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2009年3月30日 (月)

仁義なき天地人・縁組無情篇(妻夫木聡)兵法に表裏あり(長澤まさみ)血縁よりも夫婦愛(相武紗季)

ついに「天地人」↘17.8%。まだまだ高いけれど、そりゃそうだろうーっ的な気持ちに。

欲望渦巻く跡目争いをこれだけつまらなくできるって・・・ある意味凄いものな。

景虎の妻・華姫(相武)「夫(景虎)は臣従するつもりだったのに兄(景勝)が裏切ったからいけないのです」って理のあるセリフになってないぞ。

上野の領地はいわば、すでに北条に落ちているので武田の上野侵攻に際し加勢を約したというのが実体だろう。すでに上野支配の北条(きたじょう)、本庄両家が景虎(北条)方についているのが何よりの証拠である。何よりも買収工作がものを言ったはずである。さらに言うならば同盟は武田側が求めた可能性が高い。

で、『天地人・第13回』(NHK総合090329PM8~)原作・火坂雅志、脚本・小松江里子、演出・片岡敬司を見た。例によってシナリオに沿ったレビューは表紙が歴代石田三成にチェンジしているikasama4様を推奨します。ついにあらすじ二行体制ですがお気持ちは分ります。・・・なんていうか描くべきことは星の数ほどあるだろうにどうでもいいですよ~的なことを延々と描く・・・シナリオでございますからねーっ。しかし、気を取り直してリアルテイスト上田衆書き下ろしついに登場。甘糟景継(パパイヤ鈴木)が義を貫くナンバーワンだとにじみでるタッチです。はたしてドラマはその辺を描いてくれるのか不安でいっぱいですが。真田昌幸に岩松了がキャスティングされたという噂がありますが・・・果たしてどうなのか・・・。未だに北条(ほうじょう)家は一人もキャスティングされていないのに・・・。とりあえず、武田上杉同盟(実話)の真相について徹底考察付です。今回、一番のお気に召しは高坂弾正の「摩利支天にかけて」・・・あ、やっぱりでございまする。

Tenchijin15785 で、長い長い天正六年(1578年)も梅雨に差し掛かっている。すでに景虎から救援要請を受けた後北条(のちのほうじょう)氏は上野国に兵を整えつつあった。上野は上杉領であったが、上杉と後北条の抗争の果てに旗色不鮮明になっている。謙信存命中は謙信が関東に出陣すれば上杉に従い、謙信が越後に戻れば後北条になびくという按配である。越後の北条(きたじょう)高広は上野支配を任されており、謙信亡き後、上野の領地を保証してくれるものとして後北条の血を酌む景虎を支持しているに過ぎない。後北条氏政は同盟者の武田勝頼に出陣を促し、また出羽・陸奥・越後の堺に位置する蘆名盛氏にも応援を頼んだ。盛氏は津川口から蒲原方面に進軍したが越後・揚北衆がこれを撃退した。揚北衆は日和見を決めこんでいたが、蘆名氏の侵攻により、危機感を強め、安田顕元が筆頭に立ち、新発田長敦らを説得して景勝方につくという情勢になる。

後北条氏が上野の安堵という実利を優先している間に武田勝頼は越後・信濃国境に軍勢の集結を終わり、信濃海津城にて越後国内の勢力分析を行っていた。信濃川には戦船が集い、信玄以来の甲州忍びが山岳を越える。

勝頼はこの時齢三十二だった。実は、前年に謙信と勝頼は同盟の約定を進めている。それは対織田戦略の一環である。敵の敵は味方という単純な戦理が宿命の敵を結びつけたのである。しかし、謙信の死によりその同盟は宙に浮いていた。

海津城には城主・高坂弾正と従弟の越後先陣を申し付けた武田信豊、そして甲州忍びの長となっている真田昌幸が参集している。

勝頼は信玄譲りの怜悧さと母・諏訪御料人の短慮をあわせもつ、複雑な性格を持っている。設楽が原の敗戦を乗り越え、甲斐・信濃・三河・遠江・駿河の領土を維持しつつ、越後の跡目争いという難題に挑むことになった今、損得の計算と・・・武田の総領としての自負が危うい決断をさせようとしていた。

