どうして落ちてきたのが男の子だと思ったのか?(瑛太)そりゃ、ラスフレとかイケ☆パラとかでアレだったからじゃね?(生田斗真)
「ごめんなさい、ありがとうございました」と書かれた筆跡から落下したのは女の子と推定するキッドだった。
ちなみに瑛太は「ラストフレンズ」で女性への接触恐怖症、生田は「イケ☆パラ」で男装した堀北真希に恋する高校生を演じている。
本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「いじわるばあさん」13.6%(おおっ、結構とったな意地悪じゃないのに・・・)、「必殺仕事人2009」14.7%(結構、面白いからな)、「デス・ノート(後)」18.7%(まだまだ強いな・・・来週はどうか)、「コードブルー新春スペシャル」23.1%(シリーズ最高傑作、ここからは作れば作るほど傑作になるだろう)、「赤い糸」↗10.0%(ドクターヘリに救援されたな)、「天地人」↘23.5%(戦国時代ファンが少し退場)、「あんみつ姫」*9.6%(そこそこ面白いけどな・・・スペシャル展開でやるものではないのかも)、「どろろ」12.1%(やったばかりじゃないか?松子は・・・)、「X-MEN」11.2%(ハリウッドやぶれる)、「そうか、もう君はいないのか」12.0%(葡萄から作ったジュースだから)・・・ついでに「ヴォイス」17.7%・・・以上。
で、『ヴォイス~命なき者の声~・第1回』(フジテレビ090112PM9~)脚本・金子茂樹、演出・成田岳を見た。基本的には「きらきらひかる」(1998年)の焼き直しと言えるだろう。「きらきらひかる」は監察医が遺体が語る真実を解剖と推理によって導き出す趣向の郷田マモラのコミックを原作とするドラマ。新人(深津絵里)とヴェテラン(鈴木京香)やおとぼけ(小林聡美)という女だらけの監察医たちと刑事(松雪泰子)の配置も完璧で軽妙洒脱な脚本と演出という名作ドラマである。同名に「きらきらひかる」という江國香織の小説やそれを原作とした映画「きらきらひかる」(1992年)があるので紛らわしいのである。映画や小説は佳作だがいかにももやもや三角関係の純文学・文芸映画ですごく面白くはありません。江國には「東京タワー」もあって紛らわしい文学の人と言える。ちなみに「間宮兄弟」はそこそこ面白いです。
さて・・・おそらく、毎回一体の死体が登場し・・・その死の真相と・・・そこから浮かび上がる一つの人生の軌跡が描かれるという趣向である。
先行作品である「きらきらひかる」が相当な名作であるだけに比較してしまうと・・・やや見劣りする部分もある。たとえば・・・謎を解き明かすのが学生中心であるために人生の深みが本当に分っているのか白々しく感じる部分があるわけである。
何しろ・・・この法医学ゼミそのものが架空の存在だからだ。
しかし・・・一種の天才的法医学者である主人公・加地(瑛太・・・少年時代・加藤清史郎・・・与六である)の設定により・・・なんとかなっていくような気がする。その超能力者としての技量が気にならなければである。加地は一種のパラノイアであり、無数の可能性の中からたった一つの結論を直感的に悟ることができる直観力を持っているのである。
これを補強するのが優秀な学生でありながら、母親の死因に疑問を持つことから不人気の「法医学ゼミ」を選択した久保秋(石原さとみ・・・少女時代・山田夏海)である。
また普通のボケである大病院の後継者候補・石末(生田斗真)、大ボケの元暴走族で医大生の羽井(佐藤智仁・・・仮面ライダーガタックである)、そして「きらきらひかる」を見て監察医を目指すことにした桐畑(遠藤雄弥・・・のだめの大河内である)など学生チームもそれなりにドラマを秘めていそうなので何とかなるかもしれない。
まあ、「プロポーズ大作戦」で巧手を披露した脚本家次第なのだな。
もっとも「監察医」ネタは結構ストックがありそうなので楽しみではある。困ったときには焼きなおしだし。
他には「花嫁とパパ」で石原さとみと共演し・・・そこそこ失敗している時任三郎を教授に据え、出産休暇を終えた矢田亜希子を助教に。おなじみ泉谷しげるを技官に据えている。
