« 2009年3月 | トップページ | 2009年5月 »

2009年4月30日 (木)

喫茶店で話すような話かよっ(川島海荷)タダ券あったんで(稲森いずみ)アイシテル(折山みゆ)

ゴールデンウィーク途中ですが・・・水曜日のダンスは。

「臨場」(テレビ朝日)・・・・・・・・・・・・・・・14.1%↗14.5%↘12.8%

「アイシテル~海容~」(日本テレビ)・・・13.2%↗13.7%↗14.2%

「夫婦道」(TBSテレビ)・・・・・・・・・・・・・・*9.2%↘*8.9%↘8.6%

と分りやすい推移である。どうせなら、「夫婦道」と「ハンチョウ」入れ替えて「臨場」「ハンチョウ」対決になれば面白かったのにな。

「臨場」は「血液型O型の母と血液型B型の父から血液型A型の子供は生れない」という常識は「間違い」という話である。何事にも例外はある。まあ・・・こういう間違った知識でどれだけの無実の母が嫉妬に狂った夫に撲られたかと思うと心が痛みます。まあ・・・身に覚えがある人はしょうがないけど。

まあ・・・昔から父親は「これがあなたの子供」と言われたら素直に信じるのが一番という話です。

「臨場」についてもう少し知りたいあなたはコチラへ→まこお嬢様の臨場

で、『アイシテル~海容~・第3回』(日本テレビ090429PM10~)原作・伊東実、脚本・吉本昌弘、演出・吉野洋を見た。「世の中に酒場は星の数ほどあるってのになぜよりにもよってこの店に来たんだ」と別れた女と再会した男は映画「カサブランカ」で嘆くのであるが映画だからである。同様に弟キヨタンを殺された姉・美帆子(川島)が犯人の母親・さつき(稲森いずみ)と同じ喫茶店に入るのはドラマだからである。

なにしろすでに小学生が小学生を殺すというドラマなんですから。

ついでに、美帆子に優しくしてくれる良い友達は麻衣子(志村玲那・・・キグルミのレナ)と宏美(折山みゆ・・・『週刊ヤングジャンプ』2008セイコレ★ジャパンGirlsグランプリ)である。宏美、ナイスボディーです。

さて・・・劣等感というものが心理的コンプレックスの一種であるように罪悪感も心理的コンプレックスの一種だと考えることができる。

たとえば「犯した罪の意識に苛まれる」という言葉がある。これは一般的に考えれば、「罪」の認識、「罪に対しての罰」の認識、「自分が罰せられることの可能性」の認識、それに伴う「不快感」や「不安感」という心理的コンプレックスのさらなるコンプレックス(複合体)と考えることができる。複雑な心理なので、ある意味、高度な知性の証とも言える心理である。つまり・・・バカは罪悪感を持たないのである。

しかし、その複雑さは個人差の大きなものと考えることもできる。

たとえば、14才の女優をナイスボディーなどと評価してしまうことにも罪の意識を感じる場合があり、バカは罪悪感を持たないなどと規定してしまうことにも罪の意識を感じる場合があるわけである。

それはセクハラとか障害者差別とか社会という制度が新たなる規範で個人を包み込むからである。

罪悪感はそういう流動的で曖昧なものである。

劣等感を克服するという言葉があるように、発生した罪悪感を克服することもできる。

たとえば「殺してはいけない」という「制度」に対する「罪悪感」について考えてみよう。そうなると「焼肉」が食べられなくなってしまう。克服できないとベジタリアン・・・あるいは植物も生命と考えれば餓死である。

しかし、人は「食欲」とか「殺害現場を目視していない・・・つまり実行犯ではない」という自己弁護でこれを克服するのである。

「実行犯」ということでは「ゴキブリの駆除」が想定される。「虫も殺さないような顔」といえばイノセントの代名詞なのであるが・・・これからの季節、ゴキブリとの対峙はさけて通れないのである。

「生き物を殺してはいけない」という気持ちと「こいつと同衾するくらいなら死んだ方がマシだ」という葛藤の末、殺虫剤の使用を決意した人は「罪悪感」とも対峙しなければならない。

その時に多くの人が言い聞かせるのは「こいつは人間じゃない・・・ゴキブリなんだ」ということである。だからゴキブリのような人間は案外殺害対象になりやすいのだ。

わが子が「人を殺した」という事実を受け入れる親の心理は当然、複雑である。

そこに「罪」がある以上、罪悪感は当然あると考えるべきだろう。

もちろん・・・世界には「共通の罪悪感」などというものはない。

それを面白おかしく見せていくのがドラマの一つの役割である。

たとえば犯罪者に対する第三者の嫌がらせ・・・自宅に落書きや悪戯電話など・・・はその典型である。お前には罪悪感がないのかっと思わせる人間は意外に多い。なにしろ、バカには罪悪感はないのである。

一つの罪は罪の連鎖を露呈させていく。

加害者の両親は「罪」そのものから逃避しようとする。「罪」の否定である。しかし、本人の口から「罪を犯しました」と言われるとかなり逃げ場がなくなるのである。それでも「それは強要された自白」だとか司法側に罪を転嫁することもある。さらには「両親」なのでお互いに「お前が母親としてダメだったから」「あなたが父親としてダメだったから」と罪をなすりつけ、責任逃れをすることもある。ドロドロだ。

しかし・・・このドラマはある意味、非常に「優しい世界の偏り」を見せていく。なにしろ「海のように容れる」許容力の神が支配しているのである。

仕事熱心で家族サービスが不足だった夫(山本太郎)も教育ママで愚痴っぽい妻も心を入れ替えて・・・息子の犯した罪に向き合おうとするのである。

それに応じて・・・この世界の人々は加害者の両親に優しい。私学の担当者は「処分を保留にする」意向を示す。即刻、退学という結論は出さない。また、担任の教師は「彼はカブトムシが好きだった」と母親に伝える。もちろん・・・教育者として「責任」の一端を担っている以上・・・当然の対応と考えることもできるが、ここにも「罪悪感」は発動しているのである。

母親が加害者の友人を訪ねる場面では友人やその家族の対応は柔軟である。

「ゴキブリの母親」を見る目で見ることはしないのである。そこに違和感を感じる方もいるかもしれないが、世間というものは一筋縄ではいかないのである。

世間というものは「空間」であるが・・・なにもないようにみえて空気がある・・・ということだ。

たとえば加害者の友人の母である花屋のエリ(猫背椿)は加害者の母を見て、一瞬うろたえて・・・それから思い切って好意を示す。ここはなかなかの見せ場だった。

あの一瞬が海容の世界と普通の世界の関門だったのである。

だが・・・いかに寛容を示す世界にも限界がある。母親としてもう一度加害者に向き合おうとするさつきの心はどこかまだ現実から遊離しているようである。

被害者の母親・聖子(板谷由夏)もまた現実から遊離している。保護者としてうかつな勘違いでその場にいなかった罪の意識で自虐を繰り返しながら、もう一人の子供である加害者の姉・美帆子に対する配慮を欠く。つまり・・・どこまでいってもうかつな人間として描かれる聖子なのであるが・・・それはかなり高度な客観性に基づくものである。

大人が子供に対する責任と子をなくした母親に対する子供の責任。この葛藤は着地点がかなりスリリングである。どこにも着地点はないという考え方があるからだ。

加害者にあくまで優しい海容の世界は・・・被害者に同様に優しくできるか・・・。

ここが・・・罪と罰の世界の複雑さなのである。

一人の死んだ子供と二人の生きている子供。その両親の葛藤はまだ始まったばかり。

ここまで被害者の父親(佐野史郎)はもっとも海容な態度を示しているのであるが・・・最後までそうなのか・・・それとも・・・「キヨタンはもういないのに犯人はまだいる・・・許せない」と狂気の世界に足を踏み入れるのか。そこも楽しみです。

だから・・・そんなことを楽しんでしまうという罪悪感がな・・・。

関連するキッドのブログ『第2話のレビュー

金曜日に見る予定のテレビ『桜井幸子のコンカツ・リカツ』(NHK総合)『新垣結衣のスマイル』(TBSテレビ)『エンケンの湯けむりスナイパー』(テレビ東京)『香椎由宇の名探偵の掟』(テレビ朝日)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (2) | トラックバック (9)

2009年4月29日 (水)

とぉーっ!(堀北真希)私はアナタのすべてを知っている(吉高由里子)胸のあたりが敵対関係かっ(白石美帆)

さて・・・楽しみということでは意外なことに火曜日が一番楽しみなドラマ二本立てになっているではないか。

①バスタオルまきまき ②おじさんと幼女

この二本立てである。・・・変態かっ。

火曜日のドラマ対決は①「白い春」↗10.4% ②「アタシんちの男子」↘*9.6%

順位逆転である。ゴールデンウィーク直撃弾だしな。

で、『アタシんちの男子・第3回』(フジテレビ090428PM9~)脚本・武藤将吾、演出・佐藤源太を見た。やはり「キテレツ大百科」へ傾斜してきたな。脚本家の意地としては新造の発明品を千里(堀北)がマイナーチェンジあるいは再構築するところである。新造(実用品としてのヴォイスチェンジャー)→千里(人の心を一度だけのぞけるマシン)である。つまりシリアスからファンタジーに変換するのだ。

今回の後半は特撮出身俳優を多数そろえたこのドラマの神髄である。まきまきライダー誕生なのだ。まきまきキックで「やーっ」で「とーっ」である。「おっと、あぶない」・・・なのだった。なんで・・・何回もジャンプを・・・ムダに回転を・・・なのである。

今週のイケメンド査定結果。

①故・大蔵新造(草刈正雄)・・・回想シーンに登場。変な発明品で千里の屈折したファザー・コンプレックスをくすぐる。今回はヴォイスチェンジャーで声もイケてることをアピール↗。そして孫の誕生日を忘れていない永遠のナイスミドルである。

②時田修司(山本耕史)・・・理想の秘書。理想の弁護士・小金井響子(高島礼子)の若い男子好きを見抜く。しかし女より男好き疑惑発生→。

③大蔵風(要潤)・・・無職の長男、例によって思わせぶりに顔出しのみ→。

④大蔵翔(向井理)・・・ホストの三男、子供(丸山歩夢)の誕生日を忘れていたことが判明前妻(浅見れいな)ともやもやした関係↘。ただし、女泥棒・真央(小野真弓)に抱きついて足止めに成功やや↗。

⑤大蔵知(瀬戸康史)・・・ひきこもりの高校生の五男、勇気を出して屋内から屋外へ↗。手品の小技も披露↗。笑顔がまあまあさわやかで↗。

⑥大蔵明(岡本知樹)・・・生意気な中学生の六男、情報を収集し、そつなく泥棒の正体を察知↗。演技が棒なのかあえて棒なのか不明→。

⑦大蔵猛(岡田義徳)・・・ホスト見習いの次男、よっちゃんやうっちーであってそもそもイケメンではないのだが今回は特攻服の赤い男。女泥棒にも一目惚れをする見境のなさを発揮↘。餌付け済み。手形済み。罠を仕掛ける能力を見せるが捕獲したのはメイドの井上さん(江口のりこ)→。

⑧大蔵優(山本裕典)・・・カリスマモデルの四男、女性恐怖症でおネー系男子、どちらかといえばキモカワレベル。トラウマは小学生の時に初恋の中学生のお姉さんにからかわれたこと↘。義母・千里の画策でうやむやながら恐怖症を克服。過剰残心ジャンプ千里をお姫様抱っこキャッチ↗。手形済み。

⑨国士豊(つるの剛士)・・・ネットカフェの千里親衛隊長・・・空気→。ただし親衛隊員は増員している。

⑩真島平次(永山絢斗)・・・ネットカフェの千里親衛隊員・・・空気読めず千里を部屋に誘い続ける「オレんとここないか?」って言わないと↘。

さあ・・・うじゃうじゃと出演者増殖中でカオスであるが・・・もう筋立てなんかは無視して御伽噺感覚でこれはこれでいいんじゃないの・・・と思うのだった。

関連するキッドのブログ『先週の火曜日のレビュー

で、『白い春・第3回』(フジテレビ090428PM10~)脚本・尾崎将也、演出・小松隆志を見た。「お嬢様と不良」は古典的テーマであるが・・・その発展型の一つが「幸せの黄色いハンカチ」である。ストーリーとしては「刑期を務めた男(かっての不良)が愛した女(お嬢様)の元へ戻る・・・果たして女は男を待っているのか?・・・そこに愛はあるのかい?」なのである。

「白い春」はそのさらに変形のタイプで・・・「待っていたのは女の娘(不良とお嬢様の愛の結晶)だった」なのである。

すでに愛の結晶がある以上、ハッピーエンド・その後である。人生は終わりなき物語だからである。

男と女は愛し合った。男は女のために罪を犯した。女は最後まで男を愛した。

男が帰ってきたとき・・・そこには女の娘がいた。

そして愛の物語はまた始まるのである。

春男(阿部寛)はさち(大橋のぞみ)が死んだ真理子(紺野まひる)の娘だと知る。

しかし・・・まだ自分の娘であることは知らない。

知っているのは育ての親のパン屋(遠藤憲一)だけである。

真理子の妹・佳奈子(白石)も知らないムードである。

ところで・・・佳奈子は高村姓なので村上の妻ではない。真理子も高村姓なので村上の妻ではないのである。

しかし、さちは村上姓である。つまり、養女になるのである。

パン屋の村上・・・いい人だが・・・結婚できない男か。

そして・・・さちと血縁がない以上・・・片思いだった女・真理子の娘・さちにそそぐ愛情はある意味・・・危険な匂いを感じさせるのである。

しかし・・・現実的には実の父・春男が娘の小学校付近を歩き回ると不審者そのものである。歩いているだけで通報されるムードである。

そんな春男を本能的なのか・・・思春期の父親への反発からなのか・・・慕うさち・・・これもまた危険な話なのである。

いかにも裏がありそうな春男の友人・安岡(デビット伊東)の女・圭子(中島ひろ子)や姉の真理子と過去になんらかの確執を抱える佳奈子は・・・春男を毛嫌いするのだが、真理子・さちそして学校の嫌いな女・栞(吉高)は春男に理由もなくぞっこんである。

中年で貧しい体の不自由な男である春男が・・・それほどに魅力的であることを演じるのはかなり困難なのだが・・・阿部寛はまずまず演じているな・・・と思うのだった。

なにしろ、これは「お嬢様と不良少年」の物語なのだ。

それは「ただじゃおかねえぞ・・・」と言うだけで小学生男子をちびらせる迫力なのである。

まともだけど無力な父親。はみだしものだけどそこにある危機を排除する男。

胸ぐらつかんだ先生が逆転無罪となった昨日なのである。

罰が悪を呼ぶのか。ゆとりが悪を呼ぶのか。

人々はそれぞれの実力に応じて判断を変えていくのだな。

とにかく・・・来週はさちの父親が誰かが判明するらしい。薄皮をはぐように進行していくこのドラマ。もう・・・すべての登場人物が愛おしいレベルです。

木曜日に見る予定のテレビ『ゴーストフレンズ』(NHK総合)『釈由美子のLOVE GAME』(日本テレビ)『夜光の階段』(テレビ朝日)『戸田恵梨香のBOSS』(フジテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (2) | トラックバック (8)

2009年4月28日 (火)

蒼井優だと思った貴方はそろそろ眼鏡を(徳井優)豚カツ!(上戸彩)豚インフルエンザ(釈由美子)

ふふふ・・・このまま猛暑に突入かと思ったら遅めの花冷えである。皆様、体調管理にお気をつけください。

そして、世の中はゴールデンウイークに突入なのであるが・・・出揃った春ドラマはここからが苦しいところ。

「ハンチョウ」↘*9.3%も「婚カツ」↘11.2%も恐ろしい数字をはじきだしてきました。

本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「スマイル」↘10.2%(まさに歌姫コースか)、「必殺田中」↗12.7%(殺し屋向きだったのだな)、「コンカツ・リカツ」↗*5.4%(情報内容は婚カツよりあるものな)、「名探偵の掟」↘10.9%(キムニイから入るのやめた方がいいぞ)、「ゴッドハンド輝」↗10.1%(超面白いからな)、「ザ・クイズショウ」↘11.9%(美波がおばあちゃんいじめすぎたな)、「紅蓮次郎」13.7%(床嶋で中澤で渡辺典子である)、「少林少女」15.9%(これでエヴァ以外のストーリーがあったらいい映画なのに)、「遥かなる絆」↘*7.6%(チベット弾圧ドラマでも作ればいいのに)、「魔女裁判」*9.0%(加藤あいが人妻だからか)、「イケ麺」↘*2.3%(中越典子の盛りよりも真マジンガーの方が面白いからな・・・)、「天地人」↘20.1%(なんかダイジェスト版みたいな大河)、「ぼくの妹」↘*9.0%(ともさかを殺さなければなぁ・・・妹が不倫で苦しんでるのにサイクリングかよっ)・・・以上。

で、『ハンチョウ・神南署安積班・第3話』(TBSテレビ090427PM8~)原作・今野敏、脚本・小澤俊介、演出・竹之下寛次を見た。元・暴力団構成員の男(徳井)は心臓病の妻(山下容莉枝)の手術費用を捻出するため暴力団組長を狙うヒットマンになる。妻のお見舞いに訪れた男をハンチョウ(佐々木蔵之介)は男の娘(村崎真彩・・・弁護士のくずの娘役)の手作りおにぎりでおもてなし優しく逮捕するのだった。殺人未遂で逃亡中の容疑者にはぐれ刑事より優しい態度である。警察寮内の先輩警官による後輩いじめも異常っていえば異常だし・・・明らかに世情とはズレてます。ちなみに「白い春」とは無関係です。

で、『婚カツ!・第2回』(フジテレビ090427PM9~)脚本・森ハヤシ、演出・鈴木雅之を見た。元・WAGE(小島よしおが在籍した2006年活動休止のコント・グループ)のメンバーに脚本をチェンジしたのだった。おそらく・・・初回台本があがった時点でいろいろと考えるところがあったのだろう。

しかし・・・所詮、コント台本の書き手なので・・・限界があります。

今回は・・・結婚のご祝儀を離島から持ってくる祖母(花原照子)が長いフリオチとしてツナギ(ステッカー)を兼ねている。一つのコーナーが終ると旅の途中のおばあちゃんが挿入されるということである。

今回は「結婚する予定があるとウソをついている」邦之(中居)のウソが次々にばれていくというコントである。

最大の弱点はバレたら職を失うという危機感をまったく感じさせないところで・・・バレたらバレたでどうてことないのに何をドタバタしているの・・・という気分をお茶の間にかもし出すところである。お笑いって難しいよね。

ともかく・・・ボケ老人の桜田(橋爪功)と口の軽い茂(佐藤隆太)という二つのバレるルートがあり、まあまあテンポよくバレていきます。

絶対、バレたくない父(小日向文世)にもバレますが、バレていくコントのもう一つのゴールである区長(風吹ジュン)にはバレず、逆に「区役所で婚カツ」という新しい展開を生み出すというきれいな流れにはなっているのですが、①最初から危機感がない ②少子化対策のための結婚奨励は普通・・・ということで面白いというところまでは達しない。残念なことです。

全体として元気のいい女たちと・・・グズでノロマな男たちという構図になっているのですが、結構、じっくり見ないと気がつかないのでもう少し工夫が必要。区長はもっとギラギラしていていいし、邦之に片思いの春乃(上戸)は邦之が結婚すると思いウジウジ→ウソだと知ってニコニコではなくて・・・結婚すると思い商店街を壊滅させウソだと知ってギャハハぐらいでないと。同様に茂の虚飾が剥がれた際には優子(釈)に半殺しにされるくらいでいいと思います。

まあ・・・もう・・・なるようにしかならないよね。

結婚を恋愛の延長と考えるか生活の一部と考えるか・・・なんて・・・相当にメリハリつけないとテーマとして成立しにくいんですもの。

結婚は人生の墓場だと申しますが・・・そんなに平和で静かな永遠の憩いの場なんてこの世にはないに決まってるのでございます。結婚は人生の修羅場が正しい認識ですから。

関連するキッドのブログ『第1話のレビュー

水曜日に見る予定のテレビ『臨場』(テレビ朝日)『アイシテル・海容』(日本テレビ)『谷村美月の探偵Xからの挑戦状』(NHK総合)『漂流ネットカフェ』(TBSテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (2) | トラックバック (6)

2009年4月27日 (月)

婿殿の天地人(妻夫木聡)天目山血に染めて(長澤まさみ)戦国終焉の序章(比嘉愛未)策士お披露目(小栗旬)

それなりに面白い「ぼくの妹」なのだが、案の定、↘*9.0%である。この組合せでミステリにもっていく必要がどうしてもわからない。ほのぼのでいいじゃないか。ほのぼので。

どちらかといえばドンくさい兄。しかし・・・いつの間にかモテモテ。しかし、本人は全く気がついていない。そんな兄を妹がやきもき・・・。そしてやきもさせてるのはお前だと思う兄。それで充分、面白くなる気がします。

ま・・・いまさら、言っても詮無いことですけど。

で、『天地人・第17回』(NHK総合090426PM8~)原作・火坂雅志、脚本・小松江里子、演出・一木正恵を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。本編はあまりにも薄っぺらなので新発田謀反と武田征伐の秘密も参照するとためになります。本編は「最終防衛線」なんて言ってますが「さいしゅーぼーえーせん」レベルのお話しですからねえ・・・。ただし、今回は上杉景勝・武田勝頼・最後の文通はお気に召した模様。しかし、武田・上杉間の周辺武将が全部、織田方に寝返っているので、上杉軍が武田本陣に到達することさえ・・・困難な情勢でございますからね。まあ・・・社交辞令と言うしかないのでございます。ましてや・・・家康が上杉を評価することなんて・・・あろうはずがないとは思います。きっと、頭の中は戦後処理のことで一杯でしたから。まあ・・・当然の如く卓袱台の山が・・・。小栗旬のクローズに対抗して妻夫木聡カラス組なのでしょうかーっ。笑止。

Tenchijin1582 で、天正十年(1582年)である。時代はすでに安土桃山時代に入っている。ということはある意味で戦国時代は終ったのである。しかし・・・時代というものはそれほど簡単には変わらない。行きつ戻りつしながら進んでいく。天正十年はそれを象徴する年と言えるだろう。織田という新しい日本の王家が、反乱軍である武田家を征伐する。だから、織田・徳川・北条・伊達の同盟軍が信濃・駿河・甲斐・上野という賊軍である武田の縄張りに侵入すると・・・ほとんどの武将が降伏・帰順することになる。降伏することに大義名分が成立するのである。圧倒的な力を確保した織田家に逆らうことは不名誉なことになるのである。なぜなら力こそ正義なのだから・・・。力を目指しているうちにいつの間にか弱者になっていた武田のもののうち・・・その変化を受け入れられないものは滅ぶしか道はない。もちろん・・・変化を受け入れられないものは織田の中にもある。それは時には時代に逆行することで輝くように見えるが・・・結局は滅びの道をたどるしかないのである。

すでに、織田家は信長長男・信忠の時代に入っている。形式上、信長は隠居し、「神」として君臨しているのである。いわゆる院政スタイルであるが、常に模倣者であることに徹した徳川家康はこれをそっくりまねて後に将軍職の継承を行う。

もちろん・・・すべてをコントロールしているのは信長である。

信長が忍びとしての道を極めたのは熱田の宮である。神道流の忍者であるから、当然、尊王の志を持つのだが・・・魔王を名乗って以来、その道は逸脱を始めている。道具として足利将軍家を使い捨てたように・・・さらに長ずれば内裏の行く末を案じさせたであろう。もちろん・・・古き藤原の忍びたちは・・・この新しき藤原の忍びの末裔に恐怖を感じていたはずである。

信長はあらゆるものを解体し、再生させる達人であった。

地球上で鉄甲船を初めて作り、大砲戦を行い、全世界で最初の銃撃歩兵戦術を完成させた。

信長の軍の銃所有量はすでに世界一に達していた。

この軍事独裁者に・・・工作員として接したクリスチャンもまた戦慄したであろう。

信長はまた情報戦略に長けていた。熱田の忍びとして修行を終えて以来、忍軍の育成を心がけ、数々の忍びを陣営にそろえている。

柴田、前田、佐々、佐久間、丹羽はその筆頭である。

また野武士の徴用も盛んに行う。小六(蜂須賀党)、生駒(甲賀衆)、前野(河並衆)、森(美濃衆)など野武士、地侍の忍びを次々に配下に入れる。その中から日吉丸(羽柴秀吉)が頭角を現すのである。

斉藤道三の娘、帰蝶との婚姻により、尾張統一以前から信長は美濃の土岐忍び衆と関係を結び始めていた。その代表が明智光秀である。

やがて、桶狭間の戦いで信長は戦国に名を示すのであるが、圧倒的な戦力差を覆すことが可能だったのは忍者だったからである。

やがて、伊勢の忍者、伊賀・甲賀の忍者、京の忍者、さらには大和の忍者、紀伊の忍者と・・・その忍びの組織は拡大する一方であった。

武田攻めの顔ぶれを見れば、その成果は一目瞭然である。

総大将は生駒忍び衆を母に持つ実子・信忠、先鋒は伊勢忍びの滝川一益、中軍は美濃忍びの惣領・森長可、そして後詰は明智流の伝承者・惟任光秀である。

すでに信長は戦場に立たずとも戦を治めることができる権威を身に纏っていた。

信越国境の妙高山に・・・与六は忍んでいた。

すでに陽忍としての名は直江兼続となっている。

山中の名も無き祠は忍び道の目印であった。その前に一人の尼が立っている。亡き上杉謙信の愛したくのいち、お悠である。父は直江景綱で現在は善信尼と名乗っている。直江兼続の与力武将・志田義秀の実母だが・・・夫・義時の死後は謙信直轄のくのいちとして働き、善光寺に庵を持つ信濃における軒猿衆の頭として生きてきた。

直江兼続の正室となったお船の姉であり、兼続の従姉の一人でもある。兼続の父は樋口衆という信濃忍びの一派の頭であり、謙信の忍び衆である直江一族と、景勝の忍び衆である樋口一族は兼続によって文字通り一本化されたのである。

年の離れた従姉弟の二人は距離を置いて闇の中に潜んでいる。

与六は懐かしい匂いを嗅いだ。会合の相手があえて・・・風上に立ち・・・その香りを送ったのだった。

真田の血を受け、達人・飛び加藤に育てられた孤高のくのいち・初音は与六のうかみ(斥候術)の師匠でもあった。

闇の中に忍び声が響く。その声は与六の耳元で囁くように聞こえるが、無論、与六の周囲に人の気配はない。

「・・・ふふふ・・・与六・・・久しいの・・・」

「初音様」と与六はひれ伏す。

「お悠殿・・・北信濃はどうじゃ・・・」

名指しされたお悠はやはり忍び声で答える。

「もはや・・・信濃は織田の忍びで満ち溢れておりまする・・・」

「軒猿衆は手も足もでぬか・・・」

「・・・すでに・・・配下は一人もおりませぬ・・・与六につなぎを入れたものが最後の一人となりました」

「そうであったか・・・」

「深志城の馬場昌房・・・松尾城の小笠原信嶺・・・までが織田と密約を交わした模様です・・・」

「ふふふ・・・武田の透破も息の根が止ったようだ・・・もはや・・・木曽の真理姫にさえ、つなぎが取れぬと父御(真田昌幸)がこぼしておったわ・・・」

「しかし・・・」と与六が思わずくのいちの会話に口を挟んだ。「初音様ならば・・・」

「ふふふ・・・妾とて無敵というわけにはまいらぬ・・・しかし・・・真理姫からの口上は伝えよう・・・木曽様は御弟蔵人殿を織田に質として差し出した由じゃ」

与六とお悠の呼吸が一瞬、乱れた。木曽義昌の裏切りはそれほどの衝撃を二人に与えた。

「時の勢いとはげに・・・恐ろしきものよ・・・」と初音は言葉を続ける。「おそらく・・・甲斐・信濃で・・・勝頼公に味方するものは・・・景勝正室・菊姫の弟に当たる仁科盛信ただ一人であろう・・・」

与六の脳裏に武田崩壊の構図が描かれる。すでに織田軍は信濃国境に集結を終えている。主力は三河、遠江から信濃、駿河に攻め入る織田・徳川連合軍と思っていたものが・・・岐阜と諏訪の間をふさぐ木曽の地が突然、無防備になったのである。

「もう一つ・・・穴山梅雪は徳川に転んだ・・・」与六はもはや驚かなかった。旧主・信玄公と新当主・勝頼の支配上の確執は予想されたことだった。今、越後でもまったく同じ問題が発生している。「仕えたのは謙信公であって上杉家ではない・・・という古き兵の理」である。

