なんて云ったのと三回訊きました。(国仲涼子)七瀬ふたたび船の旅(蓮佛美沙子)
さて・・・「七瀬ふたまた」↘*4.5%は脚本家がバトンタッチしたわけだが・・・少しトーンがコミカルになったが・・・七瀬のメンヘル度はあいかわらずだな・・・。まあ・・・サイキックはサイコだから・・・いいのか。
こわれるなんて云っちゃダメ・・・こわれてる人は自分のことこわれているって云わないからっ。
・・・っていうことか。
「風のガーデン」↘13.6%は間男された妙子(伊藤蘭)の夫・内山(利重剛・・・またお前か)が登場・・・。貞美(中井貴一)の親友だったのか。それにしても・・・本人は知らないのか?・・・上司も知っているのに・・・知らぬは亭主ばかりなりか。
さらに云うと・・・妙子の接近を拒絶する貞美・・・「これ以上・・・私を罪深くさせないでくれ・・・」
その時、病院前を通りすがりの七瀬(蓮佛)が「・・・もう・・・飽きちゃって性的魅力を感じないので抱きたくないだけだけど・・・誰?・・・誰の心なの?」
「小児救命」は野球延長で放送休止である。「夢をかなえるゾウ」↗*5.2%・・・七瀬・・・。
で、『心のきれいな世界の七瀬ふたたび・第5回』(NHK総合081106PM8~)原作・筒井康隆、脚本・真柴あずさ、演出・吉川邦夫を見た。原作の一部愛好家をゲッソリさせ・・・一般人にはとっつきにくい展開で・・・今回を迎えたわけだが・・・ユーモアという点ではそこそこ・・・新しい風が吹いたような気がする。
まあ・・・これも好みによるが・・・ついに時間を遡行する能力に目覚めた漁藤子(水野美紀)・・・科学者として検証するために選んだ実験方法が投身自殺・・・飛び降りである。ここ・・・ここまで放送道徳モードで回避してきたのに・・・ついに検閲を突破である。
あまり悪意に満ちていない世界・・・なにしろ・・・西尾を殺さないし・・・殺そうとしたことをくやむ七瀬である。そして・・・朗(宮坂健太)の継母が息子の身を案じたりする。そんな殺伐としていない七瀬なんて・・・と思ってきたキッドは・・・とりあえずこの検証方法がちょっとうれしかった。
しかも・・・くりかえしのギャグ展開だ。
「超能力なんて消えてしまうばいい」という七瀬と「原子力の平和利用も否定するの」という漁。一般人と科学者の平行線である。
「自分の身が危険になると・・・時間をさかのぼる」という仮説を検証するため・・・窓から身を乗り出す漁は・・・「やっぱりできない」・・・結局、落下・・・時間遡行である。
自分の能力を七瀬に証明するためにふたたび・・・飛び降り・・・七瀬にとめられて・・・結局、二人で落下・・・七瀬も時間遡行である。
「自分の身が危険でないとできない」かどうかはまだ未知能力なのであった。
ここで七瀬の唇を奪い原作を越えた男・岩渕(塩谷瞬)が・・・火田博士(小日向文世)の秘密をめぐり漁博士に電話・・・嫉妬丸出しで電話に割り込む七瀬。
七瀬にまとわりつく客をクルクルダンスさせるヘンリー(郭智博)はちょっとチンピラモードだが・・・ドラマのトーンにはあっている。
そして・・・ヘンリーを騙し・・・七瀬につきまとう朗。
船上で原作では愛人に殺される女の変わりに溺れる少女ミサト(宮本侑芽)を人口呼吸で心臓マッサージする高村刑事(市川亀治郎)のアクション。
その少女はなぜか落下・・・人形でも落としたのかと思ったら本人が人形だった。
そして・・・「行きましょう」と手をとりあって走り出す漁と七瀬。
ついでにとってつけたように出番を確保する真弓瑠璃(柳原可奈子)と店長(北村総一郎)・・・真弓・・・美容師をなめるなよ・・・。
とにかく・・・このように軽いタッチになってきたのである。少なくとも・・・原作の悪意あふれる世界をスポイルし・・・気の抜けたサスペンスだけでここまでこの作品をつまらなく仕上げた前の脚本家より・・・ちょっと面白みを感じました。まあ・・・前が前だけにかなりハードルの下がった面白みですけどね。もう・・・小芝居でもなきゃ・・・やってられないもんな。もう思い切ってハチャハチャにしてしまえばいいのさ。
で、『風のガーデン・第5回』(フジテレビ081106PM10~)脚本・倉本聰、演出・宮本理江子を見た。末期ガンの後輩として末期ガンの先輩・二神(奥田瑛二)に「告知」してしまった貞美。おかげで・・・末期ガン患者専用トレーラーを入手するのだった。
ここで・・・心変わりして優しくなった父に驚いた二神の娘・香苗(国仲)に問い詰められる貞美・・・。
「父に・・・何を言ったんですか・・・父が・・・私にありがとうって・・・そして子供みたいに泣き出したんです・・・」
父を案じる香苗に・・・自分の娘・ルイ(黒木メイサ)を重ねる貞美。・・・しかし二神は200億円持ってるからな・・・。
貞美の現在の愛人(平原綾香)は主題歌「ノクターン」(ショパン)を歌うのだが・・・劇中ではカッブリングの「カンパニュラの恋」・・・の歌というのが最後に歌われることが暗示されて・・・一種のお遊びになっている。
