あ、タマゴの殻がっ・・・(瑛太)殻入りの方が栄養あんのよ(石原さとみ)
さて・・・問題は・・・死体役の佐野秀一(坂田聡)だな。マギーとかのいたジョビジョバのメンバーであると言っても、映画「スウィング・ガールズ」でパチンコ屋の客だった男だと言っても「誰それ?」確実である。そんな男がいくら死体といっても鶴田真由の夫役が務まるかよっ!・・・という意見がお茶の間から多数寄せられるのは充分予想される。なんで坂田聡(1971年生まれ)なんだ?・・・である。まあ・・・アメフトっぽいからか?・・・じゃ花田勝(1971年生まれ)でもいいじゃないか。同年代なら細川茂樹(1971年生まれ)とかね。・・・ま・・・坂田聡でもいいか。ちなみに鶴田真由は1970年生まれである。とにかく・・・40代目前の無職の元スポーツ選手と看護師の子供のない夫婦・・・哀愁だ。その上・・・夫が不審死・・・残された妻の身のおきどころのなさが・・・何不自由のない医学生諸君に分るのか・・・このあたりがやはり結構ネックだと考えます。
本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「L」15.3%(ふ~ん・・・死神不足なのか)、「ラブシャッフル」10.0%(それでもココには効いたのだな)、「歌のおにいさん」10.6%(ラブ・シャッフルに勝つとは・・・)、「ハリー・ポッター(炎)」20.1%(まだまだファンタジー)、「銭ゲバ」12.0%(おお、結構しのいだな・・・来週勝負ズラ)、「赤い糸」↗10.8(ハリポタ様々だな)、「天地人」↗24.7%(こんな数字じゃますます戦なき戦国時代に・・・)、「本日も晴れ。異状なし」12.4%(南の島の若きホンカン・・・藤本有紀かけもちかよっ)、「007ゴールデンアイ」13.2%(西洋忍者もまだまだ活躍中)・・・ついでに「ヴォイス」↘17.4%・・・以上。
で、『ヴォイス~命なき者の声~第2回』(フジテレビ090119~)脚本・金子茂樹、演出・成田岳を見た。まず、なんで「クレイマー、クレイマー」なんだという疑問があるわけである。もちろん、「スティング」がもう一本・・・対抗馬にあげられるのだが・・・星の数ほど映画はあるわけだ。もちろん・・・映画のタイトルを死体の妻・忍(鶴田)がさりげなく口にするわけだが・・・映画は星の数ほどあるわけである。
ちなみに「クレイマー、クレイマー」は1979年の作品(日本公開は1980年)、今から30年前の作品である。確かに第52回のアカデミー賞を作品賞、監督賞、脚色賞、主演男優賞、主演女優賞と5部門で受賞した名作であるが・・・映画は星の数ほどあるのである。
ついでに原題は「Kramer VS.Kramer」で「クレイマー氏対クレイマー夫人」とも言うべき意味である。あるいは「クレイマー(父)対クレイマー(子)」でもある。その頃は「VS.=versus(バーサス)」が日本人に馴染みがなかったので「クレイマー、クレイマー」というほとんど意味不明の邦題がつけられているのである。まあ「クレイマー対クレイマー」だと怪獣映画と誤解されるおそれがあるしな。
さらに言うとドラマ「僕と彼女と彼女の生きる道」(2004年)にもはるかその影響が及んでいると想像ができる作品ではある。
しかし・・・ハリウッドにたよらなくても「浪曲子守唄/一節太郎」(1963年)があるじゃないかという考え方もある。逃げた女房に未練はないがお乳ほしがるこの子が可愛いのである。
・・・脱線しすぎました。ま・・・いいか。つまり・・・なんとなく「クレイマー、クレイマー」という「鍵」となるアイテムへのたどり着き方が・・・テクニカルじゃないと思うのです。
これは暴走族あがりの医大生・彰(佐藤智仁)の母親・鳳子(濱田マリ1968年)の「クレイマー、クレイマー」を強調する演技が微妙だからだとも思うのだが・・・やはり・・・星の数ほど映画があることの方が気になるのだな。
さて・・・ここでこのドラマの特殊な設定を考えてみる。
それは法医学生チームが実はエリート集団だということである。その能力は抜群の記憶力に由来する。まず・・・久保秋は優秀な医学生の中でトップの成績を持つ学習能力のエリートである。次に巨大病院の後継者である石末(生田斗真)はサラブレッドなのである。医者の息子が医者になれるとは限らないからだ。そして直感的な超能力を持つ加地(瑛太)はさておき、桐畑(遠藤雄弥)は狭義のおタクなのだ。総合すると・・・異常なメモリーを持ったスーパーチームなのである。
今回は「料理をしない男」が一つの主題になっていたので・・・「料理が苦手な女」がお笑い要素として組み込まれているのだが・・・本当はもう一つ、「すきやきにタマゴはからめないが牛丼・カレーライスセットは注文する男」である加地をおちょくる手があったのである。
それは・・・ただ一人加地が・・・「クレイマー、クレイマー」を見ていないという設定である。
おそらく・・・加地は桐畑のような二次元おタクを軽視するタイプである。当然、フイクションは苦手なはずである。なにしろ直感的に本質をつかめるのだから虚構の面白さに気がつかないタイプであることはありうるのだ。
で、桐畑はジャンル外でも基本としてアカデミー受賞作は押さえる。彰は母の影響で当然見るのである。孤児であることが示されている久保秋は作品内容に魅かれて見ている。そして一番の常識人である石末は教養として見ているのである。
そこで・・・忍がさりげなく口にした「クレイマー、クレイマー」を加地がただ一人・・・見ないというのが縦軸になったはずなのである。なにしろ・・・超能力者であるから見ればたちどころに謎は解けてしまうのだ。
