲得することがある。

そうなることもあるしそうならないこともあるがそうなるまで生きたことが長寿の一つの証である。

もちろん・・・この世のすべての出来事には例外がある。

それは恐ろしいことでもあり仕方のないことでもあり祈ることの意味でもある。

本題に入る前に恒例の視聴率チェック。「ギラギラ」↗11.8%(本物はどっちだのゲーム展開・・・そしてラクダ無敵伝説・・・ベタだ)、「流星の絆」↘15.0%(まだまだ・・・貯金がありますん)、「サラ金」↗12.8%(昨夜はよかったわ・・・的上げか)、「ブラ・マン」↘10.8%(特殊三課の危機管理が湾岸署レベルだからな)、「ジャッジⅡ」↗*7.9%(滅多にない島の殺人事件だからな)、「スク・ティー」↘10.8%(マラソンすればなんでもいいってもんじゃないだろ)、「赤塚不二夫伝説」10.6%(神秘のベールに包んでおけよ)、「ROK」↗*6.1%(石野真子・井川遥のコスプレショーか・・・)、「篤姫」↘23.5%(あきらかに・・・大奥不足か・・・)、「SCANDAL」↘11.4%(どうしても・・・不倫とかの方向に・・・ダメなのに)、・・・ついでに「イノセント・ラヴ」↘13.1%(底値かな)、「長門裕之溺れる南田洋子忘れるドキュメンタリ宣言」22.9%(・・・・)・・・・以上。

で、『イノセント・ラヴ・第三回』(フジテレビ081103PM9~)脚本・浅野妙子、演出・松山博昭を見た。Bの場合はバビブベボの音をあて、Vの場合はヴァヴィヴゥヴェヴォをあてる。それがおしゃれなのかどうかは知らないが・・・この場合はラヴである。ラヴゥではないのである。ラブという文字に慣れ親しんだものにはラヴなんてラブじゃないと思うかもしれない。キッドはヴァージョンをバージョンと書いた方が簡単だと思うが・・・なんとなく・・・後ろ指をさされている気分になることがあります。エヴァンゲリオンかエヴァンゲリオンの呪いなのかーっ。

日本人は神道で生まれ・・・お宮参りに行ったりして・・・キリスト教の教会で結婚式を挙げ、仏教のお寺のお墓に入ったりする。もちろん・・・しっかり冠婚葬祭をそれぞれの宗教で行う人もいるが・・・なんとなく・・・信仰というものを自由に考える気風があるし・・・同時に触らぬ神に祟りなしという信条もある。

しかし・・・今回のドラマはある程度・・・クリスチャンのことを知っていた方が面白いし、そういう仕掛けに満ちている。要するに年頃の人々・・・とくに乙女は・・・お墓はお寺でいいけど・・・結婚は教会で・・・というロマンチックを持っているということである。

さて・・・カノンというと・・・キッドは「パッへルベルのカノン」を思い出す。青春時代に街角で聞き・・・音大の女友達に「これ・・・なんていう曲?」と訊ね曲名を教えてもらった思い出があるからだ。もちろん・・・クリスマスシーズンであり淡い恋の思い出でもある。

この場合のカノンとは音楽の様式のことだが・・・キリスト教でカノンというのは実は「聖書」のことである。もちろん・・・言葉には関連があるのだが・・・「聖書」としてのカノンは広い意味で正典を示すのでたとえば仏教の「観音経」などは「観音のカノン」と言えるのである・・・それが言いたかったのか。

もちろん・・・このドラマには教会のオルガンや・・・長野のピアノ、横浜のピアノと・・・音楽関係のアイテムも登場して・・・音楽用語としてのカノンも匂わせている。

しかし・・・主役の佳音がクリスチャンであるから・・・聖書としてのカノンへの言及も欠かせないだろう。

少なくとも佳音と名付けたものは・・・聖書(バイブル)との関連を意識しているものと考えたい。

日本人にとって・・・キリスト教は・・・正邪のどちらかといえば邪であるという考え方がある。

それは異文化であること・・・それに関連して弾圧されたこと・・・それによって生れた隠れ切支丹のイメージなどがある。

一方で・・・戦後・・・キリスト教国によって民主化された現代では・・・キリスト教には圧倒的に正のイメージもあり・・・そこが面白いところだ。

だから・・・佳音は・・・一方では清く正しく美しく描かれ・・・一方では盗み覗き嘘をつく邪さを暴かれる。

人々は安寧を願う。そのために・・・朱に交われば赤くなる・・・ことを畏れる。

罪人や・・・罪人に関係する人々を隔離し・・・遠ざけようとするのである。

その臆病な態度は・・・ある意味では自然で・・・普遍的であると言えるだろう。

しかし・・・同時に・・・罪に落ちる危機は・・・すぐそこにある危機でもある。人々の理性はそれを感じ取り・・・もしもの場合を考えて・・・いつか自分がそうなった場合・・・基本的人権を保障したり・・・死刑に反対したり・・・犯罪者の更生を口にしたりするのである。

もちろん・・・それはなるべく・・・どこか知らないところでなされるのが望ましい。

そういうシステムによって・・・隔離された殺人犯・耀司(福士誠治)は自由を奪われるが・・・人々の善意の檻の中にいる。

一方で・・・両親を殺害された幼子である佳音(堀北)は兄の犯した罪の関係者として世間の悪意に曝されるのである。

その社会的制裁にはルールがないので限度がない。殺人者の妹というだけで・・・被害者遺族であることは忘れ去られ・・・社会からの容赦ない疎外を受け続ける佳音。

佳音にとって世界は悪意に満ちて・・・親の無い子供にとってそれは迫害に他ならない。

正体を明かせば非難・中傷され・・・職を奪われ・・・生きていることさえ困難だ。

正体を隠せば偽りの罪の意識に始終つきまとわれる。

そして・・・一方で兄の無罪を信じる気持ちがある。

さらには・・・悲惨な事件の前後の記憶が混乱しているという心の病があるのである。

佳音の心は切り刻まれています・・・。

街角で見つけ・・・優しくしてくれた人・殉也(北川悠仁)を恋する佳音の切なさは尋常ではないのだ。その殉也から見捨てられ・・・心の支えを失った佳音は・・・「お前のよさをわからないなんて・・・その男には見る目がない」という兄についに絶望をぶつける。

