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2009年2月 6日 (金)

必殺パチンコでテッテケテー!(高橋愛)男のロマンでQ.E.D.(中村蒼)おだまり!(青田典子)

♪じゃぁじゃぁじゃ~ん。火曜サスペンスよ、もう一度である。失われたコンテンツは戻ってこないわけだが。

「おみやさん」がなかったので「Q.E.D.」↗*7.1%である。ついでに「ありふれた奇跡」↘11.1%である。岸部一徳と風間杜夫の女装父親コンビはさすがだね~の女形ぶりだったが・・・お茶の間はそんなことではくいつかない。仲間由紀恵の「秘密」は「自分のせいで子供の生めない体になったこと」・・・で・・・「何故そうなったか」は隠す小出し展開。これはつまり・・・他人にとってはたいしたことのないことでも本人にとっては大問題の表現なのだが・・・加瀬亮の気分を味わいたい人は別として手法としてはどうかと思う。・・・だってさ。いじめられた人の気持ちはさ。いじめっこには分らないって言うでしょう。そういうことをさ、脚本家は描きたいってことじゃないのか。でもね、その「秘密」がたいしたことじゃないということを明示しておいて・・・そんな些細なことを言えない人がいるっていう描き方の方が見やすいでしょう。・・・どうしてさ・・・どうして見やすいドラマを見たがるのさ。・・・だって娯楽ですよ。わざわざ嫌な気持ちになるもの見たくないでしょう。・・・だけどやりたいんだからしょうがないじゃねえか。ほらさ・・・そういうのがあるからいい年こいて乙女気分の人妻だとか、変態のくせに変態相手に危惧する微妙な心配症とか、性欲と孤独の境界線とかいろいろサービスしてるじゃない。ナニが不満なのよ。・・・数字ですよ。数字。世の中数字ですから。こちとら広告あつめておまんま食ってんだ。・・・すみません。NHKはいいよなあ。営業が別系統で・・・。・・・妄想もほどほどにしておけよ。

深夜の「リセット」↘*5.0%はゲストに平愛梨が登場。先週の木南晴夏より低刺激だが結局、「20世紀少年」PRキャスティングのような気がする。芸人キャスティングも別に構わないのだが、旬の人じゃないので臭みがあるんだよなぁ。木南の体当たり演技に比べて平は大人しめ。一個年上だがキャリア不足だからな。仕方ないか。

さらに深夜に行くと「女子大生会計士の事件簿」(BS-iのおさがりオンエア)で銭形雷こと小出早織が登場している。キッチリの大人メイクを見ていると萌えないし若い頃のふせえりを連想したりもしてしまう。時効警察の真加出みたいな役をいつまでもやっていられないのは分るが・・・まだできるだろう・・・。お前の希望を誰が叶えると言うのだっ。

で、『Q.E.D.証明終了・第5回』(NHK総合090205PM8~)原作・加藤元治、脚本・相原かさね、演出・榎戸崇泰を見た。原作第41話の「狙われた美人女優」を「サスペンス刑事/狙われた美人女優/迫りくるストーカー/断崖にこだまする銃声/可奈と想は全部見ていた」にアレンジである。可奈(高橋愛)を見ようと思って見るとお騒がせ女優・渚幸代(青田典子)ばかり出ているし、想(中村)を見たいと思ってもお騒がせ刑事・笠山杉道(松尾諭)のどアップに辟易することになる回である。

夜道を歩く・・・想と可奈・・・何をしていたのだ・・・は不審者に遭遇。襲い掛かる不審者を可奈が撃退するのだがアクション控え目である。想は・・・不審者が駐車場のサスペンスドラマの女王・渚の車に細工していたことを察知する・・・なぜ、渚の車であることまで知っているのかは謎である。

その頃、渚はロケ先のホテルで新人女優(井上美琴・・・半島系の顔立ちの美形である・・・潜伏期間長過ぎ・・・)にシングル・ルームを嘲笑される。なぜ、スイート・ルームでないのかとマネージャー(住田隆・・・ラジカル・ガジベリビンバ・システム→ビシバシステム→なんでも鑑定団)を叱責すると「落ち目だから」と言われてしまう。ちなみにここがオチの伏線である。ちなみに一々、役名がテロップされるがこれもパロディーのうちである。

