アメリカに帰ら・・・アメリカに帰っテッテケテー(高橋愛)君は僕の花だからQ.E.D.(中村蒼)お腹痛いのウソだからーっ(末永遥)
「Q.E.D.証明終了」↗*4.8%は平均視聴率*5.1%でフィニッシュである。男女ペアの高校生の謎解きドラマ。裏番組にほぼ同じコンセプトで長期シリーズ展開をしている「おみやさん」↘13.1%があって・・・微妙な数字に終っているわけだが、俳優としてはほぼ新人と言ってもいい高橋愛と中村蒼の配役なので・・・まったく仕方ないと言えるだろう。
それでも・・・渡瀬恒彦・櫻井淳子ペアとは新鮮度が違うので年齢別にはかなり、偏った数字をたたき出している気がする。原作はミステリファンのミステリとも言うべき本格ありファンタジーありのお子様ランチなので・・・ミステリの入門篇としては高品質である。
そして・・・何よりも頭のいい男の子と元気がいいけどちょっとバカな女の子の淡い初恋の底流がそこはかとなく効いてます。ちょっとバカな女の子マニアには当然抑えるべき一本となっていました。・・・どんなマニアだよっ。
で、『Q.E.D.証明終了・最終回』(NHK総合090312PM8~)原作・加藤元浩、脚本・藤本有紀、伊勢田雅也を見た。原作・54話「立証責任」をアレンジ。ボデイ&ソウルは人間の区分のひとつだが、行動派の探偵と頭脳派の探偵というコンビネーションも想起させる。たとえば現在は解散中のドラマ「相棒」の特命係はアクション担当の亀山と推理担当の杉下という役割分担を持っている。「Q.E.D.証明終了」の場合は可奈(高橋)が行動派の探偵である程度の情報を収集し、燈馬(中村)が事件の真相を推理するというスタイルである。
今回は・・・二人が同じ模擬裁判に参加することで・・・二人の役割は同等になってしまう。最終回にコレを選択することの妙味があるわけである。
では・・・可奈はどんな行動をとったのであろうか。それは「燈馬くんは数学の天才なので請われて渡米してしまうことが決定するのだが可奈はそれでもいいのと友達の衿子(ちかげ)たちに唆され模擬裁判に参加してもしも頭が悪い可奈が裁判員として有罪か無罪か燈馬くんと同じ選択をすることができたら神様が・・・アメリカに行かないで・・・と可奈が燈馬くんにお願いしてもいい証拠だ」ということで模擬裁判に裁判員として参加するという行動なのである。
つまり・・・模擬裁判占いである。裁判員としてあの人と私が同じ結論に達したら二人は結ばれるの・・・はうぅんである。けして、実際の裁判員として参加するときは真似しないでください。いや・・・そうじゃないと真剣に裁判なんかやってられるかよっ・・・という人はいいですけど。
なぜ、可奈がそんなアクションをするのかと言えば・・・燈馬くんが好きだから・・・に決まっているわけだが、燈馬はポーカーフェイスである。しかし、超人的な頭脳を備えた燈馬は推薦されて裁判員を引き受けた自分と違い、何故、可奈が立候補してきたかは推論するわけで・・・当然、すべてお見通しだったと考えてもかまわない。
模擬裁判の判例は裁判官しだいで有罪とも無罪ともとれる内容になっている。そして、先に選択するのは可奈であり・・・つまり「好き」と言っているわけである・・・燈馬にはイエスともノーとも言える選択権があったのだ。
そして・・・燈馬は「僕も好き」を選択するのである。ああ、甘酸っぱい。
さて、裁判は「推定無罪」の原則から始まり、検察の「有罪の立証責任」が問われ、完璧な立証が不可能である以上、公明正大を理想とする裁判官が有罪が立証されていると感じたら「有罪」・・・そう感じなかったら「無罪」と決するという概容を持っている。
もちろん、隙間だらけの制度だが、実力者の一存で事の理非を決してしまうよりマシであるという考え方を反映しているわけである。一般の人々には戯言に聞こえるかもしれないが事実である。
だから、「死刑反対」を唱える人々の論拠の一つがこの「曖昧さ」となるのである。しかし、制度というものに完璧を求めることは無意味である。たとえ、曖昧であろうとも、言論によって理非を問う「裁判」は際限なき殺し合いよりマシだというのが正論だからだ。
「理想」を求める人々は時々、この「折り合い」というものに盲目になるのである。