「みんな・・・みんな・・・お兄ちゃんが悪い・・・あの人は悪くない」

のである。

この場面ではお互いが面会室に相手の顔を映しながら・・・話すのだが・・・一度だけ・・・顔が消えることがある。

「・・・好きな人とはダメになった・・・」と語る佳音に対する耀司の表情がない。

そこを隠すのが・・・このドラマの基本である。落胆なのか・・・安堵なのか・・・喜悦なのか・・・心配なのか・・・全く教えてくれません。

この面会室の二人からだけでも様々な謎が生まれ・・・際限のない妄想地獄が始まります。

①耀司は両親を本当に殺害していないのか。

②殺害していないとすれば犯人は誰か。

③赤の他人か、自殺か、母と父は別々か、・・・佳音なのか。

④佳音は父(平田満)に性的虐待を受けているのか・・・兄に性的虐待を受けているのか・・・それとも通りすがりの人に・・・それとも何もされていないのか・・・あるいは逆に何かをしているのか・・・それはないだろう。

⑤これまで無関係に見える横浜の人々と兄妹の両親はキリスト教を通じて接点があるのか・・・ないのか・・・。

⑥ケーキのロウソクとまかれた灯油は関係があるのか。

⑦母親は魔女だったのか・・・そうではないのか・・・それもないってば。

・・・恐ろしいドラマです。

とにかく・・・心がバラバラになりそうな・・・佳音は・・・救い=あの人の笑顔を求めて教会にやってきます。

結婚式の前日に睡眠薬の過剰摂取で・・・自発呼吸も困難な病状に陥った聖花(内田)の人工呼吸器排除の疑いを・・・あの人=殉也にかけられてしまった佳音なのです。

ここでも・・・①睡眠薬の飲みすぎは・・・事故・・・それとも自殺・・・それとも罪深き幼稚園の先生・美月(香椎由宇)か同性愛だから片思いのジュエリー・デザイナー・昴(成宮寛貴)による殺人未遂②鍵はしまってたのあいてたの③反射なの故意なの④窓は開いてるの閉まってるの⑤はずしたのは反射なの・・・それとも嫉妬に悶える誰かなの・・・それとも霊的存在がらむの・・・それはないってば。⑤殺人未遂なのに・・・どうして警察を呼ばないの⑥やはりカメラはあったのに電源落せる監視カメラって・・・⑦あの家は誰の家・・・・・・・・・・恐ろしいドラマです。

おりしも・・・あの人を見かけたことのある教会は・・・ミサの最中でした。

ここで歌われるのは感謝の典礼(聖餐式)の「サンクトゥス(聖なる)祈祷/賛美歌66番」の三節です。

・・・聖なる、聖なる、聖なるかな

罪ある目には 見えねども

みいつくしみの 満ちたれる

神のさかえぞ たぐいなき・・・

もう・・・とにかく・・・神の聖なることは三回言ってもいいぐらい聖なることだという神への賛歌である。

幼子たちの歌声の中で・・・あの人の顔を捜す佳音。

しかし・・・オルガン奏者は存在することがすでに怪しい義道神父(内藤剛志)でした。

せつない場面なのに・・・和みます。

さて・・・キリスト教において・・・イノセントという言葉から連想される言葉のひとつにホーリー・イノセント・デイ(Holy Innocents' Day)があります。無辜聖嬰児(むこせいえいじ)の記念日で12月28日です。この場合のイノセントは汚れなき幼子たちを意味します。

伝説では救世主誕生の預言を知ったユダヤの王・・・ヘロデが・・・救世主が新しき王になることを恐れ・・・生れたばかりの男児をすべて虐殺したのが・・・この日だということになっているわけです。キリスト教では・・・殺害された幼子たちはすべて聖人とされています。つまり・・・イノセントとは・・・生れたばかりで殺された子供たちなのです。

さて・・・キリスト教では原罪というものがあります。何度か述べたように・・・蛇に誘惑されて智恵の実を食べたこと。それが神への裏切りであったことが罪の第一なのです。

つまり・・・この罪からは人間はたとえ・・・幼子であろうと逃れることはできません。

それは人間であることの証でもあるからです。

これに対して・・・七つの大罪と呼ばれるキリスト教の罪があります。映画「セブン」でお馴染ですが・・・これには「傲慢な虚飾」「憤怒」「憂鬱と怠惰」「強欲」「暴食」「色欲」「嫉妬」があります。

これらもまた人間的な罪ですが・・・幼子とは無縁とも考えられます。つまり・・・イノセントの汚れなきこととは七つの大罪を知らないこと・・・と考えることもできるのです。

たとえば・・・佳音は生きるために嘘をつきますが・・・これは「傲慢な虚飾」とは言えないでしょう。一方で・・・美月は・・・明らかに「色欲」から「嫉妬」して「憤怒」しているのです。その罪深さがお分かりでしょうか。

さて・・・ところで・・・殺人とかは・・・どうなるのか・・・という疑問が出てくるわけです。キリスト教はユダヤ教の分派ですから・・・それは旧約聖書のモーゼの十戒に準拠します。その六番目の戒めが「汝殺すなかれ」七番目が「汝不倫するなかれ」八番目が「汝盗むなかれ」九番目が「汝偽ることなかれ」十番目が「汝隣人と不倫するなかれ」です。

隣の奥さんと不倫することにモーゼはすごくこだわっています。・・・いい加減にしとけよ。

当然のことに・・・ここには・・・佳音や・・・殉也の・・・すでに世を去った両親になにか罪があったのではないか・・・という妄想をかきたてるポイントがあるわけです。

とにかく・・・キリスト教には原罪(つみ)、十戒違反(とが)、七つの大罪(けがれ)と罪の三段重ねがあり・・・ある意味・・・罪のない奴なんていねえよっ・・・という手順になっているわけです。そして・・・その罪をまとめて許してくれるのが・・・神であるというシステムです。

まさに・・・神の代理人によって都合のいいシステムだな・・・と考えたりするのは悪魔の手先である証拠と言えるでしょう。

再び・・・起こった・・・聖花殺人未遂・・・そして・・・またしても容疑者として浮上する佳音。

しかし・・・罪の意識に耐えかねた・・・昴の告白により・・・佳音に一発逆転のチャンスがやってきました。

もちろん・・・兄の出所により・・・「あの人の笑顔の側にいるだけで幸せ」な佳音のつかの間のやすらぎは・・・ケーキに点されるロウソクのように風前の灯であるらしい。

もちろん・・・佳音の幸せを願う人々と・・・そうでない人々を・・・主が暖かく見守っていることを忘れてはいけません。

もちろん・・・キッドの場合・・・その主は魔王様ですけど・・・。

ですから・・・一見・・・正直者に見える昴の行動も・・・実は・・・

「ああ・・・今・・・オレが・・・やったと告白したら・・・愛しい殉也は・・・なんていうかな・・・怒るかな・・・でも・・・ひょっとして・・・なんでそんなことをした・・・お前を愛しているから・・・そうなのか・・・許してくれるのか・・・仕方ない愛なんだろう・・・男でも・・・男とか女とか関係ない愛は愛だろう・・・殉也・・・昴・・・はうぅん・・・ってことになるかもしれないぞ・・・」

告白する昴。殉也は佳音に謝罪するために駆け去る。・・・昴・・・失意。

という裏があると妄想できるのです。まあ・・・チャレンジ精神は大切ですよね。

関連するキッドのブログ『第二話のレビュー

水曜日に見る予定のテレビ『OLにっぽん』(日本テレビ)『相棒』(テレビ朝日)・・・日本シリーズ注意報発令中です。録画組はご用心。

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

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2008年11月 3日 (月)

徳川後家三代ジェット篤姫アタック!(宮﨑あおい)三代目襲名!(堀北真希)酒をもて!(高畑淳子)

何者かによって・・・命を奪われた海援隊長・坂本龍馬(玉木宏)・・・小松帯刀(瑛太)だっただけに中岡慎太郎(小出恵介)、お龍(上野樹里)、お琴(水川あさみ)でもよかったな・・・だからそれはのだめカンタービレだろっ!

