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2009年5月31日 (日)

ミスター・ブレイン復讐のアレゴリー(木村拓哉)宝石泥棒!(綾瀬はるか)チョキの勝利(木下優樹菜)

「幽霊のアレゴリー」と迷ったのだが「MR.BRAINパーで勝つ」よりマシかと思いまして。

ジャンケンで始まり、ジャンケンで終ると言う以上に掃除の姉ちゃん(木下)に敗北した後で脳波の止った九十九(キムタク=誤検索対応)がますますこの世界が九十九の見ている夢にすぎないという疑惑を深めます。

手術後の夢ではなく、現在、手術中なのかもしれません。

脳波が停止したのは一時危篤に陥ったか・・・夢の中の掃除の姉ちゃんは吸引の象徴かもしれません。

そういう意味では九十九ご愛用のペンライト。事故現場で救急隊員が瞳孔の対光反射を確認している記憶の痕跡なのかもしれません。まさに九十九は「死」を判定されている最中・・・と妄想いたします。

で、『MR.BRAIN・第2回』(TBSテレビ090530PM0756~)脚本・蒔田光治、演出・福澤克雄を見た。「第一印象は大切だ」という文言があるわけだが、同じことを「先入観は禁物だ」とも言う。しかし実務をこなすにあたって「真偽に対するあまりにも慎重な態度」は支障をきたす場合もある。大草原でライオンと遭遇し・・・とりあえずライフルをぶっ放す前にそれが本当のライオンがどうかを吟味していると食い殺される恐れがあるのです。

だから人間は「適当」という言葉を珍重するのである。

科学者の前身である錬金術師の死亡率は高い。その原因は彼らが薬物を調合することに熱心だからである。そして人間は味わってみなければ気がすまないのである。こうして錬金術師たちは調合した薬物・・・惚れ薬など・・・をペロッとなめてみて即死したりするのでございます。

しかし、人間はやがて「動物実験」という着想を得て・・・楽をすることを覚えたのです。

冗談を言っているかと思う人がいるでしょうが1934年にはキュリー夫人が白血病で没しております。その病因は放射能を研究しすぎたためですから。

ともかく、九十九に実験動物として指定された由里(綾瀬)はムキーッとなりながらも憧れの科学者を目指して「科学者なら解明してよ」とチームに号令をかけるのです。

まあ、科学者の多くは学者バカですからちょっと挑発してやればすぐに乗ってきます。もちろん、男性の多い職場なので由里の言うことに下半身が反応しているわけです。

九十九が博士号を持っているかどうかは謎なのですが、とにかく、博士の助手として新たなる第一歩を踏み出したのです。

さて今回の場合、第一印象とは「すでに解決した事件である」と言うことです。

犯人が逮捕され取調べが行われ裁判も終了し判決も出て死刑が執行された事件がまだ謎に包まれている・・・というのですから大事です。ものすごくたくさんの人々がとりかえしのつかないことをしてしまったと涙にくれるのでございます。

それを「解決していないとする根拠」は何なのか?・・・それは死刑で死亡した男・竹神(Gackt)が処刑後に発生した新たな事件の容疑者として浮上したためです。

九十九はこう考えます。「幽霊が人を殺すことができるかどうか」です。

幽霊は妄想の産物だという先入観にとらわれていては出来ない発想なのでございます。

ここで竹神事件を整理しておきましょう。

犯人である竹神は「羊たちの沈黙」で有名なドクター・レクターことハンニバルのコピーキャット(模倣犯)あるいはパロディーということです。①快楽殺人犯である ②殺した人を食べちゃう(ただし生でかじる場合もある) ③自殺防止マスクを装着 ④変な拘束具で生活・・・など確信犯です。もちろん、高度に発達した知性を持ち、高い身体能力を持った文武両道の犯罪者です。

竹神は四人の人間を殺害し食用としたことで逮捕され一年前に絞首刑に処せられました。これが過去の事件。

しかし・・・新たなる事件として北千住署の刑事・津村(神保悟志)が何者かに殺害され凶器や現場から竹神の指紋が発見されたために・・・事件は混迷するのです。

なぜなら・・・竹神は「私は死なない・・・蘇るから」と予言していたのです。そして津村は竹神事件の捜査を担当した一人でした。

そして、竹神事件の捜査に加わった鑑識官・高田(福井博章)が竹神の指紋の残る凶器で殺害され・・・九十九は思わず合掌するのです。

そして「南無妙法蓮華経」と唱えるのです。最近では様々な宗派があることに配慮してお経を口にしないのが原則ですので新鮮でしたな。しかし、「南無阿弥陀仏」の人々とか「南無帰依仏南無帰依法南無帰依僧」の人々とか「アーメン」の人々とかがクレームをつける恐れはないのです。なにしろ、視聴率24%超のスターの演じていることですから。誰が神様仏様のような存在に文句が言えましょうか。

さて・・・別に竹神が墓場から蘇り、次々に犯行を重ねるという展開でも問題とはないのですが、さすがに世間には「死んじゃった人間には何にもできない」という先入観がありますので真犯人が登場します。

ところで・・・アレゴリーとは寓意をひめた物語とも言うべき言葉ですが・・・たとえばこれもまたアレゴリーと言えるでしょう。

ミステリに登場するゲストが小雪=彼女が真犯人である

生前の竹神事件における第四の犠牲者の婚約者・久美子(小雪)の登場です。

死後の竹神事件の犯人を竹神マニアの犯行と断定する丹原刑事(香川照之)は竹神の死刑執行に一役買った久美子の身が危険と考え、警護を志願するのですが、岸川刑事(松重豊)によって阻止されます。

林田刑事(水嶋ヒロ)はそんな丹原を優しく慰めるつもりで激怒させるのです。

その頃、生前の竹神事件のデータを検証した九十九は第1~第3の犯行と第4の犯行の手口が違っていると直感するのです。

アレゴリーでいえば・・・。

第1~第3の犯行=バナナ

第4の犯行=皮ごとバナナ

・・・みたいな感じだと思われます。

さて・・・ここからは世界争奪ゲームです。プレイヤーは三組。三組はここから主導権争いを展開します。第一のプレイヤーたちをリードするのは九十九です。第二のプレイヤーは竹神。そして第三のプレイヤーは久美子。

久美子は復讐の女神です。何故、彼女は復讐するのか。それは婚約者を殺害されたからです。しかし、第一印象では「犯人は竹神」なので・・・彼女が死後の竹神事件に関っている可能性はありません。

そこで・・・九十九は「先入観を破壊」していきます。主人公だからなんでもありなのです。そしてたちまち・・・久美子の婚約者を殺したのは竹神ではないという結論に達します。

つまり・・・逆に言うならば「幽霊なんかいない」という先入観に勝てなかったのです。

そして・・・九十九の直感は岸川刑事殺害事件の発生によって裏付けられるのです。

死後の竹神事件の犠牲者・津村・高田・岸川は生前の竹神事件の第4の被害者を最後に目撃したメンバーだったのです。「第一発見者を疑え」というセオリーの裏でございます。

さて・・・すべては九十九の勝手な推測ですが、主人公のやることなので世界はどんどんそっちの方向に持っていかれます。なぜ・・・死んだ竹神の指紋が死後の事件現場や凶器に残されているのか。データバンクが書き換えられていたから・・・です。もうやりたい放題です。

なぜ、データは書き換えられたか・・・まずいことがあったから・・・そうです、久美子の婚約者を殺したのは死後の竹神事件の被害者たちだったのです。

ここで世界の支配者であることを望む異常者・竹神がゲームに参戦します。

その最後のゲームの結果を記す前に、ここで脳について考えてみます。人間には心があると思われていますが、心というものが脳と関係しているというのも予想の範囲内です。

しかし、脳は心ないこともします。たとえば呼吸をしたり、計算をしたりです。そこで人は脳の中の脳を求めました。脳の中に・・・呼吸をさせたり、計算をさせたりする司令室があるのではないかと考えたのです。・・・しかし・・・驚くべくことに現在も脳の中の脳は発見されていないのです。

人間がチームで動く場合にリーダーシップが問題になることがあります。チームの中の脳は他のメンバーの脳が自分の命令通りに動くことを求めます。つまり、他の人の脳を手足の如く使うのです。

今回、九十九は科学警察研究所を自分の意向に沿わせるために助手の由里を用いて指示を出します。それはつまり、九十九の脳が全員の脳をコントロールしているということになります。

同様に竹神もまた「死後も殺人を継続させる」ために他人の脳をコントロールするのです。竹神は刑事たちの罪を自分が引き受けるという計画を持ち出し、刑事たちに様々な事後工作を行わせます。そして、次にすべてを復讐の女神である久美子にリークして・・・彼女を死後の殺人の実行犯に仕立て上げるのです。

この場合、第2と第3のプレイヤーは共通の目的のために相互依存をするわけです。竹神は「死後の殺人」を実現できるし、久美子は「復讐」を果たすことができる。

そして第1のプレイヤーは孤立します。しかし、主人公だから大丈夫です。ちょっとした反則(犯人の宝石を拝借して犯行現場に置き犯人に発見させ隠匿させる)をして復讐の女神を罠にはめてしまいます。

けれど・・・これは支配権をめぐるゲームなのです。九十九は犯人を逮捕したけれど、竹神は死後の殺人を完遂、そして女神は復讐を果たしました。

はたして・・・誰が勝利したと言えるのでしょうか。

脳の中の脳がどこにもないように・・・じゃんけんで三人がそれぞれにグーチョキパーを出した場合のように・・・この事件はドローなのですね。

それでも生きている二人のプレイヤーは言葉を交わします。

「復讐心が幽霊を生み出すのね」

「死者は生者をあやつるものなのです」

そして・・・人々は世界を支配する夢に追われ・・・脳の中の脳を捜し求めるのでございます。

関連するキッドのブログ『第1話のレビュー

Hcinhawaii0556 ごっこガーデン。昼下がりの河川敷セット。アンナはうぅん。近い、近すぎるのぴょ~ん。もうアンナの頭はボーっとして魂の抜け殻状態なのですぴょん。もうヒーローを越え、華麗を越え、チェンジを越え、九十九ダーリンにハートが連打されっぱなしなのぴょんぴょんぴょん・・・レビューが書けないほどに~ケロケロリンみのむしおやおや、アンナちゃん固まってますね。今回は警察官が市民を殺し、市民が警察官を殺すという後味の悪い事件。しかし何よりこわいのはそれを支配する竹神です。猟奇的な部分での九十九や由里のこわがりぶりが見所なのね。でも人肉なんて食べたらお腹こわしますよるるるikasama4猿から助手に進化した綾瀬ロイドを製作中。試作品をアップしてみました。Gacktさん演じる犯人、ゾクゾクさせてくれますねぇ。来週は透明人間現れないのに現るですなお気楽ふう・・・マシントラブルで二度目の遅刻・・・っていうか・・・初回にも追いついていません・・・夏になったら帽子をかぶろうねエリアンナちゃん、日射病が心配でスー。じいや人工太陽弱めにしてあげて~。来週が本番ですからね~。亀梨先輩スタンバイ中でスー・・・そわそわ

Hcinhawaii0557 ごっこガーデン。科学警察遊園地セット。くう今回も面白かったけど・・・メンバー凄すぎ~。名優の皆さんがチョイ役で登場しては次から次へと死体に・・・もったいないわぁぁぁぁぁ・・・ヒロくんが活躍する回はあるのかなぁ・・・ヤンクミも出るのかよミマムお気楽社長に続いて私の愛機もダウンしたっしょ~・・・ただ今修理中で~すaki私は胃痛です・・・でも九十九と一緒にやつらは聞き逃しませんでしたーっ。田崎真珠に似たもので田崎饅頭とか行動0.8秒前の準備電位とか・・・怪しいコネタにそそられます・・・まこやっほーっ、遊園地楽しいジョ~、アンナちゃんがよそ見をしている隙にフワフワにタッチするアトラクションを堪能中でしゅ~、ザ・クイズショウも見てねあんぱんちなんだかんだと助手の乙女心を弄ぶ九十九・・・さすがは元・ホストなのね。しかも饅頭食後だし~。丹原刑事は美人に弱すぎ~ガっくん出番少なすぎ~山崎樹範はちょっとカッコいい~、魔女裁判もヨロシクねシャブリ例によって毎日がつばさなので遅刻するのでありました~・・・でも遊園地では遊んどきます~

月曜日に見る予定のテレビ『ハンチョウ~神南署安積班』『蓮佛美沙子の二重裁判』(TBSテレビ)『婚カツ』(フジテレビ)

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2009年5月30日 (土)

おねだり手握り・肩枕から見つめ合ってキスの連続技始めました(新垣結衣)やめてぇ(松本潤)

凶悪な男・林(小栗旬)に拉致・監禁されて「やめて・・・いやぁん」と言うビト(松本潤)・・・。

誰の望んだ設定なのか?

実にお子様設定のドラマになんだかんだ言うのも大人気ないのだが、富士山の麓にサティアンがあるのかよっ。

いや・・・妄想上はブタの王国があるんだったな。

そこでいじめられたブタ姫が恩返しするという古典だからな。

それにしても営業用のバンを私用で乗り回す従業員ビト。社長亡くなったばかりで遠慮知らずか。未亡人(いしだあゆみ)なめられてるのか。デートに使うは・・・社長を自殺に追い込んだ張本人との面談のための移動に使うは・・・であげくの果てに「ドライブといっても・・・バンだけど」って・・・あんたのクルマかよっ。

一台しかないバンで事故でも起こした日には業務に支障が出るだろうがっ。

このあたりのモラルの欠如が「前科者」の限界と・・・脚本家は主張するのでしょうかーっ。

で、『どうしようもないスマイル・第7回』(TBSテレビ090529PM10~)脚本・宅間孝行、演出・石井康晴を見た。一人・人外魔境・林の魔手により、タクシーに連れ込まれる花(新垣)・・・。間一髪、ビトは救出に成功・・・というか花が自分で脱出である。

タクシーを破損させ、路上でタクシーの運転手を暴行する林。タクシーには緊急用の無線がついているし、即通報だろう。

しかし・・・誰もが見て見ぬふりをする世界なのである。

タクシー・ドライバーの皆様の健康と安全をお祈りします。

ここからはありえない世界が展開していきますが・・・気にしないことが一番です。

とにかく・・・ブタ姫がどんなに富士急ハイランドに行きたくても行けない運命なのです。

それがメルヘンというものですから。

一方、変なナレーションを言わされ続け、毎回、魅力が半減しつつある弁護士・一馬(中井貴一)は昔好きだった女(羽田美智子)につれなくされて呆然である。まあ・・・もうまったく魅力なくなってるからな。仕方のないことだ。

とにかく・・・ビトと花のはじめてのデート。メルヘン全開である。林のことなんかすっかり忘れて今を生きるのだ。三角形でもポリンキーではなくてクレープである。映画はラブコメである。席についたら手をつなぐのだ。由緒正しい初デートである。そして麒麟といったらビールではなくて横浜港のクレーン群である。ちょっとそこまで行く感覚ではないが・・・絶好のキス・ロケーションである。そして一部愛好家絶叫のシーンがあって・・・鳥瞰気味にバンのハッチがしまった映像これは・・・カー・セ・・・カーセブンではありません。思わず画像解析ソフトで車内でのあれこれを妄想拡大なのだった。おかみさ~ん、業務用のクルマがいけないことに使われてますよ~である。

まあ・・・そんなこんながありまして・・・唯一の職人と言える社長が亡くなったのに滞りなく業務を続けるビトの食品加工会社に殺そうとして殺されそうになった林来襲。

しつこいようだが・・・ビトに殺人犯の濡れ衣を着せ、その後も乱闘事件を起こし警察関係者の父親を失職させ、刑期を終えるとビトの同僚の従業員を階段から突き落とし、元・従業員を唆し虚偽のスキャンダルで社長を自殺させた張本人で、前日に花を拉致しようとした林である。

その林と1対1で話し合いをするために・・・営業車に乗ってドライブである。しかも弁護士がその場にいて黙認である。・・・・・・ありえないよう・・・。

本来、保護司である社長が前科者の更生のために従業員一同犯罪者(元)という会社である。前科者の林が訪問して何が悪いという理屈もあるのですれどね。

そして・・・そのあげく・・・金落としたから・・・代わりに交番に届けてくれである。

更生のためにその金がいるという。

「これで最後にしてください」と引き受けるビトだが・・・もしも発見されたら受け取り受け渡すためにもう一度会うことは確実じゃないか・・・ビト・・・基本的に少し知能に問題がある子なんだな・・・きっと。

そして・・・林は交番を襲撃、警官を暴行失神せしめ・・・拳銃と手錠を強奪して・・・誰にも見咎められずにアジトへ逃走である。

そしてビトを手錠でベッドに繋ぎ脅迫である。ビトは携帯電話を持っているのに救助も求めないが・・・ブタ姫の花は魔法で居所を探知、テレポートしてビトの救出を試みるが林に暴行されて人質になる。

そのあげく・・・林の言うことにゃ・・・ビトに拳銃を渡して「コレで嫌なヤクザ一人殺して来い」である。

ビトは林を撃ちました。・・・死んだのか・・・林・・・本当に死んだのか・・・。

もし・・・死んだとすると・・・状況的に言えば・・・冤罪でもなんでもなく・・・立派にビトには殺人罪が適用されるんですけど。素手で無抵抗の人間を射殺したわけだから。

しかも・・・前歴を考えると・・・コレは死刑だな。

すると・・・最終回のタイトルは「絞首台でスマイル」か?・・・なんじゃ、こりゃ。

関連するキッドのブログ『第6話のレビュー

Hcinhawaii0555 ごっこガーデン。魅惑の超巨大東京湾セット。くうビト・・・私がついていれば・・・こんなひどい目に遭わせなかったのにーっ。こんなに来週が見たくないドラマがかってあったでしょうかーっ。・・・と言いつつ来週も見るんですけどーっ。それにしてもビトロイドと二人きりになれる場所を探して・・・ここまで来たけれど・・・このセット広すぎ~。迷子になったよーっまこ迷子のくう様、発見~・・・しかし、ここは見て見ぬフリをしゅるべきでしゅか~・・・それともキスしゅるところをこっそり見守るべきでしゅか~エリダーロイドはGPS内蔵なので逃げることは不可能なのでスー。ここは潜望鏡でのぞきまスー。百式ボート急速潜航でスーアンナまもなくMR.BRAIN始まるぴょんikasama4アイアイサーお気楽もう・・・物語としては興味ないよね・・・でもガッキーがかわいいから見るんだよね。何もされなくてよかったなぁ・・・白い春のキリン・・・BOSSの麒麟に続いてここでもきりんのクレーン・・・ビールの宣伝か何かなの?・・・

で、『ツレがうつになりまして。・第1回』(NHK総合090529PM10~)原作・細川貂々、脚本・森岡利行、演出・合津直枝を見た。演出家は映画「落下する夕方」の監督である。

ぐーたらな妻(藤原紀香)の夫(原田泰造)が職場でリストラがあり、30人の従業員が4人になったショックでうつを発症する。その顛末を描くドラマである。

ものすごく地味で鬱な展開だが爆笑する人は爆笑します。・・・は面白いものね。

夫は職場でギリギリまで追い詰められているのに妻はのほほんとパートを自主退職。パート先であるマーケットで夕食を買ってくるようにと夫の会社におねだりコール。

その買い物を終えた夫がレジにて・・・ついに発症。

レジの店員(黒川芽以)「・・・円になります」と金額を告げられた夫は・・・立ちすくむ。

ここで・・・お茶の間のうつ病に関心のある人々は・・・「あああ」「ついに・・・」「金額か」「いくらだか理解できなくなったか」「サイフの開き方がわからないのか」「お札を数えられない状態か」「あぶない」「もうだめだ」「カードだ・・・カード支払いでしのげ」「かわいそう」と騒然である。

一方、お茶の間のうつ病なんてただの甘えだろうと思っている人々は「お金が足りないのか・・・」である。

夫の心の中(なんだ・・・これはなんだ・・・円ってなんだ・・・サイフ・・・落下するレジスター・・・サイフ・・・1000円札・・・サイフ・・・小銭か・・・なんだか細かいことを・・・昔は加藤あいを投げ飛ばしたこともあるオレが・・・ここはどこだ・・・オレはだれだ・・・もう死にたい・・・)

取り出そうとした動作も震えてばら撒かれる一円玉、十円玉、百円玉、十円玉、一円玉、百円玉、五十円玉・・・。

レジの店員「だ、大丈夫ですかぁ・・・」

一部愛好家(爆笑)である。

なお、うつ病という謎の病気については天使テンメイ様の記事が参考になると思いますのでよろしければご参照ください。→テンメイ様のうつ病の診断基準

日曜日に見る予定のテレビ『天地人』(NHK総合)『ぼくの妹』(TBSテレビ)

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2009年5月29日 (金)

下からの脱衣未遂始めました(戸田恵梨香)止めるタイミングがサービスの要なのよね(天海祐希)アイコ四十歳(富田靖子)

今回は死体発見現場検証を行う大澤・木元師弟刑事で脱ぎかかる木元を大澤が差し止めるまでがすべてで、そのために↗17.2%の好成績になったと思う。淡々と春ドラマ首位を維持してきたのに「MR.BRAIN」にはるか頭上を通過され「知ったこっちゃねえや」という声を秘めたナイス・コンビネーションだと思う。

木元の化粧が濃い目で目がぱっちりしてきたのは上司・大澤に影響され始めたからだろう。

けして綾瀬はるかに対抗しようとしているのではないのである・・・そんなことどうでもいいわ。

ここまで、ボスはゆかり(酒井若菜)、由貴(志田未来)、仁美(富田)と女性犯罪者を撃破してきたわけだが、基本的に同性相手の方が敵意むき出しである。ほとんど初対面で犯人と断定してしまう大澤なのだった。

で、『BOSS・第7回』(フジテレビ・090528PM10~)脚本・西平晃太、演出・成田岳を見た。誰もツッコミをいれないが、おしゃれな回数表示で・・・「CASE01」とかやっているのだが、前後編だった、第4回~5回はCASE04-A、CASE04-Bとかにするべきじゃないのかとどうでもいいことを指摘しておく。

「確信」というものも侮りがたいものだ。昔、気持ちとか気分とかが違っている人は自分の気持ちとか気分とかが違っているものだと思わないということは定説だった。・・・は自分のことを・・・と言わないものだという構文である。それは・・・に刃物と同じくらい的確だったのである。キッドは天才と紙一重の・・・の場合、・・・でも自分が・・・であることの自覚があるのではないかとも考えるのだが、認知症の場合は限りなく、認知症は自分を認知症だと思わないという状態が出現する。認知症は「自分が忘れるということを忘れる」からである。そして・・・彼もしくは彼女は言うのだ・・・「私は認知症ではない」と確信を込めて。

そんな時、「朝ごはんは何を食べましたか?」と質問してみると全く覚えていないので・・・「ほら・・・記憶がおかしいでしょ?」などと指摘してもムダである。その時にはすでに「朝ごはんについての質問に答えられなかった自分について」忘れているのである。

認知症でなかった頃の聡明な彼あるいは彼女を知っているものはその場で氷結するか、涙で前が見えなくなるか、一緒に頭がお菓子になっていくのである。

ドラマなどで使われる「確信」というものはこれに近い。

今回の事件の発端は・・・食い詰めたスキャンダル誌専門のカメラマンが自宅浴槽で泥酔して水死である。事故死として一度は処理された事件だったが、カメラマンに怨みがあるものがあまりにも多いためにマスコミが憶測記事で騒然となり、特別安全対策室は再捜査を命ぜられる。

その日、大澤は広報活動の一環としてニュース番組に出演している。そしてキャスターの仁美と意気投合するのだが・・・仁美が腕を負傷していることを発見するなり・・・仁美を犯罪者と「確信」するのである。そんな馬鹿なと思う人もいるかもしれないが「確信」というものは本来そういうものなのである。

後は、どのように仁美が犯罪者であることを立証するかだけなのである。

大澤に救助されて以来、大澤にちょっとシンパシーを感じている木元は大澤の確信に基づいた事実を根こそぎ拾うために現場にやってくる。

そして着衣でバスタブでお茶の間の一部愛好家を熱狂させた後、数年間に撮りためたプロのカメラマンの撮影済みフィルムをすべて統計処理するという気が遠くなる作業をサクサクとこなし、一部分析家を萌えさせるのだった。

その結果・・・たちまちキャスター仁美に関連したフィルムが紛失していることを発見する。

すでに世界は大澤の「確信」に支配されているからである。

そうなればアイコ40歳がデビュー作の監督が後に強姦と児童買春の罪で実刑判決を受けたことにもめげず二の矢三の矢を放っても無駄な抵抗なのだった。

キャスター仁美は過去の事件の共犯者(小市慢太郎)に時限消化カプセルで青酸カリを使用し、警察の取調べ中に罪をなすりつけて毒殺するという暴挙にでるが、犯罪捜査の大澤の「確信」の信奉者である科学捜査研究所の監察医・奈良橋(吉瀬美智子)は消化器内の成分を根こそぎ分析することで仁美のトリックをあっさり看破するのである。

それほどに大澤の「確信」は絶対なのである。

もしも、仁美が凶器にナイフを使用し、日本海溝に遺棄して証拠隠滅を図ろうとしても山村(温水洋一)あたりが深海探査船「しんかい」で回収してしまう勢いなのだ。

こうして・・・仁美の理性的な計画殺人は大澤の「確信」の前に脆くも崩壊するのだった。

仁美の「番組内でキャスターが殺人を自白」は編集でカットである。釣った魚に餌をやらないという格言に基づいている。そして、野立(竹野内豊)は「ラジかるッ」のお天気お姉さん(さとう里香)を一本釣りするのである。必ず釣れるという確信があったに違いない。

まあ・・・刑事ドラマの「確信」というものは基本的に爆笑してねの合言葉という話です。

関連するキッドのブログ『第6話のレビュー

Hcinhawaii0554 ごっこガーデン。眺めのいいお約束の屋上セット。まこいろいろな事件があるのですっかり忘れられつつある新型インフルエンザ騒動。しかし、刑事マコリンは竹しゃまの安全確保のためにも周囲二メートルのすべてのウイルスを根絶する防護服をパリコレからお取り寄せしました~。さあ、竹しゃま~。しゃなりしゃなりともそっとおそばに~お気楽うわ~、ギリギリ間に合った~。社長権限で防護服一着入手しました・・・。とりあえず麒麟は確保しました・・・えっ・・・欲しいのはそれじゃない・・・そんなこと言われてもね・・・ああ愛機・・・お前の余命は・・・とりあえず花嫁より長生きしてほしいikasama4商品化は未定ですが山むープラ版製作しました。爪切る時は新聞紙をひくといいんですよね。木元は仕事に対する情熱以外に・・・大澤のどこに惹かれているのでしょうか。前回・・・大澤の恋愛事情について関心を持っていたし・・・ひょっとして裏ケンコバだったりして・・・あんぱんちきゃーっ・・・ZARD・坂井泉水さんの三回忌とか重力ピエロとかもろもろで遅刻よ・・・確信と妄想は紙一重なのよねmariニュースネタになるようじゃ・・・ジャーナリスト失格です・・・今回のドラマ事件現場多いわ~。まだ「臨場」中。真の記者は取材に追われて遅刻しても仕方ないのです

土曜日に見る予定のテレビ『MR.BRAIN』(TBSテレビ)『ザ・クイズショウ』『イケ麺そば屋探偵』(日本テレビ)『吹石一恵の風に舞い上がるビニールシート』『ERⅩⅡ』(NHK総合)『加藤ローサのサマヨイザクラ』『魔女裁判』(フジテレビ)『前田亜季の鉄道捜査官スペシャル』(テレビ朝日)・・・これは・・・殺す気を確信。

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2009年5月28日 (木)

何もかも失うって死ぬってことだよね(川島海荷)だから人殺しは死刑になるんじゃろ(嘉数一星)

「死」とはすべてを失うことである。「存在」も「世界」も失うのである。だから「命」とはすべてなのである。

何もかも失った人は存在しない。なぜなら死んでいるからだ。

人はすべてを失うことのリスクと背中あわせでつかのまの「存在」を生きる。

しかし・・・誰もがいつかはすべてを失うのである。

水曜日のダンスは・・・

「臨場」(テレビ朝日)・・・・・・・・・・・・・・・14.1%↗14.5%↘12.8%↗14.8%↗15.2%↘14.6%↘14.5%

「アイシテル~海容~」(日本テレビ)・・・13.2%↗13.7%↗14.2%↘13.0%↗14.8%↘13.9%↗14.0%

「夫婦道」(TBSテレビ)・・・・・・・・・・・・・・*9.2%↘*8.9%↘*8.6%↘*7.9%↗*9.2%↘*6.7%↗*8.2%

「キリンカップサッカー2009・日本×チリ・・・4-0」12.2%は時間変更となった「夫婦道」に少しだけ微笑んだがステップ的には漣・・・。なんとなく・・・若夫婦に挟まれた子供みたいな微笑ましさがあります。

で、『臨場・第7回』(テレビ朝日090527PM9~)原作・横山秀夫、脚本・佐伯俊道、演出・猪原達三を見た。要介護老人をめぐる物語である。将来を悲観した老人が自殺をはかるという意味では「ハンチョウ・第7回」(原作・今野敏、脚本・難波江由紀子、演出・竹村謙太郎)とまるかぶりである。

「ハンチョウ」では老人・菊乃(佐々木すみ江)が不自由な体で車イスで爆走、女の一本道を転がり落ちる自殺未遂。介護をする家政婦(泉ピン子)は残された家族のことを考え事故だったと主張するが・・・菊乃の娘・早苗(朝加真由美)は家政婦の殺意を疑う。刑事ラクダ(佐々木内蔵助)はもつれた糸をほどくのである・・・菊乃は一命をとりとめ・・・そこはかとないハッピーエンドである。

一方、「臨場」では老人が不自由な体で自殺未遂。実の娘(藤真利子)が絞殺でトドメを刺し、夫が自殺に偽装である。老人は命をとりとめない。なぜなら・・・「死体がなければ俺の出番がない」倉石(内野聖陽)だからである。

「ゴンゾウ」に続く娘のヴァイオリンネタ。夫も松ヤニ、息子も松ヤニ、妻も松ヤニである。そして昭和の父娘は老舗のパーラーでアイスクリームを食べる幸せを回想しながら死ね展開である。「よくぞ、殺してやった・・・でもそれは法律で禁じられています」である。

「ハンチョウ」は死体以外でも事件に関れるのでホッとしますなのか。

まあ・・・丈夫で健康で長寿で・・・ぽっくりなら言うことなしだと誰もが祈るのだな。

で、『アイシテル~海容~・第7回』(日本テレビ090527PM10~)原作・伊藤実、脚本・高橋麻紀、演出・久保田充を見た。たとえばキヨタンが無口で気配りに優れ天使のようにかわいい少年だったとしたら野口智也(嘉数)の罪深さはどれほど深まっただろうか・・・という問題ではないのである。智也が昆虫の足をもぐようにキヨタンの首をひっこぬく残虐怪力少年だったらどれだけお茶の間が絶叫したかという問題でもないらしい。

殺された少年の保護者と殺した少年の保護者の身の置き所のない困った感じを淡々と描くドラマである・・・というか・・・あってほしい。

刑法第41条は「14歳に満たない者の行為は、罰しない」と定めている。だから智也は死刑には処せられないのだが・・・本人がそれを知っているかどうかは微妙な問題だ。智也は「人を殺せば死刑」という断片的な知識を持っていて・・・自分はまもなく殺されてしまうと考えているのだが、人を殺すくらいの意志力を持っていると・・・それが偽装である可能性は充分考慮しなければならない。

しかし、善玉調査官である葉子(田中美佐子)はそういう疑いをもてない制約があるために「僕の死刑はいつですか?」という智也の質問に「あなたはこれからもずっと生きていろいろなことを学ばなければならないので死刑にはなりません」と優しく回答するのである。

キッドなら小学生相手に「死刑にしたいのはやまやまだけど法律でガキは死刑にできないって決まってんだ・・・って本当は知っててやってんだろう・・・このこのーっ」ぐらいは言う可能性があるのでこの職務についていなくて本当に世の為人の為だと思う。