「では・・・越後の国衆は景勝に傾いているのだな」

「概ね、その由にございまする」

勝頼の問いに真田昌幸が答える。上杉、北条、武田の大勢力に囲まれた真田一族は忍びの衆として戦国を生き抜いてきた。信玄の信頼厚く、忍びの頭を任されて以来、越後、上野に真田忍びは根を張って諜報網を編んできた。武田上杉同盟の気運は真田忍軍と越後忍びの頭となった直江忍軍の連携によるものである。

今、越後の情勢は昌幸には手にとるように判っている。

「それでは一戦ということになりましょうか」

信玄の腹心であった信繁の跡を継いだ信豊が若々しく問いかける。父がそうであったように主君・勝頼をたてることにそつがない口ぶりである。

勝頼は信豊の口ぶりに自尊心をくすぐられるのである。

「いや・・・それはなるまい。上杉との同盟は・・・信長との戦にかかわるもの。越中での押さえとして越後衆には働いてもらわねばならぬ。その中核となる越後衆と戦したのでは泥沼だわ・・・」

勝頼は諭すように答える。

高坂弾正は二人のやりとりに信玄の在りし日を思う。齢五十を越えて、弾正は体の不調を感じていた。設楽が原の敗戦により、信玄所縁の将はもはや、弾正のみという状況である。三十になるかならずかの・・・勝頼、昌幸、信豊たちはいかにも危うく見えたが・・・もはや武田の命運は彼らに握られているのだ。この席に設楽が原で戦死した息子・昌澄がいないことが悔やまれた。

「では・・・景勝・景虎兄弟に和睦を勧めてはいかがでしょうか・・・跡目は景勝殿にて」

「それで氏政(北条)は納得するかの・・・」

高坂弾正の申し出に勝頼は反駁する。

「景虎が跡目をとれば・・・越後衆は内乱必至・・・景虎が勝利を収めても、武田のうまみはございませぬ・・・」

真田昌幸は高坂弾正の理に内心、頷く。しかし・・・と同時に思うのだった。北条氏政は父・氏康に見放されたと噂される短慮者である。上杉・北条・武田の同盟の利を求めず、景虎跡目の欲に目が眩めば・・・武田家との遺恨を生むかもしれない・・・。

だが・・・と昌幸は思う。それでたとえ・・・武田が憂き目を見ることになっても真田が生き残ればよきこと・・・。

「かねてより・・・上杉との同盟の義、越後の老臣・直江家と勧めておりますれば・・・越後に兵を出し・・・景勝・景虎の和議はその圧力をもってなしうると存じます。その義にはおそらく、越後の軍資金分配、上野の領地支配などの約定を出しても、景勝に恩を売るは可能と存知まする・・・」

勝頼は大きく頷いた。

軍議の席を退いた昌幸は宛がわれた部屋に控えさせた若武者に耳打ちした。若武者は部屋を出ると城の堀沿いに出る。その動きが豹変した。一瞬の後にその姿は堀を越え、場外に出た。