このトリオは控え目で守り立て役に徹することが肝心だろう。
第1回の死体を「上からの落下物で殺害された・・・凶器は犯人が持ち去った」と仮定するピエロ役は大和田刑事(山崎樹範)。
加地は・・・現場主義で・・・死体の置かれた状況を確認しに行き・・・一目で「飛び降り自殺(未遂)した子供をキャッチしようとした衝撃による事故死」であることを見抜くのだった・・・このあたりが超能力です。
死体(モロ師岡)の別れた妻(美保純)が「昔・・・ベランダから墜落して死んだ子供がいた」という悲劇を語り・・・一同は人生の断片を妄想するのである。
とにかく・・・キッドは直感で自殺未遂をしたのは女の子だったと理解しました。
その頃・・・教授・助教・技官のプロたちは死体に付着したDNAから落下した子供の存在を割り出していた・・・というオチです。
もう・・・後は・・・感動できる死体(ゲスト)を作れるかどうかの勝負だと考えます。
楽しい大学生活の部分は・・・まあまあかな。スラムダンクとか、Perfumeとか、駅前のラブホとか・・・どうでもいいや・・・いや昭和のシャンプーはちょっと気になるのか。
検視官による検視、監察医による検案、死因特定のための行政解剖、犯罪性が予見される場合の司法解剖など死体解剖保存法と刑事訴訟法の交錯する部分があり・・・学生が介入しすぎ・・・という指摘ができるが・・・ここはドラマですからという伝家の宝刀を抜いておくしかない。
関連するキッドのブログ『14才の母』・・・「きらきらひかる」の脚本家・井上由美子
『わたしたちの教科書』・・・「きらきらひかる」の演出家・河毛俊作
水曜日に見る予定のテレビ『相棒』(テレビ朝日)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
そ。。。だな。。。
何で落ちてきたのは男の子だったんだろ。
それはやっぱり超能力だからなのかしら~^^;
それでも、なかなか期待出来そうな気がする1話目
なのでした。
投稿: くう | 2009年1月13日 (火) 20時57分
どうしても「きらきらひかる」と
比較してしまってアレなんですが・・・。
ハートウォーミング・ストーリーというのは
押し付けがましい人情は禁じ手なんですよね。
心が温まるかどうかは人それぞれですし・・・。
まあ・・・初回だから大目に見るけど
最後は加地と久保秋の二人でよかったのに。
最初はいないが最後はいるみたいな。
真相を伝えに怪しい人間がぞろぞろと・・・。
美保純じゃなきゃ、警察呼びそうな展開でごさいます。
ガリレオで言うと・・・
湯川ゼミの学生が主役という設定ですからねえ。
語り口に気をつけないと
若さゆえのあやまちで
いい話が綺麗事になりかねないと
じいやはちょっと心配になりました。
投稿: キッド | 2009年1月13日 (火) 23時59分
『きらきらひかる』好きでした。ていうか大好きでした。ただ、「一生懸命解明してみたら立ち小便だった」みたいなところが微妙でした(笑)。
あと、「川が濁流になるほどの豪雨」の翌日に雪が残っているという点が子供心に(子供じゃなかったけど)アレでした。
密かに遠藤雄弥を『ロケットボーイズ』の頃から応援しています。ついにその時代が来た?のか???
投稿: 幻灯機 | 2009年1月24日 (土) 15時56分
まあ・・・第一印象というのがバイアスになっているので
「きらきらひかる」は
かなり傑作に分類されている可能性もあるわけです。
しかし・・・まあ・・・今のところ、
「ヴォイス」が「きらきらひかる」を
越えていないのはガチでしょうね。
努力を厭う人間は直感を安易に信じますが
努力の果ての直感ほど信憑性の高いものはないのですね。
心配性、直感者、パラノイアの
判別は難しいですが
「だか直感してしまうのか」と直感できるドラマを
目指してほしいなぁと思っている今日この頃です。
キッドは「ロケットボーイズ」をあまり高く評価しないのですが
・・・クドカンとしては失敗作と分類。
遠藤雄弥は脇役としてはそこそこいいと考えます。
投稿: キッド | 2009年1月25日 (日) 00時56分