子供は親に褒められたり叱られたりしながら成長するのが一般的である。

さらに褒められればうれしく、叱られればつらいのが一般的である。

そのために褒められるようなことをしようとし、叱られるようなことをしなくなるのが一般的である。

それを一般的にはしつけと言い、子供はこうして一般的な人間になっていくのである。

もちろん、その一般人はひとくせもふたくせもあるのが一般的である。

表はいかにも一般的でも裏では何やっているのか分らないのが一般的だ。

ただ親に愛されるためにいい子でいることは頭のいい子には簡単なことだ。

しかし、頭のいい子は悪いことをたくさん考えるのでどこでもいい子ではいられないことが多い。

このあたりのバランス感覚の鍛錬がつまり生きる技術育成ということである。

恋人に愛されたくて浮気していることを黙っているようなものだ。

愛しているものを騙しているのですでに本質を見失っているという考え方もできる。

まあ、それを心の病と考えるのが一番安易なのである。

智也はすべてを話すと先週の予告編でふっておきながら、本当にすべてを話すのは来週だという見え透いた手口も一種の心の病なのである。

そのためにお茶の間はまた一週間、いろいろと妄想できることを喜ばなければならない。

その日の智也とキヨタン・・・。

キヨタン「おめぇのお母ちゃん変。おめぇの母ちゃんデベソ。おめぇの母ちゃんメスイヌ。おめぇはメスイヌの子供。英語で言ったらサノバビッチ」

智也「このキヨタンめぇぇぇぇぇ、ママを侮辱することは許せん・・・・死ね・・・死んで償え」

その後のキヨタンの父(佐野史郎)・・・二通目の謝罪の手紙を返却するため野口夫婦の住居を訪れ悪意ある世間の仕打ちを目にして。「・・・・・・うひひ・・・苦しめ・・・もっと苦しめ・・・うひひひひひひ・・・キヨタンはもっと苦しかったんだゾーン」

おい・・・そこは心ない世間の第三者的悪意にたじろいで手紙を持ちかえった小心者のキヨタンの父・・・という描写だろう。

そ、それもちょっと。

なんとなく・・・加害者の親も哀れになってそんな自分がやりきれなくなったってとこじゃないの。

まあ・・・見るものの教養や知性の程度によってどんな解釈もできる間口の広い演出ということでございましょう。

自分が思うより愛されてもいず

自分が思うより一人ぼっちだったら

やだね。

それでも世界を海容で愛したらお人好しの極みだよね。

全てを奪う罪を犯したら救いようはないのである。それによって保護者たちは苦しむ。しかし・・・ひょっとしてこれを教訓とせず、親が苦しむ姿を見たいがために殺したり殺されたりする子供もいるかもしれない・・・という恐怖があります。

関連するキッドのブログ『先週の水曜日のレビュー

金曜日に見る予定のテレビ『ツレがうつになりまして。』(NHK総合)『新垣結衣のスマイル』(TBSテレビ)『エンケンの湯けむりスナイパー』(テレビ東京)『嫁の座』『香椎由宇の名探偵の掟』(テレビ朝日)

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2009年5月27日 (水)

瞳を閉じないキス始めました(堀北真希)内藤めぇぇぇぇ、しょっぱい試合しやがってぇぇぇぇ(阿部寛)おめでとう(大橋のぞみ)

こわいもの知らずのハードパンチャー、仮想敵国・中国代表チャレンジャー、捨て身の一発の恐怖、対する史上最年長チャンピオン・・・四角いジャングルで繰り広げられる血まみれの攻防・・・「内藤大助VS熊朝忠」20.4%である。

そしてボクシング・ファンとアタシんちの男子ファンはかなりかぶっているらしい。

火曜日のドラマ対決は①「白い春」↗12.6% ②「アタシんちの男子」↘*9.5%で久しぶりの順位逆転。

春ドラマの平均視聴率ランキングは①「MR.BRAIN」24.8%(TBSテレビ) ②「BOSS」16.3%(フジテレビ) ③「臨場」14.3%(テレビ朝日) ④「アイシテル海容」13.8%(日本テレビ) ⑤「京都地検の女」11.9%(テレビ朝日) ⑥「白い春」11.8%(フジテレビ) ⑦「ザ・クイズショウ」11.5%(日本テレビ) ⑧「婚カツ!」11.2%(フジテレビ) ⑨「アタシんちの男子」11.1%(フジテレビ) ⑩「夜光の階段」10.6%(テレビ朝日)となっている。TBSテレビのドラマはベスト10に1本だけだが・・・値千金とはこのことだろう。そういう意味では内藤は今現在、視聴率的にはアスリート界のキムタクだ。なんてたって一人で20%超だもんね。

で、『アタシんちの男子・第7回』(フジテレビ090526PM9~)脚本・武藤将吾、演出・徳市敏之を見た。思わぬ攻撃にダメージをくらったのだが・・・千里(堀北)はマイペースでサービス、サービスである。ガッキー、恵梨香、まさみのサービス合戦では明らかにおもてなしの心が抜きん出ている。・・・どんなキャバクラなんだよっ。

まあ、ガッキーの声なしのハンデとか、恵梨香の出番少な目とか、まさみの本当にキャバクラ嬢役とか・・・ライバルたちにも様々な実力発揮できない条件はあるわけだが・・・やはり、ひねりを加えてくるところがマキマキの真骨頂である。・・・いい加減にしておきなさい。

だって、目を開いたままキスの一部愛好者熱狂じゃんか!・・・おいっ。

・・・失礼しました。深夜ではUHF局で「涼宮ハルヒの憂鬱」の新作が突然、オンエアされたりして・・・再放送じゃなかったのかよっ・・・と事情を知らない観測者を驚愕させるのであるが・・・第8回「笹の葉ラプソディー」に続いて次は第12回が新作らしい・・・キスはキスでもびっくりキスというのがサービス精神なのである。

今週の妄想イケメン度査定。

①故・大蔵新造(草刈正雄)・・・回想シーンに登場。ミラクルスポットライトで人に優しくする奥義を披露。とにかくこの世界の人々は正雄の遺骨の混じった大気を呼吸していることを忘れてはならない。レインボウ発生器ができたならオーロラ発生器まであと一歩だ↗。

②時田修司(山本耕史)・・・理想の秘書。理想の弁護士でそっと背後に立つ小金井響子(高島礼子)がボウリングでカーネーションを稼ぎ、メイドで忍者の井上さん(江口のりこ)が腕相撲で千里に完敗し修行の旅へ出ている間もボールをとなりのレーンに投げ込むなど暗躍中。→。

③大蔵風(要潤)・・・無職の長男、実は新造の実子であることが判明・・・実母の結婚のためにスキャンダルを回避するべく養子となったことも判明・・・父へのわだかまりを捨て未完のミラクルスポットライトを完成させ弟たちに花を持たせ東京の空に虹をかける・・・暗躍する時田に戦線布告→。

④大蔵翔(向井理)・・・ホストの三男、すっかり、千里びいきになり、あれこれと手を尽くす。第2の秘密はまだ秘密だがミラクルスポットライトの射手としてシャボン玉放射器、パッーティークラッカー・バズーカを発射、最後は目を開いたまま千里とキス→。

⑤大蔵知(瀬戸康史)・・・ひきこもりの高校生の五男、下半身バスタオル要員・・・弟にマジックを伝授→。

⑥大蔵明(岡本知樹)・・・生意気な中学生の六男、完璧な棒演技で追従を許さない。今回の主役でネグレクトされた過去を持つ。そのために「お母さん」の一言だけに感情的な演技がはいる。自分を捨て餓死寸前に追い込んだ母親を慕い、実はそっくりさんである千里に母の面影を求めている。午後九時になると昏睡する特異体質。今回は千里から逆あすなろ抱き、正面抱きのサービスを受け、小中学生のまきまきファンに嫉妬の炎を燃やさせる。今週の棒「母の日おめでとう」↗。

⑦大蔵猛(岡田義徳)・・・ホスト見習いの次男、よっちゃんやうっちーであってそもそもイケメンではないのだが。バイク便の正社員を目指している。結局会いに来ない明の母親に電話で明の気持ちを代弁して涙↗。

⑧大蔵優(山本裕典)・・・カリスマモデルの四男、女性恐怖症でおネー系男子、どちらかといえばキモカワレベル。ボーイズラブにも目覚めたバイセクシュアルである。火事でぬいぐるみをとりにもどり両親に救われたがそのために両親が焼死したと妹に告げられ心が痛む。しかし千里たち擬似家族に受け止めてもらう↗。

⑨国士豊(つるの剛士)・・・ネットカフェの千里親衛隊長・・・空気だが今回は井上さんの代役を務めトリックハート城に潜入→。

⑩真島平次(永山絢斗)・・・ネットカフェの千里親衛隊員・・・空気だが国士の留守を守りあらぬ妄想をしてギャルにぶっとばされる↘。

順位変動しないじゃないかっ・・・という人もいるでしょうがけして手抜きではなくそういう査定だからです。

まあ・・・結局・・・誰かを幸せにすることが人の究極の幸せだというのが・・・作者の言いたいことなのだと思います。まあ・・・それはある意味正論ですが・・・そんなこと今さら言われてもな。

関連するキッドのブログ『先週の火曜日のレビュー

で、『白い春・第7回』(フジテレビ090526PM10~)脚本・尾崎将也、演出・植田尚を見た。無邪気な残酷さというものがある。二人の無邪気な人間がいて・・・二人は実の父娘である。しかし、父は無邪気さゆえに娘の父親を名乗れない立場にいることに気がつく。その気付きが・・・春男(阿部)という無邪気な殺人者から無邪気を奪うのである。

血縁というものはあなどれない。たとえば資産家が一人、死んだとしよう。彼には一人娘があったのだが・・・実は実子ではなく、養女だった。それは資産家が死ぬまで一族の最大の秘密だったのだが、資産家が死んだ瞬間、一族郎党がその秘事を資産家の娘に打ち明け、遺産相続の放棄を迫ったのである。娘は心の弱い人で突然の真実の暴露に心を粉砕され心の病になってしまった。そして資産家の遺産は一族郎党が分配したのである。キッドはそういう実例を知っている。血縁とはそういう恐ろしいものである。

このドラマでは血縁はそれゆえに逆に最大の秘め事になっている。

血縁のない親子関係を維持しようとするパン屋(遠藤憲一)はとても無邪気ではいられないのである。

無邪気と言えばもう一人、さち(大橋)の死んだ母・真理子(紺野まひる)も無邪気の一員である。なにしろ、不治の病に冒されながら殺人者の子供を身ごもり出産にいたるのである。もしもパン屋という・・・献身者がいなければさちの運命はどうなったのか・・・考えないのである。無邪気だからだ。

春男は・・・愛する女を失い・・・残されたわが子に父の名乗りをあげることのできない己に気がつき・・・ひとつ、またひとつと邪気を得ていく。

それでもまだまだ無邪気である。

さちの血縁者である真理子の妹・佳奈子は両親の真理子に対する偏愛によって幼くして無邪気を失った女である。まだ不明の部分の残る佳奈子だが・・・その無邪気ではいられない立場は徐々に明らかになりつつある。

時系列を整理してみよう。

無邪気な姉と無邪気ではいられない妹がいる。無邪気な姉は両親の束縛を嫌い、家を出て、無邪気でやくざな男と恋に落ちる。やがて姉は不治の病にかかる。無邪気な男は恋人の治療費を稼ぐために人を殺し、恋人に別れを通告し、懲役の日々を送る。無邪気な姉はしかし男の子供を妊娠している。ある日、道に倒れた姉をパン屋が救う。パン屋は姉に恋をして献身的に看病する。やがて姉は出産し・・・そして間もなく逝去する。姉を求めて泣き暮らす両親のために姉を捜していた妹は残された姪を探し出し・・・その姪の父親を名乗るパン屋と暮らし始める。そこへ・・・男がやってきて・・・さちの本当の父親だと判明するのである。

おそらく、佳奈子(白石美帆)はパン屋を愛し始めているのだろう。佳奈子が真理子ほどには両親に愛されていないと感じたように・・・春男ほどには真理子に愛されなかったパン屋に同情するからである。

だから・・・春男の無邪気な一言が許せないのである。

その一言は「さちと同じように子供の時にタマゴが嫌いだった」という春男のさちに対する一言である。

それは・・・実は本当の父親ではないパン屋の心に深く突き刺さるトゲのある一言だと佳奈子には分ってしまうからだ。

だから・・・佳奈子は真理子と同じように無邪気な春男が許せないのである。

春男は日々、無邪気ではなくなっていく自分を感じることができる。パン屋に「本当の父親なら子供に好き嫌いは許さないはずだ」とか「本当の父親なら娘のためにパーティーを開いてやるはずだ」とか無邪気に嫌味を言いながら・・・風邪のために偶然、訪れた娘の部屋で・・・現実を思い知るのである。

そこは春男の暮らす殺風景なペントハウスとは別世界だった。

春男が塀の中でわが子がいることも知らずに暮らした九年の日々。さちにパン屋が与え続けた父親としての献身が結実しているぬくもりと明るさのある子供部屋。その幸福の香りが春男の無邪気さを削ぎ落とすのである。

世界で一番ダメな父親である自分に気がつくのである。しかし・・・本質的にダメな父親である春男は・・・ダメな父親であるゆえに好意を寄せる栞(吉高由里子)の屈折した気持ちにもまだまだ無邪気に気がつかない。

パン屋を訪れ、佳奈子に春男とさちの秘密を知っていることを告げる栞に「関係ないものが口をはさむな」と無邪気に怒るのである。

栞に恋する勇樹(遠藤雄弥)は無邪気のフリをした無邪気でない男である。勇樹はさちと春男の秘密に介入する栞の複雑な心情を春男に告げる。「栞はダメな父親コンプレックスだからダメな父親である春男に冷静ではいられないのだ・・・わかってやってくれよ・・・」なのである。無邪気な春男には無理な注文だが・・・さちとの交流で急速に無邪気でなくなりつつある春男は・・・なんとなく・・・勇樹の言いたいことが分るのである。

そして、パン屋を愛する佳奈子の言葉。「お義兄さんの心を思いやってよ」もなんとなく理解するのである。

そして・・・春男はどんどん無邪気ではいられなくなり・・・心は苦渋で満ちていく。

そして・・・さちのパーティー。無邪気に実の父親とは知らずに「かわいい(捨て犬のような)おじさん(春男)」に好意を示すさちはコンシューマ・ゲームのテニス対決で春男とペアを組み・・・つかの間の幸せを与えた後で・・・無邪気に春男を奈落の底に突き落とす。

さちはパン屋の誕生日を祝う「飛び出す絵本」を用意していたのである。

春男の胸に去来するのは・・・本当の父親はオレだという嫉妬。養父だとは知らずにパン屋に感謝の贈り物をする実の娘の限りない優しさ。そういう娘に育ててくれたパン屋への感謝。そのパン屋の心に去来する実の父親である春男に対する複雑な感情への複雑な対応。・・・愛と憎しみと怒りと喜びとねたましさと衝撃とうれしさと安堵と不安とやり場のない気持ちが春男をせつなさでいっぱいにする。春男は涙をためて微笑むのである。もう無邪気な男ではいられないのだ。そして春男は自分がこれまで無邪気であったことを思い知るのだった。

そして・・・さちはただ一人・・・無邪気な娘となった。

やがて・・・その無邪気さを守るためだけに・・・無邪気ではないものたちが右往左往する長い予告編に・・・お茶の間はただただ無邪気に来週を待ち望むのであった。

木曜日に見る予定のテレビ『シスターミキのゴーストフレンズ』(NHK総合)『釈由美子のLOVE GAME』(日本テレビ)『中年悪女大集合の夜光の階段』(テレビ朝日)『戸田恵梨香のBOSS』(フジテレビ)

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2009年5月26日 (火)

僕と妹と食卓で(オダギリジョー)お花畑でつかまえて(長澤まさみ)

ホラー映画のヒロインよろしく、行ってはいけない道を行き、開けてはいけないドアを開く。

それがだめんず・ハンター・颯(長沢まさみ・・・誤検索対応)なのだった。

お茶の間でドラマ見ている男なんて「だめんず」ばかりだろうという製作者の意図はいつも裏目にでて「だめんずもの」は数字がとれないというシステムをいい加減理解すればいいのに・・・。

(ヒント)だめんずは自分のことをだめんずだと思っていない・・・ということです。

本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「スマイル」↘*8.9%(待ち伏せ、土下座、密告じゃあねぇ)、「名探偵の掟」↗*9.9%(安定しているゲストしだいではフタケタ復帰)、「コンカツ・リカツ」↗*6.0%(来週からはうつの紀香か・・・)、「ナースのお仕事・ザ・ムービー」12.0%(なんどめだ)、「MR.BRAIN」24.8%(なんびとたりとも~)、「クイズショウ」↘*9.9%(大橋のぞみでごらえたな)、「魔女裁判」↘*7.2%(主人公の動機が不純に見えるのが失敗)、「遙かなる絆」↗*8.4%(北朝鮮の味方の中国に万歳なんてできるか)、「女警察署長」12.6%(浅野、仁科、朝加に大西結花って)、「天地人」↘21.0%(しぶてぇぇぇぇぇぇ)、「ぼくの妹」↗*7.1%(平均*8.1%)、ついでに「ハンチョウ」↘10.2%(ピン子)、「婚カツ」↘*9.3%(ネコ)、「量刑」12.1%(前田愛・江口のりこ)・・・以上。

で、『ぼくの妹・第6回』(TBSテレビ090524PM9~)脚本・池畑俊策、演出・金子文紀を見た。風の(吹かない)ビニールハウスである。そこが桜井のじいさんのお花畑である。そこにはロマンスのかけらもなくて・・・植木市が似合う・・・。しかし・・そこはかとなく哀愁の漂うロケーションにはなんとか・・・なっている。スタイリッシュな演出家はお花畑のセット作りまでも演出であるということに気がついているが手が回らないというジレンマを抱えているのだろう。もちろん・・・このドラマの背景には淫靡な脚本家の欲望が潜んでいるのであり、予告編的には来週それが明らかになる。本筋は兄・盟(オダジョー・・・誤検索用)と妹・颯の禁断の姉妹愛である。

それを間接的に描く意図が明確なのである。

第1回で死ぬ運命の里子(ともさかりえ)と唐突に一夜限りの契りを交わす盟。

そして来週は里子の恋人である九鬼(千原ジュニア)と颯が一夜をともにするらしい。

つまり、兄と妹は間接的に結ばれるのである。

九鬼は「あんたは里子に似ている・・・」などと言うのだが・・・似てないですからーっ。

とにかく・・・日曜劇場のスタッフは長澤まさみのどこに・・・だめんずハンターの要素を見出すのか・・・今世紀最大のミステリーである。

・・・ま、颯は「どこか頼りないお兄ちゃんが大好き~」というインナー・チャイルドに支配され・・・絶対売れない芸術家とか、懺悔の値打ちもないダメ男とか、決断力のない妻子持ちの弁護士とか、なぐるけるのDV男とか・・・おいっ・・・見果てぬ兄を求めて恋愛のしくじりを繰り返すのであり・・・だから・・・借金900万円の花を愛する男を愛するしかないのである。中学時代に園芸部だったのは運命を感じちゃうのである。

うふふ・・・うはは・・・うへへ・・・もう好きにすれば~なのである。

一方、兄もまた・・・スタイリストである。しかし、人目を気にするくせに肝心なところに目配りができない。

あの明らかに好意的な理事長の娘・春奈(笹本玲奈・・・母・タカラジェンヌ・・・スカウトキャラバンで深キョンに敗北)に対する素っ気無く、つれない態度はどうだろうか。明らかに人間として間違っているのだが・・・それはもてるものには何してもいいという暴力革命論の血が流れているかのようである。・・・困ったもんだよね。

ともかく・・・本当は九鬼を捨てた実の父親である桜井のじいさん(大滝秀治)の病床からの願い「600万円で買った花畑を900万円で売って息子の借金を相殺してほしい」を叶えるために不動産屋めぐりである。しかし・・・「時価200~300万円です」と現実を思い知るのだった。

そのあげくに冷たくしている春奈に「なんとかならないかなぁ」である。妹の好きなダメ男ここにありなのである。

一方、競馬で貯金の300万円を900万円にしようとした颯は勝負に出ることは出来ない。勝てるレースには金がつぎこめない体質なのである。

そのくせ・・・闇金の取立て屋に暴力をふるわれる九鬼には胸がキュンとしてとりあえず利子の100万円を立て替える。金をドブに捨てるのは厭わない性質なのだった。

ああ・・・面倒くさい兄妹だよ~。

そして・・・二人はホームドラマの食卓で兄妹のケンカを始めるのである。

「絶対だめだっ、あの男は絶対だめだって、何度言ったら・・・」

「わかっちゃいるけどやめられないんだよ~」

・・・なのである。クレイジー・キャッツか。

まあ・・・もう・・・ここまでくると・・・そこそこ面白いです。

妹よ 

お前は器量がいいもんで

オレはずいぶん 心配していたんだ

あいつはオレの敵なのに

好きになっちゃうのかよ

母が死に 父が死に お前ひとり

お前ひとりだけが 心のきがかり

あした お前が出て行く前に

あのメンチカツの作り方を書いてゆけ

はたして・・・オダギリジョー・長澤まさみ兄妹は林隆三・秋吉久美子兄妹(「妹」日活1974年)を越えられるのか・・・そこかよっ。・・・まあ・・・とりあえず味噌汁は作ったとして・・・。素肌にホットパンツはまだですか・・・。

関連するキッドのブログ『第5話のレビュー

水曜日に見る予定のテレビ『臨場』(テレビ朝日)『アイシテル・海容』(日本テレビ)『夫婦道』『漂流ネットカフェ』(TBSテレビ)

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2009年5月25日 (月)

俺たちの天地人(妻夫木聡)春日山城夕焼け小焼け(小栗旬)木村氏に敗北(長澤まさみ)

Hcinhawaii0553 本日、アホで有名な北朝鮮人民共和国がまた核実験を行ったと号外が出たわけだが・・・そんなことはさしたることではなく・・・「天地人」の視聴率が↘21.0%だったのに対し・・・。

MR.BRAIN」初回視聴率24.8%獲得!

ここがポイントです。さすが・・・さすがでございますーっ。

アンナお嬢様専用コーナー

まあ、なにはともあれ・・・でございますな。ま・・・世紀のやおいドラマと化している大河ドラマの視聴率も凄いですけどね・・・。ツンデレして・・・つらいおいたちあって・・・裸で踊って・・・握手で抱擁って・・・。

で、『天地人・第21話』(NHK総合090524PM8~)原作・火坂雅志、脚本・小松江里子、演出・野田雄介を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。石田三成をどう捉えるかは・・・結構微妙な問題でございます。なにしろ徳川幕府時代は豊臣家を滅亡に追いやった大悪人として伝承されるわけで、明治維新以後は敵の敵は味方という理論で再評価される。実はこの後、第二次世界大戦の敗北で徳川が再評価されるので石田三成はまた極悪人に逆戻りします。まさに歴史に翻弄された男と言えるのですな。これだけ行ったり来たりすると・・・もう実像の推理は困難なので・・・なんでもありになるわけです。なんでもありだからって限度があるだろうとは思います。そこで歴代石田三成俳優描き下ろし大特集でございます。まことに素晴らしいことです。ドラマではまったくなかったことになっている新発田の乱の秘密・最終章も素晴らしいのでございます。

Tenchijin158501 で、またもや時間が止って、天正13年(1585年)である。実はこの年は直江兼続の父である樋口兼豊の妻・・・直江親綱の娘・お藤が逝去しているとも伝えられている。えーっ・・・お藤・・・とっくに死んだんじゃなかったのかよ・・・ドラマなのである。まして妄想では過去の人の生死なんてどうにでもなるのである。ここで改めてくりかえしておくが・・・樋口家は坂戸城主・上田長尾政景(景勝の実父)の奉行衆である。兼豊は樋口一族の陽忍であるが、妻のお藤はくのいちで直江忍びと樋口忍びを血統的に繋いでいる。直江家は上杉謙信の家老を務めており・・・名目上、直江家に婿入りした兼続は本来、上杉と長尾双方の家臣の血を引くサラブレッドなのである。しかし、樋口衆は本来信濃忍びの一流であるため、兼豊は伝説の忍者・泉小太郎の血脈である信濃泉家からも室を迎えており・・・現在、大国実頼と名乗る兼続の弟・与七が妖術使いとなったのは彼の母親が泉家の出であることを暗示している。樋口一族には他に旧武田家臣である須田満親の長男・満胤に嫁いでいるお北(兼続の妹)が知られているが・・・忍びやくのいちとしての兼続の兄弟姉妹は無数にいるのである。ただ・・・影の歴史に封印されているだけなのだ。

すでに・・・上杉家は関白・羽柴秀吉に臣従している。前年の小牧・長久手の戦いに際して、上杉家は羽柴への臣従の証として人質を差し出している。景勝は妹の夫・畠山義春の子・亀千代を養子とし、上杉義真と名乗らせ上方へ送り出したのだった。景勝にとっての甥を人質として送り出した以上・・・名目上は同盟でも・・・実は臣従である。

しかし、上杉家にとってはこの人質の上方行きは歓迎することでもあった。上杉の忍びを正規ルートで送り出す算段が可能になったからである。

義真の侍女として従うのはお船の姉・お悠、そして兼続の妹・お蘭であった。直江衆・樋口衆を代表するくのいちが北国街道を南下し・・・まだ築城開始から二年、建設途上の大阪城へ入ったのである。二年後には伯父である景勝もまた大阪城に入場し、正式に豊臣家の外様大名となるわけだが・・・そこにいたるための準備として義真の質入は実に役立ったわけである。

羽柴と徳川の暗闘は続いている。大阪から山城・近江・越前・越中を抜けて越後に帰還したくのいち・お蘭は徳川方の忍びの襲撃を幾度か受けている。

近江に潜伏する・・・数ある服部半蔵の一人服部半蔵影丸は伊賀衆・甲賀衆を使い、羽柴勢力の後方撹乱を指揮している。その諜報網にかかったお蘭は執拗な追撃を受けていた。影丸の意図するところは情報封鎖である。お蘭を上杉方の忍びと読んだ影丸はお蘭が上方の情報を持ち帰ることを妨害しようと考えたのである。

しかし、敵地における活動と・・・お蘭の並々ならぬ・・・忍びの腕にその意図は挫かれた。影丸は生き残った部下の報告を聞いた。

「恐ろしい猿飛の術を使うくのいちでござった・・・」

お蘭は若き日の与六と同じように・・・初音に弟子入りしたくのいちだった。

そのお蘭は春日山城に戻り、直江屋敷のお船と言葉を交わしていた。大阪城を中心にした探索の報告である。上杉家はようやく、上方にいくつかの拠点を構築しつつあった。そのいくつかは謙信の築いたつなぎの再構築でもある。話は多岐に渡ったがやがて秀吉臣下の所業に及んでいく。

「上杉家との交渉に度々あがる石田三成とはどのようなものであるか・・・」

「秀吉の下に三奉行がございます。筆頭は増田長盛で、これは旧浅井家家臣。続いて浅野長政があり、秀吉正室の縁者でございます。そして最後が石田三成で旧・京極家臣でございます。三成は算術に優れ、秀吉の兵糧奉行として出世いたしたとのこと・・・」

「ふむ・・・税の役人か・・・」

「三成は京にて秀吉に河原の葦に税をかけることを進言せしとか・・・」

「なるほど・・・なかなか吝嗇い感じがするの・・・」

「秀吉が領地は拡大する一方で・・・その地にいかなる税をかけるかを検地と称しておりますがこれを三奉行が担当し・・・世情の噂では浅野は手厚いが石田は手厳しいという評判です」

「ふむ・・・これは判じがたいことであるな・・・浅野が抜けているとも石田が容赦ないともとれるし・・・浅野が温情ありとも石田が公平であるとも思われる・・・したが・・・石田は・・・のう・・・」

お船はお蘭の顔色を読みつつ促した。

「士にも民にも嫌われておりまする」

お船は微笑んだ。大の実力者があれば・・・そういうものも大出世するだろうと考えたのである。

お船は最後に短く、国の消息を伝えた。

「そこもとの色兄(同母兄)の与七殿(大国実頼)は新潟の城の戦でたいそうな働きをなさったぞ。新発田勢の謀反もあれで流れが変わったとお屋形様(景勝)もお褒めであったそうだ・・・」

お蘭はそっと頬を染めた。

「奥で手当てをなされませ・・・」

お蘭の傷に目をやって・・・お船は部屋を出た。兼続に報告の文を認めるためである。

お蘭は包帯をほどきながら・・・忍びの戦を思い返し・・・その果てに師匠である初音をふと思い出していた。

初音は信州・上田城にいた。初音はそこでは・・・城主・真田昌幸の姫としての待遇を受けている。母親は名も無き村の娘であったが・・・初音を生むと間もなく死んだ。しかし・・・父親が昌幸であることに間違いはないようだった。昌幸は初音に母・恭雲院の若き日の面影を見ることがある。父・幸隆からの伝言で初音が伊賀忍びの秘伝を伝えられたことを知っている。しかし・・・けして道具として使ってはならぬと戒められている。

昌幸は・・・初音が古き忍びの一族にかかわりある存在であることを察していた。

その昌幸を初音はじっと観察している。もちろん、昌幸には初音の姿は映っていない。初音は昌幸の居室の影に潜んでいるのである。

初音は最近、そうして実の父親の姿を見るのが楽しみであった。

上田合戦での父親の恐るべき采配も眺めたし、愛妾たちとの夜の戯れも眺めた。

すると初音の心に思いもかけぬ喜びが生れるのであった。

それは戦国最強の武将と呼ばれる父親と戦国最強のくのいちである娘との・・・ある意味はかない運命のよどみのようなものかもしれない。

しばらく・・・その自分の心を眺めた初音は音もなく上田城を抜け出し信濃の森へ消える。

術を落さぬためには絶え間ない訓練を要するのである。信濃の森には間もなく冬が訪れようとしていた。

関連するキッドのブログ『第20話のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『アタシんちの男子』『白い春』(フジテレビ)

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2009年5月24日 (日)

ミスター・ブレイン夢を見る(木村拓哉)うろたえちゃって右脳左脳(綾瀬はるか)

・・・一部愛好家のお嬢様たちでピンク色に染まった一週間。ようやく、本編オンエアでございます。

まあ、お仕事とはいえ、キャストの皆さん、ドーパミンでハイになっている可能性があり、ゆっくりと着地なさるとよろしいかと存じます。

担当じいやでお届けしますのでご了承ください。

で、『MR.BRAIN・第1回』(TBSテレビ090523PM0756~)脚本・蒔田光治、脳科学監修・泰羅雅登、演出克雄を見た。史上空前の脳科学ミステリーなのだそうでございます。最初に申し上げておきますが、脚本家は「パズル」→「ブラッディ・マンディー」と絶不調でございましたのでドキドキしましたが・・・今回はまあまあでホッとしました。ある意味、断崖絶壁の大統領のようなポジショニングでございますからね。ジャンプなされずによろしゅうございました。

一番のポイントは・・・

科学警察研究所助手・由里和音(綾瀬はるか)の「ウソをつくとき、右上を見てしまうって本当ですか?」の問いに対して・・・それまで饒舌だった九十九龍介(キムタク・・・誤検索用)が無言だったことにあります。

ひょっとしたら「ゆりかずねってゆりかもめに似てる」ととりとめのないことを考えていたのかもしれませんが・・・ここで「イエス」と答えないところがこのドラマの肝心なところなのです。

なぜなら・・・その答えは風に吹かれているからです。

たとえば・・・今回、九十九は「右脳・左脳論」という疑似科学用語(あまり学術的とは言えない)を連発するのですが・・・お茶の間にむかって一々、大脳右半球とか大脳皮質左半球とか言ってたらじいちゃんばあちゃんちんぷんかんぷんだろう・・・ということです。

たとえば・・・解剖学的には大脳皮質の左半球とも言うべき左脳にあるとされる言語野が右半球にある場合もありますし、左脳が論理的思考の中枢であるというのは俗説にすぎません。もう少し優しく言えば・・・反主流的仮説であるということです。

つまり・・・「ウソをつくとき、右上を見てしまう」というのは寝言なのでございます。

これについては昨日の記事のコメント欄にも書きましたのでよろしければご参照ください。

それでは・・・なぜ、この主人公は寝言を言うのか・・・。

仮説①「脳科学」そのものが灰色の領域である。天才脳科学者である主人公はあらゆる領域に貴賤はないという主義なので怪しい学説を面白がって吹聴している。

仮説②脳科学監修担当の人が右脳・左脳論で一発当てようとしている

仮説③ドラマだからである。

仮説④冒頭でかってホストであった主人公は事故に逢い意識を失う・・・そして本編はすべて主人公が損傷した脳で見ている夢なのである。

まあ・・・右脳・左脳という俗説が一時期、ブームになったことがあり、それについての軽い面白本をホストが話題作りに読むという可能性があるので・・・今回に限って言えばすべては空気の読めないホストの見ている夢だ・・・という妄想が一番、心にフィットするのでございます。

そうすると・・・かなりお子様ランチ風の科学警察研究所のセットなんかもすごく分るんですよね。

そしてなんとなくエルム街の悪夢を連想させる主人公のコスチュームとかも。

マチルダさん(戸田恵子)や踵の折れたハイヒールにコルクを挿入された女(広末涼子)と出逢った後・・・倒壊した壁面に粉砕されたホストは・・・夢の世界にジャンプしたのです。

もちろん・・・コードブルーの脳外科医(杉本哲太)は現在も懸命に治療中なのでございます。

およそ、半世紀前の1950年代から・・・脳に関する科学は飛躍的な発展を遂げた。それは別の言い方をすれば長い停滞期間に入ったということを意味する。それは研究領域が多分野に渡り最前線が不明瞭となったからだ。

