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2009年2月15日 (日)

一発目で神が死に二発目で銭ゲバが生れるズラ(松山ケンイチ)人殺しだから愛してる(木南晴夏)やったー!(椎名桔平)

「赤い糸」もまた社会の底辺を描いた物語だが登場人物たちには「愛」への疑いはない。

それどころか「貧富」への疑いもない。

さらには「善悪」への疑いもない。

そして「美醜」への疑いもない。

ただ・・・そこにあるのは「運命」への思慕である。なにもかも運命だったら人間は安心できるのだ。

すごく・・・愚かだが・・・そこが甘美である。

で、『銭ゲバ・第5回』(日本テレビ090214PM9~)原作・ジョージ秋山、脚本・岡田恵和、演出・狩山俊輔を見た。春一番が吹き荒れて生暖かい13日の金曜日の翌日の聖バレンタインの日。汚れたものと聖なるものは風太郎(松ケン)の心を常に引き裂き続ける。

夜毎見る夢

懐かしい夢

母は麗しい 母は麗しい 母は麗しい

夜毎見る夢

忌まわしい夢

母は奪われた 母は奪われた 母は奪われた

夜毎見る夢

呪われた夢

歪んだ顔の子供たち 夜の死体の血の香り 暗がりに潜む怪物たち

血まみれのクラスメート 息絶えた世界の肺 冷えていく温もり

湿った袖口の気味悪さ 善は滅び悪は栄える すがりつきながら走る

足はもつれる 銭を探る手に 虚しさがまとわりつく

夜毎見る夢 夜毎見る夢

辱められた母が叫ぶ

口惜しいねえ なんだかとっても口惜しいねえ

こわいよ こわいよ こわいよ こわいよ こわいよ

夜毎・・・うなされる愛しい人を茜(木南晴夏)はうっとりと眺める。苦悶に歪むその顔こそが愛の証。醜い歪んだ夫婦の絆だ。神に愛されないことを知る者同志の魂のふれあいだ。どれほどの憎しみを。どれほどの呪いを。どれほどの悲しみを。愛しい人は心に刻みつけているのだろうか。悪夢にうなされるその顔が。愛おしさをつのらせる。いつまでもいつまでも眺めていたい。愛しい人の底知れぬ闇の向こう側を・・・と茜は祈るのだった。

裏庭には死体が埋まっているという悪戯の告発。緑(ミムラ)は風太郎の顔に浮かぶ醜悪な表情を見た。醜い顔の男が心の醜さを曝け出している。緑の中の疑いを持たない心が感じている。自分の中に美を見出すことに慣れた心は確信する。この男はやはり汚れている。やはり醜いものの中に美しいものが潜んでいることなどないのだ。

醜い妹が幸せそうな顔をして編み物をしている。それは幻想だ。醜い妹が幸福になることなどは間違っているのだ。確かめたい。この正しさを確かめたい。自分の美しさを。自分の賢さを。自分の目の確かさを。そうね。そうだわ。この刑事は何かを知っている。この刑事があの男を見る目。醜いものが醜いものを見る目。この刑事の醜い心のうちにあの男の醜さが隠されているに違いない。

荻野刑事(宮川大輔)は語った。「弟はあいつに殺されたんです。そうに決まっている。それ以外にはないんです。私には分るんです。あいつの目。あいつの目は人殺しの目です。あいつは小学生の時にもう人を殺せる目をしているんです。俺はいつも弟に言ってたんです。小学生を甘く見るなと。小学生だって俺よりも身長の高い奴がいるんです。そんな恐ろしさを小学生は持っているんです。俺は弟が殺された時に犯人は小学生だと確信しましたよ。やりやがった。小学生が俺の弟をやりやがった。そして俺は見つけたんです。俺のかわいい弟を殺した小学生を。あいつです。あいつがやった。あいつは小学生の時に人を殺すような奴なんです。大人になったらどんなひどいことだってやりますよ。もう何十人殺しているかわかったもんじゃありません。ま、何一つ証拠はないんですけどね」