「もはや・・・そういう時ではない・・・」と与六は考える。しかし、それは「中央の権威に逆らう呈を為す上杉家もまた同じ」という矛盾をはらんでいる。

与六は思いを断ち切るように声を出した。「では・・・武田は滅びましょうな・・・」

「それは避けがたいであろう・・・」

「真田衆はいかがするのです・・・」

「ふふふ・・・父御と祖父殿が作り上げた真田の忍びはそう簡単には滅びまいて・・・なにしろ・・・こうして上杉とつなぎがあるほどじゃ・・・」

与六は微笑んだ。「なるほど・・・織田とも北条ともつなぎがござるか」

「上野と信濃の国境で面白き舞を踊ってみせると父御ははりきっておったわ・・・」

初音の声に始めて笑みが混じった。

「与六よ・・・お前も舞うがよい・・・舞の果てに・・・ひょっとして新しき夜明けがあるやもしれぬでな・・・」

新参の上杉家申し告ぎ役・直江兼続として絶望の淵にたった与六に初音は謎をかけるような言葉を残した。

その瞬間、祠の前のお悠が姿を消した。

与六は越後に向けて走りながら、お悠を守るように包囲の輪を破る。すでに、二人の忍びを斬っていた。その感触から相手が飛騨の忍びであることが分る。

越中の前線で何度か遭遇した忍びである。しかし・・・それで結界は破ったようだった。

「さすがは・・・初音様」と与六はため息をついた。「夜明けか・・・」

一瞬で包囲陣を固めていた数十人の忍者を殺戮し尽くした初音はすでに山奥へと消えていた。

夜の森は湯気を立てる血の匂いで満ちている。

結界を後方で指揮していた飛騨の赤影は嗤った。

「ふふふ・・・白影よ・・・世には恐ろしい術者がおるものだな・・・」

「御意にて候」

「余計な手出しであったわ・・・」

赤影は一言つぶやくと・・・姿を消した。すでに織田・徳川の忍びたちによる信濃の調略は終っていた。時々雪の舞う天正十年の正月である。

そして甲斐武田家は四百年の歴史を残し早春の雪が溶ける前に滅んだ。

関連するキッドのブログ『第16話のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『アタシんちの男子』『白い春』(フジテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (2) | トラックバック (4)

2009年4月26日 (日)

園児のママだけど裁判員(加藤あい)ためらわない男(生田斗真)魔女じゃなくピンク・シャンパンのある店の女(末永遥)

「ドンペリあるからぁぁぁぁ」に逆戻りの遥だった。まあ・・・そういう役で生きていくのか・・・。

さて・・・春ドラマ・・・最後の一本は「魔女裁判」である。

土曜日は「ゴッドハンド輝」がすごく面白いと思うのだが・・・「ザ・クイズショウ」もそれなりに面白く、「遥かなる絆」だって中国ドラマだと思えばまあまあである。だが、絶対に見逃したくないのは「真マジンガー衝撃Z編」だし・・・「魔女裁判」がその裏だったり、「イケ麺そば屋探偵」が「ER」の裏だったりして・・・いろいろ面倒だなあ・・・と思う。

それはさておき「少林少女」って予告編のような映画だったな・・・。

で、『魔女裁判・第1回』(フジテレビ090425PM1110~)脚本・前川洋一、演出・加藤裕将を見た。どんな制度も悪意の標的にはなるという前提がある。たとえば、社会という制度は反社会的な制度にとっては悪そのものなのである。裁判なら「人に人が裁けますか」と疑問を呈したら正義そのものが消失する。

しかし・・・一人一人の人間は「制度」とか「悪」について深く考えないで生きている。

たとえば、「勉強のできる子の賢さ」と言う問題がある。キッドは小学生の時にオール5をとるような子供だったのだが・・・その時に陰湿ないじめを何度か経験している。キッドは同時に不快感をそのままにしておけない子供だったので・・・いじめの首謀者を発見し、個人的制裁を加えることによっていじめることの恐ろしさを周知させてその時をやりすごしたのであるが・・・大人になって考えると、それ以外にも賢いやり方はあるように思う。たとえば「能ある鷹は爪を隠す」というやり方はあるだろう。そもそもいじめの対象者にならないという手法である。しかし、格差社会の階級的問題や、色恋沙汰などでいじめの発生過程も多様化しており・・・結局は臨機応変ということになるだろう。「目立たない奴だからいじめる」ということもあるのである。また、個人差もある。「勉強はできるが運動はできない」とか「人気者だが嫌われ者」などという条件が流動する場合もあるからである。

裁判は「人が人を裁く制度」であり、それが前提である。「人に人を裁く権利があるのかよっ」という疑義をはさんでも仕方ないのである。思春期になれば恋をするように、確定申告お早めにと同様に、裁判員になったら裁判をするのだな。

国民にいかなる迷惑をかけようとも停波するったらするのだと大臣ものたまうのである。

で、そうなるとどうなるのか・・・というドラマがあって次の展開が普通なのだが・・・このドラマはいきなり・・・公的裁判員制度の私的制御という問題に突入なのである。

どんな制度でも人間が運用する以上、人間的な裁量が発生する。

早い話が裁判官が判決を下す制度でも裁判官が買収されたり脅迫されたりして部外者(多くの場合に被告・原告など)にコントロールされる可能性はある。かってオウム真理教は裁判官を全員殺そうとまでしたわけである。現在だって大陸や半島の工作員が列島の裁判官を何人か制御している可能性は高いのである。

当然、より無防備な裁判員がそういう勢力のターゲットになる可能性も高いのである。

今回は・・・「金持ち殺して金を取る古典的な魔女と呼ばれる女」柏木鏡子(石田ゆり子)をめぐる裁判。しかし・・・有罪か無罪かを問われる鏡子は謎の組織とつながっていて・・・この謎の組織は・・・秘匿されるべき裁判員のプライベートを把握し、裁判所内部を監視し、そして裁判員を明らかに威圧しはじめる。

かなり・・・スリリングな内容です。

キャスティングも豪華です。

ただし・・・うるさいし・・・見にくいわ・・・。

ま・・・それでノリノリなら・・・好きにすればいいと思うよ。

ま・・・とにかく・・・一回目は長い説明なので来週の展開に期待します。

今週わかったこと。徹(生田)はいずみ(加藤)が子持ちだと知りガッカリした。

関連するキッドのブログ『先週の土曜日のレビュー

月曜日に見る予定のテレビ『ハンチョウ~神南署安積班』(TBSテレビ)『婚カツ』(フジテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (0) | トラックバック (6)

2009年4月25日 (土)

弱いものは強いものに憧れる(新垣結衣)強いものは弱いものを蔑む(松本潤)さいはてのスマイル(遠藤憲一)

秘密工作員・コードネーム・三島花(新垣)かよっ。

とにかく・・・混血児に対する差別と偏見への懐疑にみせかけたほのぼのサスペンスという・・・カテゴリー分類を拒否した・・・まあ・・・小劇場演劇風ではくくれますけどね・・・ドラマらしい。

だから、冗談で言っている「壮絶な愛とか正義」とかに騙されず、すごく・・・浅い主題の作品なんだと考えると気楽に見れるのではないかと思う。

早川ビト(松本)はフィリピン人と日本人のハーフという前にものすごく「冤罪におちいりやすい星のもとにうまれた」奇跡の諸星あたるなのである。だから、花はラムちゃんなのだな。

ビトに対して批判的でありながら・・・最終的に共感する伊東弁護士(中井貴一)はきっと面堂終太郎なのである。だからしおり(小池栄子)のポジションは三宅しのぶなのである。ものすごい怪力を秘めていそうだしな。

コミック「うる星やつら」を知らないと意味不明の場合があります。

で、『スマイル・第2回』(TBSテレビ090424PM10~)脚本・宅間孝行、演出・石井康晴を見た。脚本家が出演しているドラマ「つばさ」では翔太(小柳友・・・ブラザートムの息子)とつばさ(多部未華子)は187cm-158cm=29cmの身長差でなんとなく微笑ましいキス・シーンを披露しているのだが、ビト(173cm)と花(168cm)のハグ・シーンはなんとなく豪快である。

フィリピン人の父親が消息不明となり、日本人の母親と疎遠になり・・・ということは二人とも生きているのか・・・中学を卒業すると派遣労働者として全国を放浪していたビト。はっきりと明示されないのだが・・・旅先で苛められていた小学生の女の子のランドセルを高所から下ろしてあげるビトが回想されている。そのシーンから現代に戻ると花のショットである。花が万引き事件でビトと知り合ったのか・・・それとも幼い頃に出会ったのかは曖昧なままだが・・・ビトが穏やかな日々を送ったのが16才~17才までの短い期間であり、その頃、花は小学生なので年齢的には問題ない。その時、ビトの自転車は踏み切りにはみ出して止っていてドキドキなのである。そんなことばっかりやっているのだな。

やや、先読みすれば・・・「不遇な境遇でも悪に染まらないものはいる」という伊東の哲学が・・・「ありえないほどの不遇」にはまるビトを見て「予想外とか限度とかあるよね」と例外を認め、「そこまで不遇じゃしかたない」と考えを改めることになるかもしれない。そうなるとビトはこれからもとんでもない不遇に身を置くことになるわけです。

どんな、不遇が待っているのか・・・。すでに出発点が「冤罪の殺人犯」である。今回の「麻薬の不正販売疑惑」などは軽い感じなのである。そうなるとなんとなく急激な老いを感じさせ心配になるみどり(いしだあゆみ)のサイフが紛失して・・・とかもあるかもしれない・・・ないない。次回は「小学生毒赤飯事件」らしい。これは「帝国食品」の事故米偽装流通事件が想像される。そういう最近実際現実に起こった事件のアレンジを扱うなら「毒ギョーザ」もありだが、イメージとしてはフィリピンじゃなくて中国だしな。じゃ、「毒カレー事件」はインドか。まあ、とにかく「幼女誘拐」とか「死体遺棄」とか「拳銃密輸」とか「放火炎上」とか「テポドン発射」とかすべての事件の犯人あつかいになる可能性がある。そこまで言ったらギャグだろうが・・・と言う人がいるかもしれないが・・・すでに「殺人犯の身代わり」「でっちあげの取調べ」「高校生による証拠捜索」の時点で笑うしかないじゃん。

ともかく・・・謎の失声症の少女・花は奇想天外な大活躍なのである。

ビトに濡れ衣を着せた近藤(大口兼悟)、証人として出廷した裁判所内で組織暴力関係者の甲斐(松田悟志)を相手に真相を声高で喋るのだった。それを聞きつけた花が尾行である。ありえないほどすべての真相を路上で話し続ける近藤。花は事件の真相を知ったのだった。

それを伊東弁護士に伝えると証拠がないと話にならないという伊東。

花は閉鎖中の麻薬不法所持事件現場の店の事務所に不法侵入である。偶然にも再捜査にやってきた刑事たちは取り調べの不手際をすべて雑談するのであった。花は盗聴してケータイ電話に録音である。

刑事たちの目を盗んで退避した花は近藤を再び尾行。怪しいクラブに潜入すると店内で堂々と麻薬を客に渡す近藤をケータイ電話で撮影である。しかし・・・さすがに近藤は花を発見。花、幹部候補生のやくざを含むチンピラ相手に逃走劇だ。闘争中に画像付メールを伊東に発進。

近藤に追い詰められたところで制服警官を従えた伊東が救助である。

まあ・・・お礼参りという言葉を思い出してはいけません。

近藤が逮捕されたこととビトの容疑は無関係という考え方もあるが・・・ここは裁判官の心証重視で・・・ビトは無罪放免となるのだった。・・・もはやファンタジーを隠し立てしないのだな。

・・・ということで、毎週、ビトがありえない冤罪をかぶりそうになり、花がありえない大活躍で無実を証明するというシチュエーション・コントとしてなら、かなり面白い発想があるドラマだと思う。

まあ・・・ドラマとして面白いかどうかは・・・人それぞれということでございます。・・・逃げんのかっ。

関連するキッドのブログ『第1話のレビュー

で、『湯けむりスナイパー・第4回』(テレビ東京090425AM0012~)脚本・演出・大根仁を見た。結構、気まぐれな構成フォーマットを持つのだが、今回はメイン・エピソードとエピローグという展開である。欲望処理産業であるスナック花子のママ(松田美由紀「名探偵の掟」主演の松田翔太の母)の借金取りの助手に源さん(遠藤)を貸し出すように強要された番頭の捨吉。捨吉の支払いがたまっているからである。

源さんはいやいや借り出されるが・・・現場では「過去の殺人現場の記憶」を思い出すことで・・・こわい顔になり・・・演技力はなくても秘めた殺傷力にものを言わせて全額回収である。まあ・・・冤罪に追われ続けるビトと・・・どれほど殺しているかわからないのに温泉生活の源さん。対照的です。

後半は袋入りのインスタントラーメンにこだわる捨吉のペーソス。仲居の由美ちゃん(大野未来)は「カップラーメンを支持する若者代表」で出番を確保である。・・・なんていうか、今回はしみじみ鄙びてます。

関連するキッドのブログ『第2話のレビュー

日曜日に見る予定のテレビ『天地人』(NHK総合)『ぼくの妹』(TBSテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (2) | トラックバック (10)

2009年4月24日 (金)

半人前の神々と犯人(戸田恵梨香)夜の光(藤木直人)1億円のラブ・ゲーム(釈由美子)のど自慢。(福田沙紀)

「最低の人間」は言いすぎだったと総務大臣が謝罪しつつ「最低最悪の行為だった」といいなおして自己弁護である。なんていうか・・・往生際が悪いよね。「酒に酔って人前で裸になること」が「最低最悪の行為」だとしたら・・・「殺人」とかはどういう行為になるのだろう。「言葉」で人を指導する立場にある人間は「言葉」の持つ「価値」を充分に意識して語るべき。そうしないと「最低最悪の大臣の最低の言動」にもなりかねない。ここは「酒の上でのあやまちとはいえ・・・大変申し訳ないことをした」と本人に代わって謝罪するのが「雇用者」としての立場ではなかったかと思う。その上で「本人に会う機会があったら君のしたことは最低だ・・・と叱るつもりです」と言うのが正しいシナリオである。まあ・・・お坊ちゃんにはわかるまいですよね。

とにかく、日本を代表するスターの不始末が「酔って脱いじゃいました」でそれに対応する一国の大臣の発言が「腸煮えくりかえった」である。どっかの横丁の出来事かよっ。

現実が面白すぎるとドラマが色褪せるじゃんか。その結果、「ゴーストフレンズ」↘*3.8%、「京都地検の女」12.8%、「夜光の階段」12.5%、「BOSS」↘15.1%である。ちなみに「報道ステーション」↗17.2%である。ついでに「LOVE GAME」*5.1%である。・・・であるか。

で、『ゴーストフレンズ・第4回』(NHK総合090423PM8~)脚本・増本庄一郎、演出・田中英治を見た。相変わらず、あの世とこの世の関係がよくわからないままに進行するこのドラマ。交通事故以来、明日香(福田)はゴースト(死んだ人間の姿)が見えるようになり、ゴーストがあの世に旅立つお手伝いをするようになるのだが、死んだ母親(友近)のゴーストを成仏させなくていいのか・・・という問題がある。さらに生身の体を持つゾンビのようなゴースト・カイト(西島隆弘)のシステムも謎だし、カイトに恋をしてしまう心のシステムも謎だ。まあ・・・人間は変なものを恋するというのは別に珍しくないのである。

事故で死んだ親友のミク(水崎綾女)は生前の恋人・拓海(川久保拓司)が明日香の体を狙っていることを怨みもせず、明日香の将来設計の心配をしたりする。

「恋」よりも「女の友情」かっ。

まあ・・・基本的に「肉欲」から生じる「恋」は肉体を消失すれば自然消滅なのである。しかし、あの世から脱走してきたカイトの恋人・美空(入山法子)は「失われた欲望」を求めるという妄執に取り付かれている。このあたりの辻褄の合わなさが・・・理解しがたい死後の世界なのだ・・・と言われればそれまでなのだ。

次から次へと生者に憑依しながら、明日香と論戦を繰り広げる亡者・美空。通行人、いい迷惑である。そして・・・亡者を惑わせる黒いタクシー登場である。不況にあえぐタクシー・ドライバーに訴えられませんように。

今回は拓海の祖母のゴースト(島かおり)が登場。その末期の願いを叶えるために「のど自慢」で「見上げてごらん夜の星を」(1969年・坂本九、2003年・平井堅)を歌うことになる明日香。デビュー曲「アタック№1 2005」(オリコン最高位20位)の歌手ですから。

ちなみにカラオケで練習する時にミクも歌うのだが・・・特技・アクションと歌・・・だけに抜群にいい声なのである。ホリプロ・・・なぜ、シスター・ミキのテーマでデビューさせなかったのか。お願いしますよ。まあ・・・映画「少年メリケンサック」(助演)につづくドラマ「大日本ノックアウトガール」(主演)に期待します。いつ、オンエアされるんだよ。

関連するキッドのブログ『先週の木曜日のレビュー

で、『夜光の階段・第1回』(テレビ朝日090423PM9~)原作・松本清張、脚本・竹山洋、演出・藤田明二を見た。さて・・・シスター・ミキに続いて、キューティー・ハニー登場なのであるが・・・第一の犠牲者・村岡トモ子(原幹恵)である。・・・・・・・・・・・・・・・また、死んでんのかよっ。それ以外はドロドロ系女優の博覧会のような展開。もう誰が誰やら分らないのである。原作・小説は1981年の作品でおよそ、30年前。しかし、原作者は常に1960年くらいの時代感覚で書いているおっさんである。それが無理矢理な感じで現代へと舞台を移したドラマ化なので・・・もういつの時代なのか不明な感じに仕上がっています。しかも脚本家もおっさんです。大河ドラマ「秀吉」とか「利家とまつ」の人ですから。「点と線」ならいいけれど「夜光の階段」はどうかなあ・・・と思っていたら案の定でした。もう・・・とりあえず・・・暗い過去を持つ道夫(藤木)にバスルームで有閑マダムの雅子(室井滋)の足をペロペロさせちゃダメだろ~です。トモ子の足ならまだしも・・・おいっ。

構成的にも九州でトモ子を殺して上京。冤罪で別人が犯人になっているというものの犯罪の真相の発覚を恐れ密かに暮らしている貧乏な美容師の生態や性格が二転三転するために眩暈を感じる出来具合です。

とにかく・・・女たちだけをピックアップしても・・・。

トモ子・・・絞殺された以外は人物としてまったく謎。

雅子・・・上京した道夫のパトロン。夫に内緒で株で儲けた金を道夫に貢ぐ。

みな子(荻野目慶子)・・・道夫の勤める美容室のオーナー夫人。道夫を可愛がる。

和子(三浦理恵子)・・・道夫の隣人の妻。バーのホステス。

幸子(木村佳乃)・・・道夫の客。女性誌の編集者。道夫の愛人。

フジ子(夏川結衣)・・・幸子の友人。週刊誌の編集者。道夫の過去に関係がある。

亜希(田丸麻紀)・・・道夫を付けねらう検事桑山(小林稔侍)の娘。密偵として道夫を調査。

房江(余貴美子)・・・検事。桑山に手を貸す。

なんじゃ・・・こりゃである。とにかく・・・「自分が良ければ人を殺しても平気な人」がゴロゴロいた時代の主人公を現代に翻案して描く場合・・・それなりにスタイリッシュにやらないと・・・頭がおかしい・・・感じになりますという見本です。

とにかく・・・無実の殺人犯が口をつぐんだまま死んで・・・警察の追及からの開放感を感じる道夫。あらゆる人々の心を解説する神の声のようなナレーション以外で・・・お茶の間に道夫の「異常性」を伝えるドラマにしてもらいたいと考えます。

内縁の夫と一緒に実の娘を殺す母親が現代にもいる。人の心は鬼にも仏にもなるというが・・・トモ子を殺した時点で道夫は鬼なのであり・・・鬼の人生は凄まじく描く他はないのである。優しく輝く本来の夜光の美しさは・・・そこにはない。あるのは嫉妬という毒々しい心なのである。外見が醜い作家による外見が美しい犯罪者の物語なのだという冷静な視点がスタッフに求められるのです。

関連するキッドのブログ『キューティーハニー THE LIVE

で、『BOSS・第2回』(フジテレビ090423PM10~)脚本・林宏司、演出・光野道夫を見た。本筋は未熟な部下たちを舌打ちしながらまとめあげる男前な女上司の物語である。「相棒」で間口の狭い上司である右京と比べると器の広さは肩幅をくらべるまでもない広さなのである。で、今回の捜査対象である「ネットの掲示板」というコミュニケーション・ツールによって起きる新種の犯罪は最近「相棒」でもやったばかりだが、「ネットの掲示板」は「トイレの落書き」と同じだという洞察があれば・・・特に違和感はない。世界の果てでものぞくことのできる掲示板の波及効果がなぜ、ちまちまっとした東京の一部区域で起こるのか・・・などと大人気なくつっこんではいけません。

今回のネタ元は「モンスターエンジンの暇をもてあました神々のコント」だろう。脚本家は「ゴッドタン」を見ないで「あらびき団」を見ているのである・・・あくまで妄想です・・・最初に神とは何かを定義しておく。神とは「私」である。なぜなら「私」が出現した時に「世界」は生まれ、「私」が消滅した時に「世界」は死ぬからである。だから・・・すべての人間は神である。あるいは神になろうと思えば神になれるのである。その真実を淡々と伝える「神々のコント」の面白さがその証明だ。

そういう意味で・・・「ネット」の中の「私」はたやすく「神」になるのである。

無線おタクが「消防のアナログ無線」を傍受、その情報に基づいて、消防署員よりも早く、変死体の発生現場に先乗りし・・・「事故死」や「自殺」を含めて・・・「死体」を「殺した」のは「私」だと「殺人犯」になりきる。

「人の生死を左右する」のが「私」という「神」である以上。「殺人者」はたやすく「神」のポジションを獲得するのだった。

しかし・・・優秀な警視庁ハイテク犯はこの神を逮捕する。神はひきこもりの若者(浅利陽介)だった。「お前だったのか・・・」である。

けれど・・・今度はネット内であった「殺人依頼」にこたえて実際に殺人を実行する男(野村宏伸)が現れる。男は鬱屈した中年男だった。「お前も神だったのか・・・」である。

もちろん・・・ボスが神である以上、ボスのボス(竹野内豊)も神である。そして・・・ボスに反抗的な部下も木元(戸田)を始めすべてが神なのである。この世とは神々の集う場なのであるから。

Hcinhawaii0543 ごっこガーデン。神々の憩う廊下セット。お気楽やはりデジタル化にちょっと無理があるんだよね。でもソフトな切り替えだとハイビジョンの時に一回失敗しているからね・・・。ま、なんやかんやでゴリ押しすればどっかにしわ寄せは来るよねまこもちのろんで神様の中の神様は竹野内様に決まっているのでしゅ~。先週の合コンの約束はどうなったのでしゅか~。早く~、しょうしゃと言ったら商社なのか捜査の言い間違いなのか微妙デス・・・警察官の身分を隠してお見合いは定番でしゅけども~ikasama4ネットの神はネットの神を生み・・・ネット悲劇の幕は開くのですな。部下たちにとっては頼れるボス・・・そして謎の恋人にメールするときは乙女・・・天海さん持ち上げの神話もイヤミがなくて天晴れです・・・とにかく面白ければすべてよしなのです・・・神々の世界は大ざっぱが基本ですから~あんぱんち神だらけの運動会とか・・・大変そう・・・浅利くん、台東区→大田区→港区とおタクとしては見事なフットワークだわ。やる気ルーキー、ヤルーキー・・・変な監察医だじゃれ好きなのねシャブリ遅刻なのでありました~、でも神はやっとくのでありますー

で、『LOVE GAME・第1回』(日本テレビ090423PM1158~)原作・安達元一、脚本・岩村匡子、演出・岡本浩一を見た。バラエティー・ショーのエッチなゲームを考えさせたら日本一の原作者によるファンタジーである。内容は妄想に近い幻想的なタッチであるが・・・語り手が釈由美子にバトンタッチしたことにより、「リセット」より見やすい仕上がりになっている。まあ・・・あくまで個人的な好みの問題ですけど。今回のゲームは「最愛の妻と8時間以内に離婚できたら1億円」でプレイヤーの夫(塩谷舜)、妻(北川弘美)のゲスト構成。良妻賢母に見えた妻が・・・実はとんでもないストーカーだったという愛の秘密がメインディシュです。妻の正体を知った夫は愛も失い、賞金も失う「ゲームオーバー」を迎えるのです。まあ・・・他人のかりそめの幸福を壊して面白いのか・・・と問われると・・・面白いこともあるよねぇ・・・と言う他ないのですがぁぁぁぁぁ。とにかく・・・ちょっと冷酷な愛の女神(ゲームマスター)となった釈はやはり素敵。「婚カツ」でも決めセリフが必要だよね。「私が結婚相手に求めるのはビジネスライクな関係です」とか「結婚式場におゆきなさい」とか「結婚するしかありませんよ」とか。

土曜日に見る予定のテレビ『ゴッドハンド輝』(TBSテレビ)『柴咲コウの少林少女』『比嘉愛未の魔女裁判』(フジテレビ)『ザ・クイズショウ』『イケ麺そば屋探偵』(日本テレビ)『鈴木杏の遥かなる絆』『ERⅩⅡ』(NHK総合)出揃ったか・・・。

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (2) | トラックバック (9)

2009年4月23日 (木)

殺っちゃったの?(稲森いずみ)海より容りて(川島海荷)アイシテル(小嶺麗奈)

まあ・・・しでかしたといえばデジテル大使なのだが、アナログ愛護同盟の暗躍や、酒乱で何が悪い党、健全ヌーディスト組などの画策も妄想され・・・面白すぎるのである。ただ一つ言えることは総務省のシークレット部隊、何してた?ということだな。表面化するまえに裸の泥酔アイドルを回収せんかぁぁぁぁぁ。まったく失態だよ。まあ、家宅捜索で何も出さないのは・・・手打ちか。とにかく・・・忍者部隊の皆さん、精進、精進。剣呑、剣呑。

で、今夜の「BOSS」への捨て身の攻撃だったという妄想もあるのだが・・・ないない。

とにかく・・・水曜日は変則ダンスが行われている。

「臨場」(テレビ朝日)・・・・・・・・・・・・・・・14.1%↗14.5%

「アイシテル~海容~」(日本テレビ)・・・13.2%↗13.7%

「夫婦道」(TBSテレビ)・・・・・・・・・・・・・・*9.2%↘*8.9%

・・・なのである。本物の強さがここにあります。

キャバクラ嬢であるゆかり(小嶺)を切り捨てた検視官一ノ瀬(渡辺大)・・・自己保身に走り官としての使命も切り捨てる。その人間として果てしなくグレーな心を飲み込む苦味がここにあります。

倉石(内野聖陽)は「終わりよければすべてよし」でいいのか。・・・まあ、お花を愛する変態だからな。

「臨場」についてもう少し知りたいあなたはコチラへ→まこお嬢様の「臨場」

で、『アイシテル~海容~・第2回』(日本テレビ090422PM10~)原作・伊藤実、脚本・高橋麻紀、演出・国本雅広を見た。「少年が殺された事件」はそれほど珍しくないという世の中だ。「少年が殺した事件」もすごく珍しいわけではないという考え方もある。「少年が少年を殺した事件」となるとそこそこ珍しいと言えるのかもしれない。

「女子高生コンクリート詰め殺人事件」(1988年)から20年である。その年に生れた子供が成人になっている。高校生を複数の少年少女が監禁・虐待・暴行・殺害・・・その残虐さに心が震えた事件を実感しないで成人したものがいる時代だ。

「神戸連続児童殺人事件」(1997年)では自称・酒鬼薔薇聖斗という中学生が小学生を連続して殺害した。犯行後、「殺害」の「興奮」の「記憶」の「記念品」を少年が求めたということに人々はうろたえた。「少年法」についてその実効性が問題となり・・・「少年犯罪」についての報道の在り方が議論された。

そして「佐世保市女子児童(小6)同級生殺害事件」(2004年)が発生する。インターネット上のトラブルから小学校内で児童が児童をカッターナイフで殺害するという事件にすべての人々はどうしていいのかわからなくなったのである。

前代未聞の事件は・・・20年前、10年前、5年前と明らかに発生頻度が加速しているのであって・・・これはドラマにしておかないとやばい・・・ということなのだな。

なにがやばいのかは問わないでください。

この枠は「14才の母」で中学生の妊娠という主題で物議をかもしたわけだが、「小学生による小学生の殺人」に比べたら明るい話題だったことが明瞭になったと考える。

犯行の動機・方法はまだ明らかにされていないが、10才で小学五年生の野口和彦(嘉数一星)が7才で小学二年生の小沢清貴(佐藤詩音)を殺害したことは確定した模様である。これで犯人は別にいた・・・なんてことになったらまったく別のドラマになってしまう。

この「前代未聞の事件」に加害者・被害者の両家の家族は日常生活を奪われてしまう・・・つまり普通ではなくなる・・・のがこのドラマの醍醐味ということであろう。

加害者の家族は・・・人を殺した子供の家族として好奇の目と社会的制裁にさらされる。そして被害者の家族は子供を殺された家族として好奇の目と社会的疎外にさらされるのである。この被害者の疎外が原作の主要点なのだが・・・ドラマでは明らかに加害者側の家族にも焦点があっている。

実は、小学生が小学生が殺すのはある条件を加えると前代未聞ではなくなる。つまり「自殺」や「限りなく他殺に近い事故」である。そこには当然「いじめ」という主題が潜むことになる。「いじめ」も重要な主題であるが・・・この「事件」の遠因を「いじめ」としてしまうと失敗の可能性は高まると思う。お茶の間は「なんだいじめか」と反応する可能性があるからだ。この点は留意するべきだろう。

また・・・「ゲーム」という言葉がさりげなく、挿入されているわけだが・・・ゲームをプレイすることによる心の変容の問題も避けるべきだろう。自分で自分の首をしめることなのである。

