徳川後家三代ジェット篤姫アタック!(宮﨑あおい)三代目襲名!(堀北真希)酒をもて!(高畑淳子)
何者かによって・・・命を奪われた海援隊長・坂本龍馬(玉木宏)・・・小松帯刀(瑛太)だっただけに中岡慎太郎(小出恵介)、お龍(上野樹里)、お琴(水川あさみ)でもよかったな・・・だからそれはのだめカンタービレだろっ!
まさに・・・「ケータイ刑事愛&舞パーツ」(大奥)と「のだめパーツ」(倒幕)に分離した大河ドラマ・・・天下無双の片思い男・帯刀が・・・「りょうま~あ~りょうまあ~~ああーっ」と悲嘆にくれ・・・木枯らし吹く年末進行になだれこむのだった。
間をとりもつ勝海舟(北大路欣也)だった・・・。友達の輪だからな・・・。
で、『篤姫・第44回』(NHK総合081102PM8~)原作・宮尾登美子、脚本・田渕久美子、演出・渡邊良雄を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。ついに坂本龍馬イラスト・リアル・ヴァージョン大公開・・・死ぬと描いてもらえるらしい・・・でも庭田様は・・・なくてもよかったけど・・・坂本龍馬暗殺犯の基礎知識・・・そして薩摩内部倒幕派(穏健派)と討幕派(過激派)の対立をめぐるダイジェスト。そして・・・篤姫の大奥独立宣言・完全フォローです。キッドは最後にエイエイオーって言うかと思いました。今回は・・・帯刀・主役回でもあったけど・・・お茶の間のご夫人方に男下げまくってたから・・・ブーイングの嵐だったかもしれません・・・へっ・・・愛人に子供産ませてたくせに何よ~みたいな・・・じ、時代劇ですから~。キッドとしては一度でいいから近視なので目をしかめる龍馬の仕草がちくと見たかった・・・。
で、15代将軍が誕生し・・・孝明天皇が崩御され・・・尊王・攘夷・佐幕・開国・公武合体の各イデオロギーが混然一体となり・・・ついに日本統一の時が刻々とせまる・・・1967年秋・・・大政奉還の大会議に向かう土佐藩・家老・後藤象二郎に坂本龍馬は「すべてはこの一点にかかっている・・・君の失敗で・・・この機会を逃せば・・・もう・・・会うことはないだろう・・・次に会うときは墓の下だ・・・墓があったとして・・・」と恫喝している。将軍としては・・・最初に開いた全体会議で出席者に辞職勧告されたようなものだからな・・・。しかし・・・最後の幕府将軍・慶喜にはすでに・・・選択の余地はなかったのだ。
そして・・・時は1967年1月(慶応2年12月)に遡る。
御所の警護にあたる・・・藤原の忍びたちは囁きをかわしていた。
「雪が・・・これは吹雪くぞ・・・」
「先ほどまでは・・・月が出ていたのに・・・これは・・・異変の前ぶれではないか・・・」
その雪は・・・鞍馬山から・・・吹いていた。すでに・・・藤原の忍び・近衛組の首領となったくのいち・・・幾島と・・・九条組の首領となった小猿が鞍馬山の奥の谷の木々の影に潜んでいた。
「ふふふ・・・幾島様・・・この寒さはこたえましょう・・・」
小猿が揶揄するように老齢の幾島を案じてみせた。幾島は年々・・・短気になっている。
「ふん・・・童が・・・それにしても・・・九条の忍びも・・・終いじゃな・・・汝のような年ゆかぬものが・・・頭とは・・・」
「それは・・・近衛の衆も同じでしょう・・・」
挑発されて小猿はたちまちムキになった。近衛衆と九条衆は数百年・・・反目している間柄である。しかし・・・ともに・・・天皇の忍びとして・・・働くときは働くのである。
「京都の町は・・・明智のくのいち衆によって操られておりまする・・・あの死国の頭領は恐ろしいお方・・・そして・・・それよりもなお二条城のあやかしも恐ろしい・・・それにしても・・・本当に天狗様が参られるのですか・・・」
「ふふふ・・・この雪がその証じゃ・・・妾も・・・幼い頃・・・視よ・・・参られたわ・・・」
谷の奥の枯れ滝に吹雪が舞い始めた。空からではなく・・・虚空から噴出す雪の嵐。
そして・・・その雪の奥から頭巾をかぶった山伏が現れた。
幾島が平伏し・・・小猿がそれにならった・・・。
「幾島か・・・待たせたの・・・」
小猿は相手の声が女と知り・・・思わず顔をあげた。