マネージャーにそそのかされ、話題作りのために「ストーカー被害」の狂言を始める渚。

そして・・・マネージャーは笠山刑事に白羽の矢を立てる。なぜ、マネージャーが笠山の人柄を把握しているのかは不明である。

笠山刑事は・・・「サスペンスドラマ」をこよなく愛し・・・事件にロマンを求める男で・・・キイナのセクスィー係長とは真っ向対立である。彼は「くだらない障害事件」や「つまらない窃盗事件」ではなく・・・「哀愁と悲恋に彩られた殺人事件」を求めるラ・マンチャの男なのである。ついた仇名が「火曜サスペンス劇場をセリフ暗礁するほど愛する刑事=火サス刑事(でか)」だった。もう・・・真面目にミステリをやる気はないらしい。

ちなみにロマンという言葉は実に複雑な言葉だ。ロマン主義を理想主義と訳すとなんとなく・・・待ち合わせに遅刻しないタイプを連想するのだが・・・実はロマン主義は空想主義と訳すべきなのである。・・・つまり・・・待ち合わせに遅刻して実は途中でゴジラに襲撃されてさ・・・と言い訳するタイプなのである。

ロマンには二つの反意語がある。一つは古典(クラシック)で一つは現実(リアル)である。ロマンのromanとはローマ人のことである。ローマ人が現代(モダン)であるのはギリシャ人に対してである。学術的に言えばギリシャのラテン語で書かれた教養に対し、俗語であるローマン語(広義で考えるとフランス語もドイツ語も英語も)で書かれた文献ということになる。つまり・・・文明の源であるラテン語ではなくオレたちの言葉で話そうというのがロマン主義の一側面なのである。

さらにギリシャには哲学があり、それは合理的である。つまり、「平行な直線は交わらない」のである。しかし・・・現実には直線というものが実在しなかったりする。この実在しない直線を求める気持ちが「ロマン」なのである。つまり・・・「ラテン」から「ロマン」へ気分だけを引き継ぐのである。

そのためにロマンは現実的な理屈より理屈っぽい気分を大切にするのだな。このあたりが不条理の導火線なのである。

つまり・・・「ロマン」は「現実には存在しない正義」とか「現実には存在しない恋愛」とか「現実には存在しない人間らしさ」とかを信じる行為なのです。

まっすぐな線なんて引けやしないよ、まっすぐな定規を使わなければね・・・という皮肉をものともせず「オレがまっすぐを求めればそれがまっすぐだ」というメチャクチャこそがロマンの神髄なのです。

だから・・・現実に「火サス」のような事件を求める笠原刑事のロマン主義は現実認識に鋭敏ゆえに現実というものの不確実性を知る想にとってなんだか心和む存在なのである。もちろん直感的に現実を精妙に把握する可奈にはピンとこないのである。

また・・・サスペンスの女王として・・・いつまでも美人で知的という玉座に座り続けるロマンを求める女優・渚(本名・おだまり)とは相性バッチリということなのです。

かくて火サス道を極めようとするドン・キホーテ笠原刑事とともに愛馬ロシナンテ・可奈と従者サンチョ・パンサ想は主演女優と真犯人を求めて断崖絶壁にたどり着くというのが今回の趣向である。

そしてお騒がせロマン刑事とお騒がせロマン女優は真犯人・・・マネージャーと対峙するのだった。すべてはギャラを使い込んだマネージャーの犯行だったのである。銃刀法不法所持までしていたマネージャーだったが可奈の必殺パチンコ射撃とエンディング・パンチで事なきを得る。パンチラではありません。念のため・・・おいっ。

そしてロマンとロマンは結ばれてロマンス(妄想的に理想的な空想的恋愛)になるのだった。二人の豊満な肉体の抱擁に可奈は赤面、想は幻惑されるのだった。

かくて笠原と渚婚約発表ハッピー・エンドである。

まあ・・・ドラマなんて・・・よくもわるくも基本的には全部こうなのです。

関連するキッドのブログ『第4回のレビュー

土曜日に見る予定のテレビ『南沢奈央の赤い糸』(フジテレビ)『木南晴夏の銭ゲバ』『高橋真唯の妄想姉妹・文學という名のもとに』(日本テレビ)『栗山千明の警官の血』(テレビ朝日)『市川由衣のRESCUE・特別高度救助隊』(TBSテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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