事件を担当する家庭裁判所調査官・富田葉子(田中美佐子)が加害者である智也に自分の小学四年生の息子健太(吉川史樹)について「悪い子じゃないんだけど・・・」と口をすべらせると過敏に反応し明瞭に心を閉ざす智也・・・この知性的な善悪の問題に焦点をあてていくことが大切なのである。

知能の発達に格差がある以上、殺意の発生と、発生した殺意の抑制の問題がキーポイントになるからだ。

概ね、人の知性には格差があって当然だからである。

知性はまず、①生きていることに気がつくことで発生する。「生」の自覚である。②次にその「生」が永遠に続くものではないと気がつく。つまり「死の可能性」の自覚である。

それがいつ起きるのかは非常に個人差のある問題である。たとえばキッドの場合は三才くらいで生を自覚し、その直後に死の可能性について考察した記憶がある。

やがて、生死は善悪の概念と結びついていく。「生」を「善」と捉え、「死」を「悪」と捉えるのが一般的である。キッドの場合は四才くらいでこのことを考察した記憶がある。

さらに生死と善悪は苦楽の概念と結びついていく。「生きる苦しみ」と「死ぬ楽しさ」という皮肉が意識される。キッドの場合は五才くらいでこのことを考察した記憶がある。

この時点で人生の選択肢は「生きる喜び」「生きる苦しみ」「死ぬ恐ろしさ」「死ぬ楽しさ」に分岐しているのである。

キッドが最初に死の誘惑を感じ生に留まる選択を感じたのは六歳だったと記憶している。自殺方法は「電車に轢かれて死んじゃう」である。

まあ・・・あくまで個人例だが、小学生になる前に自殺する可能性のある子供はいるという話である。

「自分への殺意」がある以上「他人への殺意」はたやすく発生する。キッドが他人への殺意を感じたのも六歳だった。殺害方法は「車道に突き飛ばす」である。

こうした恐ろしい子供を束縛するための情報体系が「死後の世界」である。

なんだかわからないが、この世とはちがうあの世があって、死後も「自分」が続いていくという情報は・・・非常に優れた虚構の一つであり、その虚実は一切証明できない不可知性を持っている。

「ウソをついたら閻魔様に舌を抜かれる」「自殺者は天国には入れない」「悪いことをしたら鬼に拷問される」「針山地獄はチクチクする」「釜茹でされる」「冷凍される」「血の池で呼吸困難」「永久連続運動」といった想像を絶する恐怖が「安易な死の選択」を拘束するのである。

これらの抑止力は確率の問題に還元されていくために・・・成長とともに効力を薄めていく。「死後の世界は虚構である」という確信が高まるのである。しかし、実証が不可能であるために正解は得られない。キッドの場合は七才でこの問題に遭遇して以来、ずっと検討しているのだが、もうお迎えが近いのに真理に達することはできないのである。ただし、仏陀もイエスもムハマドも立派なウソツキだったことはほぼ確信しています。まあ、そのおかげで殺されずにすんだ人々が多いというのが功徳ですな。

ともかく・・・すでに答えに到達した被害者を除き、加害者も、加害者の母も、その夫も、その夫の勤める企業の人々も、加害者の母の母も、加害者の母の妹も、取調べを担当した刑事も、調査を担当する調査官も、調査官の息子も、被害者の両親も、被害者のクラスメートも、被害者の近所の人々も、報道するマスメディアの人々も、報道を受ける人々も世界の生きとし生けるすべての人間がこの答えの前で正解を出すことはできないのである。

その一人である被害者の姉・美帆子(川島)は半信半疑の「死後の世界」と母親の不公平な愛の分配の「実感」の間で苦悶するのだった。それは「死」が「死」を招く暗い予感に包まれている。BGMは新垣結衣の「うつし絵」である。

思っているよりも愛されている

果てしない海のような愛で

もちろん、海に果てはあります。

関連するキッドのブログ『第1話のレビュー

高橋真唯が出ているのに余裕がなくてまったく触れることのできない漂流教室・・・ちがうだろ!についてはコチラへ→お気楽様の漂流ネットカフェ

金曜日に見る予定のテレビ『桜井幸子のコンカツ・リカツ』(NHK総合)『新垣結衣のスマイル』(TBSテレビ)『エンケンの湯けむりスナイパー』(テレビ東京)『香椎由宇の名探偵の掟』(テレビ朝日)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (0) | トラックバック (11)

2009年4月22日 (水)

パン屋めぇぇぇ、いい奴だったのかよぉぉぉ(阿部寛)こうなったらキテレツ大百科に路線変更だ(堀北真希)

さて・・・火曜日はドラマ対決なのだが・・・。

「魔女たちの22時SP」14.4%である。21時からだけど。日テレ的には改編成功の兆しか。

そして「報道ステーション・毒カレー事件最終回」15.3%である。みんなが有罪と言うなか一人無罪を主張する実在の魔女が数字を持っていたのである。キッドはなぜかこまわりくんの「死刑!」のポーズが浮かんだ。

その結果、①「アタシんちの男子」↘11.0% ②「白い春」↘10.0%

ピンチじゃねえ~か~、来週GW突入なのにーっ。

そして・・・清水由貴子さん(49)硫化水素自殺・・・の訃報が・・・今夜はかけぬけるのか。合掌。

で、『アタシんちの男子・第2話』(フジテレビ090421PM9~)脚本・武藤将吾、演出・松田秀知を見た。ホームレスで借金返済のために援助結婚したあげくに未亡人となった千里(堀北真希)が残された遺産と養子たちの間で繰り広げるドタバタ。見せ場はシャワー・シーンとバスタオルまきまきである。時々、ものすごいカメラアングルのサービスもある。しかし、前回も指摘したように肝心のイケメン度が低すぎるのである。そこでイケメン度を勝手に査定してみることにした。

①故・大蔵新造(草刈正雄)・・・回想シーンに登場。変な発明品で千里の屈折したファザー・コンプレックスをくすぐる。今回は水でとける強力接着剤プレーの思い出↗。

②時田修司(山本耕史)・・・理想の秘書。理想の弁護士・小金井響子(高島礼子)のプロフェッショナル魂を見抜く。しかし・・・女より金の疑惑あり→。

③大蔵風(要潤)・・・無職の長男、出番ほとんどなし→。

④大蔵翔(向井理)・・・ホストの三男、子持ちが判明↘。(母親は山田優と妄想)

⑤大蔵知(瀬戸康史)・・・ひきこもりの高校生の五男、風邪を患いふたたび引きこもる↘。

⑥大蔵明(岡本知樹)・・・生意気な中学生の六男、情報を収集し、そつなく義母と兄二人のピンチを救う↗。

⑦大蔵猛(岡田義徳)・・・ホスト見習いの次男、よっちゃんやうっちーであってそもそもイケメンではないのだが。いじめっ子をこらしめる男気を見せる↗。

⑧大蔵優(山本裕典)・・・カリスマモデルの四男、女性恐怖症でおネー系男子、どちらかといえばキモカワレベル。おそらく偶然(グラビアアイドルとの共演を避けるためにスタジオを破壊しようとして)義母たちのピンチを救う↗。

⑨国士豊(つるの剛士)・・・ネットカフェの千里親衛隊長・・・空気→。

⑩真島平次(永山絢斗)・・・ネットカフェの千里親衛隊員・・・空気読めず↘。

登場人物とその生い立ちなどが複雑すぎて・・・うんざりする人が多い展開。

千里と亡き夫の性的関係が不明瞭で落ち着かない。

そもそも擬似家族をまとめるヒロイン展開なら・・・「肝っ玉母さん」的要素がもっと必要なのに・・・そこだけは中途半端。

発明家をめぐるファンタジーなので・・・「フラバー」とか「チキチキバンバン」とかの奇想天外系超科学の領域まで踏み込む勇気が必要だ。メイドの井上さん(江口のりこ)はアンドロイド、小金井弁護士はサイボーグでいいと思うよ。毒を食らわば皿までです。住宅建築に使える接着剤で高層ビルを建てたが雨が降り出すと・・・ぐらいのスペクタクルを希望。

関連するキッドのブログ『先週の火曜日のレビュー

で、『白い春・第2回』(フジテレビ090421PM10~)脚本・尾崎将也、演出・三宅喜重を見た。なにしろ・・・人殺しが主人公なのである。ヤクザ同士の抗争で相手がクズだとしても人殺しは人殺しだ。「愛する女の命を救うために」という免罪符でその殺人の罪が許されるかというと許されないのが普通だ。だから・・・春男(阿部寛)の顔には狂相が浮かんでいる。

病気の恋人の手術代を稼ぐために殺人まで犯したのに獄中にいる間に恋人の真理子(紺野まひる)は死んでしまった。

その思いがけなさに・・・やり場のない怒りを感じる春男。

それを真理子の最後を看取ったパン屋の村上(遠藤憲一)にぶつけてみる。

バスストップの標識を運び店前に置いてみる。お地蔵さんを運び店前に置いてみる。

いやがらせである。陰湿ないやがらせだが。どこかバカないやがらせである。

ピンポンダッシュという子供の悪戯があるのだが、これがたまにピンポンブーであることが世の中の恐ろしいところである。「ピンポン」で「ダッシュ」して「他人に迷惑をかけたこと」が面白くて「キャハハ」と笑うところがダークサイドへの傾斜を持っているわけだが、時々、ピンポンブーになるのである。それは扉の向こうに「ロード・キラー」が潜んでいることがあるからだ。

「ピンポン」とならして「ブブーッ」と警告音が鳴ったときに・・・子供たちは「悪いことをすれば報いがある」というこの世のシステムを知るのである。

運が良ければそのためにまっとうな人生の道が開かれることがある。

しかし、運が悪いこともあるのだ。

「ピンポン」とならした瞬間に扉の向こうから巨大なトレーラーがすべてを粉砕して出現し・・・真夜中のハイウェイに向かって走り去れば、子供は有無を言わさずぺっちゃんこなのである。

そういう体験を持たぬままに・・・成長した春男は無謀なままに動き・・・人を殺し・・・恋人も失い・・・亡霊のように街を彷徨うのだった。

しかし、本当に哀れなのは・・・そういう父親を持った娘なのである。

ここで・・・・お茶の間の意識は二つに分岐するかもしれない。血のつながった親と・・・育ての親のどちらが親として魅力的か・・・という疑問によってである。

後者の立場で言えば・・・「生んだだけでは親とは言えない・・・育てて初めて親と言える」という論理が提出される。しかし・・・自分のルーツを知りたいと人間が考える場合、血のつながる親の持つ情報は捨てがたい魅力を持つのである。遺伝子工学が発展するにつれ、その重要度はますます高まるだろう。・・・まあ・・・そういう論理はさておき・・・人はないものねだりである。親がなければ親が欲しいのである。

おそらく、春男と真理子の娘であるさち(大橋のぞみ)はスーパーナチュラルな存在である。

なぜならさちは一目で春男を「特別な存在」と見抜く。

その超自然さは・・・まあ不自然と感じる人もいるでしょうが・・・育ての親である村上の心に恐怖を生み出すのである。

おそらく・・・村上は血のつながらない娘にただならぬ愛情を持っているのだろう。

人の役に立つ仕事をして、人に迷惑をかけずに生きていく、正しい人の暮らし。

人の幸せはそこにしかないと考える村上は・・・さちにもそういう幸せを手にしてもらいたいと考える。

しかし・・・さちには人殺しの男の血が流れているし、人殺しを愛してしまう女の血も流れているのである。

もしかしたら・・・さちも人殺しを愛してしまうかもしれない。

村上は腹の底が冷えるような恐怖を感じる。だから・・・突然現れた春男の正体を知ると・・・とにかく穏便に消えてもらいたいと願うのである。

さちを奪われたくない一心である。

しかし・・・さちは人殺しを愛する女の本能でとっとと春男を愛し始めているのだった。

同様に人の道を外れることを幸せと感じる女・栞(吉高由里子)もまた超自然的に春男に魅かれはじめている。

人殺しの春男と人殺しを愛する二人の女。栞とさちの三角関係誕生なのである。

これは面白い・・・しかし・・・そんな話・・・お茶の間がついてこれるのか・・・心配である。

普通の人間にも潜んでいる悪戯心と・・・ロードキラーの間に横たわる境界線。もっとも恐ろしいのはその境界線は時々・・・限りなく透明に近いグレーなのである。

(映画「ロードキラー」(2001年米国)を知らないと意味不明である場合があります)

・・・ザッ・・・ザザッ・・・こちら・・・ラスティ・ネイル・・・ピンクシャンパンはもう買ったかい?・・・ザ。

木曜日に見る予定のテレビ『ゴーストフレンズ』(NHK総合)『釈由美子のLOVE GAME』(日本テレビ)『夜光の階段』(テレビ朝日)『戸田恵梨香のBOSS』(フジテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (2) | トラックバック (10)

2009年4月21日 (火)

お金だけがすべてじゃない(中居正広)ってお金持ちもいわない時代の婚カツ!(釈由美子)みんな幼馴染(上戸彩)

「純朴な姉貴殺られて泣き寝入りなんて妹として女が立たたねえんだよっ」(星野真里)にしたいくらいだが、泣く子も黙る月9初回だからな。

「ハンチョウ」は「警察の捜査が甘いから仇討ちは自己責任で物語」である。「せめてもう一太刀・・・」(星野真里)「病院内でござる・・・」(佐々木蔵之介)です。関東では「けものみち」再放送中で悪い星野真里ファン熱狂。

本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「スマイル」11.7%(さすがは松潤、ヒトケタは回避である・・・だがそれでいいのか?)、「金スマ・辻希美」15.0%(おんぶ・乳首購入・お弁当・肉じゃが)、「名探偵コナン戦慄の楽譜」15.0%(カリスマ主婦に負けたってばよ~)、「コンカツ・リカツ」↗*5.0%(コンカツ詐欺で地味にあげてきた~)、「必殺仕事人田中」↘10.0%(地味にさげてきた~)、「名探偵の掟」10.8%(33分に勝った~)、「世界フィギュアスケート国対戦」16.3%(真央、完璧だったよ真央)、「ゴッドハンド輝」↗*8.1%(*0.1%あげ・・・はやくもアンナ様のダーリン効果波及か)、「枠移転レッドカーペット」15.8%(ケンカ売ってきた~><)、「ショカツの女・目撃者は認知症の妻」14.2%(ゲスト・南田洋子の夫ってどこまで~)、「アンフェアtm」13.3%(二度目か)、「ザ・クイズショウ」14.0%(ダブル翔かなりとった~)、「帰・33分探偵」↗10.1%(爆上げも掟に届かず)、「遥かなる絆」*8.6%(存在するはずの悪い中国人のドラマは何故つくられないのか?)、「イケ麺そば屋探偵・いいんだぜ」→*3.9%(いいんだぜ*4.0%もとれないけど)、「天地人」21.1%(つ、強い)、「ぼくの妹」12.2%(松潤には勝ったがバンビに負けたオダギリジョー、ガッキーには勝ったがL香に負けた長澤まさみ・・・勝負は始まったばかり)、「バイオハザード2」14.8%(また二度目か)・・・ついでに「ハンチョウ」→10.2%、「婚カツ!」16.3%・・・以上。

で、『婚カツ!・第1回』(フジテレビ090420PM9~)脚本・龍居由佳里、演出・鈴木雅之を見た。中居正広の最高傑作といえば「世にも奇妙な物語・SMAPの特別篇~オトナ受験」(2001年)であるが・・・誰が決めた!・・・関東では凝縮再放送中の「ナニワ金融道」シリーズの灰原のシリアスも捨てがたいが・・・ダメ人間一歩手前の「オトナ受験」のコミカルで絶望的なキャラクターを演じさせたら天下一品だと考える。で・・・とにかく・・・今回は序盤はあきらかにオトナ受験をしてもらいたいキャラである。もう・・・イライラ・ヤキモキすることこの上ありません。

もう34歳なのに結婚する気のない男・邦之(中居)に対し、年下の幼馴染・春乃(上戸)は長い長い初恋中らしい。もう34歳なのに定職につかない男・邦之は「既婚者と偽って区役所の臨時職員になったために三ヶ月で結婚式を挙げないとやべぇ!」なのである。そこで偶然にも幼馴染の真琴(りょう)の主催する結婚相手紹介サービス企業に登録する。

ここで出会うのが「結婚は事業と考える女」・・・優子(釈由美子)である。お見合いパーティーに来て「年収を明かさない」邦之の「大人気のなさ」を激しく問責である。

大筋では中居正広と上戸彩と釈由美子の三角関係・・・邦之が結婚するのは春乃か優子か・・・というドラマで・・・もうそのままならベタベタの月9ですわー。

「白い影」「砂の器」と中居主演ドラマの実績のある「星の金貨」の脚本家である。だから基本的にメルヘンです。デビュー作で最高傑作の「星の金貨」を越えることができないのが難点ですが・・・とにかくメルヘン書かせたらテクニシャンです。

しかし・・・メルヘンが通用しにくい世の中なので・・・手に汗握ります。

トンカツ屋(小日向文世)の息子なのにトンカツが嫌いな邦之。なんとなく巨大なトンカツ屋。いかにも娘が死んでも三日で忘れそうな怪しい東京都ハルミ区の区長(風吹ジュン)。ケーブルテレビを熱心に見ているらしい区民は邦之の結婚の噂が始まるとお祭り騒ぎです。「結婚発表」にご祝儀が集まる区民性らしい。このあたり・・・中居正広と邦之の区別がスタッフの間で病的レベルで曖昧になっている可能性があります。メルヘンなので幼馴染の酒屋・リカーショッパー茂(佐藤隆太)は愛用のバイクを売ってご祝儀を捻出。なんやかんやはなんやかんやでおますレベルで佐藤隆太は佐藤隆太でんがなの鬱陶しいほど饒舌キャラクター。メルヘンなので幼馴染の怪しい区役所職員・匠(谷原章介)は偶然上司です。メルヘンなので幼馴染の邦安(上田達也)は偶然、弟です・・・それはただ弟なんだろう。ちなみに邦之・邦安兄弟の両親は邦夫と邦子(戸田恵子)。邦子は故人ですが・・・邦夫と邦子が結婚しているというネーミングが奇跡らしい・・・それはどうかな?

まあ・・・幼馴染だらけのドラマで・・・どう考えても潜入捜査中の覆面刑事か老いた結婚詐欺師にしか見えない周五郎(橋爪功)・・・このキャスティングがすでにメルヘン領域。

まあ・・・少子化対策活動→結婚活動→就職活動というメルヘンなリンクを草食系男子の仮面をかぶった雑食系ダメ人間がフラフラする・・・超ド級メルヘンが水族館で始まりました・・・という感じでございましょうか。

デブで性別不明のキャッチャー・真琴と偶然再会という設定がメルヘン度を上昇させるのであるが・・・この辺りの匙加減がリアリティーを皆無にさせているとか自覚したら楽しめませんからご注意ください。

まあ・・・とにかく・・・上戸の爆乳対釈の爆くびれなので衣装勝負のドラマとしてはメルヘンに最高です。とにかく・・・現時点ではアイドル女優対決は戸田恵梨香→上戸彩・釈由美子→堀北真希→松浦亜弥→吉高由里子→長澤まさみ→新垣結衣→香椎由宇→本仮屋ユイカになっているということ!・・・単純に視聴率的にはね。もうね。花ざかりすぎるわっ。

関連するキッドのブログ『ハンチョウ

               『小児救命

水曜日に見る予定のテレビ『臨場』(テレビ朝日)『アイシテル・海容』(日本テレビ)『谷村美月の探偵Xからの挑戦状』(NHK総合)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (4) | トラックバック (12)

2009年4月20日 (月)

高校中退するなんて人間のやることじゃない(オダギリジョー)って顔してた(長澤まさみ)ユキワリソウは高山植物(妻夫木聡)

さてと・・・妄想戦国時代は面白いのだがドラマはどちらかといえば残念な感じである。

とにかく、オダギリジョーはいい味出していて、やはりコクがある分だけ瑛太に侵食されていることがよく分る。

しかし・・・最後の最後で日曜劇場の病が出て・・・たちまち微妙なことに・・・そして・・・もういい加減にしろよの芸人枠活用である。千原ジュニアは役者としてのキャリアも積んでいて、それほど違和感ないのだが・・・流れとしてケンコバ→キムニイ→ジュニアと連打されたらゲンナリなのである。

勉強はできるけど生活力に乏しい兄と勉強はできないけど生活力にあふれた妹という設定でともさかりえを殺さなくても面白いドラマにしていくのが日曜劇場道だと思うのです。

だって多くの国民は苦しい日常を殺したり殺されたりしないで生きているんだもの。

そして・・・他のドラマで殺人はいくらでもあるんだもの。大河ドラマは殺してないフリしすぎですがーっ。

で、『天地人・第16話』(NHK総合090419PM8~)原作・火坂雅志、脚本・小松江里子、演出・一木正恵を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。いくらドラマだって限度があるだろうという捏造の数々にも関らず視聴率↗21.1%・・・お茶の間の洗脳がいかにたやすいかの好例ですね。そうやって日本は太平洋戦争に・・・ま、いいでしょう。もちろん、飛びまくる卓袱台、二打席連続の量産体制です。まあ・・・御館の乱では兼続の動向はそれほど明らかでないので武田上杉同盟の立役者ということにしてしまってもいいのかもしれませんが・・・延々と続いた景虎の死までの御館の乱が残りの半分の歳月、一回で終了って・・・。どんなバランス感覚なんでしょうかぁぁぁぁぁ。まして、菊姫が嫁いだ頃の武田・上杉の軍事バランスは上杉・動員兵力1万(内戦中)、武田3万(徳川を侵略中)です。そして、同盟によって割譲された上野国防衛のために武田は出兵。圧倒的に武田の軍事力の方が上でございますよね。それなのに「武田をお守りください」って・・・。そして服部半蔵を下っ端あつかい・・・。この頃当代正成は家康嫡子信康の首をはねられず「涙で前が見えないのでござる」と言って家康を泣かせてた頃ですがな。もちろん、妄想上では正成の兄弟は隠密として諸国を徘徊してますが。それならそれで描写してくれよという気分でございます。まあ・・・1578年は永遠に続いたのに、1579年は一回、1580年、81年はさらっと一回・・・もう来週が関ヶ原になりそうな勢いだと考えます。やってらんねーよと思う方は菊姫の秘密をコチラでお楽しみくださりますように。

Tenchijin1580 で、天正七年(1579年)の秋・・・武田信玄と油川夫人の末の娘・菊姫は越後国主・上杉景勝に輿入れした。すでに上越地方の反乱は収束に向かっており、灰燼に帰した越後府中から春日山城下にかけての町屋の復興が始まっていた。同盟とはいえ、力関係で言えば上杉が武田の保護下に入る形である。そのバランスを保つための人質としての色彩は濃い。しかし、信玄が最も愛したと言われる油川夫人の美貌を譲り受け、あどけなさを残した菊姫の美少女ぶりに戦火に疲れた景勝はもとより春日山城に集う家臣一同が心を奪われたのである。景勝のためには死ねなくても菊姫のためなら死ねるとご尊顔を拝した上杉の若侍は萌えたのだった。武田家は未だに故・信玄支配と勝頼支配の二重体勢である。異母兄である勝頼と油川夫人の同胞たちの間は概ね良好だった。長兄・仁科盛信は南信濃を次兄・葛山信定は駿河を勝頼の命に従い治めている。しかし、南信濃には異母姉・真理姫の嫁いだ木曽義昌、駿河にも異母姉・瞳姫の嫁いだ穴山信君がいる。真理姫の母は真田一族の娘だが、瞳姫は信玄の正室・三条夫人である。信玄存命中はさほど問題にならなかったが、信玄死後には血統の高貴さ加減は摩擦の対象となる。信玄の正室の娘を妻とする信君が側室の息子である勝頼を侮るところがあるのを菊姫は大人たちの噂で知っている。しかし・・・と菊姫は思う。偉大な父、信玄の血を引くものたちには絆があるのだ。同母姉の松姫は織田信長の嫡男・信忠の許婚となり・・・破談の後ももしもの場合に備えて出番を待っている。上杉武田同盟が成るのであれば、織田武田同盟がまた復活することもあるからである。戦国時代にあって姫は最終兵器なのだから。

菊姫は信玄最大の宿敵、謙信の国に嫁ぐことを誇らしく感じていた。今や敵対関係となった北条家の後継者・氏直は三条夫人の娘・梅姫の胎である。菊姫にとっては甥にあたる。菊姫が守備よく子を生めば、その子の時代には武田・上杉・北条の三家はすべて信玄の血脈で結ばれるのだ。その時こそ・・・父の偉大さが復活する・・・と菊姫は信じていた。

菊姫は戦国の運命の苛烈さを知っているつもりだった。しかし・・・運命の苛烈さは時に予想をはるかに越えることをまだ知らない。

景勝は菊姫の花を散らした後・・・可憐な姫の寝顔を眺めながら震える想いを感じていた。前途は多難である。

春日山城の周辺と府中はようやく、手中におさまった。信濃に抜ける鮫ヶ尾城を取り戻し、越中に抜ける不動山城を下した。中越地方への前衛・直峰城には普代家老の樋口兼豊を配した。信濃川の西側は謙信以来の属将でほぼ治め、下越地方の揚北衆も味方となっている。

残るのは信濃川東側を中心とした反乱諸城だけである。景勝は敵の顔ぶれを思い浮かべる。北の三条城には謙信の信頼も厚かった知将・神余新綱がいる。その南の栃尾城には歴戦の猛将・本庄秀綱がいる。さらに春日山城に最も近い賊軍として北条城の主を失った侍たちがいる。何れも、謙信とともに越後を強国たらしめた武将たちである。

惜しい・・・と景勝は想う。ようやく取り戻した軒猿諜報網によりもたらされる諸国の事情は風雲急を告げていた。

織田信長の天下一統は着々と進行していたのである。

本来、本願寺を中心とした包囲網で上杉・武田・毛利・長宗我部が一体となり、織田の台頭を抑える筋書きは・・・信玄死亡、越後内戦で次々と破綻していった。すでに信長の勢力は徳川家康の遠江、柴田勝家の加賀、羽柴秀吉の備前にまで最前線を拡大している。本願寺の10年に渡る抵抗もついに力尽きようとしていた。

景勝は信長の支配国から動員兵力を数えてみる。その数は少なく見積もっても十万をはるかに越えていた。それに対し、内戦中の越後は敵味方を合わせても一万たらずである。武田の兵を合わせても信長の半分にも足らない。

景勝が上杉と越後の国の独立を保つのは至難の技と考えられる。

その時にあたって・・・武門の意地にこだわり、国人としての独立独歩の気風にこだわる愚か者どもめ・・・と景勝は想う。

しかし・・・と景勝は思いなおす。自分が信長の下風に立つことを潔しとしないのも・・・所詮は同じことか・・・と考えるのである。

けれど・・・景勝の懊悩は続く・・・信長が本願寺を降すまでに・・・せめて越後本国だけでも一つにまとめあげねば・・・交渉の余地もない・・・。

信長と景勝は競争者なのだ。たとえ彼我の差は歴然としていても・・・できるだけのことはせねばならない。

景勝はもう一度篭城する反乱者たちの顔ぶれを思い浮かべる。

春になったら・・・まずは栃尾城を攻めることになろう。すでに栃尾城に対応する与板の城には直江信綱を中心とする攻城部隊が結集しつつある。

景勝は月影に映える菊姫の顔を見つめた。不意に幼い頃の華姫の顔が蘇る。景勝は歯を食いしばった。しかし、落ちる涙を止めることはできなかった。

天正八年春・・・景勝がようやく栃尾城を攻め落とした頃、信長はついに本願寺顕如を降伏させている。景勝は越後を治めるのになお、一年を要するが・・・その間に信長は主力軍の矛先をゆっくりと西から東へと変えていた。

そして天正九年春・・・景勝が名実ともに越後の国主となったとき・・・信長はすでに武田殲滅の手を打ち終わっていた。忠実な同盟者である家康の自慢の息子の腹を切らせ、忠実な部下である明智光秀の老母を磔にかけ、裏切り者は一族郎党をすべて根切りにかける。おそるべき魔王の瞳はすでに常に狂気の光に満ちている。信長は裏切りの罠を仕掛け、裏切ったものの不忠さを咎めるという理不尽をその最期の時まで爆発させていくのである。

初音は安土城の天守閣で信長の寝顔を忍び見た。悪夢に襲われ苦悶に歪む眉だけが・・・信長の苦悩の証だった。しかし・・・体は微動だにせず寝息は穏やかであった。初音は信長の心に広がる暗闇の深さを思いやるのだった。

人の心を深く知りながら、けして人の心を持たないもの。

忍びの理をこれほどに体現している忍びを初音は自分以外にはもはや信長一人しか知らなかった。

その恐ろしいほどの孤高を初音はそっと心からそらした。

初音もまた・・・孤高のくのいちとして己を律しているのだ。初音は天守閣を忍び出ると安土城の堀へと飛んだ。その超越した猿飛びの技は飛沫もたてず水音ひとつもたてなかった。ただ波紋だけがゆっくりと広がっていく。

関連するキッドのブログ『第15話のレビュー

で、『ぼくの妹・第1回』(TBSテレビ090419PM9~)脚本・池畑俊作、演出・金子文紀を見た。実は、千原ジュニアのキャスティングも、ともさかりえの衝撃的な退場もそれほど気にならない。このドラマ単独であればである。しかし・・・日曜劇場のこれまでの流れ、春ドラマのTBSテレビのこれまでの流れを考えると・・・またもや微妙な気持ちになってくるのである。