「鞍馬の大天狗様・・・お久しゅうございます・・・」
「・・・お雪でいいわいな・・・」
天狗は頭巾をさらりと解き・・・素顔をさらした・・・年齢を感じさせないその美貌に小猿はうっとりと見ほれた。
「まあ・・・もう数十年もたちますのに・・・」
「ふふふ・・・幾島も・・・年増としては若々しいぞ・・・」
幾島はからかわれても動じなかった・・・相手が相手なのである。源義経に兵法を手ほどきした・・・伝説の忍びの宗家・・・鬼一法眼にからかわれるのは身に余る光栄と感じるしかなかった。
「さて・・・時が惜しい・・・薩摩の姫に・・・これを渡すのじゃ・・・」
「これは・・・薩摩丸十字の数珠・・・」
「聖なる清めのロザリオじゃ・・・さあ・・・急げ・・・時は迫っておる・・・今宵は異国の聖なる夜じゃ・・・霊験あらたかなる今夜・・・決着をつけるのじゃ・・・」
「承りました・・・」
「では・・・忍び伝えを頼むぞ・・・次は・・・もう・・・汝(いまし)には会えまいが・・・」
「お雪様・・・」
美貌の山伏は・・・微笑むと・・・再び・・・真っ白な雪の中に姿を消した。
夢から・・・醒めたように・・・小猿が言った。
「あれが・・・」
「そう・・・鞍馬の天狗様・・・雪女(ゆきじょ)様・・・時を渡る忍びじゃ・・・さあ・・・急がねば・・・」
幾島は衰えを感じさせぬ跳躍で谷を越えた。
その頃・・・長崎から召集された隠れ切支丹の忍び衆は御所の周囲に結界を張り・・・霊的空間を生み出していた。八卦によるダブルクロスを作り・・・その焦点に霊的力を集める。切支丹忍びの声なき祈りは・・・御所の周辺に散る藤原の忍びたちにも感じられる。
「なにやら・・・不思議な力が・・・働いておるな」
「聞こえたぞ・・・天にましますゼウスが・・・なんとやら・・・砂漠と谷がどうのこうの・・・あるじがきませり・・・と」
「見ろ・・・二条城に・・・黒き雲が・・・」
「奴が来る・・・」
その頃・・・孝明天皇の御前には・・・和宮が畏まっていた。
「わが妹よ・・・達者であったか・・・」
「お兄さん・・・」
「そのように・・・若くして背の君を失うとは・・・労しいことよ・・・しかし・・・命あるものは・・・いずれ滅びる・・・これが理じゃ・・・おそらく・・・朕も・・・宮のお母さん(観行院)にお目にかかる日が近い・・・いや・・・それは今宵かも知れぬ・・・朕は・・・最後にまた・・・宮に・・・この笛を聞かせることができて・・・うれしく思う・・・宮よ・・・ひつぎのみこ(皇太子)を頼む・・・」
「・・・それは・・・」
「厩戸王子から伝わる聖笛・・・飛鳥でおじゃる・・・宮よ・・・夫の仇は憎かろうが・・・憎んではならぬ・・・あれもまた・・・哀れな定めのものなのじゃ・・・」
「お兄さん・・・」
すでに・・・集中力をためていた孝明天皇は・・・笛の音を奏ではじめた。
二条城から御所へと飛来しつつあった闇将軍・慶喜は不穏な気配を感じ取った・・・。
御所の西側の路上に降下し・・・邪悪な黒き翼を納める。
すでに・・・雪が積もっている。夜目にも白き道。その前方に薄紅の忍び装束を纏った篤姫が立っていた。
「これは・・・お祖母上・・・大奥を留守にして・・・祇園で夜遊びですかな・・・」
「慶喜殿・・・汝が・・・いかにして・・・異国の妖魔に魅入られたか・・・それは・・・知らぬ・・・しかし・・・亡き公方様と・・・過ごした・・・懐かしき日々に・・・汝の思い出もあるのじゃ・・・汝の暗き心・・・汝の辛き心・・・妾(わらわ)は知っておる・・・じゃが・・・この国を異国の妖魔の下僕となすことは・・・許さぬ・・・よって妾が汝を成敗いたす・・・」
慶喜は哄笑した。
「あはは・・・これはおかしい・・・東洋の猿の小娘が何を言うか・・・お祖母上・・・まだまだ・・・麗しいその肌を・・・この慶喜が存分に味わってさしあげよう・・・その体を上から下まで魔性の槍で貫いて・・・この世の快楽の極みを教えましょうぞ・・・まずは・・・その白き首筋より・・・芳醇な赤い血潮を味見させていただくとしよう・・・さあ・・・篤姫・・・吾(あれ)の元へ・・・参るがよい・・・」
慶喜の目から赤い光が放出される・・・一方で篤姫の邪眼も金色の光を放ち始めた。