まさに・・・「ケータイ刑事愛&舞パーツ」(大奥)と「のだめパーツ」(倒幕)に分離した大河ドラマ・・・天下無双の片思い男・帯刀が・・・「りょうま~あ~りょうまあ~~ああーっ」と悲嘆にくれ・・・木枯らし吹く年末進行になだれこむのだった。

間をとりもつ勝海舟(北大路欣也)だった・・・。友達の輪だからな・・・。

で、『篤姫・第44回』(NHK総合081102PM8~)原作・宮尾登美子、脚本・田渕久美子、演出・渡邊良雄を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。ついに坂本龍馬イラスト・リアル・ヴァージョン大公開・・・死ぬと描いてもらえるらしい・・・でも庭田様は・・・なくてもよかったけど・・・坂本龍馬暗殺犯の基礎知識・・・そして薩摩内部倒幕派(穏健派)と討幕派(過激派)の対立をめぐるダイジェスト。そして・・・篤姫の大奥独立宣言・完全フォローです。キッドは最後にエイエイオーって言うかと思いました。今回は・・・帯刀・主役回でもあったけど・・・お茶の間のご夫人方に男下げまくってたから・・・ブーイングの嵐だったかもしれません・・・へっ・・・愛人に子供産ませてたくせに何よ~みたいな・・・じ、時代劇ですから~。キッドとしては一度でいいから近視なので目をしかめる龍馬の仕草がちくと見たかった・・・。

Atuhime1867v1 で、15代将軍が誕生し・・・孝明天皇が崩御され・・・尊王・攘夷・佐幕・開国・公武合体の各イデオロギーが混然一体となり・・・ついに日本統一の時が刻々とせまる・・・1967年秋・・・大政奉還の大会議に向かう土佐藩・家老・後藤象二郎に坂本龍馬は「すべてはこの一点にかかっている・・・君の失敗で・・・この機会を逃せば・・・もう・・・会うことはないだろう・・・次に会うときは墓の下だ・・・墓があったとして・・・」と恫喝している。将軍としては・・・最初に開いた全体会議で出席者に辞職勧告されたようなものだからな・・・。しかし・・・最後の幕府将軍・慶喜にはすでに・・・選択の余地はなかったのだ。

そして・・・時は1967年1月(慶応2年12月)に遡る。

御所の警護にあたる・・・藤原の忍びたちは囁きをかわしていた。

「雪が・・・これは吹雪くぞ・・・」

「先ほどまでは・・・月が出ていたのに・・・これは・・・異変の前ぶれではないか・・・」

その雪は・・・鞍馬山から・・・吹いていた。すでに・・・藤原の忍び・近衛組の首領となったくのいち・・・幾島と・・・九条組の首領となった小猿が鞍馬山の奥の谷の木々の影に潜んでいた。

「ふふふ・・・幾島様・・・この寒さはこたえましょう・・・」

小猿が揶揄するように老齢の幾島を案じてみせた。幾島は年々・・・短気になっている。

「ふん・・・童が・・・それにしても・・・九条の忍びも・・・終いじゃな・・・汝のような年ゆかぬものが・・・頭とは・・・」

「それは・・・近衛の衆も同じでしょう・・・」

挑発されて小猿はたちまちムキになった。近衛衆と九条衆は数百年・・・反目している間柄である。しかし・・・ともに・・・天皇の忍びとして・・・働くときは働くのである。

「京都の町は・・・明智のくのいち衆によって操られておりまする・・・あの死国の頭領は恐ろしいお方・・・そして・・・それよりもなお二条城のあやかしも恐ろしい・・・それにしても・・・本当に天狗様が参られるのですか・・・」

「ふふふ・・・この雪がその証じゃ・・・妾も・・・幼い頃・・・視よ・・・参られたわ・・・」

谷の奥の枯れ滝に吹雪が舞い始めた。空からではなく・・・虚空から噴出す雪の嵐。

そして・・・その雪の奥から頭巾をかぶった山伏が現れた。

幾島が平伏し・・・小猿がそれにならった・・・。

「幾島か・・・待たせたの・・・」

小猿は相手の声が女と知り・・・思わず顔をあげた。

「鞍馬の大天狗様・・・お久しゅうございます・・・」

「・・・お雪でいいわいな・・・」

天狗は頭巾をさらりと解き・・・素顔をさらした・・・年齢を感じさせないその美貌に小猿はうっとりと見ほれた。

「まあ・・・もう数十年もたちますのに・・・」

「ふふふ・・・幾島も・・・年増としては若々しいぞ・・・」

幾島はからかわれても動じなかった・・・相手が相手なのである。源義経に兵法を手ほどきした・・・伝説の忍びの宗家・・・鬼一法眼にからかわれるのは身に余る光栄と感じるしかなかった。

「さて・・・時が惜しい・・・薩摩の姫に・・・これを渡すのじゃ・・・」

「これは・・・薩摩丸十字の数珠・・・」

「聖なる清めのロザリオじゃ・・・さあ・・・急げ・・・時は迫っておる・・・今宵は異国の聖なる夜じゃ・・・霊験あらたかなる今夜・・・決着をつけるのじゃ・・・」

「承りました・・・」

「では・・・忍び伝えを頼むぞ・・・次は・・・もう・・・汝(いまし)には会えまいが・・・」

「お雪様・・・」

美貌の山伏は・・・微笑むと・・・再び・・・真っ白な雪の中に姿を消した。

夢から・・・醒めたように・・・小猿が言った。

「あれが・・・」

「そう・・・鞍馬の天狗様・・・雪女(ゆきじょ)様・・・時を渡る忍びじゃ・・・さあ・・・急がねば・・・」

幾島は衰えを感じさせぬ跳躍で谷を越えた。

その頃・・・長崎から召集された隠れ切支丹の忍び衆は御所の周囲に結界を張り・・・霊的空間を生み出していた。八卦によるダブルクロスを作り・・・その焦点に霊的力を集める。切支丹忍びの声なき祈りは・・・御所の周辺に散る藤原の忍びたちにも感じられる。