ちなみに・・・伊藤蘭の体に飽きた・・・貞美がそれほど美人ではないが若い平原綾香に魅力を感じるというこのキャスティングは恥ずかしいくらいのリアリティーだと思う。
そして・・・その延長線上には国仲涼子がいて・・・さらにその先に黒木メイサがいる。
淫靡である。ノクターンがサマータイムみたいに聞こえるほどに・・・。
さて・・・カンパニュラ(釣鐘草)といえばカンパネルラである。宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」の登場人物の一人である。カンパネルラと表記される場合もある。カンパネルラは・・・優しい死の匂いのする少年である。宮沢童話には残酷な死を真綿でくるもうとする趣向があり・・・それがなんともいえないエロチシズムを発揮するわけだが・・・それを代表する登場人物の一人と言っていいだろう。
宮沢は死んだ妹の「死」を和らげようと・・・見つめ続けた作家でもあるからだ。
カンパネルラはザネリを助けようとして溺死する。
一説によるとカンパネルラは「太陽の都」の著者で十七世紀のイタリア思想家カンパネルラから取ったとされている。トマス・モアの「ユートピア」と並び称される理想主義が「太陽の都」では語られている。つまりカンパネルラは「輝ける死」の象徴なのである。これに対しザネリは一説ではバリトン歌手のザネリから取ったと言われる。
男としては・・・放蕩したうらやましい存在の・・・貞美にやがて訪れる死・・・それを歌いあげるのが・・・愛人の歌だとすれば・・・このドラマは「銀河鉄道の夜」の変奏曲と言えるだろう。
そして・・・キキョウ科ホタルブクロ属の花の名を奏で続ける岳(神木隆之介)・・・頭の中がカタカナだらけで心の病になってしまうのではないかと・・・ふと案じるのだった。
まあ・・・在宅看護とか・・・親の死に目に会わないとか・・・先立つ不幸をお許しくださいとか・・・のたれ死ぬ自由とか・・・人それぞれだと思いますけど。
関連するキッドのブログ『先週の木曜日のレビュー』
土曜日に見る予定のテレビ『ブラッディ・マンデイ』(TBSテレビ)『スクラップ・ティーチャー』(日本テレビ)『スウィングガールズ』『ルーム オブ キング』(フジテレビ)『トンスラ』(日本テレビ)『ジャッジⅡ』『アグリー・ベティ』(NHK総合)・・・もうある意味ヘニーデ。
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
未知能力が集まる展開は
なんかこちらで深夜にやってる海外の某ドラマを
彷彿とさせます。
能力をなくそうとする者
能力を悪用しようとする者
その発端となっているのが
自分は他人と異なる能力があるという事
これに歓喜するのか恐怖するのかの違いですかね。
まぁ自分は七瀬が可愛いんでそれでいいんですけど(〃▽〃)
でも、浮気したら即バレで
ヘンリーに報復されます
彼女の彼氏になる人は大変です(; ̄∀ ̄)
これを拡大解釈すれば
貞美の妻は実はテレパスで
それで夫の女性関係を知って心が壊れて
悲しい最期を遂げたのかもしれません。
まぁ知っていた方が幸せなのか
知らなかった方が幸せなのか
ケースバイケースってやつですかね(;´▽`A``
投稿: ikasama4 | 2008年11月 8日 (土) 23時31分
✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥
ふふふ・・・お若い視聴者には
アチラのパクリだと思われていたりして・・・。
まあ・・・七瀬も
「スラン」(1940)とか「人間以上」(1953)の
パクリといえばパクリですけど・・・。
そういうジャンルの新作と考えれば
今回の「七瀬」もまたありなのですが
原作は先行作品と勝るとも劣らない風格が
あったような気がします。
まあ・・・現代とキッドが
ズレを生じているといえばそれまでなんですけど・・・。
もう少し・・・クールで
挑発的だといいなあと思うのです。
今回、脚本家がチェンジして
前よりはテーマそのものへの
おちょくりの匂いがでてきて
これはこれで
ちょっといい・・・と感じました。
ブラックとは言わないまでも
グレイ・ユーモアくらいの
匂いはしてきましたよ。
「殺っちまいなっ」
っていう七瀬もたのしそうですよね。
栗山千明もでてきそうですけど・・・。
今回は国仲涼子がちょっと笑わせてくれました。
キッドのイメージでは
国仲も七瀬ができると考えています。
多岐川版よりちょっと純情な感じ。
蓮佛さんはどちらかといえば
原田知世系なので
時かけの方があっていたかも・・・。
まあ・・・これは
年齢的なものもありますね。
人間は時々
「死ね」と思いますが
多くの人々は・・・
思った後に後悔するもの。
超能力者はその後悔が
とりかえしのつかない事態を
招く人種なのだと思います。
短気は損気だろうって言っても
だって思っただけでこうなっちゃったんだから・・・
という・・・。( ̄▽ ̄)
投稿: キッド | 2008年11月 9日 (日) 01時39分