たとえば・・・脳の損傷と精神活動の関連性については半世紀前にも言及がなされている。損傷を負った脳が特殊な能力を発揮することがある・・・云々である。これは先天的な損傷あるいは異常によるケースで特殊な記憶力の発露などという事例が学術的に報告されることと似ている。

その基本にあるのは脳機能の局在説である。たとえば人間では常識的には不可能なのでイヌやマウスを使った実験で、脳のどの部分を切除すると何ができなくなるかを検証することで脳のどの部分が何を司っているのか・・・科学者たちは追及したのである。

たまに事故で脳を損傷した人間が発生すると科学者たちは目の色を変えて「どこが損傷して何ができなくなったか」を調査するのだ。その結果・・・「左半球が損傷すると言語が不自由になることが多い」「しかし、損傷箇所が修復できないと右半球で代行ができるようだ」「脳って神秘だねー」「そうだねー」と様々な仮説や部分的な検証が生れるのである。まさに科学の発展に犠牲はつきものなのであった。

そのレアなケースとして前頭葉に損傷を負ったホストの大吾こと九十九十八じゃなかった九十九龍介は天才的頭脳を持った超人として覚醒する。彼は空気の読めないホストから五年間で脳科学の世界に偉大な業績を残した怪しい脳科学者に変貌を遂げたのである。脳科学のどの分野で博士号をとったのかは不明です。

そして・・・それと引き換えに「アグネス・ラム」にはあまり感じなくなり、もっと色白でかなりポチャポチャしたタイプが好きになったのだった。九十九はどうしてそんなことになったのか・・・知的好奇心の情熱を燃やすのである。ある意味・・・失われた「あの感じ」を求めての心の旅なのであろう。

ちなみに・・・今回の九十九は認知心理学や・・・行動心理学的なアプローチが目立っていたので脳科学者というよりは一昔前の心理学者みたいでした。

ついでに冒頭でホストと行きずりの女のもやもやが描かれるのであるが・・・「別れた後でお互いに時間差で振り返りお互いに相手が振り返ったことを知らないすれ違い」が描かれる。ちょうど深夜の「ER」でも医師と女医が同じことをやっている。しかし・・・シーン演出の手順などが微妙に違うことによって味わいはまったく違う。ラブシーンに興味のある人は比較研究してみるといいと思うよ。

もちろん、「ER」の方が抜群にエレガントだが・・・「MR.BRAIN」は主役をアピールするという演出意図が明らかなのでこれはこれで正しいのである。

さて、科学警察研究所はどちらかといえば・・・将来を見据えた研究施設という設定である。実際に科学的なアプローチで捜査に介入する科学捜査研究所よりも事件現場から遠い位置付けと言える。

九十九はここにマウスとバナナとアグネス・ラムの写真集を持って招聘される。

招聘したのは瀬田所長(小林克也)なのだが、できれば彼には冒頭で・・・法科学部長の佐々(大地真央)に「彼はあの若さで脳科学の分野では天才と賞賛されている・・・人呼んでミスター・ブレインとは彼のことなのだ」ぐらいは言ってもらいたかった。

これに対して「それは存じています・・・業界では著名な方ですから・・・」と佐々が応じるくらいでいい。

それに対して・・・それほど有名ではない・・・他の分野の研究者たちが軽く嫉妬しているくらいの空気が欲しかった。そうすれば「彼」の変人ぶりがもっと火に油を注いだ感じになったはずである。こういう構成力の甘さが最近のこの脚本家の弱点なのだな。・・・老いたのか。「トリック」の頃の切れ味がないのである。

しかし・・・その程度の脚本の齟齬は微塵も感じさせないゴージャスなキャスティング・・・グイグイである。

掃除のお姉さん(木下優樹菜)は強引な割り込みでなんとか出番を確保したが科警研内喫茶店の主・マリコ(SHIHO)なんかは編集点を維持できなかった模様の混雑ぶりである。

芸人枠だけでも化学担当の田中裕二と音声分析担当の設楽統でツッコミ的にかぶっており、童顔脇役も交通科学担当の林泰文と生物学担当の山崎樹範の二枚使い。キャラ的にはトータス松本と香川照之がかぶりかけており、レギュラーの平泉成とゲストの志賀廣太郎もかぶっているっちゃあかぶってる。

まさに右脳・左脳的なかぶり方なのか。

ちなみに綾瀬はるかはアンドロイドなのでロボット、水嶋ヒロは改造人間なのでサイボーグである。・・・いい加減にしときなさいよ。

さて・・・爆破事件を画策してカジノ強盗を働いた悪徳警官・船田(ユースケ・サンタマリア)を逮捕したことで九十九と知り合った警視庁捜査一課の凸凹コンビ。凸が新米刑事のリンダ(水嶋)、凹がベテランのタンバリン・・・いや丹原刑事(香川)である。

リンダは暴走する小心者のお先棒担ぎであり・・・いい男を見るとすぐにビビッとくる妄想するドジっ娘担当の由里(綾瀬)とはナイス・コンビなのである。

初めての共同作業はマウス追跡で・・・おそらく最後は二人でアルジャーノンに花束を贈ることになるのであろう。

ちなみに綾瀬はるかとアグネス・ラムの共通点はくびれであろう。現在の九十九はくびれに対する性的衝動を喪失しているらしい。やたらと顔をくっつけて語りかけるのはくびれのない平面に対する病的な欲求がなせる行動だと推測できる。

ついでにアグネス・ラム→うる星やつらのラム→綾瀬はるかは進化論的に一部領域では系統配置されている。水着になったら凄いんです種族である。

悪徳警官・船田の逮捕は「時限爆弾を前にしてゆっくりと行動させるのはおかしい」という九十九の直感的な疑念によるものだが・・・人間は緊張すると脈略のない行動をとるという考え方もあります。

続いて事件は産業開発省(架空)のお役人連続殺人事件へと発展する。

ユースケ・サンタマリアもボイス・チェンジャーで変声しても耳にした途端、ユースケと分るネタバレだったが・・・真犯人の土木開発局長・土井(高嶋政伸)も途中でシルエットで声色を変えてしゃべるのだがいかにも政伸でネタバレなのだった。おそらくわざとなのだろう。

最初にミスリードされるのは「思い込み」を利用した印象操作で・・・やはり認知心理学的アプローチである。

「土井」を隠すために「十字架」をクローズアップした土井だった。しかし、そのために第二第三の現場にも十字架を残さなければならなくなり、手間暇かかって大変だったのだろう。

最後は別の写真を見せられて「ここは行ったことはないな・・・」で九十九が「おやぁ・・・ここはあなたのアリバイを証明する場所なんですけどねえ・・・」でもよかったという方もあるだろうが・・・脳機能をイメージングできる最新機器としてfMRI (functional magnetic resonance imaging 実用的磁気共鳴画像処理器)を使ってみたかったんだからしょうがないじゃん。ジャンプなんだよ。ジャンプしちゃえばいいんだよ。

まあ・・・基本的に人間は脳についてのいかなる情報も本質的には共有できないと悪魔は申すのでございますが・・・たとえ、人の心がノイズに過ぎないとしてもそれについて語り合うのは喜ばしいことだと・・・じいやは考えるのでございます。

脳科学のような複雑系の科学は白黒のはっきりしない世界・・・そして脳細胞は灰色なのでございますからな。それにしてもこのゴージャスさ・・・ドラマの帝国の皇太子に相応しい仕上がりでございましたともっ。

関連するキッドのブログ『CHANGEのレビュー

Hcinhawaii0550 ごっこガーデン。憧れの謎の殺人現場セット。アンナきゃーっ、こわいぴょん、壁に血の十字架・・・そっとダーリンによりそうぴょん・・・ここはお約束のお約束のお約束でカエルも十回言っとくぴょん。ダーリンのカエル十回クイズはダブルで大好きの二乗ぴょ~ん。さりげなく胸元よせよせアタックぴょん。はうぅん・・・六回といわず・・・来年くらいまで続けて欲しいのぴょんぴょんぴょん。右側のメイクは念入りにしているぴょん。左側のポジションをキープぴょん。右とか左とか時々区別がつかなくなるの・・・ナイフを持つのが右手ピョン。帰国子女でしゅから~。ikasama4画伯、おニューのダーロイドサンキューケロケロリン!・・・来週まで長いけど待つのも楽しみなのですぴょ~ん

Hcinhawaii0551 ごっこガーデン。8時だよ全員脳氏・ステージ。お気楽うわーい、ごっこガーデン初の不祥事・・・マシン・トラブルで社長遅刻だよ・・・ババンババンバンバン・・・歯磨けよ!・・・じいやのTB届かずも長いよね・・・ようやくココでおいついたくううう~ん。土曜日忙しすぎ~・・・ヒロくん出ているのに~・・・遅刻しましたーっ・・・宿題やったか?・・・ikasama4ザ・クイズショウとの二本立て・・・クリア・・・ダーロイドクリア・・・新作変則スケジュール・・・ひぃーっですな。ダーロイド設計図拡大パーツ付で公開中です。風の噂では「西部警察」の再放送があったそうですが・・・こちらの爆破も最近では珍しく迫力満点でしたなっ。脳トレパンもあるそうですが・・・頭脳バナナも売れそうです。着色して海馬バナナとかも不気味でいいかもしれませんハ~ビバノンノン

Hcinhawaii0552 ごっこガーデン。科学警察遊園地入場ゲート。エリ掌紋チェックでスー。チェックシートを山P先輩の写真にしてエリ専用唇紋チェックというのもいいと思いまスー。しかし、まこちゃんが取り外して間接キスマシンとか言って闇ルートに流しそうなのでやめておきますyon!・・・海老蔵さんの眼光するどく・・・タダモノじゃない感じですね・・・敵として登場する回があると楽しみでスーみのむしドロドロというほどにゴージャス・・・一本でゴッ輝6本分くらいの予算を使いきった感じがしましたるるる・・・とにかく・・・タッチパネルのディスク・・・とても欲しい感じ~・・・そして壁面はどこでもディスプレ~、暴力団関係激しく脳波赤めです。とにかくインディアンも脳もウソつかないなのでするるるmari重さ1400グラム、容積1400シーシー、人体はほぼ水分です。1秒間に2兆回のパルス、指折り数えたら折れますね。変人科学者に踊らされて現場の刑事が右往左往の大混乱・・・ちょっと血なまぐさいのは考えものですが・・・キムタク・コロンボ・・・もう少しさっぱり系でもいいかもですあんぱんち壁抜け男は元祖怪奇大作戦か・・・志賀さんだけにアンフェアな展開・・・酒癖悪いキャラはホタル・鹿男と定着気味・・・地なのかしら~。とにかく・・・ゴージャス、ゴージャス、赤坂サカス、ハムスターも踊る大捜査線だったのね~・・・結局。最初は直感で・・・最後はひっかけなのよね~・・・バナナで萌えって・・・どこのオヤジギャルですか~まこザ・クイズショウと芸人歌へた王座決定戦にはさまれて科学者マコリン・・・無念の遅刻でしゅ~・・・もうヘトヘトでしゅ~・・・じいや~・・・バナナ・ジュースをプリーズでしゅ~・・・市川海老蔵クリームあんみつ付で~

月曜日に見る予定のテレビ『ハンチョウ~神南署安積班』『前田愛の量刑』(TBSテレビ)『婚カツ』(フジテレビ)

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2009年5月23日 (土)

胸元に手の甲始めました(新垣結衣)私には夢がある(大野未来)パラパラ童歌(香椎由宇)

「湯けむりスナイパー」のアイドル仲居・由美ちゃん(大野)は16才。一家心中の生き残りである。死んだ父親は食品会社を経営し、外国産の食材中毒事件を起こし妻と子とともに青酸カリ自殺をはかるが中学生だった由美ちゃんだけが命をとりとめ、不憫に思った温泉旅館・椿屋の女将(伊藤裕子)が引き取ったのであった。

おちょくってんのかと思うほどのかぶり方である。

「スマイル」の町村フーズの社長(前田吟)は大手食品会社の毒物混入食材流通事件にあおられ、経営危機となり1億円の保険金目当てで自殺なのである。残された娘(小池栄子)なのであまり不憫ではないのである。

一方、殺人がエンターティメントの素材でしかない本格推理の世界では10人を越える大量の死体を生産し、ヒロイン(香椎)はパラパラを踊りきって勝利のスマイルである。

様々なドラマは通り過ぎていく。そこに学ぶべきものがあろうと、感じるものがあろうと、それは人それぞれである。しかし・・・すべての情報にあなたの心は影響されずにはいられない。それはウィルスのようなものだから。あなたの心も、そしてありとあらゆる情報も。

で、『湯けむりスナイパー・第7回』(テレビ東京090523AM0012~)原作・ひじかた憂峰、脚本・監督・大根仁を見た。原作は殺し屋を自主廃業し、血塗られた過去を封印して温泉旅館の従業員として働く源さん(遠藤憲一)のとりとめない日常を描く物語なのであるが・・・今回はドラマとしては最終的にはどこかの終着点に向かっていることを匂わす特殊な回となっている。

元殺し屋が人並みに生きていくというコミックならではの超倫理観は深夜とは言えドラマではお茶の間に差し障りがあるのである。源さんにもなんらかの社会的制裁がなければならないと考えるのはテレビのスタッフとしては常識の範囲内だろう。

そのために・・・捨て去ったはずの闇社会が・・・源さんに追いすがってくるのは常道の展開だ。原作の「暗闇のサザエさん」的世界観に楔を打ち込むのである。

前半では「秘湯の温泉旅館」にひっそりと咲く由美ちゃんの過去が語られる。

源さんが上半身裸で浴場の清掃をしていると由美ちゃんがやってきて、源さんの背中の刀傷を見てハッと息を飲む。

源さんはその気配に気がつきたじろぐのであるが、由美ちゃんは素知らぬ顔で「ごめんなさい」と言うのである。

そこには「裸の背中の傷跡を見てしまって」なのか「お仕事の邪魔をして」なのか微妙なニュアンスがあり・・・源さんとしては由美ちゃんに「優しさ」を感じる態である。

ただでさえ背中の傷には象徴として複雑なニュアンスがある。一つには傷を負わされたという弱者のニュアンスをベースとして・・・それが敵に背を向けた傷であることから卑怯者のそしりが加わるのである。背中の傷は臆病傷とも言われる所以である。また、逆に背後から不意を襲われた不心得という一面を持っている。つまり、表面上では卑怯であるのは相手であって負傷者ではないという観測がありつつ、やはりそういう隙を見せた本人に責任があるという結論になるのである。その考え方の根本には限りなく個人に優しくない世界の掟が介在しているのである。多勢に無勢の修羅場で負った背中の傷もこれに順ずる恐ろしさなのである。

つまり、武士としての不覚悟である。まあ・・・源さんは武士じゃないけどな。

とにかく、いつも明るく振舞いいつか都会に出て芸能人になりたいと夢見る由美ちゃんを源さんは天使のように思うのである。

しかし・・・そんな源さんに番頭の捨吉(でんでん)は「それはうわべだけのことさ」と由美ちゃんの過去を言って聞かせるのだった。

由美ちゃんは一家心中の死に損ないであり、口から泡を吹いたけれど地獄の淵から蘇った冥い過去を持っていたのである。

源さんはそんな由美ちゃんを気持ちも新たに「年下の先輩なんだ・・・」と尊敬するのだった。

そして、後半、テレビ東京の深夜ならではの予算の範囲内で紅葉も鮮やかな年の瀬を迎える秘境の温泉地。一人の女(星野あかり・・・元ストリッパー「秘書のカガミ」とか「特命係長」とか「妄想姉妹」とかでお馴染み・・・美乳です)が東京から携帯電話を持ってやってくる。

携帯電話に連絡をしてきたのはアジア系のマフィアの顔役であるQ(長門裕之)だった。

源さんとQは親密な関係にあり・・・源さんが唯一、居場所を教えた闇社会の人間である。そして源さんの貯金を委託している相手らしい。表向きの職業は歌舞伎町周辺の屋台のおでん屋だが、具は近所のコンビニおでんで調達するお茶目さんである。

そんなQは謎の組織の男(志賀廣太郎)から「消えたスナイパーの行方」を問われ・・・忠告のための連絡をよこしたのだった。しかし・・・源さんの声に・・・なんらかの変化を感じたQは忠告することに無粋さを感じ・・・言葉を収めたのだった。

このまま・・・永遠の時を刻む物語なのか・・・それとも強烈な幕引きがやってくるのか・・・どちらにもとれる上手い展開である。

まあ、それも思わせぶりといえば思わせぶりなのだが・・・湯けむりの里の鄙びたスナック花子での新年会気分に浸れればそういう憂さも晴れるのである。

だって、いいね、いいね、いいね、あなたが私のドレミファソなのである。気まぐれなキスでいいのである。ドラマ「エコエコアザラク」のブラウン・シュガーのエンディング・テーマなんて誰も知らないぞなのである。

で、『名探偵の掟・第6回』(テレビ朝日090522PM1115~)原作・東野圭吾、脚本・大石哲也、演出・七高剛を見た。本格推理小説のパロディーをドラマ化という・・・かなり難解な設定なのであるが・・・今回は演出がそこそこフレッシュでまあまあ楽しく見ることができた。

相変わらず、説明役の大河原(木村祐一)がつらいといえばつらいのだが・・・贅沢を言ってもキリがないからな。

ひとつだけ具体例をあげておく、このドラマでは大河原は「名探偵のストレートな推理」に対して「暴投気味のボケ推理」をする脇役警部という役どころと・・・そういうお決まりの筋立てをあえてやっているというアピールをする司会進行役という二つの立場を持っている。

その切り替えの演技を本格的に要求するとかなりの難役なのである。

最初の立場では「おとぼけ推理」をしている間抜けさをそれなりに演じなければならず、二番目の立場ではすべてを分っている苦労人の怜悧さをみせなければならない。

で、今回はそれほどでもないれけれど探偵の出番を作るために「まったくお手上げだ~」と棒読みのセリフを言うわけである。基本的に標準語にくらべて関西弁の棒読み表現は難しい。関西弁そのものが標準語に対してわざとらしく棒読みになりにくいからである。

そこでこの複雑なニュアンスのある「まったくお手上げだ~」である。

いつもセリフを棒読みしている演技の素人が・・・そんなニュアンス出せるわけがないのである。

しかし・・・今回は・・・演出がなかなかに計算高く、大河原の演技の出来なさを計算した控え目のアングルを多用していて・・・かなり見やすかったのです。

もちろん・・・キムニイの演技力が少し向上したという考え方もできる。与えられたチャンスなのでしっかり精進してもらいたい。

ゲストは天下一探偵(松田翔太)をタレントとして起用したバラエティー・ショーのディレクター・鴨居(黒川智花)である。もちろん、ヒロインの藤井刑事(香椎由宇)とかぶり、犯人でも被害者でもないが・・・探偵を「へっぽこ」と言い切る毒舌を吐く得意のキャラクターである。藤井刑事もがんばっているが・・・鴨居の存在感・・・圧倒的でした。この演技力を開花させる舞台がないのが歯がゆいほどである。

で、『悪辣なスマイル・第6回』(TBSテレビ090522PM10~)脚本・宅間孝行、演出・石井康晴を見た。ビト(松本潤)を不幸にする事件を中心に考えると、第一の事件・麻薬不法所持冤罪編に続き、第二の事件・幼女毒殺疑惑編の完結である。要するにビトがあらぬ疑いをかけられて右往左往するという話を前・中・後編くらいの3回構成でやっているわけであり、ダラダラグダグダして当然なのである。

今回はビトの土下座で悪い会社の一員が良心に目覚め、ブタ姫・花(新垣)の探索で網にかかったブタ姫仲間の美奈子ブタ(村上知子)が改心するという展開で一件落着である。

ブタ姫でなく、ただのブタだと人間になってもしゃべれるらしい。あるいは言葉は容姿と引き換えに失われるのか。ブタ姫の法則の興味深いところである。

とにかく・・・人間になったブタは結婚詐欺とかにひっかかりやすいらしいのでブタの皆さんは注意してください。

さて・・・スマイルである。スマイルは笑顔であり、時には「愛」や「平和」の象徴としてバッヂになったりするわけだが・・・時には不気味であったりする。たとえば・・・笑いの原点には勝利の笑顔がある。これは肉食動物が獲物を倒し、牙をむき出して獲物の肉を貪り食らうことにルーツがあるのである。

人間ともなるとその複雑な表情からは様々なニュアンスが読み取れるのだが・・・当然・・・スマイルとはそもそも悪辣なものであるという考え方もあるのだな。

そういう意味で悪魔のような人間・林(小栗旬)の悪辣なスマイルこそが・・・このドラマの主眼であると受け取ることもできる。

つまり・・・太宰治の「正義と微笑」のような清々しさは・・・「悪意と哄笑」の禍々しさと表裏一体なのだということである。

まあ・・・花の「遅刻したら怒っちゃうぞ」メールとかは・・・いつもメールなら話が早いよねとかを思わないかぎり・・・かわいくてかわいくて困っちゃうわけである。とにかく口をすぼめておちょくり加減でほーっと感心するような表情は絶品でございますね・・・結局、そこなのか。

関連するキッドのレビュー『先週の金曜日のレビュー

日曜日に見る予定のテレビ『天地人』(NHK総合)『ぼくの妹』(TBSテレビ)『ファイヤーウォール』(テレビ朝日)『美少女麻雀アニメ・咲』(テレビ東京)

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2009年5月22日 (金)

いい加減、手加減してください(志田未来)てへっ(天海祐希)素数の青春(戸田恵梨香)

「ハンチョウ」や「臨場」にはあるが「BOSS」にないものといえば、特ダネを狙う女性記者である。ハンチョウは東報新聞の山口記者(安めぐみ)で、「臨場」は新日新聞の花園記者(金子さやか)である。ついでに「ハンチョウ」には行きつけの店・和食処「磯樽」があって女将(奥貫薫)と店員(近野成美)がいて、「臨場」には行きつけの店・バー「かくれんぼ」があってママ(伊藤裕子)がいるのである。

主人公が女性だと・・・そういうお約束は排除されるのだった。そんなものはいらないといえばいらないからである。

犯人と捜査チームの頭脳戦・・・一部お茶の間を置き去りにする硬派なハード・プレーが展開され、視聴率は↘15.8%とやや下げたが・・・「ゴーストフレンズ」↗*4.4%の軽く三倍なので問題ないだろう。

しかし、事件そのものは一人の男性をめぐる女たちの愛のもつれ・・・古典といえば古典なのだった。

で、『BOSS・第6回』(フジテレビ090521PM10~)脚本・林宏司、演出・星野和成を見た。ゲスト犯人に志田未来登場である。殺人の真犯人・女子高校生・石原由貴(志田)なのであるが、最初は親友の沙織(水沢奈子・・・腹話術の人形スミレ16才でお馴染み)の犯行の証拠隠滅を手伝う優等生で登場して、最後はお得意の逆転劇で真犯人であることが暴かれる。盗撮、おとり捜査、身分詐称とほとんど許されない捜査手法の連打である。いかにも証拠捏造のレベルである。恐ろしいことだ。

由貴16才は英明女子学院で一番の秀才。ただの秀才であるだけではなく、刑事訴訟法などの法律知識、科学捜査などの基礎知識、警官の服務規程などあらゆる犯罪捜査についての情報に通じている一種の天才少女なのであった。

その知能は野立参事官補佐(竹野内豊)を一蹴し、刑事マミリン(戸田)を凌駕し、特別犯罪対策室・大澤室長(天海)をたじろがせるのである。

これに大澤は大人気なく対応・・・ものすごい引っ掛けで由貴に手錠をかけるのだった。

被害者は体育教師・増岡(松田悟志)である。色事師である増岡は同僚の二宮(西山繭子)と交際しながら、沙織と由貴という生徒たちを次々と毒牙にかける不良教師だった。

「臨場」の倉石検視官なら「どんなワルだって殺されていいってことはない」と断定するのかもしれないがキッドはこの教師は殺されてもいいと思います。

しかし・・・妄想では許されてもお茶の間向けドラマでは許されない倫理観。由貴は「踏みにじられた純情を自己責任で復讐し、無視されたみなとみらいで志田未来の哀愁デートを男の頭蓋骨に凶器の打撃で刻印したあげく逮捕」されるのだった。

もちろん・・・いたいけない少女に本質的には罪はないのである・・・おいっ。

そのためにほとんどダーティーな罠を仕掛け、ウサギを捕らえた狩人たちの心にはそこはかとなくメロウな罪悪感が漂うのだった。

しかし、実際には性的には純情可憐だった女子高校生の犯行には充分に情状酌量の余地があり、おそらく、おばさんになる前に保護観察処分になることは明らかなのである。キッド的には推定無罪だと思うし・・・おいおい。

ま、今回は天才少女VSBOSSチームなので、あれだけど、あまり情報をつめこみすぎるとお茶の間置き去りになるぞと忠告しておきたい。

ついでに前回の犯人(山田孝之)と今回の犯人「(前略)・・・犯罪捜査規範第204条。少年事件の捜査を行うにあたっては少年の特性に鑑み特に他人の耳目に触れないよう注意し・・・(中略)・・・脅しの次はすかしね・・・こんな ポジションで使われるっておじさん巡査部長?その年で巡査部長って将来不安だね?大丈夫?私がキャリアになったら雇ってあげるからねっ!だからそれまで頑張って・・・(中略)・・・あなた大澤さんだっけ?分かるの?女心が?彼氏いる?・・・(後略)」セリフの量が違いすぎるだろう。

・・・舌足らず好きの一部愛好家へのサービスなのか!・・・おいおいおい。

関連するキッドのブログ『第5話のレビュー

Hcinhawaii0548 私立・聖掘出学園高等部・数学の時間。まこむきぃぃぃぃ・・・てっきり友達思いの高校生だと思っていたら・・・トドメをさした真犯人だったとは刑事マコリンにはちっともお見通しじゃなかったのでしゅたっ!乙女心をもてあそんだ先生に痛恨の一撃をくらわせたのは納得なのでしゅが・・・やはり女王刑事にはかなわなかったのだじょ~・・・今後の参考になりましゅ~下手な工作休むに似たりでしゅねアンナ毎日がダーリンとくばんなので~、BOSSとかもう、ムリなのぴょん・・・ダーリンならこんな事件は一発解決ぴょん。MR.BRAINもうすぐはじまりのはじまりのはじまりぴょんエリ素数定理の解明についてガウスの予想に基づき初歩的な証明をしまスー。スーパー優等生でも本能的なシステムの発動は躓きの要因となるのでございまスー。やはり三角関数とあわせて三角木馬も試してみるべきなのでスー。気にいったのでおばさん手招き練習中でスー教壇のシャブリ学園長豚インフルエンザ体制でお嬢様に特別授業中なのでありましたー・・・医師団団長としても忙しいのでもちろん、レビューは遅刻なのでありますー

Hcinhawaii0549 ごっこガーデン。疑惑のロッカールームセット。お気楽ヘアスタイルも違うし、口元に線を描いてくれないとスミレってわかんないよね。未来ちゃんがこんなに大人になったんだから天海さんがますますおばさんになっちゃうのはしょうがないよね。自然のなりゆきだよね・・・先生は勉強だけを教えてもらいたいなぁくう今回、ストーリー的には一番面白かったーっ。悪知恵働く子供に悪知恵で対抗みたいなーっ。大人顔負けの犯行だけど動機はお子様・・・苦味のある展開だったよーikasama4山むー新作ぞんざいロイド三体描き下ろしましたーっ。なんだかんだ人気ですねぇ。カバンを忘れるギャグも馴染んできたし・・・刑事マミリンが大澤室長彼氏ありにたじろぐ表情にもやられましたけどーみのむし豚インフルエンザもなんのその天使と悪魔見に行ったので遅刻しましたるるるあんぱんち女王の教室、三年ぶりに因縁の決着なのよーっ。てぃひっ。この二人って絵になるのよね~。池内愛もいて神田和美もいる・・・真矢先生の同窓会なのかしら・・・ご苦労サマンサタバサーっmariちょっといろいろと忙しくて・・・遅れ目なんですよね~・・・季節の変わり目、皆さんもご自愛くださいね・・・私もちょっとバタバタなんですよーっ。ドラマ感想しばらくお休みなのです~。再開までしばらくお待ちくださいね~・・・でもごっこはしときます~

土曜日に見る予定のテレビ『MR.BRAIN』(TBSテレビ)『ザ・クイズショウ』『イケ麺そば屋探偵』(日本テレビ)『鈴木杏の遥かなる絆』『ERⅩⅡ』(NHK総合)『魔女裁判』(フジテレビ)

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皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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2009年5月21日 (木)

生きていてもいいですか(稲森いずみ)みゆきかっ(川島海荷)ふとっちょパパは感電死(大村彩子)

今週、根こそぎ拾われたご遺体は昏睡強盗の常習者・片岡小夜子(小濱なつき)・・・モデルなので美人死体である。一部愛好家はきっと満足だっただろう。レギュラーが美少女控え目なのでやはりゲストを厚くしてきました。

水曜日のダンスは・・・

「臨場」(テレビ朝日)・・・・・・・・・・・・・・・14.1%↗14.5%↘12.8%↗14.8%↗15.2%↘14.6%

「アイシテル~海容~」(日本テレビ)・・・13.2%↗13.7%↗14.2%↘13.0%↗14.8%↘13.9%

「夫婦道」(TBSテレビ)・・・・・・・・・・・・・・*9.2%↘*8.9%↘*8.6%↘*7.9%↗*9.2%↘*6.7%

東京都の女子高校生・豚インフルエンザ発症がダンスの足並みそろえさせたのだが、ダメージを食らったのは「夫婦道」・・・まあ、高畑淳子の躁演技がやかましすぎるということもちびっとはあるかもしれません。

で、『臨場・第6回』(テレビ朝日090520PM9~)原作・横山秀夫、脚本・吉本正弘、演出・伊藤寿浩を見た。「オレの見立てとは違うな」連打である。そして独身だと思ったのに既婚だったナース(荘田由紀・・・鳳蘭の次女)は「オレの見立て違いだった」のである。

そして、すっかり、2時間ドラマのお嬢さん役ゲストに定着している犯人の娘(大村)だった。まあ、どんな形であれ、たまに美少女ぶりを垣間見ることができてうれしいのである。

「本場・英国仕込のお紅茶ね」とかセリフは些少恥ずかしくても大丈夫なのである。

罪つくりな人というのは基本的にもててもてて困っちゃう人のことだが、今回は「かわいい継娘のためにダメ夫を殺してしまう継母(あめくみちこ)」の理詰めの愛を指すらしい。ニュアンスとしては微妙である。

まあ・・・基本的に・・・検視官・倉石(内野聖陽)は「見たくないものに目をつぶるのはよくない」と主張するのである。そのために倉石教信者の検視官補助・小坂巡査部長(松下由樹)は信仰に迷い・・・そしてさらに強く神・倉石にひれ伏すのである。

まあ、毒カレーの女なら「救急車が来るまでに女のたしなみで口紅塗りなおした」とか「落ち着こうと思って水飲もうとしてこぼしたとか・・・」いくらでもシラをきり続けるのであるが。

往生際の悪い時代なのである。

で、『アイシテル~海容~・第6回』(日本テレビ090520PM10~)原作・伊藤実、脚本・吉本昌弘、演出・吉野洋を見た。ベテラン演出家にはベテランとしての味があるわけである。息子への父親としての自分の愛情が驚くほど強いものだったと野口和彦(山本太郎)が気付き愕然とするシーンがある。

野口智也(嘉数一星)「お父さんとしたあの日のキャッチボール・・・楽しかったよ」

和彦の脳裏に蘇る妻・さつき(稲森)にせきたてられるように息子と遊んだ一瞬の回想。

まもなく面会時間が終了し、担当の役人に命じられて、檻へ去って行く無惨でいたいけないわが子の後姿。その姿に突然、あふれ出した愛情をこらえきれず息子に背を向ける和彦。あふれる涙をこらえることもできず、肩をふるわせ嗚咽をもらして泣くのである。

智也はふりかえり・・・背を向けた父親が泣いていることを感じる。

実によどみない編集で名場面なのである。

さて、智也はとりかえしのつかないことをしてしまったのだが・・・それは明らかに不運だったことを物語る回想シーン。

やはり、人に殺意を抱かせる特異体質だった被害者・キヨタン(佐藤詩音)なのである。

親バカのキヨタンの父(佐野史郎)は「キヨタンは人と仲良くなる天才だった」と賞賛するのだが・・・この時点ですでに殺されやすい体質に輪をかけていることが明白なのだった。

キヨタンは・・・自分のトイレの心配をしてくれる身知らぬお兄ちゃん(智也)に「お兄ちゃんの家が変だ、お兄ちゃんはおかしい、キャッチボールがしたい、キャッチボールの場所は決まっている、お兄ちゃんはヘタクソだ、お兄ちゃんのパパは変だ、意地悪なお姉ちゃんはヤキモチ焼きだ、ボクは世界で一番愛されているんだ、ママはいつでもギュッとしてくれるんだ、キャッチボールはもうやめる・・・」とこの世の主のようにふるまうわけである。

智也が殺さなくても、そのうち誰かが殺したことは確実である。

そういう弟だからこそ、姉の美帆子(川島海荷)も「死んじゃえばいいのに」と呪ったわけであり、実際に弟が死んだことで・・・美帆子をして自分が涼宮ハルヒ(この世界の神で超願望達成能力者の美少女・・・人気ライトノベルのヒロイン)ではないかと疑わさせ気分を憂鬱にさせたのである。

人間は二面性を持っている。その二面性は善と悪の二つの仮面で象徴される。このドラマではよく似た二つの仮面があり、その一つを被害者のキヨタンがかぶっているのだが、もうひとつはさつきがかぶっているのである。

美帆子が両親からキヨタンほどには愛されていないと感じるように・・・さつきの妹・彩乃(田畑智子)も母親の敏江(藤田弓子)からさつきほどには愛されていないと感じている。彩乃と敏江は実に似た者親子なのであるが・・・さつきはずっと容姿に恵まれている。おそらく・・・敏江はさつきの中により理想の娘を見出しているのである。つまり・・・娘に憧れているのである。

これはキヨタンの父が死んだキヨタンに対して「我々家族を見守り導いてくれ」と狂信的な心情を吐露するのと符号している。

彩乃はそうした母親の理不尽なまでのさつき崇拝に傷つき、美帆子は両親のキヨタン信仰に傷ついているのである。彩乃と美帆子が出会えばレズビアンになることはほぼ確実である。

今回も敏江の姉妹差別はものすごい。「男にふられたくらいで親に心配をかけるな・・・子供が人殺しになったお姉ちゃんの気持ちを考えてみろ」である。

キッドが彩乃なら母親をその場にあった果物ナイフで刺す確率80%ぐらいである。

しかし・・・まあ・・・殺されたキヨタンや・・・人殺しの母親になってしまったさつきをあんまり責めたてるのも大人気ないので・・・このあたりにしておくか。中島みゆきって凄いよね。

生きていてもいいですかと誰も問いたい

その答えを誰もが知っているから誰も問えない

関連するキッドのブログ『先週の水曜日のレビュー

金曜日に見る予定のテレビ『桜井幸子のコンカツ・リカツ』(NHK総合)『新垣結衣のスマイル』(TBSテレビ)『エンケンの湯けむりスナイパー』(テレビ東京)『香椎由宇の名探偵の掟』(テレビ朝日)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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2009年5月20日 (水)

絞め技悶絶始めました(堀北真希)どこの組の盃事だよ(吉高由里子)パン屋さんの面接だよ(大橋のぞみ)

音楽寅さんでは「結婚しようよ」「八月の濡れた砂」「カレーライス」という極私的ロマンスな展開である。

なれそめかよっ。エンケンといえばかっては「カレーライス」(1971)のシンガーソングライターの遠藤賢司だったのだが、最近は深夜は元殺し屋の温泉旅館従業員、夜はパン屋さんの遠藤憲一の渾名になってきている。

時は流れるし、キャサリン頼近も逝くのだな。ご冥福をお祈りします。

火曜日のドラマ対決は①「アタシんちの男子」↘12.0% ②「白い春」↗11.9%

なんとなく・・・二本立て興行のプログラムピクチャーみたいな二本。子供も楽しめるドタバタ劇と大人がしんみりする人情喜劇。フジテレビ系のドラマは平均視聴率が①「BOSS」16.4%に続いて②「白い春」11.7% ③「婚カツ」11.5% ④「アタシんちの男子」11.4%とデッドヒート。番外地で⑤「魔女裁判」*8.4%である。

で、『アタシんちの男子・第6回』(フジテレビ090519PM9~)脚本・武藤将吾、演出・佐藤源太を見た。とにかく・・・子供を捨てる・・・という非常識が・・・非常識であることを前提に過酷であるという常識があって成立するドタバタ喜劇なのである。

「スマイル」はこれをウソっぽくシリアスに展開し、「ぼくの妹」はこれをリアルにコメディーとして展開する。そして「アタシんちの男子」はウソっぽくコメディーである。結果として「アタシんちの男子」がエンターティメントとして無難に成立し、「スマイル」も「ぼくの妹」も失敗作となっている。

それにしても・・・捨てられた子供が主役のかぶり方は異常である。

もちろん・・・「なんとなく家族制度の崩壊」という「現代」は反映しているのかもしれない。

桑田佳祐と原由子が出会った頃の青学では髪が肩まで伸びたら結婚とか、とりあえず永遠の夏の中で婚前交渉とか、同棲してカレーを食べようとか・・・そういうのほほんな青春が夢見られていたのだった。

そして人々は結ばれて子を育んだのである。

しかし・・・もはや、子供はネグレクトされ、結婚にはいかなる希望もなく、老後は施設に遺棄である。そのすべての根源は国家の年金計画の失敗にあると思う。・・・そうなのか?