家族には恵まれないながらも・・・優秀な頭脳と卓越した美貌で懸命に生きる兄妹。その心のすれちがいと共感・・・これをユーモアというよりもペーソスで描いていく。

これで凄くいいのではないか・・・と考えるのである。

何も・・・一線を越えた千原ジュニアを登場させなくても・・・ともさかりえの命を奪わなくてもなのである。

奪ってもいいが、それならそれで「かわいそうな女だが仕方ない」くらいのドライさで来週を始めるくらいでいい。それをドロドロと引きずったり、千原ジュニアの壮絶な人生に引き吊りこまなくてもいいんだよ。と思うのだった。

だってさ・・・勉強はできるけど頭は悪い兄・江上盟(オダジョー)と勉強はできないけど直感は冴えている颯(長澤)の兄妹だけで充分魅力的なのである。それを深く深く掘り下げて描きこんでいくことが大切なのであって、あざとい事件に発展させていく必要は全くない気がするのだな。

おそらく日本で一番の権威のある大学の医学部講師となった盟。給料以外は全く問題のない社会的なステータスを確保している。早い話、放っておいても婿の話は舞い込みまくるのである。地方の病院関係者、医療スタッフを身内に抱えたい財政界の上層部、おそらく盟の周囲は身上調査をする探偵がウヨウヨしているはずである。

大物財政人の父の診断のサービス向上を激しく迫る娘・大河原春菜(笹本玲菜)なんかは当然お嫁さん候補なのである。いつか歌い出すのかも・・・。

そういうことにまったく気がつかない盟に妹でもないキッドがやきもきである。

で、兄を父親と思い、妹を母親と思えと・・・近親相姦を推奨して・・・だって夫婦になれってことだろ・・・早世した父親も父親だが・・・その教えを守り、平成枯れ芒を過ごしてきた妹(幼少時代・鎗田千裕・・・山田太ものがたり菊池桃子の幼少期)。兄の参考書を買うために柿の木に登った日々なのである。

しかし、今や、片付けられない女となり、会社は無断欠勤、夜はキャバクラでバイト、さらにトイチよりちょっと安い金利でホステス相手の闇金・・・ヤクザがらみの危ない商取引にもからみ、妻子ある弁護士と不倫・・・どんだけやる気満々なんだという颯。

最高です。

で・・・もちろん・・・そこには「お兄ちゃんのお嫁さんになる」という幼い心が潜んでいて、そうはならない大人の現実と激しい相克があるわけです。

だから・・・「1億円ためて豪邸に住む・・・お兄ちゃんと」と颯は口には出さないが夢見ている気配が濃厚です。

一方、兄の心にも「妹を妻とする」願望は潜んでいるのですが、朴念仁設定なのでまったく無自覚です。しかし・・・妹の恋愛は何が何でも粉砕です。

このあたりのすれ違いが絶妙。

兄は妹のふしだらを攻めるのですが貯金残高は38万円。

一方、妹は自己資金を350万まで調達できる模様。

で、兄のなけなしの金を巻き上げる。

やばい投資にぶっこみ・・・ところが投資が焦げ付き、ヤクザ介入で監禁です。

これを撲り損ねた妹の不倫相手の弁護士(田中哲司)・・・妻(鈴木砂羽)・・・とともに救出に向かう盟。ヤクザにはビビリますが・・・とらわれの妹を見ると逆上です。

このピンチをヤクザの親分が担当患者というベタな必殺技で乗り切るとお兄ちゃんのターン。

妹に説教です。

その勢いで最近知り合った、真面目そうな女(ともさかりえ)に敢然とアタック。

近所の老人(大滝秀治)の体調不良を豪快診断でガス抜きです。

女が据え膳体勢なのでたちまち応じて・・・自分もやる時はやるんだ気分です。

もちろん・・・根底にあるのは「俺という兄がありながら妻子持ちの弁護士なんかと不倫した妹への暗い復讐心」なのです。

で・・・女と盟の間柄はもやもやした変な感じに・・・そこで純朴そうな女が「父の会社が倒産しそうで・・・」と300万円の借金申し込み。

頭で妙だと考えても下半身が黙っていません。結局、妹に借金申し込み。

兄のターン終了です。

たちまちピンとくる妹。

女の正体を身辺調査・・・「ウソつき女だよ・・・」

もちろん・・・妹の話は信じるしかないのですが・・・下半身が信じません。

結局、女となぜかビルの屋上のおしゃれなお店で待ち合わせる盟。

女を問いただすと・・・ウソだったことを否定されません。

もう上半身と下半身が大混乱でその場を逃走する盟ですが・・・結局、下半身が勝利して未練たっぷりに屋上に引き返します。

しかし・・・そこには女はいなくて・・・地上に哀れな死体が。

現場から立ち去る妹。明らかに殺害の容疑がかかる立場の兄(無自覚)、そして正体をかくしてもダークと分る女の情夫あり・・・で・・・つづくです。

まあ・・・どうしても・・・そうしたいなら止めないけど・・・もったいないことになると思うよ。

それとも意外と面白いことになる(オダジョー談)・・・のか。それにしても本人が「思ったより面白くなった」って言っちゃうところがオダジョー。そこはちょっとステキ。

関連するキッドのブログ『帰ってきた時効警察

火曜日に見る予定のテレビ『アタシんちの男子』『白い春』(フジテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (4) | トラックバック (9)

2009年4月19日 (日)

正しいタイトルはどれ?Aザ・クイズショウB櫻井翔C哀川翔Dクイズ$マジオネア

ルーツをたどっていくと、「Who Wants to Be a Millionaire?」(英国ITV)→「クイズ$ミリオネア」(フジテレビ)・・・由緒正しい外国番組日本化→「クイズ$マジオネア(めちゃ²イケてるッ!)」(フジテレビ)・・・コント化→「ザ・クイズショウ(サタデーTVラボ)」・・・深夜ドラマ化→「ザ・クイズショウ」・・・リメイク・・・となる。

どんだけミリオネアが好きなんだよぉ・・・である。

深夜版とゴールデン版は構造的には相似しているが、役名などをマイナーチェンジしており、オリジナルを知っている視聴者もそれなりに楽しめる工夫がこらされている。

「しゃれにならないプライベートがクイズ化」されるということでゲストは重要だが、深夜版でもそれなりに豪華だった。山本耕史→高橋真唯→佐藤二朗→佐藤江梨子→岡田義徳→堀内敬子→片桐仁(主人公)→戸次重幸(レギュラー)となっている。

深夜版の第一話の山本耕史は「マネージャーを殺した落ち目のミュージシャン」であったが、ゴールデン版は哀川翔が「元のバンド仲間を殺した落ち目のロック・スター」にアレンジされている。

キャスト(MC)の田崎(片桐)がスタッフ(プロデューサー)の山之辺(戸次)に幽閉され、キャストの記憶に障害があるのは・・・キャスト・神山(櫻井)とスタッフ(ディレクター)の本間(横山裕)にチェンジしても変わらない。

当然、ドラマ終盤は攻め手だった神山が本間に攻められ、神山の失った過去と本間との関係がエキサイティングに解き明かされることになるのだろうが・・・その関係が深夜版を越えることができるかどうかで評価が分かれるだろう。まあ・・・自信があるからこの展開なんですよね?

ま、バンビかわいいよ、バンビなので問題ありません。

バンビにはアダルト実写版「怪物くん」でヒロシの役をやってもらいたいよ・・・意味不明だろがっ。じゃ、怪物くんは二宮それともバンビーノ?・・・だから意味不明だってばよぉ。ヒロシのお姉さんは松嶋菜々子で・・・もういいよ。怪子ちゃんは井上真央でフランケンはケンコバで狼男はキムニイでドラキュラはオードリー春日か魔王大野でやればいいと思うよ・・・おい。

で、『ゴッドハンド輝・第2回』(TBSテレビ090418PM0756~)原作・山本航暉、脚本・飯田譲治、演出・下山天を見た。頭がおかしくなっていく土曜の夜の天使たちのスタートラインはこのドラマだ。なにしろ、ピンチになると死んだ父親が憑依して、グズでノロマな外科医・ドジ輝(平岡裕太)が天才外科医ゴッドハンド輝に変身するのである。第二回はオカルト・モードがさらにパワーアップ。そして画面に心の映像を描き出す解説超能力は安田院長(渡部篤郎)にも備わっていたことが判明する。ドジ輝は単にグズなだけではなく、おこられたら反発し、叱られたらすねちゃうがきんちょな性格なのである。

「正確さ」と「素早さ」の両立は難しい。「失敗」と「成功」の予測も難しい。

しかし、輝は「やるしかない」と言うし、安田院長は「人生は賭けだ」とギャンブラーのごとく言い放つ。

そして・・・ある意味、輝より危険な四宮(水川あさみ)は「患者の体からどっちが早く弾丸を摘出できるか勝負よ」なのである。

そして手術につぐ、手術である。深夜の『ERⅫ』(NHK総合)とくらべるのは無意味だが、ある意味、ノリノリです。

今回はナースの中ではめぐみ(朝倉あき)の出番多めでした。

ちなみに春ドラマは自転車通勤の主人公が多い。ドジ輝、イケ麺そば屋、名探偵天下一・・・ヒロインはいないな・・・。

関連するキッドのブログ『第1回のレビュー

で、『ザ・クイズショウ・第1回』(日本テレビ090418PM9~)原案・森谷雄、脚本・及川拓郎、演出・南雲聖一を見た。原案者は「沙粧妙子-最後の事件-」「スミレ16歳 !!」「33分探偵」などのプロデューサーである。まあ・・・キワモノが好きなんだなぁ。

クイズショーの中で回答者の秘密が出題され・・・答えれば恥ずかしいことになってしまうというコンセプトが「マジオネア」だが、それが恥ずかしいじゃすまないことになるのが「ザ・クイズショー」・・・結果的にドラマになります。

まあ・・・その点が微妙といえば微妙ですが・・・まあ、フィクションですから。

まず、最初に「どんな夢も叶えることができる」テレビ番組という発想が幻想です。

テレビにそんな力はありません。そういう意味で・・・少し頭がおかしくならないと悪夢のようなこのドラマにはついていけませんから。

とにかく、深夜版と比べて主人公のビジュアルは確実にかわいくなってます。なんと言ってもバンビですからぁぁぁぁぁぁ。

そして・・・深夜版ではある意味、ぞんざいだったスタッフが重厚になってます。

プロデューサー・冴島(真矢みき)、スイッチャー(田中哲司)、照明チーフ(泉谷しげる)、AD高杉(松浦亜弥・・・あやや・・・愛情イッポン!以来だな)、編成局長(榎木孝明)などです。まあ・・・ある意味、水増し請求のような感じもします。

この後、ゲストは美波→成宮寛貴と続いていく模様。

まあ・・・狂気による狂気のための狂気なドラマとはこのことでしょう。

関連するキッドのブログ『木更津キャッツアイ ワールドシリーズ

で、『真マジンガー 衝撃!Z編・第3話』(テレビ東京090418PM1120~)原作・永井豪、脚本・監督・今川泰宏を見た。まあ、頭のおかしさのヴォルテージもここで超越するのである。だってぜぇっとぉぉぉぉぉぉなのだから。あの鉄人28号おタクを悩殺した「鉄人28号」(2004年)の鬼才が今度は「マジンガーZ」おタクを世界最後の日に連行なのである。

その名は・・・その名は・・・その名は・・・その名は・・・その名は・・・ロォケットォォォ・パァンチィィィィィィ・・・なのである。

この時点で一度・・・死にました。

で、『ERⅫ』を録画してあるのでいつでも正気が取り戻せる体勢で『イケ麺そば屋探偵・いいんだぜ!エピソード2前編』(日本テレビ090419AM0050~)を見た。髪をかきあげるクラブの女ユリ(中越典子)の悩みを解決するために美少女マリ(金井美樹・1996年生まれ・12歳)にかにバサミされたまま一室に消えた潤太郎(藤木直人)を目撃した悪徳刑事・黒田金造(生瀬勝久)は「三人で・・・どんなプレイを・・・」と妄想するわけだが・・・このご時勢に・・・それをセリフにしてしまったら完全にアウトだろうがぁぁぁぁぁぁ。大丈夫なのかぁぁぁぁぁ。そんな心配をするのは邪だからなのかぁぁぁぁぁぁぁ。

ああ・・・土曜日はみんな頭おかしいと思うよ。

関連するキッドのブログ『第1回のレビュー

月曜日に見る予定のテレビ『近野成美のハンチョウ~神南署安積班』『麻生祐未の窓際太郎の事件簿18』(TBSテレビ)『婚カツ』(フジテレビ)・・・太郎、やはりつぶしに来たか・・・。

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (4) | トラックバック (10)

2009年4月18日 (土)

ブタさんがスキスキス~でスマイル(新垣結衣)日本語ペラペラで涙(松本潤)鬼太郎カラス(小栗旬)

脚本家としては「花より男子」で大成功、「歌姫」で大失敗と登り下りの激しい金曜ドラマ枠である。

「花より男子」からは松本潤・小栗旬のツー・トップ。

「歌姫」からは恋敵役の小池栄子をピックアップ。

最強アイドル女優の新垣結衣とヴェテラン・スターの中井貴一を迎えて、「絶対に負けられない」体勢である。

社会的弱者の救済という「鼻につく」主題をあえて設定に反映させるのは失敗の素なのであるのが、そこは反省しないらしい。

日本は世界標準で言えば、豊かな国である。豊かな国は貧しい国に手をさしのぺなければいけない。

この建前と「ギリギリでやってんだ」という本音が交錯するのがお茶の間だからである。

人口の3/4が戦後生まれの日本人には戦前の責任を問われても困惑する気分がある。年間数万人の自殺者を出すほどにサバイバルは痛烈だ。世界的な大不況の渦は必然的に自国民の生活優先感情に到達する。

外国人の犯罪者が麻薬を密輸し、強盗をし、殺人をし、不法入国をしている以上、厳罰をもって取り締まるのは国家の役割である。そこで行き過ぎが発生したら法にのっとってとがめればいいことで・・・ある程度は目をつぶったっていいほどであると感じるものもいるだろう。そこでお涙頂戴を作ろうとすると・・・火傷する可能性があります。

で、『スマイル・第1回』(TBSテレビ090417PM10~)脚本・宅間孝行、演出・石井康晴を見た。現在・過去・未来の交錯するやや分りづらい構成。早くも・・・「歌姫」の失敗に懲りない姿勢です。まあ・・・どうしても・・・というのなら・・・いいでしょう。

五年後(2015年頃)の未来、主人公のビト(松本潤)は獄中にいます。さわやかな笑顔で面会に来た弁護士の伊東(中井)を迎えますが・・・差し入れの大トロが許可されず絶望します。しかし・・・刑務官の柏木(勝村政信)とも湧き合い合いで穏やかな刑期を務めているようです。そして、ビトが冤罪であることが暗示されます。

そして・・・現在(2009年頃)・・・町の弁当屋・町村フーズで働くビトは保護者代わりの社長夫婦(前田吟・いしだあゆみ)を慕いつつ穏やかな生活を送っています。夫婦の一人娘が新米弁護士のしおり(小池)です。

町村フーズは前科ありの人々の社会復帰を助ける企業的色彩を帯びています。仕事仲間の・・・デブに対して偏った性的嗜好を持つ金太は不良だった過去を持っているし、ビトもその一味でした。健児(鈴之助)にいたっては傷害事件で執行猶予中の身上です。

そこで過去(2000年頃)・・・少年だったビトはチーマー同士の抗争に参加しています。ビトの属するチームのリーダーは悪魔のような男・林(小栗)です。敵対するチームのリーダー甲斐(松田悟志)の顔をナイフで切り裂く残忍さ。その後、林は服役、甲斐はヤクザになっています。

どうやら・・・過去に人死にの出る事件があり・・・ビトはそれに関与した模様です。

話の展開ではそこでも「濡れ衣」を着せられた模様。このまわりくどさ・・・それをお茶の間の関心を引き寄せる謎と考えてしまうところに・・・連続ドラマと舞台の構造上の違いがまだ分らないのではという危惧を感じさせます。

しおりの務める弁護士事務所の所長が伊東弁護士ですが・・・彼もまた名前を変えるほどの過去を隠しています。

万引き事件(濡れ衣だったかどうかも実は曖昧)をきっかけにビトに接近する少女・三島花(新垣)は失声症の女子高校生ですが・・・家庭環境やなぜ声を失ったかは謎のままです。

ビトという名前はフィリピン人男性と結婚した日本人女性の母が映画「ゴッド・ファーザー」の主人公・ドン・ヴィトー・コルレオーネからネーミングしたらしいのですが、マフィアのボスの名前を子供につけてしまうという頭の悪さが凶悪レベルだったようです。

しかし・・・その両親がその後、どうなっているのかも謎です。

麻薬事件を調査中の古瀬刑事(北見敏之)はビトを見るなり「フィリピン野郎で人殺しのビト」と連想するほど・・・悪いイメージをもたれているのが何故なのかもまだ謎です。

とにかく・・・周囲の人間には「明るくて真面目で将来の夢である多国籍料理の店を開く」に向かってバンビーノなビトが・・・昔の顔見知りの不良に嵌められて麻薬不法所持の嫌疑をかけられ・・・町を逃げ回り、結局・・・雨の中で警官に包囲されて「オレはなにもしてないー」と泣き喚き・・・つづくです。

だ、大丈夫なのかーっ・・・と心配になる初回でございましたとも。

しかし・・・ブタのぬいぐるみをこよなく愛するガッキーの悩殺的かわいさは大炸裂しているので前日に続いてドクターヘリ・チーム的には大成功と考えることも可能です。

しかし・・・「歌姫」だって相武の可愛さだけは充分だったわけで・・・それだけでは不十分なんだよな。まあ・・・涙の松潤が見れれば満足の人の数にかかっているのか・・・。

関連するキッドのブログ『バンビ~ノ

               『パパとムスメの7日間

で、『名探偵の掟・第1回』(テレビ朝日090417PM1115~)原作・東野圭吾、脚本・大石哲也、演出・宮下健作である。「トリック」「富豪刑事」「時効警察」「キミ犯人じゃないよね」など・・・おふざけミステリの系譜に続くのであるが・・・原作はミステリ作家の自嘲的ミステリ・パロディーである。そのあたりの間口の狭さが微妙なのだが・・・やはり微妙な仕上がりだったな。

しかも、あまり出来がよかったとはいえない他局の「33分探偵」と限りなく近いニュアンスになってしまっているというダメージが加わっている。

たとえば、推理小説には「本格」というジャンルがある・・・ということが常識かどうかという問題なのだ。さらにその「本格」の定義がまた人によってことなるということもふまえておかなければならない。

ミステリのファンは拡大し、そのジャンルも多岐に渡っている。いわば「羊たちの沈黙」から「涼宮ハルヒの憂鬱」までがおしなべてミステリなのである。その本格がどのあたりを本格というか・・・基本的には1000冊くらいミステリを読んでなんとなく体得することなのである。

そういうことをお茶の間に求めるのは無謀なのだった。

「火曜サスペンス劇場」によくあるシーンとかで「崖の上の告白」をおちょくるのとはレベルが違うのである。

まあ・・・仮に「整合的なトリックがあり・・・探偵役の登場人物が事件の謎を捜査によって提示し・・・探偵が推理結果を示す前に読者がその推理を推定できるもの」を本格ミステリと限定しても・・・古典と新作の間に生じる様々な葛藤・・・結局なんでもありになってしまうような微妙さへの粉飾といった趣味的な問題が生じるからである。

日本にもようやく洋風の密室の普遍性が出現しているのであるが・・・和風建築には本来密室になりにくい土壌があったりしたのである。

今回、本格推理の王様として「密室」がとりあげられるのであるが・・・たとえば「鍵」を使った密室トリックへの言及はない。そうすると、鍵密室愛好会からクレームがつくという世界なのである・・・どんな世界だよ。

まあ・・・ミステリ好きにはもちろん・・・そこそこ楽しめる。

主演の探偵・天下一(松田翔太)の二代目二枚目としての線の細いところ、芸人あがりの素人芝居でも面倒見のいいアニキキャラだからなんとかなっているように見えてやはり鼻につくボケ刑事・大河原(木村祐一)、顔が整いすぎていることがいつまでたっても弱点の新人刑事型アシスタント・茉奈(香椎由宇)なのである。

まあ・・・いろいろと微妙なのだが・・・構成的には茉奈の役割が「名探偵にフォーリング・ラブするかもしれないペーパードライバー」であることを前半にふっている以上、それに対応するのがお約束というものなのだ。

後半で探偵と二人きりになったり、探偵が人情話的なオチをつけたりと・・・発情するチャンスは何度かあったのだが・・・スルーなのである。

お約束の初歩から勉強してもらいたいよ。

関連するキッドのブログ『篤姫

日曜日に見る予定のテレビ『天地人』(NHK総合)『ぼくの妹』(TBSテレビ)『バイオハザードⅡアポカリプス』(テレビ朝日)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (4) | トラックバック (14)

2009年4月17日 (金)

酒と男と仕事と私(天海祐希)フラクタル理論に基づく拡大アルゴリズム(戸田恵梨香)変な監察医(吉瀬美智子)

木曜日の夜のドラマは最終的には「ゴーストフレンズ」(「京都地検の女」)→「夜光の階段」→「BOSS」→「LOVE GAME」となるわけであるが、全部に付き合うわけにはいかない。

現在は「ゴーストフレンズ」↗*3.9%、「BOSS」18.1%で数字の上では「BOSS」圧勝である。

まあ、福田沙紀と天海祐希では勝負にならないと言ってしまえばそれまでだが、内容のおバカさ加減ではいい勝負だと思う。

誰もが気がつく「ゴーストフレンズなBOSS」・・・①天海祐希は天海祐希だし福田沙紀は福田沙紀だ。②将来設計よりも恋愛である。③幽霊が見える確率と捜査中の事件の次の犯行現場に偶然遭遇する確率は同じくらい ④役者がカンでもNGを出さないでOKを出す ⑤(キッドの)目当ては水崎綾女と戸田恵梨香である。⑥敵対者は自滅する。⑦ゲストが武田鉄矢と杉村蝉之介(どちらもおタクキャラ)・・・まあ、構造的にはそっくりです。

で、『ゴーストフレンズ・第3回』(NHK総合090416PM8~)脚本・増本庄一郎、演出・梛川善郎を見た。スタッフ交代である。ちなみに脚本家は1999年に解散したお笑いトリオ「インパクト」の一人である。ついでに冨永みーなの夫である。

まあ・・・そんなわけでよりグズグズのシッチャカメッチャカになっています。

一番のポイントは福田沙紀のキャラが途中で「ライフ」モードに変わること。「なよなよした女の子」から「オラオラキャラ」にチェンジするわけですが・・・どちらも福田沙紀の守備範囲ということです。

このドラマはストレートに言えば海外ドラマ『ゴースト~天国からのささやき』のパクリですが、アレンジとしてコミック「絶対彼氏。」が入ってます。まあ、ドラマ「絶対彼氏~完全無欠の恋人ロボット」と言ってもいいでしょう。要するに禁断の恋ものです。ロボットに恋をしてしまうように、ゴーストに恋をしてしまうヒロインという成り行きなのです。

これはある意味「おタク」テーマです。「人間を愛するのがこわいから他のものを愛する」というテーマの展開です。だから「自然」には「反逆」していることになります。

建前では「人間は人間関係が大切だ」ということですが、本音の中には「一人だって生きていける」という発想があります。だって、人間は寂しさで死んじゃうウサギちゃんじゃないんだもの・・・という主張です。

そうなると、かなりアバンギャルドなテーマになっていって、それをどこまでオブラートで包むかが問題です。「疎外されたものあるいは逃避したものの偏愛」はかなりデリケートなゾーンだからです。

とにかく・・・「ゴーストの世界から脱走した恋人・美空(入山法子)を追いかけてきた実体あるゴースト・カイト(西島隆弘)を好きになってしまったヒロイン・明日香(福田)」という輪郭がはっきりした今回。

恋敵である美空は人間に憑依して人生を奪うシステムをゴーストに教授する悪霊として描かれています。

美空システムに汚染されたゴーストはやたらと人間にとりつき、ヒロインとしてはそれを浄化することで、恋敵に敵対していくわけです。

今回は明日香のバイト先の店長・あやか(片瀬那奈)に横恋慕しつつ、事故死したアニメおタク・・・あやかをマチルダではなくイメルダさ~んと慕う・・・ゴースト・隆弘(杉村)を改心させ、昇天させるという話ですが・・・説得力はまったくありません。

しかし・・・ドタバタでなんとなく展開していくので不思議な話としての魅力はそこはかとなく・・・漂います。

「ゴーストが見える」という幻想の世界から・・・「ゴーストの見えない」現実の世界に・・・明日香が回帰するのが正しいのかどうかは別として・・・もう、何がどうなるのか見当のつかないカオスのドラマになりつつあるのは確実と考えます。そこが面白いと思えば面白い。

関連するキッドのブログ『第二話のレビュー

で、『BOSS・第1回』(フジテレビ090416PM10~)脚本・林宏司、演出・光野道夫を見た。現実離れをしているという点では「ゴーストフレンズ」と甲乙つけがたいのですが、それをそうと見せないのがキャストの実力だったり、スタッフの努力だったりするわけです。

設定、ストーリーともにいつかどこかで見た何かに間違いないのですが、それを巧妙にブレンドしているところがミソなのです。

さらに言えば・・・天海主演でそこそこ成功した「離婚弁護士」をそのまま刑事ものに置換したというあざとさが凄みを漂わせています。

たとえば・・・「ゴーストフレンズ」は芸人キャストとしてどちらかといえば芸のある友近を地味に起用していますが、「BOSS」ではほとんど芸はないけれど、ドラマ的にはまだフレッシュなキャラを生かしてケンドーコバヤシをゴリ押しです。画面に登場するたびに芝居をぶち壊していきますが、どうせ芝居なんか期待してないでしょうという姿勢でガンガン飛ばしていきます。セリフはたどたどしいけれど、男の尻を触って気持ち悪いインパクトはかませるからです。

下手だけど地道にキャリアを積んで、ようやく二枚目として大河ドラマで悲劇のヒーローを演ずるまでになった玉山鉄二が一度や二度、呂律がまわらなくてもちっとも気にならないムードを作り上げているわけです。

それを優しく包みこむ温水洋一の薄い頭髪です。

こうなると、引きずられるように脇役陣もいつもより、どんどん下手に見えて来ます。

あくどい警視庁刑事部長(光石研)、腰ぎんちゃく参事官(相島一之)、意地悪な捜査一課第13係の係長(塩見三省)と重厚な盛り立て役たちが・・・主人公グループにあわせたそつない棒演技を展開しているようにさえ見えるのです。

そして・・・主人公・警視庁特別安全対策室(架空)の室長(係長待遇)となった大澤絵里子(天海)をあくまでかっこよくフィーチャーするのでした。ドリームです。誰かの見果てぬドリームです。

まあ、天海の映画デビュー作である「クリスマス黙示録」(1996年)はシアトルを舞台に警視庁から派遣された女刑事・杉村葉子(天海)が爆弾犯と戦うというストーリー。ある意味、これが得意なんだよぉというキャラクターに帰ってきたということです。映画の出来はともかく、天海はかっこよくはまってましたから。

そうなると・・・そつなく天海をフォローしつつ、危機に際しては部下の大澤を矢面に立たせ、結果オーライの場合は自画自賛という・・・調子のいいボスのボスを演じる警察庁参事官補佐の野立(竹野内豊)も引き立て役だし、科捜研出身で駅前から駅までタクシーに乗る女・木元(戸田恵梨香)もケチョンケチョン、まして明星ではなくて花形一平(溝端淳平)は忠実な愛玩動物扱いです。

変な監察医、変な監察医ですから、変な監察医なのですの奈良橋(吉瀬美智子)にいたってはおしゃれ小鉢のムードが漂っています。

そうなのです・・・すべては天海を引き立たせるために・・・というこのドラマ。実に巧妙に構築されています。

そして・・・その天海にしてやったりと思わせるためだけに登場する悪の爆弾魔(武田)・・・。

いたれりつくせりなのですなーっ。その上、謎の男・池上(丸山智己)とアフター・ファイブです。そのうち、おしゃれなランチとかとっておきのスイーツとか言い出すぞ。

まあ・・・とにかく・・・キッドとしては・・・Lになった弥海砂(あまねみさ)というか松山ケンイチものまねをする戸田恵梨香がキュートだったので何の問題もないわけですがーっ。

それにしても木元がチャッチャッと使用するフラクタル理論に基づく拡大アルゴリズムを応用した画像解析鮮明化処理プログラム・・・軍事機密レベルですわな。まあ、あくまで修正処理された画像ですから証拠としては微妙なのですなーっ。そういう意味では音声解析もねーっ。

関連するキッドのブログ『演歌の女王

Hcinhawaii0542 ごっこガーデン。華麗なる刑事の女王クラブ。お気楽戸田さんダルそう・・・天海さんに貧乳キャラとられちゃったからかな・・・ゴーストフレンズの方が全体的にピチピチしているよねまこ戸田ちゃんもきゃわいいし、天海さんはかっちょええ~、まことしては竹さまのお尻だけは絶対にガードするのでしゅ~、ケンコバよるなさわるな~でしゅ~エリはみ出し者をかかえてコミカルで颯爽とした女王様ヒロイン、これは面白いのでスー。後は、ボンテージとムチが欲しいところですyon・・・来週が楽しみでスーアンナ二度見したらより面白かったぴょん、アンナにも分る時計トリックにひっかかる武田さん、捨てゼリフがツボりましたぴょ~んikasama4離婚弁護士からそのままスライドしたようなこのドラマ。火曜日よりイケメン度高し。そのあたりも優秀ですからなのですかっ。公式HPきらびやかで目が☆になりましたくうすっげ~面白い~、こういうドラマを待ってました~。優秀な私とさすがなオレのコンビもいい感じ~。このままガンガン面白くしてくれ~男前な天海さんカッコ良いです。凄いオンチなのはジャイアン?・・・そしてガテン系の丸山さんは彼氏?・・・気になりますみのむしメンバーがめっさゴージャスゥゥゥゥゥな感じ。だけど野立に野口(峯村リエ)に野垣って野で始まる人多すぎ~なのはなぜ~?・・・小技?」あんぱんち個性豊かというか、使い物にならないというか、メンツが濃いわ~。金八先生が犯人だけに事件は荒川周辺で起こるのね~。病院も近所だったのね~。女はみな女優、男はみな下僕なのね~。これはこれからのお手並み拝見だわ~mari事件の取材が忙しくてとのあえずゴーストフレンズですよ」飯綱使いうわーい、ソーリーじゃなくて遅刻しなかったのでありましたーっ。とにかく吉瀬さんはもててもてて困っちゃう役・・・そんなんばっかなのでありましたー、ドルガバのセールに行くってゲイの定番なんですかーミマムわーい、遅刻したっしょ~。マイペースマイペースaki私も私も~。新しいお部屋も作ったので忙しいのです・・・ちーずやはりあらすじ的に大人気ですね。安心して楽しむこのできるドラマでした。おとぼけ要素ありの野立や問題アリの部下たちの成長も楽しみです。皆さん、春ドラマもよろしくお願いします~

土曜日に見る予定のテレビ『ゴッドハンド輝』(TBSテレビ)『』(テレビ朝日)『帰ってこさせられた33分探偵』(フジテレビ)『ザ・クイズショウ『イケ麺そば屋探偵』(日本テレビ)『鈴木杏の遥かなる絆』『ERⅩⅡ』(NHK総合)・・・そろそろか・・・。

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (10) | トラックバック (13)

2009年4月16日 (木)

消えちゃえって云ったら消えちゃった(川島海荷)可愛い婦警不足(内野聖陽)ごめん、裏ですぅ(本仮屋ユイカ)

今後、続けるかどうは別として、水曜日のダンスは

「臨場」(テレビ朝日)・・・・・・・・・・・・・・・14.1%

「アイシテル~海容~」(日本テレビ)・・・13.2%

とそこそこ足並みそろえてスタートである。「臨場」は「ゴンゾウ」からの流れを考えてもセーラー服も似合う婦人警官・本仮屋ユイカが絶対にかかせないと思うのだが、裏番組に復活した水曜劇場「夫婦道」*9.2%が来て、続編で娘役だったので断りきれなかったのであろう。

「夫婦道」を大人しく木曜9時ワクでやっていれば、きっと水・木と本仮屋だったのにな・・・。

それにしてもTBSテレビ、「夫婦道」がこの日の最高視聴率番組である。つまり・・・朝から晩までヒトケタだったのだ。・・・大丈夫か?