「なにやら・・・不思議な力が・・・働いておるな」

「聞こえたぞ・・・天にましますゼウスが・・・なんとやら・・・砂漠と谷がどうのこうの・・・あるじがきませり・・・と」

「見ろ・・・二条城に・・・黒き雲が・・・」

「奴が来る・・・」

その頃・・・孝明天皇の御前には・・・和宮が畏まっていた。

「わが妹よ・・・達者であったか・・・」

「お兄さん・・・」

「そのように・・・若くして背の君を失うとは・・・労しいことよ・・・しかし・・・命あるものは・・・いずれ滅びる・・・これが理じゃ・・・おそらく・・・朕も・・・宮のお母さん(観行院)にお目にかかる日が近い・・・いや・・・それは今宵かも知れぬ・・・朕は・・・最後にまた・・・宮に・・・この笛を聞かせることができて・・・うれしく思う・・・宮よ・・・ひつぎのみこ(皇太子)を頼む・・・」

「・・・それは・・・」

「厩戸王子から伝わる聖笛・・・飛鳥でおじゃる・・・宮よ・・・夫の仇は憎かろうが・・・憎んではならぬ・・・あれもまた・・・哀れな定めのものなのじゃ・・・」

「お兄さん・・・」

すでに・・・集中力をためていた孝明天皇は・・・笛の音を奏ではじめた。

二条城から御所へと飛来しつつあった闇将軍・慶喜は不穏な気配を感じ取った・・・。

御所の西側の路上に降下し・・・邪悪な黒き翼を納める。

すでに・・・雪が積もっている。夜目にも白き道。その前方に薄紅の忍び装束を纏った篤姫が立っていた。

「これは・・・お祖母上・・・大奥を留守にして・・・祇園で夜遊びですかな・・・」

「慶喜殿・・・汝が・・・いかにして・・・異国の妖魔に魅入られたか・・・それは・・・知らぬ・・・しかし・・・亡き公方様と・・・過ごした・・・懐かしき日々に・・・汝の思い出もあるのじゃ・・・汝の暗き心・・・汝の辛き心・・・妾(わらわ)は知っておる・・・じゃが・・・この国を異国の妖魔の下僕となすことは・・・許さぬ・・・よって妾が汝を成敗いたす・・・」

慶喜は哄笑した。

「あはは・・・これはおかしい・・・東洋の猿の小娘が何を言うか・・・お祖母上・・・まだまだ・・・麗しいその肌を・・・この慶喜が存分に味わってさしあげよう・・・その体を上から下まで魔性の槍で貫いて・・・この世の快楽の極みを教えましょうぞ・・・まずは・・・その白き首筋より・・・芳醇な赤い血潮を味見させていただくとしよう・・・さあ・・・篤姫・・・吾(あれ)の元へ・・・参るがよい・・・」

慶喜の目から赤い光が放出される・・・一方で篤姫の邪眼も金色の光を放ち始めた。

光と光は一筋の矢となって二人の間で火花を散らす。

「・・・おのれ・・・小癪な・・・邪魔立てするなら・・・塵芥となって消えよ・・・」

すでに・・・己の意の通らぬことがなくなって久しい慶喜の肥大した自我は癇癪をおこした。

その腕から・・・巨大な蛇が出現する。それは・・・地獄の炎に潜む古き蛇の姿となった・・・。その体からは熱気がほとばしっている。

篤姫を睥睨するその人ほどの大きさのある蛇の目は邪悪な闇を湛えている。その巨大な口が開いた瞬間・・・おそろしく巨大なものが蛇と篤姫の間に割って入った。

「・・・青龍・・・?」

一瞬・・・呆然とした篤姫の前で・・・巨大な蛇と龍はお互いをかみ合いつつ飛翔する・・・。

思わず空を見上げた篤姫の心に土佐なまりの声が届いた。

「さあ・・・今のうちじゃきに・・・」

「・・・龍馬・・・」

その時・・・隠れ切支丹の祈りの声もまた篤姫に響き渡っていた。

「いまぞ邪悪なるものに裁きの鉄槌を・・・アーメン」

篤姫は胸元をひろげ・・・聖なるロザリオを露にした。その時・・・雲が切れ・・・月光が注がれた。

「月光もまた日光じゃ・・・」

霊的な力で集約された太陽の力が・・・収束しつつ反射して・・・慶喜に降り注ぐ。

「おのれ・・・う・・・うぎっ・・・・あああああああああああ」

慶喜からこの世のものとは思えない叫びが木魂した。

「神法・・・アマテラス浄化の術・・・異国のあやかしよ・・・おのれの棲家に帰るがよい!」

すでに蛇と龍の姿もなく・・・京都の町に静寂が戻ると・・・雪の上には・・・慶喜が仰向けに倒れていた。

篤姫が・・・近付くと・・・慶喜は赤子のように微笑んだ。そして言葉にならぬ声で笑った。

「・・・慶喜・・・邪悪なる魂を全て失い・・・今・・・生れたか・・・」

慶喜は篤姫のつぶやきにわずかに反応した・・・その顔には邪気もなかったが知性もなかった・・・。篤姫は思わず微笑みを返した。

「ふふふ・・・考えれば・・・慶喜は・・・苦労知らずじゃな・・・ずっと無邪気でおるがよい・・・」

その頃・・・力尽きた兄を和宮は優しく抱きしめていた。

ええじゃないかええじゃないかええじゃないか・・・おかげまいりじゃええじゃないか。

ええじゃないかええじゃないかええじゃないか・・・おかげまいりじゃええじゃないか。

京都の町にも狂った人々の乱れ踊りが舞っていた。

外国との貿易の開始により・・・無計画で不均衡な流通のもたらす歪みが人々の心を狂わしていた。うわばみのように・・・日本で作られたものを飲み込む異国の商人たちは・・・農産物を・・・海産物を・・・買い上げていった・・・輸出による景気で国内の商人たちにも巨大な富が集まりつつあった。

そして・・・貧しきものたちから・・・食うものを奪い・・・着るものを奪っていったのである。

米の値はうなぎのぼりにあがり・・・糸も紙も国内から消えていった。

うちこわしと呼ばれる一揆が多発し・・・各地で徒党を組んだ反乱が頻発していた。

倒幕派の力が結集して成し遂げた「大政奉還」は・・・名目上・・・将軍の世を終焉させたが・・・既得権益を持つものと・・・改革をするものとの戦いはまだ始まったばかりだった。