地方分権の声が上がって久しいが結局それは地方格差の是正ではなくて・・・地方の主権拡大・・・それによって起こる地方間競争・・・そのはてに地方格差の拡大へと続いていく。

当然、家庭単位、個人単位も果てしなき競争にさらされ・・・すべての共同体は破滅へと向かう。それを暗い予想と考えるか、明るい予感と考えるかは人それぞれなのである。

とにかく・・・「アタシんちの男子」は一つの楽観主義である。捨て子たちがお伽話の魔法の家に集まって魔法の家(トリックハート城)の秘密を暴いたり宝探しをしたり面白おかしく毎日を過ごす。どんな現実も心ひとつで幻想となるのである。

ま、それで素敵な未来がやってくるのかどうかは別にしてーっ。

「婚カツ」とか「コンカツ・リカツ」というドラマがお茶の間に支持されない以上、「死カツ問題」くらいのタイトルがいいのかもしれないと思ったりします。

拗ねて女性問題を巻き起こす子供のために義理の母親が暴力的制裁を受ける・・・この超現実的な展開を面白おかしく感じる心がちょっと心配です。

今週の妄想イケメン度査定。

①故・大蔵新造(草刈正雄)・・・回想シーンに登場。長男への手紙を書いているところを千里(堀北)に見られて声を荒げる珍しい一面を披露。生前の年の差カップルとしての仲むつまじさを逆に感じさせる。とにかくこの世界の人々は正雄の遺骨の混じった大気を呼吸していることを忘れてはならない。人には常に別の一面がある・・・を強調↗。

②時田修司(山本耕史)・・・理想の秘書。理想の弁護士でそっと背後に立つ小金井響子(高島礼子)がメイドで忍者の井上さん(江口のりこ)を使い暗躍してダイナマイトをカツラに掏り替えたりして甘いムードの時にはピントが甘くなったりしているのに対応して今回は千里のダメ親父(鶴見辰吾)を使って千里を呼び出すなど暗躍。→。

③大蔵風(要潤)・・・無職の長男、実は新造の実子であることが判明・・・義母の千里に女の不始末を始末させたりしたの継母への屈折した嫉妬であるらしい・・・大蔵家に残さた遺産を捜索するが・・・新造の残したヒントを何一つ解くことができない。血の繋がりが絶対ではないことの見本である。まあ、「得る」「愛」「武威」「愛」「得ぬ」「自慰」が「LIVING」だと分らなかったくらいで親でもなければ子でもないと言われても立つ瀬がないのだが・・・第一「部位」と「爺」だよ。ハードゲイ(HG)にも手を出すバイセクシュアルである→。

④大蔵翔(向井理)・・・ホストの三男、すっかり、千里びいきになり、あれこれと手を尽くす。風とはナイスコンビになりつつある↘。

⑤大蔵知(瀬戸康史)・・・ひきこもりの高校生の五男、千里への告白の練習中、優と抱き合い赤面。催眠術をかけて刃物を消すがお約束としては花束か鳩にするべき・・・もう一手間不足↘。

⑥大蔵明(岡本知樹)・・・生意気な中学生の六男、完璧な棒演技で追従を許さない。ちょっとしたナイス・ツッコミも棒であるところが救いである。今週の棒「いらっぁしゃ~い」↗。

⑦大蔵猛(岡田義徳)・・・ホスト見習いの次男、よっちゃんやうっちーであってそもそもイケメンではないのだが。バイク便の正社員を目指している。食事中、口にものを入れてしゃべったらいけません↗。

⑧大蔵優(山本裕典)・・・カリスマモデルの四男、女性恐怖症でおネー系男子、どちらかといえばキモカワレベル。まだ女性とは握手は無理。千里も好きだが知も好きなボーイズラブにも目覚めたバイセクシュアルである↘。

⑨国士豊(つるの剛士)・・・ネットカフェの千里親衛隊長・・・空気だが今回は山城新伍ネタでお茶を濁す自覚なきストーカー→。

⑩真島平次(永山絢斗)・・・ネットカフェの千里親衛隊員・・・空気だが自覚あるストーカー↘。

順位変動しないじゃないかっ・・・という人もいるでしょうがけして手抜きではなくそういう査定だからです。

まあ・・・結局・・・人生とはワンツーパンチというのが・・・作者の言いたいことなのだと思います。まあ・・・それはある意味正論ですが・・・そんなこと今さら言われてもな。

関連するキッドのブログ『先週の火曜日のレビュー

で、『白い春・第6回』(フジテレビ090519PM10~)脚本・尾崎将也、演出・小松隆志を見た。パン屋(遠藤)は悩んでいた。「赤の他人」の自分が「実の父親」から「娘」を奪うことに正義はあるのかどうか。しかし、さち(大橋のぞみ)をどうして今さら前科者の父親に返すことができるだろうか。

春男(阿部寛)は悩んでいた。「人殺し」である自分が「育ての親」から「娘」を取り戻すことに正義はあるかどうか。しかし、さちを愛おしく思うその心に偽りはないのである。

喫茶店で実の父と育ての父は見つめあった。火花が散り、従業員一同固唾を飲んで見守った。

もう少しで喫茶店のマスターは警察に電話をかけるところだった。

男たちの話し合いは血を見ることもなく終った。

出所後、五年は警備員の仕事にはつけないという建前はともかく、経歴詐称で交通整理のバイトくらいは可能なのである。そんなことより・・・春男の足元には常に死体が横たわり死んだ目で春男を見上げていることを忘れてはならない。

湯けむりスナイパーの源さんなら「殺したのは死ぬのに値する人間ばかりだった」と嘯きつつ、窃盗カップルに金を与えて逃がしてやったり、気に入らないお忍び芸能人を気分次第でぶんなぐったりもするわけだが・・・小心者の春男にはたった一人の死者が重くのしかかる。

もちろん・・・二人の男の心を支配するのは二人の心のマドンナであり、さちの母親でもある亡き真理子(紺野まひる)の面影である。

真理子の亡霊はさちをパン屋に託しつつ・・・春男をさちに導くのである。美女のわがまま恐るべしなのだった。

村の鎮守(地母神)は成り行きをはらはらと見守るのだった。地蔵は時々呪いでバスを故障させます。

刑務所で規則正しい生活を身につけ、辛抱強く汚れ払いを学んだ春男は器具をピカピカに磨くことにそつはない。そこには磨く喜びがあるからである。

磨き始めると時間を忘れる魔力がそこにはある。

そして・・・情けは人のためならずなのである。

仕事のためにパン屋は授業参観に行けないところだった。しかし、春男を雇用したことで出席が可能になった。さちは体育の授業で鉄棒の逆上がりができなかった。パン屋に勇姿を見せたかった。春男は逆上がりの練習につきあった。

さちは逆上がりができるようになった。

パン屋はさちの逆上がりに微笑んだ。

そして春男は娘と過ごす時間に感謝した。

ここにさちあり・・・である。

しかし・・・人々は・・・どこでも素直ではいられない。春男に父親を感じる栞(吉高)はそれまでの優しさを台無しにする嫉妬を芽生えさせる。私の「おじさん」をさちに取られちゃった気分なのである。「おじさん、おじさんって気軽に言わないで私のおじさんなんだから」である。美少女のわがまま恐るべしなのである。

そして・・・もう一人の心を秘めた女・・・さちの「叔母さん」佳奈子(白石美帆)の心も疼くのである。「悪い人じゃないような気がする」春男が接近しすぎて「いやな予感がする」に変じるのである。預言者かっ。果たして・・・姉の真理子に似ていない佳奈子にどんな秘密の過去があるのでしょうか。

そして・・・忘れ去られた真理子の命を救うための800万円の行方は・・・。

さちの目に映る春男の天使の羽根の正体は・・・。

限りなく春男が天に召される日の近いことを暗示しつつ・・・最高に微妙なストラッブできましたで・・・つづくです。これまでのあらすじも来週の予告も長めですがまったく気になりません。もうそういうドラマです。

木曜日に見る予定のテレビ『シスターミキのゴーストフレンズ』(NHK総合)『釈由美子のLOVE GAME』(日本テレビ)『中年悪女大集合の夜光の階段』(テレビ朝日)『戸田恵梨香と志田未来のBOSS』(フジテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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2009年5月19日 (火)

一発の値段急上昇、やはり生臭いぼくの妹(オダギリジョー)揺らします(長澤まさみ)揺らします(上戸彩)

・・・だからどうしてこの子はスパム呼び込んだり、TBはじかれたりするようなタイトルをあえて。

いいじゃないか・・・正直で。あくまであなたの心を揺らしますだからな。そうなのかっ。

・・・予想通り、どうしても生臭い方向に進むこの脚本家のドラマ。そして日曜劇場のお茶の間は老いらくの恋を待っているはず幻想である。

だから・・・しつこいようだが・・・上野と織田とか・・・さんまとまさみとかでいい加減・・・学べばいいのに。よりによって大滝秀治にかけおちのあげくの父帰るである。まさみのだめんずコレクターである。けなげな兄と妹の幼年期と成人期のほのぼの交流で面白おかしく作れんのかっ。

本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「スマイル」↗11.0%(しつこいようだが林(小栗旬)傷害の現行犯だろう)、「名探偵の掟」↗*9.7%(ニコロボお蔵入りの作家・・・不運の人だがいい味出してます)、「必殺2009」↗12.8%(時代劇の貫地谷しほりは一味違う)、「サラマンダー」*9.3%(口を開けた瞬間口を開いてしまいそうになる)、「コンカツ・リカツ」↗*5.4%(小学生のようなAround40である)、「遥かなる絆」↗*7.8%(中国はご機嫌ななめみたいなドラマを希望・・・剣を片手に商売をって言ってるぞ)、「ゴッドハンド輝」→*8.8%(最終回で→でた~っ)、「ゴッドハンドクイズショウ」↗11.1%(ウソの生中継出た~やらせじゃないのか~ドラマだけど~)、「天地人」↗21.6%(どっひゃぁぁぁぁ)、「ぼくの妹」↘*6.3%(うっひゃぁぁぁぁぁ恐喝者に金を工面)、「ハンチョウ」↗10.7%(今季TBSは犯罪者養護キャンペーン展開中)、「婚カツ」↗10.9%(中居と上戸の恋の行方に興味ある人、手をあげて~)・・・以上。

で、『ぼくの妹・第5回』(TBSテレビ090517PM9~)脚本・池畑俊策、演出・清弘誠を見た。ものすごい視聴率を連打なのであるが・・・もう流れだから仕方ないよね。すごく残念なドラマという気がします。日常の中で起きたささやかな亀裂・・・その出来事にとまどう人々の心の綾をつつましく描く。そのためにおだやかなセリフを積み重ねるという基本は素晴らしいのだが・・・どうしても夜の営みの生々しさを描きこみたかったり、奇想天外なポジショニングをしたりで・・・鼻につく作品に仕上がるのである。結局、すべてがわざとらしくなるのだ。これはもう・・・「風のガーデン」↘「ありふれた奇跡」↘「ぼくの妹」になってしまうのだな。作家の実年齢と作品世界の平均年齢の距離感の目測が甘いのだと考える。

桜井のじいさん(大滝秀治)は七十代という設定(実年齢は83才)、九鬼(千原ジュニア)は三十代(実年齢は35才)である。実年齢的に考えると、九鬼は桜井のじいさんの48才の時の子供で・・・桜井のじいさんが若気のいたりで花市場の女と駆け落ちしたのは50才を過ぎての出来事である。若気のいたりじゃすまんだろう。

流れで言えば、九鬼のおいたちに共感した颯(長澤)は九鬼を「好ましく思っていく」ということになるのだが、実年齢21才で・・・九鬼・颯は年の差カップルになる。さらにいえば颯のここまでの不倫相手である弁護士・瀬川(田中哲司)は実年齢43才である。その年齢差22才。なぜ、長澤は日曜劇場に来ると年上キラーの役所しか与えられないのか。不憫である。いったい誰の願望なのだ。

もちろん、愛があれば年の差カップルでもいいのだが・・・基本的には不自然だ。そういう無理な恋愛設定でなくて・・・中身の面白さで勝負してもらいたいのである。

そういう・・・とりあえず残念な部分を記憶から削除して・・・素敵な部分を再構築しないと楽しめないドラマはお茶の間に支持されないと思います。

「研次(千原)・・・お前は怨む相手を間違っている」というセリフを繰り返す桜井のじいさん。

それは・・・身寄りのない年寄りを無料で診察してくれる優しい医者・盟(オダギリジョー)を怨むなんて誤解しているぞ・・・という意味だと考えていたお茶の間をのけぞらせる衝撃の事実。

桜井のじいさんは九鬼を捨てた父親(本名・九鬼)だったのである。

桜井のじいさんはいい年して女と駆け落ちしたあげく・・・30年以上、子供をネグレクト。女に死なれて里心がつき、息子のストーカーになっていたのだった。もうなにがなにやらである。

だから、桜井の爺さんのセリフは「お前は怨む相手を間違っている・・・怨むならお前を捨てたオレを怨め」と続くのであるが・・・後半はとても口に出して言えないので内緒にしてください・・・と盟に頼む深刻な腸閉塞で入院中の九鬼だけど桜井のじいさんなのである。

このあたりの作りは上手いのだが・・・見た目がすべてをぶち壊しているので傑作とは言えないのである。

もう一点・・・かなり・・・無理のある設定で・・・九鬼に魅了されていく颯なのだが・・・その屈折した心理を表現するセリフがある。

「同情なんかできないよね・・・でもなんか・・・似たところがあるな・・・私たちと・・・って・・・いいえ・・・違うよね・・・そんなことはない」という颯の盟に対する自問自答がそれだ。

盟は自分が九鬼の恋人(九鬼の自称)である転落死した里子(ともさかりえ)と関係したことにより妹の颯に危険を招いたと感じ・・・颯と九鬼を会わせまいとする。

しかし、妹の中には単身上京してしまった兄に対して・・・自分は置き去りにされ捨てられたという感覚が内在している。それは「自分が愛しているのと同じだけ兄は自分を愛していない」という複雑なコンプレックスを生じていると思われる。

それは妹の中に次のようなカテゴリーを構築している。

「優秀な人々・普通の人々・底辺の人々」という社会構造の認識があり、「お兄ちゃん・普通の人々・私」という対比である。もちろん・・・日常的には兄・妹というカテゴリーでコーティングされているために・・・妹は心理的な安定感を得るのだ。つまり、お兄ちゃんと私=家族である。

ここでは、私たち=(お兄ちゃんと私)という集合が形勢される。ここでは盟と颯と九鬼の分類は(お兄ちゃんと私)(九鬼という他人)である。しかし、隠されたコンプレックスを挿入すると・・・(優秀なお兄ちゃん)(底辺の私と九鬼)という分断が起きる。

九鬼と私たち兄妹には幼くして両親を失った共通点がある・・・という妹の心は「似ている」と思うのだが・・・同時にさらに底辺である自分とお兄ちゃんは違うから・・・私たちが似ているとは言えないか・・・と前言撤回なのである。

颯の中でこうした心理的な葛藤が通り過ぎていくせつないセリフなのである。

もちろん・・・このセリフはこの後、起こる兄の予想外の妹の暴走を暗示するわけだが・・・それを一々お茶の間に読み取ってもらおうという姿勢はエンターティナーとして間違っています。

九鬼に対して兄はこの時、下水道で苦労している世界の餓えた子供たちに対する漠然とした同情を感じるのであり・・・妹は幼くして親を失い、兄にも捨てられた自分と同じだと深い共感を覚えているのである。

兄は余裕があれば慈善事業に寄付なんかしちゃうわけだが、妹は同情するより一攫千金直接支援なのである。

もちろん・・・兄だって・・・経済援助のないまま外科医になるという苦行を成し遂げており・・・心に鬱屈があるはずなのである。しかし・・・目の前に大河原春奈(笹本玲奈)という良家の子女をぶらさげられても・・・行きずりの女を食べちゃう・・・ある意味ダメ男なのである。

だから・・・なんだかんだ言って今回、盟が一番驚愕したのは街金だか闇金だか定かではない・・・借金の増額なのであろう。

「なんだよ、いつの間にやら一発900万円って・・・そりゃ、ボルにもほどがあるだろっ」

これが偽らざる盟の心の真相だと断定します。

関連するキッドのブログ『第4話のレビュー

水曜日に見る予定のテレビ『臨場』(テレビ朝日)『アイシテル・海容』(日本テレビ)『谷村美月の探偵Xからの挑戦状』(NHK総合)『あらびき団』『漂流ネットカフェ』(TBSテレビ)『ゴッドタン』(テレビ東京)・・・あなたはどのコース・・・火曜日深夜は壮絶バトルだよな。まあ、EXILEとかしんどいファンは別にして。

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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2009年5月18日 (月)

なんでもありの天地人(妻夫木聡)ご対面~(常盤貴子)結婚祝い(長澤まさみ)

妄想上では初音と与六は師弟関係だが・・・ドラマでは織田と上杉の敵対関係じゃなかったのか・・・と眩暈を感じる今日この頃である。まさか知らず知らずのうちに豚インフルエンザ感染かよ。

今回、入国検疫体制で判明したことは・・・入国後、人知れず消息不明になる人々の多さである。

まあ・・・なんといってもスパイ天国だからな。

大阪や神戸に密入国者がウヨウヨいることを改めて認識する五月なのだった。

ダウンタウン松本、元お天気お姉さんと結婚である。一部、ゲイのコメンテーターがガッカリしているのがちょっと面白かった。独身生活が長いといろいろ疑われるのだな。とりあえず、おめでとうございます。無事出産を祈ります。

で、『天地人・第20回』(NHK総合090517PM8~)原作・火坂雅志、脚本・小松江里子、演出・野田雄介を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回は・・・失望のお習字大連打・・・もはや卓袱台を投げる元気もないほど・・・体調不良なのでございましょうかぁぁぁぁぁ・・・心配です。しかし・・・それでも「生きながらえたこの命・・・おろそかにはできない」という景勝の心境は共感なさったようです。まあ、北村一輝贔屓だからしょうがないですよね。とにかく・・・ここまで大河ドラマファンを唖然とさせ続けて20回。それでも視聴率↗21.6%・・・みんな、いやだいやだと言いながら何故見るのか・・・ここに憎まれっ子夜憚りから出てこない不思議があるのです。ビックリハウスかっ。頭にウジわいてんのか。・・・ともかく・・・無視され続ける越後国内事情は新発田の乱の秘密・その2で補完してください。蘆名・伊達系図付でお得でございます。

Tenchijin1585 で、天正13年(1585年)である。今年の大河ドラマ得意のタイム・ジャンプ。どんなに時間がたとうともいつまでも若く、いつまでも愚か者で・・・爆笑です。基本的に与六はいつまでもちょっとアホなボンボンという設定を頑なに守る姿勢なんだな。それはそれでひとつのテクニックなんだな。ともかく、天正10年、本能寺の変、織田信長暗殺、山崎の戦い、明智光秀11日天下終焉。天正11年、賎ヶ岳の戦い、柴田勝家無惨、滝川一益引退、織田信孝切腹。天正12年、小牧・長久手の戦い、織田・徳川連合軍勝負に勝って試合に負ける・・・ドサクサにまぎれて真田昌幸・信濃・上野国境で独立宣言・・・などいろいろあって天正13年である。この年、およそ10万の大軍で四国を攻めて長宗我部氏を帰順させた関白・豊臣秀吉は越中の独立勢力・佐々氏を脅迫して恭順させる・・・もはや天下は殿下のものになりつつあった。

その間・・・上杉景勝は越後統一に手間取っている。中央の情勢は激動を続けており、越中の敵対者は織田信長から柴田勝家、そして佐々成政と変転する。その間、景勝は担猿諜報網の分析から常に秀吉側に賭けていた。勝家滅亡の際には国内事情から出兵には至らなかったが・・・秀吉の佐々攻めにはついに同盟軍として越中に兵を送り出している。もはや・・・上杉家は豊臣家の限りなく家来に近い同盟者の立場である。

春日山城・毘沙門堂には秋の冷気が立ち込めている。周囲には軒猿衆による結界が敷かれ集ったものたちは上杉家の秘事に携わるおよそすべての顔ぶれである。

奥に控えるのは景勝の母・仙桃院。その前に腰掛けるのは越後・国主(自称)景勝。対面するのは越後忍び衆だった。筆頭は直江衆の頭、くのいちお船である。その並びに樋口衆の頭、樋口与一、続いて、景勝の妹で能登・畠山の血を引く上条上杉義春の正室・紅葉姫。朝倉義景の娘で謙信の養女となり信濃村上家の血を引く山浦景国の側室・越前の方、そして武田信玄の娘にしてで景勝の正室で甲斐忍びの頭となった菊姫である。

景勝は仙桃院を後ろ盾にすることにより・・・謙信の築いた諜報網をようやく手中にしていた。しかし・・・時は流れ去った。もはや・・・覇者の一員として上杉家が世に立つ時節は過ぎている。新しい世がそこまで来ている予感があった。それは豊臣家の支配する日の本の世である。

景勝が重い口を開いた。

「さて・・・上洛の義じゃが・・・」

一同は顔を伏せている。景勝の次の言葉を待つが・・・景勝の問いはそれで終わりのようであった。気配を読んでお船が口を開く。

「もはや・・・他に道はなき模様・・・でございます。新潟から中越にはびこる新発田の勢もようやく落ち着きある模様。わが夫、兼続が調略を進めておりますれば・・・もはや攻めに転ずる恐れはありませぬ」

それを受けて・・・樋口一族の影の長となった兼続の庶兄である樋口与一が戦況を報告する。

「上野国では兼ねてより密約ありし真田家が越後衆の応援を得て徳川勢を撃破いたしましてございます。真田忍び衆の恐ろしきこと・・・お目にかけたい凄まじさでございました。これにより、上野国境は徳川、北条いずれの手もだせぬ緩衝地帯となりし模様。また出羽の国の最上、陸奥の国の伊達が・・・蘆名を通じて新発田に行っていた支援が常陸の国・佐竹の介入により手切れとなりしゆえ・・・新発田は孤立・・・近頃は兵糧にもことかく様でござりまする」

景勝は命からがら脱出する憂き目にあった天正11年の新発田城攻めを思い出す。あの日には多くの家臣が自分のために死んだ。謙信公のゆるやかな統治への反発が招いた強権政治が・・・ここまで後を引く内乱の火種となっている。失政だったという自覚が景勝にはある。しかし・・・また・・・叛くものはいつなりともまた叛こうという反発もある。自己弁護と知りつつ・・・景勝は他に方法がなかったと諦念するのである。

もはや・・・中央に巨大な権力が誕生しつつある。その権力にすがって生き残りを賭けねばならぬ事態と成り果てた。

(重家よ・・・降ってくれぬか・・・)

景勝は祈りに似た気持ちになっている。自分はかっての敵の配下だった男に降るのである。新発田重家がその自分に降るのは自然の流れというものではないか。

(しかし・・・)ともう一人の景勝が思う。強情に死を望む。最後まで負けを認めぬその志が好ましくもある。(どちらにしろ・・・)と景勝は自嘲する。その重家を一気呵成に攻め滅ぼす実力さえ・・・景勝には未だないのである。

思いをめぐらす景勝の顔を横目でみながら菊姫が話題を転じた。

「秀吉と家康の仲はどうじゃ?」

菊姫は実家の武田家を滅ぼした織田と徳川にかすかな嫌悪を感じる。しかし、実際には攻め手を遠国に持っていた秀吉に好意的である。

それを知ってかどうか・・・北信濃に微かに残る上杉の勢を支配する越前の方が先に答える。どちらかと言えば夫・山浦景国には徳川担当の趣がある。

「徳川家は豊臣家の意向を無視するかのようにふるまっているようですが・・・水面下ではいよいよ同盟の意向を固めつつあるようでございます・・・まあ・・・実力的には傘下に入るということでございましょう・・・しかし、家康の家臣団は頑強・・・おいそれと上洛とは参りませぬでしょう・・・なにしろ・・・小牧・長久手では上方勢に手痛き目を見せておりますれば」

「ふふふ」と景勝が突然、含み笑いをもらした。「・・・すまぬ・・・天下一の戦上手と言われた徳川殿に辛き目をみせた・・・真田昌幸・・・となれば最強の武将は菊姫のご家来衆ということになろうが・・・」

菊姫は無言で恥じらいを見せた。

「しかし」と景勝の妹である紅葉姫が言葉を挟んだ。紅葉姫の夫は能登国主の血筋であるためにすでに能登を属国化した秀吉担当の流れになっている。「もはや・・・関白となりし豊臣の意向は・・・そのような戦上手の太刀打ちできぬ高みにのぼっておりまする」

景勝は妹の言葉に顔をしかめた。紅葉姫は景虎とともに自害した性穏やかな姉・華姫とは違い、才気煥発である。男勝りの性格で景勝は子供時代から紅葉姫が苦手であった。(この者が男であれば・・・ま・・・その・・・オレの出る幕はなかったかも知れぬ)とつい思うのである。

「わが夫にも・・・調略の手は伸びておりまする」紅葉姫はぬけぬけと景勝の心臓に悪い言葉を続ける。「兄上様もうかうかとはしておられませぬ・・・」

沈黙を守っていた仙桃院が口を開いた。「関白と徳川では忍びの奪い合いをしているそうだな・・・」

ふたたび越前の方が先に答えた。「徳川殿はそもそも・・・お家が義経流の忍者の一族なれば、伊賀・甲賀には本来、つなぎが深いお家柄。甲斐、信濃を支配下におさめた今は、甲斐忍、信濃忍をこれに加え・・・信州伊那谷あたりに忍びの隠れ里をお作りになった由でございます。伊賀の服部半蔵一族を中心に・・・甲賀伴衆、普代の本田党や・・・大久保党にも・・・多数の佳き忍びがありますゆえ・・・その忍びの組織・・・計り知れぬ模様・・・」

応じるように紅葉姫が答える。「秀吉は信長仇討ちより・・・信長の忍び衆を掌握しつつありましたが・・・伊勢の滝川衆、飛騨の影一族、毛利衆、甲賀の蒲生衆、大和忍び、伊賀の藤崎衆、根来集、本願寺衆、本来の尾張忍びに加え、山城の藤原忍びまで傘下に抑えるもの凄さでございます。噂によれば・・・異国の南蛮忍びさえ手駒に加えているとか・・・」

菊姫が言葉を挟んだ。「いずれにせよ・・・もはや・・・秀吉にも家康にも忍びを送るは難しきことのようでございますな・・・」

景勝は無言であった。(これよりは・・・相手の手の内を読むどころか・・・こちらの手の内を読まれぬことも難しいであろう・・・)すでに・・・越後国内には豊臣、徳川・・・双方の忍びが暗躍している気配があった。北条の風魔一族と互角以上に戦った越後忍びの栄光はもはやない・・・。

「いずれにしろ・・・上杉家は上洛し・・・豊臣家に臣従する他道はない」仙桃院は景勝の心を代弁した。「新発田の勢の手当てを充分にし、越中、信濃、上野の国境の守りを固め・・・隙なく上洛せねばなりますまい・・・そのあげく・・・新たな謀反人を招くこともあるかもしれませぬ・・・せめて・・・その義だけは遅れをとってはなりませぬ・・・」

景勝は頷く。(前線から戻りし与六(兼続)と内密に相談せねばならんな・・・そして・・・目付け忍びの仕切り直しをせねば・・・)そこで景勝の心に疑惑が浮かぶ。(与六だってわからんぞ・・・しかし・・・与六が裏切るような場合は上杉家もそれで仕舞いじゃろう・・・)景勝は今度は声を出さずに笑みを浮かべた。

すでに・・・毘沙門堂に残るのは景勝と菊姫だけだった。

春日山城に夕闇が近付いている。

「菊姫よ・・・今宵は美味い海の幸でも味わおうかの・・・」

菊姫は微笑んだ。山国から嫁いだ菊姫がこの越後の地で安らぎを感じるもの・・・それは海の幸の美味さだった。二人は主殿の方へよりそって去った。

関連するキッドのブログ『第19話のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『アタシんちの男子』『白い春』(フジテレビ)

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2009年5月17日 (日)

帰ってくるのか?それともゴッドハンド輝セブン?(水川あさみ)