緑は刑事の言葉を信じた。緑は自分の信じたいものを信じる性格である。

ああ・・・やはり醜い男は醜い。醜い妹は幸せになれない。私の思った通りね。

風太郎は義理の父親となった三國社長(山本圭)の秘書として頭角を現していた。

風太郎は知っていた。貧乏人の中にも馬鹿はいるし、金持ちの中にも利口はいると。そして貧乏人の中にも利口はいるし、金持ちの中にも馬鹿はいると。そして銭は馬鹿には手に負えないし、利口には力を与えることを。銭の力を知るものが銭に愛される資格があるのだと。銭は光なり。銭は秩序なり。銭は神なりと。風太郎は銭に全身全霊を奉げている自分が銭に愛されていることを信じていた。銭が神なら・・・自分は神の子であると。

その神の目は犠牲を捕らえた。銭の神は犠牲をお好みだ。風太郎は知っていた。銭の神に不遜な言葉を吐いた愛しい母親を銭の神が許さなかったことを。

そして・・・銭の神の使徒・枝野(柄本時生)は神の子である風太郎に拝礼した。

「あなたは銭に愛されているのですね。あなたのように銭に愛された方を私は知りません。私は銭に愛されない父と銭に愛されない母のもとに生まれ、銭に愛されることなく生きてきました。父も母も銭に愛されぬまま、死にました。そしてまもなく自分も銭に愛されぬまま死ぬのです。私は残された命をどのように使えばよろしいのでしょうか」

風太郎は答えた。「銭を愛するズラ

使徒は重ねて問うた。「亡き母はお金のためになんでもするものの名を銭ゲバと呼ぶと私に教えました・・・もしや・・・あなたが・・・その伝説の銭ゲバ様なのでしょうか」

風太郎は答えた。「俺はお前の友達さ

使徒は跪き、風太郎の靴に口付けをした。

夜の闇の中で、風太郎は実の父親・健蔵(椎名)と邂逅した。

聖なる銭を知らぬ父親は我が子を見つめた。「お前はすでに・・・俺を越えた銭を身につけた。お前はまだ未熟でこの世のこわさを知らぬ。人を殺した後の証拠を隠滅する厳しさを知らぬ。そんなお前が今の地位を築けたのは僥倖というものだ。もういいのではないか。もう満ち足りて人の幸せに身を委ね・・・父に施しをくれたまえ」

風太郎は父をたしなめた。「銭の力に身を捧げた私はもうすでに幸せなのです。あなたはまだ世迷いごとをおっしゃるのですね。どれほどの銭があればあなたの迷いを断ち切ることができるのでしょう

父親は算段した。「10億円くらい」

風太郎は微笑んだ。「それでは10億円をあなたの命の証としましょう

父親はふと恐怖を感じた。「この世に銭の神の他に神はないのでしょうか」

風太郎は答えなかった。

自分を愛してくれる神を愛すれば・・・他の神は無用である。風太郎は哀れな父への言葉を闇に隠した。

緑は哀れであるべき妹に自分の信じる真実を語った。妹が不幸に顔を歪めるのが見たくて見たくてたまらなかったのだ。

緑「茜・・・風太郎さんは恐ろしい悪魔なのよ。あなたを愛してなんかいなかった。あの人は殺人者で、鬼で、クズなの・・・あなたを騙しているのよ」

茜「お姉様・・・あなたにはそんなこともわからなかったの? ・・・私には最初からわかっていた。人殺しだっていい・・・お姉様やお父様が生れてから一度も私にくれなかったものをあの人は私にくれる・・・私の心の開いた暗闇を熱いもので満たしてくれる・・・私にとっての愛があの方の中にあふれている。そして、愛は私にそそがれる・・・お姉様にはこの愛を壊すことはできないのよ」