おそらく、局的にはCNNのようなニュース専門チャンネルとしての特殊化による生き残り戦略なのだろうが、天下のNHKがある日本では仇花だと思う。いや・・・花咲いてないけど。

ただでさえ、オウム真理教による殺人事件に関与して以来、報道機関としての価値は回復していないのに無謀とさえ言えるだろう。・・・バッカじゃねえの。

もちろん・・・他国資本による実質支配がより可能になっていくわけであり、ある意味危険領域である。

その報道姿勢はさらに注意深く観察する必要があるだろう。

で、『臨場・第1回』(テレビ朝日090415PM9~)原作・横山秀夫、脚本・坂田義和、演出・橋本一を見た。長女の未成年喫煙問題で所轄署の署長の地位を失ったキャリアの捜査一課管理官が立原警視(高島政伸)である。一方、伝説の刑事ゴンゾウは警視庁の倉石検視官(内野)になっている・・・おい。

まあ・・・とにかく・・・山本勘助、ゴンゾウと続き、男らしげな芝居がくどい内野ドラマである。影響を受けて、周囲もどんどん大芝居になっていき、耐え難い人には耐え難いのでほどほどにしてもらいたい。

どこかの所轄にいるゴンゾウと倉石検視官が遭遇して一人二役をやり、すこし役柄の幅を拡げてもらいたい気がするゴンゾウな倉石であるが・・・まあ、いいか。

裁判員制度の実行によって・・・より・・・明らかな証拠が求められる方向の犯罪捜査。変死体を扱う捜査において初動捜査における検視官の役割は重要である。

死体がどのジャンルに属するかの判定(見立て)は捜査方針に関る問題だからだ。

その見立ての達人が倉石である。倉石が「自殺」と断定したら自殺。「他殺」と断定したら他殺。「事故」と言ったら事故なのだ。

この決定を不服とするのが捜査の指揮をとる倉石警視。つまり・・・縄張りを侵食されている気がするのである。ちなみに原作では捜査一課長のネーミングは高嶋だった。指導官として立原も登場するが、ドラマの立原の性格は高嶋課長を反映している。配役が的を得ているような気がするのは当然なのである。

さて、ついでに原作では離婚歴のある倉石は妻・雪絵(京野ことみ)と死別している。その妹がいきつけの店バー「かくれんぼ」のママ・真里子(伊藤裕子)である。エンケンに引き続き、秘境の温泉街の女将で東京のバーのママである。犯罪の匂いがします。

倉石を慕う検視補助官が小阪巡査部長(松下由樹)だ。同僚に検視官を腰掛と考える一之瀬警部補(渡辺大)がいる。

特ダネを求める新聞記者・花園(金子さやか)が一番の若手。女性陣にはマッサージ上手な出入りのクリーニング屋(松金よね子)が配置されている。・・・どんな配置だよ。

・・・ほら・・・本仮屋ユイカ・・・絶対不可欠だっただろう。ゴンゾウなんか、その上に前田亜季とか池脇千鶴までサービスされていたのである。

木南晴夏とは云わないが、前田愛とか大村彩子とか末永遥とかいつものメンバーまだいるじゃんか。

とにかく・・・純情で・・・正義を愛する・・・若い女の子ワクが空いてます。・・・まさか松下由樹で処理するつもりなのか・・・。

本日の事件①「痴情のもつれから愛人に監禁された男がダイイングメッセージを残し他殺にみせかけた自殺・・・紛らわしいダイイングメッセージだったため無実の女(筒井真理子)が逮捕寸前」

本日の事件②「不倫関係の男女が煙草のフィルターの血痕を口紅と勘違い青酸カリで無理心中」

オリジナルと原作ネタをまぜこぜにして破綻寸前だがなんとかまとまった・・・今後の展開は脚本次第であるな。とにかく・・・新米女刑事の移動は必携。

ちなみに検視官は警察官の担当職名。犯罪性の有無を究明する。

監察医は監察医制度のある行政区で行政解剖を行い、死因を究明する。

法医学教室では犯罪の疑いのある死体を司法解剖するが、監察医がこれを行う場合もある。

鑑識課は検視官の教育を担当することがある。警察犬の訓練も行う。

科学捜査研究所は科学的に鑑識課のバックアップを行うが独自に科学捜査を行う場合もある。

このあたりの組織構成は警視庁および県警によってまちまちである。つまり・・・国民は平等には捜査対象になりません。

ともかく、検視官、監察医、鑑識課、科捜研のテリトリーは紛らわしいのでご注意ください。

本当に警察は一筋縄ではいかない組織だよ。

関連するキッドのブログ『ゴンゾウ

で、『アイシテル・海容・第1回』(日本テレビ090415PM10~)原作・伊藤実、脚本・高橋麻紀、演出・吉野洋を見た。「海容」とは海のように広い寛容の意味で日本語です。当然、「人を殺しても許してあげる」・・・ということに通じるのだと思われ、とんでもない発想のドラマであることは間違いありません。キッドは「殺人」は絶対的な悪ではない。そして無法な「殺人」は絶対に許されないという立場ですので、いきなり眉をひそめるタイトルです。しかし、「殺人者の死刑を執行するものは殺人者ではないのか」という幼稚な設問に答える段階としては実にスリリングなテーマのドラマと言えるでしょう。

「小学生5年生の野口智也(嘉数一星)が小学生2年生の小沢清貴(佐藤詩音)を殺害。その後、加害者の家族と被害者の家族はどうなる」

実際、小学生が小学生を殺害した事件が発生後、創作された漫画が原作です。

だから・・・リアルといえばリアルな作品であり、子供を持つ親にとっては被害者・加害者双方の立場でゾッとできるエンターティメントになっています・・・おい、それ以上、言葉を選ぶなよ。普通に「考えさせるドラマ」とかでいいだろう。

さて、殺した側は野口家。妻・さつき(稲森いずみ)はパートで働く兼業主婦。それほど貧しい家ではないが、息子の教育にお金がかかっています。そのためにややオーバーヒート気味です。夫の和彦(山本太郎)は商社マンでありがちな育児と家事は妻まかせの一昔前の主流タイプです。

妻は最近、反抗的な子供に手を焼き、塾をさぼった子供を問い詰め「人を殺していた」と子供に答えられても冗談としか考えないし、夫は妻に命じられて子供とキャッチボールをしますが、将来の夢を子供に尋ねて「もう手遅れ」と云われ呆然とします。

一方、殺された側は小沢家。妻・聖子(板谷由夏)は専業主婦。うっかり勘違いして子供の下校時にランチを食べてしまったために締め出された子供が殺害され、罪悪感の虜に。夫・英昭(佐野史郎)は公務員。変態ではなく従順な父親の方で行く模様。そして被害者を「うざく」感じていた姉・美穂子(川島海荷)は中学2年生。ブラッディ・マンデイ以来、凶悪犯罪に巻き込まれる体質らしい。患者→患者→被害者家族→被害者家族です。誰か幸せにしてやってください。

加害者の母の方が主役視点なので、加害者の母の実家が登場します。とりあえず今回は独身の妹・森田彩乃(田畑智子)登場。ちなみに姉妹の母(藤田弓子)です。

母親と子供の様々な例を提示するために、取り調べる側に家庭裁判所調査官・富田葉子(田中美佐子)が登場。14才の母の母から一転、第三者のポジションをキープです。小学4年生の息子・健太(吉川史樹)がいるので他人事ではない感じを振舞うのでしょう。

さて・・・この事件にこそ・・・検視官チームを派遣して「他殺かどうかを認定する作業」から入ってもらいたいところですが・・・ここで大芝居されても困るので司法側はあくまで地味で穏やかなメンバー構成です。

警視庁捜査一課・菊池刑事(ダンカン)、佐伯刑事(高山猛久)、小泉刑事(小松和重)です。どんな事件も静かに淡々と捜査し、運不運で解決したり未解決に終ったりするムードが漂っていてリアルです。

まあ・・・なるようにしかならないドラマだといえますが・・・たとえば、交通事故、たとえば堕胎・・・たとえば自殺・・・人が人を殺す機会はすぐそこにあるというシミュレーションとしてはとてもスリリングだと考えます。

長男出産したばかりの板谷に対し、未婚の稲森である。女優魂が試される配役と言えるだろう。

まあ・・・人生、一寸先は闇なのでございます。

関連するキッドのブログ『14才の母

衝撃的すぎて泣いちゃったあなたはコチラへ→ミマム様のアイシテル・海容

金曜日に見る予定のテレビ『桜井幸子のコンカツ・リカツ』(NHK総合)『新垣結衣のスマイル』(TBSテレビ)『エンケンの湯けむりスナイパー』(テレビ東京)『香椎由宇の名探偵の掟』(テレビ朝日)・・・さて・・・生き残るのは・・・誰でしょう。

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (2) | トラックバック (13)

2009年4月15日 (水)

紺野まひると大橋のぞみが重なるところが白い春(白石美帆)サービス!サービス!(堀北真希)

火曜日はドラマ対決の日なのだが・・・ついにフジテレビと関西テレビの対決のみになってしまいました。

ちょっと淋しいぞ。変わって水曜日のダンスが変則になっており・・・計測が難しくなっている。流れとしては日テレ有利になるわけだし。

まあ、とにかく、①「アタシんちの男子」14.1% ②「白い春」13.7%でスタートである。

ちなみに関西地区では①「白い春」15.8% ②「アタシんちの男子」15.3%と逆転しています。

ややトリッキーになりがちな武藤将吾とややメランコリーになりがちな尾崎将也という、男性作家二人の味わい比べも楽しめます。・・・そんなところを楽しむ奴は少ないわっ。

ちなみに尾崎は「ラブジェネレーション」→「アットホーム・ダッド」→「結婚できない男」、武藤は「電車男」→「花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス」→「シバトラ~童顔刑事・柴田竹虎」っていう感じでございます。

まあ・・・ある意味、いつも通りです。

で、『アタシんちの男子・第1回』(フジテレビ090414PM9~)脚本・武藤将吾、演出・松田秀知を見た。主人公がホームレスの堀北真希。周囲のホームレスはイケメン揃いというコンセプトでもよかったと思うのだが・・・それはあんまりだという意見があったのだろう・・・シンデレラその後の物語になり・・・さらにファンタジーな展開にたどりつく。まあ・・・そんなこんなでゴチャゴチャした設定になっているような気がします。

峯田千里(20)は1億円の借金を抱え、女の武器で借金返済を迫る組織に追われる身の上。顔を汚し、ボロをまとい、住所不定のホームレスです。

母親は病死、借金を残し家族を捨てた父・徹(鶴見辰吾)は行方不明。

千里が脱衣・シャワー・シーンのサービスタイムに使用するネットカフェには高校の同級生・国士(つるの剛士)がいて・・・悲劇のヒロインを影から支えています。

そこへ・・・やってきた借金取りのこわい人たち。たちまち始まる鬼ごっこ。まあ、定番です。

それを上空から見守っていた大富豪・大蔵(草刈正雄)は・・・千里に一目惚れ・・・1億円の借金返済を餌にプロポーズ。この辺りは「私を旅館に連れてって」を連想します。

そして・・・大蔵は一ヶ月後に死亡・・・二人がどのような性生活を送ったかはヒミツです・・・ところが都会上空での散骨の儀式が終了すると・・・大蔵の秘書・時田(山本耕史)と顧問弁護士・小金井(高島礼子)が登場。

隠された契約内容を示すのです。

千里がサインしたのは一回ですが・・・それが「1億円の借用書」→「婚姻届」→「いろいろ面倒くさい契約エトセトラ」と発展していくという変則のくりかえしのギャグです。

すっかりコメディー女優の貫禄のある堀北なので不服のリアクションをしつつ、軽く流れに身をまかせるという芸達者を見せます。こういうことが簡単にできるからこんな役ばかりやらされるという考え方もあります。

さて、このドラマはヒロインに対しイケメンだらけの例のジャンルに属するわけですが・・・学園ものではないので横並びではない年齢別イケメンの発想をしています。

しかし・・・老婆心でいえばこれは間違っています。必要なのは甘い学生時代を彷彿させるピチピチのイケメンのよりどりみどり状態なのです。しかもとびっきりが四人くらいがいいのです。「ごくせん」「ウォーターボーイズ」「花より男子」「イケパラ」と成功例は皆、そうなっています。「メイちゃん」とか「セレブ」とかが伸び悩むのはアレンジが過ぎて換骨奪胎が失敗しているということです。

まあ・・・とにかく、亡くなったセクスィー取締役は別格として執事コースとしては土方歳三が用意されているわけです。

若き未亡人・静寛院(堀北)、弁護士・仙桃院(高島)、秘書・土方歳三(山本)・・・大河ドラマかっ。

まあ・・・堀北が脱衣・シャワー・粉まみれ・爺(田山涼成)に馬乗り・赤いチャイナドレスとイケメンドラマの男性対策用サービスをするので高島も対抗上、スーツからバスタオル巻きのサービスをします。このあたりの手加減も間違っています。まあ、面白いからいいか。

さて、間違ったイケメン選びの第一弾としては国士(つるの)もいるわけですが同僚に真島(永山絢斗)もいます。ザコ・イケメンとしてはまあまあのコンビです。

さて・・・本題の「1億円の借金免除の条件が母親として残された遺児(すべて養子)と三ヶ月暮らすこと」です。秘書・時田は「六兄弟すべてイケメンです」というのですが・・・虚実入り乱れておりますな。

まず・・・長男・風(要潤)・・・もはやイケメンではなく変態キャナメくんです。

次男・猛(岡田義徳)・・・うっちーです。

三男・翔(向井理)・・・ホストですが、山田優の匂いがします。

四男・優(山本裕典)・・・オカマですが・・・キモカワです。

五男・智(瀬戸康史)・・・ひきこもり高校生ですが・・・仮面ライダーキバ(テレビ朝日)だし・・・テレビ版恋空(TBSテレビ)のヒロですが・・・ある意味・・・お前誰だよ・・・状態です。

六男・章(岡山智樹)・・・中学生ですが・・・歌のおにいさん(テレビ朝日)からココなので・・・子役に毛が生えた程度です・・・おいっ。

・・・・・・・い、イケメンいねえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ・・・じゃないですか。

まあ・・・キッドとしてはマキマキがかわいければそれでいいんですが。

ともかく・・・ヒロインが妙なパワーと変な道具で子供たちの心を半分くらいつかんだ初回でした。変な感じのアイドルドラマとしてはまあまあですが、イケメンよりどりみどりドラマとしては大失敗の予感がします。

関連するキッドのブログ『イノセント・ラヴ

で、『白い春・第1回』(フジテレビ090414PM1010~)脚本・尾崎将也、演出・三宅喜重を見た。こちらは上杉謙信が死んで、阿部寛・主演である。コメディーではありませんをスタッフが強調するのだが、シリアスともコメディーとも言えないドラマでいいじゃないかと思う。たとえば「結婚できない男」はどっちなんだという話だ。

脚本家は先行系に君塚良一がいて・・・どちらかといえばハリウッド映画の「手口」を研究しつくすタイプである。ある程度「いつかどこかで見たシーン」をいかに自然に再現するかが腕の見せ所になるのである。ダメな父親と幼子といえば「ペーパームーン」(1973)があり、人殺しと少女では日仏合作だが「レオン」(1994)がある。だが・・・シチュエーション的にはドラマ「銭ゲバ」そのものということもできる。すべての創作は模倣であるから、こういうカブリというものは必然である。そのルーツを探っていくのもドラマの楽しみである・・・そういう人も少ないと思うぞ。

「銭ゲバ」ではダメでクズな父親がいて・・・天使のように善良な母親がいて・・・子供は悪魔のような銭ゲバとなる。

しかし・・・「白い春」ではダメでクズな父親・・・ヤクザで殺人者である・・・が主役で・・・母親が病死するのは同じだが・・・娘が天使として再生するのである。

初回では・・・娘・さち(大橋のぞみ)が春男(阿部)と真理子(紺野まひる)の娘であることは説明されないのだが・・・少なくとも、真理子が春男にそそぐ眼差し、むける笑顔をさちが見事に再現しているので話の展開は読めるのである。

さちを演じる大橋は本来、子役だがジブリアニメの主題歌歌手を射止めるだけの天性の存在感を持っている。いくつかのトークショーのゲストとしてのトークを見ていると流石に発掘される人材だよなぁ・・・と舌を巻くことがあるのだな。たとえば紅白歌合戦の直前にラジオ番組の「アニソン三昧」にゲストと登場した大橋は多くのアニソン関係のスタジオゲストの中で際立った光彩を放っていた。「ね~」なのである。

だから・・・今回・・・何の説明もなく・・・母と同じように春男に対する娘を演じきっていることに違和感がないのである。・・・やるなあ、という感じです。

ともかく・・・前番組「トライアングル」が脇をギッシリと固めたキャスティングに対し、こちらはサラッとしたキャスティングと言える。

おそらく「さち」の育ての親であるパン屋・村上(遠藤憲一)、エンケン、夜は元スナイパー、昼はパン屋だ。

真理子の妹で育ての母の佳奈子(白石美帆)・・・陣釜さん・・・どんな役でもそつないよね。

ヤクザ仲間のバーテン・安岡(デビット伊東)、その情婦・圭子(中島ひろ子)。

行きずりのホームレス少女・栞(吉高由里子)・・・かぶってます。

そのストーカー・勇樹(遠藤雄弥)・・・「ヴォイス」からここ。

・・・安くあがってる感じである。

それだけに・・・芸達者がそろっているのである。

一歩間違えれば過剰にも見える出所した殺人犯の元ヤクザの春男の扮装がギリギリピエロにならないでいられるのは・・・周囲のほどよく抑制された演技力によるものだろう。

とにかく・・・「病気の恋人の治療費のために殺人を請け負ったのに・・・恋人は死に・・・金の使途は不明・・・自分が刑期を務める間に・・・恋人の男が使いこんだ・・・しかも別の女と幸せになっている・・・」と妄想を膨らませた春男は「800万円くれよ」と村上のパン屋にねじこむのだった。

それをやんわりとうけとめる村上。どっちがヤクザだか分らないとよく言われるだろう。

村上と真理子、真理子と佳奈子の関係もまだ謎を残しているが、少なくとも村上は「さち」のために訪れた春男を遠ざけたいと考えている。足の不自由な男のことを真理子から聞いてるからである。

しかし・・・運命は・・・スーパーナチュラルな方向で・・・春男とさちを引き合わせるのだった。

そして春男は鼻の穴から四葉のクローバーをたらすのである。

一方で・・・もう一人の家なき子・栞は「平凡ではない幸せ」を求めてもう一つの車輪を回すのである。

翼の生えた薄倖の父娘と・・・ちっぽけな幸せも手に入らないから大言壮語する若い恋人たち・・・この両輪が・・・そこはかとなく悲喜劇を展開することは確実の模様である。

はたして・・・最終的にこのドラマに感動の天使が舞い降りるのかどうか・・・今はまだ五分五分というところだと考えます。とにかく・・・「パン屋め~」ということです。ね~。

関連するキッドのブログ『結婚できない男

木曜日に見る予定のテレビ『ゴーストフレンズ』(NHK総合)『リセット』(日本テレビ)『戸田恵梨香のBOSS』(フジテレビ)上杉景虎はここへ。

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (4) | トラックバック (15)

2009年4月14日 (火)

エンジェル神様なにするのエゴイスト雪女キック!(吉井怜)ハンチョウ泣き落とし!(佐々木蔵之介)

さて・・・春ドラマも始まったわけだが・・・できる限り・・・一日複数本を回避したい今日この頃である。

月曜日は「ハンチョウ」VS「婚カツ!」になるわけだが・・・黒谷友香と上戸彩だ・・・どうしよう。しかも来週、「ハンチョウ」ゲストは星野真里である。・・・そういうところかよっ。

本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「宇宙戦争」16.3%(超おもしれ~続編作ってくれ)、「中村俊介の浅見光彦・後鳥羽伝説殺人事件」12.7%(梅宮万紗子がいきなり絞殺死体)、「必殺仕事人2009」↗10.4%(浅野ゆう子が最後に絞殺死体)、「コンカツ・リカツ」↘*4.5%(女優陣に対し男性陣の華なさすぎ~)、「ゴッドハンド輝」*8.0%(RESCUEよりは面白いよ)、「駅路」15.6%(向田邦子で松本清張って反則だよね)、「33分探偵」↘*6.7%(やめておけばいいのに・・・マジンガーZには勝てないよ)、「タクシードライバーの推理日誌」11.7%(新妻・東ちづる(48)と童顔・林泰文(37)の恋って・・・シュールすぎる)、「天地人」↘19.6%(さよなら相武・玉鉄・・・)、「レッドクリフPart1」19.9%(カンウ・チョーヒ・チョウウン無敵)、「ホームレス中学生2」*7.7%(相手が悪かったよね)・・・ついでに「ハンチョウ」10.2%・・・以上。

で、『エゴイスト~egoist~』(フジテレビ090406PM0130~)脚本・小森名津、演出・島崎敏樹(他)を見た。裏番組のドラマが消失して・・・一人野を行く昼ドラマである。母親違いの姉・明里(吉井怜)と妹・香里(宮地真緒)、実は明里の実の母親は大女優の玲子(川島なおみ)であり・・・育ての親は元・女優の綾女(山本みどり)で香里は綾女の実子である。生みの親と育ての親との間で葛藤する明里・・・ドロドロである。吉井怜は不治の病から奇跡の生還、11年ぶりに主役である。そして香里は女優になる野望に燃え・・・姉の変わりに玲子の実子になりすます・・・さらにドロドロである。今週は宮地真緒が主役みたいです。・・・おい、一日複数本回避の誓いはどうしたっ。

で、『ハンチョウ~神南署安積班・第1回』(TBSテレビ090413PM8~)原作・今野敏、脚本・石原武龍、演出・酒井聖博を見た。「ナショナル劇場」から「パナソニックドラマシアター」に変わって最初の現代劇。刑事ものとしては「特命!刑事どん亀」以来だが、テイストとしては「こちら本池上署」に近い感じでございます。まあ・・・シリーズ化していた「こちら本池上署」が署長の長女の喫煙事件以後・・・消滅しているためか・・・今回、主役の班長はバツ一の独身設定である。

安積(佐々木)警部補は刑事課強行犯係・係長で村雨(中村俊介)、須田(塚地武雅)、水野(黒谷)、黒木(賀集利樹)、桜井(山口翔悟)らを率いる安積班の班長である。

ちなみに上司は金子課長(田山涼成)、悪友は白バイライダーの速水(細川茂樹)だ。

一人娘はナース涼子(渋谷飛鳥)で寮生活。

新聞記者は山口(安めぐみ)。

いきつけの店は和食処「磯樽」で女将(奥貫薫)、店員の遥(近野成美)である。

遥にたどりつくまで長いです。

まあ・・・一回目は孤独な老女(市原悦子)が寂しさを紛らわせるために犯罪者をかばったり、男に貢いだりしてしまうのをハンチョウたちが暖かく見守るという・・・ある意味定番の物語。まあ・・・「罪を憎んで人を憎まず」のテイストが好きな人向きでございます。

ヒロシの店で働くホストの息子が水商売の女性と結婚を母親に報告。反対した母親ともみあいにあり、母親が転倒、母親死亡。通りががった貧しい路上シンガーが死体からサイフを失敬。恋人が妊娠していてお金が欲しかった。サイフを捨てるシンガーを老女が目撃。

一度だけシンガーと恋人に優しくしてもらったことのある老女が罪をかぶる覚悟で自首なのである。

ま・・・起訴されて・・・「やはりやってませんでした」とか言われたら・・・と思うとゾッとする安積班なのである。

ま、そういうこともすべて飲み込んでいく物語なので「ゴメンですんだら警察いらないよ」と思う人には不向きです。キッドも「不法入国は不法入国だろうが」と思うタイプなのでこのドラマの先行きは些少の心配があります。

ま・・・扱う犯人次第でございますけどね。

関連するキッドのブログ『妖怪大戦争

水曜日に見る予定のテレビ『臨場』(テレビ朝日)『アイシテル・海容』(日本テレビ)『谷村美月の探偵Xからの挑戦状』(NHK総合)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (0) | トラックバック (2)

2009年4月13日 (月)

仁義なき天地人・越後死闘篇(妻夫木聡)散華供養(相武紗季)ブエナビスタかな(玉山鉄二)

春の彼岸花(狂い咲き)に見送られ、愛妻・華姫(相武)をお姫様抱っこして愛児・道満丸(村山謙太)の待つ冥界へ旅立つ上杉景虎(玉山)・・・キレイにまとまったのか・・・?

それにしても気になるナレーションは「景勝と同盟した武田が北条(ほうじょう)の行く手をはばんだのでございます」・・・だな。いつ、どこで、武田と北条が開戦したのか?