基本的に1クールは13本である。これに4をかけると52になり、それに7をかけると364になる。

トランプならジョーカーを加えて365である。

まあ、最後の1は元旦で国民の休日である。

4は四季であり、7日は一週間で、一つの季節は13週、一年は52週なのだ。

だから、週一回でワン・シーズンなら13本なのである。

しかし、実際の編成は番組改変期という特殊な期間を生じさせるので・・・最近の連続ドラマは全10~12回であることが普通である。もちろん、そういうものは一種の暗黙の了解なので、番組をどういうサイズにするかは作り手の思惑次第である。大河ドラマは1年ものだし、「相棒」なんかは半年ものだったりする。

で、TBSが最近お試ししているのがハーフ・シーズンものである。全5~6回くらいで終了。「セーラー服と機関銃」とか「パパとムスメの7日間」とか・・・利点は失敗しても傷口が小さいということだが、そもそも失敗ばかりしているからそういう発想なのかもしれない。

長期シリーズの利点はなんといっても馴染みの深さである。しかし・・・そこまで深い付き合いを求めるものには様々なコンテンツが発生していて・・・なかなか競争に勝てないわけである。

まあ・・・まもなく息の根を止められるアナログテレビの命が息もたえだえだから・・・という視点もあります。

で、『ゴッドハンド輝・最終回(全6回)』(TBSテレビ090516PM0756~)原作・山本航暉、脚本・深沢正樹、演出・下山天を見た。説明しよう。主人公の輝(平岡祐太)は瀕死の患者を目の前にすると、胸の痣が光輝き、死んだ父親の魂と輝の魂が合体してスーパードクターに変身するのである。そして、死んだ患者さえもゴッドハンドによって蘇生させることが可能となるのだ。こうして輝は患者を救って救って救いまくるのだ。

・・・という小学生低学年向けドラマである。さて、小学生低学年にだってピンからキリまであり、大人になっても小学生低学年の精神で生きているものもあるので、深くは説明しません。なんとなくご了承ください。

だから・・・ある意味、荒唐無稽のところもあるが・・・それなりに面白いドラマだったのである。

最終回のテーマは古典的な「医術は算術か、仁術か」という主題であり・・・最後は「命に値段はつけられないが・・・最後にものをいうのは3億円だ」という無難な結論に達する。

なにしろ・・・会員制病院(入会費1000万円)とある時払いの催促なしの病院が生き残りを賭けて戦うという壮大な物語なのだが・・・ハーフ・シーズン・ドラマなので最終回は驚くほどに消化不良の大手術なのである。

第1コーナー・・・先週の続きで難しい手術をする輝。変身して超速度技術を使い無事患者を助ける。

第2コーナー・・・敵の病院に奪われた患者が粗雑な治療のためにピンチに陥ったために侵入処置。裏切って敵についた医師やナースたちの心を揺さぶる。

第3コーナー・・・敵の病院内で水難事故が発生。すでに死亡した子供を変身した輝は気合と根性で蘇生させる。裏切りものたちの心にも光が注入されるのだ。

第4コーナー・・・爆発事故が発生。患者が大量発生。人手不足で困難なときに裏切りものたちが心を入れ替えて救援にくる。

第5コーナー・・・敵の黒幕である一族の娘ドクター(水川)と輝の淡い恋愛

第6コーナー・・・敵の買収工作で正義の病院が解体のピンチに。しかし・・・昔、治療した富豪が3億円をポンと寄付してくれたので正義の病院はスタッフと患者一同歓喜の歌。

第7コーナー・・・敵の中ボスが心臓発作で倒れる。もちろん、輝が救命。「命には敵も味方もない・・・」と輝が宣言するためである。

まあ・・・とにかく・・・様々な事情でこのドラマは駆け抜けていったのである。

その夜、「ER」で繰り広げられたドラマは・・・指名手配中の女児誘拐犯が発見され、逮捕しようとした警官に発砲。やむなく、警官も発砲。犯人の銃が暴発し・・・結果として銃創を負った・・・犯人1、警官1、被害者の女児1である。

ERでの検査の結果・・・女児には性的暴行の痕跡があり・・・女児は犯人に恐怖でコントロールされていた気配が濃厚。女児の親は病院に急行しつつある。電話で母親の声を聞いた女児はようやく安堵の声を漏らす。

事態を知ったドクターとナースたちは・・・犯人の治療に消極的になりかかるが職務を忠実に果たそうと努力する。

一方、女児の治療方針について最先端治療を主張するドクターと安全策を主張するドクターで意見の衝突がある。結果として間違った治療法の選択が行われ・・・女児は死亡。

事件の関係者で生存したのは犯人と警官だった。

その間も戦場のイラクに出張中のドクターは生死不明となり、病院に残る恋人のドクターの心を惑わせ、その友人のドクターはそうとは知らず未成年の女子と寝たために女子の父親に半殺しにされる。ドクターの一人は不良少年をお説教。治療を拒む大男は大暴れである。

女児のはかない終焉にいたたまれないヒロインのドクターは昔の恋人とキスを交わすのだった。

基本的には中学生卒業程度レベルのドラマだが・・・もちろん・・・大人も我を忘れるほどに楽しめるのである。

「ゴッドハンド輝」と「ER」の中間くらいのドラマには・・・来週スタートの「MR.BRAIN」がなりますようにと・・・お祈りしています。

関連するキッドのブログ『先週の土曜日のレビュー

月曜日に見る予定のテレビ『ハンチョウ~神南署安積班』(TBSテレビ)『婚カツ』(フジテレビ)

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2009年5月16日 (土)

遊園地でデートしたい始めました(新垣結衣)奇妙な果実でスマイル(松本潤)

名の知れた週刊誌がガセネタ書くから、困る人がいるんだよっ・・・て魔王の大麻疑惑とかか。

お前の苦しみが分ったような気がするよ・・・だから涅槃で待つのか。

恋人が出来たからボクはもうお役御免だね・・・って福祉課の業務じゃなかったのかよ。

階段から突き落とされて目撃者ありの暴行傷害の現行犯だよ。通報しろよ。被害届だせよ。

傷害罪、もしくは殺人未遂で訴えるという相手に謝罪に行って事態をこじらせる弁護士って・・・。

出所したての悪い奴・・・ヒマなのか。

ま・・・もう・・・先に小出しにしておかないと罵詈雑言のレビューになってしまうからな。

このドラマってなんかの罰ゲームなのか?

で、『ひきつったスマイル・第5回』(TBSテレビ090515PM10~)脚本・宅間孝行(旧・サタケミキオ)、演出・坪井敏雄を見た。恐ろしいことだが、仏の顔も三度までなので、「歌姫」、「スマイル」に続き、もう一度、アイドル俳優とアイドル女優が受難の憂き目に会う可能性があるのだな。俳優でもある脚本家は朝ドラマで「つまらない台本を書くラジオのスタッフ」という役をやっているのだが・・・そこが一番、面白いじゃないか。

オウム真理教で言うと、アーチャリーに当たるポジションの失声症の少女・花(新垣)は詐欺事件で多くの被害者を出した宗教団体の教祖の娘である。

しかし・・・それは・・・世間を偽る仮の姿で・・・本当は全国放浪中のビト(松本)がさるブタ王国に足を踏み入れたときにビトに一目惚れしたブタ姫なのである・・・あくまで妄想です。

ブタの魔法科学によって人間の女の子に変身したブタ姫だが・・・人魚姫と同じ原理で声を失ってしまったのである。

とにかく・・・ブタ姫の目的はビトと熱愛カップルになることなのである。

だから・・・ビトがフィリピン人と日本人のハーフだとか・・・そのためにいわれない差別を受けているとか・・・両親にネグレクトされた不幸な生い立ちとか・・・悪い仲間とつきあって・・・殺人の濡れ衣を着せられたとか・・・そのために服役したとか・・・仮釈放中の身の上だとか、務めている会社が食中毒事件でピンチだとか・・・借金で経営に行き詰った勤務先の社長が天井から首吊り死体でぶらさがったとか・・・そんなのは眼中にないのである。

ブタ姫の花の夢はただ一つ・・・ビトとラブラブになることただそれだけですからーっ。

ブタ姫はお手紙で愛を告白するのですが・・・ビトは恋愛に消極的なタイプなので煮えきりません。

面倒見と体格のいい女(小池栄子)は「ホテルで二人きりになっちゃえばぁぁぁ、ヒュー、ヒュー」などと空気を読まないことを連発するのですが、女の子の大事なこと・・・彼の誕生日なんかについては守秘義務を守る弁護士です。まったく困ったもんだブー。

その上司の一馬(中井貴一)なんかは人前でブーです。花は正体がバレたのかと思いドッキリしました。一馬も最近人間になったらしく、言動から察すると以前はキムチ(漬物)だったのかもしれません。

しかし・・・ビトは影では・・・「オレ・・・花ちゃんを守ってやりたい・・・と思ってんだ」などとつぶやいたとか。昔の悪い仲間に誘われて携帯電話の番号教えそうになったり、警察に追いかけられてエンエン泣いちゃうような軟弱男がそんなこと言う資格あるのか・・・とは花は思わないのです。

ビトが私のことを「守ってあげたい」って思ってるなんて・・・ブヒーな喜びの極みです。

花はうれしくてうれしくて遊園地の入場券をビトにプレゼントしました。母の日のプレゼントに子供がお母さんに自分が遊びたい携帯ゲームのソフトを買ってあげるようなニュアンスがありますがもちろん、まったく別次元の話です。

絶叫マシンでキャーっと言った後は・・・二人きりではうぅんになるに決まっているからです。

もちろん・・・その前には悪人の林(小栗旬)が立ちふさがる気配濃厚ですが・・・いざとなれば魔法でブタにでもしてしまえばいいので平気です。

とにかく・・・来週は「死んじゃった人のことはスカッと忘れて遊園地へゴーゴーの巻」

花は来週が待ち遠しくてドクドキワクワクなのでした。

関連するキッドのブログ『第4話のレビュー

日曜日に見る予定のテレビ『天地人』(NHK総合)『ぼくの妹』(TBSテレビ)

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2009年5月15日 (金)

拉致監禁されし者の沈黙(戸田恵梨香)

王道(ベタ)の展開ながら、あくまでゴージャスに適材適所。

その結果、「BOSS」↗18.0%である。よどみないな。ちなみに「ゴーストフレンズ」↗*3.5%である。

ドラマには脚本家の私的体験がどうしてもフィードバックするものだが「ゴーストフレンズ」の場合は、脚本家が女子高校生時代に年上の男性と不倫関係にあったことが色濃く妄想できる。そのある意味、拙い恋愛関係の自己正当化がこのドラマの背景である。主人公は年上の男性に恋をしている。年上の男性は死者で、その恋人も死者である。男性の彼女は肉体を持たないゴーストで、男性に対して男性の愛を素直に受け居られない魔性の女。それに対して男性はゾンビであり、主人公とは肉体的な接触が可能である。この奇妙な三角関係は主人公が年上のカップルに割り込み、不倫関係を持っているという構図そのものである。もちろん、不毛な恋愛であり、罪悪感も伴う。その苦しみをひそやかに表現するために主人公は死者の魂を見ることができる超人で・・・恋人たちは死んでいるのだった。そういうくどくどとした話はまあ・・・こんな数字に当然なるのである。

で、『BOSS・第5回』(フジテレビ090514PM10~)脚本・林宏司、演出・光野道夫を見た。「復讐するは我にあり」という暗き英雄・田島(山田孝之)はかって自分をいじめ、かばってくれた友人をリンチの上死に至らしめたにもかかわらずたった2年で実社会に復帰した汚れた魂の獣たちを抹殺、さらにそうした獣たちを目こぼす社会の象徴である警察組織に牙を剥き、刑事・マミリン(戸田)を誘拐し、ネット上での公開拷問を敢行する。チーム・ボスのメンバーは田島にたどりつき、マミリンを救出するために全力を尽くすのだが・・・すでに三人を処刑され・・・四人目も殺されたも同然。そして現場に残された謎の数字は4から5に変わる。

マミリン(・・・何やってんの・・・アタシ一回殺されちゃったじゃない・・・こんなクズ一人発見できないなんて・・・警察って・・・アタシ以外は本当に無能ね・・・まあ・・・拉致監禁されている時点でアタシの無能さは格別だけどね。第一、海外のサーバー経由したぐらいで追跡ができないなんて、特殊班のハッカー・チームださいじゃない。アタシならチョイチョイと追跡ウイルス仕込んでたちまちチェックメイトなんだけどなー・・・まあ・・・手も足もでないんじゃしょうがないけどね・・・それにしてもさっき、水責めされた時に失禁しちゃったおかげで時間が稼げたわ・・・とにかく水浸しのまま、移動・・・この犯人容赦ないわ・・・それに引き換えあいつらときたらこんだけ痕跡残してやってんのにまだ私にたどりつかないの・・・何やってんじゃボケ・・・いえ・・・心の中でとはいえ・・・興奮してはダメ・・・体力を消耗するから・・・そうでなくても水責めで私のライフはゼロに近いほど消耗している・・・ああ・・・こんなことならもっと飴なめとけばよかった・・・さて・・・素顔をさらしている以上・・・犯人は私を殺すつもりのはず・・・それならばなぜ・・・水責めで殺さなかったのか・・・迷い?・・・迷いがあるの?・・・それとも私の魅力に痺れてもったいないお化けが出たのかしら・・・いえ・・・その可能性は低い。犯人は明らかに同性愛者。なぜならば・・・まともな男が私に手を出さないことは金輪際ありえないから・・・ここまでの犯人の言動から・・・リンチ殺人犯に対する殺人は私的制裁と殺された友人への贈り物の意味を含んでいる。つまり亡き恋人への死体のプレゼントなのだ・・・このことからも犯人は男性に対する倒錯的嗜好を持っている・・・では・・・なぜ・・・私を一度で殺さなかったのか・・・嗜虐的性格の発露?・・・それとも殺人を実行する過程で人格の分裂が発生したか・・・すると・・・この犯人は非情ではない・・・あるいは非情に徹した人格が綻んだか・・・すると・・・アタシの生存確率はかなりはねあがった・・・想像するわ・・・彼は・・・身も心も弱い人間・・・しかも臆病・・・その弱さゆえ・・・虐げられる対象となる・・・そこで彼は虐待に快感を感じる倒錯を起す・・・つまりマゾキャラクター・・・その彼に・・・好意を寄せてくれた少年が殺害される。しかもいじめられて殺害される。彼は苛められずしかも愛を失うことによって一度死んだと考える。その死体から復活した魂は地獄へ向けて走り出す・・・賢い彼は情報を仕入れ、試みに肉体を改造する。復活の前の虚弱さゆえに半信半疑だったはず・・・しかし・・・情念に満ちたエクササイズの反復運動は確実に筋力を増強する。10回の腕立て伏せが20回になり30回になり40回になり100回になり1000回になる・・・その確実に上昇する肉体の能力に彼は喜びを感じたはず・・・人間は強くなることで喜びを感じるゆえに強者はただ残忍にはならない。喜びは負の感情とは言えないから・・・しかし・・・彼は地獄にむけて走っているからその程度では善を見ない・・・ただ暗黒が輝くだけだった・・・情報もまた同じ・・・敵を知るために情報を得ようとすれば敵の多面性が見えてきて単純な敵意を鈍化させる。警察の情報にアクセスすれば世界の複雑性に触れ・・・善悪の境界線は曖昧になる・・・しかし・・・明らかに財テクをし・・・自己資金を抱負に稼ぎ、非合法の武器を複数保持するにいたっても彼は持てる側の意識には到達しなかった・・・敵を地獄の底に蹴り倒すまでは・・・いたって完璧に自己をコントロールしている・・・それでは・・・その後で・・・何故・・・リスクを冒したのか・・・身代金確保のため?・・・ありえない・・・それならば四人目の私を死体化してから五番目の獲物を捕獲すればすむはずだ・・・三人への直接的な復讐を果たしてから・・・心境が変化したのだ・・・彼は・・・迷っている・・・四人目を殺すことにためらいがある・・・それはやはりアタシがたまらなくかわいいからか・・・どうする・・・言葉を交わして彼と絆を結ぶか・・・いや・・・それは危険だ・・・彼の同情の根源は・・・最初に死んだ魂と関係がある。いじめられて死んだ彼の恋人・・・恋人の死とともに一度死んだ彼の魂・・・その共通点・・・そしてアタシとの共通点・・・それは・・・無力であること・・・無能であること・・・間違いない・・・最大の危険はアタシが本当は有能であることを悟らることだ・・・あくまでグズでノロマなカメで役立たずだと思わせておかなければならない・・・しかし・・・チームのアホどもは何をしているのか・・・現場に残された遺留品・・・脱出のために使用したタイヤ痕・・・現場の数が増えるほどヒント山積みだろうが・・・まったく・・・もう・・・犯人は現場に舞い戻る・・・これは基本中の基本だろうが・・・この犯人は被害妄想的に被害者であり・・・加害者の模倣犯なんだよ・・・そんな簡単な推理もできないのか・・・あの上司は・・・あるのはタッパ(身長)だけかよ!・・・ああ・・・もう我慢できねえ・・・モールス信号でもうっちゃるか・・・その前にちょっとジタバタしてみせて・・・誰か・・・解読できた奴いたっけか・・・明星一平ちゃんとか・・・ボーイスカウト顔だから・・・意外とできたりして・・・毛根が軍オタか船舶オタか・・・電波オタならひょっとして・・・解読するかもしれん・・・それそれ・・・高倉南交差点・・・生物科学研究所・・・廃墟・・・しまったぁぁぁぁぁぁ、ばれたぁぁぁぁぁぁ、どうする・・・言い訳するか・・・トイレに行きたくてモジモジしてただけだとか・・・いや・・・遅い・・・有能であることを悟られた・・・青酸ガス発射装置スイッチオン・・・ピタゴラスイッチオタかぁぁぁぁぁぁぁ・・・アタシはしくじったぁぁぁぁぁぁ)

しかし・・・さすがはゴールデンタイムのベタな刑事ドラマ、復讐鬼を闇に消し去ることはせず・・・チーム・ボスは一丸となって・・・現場に急行・・・無関係な刑事を殺せず、自分自身を始末することができないほど・・・仏心のついた・・・ある意味、正気に戻った田島を屋上にて逮捕するのだった。

そして、マミリンは明日から腕立て伏せと腹筋を始めようと決意したのだった。

関連するキッドのブログ『第4話のレビュー

Hcinhawaii0546 ごっこガーデン。憧れの犯人逮捕の屋上セット。まこ竹様に見せたいこの勇姿なのでしゅ~。だけど手錠が出ちゃう・・・刑事なんだもんなのでしゅ~・・・刑事マコリンかっこよく登場なのでしゅ~・・・来週はいい加減に目覚めなさいって言うのでしょうかーっエリスカッとさわやかタイホしちゃうぞでスー。コソ泥の平助さんは乙女なのでパスしまスー。この後はマミリン監禁プレーをするのyon!」アンナ「アンナの涙腺は五月後半に向けて準備万端ウルウルぴょん、玉鉄刑事はお守りに添えてハンカチも出すべきだったぴょん・・・紳士のたしなみぴょ~んikasama4たとえ痛風と診断されても~新作ダーロイドのスケジュールは待ってくれないのです。まあ・・・かわいくてたまんねぇお嬢様方のため・・・この身は朽ちるとも~たとえ腱鞘炎になろうとも~くう画伯・・・お大事に・・・いろいろある世の中だから・・・ドラマくらいは楽しいのがいいよね~。そういう意味ではBOSS最高っす。スッキリでいいじゃないですかぁぁぁぁぁ。来週の志田ちゃんもそこんとこヨロシク!」あんぱんちみんなの意見は案外正しい・・・ミリオネラ的に・・・お説教はしないと言いながらやっぱりするのね・・・ドラマだからなのね~・・・ドンパチもちょっとは見てみたいーっ・・・拳銃使いナンバーワンは誰なのかしらーっシャブリはい。ゴーストフレンズは間に合ったけどボスは遅刻なのでありましたー、思わず発砲するのでありましたー

Hcinhawaii0547 ごっこガーデン。おなじみの憩いの屋上セット。お気楽結局、5ってマミリンが4で犯人が自決して5ってことなの?・・・ちゃんと説明してくんないと・・・スッキリしないなぁ・・・。ドキューンとかドカーンとか派手なラストでもよかったのに・・・最初の頃は毎回爆破してたのに・・・もう予算切れ?・・・ヘイスケのサービスはしときますみのむし愚か者の真似をするのは愚か者・・・賢いものはタイホされないでとんずら・・・違いますか!・・・やはり犯罪者に復讐しようと思ったら警察に就職するべきですよね・・・大違いですか?」mari人を殺しておいて祝勝会・・・言語道断です・・・必殺仕事人のいない現代・・・復讐はいけないことですが・・・彼が立たねば・・・来年も乾杯されちゃうわけですから・・・それでは正義が泣きますよーっ・・・新聞記者としては内緒ですけどコレクションの季節で忙しく忙しくて遅刻しました~・・・でもまこ先輩に内緒でこっそり新作竹様ロイドは試しておきます~

土曜日に見る予定のテレビ『ゴッドハンド輝(終)』(TBSテレビ)『ザ・クイズショウ』『イケ麺そば屋探偵』(日本テレビ)『鈴木杏の遥かなる絆』『ERⅩⅡ』(NHK総合)

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2009年5月14日 (木)

愛でつぐなうならこの世にお別れ言いなさい(川島海荷)・・・もしもあの日あんなことがなければ(稲森いずみ)

三木たかしかっ。いや・・・テレサ・テンかっ。

水曜日のダンスは

「臨場」(テレビ朝日)・・・・・・・・・・・・・・・14.1%↗14.5%↘12.8%↗14.8%↗15.2%

「アイシテル~海容~」(日本テレビ)・・・13.2%↗13.7%↗14.2%↘13.0%↗14.8%

「夫婦道」(TBSテレビ)・・・・・・・・・・・・・・*9.2%↘*8.9%↘*8.6%↘*7.9%↗*9.2%

もつれています。

で、『臨場・第5回』(テレビ朝日090513PM9~)原作・横山秀夫、脚本・坂田義和、演出・伊藤寿浩を見た。転落死する落ち目のアイドル歌手・十条かおり(小島可奈子)である。伊集院光の代表作である「ゲームwave」(テレビ東京)の二代目アシスタントである。・・・知るかっ。あれから10年なのである。・・・だから知るかっての。

まあ・・・検視官・倉石(内野聖陽)の見立ては「ころし(殺人事件)」である。

しかし、マンション5階のベランダからは・・・高さが中途半端だよな。死なない可能性がある。犯人のMことマネージャー・大西順三(佐藤正宏)・・・ずさんだな。ヒゲそったら劇団WAHAHA本舗座長だってわかんないぞ。変装かっ。

検事・早乙女(小木茂光)登場。嫌な感じが最高です。

釧路で待つ母(新橋耐子)へカーネーションを送ろうとしたかおり。母の日のカレンダーネタである。困ったときのカレンダーネタはやはり有効なのだ。母の日なのにカーネーションどころではない「アイシテル」の母親たちには無理なのかもしれないが。

初動捜査で検視補助官・小坂(松下由樹)が被害者のパス・ケースをチラリと確認するなど木目の細かい演出を経て・・・一枚の写真。

お涙頂戴ありがとうコースなのである。わだかまりを抱えた母と焼かれる前の冷たい死体の娘との和解。

「かおり・・・かおり・・・かおりちゃん」

十条かおり・・・本名かっ。涙ぐみながらツッコミである。

まあ・・・ベタですが・・・いい味になってきました。来週は大村彩子登場の模様。

主な筋に興味がある方はコチラへ→まこお嬢様の臨場

で、『アイシテル~海容~・第5回』(日本テレビ090513PM10~)原作・伊藤実、脚本・吉本昌弘、演出・久保田充を見た。ドラマ・オリジナルの少年殺しの少年の心理に潜む心傷(トラウマ)の提出である。

加害者少年・野口智也(嘉数一星)は橋の下の老婆に絞殺されかかっていたのである。まあ、ホームレスによる少年殺人未遂事件発生なのであるが・・・サラッと流します。

衛生観念の発達した潔癖症の子供なら異臭のため、接触するのも嫌なのだが、子供の中にはそういうものに頓着しないタイプがある。こわいものみたさと同じ感覚で汚いもの好きなのである。道端の犬の糞などをつつくタイプである。昆虫が好きなんて言い出すタイプは延長線上にある野良人間も好きなのであろう。

「ネコが好き~」「イヌが好き~」などと言って野良猫や野良犬を撫でたがるタイプの人間もこれに順ずるのである。雑菌ウヨウヨという感覚が欠落しているのだな。

ま・・・そういう野生にふれて・・・雑菌に負けないたくましい子に育つ場合もあるので一概に間違っているとは言わないが・・・そういう子供をキッドは基本的には殺菌消毒しなければ入室を許可しません。野村監督と一緒で旅館のスリッパはけないタイプですからーっ。

だから・・・智也には一切感情移入できないのだが・・・とにかく・・・母親の命令「ホームレスに近付くな」・・・そのタブーを破って接近・・・うっかり笛を壊し修理してもらって心を許す・・・母親が高圧的な態度なので心の避難場所として橋の下を縄張り化・・・心が弛緩したところで老婆が態度を急変し・・・絞殺の恐怖を味わう・・・驚愕し、茫然自失で逃走し・・・母親の庇護を求めたが・・・母親に拒絶される・・・自閉。

という分りやすいプロセス紹介にはなっていた。まあ・・・あくまで個人的な一例である。

とにかく・・・この事件が・・・殺人事件の殺意となんらかの関係があると推理する調査官・富田(田中美佐子)だった。まあ、そうとは限りませんけどね。

智也の母・さつき(稲森)は書店で智也のための昆虫図鑑を発見してニンマリである。

きゃーっ・・・・また被害者の姉・美帆子(川島)が目撃かっと対閃光防御姿勢をとったのだがスルーなのだった。

一方・・・被害者の母・聖子(板谷由夏)のわが子喪失による乖離は一進一退を繰り返す。

前回、美帆子のことも心配しないとダメだと思ったはずなのだが・・・こういうタイプの人間は流動的なのだな。たちまち美帆子のことよりやはり死んだキヨタン(被害者)のことが気がかりなのである。このあたりの心理は「バカは死ななきゃ治らない」と昔の人が語っています。

自分よりも弟を大切にする母親の心はたちまち敵意となって美帆子の心を切り刻む。

その敵意が・・・なぜか遭遇する加害者の母親に向かうのは当然なのだった。

かってキヨタンに「死ね」と言った美帆子であるからさつきに「罪をつぐなうつもりがあるなら死ねよ」と言うのは論理的必然と言っても過言ではないだろう。

まあ・・・キッドは短絡的にも心底・・・両親は息子ともども切腹するしかないと思っているのでフレーフレー美帆子と叫ぶのであります。

仮想世界に対する敵意もそこはかとなく立ち上るこのシナリオ。

「白い春」とは対照的に予告編短いです。

ただ一番近くにいるその人に愛されたくて

キミがいてくれたならそれだけでよかったのに

関連するキッドのブログ『先週の水曜日のレビュー

金曜日に見る予定のテレビ『桜井幸子のコンカツ・リカツ』(NHK総合)『新垣結衣のスマイル』(TBSテレビ)『エンケンの湯けむりスナイパー』(テレビ東京)『香椎由宇の名探偵の掟』(テレビ朝日)『サラマンダー』(日本テレビ)

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2009年5月13日 (水)

ホッペにチュッ始めました(堀北真希)酔い覚ましのお腹枕始めました(吉高由里子)

やはり、一週間を通じておもてなしの心が一番なのは火曜日の二人なのだな。

まあ、月曜日は釈と上戸二枚そろえてサービス悪いという気がするのは何故なのか。

ともかく、火曜日のドラマ対決は①「アタシんちの男子」↗12.3% ②「白い春」↘11.8%で順位入れ替えである。

ここまでフジテレビ系のドラマの平均値は

①「BOSS」16.5% ②「婚カツ!」11.70% ③「白い春」11.68% ④「アタシんちの男子」11.3% ⑤「魔女裁判」*8.4%

・・・となっていて二週連続のヒトケタを叩き出した月9のステータスが非常に微妙なことになっているのである。

本来、強力な枠というものは「強さ」ゆえに裏の回避を招き、より強くなるわけである。そういう意味では月9ピンチと言えるだろう。来週は正念場だ。

で、『アタシんちの男子・第5回』(フジテレビ090512PM9~)脚本・武藤将吾、演出・松田秀知を見た。今回の発明品はなんでも探知機である。「温泉探し」なのにダイヤルは「水」しか用意されておらず・・・オチを示すというどんだけ苦しい展開なのだ・・・だが・・・まあ、そういう細かいことはもうどうでもいいか。とにかく、マキマキのバスタオルサービスを止めて向井理のへそ毛サービスと要潤のキス・サービスでヒトケタ地獄を脱出したのだった。

今週の妄想イケメン度査定。

①故・大蔵新造(草刈正雄)・・・回想シーンに登場。千里(堀北)と激しくゲームをしながら後事を托す。とにかくこの世界の人々は正雄の遺骨の混じった大気を呼吸していることを忘れてはならない。合言葉は信じてくれる人を悲しませるな・・・である↗。

②時田修司(山本耕史)・・・理想の秘書。理想の弁護士・そっと背後に立つ小金井響子(高島礼子)と今回は連携プレー。ウインクの連打で・・・家を脱走した千里をやさしく援護、千里のホームレス仲間に仮設住居と臨時の仕事を与える→。

③大蔵風(要潤)・・・無職の長男、ついに前半・後半登場・・・千里を「金で買われた女」と蔑むことで千里の本心をあぶりだすが・・・結局、おかげで千里と養子兄弟の仲は深まりを見せ、ついに「おかえりなさい」「ただいま」を言う段階に・・・しかし最後の最後で千里の頬にキスをして「ボクの彼女宣言」である→。

④大蔵翔(向井理)・・・ホストの三男、すっかり、千里びいきになり、兄弟たちの千里への誤解を解くためにバスタオルを巻く↘。

⑤大蔵知(瀬戸康史)・・・ひきこもりの高校生の五男、千里に近付く男をすべて撲り倒すという危険な段階に突入。もう全然外出できる↘。

⑥大蔵明(岡本知樹)・・・生意気な中学生の六男、完璧な棒演技で追従を許さない。ちょっとしたナイス・ツッコミも棒であるところが救いである↗。

⑦大蔵猛(岡田義徳)・・・ホスト見習いの次男、よっちゃんやうっちーであってそもそもイケメンではないのだが。千里の拳を「やわはだ」と感じるナイーブな男。正式組員になるための危険物の運び屋から発破職人に転じて妙技を披露↗。

⑧大蔵優(山本裕典)・・・カリスマモデルの四男、女性恐怖症でおネー系男子、どちらかといえばキモカワレベル。すでに陥落。変な番組に出演し千里のピンチを救う↘。

⑨国士豊(つるの剛士)・・・ネットカフェの千里親衛隊長・・・空気だが今回は千里の悲しい生い立ちを兄弟たちに知らせ好感度アップ→。

⑩真島平次(永山絢斗)・・・ネットカフェの千里親衛隊員・・・空気読めずさらに千里の唇を狙うが失速。↘。

順位変動しないじゃないかっ・・・という人もいるでしょうがけして手抜きではなくそういう査定だからです。

まあ・・・結局・・・人生とは宝探しの旅に過ぎないというのが・・・作者の言いたいことなのだと思います。まあ・・・それはある意味正論ですが・・・そんなこと今さら言われてもな。

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で、『白い春・第5回』(フジテレビ090512PM10~)脚本・尾崎将也、演出・三宅喜重を見た。パン屋(遠藤憲一)の善意を素直に認めるかどうかが・・・一つの関門である。だって片思いの女の子供を預かって育てるというのはある意味究極のストーカー行為ではあるまいか・・・その腐って濁った視線をやめないかっ。

悲しい女がいた。心の優しい女でしかも美人(紺野まひる)だった。女には縁がなくパン作り一筋だった男の心を捕らえた女だった。悲しい女は悪い男の子を生み・・・短い生涯を閉じた。男は好きだった女の子供を大切に育てようと決意した。

それから8年・・・さち(大橋のぞみ)は優しいいい子になった。なぜか、死んだ母親・真理子の妹・佳奈子(白石美帆)もパン屋に寄り添っていた。パン屋とさちの関係は明瞭だが・・・パン屋と佳奈子の関係は不明瞭だ。さちは佳奈子を「おばちゃん」と呼んでいるのか。まあ、佳奈子がパン屋を「お兄さん」と呼んでいるわけだからな。するとパン屋と娘の母の妹はどのような関係なのか・・・謎である。

謎と言えば・・・800万円のことはもうどうでもいいのか。

娘の所有権をめぐって撲りあう元ヤクザで殺人の前科のある実の父と・・・真理子に恋をした善良なパン屋の育ての父。

「お前なんか赤の他人じゃないか」

「お前なんか人殺しじゃないか」

もう・・・これだけでさちは不幸な星の下に生れているという考え方もある。そんな子供を無責任に生んだ真理子の生き様を問題視する考え方もある。まあ・・・完璧な人間も、完璧な親も、完璧な子供もいないというのが大前提である。

人生、一寸先は闇だし、誰だって明日突然死するかもしれないし、人を殺すかもしれないのである。

そういうことを想像できないのは子供ということなのである。

さちは・・・さびしいパン屋に育てられた。実の父親はさびしい人殺しである。

そして栞は・・・妻に浮気され追い出された父親に見放され、母親の愛人に性的凌辱を受けながら育った娘だが・・・さびしいパン屋の気持ち、さびしい人殺しの気持ち、そしてさびしいさちの気持ちもすべてお見通しなのである。母親の愛人の子供を堕胎している過去を持っているかと妄想できるほど・・・ここまで天使なのである。

それもまた謎であるな。

春男(阿部寛)がパン屋の弟子になることは当然、予想された展開であるが・・・次週なのはやや早い展開なので・・・そこを着地点とするハッピーエンドは回避されたようである。

残された謎は・・・800万円の行方(これが最後になるとかなりバッド・エンド)、優しすぎる栞の心の底、曖昧にされた佳奈子の心の底、そしてさちが出生の秘密を知るのかどうか・・・である。

残されていた自分の娘。春男は娘に顔向けできない過去と生きている以上やり直したい未来の間を彷徨う。そして春男はゆっくりと歩き出す。足元には血まみれの死体がまとわりついているのである。だから話もゆっくりと進む。汚れた手ではわが娘を抱きしめられないからだ。

しかし・・・お茶の間はやさしく話に付き合うだろう。そしてさちが屋上に描いたキリンのように首を長くして来週を待つのである。

木曜日に見る予定のテレビ『ゴーストフレンズ』(NHK総合)『釈由美子のLOVE GAME』(日本テレビ)『夜光の階段』(テレビ朝日)『戸田恵梨香のBOSS』(フジテレビ)

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2009年5月12日 (火)

考え事していたら手術失敗しちゃいました(オダギリジョー)自分の気持ちに正直に嘘をつきました(上戸彩)

とにかくキャスティング・ミスの日9と脚本グダグダの月9・・・甲乙つけがたい出来の悪さである。

とにかく、中盤に入ってきて、それなりの方向性は出た。けれど・・・エンターティメントとしてはだめだこりゃである。

春ドラマブサイク芸人の査定をしてみると・・・。

①「ハンチョウ」の塚地(まあまあだがどこでも骨折)

②「ゴーストフレンズ」の友近(小太りなだけよ~)

③「BOSS」のケンドーコバヤシ(温水の影で目立たない)

④「名探偵の掟」のキムニイ(負担大きすぎ)

⑤「ぼくの妹」の千原ジュニア(ブサイクというより不気味)

⑥「アイシテル」のダンカン(出番がないよう)

⑦「夫婦道」の山崎静代(私女優よ)

⑧「白い春」のデビット伊東(ブサイク?)