緑「なんですってぇぇぇぇぇぇ」

美しい姉と醜い妹の結局はどこにでもある姉妹喧嘩を家政婦・春子(志保)は盗み聞きした。

三國社長は自分に酔っていた。

何不自由のない暮らしに茜がやってきたときは・・・心に漣がたったものだ。若気のいたりで昔愛してそして捨てた貧しい女の怨念が・・・我が身の不幸となったのかと疑ったものだ。しかし・・・それなら長女はなぜ美しい。私はたちまち悟ったのだ。醜い妹は平穏な生活に変化を与える贈り物だと。肉料理のスパイスだ。我が人生の隠し味だと。そして茜は緑とは違い、私の人生を豊なものにしてくれた。茜がいるから緑の美しさがひきたち、その両方を愛せる自分を満足させる。そして・・・茜は青春時代のちょい悪だった自分を懐かしく思い出させてくれる。それだけではない。この思ったよりずっと掘り出し物だったこの男。醜さゆえに有能な男を私に与えてくれたではないか。神は私を愛している。すべては恩寵の賜物だ。茜の醜さもこの男を私に与える神の計算だったのだ。私の人生は常に薔薇色なのだなぁ。

三國社長は義理の父親として風太郎を亡妻の墓に案内した。

「私の妻は茜の幸せだけを気に病んでいた・・・それが今杞憂となったのだ」

風太郎は微笑んだ。

三國社長は自分が引き上げてやった男に愛犬に感じるような気持ちを持った。

「君の好きな食べ物を教えてくれないか・・・」

風太郎は生贄を食堂・伊豆屋に案内した。生贄に相応しい「聖なるベラの煮付け」をふるまうためである。それは最後の晩餐に相応しいだろう。

三國社長は最後の祈りを唱えた。「昔、愛した女を捨てて・・・金持ちの生活に戻った時・・・私は安心感を感じたものだ・・・逆に君は金持ちの生活に不安を感じるかもしれない・・・そういう時にはここで貧乏を懐かしむのもいいかもしれんぞ。金持ちが貧乏人気分を味わうのは逆より簡単だからな。まあ、時々、政治家が金をばらまきたくなる気持ちと似たりよったりかもしれん。あさましい人間は人のあさましさを眺めてみたくなるだろう。それが高みの見物というものさ」

風太郎は微笑み続けた。

あなたは銭の神への生贄にふさわしい人だ。

そして風太郎は聖なる屠殺場へ三國社長を導いた。

あなたも立派な大人だ。一人で歩いていけますね。

三國社長は幼子のように喜んで祭壇に歩み去った。

一人になった風太郎はこみ上げる邪な喜びを隠しきれなくなった。

銭の神よ・・・銭の神よ・・・あなたに犠牲を奉げます・・・。

そして・・・一発目の銃声が響いた。風太郎は神の祝福を感じた。

しかし・・・最初の鐘の後・・・最後の鐘が鳴るまでの永遠が風太郎を不安に陥れた。

どうした・・・お前は・・・ともだちだろう・・・お前は金で両親の墓を買っただろう・・・お前は屠殺を金で請け負っただろう。そして金で自分の命を売っただろう。どうした・・・お前は・・・怖気づいたのか・・・お前は銭の神を裏切るのか・・・お前は余命いくばくもない・・・お前は俺への愛を感じながら死んでいく機会を逃すのか・・・お前は引き金を引くのを躊躇うのか・・・お前は迷うのか・・・。

だが・・・永劫の時は一瞬で過ぎ去り・・・二度目の銃声がこだました。

風太郎は至福を味わった。祈りは聞き届けられたのだ。銭の神の存在を強く感じる。

風太郎は安堵した。

風太郎は感じた。ともだちの自分への思い。自分への共感。自分への祝福。そしてそれがすでに失われたことを。感謝と侮蔑、満足感と寂寥感が津波のように風太郎を押し流す・・・風太郎は涙腺を刺激され・・・聖なる涙で頬を濡らす。

風太郎は冷徹に三國造船のすべての資産を継承した。

風太郎はそれまでの小さな銭の神の神殿を持って人工の断崖にたった。

そして・・・新たな神殿のために銭を撒くのだった。老若男女よ・・・銭をあがめよ・・・銭を敬え・・・銭は善なり。銭は悪なり。銭は全てなり。風太郎は神に成り代わり哄笑した。

女子高校生・由香(石橋杏奈)は驚異的な視力で銭ゲバを視た。銭の雨が降る天に。銭の魔物が踊っている。

関連するキッドのブログ『第4話のレビュー

月曜日に見る予定のテレビ『ヴォイス・命なき者の声』(フジテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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コメント