実は武田と後北条氏の開戦は景虎の死後である。ただし、若干の兵は越後・上野国境戦に参加している可能性はある。

このあたりの時系列を脚本家の裁量で前後させるのは大河史上最高の脱力系ドラマにとってお茶の子さいさいであることはいうまでもない。

史実的には景虎と最後をともにし、自害あるいは討ち死にしたと思われる景虎の母の義兄・遠山康光がすべての悪業を背負って関東に脱出していくという奇想天外さも笑って受け入れる度量がお茶の間に求められています。もちろん、遠山康光の娘のお徳の生んだ、道満丸の姉とか、華姫の生んだ道満丸の弟・源桃丸や妹の郷姫が最初から存在しないことになっているのもドラマではよくあることでございますからーっ。

まだまだ高い視聴率↘19.6%は歴史珍説愛好家の力も大きいのである・・・おい。それにしても日本海側の上杉氏に対して太平洋側で勢力を伸ばし、北条氏に対抗、後に秋田に移封される佐竹氏の子孫の佐竹敬久県知事当選のニュース速報炸裂はミラクルでしたーっ。

で、『天地人・第15回』(NHK総合090412PM8~)原作・火坂スーパー雅志、脚本・小松ウルトラ江里子、演出・高橋ミラクル陽一郎を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。まあ・・・実質二行ですけどーっ。今回は、景虎の哀愁の終焉名演技に卓袱台罵倒は停止。まあ、阪神のアニキも一試合三ホーマーまでですから。こちらでもうひとつの御館の乱の真相も語ったので納得でございますかな。ともかく、美形武将ナンバーワンの呼び声も高い景虎の最期はまあまあ満足されたということでございましょうかぁぁぁぁぁ。越後上野国境争奪戦とか、元関東管領上杉憲政とかどこいったぁぁぁぁぁということはさておきですな。さて今回の特別付録は「武田滅亡原因の解明・後編」です。武田・上杉同盟という・・・いわば戦国最強同盟がなぜ・・・機能しなかったのか・・・まあ・・・すべてはご時勢というものかもしれませんが・・・徹底分析でございます。まあ・・・一部脚本家には画伯の爪の垢でも煎じて飲んでもらいたい今日この頃です。

Tenchijin1579 武田勝頼と上杉景勝の同盟締結のなった天正六年(1578年)秋から・・・御館の乱は跡目相続争いから・・・越後国主・上杉景勝による反乱者・上杉景虎の一味鎮圧へと趣きを変えていく。その最初の転機は晩秋の上田城攻防戦にあった。越後国内の景虎支持勢力を味方につけ、越後に侵入した後北条氏照は荒山城、樺沢城を攻略し、越後国境の要・坂戸城への攻撃を開始します。攻撃側は一万、守備側は一千。ドラマ冒頭で兼続が登る八海山から南西に伸びる山塊の果てが坂戸山、その麓にあるのが坂戸城で上杉謙信が攻めあぐねた(当時の城主・長尾政景と和睦)要塞である。当然、後北条・上杉景虎方連合軍もここで足止めを食らうのである。上田衆と呼ばれる旧・上田長尾家家臣団は鉄壁の結束で連合軍の侵攻を食い止める。景勝政権が外国(武田家)の承認を受けた以上、ことは相続争いではなく・・・後北条氏による越後侵略の意味合いが深まっている。現実の侵略の脅威に対して眠っていた愛国心が呼び覚まされるのは現在過去未来・・・変わらざる心情と言えるだろう。

しかし、領土問題では実効支配が問題となるのは言うまでもない。坂戸城以南までが後北条の支配領域になるかどうかは重要な問題だった。数で上回る後北条勢は坂戸城に猛攻をかける。しかし、上田衆を率いる栗林長門守はしぶとく城を守り抜く。

落ちない城を前にして・・・北条(ほうじょう)氏照は景虎方の北条(きたじょう)輔広(高広の実父)に愚痴をもらした。

「坂戸の城は堅城でごさるな・・・」

中越地方から関東にかけて勢力を広げる北条(きたじょう)の一族を束ねる輔広は無言で頷いた。坂戸城の以北の中越地方と以南の上野国を繋げば、中越の実行支配は完成する。しかし・・・包囲攻城を開始して・・・二ヶ月・・・迫る冬を前に坂戸城は陥落しなかった。

輔広は風向きが変わっていることを肌で感じるゆえに口ごもる。氏照は輔広を眺めながら警護の侍に目配せする。

現れたのは一人の武将であった。

「これは・・・本庄秀綱殿・・・しかし・・・新左殿は御館に在城のはず・・・」

氏照は笑みをもらす。

「このものは・・・相州乱破の手のものでござる・・・」

「すると・・・風魔・・・」

「ふふふ・・・輔広殿の目を欺けるとあれば・・・よかろう・・・このものを和睦の使者となして・・・坂戸に送り込み、城内のかく乱をいたしまする」

変化の術で本庄秀綱に成りすました風魔の夜叉丸は使者として供を連れ、坂戸城へ向かう。その背後には伏勢が続き、火の手とともに坂戸城へ乗り込む手筈だった。

しかし・・・坂戸城からは樋口衆の忍びが北条の陣営に潜入していたのだった。

この情報を持ち帰ったのは樋口おきたであった。お藤亡き後の樋口くのいち衆は泉夫人が仕切っているが・・・おきたも小頭として母親ゆずりの実力を発揮している。

「本編で出番はないけれど活躍しています」とおきたは意味不明なことをつぶやきつつ・・・城方に戻っていった。

やがて・・・夜叉丸は樋口衆に囲まれ惨殺された。伏勢に城方の武将が襲い掛かる。遭遇戦となった坂戸城一の門口は城方が乱戦に引きずり込まれる。

栗林長門守は深追いを諌めるが、城方は結局釣りだされる形になった。

「いかん・・・」と不安に襲われた長門守が爪を噛みはじめた時、後方の浦佐城から景勝方の清水藤左衛門の援軍が到着したのだった。横手を突かれた攻め手はついに敗走を開始した。

「ひけひけ・・・ひくのじゃ・・・」と指示していた栗林は一転して叫んだ。

「攻めろ・・・こうなったら攻めまくれ・・・」

北条勢は壊乱した。

この敗戦により・・・攻守は一転し・・・北条勢は侵略拠点である樺沢城に押し戻されたのである。

やがて、樋口衆を中心とする上田の忍び衆は調略を開始する。景勝側に武田家がついたことはたちまち・・・景虎方の武将に変心を促した。天正六年暮れ・・・景勝と勝頼の妹・菊姫の婚儀が公式発表されると・・・樺沢城に篭る景虎方の長尾景憲は一族とともに脱出・・・坂戸城の戦列に加わった。すでに戦局は変化していた。

天正七年。二月一日。景勝は「謀反者・景虎の追討の陣ぶれ」を発する。

これを受けて坂戸城の景勝勢は樺沢城を急襲、数日で樺沢城の奪還に成功する。これにて越後から後北条氏の勢力は放逐された。

景勝勢は御館を包囲し、兵糧攻めの体勢を整えた。元の関東管領上杉憲政は自分が種をまいたこの乱の行く末を案じ始めていた。

「景虎殿・・・もはや戦機は逃げていったようじゃ・・・ここは降るが肝心よ・・・」

「なんと・・・越後の跡目はそれがしに・・・と仰せたもうたのはご祖父殿(憲政)ではありますまいか・・・」

景虎は故事にある四面楚歌の意味を知った。

嫁いだ娘と三人の孫かわいさに御館で暮らしている仙桃院の元に直江忍びの頭領であるくのいちお船が忍んできたのは孫娘の郷姫のために飾った雛人形をしまっている最中であった。

「お船か・・・戦況はどうじゃ・・・」

「越後国境は北条輔広殿討ち死に。景勝様方が抑えましてございまする。すでに御館の兵糧も尽きせし頃と存知まするが・・・先月には猿毛城から直峰城への兵糧を上野衆が強奪、姉姫様の婿、畠山義春様が軍勢が上条城から北条(きたじょう)城を攻め、北条高広殿は逃亡いたしました。また先ほど、御館の外では北条景広殿が首をあげられました。そしてわが夫信綱は与板城から琵琶島城一帯を制圧いたせしゆえ・・・御館には米一粒も届きはいたしませぬ・・・残るは三条城の神余殿、栃尾城の本庄殿が篭城いたしておりますが・・・」

「もはや・・・これまでじゃな・・・」

「景勝様は・・・華姫様のお命は助けまいる所存です・・・」

「夫を討たれるのは仕方ないこととして・・・わが子の命を奪われて・・・華姫が命永らえることあろうかの・・・」

仙桃院の目に暗がりが広がる。弟と夫が争い・・・夫の死後・・・弟にわが子を預けた仙桃院の心には成り行きが見えていた。

すでに御館の外には景勝の軍勢が満ちていた。一ヶ月におよぶ数度の合戦で越後府中の町は灰塵に帰している。

その中を上杉憲政と少数の家臣団が強奪した道満丸を連れ春日山城に向かっている。

「これやこの・・・命ばかりは助けてたもれ・・・ここに景虎が嫡男を奪ってまかりこした・・・我は元の関東管領・上杉・・・」乱の元凶の居所を聞きつけた樋口衆が殺到する。指揮をとるのは泉小太郎である。上杉憲政は原型を止めないほどに八つ裂きにされた。幼い頃の華姫の面影を残す道満丸が小太郎を見上げる。「与七(小太郎)か・・・わしは腹を召すじょ・・・介錯してたもれ・・・」

道満丸は小太刀を腹に突き当てた。

「痛いの・・・」

「道満丸様・・・御免」

小太郎は幼子の返り血を浴びながら目頭が熱くなった。

総攻めの喧騒の中、すでに幼い次男と長女の喉を掻ききった華姫は懐剣を自分の喉に当てていた。坂戸城から華姫に付き従った侍女が居室に火をかける。華姫は無言で倒れ伏した。

血路を開いて、上杉景虎は鮫ヶ尾城を目指していた。しかし・・・群がる追っ手は無数である。

すでに風魔衆も撤退し・・・周囲に残るは義理立てと帰る所領を失った故の落武者ばかりである。

景虎は満身創痍であった。

「伯父上・・・」と遠山康光に呼びかける。しかし、寸前まで側らにいた康光は草むらに屍をさらしている。

「華よ・・・」景虎は妻の名を呼んだ。ほんの・・・一年前に・・・仲むつまじく暮らした日々が蘇る。「どこで・・・誤ったかの・・・俺は・・・」

景虎は謙信から贈られた小太刀を抜こうとした。そこで暗闇が訪れた。

春日山城で景虎の首を検分した景勝は・・・祓いの所作を終えると口元に笑みを浮かべ・・・そして眦に涙をにじませた。

景虎落命の知らせを受け、武田勝頼は上野への進出を真田衆に命じた。約束の土地を得るためである。やがてそれは北条氏との手切れに発展していく。

「しかし・・・」と勝頼は目を閉じた。「それが戦国の倣いであろう・・・」

関連するキッドのブログ『第14話のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『アタシんちの男子』『白い春』(フジテレビ)・・・堀北→吉高・・・始まるよー。

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (4) | トラックバック (8)

2009年4月12日 (日)

ゴッドハンド輝とドジ輝の二重人格です(平岡裕太)なんやかんや早いわ(水川あさみ)

脳軟化ドラマ枠と化しているこのワクなのであるが、ある意味、一線を越えて清々しくワクワクするドラマが誕生した。このワクはすでにものすごい後番組が来ることが決定していて尻をたたかれている状態なのだが、ものすごい後番組のためにそこそこ露払いができるようないいソフトになると思う。

人間は二つのシステムで動いている。一つは選択肢の確保。一つは決断である。前者には基本的に情報収集力が影響し、後者には情報選択力が要求される。

その選択を人々は「論理」と「直感」で行うわけだが、後者に優れているほど「天才」と呼ばれるのである。

論理はある程度マニュアル化が可能だが、直感は困難だからだ。

しかし「直感」の正体が未だに不明なので、それが「神」の采配によるものかどうかも不明だ。

未熟な研修医が突然、世界屈指の超能力医師に変貌するという奇想天外な発想に眉をひそめる人も多いだろうが、浅田真央のトリプルアクセルを自分が出来るかどうかを想像し、「天才」というものがこの世にあることを認識するべきだと思う。

で、『ゴッドハンド輝・第1回』(TBSテレビ090411PM0756~)原作・山本航暉、脚本・深沢正樹、演出・下山天を見た。演出は「あしたの、喜多善男」の人である。マイナー・リーグで良作を作ったので、メジャー・リーグでお手並み拝見だが・・・やはり、まとめが上手だな。

主人公は二番手歴を重ねた平岡裕太。早世した天才外科医の一人息子で航空機事故にあい、心拍停止したが瀕死の父親の心臓マッサージで蘇生し、胸に父親の手形の痣がある新人医師・真東輝を演じる。二代目なのでキャラ相性的にいい感じである。

彼を招聘するのが安田記念病院の院長・安田(渡部篤郎)である。彼は医療の三種の神器を「メス・薬草・言葉」と言ったり、安田記念病院を北欧神話の神々の領域・ヴァルハラと名付けたり、担当患者死亡率ゼロの輝を「父親が憑依している」と断言したり・・・かなりオカルトの人である。しかし、役割は「医龍」におけるラクダ(佐々木蔵之介)であり、輝がいかにすごいかを解説する立場だ。

ちなみに、医療における徒弟制度を色濃く反映するキャスティングで、原作とは変更があるが「腕のいい外科医は絶対」の主張は明確である。

元祖ゴッドハンドである輝の父の尊敬している安田。安田を尊敬している北見外科部長(別所哲也)、北見を尊敬している女外科医・四宮梢(水川)と何れも「素早いメス裁きこそ命」と道を王道と考える。

そこにやってきた輝は・・・命の危険のない患者の前ではドジ輝であり・・・他の医師では救命不可能な患者を前にするとゴッドバンド輝に変身(衣装が消失する)するのでリングを形勢する。つまり、ゴッドハンド輝(父親憑依状態)→安田→北見→四宮梢→ドジ輝でゴッドハンド輝=ドジ輝だからである。

ちなみに、神は運命を逸脱するものの長命を拒む傾向がある。例=美人薄命。運命に逆らって患者を助けてしまうこの番組が短命なのはこのためである。しかし、間違って視聴率が高いと原作は充分にあるので再生もあるかもしれない。神を畏れぬ振る舞いである。

さて、今回はドジ輝とゴッドハンド輝のバランスシートを示しておく。

①通院一日目に通勤コースで大事故に遭遇。現場にて足止めされたために遅刻。

②たいして難しくもない患者の手術で本気にならずに「腕が悪い」と批難される。

③大物政治家の極秘入院なのに窓を開けてしまいマスコミに暴露記事を書かれる。

④絶対助からない患者を受け入れてしまいトリアージ能力を疑われる。

以上がドジ輝。

しかし、ゴッドハンド輝が降臨すると・・・。

①事故現場でパーフェクトな応急処置。レスキュー隊員に「一人も殺さなかった・・・あんた神か・・・」と絶賛される。

②ものが食べられなくて死にそうな幼女に「美味しい味の歯磨き粉」を買い与え、「先生大好き」と好意を寄せられる。

③大物政治家の所作から未発見の脳腫瘍を早期発見。「驚くべき診断能力」と賞賛される。

④そして・・・観覧車の墜落事故で心臓に鉄パイプの刺さった絶対絶命の患者を処置。北見「早い・・・」四宮「なんて早いの・・・」安田「さすがは・・・患者を絶対死なしたくない男だ・・・(死なせる→死なせない、死なす→死なしたくない)」と羨望なのである。

さて・・・この「技術絶対」ワクから外れる男に見える梢の兄・蓮(要潤)であるが・・・実は腕も凄いらしい。

このように・・・「医龍」を越える「医ウルトラマン」な本ドラマであるがナースは充実である。

お世話な綾乃(村川絵梨)、新人めぐみ(朝倉あき)、そつない香織(大久保麻理子)、きつめの令以子(林丹丹)、おっとりさやか(綾那)とナース戦隊を組んでいる。ちなみにリーダーは遠藤(宮地雅子)である。

このナース戦隊だけで充分萌えます。

関連するキッドのブログ『医龍

月曜日に見る予定のテレビ『近野成美のハンチョウ~神南署安積班』(TBSテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (0) | トラックバック (8)

2009年4月11日 (土)

必要とされる直接的なエロス(遠藤憲一)う、美しい(伊藤裕子)

まあ・・・どす黒い近江のお富の毒牙にかかり、地獄への一本道を下る源太(大倉忠義)でもいいのだが・・・「必殺仕事人2009」かっ・・・ここは「トップランナー・女優・綾瀬はるか」の裏番組だったコレである。

綾瀬は映画「おっぱいバレー」の宣伝だったのだから・・・まさにNHK総合VSテレビ東京のおっぱい対決だったのである。

まあ・・・綾瀬はるかの秘技「ウサギの口」もかなりインパクトあったんだけどさ。

で、『湯けむりスナイパー・第2回』(テレビ東京090411AM0012~)原作・ひじかた憂峰、脚本・演出・大野仁を見た。引退した殺し屋である源さん(遠藤)が働く秘境の温泉旅館「椿屋」を嵐が襲っていた。落雷のため、停電。宴会場ではウサ晴らしに水をさされた温泉客たちが暴動寸前である。

元OLの女将の冴子(伊藤)は「芸妓さんでも呼ぼうかしら」と提案するが・・・番頭の捨吉(でんでん)は「三味線や日舞ではおさまりませんよ・・・」と思案顔である。

そこで・・・源さんが「もっと直接的なエロスが必要ということですか・・・」とつぶやくと捨吉はひらめくのだった。

「そうだ・・・ストリッパーを呼ぼう」なのである。

まあ・・・温泉芸者も温泉ストリッパーも一般人には判別は困難ですが。

仲居の由美ちゃん(大野未来)から借りた携帯電話で「伝説のストリッパー・カトリーヌ山岸」に連絡をする捨吉。山岸は仕事を引退し、今はひっそりと秘境の山裾で農業を営んでいるらしい。

さっさく、温泉の送迎車で迎えに出る源さん。

しかし・・・指定された家にいたのは山姥のような薄汚れた山岸トモヨ(池谷のぶえ)だった。

ヨタヨタ、ゲホゲホと・・・とてもステージをこなす踊り子さんとは思えない源さん。

エロスには消極的な女将の冴子も唖然である。

しかし・・・捨吉は揉み手をしてトモヨを迎えるのだった。

心配気な源さんに捨吉が囁く。

「あんた修羅場をくぐってきたそうだが・・・女については初心だねえ」

やがて・・・一風呂浴びて化粧をしたトモヨは宴会場へ。

するとそこに登場したのはまさに直接的なエロスの化身・カトリーヌ山岸(小室りりか・・・1996年九条OS劇場デビュー)だったのである。

まるで別人のような・・・別人だけど・・・その華麗なる舞の美しさに源さんは「求められるものを求められるときに与えるプロフェッショナルの神髄」を感じるのだった。

女将の冴子も惚れ惚れするのだった。

こうして・・・椿屋の危機は去ったのだった。その後で「スナック花子」にピストン輸送で・・・慰安婦たちは戦場なみの忙しさだったことは言うまでもないのだろう。・・・おいっ。

やがて・・・源さんはひっそりと山岸の日常を観察する。その淡々とした佇まいに源さんは「人生を清算してひっそりと生きる先輩の姿」を見出すのだった。

まあ・・・殺し屋とストリッパーが同じカテゴリに属する職業かどうかは意見の分かれるところだと思います。

ま・・・一応・・・掛け声かけときますか・・・「いよっ・・・男殺し・・・まな板ハンター!」

最近、亡くなった古い知人は外国の騒乱に巻き込まれたのだが・・・ストリップ劇場で童貞を喪失したというのが自慢の豪傑だった。ストリッパーというと反射的にそういうことを思い出し・・・色気がないのである。ちなみにストリッパーについてそこそこロマンチック知りたいあなたは映画「月」(2000年・黒木瞳・主演)の今村理恵の初々しい姿を堪能することを推奨します。

関連するキッドのブログ『第一話のレビュー

日曜日に見る予定のテレビ『天地人』(NHK総合)『とくばん』(TBSテレビ)『夏帆と谷村美月のホームレス中学生2』(フジテレビ)『レッドクリフPart1』(テレビ朝日)・・・激戦だ・・・。

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年4月10日 (金)

ぷさん・・・(ユンソナ)プーさん(酒井若菜)クマの?(櫻井翔)ミッキーだよぉ(岡田准一)

「ゴーストフレンズ」で小心者のゴースト(尾美としのり)に憑依される教師・新庄辰巳(岡田義徳)は「木更津キャッツアイ」のうっちー(岡田義徳)なのでダブル・ブッキングである。

その時、関東の視聴率は・・・。

「ゴーストフレンズ」(NHK総合)*3.7%第⑥位

「ぐるぐるナインティナインスペシャル・ごち10・ゲスト・綾瀬はるか・小栗旬」(日本テレビ)18.8%第①位

「木更津キャッツアイ ワールドシリーズ」(TBSテレビ)*5.9%第⑤位

「志村けんのバカ殿様SP」(フジテレビ)14.5%第②位

「いきなり!黄金伝説。神々とギャルの遊び篇」(テレビ朝日)13.4%第④位

「名曲ベストヒット歌謡70年代SP真っ白に燃え尽きた(本人)篇」(テレビ東京)13.8%第③位

*3.7%+*5.9=*9.6%・・・あわせてフタケタにとどかずーっ。うっちーファン残念っ!・・・っていうかテレビ東京凄いぜっ。

まあ・・・なんていうか・・・久しぶりにどのチャンネルも面白いという白熱のゴールデンだったぜ。

そして・・・「木更津」シリーズ、相変わらずだな。

で、『ゴースト・フレンズ・第2回』(NHK総合090409PM8~)脚本・高橋留美、演出・笠原友愛を見た。実は「木更津キャッツアイ」とゴーストの共演である。幽霊譚が激突する季節としては桜の季節は・・・微妙だ。まあ・・・どちらもほのぼの怪談タッチなので・・・いいか。

もちろん・・・幽玄なムードの漂うクドカン・ワールドとは質・量ともに初々しいこちら。

あの世とこの世の境界もグダグダで・・・ちょっと哀れである。

これまでに分ったことは・・・。

現世・・・事故死を免れた明日香(福田沙紀)が住む世界。明日香の周囲には事故死した友人・ミク(水崎綾女)や病死した母親(友近)をはじめ見ず知らずのゴーストがウヨウヨしている。

霊界・・・どこかにあるらしい。事故死したカイト(西島隆弘)は一度この霊界入りしたが・・・恋人のゴースト・美空(入山法子)が脱走したために追跡している。合法的に現世に戻るためには実体化する必要があるという霊界ルールのために・・・冷たい体を持った特殊なゴーストである。

まあ・・・このあたりはなんでもあり・・・のグズグズ設定の匂いがします。

つまり、ただのゴーストは霊界入りできないゴースト。

美空は非合法の霊界脱走ゴースト。

カイトは特別処置の実体ゴーストと三種類のゴーストがいるわけです。

ああ・・・凄く適当な感じです。主人公の明日香がそのあたりの矛盾をあまり追及しないキャラクター設定なので辻褄あわせを求めるとかなりイライラします。とにかく、今回、美空は人間に憑依する危険なゴーストとして悪戯を繰り広げます。

その被害者が教師・新庄です。美空が唆し、生前小心者だったゴースト(尾美)が新庄に憑依するのです。小心者にコントロールされた新庄は正義の味方として暴走し・・・不良たちに袋叩きにされてしまいます。

これは相当に恐ろしい展開ですが・・・お子様向けドラマなので新庄は半殺しされただけででお茶を濁します。

明日香はカイトと美空を引き合わせることに成功しますが・・・カイトは美空の説得に失敗します。

カイト「生きている人間の人生をメチャクチャにするのは許されないことだ」

美空「だって生きているときより今の方が楽しいし、それを誰が許さないというの?」

なのです。「死刑」より思い罰がないルールって・・・ですよね。

はたして・・・悪いゴーストに地獄の責め苦が待っているのか・・・どうか・・・なのです。

ともかく・・・それよりも不安なのは明日香の恋心。

明日香は死んだミクの彼氏(川久保拓司)に交際を求められているのですが・・・ミクの心を想って遠慮しています。しかし、カイトには明らかに好意を寄せていて、カイトと美空の間に割って入る気満々なのです。

まあ・・・恋の病はお釈迦様にも治せないというのは古典ですが・・・このドロドロ感がせっかくのファンタジーを台無しにしているような気がするのはキッドだけですかーっ?

関連するキッドのブログ『第一話のレビュー

で、『木更津キャッツアイ ワールドシリーズ(2006年公開)』(TBSテレビ090409PM0805~)脚本・宮藤官九郎、監督・金子文紀を見た。いつも言うことだが、クドカン作品の登場人物は基本的に全員死体である。つまり、作品世界は現世での出来事ではなく死後の世界の夢なのである。今回も現実世界では北朝鮮の飛翔体は日本列島上空をただ通過したのだが、ワールドシリーズの世界では木更津に核弾頭付テポドン5号が(レギュラーシーズンでは3号、日本シリーズでは4号が落下しパラレルワールド的には三度目の木更津壊滅が発生している)落下して・・・すべての木更津市民は蒸発しており・・・その幽玄な夢の世界が展開しているだけなのだ。

そう想ってみればすべての辻褄は合っています。

そして・・・木更津キャッツアイを愛するすべての人々はまたなつかしいキャラクターに再会し・・・在りし日を偲ぶことができるのです。

時は巡り日をめくり 

君はとっくにどこか遠くに

その日・・・ぶっさん(岡田准一)はついに他界。その三年後・・・バラバラになった仲間たちは・・・それぞれの人生を歩んでいます。ぶっさんの妻・ユッケ(ユンソナ)は韓流ドラマ「釜山死々団」に夢中。ゴーストのぶっさんがなかなか成仏しないので再婚が難しいと文句を言っています。

その頃、木更津は市長選挙の真っ只中、現職候補が神取市長(高田純次)で対立候補はあさだ美礼(薬師丸ひろ子)先生です。

市役所職員になったバンビ(櫻井)は選挙の争点になっている空き地でぶっさんの声を聞きます。

「それを作れば彼が帰ってくる・・・」

バンビは最愛のモー子(酒井若菜)にふられる原因になった映画「フィールド・オブ・ドリームス」に答えがあると予測しますが・・・何を作ればいいのかモー子は思い出せません。モー子、かわいいよモー子・・・です。

そのために・・・木更津には「ヘルス」や「スタバ」が誕生します。しかし「コンビニ」はまだなのです。

やがて・・・大阪でたこ焼き屋になっていたマスター(佐藤隆太)や、秋葉原で怪しい人になっていたアニ(塚本高史)、そして自衛隊に強制入隊されられたうっちー(岡田義徳)が猫田(阿部サダヲ)とモー子の結婚式直前に集結します。

そして・・・現役市長がショッピングセンターを対立する美礼先生が老人ホームを作ろうとしていた空き地に「野球場」を作ることにバンビはようやくたどり着くのです。

たちまち、復活する・・・ぶっさんとオジー(古田新太)・・・ついでに日系二世の親善野球団員(橋本じゅん)を始めとする米国人野球少年ゾンビまでが復活します。日米同盟万歳です。そして・・・始まる自衛隊女子野球部長(栗山千明)との「うっちー争奪杯」・・・ああ、もう笑いつかれましたがな。

もちろん、ぶっさんをこよなく愛する木更津市民は全員野球場に駆けつけ、選挙の投票所は閑古鳥が鳴くのです。

ただ一人・・・ぶっさんの父・公助(小日向文世)はぶっさんの姿を見ることができません。

その理由は・・・ぶっさんを看取ったのが公助だったから。

ぶっさんの最後の言葉は「お父さん・・・ありがとう・・・」でした。

泣かせるのかー、この上泣かせるのかー。

もう・・・「ばいばい」でもいいですが・・・「木更津キャッツアイWBC」があったって別に文句は言わない気分になるのだった。

新しい何かをみつけるねぇ

きっと巡り会うSomeday

関連するキッドのブログ『木更津キャッツアイ・チャカ奪回作戦

土曜日に見る予定のテレビ『ゴッドハンド輝』(TBSテレビ)『タクシードライバーの推理日誌25』(テレビ朝日)『駅路』『帰ってこさせられた33分探偵』(フジテレビ)『イケ麺そば屋探偵』(日本テレビ)『ERⅩⅡ』(NHK総合)・・・そろそろか・・・。

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (0) | トラックバック (4)

2009年4月 9日 (木)

ケータイ探偵少女名無し(谷村美月)犯人が分らない人(山崎樹範)

さて、いつの間にか四年目に突入しているのである。

ダラダラと続けているのでダラダラと続けていくのだが・・・そろそろダラダラと終る可能性のある周期に入っていると言えるだろう。

もちろん・・・ブログの主旨から言えばアナログテレビの終焉までは続きそうなのだが・・・こればっかりは気分の問題だからな。

とにかく、書いているといろいろなことを発見したような気分になったり、時にはそれがうれしいと感じたりもするキッドである。

その喜びがある以上・・・もうしばらくは書くのであろう。

で、『探偵Xからの挑戦状・第2回』(NHK総合090409AM0010~)原作・白峰良介、構成・武田浩、脚本・演出・山口浩(他)を見た。他メディアとの連動を前提とした企画である。テレビを通信手段と考えた場合にそれはワン・ウェイ(一方通行)が基本である。情報伝達(コミュニケーション)としてはある意味歪なスタイルと言える。

それは少数の送り手と多数の受け手を作り出し、ある意味で格差社会を構成する。

それを補うのが視聴者参加型の番組企画というものだ。

たとえば・・・バラエティー・ショーなどで公開形式をとる場合、そこには「壁の花」と呼ばれる観客が設定されたりする。この観客は作り手が送る情報を視聴者の代表として受けるというスタイルをとっている。

それが・・・作り手の指揮によるものだとしても、お茶の間を代表して笑ったり、拍手したりをするのである。この「リアクション」がメディアと受け手の情報格差を埋める機能なのである。