このネタをからめることによって今回の筋立てはかなりスッキリするはずである。それはスキヤキにタマゴをからめない人にはできないのかもしれない。さらに言えばキッドはタマゴの器には七味唐辛子もまぶします。タマゴを溶くかどうかはお好みで。
さて・・・二話を通じて・・・人間の突然の死による周囲の人々の悲しみを緩和する方向で動く・・・このドラマ・・・しかし、みんながあまりにも善人なのでちょっと気持ち悪い。
やはり・・・夫婦喧嘩の後の夫の突然の死に・・・やや悪意をもって興味本位にアプローチするタイプを設定するべきだろう。
「きらきらひかる」はプロの集団だったので監察医対女刑事の対立がそこはかとなく自然だったのだが、ここでは大和田刑事(山崎樹範)には荷が重い。
だから・・・石末や久保秋がその任にあたるべきだろう。今回なら久保秋が美人の妻に軽く反発して・・・という手でできたはずである。
妻による計画殺人が一転して・・・つまりみんなに推奨されて加地が「クレイマー、クレイマー」をついに見て泣き・・・夫の夫婦生活への未練としての「愛」を再発見するというオチでかなり平坦なドラマが見やすくなるはず・・・とキッドは考えました。
だって・・・一緒に映画を見ることが証という淋しい夫婦なら・・・「ロッキー2」も「ムーンレイカー」も「エイリアン」も「スタートレック」も「悪魔の棲む家」も「ディアハンター」も・・・いずれも1979年の洋画・・・もあったはずであり、「スターウォーズ帝国の逆襲」も「地獄の黙示録」も「普通の人々」も「オールザットジャズ」も「レイジング・ブル」も「9時から5時まで」も「スーパーマンⅡ」・・・いずれも1980年の洋画・・・もあったはずなのである。
ちなみに「スティング」は1973年(日本公開1974年)の映画です。ジョニー・フッカーはロバート・レッドフォードの役名でございます。
関連するキッドのブログ『第1話のレビュー』
水曜日に見る予定のテレビ『相棒』(テレビ朝日)『キイナ・不可能犯罪捜査官』(日本テレビ)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
業務連絡、業務連絡。
「妄想姉妹」、見ないと大損!!!
オフィシャルで配信中w
投稿: あんぱんち | 2009年1月20日 (火) 06時23分
じいやが先週、私へのレスで書いて下さった心配が、
ちょっと現実の物になりそうな予感でいっぱいな
今週のストーリーでございました。。。--;
制作側が「泣かせよう」として作るドラマでも、
本当にドップリ漬かり込んで泣いてしまうドラマと、
逆に白けて涙が引いてしまうドラマと。。。
その違いは、たぶん紙一重なのでしょうが、
作り手にとっては難しい課題なのでしょうね。
昨夜、CSテレビで「白夜行」の放映に泣きながら、
ふとそんな事を考えてしまったのでした。
まぁ、1話完結ですから。
きっと良くできた回もあるだろうと信じて見守りたいですわ~。
投稿: くう | 2009年1月20日 (火) 15時12分
ふふふ、神木隆之介の映画「 Little DJ~小さな恋の物語」の
スタッフによる『妄想姉妹〜文學という名のもとに〜』ですな。
Pは「沙粧妙子-最後の事件-」(1995年)
「スミレ16歳!!」(2008年) の人。
「ザ・クイズショウ」と「33分探偵」に続いて
今季は「セレぶり3」とこれを
深夜でウロチョロプロデュース。
「セレぶり3」は軽くふれたので
コレは視聴のみ。
まあ・・・初回は晶子(吉瀬美智子)が
ソフト・エロであは~んでございました。
本格アハ~ン担当は星野あかりでしたな。
次回は紺野まひるがあは~んですのでパス。
三回目の節子(高橋真唯)が川姫あは~んですので
この出来次第では軽く触れる予定です。
土曜日は今季イチオシの「銭ゲバ」がごさいますので。
よしなに。
投稿: キッド | 2009年1月20日 (火) 21時37分
ふふふ・・・じいやの危惧は心配しすぎとよく言われますが。
しかし、お若い方にはお若い方の力といいますか
剛腕がございますからね。
直球ビシバシ決めてそれなりに今季視聴率トップです。
それでも危うい感じはいたしますなーっ。
たとえば主役は「瑛太」という考え方では
超能力者としてしっかりたっております。
しかし・・・この物語の持つ
「声なき死者の声をきく」=「死体が主役」
という隠し味がもうひとついかされていないのですな。
冷たい死者にぬくもりを与え
魔法使いとして加地が名声を得るためには
その前に「死者」が輝かなければならない。
このあたりが甘いのですな。
ちょっとゴリ押しなのです。
もちろん・・・加地がなぜ「超能力者」なのか
というフリがもやっとしているからです。
このあたり・・・おそらく伏線を張っているのですが
やや・・・策士策に溺れている悪寒がします。
すでに久保秋の母の件、助教の父の件と
思わせぶりが続いていてうるさい感じがしていますし。
そのために肝心の「死体」の輝きが鈍いのです。
パートナーを求めても得られなかった人々から
見れば佐野夫妻は自分の幸せに気がつかない愚者。
その愚者が失って初めて幸福だったことに気がつく。
それを気付かせる加地は
神でもあり悪魔でもあります。
なぜなら・・・与え奪うからです。
しかし・・・思い出は残る。
その「愛のメモリー」を輝かせてこそ救いがあるのです。
ああ・・・あと一手間でいいのに・・・。
とじいやはいらぬ心配をするのでございます。
赤子泣いても蓋とるな・・・とか。
投稿: キッド | 2009年1月20日 (火) 22時08分