息子と飲む酒……だが風太郎は(少なくとも画面では)口を付けていませんね。哀しい、酒だよねぇ……。

枝野の人は公衆電話ボックスで震えている(寒いからだと思ったけど武者震いだったのかも)のが印象的でした。親の墓を建てたというそのカネをもらうシーンとか当然描かなくて、あと、掘り起こしから「何カ月後」とか「三國造船本社ビル」とかのテロップも無くて良かった良かった。
春ちゃんの人もなかなかいい演技です。
石橋杏奈は見上げただけでなく風太郎に気付いているんですね(言われて二回目観てやっと分かりました)。
父親が朝刊観ながら朝からビール飲んでたのもグッド。

「お姉ちゃんには分からないよ。絶対」
……哀しすぎる。

最近、どんな女性のタイプが好みかと聞かれて、木南晴夏様も竹内由枝(テレ朝ミュージックステーション現役司会)も吉岡聖恵(いきものがかり)も江口ともみ(TVタックルナビゲーター)も分かってもらえず「どうせ分からんのなら訊くなよ」とか思ったり(-_-)。

投稿: 幻灯機 | 2009年2月15日 (日) 23時51分

今回は私も「神」を意識しちゃいました。
銭の神ですかぁ。。。
そして銭は魔物。
神様なのに…
見守ってくれてるのか、
地獄へ導いてるのかわからなくなります。
あ、これは悪魔の仕業なのか?
嫌われ役の健蔵でさえ人間味を感じるのに、
人間らしく見えなくなってしまった
風太郎の末路が全く読めません。
ドラマ的にも(^_^;)

投稿: mana | 2009年2月16日 (月) 10時21分

✪マジックランタン✪~幻灯機様、いらっしゃいませ~✪マジックランタン✪

実の父親と飲む酒にも
義理の父親と飲むビールにも
口をつけない風太郎。
このあたりの演出にも
さりげなく神経が行き届いていますね。

この脚本家はどちらかといえば
常識的な倫理観でお茶を濁すタイプなので
毎回、かなり消耗しながら
脚本を書いている気がします。

このドラマは哲学的な側面を持っているけれど
当然、宗教的な部分も出てくるわけです。
今回は神話学的な展開が強調されていました。

そこで枝野の持っているムードが
炸裂しましたねえ。
まあ、いわゆる一つの「雰囲気」がある役者。

セリフだけで風太郎と同じような
おいたちと
それを上回るかもしれない不幸。
そして風太郎に
賭ける人間としての継続観のせつなさ。

親が子に托すように
銭との戦いのバトンを渡す感じが伝わってきました。

当然・・・ドラマの中に
「母親の世代が『銭ゲバ』を呼んだ世代」というリアルを
枝野は感じさせるわけで
それが神話的なニュアンスを生じさせているわけです。

役者だなぁ・・・と感じました。

「殺害現場」とか
「死体の移動」とか
「新婚初夜」とか
様々な部分を省略しつつ
きちんとすべてが
淡々と行われていることを示す
演技の数々・・・。

役者がそろってます。

ミムラや宮川はかなりきわどいですが
ある意味、特質をいかしたキャスティングで
いい味出てますしね。

石橋と志保は「目撃者」として
役割を任っているような気がします。
二人は常識から外れた銭ゲバの
神や魔物としての恐ろしさに
心震えるホラー映画の主人公ポジション。

スタイルとしてはきっとゴシックホラーなんですよね。

フランケンシュタインの怪物の悲哀、
狼男の孤独、
ドラキュラの花嫁の哀愁・・・。
それらの要素が散乱しています。

好みの女性を答えるのは
難しいですよね。
もし今、聞かれたら
「浅田真央」と答えることにしています。
無難だし・・・ウソじゃないし・・・
ロリコンかもと思われるドキドキ感も味わえるし。

