だからコンプレックスって劣等感のことじゃないと何度言ったら(加藤ローサ)ま、いいじゃん(相武紗季)
まあ、日本語として引け目というニュアンスで通じているのならもう・・・いいかと思う今日この頃。
しつこいようだが、コンプレックスは「複合」という意味である。なにが複合しているかといえば、それはシンボルである。たとえば「チビ」という言葉をひとつのシンボルと考えたときにそのシンボルに「憎悪」とか「劣情」とか「阻喪」とかと言った「情動」などのシンボルが直結している心理をコンプレックスという。劣等感を示す劣等コンプレックス(inferiority complex)はその一部に過ぎない。その一部にすぎないものが全てとなるって日本人はどれだけ劣等感が強いんだ。
たとえば愛はある意味、コンプレックスである。
「男女」とか「性」とか「喜悦」とか「興奮」とか「執着」とかもういろいろなものが梱包されたコンプレックスなのである。
本題に入る前に昨日、忘れてました恒例の週末の視聴率チェック。「ルパン三世VS名探偵コナン」19.5%(ルパンファンも納得だったのか・・・)、「美山加恋の外科医鳩村5」11.7%(これ一本に絞ってたのか)、「クローズZERO」*7.5%(わはは、そりゃそうだ)、「就活のムスメ」*9.2%(貫地谷、メイサに勝つ)、「幸福のスープ」↗5.9%(逆に海外で悪の限りをつくす日本人という主題はないのかね)、「ごくせん卒業SP09」18.1%(怪物ソフトではなくなったのだな)、「おかしな刑事」14.4%(男女混合ペアとしてはまあまあなのか)、「帰33分探偵」*9.5%(相変わらず)、「天地人」↘17.8%(まだまだ高いよ)、「相棒・劇場版」19.5%(自己責任の問題と事実誤認の問題は別問題)、「DOOR TO DOOR」*9.3%(感動ドラマ特別企画って・・・)ついでに「世にも奇妙な物語」14.8%、「ハンサム・スーツTHE TV」13.3%・・・以上。
で、『ハンサム★スーツ THE TV』(フジテレビ090331PM10~)原作・鈴木おさむ、脚本・マギー、演出・本橋圭太を見た。映画『ハンサム★スーツ』のスピンオフドラマである。どんなブサイクもハンサム光山杏仁(谷原章介)に変身できるモビル・スーツを開発した謎の男・白木(温水洋一)と博士の助手(相武紗季)。本編のブサイク大木(塚地武雅)がオチである。
テレビでは「表(美醜で人間が差別されてはいけない)」と「裏(女子アナは容姿端麗)」が巧妙に使い分けられている。キッドは相対的な美というものを認めないし美とは絶対的なものであるという信念を支持するが、一般的な美というものと本当の美というものは存在すると思う。キッドが美しいと思うものを一般が美と思わない場合、一般人は見る目がないと言わざるをえないからである。
だからハンサム・スーツはタニショー・スーツと呼ぶべきではないかと思ったりもする。
もちろん、キッドはタニショーはハンサムだと認めますが。
原作者は「ブスの瞳に恋してる」の著者でもある。ブサイクな夫とブスな妻、ブサイクはお金になるのだな。
なぜならば世の中はブスとブサイクの方が圧倒的に多いからである。
そして、ブスやブザイクやチビやデブは意外に自分のことを「それほど醜くないしそれほど背が低くないしそれほど太っていない」と思いがちだ。
そういう人たちは「哀れなブサイク」を哀れむのである。
このあたりの複雑さはキッドには想像するしかないのが残念だな。
とにかく・・・ブサイクであるために結婚詐欺師に「変な絵」を売りつけられたコック裕太郎(秋山竜次)は・・・軽食もできる喫茶店を母(室井滋)とほのぼのと経営していた。そこに料理人の娘涼子(加藤ローサ)がウエイトレス募集に応募して・・・たちまち身の程知らずの恋に・・・。
かって飼っていた豚を心情的に食べた裕太郎はそれ以来、豚肉を美味しく食べることに精進し、かなり美味しいポークライスを調理することができた。
実は涼子は色気より食い気の変態性癖を持ち、幼い頃食べた裕太郎のポークライスに恋をしていたのである。
涼子の恋愛コンプレックスは(性欲-食欲×絵本×ブタのコックさん×おいしくなあれ+ポークライス÷ランチの女王)のような感じなのであろう。
そうとは知らずに母に「顔もブサイクなら心もブサイク」と罵倒され自分のブサイクさに絶望して家出をした裕太郎。そこでタニショー・スーツを手に入れたのである。
タニショーと化した裕太郎はすべての歯車がいい感じに回るのである。
そこそこイケメンに生れてしまったために実感のわかない人は自分がキムタクになったと妄想してください。
そんな前に立ちふさがる貴腐人じゃなかった・・・イケメン好きのレストラン経営者・鷹宮(高橋ひとみ)、人気の裕太郎の喫茶店を潰すためにタニショー2号とのハンサム料理人対決を企画するのであった。
料理と料理人の顔は無関係だろうと思う人はスタッフの劣等コンプレックスのなせるワザだとご理解ください。
しかし、1号の人気に不安を覚えた2号はタニショースーツの弱点である水を浴びせかける。
汗とか涙とかの水分は平気なのかという疑問は抱かないでください。
こういう奇想天外アイディアものには①弱点を必ずつくる ②副作用をつけてもいいがセオリーですが・・・②がないところは制限時間の問題です。
たちまち・・・破壊されるタニショースーツ。しかし、イケメンよりもポークライスが好きな涼子は裕太郎の手をとり「こんなところに豚足が」と励ますのです。
それはオチだろうというツッコミは勘弁してください。
こうして・・・容姿に関する劣等コンプレックスドラマは「美味しく見えるものが美味しいかどうかは食べてみるまで分らない」という真理を残して春の夜の彼方へブーブー言いながら歩み去っていったのです。
まあ・・・美少女が握ってくれればお結びの味なんかどうでもいいという真理もありますけどね。
関連するキッドのブログ『はねるのトびら』
木曜日に見る予定のテレビ『ゴーストフレンズ』(NHK総合)『高部あいのリセット』(日本テレビ)始まったり、まだやってたりだな。
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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