そういう意味で・・・サンプル調査による統計的手法で導き出される「視聴率」もまたその変形である。送り手は「番組」を送り、視聴者は視聴の有無でそれに応えるのである。

視聴率においては視聴者は情報の送り手になる。

かっては他メディアとしては「郵便」と「電話」は重要な視聴者参加方法であった。

基本的な情報伝達は相互通行であることが多い。たとえば「会話」である。一人が送り手として受け手に話をすると、今度は受け手が送り手となって返事をする。

最初の送り手「彼女いるの?」

最初の受け手「・・・いないさ」

送り手と受け手は素早くチェンジするのである。

しかし、マスメディアはある意味、一方的に話し続ける送り手なのである。

もちろん・・・話しを聞くのが「楽しい」ということはあるのでそれでもいいのだが、人によっては「自分も話したい」と思うのである。

そこで郵便や電話が補助のツールとして使われる。

基本はリクエスト番組である。「どんな曲が聞きたいですか?」と送り手が質問し、「こんな曲」と受け手が答え、送り手は応じて「その曲」をかける。

こうして擬似「会話が成立」するのである。

テレビというメディアに対抗して、インターネットというメディアが発展し、そこに携帯電話の進化がからみあう。そういう多元的なメディアの普及によってテレビもまた変化をしようとする。

そういう試みの一つがこの番組である。

①ケータイ小説で番組内容を知る。

②ケータイ小説は推理小説であり、番組内容はそのドラマ化である。

③視聴者は隠された結末部分(犯人探し)などについて番組に先行して予測し、その予想(正解)を番組に投稿する。

④視聴者の投稿を含めて最終的な番組を制作し放送する。

これがこの番組のスタイルである。

こんなまわりくどいことが面白いのかどうかはよくわからないが・・・とにかくやってみたいということですから。

結果、対して面白くもない推理、対して面白くもないドラマになっていたとしても深夜だからいいか・・・という姿勢がここにあります。

まあ・・・あくまでキッドはそう思うということです。

「ほら・・・オレの推理した通りだったよ」と画面に言いたい人は・・・ようやく、好ましい番組スタイルが生れたと歓喜するのかもしれません。

関連するキッドのブログ『イケ麺そば屋探偵

金曜日に見る予定のテレビ『コンカツ・リカツ』(NHK総合)『湯けむりスナイパー』(テレビ東京)『宇宙戦争』(日本テレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2009年4月 8日 (水)

ただ、そこにある殺意(石原さとみ)タンシオって・・・(貫地谷しほり)心の包帯クラブみたいな(関めぐみ)

「爆笑そっくりものまね紅白歌合戦スペシャル」に登場した加護亜依は素人に混じって椎名林檎の「本能」をナースのコスプレでコピー。喫煙、不純異性交遊、自傷と不良少女の名を欲しいままにした十代を「気紛れを許して今更なんて思わずに」と熱唱である。さすがに笑わせてくれるな。かっこいいぜ。

同い年に俳優の故・伊藤隆大がいる。「のだめカンタービレ」の悠人くんである。先月、練炭自殺でこの世を去って行った。

石原さとみはその一つ上の世代である。危うい十代を感じさせぬ女優もいれば・・・そうでない者もいるのがこの世というものである。その差異がとこで生じるか・・・それは一つの主題となる。

柳楽優弥は加護・伊藤よりもさらに二つ年下だ。彼もまた昨年、薬物の大量摂取という事件を起している。14才でカンヌ国際映画祭で最優秀主演男優賞を受賞したことを生かすも殺すも本人次第なのである。

そうした現実の出来事と虚構は本来、無関係であるべきことは言うまでもない。しかし、無関係ではすまされないことが多いのも現実の側面である。

で、『包帯クラブ(2007年公開)』(TBSテレビ090301PM2~)原作・天童荒太、脚本・森下佳子、監督・堤幸彦を見た。「永遠の仔」の原作者、「白夜行」の脚本家、「トリック」の監督という組合せで興行的にはあまり芳しくなかったらしい・・・。これは「他人の心の傷を癒すために公共物に包帯を巻くクラブ」という設定が小説上はまだしも映像化するとちょっと恥ずかしい感じがするからだと思う。実際、中盤までは退屈な展開になっている。

しかし、中盤以後、クラブのメンバーたちが自らの心の傷を明らかにしていくとなかなかに引き込まれるのである。

トップバッターは高校生のタンシオ(貫地谷)で心の傷は「失恋」である。中学時代からの同級生でマーケットのバイト仲間でもあるワラ(石原さとみ)は心の痛手が癒えるようにとタンシオの乗った公園のブランコに包帯を巻く。タンシオはワラの想像以上に感激し、クラブが動きだす。

冒頭からワラは鬱屈している。それは幼い頃に両親が離婚し・・・父親に捨てられたという思いが心を圧するからだある。「どんなダメな子でも親は愛するというのに捨てられた自分はどれだけダメなんだろう」と思うのである。

そんなワラの自殺未遂を偶然に止めたのがディノ(柳楽優弥)だった。彼にはどうしても渡れない橋があり・・・その先に彼の秘密がある。

ワラとディノは当然のようにボーイ・ミート・ガールな関係になる。この当然のようにそうなるというところがひとつの伏線です。

一方、「包帯クラブ」のホームページを立ち上げるのがギモ(田中圭)である。タンシオはいきなり、ギモにお熱なのである。焼き鳥かっ。しかし、相手が田中圭だからな。ちなみにこのカップルは「花より男子2」でも婚約者を演じあっている。ギモの心の悩みは「小学生の時に男性教師から性的虐待を受けていたこと」である。そして・・・それが原因がどうかは知らないが、ギモはディノに夢中の性的倒錯者であった。タンシオより先に気がついたメンバーがヒヤヒヤして腫れ物に触るように接するというお約束があります。

タンシオよりもワラは「包帯クラブ」に偽善の匂いを嗅いでいるが・・・仲間たちと一緒に行動する楽しさに我を忘れていく。そうするうちに中学時代の親友たちを思い出す。

タンシオとワラは中学時代は四人組だったのである。

脱落した一人は貧乏のために高校進学を断念したリスキ(佐藤千亜妃)であり、もう一人は舞台となる群馬県高崎市で一番の高級高層マンションに住む優等生テンポ(関)だった。リスキはすぐに仲間になるが・・・テンポはリスキとの確執のために入会を断る。

テンポの住む高級マンションは・・・リスキの親の元・職場だった。工場がつぶれマンションが建ったのである。

そのことに引け目を感じつつ、テンポは高校進学をしなかったリスキ、大学進学をしないワラを「負け犬」と決め付ける。

しかし・・・親の決めたレールを走るテンポは友情を失い、ワラたちの友情に嫉妬しながら、包帯クラブの活動を学校や警察に密告したりする。やがてそのことが負担になりテンポは家出し自殺を仄めかす行動をとる。

ここから、物語は高所恐怖症をターゲットにしたサスペンス展開である。テンポは長身だが自殺方法は高層建築からの投身の未遂前科があるのだ。

1986年4月8日は岡田有希子の命日である。所属事務所のビル屋上から飛び降りた彼女の血は通いなれた道路に流れた。享年18才だった。

数ある自殺方法の中でも高層建築物からの投身自殺はもっとも安価で安易と言えるかもしれない。道具不要である。

それだけに・・・「その人」に死んで欲しくない人にとっては「恐怖」の募る展開である。

テンポはどこで死のうとしているのか・・・ワラは懸命に捜すが・・・発見できない。

そこでディノは町で一番高いビルに登り・・・屋上で無数の包帯を風になびかせるのだった。

空撮でとらえた映像は・・・少年たちのせつない命への希求のシンボルである包帯を無数の白い糸として表現する。

それを見たテンポはワラとタンシオ・・・そしてリスキの元へ戻っていくのだった。

やがて・・・最後に残ったディノの悲劇が語られる。ディノには一年前にデブのマイウー(平沢賢人)とヤセのツッコミ(小野賢章)という親友がいた。三人はただ、仲のいい友達だと思っていたディノだったが・・・三人で遊ぶ約束をしていたある日、たまたまディノが行けなくなり、マイウーはツッコミを刃物で刺したのである。マイウーは矯正施設送りになり、ツッコミは下半身不随になってしまった。

ショックでその事件から目を背けようとしていたディノだったが・・・ワラたちとの出会いを通じて事件と向き合う決心をする。

マウイーはただ・・・自分より幸せなツッコミを憎しみ衝動的に殺意を覚えただけだったことを知ったディノは・・・身体が不自由になったツッコミの住む橋の向こうの家を訪れる。

そこに待っていたのは・・・屈託のないツッコミのツッコミだった。

文学は所詮は普遍にはならない。文学は文学を読み取る能力のあるものを対象にした偏りを持っている。そこがどうしても欺瞞的にならざるを得ないのである。

それでも・・・語るものは目指すだろう・・・死ねと言うよりも生きろと伝えることを。

もちろん結果は定かではないけれど。

どうして歴史上に言葉が生まれたのか

太陽 酸素 海 風

もう充分だった筈でしょう

関連するキッドのブログ『ヴォイス

木曜日に見る予定のテレビ『ゴーストフレンズ』(NHK総合)『黒川智花のリセット』(日本テレビ)『木更津キャッツアイ ワールドシリーズ』(TBSテレビ)ぶっさん・・・しぶといよね。

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年4月 7日 (火)

人生に正解は無数にあるが不正解はそれを上回る(阿部寛)心の涙かよ(山下智久)涙は心の汗だでしょ(長澤まさみ)

さて・・・連続ドラマの谷間の季節である。かっても「木更津キャッツアイ」とか「彼女が死んじゃった。」とか再放送レビューをしているわけだが、現在、関東で再放送中のドラマには「結婚できない男」と「ドラゴン桜」という阿部寛の珠玉の二作がある。「結婚できない男」は昔、レビューしたので、最終回を迎えた「ドラゴン桜」をとりあげたい。

大好きな作品なのだが、脚本家はう、撃たないで~の人である。ま、おちょくり対象だが、そうなったのは理由があります。つまり、「ドラゴン桜」があまりに上出来なのです。その期待感をもって、その後の作品に接してしまい・・・期待を裏切られる・・・まあ、かわいさあまってにくさ百倍と似た展開ですね。

このあと、「花嫁は厄年ッ!」(篠原涼子)↘「鉄板少女アカネ」(堀北真希)↘「ジョシデカ!-女子刑事-」(仲間由紀恵)↘「ホカベン」(上戸彩)↘と見事に駄作を連打なのである。・・・う、撃たないで~。

本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「コンカツ・リカツ」*6.2%(面白いけどなー)、「キンスマ・ベッキー」17.7%(おはー)、「奥様は警視総監4」12.0%(メンバー地味だ・・・)、「帰・33分探偵」↘*7.9%(エネゴリくんのCMと同じくらいの面白さ)、「法律事務所・芦ノ湖畔高級別荘地連続殺人」16.4%(早口言葉かっ)、「つばさ」15.4%(かなり面白い)、「天地人」↗19.8%(野球よりフィギュアスケートに弱いのだな)、「座頭市」12.0%(なんどめだ)・・・以上。

で、『ドラゴン桜(再放送)・最終回』(TBSテレビ090407AM0204~)原作・三田紀房、脚本・秦健日子、演出・塚本連平を見た。最初のオンエアは2005年の夏ドラマである。初回視聴率が17.5%で最終回が20.3%、平均16.4%(全11回)、金曜ドラマ枠としては春ドラマ「タイガー&ドラゴン」平均12.8%よりも上げて、秋ドラマ「花より男子」平均19.8%には及ばなかったポジション。つまり、まあまあである。

主演の桜木(阿部)は元暴走族の弁護士というありえない系であるが・・・倒産寸前の私立龍山高校の再生案として特別進学クラスを設定。落ちこぼれの生徒たちで「バカやブスこそ東大に行け」を合言葉に東大合格者五人達成を宣言する。

そして・・・生徒たちは桜木に反発しながらも受験の魅力にとりつかれ、東大受験という受験戦争の最前線に送り込まれていくという展開。「東大受験」を見えない壁との戦いと喝破し、誰でもその気になれば東大にいけるという主題は刺激的なのだった。

まあ・・・ドラマ内容には詭弁が満ち溢れ・・・要するに戦争青春映画なのだが・・・受験テクニックや、錯覚の構図の検証など・・・毎回、面白情報に満ちているのである。少なくとも「努力すれば夢はかなう」系のドラマとしては非常にお手本になる構成になってます。

とにかく・・・基本は勉強は丸暗記に勝るものなし・・・です。落ちこぼれの生徒たちが実は非常に記憶力が優れていることは公然の秘密となっています。

その生徒を的外れな情熱で支えるのが井野真々子(長谷川京子・当時26才)・・・英語教師なのに世界史の教師をさせられたり、生徒を助けるためにチキン・レースで埠頭から海に転落したりと・・・コミカルなところを見せます。これが空前絶後のはまり役。まあ・・・「華麗なる一族」のキムタクの妻もはまり役といえばはまり役でしたけど。

しかし、なんと言っても特進クラスの生徒たちが粒よりだったのが大きいでしょう。

まずは矢島(山下智久)。原作では単なる高校生ですが・・・ドラマ版では、父親が騙されて蒸発、多額の借金でど貧乏と設定変更され・・・美人の彼女もいるし、かわいい幼馴染もいるというキャラにアレンジされています。この「勉強はできないけどかっこいい」的な設定がこのドラマのエンターティメント度を引き上げます。つまり、かっこいいということは頭が悪いわけではないという伏線なのです。

実際に・・・矢島は「質入したトランペット」が自分が売った金額より高く売られていることに立腹するほどのおバカさんだったのが、桜木の教育により・・・どんどん賢くなっていき・・・最後には受験に失敗した仲間を叱咤する桜木の言葉を「あんた心で泣いているじゃん」と読心するほどの領域に達していきます。まあ、全国の山Pファンが熱狂の成長ぶりを示すわけです。この後、山Pは主演で「野ブタ。をプロデュース」「クロサギ」「プロボーズ大作戦」「コード・ブルー」とヒットを重ねますが成長物語の主役の原型をこのドラマで掴んでいることは間違いありません。矢島は受験には成功しますが・・・東大進学はしないという結末もよどみがありません。ちなみに母(石野真子)です。

矢島の幼馴染が水野(長澤まさみ)。こちらは原作に忠実で母(美保純)の経営する居酒屋と母の教育観がドラマの重要な要素になってきます。「私の娘が東大になんか行けるわけがない・・・だって親に似てバカだもの・・・」・・・泣けます。酔っ払い相手の客商売に反発を感じつつ、受験と店の手伝いの両立に悩む鬱な設定が矢島の友情以上恋愛未満の微妙なアプローチとよく馴染んで青春を盛り上げるのです。そして必殺技、走って揺らすをすでに完成しているところも見逃せません。最後は母の病気で受験を断念というところがお約束です。

矢島の彼女が香坂(新垣結衣)。矢島が優しすぎるので嫉妬の連打。さらに悪い仲間と交際するギャル系。矢島への依存度は高く、受験の動機が「矢島が行くから」です。嫉妬心は受験の原動力にも障壁にもなっていくというのがミソ。実はメンバーの中では成績優秀という隠し味も利いています。やがて・・・彼女は自立心を芽生えさせ・・・水野とは女の友情を育み・・・そして「矢島が行かなくても私は東大にいく・・・だって知るって面白いんだもの」という勉強の極みに到達します。

もう、ここまでで凄い組合せです。長澤は「プロポーズ大作戦」のヒロイン。新垣は「コード・ブルー」のヒロインと・・・山Pとのその後の共演を成功させているわけです。

さらに矢島のバンド仲間でお坊ちゃんの緒方(小池徹平)。母(あいはら友子)、父(須永慶)。母親は溺愛、父は一橋大卒のために「息子が東大受験」と聞くと心中穏やかではなくなるところがミソです。緒方は父との間の葛藤をかかえまずが・・・最終的には受験に失敗することで父親と心を通わせます・・・それは違うんじゃないか?・・・とにかく主役を引き立てるポジションでありながらそれなりに人気になる絶好のポジションでした。この後は「医龍」を経て「シバトラ」ではついに主演です。

緒方とコンビを組むアイドル志望の小林(サエコ)です。友人のグラビアアイドル戸田明日美(堀朱里)にライバル心を燃やし、現役東大生アイドルとなるために受験を決意。そのモットーは絶対にあきらめない。そうです。韓国との決勝戦で土壇場で同点に追いつかれつつ奇跡のイチローの勝ち越し打を生み優勝投手となったダルビッシュの妻ですもの。

そして最後は奥野(中尾明慶)、典型的な三枚目ですが、優秀で邪悪な二卵性双生児の弟(水谷百輔)に腐ったサンドイッチを食わされつつ・・・「ウンコのこと」を必死で念頭から消し去りついに東大に合格する奇跡のヒーロー役。この後も「セーラー服と機関銃」そして「ROOKIES」と三枚目街道を驀進中。濱田岳と並ぶ貴重な本当に三枚目な三枚目スターとなっています。

ま・・・このように・・・登場人物を語るだけで充分に面白い。そこが「ドラゴン桜」の素晴らしいところ。他にも魅力的な講師陣とか、ダメ教師の群れとか、真々子の友人(矢沢心)とか、最悪モードの理事長(野際陽子)とか、ナレーション(小林清志)とか・・・実に隙がないキャステイングになっています。それなのに・・・この脚本家・・・どうしてこの後は・・・う、撃たないで・・・。

関連するキッドのブログ『結婚できない男

水曜日に見る予定のテレビ『ゴッドタン・神の舌』(テレビ東京)『谷村美月の探偵Xからの挑戦状』(NHK総合)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2009年4月 6日 (月)

仁義なき天地人・黄金沙汰篇(妻夫木聡)屋根の上の大風呂敷(長澤まさみ)政略結婚物語(比嘉愛未)

「天地人」↗19.8%・・・しぶといわっ。

とりあえず・・・「覗き屋」のようなトリミング画面構成、輝く金のつぶ(納豆にあらず)、スローモーションにストップモーション・・・酔っておるのかっ。

まあ・・・とにかく・・・今回は「ふつうです」かな・・・もうツッコミ中枢マヒしているのかも・・・。

で、『天地人・第14回』(NHK総合090405PM8~)原作・火坂雅志、脚本・小松江里子、演出・高橋陽一郎を見た。例によってシナリオにそったレビューはikasama4様を推奨します。ついに三連続卓袱台ひっくり返し記録達成。怒涛のツッコミ12連発でドラマの流れが一目瞭然でございます。兼続も景勝も信長も勝頼も草葉の陰でどつかれまくっている気分でございましょう。まさに死人に口なし。おバカ脚本家天衣無縫状態だ。そしてメイン解説記事は武田滅亡五つの要因徹底分析!前編です。運命の怪しい糸に導かれ、信玄没後9年で滅ぶ武田家はなぜ没落していったのか・・・後編が楽しみです。まあ・・・菊姫婚姻がその分岐点であったのは疑いようのないことでございましょう・・・。まあ・・・天地人かと問われれば風林火山その後だと答えるしかありませんけれどーっ。

Tenchijin15786 で、御館の乱もクライマックス直前である。天正六年(1578年)六月、武田信豊を先陣とする武田勢は越後に侵攻した。この間、信濃の上杉勢は沈黙を守っている。やがて、武田勝頼も越後入りし、およそ、二万の軍勢で春日山城に迫る姿勢を見せる。この勝頼の出陣は上杉景虎を支持する後北条氏政の依頼によるものだった。氏政の父、氏康には史上に見られるだけで15人の子があるが、氏政は次男にあたる。そして六女は天正五年15才で武田勝頼に嫁している。さらに八男が上杉景虎である。つまり、景虎は勝頼の義理の弟になる。越後国内は景勝支持にかたまりつつあったが、上越地方では景勝の春日山城を御館、直峰城、不動山城、鮫ヶ尾城で包囲した景虎は互角の体勢を整えている。そこへ義兄の勝頼が圧倒的な軍勢で到着したのである。景虎はまさに「勝った」と考えただろう。

しかし・・・春日山城の南、木場に陣を構えた勝頼の使者の知らせは景虎の耳を疑わせるものだった。

「和睦の勧め」である。しかも・・・勝頼は上杉の跡目を景勝と考えている旨を示したのである。

使者は武田信豊である。御館に信豊を迎えた景虎は思わず、言葉を返した。

「・・・なんと・・・仰せられた」

「武田の御屋形様(勝頼)は・・・上杉家の混乱をお鎮めしたい意向でござる。西に将軍家を追放した大敵・織田信長を迎える今・・・本願寺を通じて和睦した当家と上杉家は・・・力を合わせて織田家の野望を挫かねばならぬこと必定。これは亡き謙信公と武田家の密約でござった。その節に跡目は景勝様と内々の約定ありしこと。今、悪戯に相続の争いにて越後に乱あるは理なきことと仰せの如し」

「・・・しかし・・・北条よりの使いによれば・・・武田家は我陣営に味方いたしてくれしものと・・・」

「さればこそでござる。景虎様が景勝様と和すれば・・・武田・北条・上杉の絆、ここに極まることになり申す」

「・・・それは」

「わがお屋形様は・・・御妹君、菊姫様を景勝様に嫁す所存でござる」

景虎は絶句した。景虎の継室・華姫は景勝の姉妹である。今、信玄の五女・菊姫が景勝に嫁げば勝頼と景勝は義兄弟になる。景勝と景虎はすでに義兄弟であり、景虎と勝頼もすでに義兄弟である。景虎の兄である氏政と勝頼も義兄弟である以上、義兄弟の祭典状態なのだった。

景虎は・・・和議を受け入れた。その胸には血縁・地縁の虚無の風が吹いていた。

一方、景勝の使者は勇躍、越後領内に散った。

「武田と盟約なり、跡目は定まった」の報である。

上越での停戦は成った。それを見届けた勝頼は軍を引く。武田・上杉の婚儀の準備があるからである。勝頼は異母妹の花嫁衣裳は豪華にしてやろうと考えた。上杉金により懐が暖かであったのだ。

一方、小田原城では武田勝頼と上杉景勝の同盟の報を受け、後北条氏政が杯をとりおとした。

「なんと・・・それはいかなる仕儀じゃ・・・」

相談役として詰めていた大叔父(氏政の祖父・氏綱の弟)の北条幻庵(75~85才・諸説あり)は枯れた顔を見せた。

「武田の小童め・・・上杉・北条の単独の和に恐れをなしたのでございましょう・・・」

「しかし・・・どうするのじゃ・・・弟ども(氏照・氏邦)はすでに上州に出陣しておるぞ・・・」

幻庵はうろたえる氏政に目を細めながら・・・進言した。

「まずは・・・攻めるがよろしかろう・・・一城おとせば一城分、北条の力となりますれば・・・上杉、武田のことはその後に図ればよろしいと存ずる」

「なるほど・・・成り行きにまかせるのじゃな・・・それはお気楽なことじゃ・・・これ・・・酒をもて」

氏政は取り落とした杯を見つめて小姓に命じた。その振る舞いに幻庵は笑みを漏らす。小賢しい甥だった前当主・氏康よりもその子氏政を幻庵はいたくお気に入りだった。バカな子ほどかわいいの理である。

天正六年の秋、集結を終えた北条勢は三国街道を北上した。

武田との同盟締結以前から北条軍の侵攻を必至と観測していた景勝軍は国境の防備を固めるために地元・上田長尾衆に命じて、いくつかの拠点を城砦化していた。

上州沼田城から侵攻する北条軍に対し、最前線の越後湯沢・荒戸城を改築し、樋口一族の猛将・樋口主水助を配した。そこから魚野川西岸の樺沢城に深沢刑部、東岸の坂戸城に栗林冶部、後詰の浦佐城に清水藤左衛門を置き、北条氏の北上に備えたのである。

斥候の術に優れた与六は景勝の命を受け、上州に潜入し・・・荒戸城に戻っていた。

「伯父上・・・北条軍はおよそ一万、大軍でござるゆえ・・・引き際が肝心と思し召せ」

城将・樋口主水助に敵の陣営を伝えた後、与六はそう付け加えた。

「ふふふ・・・与六よ・・・戦は最初が肝心よ・・・」と戦慣れした主水助は凄惨な笑みを浮かべる。「先のお屋形様ありし時より・・・負けを知らぬ上杉の戦ぶりが変わらぬことを北条の衆に思い知らせるが肝心じゃ・・・手痛き目を見せてやらねばの・・・」

「しかし・・・越後国内の国衆も北条に付くもの多き模様。多勢に無勢となりますぞ」

「与六よ・・・越後衆の旗色不確かなこと・・・これを明らかにするのも・・・わが働きよ・・・おそらく・・・最後は坂戸城が砦となろう。そこに敵を入れぬためにも・・・ここで敵と味方をはっきりさせておくのも肝心なことなのじゃ」

与六は主水助の瞳に決死の覚悟を見て口を閉ざした。

与六の配下には真田忍軍から助っ人が送られている。直江お悠の配慮である。与六は配下の樋口衆を荒戸城に残し、真田衆を連れて夜明け前にものみの大嶺に登る。真田衆は二十人ほどの人数であるが・・・それぞれが手練れだった。おのおの十人の下忍を率いる小頭は海野五郎、望月四郎と名乗っている。二人とも与六よりも年上であったが、初音仕込の猿飛の術を使う与六は一目置かれている。

「ほほう・・・さすがは・・・初音様仕込みじゃ・・・」

海野五郎の追従に与六が微笑みを返したとき・・・北条の前衛が姿を見せた。手引きするのは越後衆の長尾景憲である。三国街道を埋めた北条勢はたちまち散開して荒戸城に攻め寄せる。さらに、味方城である後方の樺沢城から出陣した河田重親の軍勢が後方から荒戸城を攻め始めた。

予測されたことであったが・・・与六は越後勢の分裂に臍を噛む思いを生じる。前後から敵を受け、荒戸城は正午前に落城した。

「叔父上・・・」と与六は胸に主水助の成仏を祈りつつ・・・後方に下がる。すでに風魔の気配が感じられた。獣が通る忍び道をたどりながら、樺沢城を目指す与六は展開されつつある風魔の結界包囲の陣を抜けつつ、何度か相衆ラッパとの闘争を行った。

樺沢城ではもう一度、荒戸城の惨劇が繰り広げられるだろう・・・と与六は予測した。そして・・・最終防衛ラインである坂戸城が戦の要となるはずである。

「叔父上・・・北条勢に手痛き目を見せてやりますぞ・・・」

与六は主水助と命の炎を燃焼させたであろう配下の下忍たちの顔ぶれを思い描きながら闘志が沸き立つのを感じた。

前方に生じた敵影を初音譲りの忍者刀によって一撃で撃破しながら血煙を残し、与六は疾った。樺沢城に残留している味方の退陣を手伝うためである。

御館の乱は春日山城周辺の上越地方から、上野国・越後国国境へと舞台を移していた。

関連するキッドのブログ『第13話のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『爆笑そっくりものまね紅白歌合戦スペシャル』(フジテレビ)・・・加護亜依も出るよ。

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (4) | トラックバック (5)

2009年4月 5日 (日)

飛翔体と落下物と誤探知は見抜けません(藤木直人)イケ麺そば屋探偵と馬とお稲荷さん(武藤彩未)

そば屋の潤太郎(藤木)は「人間のついたウソを見抜ける」という特殊能力があるのである。

しかし・・・その能力をもってしても北朝鮮がミサイルをぶっ放したかどうか・・・不明なのである。

前日の「誤探知騒動」に続いて、またも情報は錯綜している。

「軍事」についての基本的な教育が不足しているのが一番の問題だと考える。

「プロジェクトJAPAN プロローグ」(NHK総合)では「憲法九条」の可否について妄想的平和論を土台とした空虚な論を繰り広げるのだが、核武装を前提とした小型核弾頭を開発した国家「北朝鮮」が三段式ミサイルの一段目を日本海に落下させ、本体に日本上空を通過させ、太平洋上に飛翔させた「現実」は「武力」による威嚇と呼ぶ以外にはないのである。

法による平和が空虚なものであることを・・・無防備都市は痛感したに違いない。痛感しない人はバカなのである。

で、『いいんだぜ!イケ麺そば屋探偵・第1回』(日本テレビ090405AM0105~)脚本・小林弘利、演出・中野裕之を見た。ケータイ動画でいとうせいこうによる実況がある・・・という多次元メディア展開をしているが・・・邪魔臭いわっ。まあ・・・なんかしたい・・・という気持ちは分ります。

ドラマはハチャハチャ・コメディーである。ミステリーをコメディーで・・・という流れは常にあるので珍しくはない。「踊る」もそうだし、「古畑」もそうだし、「相棒」だってある意味そうだ。

その中でシリアスとコミカルの対立軸があるとすれば、「ケイゾク」と「トリック」が中間にくるだろう。で、「時効警察」「富豪刑事」がそれよりコミカル方向に位置する。その周辺に「33分探偵」もくるだろうし、「石原さとみのパズル」もくるかもしれない。で、このドラマもまたそのあたりにある。

とにかく、津軽弁で難解な恐山から来た姉のイタ子(堀内敬子)とか、悪徳刑事らしい黒田金造(生瀬勝久)とか、潤太郎のそば屋の店員、コウジ(姜暢雄)ユージ(川原一馬)とか、芸能プロダクションの社長・池田(古田新太)などが場面場面でそれなりにおもしろそうな感じで存在する・・・それがこのドラマの基本姿勢である。

まあ・・・おとぼけでおしゃれな感じである。

ま・・・それだけです。

今回は・・・潤太郎が出前した鉄道コンテナに棲む老婆(市川千恵子)と同居する孫娘彩香(武藤・・・可憐Girl's1996年生)が「コンテナ生活は楽しいし、トイレはちょっと困るけど」といたいけない笑顔を見せるのがキッド的にはピークでした。