光と光は一筋の矢となって二人の間で火花を散らす。
「・・・おのれ・・・小癪な・・・邪魔立てするなら・・・塵芥となって消えよ・・・」
すでに・・・己の意の通らぬことがなくなって久しい慶喜の肥大した自我は癇癪をおこした。
その腕から・・・巨大な蛇が出現する。それは・・・地獄の炎に潜む古き蛇の姿となった・・・。その体からは熱気がほとばしっている。
篤姫を睥睨するその人ほどの大きさのある蛇の目は邪悪な闇を湛えている。その巨大な口が開いた瞬間・・・おそろしく巨大なものが蛇と篤姫の間に割って入った。
「・・・青龍・・・?」
一瞬・・・呆然とした篤姫の前で・・・巨大な蛇と龍はお互いをかみ合いつつ飛翔する・・・。
思わず空を見上げた篤姫の心に土佐なまりの声が届いた。
「さあ・・・今のうちじゃきに・・・」
「・・・龍馬・・・」
その時・・・隠れ切支丹の祈りの声もまた篤姫に響き渡っていた。
「いまぞ邪悪なるものに裁きの鉄槌を・・・アーメン」
篤姫は胸元をひろげ・・・聖なるロザリオを露にした。その時・・・雲が切れ・・・月光が注がれた。
「月光もまた日光じゃ・・・」
霊的な力で集約された太陽の力が・・・収束しつつ反射して・・・慶喜に降り注ぐ。
「おのれ・・・う・・・うぎっ・・・・あああああああああああ」
慶喜からこの世のものとは思えない叫びが木魂した。
「神法・・・アマテラス浄化の術・・・異国のあやかしよ・・・おのれの棲家に帰るがよい!」
すでに蛇と龍の姿もなく・・・京都の町に静寂が戻ると・・・雪の上には・・・慶喜が仰向けに倒れていた。
篤姫が・・・近付くと・・・慶喜は赤子のように微笑んだ。そして言葉にならぬ声で笑った。
「・・・慶喜・・・邪悪なる魂を全て失い・・・今・・・生れたか・・・」
慶喜は篤姫のつぶやきにわずかに反応した・・・その顔には邪気もなかったが知性もなかった・・・。篤姫は思わず微笑みを返した。
「ふふふ・・・考えれば・・・慶喜は・・・苦労知らずじゃな・・・ずっと無邪気でおるがよい・・・」
その頃・・・力尽きた兄を和宮は優しく抱きしめていた。
ええじゃないかええじゃないかええじゃないか・・・おかげまいりじゃええじゃないか。
ええじゃないかええじゃないかええじゃないか・・・おかげまいりじゃええじゃないか。
京都の町にも狂った人々の乱れ踊りが舞っていた。
外国との貿易の開始により・・・無計画で不均衡な流通のもたらす歪みが人々の心を狂わしていた。うわばみのように・・・日本で作られたものを飲み込む異国の商人たちは・・・農産物を・・・海産物を・・・買い上げていった・・・輸出による景気で国内の商人たちにも巨大な富が集まりつつあった。
そして・・・貧しきものたちから・・・食うものを奪い・・・着るものを奪っていったのである。
米の値はうなぎのぼりにあがり・・・糸も紙も国内から消えていった。
うちこわしと呼ばれる一揆が多発し・・・各地で徒党を組んだ反乱が頻発していた。
倒幕派の力が結集して成し遂げた「大政奉還」は・・・名目上・・・将軍の世を終焉させたが・・・既得権益を持つものと・・・改革をするものとの戦いはまだ始まったばかりだった。
お琴は京都の明智忍びの頭として四条河原近江屋の龍馬を見舞っていた。
古き蛇との戦いで重傷を負った龍馬の病状は思わしくない。毒が体を犯し・・・一進一退を繰り返している。
「旦那(龍馬)・・・具合はどうですか・・・」
「ふふふ・・・えらく・・・夕べの密議はこたえたき・・・じゃが・・・そろそろ・・・あれから一年じゃ・・・寝てばかりはいられん」
「それなのに・・・少しもじっとしていないではありませんか・・・軍艦で・・・海の旅とはいえ・・・あちこちを行ったり来たり・・・治るものも治りませんよ」
「こりゃ・・・乙女さんかと思うき・・・」
「公方様のことなどほっといたらよろしおすのや・・・」
「ふふふ・・・お前・・・あのような無邪気なものを殺したりしたら・・・胸が痛むき・・・穏便にことは進めんとならん・・・」
「しかし・・・フランスの鬼の残党は根絶やしにせねばなりもはん・・・と薩摩の衆が騒いではりますよ・・・それに・・・旦那のケガのことも知れ渡ってますんや・・・用心しておくんなさいまし・・・紀州の根来衆も入ってきてるし・・・新撰組だって・・・土佐の一条の忍びもなにやらおかしな動きを・・・それに見廻組の蒔田党が・・・」
