些細なことが気になってしまう片棒。(水谷豊)
パートナーものの片棒が・・・一人歩きするドラマは基本的にスピンオフの系統である。
定番は定番ゆえの縛りがあるわけで・・・たとえば今回ならば臨時のパートナーである益岡徹が実は犯罪者だったというオチはレギュラーでは使いにくいアイディアなのである。
相棒の亀山が一人歩きするというエピソードでも・・・最後は右京が助けるという展開になってしまう。
そういう意味で相棒不在ならではの展開でなかなか楽しめた「越境捜査」の回だった。
水曜日のダンスはパートナー待ちで「相棒」↗20.5%(凄くとったな。である)・・・。
で、『相棒・Season7・第11話』(テレビ朝日090114PM9~)脚本・ハセベバクシンオー、演出・橋本一を見た。脚本家は長谷部安春の子息である。長谷部といえばヴァイオレンスには定評のある演出家。「新宿警察」「大都会」「西部警察」「あぶない刑事」「おとり捜査官」などものすごいキャリアであり、相棒Season7でも「第4話」と「第6話」を演出している。映画「相棒シリーズ・鑑識・米沢守の事件簿」は長谷部監督だが原作はハセベバクシンオーの小説である。男たちの世界だけに父と息子の共同作業なのである。なんとなく微笑ましいのだった。
「拳銃不法所持・犯人」の摘発・逮捕のために組織犯罪対策第5課・角田課長(山西惇)に協力を要請された杉下右京は犯人の隠れ家に向かう。
ちょうどその頃、犯人の隠れ家の近所では少女誘拐事件が発生していた・・・というサービスたっぷりの展開だ。
しかも事件現場は警視庁(東京都)と神奈川県警の縄張り境界線。二つの警察機関が共同作戦を展開する。
前科ものの犯人(土平ドンペイ)は発砲して逃亡。周辺に警備体制が敷かれローラー作戦が開始される。そして杉下はなんなく犯人の潜伏先を探知する。留守の家の自家用車の「ボンネットがまた温かかったから」なのである。時代劇でいえば「布団がまだ温い・・・近くに潜んでいる」である。
たちまち逮捕される犯人。一件落着である。
その帰り道・・・ローラー作戦で留守の確認された豪邸の・・・カーテンが揺れているのを目ざとく見つける右京。
その屋敷では娘を誘拐された両親が警察官とともに誘拐犯からの電話を待っていたのであった。
最初の事件がどちらかといえばヴァイオレンスならここからはコン・ゲーム(知能犯)の出番となる。ネタバレだが・・・捜査を担当している刑事たちは全員フェイク(ニセモノ)であり、指揮をとる神奈川県警の早川刑事を名乗る男(益岡)は娘の父親・藤堂(五代高之)が不動産ビジネスのために政治家に渡す裏金5億円を身代金として騙し取ろうとしていたのだった。
しかし・・・家族を騙すために電話線に仕掛けた回線ジャックのための装置を右京に発見され・・・すべての計画は虚しくなるのだった。
早川(偽)刑事の計画。
①藤堂家の電話回線にのっとり装置を設置する。
②手下(女)が名門小学校に通う藤堂の娘を拉致監禁。
③出勤前の藤堂に誘拐実行犯の脅迫電話。
④警察に通報する藤堂の電話をジャックし、ニセの警察作戦発動。(一種のオレオレ詐欺です)
⑤警察官を装い、藤堂家に侵入。
⑥藤堂を誘導し身代金を用意させる。
⑦藤堂の運転で身代金を搬送。藤堂を身代金を積んだ車から藤堂を引き離す。
⑧手下(男)が車を強奪して逃走。
⑨どこにもいない警察官たちの活躍により、人質解放保護、強奪犯逮捕を報告。
⑩撤収して手下と合流、身代金を山分けである。
・・・ところが・・・ここに右京が合流し・・・最初から早川刑事たちを詐欺師グループと断定した上で・・・仮のパートナーシップを発揮・・・鑑識の米沢(六角精児)や角田課長の協力を得て・・・早川の裏をかき・・・誘拐犯を逮捕、人質を保護・・・身代金強奪犯を逮捕してしまうのであった。
とにかく・・・犯人たちの一瞬の隙をつき、仲間たちにメールを送信する右京なのだが・・・そのメール文面を用意するためのトイレでの早打ちが爆笑なのだった。
そして・・・「腐った金しか狙わない」と現代の義賊を気取る早川にかわいい指錠を取り出した右京は屈辱的なお縄をはめた上で「誘拐された少女の心に一生残る傷跡をつけたあなたはただの薄汚れた犯罪者にすぎません」と優しめの説諭するのだった。
関連するキッドのブログ『ノアの方舟』
まんまとだまされちゃいましたーっというあなたはコチラへ→エリお嬢様の相棒
金曜日に見る予定のテレビ『L change the World』(日本テレビ)『ラブシャッフル』(TBSテレビ)『谷村美月の必殺仕事人2009』『歌のおにいさん』(テレビ朝日)『せれぶり3』(テレビ東京)・・・混み合って参りました・・・。
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
だまされましたー。
でも面白かったぁ~。
なんか2時間ドラマでも見たような
満足感がありましたよ~。
投稿: みのむし | 2009年1月16日 (金) 10時11分
ふふふ。見事なパズルでございましたねえ。
結局、途中までは右京さんが
犯罪の片棒をかついでいたことに・・・。
それにしても最初から最後まで
早川刑事(偽)を騙し続けていた右京さん。
ポーカーフェイスならではでした。
まさに極上のミステリーだったのではないでしょうか。
なんとなく、ランチタイムにお座敷で
和定食をいただいたときのような
まったり感がございましたな。
投稿: キッド | 2009年1月17日 (土) 00時12分