自我が作れるなら寿命設定も・・・(速水もこみち)人工遺伝子も(相武紗季)人工精・・・(水嶋ヒロ)
子作りもできるはずだとか・・・言いません。野暮だから~。
ちなみに「WBC日本優勝緊急特番」26.5%に「絶対彼氏」*9.0%。ナイト・・・木端微塵かっ。
しかし・・・人間とロボットが愛し合って生きていったっていいじゃないか・・・というレベルにまでお茶の間は達しないから・・・ナイト(速水)は復活しては機能停止する宿命なのかもしれません。
で、『絶対彼氏~完全無欠の恋人ロボット~最終章スペシャル』(フジテレビ090324PM9~)原作・渡瀬悠宇、脚本・根津理香・深沢正樹、演出・土方政人を見た。「ありふれた奇跡」では生殖能力がなくても愛があれば結婚できるという考えが提示されるのだが・・・「絶対彼氏」ではやはり生殖能力がなければダメだという結論である。せっかく・・・自我の獲得=科学力の限界で悲恋物語を完成させたのに・・・調子にのってスペシャルをやって・・・より中途半端な結論に・・・。結局、梨衣子(相武紗季)は「ロボットのナイトより人間の創志(水嶋)を選んだ」に過ぎないのです。
ナイト「オレは梨衣子の子供を作ってやれません・・・」
梨衣子「子供なんていなくても家族はあなた一人で充分よ」
という結論だってあるわけですからーっ。
・・・おい、野暮は言わない約束では・・・。
だって・・・ただ一人の女を愛し続けるなんて・・・自我が芽生えたら無理だろう・・・。
・・・それはどうかな・・・。
・・・失礼しました。とにかく・・・「自我」とは何か・・・という問題は人間の根本にかかわりますからね。あまり、突っ込むとろくなもんじゃありません。最後、ナイトは自殺を決意しているわけだし・・・それってロボット鬱なのか・・・という問題もあのますしね。
とにかく・・・玉木宏が「のだめカンタービレ」の千秋先輩の呪縛から逃れられないように、速水もこみちも天城ナイトの呪縛から逃れられなくなる。ナイトになると魅力倍増は間違いないようです。
さて・・・魂のあるロボットに心を奪われた女・梨衣子。しかし・・・魂を得たことにより寿命を得たナイトは機能停止。それから三年、心の傷を癒し、創志と婚約した彼女の前に・・・再び現れるナイト。しかし・・・ナイトは初期化されていたのだった。
ナイトを復活させたのはナイトの生みの親・並切博士(佐々木蔵之介)を上回るマッドサイエンティスト神谷博士(国仲涼子)。並切博士が「鉄腕アトム」の天馬博士なら・・・神谷博士は「8マン」の谷博士・・・なぜなら・・・神谷博士は米国の軍事機密を盗んで来日です。
しかし・・・神谷博士は乙女チックなネクロマンサーでもあります。
彼女の目的は事故死した恋人・純(内田朝陽)に魂(自我)を吹き込むこと。
これが・・・死んだ恋人の願い(封印されて秘密)を叶えることと美化していることがドラマの破綻をギリギリ支えますが・・・致命的な欠陥にもなっています。
まあ・・・自我は人間にだけ許される・・・ロボットが自我を持っても苦しむだけというのはいささか浅薄な倫理観ですからーっ。ある意味、人種差別とか障害者差別とかに通じる危険な部分でございます。
まあ・・・悪魔としてはそれはそれで構わないとも思いますけれどーっ。
「銀河鉄道999」「キャシャーン」「ターミネーター」「アンドロイドは電気羊の夢を見るか(ブレードランナー)」「ギャラクティカ」・・・ロボットと人類が生存競争をするのは宿命みたいなものですから。
それはともかく・・・並切博士には修復不能だったナイトの電子回路を復活させ・・・自分のセクサロイド・純にも「自我」を移植しようとたくらむ神谷博士なのです。