お琴は京都の明智忍びの頭として四条河原近江屋の龍馬を見舞っていた。

古き蛇との戦いで重傷を負った龍馬の病状は思わしくない。毒が体を犯し・・・一進一退を繰り返している。

「旦那(龍馬)・・・具合はどうですか・・・」

「ふふふ・・・えらく・・・夕べの密議はこたえたき・・・じゃが・・・そろそろ・・・あれから一年じゃ・・・寝てばかりはいられん」

「それなのに・・・少しもじっとしていないではありませんか・・・軍艦で・・・海の旅とはいえ・・・あちこちを行ったり来たり・・・治るものも治りませんよ」

「こりゃ・・・乙女さんかと思うき・・・」

「公方様のことなどほっといたらよろしおすのや・・・」

「ふふふ・・・お前・・・あのような無邪気なものを殺したりしたら・・・胸が痛むき・・・穏便にことは進めんとならん・・・」

「しかし・・・フランスの鬼の残党は根絶やしにせねばなりもはん・・・と薩摩の衆が騒いではりますよ・・・それに・・・旦那のケガのことも知れ渡ってますんや・・・用心しておくんなさいまし・・・紀州の根来衆も入ってきてるし・・・新撰組だって・・・土佐の一条の忍びもなにやらおかしな動きを・・・それに見廻組の蒔田党が・・・」

「わかっちょるき・・・今夜は・・・中岡が来るき・・・帰りに角の店で美味いもん・・・注文しておくれ・・・」

「もう・・・旦那は・・・本当に暢気やな・・・」

お琴は隠れ通路から近江屋を出ると・・・荒廃した京都の町を見た・・・。子を産んでから・・・くのいちとしてはかなり気が弱くなった・・・と思う。夕暮れの空を見上げるとふと心細い気持ちになる。どこからか・・・狂った人々の声が聞こえてくる。

ええじゃないかええじゃないかええじゃないか・・・おかげまいりじゃええじゃないか。

その頃・・・龍馬暗殺の刺客たちは・・・それぞれの主たちからの最後の命令を受けていた。偶然とは恐ろしいものでその夜・・・七組35人の刺客が近江屋を襲う手筈を整えていた。

そういうこととは露とも知らず龍馬は友を待ちながら・・・歌とも言えぬ歌を口ずさんでいた。その眼はいつものように遠くを見つめている。

「松もええけど梅もなあ・・・」(つづく)

関連するキッドのブログ『第43話のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『オーマイ・ガール!! 』(日本テレビ)『セレブと貧乏太郎』『チーム・バチスタの栄光』(フジテレビ)

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2008年11月 2日 (日)

監禁中の男を追い出したら・・・逃げました(吉高由里子)頭を撃っても血も涙もない女(片瀬那奈)

加藤あいと吉高由里子はかぶっているのかな・・・。八嶋智人に「結婚してくれ」ってせがむ「スクラップティーチャー」の加藤あいって・・・誰の妄想なんだ。だんだん・・・温水洋一を好きになる「トンスラ」吉高由里子も誰の妄想なのか・・・。まさか・・・チビとハゲの過激派組織が動いているのではないだろうな・・・。

そして・・・ついにアイドルとしてデビューする「Room Of King」の鈴木杏・・・魅力もないのにサイン会って・・・。

一方・・・「ジャッジⅡ」の弁護士(浅野温子)には沙粧妙子が降臨・・・しびれました・・・。

まあ・・・内容的には殺された被害者の遺族にとっては加害者の事情なんてどうでもいいという点については完全にスルーというものすごく「法律は生きている人間のために」的発想で地獄の扉が激しく揺れましたけどね。

ああ・・・それでいいのだ・・・それでいいのだ・・・という声が聞こえてきます。

まだまだ・・・元気だった頃の赤塚不二夫さんを縄でしばり・・・風邪気味で熱があるのに水責めした記憶がふと蘇る・・・11月の最初の夜・・・。

で、『トンスラ・第五日・巡礼』(日本テレビ081102AM0125~)原作・都築浩、脚本・監督・田中誠を見た。このドラマ・・・放送後に第2日本テレビで全編が視聴できるので・・・あえて・・・レビューする気もおきないのだが・・・他の番組が・・・文句しか思いつかない・・・そういう日もあるよね・・・ので・・・気持ちを奮い立たせて書くことにしました。

トンスラとはキリスト教の坊さんのあの特異なカッパ頭・・・頭頂部の剃髪を指すのだが・・・温水洋一の演ずる編集者がそういうヘアスタイルなのである。しかし・・・宗教的にそうでなく・・・自然にそうなったのだ。その編集者が創作に行き詰った小説家(吉高由里子)の玩具として監禁される・・・これが・・・このドラマの基本設定である。

キリスト教とは無関係とことわりながら・・・各回のサブタイトルは以下のようになっている。

第一日「受難」脚本・監督・三木聡・・・温水が吉高に監禁されるまでの経緯である。

第二日「啓示」脚本・監督・守屋健太郎(第三日も)・・・温水は吉高の奴隷として「笑える話」を要求される。しかし・・・笑えない話の連続である。

第三日「洗礼」・・・吉高のライバルである女子高校生作家が加護亜衣であり・・・温水の恋人が佐田真由美であることが判明する。温水は佐田を顔が整いすぎて不美人だと思っているくせにやることはやり・・・吉高は温水の恋人が想像以上の美人だったことに自分の発想の貧しさを知る。

第四日「降臨」脚本・監督・田中誠・・・早くも・・・温水との生活に倦怠を感じる吉高・・・。おならもし放題である。そこへ・・・温水の一卵性双生児の兄弟が刑務所から出所してくる。どエムの温水に対しもう一人の温水はどエスで吉高を緊縛し・・・高校時代痔だったことなど秘密を暴くのだが・・・。

そして・・・第五日「巡礼」である。

キッドとしては三木聡の作品を見たいわけだが・・・初回以外は違うのだった。

基本的に・・・物語には流れがある。オチフリならば二分割で・・・つまりふっておとすのである。

序破急ならば三分割で・・・ふってのせておとすのである。

起承転結なら四分割で・・・ふってのせてもりあげておとすのだ。

もちろん・・・三木聡にも流れはあるのだが・・・キッドの印象としてはふってふってふってふってふって・・・という特異な作風を感じる。もちろん・・・オチフリやオチスカシなどもあるといえばあるのだが・・・基本的にはフリまくるのである。それが嫌な人は嫌だろうが・・・キッドはたまにそういう流れに身を委ねたいのである。

そういう意味で・・・啓示~洗礼の守屋監督も、降臨~巡礼の田中監督も・・・基本はフリオチで・・・後編まで見ないと面白くないし・・・単発としても後編の方が面白い。

三木が初回でフリだけやって・・・おまかせというのも分るといえば分るのである。

今回・・・温水は勝手に冷蔵庫から吉高の棒アイスを盗み食いし・・・部屋を追い出される。吉高はすぐに後悔して・・・温水を追うが・・・温水は一銭も持たず・・・行方をくらます。