「わかっちょるき・・・今夜は・・・中岡が来るき・・・帰りに角の店で美味いもん・・・注文しておくれ・・・」
「もう・・・旦那は・・・本当に暢気やな・・・」
お琴は隠れ通路から近江屋を出ると・・・荒廃した京都の町を見た・・・。子を産んでから・・・くのいちとしてはかなり気が弱くなった・・・と思う。夕暮れの空を見上げるとふと心細い気持ちになる。どこからか・・・狂った人々の声が聞こえてくる。
ええじゃないかええじゃないかええじゃないか・・・おかげまいりじゃええじゃないか。
その頃・・・龍馬暗殺の刺客たちは・・・それぞれの主たちからの最後の命令を受けていた。偶然とは恐ろしいものでその夜・・・七組35人の刺客が近江屋を襲う手筈を整えていた。
そういうこととは露とも知らず龍馬は友を待ちながら・・・歌とも言えぬ歌を口ずさんでいた。その眼はいつものように遠くを見つめている。
「松もええけど梅もなあ・・・」(つづく)
関連するキッドのブログ『第43話のレビュー』
火曜日に見る予定のテレビ『オー!マイ・ガール!! 』(日本テレビ)『セレブと貧乏太郎』『チーム・バチスタの栄光』(フジテレビ)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
ここで龍馬と小松帯刀、天璋院が同い年という点と
龍馬の遺志が帯刀、天璋院に受け継がれるという演出で
絡めてくるとはなかなか味な事をしてきます。
庭田さんは以前これを描いた時点で↓
http://www7a.biglobe.ne.jp/~dessin-ikasama/ikasama/illust/2008/img/img0493.jpg
大変満足しておりましたもんで(; ̄∀ ̄)ゞ
龍馬にはフリーメイソンの影もちらつくそうですが
この辺りはまた再来年の楽しみ(になるのか?)という事で
ここでの物語の龍馬がどのような結末を迎えるかは分かりませんが
いずれにしても天に帰っていくのでしょうね。
それにしてもここで貴一ならぬ鬼一が出てくるとは。
こうなると弁慶とかが出てきてもおかしくなさそうです( ̄▽ ̄)
次回から小笠原の殿様のようにボロボロになった
慶喜様がどうなっていくか楽しみですね。
個人的には慶喜さんに
カンゴロンゴさんのお言葉をお与えしたいものです( ̄▽ ̄)
投稿: ikasama4 | 2008年11月 5日 (水) 21時28分
✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥
坂本龍馬と織田信長は
キッドの日本史二大アイドルです。
今、小児救命が放送休止したところです。
あはははははは・・・。
まあ・・・非業の死を遂げた英雄ということでは
後はヤマトタケルくらい・・・。
しかし・・・日本史というには資料少ないですからね。
庭田さんにも活躍の場を与えたかったけれど
時間切れでした。
江戸の騒乱まで描くと収集つかなくなりそうですし。
もちろん・・・庭田様イラストは傑作がすでに
ありましたので・・・今回ないのは納得でございます。
龍馬も信長も
下手人に
外国や天皇家がからむところが
共通してます。
暗殺部分はドタバタになりそうなので
割愛する予定です。
まあ・・・涙で前が見えなくなるかもしれませんし。
鬼一法眼→鞍馬天狗→雪女は
お気に入りの妄想です。
まあ・・・美輪さんが少し入ってます。
ふふふ・・・弁慶は出しません。
西郷さんとキャラかぶりそうなので。
慶喜は・・・灰色の脳細胞が
真っ白になったので・・・
この後はひたすら・・・お守りされて
いくのです。
和宮が恩讐を乗り越えて
助けてくれたりします。
とにかく・・・今回の慶喜は
ヒットでしたよね。
善人ばかりの登場人物の中で
一人・・・悪のムードを
ただよわせていたし・・・。
天網恢恢租にして漏らさず・・・
二世タレントとしては今後が楽しみですね。
投稿: キッド | 2008年11月 6日 (木) 22時07分