⑨「必殺仕事人」の田中(芸人じゃないよう)

⑩「ザ・クイズショウ」の横山(芸人じゃないしブサイクでもないよう)

基本的にお笑い芸人のドラマ参入はほどほどが肝心である。スタッフのバランス感覚狂ってるとしか思えない。

本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「スマイル」↘*9.2%(在日半島人のキムチに対する屈折なんて今時どうでもいいだろう)、「コンカツ・リカツ」↘*4.2%(桜井幸子の悩みが贅沢すぎて誰もついてこないレベルに)、「十津川刑事」13.7%(中山忍と白石美帆の共演が見たい飯島直子をまぜてもいい・・・)、「オダギリジョーの東京タワー」10.6%(松たか子の「別れた彼女」いいなぁ)、「シバトラスペシャル」15.1%(面白かったもんね)、「温泉若おかみ」14.4%(朝、夕中村梅雀って飽きる~)、「ゴッドハンド輝」↗*8.8%(今回は変身したからな~)、「ザ・クイズショウ」↘10.6%(浅野ゆう子最近悪女役多いな)、「魔女裁判」↗*8.5%(祐太と斗真いい勝負)、「遥かなる絆」↗*7.7%(鈴木杏と長澤まさみと森三中黒沢のトリオも見てみたいぞ)、「名探偵の絆」↗*9.5%(小林涼子ヒロイン効果かっ)、「天地人」↗20.2%(さよならモニカかっ)、「ハンチョウ」↗10.5%(他人のせいにしない、簡単にあやまらない・・・この隙間は複雑系人生)・・・ついでに「ぼくの妹」↗*7.3%、「婚カツ!」↗*9.9%・・・以上。

で、『ぼくの妹・第4回』(TBSテレビ090510PM9~)脚本・池畑俊策、演出・加藤新を見た。櫻井のじいさん(大滝秀治)・・・がんばったけど不発である。こうやって引きずるとなるとやはり九鬼(千原ジュニア)は荷が重いなあ。単純に主役のオダギリジョーが個性的な二枚目だけに・・・個性的なブサイク芸人だと絵面が悪すぎるんだよなぁ。出稼ぎの恵まれない人というよりも岸和田から流れてきたヤンキーにしか見えないしなぁ。

同様にちょっとシェイプアップしてもらいたいヒロインの長澤まさみも崩れた女の化粧が似合わない年頃になってきた・・・。

ここはピエロみたい・・・と言われて本当にピエロみたいになっていてしかも素顔の美しさが魅惑的という役所なのである。精進不足じゃあるまいか。

まあ・・・そういうキャスティングの問題はさておき・・・タイトロープの兄と妹の物語は細い壁の上をフラフラと渡っていくのである。

まっとうな人生のなんて危ういことよ・・・である。

幼くして両親を失ったことにより・・・兄と妹は特殊な関係になった。兄はどちらかといえば臆病で鈍感。しかし・・・努力家であり・・・知力と持久力に恵まれ・・・ついには外科医という地位に到達する。妹は冒険家で敏感。美貌と瞬発力に恵まれるが辛抱ができない。

兄は妹への情愛を含めて対人関係が低温である。妹は熱に浮かされやすい。しかし・・・心の底ではお互いを誰よりも大切に想っている・・・ここがポイントである。

ただ兄の方は博愛という綺麗事に目が向き、妹は家族愛という本音から目をそらさない。

この辺りは男女雇用機会均等法以前の男女差をベースにしていて作者がロートルである証拠だ。今は・・・この辺りの男女差はもう少し均一化しているだろう。男はそれほど博愛主義に傾かないし、女はそれほど現実主義ではない。

そういう脚本と演技の間の微妙な温度差が粗になっている部分があるが・・・まあまあ・・・いいのかなぁ・・・。

今回は妹の告白が肝である。これまで隠していたことを明らかにするわけで・・・一種の謎解きになっている。しかし・・・あくまで証言なので・・・それが「本当にあったことなのか」は曖昧だ。それが真相と信じるには妹の颯(長澤)の言葉に嘘がないと信じる必要があり・・・これまでの流れからなかなか信じられないのはお茶の間も兄の盟(オタギリジョー)も一緒だろう。

このあたりが・・・ドラマとしてはあってもいいが・・・日曜劇場だと面倒くさいのである。

つい、もっと平凡な日常の中でこの兄と妹の兄妹愛が見たいと思うのである。

たとえば・・・今回の颯の証言を吟味するためには・・・まず、盟と死んだ女・桐原(ともさかりえ)の関係を思い出す必要がある。

偶然の出会いで桐原の失職を招いた盟は・・・最終的には桐原と一夜を共にしてしまう。その結果、女から借金を申し込まれ、それに応じる。この点がかなりダメ人間なのだが・・・自己資金がないために妹から貸す金を借金するのである。ダメ人間のダメ押しでここでキャラクター造形はかなり失敗している。持久走が得意だった人間のすることではないのである。まあ・・・女で失敗するのは例外という考え方もあります。その結果、妹は愛人の弁護士(田中哲司)に桐原の身の上話が嘘だったことを告げる。ここで兄は妹の言うことを信用せず、桐原の心と体に身も心も奪われ、真相を問いただすという愚を犯します。

その結果・・・「身元を偽ったこと」を否定しない桐原に頭が真っ白になった盟は屋上を去る。

ここでエレベーターと階段によるすれ違いが起こります。

颯の言うことには「私はお兄ちゃんが結局、お金を騙し取られてしまうのではないかと思い・・・屋上に行ったのです(実際に盟はこの後で騙されたくて引き返している)・・・そこには男を手玉にとる悪い女が引き上げにかかっていました。ああ・・・お兄ちゃんはもうお金を渡してしまったのだと私は思いました。そこで女に「金返せ」と詰め寄ったのです。すると女は「あんたには関係ない」と言うではありませんか。お兄ちゃんは私のお兄ちゃんです。お金はほとんど私の貸したお金です。関係ないことはまったくありません。そこで私と桐原はもみ合いになりました。その時、風が吹いてきて桐原のストールを飛ばしました。それは屋上から張り出したアンテナにぶら下がってしまったのです。大きなアンテナです。きっと地上デジタル専用なのです。そのストールは桐原にとって何か特別なものだったのかもしれません。桐原は屋上の端の不安定な足場に乗り、手すりの外へと身を乗り出してストールを回収しようとしたのです。ああ・・・落ちてしまうと私が思った時・・・桐原は落ちました。だから悪いのは地デジを推進する総務省だと思います」

ともかく・・・桐原の死は自殺ではなく、自殺行為のような行動による事故だったのです。

良い子のみんなは屋上の柵を越えたりしてはいけません。

このように一々面倒くさい展開です。

しかも、ハラハラドキドキするわけでもありません。盟が言うようにひたすらモヤモヤする展開です。明日は月曜日だというのに日曜日の夜にお茶の間をモヤモヤさせてどうするのかってことです。

サザエさんとか、ちびまる子ちゃんとか・・・そういうトーンの日曜劇場をお願いします。

どうしてもこのトーンでやりたい場合には九鬼は瑛太とか大森南朋クラスにしてもらいたい。しかも、九鬼と桐原は兄妹か姉弟でいいだろう。桐原に美人局の要素をもたせたことがドラマをますます薄汚く暗鬱なものにしているのである。

この後、九鬼と颯の恋愛要素とかに発展したりすると・・・このキャスティングでは眩暈を感じる。さんまとまさみや、織田と上野の失敗から・・・日曜劇場は学ぶ気持ちがないのか。

関連するキッドのブログ『第3話のレビュー

で、『婚カツ!・第4回』(フジテレビ090511PM9~)脚本・龍居由佳里・森ハヤシ、演出・遠藤光貴を見た。どっひゃぁぁぁぁな視聴率を記録してしまった月9である。もう騒然とした現場であるな・・・脚本家・ダブルになっているし。

で、ここは上戸・釈の参加したゴルフ場ロケのパートを担当したものと、区長と日曜日に対応する中居のパートを担当したものとが違うとか・・・いろいろと妄想が膨らむのである。

で、ゴルフ場ではゴルフボールを捜すフリをした佐藤隆太が指輪を発見してプロポーズという設定からややのけぞる展開があるのだが・・・そのオチがラフに無数のゴルフボールが転がっているという銀河系の彼方に飛翔する結末になっている。・・・もうオチてもいないし、お笑いにもなっていません。

一方・・・区長がとんかつ屋に来て・・・正直者の父と区長に挟まれて・・・なんとか破綻を食い止めようとするコメディーでは最終的に父親が息子のために新たなウソをつくという展開になっている。なんだかなぁ・・・である。基本的に恋愛ドラマじゃないよね。

結婚に興味がなかった男が最後には結婚することの喜びに目覚める・・・という展開では名作「結婚できない男」があるわけだが・・・主人公のキャラクターがダメ人間すぎて・・・とてもそこには到達できない予感がある。

何故上戸が中居を好きなのかもピンと来ないし、ダメ人間が突然、「いいこと」言い始めたりしても釈然としないのである。

このキャラクターの場合・・・内面に何か鬱屈を抱えている必要があるのだが・・・それがない場合には・・・もう、谷原章介の爪のとがった妻が誰なのかくらいしか・・・興味をつなげるものがないのですな。

釈に「婚カツ!・・・ゲーム・オーバー」を宣言してもらいたいよ。

火曜日に見る予定のテレビ『アタシんちの男子』『白い春』(フジテレビ)

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2009年5月11日 (月)

涙・涙・涙の天地人(妻夫木聡)灼熱の本能寺(長澤まさみ)ようやくここまで(常盤貴子)

伝説のドラマ「悪魔のKISS」(1993)を経て、「殿様のフェロモン」でMCを験し、1995年から連続ドラマの女王。

「太平記」(1991年)のチョイ役から18年。ついに大河ドラマのヒロインにのしあがった常盤貴子である。

武器である肉体を秘めての時代劇。その堂々たる演技、脚本の拙さを補って余りあるのではないでしょうか。ちょっと鬱陶しい女という役柄はもう仕方ないとして。

「ビューティフルライフ」を越える作品にめぐり合えないのが残念だが・・・それもまた女優の道でございます。

がんばれ、常盤貴子。愛していると言わせてくれ。

で、『天地人・第19回』(NHK総合090510PM8~)原作・火坂雅志、脚本・小松江里子、演出・片岡敬司を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。ついに出た退場記念書き下ろし明智光秀イラスト登場。一瞬の光芒を残し11日間の攻防で天下一統の日程を遅滞させ、日本の大陸進出、新大陸侵略、世界制覇を幻に変えた非国民ナンバーワン武将の絵姿を華麗に描写でございます。光秀お前さえ裏切らなければ世界の共通語は名古屋弁だったのに・・・と言ってあげたい。画伯、ただ今お風邪を召している模様。一刻も早いご回復をお祈り申し上げます。熱に犯されて妄想・本能寺の変・炸裂でございますね。本編に関してはついに次回あらすじにまでツッコミを開始なされご立腹の極みですが・・・新発田重家の乱の秘密細川幽斎の秘密と関連記事はますます拡大発展でございました。心中お察しいたしまする。

Tenchijin158203 で、天正十年(1582年)六月である。上杉景勝・直江兼続主従は為す術もなく春日山城に篭っていた。もはや、城を枕に討ち死にの覚悟を決めていた。上野国境では樋口衆を核とした越後上田勢が滝川一益の先鋒・真田昌幸と、信濃国境では直江衆を核とした上杉旗本勢が森長可と死闘を演じていた。この前線が消滅すれば、越後の国侍は雪崩を打って織田に降伏することが予想される。実際、春日山城に残った兵は脱走により日に日に数を減じている。西の前線である越中魚津城ではすでに兵糧攻めにより多くの将兵が餓死して果てている。近日中に落城は確実である。西側から柴田勝家の侵攻が始まれば、下越地方を扼し新潟にまで勢力を拡大した新発田重家もまた東側から春日山城を目指すだろう。そうなれば直江水軍も脱出路を失い、もはや上杉家は武田家と同じ道を辿るしかない。

春日山城、直江屋敷では最後の物資輸送を終えたお船と与六が初夜の儀を行っていた。前夫・直江信綱との間に一子を儲けたお船はくのいちとして寝屋の術にも長けている。その秘められた豊かで白い胸乳に顔を埋めていると与六は一瞬、死の恐怖を忘れることができた。

「夢のようじゃ」と与六は思わず言った。お船に精を放ち、その胸に抱かれていると絶体絶命の我が身が嘘のように感じられる。

「あきらめてはなりませぬ・・・」与六の奥底から漂いだす絶望の気を感じとりお船は囁いた。「忍びは死を越えて生きる定めなれば」

姉のように言葉を紡ぐ、お船が急に小憎らしくなった与六は闇の中でやわらかく乳首を噛んだ。

お船が甘い吐息を漏らした頃、前田利家は魚津城を囲む陣で前田利益と密談している。

「慶次(利益)よ・・・権六(柴田勝家)様も老いたわ・・・」かがり火の炊かれた野陣の一画で利家は胡坐をかき、肩を並べて畏まる利益につぶやく。利家と利益は伯父・甥の関係である。「天神山城まで景勝をおびき出した上は一息に討ち果たすべきだった。それをむざと退き陣させるとは手ぬかりよ・・・」

「しかし・・・」と利益は言葉を返す。「急くほどのことはなきかと・・・」

利家は兄の養子である滝川の忍びの血を引く利益を横目で睨んだ。「機を見て逃すは変わり目の兆しよ・・・」利家は生と死が交錯する戦場で養った己の勘について語ろうとしていた。「敵への情け・・・己への憐み・・・そのような心の迷いで命奪うことを躊躇わば・・・死神がこちらに目をつけるのが戦の習いじゃ・・・上杉の小僧を逃しことが・・・権六様の命獲りになるやもしれぬて・・・」

利益は言葉を飲んだ。喉元まで出かかったのは(かような心配事をなさるとは年老いたのは叔父上ではあるまいか)という疑いだった。

その気配を読んで・・・利家は薄く笑みを浮かべた。眼前には死臭の漂う魚津城の黒い影がある。数日うちには総攻めとなり、そこで手柄をたてる機略にのみ心を傾ける甥に若き日の己を見たからである。

織田信長は軽武装で京の都に入っていた。すでに京周辺の火種は耐えている。山城の国周辺の貴族、武将、僧侶、商人のものどもは・・・この新しき天下人に惜しみない追従を送る。その面会日程を管理する奉行たちの仕事は終ることのなき活況を呈している。

信長は独裁者として各方面の戦を指図しつつ、そうした内政も処理を怠らない。その超人的な活力は周囲のものたちを圧倒する。しかし、信長も休息を取らないわけではない。本能寺御殿の奥の間で森蘭丸ら側近の小姓も遠ざけて一服をするのである。信長は自らのために茶を立てた。

その一瞬、理を用いて利を生む信長の心は解放される。信長は察法の達人である。実を写し、相を観じることによって法を察するのは修行によってもある程度は成るが、信長の場合は生来の才によるものが大きい。合理的と言われる信長の言動だが・・・その核心には神秘がある。神も仏も恐れぬその振る舞いの根本は人知を越えた領域を心に宿していることにあるのだ。それは織田の血に潜む神通力によるものだった。

信長はふと・・・桶狭間を思い出す。信長は配下の将のために熱田神社で戦勝祈願を行ったが・・・実は神剣・天叢雲を拝借するのが真の目的だった。信長が用いれば、局地的な豪雨を引き出すことができたからである。

しかし・・・信長は神通力の引き出しが己が命を削る技であることを経験として知っていた。以来、信長は神に頼ることを戒めて戦いに望んできた。

その心は察法に傾き・・・敵の心を察し先手を打つことで勝負を決してきたのである。しかし、力がどの方向に向かおうとも・・・尋常ならざる力は人の器を阻害する。信長は休むことなき戦の果てに心を病んでいた。相対するものの一瞬の敵意を見逃すこともできなくなり、その振る舞いは過剰な恐怖を世に齎している。

信長は誰にも心を許さない。その孤高な心に触れてくる気配があった。信長は茶を喫し、政所に向かって立ち上がりながら、その奇妙な感覚を吟味した。(何者かが儂を窺っておる)・・・その懐疑は次の瞬間には信長の心から消えていた。天下人としての正しき振る舞いだけが信長の心を覆ったからである。

信長配下の武将の中でもっとも信長の狂気にさらされているのが明智光秀である。狂気は心の機能の一種であるから伝染する。心配りの確かなもの、感受性に優れたものほどその影響を受けやすい。丹波亀山城にいる光秀は山城・近江を治める奉行として、近畿管領あるいは信長の親衛隊の役目を担っていた。そのために・・・信長と接する時間が他の将に比べて圧倒的に多くなるという特殊な立場にあった。

信長の冷徹な精神に接しつつ、その役に立つ働きを為すことは並の武将では勤まらない。これまで光秀はその役割をそつなくこなしてきた。しかし、信長の狂気に触れる時間の多さが光秀の心を壊し始めていた。光秀は老い・・・疲れを感じるようになっている。

すでに中国地方への出陣を命じられた光秀は長岡藤孝、筒井順慶を始めとする組下の武将たちに陣ぶれを発し、丹波・山城・近江の直属の武将たちを亀山城に集結させている。その兵はすでに一万を越えていた。光秀は暗い顔をあげて小姓に命じた。「秀満によかろうと伝えい」・・・光秀も軍装を整えている。光秀軍は山城国を経由して摂津に出、戦場に向かう予定だった。その心に怯えに似たひらめきが走る。

光秀はまったくの無防備と言っていい信長のわき腹をかすめて過ぎるのである。

信長の猜疑心にあふれた眼差しが光秀の脳裏に浮かぶ。

その戦きは京の都と摂津への分岐点である三叉路で・・・暗雲へと変わった。

先行していた家老・斎藤利三が自ら馬を急がせて光秀の本軍に駆けつけたのである。

その蒼白な顔から・・・光秀は軍を止め、密議の体勢を整えた。

「内蔵助(利三)・・・いかがした」・・・光秀は声を潜めた。

「数知れぬ死体が・・・とりまいてござる・・・」

「何・・・」

「上様(信長)の目付け忍びと思われまする」

「間違いないか・・・」

「美濃衆の名の知れたものの屍もありまする・・・」

目付け忍びは全ての武将を信用しない信長による監視専門の忍者である。言わば信長の疑いの目そのものであった。その目を潰すことは謀反の心の露呈に他ならない。

「嵌められたか・・・」光秀は利三の顔に己の絶望を読み取った。決断に時間はかからなかった。「内蔵助・・・頭どもを集めよ・・・もはや・・・本能寺に向かう他・・・道はないのでや」

夜を徹して京の都を包囲した光秀は明智秀満に織田信長の本能寺を、斉藤利三に織田信忠の二条御所を攻めさせる。光秀は後詰として本陣を置き、朝もやの晴れる時を待った。襲撃の騒音が双方で湧き上がる。光秀の顔にはもはや死相が現れていた。

謀反のその後に万に一つも勝ちの目がないと光秀にも分っている。光秀はすでに最も愛する愛妾・お菜と生れたばかりの末子を落ち延びさせる手筈を整えていた。信長を殲滅しても二人を四国に落ちのびさせる心づもりである。

「長宗我部が・・・恩義を感じてくれようず・・・」光秀はすでに自分の死後のことに思いをはせていた。

炎上する本能寺は・・・集積された弾薬に引火を繰り返し、何度かの爆発を生じさせていた。包囲する水色桔梗の旗もただ手をこまねく有様である。

その地下の抜け道を信長は単身、進んでいた。ただ一人脱出したのである。

地下道には灯はない。しかし・・・信長は闇を見る目を持っていた。その目が前方に立つ人影を捕らえた。信長の鋭敏な嗅覚は相手がくのいちであることをかぎつけた。

「是非もなきことよ・・・初音であるか・・・」

「信長公・・・お命頂戴いたします」

「むざとは渡せぬ」

しかし・・・信長はすでに影殺しの術に落ちていることを知った。明智を謀反に追いこみ、信長の護衛陣を裸にし、この隠し通路で待ち伏せする。信玄、謙信の始末を命じた飛び加藤の忍びとしての求道の凄みを信長は察している。

信長は押切の銘刀を抜き放った。その動きの鈍さが己の迂闊さの証だった。信長は春花の術にかかっていた。最初から通路の空気は薬物で染められていたのである。その汚れた気を引き裂いて飛来する必殺の手裏剣を交わす力はもはや残されていなかった。信長は無表情のまま最後の神通力を解放した。

初音はその気配を読み・・・撤退を開始している。地下道の一画にあらかじめ隠し穴を掘り、水をためている。初音がその穴に飛び込んだとき・・・業火と熱風が通り過ぎていった。

信長が自らの体を木端微塵に爆破したのである。

ふたたび闇の中を走り出した初音は忍びとなって初めて言い知れぬ虚ろな気持ちを感じていた。初音はその心の動きに驚いた。

「たった一度会っただけなのに・・・我名を覚えてくだされた・・・それが面映かったか」

初音は己が心の動きを読みきると崩壊を始めた地下道の出口までを無心で走りきった。

関連するキッドのブログ『第18話のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『アタシんちの男子』『白い春』(フジテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

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2009年5月10日 (日)

なんとなく無罪なんですーっ(加藤あい)バスジャック始めました(大後寿々花)ほぼ等身大の抱き枕始めました(南明奈)

「ノーマスクで手術始めました」(村川絵梨)とか「ダブルブッキングですが何か?」(真矢みき)とか「どこでも足骨折ですみません」(塚地武雅)とか「不良少女からキャバクラ嬢まで」(末永遥)とか「チーム・シバトラからイケ麺そば屋まで」(藤木直人)とか・・・もうタイトルに不自由しない・・・土曜日だ。

「ゴッドハンド輝」では病院VS病院のサバイバル。会員権1000万円の病院にどれだけ患者が奪えるというのか・・・今なら入会費無料キャンペーン中なのか。

まあ・・・今回はいわば・・・科学特捜隊とかウルトラ警備隊が敵・宇宙人に買収されたら・・・みたいな展開だ。怪獣が出現しても出撃許可が下りないのである。ウルトラ輝は孤立無縁で戦うのだ。いや・・・M78星雲が買収されてしまう場合もあるよな。ウルトラ兄弟「許せ・・・地球侵略プロジェクトの参加が決まったのだ」ウルトラ輝「それじゃ・・・地球人は侵略されるしかないのですか?」ゾフィー「上の決定なんだ・・・大人になれ・・・輝」という感じです。ともかく・・・ある意味・・・追いたてられるように来週最終回。・・・まあ・・・土曜日が一本化できるからいいけどねーっ。力は正義である。

で、『魔女裁判・第3回』(フジテレビ090509PM1110~)脚本・八津弘幸、演出・小原一隆を見た。とりあえずフリが終って・・・「バカほどこわいものはない」というテーマが押し出されてきたのはよかったと思う。万能ヴォイスチェンジャーによるいずみ(加藤あい)と犯人(加藤あいの声)の演出は分りにくかったが・・・ただ祖母が迎えに来たわけではないというひねりがあるのが好感触である。しかし・・・いずみからいつも身につけているように言われたGPS機能付携帯をいずみの娘・舞(磯野光沙)がどのようにして被告の娘・遥(忽那汐里)に奪われたのかという描写がなくて釈然としない部分は残る。

裁判員という無防備な個人が・・・裁判の判決を左右しようとする組織に対しいかに無力かという問題を主題にしているだけにそういうディティールにこだわるべきだろう。

そういう意味では裁判員脅迫組織のリーダー・黒川(鈴木の亮平)がチンピラ風なのもどうかと思うのである。もっとビジネスマン風で良かったのである。

資産家の暗殺とそれに伴う遺産相続にからむ問題なのであり、当然、原告側もこの手の組織を利用するのである。

一方的な戦いになるはずはないのである。

原告側の裁判員脅迫チームと被告側の裁判員脅迫チームが入り乱れて有罪・無罪の票争奪戦を行うのがあるべき未来の重要案件の姿ではないのか。

まあ・・・とりあえず・・・人の命令には絶対従わないが、恋人(比嘉愛未)がいるのに人妻に下心があったり、無謀な借金はするは正体不明の金は使いこむはの自由なバカ・・・裁判員・徹(生田斗真)は「意地でも有罪」で頭のいい人たちを驚愕させるのだった。

その点はスカッとしていいのではないかと思う。

まあ・・・今回は脚本と演出のバランスがこれまでよりなんとなく均衡していて見やすかったのである。この調子でお願いします。

関連するキッドのブログ『先週の土曜日のレビュー

で、『土曜プレミアム・シバトラ・童顔刑事!史上最大の危機スペシャル』(フジテレビ090509PM9~)原作・安童夕馬、脚本・武藤将吾、演出・佐藤祐市を見た。レギュラー・シーズンより面白かったのである。まあ、当然といえば当然だが、①人間関係の説明が終了していて導入が簡単、②一話完結で爽快感がある、③少年犯罪と更生の問題という主題が初めて明瞭になった・・・という点がポイントである。

まあ、キャラの魅力が発揮され、勧善懲悪が楽しめ、言いたいことが伝わるのがエンターティメント成立の条件に合致しているのである。

主人公・シバトラ(小池徹平)が少年犯罪者の更生に親子二代でこだわる刑事であるなら、善悪の境界線を彷徨う少女・鬼神こと美月(大後寿々花)は仲間であり敵であるという対極の存在なのである。

なんちゃって高校生トリオのお姉さん・多部未華子が『つばさ』で活躍中、志田未来がスタンバイ中なので久しぶりの大後寿々花・・・欠乏症改善である。この堂々たる演技力・・・もっと見たいぞ。

インターネットと携帯ツールを使った多角的知能犯罪の黒幕だった美月は少年刑務所に収監中である。

しかし・・・再び「鬼神」(おにがみ)を名乗る模倣犯が登場。爆弾による無差別テロを強行し、司法機関に「美月の釈放」を強要する。

横浜みなみ署では左遷されていた千葉(真矢)を呼び戻し、陣頭指揮のもと、超法規的措置で美月を釈放する。

シバトラは美月を守ることを約束するが・・・少年刑務所内でもいじめられたらしく美月はまた少し暗さを魂に宿していた。化粧濃い目である。

美月に「バスジャック」を命じる「真・鬼神」・・・。そのために、神奈川県警とマスコミは大騒ぎに巻き込まれる。

第一の犯人として・・・鬼神事件の騒動のために有名進学校の受験に失敗した少年が逮捕されるが・・・それも周到に計画されたダミーだった。

第一の被害者で真犯人のラビット(柄本佑)の狙いはかって自分を逮捕したみなみ署を爆破することだったのである。

武闘派の小次郎(藤木直人)、ハッカー白豚(塚地)チームシバトラコンビも健在で、かっての不良仲間たちもリカ(末永遥)を中心に結集。ピエロ役なのにいいところを持っていく新庄(宮川大輔)も最近のドラマをぶち壊していく吉本芸人の中では抑制されたいい出来である。これをお手本にしてもらいたいよ。

ラビット「ふん・・・警察なんて・・・オレたちを逮捕したらそれきりだろう・・・オレを逮捕した刑事だって面会に来るっていいながら・・・それきりだった。オレたちは刑期を終えたって前科者として迫害されるし・・・味方なんていないのさ・・・復讐して何が悪い」

シバトラ「・・・父は・・・面会に行くつもりだった・・・だけど・・・殉職しちゃったんだよ・・・」

ラビット「えー・・・」

シバトラ「僕が・・・今日から君の味方だ・・・だから君を逮捕する」

ラビット「・・・」

最後にシバトラの父の同期だった出世した刑事(加藤雅也)と元の恋人・千葉との少年犯罪に対するアプローチの差異の応酬まで・・・「更生させて社会復帰させることが防犯でしょう」「そんなヒマあるのかよ」・・・なかなかに見応えのある展開だったのである。

関連するキッドのブログ『シバトラ

月曜日に見る予定のテレビ『ハンチョウ~神南署安積班』(TBSテレビ)『婚カツ』(フジテレビ)

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2009年5月 9日 (土)

お手紙で大好き連発始めました(新垣結衣)ありがとうでスマイル(松本潤)

毒物混入といえば、中国の毒ギョーザ。新興宗教がらみの犯罪者の家族といえば、現場に北朝鮮のバッヂを残すオウム真理教。そしてキムチに拘泥する弁護士。なんとなく・・・いやな感じの連打である。主人公がネグレクトされたフィリピン・日本混血児で、事件の核心が冤罪。

そして、振りかざす壮絶、正義、愛、まっすぐな、素敵な・・・人生。

それは愛国心とか、愚かさゆえの罪とか、必要悪を否定する・・・いかにも短絡的な作品世界を暗示する。

根本的に間違っていると考えます。

国家あっての国際であり、それは日本人あっての日本だということと同義であるわけですから。

「湯けむりスナイパー」には「落武者の亡霊が見える少女」(大作空)が登場。ドクターヘリ第8話の山Pにまとわりついたあの子である。

で、『スマイル・第4回』(TBSテレビ090508PM10~)脚本・宅間孝行、演出・坪井敏雄を見た。たとえば汚染米の正体は闇に包まれている。それが事故米で外国からの輸入品に起源があることは周知の事実なのだが・・・その米を輸入することでどういう利権が発生し、誰が売国奴だったのかが追求されないのである。

日本人の中に日本人であることの恩恵に浴しながら、日本という国家そのものを愛することのできない誰かが常にいるのは仕方がない。

しかし・・・祖国を愛さない日本人を激しく糾弾できないムードというのも困ったものだ。

もちろん、韓国のように政権によっては隣国を賞賛することがタブーとなるような知性なき愛国心は困ったものだが、中国が「靖国」と言い出すと、国民一丸となって中国製品のボイコットをするような態度は日本人にだってあってしかるべきなのである。

もちろん・・・冷静にそうするのである。

この不況下にあって食中毒事件を起して営業停止した食品サービス業があんなに安穏としていられないだろうことは充分に想像がつく。

融資先はあんなに呑気な対応をしないだろうし、食材に限らず、機械のリース先など取引業者は一斉に取り立てに回るはずである。

また、スクラップされるほど小口の事件が発生していて、共通の毒物が検出されていれば関連を疑う人間は多数存在するはずだし、未開封の食材の検査によって納入元の帝国食品に容疑はかかるだろう。