「自分の願いが叶うならば・・・他人の心など眼中にない」・・・清々しいほどにマッド・サイエンティストな神谷博士の陰謀に・・・たちまちナイトと創志の三角関係状態に立ち返る梨衣子・・・成長していません。
本来、ナイトの「自我」は容量不足で「崩壊」するのですから、集積回路の発達で解決できることは明らか。
人間だって・・・神経細胞の発達から情報の集積を経て、自我が芽生えるのに三年はかかるのが普通です。まあ、出産と同時に「天上天下唯我独尊」と言ったシッダルタのような例外はあるわけですが。
「ナイト」も「純」も「恋人を愛すること」に特化したシステムですから、そこに「自我」あるいは「魂」あるいは「意識」が発生した時に・・・純粋でまるで悟りを開いたような慈愛に満ちたキャラクターになるのは一種の洗脳状態のようなものなのてすな。
目覚めた瞬間に「君のためなら死ねる」・・・そうプログラムされているわけです。
とにかく・・・修復と寿命の延長問題にはまだ謎が残りますが・・・神谷博士の計画は成功。ナイトと純は「奇妙な自我」を持ったロボットに進化します。
しかし・・・ついに米国からの追っ手がかかります。軍事機密の回収と・・・国家反逆罪の博士の逮捕が目的なので軍事ロボットが投入されるのです。日本の主権はないのかっ。
っていうか・・・神谷博士、応用技術で何体も恋人型ロボット作っているので・・・情報回収もはや遅いのでは・・・。
とにかく・・・最後は博士と梨衣子を守るためにナイトと純が軍事ロボットとバトルを・・・繰り広げません・・・。
ロボットアクションものではなく・・・純愛ファンタジーですからーっ。並切博士が制御装置を鉄拳一撃、強奪です。まあ・・・普通はその場で銃殺です。
生前の純の望みは・・・神谷博士と結婚して・・・子供のいる家庭を作ること。
「私にはできません・・・」となぜそうなったのか・・・説明のないまま・・・機能停止する純。
結局、自我が芽生えると・・・機能停止する宿命のようです。
しかし・・・そうなったら再起動すればいいわけで・・・自我=寿命の問題は解決。
ドラマとしてはもっとも苦しいところ。
結局、「恋人ロボットは恋人の幸せを最優先」「恋人の幸せは結婚・出産」「恋人ロボットには生殖能力がないので恋人を幸せにできない」という・・・ものすごく低レベルあるいは限定的な人生観の導入で・・・ナイトは自殺を決意する。梨衣子もそれを受け入れるという・・・ちっともロマンチックでない結論に・・・。
まあ・・・仕方ないか・・・これはロボットSFではなくて・・・恋愛ファンタジーなんだからーっ。
しかし・・・ナイトが粉砕されているシーンはないので・・・第三の覚醒はあるのかもしれません。シンデレラのその後はもはやファンタジーではないのでやめておいた方がいいかもねーっ。もこナイトは見たいけどねーっ。
ああ・・・アンビバレンツ・ホールド。
本当はお涙頂戴レビューにしたかったのに・・・自我がそれを許してくれませんでした。
ほら・・・「シザーズ・ハンド」の決着のせつなさが本当はあるんですけどねーっ。愛する女は人間として結婚し・・・老いて・・・孫に愛の物語をする・・・彼女を思いながらロボットはひっそりと暮らすっていう。
そのアンチテーゼであるレギュラー・シーズンの最終回で示される・・・「二人はずっと愛し合い老衰死する梨衣子と見取るナイト」のビジョンが一番美しい愛のエンディングだと感じるキッドは・・・やはり人間失格なのですか?
関連するキッドのブログ『最終回のレビュー』
木曜日に見る予定のテレビ『犬と私の10の約束』(テレビ東京)『高橋真唯のリセット』(日本テレビ)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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