投稿: キッド | 2009年2月17日 (火) 00時52分

|||-_||シャンプーブロー~mana様、いらっしゃいませ~トリートメント|||-_||

物々交換時代に銭を発明した人は
人類から重荷をとりさったプロメテウスの一族です。

火が原子爆弾を生むように
銭も倒産だの詐欺だの一家心中だのを
生むわけですが
まあ・・・銭に罪はないという考え方を
キッドは念頭に置くわけです。

たとえばバーコードは
666という獣の数字によって刻印されており
経済というものに
悪魔的なニュアンスを感じるものは
偏在しているのですけどね。

まあ・・・悪いから悪魔なのですが
キッドは悪魔に罪はないんだよなぁと
思うのです。

悪魔はただ人を悪事に導くだけであって
罪を為すのはあくまで人間ですから。

まあ・・・悪魔のような人間もおりますが
その人間が人間なのか悪魔なのかは
神秘のベールで包まれておりますからねえ。

「赤信号みんなで渡ればこわくない」
というギャグはビートたけしですが
カリスマがあればかなりきわどいギャグも
表明できる。
「殺人もまた可能な行為のひとつにすぎない」
という考え方は・・・
モラル偏重社会ではタイトロープな主張です。
ここまではよどみなく原作通りに主張されていますが
ここから先はスタッフが
どのようにオブラートに包んでいくかという
ことになると考えます。

まあ・・・キッドとしては
もうすでにかなり満足なので
相当に弱腰な結末になっても
許せるなぁ・・・という気持ちになっております。

投稿: キッド | 2009年2月17日 (火) 01時06分

酒に口をつけない風太郎。
この演出は私も好きですねぇ。

自分が悪になる事は厭わないのに
そんな自分に手を差し伸べてくれた人を殺してしまうと

自分に罪悪感が募る。

そして、今の自分をなんとか正当化させるためにもがきあがく。
この辺が悪魔の囁きみたいな感じですねぇ。

この辺りが風太郎の魅力ですねぇ。
ただ、そこから下がろうとしない執念は父親よりも上ですが
父親は悪魔との距離感ってやつはある程度保っているみたいで(笑)


そしてファブリーズの柄本さんは
嬉々として人を殺すような感じの目が
正しく父親譲りのオーラを持っているような感じで
これからどんな役を演じるのかが楽しみです。


今のところ、風太郎は神にでもなったようにいるのかもしれませんが

今後の展開を見るに
それはただ仏陀の掌でもがいていただけに過ぎないって
感じになるのかもしれませんねぇ。

そして奥貫さんは薄幸の女性を極めるみたいです(  ̄▽ ̄)ゞ

投稿: ikasama4 | 2009年2月17日 (火) 12時33分

✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥

まあ、現実世界では
ちょいと一杯のつもりで飲んで
いつのまにやら大臣辞職の人も
いるくらいですからね。
秘密を守らねばならない人間にとって
酒は毒薬と同じです。
一種の自白剤ですし。

それほどに正気のようでありながら
狂気の世界に生きる風太郎。
蝕まれているのですよね。
心が。

遠足の写真なんか
時とともに色褪せるものですが
遠足の写真さえ
手に入れられなかった風太郎には
永遠の憧れ。
永遠の渇き。

そして・・・父親の心も
母親の命も
銭が奪っていったという強烈な思い込み。

そしてまた・・・
石を投げないともだちも
銭が奪っていった。

自分ではない。
やったのは銭だ。

右京さんなら
「目を覚ましなさい」と
一喝してくれるのですが
ここは異次元空間ですからなーっ。

自己正当化と
現実の悪夢化は
平行して進んでいくのです。

父親は単に悪いだけなので
悪魔とも適当に付き合っていく。

しかし・・・真面目な風太郎は
半端なことはできない。

銭の恐怖から逃れるためには
銭ゲバになるしかないという
強迫観念があるのです。

世界が自分を殺すのに
自分が世界を殺すことに
何のためらいがあるだろうか・・・
という柄本弟・・・役者です。

ここまでは原作の世界観をよどみなく伝えるこのドラマ。

人々が目をそむけるような
毒々しさを
最後まで描くのかどうか。
すべてはコカコーラの度量次第なのかもしれない
と思う今日、この頃です。

奥貫薫には朝加真由美な人生が待っているようです。

投稿: キッド | 2009年2月18日 (水) 03時53分

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