海津城下の名もなき地蔵堂に老尼が潜んでいる。伴は一人、若い僧侶である。間もなくその堂に若武者が訪れた。真田のくのいち・・・初音である。

老尼は信濃・善光寺に庵を持つ直江景綱の娘お悠である。亡父の命を受け、信濃における草(忍び)として役を負ってきたのである。

「これは・・・初音殿・・・」

「真田の頭よりの伝言でございます・・・すべては手筈のごときにて・・・こちらに書状をお持ちしました・・・」

「ふ・・・これで肩の荷がおりました・・・そうそう・・・このものは・・・与六の弟でございまする」

「ほう・・・兄者は元気か・・・」

「初音様の厳しき修行のこと・・・受けたまわっております」

「樋口のものは皆・・・才に恵まれておりまするな・・・」

「ふふふ・・・さすがは初音殿・・・しかし、与六が母は我叔母ですが・・・与七の母は泉の家出身でございます」

「なんと・・・では・・・」

「このものが・・・書状を越後に持ち帰りまする・・・」

「それは頼もしい・・・」

やがて・・・堂を出た与七は闇に消えた。しばらく、気配のあった堂内から人影が消えた。もはやお悠も初音も立ち去っていた。

一人・・・信濃川に沿って春日山に向かう与七の前に敵の気配があった。

夜目の効く忍びにとっても河原に立つ人影は定かではない。

「上杉の家中の方とお見受けした・・・その懐のものをいただこう・・・」

「その声・・・聞き覚えがあるぞ・・・お手前は風魔であろう・・・」

「ふふふ・・・上田衆の小僧か・・・冥途の土産に教えて進ぜよう。我名は久々津陣内」

河原の周囲にゆらりといくつもの人影がたちあがる。

黒装束に身を包んだ忍者の群れである。それぞれが殺気を秘めて与七の左右に散り、前後を挟み、取り囲む。その包囲の輪がゆっくりと閉じていく。

行者姿の与七は右手に持った錫杖を構えるでもなく・・・じりじりと川に寄っていく。

「忍びが名を名乗るなどはお笑い草だが・・・せっかくだから・・・教えて進ぜよう。このオレに水辺で勝負を挑んだことを悔やむ間があればよいがな・・・わが名は泉・・・小太郎」

その瞬間、小太郎は川に向かって跳んだ。風魔たちは抜刀して小太郎を襲撃する。その姿が驚愕にのけぞった。川から夜目にも白い水煙があがり、そのしぶきの向こうから現れたのは巨大な竜であった。

「泉流、秘術・・・竜神」

龍の巨大な影が円陣をしいた風魔忍者の上をのたうった。一瞬後・・・河原には何体かの人形が転がっていた。その中央に老いた忍びが横たわっている。その首は胴体から離れて転がっていた。久々津陣内のあっけない最後だった。すでに泉小太郎こと与七はその場を去っている。

その頃・・・海津城内では厠に立った高坂弾正が卒中で倒れていた。夜明け頃・・・信玄所縁の最後の老将は息をひきとった。

梅雨の雨が降り出している。

関連するキッドのブログ『第12話のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『加藤ローサのハンサム★スーツ THE TV』(フジテレビ)・・・相武紗季も出るよ。

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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コメント

史実では5月7日に高坂が亡くなったのに
その高坂と兼続が会ってるなんておかしいって
声もあるみたいですが

これは原作通りの設定だから
こればっかりは制作サイドには同情するばかりです

まぁそれ以外のまったり信綱夫婦とか
赤一色の武田軍とかを見ると
げんなりしてしまうんですけどね。
(; ̄∀ ̄)ゞ

真田昌幸のキャスティングは
まだ未確認情報みたいですね。

このドラマの事だから幸村以外
真田家は初音しか登場しないって展開もありそうですが
(; ̄∀ ̄)ゞ


P.S.
トラックバックに関しては
BigLobeでは相手側の事はようわからんですとの回答がありました。
とりあえず機会があれば御手数ですが再度複数送って下さい<(_ _)>

投稿: ikasama4 | 2009年3月30日 (月) 21時30分

✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥

TBの件、お手数かけて
すみません。
基本的にじいやですので
未だに仕組みが理解できていないのでございます。
どうかお気遣いなきようお願いします。

まあ・・・そんな無知な人間が
ドラマにケチをつけるのは
思いあがりも甚だしい所業なのでございますが
ドラマで脱力すると
時代小説に逃避してしまうので
膨大な時間の損失に・・・。

なんとかしてもらいたいのでございます。

原作の選択も大変とは思いますが
藤沢周平の「密謀」があるじゃないかっ
と思ったりなんかするんですよね。

これをベースに脚本家とスタッフが
前後を膨らましていくスタイルで
いいのになんて思ったりもいたします。

まあ・・・伝奇なら伝奇で
かっとんでもらえればそれでいいのですが
明らかに「天地人」というタイトルだけで
やってますよね。

やってらんねーよっと言う気分になりますです。

まあ・・・戦、侍、忍び・・・そして姫。
そういうアイテムについて
脚本家が少しでもかじってもらいたいと
思うのです。

今は小栗旬が40才の石田三成を
演じれるのかどうか。
そこが一番の気がかり。

この後、
対織田信長戦
対豊臣秀吉戦~移封~朝鮮の役
対徳川家康戦
そして関ヶ原以後と続く
歴史のうねり・・・
感じられるのか・・・
もう藁にもすがる思いです。

なんていうか・・・
戦国の人々の魅力をね。
スターの皆さんが演じる・・・
これでつまらないって・・・
ありえないと思うのですか
それがありえる不思議でございまする。* ヽ('A`)ノ *゚


投稿: キッド | 2009年3月31日 (火) 13時10分

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