汚職が横行し、不正が目立つとはいえ、保健所はそれほど無能ではない。

ビト(松本)に敵意を燃やす刑事がいたとしても検事を始め司法があれほどバランスを欠いた捜査を展開する時代ではない。まして田舎の警察ではなくて警視庁なのである。

そういう・・・もう・・・社会的常識の欠落した脚本に・・・うんざりしちゃうわけだが・・・頭が悪すぎる主人公を演じるビトや、天真爛漫な犯罪者の娘を演じる花(新垣結衣)にはまったく罪がないのである。

もう・・・TBSテレビにはその程度の常識を感じる人材がいないということに尽きるのだな。

残念なことだ。

とにかく・・・そういうTBSテレビをはじめとしたマスメディアの過剰取材のプレッシャーによって「声が出なくなった」花なのだったことが判明。

ここまでもったいぶられると「それがどうした」と言いたくなる展開だが・・・映画「手紙」的には「花は理不尽な扱いを受けていると感じるかもしれないが、花の父親は自分の家族がそうなると知って信者からお金を巻き上げたのである」と言う考え方もできるのである。

そのために「親が自殺した子供」は・・・加害者の家族が幸せになることに釈然とした思いを抱いても仕方ない。

そして・・・花はそれを受け止めてしかるべきなのである。

親は負の遺産を残す場合もある。もちろん・・・法的には相続の放棄はできる。しかし、それで世界が消滅するわけではないのだ。

社会が制裁を続けると言うならば、逆ギレしてもう一度信者を騙して金を集めてやるくらいの根性を見せてもらいたいものだ・・・それはどうかな。

まあ・・・とにかく・・・このドラマでは主人公の犯した罪は最大限の情状酌量をし、周囲の犯す罪はどんな些細なことでも徹底糾弾という姿勢に満ちているのであり・・・どんだけ被害者意識が強いのか・・・とお茶の間をあきれさせるのだった。

本当にスタッフの皆さんは・・・もう少し世の中のこと勉強してもらいたいよ・・・。

関連するキッドのブログ『第3話のレビュー

日曜日に見る予定のテレビ『天地人』(NHK総合)『ぼくの妹』(TBSテレビ)

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2009年5月 8日 (金)

ちょっとスローでペロペロキャンディー始めました(戸田恵梨香)4445・・・(山田孝之)

道夫(藤木直人)に殺されたトモ子(原幹恵)・・・いつになったらセリフもらえるんだよっ。(キャンペーン中)

このドラマ、スタイリッシュに作ったらすごくかっこよくなりそうなのにものすごくダサい感じがするのは何故なのだろう。今回、悪女に南野陽子が加わった。博覧会かっ。

まあ・・・「世界一になってやる」ってオープニングセレモニーで言い放つ美容師って・・・「夜光の階段」終了。

で、『BOSS・第4回』(フジテレビ090507PM10~)脚本・林宏司、演出・光野道夫を見た。おそらく制度がダメだから勝手に仇討ち展開である。基本的に大好物なのだな。いじめなんていじめの首謀者を事故死に見せかけて処理するのが一番だし・・・おいおい。とにかく・・・限度を越えた反社会的事件は反社会的態度で応じるべきなのである。中学生を拉致された両親が血のにじむ声で叫んでも埒があかないのがその証拠だ。

しかし・・・誰もが個人的復讐を遂げる強さを持っているとは限らない。

ここがお茶の間を楽しませる重要なポイントなのである。

「虚しく命を奪われたものの復讐者」にとりあえず山田孝之をキャスティング。もうこれでお楽しみはこれからだになるのである。

だから・・・オープニングまで15分・・・マミリンこと木元刑事(戸田)が姿を消して・・・姿なき連続殺人犯に拉致されたと判明するのが残り10分。

ここまでで「リンチ殺人を犯したが2年で出所した加害者たちは三人死亡」という鮮やかな手口である。もうつづくしかないよね。

強敵である。強敵を倒すためには一回では足りないのだな。

理想としては復讐鬼は霧の中に姿を消して逮捕されないことだが、お茶の間的にはそれは許されないところ。鬼の心をどう消すのか・・・ハンサム・ウーマンの腕の見せ所である。

兄(玉山鉄二)が人を殺したために苦しむ弟(山田)の映画「手紙」コンビの共演。そして山田と言えば恋人を犯した父を殺す男(白夜行)でもある。無言で人殺しをして絵になるところが素敵。「夜光の階段」とはある意味真逆な展開だ。

殺していい理由なんかないのだからセリフはいらない。殺したい気分に言葉はいらないのである。この点だけでもすごく好感触である。やはり復讐者はこうでないと。

とにかく・・・来週は仕方なく・・・リンチ殺人の被害者と復讐鬼の関係が語られるわけだが、ぜひとも「それじゃあ殺るしかないよね」という心の推移を見せてもらいたい。

さて・・・序盤・・・遺留品などから・・・死体の身元調査が始まるのだが・・・前科者である。指紋照合で一発で判明するだろう。

特別犯罪対策室と捜査一課の他の刑事たちの縄張り争いで情報が混乱するのか。

またボス(天海祐希)はかぶりものが好きすぎるし、木元はコスプレ要員かっ。

リンチ殺人犯で第二の犠牲者は三浦涼介(父・三浦浩一、母・純アリス)である。「のだめ」のロランだ。母は元祖・混血児スターの一人である。いつまでも美人だ。「スマイル」を見るといつも思い出す。

ちなみに亀梨・赤西・もこみち・小池・小出とイケメンだらけだった「ごくせん」第2シリーズでは水嶋ヒロとともに3年D組その他の一人である。

ついでに・・・リンチ殺人で見張り役だったが生存の確認された大野役は菅野篤海で「ごくせん」第3シリーズの3年D組その他の一人である。

前回に続いて、チョイ役にもそれなりの・・・今回はイケメンだ・・・メンバーを固めてくるところが「BOSS」のあなどれないところなのである。

いや・・・「夜光の階段」も悪女に関しては固めてくるのだが意図不明である。

まあ・・・近距離からの銃撃、証拠を残さず目的完遂。そのターゲットを主役グループに広げなければパーフェクトだった復讐鬼。初動捜査を誤った国家権力にもの申すのだが・・・どうやら・・・木元は拉致して弄ぶだけで殺さないらしい。水責め描写と救出のタイミングが微妙でヒヤヒヤしたが・・・つづく展開で・・・見事である。とにかく・・・戸田恵梨香を拉致しておいてそれしかしないのかよ。すると・・・リンチ殺人の被害者(男性)は・・・恋人・・・かな。

関係するキッドのブログ『第3話のレビュー

Hcinhawaii0545 ごっこガーデン・まこ様愛用水族館・エリ様専用水責めステージ。お気楽ゴボコボ・・・あんぱんちさん・・・替わってよ・・・怪しい寸劇で山ムー役かと思ったのに・・・ゴーストフレンズ一部の人には見せないなんて不公平だよね・・・ペロペロキャンディーはサービスしときますまこマミリンまる子ちゃんも用意したけどピーポマスクも捨てがたい・・・とにかく今回は竹様をがっつりキープでしゅ~・・・後で手作りお弁当タイムをしましゅ~エリムフフ・・・ムチもいいけど水責めもまた格別なのでスー。増水タイプもいいけど逆さ吊りジャボンもイケますyon・・・いつかSEN-PAISを招待したいでスーアンナやはりかわいいだけでリストラの波は避けられるのですぴょん・・・今回のツボは育毛剤・・・平成財閥でも『アンナに生える~』とか育毛剤ビジネスを立ち上げることにしたぴょん。まずはじいやで実験するぴょんくうマミリンが来なかったらヤマムーをクビにしろ・・・でオタオタする山ムー・・・必死の山ムーがマミリンの失踪の真相を突き止める・・・野立(竹野内豊)さすがじゃんっ・・・ドロンジョ仮面はかぶったけどコスチュームは自粛したよっikasama4最後は容赦なく・・・マミリンを殺害・・・山むークビ決定なのかと思いましたよ・・・今回もある意味どんでん返し成功ですね。玲子(吉瀬美智子)シュークリーム食べすぎですあんぱんち戸田まる子ちゃん・・・ある意味、変態プレーよね。その上、水責め・・・これはLごっこのお仕置き・・・最後はゲロンチョリー孝之にパーカーは脱がされたみたい・・・キャー貞操の危機よ~シャブリはい・・・探偵X→つばさで遅刻なのでありましたー、でも飯綱使いまる子ちゃんはやっとくのであります

土曜日に見る予定のテレビ『ゴッドハンド輝』(TBSテレビ)『大後寿々花のシバトラスペシャル』『比嘉愛未の魔女裁判』(フジテレビ)『ザ・クイズショウ』『イケ麺そば屋探偵』(日本テレビ)『鈴木杏の遥かなる絆』『ERⅩⅡ』(NHK総合)『一色采子の温泉若おかみの殺人推理』(テレビ朝日)・・・フフフ・・・殺す気だな。

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2009年5月 7日 (木)

疑心暗鬼のクワガタ(金子さやか)VS天下御免のカブトムシ(川島海荷)

さて・・・ゴールデンウイークほぼ終了である。このまま週末まで続く方もあると思うが・・・その会社、大丈夫ですか・・・。

まあ、仮面ライダーがバッタではない・・・様々なものに変身していくとしても子供は虫が大好きという神話は続いていくわけである。虫が嫌いな子供なんていくらでもいるわけだが。

本題に入る前に恒例のゴールデンウィーク中の視聴率チェック。「スマイル」↗12.3%(ブタ姫の奇跡)、「コンカツ・リカツ」↗6.0%(三連続微上げ中)、「木枯らし紋次郎」11.6%(まあ、関りあいのないこって)、「名探偵の掟」↘*8.5%(主役を立てるっていう意味が分ってない)、「ゴッドハンド輝」↘*8.5%(ウルトラ院長の回で輝変身しなかったからな)、「クイズショウ」↘11.6%(うんうん、バンビダンシング)、「魔女裁判」↘*7.7%(まあ・・・くりかえしてるだけだからな)、「天地人」↘16.7%(まだまだ高いよ~)、「ぼくの妹」↘*6.7%(ああーっやっぱり、来週ホンカンが活躍すれば吉)、「婚カツ!」↘*9.4%(うわぁぁぁぁぁぁぁぁ)、「ハンチョウ」↘*8.5%(臨場と比較されるよね)、「アタシんちの男子」↘*9.4%(微下げでよかったよね)、「白い春」↗12.5%(あげてきた・・・シリアスじゃなくてコメディーだよね)、「夫婦道」↘*7.9%(こっちが日曜劇場だよね)、「臨場」↗14.4%、「アイシテル」↘13.0%・・・以上。

で、『臨場・第4回』(テレビ朝日090506PM9~)原作・横山秀夫、脚本・岩下悠子、演出・猪原達三を見た。基本的に原作者の好みは疑心暗鬼で内攻的である。内なるせめぎあいが味なのである。もう仲間同志がジトジトと食い合う面白さが素晴らしいのである。当然、ミステリ作家同志も食い合うのである。だから・・・当然、記者と記者は貶めあうのだな。

今回は先輩記者・赤塚(橋爪淳)の密室トリックに利用された形になる駆け出し記者・花園(金子さやか)にスポットライトがあたる。

倉石検視官がまずくもうまくもないラーメンを食べている場面では特ダネを求めてビジュアルクイーンアタックしていると小坂検視補助官(松下由樹)が略奪愛ブロックでバトルである。異種格闘技で珍しいことである。

小坂「また色仕掛けで特ダネを狙ってるの?・・・いいわね、若い子は。たまには実力で仕事しなさいよ・・・」

花園「だってーっ。お色気だって実力のうちじゃないですか。お色気ないのにスタミナだけでバリバリやられても困る人いるんじゃないですかー」

小坂「あら・・・あたしだってまだまだセクシーなときはセクシーなんです」

花園「特殊なお客がついているって強みですよねー」

小坂「なによ、この小娘、キー」

花園「色ボケ年増女、ヒー」

倉石「・・・おい、そんな展開ないだろ・・・」

まあ・・・この場面が一番面白かったので・・・。女優と女優のせめぎあいだし。

主な筋に興味がある方はコチラへ→まこお嬢様の臨場

で、『アイシテル~海容~・第4回』(TBSテレビ090506PM10~)原作・伊藤実、脚本・高橋麻紀、演出・国本雅広を見た。前回の引きがやや、強引すぎたのだが・・・今回はそれを受けて・・・今度は、犯人の母親を目撃した被害者の姉が相手を尾行しないというちぐはぐな展開である。

喫茶店に偶然居合わせた・・・喫茶店で凄く微妙な話をする・・・その話を聞いた中学生が尾行をしない・・・というありえない展開の連打なのであるが・・・まあ、そういうドラマだからな。

要するに・・・「なかなか笑顔がとりもどせない被害者家族」が「加害者家族が笑顔」で激昂というシーンが作りたいのである。そのためにいろいろなリアリティーを犠牲にしていいのかっという問題があります。

まあ・・・その点をのぞけば・・・「被害者少年と加害者少年はキャッチボールをした」「被害者少年は父親とキャッチボールをするので上手」「加害者少年は父親とキャッチボールしないので下手」「被害者少年がその点をついて加害者少年を嘲笑」「加害者少年逆上」というまずまず衝撃の事実が明らかになってきたのである。

もちろん・・・キッドとしては加害者少年の天才的猟奇的殺人鬼説も捨ててないので・・・ただ大人たちか喜びそうな話を加害者少年が語っているだけという疑いを持っています。

まあ・・・被害者家族たちは・・・母も父も娘を傷つけているのに気がつかないタイプとして描かれ・・・被害者はその性格を受け継いでいる可能性は高く・・・人をムカつかせやすいタイプだったということは言えそうです。

唯一、敏感なタイブである娘は気を使ってくれる友達がいたりするところから、この無神経な両親に鍛えられて空気の読めるタイプになっていたのだろう。保育アルバム一つで機嫌が直るような問題なのかどうかは謎である。

基本的には「ありえない事件」に対して「ふつうの人々」が応じる反応を被害者家族も加害者家族も演じているわけである。

調査官が被害者側の事情調査をする可能性もあるだろうが、その時に捜査の過程をもらすことはありえないだろう。まして・・・こんな中途半端な形ではありえない。

しかし・・・このドラマの調査官・富田(田中美佐子)はある意味、主人公気分なのである。加害者と被害者のかけ橋になる気満々なのである。そういうポジションの人間がいないのが問題だという可能性もあるがいないのが実情なのではないか。

たとえば・・・手紙の問題である。被害者の母親はお詫びの手紙を書いて・・・直接・相手の家のポストに投函する。被害者の家族の家を加害者の家族が知っている場合でもこの行為は一種の脅迫行動と感じられる可能性もあるはずである。

それに対して被害者家族は「加害者家族の手紙」を調査官を通じて「加害者家族」に受け取り拒絶を申し入れる。これもまた調査官の仕事ではないだろう。しかし・・・富田調査官はどんどん、被害者家族と加害者家族に介入していくのである。

まあ・・・そうしないとドラマにならないと言われればそれまでですがー。

要するに「小学生が小学生を殺した」場合、それが「殺人」と言う犯罪なのか「事故」という不幸なのかは実に微妙なことなのです。基本的に実名が明らかになって加害者側が社会的制裁を受けることはあってはならないという建前なのです。

しかし、そんなこと言っても今はバレちゃう恐ろしい社会だろう・・・とドラマはなし崩しに主張する模様。

まあね・・・とにかく・・・少年の少年殺しは興味本位に描くしかないかもね。

三人のママがはまっているしね。パパ対決も楽しみだしね。山本太郎V佐野史郎だからな・・・アドリブだけで対決できそうな気配である。まあ・・・被害者VS加害者のドラマじゃないからな・・・あくまで加害者の母親のドラマなんだ・・・キャスティング的には・・・。しかし・・・結構、そこではない部分に面白みがあって・・・ちょっと困ったことになってるのかも。

関連するキッドのブログ『第3話のレビュー

金曜日に見る予定のテレビ『桜井幸子のコンカツ・リカツ』(NHK総合)『新垣結衣のスマイル』(TBSテレビ)『エンケンの湯けむりスナイパー』(テレビ東京)『香椎由宇の名探偵の掟』(テレビ朝日)『オダギリジョーの東京タワー』(フジテレビ)

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2009年5月 6日 (水)

バスタオルねそべりサービス始めました(堀北真希)みんな仲良くしてほしい(大橋のぞみ)

まあ・・・火曜日は穏やかである。まきまきの体を張ったサービスとポニョの愛らしさ爆発です。

そこだけかっ。

ジャック・アタリはノストラダムスの国の人らしく「予言」をするわけだが・・・21世紀は五つの波に襲われると言う。

①米国の衰退の波(フランス人の願いである) ②多極化支配の波(フランス人の願いである) ③超帝国の波(そこでフランス人が中枢を担う予定) ④超紛争の波(フランス人は望まない) ⑤超民主主義の波(フランス人的博愛主義のことらしい)

ここで、アタリは英語の「ハイパー」を多用する。「超」の意味だが、スーパーを使わないところがミソである。たとえば超現実主義はシュールレアリズムであるが英語的にはスーパーリアリズムである。「スーパーマン」という「超人」の代名詞がいささか「スーパー」を俗っぽく感じさせるからである。だからといって「ハイパー」と言ったところでハイパーバズーカなみのネーミングセンスだ。

実際、現代は①米国は地球制覇に失敗した ②中国の台頭 ③国連主義 ④テロリズムの連鎖 ⑤人道主義と現実の構成要素を分類することができ、アタリ氏はそれを言葉を換えて語っているに過ぎない。そんなことをありがたく拝聴するNHKの知的能力がとても心配です。

で、『アタシんちの男子・第4回』(フジテレビ090505PM9~)脚本・武藤将吾、演出・佐藤源太を見た。ヤンパパとヤンママにできちゃった子供・・・祖父になる新造はヤンパパの翔の覚悟を試すために堕胎を薦めた・・・そしてその後は隠れてヤンママを経済援助したという美談である。・・・もう作りすぎで嘘くさいわ。新造は富豪だからそういう発想はしないのである。しかも新造と翔は養父と養子の関係なのである。ただひたすらに孫の誕生を祝い、喜び堪能するのである。その辺の背景構築がクダグダなのでものすごくドタドタとしたあらすじです。もう一歩なんだよな。

話は新造が企画した家族向け遊戯施設のプレゼンテーションと結局は破局したヤンパパとヤンママの関係修復を求めて子供が実行する自作自演の誘拐ごっこをからめた問題二つから一つの答え的物語に仕上げているのだが・・・「家族向け遊戯施設」が結局、サバイバルゲームとかアドベンチャー・ゲームのようなものとしか説明されないため、ピンと来ない人は完全に置き去りにする姿勢である。

つまり・・・親子ものもグダグダだし、企業成功ものもグダグダなのである。

まさに二兎を追う者一兎も得ず状態。・・・まあ・・・いいか。

しかも・・・ヤンママ(浅見れいな)はすでに別の男と交際しておりモヤモヤ決着である。子供が養父に虐待されないことを祈るばかりだ。もうそういう事件あったばかりじゃん。この流れで苦い結末かよっ。どんなトラウマがあるのだ?

今週の妄想イケメン度査定。

①故・大蔵新造(草刈正雄)・・・回想シーンに登場。変な発明品で千里(堀北)のお尻をくすぐりキャーと言わせる。息子の妻子を影で援助↗。

②時田修司(山本耕史)・・・理想の秘書。理想の弁護士・小金井響子(高島礼子)のプロフェッショナル魂対決。しかし・・・ポーカーフェイスを装いながら内心はドキドキしてコップにストローをさせぬ失態をかわいく披露→。

③大蔵風(要潤)・・・無職の長男、ついに終盤登場・・・千里を「お義母さん」と呼び・・・しかし「金で買われた女」と蔑む継母プレーを敢行→。

④大蔵翔(向井理)・・・ホストの三男、前妻の新しい男と遭遇↘。まあ、職業に貴賎はないので許さない妻が悪いという考え方もある。産婦人科医とかだって不特定多数の女性性器に接していてたまには欲情することもあるだろうに・・・アイドルのヤンママの主治医の立場を妄想しています↘。

⑤大蔵知(瀬戸康史)・・・ひきこもりの高校生の五男、半分陥落↘。

⑥大蔵明(岡本知樹)・・・生意気な中学生の六男、情報を収集し、甥の誘拐ごっこを盛り上げる↗。

⑦大蔵猛(岡田義徳)・・・ホスト見習いの次男、よっちゃんやうっちーであってそもそもイケメンではないのだが。弾き語りで微妙な「ひょっこりひょうたん島」を歌う↗。

⑧大蔵優(山本裕典)・・・カリスマモデルの四男、女性恐怖症でおネー系男子、どちらかといえばキモカワレベル。すでに陥落↘。

⑨国士豊(つるの剛士)・・・ネットカフェの千里親衛隊長・・・空気→。

⑩真島平次(永山絢斗)・・・ネットカフェの千里親衛隊員・・・空気読めずさらにへらず口をたたき叱責↘。

順位変動しないじゃないかっ・・・という人もいるでしょうがけして手抜きではなくそういう査定だからです。

次回、いよいよ、長男と義母がいけない関係に・・・そんなことで釣られてたまるかっ。

で、『白い春・第4回』(フジテレビ090505PM10~)脚本・尾崎将也、演出・植田尚を見た。朝のテレビ小説がクリスマスだ正月だとか言っているのに対して子供の日に子供の日の話、カレンダーに素直で好感のもてる展開である。拉致被害者の会と面会しなかった米国大統領に代わりクリントン副大統領が「日本の子供たちは幸せでよかった」とメッセージを送ってくるような展開です。

つまり・・・「アタシんちの男子」も「白い春」も連続して・・・実の父親に育てられない子供の話なのである。だからといって全員がベランダに立たされないと言いたいのか。まあ・・・なるべく・・・大人になるまで見守ってもらえると子供としてはうれしいんだよね。きっとね。そうとばかりは限らないんだけどね。それはそれで運命だと思って乗り切るしかないんだよね。乗り切れたらラッキーだよね。

ともかく・・・ひょっとしたらただ一度の肉体関係もないまま・・・真理子(紺野まひる)を愛し・・・その子供を引き取ることを決意したパン屋(遠藤憲一)。いい演技をするので真理子が死んだシーンではギュッと忘れ形見を抱きしめる。一瞬、赤ちゃんは全身で引きつけを起したように痙攣します。そして泣き出す赤ちゃん。絞め殺されなくてよかった・・・。

その後・・・はさちとパン屋の擬似親子としての幸せな8年間が過ぎ去る。

血のつながりなど関係ない・・・さちの父親は自分だとパン屋は何度思ったことでしょう。

そこに現れた実の父親・春男。しかも・・・さちが自分の娘だとは気がついていない。

パン屋はおびえた。もちろん・・・さちが殺人犯の娘であることが周囲に知られ・・・それで招く不幸もこわい・・・しかし・・・何よりも愛する真理子の娘であるさちを・・・奪われるのが恐ろしいのです。その心は・・・どこか後ろめたい影を漂わせる。そして・・・その悪の匂いを敏感に感じるさち。

パン屋はパニックに陥る。そして人に優しくしろと教えた言葉通りに・・・知らないかわいそうなおじさんに優しくしているだけかもしれないさちの心を踏みにじるようにさちの書いた招待状を引きちぎる。

そこに「暴力の香り」を感じた春男は「それでも父親か・・・」と昔の恋人との間に娘まで作ったパン屋を少しうらやましく思いながら意見します。

しかし・・・パン屋の心こそがひきさかれていたのです。

「お前が父親なんだよ・・・口が裂けても言わないけどな。真理子さんに最後まで愛されしかもさちの父親である男が人殺しのヤクザだなんて神も仏もないじゃんか・・・」なのです。

とにかく・・・山の中の迷子になりやすい墓参り・・・やる気のないウインナー・・・涙の墓掃除・・・子供の日の惨劇・・・と淡々としつつもどこか微笑ましい日常の描写。

「さちの父親が自分であると春男」が認知しそうでしない一時間。しないのかよっでございます。

まあ・・・おじさん好き仲間の栞(吉高由里子)が出生の秘密に気がつき・・・真理子の妹・佳奈子(白石美帆)もパン屋の挙動不審から真相を知る・・・と人の口に戸はたてられない状況。

しかし・・・最後の最後まで春男はさちの誕生日の写真を発見できないのです。

だからよい子の皆さんは部屋はこまめに片付けてください。

関連するキッドのブログ『先週の火曜日のレビュー

木曜日に見る予定のテレビ『ゴーストフレンズ』(NHK総合)『釈由美子のLOVE GAME』(日本テレビ)『夜光の階段』(テレビ朝日)『戸田恵梨香のBOSS』(フジテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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2009年5月 5日 (火)

浴びるほど桑田の歌に負けた~(オダギリジョー)いいえ婚カツに勝った~(長澤まさみ)

・・・というわけで「ぼくの妹」のレビューです。・・・どんなわけかは聞かないでください。

「婚カツ!」は脚本家が戻り、安定しているが眠くなる展開。新登場の山口紗弥加(29)は金子杏里(35)という役である。これが「結婚を前提としたおつきあい」をスピーディーに求めるのだが・・・中居正広(36)が演じる雨宮邦之(34)が煮え切らない態度で応じ破局である。雨宮は「三ヶ月以内に結婚しないと仕事をクビになる」という事情があるので渡りに舟なのにである。理由は「相手が年上で急ぎすぎるから」だ。・・・もう一発撲りたくなるキャラ造形である。金子は釈由美子が演ずる村瀬とキャラがかぶっている。要するに条件絶対主義である。要するに「条件」をつけすぎて「自分の価値」が下がると相手が誰でも良くなるという話である。雨宮に片思いの飛騨(上戸彩)はアパレルという業種にこだわり、決まった正社員を蹴ってフリーターを選択。そんな愚かな女に誰がしたのか。まあ、今、そこにある危機に目をつぶり、遠くの未来を見据える。短期的な利益に目がくもり、長期的視野を欠く。この二つの違いを人はなかなかに理解せず、今日も明日も失っていくのだな。

桑田佳祐の音楽寅さん」(フジテレビ)では珠玉の空耳アビイ・ロードである。桑田佳祐言いたい放題です。その底力に脱帽。まあ・・・清志郎さんにせよ、桑田さんにせよ、おちょっくって政治を歌うのは所詮、ミュージシャンの戯言ですが・・・戯言以下の政治状況という考え方もあるわけです。まあ、「カム・トゥギャザー」で「公明党ブラザー」、「ビコーズ」で「民主党」とかやはりニヤニヤしちゃいますけどねーっ。このタイミングでこのオンエア・・・弔歌か弔歌なのですかーっ。

で、『ぼくの妹・第3話』(TBSテレビ090503PM9~)脚本・池畑俊策、演出・加藤新を見た。「ハゲタカ」の再放送に伴ってEUからの論客ジャック・アタリのインタビューがオンエアされているわけだが、その論理は「個人の自由」と「市場の原理」の信奉である。世界が進歩するためには資本主義経済が正しく、人類が幸福であるためには個人の自由を保障する民主主義が必要である。しかし、「自由」と「平等」は対立する概念であるから調整が必要なのは言うまでもない。それは「世界的なルール作り」が大切で、そのルール作りは経験豊富なEUさらに言えばフランスにおまかせくださいという姿勢なので眉にツバをつけて聞く必要があります。

このように言い分というものは誰にもあって・・・耳を傾ければそれなりに理解できる意味は含んでいる。しかし・・・絶対に譲れないラインというものがあり・・・それをお互いが張り合うのが競争というものだ。武力に訴えれば戦争である。

日本人は基本的に最後の手段を奪われて、全世界にすがりながら生きているだけに・・・絶対に譲れない一線があることを常に意識するべきだろう。賢く、相手の言葉に耳を傾けるものほど、オレオレ詐欺の餌食になるということをだ。

今、不幸な自分に酔う男・九鬼(千原ジュニア)に脅迫されて、怯えつつ盟(オダギリジョー)は人間にとってもっとも大切な言葉を念ずるのである。

「でも、あんたは間違ってる」

これです。これが大切です。

盟は身から出た錆で・・・大学病院の若き秀才外科医という恵まれたポジションを省みず、身元不明の怪しい女・桐原(ともさかりえ)と成り行きで一夜を共にしてしまい、「自由恋愛(無料)」より高いものはないということを身を持って知るわけです。

事後・・・たちまち申し込まれる借金三百万円、お金を借りた妹・颯(長澤)の妻子ある愛人・瀬川弁護士(田中哲司)の調査で・・・桐原の借金理由はまったくの虚偽と判明。

よせばいいのにノコノコと高いビルの屋上で待ち合わせ・・・やはり女に騙されていたと分ると興奮して逃亡・・・しかし女との一夜の思い出を忘れがたく・・・屋上に戻るとすでに女は謎の墜死を遂げていた。

えーっです。

しかも・・・その現場には妹の颯もいて・・・なんらかの事情を知っている九鬼登場です。

自称・桐原の婚約者です。

颯を呼び出してバッティングセンターで守備特訓プレーです。

その言い分は・・・「オレと桐原の兄は同郷のよしみで仲良しだった。オレたちはただの田舎者で都会じゃロクな仕事はない。そこで従事したのが下水道のメンテナンス作業だ・・・オレたちがいなくなれば・・・トイレだって洗濯だってみんな困る・・・だからオレたちは縁の下の力持ちだと誇りを持って仕事をしてきた。ところが上流で嵐が起こり下水道は氾濫、俺たちは汚濁流に飲み込まれ、生死を分けた。ところがオレが瀕死の桐原の兄を助けて下水道を脱出すると地面の上の奴らはのほほんとしてやがった。オレは地上人間と下水人間は違う生き物だと知ったのさ。桐原の兄は低酸素症で植物人間となり二年後に死んだ。妹に残ったのは看病のために使った借金300万円。見かねたオレはサラ金から300万円借りて肩代わりした。今度はオレが取り立てに追われる身さ・・・それを見かねた桐原はあんたから借金することを思いついた。オレは反対したよ・・・あの日も借金を止めるつもりで・・・桐原が殺された場所に行ったんだ・・・お涙頂戴ありがとう」

その話を聞かされた盟は「あんたの気持ちは分るけど・・・」とつい言ってしまいます。これは禁句です。相手の気持ちをいちいち理解していたら疲れちゃいますからーっ。

当然、「オレの気持ちがわかってたまるかー」とキレる九鬼。盟を下水道に監禁プレーです。九鬼は基本的にプレー好きです。

なんとか脱出した盟は・・・下水道で働く人々が地上の人たちを見る視線をまたもや理解した気分になるのですが・・・大切な言葉を思い出すのです。

「だけどあんたは間違ってる」・・・です。その後は「地上で暮らしている人々は陽の当たる場所にいるようだけどそれぞれの事情を抱えて・・・心に日陰があるかもしれないじゃないか・・・」と言うようなことを言いますが・・・それは建前で本音は・・・。

「一発、300万円は高すぎ・・・だろ」

ではないかと妄想します。これは前日「魔女裁判」でキャバクラ嬢(末永遥)が実はソープ嬢であった過去をばらされそうになって怯えるシーンが後を引いている可能性があります。その違いってなんだよ。だから目くそ鼻くそを笑うって言うだろう。だけどミソとクソを一緒にするなとも言うぜ。じゃ、あれかグラビアモデルとAV女優を一緒にするなってことかよ。おいおい、一緒じゃねえよ。だってオナペットはオナペットだろう。セックス処理産業はセックス処理産業じゃねえか・・・おい・・・ちょっと裏まで来いやぁぁぁぁぁ。

失礼しました。関係各者には謹んでお詫び申し上げます。

実は・・・早くに両親を失い・・・苦労したのは同じ江上兄妹・・・桐原兄妹の哀れな境遇には同情することこの上なかったのです。流れから言えば正直に話しても金貸したよね。そうすると盟と九鬼は義理の兄弟になったのか。いや・・・そりゃ義理じゃなくて穴・・・ちょっと地下まで来いやぁぁぁぁぁ。

失礼しました。ともかく・・・桐原の死にはまだ謎が残されている模様。

そしてそれには颯がからんでいる模様。

まだ・・・つまらないグダグダは続く模様です。

「臨場」の検視官チーム呼べば一発解決じゃないのかよ。

ともかく・・・事件の暗がりは櫻井のじいさん(大滝秀治)が一発解決してくれるといいですね。

「うちのホンカン」河西公吉ついに復活か・・・。

「まあ・・・落ち着いて・・・みんな・・・ちょっとした勘違いでな・・・面白い幸せをつまらない不幸にしてしまうものなんです・・・さ・・・まず・・・一服しましょうよ・・・桐原さんは・・・きっと先生の方を好きになってしまったんじゃ・・・だけどそれでは九鬼くんに申し訳ない・・・それであんなことをして・・・でもやはり・・・好きになった人に嫌われるのは辛くて・・・もう・・・仕方なかったんじゃろ・・・誰が悪いわけじゃない・・・すべては昭和枯れすすきの呪いです」