棒アイスが「アタリ」だったのでコンビニで棒アイスを得ようとした温水だったが・・・イジワルな店員はアタリの刻印が薄いことを理由に交換を拒否する。

コンビニでは・・・怪しい幼い子供連れの夫婦・・・妻(広田レオナ)、夫(利重剛)と出会う。利重といえば小山内美江子の息子で故・鷺沢萌の夫で・・・ものすごく文学的なダメ男のムードを漂わせるのだが・・・今回もダメ男だった。

コンビニは・・・北極のように静かで・・・不気味といえば不気味であるが・・・おそらく薄いBGMを付け忘れたのだろう。

途方にくれた温水は街角でいじめられる中学生を発見する。中学生が落とした棒アイスを拾うとアタリだった。

「よかったら・・・(コレくれないかな?)」の後半が言えずに躊躇していると・・・夫婦がやってきて合流する。中学生は二人の息子だった。そこへ車に乗って手配師(田中要次)がやってくる。

一日三万円のアルバイトに三人で参加するためにやってきた親子とともに温水も成り行きで手配師の車に乗り込む。

そのバイトは「ちょっと間違うとバ~ンと感電死する」こともある清掃の仕事だった。

親は・・・中学生に死亡時二千万円の生命保険を賭け・・・息子の命を金に替えようとしているのだった。

息子の中に・・・何かを見出した温水は命懸けで息子を守り・・・ついにアタリを獲得する。

その頃・・・妄想の中で・・・温水を愛する自分を発見して震撼する吉高。

やがて・・・棒アイスを持ってボロボロになりつつ帰宅した温水を張り倒した後で胸に抱くのだった・・・来週は・・・加護亜衣が男の腰の上にまたがります。

・・・どんなつりなんだよっ。

まあ・・・普通にフリオチですが・・・そこそこ面白いのです。

日本テレビは「Room Of King」で劣化した三木聡ともいうべき「淡々」をやっている大宮エリーで・・・細切れドラマ「波乗りレストラン」を放映中・・・まったく面白くありませんが#3「愛と欲望の日々」(081102AM0010~0020)は星野真里が可愛かった・・・。

で、『ブラッディ・マンデイ・第四回』(TBSテレビ081101PM0756~)原作・龍門諒、脚本・蒔田光治、演出・宮下健作を見た。

「七瀬ふたたび」もそうなのだが・・・たとえば現代における諜報戦争というものは・・・日本のお茶の間向きではない。それをあえてやる・・・というのなら相当なアイディアや覚悟が必要なのだが・・・ねえ。

たとえば・・・中国の漢字に名を残す漢帝国の始祖・劉邦は・・・敵軍に追い詰められた時に自分が助かるために馬車の速度を上げるために我子を放り捨てる。その方が自分と自分の世界にとって利があるという決断である。

劉邦の子孫を自称する劉備が登場する三国志演義(「レッド・クリフ」の原作)では家来の趙雲が命懸けで守り抜いた劉備の実子(劉禅)を・・・子供の命より家来の命が大切だという意志を示すために投げ捨てる・・・このため・・・劉禅はすこしアホな子になり蜀の滅びる要因となる。

こういう日本では・・・穏便でない登場人物の態度を・・・でも面白いから描くという態度でないとフィクションは面白くならないのである。

拳銃自殺をすれば・・・顔面は破裂し・・・脳漿が飛び散り・・・血液が噴水のようにほとばしる・・・黒沢明の「用心棒」に出来たことがテレビではできない。しかし・・・もっと・・・演出の仕方はあるはずである。

追い詰められて自殺した潜伏スパイでテロリストの宝生(片瀬)を抱きしめた加納(松重豊)が手洗いで泣きながら赤い液体を洗い流すとか・・・そういうことでいいんだから。

それとも・・・またゴム弾かっ。警察官の拳銃がすべてゴム弾だと誤解されたら抑止力もへったくれもないぞ・・・。

宝生は実の兄が横領の濡れ衣を着せられ自殺した怨みを晴らすために国家に復讐をしようとするのだが・・・それがなぜウィルスを使った無差別テロなのか・・・という説明が曖昧である。組織に復讐するのではなく・・・世界に復讐するにいたるためには何度か論理の飛躍が必要になる。兄を罪に貶めた組織の暗部→復讐・・・その組織の存続を許す愚かな一般人→皆殺し・・・という論理は愛しいものの死→発狂という展開を伴わないとリアリティーがないのだ。

そんな・・・いい加減なテロリストにテロられてたまるかっ。

まあ・・・それでも女子供が喜べばいいじゃん・・・と言われるとそれまでです。

それにしても・・・コミック「沈黙の艦隊」なみに発砲しない関係者たち。「沈黙の艦隊」ではそこにそれなりに専守防衛というものの困難さに対する皮肉がこめられていたのだが・・・この作品では・・・単にお茶の間やスポンサーの顔色を窺って腰抜けなだけなのである。

いかに・・・「人命尊重」の日本でも・・・特殊工作員ぐらい非合法でいいだろう。

そうでなくては・・・命がいくらあっても足りません。

ダブルオーセブンが・・・拳銃を一発も撃たずに常に相手が自殺するのを待っていて・・・仕事になるかよっと毎週思う今日この頃です・・・じゃ・・・なぜ見る・・・。

えーっ!?と思いつつ・・・次から次への展開にるるるなあなたはコチラへ→みのむし様のブラッディ・マンデイ

関連するキッドのブログ『先週の土曜日のレビュー

月曜日に見る予定のテレビ『イノセント・ラヴ』(フジテレビ)

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2008年11月 1日 (土)

泣いたのは僕だった(二宮和也)またわからなくなっちゃった(戸田恵梨香)女の子としても好きだ(錦戸亮)

・・・「メン☆ドル」(テレビ東京)ではまたしても多岐川華子が高橋ひとみとキス。「あなたと合体したい・・・気持ちいい・・・なんちゃって・・・」というセリフがあり楽屋オチである。・・・誰か・・・仕込んでくれ・・・この美貌の女優をきっちりと美人女優にしてやってくれと流星に願う今日この頃である。

ちなみに戸田恵梨香は1988年8月生まれ。多岐川華子は1988年9月生まれである。

現在20歳のライバルか・・・ライバルだったのか。戦うフィールド違いすぎる・・・。

で、『流星の絆・第3回』(TBSテレビ081031PM10~)原作・東野圭吾、脚本・宮藤官九郎、演出・石井康晴を見た。「花より男子」→「白夜行」→「クロサギ」と来て・・・「冗談じゃない」↘でガックリきた演出家である。まあ・・・脚本って大事だよね。「山田太郎ものがたり」で復調して映画「クロサギ」映画「花より男子F」という仕事もしてココである。全快したか。

しし座流星群は毎年11月に見られる流星群である。

1993年には大出現はなかったが・・・あの夜は1993年の11月だったわけだ。

冒頭でテレビのニュースとして語られる「事件」は一瞬で・・・被害者遺族の子供たちの記憶に置換され・・・長男・功一が齋藤隆成(子役)から二宮和也(現代)にスイッチッングする「犯人を見つけ出してぶっ殺す」というつぶやきでレビューするブロガーのブログを検閲にひっかけつつ・・・それもまた一瞬で・・・劇中劇に見せかけた現実(劇)「妄想課長高山久伸(桐谷健太)・後編」が始まる。

桐谷健太は「1ポンドの福音」の紅流星とか、「ROOKIES」の平塚平などの哀愁ある三枚目役を順調にこなし・・・ついに三枚目として主役を獲得したのである・・・したのか?