模擬裁判の判例は「被告が被害者の女性から金品を強奪したか否か」を問うものであった。検察(飯田基佑)は「被告が金に困っていたこと、被害者が金を引き出した銀行周辺で目撃されていたこと、襲撃現場で被告の声を聞いた証人がいたこと、現場付近で被告が強奪された現金を所持し拘束されたこと」を理由に「有罪」を主張する。
一方、弁護士(原千晶)は「被告が音楽活動を再開し希望に燃えていたこと、銀行で被告が目撃された場所からは被害者が引き出したかどうか確認できないこと、襲撃地点の証人が被害者の悲鳴を聞いていないこと、被告が所持した現金は拾得物であったこと」を理由に「無罪」を主張する。
可奈は無罪を選択する。理由は「夢を持っている人が犯罪なんてしないと思うから」である。・・・このちょっとバカなところがたまりません。
そして燈馬は「(立証責任が果たされていないので推定)無罪」なのであった。
ああ・・・神様が味方だ・・・と可奈は思った。しかし・・・盗み聞きの達人・・・気配を忍ばせ聴覚に優れているからである・・・である可奈は別室で話す裁判長(田村亮・・・ヴォイスで医療ミス死していた作家からココ)と燈馬の謀議を聞いてしまう。
裁判長「私は有罪だと思うのに君は何故無罪なんだね」
燈馬「僕も彼は犯人だと思います。被告と被害者はおそらく顔見知りで、しかも闇の男と女の関係でした。たぶん、ホストと客でしょう。被害者は被告との関係を知られたくなかったので通報による犯人逮捕により事件が明るみに出たことで困惑したことでしょう。被害者が犯行現場で声をあげなかったのはそのためです。犯人は当然、被害者がその日、大金を引き出すことを認知していたと思われます。しかし、検察がそれを立証していない以上・・・無罪です」
裁判長「・・・」
可奈「・・・」
燈馬くんは私とはレベルが違う。そんな燈馬くんを私の一存で引きとめるなんて・・・許されないのでは・・・と可奈のちょっとバカな頭は懊悩するのです・・・ああ、かわいい。
そして・・・屋上の別離。可奈「アメリカに帰ら(ないで)・・・アメリカに帰・・・アメリカに帰っても・・・がんばって・・・・」
燈馬「・・・」
そして、燈馬渡米の日は可奈の18才の誕生日。可奈は燈馬くんのお見送りに行かなかった。「それは恋だね」と推理する可奈の父(石黒賢)・・・可奈は逃げるようにいつもの屋上へ。
そこには可奈の追試のために燈馬くんが書いて教えてくれた英文が少しかすれて残っています。
たどたどしい・・・発音でそれを読み上げる可奈。ちょっとバカな子の見せ場です。こういうポイントを分っているところが流石。
「ブ・・・ブリ・・・ブリジット・・・」
せ、せつない。
「それはbright(晴れ晴れ愉快な)です」
燈馬と可奈の再会。そして焼きソバパンで桜を見る二人。
「僕は可奈さんという花を見るために日本に来たのです」
まあ、こんなこと言われたらバカな子としては「え~えっちぃぃぃぃ・・・」と赤面するしかないのですが・・・そこで事件発生・・・窓ガラスが割れボールが転がり人影はない・・・燈馬くんの手をとって駆け出す可奈・・・二人のコンビはまだ始まったばかりだエンディングでした。
もうテッテケテーなタイトルを考えることができないのか・・・と思うと残念です。
関連するキッドのブログ『第9話のレビュー』
で、『ありふれた奇跡・第10回』も見たのだが、妊娠能力のない加奈と翔太のカップルに「お腹が痛いので赤ちゃんを五分だけ抱いていてください」と言って駆け去るヤンママが末永遥だったこと以外には特筆することはありません。翔太・・・ホテルにまた行けなかったよ。翔太の祖父(井川比佐志)、「野卑」と言う役柄を好演。シルヴァーナ、うしろうしろーっ。視聴率10.0%。まさに可もなく不可もなくーっ。
土曜日に見る予定のテレビ『堀北真希のチャンス!』(フジテレビ)『銭ゲバ』『妄想姉妹・文學という名のもとに』(日本テレビ)『RESCUE・特別高度救助隊』(TBSテレビ)『大村彩子の終着駅・殺人同盟』(テレビ朝日)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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