てな風に丸く収まる日曜劇場を心の底から希望します。

関連するキッドのブログ『第一話のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『アタシんちの男子』『白い春』(フジテレビ)『ザ・ライバル』(NHK総合)・・・また微妙なことを・・・。

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2009年5月 4日 (月)

絶対絶命の天地人(妻夫木聡)魚津城血に染めて(長澤まさみ)策士叱られる(小栗旬)

・・・というわけで「ぼくの妹」は月曜日にレビューする予定。どういうわけかは聞かないでください。

フジテレビ深夜では愛が芽生えたようなのだがAround40の年下の彼氏婚、しかもスタッフ×キャストである。花嫁さんものすごく美女ですけどね。そんなところでリアル婚カツかっ!・・・まあ、おめでとうございます。

さて・・・怒涛のごとく押し寄せる織田軍のものすごさは描かないが、景勝と兼続とお船のちょっとした恋のもやもやは描く・・・もう・・・この趣味の悪さは脱帽でございます。(賞賛しています)

で、『天地人・第18回』(NHK総合090503PM8~)原作・火坂雅志、脚本・小松江里子、演出・片岡敬司を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。あわせて魚津城攻防戦の秘密も充実しておられます。おおーっ・・・久しぶりに名場面ピックアップありですね。まあ、ここはスタッフの力量と言うよりは魚津城防衛武将たちのもののふ魂に敬意を表してなのでございましょうか。「信長の野望 烈風伝」魚津城攻め直前マップ付です。箱庭作りが楽しゅうございましたね。戦力差逆転の戦術として、主城を空にして敵将を釣りだし直撃という作戦は・・・要するに「桶狭間の合戦」ですが・・・すごく投機的な作戦です。もちろん、上杉謙信は実はこれが得意。しかし・・・信玄はほとんどその誘いに乗らなかったのは風林火山の如し。信長にいたってはそんな前線まで来ないというこの作戦を封じる手をもう獲得しています。「城を出て・・・敵を誘う」も何も・・・すでに圧倒的な大軍がひたひたと押し寄せてくるのに・・・この直江兼続は何を言ってるんだと唖然でございましたよ。まあ・・・なんか言わないと軍師っぽくないから・・・でございますよね。まあ・・・為す術がない場面の描き方としてはまあまあだったとキッドも考えます。どこが運命の三ヶ月なのか・・・全くわかりませんでしたけど~。

Tenchijin158202 で、天正十年(1582年)三月中旬。天目山で武田勝頼が自害して果てた頃・・・時を同じくして織田勢による越中魚津城攻めが始まった。武田攻めと機をあわせて開始された織田軍の越中攻略戦も最後の仕上げに入っている。上杉方の武将たちは新領土となった越中に固執し、果敢な抵抗を試みたが圧倒的な戦力差に押され越中の諸城は次々と降伏していった。能登・加賀・越中の国境に近い木舟城では吉江宗信が敵中に孤立したりしている。意地汚く領土に固執したために引き際を失ったのである。吉江を救出するために越中の上杉勢は少ない兵をさらに減じてしまう始末だった。北国方面司令官・柴田勝家は上杉勢の退路を作り、敵を魚津城に追い込んだ上で・・・秀吉が得意とする包囲攻城戦を仕掛けたのである。勝家の与力武将である能登目付け・前田利家の提案によるものだった。前田利家は放浪時代に秀吉とパイプを作っている。その伝で秀吉の作戦を研究し、実戦にむけて北国攻略を立案したのである。

柴田勝家は内心に不安を抱えていた。昨年、織田家宿老の一人、林美作守が追放の憂き目にあっている。その罪状は信長家督相続の際に「信長弟・信行を支持したこと」である。勝家はその一味であった。本願寺降伏後、やはり追放された宿老・佐久間信盛の罪状は「手柄がないこと」だった。その時、勝家は反証として「越前一国を治め、さらに加賀一国を得たこと」を「手柄」として信長に褒められている。しかし、能登・越中攻めに手こずり、武田殲滅を為した滝川一益に遅れをとったことは否めない。信長がそれを「手柄」とし・・・勝家を「手柄なきもの」と感じる恐れは充分にあった。そうなれば「手柄なきもの」で「信行支持」という二つの罪が勝家の肩にのしかかるのである。

勝家はぬかりなく・・・越中を攻略し・・・越後入りを間に合わせねばならない。

勝家は必死だった。すでに加賀には与力武将として佐久間盛政が配置されている。盛政は血縁であるが勝家の与力(客将)であり、同時に目付け(監視役)なのである。能登の前田利家も、越中の先陣となっている佐々成政も与力であり目付けなのだ。勝家は能登の国人である長連龍、越中の国人である神保長住を調略の頭としつつ、確実で迅速な侵略をなし遂げなければならない。

そのために加賀大聖寺の兵器蔵では軍門に降った門徒学僧を動員して新兵器の大筒の開発を行っている。同時に越中の各所に篭る上杉勢は叛徒となった門徒衆ともども丹念に殲滅していくのである。

そして・・・ようやく・・・勝家本軍と佐久間・前田・佐々の与力衆による魚津城攻めが始まった頃・・・主将・織田信忠を補佐する軍監・滝川一益は武田を滅ぼしていたのだ。

勝家の心にあせりが生ずる・・・「遅れた・・・」という思いである。しかし・・・「急いてはことを仕損じる」という言葉を勝家は心に念じた。鼠を檻に追い込んだ以上・・・仕上げは確実にしなければならない。「窮鼠猫を噛む」の愚は犯してはならないのだ。

「そして・・・」と勝家は歴戦の将として欲も出す。「上杉景勝を釣りだすことが出来れば・・・越後攻めの一番手柄を得ることもある」・・・勝家は不安を打ち消し、最も理想の形を心に生じせしめようとした。

四月、上杉勢の中から能登の国人衆である長景連が能登に海路攻め入る。勝家はすでにそれを予見していた前田利家を褒めつつ、能登留守居の長連龍に撃退を命ずる。越中はほぼ制圧し・・・上杉勢は魚津城とその支城である松倉城に篭城するばかりである。勝家は包囲による兵糧攻めをしつつ・・・景勝が援軍に出れば討ち取る手筈を整えていた。

その頃、旧・武田領では信長の仕置きによる配置が終っていた。信濃は信長の腹心であり、対浅井・朝倉戦で討ち死にした森可成の惣領・森長可に与えた。森一族は無論、忍者である。甲斐は信秀以来の普代衆・河尻秀隆に与え、そして最前線である上野を甲賀忍者を父に持ち、伊勢志摩・海賊を母に持つ成り上りの忍者・滝川一益に与える。信長は左右対称性を好む癖がある。西に秀吉、東に一益という成り上り者の両翼配置に・・・ご満悦だった。

一益はそういう信長の奇癖をうっそりと思い出しながら・・・居城とする上野厩橋城で対面する沼田城主・真田昌幸の到着を待っていた。やがて・・・小姓が真田の到着を知らせる。一益は対面の場を利根川を見下ろす庭にある庵と決めた。

一益はすでに57才である。昌幸は未だ35才であった。

一益は庵で主人として昌幸を茶でもてなすと決めた。

昌幸は恐れることもなく・・・供を置いて庵に入った。

一益は秘蔵の茶道具を昌幸に馳走する。

武田信玄の配下の中で信長が名指しで一益の与力とした昌幸である。一益はそこに幾分かの秘事を感じている。

その気配を察したように・・・昌幸が言葉を発した。

「此度・・・沼田の城を安堵くだされ・・・織田右大臣様の温情ありがたきことでございます・・・。また・・・滝川左近殿の与力仰せ付けられましたこと・・・真田昌幸・・・一命をかけて御仕えする所存でござりまする・・・」

一益は笑みを浮かべた。

「ふふふ・・・そのように堅苦しいことはよかろうず・・・」一益はすでに昌幸の立ち振る舞いから並々ならぬ力量を感じ取っていた。察相は一益の得意とするところである。「噂によると昌幸殿はたいそう美しい小鬼を飼っておられるとか・・・」

「これはしたり・・・信濃は山深き土地なれど・・・さすがに鬼を見たことはございませぬ・・・ましてそれを飼うなど・・・御戯れを・・・」昌幸は顔色を変えず応じる。

「そうか・・・かって飛び加藤と申す名人が・・・信玄・謙信両君を影殺しにかけ・・・その身ほろぶ前に育てた小鬼と聞き及ぶぞ・・・」一益は笑顔を絶やさず水をむける。

「そのような恐ろしき・・・小鬼あれば・・・なんで主君をむざと討たせましょうか・・・」

昌幸は淡々と応じるばかりである。一益はようやく遊びを終えた童のような顔を作った。

「さても・・・盛者必衰はこの世の習い・・・一族の長ともなれば・・・主換えも義なることであろうず。古より名のある滋野忍び、真田党の力・・・この一益、頼りにさせていただこう・・・沼田領主・・・真田源五郎昌幸殿・・・越後・荒戸城攻めの先陣申しつける・・・これより城に戻り戦仕度なされませい・・・」

真田昌幸は平伏した。昌幸は入室して以来一度も隙を見せぬ、一益の忍者ぶりに舌を巻いていた。その威は亡き信玄にも劣らぬものだった。

(このお方を手足のごとく使う信長とは・・・おそろしきものはまだ世にあるものよな)

昌幸と従者は城内で一晩のもてなしを受け・・・翌日・・・陣ぶれを待つ居城に戻っていった。信濃・上野の真田忍びの総力を結集し・・・越後攻めにあたる覚悟はすでにできていた。そのためのものみ(偵察)の忍びがすでに越後領内に入っている。時を待たずして上野国主・滝川一益の先鋒として与力筆頭・真田昌幸は対上杉戦に突入するのである。

五月・・・すでに東海の富士見物を終えた信長は安土に戻り・・・それを追う様に駿河一国拝領を礼するために家康も安土へ向かう。

そして・・・琵琶湖の畔では明智光秀が五月雨の落ちる音に耳を傾けていた。

関連するキッドのブログ『第17話のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『アタシんちの男子』『白い春』(フジテレビ)

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2009年5月 3日 (日)

どうしたんだい、ヘヘイベイベ~、紺野まひるから真矢みきまで(大橋のぞみ)ママはやっぱり宝塚(佐藤江梨子)

「白い春」で紺野まひる(82期)、「ザ・クイズショウ」では真矢みき(67期)の娘役を演じる大橋のぞみ。旬なキャスティングではあるが・・・演技力が只者ではない感じだ。

木曜日もかなり来ているが土曜日ももうダメだ~という感じの流れである。

「輝トラマン」・・・いや「ゴッドハンド輝」は脚本家に飯田譲治を迎えて・・・もう突き抜けた感じになっているし・・・胎児が院長(渡部篤郎)と握手である・・・ETかっ。

もう少しドラマの内容を知りたいあなたはコチラへ→エリお嬢様のゴッドハンド輝

「ザ・クイズショウ」では真矢みきがむかつきながら暴走。あややはなんかスケバン刑事モードで人相悪しである。前田健とかはるな愛とか責任とってくれよだな。あややが松田聖子になれなかったのはスキャンダルもあるが・・・楽曲をユーミンに頼まなかったのと二人にエッセンスを吸引されてしまったからだよな。

裏ではもうパンパンでいいやの鈴木杏が「中国残留孤児もの」を微妙なトーンで演じていて、さらには探偵(藤谷美紀)、犯人(遠藤久美子)、仲をとりもつお嬢様(前田愛)という豪華なトリオで「山村美沙サスペンス・京都お茶会殺人事件」である。藤谷の母役・中野良子でもちろん、山村紅葉も出ています。

そして休む間もなく「魔女裁判」である。台本はのっぺりで画面構成・音声はやたらと技巧的というものすごく違和感のある作品てある。ついに変なTシャツプレゼントを始めました。福原愛が微妙な世界卓球で変則のテレビ東京は時間変更で「真マジンガー」ブレストファイヤーでグロイザーX10である。さらには「イケ麺そば屋探偵」はゲスト・佐藤江梨子でゾンビ多数出現だ・・・なんのこっちゃーっ。

「ERⅫ」があってよかったよ。とにかく・・・なごむよ。

で、『ザ・クイズショウ・第3回』(日本テレビ090502PM9~)脚本・及川拓郎、演出・佐久間紀佳を見た。まあ・・・このドラマの最大の問題点は・・・すでに・・・二人も過去の秘密を暴かれて社会的にもすごいことになっているはずなのに・・・詐欺師の黒幕である宮本(成宮寛貴)がわざわざ神山(櫻井翔)の餌食になるためにのこのことスタジオにやってくるのか・・・という点である。これは人を食い物にするような頭のいい人はテレビなんか見ないはずだという自虐ネタなのですかーっ。

まあ・・・「人を騙していい気になってる奴」は「自分が騙されるとは疑わない」という考え方もあります。

どちらにしろ・・・その辺をシナリオに組み込むと理屈っぽくなるのでしないだけなのかもしれません。

ついでに横軸のストーリーで神山の「あの日」に解答者たちがみんなかかわっているのもあまりにも偶然が過ぎるような気もします。

しかし・・・とにかく・・・今回はプロデューサー(真矢)がディレクター(横山裕)にいいように操られ奮闘したことが一番、好印象でしたーっ。

とにかく・・・世の中は結局悪人ばかりだ・・・という姿勢は漂ってます。

つまり後ろ指をさす資格のある人間なんていないだろうという無法の論理ですな。

BOSSに続いて犯人の奴隷の正体を知りたいあなたはコチラへ→まこ様のクイズショウ

世界は悪人中心・・・その姿勢を強くしたのが『魔女裁判・第2回』(フジテレビ090502PM1110~)脚本・前川洋一、演出・加藤裕将である。罪を裁く裁判官のほとんどが後ろ暗い私生活を送り、悪い工作員にいいようにコントロールされるという展開である。まあ、被告(石田ゆり子)が「私、魔女だから」とか言い出して「周りを不幸にする女」で「あなたと似ている」と第一ヒロイン(比嘉愛未)に言い出したり、キャバクラ嬢(末永遥)の絶対暴かれたくない過去がソープ嬢だったことだったり、第二ヒロイン(加藤あい)の娘の手を引いてるのが夫の母(祖母)であることは間違いないのに恐怖心をあおったり・・・もうグダグダです。

なんか・・・糸の切れたタコみたいな感じ・・・主人公(生田斗真)も作品に恵まれないなぁ。

話の流れを整理しておきたいあなたはコチラへ→お気楽様の魔女裁判

まあ・・・そんなこんなの土曜日なのでありました!

まあ・・・すべてのドラマが途中経過すぎて・・・唖然ということです。

しかし、サトエリ・ファンは来週の『イケ麺そば屋探偵・ゾンビ祭り後編』はお見逃しなくっ。・・・とにかく、早くあのドラマが始まってくれないと身が持ちません。泣く子も黙る一本化がしたいのです。

関連するキッドのブログ『先週の土曜日のレビュー

月曜日に見る予定のテレビ『ハンチョウ~神南署安積班』(TBSテレビ)『婚カツ』(フジテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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2009年5月 2日 (土)

食中毒のお見舞いには何がいい?(松本潤)・・・スマイル?・・・(新垣結衣)

「アイシテル」の挿入歌で歌声を・・・「スマイル」で表情を・・・サービスしている新垣結衣なのだが・・・それ以外の部分では思わせぶりの作劇だけがちょっと困った感じになっているドラマである。

「あのとき・・・ああしなければよかった」とか・・・「世の中にはどうしようもないことがある」とか・・・愚痴ばかり語り続けるドラマって・・・フラストレーションたまるよね。

なんとなく、「これだけの不幸を用意しましたから甘んじて不幸を受け入れなさい」という神の声を感じる。

まあ、そういうこの世の不条理性を追求していくのも一つの手ではある。

「歌姫」では記憶喪失者の二つの愛(記憶)による三角関係という古典を・・・延々と連続ドラマ化して失笑だったこの脚本家は・・・今度は二つの祖国を持つもののデラシネの愛を主題にしているらしいのだが・・・はやくもウンザリしてきました。

で、『スマイル・第3回』(TBSテレビ090501PM10~)脚本・宅間孝行、演出・石井康晴を見た。昔・・・ブタの王国に一匹の美しいブタ姫がいました。しかし、美しさをねたまれたブタ姫は仲間はずれにされ・・・一人で泣いていました。そこへ通りかかった旅のビト(松本)は泣いているブタ姫に優しく笑いかけてくれたのです。ブタ姫は一目で旅人に恋をしてしまったのです。そこでブタ姫は魔法使いのブタに尋ねました。「私、ガッキーみたいな美少女になって・・・あの人に恩返ししたいの・・・」すると魔法使いは「人間には変身できるけど言葉はしゃべれないよ・・・ブタだもの」・・・もちろん・・・ブタ姫はあの人に会えるなら「言葉なんかいらない」と思ったのです。

こうして・・・とある町角で・・・ビトと花(新垣)は再会したのです。

まあ・・・「鶴の恩返し」と「人魚姫」のミックスですね。

一方、主人公はネグレクトされた混血児・・・日本語しかできないのに日本語もたどたどしいという哀れな存在です。

しかし・・・笑顔だけはとびっきり・・・ブタ姫の花としてはもうそれで充分なのです。

この世界では善人組と悪人組がはっきりと分かれていて、善人組は警察関係者に多く、悪人組は前科者とか執行猶予のついているものが多いという・・・ある意味、逆転した世界。当然、世界はほぼ悪人で構成されています。

「普通ではない人々」にとって「普通であること」は即ち「悪」だからです。

ビトはこの世のスケープゴートです。

なにか・・・良からぬことがあると・・・その罪を背負う宿命にあるのです。

不良同士が抗争すればよからぬリーダーはビトということになるし、麻薬がはびこれば運び屋はビト。そして食中毒が発生すれば大量殺戮テロリストとして指名手配なのです。

しかし・・・ブタ姫の花はそんなビトを守ります。「お鶴」や「人魚姫」がその後、どうなったか・・・言うまでもないことですが・・・この脚本家はそんなことでお茶の間が引っ張れると本当に信じているのでしょうか。

とにかく、役者としての小池栄子を高く評価しているのは間違いありません。

キッドもその点は異論がないのですが・・・お茶の間がそれについてくるかどうかはまったく疑問です。テレビ版「嫌われ松子の一生」とか「歌姫」とか・・・前例がありますから。

まあ・・・歌姫とブタ姫は似ているし、豚インフルエンザとのシンクロなんかは見事ですが・・・厄災だよね。それは厄災。弱毒性が強毒性に突然変異したら笑い事じゃすまないけどね。

ガッキーの天使のジェスチャーを確認したいあなたはコチラへ→お気楽様のスマイル

関連するキッドのブログ『第2回のレビュー

で、『コンカツ・リカツ・第5話』(NHK総合090501PM10~)原案・山田昌弘(他)、脚本・仲村みなみ、演出・岡田寧を見た。どちらかといえば、朝のテレビ小説というか、お昼のメロドラマから毒を抜いたような展開のドラマなのだが・・・同じテーマの『婚カツ!』のぬるま湯のような展開や・・・裏番組の『スマイル』のわざとらしさにもほどがある展開よりも・・・淡々と人の心が伝わってくるドラマである。

主人公たちはAround40の世代で・・・どちらかと言えばAround30の「婚カツ!」よりも瀬戸際な感じがまた味わいがある。

もちろん・・・行き遅れたヒロインが七海(桜井幸子)なので・・・もてもての展開もあり・・・それはそれで特別な例でしかないという弱点もあるのだが・・・まあ・・・ドラマだから。

今回は現実を見据えることのできない梨香子(清水美沙)が離婚調停中の夫と愛人の浮気現場を目撃さらに愛人の妊娠を知り・・・ついに目の前が真っ暗になるのである。

その頃・・・梨香子の息子は七海と遊園地に遊びに行き一枚の絵を描く。

そこには現場にいない・・・両親の姿が描かれていて・・・梨香子母子の面倒を見ている七海の母(松坂慶子)は涙なのである。

世の中には「夫婦は他人の始まり」などという言い回しがあるわけだが・・・キッドは「子は鎹(かすがい)」という言い回しにも祈りに似た気持ちを感じるのである。

世の中には子宝に恵まれない夫婦もいるし、パートナーも得られない人がいる。

それなのに・・・パパ・子供・ママと三人で手をつなぎ子供がクルッと一回転できる幸せを噛みしめない人々がいるということである。なんという・・・傲慢さであろうか。なんという果てしないもの欲望であろうか。

まあ、あえて、つながることに幸せを感じないタイプについては論外にしておきます。

直感的に・・・父親と子供は血縁で、母親と子供は血縁だけれど夫婦は血縁ではないと誰もが思いがちである。

しかし・・・父親と子供が血のつながりを持ち、子供が母親と血のつながりを持つ以上、父親と母親・・・つまり夫婦は子供を通じて血がつながっているのである。

この論理を多くの人たちは胸に馴染ませるべきだとキッドは考える。

父親が子供と手をつなぎ・・・母親が子供と手をつなぐとき・・・父親と母親はつながっていませんか?

そういう幸せが・・・得られる幸せを夕陽の彼方に感じられる人の幸ということです。

まあ・・・人間って奴は愚かにもその幸せをぶち壊しますけどね。時々。

建材と建材を接合するための建材・・・鎹・・・を子供に例えるなんて大工さんかっというツッコミはさておき・・・ドラマ「アイシテル~海容~」のバックボーンがここにあると思いました。

で、『芸術劇場・劇場中継・イキウメ短編集』(NHK教育090501PM1030~)作・演出・前川知大を見た。多くの知人・友人から観劇の招待が舞い込む・・・かってはスケジュールをひねり出すのに苦労しつつ、劇場に足を運んだのだが・・・最近はいつでもいけるのにいかない。もちろん・・・億劫だからである。心は不義理の抑圧で不安になるのだがそれよりもものぐさ根性が勝利するのである。

「書を捨てよ町へ出よう」という寺山修司の呪文はもう効かないのである。

しかし・・・芸術劇場は時の流れを越えて存在するのであった。それはつかこうへいの「オヤジ金玉痛快丸かじり」を耳にした時以来・・・とにかくのぞきたくなる番組である。

残念なのは公演をリクエストできないことである。だから・・・好みの舞台にめぐりあうまで辛抱しなければならない。

チラッと見て・・・気に入らなければゲームでもすればいい。すると半年に一度くらい・・・最後まで席を立てないものと遭遇する。

イキウメは前川知大の主催する劇団である。前川は第53回岸田戯曲賞の候補になっている。惜しくも受賞は逃している。候補作は『表と裏と、その向こう』だった。

今回のオンエアは「NHKシアターコレクション'09イキウメ短編集」と題された作品でNHKふれあいホールで2009年1月に上演された。

基本的に「不思議な味わい」のショート・コントの連作と言えるだろう。

筋立てそのものがアイディアに満ちているので詳細を書くのは憚れるのだが・・・たとえば「飛び降り自殺しようとする女と二人の男」というありふれた題材をとりあげても・・・二人の男が人間ではないことから始まり・・・天使とも悪魔とも思える二人と自殺志願者のやりとりがオチまで飽きることなく展開されていく。最後は女が殺していた男が復活し、女は消息不明というシュールな展開だが妙な説得力があるのである。

さらには「輪廻転生を検証する機械を発明したホームレス」が弥勒菩薩に会いに行ったりするのである。ちょっと楽しくなってくるのだな。

もうひとつ印象に残ったのは「隕石を拾うことを趣味とするニートと地球侵略の行方」というコントである。

四国の山の中に落下した隕石。その隕石を拾った若者。しかし、その隕石を目にすると人間は我を忘れ幸福感にひたり死ぬまで動けなくなるのだ。

他人に視線をはずしてもらうとなんとか誘惑から逃れることができるのだが・・・つい見てしまうのであった。

やがて・・・すべての人々が隕石を見てしまう計画という恐るべき侵略の手口が明らかになっていくのである。

それが主人公とその姉、そして主人公の年上な友人というほぼ三人の会話で明らかになっていく。絶妙である。

侵略ネタコレクターとしてはコレクションに加えておきたい一品でございました。

まあ・・・芝居とドラマは似て非なるものなのだな。そのあたりのことを「スマイル」のスタッフたちはもう少し研究してもらいたいよ。

日曜日に見る予定のテレビ『天地人』(NHK総合)『ぼくの妹』(TBSテレビ)

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皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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2009年5月 1日 (金)

木曜日は悪女祭りかっ(戸田恵梨香)被害者が犯人ならモー子(酒井若菜)ロックオン(釈由美子)

道夫(藤木直人)に殺されたトモ子(原幹恵)・・・いつになったらセリフもらえるんだよっ。

悪女にもいろいろあるわけだが・・・ただの悪い女から・・・運が悪い女、頭が悪い女、悪い男にひっかかる女、悪女になれない女・・・すべての悪女が木曜日に集う模様。

その中で今回、凶悪なのはゆかり(酒井)でいいよね。まあ、ラブゲームの仕掛け人(釈)も冷酷な悪女ではありますがーっ。

で、『ゴーストフレンズ・第5回』(NHK総合090430PM8~)脚本・増本庄一郎、演出・笠原友愛を見た。見た目悪女なのは・・・ゴーストの美空(入山法子)である。一度昇天したのに地上に舞い戻り、生者に憑依して悪戯を重ねる。美空を天界のような場所へ連れ戻すためにゾンビになって出張している恋人カイト(西島隆弘)の説得にも耳を貸さない。

しかし・・・主人公・明日香(福田沙紀)も危険な女と言えば危険である。なにしろ・・・すべての事情を知りながら・・・カイトに恋をしているのである。つまり・・・人の道を大きく外れているのだ。「好きになってはいけない人を好きになってしまう」・・・これは悪女の第一条件なので軽くクリアしているのである。

このオリジナル企画者は明らかに変態であると思われ、困ったことである。

もしも、女性なら変態で困った女でこれも悪女だと言える。

一方、今回も脚本家は男性。ウジウジした男は死なないと治らないらしい。

とにかく・・・ゴーストの恋人がいるゾンビを好きになった女子高校生に感情移入できる人はちょっと病んでいる可能性があります。病んでいる女も悪女と言えるだろう。具合の悪い女なのだから。

明日香・・・落ち着いて考えてくれ・・・ゾンビと結ばれて幸せになれるかな・・・そもそも冷たい体は結ばれる機能持っているのか?・・・結ばれるためには熱い血潮がね・・・。

で、『夜光の階段・第2回』(テレビ朝日090430PM9~)原作・松本清張、脚本・竹山洋、演出・藤田明二を見た。とりあえず、大活躍するのがエロ婆ともいうべき、雅子(室井滋)である。車でホテルで屋外で道夫にのしかかりまくります。熱演なのだが・・・ゴールデンのお茶の間にお出しするにはお下劣すぎると言っても過言ではない。なんだ・・・サービスのつもりなのか・・・とにかく・・・夫に内緒でお金によって若い男をコントロールしようとする有閑マダムは悪い女に間違いない。

その有閑マダムと張り合って・・・芸能界へのコネを利用して道夫にいい目を見させようとする愛人・幸子(木村佳乃)。マダムを適当にあしらって学歴のない道夫を時々見下しながら・・・その甘いマスクに結局入れあげていく。つまり、賢そうで馬鹿な女なのである。それは場合によってかなり悪い女になる可能性があります。

幸子の親友を名乗りながら・・・目的を明かさぬままに・・・道夫にモーションをかけるフジ子(夏川結衣)・・・。ついに今回は盗聴器を仕掛けました。まあ・・・なんて言うか・・・盗聴する女は悪い女でございます。

まあ・・・とにかく・・・登場する女、登場する女がなんか全員、ガラが悪いです。これはもう脚本家が悪趣味なのか・・・サービスの方向を間違っているか・・・どちらかです。

とにかく・・・このドラマで描かれるフジッキーを愛してしまうのは基本的に身持ちの悪い女だろうと予想されます。・・・いつまで続けるんだ。

「悪魔だって人を愛したい」って言われてもな・・・。

で、『BOSS・第3回』(フジテレビ090430PM10~)脚本・林宏司、演出・石井祐介を見た。毎回、爆破があるのかと思ったが・・・今回はなかったのだな。最後にモー子じゃなくて真犯人のゆかりが化粧を始めたときには哄笑しながら自爆するのかと思ったのに。

あまり、お茶の間向けとはいえない婦女暴行事件ネタをクールに処理である。

実際にはこの手の事件は不能の変態を除き、現場には夥しい体毛、体液、皮質など大量の遺留品が発生するのであり・・・DNA鑑定で犯人が別人なのはすぐに発覚するわけである。

自分の栄達のために他の女を辱める女。これはもう魔女レベルの悪女と言えるだろう。

そして・・・そんな凶悪な犯罪者を追い詰める女刑事長は・・・悪を懲らしめる女・・・略して悪女である。一目会った時から自演を疑うボス絵里子(天海祐希)・・・しかも姿勢がキビキビしています。同じ、超女刑事・沙粧妙子といつか対決してもらいたいほどです。

そして・・・若い子を見るときはつつしみがなく・・・薔薇百本では落ちない変な監察医・玲子(吉瀬美智子)・・・最近、悪女役を演じるわけですが・・・なんとなく人の良さが漂う悪女である。

そんな熟女に見下ろされ・・・基本的に半開きの口で勝負の地味目のヒロイン(戸田)である。しかし、指はくわえるはアクビはするは・・・で・・・もう妄想が大変ことになっています。悪い娘だっていうか・・・悪戯な美少女かよっ。

さて・・・さりげなく・・・第二の被害者はミチコマンじゃなくて直美(中村ゆり)である。「トライアングル」では思わせぶりな女教師役だったわけだが・・・ここでは軽く片桐刑事(玉山鉄二)を誘惑である。いつまでたっても地味な悪女か・・・。

ちなみに第一の被害者は美和(川村亜紀)である。かってのビジュアルクイーンが悪の生贄の女となっていたのだった。

この被害者のムダに豪華なところがボスなんだな。

まあ・・・山村刑事(温水洋一)にとってはすべての女は悪女であるらしい。

Hcinhawaii0544 ごっこガーデン。魅惑の午後の刑事部屋。お気楽吉瀬さん、もう少しサービスしてくれてもいいのになぁ。ゆかりが金田を奴隷として支配している感じが説明不足だよね。一応説明しとくと毛根はあるのね。自分の場合、あくまでヘアスタイルですからまこいやぁ~ん。何役するか迷ってたら出遅れて姉ちゃんたちに両サイドがっつり取られてる~!・・・じいや、竹様ロイド二号機出してくだしゃ~いアンナ同情するなら毛根をくれ~~~~・・・ツボに入ったぴょん、ブハハハ~ぴょんぴょ~んエリ監察医メイクを研究していたら遅刻でスーっ。チークは控え目で・・・女子高生のピチピチお肌で勝負ですyon!」ikasama4笑う片桐・・・完全に口説きモードですな。羽毛より軽い上司が上司ですからね。後半のセリフ回しは結構味わい深いですな・・・それぞれのコンビネーションも理にかなってます・・・ここがかなり楽しみになってきましたくう半分で一回解決して・・・さらに真相へ・・・部下たちも隠されていた実力を発揮し始めて・・・プロの匂いがしてきましたね。みんなカッコいいっすーっ。ん・・・ボスはデートと見せかけて潜入捜査なの?」みのむし制服モードにチェンジしてたら遅刻しましたーっあんぱんち「ライブにおでかけ体勢なので遅刻なのよ~シャブリつばさが激動しているので遅刻なのでありました~

で、『LOVE GAME・第2回』(日本テレビ090430PM1158~)原作・安達元一、脚本・村上直美、演出・岡本浩一を見た。基本的に『スカイハイ』なのである。特に謎のマスター黒宮様と釈が愛について語るところなんかはそのまんまだ。もちろん、そこがいいのである。ちなみに「スカイハイ」の門の主の声は中村育二であるのだが、黒宮は誰でしょう?

さて・・・今回のお題は「一週間で結婚できたら1億円」である。プレイヤーはOLの幸恵(井上和香)・・・。男をランク付けして複数交際中の悪女である。しかし・・・原因となったのは処女を奉げた男に裏切られた失恋である。ま、とにかくジョーカーを含めてトランプの53枚分の男と交際中なのは・・・いくらなんでも身がもたないだろう悪女である。

まあ・・・GAMEOVER後の釈由美子と井上和香のすれ違い。

ナイスボディーの悪女の交情で・・・名場面でした。悪女版「さらば友よ」って感じ?

話がコンパクトでムダがなく・・・ここまで予想以上の良いコンテンツになってます。

関連するキッドのブログ『先週の木曜日のレビュー

土曜日に見る予定のテレビ『ゴッドハンド輝』(TBSテレビ)『比嘉愛未の魔女裁判』(フジテレビ)『ザ・クイズショウ』『イケ麺そば屋探偵』(日本テレビ)『鈴木杏の遥かなる絆』『ERⅩⅡ』(NHK総合)出揃ったか・・・。

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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