架空のドル建て債券による資産運用詐欺で・・・高山を罠にはめようとするアリアケ3兄弟妹の次兄・泰輔(錦戸)・・・ニセ銀行員と末妹・静奈(戸田)・・・ニセナースである。

しかし・・・高山は・・・趣味が資産運用であるため・・・貧乏な有明功一がついうっかり知らなかった債券の廃止など・・・詐欺をお見通しなのである。

しかし・・・高山の頭の中では・・・謎のニセナース南田(実は静奈)の先輩として紹介されるニセ銀行員が「詐欺師」であると同時に・・・「恋のライバル」として認識されるのである。

そのため・・・「詐欺師に騙される恋人を助ける」と「詐欺師と恋人を疑うことになる」ので「詐欺師に恋人とともに騙される」という妄想炸裂の展開をする。

一瞬の妄想の間に三回もキスをするほどうっとりなのである。

そのため・・・明らかに「詐欺」と知りながら・・・一緒に「騙されること」でニセナースとの連帯感を勝ち取り・・・「結婚」という最終的勝利を獲得しようと・・・150万円をまんまと騙し取られてしまうのである。

しかし・・・ニセナース(実は元の部下で地味な静奈)との結婚がかなうなら150万円は痛くないと下半身が暴走する高山だった。

女は子宮で考えるというが・・・男は睾丸で考えるのだ。

まあ・・・単に凄くバカだという考え方もあります。

こうして・・・詐欺は無事に成功するが・・・無知なので債券偽造用の機器を購入したり友達もいなくて淋しいために「アリアケ3」のステッカーとかTシャツとか作った功一のために・・・泰輔は豪華キャバレーに1回しか行けないのだった。

しかし・・・詐欺の中で高山に本当の自分を「苦労知らず」と言われた静奈は怒りがおさまらない・・・。

しかし・・・功一は「苦労してるって思われるより・・・いいじゃない・・・苦労しているんだから」

たちまち・・・「悲しみスイッチ」が入り「かわいそうモード」に突入しかかる三人。

この辺りの心情の複雑さが今回のテーマでそれはおそらく・・・主題歌「Beautiful days」のこの部分にかかってくるだろう。

星に願うと いつか叶うというけれど

夢の中でしか 僕ら永久にもう会えない

・・・夢の中では・・・あの頃の幸せな弟や妹と会うことができる。しかし・・・現実(劇)の中ではあの事件を知ってしまった弟と妹にしか会えないのである。

もちろん・・・たとえば・・・失恋の経験があるものには分るだろう・・・どんな恋をしても・・・最初の恋のようには無心に喜べない・・・恋の中に失恋の苦味がたえずするからである。

もちろん・・・それに気がつかない記憶力の弱い人間もいるし・・・それもまた味わいとする恋のグルメもいるだろう・・・しかし・・・彼らは・・・絶えず・・・その苦味に鬱屈してきた人間なのである。

今・・・現在・・・この時にもあの事件以後の彼らがいるのである。兄は妹の中にあの日を見出す・・・それは一種の謝罪を伴うのである。生れてから・・・12年の幸せな時を持つ自分と・・・7年の幸せな時しか持たない妹を比較してしまうから・・・いつまでも五歳年上の年齢差が埋まらないように・・・その申し訳ない気持ちも消えないのだった。

ここから・・・回想シーンの中に現在の配役が子役時代を演じるという・・・ある意味・・・超現実的な演出が試みられる・・・実験的手法なのでそれだけで顔をしかめる人がお茶の間にいるかもしれないが・・・作品の主張としては実に理解しやすい手口だったと思う。

1993年11月。両親を殺された子供たちがいて・・・北風の吹き始めた火葬場で両親の燃える煙を見上げる彼ら・・・畳に残る血痕のついた両親の部屋で形見を分ける彼ら・・・施設に移るために所持品を限定される彼ら・・・捨てる熊を選べずに泣き止まぬ妹・・・捨てる玩具を選べずにガンダムタンクを製作してしまう弟・・・そして解体される「食堂ありあけ」を見上げて・・・いつかお父さんやお母さんを殺した奴を殺す・・・とつぶやく妹・・・そのとてもじゃないが・・・忘れることのできない記憶を常にお互いの中に感じあいながら・・・生きてきた三人なのであった。

1993年・・・普通の家庭では「あすなろ白書」が人気を博していた頃である。木村拓哉が三番手だった頃なのである。他愛のない青春ドラマで視聴率30%を稼ぐことのできた時代。欧州連合が発足し・・・総理大臣は細川護熙で・・・ゲームはセガサターンやプレイステーションの販売1年前である・・・きっと・・・あの施設で彼らはプレステを知らないで過ごすのである。それともピエロ(尾身としのり)はエロゲーをするためにセガサターンは買ったのか。

ついでに・・・母親・塔子(りょう)の連れ子であるために兄弟とは血縁のない妹の実の父親・矢崎(国広富之)が火葬場に現れる。ここで塔子は現在から14プラス7で21年ほど前・・・1987年頃・・・「錦糸町のソフィア・ローレン」と呼ばれるホステスだったことが分るのだが・・・ソフィア・ローレンはこの頃五十代(現在74才)である・・・確かに・・・青春時代にソフィアに憧れたオヤジが・・・そう呼ぶ場合もあるかもしれないが・・・全盛期から30年近くもたっている・・・当時はマドンナ・ブームの真っ只中であったので・・・錦糸町のマドンナ(当時29才)の方が通俗的だと考える。この年・・・国鉄が民営化されJRが発足している。そしておニャン子クラブが解散しているので「錦糸町の国生さゆり」もありっていえばあり。

競馬のノミ屋(公営ギャンブルにのっかった非合法な賭博組織)が摘発され・・・その顧客リストに父親・幸博(寺島進)の名前があったことから・・・時の流れを越えて・・・兄弟たち・・・特に妹の知らなかった父親の姿が明らかになる。