まあ・・・このレベルを維持してくれればなんとなく楽しめるコンテンツにはなる模様。

Tenchijin157305v もっとも・・・北朝鮮の武力行使問題の最中だけに・・・冷静な判断かどうかは微妙です。基本的に興奮していますからーっ。

それにしても・・・二段目は東方に落下しなかったのか・・・したのか・・・防衛省はっきりしてくれやっ。

問題は日本に向けてミサイルが発射され、秋田県八峰町~岩手県普代村を通過して・・・領土を侵されたにもかかわらず・・・日本が「遺憾の意」しか示せないことである。

日本海で太平洋で生活する人々の安全保障はどうなっているのだ・・・である。

それとも・・・手も足もでないのか・・・ということなのである。

拳銃をつきつけられて手をあげない人間がどれほどいるか・・・想像していただきたい。

ま・・・そういう世の中のとぼけたところが・・・「イケ麺探偵」にもちょっとあるということです。知らぬが仏だからです。

北米航空宇宙軍の発表によれば二段目と本体は衛星軌道に到達せず、太平洋の藻屑と消えたらしい。「人工衛星」か「ミサイル」かという無意味な識別をNHKのアナウンサーは繰り返しコメントしているのだが・・・二段目の落下についての防衛省の訂正の発表には触れず、二段目の行方が不明なのが気持ちの悪いところである。最初の発表通りならば通告地域以外への危険物の落下であり、相当な問題である。それを「とりけす」という政治的なかけひきがあったのかどうか・・・妄想は拡散します。

一方、北朝鮮は「光明星」は衛星軌道に乗って音楽を奏でていると発表した。

それらは各局がニュースで報道しているのだが、そんな両論併記されても困るな。

どっちなんだよ。

とにかく、明らかになったのは北朝鮮はその気になれば「核弾頭ミサイル」を七分程度で日本国内に運搬できるということです。

関連するキッドのブログ『Around40・注文の多いオンナたち

月曜日に見る予定のテレビ『ドラゴン桜(再放送)』(TBSテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (0) | トラックバック (2)

2009年4月 4日 (土)

湯けむりが目にしみる・・・しみるかっ(大野未来)飛翔体をスナイパーが誤探知(伊藤裕子)

どういうタイトルじゃ。まあ・・・北朝鮮の飛翔体ウンハ2号騒動で盛り上がる一部、事変おタクの内面がにじみでる春である。・・・おい・・・さらに意味不明になってるぞ。

この夜は発射予定日初日前夜だったのだな。で、地域限定の「湯けむりスナイパー」の記事を書くのだが、その前に新ドラマ枠の「コンカツ・リカツ」(NHK総合PM10~)がそこそこ面白い。主人公・七海が桜井幸子(実年齢35・ドラマ年齢39・実生活バツイチ・ドラマ設定未婚)である。そのちょっと煙たい友人の梨香子が清水美沙(実年齢38・ドラマ年齢・39・実生活二児の母・ドラマ設定・一児の母)だ。さらに仲良しの同級生で負け犬の姉貴分のるり子が国生さゆり(実年齢42・ドラマ年齢39・実生活バツイチ・ドラマ設定未婚)である。まあ・・・実生活がいろいろごにょごにょで単純に虚構として楽しむ以上に妄想が膨らみ、面白いのである。

ちなみに娘に結婚してもらいたい七海の母・幸子が松坂慶子(実年齢56ドラマ年齢62実生活・ドラマ設定ともに既婚)である。親同士の代理見合いに参加して・・・「39じゃ無理」と言われて立ちすくむ悲しい母を演じている。まあ・・・結婚活動も離婚活動もアクションということです。でもガッキー・ドラマ(0417スタート)の裏なのである。

もう少し内容を知りたいあなたはコチラへ→mari様のコンカツ・リカツ

さて・・・一部愛好家は大騒ぎだった発射予定日初日(090404)は夕暮れを迎えている。一度「発射情報」が全国に流れ、フジテレビは特番体制に移行・・・しかし、「誤探知」が五分後に判明し・・・勇み足である。そもそも・・・NHKでは「米軍衛星→防衛省→日本政府→マスメディア」という情報の流れを説明していたのだが、現在の公式発表は「千葉県の自衛隊レーダーが誤探知→防衛省→日本政府→マスメディア」になっている。「米軍」どこへ行った。ああ・・・正しい「情報」についての管理は・・・難しいよね。

しかも・・・大陸間弾道ミサイルはマッハで飛翔するしね。

で、『湯けむりスナイパー・第1回』(テレビ東京090404AM0012~)原作・ひじかた憂峰(他)、脚本・演出・大根仁を見た。秘境の温泉旅館「椿屋」で働くリストラされた中年男・源さん(遠藤憲一)は実は引退を決意した殺し屋だった・・・という設定のコントである。ウッチャンナンチャンのコントにありそうな展開である。この役は内村光良の「恋人はスナイパー」にも通じている。

基本的に「殺人を稼業としてきた人間」が純情可憐な恋をしたり・・・穏やかな余生を楽しむなんて道義的には許されないところであり・・・それをのほほんとするところがコメディーであり、「お笑い」なのである。

ドラマの中で、源さんは度々、過去を振り返る。そこではスナイパーとして高層マンションで愛人をバックで攻める標的をビル屋上から狙撃したり、ヒットマンのように拳銃を乱射したり、ドス(短刀)をふりまわしたりと修羅場をくぐったことが示される。

突然「潮時」を感じた源さんは「人生を清算」するために「隠遁」を決意するのである。

その言い訳として「ターゲットは殺すに値する人間だった」というモノローグがある。

それは受け取り方によっては「殺されても仕方のない人間だった」という風にも聞こえる。これは哲学的にはかなり頭の悪い展開だし、殺し屋の美学にもそむくだろう。

妄想的には「殺人価値」=「営業利益」で処理したい。つまり、殺すことによって報酬が発生するから殺しました。それが「殺すに値する人間」の意味であってほしい。このあたりが脚本・監督をやってしまうと甘さが残るポイントであると考える。

まあ・・・基本的には深夜だからやりたい放題、やんちゃが主眼の演出家である。ピストン運動をしていたとか、バストの露出があるとか、腹を蹴ったら嘔吐したとか・・・そういうテレビが禁じた手法をガンガンやりたいのである。そしてやるのである。まあ・・・キッドはそういうところがすべてではないと思いつつウキウキするのである。

「ウィッス」と言いながら・・・裏社会や・・・非情な世界にはない・・・表の社会の温もりにひたる源さん。

しかし・・・その手で「人命」を奪ったことが・・・奪い続けてきたことをどう考えるのか・・・それともまったく忘却していくのか。どっちにしても面白いのであるな。

ウキウキと旅館従業員をする源さんの最初のエピソードは仲居の鈴世(池津祥子)の元・亭主のヤクザの田川を退治することである。時々、旅館にやってきて暴れる田川に女将の冴子(伊藤)も番頭の捨吉(でんでん)も対処に困っていたのだった。

連続ドラマ初出演の大野未来が演ずる仲居の由美ちゃんの出番のために事情を聞いた源さんは「この件はまかせてください・・・」と名乗りをあげる。

そして・・・ヤクザを野原に呼び出して暴行三昧である。ヤクザが泣いて誤るまで殴打を続けるのだ。まあ・・・それでおさまるヤクザもどきというキャラ設定なので目をつぶるが・・・そんなことで泣きを入れるヤクザはヤクザとは言えないという考え方もあります。

ここは調子にのって撲るうちに死亡。裏庭に埋めてしまい・・・「また殺してしまったか・・・」という方が楽しいのに。

ともかく・・・この件で女将や番頭から一目おかれた源さんだった。

ある種、コントなので・・・エピソードは重ねられる。次にスポットライトがあたるのは老いた男の客たちの欲望処理の問題である。

客から「アレを頼むよ・・・」と言われてピンとこない源さんに番頭が業務内容を伝達する。

天狗の金棒というかバイアグラのようなものを客に渡し・・・由緒正しい老舗旅館では処理できないことを処理してくれる場所に案内するのである。

貧しいアジアの国の売春婦を雇用するお店「スナック花子」で店のママ(松田美由紀)から「お店の娘と個室に入ったらショートで1万、ロングで2万」という料金設定をレクチャーされる源さん。ちなみにママはショートで3万、ロングで5万と高めの設定なのである。この瞬間、エンケンも素晴らしいけれど、この役を松田優作が演じていたらと妄想し・・・目頭が熱くなるキッドだった。

翌日・・・湯につかる一番寡黙な老人と話がしたくなる源さん。

「昨夜はいかがでしたか・・・」

「30年ぶりに勃起した・・・」

そう答える爺さんに・・・ご無沙汰すぎるだろうとお茶の間のキッドは思わず叫びました。

ま・・・ともかく・・・まだまだ謎の残る源さんの心の綾をもっともっと知りたいと思わせるには成功した第一夜だった。

関連するキッドのブログ『ライオン丸G

               『北村一輝のオレザク

                『週刊真木よう子』→『大根の回

日曜日に見る予定のテレビ『天地人』(NHK総合)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (2) | トラックバック (2)

2009年4月 3日 (金)

ゴーストが見える人、この指とまれ!(福田沙紀)ゴーストフレンズ募集中(水崎綾女)

・・・おっとシスターミキ(水崎)、帰ってきました~。・・・ってまた死んでんのかよっ。

また、彼氏と悲しいデートか・・・。

ちなみに、福田沙紀(18)、水崎綾女(19)、愛衣(20)、渋谷飛鳥(20)、川久保拓司(27)・・・主人公以外はなんちゃって高校生だが・・・川久保っ。

初回視聴率はものすごいラインナップ相手とはいえ、*4.1%である。まあ「Q.E.D.証明終了」の最終回が*4.8%なのでこんなものかという感じですけど。

霊界ものと、死後の世界に関する共通認識は密接な関係があるが・・・宗教教育不在のわが国では・・・結構、見方が難しいし、作り方も難しい。「宗教色のない慰霊塔」などという意味不明の言葉が生れる所以である。

死後の世界に関連することを宗教と呼ばずになんとしよう・・・である。

現在、日本テレビでは「ゴースト 〜天国からのささやき」(GHOST WHISPERER)を深夜にオンエア中だが、その世界観はなんとなくクリスチャンでお約束設定がなされており、その点だけでも見やすく、作りやすいのである。

日本の場合は「あの世」の設定から丁寧に構築する必要があるのだな。まあ、神道、仏教、キリスト教が入り乱れるこの国で丹波さんや美輪さんが語るスピリチュアルな死後の世界、そして数多くの新興宗教まで含めるとそれぞれの死後の世界が漠然と広がるこの国では「私の知っている死後の世界と違う」という違和感はたやすくお茶の間を席巻するのである。

まあ・・・そういう意味ではまた「おかしな死後の世界観」が一つ追加されました・・・とコレクター的にはうれしいのです。

で、『ゴーストフレンズ・第1回』(NHK総合090402PM8~)脚本・高橋留美、演出・笠浦友愛を見た。「GHOST WHISPERER」では主人公は子供の頃から幽霊が見える特異体質でこの世に未練が残るゴースト(亡霊)の声に耳を傾け、あの世への引導を渡すのを天職のように実行する。その世界観は映画「ゴースト~ニューヨークの幻」と全くといっていいほど変わらない。基本的には人は死後、幽体離脱をして・・・しばらくはこの世に留まる。「天国の階段」は登場しないが・・・霊は死を悟ると「あの世」に自然と旅立っていくのである。

一方、「ゴーストフレンズ」の主人公・明日香(福田)は九死に一生を得たバス転落事故から、ゴースト(幽霊)が見えるようになった。もちろん、そのメカニズムの説明はまったくない。すると、その事故で死んだ親友のミク(水崎)やユイ(愛衣)は当然のようにゴーストとして明日香につきまとっているのである。それどころか・・・六年前に死んだ明日香の母(友近)もまとわりついている。さらには町には江戸時代の侍やら虚無僧までが浮遊霊として彷徨い、明日香が霊と交信可能だと知ると、「それぞれの未練」を持って集合するのだった。

もちろん・・・現実の世界では「ゴーストが見えること」は心の病の症状である。少なくともリアルな世界観を作るにはその認識が必要だ。「幽霊とばかり話している人」は「現実逃避」をしているに他ならないのである。

それでも・・・人は「死後の世界」が大好きであるから・・・そういう話を作ることは問題ではない。

しかし・・・虚構として辻褄をそれなりにあわせないと・・・物語はたちまち破綻する。

そのための「霊の世界の虚構的な認識」は大切である。

「人間も幽霊も一緒だ・・・」と主人公はなんとなく言うが、キッドは明確に違うと思う。人間はいつか死ぬことを前提に生きている。その点、幽霊は死なない、病気も何にもないなのである。まあ、百歩譲って幽霊はすでに死んでいるのである。

幽霊と人間の物理的接触について・・・ゴーストものはギリギリのアクロバットを展開する。

たとえば・・・恋人を残して死んだゴーストが・・・「もう抱きしめてやることもできない」と言ったそばからコインを動かしたり、悪戯な風になったりするわけである。ウインド・タッチの愛撫ができるってことですかっ。・・・失礼しました。

まあ・・・ある意味、そういうお約束で・・・幽霊による振動とか、幽霊による停電とか、幽霊による摩擦はちょっとできるというのが通例である。

しかし・・・振動や通電や摩擦ができれば、幽霊が殺人をするのは日常茶飯事なのである。心臓に通電すればいいんだからな。

そうなると・・・幽霊はたちまち・・・邪悪で危険な存在となる。

考えてもいただきたい・・・児童無差別殺人で死刑になった人間が自由な幽霊として存在することの恐怖を。子供の命がいくらあっても足りないのである。

それでも・・・死後の世界なんてないと考えない人の常套手段が・・・あの世の管理人たちの設定である。

「ゴースト」の世界では天使たちがその任務にあたるのである。現代では「神」を頂点とする官僚機構の役人が天使というイメージになっている。もちろん、日本だってこの制度を導入していいと思うが、あの世を作る虚構家にとって、その安易なイメージに抵抗がある場合・・・そこそこ新機軸を打ち出そうとする。「ゴーストフレンズ」ではゴーストの番人・アンナ(鰐淵晴子)がそれにあたる。まあ・・・目新しくはありません。

人間社会は洋の東西を問わず、階級社会であるため・・・上下の感覚が発達します。

そのために・・・昇天する文化であろうが、成仏する文化であろうが、天国と地獄は存在します。仏教では輪廻転生の思想があるために・・・この世が地獄になりがちです。その輪から自由になり、解脱して初めて涅槃に入るわけですが・・・結局は天国と地獄です。

キリスト教も悔い改めれば最後の審判の後、天国行きですが、悪魔に魂を売れば地獄行きです。

人間は・・・死後の世界でも人間関係を続けていたいと妄想します。それが「愛」と呼ばれるのです。親を亡くした子供が・・・いつも見守られていると安心できる気持ちを持つのはそう悪くないと考えますし、墓地の管理者は安定収入を得るためにぜひ功徳をつむべきだと諭します。

まあ・・・すべてはバランスですが・・・暴利を貪らない限り・・・「愛」が「死後」も「続行」で心が慰められるのはいいかもしれません。

まあ・・・人類百万年の歴史があると・・・子供を心配するママの幽霊の後ろには祖母の幽霊がいてその後ろには祖母の親の幽霊がいて・・・と考えるとものすごいたくさんの長い行列ができるわけです。子供が百人とかいた場合、誰につくのかと言う問題もあります。そういう理屈で考えると・・・馬鹿馬鹿しくなりますが・・・それを言い出すと終るので言いません。・・・おい、言ってるぞ。

ともかく・・・この世界では聞き分けのない幽霊は人間に憑依して第2の人生を送ろうとする模様です。そしてそういう幽霊を説得するのが番人の手下のゴーストの役目らしい。

実体のある幽霊カイト(西島隆弘)が明日香にどのように関っていくのか・・・まあ・・・すべては戯言ですので楽しめる人は楽しむといいと思います。

カイトの元恋人の幽霊・美空(入山法子)がキーポイントの模様。

今回の話では・・・病院で知り合った自殺未遂の若い女と病死した少年の心の交流が描かれるのですが・・・ゴーストたちを手下に使ったり、異様なロマンチック・レストランを開催したりと・・・ちょっと作り手の感性が死霊と化している感じもしますけどね。

まあ・・・キッドとしては子供も幽霊だったが・・・女も自殺していた・・・というシックスセンスなオチの方が初回としてはインパクトがあったのに・・・と思ったのでした。

とにかく・・・主人公がゴーストとたちと手を切って現実に向き合うことを祈るばかりです。

「GHOST WHISPERER」は哄笑するゴーストなど・・・おそらくは悪魔の眷属の匂いが立ち上り・・・あの世の恐ろしさをそこはかとなく伝えています。

この世がほのぼのしていない以上、あの世もしかるべく。・・・とキッドは考えますし、そうでないと視聴率の向上はのぞめないかと。

関連するキッドのブログ『キューティーハニーTHE LIVE

                                『ライフ

土曜日に見る予定のテレビ『鈴木杏樹の法律事務所』(テレビ朝日)『帰ってこさせられた33分探偵』(フジテレビ)『イケ麺そば屋探偵』(日本テレビ)『ERⅩⅡ』(NHK総合)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (2) | トラックバック (6)

2009年4月 2日 (木)

テレビ東京のとなりはNHK総合です(遠藤憲一)キャプテンつばさ(多部未華子)

もちろん、アニメ「キャプテン翼」はテレビ東京のアニメである。

アナログテレビに「アナログ」と名前がかかれ・・・アナログテレビはもはや死刑囚のようである。

おそろしいことにテレビ東京はデジタルでは7チャンネル、その外にフジテレビの8チャンネルがあるのだ。

NHK総合とテレビ東京が肩を並べる郷愁の世界はもうすぐ終ります。

昨夜は東京地方は真夜中の春雷・・・そして朝は春の嵐である。

花に嵐のたとえ通り、東京は桜にさよならの季節である。

で、『毎日かあさん』(テレビ東京090401PM7~)原作・西原理恵子、構成・高橋ナツコ、監督・本郷みつるを見た。毎日新聞購読者は知っている新聞マンガ原作である。しかし西原理恵子なのである。一回目のメイン・ストーリーはカニが異常に大好物のかあさん(声・森久美子)が幼い息子と娘に隠れて真夜中に一人でカニをむさぼり食う話である。ばあちゃん(声・岡本麗)もあきれます。ちなみにとうさん(声・田口浩正)は異国の地にいます。

極私的ロマンスを虚構化してきた西原理恵子、この原作も作者近辺の実在の人々をゾッとさせながら連載されているらしいが・・・とりあえず初回はほのぼの甘口タッチです。

あはは・・・西原理恵子の自伝マンガを連載する毎日新聞も毎日新聞だが、それをアニメ化しちゃうテレビ東京・・・さすがです。

そんな母のために子供たちは「カニの絵」をプレゼントする。むせびなくかあさん。

しかし・・・その夜、かあさんは一人悪鬼のようにカニをむさぼり食うのだった。

で、『つばさ』(NHK総合090330AM0815~)脚本・戸田山雅司、演出・西谷真一も見ている。主人公・つばさ(多部)は元・サッカー少女で今は短大生で主婦である。なぜかといえば母・加乃子(高畑淳子)が放浪癖があるからだ。もういかにも悪妻愚母な加乃子、いい味出しています。そんな母が借金を背負い何か魂胆(こんたん)があって舞い戻り・・・家に居場所がなくなるつばさなのである。妄想控え目、転倒少なめのヒロインであるが・・・なにしろサッカー少女だから運動神経がいいのである。しかし・・・死んだ祖父(イッセー尾形・ただし遺影は小松政夫・・・父方?・・・それともあやかし?)が明らかに降臨しており・・・妄想は炸裂するような気がする。

祖母・千代(吉行和子)・母・加乃子・娘・つばさ。老舗の和菓子屋が舞台だけにネーミングで筋立てが分るところがステキ。後はロナウ二郎(脇知弘)か。

「つばさ」をつい見逃したけどこれから見てみようと考えるあなたはコチラへ→飯綱遣い様のつばさ

で、『湯けむりスナイパー予告編』(テレビ東京090402AM0043~)も見た。金曜深夜からスタートするドラマの番組宣伝で30分である。いつもテレビ東京の記事を書く時は・・・日本人として躊躇するものがある。江戸っ子っていうか、東京人っていうか、関東ローカルの話だったらどうしようと思うからだ。NHK総合がテレビ東京のお隣さんという話だってそうなんですがーっ。とにかく、テレビ東京の深夜は時々、凄いのである。最近では「キューティーハニーTHE LIVE」が凄かったのだ。その前は「エリートヤンキー三郎」が凄かった。そういう意味で凄いといいなあ・・・と思うのがこのドラマである。なんてったって遠藤憲一主演だ。

・・・もう・・・かなり凄そう。

原作は『漫画サンデー』のコミックである。「まんさん」といえば『まんだら屋の良太』と『静かなるドン』がメジャーだが、ある意味、両者の交錯した一点が本作である。ほのぼのとした秘湯人情と殺伐とした非情の世界、あわせていただきますだ。

第一に・・・数々の殺人をビジネスとして遂行してきた男が・・・人生を清算するためにひなびた温泉街で働き始めるという設定が・・・もう許されるかっの世界である。

これは殺人はとにかく許されないこと・・・という公序良俗にはまっこうからチャレンジしています。戦国時代なのに主人公は殺人なんかしませんよ・・・という今年の大河ドラマのスタッフにヘソの垢でも煎じて飲ませたいところでございます。

まあ・・・とにかく・・・楽しみだよねー、楽しみでドキドキするよねー。ただし、脚本・監督・大根仁なので好き嫌いははっきりするかもなーっ。ついでに原作・ひじかた憂峰(狩撫麻礼)です。

なんていうかさ・・・「ちびまるこちゃん」から20年後の「毎日かあさん」(さくらももこと西原ほぼ同世代)とかさ・・・「ア・ホーマンス」から20年後の「湯けむりスナイパー」とか・・・テレビ東京ってやっぱりすごいよね。

でも「ゴッドタン」の「キス我慢選手権」で劇団ひとり(交際発覚前)がみひろの涙の猛烈アタックに耐えかねて思わず「あかねと目をあわせられない」と意味不明の発言をした時に・・・大沢あかねに配慮してその部分を編集カットしてお蔵入りするだけの配慮は持ちあわせているんだよね。立派だよね。でも結局流すんだけどね。何が立派なのかもう一つ把握できないところもさすがです。

そして・・・今日の午後のロードショーは春休みだから「マーズ・アタック」・・・ああ、妄想の中だけなら何億人殺してもいいんだよね。地球なんて滅びたっていいんだよね。愛とか平和とかくそくらえって心の底では思っていてもいいんだよね。

でも・・・人間はそれだけじゃないから美しいんだよね。

そういう気分で「湯けむりスナイパー」をお待ちしています。

関連するキッドのブログ『山田太郎ものがたり

金曜日に見る予定のテレビ『コンカツ・リカツ』(NHK総合)『湯けむりスナイパー』(テレビ東京)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2009年4月 1日 (水)

だからコンプレックスって劣等感のことじゃないと何度言ったら(加藤ローサ)ま、いいじゃん(相武紗季)

まあ、日本語として引け目というニュアンスで通じているのならもう・・・いいかと思う今日この頃。

しつこいようだが、コンプレックスは「複合」という意味である。なにが複合しているかといえば、それはシンボルである。たとえば「チビ」という言葉をひとつのシンボルと考えたときにそのシンボルに「憎悪」とか「劣情」とか「阻喪」とかと言った「情動」などのシンボルが直結している心理をコンプレックスという。劣等感を示す劣等コンプレックス(inferiority complex)はその一部に過ぎない。その一部にすぎないものが全てとなるって日本人はどれだけ劣等感が強いんだ。

たとえば愛はある意味、コンプレックスである。

「男女」とか「性」とか「喜悦」とか「興奮」とか「執着」とかもういろいろなものが梱包されたコンプレックスなのである。

本題に入る前に昨日、忘れてました恒例の週末の視聴率チェック。「ルパン三世VS名探偵コナン」19.5%(ルパンファンも納得だったのか・・・)、「美山加恋の外科医鳩村5」11.7%(これ一本に絞ってたのか)、「クローズZERO」*7.5%(わはは、そりゃそうだ)、「就活のムスメ」*9.2%(貫地谷、メイサに勝つ)、「幸福のスープ」↗5.9%(逆に海外で悪の限りをつくす日本人という主題はないのかね)、「ごくせん卒業SP09」18.1%(怪物ソフトではなくなったのだな)、「おかしな刑事」14.4%(男女混合ペアとしてはまあまあなのか)、「帰33分探偵」*9.5%(相変わらず)、「天地人」↘17.8%(まだまだ高いよ)、「相棒・劇場版」19.5%(自己責任の問題と事実誤認の問題は別問題)、「DOOR TO DOOR」*9.3%(感動ドラマ特別企画って・・・)ついでに「世にも奇妙な物語」14.8%、「ハンサム・スーツTHE TV」13.3%・・・以上。

で、『ハンサム★スーツ THE TV』(フジテレビ090331PM10~)原作・鈴木おさむ、脚本・マギー、演出・本橋圭太を見た。映画『ハンサム★スーツ』のスピンオフドラマである。どんなブサイクもハンサム光山杏仁(谷原章介)に変身できるモビル・スーツを開発した謎の男・白木(温水洋一)と博士の助手(相武紗季)。本編のブサイク大木(塚地武雅)がオチである。

テレビでは「表(美醜で人間が差別されてはいけない)」と「裏(女子アナは容姿端麗)」が巧妙に使い分けられている。キッドは相対的な美というものを認めないし美とは絶対的なものであるという信念を支持するが、一般的な美というものと本当の美というものは存在すると思う。キッドが美しいと思うものを一般が美と思わない場合、一般人は見る目がないと言わざるをえないからである。

だからハンサム・スーツはタニショー・スーツと呼ぶべきではないかと思ったりもする。

もちろん、キッドはタニショーはハンサムだと認めますが。

原作者は「ブスの瞳に恋してる」の著者でもある。ブサイクな夫とブスな妻、ブサイクはお金になるのだな。

なぜならば世の中はブスとブサイクの方が圧倒的に多いからである。

そして、ブスやブザイクやチビやデブは意外に自分のことを「それほど醜くないしそれほど背が低くないしそれほど太っていない」と思いがちだ。

そういう人たちは「哀れなブサイク」を哀れむのである。

このあたりの複雑さはキッドには想像するしかないのが残念だな。

とにかく・・・ブサイクであるために結婚詐欺師に「変な絵」を売りつけられたコック裕太郎(秋山竜次)は・・・軽食もできる喫茶店を母(室井滋)とほのぼのと経営していた。そこに料理人の娘涼子(加藤ローサ)がウエイトレス募集に応募して・・・たちまち身の程知らずの恋に・・・。

かって飼っていた豚を心情的に食べた裕太郎はそれ以来、豚肉を美味しく食べることに精進し、かなり美味しいポークライスを調理することができた。

実は涼子は色気より食い気の変態性癖を持ち、幼い頃食べた裕太郎のポークライスに恋をしていたのである。

涼子の恋愛コンプレックスは(性欲-食欲×絵本×ブタのコックさん×おいしくなあれ+ポークライス÷ランチの女王)のような感じなのであろう。

そうとは知らずに母に「顔もブサイクなら心もブサイク」と罵倒され自分のブサイクさに絶望して家出をした裕太郎。そこでタニショー・スーツを手に入れたのである。

タニショーと化した裕太郎はすべての歯車がいい感じに回るのである。

そこそこイケメンに生れてしまったために実感のわかない人は自分がキムタクになったと妄想してください。

そんな前に立ちふさがる貴腐人じゃなかった・・・イケメン好きのレストラン経営者・鷹宮(高橋ひとみ)、人気の裕太郎の喫茶店を潰すためにタニショー2号とのハンサム料理人対決を企画するのであった。

料理と料理人の顔は無関係だろうと思う人はスタッフの劣等コンプレックスのなせるワザだとご理解ください。

しかし、1号の人気に不安を覚えた2号はタニショースーツの弱点である水を浴びせかける。

汗とか涙とかの水分は平気なのかという疑問は抱かないでください。

こういう奇想天外アイディアものには①弱点を必ずつくる ②副作用をつけてもいいがセオリーですが・・・②がないところは制限時間の問題です。

たちまち・・・破壊されるタニショースーツ。しかし、イケメンよりもポークライスが好きな涼子は裕太郎の手をとり「こんなところに豚足が」と励ますのです。

それはオチだろうというツッコミは勘弁してください。

こうして・・・容姿に関する劣等コンプレックスドラマは「美味しく見えるものが美味しいかどうかは食べてみるまで分らない」という真理を残して春の夜の彼方へブーブー言いながら歩み去っていったのです。

まあ・・・美少女が握ってくれればお結びの味なんかどうでもいいという真理もありますけどね。

関連するキッドのブログ『はねるのトびら

               『ブスの瞳に恋してる

木曜日に見る予定のテレビ『ゴーストフレンズ』(NHK総合)『高部あいのリセット』(日本テレビ)始まったり、まだやってたりだな。

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

| | コメント (0) | トラックバック (6)

« 2009年3月 | トップページ | 2009年5月 »