店には・・・多額・・・200万円ほどの借金があり・・・それも・・・経営難ではなく・・・ギャンブルによる負債であることが判明する。

そして・・・借金返済のために・・・借り入れた200万円が・・・紛失していたのである。

妹は・・・「そんな・・・お父さんのことなんか・・・知らない・・・」と言う。

しかし・・・泰輔は「ギャンブルが大好きなお父さんのこと」を作文に書き・・・当時の担任教師を泣かせた過去があるのだった。

しかし・・・その作文によってギャンブルからは足を洗ったはずの父親が・・・さらに深みにはまりこんでいたことを・・・二人の兄も知らなかった。

妹が覚えているのは・・・「脱・賭博の誓いの回転寿司」の味だけだった。

幸せな時代の記憶まで汚され・・・本当の自分がわからなくなっちゃう妹に・・・またもや心を痛める功一・・・その妹に「実の兄妹ではない」ことを告げることは非常にためらいを感じることなのである。・・・言えないよ・・・しかし・・・もしも他人の口から告げられたら・・・と思うとまた迷う功一だった。

同じ迷いを感じる弟は・・・兄を頼って見つめるのだった。

前回・・・発見された所持者不明の傘・・・しかし・・・ふき取られていた指紋。

素人の演じる桃井かおりのものまねを演じる萩村刑事(設楽統)は柏原刑事(三浦友和)が「傘」について・・・「軽視」したことを強調する。

その頃・・・通りすがりのハヤシライス好きの男は・・・洋食チェーン店「とがみ亭」の御曹司・戸神行成(要潤)であることが判明する。

「親子二代で店を続けるって・・・なにかと大変で・・・ストレスたまるよ」

何気ない一言で・・・功一は深く心を抉られる。

・・・父親が生きていれば・・・親子二代で店を続けて・・・それが不満な奴がここにいる。

こうして・・・アリアケ3の新たなるターゲットとして浮上する行成・・・。

ねたみ・・・ひがみ・・・そねみ・・・いきどおり・・・。

なぜ・・・あなたがそこにいて・・・僕がここにいるのか。

そして・・・お茶の間は・・・行成の父親・政行(柄本明)があの男・・・事件当日・・・現場から立ち去り泰輔に目撃された男であることを知る。

ちなみに・・・使用人の語るとがみ亭の歴史は1985年から・・・アリアケのレシピノートは1986年~である。

予告篇で静奈がハヤシライスを食べて泣く理由は容易に想像がつく。もちろん・・・謎は深まるのである。

そして・・・幼い弟妹たちと・・・家に別れを告げた功一少年が押し黙る弟や妹から顔を背け一人・・・こらえにこらえていた涙を流す理由も・・・。

今週は出番のないサギ(中島美嘉)が「ORION」を歌うからなのだ。

泣いたのは僕だった

弱さを見せないことが そう 強い訳じゃないって

君が言っていたからだよ

関連するキッドのブログ『第二話のレビュー

Hcinhawaii0475c_2 ごっこガーデン・横須賀港の見える山セット。お気楽山セットって・・・。恵梨香ちゃんと結婚できるならみんな全財産つぎ込むよね・・・過去と現在がシンクロするのはよかったよね・・・段々見方がわかってきたよまこソースケロイドではなく新作・タイスケロイドなのデス。今度はお墓行きになりませんように・・・ナムナム・・・まこも毎回胸が苦しくなるほど悲しみスイッチ入ってマスアンナタイスケロイドには小動物のようにナッツを食べるモードがついてるぴょん。高山ロイドは平塚ロイドからのヴァージョン・アップが途中だぴょん。こんなかわいそうな子供たちがいたら・・・アンナはむせび泣くぴょん・・・でもまだドラマに慣れないぴょんぴょんエリ長男として・・・前途に待ち受ける困難を背負い・・・不安に・・・そして懐かしい近所の光景からの別離・・・胸がいっぱいで涙がこぼれたのでスー。それなのに・・・無駄遣いして・・・長男はもう少し金銭的にしっかりしないと馬鹿じゃんですyon。じいや~M専用高山ロイドはまだ~?」ikasama4復讐の誓いは・・・妹から・・・長男はその思いに答えようとしているのでしょうか・・・年賀状のシーズンなのに・・・新作ロイド発注は・・・漁藤子がいてくれたら・・・設計図書き終わる度にそれを持ってタイムリープして・・・過労死するかな?くう父は横浜で競馬・・・母は近所でパチンコ・・・母を見上げる幼い静奈・・・記憶の情景に意味が重なって・・・せつなくなることってあるね。オープニングで過去と現在が並ぶように・・・ドラマの中でも過去と現在がシンクロ・・・アリアケの店のメルヘンチックなCGが星屑となって消え去る・・・それだけでなんだかせつないよ・・・毎回・・・詐欺師の話だけでも・・・いいくらい面白いんです~ワクワクなのです~えーと・・・兄二人には本当のお母さんがいる・・・の?・・・まだ出てきていないですよね・・・やはりファブリーズな妻?」mariダイヤと嘘とやさしいレストラン・・・やさしいレストランというのが・・・ちょっと含みがありますね・・・嘘をつくのにダイヤを使うのは・・・分るけど・・・やさしいレストラン・・・お人好しってことかしら・・・苦しみを知らない人々に対する・・・怒り・・・それは・・・時には・・・誤解のようにも見え・・・真相だったりもして・・・世界が平和でありますように・・・という星への祈りを妨げるのよね・・・シャブリ理事長室を模様替えしてたら~遅刻しました~だんだんもしているし~akiあれ・・・アップしたと思ったけど・・・スマスマの後はアクセサリーで・・・韓流に・・・流星って・・・もう③回目?・・・ふふふ・・・ふふふ・・・レッド・クリフ!」ミマム北海道はもう冬ですからぁぁぁぁぁ・・・もうまとめて・・・魔王の終了から冬眠している私・・・みのむし三人乗りだと一番後ろはちょっとこわいるるる~。キャナメの作るパパの味のハヤシライスの正体は~?・・・レシピをめぐる謎がありまするるる・・・チェーン店なのに違う各店舗の味の秘密・・・本店の味が封印されているのも怪しい・・・借金・・・そしてレシピをめぐり・・・キャナメパパとニノパパの間に何が?・・・ミステリーっぽい~・・・妄想劇場面白すぎて忘れるけど~あんぱんちまあ~・・・ホリキッター、アリスと応援してきたのに・・・戸田は遅刻~・・・しかもギラギラを応援・・・またピンクな噂が立ちそうよ~・・・男ですから~(爆)

日曜日に見る予定のテレビ『機動戦士ガンダム00』(TBSテレビ)『篤姫』(NHK総合)『SCANDAL』(TBSテレビ)

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